説明

炭酸カルシウム錠剤の改善された溶解安定性

本発明は、i)a)炭酸カルシウム、b)ソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの組み合わせから選択される結合性の糖アルコール、c)マンニトール、マルチトールもしくはキシリトールまたはそれらの組み合わせから選択される非結合性の糖アルコールを含む粒子組成物の用意、およびii)少なくとも1組のパンチおよびダイを備えた打錠機を用いる前記組成物の圧縮(ここで、1組のパンチおよびダイは、ダイを前記粒子組成物で満たす前に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸またはそれらの組み合わせから選択される滑沢剤を含む組成物で噴霧されている。)を含む、少なくとも50重量%の炭酸カルシウムを含む錠剤の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は炭酸カルシウム錠剤の製造方法に関し、前記方法は溶解特性に関して改善された保存安定性を有する錠剤をもたらす。
【0002】
前記方法は、結合性を有する糖アルコール、特に、ソルビトールおよび/またはイソマルトの使用、特に、マンニトール、マルチトールまたはキシリトールから選択される結合性を有さない糖アルコールの使用、ならびに打錠機のパンチおよびダイへの滑沢剤の外用を伴う。ソルビトールの濃度が10重量%を超えない場合、滑沢剤が、i)炭酸カルシウム、ii)結合性を有する糖アルコール、およびiii)結合性を有さない糖アルコールを含む混合物に混合されていてもよい。後者において、アルカリ土類金属のステアリン酸塩が用いられる場合、その濃度は相対的に低く、例えば、(錠剤に圧縮される最終粉末混合物に基づいて、)0.35重量%を超えない。
【0003】
このため、本発明は溶解安定性に関する前記の優位性を備えた炭酸カルシウム錠剤のもう1つの製造方法も提供する。このもう1つの方法は、内用される滑沢剤の使用を伴い、結合性を有する糖アルコールおよび顕著な結合性を有さない別の糖アルコールの使用を必要とする。さらに、結合性を有する糖アルコールの濃度は全組成の10%を超えることはない。
【0004】
本発明は本発明の方法によって得られた錠剤にも関する。
【背景技術】
【0005】
発明の背景
カルシウムはイオン化カルシウムとカルシウム複合体の両方として、体内での多くの鍵となる機能に不可欠である(Campell AK.Clin Sci 1987; 72:1-10)。細胞の挙動および成長はカルシウムによって調節される。トロポニンと共同して、カルシウムは筋肉の収縮および弛緩を制御する(Ebashi S. Proc R Soc Lond 1980; 207:259-86)。
【0006】
カルシウム選択チャネルは細胞膜の普遍的な特徴であり、神経組織の電気的な活性および神経分泌顆粒の放出は、細胞内外のカルシウムレベルのバランス機能である(Burgoyne RD. Biochim Biophys Acta 1984;779:201-16)。ホルモンの分泌ならびに鍵となる酵素および蛋白質の活性はカルシウムに依存する。
【0007】
最後に、リン酸カルシウム複合体としてのカルシウムは骨格に硬さと強さを付与する(Boskey AL. Springer, 1988:171-26)。骨は体内の全カルシウムの99%を超えて含むため、骨格内のカルシウムは主要な長期に亘るカルシウムの貯蔵庫としても機能する。
【0008】
例えば、炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は、特に、骨粗鬆症を患っているか、あるいは、そのリスクのある患者へのカルシウム源として用いられる。さらに、炭酸カルシウムは制酸錠剤中の酸中和剤としても用いられる。
【0009】
例えば、炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は錠剤中で用いられ、高用量のカルシウムが必要とされるために、そのような錠剤はしばしばチュアブル錠の形態である。カルシウム塩を含み、独特の優勢な味またはチョーク(chalk)のフィーリングがなく、快適な味と許容可能な口当りを有するチュアブル錠を製剤化することは難問である。
【0010】
さらに、
i)高用量の炭酸カルシウム(1日2回の750〜1500mgの炭酸カルシウムに相当する、通常、1日2回の300〜600mgのカルシウム元素)、
ii)好適な圧縮性(compactability)を得るのに1以上の医薬的に許容される賦形剤を加えることを必要とする、圧縮性のような錠剤化能(tabletting properties)に関する、一般的な炭酸カルシウム固有の乏しい性質、および
iii)特にチョーク性(chalkiness)に関するカルシウム塩自身の極めてひどい味と口当りは、好適な小さいサイズを有し、飲み込むか、あるいは噛むことのいずれかによって摂取する患者にとって都合よく小さい錠剤の製造を極めて困難なものとする。チュアブル錠を製剤するときに、十分な味のマスキング(taste masking)はもう1つの主な難問である。
【0011】
WO2005/117829に記載のように、出願人は、カルシウム含有化合物の凝集物(agglomerates)を含む粒状物(granulate)を用いることによって、生理学的に許容されるカルシウム含有化合物を含む錠剤の簡単な製造方法を見出した。粒状物はいずれの溶媒(例えば、水)も用いることなく得ることができるが、例えば、錠剤のような固形投与形態へとさらに加工するのに好適な性質を有する凝集物を製造するために、カルシウム含有化合物のローラー圧縮(roller compaction)の技術を伴う。
【0012】
炭酸カルシウム錠剤は特許文献中に詳しく記載されている(例えば、WO2005/117829、WO2005/115342、WO00/028973参照)。WO2005/117829から、ソルビトールを含む炭酸カルシウム錠剤ならびにソルビトールおよびマルチトールを含む炭酸カルシウム錠剤が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、飲み込むための炭酸カルシウム錠剤を作製すると、錠剤の製造の際またはその直後に得られる溶解プロフィルが経時的に変化し得ることが最近確認された。言い換えれば、錠剤は溶解に関して不安定である。
【0014】
変化が許容範囲内(標準±10%)である限り、錠剤は受け入れられる。しかしながら、本発明者等は溶解プロフィルにおける劇的な減少、即ち、i)カルシウムの放出がかなりゆっくりとなること、および/または、ii)ほぼなくなる状況を確認した。本発明はこの問題を課題とし、その解決方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】糖アルコールの圧縮性を示す図である。
【図2】ソルビトール/マルチトールの溶解安定性を示す図である。
【図3】ソルビトール/マンニトールの溶解安定性を示す図である。
【図4】ソルビトール/マンニトールの溶解安定性を示す図である。
【図5】ソルビトール/イソマルトの溶解安定性を示す図である。
【図6】ソルビトール/イソマルトの溶解安定性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な開示
かくして、本発明は溶解に関して所望の安定性を有する錠剤を含む炭酸カルシウムの製造方法を提供する。さらに、本発明は溶解挙動に関して安定で、新規な炭酸カルシウム錠剤に関する。
【0017】
溶解プロフィルが時間に対して変化する場合、このことは通常、製造後、最初の14日間に見られる。
【0018】
本願明細書において、溶解プロフィルの変化を、特定の時間、10分、20分、30分および60分について、それらの時間toにおける溶解プロフィルをプロットすることにより判定する。このプロフィルが許容されるには、20、30および60分後の放出された炭酸カルシウムの合計量が80%を超えなければならない。このタイプの溶解プロフィルを前記の時間で繰り返す溶解試験に基づいて約14日後にプロットする。
