説明

炭素材料の酸化消耗性試験装置及び試験方法

【課題】
試験結果の安定性が高く、且つ短時間での評価が可能である炭素材料の酸化消耗性試験装置及び酸化消耗性試験方法を提供することを目的としている。
【解決手段】
貫通穴8が形成されたヒーター2と、上記貫通穴8を挿通し、上記ヒーター2からの熱によって加熱される気密性チューブ1と、流量を制御しつつ上記気密性チューブ1内に気体を供給する気体供給装置5とを有し、上記気密性チューブ1の一端には上記気体供給装置5と連結された気体供給口3が設けられる一方、上記気密性チューブ1の他端には気体排出口4が設けられ、且つ、上記気密性チューブ1における上記貫通穴8を挿通する領域のうち、気体供給口側の不均熱領域9aと気体排出口側の不均熱領域9bとを除く均熱領域7には、試験用の試料62や標準試料63が載置された試料載置部6が配置可能となっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素材料の高温時における酸化消耗性について評価するための試験装置及び試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素材料は、例えば半導体製造用炉内部材、金属連続鋳造用ダイス、軸受、パッキンなど、様々な分野で部材、部品として用いられるが、酸素と接触することで酸化され、重量減少が起こることが知られている。特に、400℃を超える高温になると酸化消耗の度合が大きくなることから、部材、部品として用いる際には材質による消耗度合を予め正確に把握し、取り替え時期の予測等を把握しておくことが不可欠である。
【0003】
その消耗度合を測定する方法として、現状ASTM規格の、C1179に酸化消耗の評価試験が開示されている(下記非特許文献1参照)。この試験方法は、マッフル炉を用いて371〜677℃の内任意の温度を設定し、加熱した炉の中に予め重量測定した試料を100時間静置し、100時間経過後に急いでデシケータに移動させ、少なくとも30分冷却した後に重量測定して試験前の重量と比較することで重量減少の度合いを確認し、酸化消耗性の評価を行うというものである。尚、下限温度が377℃と比較的高温に設定されているのは、この温度以下で炭素材料の酸化消耗はほとんど問題となるレベルに無いためである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ASTM Designation:C1179-91(Reapproved 2010)“Standard Test Method for Oxidation Mass Loss of Manufactured Carbon and Graphite Material in Air”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に示されているような従来の酸化消耗試験方法では、マッフル炉内の試料周辺の酸素が消費された後は酸化消耗が進まなくなり、また、試料周辺における空気の流れにより酸化消耗が著しく変化する恐れがあり、試験結果にバラツキが大きく安定性に欠ける。更に、100時間もの試験時間が必要となるため、評価結果を得るまでに長時間を要するものであった。
【0006】
本発明は、試験結果の安定性が高く、且つ短時間での評価が可能である炭素材料の酸化消耗性試験装置及び酸化消耗性試験方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る炭素材料の酸化消耗性試験装置は、貫通穴が形成されたヒーターと、上記貫通穴を挿通し、上記ヒーターからの熱によって加熱される気密性チューブと、流量を制御しつつ上記気密性チューブ内に気体を供給する気体供給手段とを有し、上記気密性チューブの一端には上記気体供給手段と連結された気体供給口が設けられる一方、上記気密性チューブの他端には気体排出口が設けられ、且つ、上記気密性チューブにおける上記貫通穴を挿通する領域のうち、気体供給口側の不均熱領域と気体排出口側の不均熱領域とを除く均熱領域には試料載置部が配置可能となっていることを特徴とする。
【0008】
