説明

炭素豊富物質を連続的にガス化する自熱法

本発明は、焼成ゾーン(C)、および炭素豊富な焼成物質が、酸素を含むガスで酸化される酸化ゾーン(D)を有する垂直処理室(100)における炭素豊富な物質(14)を連続的にガス化する自熱方法であって、ガス反応生成物は垂直処理室(100)の頂部(G)において排気される方法に関する。垂直処理室は、垂直シャフト炉(100)の形で構成され、それ自体は酸化されない、バルク製品(13)が頂部から底部まで連続的に循環して流され、ここで、炭素豊富な物質(14)は、その炉に入ること(3)の前にバルク製品(13)に添加され、酸素を含有するガスは、酸化ゾーン(D)の中および/または下に導入され、それにより上昇ガス流が円滑にされる。バルク製品が100℃未満に冷却される後冷却ゾーン(F)は、垂直処理室(100)の下端部(4)において酸素を含有するガスの少なくとも一部を導入することによって構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成ゾーン、および炭素豊富焼成物質が酸素含有ガスによって酸化される酸化ゾーンを有する垂直処理室において、炭素豊富物質を連続的にガス化する自熱法であって、ガス反応生成物は、垂直反応室の頂部で排気され、垂直処理室は垂直シャフトキルンの形態で具体化され、それを通って、それ自体は酸化されないバルク材が、頂部から底部に循環して連続的に流れ、炭素豊富物質は、キルンへ入る前にバルク材に添加される、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような処理は、長い間知られており、例えば、向流ガス化装置で行われ、ここでは、石炭生成物や向流ガス化装置の底部へ動くバイオマスも、向流において、生じた処理ガスの周囲を流れる。生成した処理ガスは、直接燃焼させるか、または合成処理のために用いることができる。記載方法と関連して、その処理は自熱的に行うことができるが、その処理ガスは、それぞれ供給される炭素豊富物質に大きく依存すること、したがって、その方法は制御することが難しいことが不利である。その方法は、汚染された炭素豊富物質(例えば、フッ素−および塩素−含有プラスチック)、汚染された廃棄物質、薬物などに対しては、全く不適当である。
【0003】
電気式低シャフトキルン中の残渣および廃棄物質の使用は既に知られており、ここでは、カルシウムカーバイド、フェロシリコーン、フェロクロムなどの生産は、非常に高温においてエネルギーに関してより有利であるように設計され得る。しかし、このような方法は、自熱的に作用せず、その代わりに、自燃性または自焼性の中空電極によるエネルギーのかなりの使用が、高い所要温度を発生させるために必要とされる。このような方法は、例えば、特許文献1に記載されており、上述の物質の生産に直接関係している。
【0004】
最初に述べた種類の方法は、石炭ガス化にも用いられ、その場合には、石炭が用いられる場合、一般的に、焼成ゾーンの形成は省略され得る。
【0005】
原理上、異質熱法も、炭素含有物質のガス化のために知られており、前述の公報におけるとおり、外部エネルギー供給に依存している。流動床反応器は、異質熱ガス化処理を行うためにしばしば用いられ、例えば、特許文献2などから知られている。流動床を安定に保つための方法と関係なく、必要とされる二次エネルギーの発生のための大きな技術経費、ならびに用いられる物質に対してなされる特有な物理的要求、例えば、密度、搬送挙動、浮遊挙動および粒径などの難しい制御は不利である。例えば、特許文献3に記載されたようなロータリー反応器の利用が、異質熱法に関連して知られている。ロータリー反応器における反応ガスの短い残存時間のために、最適ガス平衡が生じることができず、相当な部分の低品位ガスが生成される。
【0006】
原理上、自熱ガス化処理は有利であり、これは、一酸化炭素に富んだガスを与え、その水素部分は、用いられる炭素担体の水素含有量によって、および恐らくはガス化処理中へ水を計量して入れること(これは、必要に応じて調節できる)によって決定される。ガス化に必要な熱エネルギーは、ここでは、用いられる原料の部分酸化から得られる。
【0007】
流動床反応器の利用も、例えば、特許文献4から、自熱法に関連して知られている。そこでは、可能な限り細かい炭素担体を分布させ、一酸化炭素への完全な変換を達成するためにガス相においてそれを酸化することが試みられている。この目的のために、炭素担体の複雑な減少処理が必要であり、その場合、プラスチックを含む物質の流れの使用は不可能であり、プラスチックがガス相においてくっつき、または液滴を形成し易いためである。
【0008】
ガスの短い残存時間のために、自熱ガス化処理に関連してロータリー反応器技術を使用することは非常に困難であり、例えば、特許文献5から知られているように複雑な反応器構造を必要とする。
【0009】
例えば、自熱ガス化の設備は、特許文献6に開示されているが、一般に、それらは、例えば、プラスチック含有廃棄物の使用を可能としない。後者を可能にするために、例えば、特許文献7および特許文献8に異なる処理が提案されているが、これらは、反応器へのプラスチック材料供給の領域での問題、ガス化することができない溶融接着物および残渣のための反応器の置き換え、生成ガス中の油およびタールの相当な生成、清浄目的のための大規模な機能停止、ジオキシンおよびフランの形成、ならびに塩素、またはそれぞれ塩化水素による腐食をもたらす。
【0010】