【0019】
20、30および60分での値が80%を超える場合、試験した錠剤を開放したペトリ皿中、25℃、相対湿度60%で保存することを条件として、試験した錠剤は溶解プロフィルに関して安定である。通常、試験を錠剤の製造後直ちに、または錠剤の製造後少なくとも最初の1週間以内に行う。
【0020】
溶解プロフィルは薬局方の要件に従って得られる。このため、カルシウムの放出を、Ph.Eur.apparatus2(パドル)、回転数70rpm、0.1NのHCl1000mLおよび37°を用いる溶解試験によって試験し、3つの錠剤について測定する。試験を、相対湿度(RH)60%、25℃、開放したペトリ皿中での保存の最初と14日後に行う。この試験は組成物が溶解プロフィルに関して安定であるか否かを試験するのに一般に受け入れられている。
【0021】
前記によれば、本発明は、
i)a)炭酸カルシウム、b)ソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの組み合わせから選択される結合性の糖アルコール、c)マンニトール、マルチトールもしくはキシリトールまたはそれらの組み合わせから選択される非結合性の糖アルコールを含む粒子組成物の用意、および
ii)少なくとも1組のパンチおよびダイを備えた打錠機を用いる前記組成物の圧縮(ここで、1組のパンチおよびダイは、ダイを前記粒子組成物で満たす前に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸またはそれらの組み合わせから選択される滑沢剤で噴霧されている。)
を含む、少なくとも50重量%の炭酸カルシウムを含む錠剤の製造方法を提供する。
【0022】
本願明細書において、用語「結合性を有する糖アルコール」または「結合性の糖アルコール」とは、本願実施例1に記載のように、5kNの圧縮力(compaction force)を用いて錠剤に圧縮したときに、20N以上の破砕強度(crushing strength)を有するか、および/または、本願実施例1に記載のように、10kNの圧縮力を用いて錠剤に圧縮したときに、60N以上の破砕強度を有する糖アルコールを指す。ソルビトールおよびイソマルトがそのような糖アルコールの例である。
【0023】
ローラー圧縮を本発明の錠剤を製造するのに用いるとき、使用する結合性を有する糖アルコールは、通常、例えば、多くても約110μm、多くても約100μm、多くても約90μm、多くても約80μm、多くても約70μm、多くても約60μm、多くても約50μm、多くても約40μm、多くても約30μm、多くても約20μmまたは約10μmのような、多くても約150μmの平均粒子径を有する。このため、粒子径は、例えば、約5〜約110μmまたは約5〜約80μmのような、約5〜約150μmの範囲の平均粒子径を有してもよい。
【0024】
特に、本願実施例において使用する好適なソルビトールは、例えば、約35〜約45μmまたは約30〜約45μmのような、約25〜約50μmの範囲の平均粒子径を有する。本願実施例において使用するもう1つの好適なソルビトールは、例えば、約75〜約125μmまたは約100〜約120μmもしくは110μmのような、約50〜約150μmの範囲の平均粒子径を有する。
【0025】
粒子径に関して好適な品質のイソマルトは、例えば、約25〜約35μmまたは約20〜約35μmのような、約20〜約50μmの範囲の平均粒子径を有するイソマルトである。もう1つの好適な品質のイソマルトは、例えば、約75〜約125μmまたは約100〜約120μmもしくは110μmのような、約50〜約150μmの範囲の平均粒子径を有する。
【0026】
さらに、本願明細書において、「結合性を有さない糖アルコール」、「顕著な結合性を有さない糖アルコール」または「非結合性の糖アルコール」とは、前記のように、5kNの圧縮力を用いて錠剤に圧縮したときに、20N以下の破砕強度を有するか、および/または、前記のように、10kNの圧縮力を用いて錠剤に圧縮したときに、60N以下の破砕強度を有する糖アルコールを指す。マンニトール、マルチトールおよびキシリトールがそのような糖アルコールの例である。
【0027】
結合性を有するか、あるいはそのような特性を有さないその他の糖アルコールも本発明に従って用いることができることは考慮される。そのような糖アルコールは、典型的には、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イノシトールおよびラクチトールならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
ソルビトールの例は、Roquette Freres、CerestarおよびSPI Polyols Inc.からそれぞれ入手可能なネオソルブ(Neosorb)P100T、ソルビデックス(Sorbidex)P1666B0およびソルボゲム・ファイン・クリスタリン・ソルビトール(Sorbogem Fines Crystalline Sorbitol)である。
【0029】
マルチソルブ(Maltisorb)P90(マルチトール)はRoquette Freresから入手可能であり、キシリトールCM50、フルクトフィン(Fructofin)CM(フルクトース)およびラクチトールCM50はDanisco Sweetenersから入手可能であり、イソマルトST-PF、イソマルトDC100、ガイオ(Gaio)タガトースおよびマンニトールはPalatinit、Arla FoodsおよびRoquette Freresからそれぞれ入手可能である。
【0030】
好適なサッカライドをベースとするバインダー/甘味剤のさらなる例は、ショ糖、デキストロースを含む。
【0031】
糖アルコールの結合性を試験するのに使用し得る好適な打錠機は、最小値として適用した圧縮力を測定するデータ測定器(data acquisition)を備えている。
【0032】
本願実施例1から明らかなように、破砕強度はDr.Schleuniger社からのSchleuniger-2Eを用いて好適に測定することができ、10錠それぞれについての破砕強度を測定して決定することができる。
【0033】
錠剤の製造について、付着を回避しおよび/または得られた粒状物の流動性を増加させるために、1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、滑沢剤)を加えることが一般に必要とされる。このため、本願方法も得られた粒状物を1以上の医薬的許容される賦形剤と混合する工程を含んでいてもよい。
【0034】
下記のように、本発明者等は、即ち、炭酸カルシウム錠剤がソルビトールおよび/またはイソマルトのような結合性の糖アルコールを含むときに、好適な溶解安定性を得るには、滑沢剤を外添するのが有利であり、即ち、打錠機のパンチおよびダイ上に直接噴霧される状況があることを確認した(注:ソルビトールが相対的に低濃度で用いられることを条件として、滑沢剤は内添されてもよい。)。
【0035】
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤の外用は本発明の態様の重要な特徴である。本願実施例から明らかなように、滑沢剤を圧縮前に粒状物に加えた場合、得られる溶解プロフィルは経時的に変化する(製造後、最初の14日間)。しかしながら、滑沢剤を錠剤化の前に圧縮空気を用いてダイおよびパンチ上に噴霧した場合、本発明者等は溶解に関して所望の安定性が得られることを見出した。
【0036】
本発明の方法は、典型的には、特に1以上の糖アルコールの存在下、炭酸カルシウムを凝集させるのにローラー圧縮の使用を伴う。本出願人は、以前、例えば、ソルビトールを含む炭酸カルシウムのローラー圧縮が、錠剤に容易に製造し得る凝集物をもたらすことを見出している。しかしながら、例えば、乾式造粒のようなローラー圧縮以外のその他の関連する方法も好適な結果をもたらし得ることは考慮される。
