点灯装置及びそれを用いた照明器具
【課題】スイッチング素子の駆動信号を高周波化することなくPWM信号のスイープ時における光源部の光出力の変化を滑らかにすることのできる点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】発光ダイオード30を備えた光源部3と、直流電源DC1の直流電圧を入力とし、光源部3に点灯電力を供給する点灯部1と、点灯部1を制御する制御部2とを備え、点灯部1は、インダクタL1及びスイッチング素子Q1の直列回路と、スイッチング素子Q1のオフ期間において光源部3にインダクタL1の蓄積エネルギーを回生させるためのダイオードD1とを備え、制御部2は、PWM信号によってスイッチング素子Q1のオン/オフを間欠的に駆動させる手段と、PWM信号のオン期間においてスイッチング素子Q1を高周波数で駆動させる手段とを備え、PWM信号が立ち下がると光源部3を流れる負荷電流のピーク値Ith1を一定の期間をかけて減少させる。
【解決手段】発光ダイオード30を備えた光源部3と、直流電源DC1の直流電圧を入力とし、光源部3に点灯電力を供給する点灯部1と、点灯部1を制御する制御部2とを備え、点灯部1は、インダクタL1及びスイッチング素子Q1の直列回路と、スイッチング素子Q1のオフ期間において光源部3にインダクタL1の蓄積エネルギーを回生させるためのダイオードD1とを備え、制御部2は、PWM信号によってスイッチング素子Q1のオン/オフを間欠的に駆動させる手段と、PWM信号のオン期間においてスイッチング素子Q1を高周波数で駆動させる手段とを備え、PWM信号が立ち下がると光源部3を流れる負荷電流のピーク値Ith1を一定の期間をかけて減少させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードや有機EL素子等の固体発光素子を点灯させる点灯装置及びそれを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光ダイオード(LED)照明モジュールに給電する給電アッセンブリ(点灯装置)が提供されており、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載の従来例は、図17に示すように、DC電源100の両端間に接続されるダイオードD10及びMOSFETで示す制御スイッチ101の直列回路を備える。また、インダクタL10及びLED照明モジュール102は、ダイオードD10の両端間に接続される。コントローラ103は、増幅器104を通じて制御スイッチ101の制御入力部に供給されるデュアルPWMスイッチング信号を発生する。このデュアルPWMスイッチング信号は、実質的には、低周波数のパルスバースト、すなわち低周波PWMスイッチング信号成分に供給される高周波PWMスイッチング信号成分の組み合わせである。
【0003】
コントローラ103は、電流モードパルス幅変調器105を有し、電流モードパルス幅変調器105は、電流源106からのLED電流基準信号、検知電流及び高周波のこぎり波信号を受信する。電流モードパルス幅変調器105は、ANDゲート107の一方の入力部に供給される高周波パルス幅変調スイッチング信号成分を発生し、ANDゲート107の他方の入力部は、低周波PWMスイッチング信号成分を受信する。ANDゲート107からの出力は、増幅器104を通じて制御スイッチ101のゲートに供給される。
【0004】
したがって、上記従来例では、デュアルPWMスイッチング信号の低周波成分を変化させることによって、LED照明モジュール102を流れる平均電流を、LED照明モジュール102から出力される光強度を変化させるために変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2006−511078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1に記載の従来例では、制御スイッチ101(スイッチング素子)の制御入力部に供給されるデュアルPWMスイッチング信号は、低周波のPWM信号と高周波の駆動信号とのAND出力である。このため、図18(a)に示すように、制御スイッチ101のオン期間にPWM信号が立ち下がると、制御スイッチ101の駆動信号はローレベルとなる。このように、PWM信号のオンデューティ比の変化によって制御スイッチ101のオン期間が変化し、それに応じてLED照明モジュール102(光源部)を流れる負荷電流、すなわちLED照明モジュール102の光出力が変化する。したがって、PWM信号のオンデューティ比を変化させることで、LED照明モジュール102の調光を行っている。なお、図18(a)に示す調光時の波形図は、制御スイッチ101を電流臨界モードで動作させた場合の一例である。
【0007】
一方、制御スイッチ101のオフ期間では、インダクタL10の回生電流がダイオードD10を介してLED照明モジュール102に流れるため、当該期間にPWM信号が立ち下がっても、LED照明モジュール102の光出力は変化しない。すなわち、図18(a)に示すように、同図の破線で示す位置までPWM信号のオンデューティ比をスイープさせなければ、制御スイッチ101の駆動信号の次のオンパルスが発生しない。このため、図18(a)に示す矢印の区間ではPWM信号のオンデューティ比をスイープさせてもLED照明モジュール102の光出力は変化しない。したがって、図18(b)に示すように、PWM信号のオンデューティ比に対して、LED照明モジュール102の光出力は階段状に変化する。この一段分の光出力差は、制御スイッチ101の駆動信号の1周期分の光出力に相当する。
【0008】
したがって、上記特許文献1に記載の従来例では、PWM信号のスイープを行うとLED照明モジュール102の光出力が段々に変化するために滑らかに変化せず、その変化を利用者が目視でき、目立ってしまうという問題があった。特に、低光束で調光している場合には、LED照明モジュール102の光出力の変化割合が大きくなるため、より目立ってしまうという問題がある。
【0009】
また、ビデオカメラ等の他の映像機器を通してLED照明モジュール102を見た場合には、映像機器特有の周波数と干渉したチラツキが目視されないようにするため、PWM信号の周波数を一定値以上に高くする必要がある。ところが、PWM信号の周波数を高くすると、(制御スイッチ101の駆動信号1周期)/(PWM信号1周期)の割合が大きくなる。すると、制御スイッチ101の駆動信号の1周期分の光出力が大きくなり、LED照明モジュール102の光出力がより段々に変化するように見えてしまう。
【0010】
これを回避するためには、制御スイッチ101の駆動信号の周波数を高くする必要があるが、スイッチング損失の増大や、汎用IC等の安価な部品で駆動する場合の駆動信号の周波数の上限等を考慮すると、大幅な高周波化は望めないという問題がある。
【0011】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、スイッチング素子の駆動信号を高周波化することなくPWM信号のスイープ時における光源部の光出力の変化を滑らかにすることのできる点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の点灯装置は、1乃至複数の固体発光素子を備えた光源部と、電源部からの直流電圧を入力とし、前記光源部に点灯電力を供給する点灯部と、前記点灯部を制御する制御部とを備え、前記点灯部は、インダクタ及びスイッチング素子の直列回路と、前記スイッチング素子のオフ期間において前記光源部に前記インダクタの蓄積エネルギーを回生させるためのダイオードとを備え、前記制御部は、PWM信号によって前記スイッチング素子のオン/オフを間欠的に駆動させる手段と、前記PWM信号のオン期間において前記スイッチング素子を前記PWM信号の周波数よりも高い周波数で駆動させる手段とを備え、前記PWM信号が立ち下がると前記光源部を流れる負荷電流のピーク値を一定の期間をかけて減少させることを特徴とする。
【0013】
この点灯装置において、前記点灯部は、前記光源部を流れる負荷電流を検出する検出回路を備え、前記制御部は、前記負荷電流のピーク値を設定して出力する閾値調整部と、前記検出回路の出力と前記閾値調整部の出力とを比較する比較器と、前記比較器の出力に基づいて前記スイッチング素子のオン期間を制御する駆動制御部とを備えることが好ましい。
【0014】
この点灯装置において、前記閾値調整部は、コンデンサと、前記PWM信号に基づいて前記コンデンサの充放電を行う充放電回路とを備え、前記コンデンサの充電電圧を出力とすることが好ましい。
【0015】
この点灯装置において、前記比較器は、前記検出回路の出力と前記閾値調整部の出力とを重畳した重畳電圧と、一定の基準電圧とを比較することが好ましい。
【0016】
この点灯装置において、前記負荷電流の閾値を減少させる一定の期間は、前記PWM信号のオン期間における前記スイッチング素子のオフ期間よりも長いことが好ましい。
【0017】
この点灯装置において、前記制御部は、前記PWM信号が立ち上がると前記負荷電流のピーク値が一定の期間をかけて増大するように前記スイッチング素子のオン期間を制御することが好ましい。
【0018】
この点灯装置において、前記点灯部は、降圧チョッパ回路で構成されることが好ましい。
【0019】
この点灯装置において、前記制御部は、前記スイッチング素子を電流臨界モードで制御することが好ましい。
【0020】
この点灯装置において、前記制御部は、前記スイッチング素子を電流不連続モードで制御することが好ましい。
【0021】
この点灯装置において、前記制御部は、前記スイッチング素子を電流連続モードで制御することが好ましい。
【0022】
この点灯装置において、前記電源部は、交流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するAC/DCコンバータ部、又は直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータ部を備えることが好ましい。
【0023】
この点灯装置において、前記電源部の出力はAC/DCコンバータ部の出力であって、前記PWM信号の周波数を600Hz又は600Hzの倍数とすることが好ましい。
【0024】
本発明の照明器具は、上記何れかの点灯装置と、少なくとも前記光源部を保持する器具本体とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、スイッチング素子の駆動信号を高周波化することなくPWM信号のスイープ時における光源部の光出力の変化を滑らかにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る点灯装置の実施形態1を示す回路概略図である。
【図2】同上の点灯装置における調光動作の説明図で、(a)は閾値下降期間をPWM信号のオン期間におけるスイッチング素子の駆動周期の約1.5倍とした場合の図で、(b)は閾値下降期間をPWM信号のオン期間におけるスイッチング素子の駆動周期の約3倍とした場合の図である。
【図3】同上の点灯装置におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関図である。
【図4】同上の点灯装置における他の構成を示す図で、(a)は電源部にAC/DCコンバータ部を適用した場合の回路概略図で、(b)は光源部と並列に平滑用コンデンサを接続した場合の回路概略図である。
【図5】本発明に係る点灯装置の実施形態2を示す図で、(a)は調光時の波形図で、(b)はPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関図である。
【図6】本発明に係る点灯装置の実施形態3を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図7】同上の点灯装置の動作を説明するための図で、(a)はPWM信号のオンデューティ比が小さい場合の波形図で、(b)はPWM信号のオンデューティ比が大きい場合の波形図である。
【図8】同上の点灯装置におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関図である。
【図9】本発明に係る点灯装置の実施形態4を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図10】本発明に係る点灯装置の実施形態5を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図11】本発明に係る点灯装置の実施形態6を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図12】本発明に係る点灯装置の実施形態7を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図13】本発明に係る点灯装置の実施形態8を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図14】本発明に係る点灯装置の実施形態9を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図15】本発明に係る点灯装置の実施形態10を示す図で、(a)は点灯部を昇圧チョッパ回路で構成した場合の回路概略図で、(b)は点灯部を昇降圧チョッパ回路で構成した場合の回路概略図で、(c)は調光時の波形図である。