例えば、特許文献9または特許文献10から知られている、連続して接続した反応器におけるいくつかの段階の有機物質のガス化は、熱搬送媒体を用いる。これらの多段法は、複雑な熱交換システムを必要とし、その処理に伴う排出は、重金属内容物および他の排出関連の毒性物質のために、原料の品質の使用を制限する。最終的に、排気筒−流系反応器において高圧下でポストガス化をその後に行うために固定床において炭素含有物質をガス化することも既に知られている。これによって、例えば、高いPVC比率を有する塩素含有流、および例えば、重金属などの高度の汚染の炭素担体、または他の有害物質を処理することも可能である。このようなガス化処理は、例えば、特許文献11に記載されており、その場合には、不利点がやはり、原料の広範な前処理にあり、これは、例えば、特許文献12に別個に記載されている。製品供給のための特別な解決策、および原料ガス変動の防止(これに関して、特許文献13を参照のこと)または原料ガス領域における堆積物の回避(例えば、特許文献14を参照のこと)による大きな技術的経費も、文書化されている。
【0011】
さらに、複雑なクエンチング系が、設備への腐食損傷を避けるために塩化水素を中和するために必要とされた(これに関しては、特許文献15を参照のこと)。
【0012】
最初に述べた種類の方法は、特許文献16から知られている。そこでは、不活性バルク材は、シャフトを通して循環される。このバルク材は、別個の乾燥設備における乾燥を可能とするために高温で意図的に戻される。キルンから取り出されたバルク材の高い残留熱は、ある種の炭素豊富物質、例えば、任意の種類のプラスチック材料の利用を妨げるが、これらはキルンへ入る前にバルク材をくっつけ、バルク材の流れを妨げるからである。また、非制御性未成熟反応、および有害物質の対応する形成も予想せざるを得ない。その方法は、いくつかの空間的に分離した領域で行われ、その結果、バルク材を移動させるための適当な輸送装置が必要とされ、ガス副生成物に対する制御はより困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開第102006023259A1号明細書
【特許文献2】独国特許第3635215号明細書
【特許文献3】独国特許第2844741号明細書
【特許文献4】独国特許第4427860号明細書
【特許文献5】独国特許第3216836C2号明細書
【特許文献6】独国特許第3241169C2号明細書
【特許文献7】独国特許第19609721号明細書
【特許文献8】独国特許第4326484号明細書
【特許文献9】独国特許第19945771C1号明細書
【特許文献10】独国特許第19755693C1号明細書
【特許文献11】独国特許出願公開第10031501A1号明細書
【特許文献12】独国特許出願公開第10142290A1号明細書
【特許文献13】独国特許出願公開第102004001708A1号明細書
【特許文献14】独国特許出願公開第10330512A1号明細書
【特許文献15】独国特許第4309493C2号明細書
【特許文献16】オーストリア特許第387786B号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、経費を本質的に増加させることなしに炭素豊富物質の異なる品質の使用に影響を受けないような仕方で、最初に述べた種類の方法を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、その目的は、最初に述べた種類の方法によって達成され、それによれば、酸素含有ガスが、酸化ゾーンの下方で、少なくとも部分的に導入され、それにより上昇ガス流が搬送される一方、酸化ゾーンの下方で、バルク材および灰分生成物が、廃熱ゾーンにおいて450℃に冷却され、さらに、酸素含有ガスが、垂直シャフトキルンの下端部で少なくとも部分的に導入され、そして、エネルギーを回収するために、キルンから除去される前に向流において廃熱ゾーンの下方で後冷却ゾーンにおいて100℃未満の特性温度に冷却される。
【0016】
炭素含有物質を本質的に不活性なバルク材と混合することによって、および垂直シャフトキルンにおいて上昇ガスの向流下に、バルク材と炭素含有物質とのこの混合物を導くことによって、用いられる炭素含有物質の品質に対して特別の要求がなされることなしに、炭素豊富物質が自熱的にガス化され得ることが示された。供給された炭素含有物質の量が、垂直シャフトキルンにおける自熱平衡を維持するために十分であることが保証されることが必要なだけである。処理の過程が妨害されることなしに、最大40cmの縁部長さを有する炭素豊富物質が添加され得ることが示された。
【0017】
バルク材は、処理過程にとって特に重要であり、その理由は、一つには、それが熱伝導材料の機能を担うからである。さらにそれは、酸化ゾーンまでそれらの最終ガス化のために炭素豊富物質を搬送し、その後に、灰の形態のガス化残渣を搬送し、そして、それが垂直シャフトキルンの下端部を離れる輸送媒体として機能する。ここで、バルク材がガス透過性であり、このように上昇ガス流が通過できるようにすることがさらに重要であり、これにより、搬送媒体としてのバルク材と上昇ガス流との間の熱交換は、個々の反応ゾーンをもたらす。
【0018】
酸化ゾーンの下方でバルク材および灰部分のエネルギーの回収および冷却のために、バルク材流は、酸素含有ガスによる直接冷却によって廃熱ゾーンにおいて約450℃の特性温度に冷却され、処理に水を供給することが意図される場合、これは好ましくは、廃熱ゾーンの領域で行われ、その結果、発生した水蒸気は、上昇し、酸化ゾーンの領域における合成反応に関与する。
【0019】