【0037】
このため、本発明の方法においては、前記工程i)中の粒子組成物は、工程:
i)ローラー圧縮された粒状物を得るための、炭酸カルシウム、および、ソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの組み合わせから選択される結合性の糖アルコール、および、マンニトール、マルチトールもしくはキシリトールまたはそれらの組み合わせから選択される非結合性の糖アルコールのローラー圧縮、および
ii)もし適切であれば、混合機中での1以上の医薬的に許容される賦形剤の混合
によって製造される。
【0038】
(例えば、ソルビトールの濃度が10重量%を超えない場合、)最終粉末混合物中のソルビトールの濃度に依存して、滑沢剤をローラー圧縮もしくは関連する方法によって得られた粒子組成物に加えてもよく、あるいは、(ソルビトールの濃度によらずに、)打錠装置に外添してもよい。
【0039】
ローラー圧縮法は粉末材料に個々の粒子間に結合力を発生させることを可能とする、即ち、平均粒子径の増加が確認される。錠剤を製造するときに、適当な流動性および錠剤を作り上げる成分の粒状物(または凝集物)の固着を確保するのに、粒状物(または凝集物)の形成は重要である。
【0040】
このことが前記の場合でなければ、製造の際の成分の混合不良(de-mixing)の大きなリスクが存在し、このことは、通常、質量の変動(mass variation)および投与量の変動(dose variation)に関する薬局方の要件に対して満足のいかない特性をもたらす。
【0041】
前記のように、粉末のローラー圧縮法は公知の造粒または凝集方法、即ち、湿式造粒または−錠剤を製造するときの−乾燥バインダーを用いる直接圧縮の代替方法として適用される。本発明者等は、ローラー圧縮法は許容可能な口当りを有し、同時に、優勢なチョークのような(chalk-like)味またはフィーリングを有さない生成物を得る可能性を無効にしないことを見出した。
【0042】
通常、ローラー圧縮は、特定の物質または組成物の嵩密度を増加させることを目的に、例えば、嵩高い物質を、医薬組成物を製造する際により使用し易い、より嵩の低い物質に変化させるために用いられ、このことは、第1の課題が材料を凝集させることであるということが主な目的ではない。
【0043】
炭酸カルシウムは相対的に高い量で服用され、その結果、大き過ぎる錠剤径を避けるために、薬物負荷が相対的に高いことは重要である。錠剤を飲み込むことを意図する場合、チューイング錠の場合でさえ、このことは一般に最も興味深いことであり、患者は大きさが余りに大きくはない錠剤を好む。その結果、錠剤の製造を可能とするために用いられる賦形剤は通常、相対的に低い濃度に保たれるべきである。
【0044】
錠剤の組成中に存在する糖アルコールの合計濃度は、約20重量%〜約25重量%のような、約15重量%〜約35重量%である。そのような濃度は少なくとも50重量%の炭酸カルシウムの濃度を有する炭酸カルシウム錠剤の製造を可能とする。本願実施例から明らかなように、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%または少なくとも70重量%のような、かなり高い薬物負荷が可能である。
【0045】
結合性の糖アルコールを除いて、本願実施例は結合性の糖アルコールと共に非結合性の糖アルコールを組み込むことが所望の溶解安定性をもたらすことを示す。本発明の錠剤中の非結合性の糖アルコール(類)の合計濃度は、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%または少なくとも4重量%のような、少なくとも1重量%である。本願実施例から明らかなように、結合性の糖アルコールと非結合性の糖アルコールとの好適な組み合わせは、典型的には以下のものである。
【0046】
【表1】

【0047】
外用する滑沢剤を用いる前記の方法を用いることによって、次の組成を有する錠剤が得られる。
【0048】
カルシウム錠剤中のソルビトールの含量が10重量%を超えない場合、例えば、ステアリン酸のアルカリ土類金属塩のような滑沢剤が、約0.3重量%〜0.4重量%のような、約0.26重量%〜0.44重量%の合計濃度で用いられてもよいことを強調することは重要である。好ましい態様においては、ステアリン酸のアルカリ土類金属塩は約0.35重量%の濃度で用いられる。
【0049】
以下に記載の極めて低い濃度は、圧縮の際に滑沢剤を含む分散液/溶液で圧縮手段を噴霧することにより適用された滑沢剤の量に相当する。しかしながら、当業者は、本発明の開示に基づいて、ソルビトールの濃度が低い場合、濃度が通常用いられるよりも低い濃度、即ち、5重量%未満であっても、滑沢剤を圧縮前に粒子材料に混合することも−あるいは代替方法で混合することも−可能であることを理解するであろう。本願実施例においては、0.35重量%までの濃度が好適な結果を与えることを示している。
【0050】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
4〜25重量%の1以上の結合性の糖アルコール、
4〜25重量%の1以上の非結合性の糖アルコール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤(flavours)、人工甘味剤等、
0.001〜0.01重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【0051】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
4〜25重量%のソルビトール、
4〜25重量%の1以上のマンニトール、マルチトールまたはキシリトール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、
0.001〜0.01重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【0052】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
4〜25重量%のイソマルト、
4〜25重量%の1以上のマンニトール、マルチトールまたはキシリトール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、および
0.001〜0.01重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【0053】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
10〜25重量%の1以上の結合性の糖アルコール、
4〜15重量%の1以上の非結合性の糖アルコール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、
0.001〜0.01重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【0054】
さらに、本発明者等は、溶解に関する好適な安定性が、
i)ローラー圧縮した粒状物を得るための、a)炭酸カルシウム、b)ソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの組み合わせから選択される結合性の糖アルコール、および、c)マンニトール、マルチトールもしくはキシリトールまたはそれらの組み合わせから選択される非結合性の糖アルコールのローラー圧縮、
ii)混合機中での滑沢剤および任意の1以上の前記医薬的に許容される賦形剤の混合、および
iii)打錠機を用いる前記組成物の圧縮
(ただし、錠剤の組成中のソルビトールの濃度は10重量%を越えない。)