【図16】本発明に係る照明器具の実施形態を示す図で、(a)は電源別置型の概略図で、(b)は電源一体型の概略図である。
【図17】従来例のLED照明モジュール用の給電アッセンブリの回路概略図である。
【図18】同上のLED照明モジュール用の給電アッセンブリの課題を説明するための図で、(a)は調光時の波形図で、(b)はPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態1について図面を用いて説明する。本実施形態は、図1に示すように、直流電源DC1(電源部)の直流電圧を降圧して光源部3に点灯電力を供給する点灯部1と、点灯部1の出力を制御する制御部2とを備える。
【0028】
点灯部1は、直流電源DC1の両端に接続されるスイッチング素子Q1、インダクタL1、及び抵抗R1の直列回路を備える。また、点灯部1は、スイッチング素子Q1のオフ期間においてインダクタL1の回生電流を流すためのダイオードD1を備え、全体として降圧チョッパ回路を構成している。スイッチング素子Q1は、例えばnチャネル型MOSFETから成り、後述する駆動回路20Cから与えられる駆動信号によりオン/オフを切り替える。抵抗R1は、スイッチング素子Q1又はインダクタL1を流れる電流を検出することで、光源部3を流れる負荷電流を検出するものであって、その高圧側の一端部は、後述する比較器COM1の非反転入力端子に接続されている。すなわち、抵抗R1は、その両端電圧を検出することで、光源部3を流れる負荷電流を検出する検出回路の役割を果たす。
【0029】
制御部2は、点灯部1のスイッチング素子Q1の駆動制御を行う駆動制御部20と、負荷電流のピーク値を調整するための閾値調整部21とを備える。駆動制御部20は、インダクタL1の二次巻線に誘起される電圧から負荷電流のゼロクロスを検出する零電流検出回路20Aと、起動用の信号を発生する始動回路20Bと、零電流検出回路20A及び始動回路20Bの出力信号が入力されるオア回路OR1とを備える。また、駆動制御部20は、RS型のフリップフロップFF1を備え、オア回路OR1の出力信号は、フリップフロップFF1のS端子に入力される。更に、駆動制御部20は、スイッチング素子Q1に駆動信号を与える駆動回路20Cを備え、フリップフロップFF1のQ端子の出力信号は、駆動回路20Cに入力される。
【0030】
また、駆動制御部20は、非反転入力端子に抵抗R1の両端間電圧である検出電圧VR1が入力され、反転入力端子に後述する基準電圧Vth1が入力される比較器COM1を備える。この比較器COM1の出力信号は、フリップフロップFF1のR端子に入力される。
【0031】
閾値調整部21は、定電流源CS1及びコンデンサC1の並列回路と、スイッチング素子Q2を介してコンデンサC1の高圧側の一端部に接続される定電圧源VS1とを備える。スイッチング素子Q2は、低周波のPWM信号によってオン/オフが切り替えられる。また、コンデンサC1の高圧側の一端部は、比較器COM1の反転入力端子に接続される。
【0032】
したがって、スイッチング素子Q2のオン時には、比較器COM1の反転入力端子に定電圧源VS1の定電圧Vref1が基準電圧Vth1として印加され、コンデンサC1が充電される。また、スイッチング素子Q2のオフ時には、コンデンサC1の充電電圧が基準電圧Vth1として比較器COM1の反転入力端子に印加され、定電流源CS1によってコンデンサC1が放電される。すなわち、閾値調整部21では、定電圧源VS1、スイッチング素子Q2、定電流源CS1がコンデンサC1の充放電回路を構成している。
【0033】
光源部3は、複数(図示では3つ)の発光ダイオード30を直列に接続して構成される。なお、本実施形態では3つの発光ダイオード30を用いているが、1つ又は更に多くの発光ダイオード30で構成してもよく、また、各発光ダイオード30を直列に接続するのではなく並列に接続して構成してもよい。更に、本実施形態では、光源部3に発光ダイオード30を用いているが、他の固体発光素子(例えば、有機EL素子)を用いて光源部3を構成してもよい。
【0034】
以下、本実施形態の動作について図面を用いて説明する。先ず、PWM信号がハイレベルとなりオン期間に移行すると、始動回路20Bから起動用の信号がオア回路OR1に入力され、オア回路OR1からフリップフロップFF1のS端子にハイレベルのセット信号が入力される。これにより、フリップフロップFF1のQ端子の出力信号がハイレベルとなり、駆動回路20Cからスイッチング素子Q1に駆動信号が与えられ、スイッチング素子Q1がオンに切り替わる。すると、光源部3、インダクタL1、スイッチング素子Q1、抵抗R1を電流が流れ、負荷電流が増大する(図2(a)参照)。このとき、PWM信号はオン期間であることから、閾値調整部21のスイッチング素子Q2はオン状態となり、定電圧源VS1の定電圧Vref1が基準電圧Vth1として比較器COM1の反転入力端子に入力される。
【0035】
負荷電流が増大することにより、抵抗R1の両端電圧、すなわち検出電圧VR1も増大する。そして、検出電圧VR1が基準電圧Vth1に達すると、比較器COM1の出力信号が反転し、フリップフロップFF1のR端子にハイレベルのリセット信号が入力される。これにより、フリップフロップFF1のQ端子の出力信号がローレベルとなり、駆動回路20Cからスイッチング素子Q1への駆動信号の供給が停止され、スイッチング素子Q1がオフに切り替わる。
【0036】
スイッチング素子Q1がオフに切り替わると、インダクタL1の蓄積エネルギーによりダイオードD1、光源部3、インダクタL1の閉路で回生電流が流れる。負荷電流、すなわちインダクタL1を流れる電流は徐々に減少し、やがて零となる(図2(a)参照)。インダクタL1を流れる電流が零に達し、インダクタL1の作用により電流が反転すると、ダイオードD1等の素子の寄生容量を通じてスイッチング素子Q1に充電されている電荷が放電し、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧が低下する。これにより、インダクタL1の印加の電圧が反転するため、当該反転をインダクタL1の二次巻線に誘起される電圧から零電流検出回路20Aが検出する。
【0037】
零電流検出回路20Aでは、インダクタL1の印加電圧の反転、すなわち、インダクタL1を流れる電流のゼロクロスを検出すると、オア回路OR1にハイレベルの信号を入力する。これにより、オア回路OR1からフリップフロップFF1のS端子にハイレベルのセット信号が入力される。したがって、フリップフロップFF1のQ端子の出力信号がハイレベルとなり、駆動回路20Cからスイッチング素子Q1に駆動信号が与えられ、スイッチング素子Q1がオンに切り替わる。これら一連の動作を繰り返すことにより、制御部2の駆動制御部20は、スイッチング素子Q1を電流臨界モードで制御する。そして、光源部3に負荷電流が流れている間は、光源部3の各発光ダイオード30が点灯する。
【0038】
次に、PWM信号がローレベルとなりオフ期間に移行すると、スイッチング素子Q2がオフに切り替わるため、比較器COM1の反転入力端子にはコンデンサC1の充電電圧が基準電圧Vth1として印加されるようになる。ここで、コンデンサC1は、定電流源CS1により放電されるため、その充電電圧は直線的に減少する。したがって、図2(a)の点線で示すように、基準電圧Vth1も直線的に減少する。この基準電圧Vth1が零に達するまでの時間を「閾値下降期間TD1」と呼ぶものとする。
【0039】
この閾値下降期間TD1では、徐々に減少する基準電圧Vth1を閾値としてスイッチング素子Q1のオン/オフが制御される。すなわち、図2(a)の点線で示すように、閾値下降期間TD1では負荷電流のピーク値Ith1が直線的に減少し、また、ピーク値Ith1の減少に伴ってスイッチング素子Q1の1周期当たりのオン期間も減少する。したがって、図2(a)に示すように、閾値下降期間TD1では、PWM信号のオン期間と比較して駆動信号の周期が短くなる。
【0040】
そして、基準電圧Vth1が零に達すると、フリップフロップFF1のR端子に常にハイレベルのリセット信号が入力されることから、駆動回路20Cからスイッチング素子Q1への駆動信号の供給も停止され、スイッチング素子Q1はオフ状態を維持する。したがって、次にPWM信号がオン期間に移行するまでの間は光源部3に負荷電流が流れないため、光源部3の各発光ダイオード30は消灯する。
【0041】
上記の一連の動作を繰り返すことで、本実施形態では、低周波のPWM信号によりスイッチング素子Q1のオン/オフを切り替える、所謂バースト調光によって光源部3を調光する。したがって、本実施形態では、PWM信号のオンデューティ比を変化させることで光源部3の各発光ダイオード30の点灯時間及び消灯時間の割合を変化させることができ、光源部3の調光を行うことができる。
【0042】
ここで、図2(a)の破線で示すようにPWM信号のオンデューティ比をスイープさせると、基準電圧Vth1が一点鎖線で示すように直線的に減少する。これにより、負荷電流のピーク値Ith1も同図の一点鎖線で示すように直線的に減少する。すなわち、同図の実線と一点鎖線とを比較すると、閾値下降期間TD1における負荷電流のピーク値Ith1は、PWM信号のオンデューティ比の連続的な変化に応じて連続的に変化することがわかる。
【0043】
上述のように、本実施形態では、PWM信号のオンデューティ比の連続的な変化に応じて負荷電流、すなわち光源部3の光出力が連続的に変化するため、PWM信号のスイープ時における光源部3の光出力の変化を滑らかにすることができる。特に、従来では低光束で調光している場合には、光源部3の光出力の変化割合が大きくなるため、より目立ってしまうという問題があったが、本実施形態では低光束で調光する場合にも光源部3の光出力の変化を滑らかにすることができる。
【0044】
また、ビデオカメラ等の他の映像機器を通して光源部3を見る際に、映像機器特有の周波数と干渉したチラツキが目視されないようにするためにPWM信号の周波数を一定値以上に高くしても、光源部3の光出力の変化を滑らかにすることができる。したがって、スイッチング素子Q1の駆動信号を高周波化する必要がない。
【0045】
ところで、図2(a)に示す調光では、閾値下降期間TD1は、PWM信号のオン期間におけるスイッチング素子Q1の1周期当たりのオフ時間T1(以下、当該オフ時間T1を単に「オフ時間T1」と呼ぶものとする)の約1.5倍となっている。これは、閾値下降期間TD1がオフ時間T1よりも短い場合には、閾値下降期間TD1において負荷電流の三角波パルスが生じず、光源部3の光出力が変化しないためである。したがって、本実施形態では、閾値下降期間TD1をオフ時間T1よりも長くなるように設定している。なお、閾値下降期間TD1は、閾値調整部21におけるコンデンサC1の容量値の変更や、定電流源CS1の電流値の変更によって変化させることができる。
【0046】
また、図2(b)に示すように、閾値下降期間TD1をオフ時間T1の約3倍に設定することで、閾値下降期間TD1がオフ時間T1の約1.5倍の場合と比較して光源部3の光出力をより滑らかに変化させることができる(図3参照)。これは、図2(b)に示すように、閾値下降期間TD1において負荷電流の三角波パルスの個数が増えることで、PWM信号のオンデューティ比をスイープさせる際の負荷電流の変化がより線形に近付くためである。
【0047】
なお、本実施形態では、電源部として直流電源DC1を用いているが、図4(s)に示すように、交流電源AC1と、交流電源AC1の交流電圧を直流電圧に変換して出力するAC/DCコンバータ部4と、平滑用コンデンサC0とで電源部を構成してもよい。また、直流電源DC1と、直流電源DC1の直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータ部(図示せず)とで電源部を構成してもよい。何れの場合でも、上記と同様の効果を奏することができる。
【0048】
ここで、交流電源AC1として電源周波数が50Hz又は60Hzである商用電源を用いた場合、AC/DCコンバータ部4の設計や平滑用コンデンサC0の容量により、平滑用コンデンサC0の両端電圧に100Hz又は120Hzのリプルが生じる。すると、PWM信号の周波数によっては、当該リプルと干渉して負荷電流に低周波の変動が生じ、光源部3の光出力にチラツキが生じる虞がある。これを回避するために、商用電源及びAC/DCコンバータ部4を用いて電源部を構成する場合には、PWM信号の周波数を600Hz又は600Hzの倍数に設定するのが望ましい。これにより、光源部3の光出力がほぼ一定となり、リプルの干渉によるチラツキを抑えることができる。
【0049】
また、図4(b)に示すように、点灯部1において光源部3と並列に接続されるように平滑用コンデンサC2を設けてもよい。この場合、光源部3に流れる負荷電流のリプルを小さくすることができるので、光源部3の光出力をより滑らかに変化させることができ、好ましい。
【0050】
なお、本実施形態の点灯部1では、スイッチング素子Q1を直流電源DC1の低圧側に配置しているが、直流電源DC1の高圧側にスイッチング素子Q1を配置して点灯部1を構成してもよい。
【0051】
(実施形態2)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図5(a)に示すように、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を実施形態1と比べて大きくしていることに特徴がある。以下、その理由について説明する。
