説明

炭素系物質の分解方法、組成物およびそのシステム

本発明に係る組成物中から炭素系物質を実質的に除去する方法は、炭素系物質を有する組成物を用意し、炭素系物質を硫黄化合物と反応させ、炭素と、硫酸、亜硫酸および/または二酸化硫黄とを含む生成物を生成することを含む。また、本発明は、この方法により得られる組成物、およびそのために用いられるシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2007年9月20日に出願された米国特許仮出願第60/994,574号の優先権の利益を主張するものであり、その内容はここに引用することで本明細書の一部をなすものとする。
【0002】
本発明は、組成物中の炭素系物質を分解することに関する。より詳しくは、気体および液体の組成物からの二酸化炭素を除去することに関する。
【背景技術】
【0003】
組成物または大気から炭素系物質を除去することがよく望まれる。例えば、炭素隔離は、大気から二酸化炭素を除去するプロセスである。地球温暖化の緩和を助けるために、炭素を回収および貯留する種々の方法、ならびに炭素を自然が吸収するプロセスを強化する様々な方法が探求されてきた。
【0004】
クラウス法は、硫化水素を硫黄に転換するための業界標準として当該技術分野で現在知られている。硫化水素は天然ガス中に自然に含まれており、硫化水素濃度が高い場合は「サワーガス」と呼ばれ、さらに石油の精製や他の産業プロセスにおいても生成される。クラウス法では、過不足なく硫化水素が空気または酸素で二酸化硫黄に酸化され、残りの硫化水素とさらに反応し、元素硫黄および水が生成される。この方法の一部は850℃を超える温度で達成され、また一部は活性アルミナまたは二酸化チタンなどの触媒の存在下で達成される。クラウス法の化学反応は以下のとおりである。
2HS+3O→2SO+2H
4HS+2SO→3S+4H
また、以下の化学反応によって硫化カルボニルが生成され得る。
CO+HS→COS+H
A.Attar,Fuel 57,201(1978)およびR.Steudel,Z.Anorg.Alleg.Chem.346,255(1966)を参照されたい。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、その一態様として、組成物中から炭素系物質を実質的に除去する方法であって、炭素系物質を有する組成物を用意するステップと、炭素系物質を硫黄化合物と反応させるステップと、硫酸および/または亜硫酸および/または二酸化硫黄と炭素含有化合物とを含む生成物を生成するステップとを含む方法である。
【0006】
本発明は、別の態様として、炭素系物質を実質的に含まない組成物であって、炭素系物質を含む化学組成物と硫黄化合物とを用意し、炭素系物質を硫黄化合物に接触させることを含む方法によって、炭素系物質が除去された組成物である。
【0007】
本発明は、さらに別の態様として、組成物から炭素系物質を実質的に除去するシステムであって、炭素系物質を有する組成物および硫黄化合物を収容し、炭素系物質を実質的に含まない生成物を生成する反応器を備えたシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、組成物中から炭素系物質を実質的に除去する方法を提供する。炭素系物質は、好ましくは二酸化炭素である。二酸化炭素は、液体または気体がよい。
【0009】
組成物は、炭素系物質を有する任意の組成物でよいが、好ましくは液体または気体である。炭素系物質は、化石燃料および他の燃焼燃料、大気ガス、有機物、地球の構成成分ならびにセメントキルンおよびアスファルトプラントなどの他の供給源に存在し得る。炭素系物質の一例は二酸化炭素であり、これは化石燃料を燃焼する発電プラントによって生成され得る。
【0010】
炭素系物質を含む組成物を用意し、炭素系物質を硫黄化合物と反応させ、炭素と硫黄を有する生成物を形成することによって、炭素系物質が実質的に除去または分解される。「実質的に」とは、少なくとも50%の除去を意味するが、除去は100%と同程度であってもよい。好ましくは、硫黄化合物との接触後、70%以上、より好ましくは85%以上、もっとも好ましくは95%以上の炭素系物質が除去される。除去の程度は、どれだけの炭素系物質が硫黄化合物に接触したかによって決まり、すなわち100%の接触=100%の分解、95%の接触=95%の分解、および接触なし=分解なしである。
【0011】