エネルギーバランスを改善し、垂直シャフトキルンの下部から除去されるバルク材の取扱いを簡単にするために、酸素含有ガスは、垂直シャフトキルンの下端部で、少なくとも部分的に供給され、その結果、バルク材は、キルンから除去される前に、廃熱ゾーンの下方で後冷却ゾーンにおいて100℃未満の特性温度に向流において冷却される。このために、キルン中への新たな取り込み前に、バルク材に温度の影響を受けるプラスチック、ビチューメン、油汚染土壌などを供給することも容易に可能であり、これらの材料が、最初に制御不能に反応することも、またはくっつくことによってバルク材の流れを妨げることもない。
【0020】
最終的に、バルク材の純粋に機械的特性が役割を果たし、ここで、粒径は好ましくは20cm以下でなければならず、特に、1〜8cmの範囲にあるのが好ましい。バルク材の造粒は、機械的せん断性のために、プラスチック含有物質のものでさえも、そのくっつきまたは焼成を防止し、その結果、供給された炭素含有物質の全ての完全なガス化が、酸化ゾーンで達成される。
【0021】
上述の粒径の鉱物、セラミックもしくは金属の材料、および/または無機か焼材、例えば、CaOだけではなく、か焼材の前段階(前駆体段階)、例えば、石灰石なども、バルク材として少なくとも一部に用いられる。CaOは、カルシウムと反応して無害な塩化物またはフッ化物として生じる、物質の流れに含まれるハロゲンを拘束するために適しているという利点も有する。この目的のために、2mm未満の粒径を有するようにバルク材の一部を形成することが特に好ましく、ここで、これらの小粒子は、ガス流とともに、少なくとも部分的に、上昇し、必要に応じて、垂直シャフトキルンの頂部においてフィルターで除去することができる。生成した塵埃の全て、またはその一部は、バルク材の循環に戻すこともできる。バルク材として石灰石を用いる場合、酸化ゾーンの温度は、好ましくは、石灰石の完全燃焼が生じずに、石灰石の構成分子上の薄いCaO層の形成のみが起こるように低く設定され、その結果、生成した多量のCaOなしに、ハロゲンを拘束する能力は保証されたままである。石灰石それ自体は、CaOに対して増加した機械的負荷容量を有する。
【0022】
一般に、物質の流れの汚染として処理に入る、可能性のある重金属は、バルク材の循環において残存し得るが、フィルターダスト中に濃縮される場合、一部の流れを処理外に移して、廃棄することができる。
【0023】
薄層としてのCaOによって石灰石にハロゲンを拘束する能力、およびバルク材によって制御された仕方で重金属を除去する能力は、この点で重大であるプラスチック、例えば、PVCだけではなく、汚染された木材、ビチューメン、油汚染土壌、箔片、自動車再生利用由来の残渣としての軽量シュレッダー片などの廃棄処理としてのこの方法の特別な設計も可能にする。
【0024】
用いられる炭素豊富物質の種類に依存して、本発明のさらなる発展形態において、バルク材の流れは最初に、20〜100℃の特徴的な温度に加熱されながら、上昇ガスによって、焼成ゾーンの上方で乾燥ゾーンにおいて向流中で乾燥され、その後、それが焼成ゾーンに到達するまで、100〜450℃の特徴的な温度にさらに加熱されながら、事前ガス抜きゾーンにおいて事前ガス抜きされる。
【0025】
述べられたように、上昇ガス流は、乾燥および事前ガス抜きに必要なエネルギーを与え、そして、この処理において、垂直シャフトキルンの頂部で排気される前に、向流中でより低い温度に冷却される。
【0026】
次いで、バルク材および炭素豊富物質からなる流れを最大1,200℃の特性温度への加熱することは、焼成ゾーンで行われる。
【0027】
供給される炭素豊富物質およびガス反応生成物の所望の組成に依存して、水を酸化ゾーンに直接供給することも意味があり得る。
【0028】
本発明の特に好ましい実施形態において、上昇ガスが垂直シャフトキルンの頂部で排気された後で、生成したガスは、水蒸気の存在下で排気筒ストリームポストガス化ゾーンでさらに処理される。
【0029】
排気されたガスは、酸化ゾーンで生成したガス、少なくともCOおよびHと、事前ガス抜きゾーン由来のガスとのガス混合物からなり、この場合、ガス状炭化水素化合物に加えて、煤もそのガスと一緒に混入され得る。
【0030】
酸化ガスとして空気を用いる場合、生成したガスは関連の窒素部分も含む。煤は、事前ガス抜きゾーンにおいて、炭化水素化合物の分解が比較的低温で既に始まること、しかし、その温度、またはそれぞれそこで得られる保持時間は、理想的な反応ガスCO、HおよびC未満の鎖長の炭化水素への完全な分解を可能にするために不十分であることという事実による。次いで、依然として存在するより長鎖の炭化水素は、排気筒ストリームポストガス化装置によって分解され、その結果、その後にCO、HおよびC未満の鎖長の炭化水素の理想的合成ガスが、処理の最終生成物として生じる。この合成ガスは、それ自体知られている多数の用途で用いることができる。一例として挙げる場合、燃焼室での燃焼を挙げなければならず、ここで、生成した高温ガスは、発電のために高温ガスタービンおよび/または蒸気タービンを駆動するために、ならびに/あるいは熱処理における加熱媒体としての蒸気のために用いることができる。この合成ガスは、ろ過および/またはガス冷却によって浄化され得、例えば、焼成シャフトキルンの点火のために、および/またはガスエンジンにおける使用のために熱処理における加熱ガスとして用いることができる。ここで、これまで規定された特性のバイオマスを用いることが条件付きでだけ可能であったが、この合成ガスはバイオマスからも生成され得ること、およびこれによって、例えば、石灰を生産する場合、COバランスが著しく改善され得ることに大きな利点がある。