【0052】
実施形態1において、スイッチング素子Q1を流れる電流の時間変化は、以下の式で表される。
【0053】
【数1】
【0054】
上式において、「Id」はスイッチング素子Q1を流れる電流、「E」は直流電源DC1の直流電圧、「V」は光源部3の負荷電圧、「L」はインダクタL1のインダクタンス、「t」は経過時間を表す。なお、スイッチング素子Q1のオン開始時を「t=0」としている。
【0055】
ここで、スイッチング素子Q1のオン時においてインダクタL1を流れる電流、すなわち負荷電流は、式(1)で表されるスイッチング素子Q1を流れる電流と同じである。一方、スイッチング素子Q1のオフ時においてインダクタL1を流れる電流、すなわち負荷電流の時間変化は、以下の式で表される。
【0056】
【数2】
【0057】
上式において、「IL」はスイッチング素子Q1のオフ時においてインダクタL1を流れる電流、「T2」はPWM信号のオン期間におけるスイッチング素子Q1の1周期当たりのオン時間(当該オン時間T2を単に「オン時間T2」と呼ぶものとする)を表す。
【0058】
したがって、式(1),(2)により、スイッチング素子Q1のオフ時間T1及びオン時間T2は、以下の式で表される。
【0059】
【数3】
【0060】
式(3),(4)より、スイッチング素子Q1のオンデューティ比は、以下の式で表される。
【0061】
【数4】
【0062】
上式において、「Don」はスイッチング素子Q1のオンデューティ比を表す。したがって、スイッチング素子Q1のオンデューティ比は、直流電源DC1の直流電圧と、光源部3の負荷電圧とで決定されることがわかる。
【0063】
ここで、調光動作の安定性や、光源部3の光出力の調光の精度を考慮すると、スイッチング素子Q1のオン時間T2の変化幅が大きい方が望ましい。また、閾値下降期間TD1において最後に発生する負荷電流の三角波パルスは、負荷電流、すなわち光源部3の光出力の最小分解能に相当するため、当該三角波パルスが小さいほど、光源部3の光出力を滑らかに変化させることができる。そして、PWM信号のオン期間における負荷電流のピーク値Ith1、及びスイッチング素子Q1の駆動周波数を一定とした場合、当該三角波パルスは、スイッチング素子Q1のオンデューティ比が大きいほど小さくなる。したがって、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を大きくすれば光源部3の光出力をより滑らかに変化させることができる。
【0064】
以下、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を変化させた場合の光源部3の光出力の変化について図5(b)を用いて説明する。なお、同図において、「K」は「K=1/Don」で表される定数である。同図において、従来例におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関は実線で示しており、当該相関では「K=10」である。また、実施形態1の「TD1/T1=1.5」の場合におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関は破線で示しており、当該相関でも従来例と同様に「K=10」である。
【0065】
一方、本実施形態の「TD1/T1=1.5」の場合におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関は一点鎖線で示しており、当該相関では「K=2」である。したがって、同図を見て分かるように、「K」が小さい程、すなわち、スイッチング素子Q1のオンデューティ比が大きい程、光源部3の光出力をより滑らかに(線形に)変化させることができる。
【0066】
但し、実際には、調光動作の安定性や、光源部3の光出力の調光の精度を考慮すると、直流電源DC1の直流電圧は、光源部3の負荷電圧の5倍以下とすることが望ましい。更に、直流電源DC1の直流電圧の下限は、点灯部1によるチョッパ動作を成立させるためにも、少なくとも光源部3の負荷電圧よりも大きい、すなわち「K>1」となる必要がある。加えて、光源部3の各発光ダイオード30の温度特性による負荷電圧の変化を考慮すると、「K≧1.2」とすることが望ましい。
【0067】
(実施形態3)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図6(a),(b)に示すように、閾値調整部21において定電圧源VS1の代わりに定電流源CS2を設けることで、PWM信号の立ち上がり時に負荷電流のピーク値Ith1を直線的に増大させたことに特徴がある。
【0068】
以下、PWM信号の立ち上がり時の動作について図面を用いて説明する。実施形態1では、PWM信号のオン期間においては、定電圧源VS1の定電圧Vref1が基準電圧Vth1として比較器COM1の反転入力端子に入力されていたが、本実施形態では、コンデンサC1の充電電圧が入力される。
【0069】
先ず、PWM信号が立ち上がると、スイッチング素子Q2がオンに切り替わり、定電流源CS2から流れる定電流と、定電流源CS1から流れる定電流との差分によりコンデンサC1が充電される。これにより、コンデンサC1の充電電圧が直線的に増大するので、図6(b)の点線で示すように、基準電圧Vth1も直線的に増大する。この基準電圧Vth1が定電圧Vref1に達するまでの時間を「閾値上昇期間TU1」と呼ぶものとする。この閾値上昇期間TU1では、徐々に増大する基準電圧Vth1を閾値としてスイッチング素子Q1のオン/オフが制御される。基準電圧Vth1が定電圧Vref1に達した後の動作については、実施形態1と同様である。なお、閾値上昇期間TU1における基準電圧Vth1の傾きは、コンデンサC1の充電電流、すなわち定電流源CS2から流れる定電流と、定電流源CS1から流れる定電流との差分により決定される。
【0070】
ここで、PWM信号のオンデューティ比が小さい(0%に近い)場合、図7(a)の点線に示すように、閾値上昇期間TU1において基準電圧Vth1が定電圧Vth1まで到達しない。したがって、閾値上昇期間TU1における負荷電流のピーク値Ith1は、PWM信号のオンデューティ比の連続的な変化に応じて連続的に変化する。このため、PWM信号のオンデューティ比が0%に近づくに従って、負荷電流のピーク値Ith1は零まで連続的に減少する。
【0071】
また、PWM信号のオンデューティ比が大きい(100%に近い)場合、図7(b)の点線に示すように、閾値下降期間TD1及び閾値上昇期間TU1において基準電圧Vth1が零に達することがない。したがって、PWM信号のオンデューティ比が100%に近づくに従って、負荷電流のピーク値Ith1は光源部3の光出力が最大出力となるまで連続的に増大する。
【0072】
以下、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を変化させた場合の光源部3の光出力の変化について図8を用いて説明する。同図において、実施形態2の「K=2」の場合におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関を一点鎖線で示している。また、同図において、上記と同じ条件で且つ閾値上昇期間TU1を設けた(すなわち、本実施形態を適用した)場合におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関を破線で示している。
【0073】
同図を見て分かるように、閾値上昇期間TU1を設けることで、光源部3の光出力をほぼ零出力から最大出力まで滑らかに変化させることができる。特に、閾値上昇期間TU1と閾値下降期間TD1とがほぼ等しくなるように設定することで、PMW信号のオンデューティ比と光源部3の光出力とがほぼ比例関係となり、望ましい。
【0074】
(実施形態4)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態4について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図9(a),(b)に示すように、駆動制御部20の比較器COM1の反転入力端子に定電圧Vref1を入力し、PWM信号のオフ期間において後述の重畳電圧V1を増大させることで負荷電流のピーク値Ith1を減少させることに特徴がある。
【0075】
閾値調整部21では、定電流源CS1がコンデンサC1と直列に接続され、コンデンサC1と並列にスイッチング素子Q2が接続されている。したがって、PWM信号のオン期間ではコンデンサC1が放電し、PWM信号のオフ期間ではコンデンサC1が定電流源CS1の定電流により充電する。また、コンデンサC1には抵抗R3が直列に接続され、点灯部1の抵抗R1には、抵抗R2が直列に接続されている。そして、これら抵抗R2と抵抗R3との接続点が比較器COM1の非反転入力端子に接続される。
【0076】
したがって、比較器COM1の非反転入力端子には、抵抗R1の両端電圧である検出電圧VR1と、コンデンサC1の充電電圧とに各々抵抗R2,R3で決まる係数を掛けた電圧の和である重畳電圧V1が入力される。
【0077】
以下、本実施形態の動作について図9(b)を用いて説明する。PWM信号のオン期間では、スイッチング素子Q2がオフ状態であるためにコンデンサC1は充電されない。したがって、検出電圧VR1のみに基づく重畳電圧V1が比較器COM1の非反転入力端子に入力されるため、スイッチング素子Q1は一定周期でオン/オフを繰り返し、負荷電流のピーク値Ith1は一定となる。
【0078】
そして、PWM信号がオフ期間に移行すると、スイッチング素子Q2がオンに切り替わることでコンデンサC1の充電が開始する。したがって、検出電圧VR1とコンデンサC1の充電電圧とに基づく重畳電圧V1が比較器COM1の非反転入力端子に入力される。ここで、コンデンサC1の充電電圧は、同図の二点鎖線に示すように、時間経過に従って直線的に増大し、最終的には基準電圧Vref1を上回る。このため、PWM信号のオフ期間においては重畳電圧V1が徐々に増大するため、スイッチング素子Q1の周期は徐々に短くなり、負荷電流のピーク値Ith1も直線的に減少する。すなわち、PWM信号のオフ期間において実施形態1と同様に閾値下降期間TD1を設けることができる。
【0079】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に閾値下降期間TD1を設けることができるので、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0080】
ここで、制御部2は、高調波の除去を目的として、例えばオンセミコンダクター社のMC33262やSTマイクロエレクトロニクス社L6562等の汎用のPFC制御ICを用いて構成することが考えられる。このような汎用のPFC制御ICでは、内部に基準電圧源を有しているため、実施形態1の構成では基準電圧Vth1を可変制御することができず、負荷電流のピーク値Ith1を可変制御することができない。そこで、本実施形態の構成を適用すれば、汎用のPFC制御ICを用いても負荷電流のピーク値Ith1を可変制御することができるので、制御部2を構成する部品点数の削減を図ることができる。
【0081】
(実施形態5)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態5について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態4と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図10(a)に示すように、閾値調整部21において定電流源CS1の代わりに定電圧源VS1及び抵抗R4の直列回路を設けたことに特徴がある。
【0082】
実施形態4では、PWM信号のオフ期間においてコンデンサC1の充電電圧は、定電流源CS1の定電流によって直線的に増大していた。一方、本実施形態では、抵抗R4及びコンデンサC1が積分回路を構成するため、コンデンサC1の充電電圧が指数関数的に増大する(図10(b)参照)。したがって、閾値下降期間TD1において負荷電流のピーク値Ith1も指数関数的に減少する。
【0083】
上述のように、本実施形態では、定電流源CS1を用いずに定電圧源VS1及び抵抗R4を用いることで、実施形態4と同様の効果を奏することができる。
【0084】
(実施形態6)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態6について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態5と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図11(a)に示すように、閾値調整部21においてスイッチング素子Q2と直列に抵抗R5を接続したことに特徴がある。
【0085】