上記構成であれば、気体として空気を用いた際、気体供給手段から気体供給口を通じて導入された空気により、気密性チューブ内に連続的に空気を供給することが可能となる一方、炭素材料の酸化消耗により酸素が消費された空気は気体排出口から排出される。したがって、新たな酸素が円滑に供給されるので、試料周辺の酸素が消費された後に酸化消耗が進まなくなる、といった不都合が発生するのを抑制できる。また、装置内の空気の流れを一定量に制御すれば、試料に供給される空気の量も一定となるので、試料の酸化消耗が安定化し、安定した試験結果を得ることができる。更に、連続的に空気を供給すれば、従来技術に比べて、試料の酸化消耗が促進されるので、短時間での評価を行うことも可能となる。
【0009】
上記ヒーターは円柱状を成し、このヒーターの中央部における軸方向に上記貫通穴が形成されていることが望ましい。
このような形状であれば、気密性チューブの全ての部位に略同量の熱を供給することができるので、均熱領域における温度を、より安定化させることができる。
【0010】
また、本発明に係る炭素材料の酸化消耗性試験方法は、気密性チューブと、この気密性チューブを加熱するヒーターとにより、気密性チューブ内に均熱領域を形成し、該均熱領域に試験用の試料を静置すると共に、上記ヒーターによる熱によって上記均熱領域が試験温度に達した後、流量を制御しつつ気密性チューブ内に空気を連続的に供給することを特徴とする。
【0011】
上記方法であれば、気密性チューブ内(密閉された空間内)の均熱領域に試験用の試料を静置することにより、一定の試験温度での酸化消耗試験を実施することができる。また、流量を制御しつつ気密性チューブ内に空気を連続的に供給することで、試験用の試料が安定して酸化消耗するので、試験用の試料の酸化消耗が安定化すると共に、試験用の試料の酸化消耗が促進されるので、短時間で評価を行うことができる。
【0012】
上記均熱領域が試験温度に達する前には、流量を制御しつつ上記気密性チューブ内に不活性ガスを連続的に供給することが望ましい。
温度が上昇している段階での酸化消耗を防止することによって、試験の信頼性を向上させるためである。
【0013】
上記均熱領域には、試験用の試料の他に標準試料が静置されていることが望ましい。
均熱領域に試験用の試料の他に標準試料が静置されていれば、信頼性の高い標準試料の酸化消耗評価により、実施された試験条件が適切であったかの評価を同時に行うことができるからである。
【0014】
上記均熱領域の温度を700℃以上の温度に上昇させることができることが望ましい。
均熱領域の温度を700℃以上の温度に上昇させることができれば、酸化消耗度合の小さい高純度品やコーティング品において、酸化消耗度合を高めて、適切な比較評価を行うことができるからである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る炭素材料の酸化消耗性試験装置によれば、気体として空気を用いた際、気体供給手段から気体供給口を通じて導入された空気により、気密性チューブ内に連続的に空気を供給することが可能となる一方、炭素材料の酸化消耗により酸素が消費された空気は気体排出口から排出される。したがって、新たな酸素が円滑に供給されるので、試料周辺の酸素が消費された後に酸化消耗が進まなくなる、といった不都合が発生するのを抑制できる。また、装置内の空気の流れを一定量に制御すれば、試料に供給される空気の量も一定となるので、試料の酸化消耗が安定化し、安定した試験結果を得ることができる。更に、連続的に空気を供給すれば、従来技術に比べて、試料の酸化消耗が促進されるので、短時間での評価を行うことも可能となるといった優れた効果を奏する。
【0016】
また、本発明に係る炭素材料の酸化消耗性試験方法によれば、気密性チューブ内(密閉された空間内)の均熱領域に試験用の試料を静置することにより、一定の試験温度での酸化消耗試験を実施することができる。また、流量を制御しつつ気密性チューブ内に空気を連続的に供給することで、試験用の試料が安定して酸化消耗するので、試験用の試料の酸化消耗が安定化すると共に、試験用の試料の酸化消耗が促進されるので、短時間で評価を行うことができるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る炭素材料の酸化消耗性試験装置の一例を示す一部断面斜視図である。