反応物には、炭素系物質と、硫黄化合物と、場合により酸化物または水酸化物とが含まれる。炭素系物質は、好ましくは二酸化炭素であり、硫黄化合物は、好ましくは硫化水素である。好ましい実施形態において、反応物の比率は、二酸化炭素モル体積と硫化水素モル体積で約2:1から3:2の範囲である。反応物には、1つ又は複数の酸化物または水酸化物を含むこともできる。この酸化物または水酸化物は、酸化物または水酸化物が存在しない場合と比べて、より迅速に反応を完了させることができる。代表的な酸化物および水酸化物は、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、および水酸化ナトリウムである。化学反応の速度を速めるために触媒を用いることもできる。代表的な触媒は、五酸化バナジウムおよび二酸化チタンである。
【0012】
この反応は、炭素系物質が硫黄化合物に接触したときに起こり、種々の触媒および操作条件、たとえば高圧および高温などによって促進され得る。炭素系物質および硫黄化合物は、酸素含量が最小限度に抑えられた反応器、好ましくは酸素を含まない雰囲気を有する反応器に注入することができる。硫化水素は、大気が酸素を含有する場合、存在する酸素と優先的に反応する。すなわち、硫化水素が優先するのは、二酸化炭素ではなく酸素との反応であり、酸素の存在により硫化水素が浪費され得る場合、二酸化硫黄を生成する。しかしながら、微量の酸素が硫化水素と反応せずに残存する可能性があり、本発明の目的では、本明細書で用いられる用語「酸素を含まない」は、酸素0.01%から酸素0.00%を意味することもできる。反応速度を速めるために、電磁放射、火花(sparking)、または1000℃までの加熱によって、反応器の内容物を励起してもよい。
【0013】
この反応は、約室温から1,000℃の温度で起こり得る。典型的には、より高い温度では反応によりCOSを生成させるのに有利であり、125から500℃の範囲の中程度の温度ではHSO、HSO、SO、HO、CおよびS、および/または炭素−硫黄ポリマー(carsul)を生成させるのに有利であり、低温ではHO、CおよびS、またはHOおよび炭素−硫黄ポリマーを生成させるのに有利である。室温より高い温度は反応を加速する。反応器はまた、反応を加速するために、大気圧または大気圧より高い圧力に加圧することができる。加圧は、硫化水素ガスを含む反応において特に好ましい。
【0014】
反応物は、連続的に反応器に供給することができる。好ましくは、実験用では、反応器はバッチ式反応器であり、好ましくは、産業用では、反応器は連続式管型反応器である。反応器に反応物を充填する前に、反応器を密閉し、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスでパージしてもよい。
【0015】
この反応の生成物には、元素炭素を含む炭素や炭素−硫黄ポリマーなどの炭素含有化合物と、硫酸、二酸化硫黄、水、亜硫酸、硫黄、亜硫酸塩および硫酸塩のいずれかとが含まれる。炭素は、無定形でもよいし又は所定の構造のものでもよい。炭素−硫黄ポリマーは、二硫化炭素(CS)のような単体でもよいし又は(CS(pは0.2から約50であり、mは2以上、好ましくは10より大きい数値である)などの複合構造体でもよい。この化合物はまた、これに限定されるものではないが、水素および酸素などの他の元素を含有することができる。これらの炭素−硫黄ポリマーはcarsulと称されることがあり、一般に500℃超の融点を有する黒色化合物であり、主たる成分として硫黄および炭素を含む。
【0016】
一実施形態において、炭素系物質は二酸化炭素であり、硫黄化合物は硫化水素であり、生成物は硫酸と、炭素および/または炭素−硫黄ポリマーである。この実施形態は、以下の化学反応で表わすことができる。
2CO+HS→HSO+2X
Xは、炭素および/または炭素硫黄ポリマーである。
【0017】
他の実施形態において、炭素系物質は二酸化炭素であり、硫黄化合物は硫化水素であり、生成物は亜硫酸と、炭素および/または炭素−硫黄ポリマーである。この実施形態は、以下の化学反応で表わすことができる。
3CO+2HS→2HSO+3X
Xは、炭素および/または炭素硫黄ポリマーである。
【0018】
他の実施形態において、炭素系物質は二酸化炭素であり、硫黄化合物は硫化水素であり、生成物は二酸化硫黄と、水と、炭素および/または炭素−硫黄ポリマーである。この実施形態は、以下の化学反応で表わすことができる。
3CO+2HS→2HO+2SO+3X
Xは、炭素および/または炭素硫黄ポリマーである。
【0019】
他の実施形態において、炭素系物質は二酸化炭素であり、硫黄化合物は硫化水素であり、生成物は硫酸塩と、水と、炭素および/または炭素−硫黄ポリマーである。この実施形態は、以下の化学反応で表わすことができる。
2CO+HS+Y→Z+nHO+2X
Yは、酸化物または水酸化物である。
Zは、硫酸塩であり、硫酸塩水和物としてその構造にnHOを包含することができる。
nは、1または2である。
Xは、炭素および/または炭素−硫黄ポリマーである。