【0031】
浄化された合成ガスは、部分的液化によってその成分に分けるためにも好適であり、この場合、ガスに含まれる純成分は、圧力変化吸収技術の利用によって得ることもできる。最終的に、浄化された合成ガス、またはその成分の一つは、炭素含有物質として処理に供給された出発物質の種類にかかわらず、化学基礎製品または中間製品の合成のために、全部でまたは部分的に用いることもできる。
【0032】
排気筒ストリームポストガス化ゾーンにおける、言及した水蒸気の存在は、水もしくは水蒸気の添加によって、または乾燥ゾーンにおける水蒸気漏れによって得られる。
【0033】
この処理は、周囲圧力にほぼ等しい圧力で容易に行うことができ、その場合、−200ミリバール〜1,000ミリバール(ue)の範囲の圧力範囲が特に実用的であることが示された。垂直シャフトキルンにおいて低圧(気圧より小さい圧力あるいは負圧)を発生させる処理の枠組み内で特に有利であり、これは、ガス状最終生成物または中間生成物が、例えば、供給ラインまたは制御機関の領域で複雑な密封がたとえなくても、垂直シャフトキルンから漏れることを防止する。低圧は、例えば、ガス状反応生成物を排気するためにも用いられる吸引装置によって与えることができる。
【0034】
乾燥から後冷却までの処理ゾーンの全ては、有利には単一の室内に設置され、その結果、輸送装置はゾーン間で必要とされない。物質を投入するために、取付け部品および可動部品を持たない水冷重力式シュートが、好ましくは垂直シャフトキルンの頂部に配置される。バルク材、反応物質または関連物質として処理に関与する物質を調整するための他の方法で必要とされ得るような追加の放出場所は省くことができる。
【0035】
CaOがバルク材として用いられる場合、カーバイドが酸化段階で形成されることを防止するために、処理の温度調整は、1,800℃未満であれば、有利である。
【0036】
好ましくは、酸素含有ガスおよび/または燃料は、酸化ゾーンに意図的に添加される。これは、運転開始時に、すなわち、処理が開始されるときにだけではなく、垂直シャフトキルン内の個々のゾーンの位置、大きさおよび温度を制御するためにも行われる。これによって、個々のゾーンが逸脱すること、処理の温度水準が不都合な値になること、または縁部ゾーンが過熱し、それ故に散逸すること(これらのために、処理は中断される)を防止することができる。しかし、理想的な場合には、燃料追加は必要でない。
【0037】
以下において、本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照することによってより詳細に補われる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】炭素豊富物質をガス化するための垂直シャフトキルンの概略図である。
【図2】処理ガスのダウンストリーム接続使用とともに図1における垂直シャフトキルンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、垂直シャフトキルン100の概略図を示し、これはその構造において、燃焼および焼結処理において大きな技術規模で使用されるような焼成シャフトキルンに本質的に相当する。本方法の実施において、これはガス化反応器として用いられる。この目的のために、キルンに、炭素豊富物質および不燃性バルク材の混合物が連続的に投入される。ガス化反応器の運転は、その処理が、用いられる炭素豊富物質の酸化によって自熱的に行われるように設定され、酸化は、特に処理の運転開始のために、定負荷炉5、6、7によって補助され得る。
【0040】
示された例示的な実施形態に関連して、垂直シャフトキルン、またはそれぞれガス化反応器100は、ガス化が7つの異なる処理ゾーンで行われるように制御される。バルク材カラム1を介してキルン100へ入った後、バルク材と一緒に混合された炭素豊富物質は、最初に乾燥ゾーンAに達し、ここで、それらは20〜100℃の特性温度で乾燥される。その後、それらは事前ガス抜きゾーンBに達し、ここで、100〜500℃の特性温度で脱ガスによって揮発成分が除去される。その後、下方へ移動するバルク材(これは、とりわけ、加熱および輸送媒体として用いられる)の作用によって、事前ガス抜きされた炭素豊富物質は、焼成ゾーンCに達し、ここで、最大1,200℃の特性温度への加熱が行われ、その後、依然として存在する炭素はいずれも、1,800℃未満の温度で酸素含有ガスを供給することによって、次の酸化ゾーンDにおいてガス化される。酸化ゾーンを離れた後、灰部分と一緒に、不燃性バルク材は、酸素含有ガスおよび/または水の導入(必要に応じて、生成した水蒸気と一緒に)による直接冷却によって、廃熱ゾーンEにおいて約450℃に冷却され、一方、前もって、酸素含有ガスは、後冷却ゾーンFにおける廃熱ゾーンの下方で向流中バルク材により加熱されており、他方、このバルク材は、エネルギーの回収のために、垂直シャフトキルンの底部領域に導入された酸素含有ガスの向流によって100℃未満に冷却される。
【0041】
垂直シャフトキルン100の底部における酸素含有ガスのための供給ライン8は、ガスの向流の出発点にも相当し、これは前に記載された処理ゾーンの全てを通って延在する。
【0042】