【図2】試料載置部の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明に係る炭素材料の酸化消耗性試験装置の一形態を示す図である。尚、本図は、気密性チューブ1内を見え易くするよう、ヒーター2の前側を図示していない図(ヒーター2を半断面形式で示した図)である。
酸化消耗性装置10は、石英ガラスを用いて形成された気密性チューブ1と、気密性チューブ1の両端付近を除く略全体を覆うヒーター2と、気密性チューブ1の一端に設けられた気体供給口3と、気密性チューブ1の他端に設けられた気体排出口4と、気体供給口から流量を制御しつつ気密チューブ1内に気体を供給する気体供給手段5とを有する。そして、上記気密性チューブ1内には試料載置部6が静置されている。尚、1000℃以上の高温における試験を行う際、気密性チューブ1には石英ガラスに替えてアルミナ管などの更に耐熱性の高い材質のものを用いるのが好ましい。
【0019】
上記気密性チューブ1は外部の気体が内部に入り込まないよう、十分な密閉性を備える一方、気密性チューブ1内の空間には上記気体供給口3を通じて、流量が制御された気体が上記気体供給装置(気体供給手段)5から供給される構造となっている。したがって、気密性チューブ1内に静置された試料載置部6の試料が、気体供給装置5から供給された気体以外の気体と接触するのを確実に防止できる。尚、気体供給装置5から導入された気体は、その供給圧力により気体排気口4から順次排出され、気密性チューブ1内の空間に気体が滞留することなく、試料載置部6には連続的に気体が供給可能となっている。
【0020】
上記ヒーター2としては、抵抗加熱式のトンネル炉が用いられている。該ヒーター2は円柱状の形状であって、長さL1=1200、直径L2=250となっている。また、該ヒーター2の中心には、上記気密性チューブ1が挿通可能な貫通穴8が形成されている。そして、上記気体供給装置5から供給される気体の流量と、ヒーター2による加熱温度を適宜設定することで、気体供給装置5から供給された気体はヒーター2により試料載置部6付近に到達するまでに所定温度に達する。また、試料載置部6がヒーター2により直接加熱されることで、試料載置部6付近は所定の温度まで昇温されて、長さL3=200の均熱領域7を形成することができる。
【0021】
尚、均熱領域7の両端には、気体供給口3側の不均熱領域9a(長さL4=500)と気体排出口4側の不均熱領域9b(長さL5=500)とがそれぞれ位置している。尚、均熱領域7と、不均熱領域9a、9bの長さは、均熱領域7を550℃に設定した場合の長さであり、これより高温となるように均熱領域7の温度設定した場合には、均熱領域7の長さは小さくなる一方、これより低温となるように均熱領域7の温度設定した場合には、均熱領域7の長さは大きくなる。また、このように気体供給口3側と気体排出口4側とに不均熱領域9a、9bが形成されるのは、これら不均熱領域9a、9bに存在する気密性チューブ1は、ヒーター2の端部2a、2bと近い部位に位置しているため、外気と触れるからである。更に、均熱領域7の設定温度が同一である場合には、ヒーター2の長さL1を大きくしても、不均熱領域9a、9bの長さL4、L5は余り変化しないと考えられる。よって、ヒーター2の長さL1を大きくすれば、均熱領域7の長さL3を大きくすることが可能である。加えて、ヒーター2の直径L2を大きくすれば、ヒーター2の熱量が大きくなるので、均熱領域7が、より高温にとなるように設定することが可能である。
【0022】
図2は、上記試料載置部6の一例を示す平面図である。該試料載置部6は、トレイ61上に試料固定用爪64が固定される構造であって、所定サイズ(例えば、12.5mm×20mm×32mm)に調整された試験用の試料62を試料固定用爪64間にはめ込むことで、トレイ61上に試験用の試料62を固定することができる。また、試験用の試料62と隣接した位置には、標準試料(本試験によるデータ採取の実績が多く、酸化消耗率の平均及びバラツキの傾向が十分に把握されている炭素材料、又は斯かる炭素材料で試験の対象となる炭素材料と近似する酸化消耗率であると予想される炭素材料)63を固定しておくのが望ましい。該標準試料63は試験用の試料62と同一条件となるよう(空気等に晒される量が同一となるよう)、空気の流れに対して試験用の試料62と平行になるように固定しておくのが好ましい。