を含む、少なくとも70重量%の炭酸カルシウムを含む錠剤の製造方法によっても得られ得ることも確認した。
【0055】
このため、この場合、滑沢剤は圧縮前に粒状物に内添されている。溶解安定性に関する詳細、イソマルトの濃度、もし存在するならば、非結合性の糖アルコールの濃度等は前記のように、滑沢剤が外用されるときと同じである。唯一の相違点はソルビトールの最大含量および錠剤中に存在する滑沢剤の濃度に関してであり、前記濃度は、この場合、滑沢剤を外用することによって製造される錠剤中のものよりいくらか高い。
【0056】
本願実施例から明らかなように、好適な滑沢剤は、(錠剤の合計重量をベースとして、)0.35重量%の濃度で用いるステアリン酸マグネシウムである。0.45重量%の濃度でのステアリン酸マグネシウムの使用は満足のいかない溶解プロフィルを有する錠剤をもたらし(カルシウムが余りにもゆっくりと放出された)、ステアリン酸マグネシウムを0.25重量%の濃度で使用したときには、パンチおよびダイへの接着が確認された。
【0057】
滑沢剤の内用によって製造される好適な錠剤は:
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
2〜10重量%の1以上の結合性の糖アルコール、
4〜25重量%の1以上の非結合性の糖アルコール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、
0.26〜0.44重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤である。
【0058】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
2〜10重量%の1以上の結合性の糖アルコール、
4〜25重量%の1以上の非結合性の糖アルコール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、
0.3〜0.4重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【0059】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
2〜10重量%の1以上の結合性の糖アルコール、
4〜25重量%の1以上の非結合性の糖アルコール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、
0.35重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【0060】
炭酸カルシウム
前記のように、カルシウムは哺乳類の体内、特にヒトにおいて多くの重要な機能を有する。
【0061】
例えば、炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は錠剤で用いられ、高用量のカルシウムが必要とされるため、そのような錠剤は、たいてい、チュアブル錠の形態である。例えば、カルシウム塩を含み、独特の優勢な味またはチョークのフィーリングがなく、快適な味および許容可能な口当りを有するチュアブル錠を製剤化することは難問である。
【0062】
本発明において、炭酸カルシウムは活性物質として用いられる。得られた錠剤が溶解安定性に関して所望の特性を有することを条件として、炭酸カルシウムはその他のカルシウム塩と組み合わせて使用してもよい。
【0063】
炭酸カルシウムと組み合わせて用いるための好適なその他のカルシウム塩は、ビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムコーネート、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムであってよい。
【0064】
通常、本発明によって作製された錠剤は、例えば、約150〜約800mg、約200〜約700mg、約200〜約600mgまたは約200mg〜約500mgのCaのような、約100〜約1000mgのCaに相当するカルシウム含有化合物の量を含む。
【0065】
炭酸カルシウムは3つの異なった結晶構造:カルサイト、アラゴナイトおよびバテライトとして存在することができる。鉱物学的には、これらは特異的な鉱物相であり、結晶構造中のカルシウム、炭素および酸素原子の独特な配置に関係する。これらの独特な相は結晶形の形状および対称性に影響を与える。
【0066】
例えば、カルサイトは4つの異なった形状:偏三角面体状、プリズム状、球状および菱面体状で入手可能であり、アラゴナイトの結晶は、例えば、別々かまたは房になった針のような(needle-like)形状として得ることができる。例えば、立方体のようなその他の形状も入手可能である(Scoraからのスコラライト(Scoralite))。
【0067】
本願実施例において示しているように、特に好適な品質の炭酸カルシウムは、例えば、50μm以下または40μm以下のような、60μm以下の平均粒子径を有する炭酸カルシウムである。
【0068】
さらに、興味深い品質の炭酸カルシウムは2g/mLより低い嵩密度を有する。
【0069】
10〜30μmの平均粒子径、0.4〜0.7g/mLの見掛けの嵩密度および0.3m2/gの比表面積を有する、炭酸カルシウム2064メルク(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
【0070】
約3.9μmの平均粒子径および0.4〜0.7g/mLの見掛けの嵩密度を有する、炭酸カルシウム2069メルク(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
【0071】
スコラライト1A(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、5〜20μmの平均粒子径、0.7〜1.0g/mLの見掛けの嵩密度および0.6m2/gの比表面積を有する;
【0072】
スコラライト1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、10〜25μmの平均粒子径、0.9〜1.2g/mLの見掛けの嵩密度および0.4〜0.6m2/gの比表面積を有する;
【0073】
スコラライト1A+1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、7〜25μmの平均粒子径、0.7〜1.2g/mLの見掛けの嵩密度および0.35〜0.8m2/gの比表面積を有する;
【0074】
ファーマカルブ(Pharmacarb)LL(Mahawah ニュージャージー、Chr.Hansenから入手可能)Lは、12〜16μmの平均粒子径、1.0〜1.5g/mLの見掛けの嵩密度および0.7m2/gの比表面積を有する;
【0075】
スターカル(Sturcal)Hは、約4μmの平均粒子径、0.48〜0.61g/mLの見掛けの嵩密度を有する;
【0076】
スターカルFは、約2.5μmの平均粒子径、0.32〜0.43g/mLの見掛けの嵩密度を有する;
【0077】
スターカルMは、7μmの平均粒子径、0.7〜1.0g/mLの見掛けの嵩密度および1.0m2/gの比表面積を有する;
【0078】
ミクハート(Mikhart)10、SPL、15、40および65(フランス、Provencale、Provencaleから入手可能)
(ミクハート10は10μmの平均粒子径を有する、
ミクハートSPLは20μmの平均粒子径を有する、
ミクハート15は17μmの平均粒子径を有する、
ミクハート40は30μmの平均粒子径、1.1〜1.5g/mLの見掛けの嵩密度を有する、
ミクハート65は60μmの平均粒子径、1.25〜1.7g/mLの見掛けの嵩密度を有する);
【0079】
オムヤピュア(Omyapure)35(フランス、パリ、OmyaS.A.Sから入手可能)は、5〜30μmの平均粒子径および2.9m2/gの比表面積を有する;