既に述べたように、処理において、酸化ゾーンにおける、炭素化合物、または純粋形態で存在する炭素の酸化(必要に応じて、酸素含有ガスのさらなる直接の補給を伴って)を達成する前に、酸素含有ガスは、後冷却ゾーンFおよび(ガス移動方向という意味で後続の)廃熱ゾーンEにおいて450℃を超えて最初に加熱される。酸化ゾーンDにおける温度によって、反応ガスは上昇し続け、焼成ゾーンCにおいて、そこで必要とされる温度水準を与える。その後、反応ガスは、事前ガス抜きゾーンBを通って、そしてさらに冷却されながら、乾燥ゾーンAを通って流れ、ここで、バルク材カラムの上端部において出た後、ガスは、酸化段階由来の合成ガスCOおよびHと、水蒸気と、特に事前ガス抜き段階B由来の炭化水素とのガス混合物の形態で示され、好ましくない場合は、ダストに加えて、事前ガス抜きゾーンBにおける分解処理の結果である煤も含み得る。反応ガスの品質を高めるために、排気筒ストリームポストガス化ゾーンGが上方の反応器部分に設けられ、ここで、ダスト・煤含有ガスは、水蒸気の存在下で酸素を供給しながら、500〜1,000℃の温度で熱的に後処理され、その結果、原料用途および/または熱的な用途のための品質的に非常に価値ある原合成ガス(raw synthesis gas)として供給することができる。
【0043】
炭素豊富物質を不燃性要素材料と混合することによって、7つの記載ゾーンが、垂直シャフトキルン100を通して連続経路の過程で形成され、これは、−200ミリバール〜1,000ミリバール(o)の適度な圧力範囲において極めて広いスペクトルの最も多様な炭素担体のガス化を可能にする。これまで、例えば、コークス、石炭、石油コークス、無煙炭または廃油などの高度に純粋な炭素担体だけが、ガス化処理で用いることができたが、特に熱および輸送媒体としてのバルク材の使用は、その融点または軟化点が20℃を超え、500℃未満の範囲にある有機物質の利用も可能とする。これらの中には、ポリマー構造を有する炭素化合物もあり、ここで、この新規な方法は、その物質、またはそれぞれその分解生成物の特性温度の統制された制御によって、油状またはタール様分解生成物の形成を非常に強力に妨げる。また、部分的酸化による自熱処理法のために、放出源は生じず、その結果、例えば、ラッカー塗装木材に関連した結果などの、例えば、増加した重金属含有量を有する汚染された炭素豊富物質の使用が可能となる。
【0044】
既に述べたように、特にCaOは、バルク材として好適であり、これは、最大20cmの粒径で与えられるが、1〜8cmの粒径範囲は、特に有利であることがわかった。この粒径のバルク材は、加熱および輸送媒体として用いられるだけでなく、その機械的特性によって、炭素豊富物質が、垂直シャフトキルン100を通って移動する間、凝集しないか、または焼成されて固くならないようにもさせる。互いに関して絶え間なく移動している粒子の機械的磨耗が、これをもたらす。
【0045】
CaOを用いる場合、バルク材は、例えば、ハロゲンに対する反応相手として利用できるというさらなる利点も与え、この点で、ジオキサン、フランなどの形成を妨げる。これらの毒性物質の形成も、これらの物質の形成にとって重要である温度範囲で、反応相手として酸素が存在しないために、妨げられる。ここで、粒径が、マイクロメートルの範囲までに及び約2mm未満の大きさの程度にある微細物質の一部を、バルク材に混合することは特に有利である。このような微細物質は、非常に大きな反応表面を有し、反応ガス中にダストの形態で部分的に存在しており、反応ガスから容易にろ過して取り除くことができる。
【0046】
さらに、バルク材は、垂直シャフトキルン100の底部で除去され、循環運搬装置13によって、新たな炭素豊富物質14の供給を伴って、垂直シャフトキルン100に戻される。この領域において、例えば、ろ過によって微細物質を除去することも可能である。
【0047】
特に、圧力増加のために取付け部品の注意深い密封が必要であったので、これまでポリマー、特に汚染ポリマーのガス化は問題であったが、この記載した方法は、わずかに低圧、好ましくは、最大−200ミリバール、超過圧力の場合、理想的には1,000ミリバールを超えない範囲で有利に行われる。低圧に関連して、静的自重に基づいて反応器床の上に載って、したがって、さらなる取付け部品なしに反応器充填物2に連結して通じているバルク材カラム1を介して、反応器の充填が行われることで密封を達成することができる。既に述べた炭素豊富物質のバルク材への混合に続けて、後者はバルク材収集本管3に最初に導かれる。反応器底部4での不燃性バルク材の連続的除去のために、物質はそれを連続的に通過する。したがって、不燃性バルク材および炭素豊富物質の混合物は、バルク材収集本管3から出て反応器に自動的に滑り落ち、これに対して取付け部品または他の技術的な制御装置は必要とされなることがない。バルク材カラムの高さは、それ自体の圧力損失によって大気に対して反応床を通して反応器ガス相の密封を確実にするように選択した。この場合、反応器ガスの漏れが防止されるので、低圧下での反応器の運転は特に有利である。
【0048】
熱エネルギーの導入は、酸化ゾーンDで本質的に行われ、ここで、直接加熱システムとしてのバーナーランス7を介して、酸素5および燃料6(例えば、加熱油、天然ガスまたは本処理由来の浄化合成ガス)を計量して供給することによって、述べた基本的供給量は、バルク材に導入される。しかし、本質的なエネルギー導入は、バルク材における前に焼成された炭素豊富物質の部分的な燃焼によって、および反応器底部8の上方に、酸素またはさらには単純な空気を計量して供給することによって生じる。基本負荷バーナー7の役割は、酸化ゾーンDにおける反応相手の信頼性ある点火を保証することにある。
【0049】
一酸化炭素だけではなく、水素から本質的になる生成高温ガスは、酸化ゾーンDから反応器床を通って上方に流れ、酸化ゾーンDの上に形成される処理ゾーンを加熱するためのエネルギー担体として用いられる。