【0020】
この反応中、炭素系物質および硫黄化合物は、酸化物または水酸化物と反応して、硫酸塩水和物を形成する。この実施形態の代表的な化学反応には以下のものが含まれる。
2CO+HS+CaO→CaSO・HO+2X
2CO+HS+Ca(OH)→CaSO・2HO+2X
2CO+HS+NaOH→NaHSO・HO+2X
2CO+HS+2NaOH→NaSO+2X+2HO(NaSOとNaSO・7HOおよび/またはNaSO・10HOとの混合物として存在する)
Xは、炭素および/または炭素硫黄ポリマーである。
【0021】
他の実施形態において、炭素系物質は二酸化炭素であり、硫黄化合物は硫化水素であり、生成物は亜硫酸塩と、水と、炭素および/または炭素−硫黄ポリマーである。
【0022】
この実施形態は、以下の化学反応で表わすことができる。
3CO+2HS+2Y→2Z+nHO+3X
Yは、酸化物または水酸化物である。
Zは、亜硫酸塩であり、亜硫酸塩水和物としてその構造にnHOを包含することができる。
nは、2または4である。
Xは、炭素および/または炭素−硫黄ポリマーである。
【0023】
この反応中、炭素系物質および硫黄化合物は、酸化物または水酸化物と反応して、亜硫酸塩水和物を形成する。この実施形態の代表的な化学反応には以下のものが含まれる。
3CO+2HS+2CaO→2CaSO+2HO+3X
3CO+2HS+2Ca(OH)→2CaSO+4HO+3X
3CO+2HS+2NaOH→2NaHSO+2HO+3X
Xは、炭素および/または炭素硫黄ポリマーである。これらの生成物は、形成された後に分離することができる。生成物を排出し、任意の固体、液体、および気体を分離することができる。次いで生成物を冷却することができる。
【0024】
過剰の二酸化炭素を反応器に供給してもよい。好ましくは、この過剰量は1から50%の範囲であるが、必要により、この適用例よりも多量または少量を用いることができる。したがって、未反応の二酸化炭素があれば、未反応ガスとして容易に分離される。
【0025】
このプロセスは、原子成分を再配列することによって、二酸化炭素および他の炭素系物質を分解するものであるが、同時に新しい炭素分子を作り出す。これらの炭素分子は無定形であるか又は所定の構造を有しており、さらに炭素−硫黄ポリマーでもよい。所定の構造を有する炭素分子は、様々な物理的特性を有する様々な型のものであり、これに限定されるものではないが、カーボンブラック、黒鉛状炭素、ダイヤモンド様炭素およびナノチューブ様構造化炭素が含まれる。所望の種をシーディングするなど、制御された条件下で、例えば、カーボンナノチューブを作り出し、及び/又は成長させることができる。炭素−硫黄ポリマーは、炭素繊維様製品の製造、または他の用途に用いることができる。
【0026】
本発明はまた、炭素系物質が上記の方法で除去されている実質的に炭素系物質を含まない組成物、および組成物から実質的に炭素系物質を除去するためのシステムを提供する。このシステムは反応器を必要とする。小規模的なものとしては、バッチ式反応を単一口または複数口ガラス製フラスコで行うことができ、この口には反応物を添加し、生成物を取り出すためのアダプタが取り付けられている。反応器は、Pyrex(登録商標)、Kimble(登録商標)Glass、United Glass Technologies、およびBuchi(登録商標)Corporationから供給されるものなど、耐熱性ホウケイ酸ガラスまたは石英ガラス製であることができる。高圧反応は、Parr Instrument Companyで製造されたものなど、特にそのような反応のために構成された反応器で行うことができる。温度は、ガラス接触による温度計、または他の手段、例えば、非接触レーザ誘導赤外線表示などによって測定することができ、生成ガスは、ビグリューカラムまたは他の手段で冷却することができる。一実施形態において、ビグリューカラムは反応器、またはフラスコの上に備え付けられ、コンデンサとしての機能を果たす。
【0027】
大規模的なものとしては、反応器は、充填塔型反応器、または反応物を接触させるために通例用いられる様々な他の任意の型でよい。これらの反応器は、ガラス内張反応器であることができる。装置は本明細書に記載のものに限定されない。本方法のステップを実行できるかぎり、任意の装置を用いることができる。
【0028】
発電プラントで用いる場合、本方法の利益には、二酸化炭素の分解(カーボンニュートラルを維持するため、またはカーボンニュートラルの維持に向かうため)、および市販製品の生成が含まれ、これには硫酸、亜硫酸、二酸化硫黄、炭素および/または炭素−硫黄ポリマー、ならびに場合により種々の硫酸塩または亜硫酸塩が含まれる。生成された炭素は、これに限定されるものではないが、炭素繊維製造業者および他の炭素使用者に炭素を提供するために用いることができる。生成物に炭素−硫黄ポリマー、すなわちcarsulが存在する場合、特に炭素繊維様適用例に用いるためにそれらを販売することができる。