【0023】
ここで、一定流量の気体が供給可能であるならば、上記気体供給装置5としては、通常の気体ポンプなどを用いることができる。供給する気体として空気を用いる場合には、通常、酸素濃度のバラツキは殆どないと考えられるが、何らかの原因でバラツキが生じることを想定して酸素濃度のモニタリング手段を設けておくことが好ましい。また、空気中の水分が供給される空気の昇温度合等、僅かながら試験結果に影響を及ぼす恐れもあるので、供給される気体の湿度を一定に保つ湿度調整手段(例えば加湿器、乾燥機など)を設けておいても良い。尚、空気中の湿度は40〜60%程度に保持しておくのが好ましい。
【0024】
酸化消耗性試験を行うに際して、気密性チューブ1内には昇温段階から空気を導入しても良いが、より試験の安定性を高めるためには、以下のような方法にて行うのが好適である。先ず、気体供給装置5により窒素ガス、希ガス等の炭素との反応が生じない不活性ガスを導入しつつ昇温を行い、均熱領域7が所定温度に到達した時点から導入する気体を空気に切り替える。そして、空気に切り替えた時点から試験時間として時間計測を開始し、所定時間に到達した時点で、導入するガスを空気から再び不活性ガスに切り替える。その後、不活性ガスを流通させつつ均熱領域7を冷却させ、均熱領域7の温度が炭素材料の酸化消耗にほとんど影響しない温度(例えば、200℃以下)まで低下した時点で、気密性チューブ1内から試験用の試料62を取り出し、デシケータ等に保管して試験後における重量を測定する。
【0025】
上記均熱領域7は適宜の温度に設定可能であるが、例えば500〜600℃、700〜800℃、1000〜1500℃の三段階程度に設定することもできる。500〜600℃は炉内部材など炭素材料が使用される状況において想定される温度であり、標準的な温度条件として好適である。700〜800℃は、炭素材料にはかなり厳しい条件ではあるが、金属不純物が100ppm以下の高純度品は酸化消耗性が低く、500〜600℃では有意差が生じない恐れがあることから、耐酸化消耗性の比較的高い試料の評価に好適である。1000〜1500℃は極めて酸化消耗が大きくなるが、SiCコーティング品などの優位性を示すために好適な評価となる。したがって、本発明に係る酸化消耗性試験による700℃以上における酸化消耗性の評価では、従来技術が想定していなかった比較評価の適切な評価を、短時間で行うことができる利点が生じる。
【0026】
酸化消耗試験における試験時間は、特に限定されず適宜の時間を設定して良いが、設定温度において酸化消耗度合が過度でなく、且つ、酸化消耗性に有意差が生じる程度となるよう(具体的には、試験前の重量に対する試験後の酸化消耗による減量が5〜50重量%程度となるよう)、設定温度に応じて規定しておくのが好ましい。
【実施例】
【0027】
上述の酸化消耗試験装置を用いて、炭素材料の酸化消耗試験を行った
具体的には、図1に示した酸化消耗試験装置において、気密性チューブには容積157cmの石英ガラス管を用い、均熱領域における設定温度は550℃、700℃、1200℃とし、試験時間は各々24時間、2.5時間、1時間とした。
【0028】
試験は、先ず、試料載置部に予め重量を測定しておいた試験用の試料と標準試料とを試料固定用爪にて固定して、気密性チューブの均熱領域として想定される箇所に静置されるよう挿入し、両端に気体供給口、気体排出口を確保しつつ、気密性チューブを密閉した。次に、気密性チューブをトンネル炉内の貫通穴に挿入し、トンネル炉のスイッチを入れて温度を上昇させた。均熱領域の温度は、試料載置部裏面に取り付けた熱電対により測定した。所定温度への昇温まで、流通させる不活性ガスは窒素ガスとし、4L/minの流量で気密性チューブ内を流通させつつ、均熱領域が所定温度±2℃に安定するようトンネル炉での加熱を調整した。