実施形態5では、PWM信号がオフ期間からオン期間に移行する際に、スイッチング素子Q2がオンに切り替わり短絡することで、重畳電圧V1はほぼ瞬時に零電圧となっていた。一方、本実施形態では、抵抗R5及びコンデンサC1が積分回路を構成するため、コンデンサC1が放電し、充電電圧が指数関数的に減少するため、重畳電圧V1も指数関数的に減少する(図11(b)参照)。したがって、PWM信号がオフ期間からオン期間に移行する際に、負荷電流のピーク値Ith1は直線的に増大する。すなわち、PWM信号のオン期間において実施形態3と同様に閾値上昇期間TU1を設けることができる。
【0086】
上述のように、本実施形態では、定電流源CS1を用いずに定電圧源VS1及び抵抗R4,R5を用いることで、実施形態3,4と同様の効果を奏することができる。
【0087】
(実施形態7)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態7について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図12(a)に示すように、駆動制御部20の零電流検出回路20AにインダクタL1の二次巻線を接続する代わりに、一定周期の発振信号を出力する発振器20Dを接続したことに特徴がある。
【0088】
零電流検出回路20Aは、発振器20Dから与えられる発振信号の周期に基づいて一定周期でオア回路OR1にハイレベルの信号を入力する。すなわち、本実施形態では、スイッチング素子Q1のオン時間のみを可変制御し、負荷電流のゼロクロスを検出することなくスイッチング素子Q1を一定周期で駆動する。これにより、本実施形態では、図12(b)に示すように、負荷電流が断続的に流れる、所謂電流不連続モードでスイッチング素子Q1を制御する。
【0089】
上述のように、本実施形態では、実施形態1とは異なりスイッチング素子Q1を電流不連続モードで制御しているが、実施形態1と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、零電流検出回路20Aに発振器20Dの発振信号を入力しているが、零電流検出回路20Aは必ずしも必要ではなく、例えば汎用のPWM制御ICを用いて構成してもよい。すなわち、オア回路OR1に一定周期でハイレベルの信号を入力する構成であればよい。
【0090】
(実施形態8)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態8について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図13(a)に示すように、駆動制御部20の零電流検出回路20AにインダクタL1の二次巻線を接続する代わりに、単安定マルチバイブレータ20Eを接続したことに特徴がある。
【0091】
単安定マルチバイブレータ20Eは、駆動回路20Cと接続されており、駆動回路20Cからの駆動信号がローレベルになってから一定時間後に零電流検出回路20Aに信号を入力する。零電流検出回路20Aは、単安定マルチバイブレータ20Eから信号が入力されると、オア回路OR1にハイレベルの信号を入力する。すなわち、本実施形態では、負荷電流のゼロクロスを検出することなくスイッチング素子Q1のオフ時間を一定とし、スイッチング素子Q1のオン時間のみを可変制御する。これにより、本実施形態では、図13(b)に示すように、負荷電流が途切れることなく連続して流れる、所謂電流連続モードでスイッチング素子Q1を制御する。
【0092】
上述のように、本実施形態1とは異なりスイッチング素子Q1を電流連続モードで制御しているが、実施形態1と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、零電流検出回路20Aに単安定マルチバイブレータ20Eから信号を入力しているが、零電流検出回路20Aは必ずしも必要ではない。すなわち、スイッチング素子Q1がオフに切り替わってから一定時間後にオア回路OR1にハイレベルの信号を入力する構成であればよい。
【0093】
(実施形態9)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態9について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図14(a),(b)に示すように、零電流検出回路20Aにおいて負荷電流のゼロクロスを検出する代わりに、負荷電流の第1のピーク値Ith1及び第2のピーク値Ith2に基づいてスイッチング素子Q1を制御することに特徴がある。
【0094】
駆動制御部20には、反転入力端子に検出電圧VR1が入力され、非反転入力端子に減衰器20Fを介して基準電圧Vth1が入力される比較器COM2が設けられている。なお、減衰器20Fは、基準電圧Vth1をK1倍(K1<1)に減衰させるものである。比較器COM2の出力端子は零電流検出回路20Aに接続されている。
【0095】
ここで、本実施形態では、比較器COM1,COM2によって各々負荷電流の第1のピーク値Ith1及び第2のピーク値Ith2を設定している。すなわち、比較器COM1では、実施形態1と同様に、閾値調整部21から定電圧源VS1の定電圧、又はコンデンサC1の充電電圧が基準電圧Vth1として反転入力端子に入力されている。これにより、駆動制御部20は、負荷電流の第1のピーク値Ith1を上限としてスイッチング素子Q1を制御する。
【0096】
一方、比較器COM2では、上述のように、閾値調整部21からの定電圧源VS1の定電圧、又はコンデンサC1の充電電圧を減衰器20Fで減衰させて非反転入力端子に入力している。したがって、比較器COM2では、検出電圧VR1が非反転入力端子の入力電圧を下回ると、零電流検出回路20Aに向けてハイレベルの信号が出力される。零電流検出回路20Aでは、比較器COM2からハイレベルの信号が入力されると、オア回路OR1にハイレベルの信号を入力する。これにより、駆動制御部20は、負荷電流の第2のピーク値Ith2を下限としてスイッチング素子Q1を制御する。
【0097】
上述のように、本実施形態では、負荷電流の第1のピーク値Ith1及び第2のピーク値Ith2に基づいてスイッチング素子Q1を制御することで、実施形態8と同様にスイッチング素子Q1を電流連続モードで制御する。これにより、本実施形態においても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、減衰器20Fの減衰率を大きくして負荷電流の第2のピーク値Ith2を零に近づけることで、スイッチング素子Q1を電流臨界モードで制御することも可能である。
【0098】
なお、本実施形態では、零電流検出回路20Aからオア回路OR1に信号を入力しているが、零電流検出回路20Aは必ずしも必要ではない。すなわち、比較器COM2の出力信号がハイレベルに切り替わる際にオア回路OR1にハイレベルの信号を入力する構成であればよい。
【0099】
(実施形態10)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態10について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図15(a)に示すように、点灯部1を昇圧チョッパ回路で構成したことに特徴がある。なお、光源部3には、負荷電流のリプルを小さくするために、平滑用コンデンサC2を並列に接続している。
【0100】
点灯部1を昇圧チョッパ回路で構成した場合には、図15(c)に示すように、負荷電流に相当するダイオードD1を流れる電流は、スイッチング素子Q1のオフ期間において流れる。本実施形態でも、実施形態1と同様に閾値下降期間TD1を設けることができるので、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0101】
なお、図15(b)に示すように、点灯部1を昇降圧チョッパ回路で構成してもよい。光源部3には、負荷電流のリプルを小さくするために、平滑用コンデンサC2を並列に接続している。この場合でも、図15(c)に示すように、ダイオードD1を流れる電流はスイッチング素子Q1のオフ期間において流れ、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0102】
以下、本発明に係る照明器具の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、図16(a)における上下を上下方向と定めるものとする。また、本実施形態における点灯装置A1は、上記何れかの実施形態の点灯装置を用いるものとする。本実施形態は、図16(a)に示すように、電源部及び点灯装置A1を光源部3とは別に配置した電源別置型の照明器具であって、光源部3を収納する器具本体5を天井8に埋込配設している。
【0103】
器具本体5は、例えばアルミダイカスト等の金属製であって、下端部が開口した有底円筒状に形成される。器具本体5内側の上底部には、複数(図示では3つ)の発光ダイオード30と、各発光ダイオード30が実装された基板31とを備えた光源部3が配設されている。なお、各発光ダイオード30は、器具本体5の下端部から外部空間に光を照射するために、光の照射向きが下向きとなるように配設されている。また、器具本体5の下端部の開口には、各発光ダイオード30からの光を拡散するための透光板6が設けられている。天井8の裏面(上面)には、点灯装置A1が器具本体5とは別の場所に配設されており、点灯装置A1と光源部3との間は、コネクタ70を介してリード線7で配線されている。
【0104】
上述のように、本実施形態では、上記何れかの実施形態の点灯装置A1を用いることで、上記何れかの実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、図16(b)に示すように、本実施形態を、点灯装置A1を光源部3とともに器具本体5に内蔵した電源一体型の照明器具として構成してもよい。この構成では、基板31の上面にアルミ板や銅板から成る放熱板50を器具本体5と接触する形で配設している。これにより、各発光ダイオード30で発生した熱を放熱板50及び器具本体5を介して外部に逃がすことができる。
【符号の説明】
【0105】
1 点灯部
2 制御部
20 駆動制御部
21 閾値調整部
3 光源部
30 発光ダイオード(固体発光素子)
D1 ダイオード
DC1 直流電源(電源部)
L1 インダクタ
Q1 スイッチング素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードや有機EL素子等の固体発光素子を点灯させる点灯装置及びそれを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光ダイオード(LED)照明モジュールに給電する給電アッセンブリ(点灯装置)が提供されており、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載の従来例は、図17に示すように、DC電源100の両端間に接続されるダイオードD10及びMOSFETで示す制御スイッチ101の直列回路を備える。また、インダクタL10及びLED照明モジュール102は、ダイオードD10の両端間に接続される。コントローラ103は、増幅器104を通じて制御スイッチ101の制御入力部に供給されるデュアルPWMスイッチング信号を発生する。このデュアルPWMスイッチング信号は、実質的には、低周波数のパルスバースト、すなわち低周波PWMスイッチング信号成分に供給される高周波PWMスイッチング信号成分の組み合わせである。
【0003】
コントローラ103は、電流モードパルス幅変調器105を有し、電流モードパルス幅変調器105は、電流源106からのLED電流基準信号、検知電流及び高周波のこぎり波信号を受信する。電流モードパルス幅変調器105は、ANDゲート107の一方の入力部に供給される高周波パルス幅変調スイッチング信号成分を発生し、ANDゲート107の他方の入力部は、低周波PWMスイッチング信号成分を受信する。ANDゲート107からの出力は、増幅器104を通じて制御スイッチ101のゲートに供給される。
【0004】
したがって、上記従来例では、デュアルPWMスイッチング信号の低周波成分を変化させることによって、LED照明モジュール102を流れる平均電流を、LED照明モジュール102から出力される光強度を変化させるために変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2006−511078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1に記載の従来例では、制御スイッチ101(スイッチング素子)の制御入力部に供給されるデュアルPWMスイッチング信号は、低周波のPWM信号と高周波の駆動信号とのAND出力である。このため、図18(a)に示すように、制御スイッチ101のオン期間にPWM信号が立ち下がると、制御スイッチ101の駆動信号はローレベルとなる。このように、PWM信号のオンデューティ比の変化によって制御スイッチ101のオン期間が変化し、それに応じてLED照明モジュール102(光源部)を流れる負荷電流、すなわちLED照明モジュール102の光出力が変化する。したがって、PWM信号のオンデューティ比を変化させることで、LED照明モジュール102の調光を行っている。なお、図18(a)に示す調光時の波形図は、制御スイッチ101を電流臨界モードで動作させた場合の一例である。
【0007】