【0029】
本方法の一実施形態は、
(a)二酸化炭素と硫化水素を、二酸化炭素2モル体積と硫化水素1モル体積の比率で、1000℃以下で、酸素を含まない雰囲気の反応器に注入して反応させ、硫酸と炭素含有化合物を形成するステップと、
(b)この反応による生成物を分離するステップを含む。
【0030】
化学反応は2CO+HS→HSO+2Cとすることができる。あるいは、化学反応は2CO+HS→2HO+炭素−硫黄ポリマーとすることができる。
【0031】
この実施形態の1つの利益は、クラウス法を用いる場合と比べて、操作パラメータが厳密ではないことである。他の利益は、カーボンニュートラルに向けた、またはカーボンニュートラルのための二酸化炭素の分解、ならびに炭素、炭素−硫黄ポリマー、および硫酸の生成が含まれる。他の利益として、例えば、限定を意図するものではないが、生成物の販売の目的で、これに限定されないが、生成物を輸送することができる。さらなる利益として、この実施形態を用いるために設備を整えられた発電プラントにおいてガスが燃焼される予定であるとき、天然ガスから硫化水素の生成物を分離する必要がなく、それによりガスはより安価となる。発電プラントは不純な粗製または未精製ガスを燃焼することによって低い燃料コストから利益を得ることができ、発熱反応における硫化水素の燃焼から追加のエネルギーを生成することができる。
【0032】
以下の実施例は、本発明の方法、システムおよび組成物を例示するためのものである。これらの実施例は、当業者による本発明の理解を助けるためのものである。よって、本発明はこれらの実施例によって少しも限定されない。
【0033】
硫酸を生成するために設計された二酸化炭素と硫化水素との化学反応は、2種のガスを混合し、それらを圧縮することによって、室温またはそれを超える温度で行うことができる。五酸化バナジウムおよび二酸化チタンなどの触媒は、高温と同様に、反応を加速する。
【0034】
この実施形態は、これに限定されないが、天然ガス燃焼発電プラントを含むように産業上実施することができる。本発明を利用するこれらのプラントは、より高価で硫黄含有量の低いガスの代わりに、硫黄含有量の高いガスを使用できる。好ましくは、過剰酸素を最小限に抑えるために、希薄酸素燃焼が用いられる。混合された二酸化炭素と二酸化硫黄の高温排出ガス(空気が酸化剤である場合、窒素などの空気の他の成分を含むか、または含まない)を、連続的に供給される硫化水素と共に、クラウスまたは塔型反応器に供給することによって(加圧により反応速度は大いに加速される)、高温二酸化炭素が硫化水素と反応する。反応器からの排出物は、硫酸および/または亜硫酸、ならびに炭素および/または炭素−硫黄ポリマー、ならびに発電プラントにおいて酸素が酸化剤である場合、窒素などの空気の他の成分である。排出ガスからの生成物の分離は、通常の比重分離装置およびバグハウス技法を用いて達成することができる。
【0035】
本発明を詳細に、その特定の実施形態に関して述べたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更および修正を加えられることは当業者に明らかである。したがって、本発明の修正および変形が添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内となるならば、本発明はそれらを包むことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物中から炭素系物質を実質的に除去する方法であって、
炭素系物質を含む組成物を用意するステップと、
前記炭素系物質を硫黄化合物と反応させるステップと、
硫酸、亜硫酸、および二酸化硫黄のうちの少なくとも1つと、炭素含有化合物を含む生成物を生成するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記炭素系物質が二酸化炭素を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硫黄化合物が硫化水素を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生成物が、炭素、炭素−硫黄ポリマー、硫酸、亜硫酸、二酸化硫黄、水、亜硫酸塩および硫酸塩のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生成物が、炭素および炭素−硫黄ポリマーの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