【0080】
ソーカル(Socal)P2PHV(ベルギー、ブリュッセル、Solvayから入手可能)は、1.5μmの平均粒子径、0.28g/mLの見掛けの嵩密度および7.0m2/gの比表面積を有する;
【0081】
10〜30μmの平均粒子径、0.9〜1.2g/mLの見掛けの嵩密度および0.7m2/gの比表面積を有する、カルシピュア(Calci Pure)250Heavy、カルシピュア250ExtraHeavyおよびカルシピュアGCC HD212(セントルイスモンタナ、Particle Dynamic Inc.から入手可能)。
【0082】
本発明によって製造された錠剤中のカルシウム含有化合物の含量は、例えば、約55重量%〜約90重量%、約60重量%〜約85重量%、約65重量%〜約80重量%または約70重量%〜約75重量%のような、約50重量%〜約90重量%の範囲である。
【0083】
通常、治療的または予防的な目的のためのカルシウムの用量は1日当たり約350mg(例えば、新生児)〜約1200mg(授乳婦)である。錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、錠剤が1日当たり1〜4回、好ましくは1日当たり1回または2回投与するのに好適となるように調整することができる。
【0084】
当業者は所望のカルシウム含有物質を得るのに、その組成および種々の工程パラメータの調整方法を知るであろう。
【0085】
カルシウム含有化合物以外のその他の活性物質を含むことが望まれる場合、方法は、1以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を得られた粒状物に加える工程も含んでいてもよい。
【0086】
そのような物質は、例えば、1以上のビタミンまたはミネラルのような、1以上の栄養剤を含む。具体的な態様において、さらなる活性物質は、例えば、ビタミンD3、ビタミンD2またはそれらの誘導体のようなビタミンDである。
【0087】
ビタミンDまたはその他の活性物質
本発明によって得られる粒子材料および錠剤は、さらなる医薬的および/または予防的に活性な物質を含んでいてもよい。1以上のビタミンDの化合物が特に興味深い。非限定的な例は、DSMから入手可能な乾燥ビタミンD3100CWSおよびBASFから入手可能な乾燥ビタミンD3100GFPである。
【0088】
本発明によって作製される粒子材料または錠剤は、さらなる医薬的および/または予防的に活性な物質を含んでいてもよく、あるいは、例えば、1以上のビタミンまたはミネラルのような1以上の栄養剤を含んでいてもよい。例えば、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンDおよび/またはビタミンK、ならびに、例えば、亜鉛、マグネシウム、セレン等のようなミネラルが特に興味深い。
【0089】
例えば、DSMから入手可能な乾燥ビタミンD3100CWSおよびBASFから入手可能な乾燥ビタミンD3100GFPを含む、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)およびビタミンD3(コレカルシフェロール)のような1以上のビタミンDの化合物が特に興味深い。
【0090】
カルシウムおよび骨格の恒常性への作用に加えて、ビタミンDは体内のいくつかの主なシステムの調節に関与する。ビタミンDの作用は、主に腎臓で作られる1,25−(OH)2ビタミンDとビタミンD受容体(VDR)とによって形成される複合体によりゲノムでメディケート(medicated)される。後者は多くのタイプの細胞中に広く分布している。
【0091】
1,25−(OH)2ビタミンD/VDRの複合体は、細胞分化および免疫系において、重要な調節の役割を有している。これらの作用のいくつかは、おそらく、局所的に1,25−(OH)2ビタミンDを作り、パラクリンとして作用する、腎臓以外の特定の組織の能力に依存している(Adams JSら、Endocrinology 1996;137:4514-7)。
【0092】
ヒトにおいて、ビタミンDの欠乏は小児にくる病および大人に骨軟化症をもたらす。石灰化は骨芽細胞により行なわれるため、基本的な異常は類骨から離れる、石灰化速度の遅れである(Peacock M. London Livingstone, 1993:83-118)。
【0093】
この遅れが、骨芽細胞における1,25−(OH)2ビタミンD−依存メカニズムの破綻によるのか、もしくは、吸収不良に次ぐカルシウムおよびホスフェートの供給の低下によるのか、または、両者の組み合わせによるのかは明らかではない。石灰化の遅れに伴って、カルシウムおよびホスフェートの供給の低下、低カルシウム血症および低リン酸塩血症を伴う重篤な二次性上皮小体機能亢進症、および、骨交替(turnover)の増加が存在する。
【0094】
ビタミンDの不足、ビタミンDの欠乏の前臨床段階も、欠乏で見られるよりマイルドな度合ではあるが、カルシウムの供給の減少および二次性上皮小体機能亢進症を引き起こす。この状態が慢性的となった場合、オステオペニアが生じる。このカルシウム不足の状態の根底に存在する生化学的なプロセスは、おそらく、その基質の25−OHDの還元による1,25−(OH)2ビタミンDの不適当なレベルである(Francis RMら、Eur J Clin Invest 1983; 13:391-6)。
【0095】
ビタミンDの不足の状態は、高齢者において、最も一般的に見られる。加齢に伴い、日光曝露の減少および起こり得る皮膚合成の減少によって、血清25−OHビタミンDが減少する。さらに、高齢者において、この状態はカルシウムの取り込みの減少および逆説的なカルシウムの吸収の減少によって悪化する。腎臓の1,25−(OH)2ビタミンDの産生の減少を生じる、加齢に伴う腎機能の低下が要因であろう。
【0096】
高齢者の骨損失におけるビタミンDの補給の効果について、多くの研究が存在する。いくつかはカルシウムの補給を伴わず、その他のものはカルシウムの補給を伴う。それらの研究から、ビタミンDの補給は欠乏および不足を覆すのに必要であるが、主な骨格の異常はカルシウム欠乏であるため、骨格がカルシウムの補給に関係する限り、なおさら重要であることが分かる。
【0097】
臨床試験に基づく文献において、最近の発見は高齢の患者に対して、より高用量のビタミンDの必要性の傾向を提案している(Compston JE. BMJ 1998;317:1466-67)。ビタミンDの150,000〜300,000IUの毎年の注射(約400〜800IU/日に相当)のオープン準ランダムな研究は、治療患者において、体全体の骨折率の有意な減少を示したが、股関節骨折の率には有意な減少を示さなかった(Heikinheimo RJら、Calcif Tissue Int 1992; 51:105-110)。
【0098】
前記から分かるように、カルシウムとビタミンDとの組み合わせは興味深い。カルシウムおよびビタミンD3の推奨される一日当たりの許容量(recommended Daily Allowance(RDA))は次のとおりである(欧州委員会、欧州共同体中の骨粗鬆症の報告、予防のための処置、欧州共同体の公報局、ルクセンブルグ 1998):
【0099】
【表2】

【0100】
医薬的に許容される賦形剤
本願明細書において、用語「医薬的に許容される賦形剤」とは、それ自体がいずれかの治療的および/または予防的な効果を実質的に有さないという意味で不活性な、いずれかの物質を指すことを意図する。
【0101】
医薬的に許容される賦形剤は、許容可能な技術的特性を有する医薬組成物を得ることを可能とすることを目的に、活性薬物に加えられていてもよい。医薬的に許容される賦形剤は活性薬物の放出にいくらかの影響を与えてもよいが、修飾された(modified)放出を得るのに有用な物質はこの定義の中には含まれない。