【0050】
既に述べたように、実際に水で大部分湿っている炭素豊富物質は、乾燥ゾーンAにおいて100℃の特性温度に加熱され、一方それらが含む水は、蒸発し、そして次の事前ガス抜きゾーンBにおいて、ポリマー、またはそれぞれの有機成分の熱分解が起こる。分解に必要なエネルギーの量のために、ここで、物質の特性温度の増加は、約450℃に制限される。このゾーンにおいて、下方に位置するゾーン由来の高温ガスは、この処理で生成した熱分解由来のガスと混合する。
【0051】
酸化ゾーンDにおける酸化は、まだガス化されていない炭素の一酸化炭素への完全な酸化が保証されるように制御される。この制御は、反応器底部4における連続的なバルク材の除去によるスループット量を直接設定する、または必要に応じて、7での基本負荷バーナーもしくはバルク材収集本管3中の炭素豊富物質の比率の変化を調整することによって主として行われる。
【0052】
水の供給が望まれる限りにおいて、9における水供給装置は、好ましくは廃熱ゾーンEの領域に設けられ、ここで、水は450℃を超える温度で高温蒸気に変換され、上方への流れによって酸化ゾーンDに供給される。酸化ゾーンDからの高温バルク材の流れは、向流中で冷却される。
【0053】
新たな水を供給する代わりに、ガス冷却装置10で生成した凝縮液混合物を供給することもでき、これは、水および少量の比較的高分子の有機化合物から本質的になる。これらの化合物は、処理過程に干渉しないが、凝縮液混合物の廃棄をより困難にする。
【0054】
既に述べた効率的なエネルギー回収は、廃熱ゾーンEおよび後冷却ゾーンFを経て実現され、一方、不燃性バルク材は、灰部分および微細物質が12におけるフィルター装置または他の分離装置によって分離され得るように、十分に冷却される。粗バルク材の既に述べた13における循環搬送は、バルク材収集本管3を介して新たな炭素豊富物質14の混合とともに行われる。例えば、機械的磨耗によって生じた、粗バルク材の損失は、15において新たな粗バルク材を計量して入れることによって補償される。
【0055】
垂直シャフトキルンの上部において、酸化ゾーンD由来のガスおよび事前ガス抜きゾーンB由来のガスは、ダスト・煤含有ガス混合物中に一緒に混合され、水蒸気の存在下、500〜1,000℃の温度で排気筒ストリームポストガス化ゾーンにおいて熱後処理を受ける。必要な水蒸気は、投与装置16によって統制された仕方で導入され得るが、乾燥ゾーンAにおける湿った炭素豊富物質の使用によって発生させて、排気筒ストリームポストガス化ゾーンGにおける上方への流れによって利用することもでる。
【0056】
ガスバーナー17は、このゾーンにおける一定の仕方で最適温度範囲を設定するために設けられる。これは、合成ガス中の煤粒子および他の微細有機粒子のポストガス化を確実にするためにバーナー17における燃料部分19に関係して、過剰の酸素含有ガス18で運転され得る。
【0057】
合成ガスの意図された使用に依存して、排気筒ストリーム脱ガスゾーンを離れた後に、そのガスのさらなる処理のために異なる処理工程を行うことができる。例えば、市販可能な加熱ガス、さらなる化学的利用または同様の用途のための物質の基礎原料として、浄化された合成ガスが用いられることが意図されるとすれば、ダストおよび凝縮液の効率的な除去が必要とされる。ダストの除去は、300〜600℃の温度で高温合成ガスの20でのろ過によって行われ、ここで、ガスブロワー21によって、耐熱性フィルターシステム20を介して排気筒ストリームガス脱ガスゾーンGからガス/ダスト混合物が排気される。既に前に述べた低圧も、ガスブロワー21によってその設備において発生させることもできる。
【0058】
ろ過して出たフィルターダストは、なお非ガス化煤部分を含み得、これは、フィルターダストの酸化ゾーンDへの部分的戻し装置22によって利用される。本方法によって、用いられた炭素豊富物質由来の複数の随伴物質は、フィルターダストへの吸着(例えば、重金属)、および/または反応(例えば、ハロゲンの形態で)によって拘束され、その結果、フィルターダストは、本発明の方法において有害物質のための所望のシンクを構成する。したがって、適切な炭素含有物質を用いる場合、処理由来の部分的フィルターダストの流れを23において除去することが必要である。
【0059】
高温ガスろ過に直ぐ続けて、合成ガスは、好ましくは50℃未満の温度に冷却することによって、水およびごく一部の比較的高分子の有機分解生成物などの凝縮液を含まなくなり、その後、さらなる使用に利用できる(24において)。これから得られる凝縮液は、用いられた炭素豊富物質中の残留水分および水素の部分燃焼から生じる水から本質的になる。さらに、この凝縮液は、なおごく一部のより高分子の有機化合物(熱分解油)を含む。この凝縮液混合物は、廃棄しなければならないか、または既に上記したとおり、反応の水および炭素担体としてこの処理中に再度戻すことができる(11において)。クエンチング媒体として一部の凝縮液混合物をガス冷却装置のヘッドに連続的に戻す(25において)ことによってさらなる有利な処理様式を得ることができ、これにより、効率的なガス冷却が得られ、かつ同時にガス冷却装置における壁堆積物は防止される。
【0060】
原理上は、このように浄化された合成ガスは、空気分解設備もしくは圧力変化吸着技術によってその成分に分解することもでき、および/またはこれは、ガスエンジンにおける使用のための燃料として用いることもできる。
【0061】