酸化物および水酸化物の少なくとも1つを用意するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記反応ステップが、約大気圧から大気圧を超える圧力を有する反応器に、前記組成物を供給することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記反応ステップが、酸素を含まない雰囲気を有する反応器を準備することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記反応ステップが、
前記炭素系物質および前記硫黄化合物を、内容物として、酸素を含まない雰囲気の反応器に注入し、
前記内容物の励起および触媒の少なくとも1つによって反応速度を加速することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記反応ステップが、二酸化炭素と硫化水素をモル体積の比率で約2:1から3:2の範囲で供給することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記反応ステップが、過剰な量の二酸化炭素を供給することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物から前記生成物を分離することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
約室温から1,000℃の温度を有する反応器を準備することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記炭素系物質が二酸化炭素を含み、前記硫黄化合物が硫化水素を含み、前記生成物が、元素炭素、水、炭素−硫黄ポリマー、亜硫酸、硫酸、および二酸化硫黄のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記炭素系物質が前記組成物から完全に除去される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記炭素系物質の少なくとも95%が前記組成物から除去される請求項1に記載の方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法により得られる組成物。
【請求項18】
炭素系物質を実質的に含まない組成物であって、
炭素系物質2モル体積と硫黄化合物1モル体積の比率で、炭素系物質と硫黄化合物を有する化学組成物を用意し、
前記炭素系物質を前記硫黄化合物と接触させる
ことを含む方法によって、前記炭素系物質が除去された組成物。
【請求項19】
前記炭素系物質が二酸化炭素を含む請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記硫黄化合物が硫化水素を含む請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
前記方法が、炭素、水、炭素−硫黄ポリマー、硫酸、亜硫酸、および二酸化硫黄のうちの少なくとも1つの生成物を生成することをさらに含む請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
組成物から炭素系物質を実質的に除去するシステムであって、
炭素系物質を含む組成物および硫黄化合物を、炭素系物質モル体積と硫黄化合物モル体積の比率が約2:1から3:2の範囲で収容し、前記炭素系物質を実質的に含まない生成物を生成する反応器を備えたシステム。
【請求項23】
前記炭素系物質が二酸化炭素を含む請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記硫黄化合物が硫化水素を含む請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記生成物が、炭素、水、炭素−硫黄ポリマー、硫酸、亜硫酸、および二酸化硫黄のうちの少なくとも1つを含む請求項22に記載のシステム。

【公表番号】特表2010−540211(P2010−540211A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526000(P2010−526000)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/077028
【国際公開番号】WO2009/039379
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(509294243)スワプソル・コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】