【0102】
カルシウム含有化合物(本願明細書中、炭酸カルシウム)および糖アルコールは、ローラー圧縮の前または後に1以上の医薬的に許容される賦形剤と共に混合もされてもよい。そのような賦形剤は、例えば、充填剤、バインダー、崩壊剤、滑沢剤、着香剤、着色剤のような固形剤の製剤化の際に通常用いられるものを含み、甘味料、pH調整剤、安定化剤等を含む。
【0103】
典型的には、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム(カルボキシメチルセルロースナトリウムの架橋ポリマー)、クロスポビドン(crospovidone)、澱粉NF;ポラクリリン(polacrilin)ナトリウムまたはカリウムおよびナトリウムの澱粉グリコレートからなる群から選択される。
【0104】
当業者は、30分以内、より望ましくは10分以内、最も望ましくは5以内に崩壊することが圧縮性の錠剤にとって望ましいと認識するであろう、その結果、使用する崩壊剤は、30分以内、より好ましくは10分以内、最も好ましくは5以内に錠剤の崩壊をもたらすことが好ましい。
【0105】
使用してもよい崩壊剤の例は、例えば、微結晶質セルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、LH22、LH21、LH20、LH32、LH31、LH30)を含むセルロース誘導体;馬鈴薯澱粉を含む澱粉;クロスカルメロースナトリウム(即ち、架橋したカルボキシメチルセルロースナトリウム塩;例えば、Ac−Di−Sol(登録商標));アルギン酸またはアルギネート;不溶性のポリビニルピロリドン(例えば、ポリビドン(Polyvidon)(登録商標)CL、ポリビドン(登録商標)CL−M、コリドン(Kollidon)(登録商標)CL、ポリプラスドン(Polyplasdone)(登録商標)XL、ポリプラスドン(登録商標)XL−10);カルボキシメチル澱粉ナトリウム(例えば、プリモゲル(Primogel)(登録商標)およびエクスプロタブ(Explotab)(登録商標))である。
【0106】
ポリオール、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、エリトリトール(Erythritol)(登録商標)、タガトース(Tagatose)(登録商標)、乳糖(例えば、噴霧乾燥した乳糖、α-乳糖、β-乳糖、タブレトース(Tabletose)(登録商標)、種々のグレードのファーマトース(Pharmatose)(登録商標)、ミクロトースまたはファースト-フロック(Fast-Floc)(登録商標))、微結晶質セルロース(例えば、アビセル(Avicel)(登録商標)PH101、アビセル(登録商標)PH102またはアビセル(登録商標)PH105のような種々のグレードのアビセル(登録商標)、エルセマ(Elcema)(登録商標)P100、エムコセル(Emcocel)(登録商標)、ビバセル(Vivacel)(登録商標)、ミングタイ(Ming Tai)(登録商標)およびソルカ-フロック(Solka-Floc)(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、L−ヒドロキシプロピルセルロース(低置換)(例えば、L−HPC−CH31、L−HPC−LH11、LH22、LH21、LH20、LH32、LH31、LH30)、デキストリン、マルトデキストリン(例えば、ロデクス(Lodex)(登録商標)5およびロデクス(登録商標)10)、澱粉または加工澱粉(馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉およびコメ澱粉を含む)、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムのような充填剤/希釈剤/バインダーが組み込まれてもよい。
【0107】
本発明によって作製される医薬組成物において、特に、微結晶質セルロース、L−ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、マルトデキストリン、澱粉および加工澱粉が好適であることが示されている。
【0108】
本発明の具体的な態様において、カルシウム含有化合物を1以上の医薬的に許容されるバインダーと一緒にローラー圧縮してもよく、あるいは、バインダーをローラー圧縮後に加えてもよい。湿式造粒法で普通に用いられるバインダーは、本質的には液体が凝集の際に存在しないので、同程度には機能し得ないようではあるが、好適なバインダーには製薬の分野において通常用いられるものが含まれる。
【0109】
より具体的には、例には、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、L−HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、微結晶質セルロース(MCC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na−CMC)等を含むセルロース誘導体;
【0110】
デキストロース、フルクトース、グルコース、イソマルト、乳糖、マルトース、ショ糖、タガトース、トレハロース、イヌリンおよびマルトデキストリンを含む、モノ-、ジ-、オリゴ-、ポリサッカライド;
【0111】
例えば、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールおよびイノシトールのような糖アルコールを含むポリオール;
【0112】
コリドンK30、コリドン90FまたはコリドンVA64を含むポリビニルピロリドン、およびカゼインを含むタンパク質が含まれる。
【0113】
非イオン性(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポリソルベート120、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレート、グリセリルモノオレエートおよびポリビニルアルコール)、アニオン性(例えば、ドキュセートナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム)およびカチオン性(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよびセトリミド)またはそれらの混合物のような界面活性剤が用いられてもよい。
【0114】
その他の適当な医薬的に許容される賦形剤は、着色剤、着香剤および緩衝剤を含んでもよい。
【0115】
錠剤は、デキストロース、フルクトース、グリセリン、グルコース、ラクチトール、乳糖、マルトース、ショ糖、タガトース、トレハロース、アリテーム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸、シクラミン酸塩(例えば、シクラミン酸カルシウム、シクラミン酸ナトリウム)、スクラロース、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タウマチン、サッカリン、サッカリン塩(例えば、サッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンカリウム、サッカリンナトリウム)、およびそれらの混合物からなる群から選択される甘味料を含んでもよい。
【0116】
コーティングが組成物からの活性薬物の放出を実質的に遅らせないことを条件として、本発明の方法によって得られた錠剤はコーティングされていてもよい。典型的には、フィルムコーティングが用いられてよい。
【0117】
所望の場合、公知の着香剤および公知のFD&C着色剤を組成物に加えることができる。
【0118】
本発明は、以下の実施例において、本発明を限定することなく示されている。
【実施例】
【0119】
実施例1(比較)
異なった糖アルコールの圧縮性試験