一方、制御スイッチ101のオフ期間では、インダクタL10の回生電流がダイオードD10を介してLED照明モジュール102に流れるため、当該期間にPWM信号が立ち下がっても、LED照明モジュール102の光出力は変化しない。すなわち、図18(a)に示すように、同図の破線で示す位置までPWM信号のオンデューティ比をスイープさせなければ、制御スイッチ101の駆動信号の次のオンパルスが発生しない。このため、図18(a)に示す矢印の区間ではPWM信号のオンデューティ比をスイープさせてもLED照明モジュール102の光出力は変化しない。したがって、図18(b)に示すように、PWM信号のオンデューティ比に対して、LED照明モジュール102の光出力は階段状に変化する。この一段分の光出力差は、制御スイッチ101の駆動信号の1周期分の光出力に相当する。
【0008】
したがって、上記特許文献1に記載の従来例では、PWM信号のスイープを行うとLED照明モジュール102の光出力が段々に変化するために滑らかに変化せず、その変化を利用者が目視でき、目立ってしまうという問題があった。特に、低光束で調光している場合には、LED照明モジュール102の光出力の変化割合が大きくなるため、より目立ってしまうという問題がある。
【0009】
また、ビデオカメラ等の他の映像機器を通してLED照明モジュール102を見た場合には、映像機器特有の周波数と干渉したチラツキが目視されないようにするため、PWM信号の周波数を一定値以上に高くする必要がある。ところが、PWM信号の周波数を高くすると、(制御スイッチ101の駆動信号1周期)/(PWM信号1周期)の割合が大きくなる。すると、制御スイッチ101の駆動信号の1周期分の光出力が大きくなり、LED照明モジュール102の光出力がより段々に変化するように見えてしまう。
【0010】
これを回避するためには、制御スイッチ101の駆動信号の周波数を高くする必要があるが、スイッチング損失の増大や、汎用IC等の安価な部品で駆動する場合の駆動信号の周波数の上限等を考慮すると、大幅な高周波化は望めないという問題がある。
【0011】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、スイッチング素子の駆動信号を高周波化することなくPWM信号のスイープ時における光源部の光出力の変化を滑らかにすることのできる点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の点灯装置は、1乃至複数の固体発光素子を備えた光源部と、電源部からの直流電圧を入力とし、前記光源部に点灯電力を供給する点灯部と、前記点灯部を制御する制御部とを備え、前記点灯部は、インダクタ及びスイッチング素子の直列回路と、前記スイッチング素子のオフ期間において前記光源部に前記インダクタの蓄積エネルギーを回生させるためのダイオードとを備え、前記制御部は、PWM信号によって前記スイッチング素子のオン/オフを間欠的に駆動させる手段と、前記PWM信号のオン期間において前記スイッチング素子を前記PWM信号の周波数よりも高い周波数で駆動させる手段とを備え、前記PWM信号が立ち下がると前記光源部を流れる負荷電流のピーク値を一定の期間をかけて減少させることを特徴とする。
【0013】
この点灯装置において、前記点灯部は、前記光源部を流れる負荷電流を検出する検出回路を備え、前記制御部は、前記負荷電流のピーク値を設定して出力する閾値調整部と、前記検出回路の出力と前記閾値調整部の出力とを比較する比較器と、前記比較器の出力に基づいて前記スイッチング素子のオン期間を制御する駆動制御部とを備えることが好ましい。
【0014】
この点灯装置において、前記閾値調整部は、コンデンサと、前記PWM信号に基づいて前記コンデンサの充放電を行う充放電回路とを備え、前記コンデンサの充電電圧を出力とすることが好ましい。
【0015】
この点灯装置において、前記比較器は、前記検出回路の出力と前記閾値調整部の出力とを重畳した重畳電圧と、一定の基準電圧とを比較することが好ましい。
【0016】
この点灯装置において、前記負荷電流の閾値を減少させる一定の期間は、前記PWM信号のオン期間における前記スイッチング素子のオフ期間よりも長いことが好ましい。
【0017】
この点灯装置において、前記制御部は、前記PWM信号が立ち上がると前記負荷電流のピーク値が一定の期間をかけて増大するように前記スイッチング素子のオン期間を制御することが好ましい。
【0018】
この点灯装置において、前記点灯部は、降圧チョッパ回路で構成されることが好ましい。
【0019】
この点灯装置において、前記制御部は、前記スイッチング素子を電流臨界モードで制御することが好ましい。
【0020】
この点灯装置において、前記制御部は、前記スイッチング素子を電流不連続モードで制御することが好ましい。
【0021】
この点灯装置において、前記制御部は、前記スイッチング素子を電流連続モードで制御することが好ましい。
【0022】
この点灯装置において、前記電源部は、交流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するAC/DCコンバータ部、又は直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータ部を備えることが好ましい。
【0023】
この点灯装置において、前記電源部の出力はAC/DCコンバータ部の出力であって、前記PWM信号の周波数を600Hz又は600Hzの倍数とすることが好ましい。
【0024】
本発明の照明器具は、上記何れかの点灯装置と、少なくとも前記光源部を保持する器具本体とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、スイッチング素子の駆動信号を高周波化することなくPWM信号のスイープ時における光源部の光出力の変化を滑らかにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る点灯装置の実施形態1を示す回路概略図である。
【図2】同上の点灯装置における調光動作の説明図で、(a)は閾値下降期間をPWM信号のオン期間におけるスイッチング素子の駆動周期の約1.5倍とした場合の図で、(b)は閾値下降期間をPWM信号のオン期間におけるスイッチング素子の駆動周期の約3倍とした場合の図である。
【図3】同上の点灯装置におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関図である。
【図4】同上の点灯装置における他の構成を示す図で、(a)は電源部にAC/DCコンバータ部を適用した場合の回路概略図で、(b)は光源部と並列に平滑用コンデンサを接続した場合の回路概略図である。
【図5】本発明に係る点灯装置の実施形態2を示す図で、(a)は調光時の波形図で、(b)はPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関図である。
【図6】本発明に係る点灯装置の実施形態3を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図7】同上の点灯装置の動作を説明するための図で、(a)はPWM信号のオンデューティ比が小さい場合の波形図で、(b)はPWM信号のオンデューティ比が大きい場合の波形図である。
【図8】同上の点灯装置におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関図である。
【図9】本発明に係る点灯装置の実施形態4を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図10】本発明に係る点灯装置の実施形態5を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図11】本発明に係る点灯装置の実施形態6を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図12】本発明に係る点灯装置の実施形態7を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図13】本発明に係る点灯装置の実施形態8を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図14】本発明に係る点灯装置の実施形態9を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は調光時の波形図である。
【図15】本発明に係る点灯装置の実施形態10を示す図で、(a)は点灯部を昇圧チョッパ回路で構成した場合の回路概略図で、(b)は点灯部を昇降圧チョッパ回路で構成した場合の回路概略図で、(c)は調光時の波形図である。
【図16】本発明に係る照明器具の実施形態を示す図で、(a)は電源別置型の概略図で、(b)は電源一体型の概略図である。
【図17】従来例のLED照明モジュール用の給電アッセンブリの回路概略図である。
【図18】同上のLED照明モジュール用の給電アッセンブリの課題を説明するための図で、(a)は調光時の波形図で、(b)はPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態1について図面を用いて説明する。本実施形態は、図1に示すように、直流電源DC1(電源部)の直流電圧を降圧して光源部3に点灯電力を供給する点灯部1と、点灯部1の出力を制御する制御部2とを備える。
【0028】
点灯部1は、直流電源DC1の両端に接続されるスイッチング素子Q1、インダクタL1、及び抵抗R1の直列回路を備える。また、点灯部1は、スイッチング素子Q1のオフ期間においてインダクタL1の回生電流を流すためのダイオードD1を備え、全体として降圧チョッパ回路を構成している。スイッチング素子Q1は、例えばnチャネル型MOSFETから成り、後述する駆動回路20Cから与えられる駆動信号によりオン/オフを切り替える。抵抗R1は、スイッチング素子Q1又はインダクタL1を流れる電流を検出することで、光源部3を流れる負荷電流を検出するものであって、その高圧側の一端部は、後述する比較器COM1の非反転入力端子に接続されている。すなわち、抵抗R1は、その両端電圧を検出することで、光源部3を流れる負荷電流を検出する検出回路の役割を果たす。
【0029】
制御部2は、点灯部1のスイッチング素子Q1の駆動制御を行う駆動制御部20と、負荷電流のピーク値を調整するための閾値調整部21とを備える。駆動制御部20は、インダクタL1の二次巻線に誘起される電圧から負荷電流のゼロクロスを検出する零電流検出回路20Aと、起動用の信号を発生する始動回路20Bと、零電流検出回路20A及び始動回路20Bの出力信号が入力されるオア回路OR1とを備える。また、駆動制御部20は、RS型のフリップフロップFF1を備え、オア回路OR1の出力信号は、フリップフロップFF1のS端子に入力される。更に、駆動制御部20は、スイッチング素子Q1に駆動信号を与える駆動回路20Cを備え、フリップフロップFF1のQ端子の出力信号は、駆動回路20Cに入力される。
【0030】
また、駆動制御部20は、非反転入力端子に抵抗R1の両端間電圧である検出電圧VR1が入力され、反転入力端子に後述する基準電圧Vth1が入力される比較器COM1を備える。この比較器COM1の出力信号は、フリップフロップFF1のR端子に入力される。
【0031】
閾値調整部21は、定電流源CS1及びコンデンサC1の並列回路と、スイッチング素子Q2を介してコンデンサC1の高圧側の一端部に接続される定電圧源VS1とを備える。スイッチング素子Q2は、低周波のPWM信号によってオン/オフが切り替えられる。また、コンデンサC1の高圧側の一端部は、比較器COM1の反転入力端子に接続される。
【0032】
したがって、スイッチング素子Q2のオン時には、比較器COM1の反転入力端子に定電圧源VS1の定電圧Vref1が基準電圧Vth1として印加され、コンデンサC1が充電される。また、スイッチング素子Q2のオフ時には、コンデンサC1の充電電圧が基準電圧Vth1として比較器COM1の反転入力端子に印加され、定電流源CS1によってコンデンサC1が放電される。すなわち、閾値調整部21では、定電圧源VS1、スイッチング素子Q2、定電流源CS1がコンデンサC1の充放電回路を構成している。
【0033】
光源部3は、複数(図示では3つ)の発光ダイオード30を直列に接続して構成される。なお、本実施形態では3つの発光ダイオード30を用いているが、1つ又は更に多くの発光ダイオード30で構成してもよく、また、各発光ダイオード30を直列に接続するのではなく並列に接続して構成してもよい。更に、本実施形態では、光源部3に発光ダイオード30を用いているが、他の固体発光素子(例えば、有機EL素子)を用いて光源部3を構成してもよい。
【0034】
以下、本実施形態の動作について図面を用いて説明する。先ず、PWM信号がハイレベルとなりオン期間に移行すると、始動回路20Bから起動用の信号がオア回路OR1に入力され、オア回路OR1からフリップフロップFF1のS端子にハイレベルのセット信号が入力される。これにより、フリップフロップFF1のQ端子の出力信号がハイレベルとなり、駆動回路20Cからスイッチング素子Q1に駆動信号が与えられ、スイッチング素子Q1がオンに切り替わる。すると、光源部3、インダクタL1、スイッチング素子Q1、抵抗R1を電流が流れ、負荷電流が増大する(図2(a)参照)。このとき、PWM信号はオン期間であることから、閾値調整部21のスイッチング素子Q2はオン状態となり、定電圧源VS1の定電圧Vref1が基準電圧Vth1として比較器COM1の反転入力端子に入力される。