使用された炭素豊富物質の品質が、ガスろ過および冷却なしで生成した合成ガスの直接燃焼を可能にする場合、排気筒ストリームガス化ゾーンにおいて生成した合成ガスは、直流発電および/または蒸気発電のために用いることもできる。この種の処理は、図2に示され、ここで、合成ガスは、さらなる処理なしに排気筒ストリームガス化ゾーンGを出て、燃焼室Hに直接導かれ、さらなる前処理を全くせずに燃焼される。生成した高温ガスのエネルギー含有量は、蒸気発生器Iにおける高圧蒸気の発生のために熱的に用いられる。この蒸気は、蒸気タービンJを介して膨張させられ、26において電気エネルギーに変換される。残存する蒸気は、タービンの低圧側の加熱媒体として27においてさらに熱的に用いられ得る。
【0062】
蒸気発生器由来の燃焼排ガスは、なお本質的なダスト部分を含み、これは燃焼排ガスろ過装置Kによって分離される。次いで、汚染の程度、またはそれぞれ用いられる炭素豊富材料の品質に依存して、法律によって必要とされる、大気中への放出に関する環境的な要件を満たすために、燃焼排ガスは、必要に応じて、燃焼排気ガス浄化装置Lおよび/または脱硝装置Mを通っても導かれる。
【0063】
以下の例示的な実施形態は、本発明を説明することが意図されるが、それを限定するものではない。
【実施例】
【0064】
異なる炭素豊富物質を用いることによって互いに異なる、合計6つの実施例を説明し、その実施は、標準化された方法で行う。これらの異なる、用いた物質、品質およびこれに関連して見いだされた結果は、以下の表1から表4に詳細に示す。
【0065】
2.2mの明確な直径および14.1mのシャフト高さのカルシウムシャフトキルンを、酸化ゾーンにおいて基本加熱装置としてのバーナーランスを通して重燃料油によって運転する。不燃性バルク材として0.5〜6cmの粒径のか焼石灰を用い、頂部から底部に石灰シャフトキルンを通して連続マスフロー(表1、列c参照)に導き、一方、連続マスフロー(表1、列b参照)の形態で上部キルン領域に入る前に、炭素豊富物質(表1、列a参照)を、この循環流に混合した。カルシウムシャフトキルンのガス出口で600〜700℃のガス温度が生じるように、基本加熱装置(表1、列dおよびe参照)を調整した。計量して供給するさらなる過程において、ほとんど炭素を含まない灰が反応器出口で連続的に得られるまで、反応器底部1にわたって十分な空気を連続的に計量して供給した(表1、列g参照)。得られたガスを450℃のガス温度で加熱ガスろ過装置上に導き、その後、ガス冷却装置によって30℃に冷却した。
【0066】
水および微量の有機油から本質的になる、ガス冷却装置で得られた凝縮液混合物を、一時的にバッファした。
【0067】
用いられる炭素豊富物質の組成物に応じて、十分な量の水を酸化ゾーンに連続的に計量して供給して、当初の炭素負荷の完全なガス化を確実にするようにした。一時的にバッファした凝縮液混合物および追加の新たな水を、これに用いた(表1、列f参照)。
【0068】
【表1】

【0069】
例示的な実施形態1から7において用いた炭素豊富物質の組成および品質は、表2および列a〜列eから利用することができる。
【0070】
【表2】

【0071】
例示的な実施形態によって生成したガスを、ガスの量の測定によってガス冷却装置の下流で検出し、オンライン熱価分析装置によって分析した。ガス流の平均量を、表3、列aに、低熱価を、表3、列bに示す。さらに、ガス冷却の水凝縮相の得られた流量(表3、列c)、および油相の得られた流量(表3、列d)を計算した。生じた灰は、反応器出口の下流で粗バルク材から連続的に選別して除き、微粒部分(粒径<3mm)を記録した。記録したマスフローは、表3、列eに示す。
【0072】
【表3】

【0073】
例示的な実施形態によって生成したガスを、オンライン分析装置によって組成についてガス冷却装置の下流で分析した。ガス組成は、表4、列a〜列eに示す。
【0074】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成ゾーン(C)、および焼成された炭素豊富物質が酸素含有ガスによって酸化される酸化ゾーン(D)を有する垂直処理室(100)にて炭素豊富物質(14)を連続的にガス化する自熱方法であって、ガス状反応生成物が垂直シャフトキルン(100)の形態で具体化された前記垂直処理室(100)の頂部(G)で排気され、前記垂直処理室を通って、それ自体は酸化されないバルク材(13)が前記頂部から底部に循環して連続的に流れ、前記炭素豊富物質(14)は前記垂直シャフトキルンへ入る(3)前に前記バルク材(13)に添加される、炭素豊富物質(14)を連続的にガス化する自熱方法において、前記酸素含有ガスが、前記酸化ゾーン(D)の下方に、少なくとも部分的に供給され、それにより上昇ガス流が搬送され、一方、前記酸化ゾーン(D)の下方で前記バルク材および灰生成物が前記上昇ガスによって廃熱ゾーン(E)にて450℃に冷却され、さらに、前記酸素含有ガスが前記垂直シャフトキルン(100)の下端部(4)にて少なくとも部分的に導入され、エネルギーの回収のために、前記バルク材が、前記垂直シャフトキルンから除去される前に、廃熱ゾーン(E)の下方の後冷却ゾーン(F)にて向流中100℃未満の特性温度に冷却されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記焼成ゾーン(C)の上方で、前記炭素豊富物質(14)と一緒に、前記導入されたバルク材(3)が、乾燥ゾーン(A)にて前記上昇ガスにより加熱されることによって、20から100℃の特性温度に先ず乾燥され、その後、事前ガス抜きゾーン(B)にて100から450℃の特性温度にさらに加熱することによって事前ガス抜きされることを特徴とする、請求項1に記載に方法。