ネオソルブP100T、ソルビデックスP1666BO、イソマルトST-PF、マルチソルブP90、マンニトール60またはキシリトールCM50のいずれかを含む錠剤を、機器を備えたFette Exacta 1/Fシングル・パンチ・タブレット・プレスで圧縮し、上部パンチの最大圧縮力のみを記録した。
【0120】
各錠剤の圧縮前に、パンチチップ(punch tips)およびダイ穴(die bore)をアセトン中の5%ステアリン酸マグネシウム懸濁液で塗った。錠剤の圧縮前にアセトンを蒸発させた。
【0121】
糖アルコールを秤量し、ダイ穴に移し、次いで、圧縮した(表1を参照)。取出し後、直ちに、その錠剤の破砕強度試験を行った。
【0122】
【表3】

【0123】
得られた糖アルコールの錠剤の破砕強度は粒子径に依存しないことが推定され、このことを38μmおよび110μmの2つの異なった平均粒子径を有するソルビトールを用いて試験した。図1(各点は3つの測定値の平均である)から、推定が正しかったことが分かる。このため、粒子径の試験をその他の糖アルコールについては繰り返さなかった。
【0124】
図1から、ソルビトールが、圧縮力と破砕強度との間の関係で最も急な傾きをもたらす、最良の圧縮性を有することが分かる。ソルビトールに次いでイソマルトである。マルチトール、マンニトールおよびキシリトールは極めて乏しい圧縮性を有する。
【0125】
使用した打錠機は、最小値として適用した圧縮力を測定するデータ測定器を備えている。しかしながら、適用した圧縮力を測定し得ることを条件として、いずれの打錠機を用いてもよい。
【0126】
破砕強度をDr.Schleuniger社からのSchleuniger-2Eを用いて測定し、10錠それぞれについて破砕強度を測定して決定した。
【0127】
実施例2
内側または外側の滑沢剤と組み合わせた結合性および非結合性の糖アルコールの混合物の溶解安定性への影響
この実施例においては、ソルビトールを結合性の糖アルコールとして、マルチトールを非結合性の糖アルコールとして選択した。
【0128】
【表4】

【0129】
約20kgのバッチサイズをベースとし、表3に記載の錠剤を次の方法で製造する。
【0130】
ソルビトールおよびマンニトールをクアドロコミル(Quadro Comill)を用いて粉砕する。その後、これらを回転混合機を用いて炭酸カルシウムと混合する。この混合物を次のパラメーター:ギャップサイズ約3.5mm、圧縮力(固定)12kN/cm、回転速度5rpm、篩の大きさ1.5mmに基づいて、Gerteis 3W-Polygranローラー圧縮機(roller compactor)を用いてローラー圧縮する。残りの賦形剤を回転混合機を用いてここで得られた粒状物に混合する。この最終混合物をフェット(Fette)2090ロータリータブレットプレスを用いて錠剤に圧縮する(カプセルの形状のパンチデザイン(18.9mm×9.4mm)、11kPの破砕強度を目標とする圧縮強度、錠剤質量(tablet mass)1728mg)。ステアリン酸マグネシウムをタブレットパンチ上にステアリン酸マグネシウムを噴霧するPKB2ステアリン酸マグネシウム噴霧システムを用いて外添した。
【0131】
カルシウムの放出をPh.Eur.apparatus2(パドル)(回転数70rpm、0.1NのHClおよび37°)を用いる溶解試験によって試験し、3個の錠剤を試験した。これを開放したペトリ皿中、25℃、相対湿度(RH)60%での保存の最初と14日後に行った。この試験は組成物が溶解プロフィルに対して安定であるか否かを試験するのに一般に受け入れられている。
【0132】
溶解試験の結果を図2に示している。この図から、ステアリン酸マグネシウムの外添のために、溶解は試験を行ったソルビトール/マルチトール間の関係に関して、保存によっては影響を受けないことが分かる。
【0133】
実施例3
内側または外側の滑沢剤と組み合わせた結合性および非結合性の糖アルコールの混合物の溶解安定性への影響
この実施例においては、ソルビトールを結合性の糖アルコールとして、マンニトールを非結合性の糖アルコールとして選択した。
【0134】
【表5】

【0135】
表3の組成に基づいて、錠剤を実施例2に従って製造する。しかしながら、実験1〜5中の錠剤については、ステアリン酸マグネシウムを内添し、1728mgの錠剤質量を得、他方、実験6〜10については、ステアリン酸マグネシウムを、タブレットパンチ上にステアリン酸マグネシウムを噴霧するPKB2ステアリン酸マグネシウム噴霧システムを用いて外添し、1722mgの錠剤質量を得た。
【0136】
実験1〜5において、ステアリン酸マグネシウムの含量は約0.35重量%に相当する錠剤1つ当たり約6mgであった。実験6〜10において、約30〜50μgのステアリン酸マグネシウムを圧縮の際、錠剤の表面に堆積させた。
【0137】
溶解試験を実施例2に従って行った。得られた溶解プロフィルは図3および4において見ることができる。これらの図からは、ステアリン酸マグネシウムを(錠剤製剤中に)内添したとき、溶解プロフィル、図2は、製剤中のソルビトールの量によっては初期に影響を受けないことがわかる。しかしながら、14日後、ソルビトールの量は否定的であることが判明し、実験1〜3については満足のいかない溶解プロフィルをもたらす。しかしながら、ステアリン酸マグネシウムを外添した場合、ソルビトールの量は溶解の安定性には影響を与えない(図3)。
【0138】
実施例2および3は、ステアリン酸マグネシウムを内添した場合、初期に認容可能な溶解プロフィルが、保存したときに、結合性の糖アルコールと非結合性の糖アルコールとの間の関係によって影響を受けることを示す。ステアリン酸マグネシウムを外添した場合、この関係は保存後の錠剤の溶解性には影響を与えない。
【0139】
実施例4
内側または外側の滑沢剤と組み合わせた2つの結合性の糖アルコールの混合物の溶解安定性への影響
この実施例においては、ソルビトールおよびイソマルトを結合性の糖アルコールとして選択した。
【0140】
【表6】

【0141】
表4の組成に基づいて、錠剤を実施例2に従って製造する。しかしながら、実験11〜16中の錠剤については、ステアリン酸マグネシウムを内添し、1728mgの錠剤質量を得、他方、実験17〜22については、ステアリン酸マグネシウムを、タブレットパンチ上にステアリン酸マグネシウムを噴霧するPKB2ステアリン酸マグネシウム噴霧システムを用いて外添し、1722mgの錠剤質量を得た。
【0142】
溶解試験を実施例2に従って行った。得られた溶解プロフィルは図5および6において見ることができる。これらの図から、ステアリン酸マグネシウムを(錠剤製剤中に)内添したときに、溶解プロフィル、図5は、製剤中のソルビトールおよびイソマルトの比率によっては初期に影響を受けないことがわかる。しかしながら、開放したペトリ皿中、25℃、相対湿度(RH)60%での14日間の保存の後、ソルビトールの量は否定的であることが判明し、全ての実験について満足のいかない溶解プロフィルとなった。さらに、たとえソルビトールを製剤より完全に除去し、たとえソルビトールの量の減少が影響を低下させたとしても、準最適な溶解プロフィルとなる。
【0143】
実施例3において見られたものとは対称的に、ステアリン酸マグネシウムの外添のために、極少量のソルビトールは、開放したペトリ皿中、25℃、RH60%での錠剤の保存によっては溶解プロフィルに影響を与えない(図6)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)a)炭酸カルシウム、b)ソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの組み合わせから選択される結合性の糖アルコール、c)マンニトール、マルチトールもしくはキシリトールまたはそれらの組み合わせから選択される非結合性の糖アルコールを含む粒子組成物の用意、および