【0035】
負荷電流が増大することにより、抵抗R1の両端電圧、すなわち検出電圧VR1も増大する。そして、検出電圧VR1が基準電圧Vth1に達すると、比較器COM1の出力信号が反転し、フリップフロップFF1のR端子にハイレベルのリセット信号が入力される。これにより、フリップフロップFF1のQ端子の出力信号がローレベルとなり、駆動回路20Cからスイッチング素子Q1への駆動信号の供給が停止され、スイッチング素子Q1がオフに切り替わる。
【0036】
スイッチング素子Q1がオフに切り替わると、インダクタL1の蓄積エネルギーによりダイオードD1、光源部3、インダクタL1の閉路で回生電流が流れる。負荷電流、すなわちインダクタL1を流れる電流は徐々に減少し、やがて零となる(図2(a)参照)。インダクタL1を流れる電流が零に達し、インダクタL1の作用により電流が反転すると、ダイオードD1等の素子の寄生容量を通じてスイッチング素子Q1に充電されている電荷が放電し、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧が低下する。これにより、インダクタL1の印加の電圧が反転するため、当該反転をインダクタL1の二次巻線に誘起される電圧から零電流検出回路20Aが検出する。
【0037】
零電流検出回路20Aでは、インダクタL1の印加電圧の反転、すなわち、インダクタL1を流れる電流のゼロクロスを検出すると、オア回路OR1にハイレベルの信号を入力する。これにより、オア回路OR1からフリップフロップFF1のS端子にハイレベルのセット信号が入力される。したがって、フリップフロップFF1のQ端子の出力信号がハイレベルとなり、駆動回路20Cからスイッチング素子Q1に駆動信号が与えられ、スイッチング素子Q1がオンに切り替わる。これら一連の動作を繰り返すことにより、制御部2の駆動制御部20は、スイッチング素子Q1を電流臨界モードで制御する。そして、光源部3に負荷電流が流れている間は、光源部3の各発光ダイオード30が点灯する。
【0038】
次に、PWM信号がローレベルとなりオフ期間に移行すると、スイッチング素子Q2がオフに切り替わるため、比較器COM1の反転入力端子にはコンデンサC1の充電電圧が基準電圧Vth1として印加されるようになる。ここで、コンデンサC1は、定電流源CS1により放電されるため、その充電電圧は直線的に減少する。したがって、図2(a)の点線で示すように、基準電圧Vth1も直線的に減少する。この基準電圧Vth1が零に達するまでの時間を「閾値下降期間TD1」と呼ぶものとする。
【0039】
この閾値下降期間TD1では、徐々に減少する基準電圧Vth1を閾値としてスイッチング素子Q1のオン/オフが制御される。すなわち、図2(a)の点線で示すように、閾値下降期間TD1では負荷電流のピーク値Ith1が直線的に減少し、また、ピーク値Ith1の減少に伴ってスイッチング素子Q1の1周期当たりのオン期間も減少する。したがって、図2(a)に示すように、閾値下降期間TD1では、PWM信号のオン期間と比較して駆動信号の周期が短くなる。
【0040】
そして、基準電圧Vth1が零に達すると、フリップフロップFF1のR端子に常にハイレベルのリセット信号が入力されることから、駆動回路20Cからスイッチング素子Q1への駆動信号の供給も停止され、スイッチング素子Q1はオフ状態を維持する。したがって、次にPWM信号がオン期間に移行するまでの間は光源部3に負荷電流が流れないため、光源部3の各発光ダイオード30は消灯する。
【0041】
上記の一連の動作を繰り返すことで、本実施形態では、低周波のPWM信号によりスイッチング素子Q1のオン/オフを切り替える、所謂バースト調光によって光源部3を調光する。したがって、本実施形態では、PWM信号のオンデューティ比を変化させることで光源部3の各発光ダイオード30の点灯時間及び消灯時間の割合を変化させることができ、光源部3の調光を行うことができる。
【0042】
ここで、図2(a)の破線で示すようにPWM信号のオンデューティ比をスイープさせると、基準電圧Vth1が一点鎖線で示すように直線的に減少する。これにより、負荷電流のピーク値Ith1も同図の一点鎖線で示すように直線的に減少する。すなわち、同図の実線と一点鎖線とを比較すると、閾値下降期間TD1における負荷電流のピーク値Ith1は、PWM信号のオンデューティ比の連続的な変化に応じて連続的に変化することがわかる。
【0043】
上述のように、本実施形態では、PWM信号のオンデューティ比の連続的な変化に応じて負荷電流、すなわち光源部3の光出力が連続的に変化するため、PWM信号のスイープ時における光源部3の光出力の変化を滑らかにすることができる。特に、従来では低光束で調光している場合には、光源部3の光出力の変化割合が大きくなるため、より目立ってしまうという問題があったが、本実施形態では低光束で調光する場合にも光源部3の光出力の変化を滑らかにすることができる。
【0044】
また、ビデオカメラ等の他の映像機器を通して光源部3を見る際に、映像機器特有の周波数と干渉したチラツキが目視されないようにするためにPWM信号の周波数を一定値以上に高くしても、光源部3の光出力の変化を滑らかにすることができる。したがって、スイッチング素子Q1の駆動信号を高周波化する必要がない。
【0045】
ところで、図2(a)に示す調光では、閾値下降期間TD1は、PWM信号のオン期間におけるスイッチング素子Q1の1周期当たりのオフ時間T1(以下、当該オフ時間T1を単に「オフ時間T1」と呼ぶものとする)の約1.5倍となっている。これは、閾値下降期間TD1がオフ時間T1よりも短い場合には、閾値下降期間TD1において負荷電流の三角波パルスが生じず、光源部3の光出力が変化しないためである。したがって、本実施形態では、閾値下降期間TD1をオフ時間T1よりも長くなるように設定している。なお、閾値下降期間TD1は、閾値調整部21におけるコンデンサC1の容量値の変更や、定電流源CS1の電流値の変更によって変化させることができる。
【0046】
また、図2(b)に示すように、閾値下降期間TD1をオフ時間T1の約3倍に設定することで、閾値下降期間TD1がオフ時間T1の約1.5倍の場合と比較して光源部3の光出力をより滑らかに変化させることができる(図3参照)。これは、図2(b)に示すように、閾値下降期間TD1において負荷電流の三角波パルスの個数が増えることで、PWM信号のオンデューティ比をスイープさせる際の負荷電流の変化がより線形に近付くためである。
【0047】
なお、本実施形態では、電源部として直流電源DC1を用いているが、図4(s)に示すように、交流電源AC1と、交流電源AC1の交流電圧を直流電圧に変換して出力するAC/DCコンバータ部4と、平滑用コンデンサC0とで電源部を構成してもよい。また、直流電源DC1と、直流電源DC1の直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータ部(図示せず)とで電源部を構成してもよい。何れの場合でも、上記と同様の効果を奏することができる。
【0048】
ここで、交流電源AC1として電源周波数が50Hz又は60Hzである商用電源を用いた場合、AC/DCコンバータ部4の設計や平滑用コンデンサC0の容量により、平滑用コンデンサC0の両端電圧に100Hz又は120Hzのリプルが生じる。すると、PWM信号の周波数によっては、当該リプルと干渉して負荷電流に低周波の変動が生じ、光源部3の光出力にチラツキが生じる虞がある。これを回避するために、商用電源及びAC/DCコンバータ部4を用いて電源部を構成する場合には、PWM信号の周波数を600Hz又は600Hzの倍数に設定するのが望ましい。これにより、光源部3の光出力がほぼ一定となり、リプルの干渉によるチラツキを抑えることができる。
【0049】
また、図4(b)に示すように、点灯部1において光源部3と並列に接続されるように平滑用コンデンサC2を設けてもよい。この場合、光源部3に流れる負荷電流のリプルを小さくすることができるので、光源部3の光出力をより滑らかに変化させることができ、好ましい。
【0050】
なお、本実施形態の点灯部1では、スイッチング素子Q1を直流電源DC1の低圧側に配置しているが、直流電源DC1の高圧側にスイッチング素子Q1を配置して点灯部1を構成してもよい。
【0051】
(実施形態2)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図5(a)に示すように、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を実施形態1と比べて大きくしていることに特徴がある。以下、その理由について説明する。
【0052】
実施形態1において、スイッチング素子Q1を流れる電流の時間変化は、以下の式で表される。
【0053】
【数1】
【0054】
上式において、「Id」はスイッチング素子Q1を流れる電流、「E」は直流電源DC1の直流電圧、「V」は光源部3の負荷電圧、「L」はインダクタL1のインダクタンス、「t」は経過時間を表す。なお、スイッチング素子Q1のオン開始時を「t=0」としている。
【0055】
ここで、スイッチング素子Q1のオン時においてインダクタL1を流れる電流、すなわち負荷電流は、式(1)で表されるスイッチング素子Q1を流れる電流と同じである。一方、スイッチング素子Q1のオフ時においてインダクタL1を流れる電流、すなわち負荷電流の時間変化は、以下の式で表される。
【0056】
【数2】
【0057】
上式において、「IL」はスイッチング素子Q1のオフ時においてインダクタL1を流れる電流、「T2」はPWM信号のオン期間におけるスイッチング素子Q1の1周期当たりのオン時間(当該オン時間T2を単に「オン時間T2」と呼ぶものとする)を表す。
【0058】
したがって、式(1),(2)により、スイッチング素子Q1のオフ時間T1及びオン時間T2は、以下の式で表される。
【0059】
【数3】
【0060】
式(3),(4)より、スイッチング素子Q1のオンデューティ比は、以下の式で表される。
【0061】
【数4】
【0062】
上式において、「Don」はスイッチング素子Q1のオンデューティ比を表す。したがって、スイッチング素子Q1のオンデューティ比は、直流電源DC1の直流電圧と、光源部3の負荷電圧とで決定されることがわかる。
【0063】
ここで、調光動作の安定性や、光源部3の光出力の調光の精度を考慮すると、スイッチング素子Q1のオン時間T2の変化幅が大きい方が望ましい。また、閾値下降期間TD1において最後に発生する負荷電流の三角波パルスは、負荷電流、すなわち光源部3の光出力の最小分解能に相当するため、当該三角波パルスが小さいほど、光源部3の光出力を滑らかに変化させることができる。そして、PWM信号のオン期間における負荷電流のピーク値Ith1、及びスイッチング素子Q1の駆動周波数を一定とした場合、当該三角波パルスは、スイッチング素子Q1のオンデューティ比が大きいほど小さくなる。したがって、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を大きくすれば光源部3の光出力をより滑らかに変化させることができる。
【0064】
以下、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を変化させた場合の光源部3の光出力の変化について図5(b)を用いて説明する。なお、同図において、「K」は「K=1/Don」で表される定数である。同図において、従来例におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関は実線で示しており、当該相関では「K=10」である。また、実施形態1の「TD1/T1=1.5」の場合におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関は破線で示しており、当該相関でも従来例と同様に「K=10」である。
【0065】
一方、本実施形態の「TD1/T1=1.5」の場合におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関は一点鎖線で示しており、当該相関では「K=2」である。したがって、同図を見て分かるように、「K」が小さい程、すなわち、スイッチング素子Q1のオンデューティ比が大きい程、光源部3の光出力をより滑らかに(線形に)変化させることができる。
【0066】
但し、実際には、調光動作の安定性や、光源部3の光出力の調光の精度を考慮すると、直流電源DC1の直流電圧は、光源部3の負荷電圧の5倍以下とすることが望ましい。更に、直流電源DC1の直流電圧の下限は、点灯部1によるチョッパ動作を成立させるためにも、少なくとも光源部3の負荷電圧よりも大きい、すなわち「K>1」となる必要がある。加えて、光源部3の各発光ダイオード30の温度特性による負荷電圧の変化を考慮すると、「K≧1.2」とすることが望ましい。
【0067】
(実施形態3)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図6(a),(b)に示すように、閾値調整部21において定電圧源VS1の代わりに定電流源CS2を設けることで、PWM信号の立ち上がり時に負荷電流のピーク値Ith1を直線的に増大させたことに特徴がある。
【0068】