【請求項3】
水が、蒸発によって冷却を促進する前記廃熱ゾーン(E)に供給され、生成した水蒸気が前記ガス流とともに前記酸化ゾーン(D)中に流入することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
水が前記酸化ゾーン(D)に供給されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
生成した反応ガスが前記垂直シャフトキルン(100)の頂部で排気され、水蒸気の存在下で、500℃から1,000℃、好ましくは600℃から800℃で排気筒ストリームポストガス化ゾーン(G)にて後処理されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
熱エネルギーが、燃料(17)と、化学量論的または超化学量論的酸素含有ガスとの、供給された混合物の燃焼によって、排気筒ストリームポストガス化ゾーン(G)にて利用できるようになることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
水蒸気が、水(16)、水蒸気、または前記乾燥ゾーン(A)にて漏れた水蒸気の添加によって、排気筒ストリームポストガス化ゾーン(G)にて利用できるようになることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記バルク材が、最大20cm、好ましくは1〜8cmの粒径の、不活性な鉱物材料、セラミック材料または金属材料から、少なくとも一部なることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
例えばCaOのような塩基性か焼物、または当該か焼物の前駆体段階が、最大20cm、好ましくは1〜8cmの粒径を有する前記バルク材として用いられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
最大20cmの粒径の粗物質と2mm未満の粒径の微細物質の混合物が、前記バルク材として用いられることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
排気ガスがろ過され、その結果、前記排気ガス中にダストの形態で含まれる微細物質がろ過して取り除かれることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記バルク材が、バルク材流から微細物質を分離するためにろ過されることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記ろ過して取り除かれたダストが、前記バルク材の循環に全体的または部分的に戻されることを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
−200ミリバールから1000ミリバールの圧力範囲で行われることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
わずかな低圧が、前記垂直シャフトキルン(100)にて発生することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項16】
前記酸化ゾーンの温度が1800℃未満に保たれることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記垂直シャフトキルンが、単一の室を有し、その中で個々の処理ゾーンが確立されていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記バルク材が、前記垂直シャフトキルンを通して重力によって移動させられることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
処理を開始するために、および/または前記垂直シャフトキルン(100)におけるゾーン(A、B、C、D、E、F)の位置、温度および大きさを調節するために、酸素含有ガスおよび/または燃料が、前記酸化ゾーン(D)に添加されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
プラスチック廃棄物、ビチューメン、軽量シュレッダー片、汚染木材廃棄物、油汚染土壌などが、炭素豊富物質として用いられ、したがって、前記方法が、炭素含有特有廃棄物のための廃棄方法として設計されることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
最大40cmの縁部長さの物質が、前記炭素豊富物質として用いられることを特徴とする、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−506711(P2011−506711A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538491(P2010−538491)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010999
【国際公開番号】WO2009/080336
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(510171759)エコループ ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】