ii)少なくとも1組のパンチおよびダイを備えた打錠機を用いる前記組成物の圧縮(ここで、1組のパンチおよびダイは、ダイを前記粒子組成物で満たす前に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸またはそれらの組み合わせから選択される滑沢剤を含む組成物で噴霧されている。)
を含む、少なくとも50重量%の炭酸カルシウムを含む錠剤の製造方法。
【請求項2】
粒子組成物が、1以上の医薬的に許容される賦形剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ソルビトールの濃度が、もし存在するならば、10重量%を超えない、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記医薬的に許容される賦形剤が、0.35重量%以下の濃度のステアリン酸マグネシウムである、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記医薬的に許容される賦形剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸ではない、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
粒子組成物が、工程:
i)ローラー圧縮された粒状物を得るための、前記炭酸カルシウムおよび前記結合性の糖アルコールおよび前記非結合性の糖アルコールのローラー圧縮、および
ii)もし適切であれば、混合機中での1以上の前記医薬的に許容される賦形剤の混合
によって製造される、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
錠剤の組成中に存在する糖アルコールの合計濃度が、約15重量%〜約35重量%である、請求項1〜2または4〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
錠剤の組成中に存在する糖アルコールの合計濃度が、約20重量%〜約25重量%である、請求項1〜2または4〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
非結合性の糖アルコール(類)の合計濃度が、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%または少なくとも4重量%のような、少なくとも1重量%である、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法によって得られる炭酸カルシウム錠剤。
【請求項11】
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸単体から選択される滑沢剤が、錠剤の最外(外側の)面上に存在する、少なくとも50重量%の炭酸カルシウムを含む炭酸カルシウム錠剤。
【請求項12】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
4〜25重量%の1以上の結合性の糖アルコール、
4〜25重量%の1以上の非結合性の糖アルコール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、
0.01〜0.001重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【請求項13】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
4〜25重量%のソルビトール、
4〜25重量%の1以上のマンニトール、マルチトールまたはキシリトール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、
0.01〜0.001重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【請求項14】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
4〜25重量%のイソマルト、
4〜25重量%の1以上のマンニトール、マルチトールまたはキシリトール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、および
0.01〜0.001重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【請求項15】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
10〜25重量%の1以上の結合性の糖アルコール、
4〜15重量%の1以上の非結合性の糖アルコール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、
0.01〜0.001重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。
【請求項16】
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよび/またはステアリン酸単体の成分が、錠剤の最外(外側の)面上に存在する、請求項12〜15のいずれか一つに記載の炭酸カルシウム錠剤。
【請求項17】
請求項1〜9のいずれか一つで定義される方法によって製造される、請求項12〜16のいずれか一つに記載の炭酸カルシウム錠剤。
【請求項18】
i)ローラー圧縮された粒状物を得るための、a)炭酸カルシウム、b)ソルビトールまたはイソマルトから選択される結合性の糖アルコール、および、c)マンニトール、マルチトールまたはキシリトールから選択される非結合性の糖アルコールのローラー圧縮、
ii)混合機中での滑沢剤および任意の1以上の前記医薬的許容される賦形剤の混合、および
iii)打錠機を用いる前記組成物の圧縮、
(ただし、錠剤の組成中のソルビトールの濃度は10重量%を越えない。)
を含む、少なくとも70重量%の炭酸カルシウムを含む錠剤の製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法によって得られる炭酸カルシウム錠剤。
【請求項20】
70〜75重量%の炭酸カルシウム、
2〜10重量%の1以上の結合性の糖アルコール、
4〜25重量%の1以上の非結合性の糖アルコール、
2〜10重量%の1以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば、バインダー、充填剤、添加剤等−ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸のような滑沢剤ではない。)、
0〜2重量%の1以上の着香剤、人工甘味剤等、
0.35重量%のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸
(ただし、合計量は100重量%に相当する。)
を含む炭酸カルシウム錠剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−508706(P2012−508706A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535926(P2011−535926)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008157
【国際公開番号】WO2010/054845
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(506390753)ニコメド ファーマ エイエス (9)
【氏名又は名称原語表記】NYCOMED PHARMA AS
【住所又は居所原語表記】Drammensveien 852,NO−1385 Asker,Norway
【Fターム(参考)】