以下、PWM信号の立ち上がり時の動作について図面を用いて説明する。実施形態1では、PWM信号のオン期間においては、定電圧源VS1の定電圧Vref1が基準電圧Vth1として比較器COM1の反転入力端子に入力されていたが、本実施形態では、コンデンサC1の充電電圧が入力される。
【0069】
先ず、PWM信号が立ち上がると、スイッチング素子Q2がオンに切り替わり、定電流源CS2から流れる定電流と、定電流源CS1から流れる定電流との差分によりコンデンサC1が充電される。これにより、コンデンサC1の充電電圧が直線的に増大するので、図6(b)の点線で示すように、基準電圧Vth1も直線的に増大する。この基準電圧Vth1が定電圧Vref1に達するまでの時間を「閾値上昇期間TU1」と呼ぶものとする。この閾値上昇期間TU1では、徐々に増大する基準電圧Vth1を閾値としてスイッチング素子Q1のオン/オフが制御される。基準電圧Vth1が定電圧Vref1に達した後の動作については、実施形態1と同様である。なお、閾値上昇期間TU1における基準電圧Vth1の傾きは、コンデンサC1の充電電流、すなわち定電流源CS2から流れる定電流と、定電流源CS1から流れる定電流との差分により決定される。
【0070】
ここで、PWM信号のオンデューティ比が小さい(0%に近い)場合、図7(a)の点線に示すように、閾値上昇期間TU1において基準電圧Vth1が定電圧Vth1まで到達しない。したがって、閾値上昇期間TU1における負荷電流のピーク値Ith1は、PWM信号のオンデューティ比の連続的な変化に応じて連続的に変化する。このため、PWM信号のオンデューティ比が0%に近づくに従って、負荷電流のピーク値Ith1は零まで連続的に減少する。
【0071】
また、PWM信号のオンデューティ比が大きい(100%に近い)場合、図7(b)の点線に示すように、閾値下降期間TD1及び閾値上昇期間TU1において基準電圧Vth1が零に達することがない。したがって、PWM信号のオンデューティ比が100%に近づくに従って、負荷電流のピーク値Ith1は光源部3の光出力が最大出力となるまで連続的に増大する。
【0072】
以下、スイッチング素子Q1のオンデューティ比を変化させた場合の光源部3の光出力の変化について図8を用いて説明する。同図において、実施形態2の「K=2」の場合におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関を一点鎖線で示している。また、同図において、上記と同じ条件で且つ閾値上昇期間TU1を設けた(すなわち、本実施形態を適用した)場合におけるPWM信号のオンデューティ比と光出力との相関を破線で示している。
【0073】
同図を見て分かるように、閾値上昇期間TU1を設けることで、光源部3の光出力をほぼ零出力から最大出力まで滑らかに変化させることができる。特に、閾値上昇期間TU1と閾値下降期間TD1とがほぼ等しくなるように設定することで、PMW信号のオンデューティ比と光源部3の光出力とがほぼ比例関係となり、望ましい。
【0074】
(実施形態4)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態4について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図9(a),(b)に示すように、駆動制御部20の比較器COM1の反転入力端子に定電圧Vref1を入力し、PWM信号のオフ期間において後述の重畳電圧V1を増大させることで負荷電流のピーク値Ith1を減少させることに特徴がある。
【0075】
閾値調整部21では、定電流源CS1がコンデンサC1と直列に接続され、コンデンサC1と並列にスイッチング素子Q2が接続されている。したがって、PWM信号のオン期間ではコンデンサC1が放電し、PWM信号のオフ期間ではコンデンサC1が定電流源CS1の定電流により充電する。また、コンデンサC1には抵抗R3が直列に接続され、点灯部1の抵抗R1には、抵抗R2が直列に接続されている。そして、これら抵抗R2と抵抗R3との接続点が比較器COM1の非反転入力端子に接続される。
【0076】
したがって、比較器COM1の非反転入力端子には、抵抗R1の両端電圧である検出電圧VR1と、コンデンサC1の充電電圧とに各々抵抗R2,R3で決まる係数を掛けた電圧の和である重畳電圧V1が入力される。
【0077】
以下、本実施形態の動作について図9(b)を用いて説明する。PWM信号のオン期間では、スイッチング素子Q2がオフ状態であるためにコンデンサC1は充電されない。したがって、検出電圧VR1のみに基づく重畳電圧V1が比較器COM1の非反転入力端子に入力されるため、スイッチング素子Q1は一定周期でオン/オフを繰り返し、負荷電流のピーク値Ith1は一定となる。
【0078】
そして、PWM信号がオフ期間に移行すると、スイッチング素子Q2がオンに切り替わることでコンデンサC1の充電が開始する。したがって、検出電圧VR1とコンデンサC1の充電電圧とに基づく重畳電圧V1が比較器COM1の非反転入力端子に入力される。ここで、コンデンサC1の充電電圧は、同図の二点鎖線に示すように、時間経過に従って直線的に増大し、最終的には基準電圧Vref1を上回る。このため、PWM信号のオフ期間においては重畳電圧V1が徐々に増大するため、スイッチング素子Q1の周期は徐々に短くなり、負荷電流のピーク値Ith1も直線的に減少する。すなわち、PWM信号のオフ期間において実施形態1と同様に閾値下降期間TD1を設けることができる。
【0079】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に閾値下降期間TD1を設けることができるので、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0080】
ここで、制御部2は、高調波の除去を目的として、例えばオンセミコンダクター社のMC33262やSTマイクロエレクトロニクス社L6562等の汎用のPFC制御ICを用いて構成することが考えられる。このような汎用のPFC制御ICでは、内部に基準電圧源を有しているため、実施形態1の構成では基準電圧Vth1を可変制御することができず、負荷電流のピーク値Ith1を可変制御することができない。そこで、本実施形態の構成を適用すれば、汎用のPFC制御ICを用いても負荷電流のピーク値Ith1を可変制御することができるので、制御部2を構成する部品点数の削減を図ることができる。
【0081】
(実施形態5)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態5について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態4と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図10(a)に示すように、閾値調整部21において定電流源CS1の代わりに定電圧源VS1及び抵抗R4の直列回路を設けたことに特徴がある。
【0082】
実施形態4では、PWM信号のオフ期間においてコンデンサC1の充電電圧は、定電流源CS1の定電流によって直線的に増大していた。一方、本実施形態では、抵抗R4及びコンデンサC1が積分回路を構成するため、コンデンサC1の充電電圧が指数関数的に増大する(図10(b)参照)。したがって、閾値下降期間TD1において負荷電流のピーク値Ith1も指数関数的に減少する。
【0083】
上述のように、本実施形態では、定電流源CS1を用いずに定電圧源VS1及び抵抗R4を用いることで、実施形態4と同様の効果を奏することができる。
【0084】
(実施形態6)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態6について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態5と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図11(a)に示すように、閾値調整部21においてスイッチング素子Q2と直列に抵抗R5を接続したことに特徴がある。
【0085】
実施形態5では、PWM信号がオフ期間からオン期間に移行する際に、スイッチング素子Q2がオンに切り替わり短絡することで、重畳電圧V1はほぼ瞬時に零電圧となっていた。一方、本実施形態では、抵抗R5及びコンデンサC1が積分回路を構成するため、コンデンサC1が放電し、充電電圧が指数関数的に減少するため、重畳電圧V1も指数関数的に減少する(図11(b)参照)。したがって、PWM信号がオフ期間からオン期間に移行する際に、負荷電流のピーク値Ith1は直線的に増大する。すなわち、PWM信号のオン期間において実施形態3と同様に閾値上昇期間TU1を設けることができる。
【0086】
上述のように、本実施形態では、定電流源CS1を用いずに定電圧源VS1及び抵抗R4,R5を用いることで、実施形態3,4と同様の効果を奏することができる。
【0087】
(実施形態7)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態7について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図12(a)に示すように、駆動制御部20の零電流検出回路20AにインダクタL1の二次巻線を接続する代わりに、一定周期の発振信号を出力する発振器20Dを接続したことに特徴がある。
【0088】
零電流検出回路20Aは、発振器20Dから与えられる発振信号の周期に基づいて一定周期でオア回路OR1にハイレベルの信号を入力する。すなわち、本実施形態では、スイッチング素子Q1のオン時間のみを可変制御し、負荷電流のゼロクロスを検出することなくスイッチング素子Q1を一定周期で駆動する。これにより、本実施形態では、図12(b)に示すように、負荷電流が断続的に流れる、所謂電流不連続モードでスイッチング素子Q1を制御する。
【0089】
上述のように、本実施形態では、実施形態1とは異なりスイッチング素子Q1を電流不連続モードで制御しているが、実施形態1と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、零電流検出回路20Aに発振器20Dの発振信号を入力しているが、零電流検出回路20Aは必ずしも必要ではなく、例えば汎用のPWM制御ICを用いて構成してもよい。すなわち、オア回路OR1に一定周期でハイレベルの信号を入力する構成であればよい。
【0090】
(実施形態8)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態8について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図13(a)に示すように、駆動制御部20の零電流検出回路20AにインダクタL1の二次巻線を接続する代わりに、単安定マルチバイブレータ20Eを接続したことに特徴がある。
【0091】
単安定マルチバイブレータ20Eは、駆動回路20Cと接続されており、駆動回路20Cからの駆動信号がローレベルになってから一定時間後に零電流検出回路20Aに信号を入力する。零電流検出回路20Aは、単安定マルチバイブレータ20Eから信号が入力されると、オア回路OR1にハイレベルの信号を入力する。すなわち、本実施形態では、負荷電流のゼロクロスを検出することなくスイッチング素子Q1のオフ時間を一定とし、スイッチング素子Q1のオン時間のみを可変制御する。これにより、本実施形態では、図13(b)に示すように、負荷電流が途切れることなく連続して流れる、所謂電流連続モードでスイッチング素子Q1を制御する。
【0092】
上述のように、本実施形態1とは異なりスイッチング素子Q1を電流連続モードで制御しているが、実施形態1と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、零電流検出回路20Aに単安定マルチバイブレータ20Eから信号を入力しているが、零電流検出回路20Aは必ずしも必要ではない。すなわち、スイッチング素子Q1がオフに切り替わってから一定時間後にオア回路OR1にハイレベルの信号を入力する構成であればよい。
【0093】
(実施形態9)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態9について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図14(a),(b)に示すように、零電流検出回路20Aにおいて負荷電流のゼロクロスを検出する代わりに、負荷電流の第1のピーク値Ith1及び第2のピーク値Ith2に基づいてスイッチング素子Q1を制御することに特徴がある。
【0094】
駆動制御部20には、反転入力端子に検出電圧VR1が入力され、非反転入力端子に減衰器20Fを介して基準電圧Vth1が入力される比較器COM2が設けられている。なお、減衰器20Fは、基準電圧Vth1をK1倍(K1<1)に減衰させるものである。比較器COM2の出力端子は零電流検出回路20Aに接続されている。
【0095】
ここで、本実施形態では、比較器COM1,COM2によって各々負荷電流の第1のピーク値Ith1及び第2のピーク値Ith2を設定している。すなわち、比較器COM1では、実施形態1と同様に、閾値調整部21から定電圧源VS1の定電圧、又はコンデンサC1の充電電圧が基準電圧Vth1として反転入力端子に入力されている。これにより、駆動制御部20は、負荷電流の第1のピーク値Ith1を上限としてスイッチング素子Q1を制御する。