【0029】
所定温度における安定状態になった後、空気(Air)を4L/minの流量で所定の試験時間の間、気密性チューブ内を流通させた。所定の試験時間後、トンネル炉の電源を切り、流通させる気体を窒素ガスに切り替えて4L/minの流量で気密性チューブ内を流通させて冷却させた。均熱領域の温度が200℃となった時点で気密性チューブから試料載置部を取り出し、デシケータ内に静置して室温まで冷却した。その後、試料の重量測定を行い、下記(1)式を用いて酸化消耗率を算出し、更に、(2)式を用いてバラツキを算出した。それらの結果を下記表1に示す。
【0030】
尚、試料としては、等方性黒鉛(東洋炭素株式会社製等方性黒鉛IG−11)を用いた。また、試料数は各10個とした。
【0031】
酸化消耗率=
〔(試験前の試料重量−試験後の試料重量)/試験前の試料重量〕×100(%)・・・(1)
【0032】
バラツキ=〔(最大値−最小値〕/最大値〕×100(%)・・・(2)
【0033】
【表1】

【0034】
上記試験において、酸化消耗率は適度であり(酸化消耗が多くなり過ぎたり、少なくなり過ぎたりせず)、且つ、有意差がある程度把握できるような数値となっていることが認められる。また、各資料間の最小と最大の値のバラツキは最大でも15%程度であることから、安定した試験結果が得られていることが認められる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、炭素材料の酸化消耗性試験を実施する際に用いられる。
【符号の説明】
【0036】
1 気密性チューブ
2 ヒーター
3 気体供給口
4 気体排出口
5 気体供給装置(気体供給手段)
6 試料載置部
62 試験用の試料
63 標準試料
7 均熱領域
8 貫通穴
9a 不均熱領域
9b 不均熱領域
10 酸化消耗性試験装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通穴が形成されたヒーターと、
上記貫通穴を挿通し、上記ヒーターからの熱によって加熱される気密性チューブと、
流量を制御しつつ上記気密性チューブ内に気体を供給する気体供給手段と、
を有し、
上記気密性チューブの一端には上記気体供給手段と連結された気体供給口が設けられる一方、上記気密性チューブの他端には気体排出口が設けられ、且つ、上記気密性チューブにおける上記貫通穴を挿通する領域のうち、気体供給口側の不均熱領域と気体排出口側の不均熱領域とを除く均熱領域には試料載置部が配置可能となっていることを特徴とする炭素材料の酸化消耗性試験装置。
【請求項2】
上記ヒーターは円柱状を成し、このヒーターの中央部における軸方向に上記貫通穴が形成されている、請求項1に記載の酸化消耗性試験装置。
【請求項3】
気密性チューブと、この気密性チューブを加熱するヒーターとにより、気密性チューブ内に均熱領域を形成し、該均熱領域に試験用の試料を静置すると共に、上記ヒーターによる熱によって上記均熱領域が試験温度に達した後、流量を制御しつつ気密性チューブ内に空気を連続的に供給することを特徴とする炭素材料の酸化消耗性試験方法。
【請求項4】
上記均熱領域が試験温度に達する前には、流量を制御しつつ上記気密性チューブ内に不活性ガスを連続的に供給する、請求項3に記載の炭素材料の酸化消耗性試験方法。
【請求項5】
上記均熱領域には、試験用の試料の他に標準試料が静置されている、請求項3又は4に記載の炭素材料の酸化消耗性試験方法。
【請求項6】
上記均熱領域の温度を700℃以上の温度に上昇させることができる、請求項3〜5の何れか1項に記載の炭素材料の酸化消耗性試験方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−3056(P2013−3056A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136726(P2011−136726)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000222842)東洋炭素株式会社 (198)
【Fターム(参考)】