【0096】
一方、比較器COM2では、上述のように、閾値調整部21からの定電圧源VS1の定電圧、又はコンデンサC1の充電電圧を減衰器20Fで減衰させて非反転入力端子に入力している。したがって、比較器COM2では、検出電圧VR1が非反転入力端子の入力電圧を下回ると、零電流検出回路20Aに向けてハイレベルの信号が出力される。零電流検出回路20Aでは、比較器COM2からハイレベルの信号が入力されると、オア回路OR1にハイレベルの信号を入力する。これにより、駆動制御部20は、負荷電流の第2のピーク値Ith2を下限としてスイッチング素子Q1を制御する。
【0097】
上述のように、本実施形態では、負荷電流の第1のピーク値Ith1及び第2のピーク値Ith2に基づいてスイッチング素子Q1を制御することで、実施形態8と同様にスイッチング素子Q1を電流連続モードで制御する。これにより、本実施形態においても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、減衰器20Fの減衰率を大きくして負荷電流の第2のピーク値Ith2を零に近づけることで、スイッチング素子Q1を電流臨界モードで制御することも可能である。
【0098】
なお、本実施形態では、零電流検出回路20Aからオア回路OR1に信号を入力しているが、零電流検出回路20Aは必ずしも必要ではない。すなわち、比較器COM2の出力信号がハイレベルに切り替わる際にオア回路OR1にハイレベルの信号を入力する構成であればよい。
【0099】
(実施形態10)
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態10について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図15(a)に示すように、点灯部1を昇圧チョッパ回路で構成したことに特徴がある。なお、光源部3には、負荷電流のリプルを小さくするために、平滑用コンデンサC2を並列に接続している。
【0100】
点灯部1を昇圧チョッパ回路で構成した場合には、図15(c)に示すように、負荷電流に相当するダイオードD1を流れる電流は、スイッチング素子Q1のオフ期間において流れる。本実施形態でも、実施形態1と同様に閾値下降期間TD1を設けることができるので、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0101】
なお、図15(b)に示すように、点灯部1を昇降圧チョッパ回路で構成してもよい。光源部3には、負荷電流のリプルを小さくするために、平滑用コンデンサC2を並列に接続している。この場合でも、図15(c)に示すように、ダイオードD1を流れる電流はスイッチング素子Q1のオフ期間において流れ、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0102】
以下、本発明に係る照明器具の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、図16(a)における上下を上下方向と定めるものとする。また、本実施形態における点灯装置A1は、上記何れかの実施形態の点灯装置を用いるものとする。本実施形態は、図16(a)に示すように、電源部及び点灯装置A1を光源部3とは別に配置した電源別置型の照明器具であって、光源部3を収納する器具本体5を天井8に埋込配設している。
【0103】
器具本体5は、例えばアルミダイカスト等の金属製であって、下端部が開口した有底円筒状に形成される。器具本体5内側の上底部には、複数(図示では3つ)の発光ダイオード30と、各発光ダイオード30が実装された基板31とを備えた光源部3が配設されている。なお、各発光ダイオード30は、器具本体5の下端部から外部空間に光を照射するために、光の照射向きが下向きとなるように配設されている。また、器具本体5の下端部の開口には、各発光ダイオード30からの光を拡散するための透光板6が設けられている。天井8の裏面(上面)には、点灯装置A1が器具本体5とは別の場所に配設されており、点灯装置A1と光源部3との間は、コネクタ70を介してリード線7で配線されている。
【0104】
上述のように、本実施形態では、上記何れかの実施形態の点灯装置A1を用いることで、上記何れかの実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、図16(b)に示すように、本実施形態を、点灯装置A1を光源部3とともに器具本体5に内蔵した電源一体型の照明器具として構成してもよい。この構成では、基板31の上面にアルミ板や銅板から成る放熱板50を器具本体5と接触する形で配設している。これにより、各発光ダイオード30で発生した熱を放熱板50及び器具本体5を介して外部に逃がすことができる。
【符号の説明】
【0105】
1 点灯部
2 制御部
20 駆動制御部
21 閾値調整部
3 光源部
30 発光ダイオード(固体発光素子)
D1 ダイオード
DC1 直流電源(電源部)
L1 インダクタ
Q1 スイッチング素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1乃至複数の固体発光素子を備えた光源部と、電源部からの直流電圧を入力とし、前記光源部に点灯電力を供給する点灯部と、前記点灯部を制御する制御部とを備え、前記点灯部は、インダクタ及びスイッチング素子の直列回路と、前記スイッチング素子のオフ期間において前記光源部に前記インダクタの蓄積エネルギーを回生させるためのダイオードとを備え、前記制御部は、PWM信号によって前記スイッチング素子のオン/オフを間欠的に駆動させる手段と、前記PWM信号のオン期間において前記スイッチング素子を前記PWM信号の周波数よりも高い周波数で駆動させる手段とを備え、前記PWM信号が立ち下がると前記光源部を流れる負荷電流のピーク値を一定の期間をかけて減少させることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記点灯部は、前記光源部を流れる負荷電流を検出する検出回路を備え、前記制御部は、前記負荷電流のピーク値を設定して出力する閾値調整部と、前記検出回路の出力と前記閾値調整部の出力とを比較する比較器と、前記比較器の出力に基づいて前記スイッチング素子のオン期間を制御する駆動制御部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記閾値調整部は、コンデンサと、前記PWM信号に基づいて前記コンデンサの充放電を行う充放電回路とを備え、前記コンデンサの充電電圧を出力とすることを特徴とする請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記比較器は、前記検出回路の出力と前記閾値調整部の出力とを重畳した重畳電圧と、一定の基準電圧とを比較することを特徴とする請求項2又は3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記負荷電流の閾値を減少させる一定の期間は、前記PWM信号のオン期間における前記スイッチング素子のオフ期間よりも長いことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記PWM信号が立ち上がると前記負荷電流のピーク値が一定の期間をかけて増大するように前記スイッチング素子のオン期間を制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記点灯部は、降圧チョッパ回路で構成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記スイッチング素子を電流臨界モードで制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記スイッチング素子を電流不連続モードで制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記スイッチング素子を電流連続モードで制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項11】
前記電源部は、交流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するAC/DCコンバータ部、又は直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータ部を備えることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項12】
前記電源部の出力はAC/DCコンバータ部の出力であって、前記PWM信号の周波数を600Hz又は600Hzの倍数としたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の点灯装置と、少なくとも前記光源部を保持する器具本体とを備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項1】
1乃至複数の固体発光素子を備えた光源部と、電源部からの直流電圧を入力とし、前記光源部に点灯電力を供給する点灯部と、前記点灯部を制御する制御部とを備え、前記点灯部は、インダクタ及びスイッチング素子の直列回路と、前記スイッチング素子のオフ期間において前記光源部に前記インダクタの蓄積エネルギーを回生させるためのダイオードとを備え、前記制御部は、PWM信号によって前記スイッチング素子のオン/オフを間欠的に駆動させる手段と、前記PWM信号のオン期間において前記スイッチング素子を前記PWM信号の周波数よりも高い周波数で駆動させる手段とを備え、前記PWM信号が立ち下がると前記光源部を流れる負荷電流のピーク値を一定の期間をかけて減少させることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記点灯部は、前記光源部を流れる負荷電流を検出する検出回路を備え、前記制御部は、前記負荷電流のピーク値を設定して出力する閾値調整部と、前記検出回路の出力と前記閾値調整部の出力とを比較する比較器と、前記比較器の出力に基づいて前記スイッチング素子のオン期間を制御する駆動制御部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記閾値調整部は、コンデンサと、前記PWM信号に基づいて前記コンデンサの充放電を行う充放電回路とを備え、前記コンデンサの充電電圧を出力とすることを特徴とする請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記比較器は、前記検出回路の出力と前記閾値調整部の出力とを重畳した重畳電圧と、一定の基準電圧とを比較することを特徴とする請求項2又は3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記負荷電流の閾値を減少させる一定の期間は、前記PWM信号のオン期間における前記スイッチング素子のオフ期間よりも長いことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記PWM信号が立ち上がると前記負荷電流のピーク値が一定の期間をかけて増大するように前記スイッチング素子のオン期間を制御することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記点灯部は、降圧チョッパ回路で構成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記スイッチング素子を電流臨界モードで制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記スイッチング素子を電流不連続モードで制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記スイッチング素子を電流連続モードで制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項11】
前記電源部は、交流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するAC/DCコンバータ部、又は直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータ部を備えることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項12】
前記電源部の出力はAC/DCコンバータ部の出力であって、前記PWM信号の周波数を600Hz又は600Hzの倍数としたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の点灯装置と、少なくとも前記光源部を保持する器具本体とを備えたことを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−199392(P2012−199392A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62611(P2011−62611)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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