説明

点眼液を投与するための新規な方法

【課題】液体製品を投与するための装置の提供
【解決手段】開口部を有するハウジングと、ハウジングに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する液体用容器と、第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含むバルブを有する投薬チャンバと、第2のオリフィスを介して液体の放出を可能にするように構成された機構と、放出される液体を、供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備え、i)機構が、投薬チャンバの第1のオリフィスおよび供給ノズルの流れが連通する少なくとも第1の位置と、第2のオリフィスおよび貫通路の流れが連通する第2の位置との間で、ハウジングまたはフレームに対して移動可能な移動エレメントを備え、ii)機構が、移動エレメントが第1の位置で、第1のオリフィスを介して液体を吸引し、また移動エレメントが第2の位置で、第2のオリフィスを介して液体の放出が可能である

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体製品、特に、点眼液などの医薬製品のための投薬装置に関する。この設計によると、液を放出する間は、装置中に液が残留しないようにすることができ、したがって、投与治療の間にその装置内に残留する溶液の品質損失を起こすことはない。そのことは、医薬製品にとって特に重要であり、特に点眼液にとって重要である。さらに、投薬がより正確となり患者が過剰投与され、眼の炎症を起こす可能性が低減される。
【背景技術】
【0002】
本発明の原理は多くの領域で利用することができるが、便宜上、主に眼の液体治療に関連して述べるものとする。Weinreb RN and Khaw PT、Lancet、2004、363巻、1711〜1720頁は、原発開放隅角緑内障など、様々な眼の状態を論じており、それを参照により本明細書に組みこむ。通常、医療用調合薬剤は、指定された分量が確実に投与されまたは吸収されるために、適切に規定された容量が与えられる必要がある。非ターゲット組織中への吸収、または涙管を介して喉頭へ排出された過剰量の液による全身の不適切な生理的影響、あるいは顔および衣類に溢れ出たことによる不具合を生ずるので、多量の余剰を許容することはできない。さらに、高価な医薬品に対しては価格上の考慮も行われる。一例として、緑内障の治療には、例えば、プロスタグランジン、β遮断剤、または他の高価な活性成分を高い頻度で毎日投与する必要があるが、それらはすべて、眼を除く他の体組織に吸収されたとき、所望の圧力解放以外の作用を有する。小容量の投薬は、使用される投与機器中のわずかな、制御されないもしくはデッドスペースによっても悪影響を受ける。さらに、医療用調合薬剤の成分は、投与デバイス中に存在する材料および延長された表面への長時間の曝露による劣化または吸収に敏感であり得る。同様な考慮は無菌状態保存に対しても適用される。流れの品質に関して、少量を適正に投与することは、活性成分が角膜の限られた領域を通る以外眼に入ることができないため複雑なものとなる。誘発された瞬目反射により目蓋が閉じられる前に、投薬量全体が投与されることも必要である。
【0003】
眼の表面に対する点眼液など液体の医療製品の指定された量を体の一部に与える数多くのデバイスが既に知られている。それらのデバイスは、一般に、注射器の原理を利用しており、その注射器は、指定量の液体で事前に満たされており、または別の容器に入っている前記の量の液体を吸引するために目盛りが付けられており、または、例えば、米国特許第4623337号の諸実施形態の1つに述べられているように、注射器の投薬チャンバと恒久的に連通する固定容器に接続することができる。重力により容器から投薬チャンバに恒久的に供給することは、放出される液量の正確さも、その無菌状態も保証できないことを意味することが分かる。それらのデバイスでは、手動または自働でプランジャに加えられる圧力は、例えば、特許協力条約公開WO92/20455号に述べられているように、一般に、液体噴流と同方向に働く。
【0004】
噴流方向は、曲がった管によって時々偏向させることができるが、その場合、噴流がその目標に達するための力を制御することが困難である。例えば、液体もしくはペースト状形態の食品または化粧品に対する仏国特許第FR2647757号に開示のものと同様のこの種のデバイスでは、所与の放出圧力を守ることが重要なものとされていない。
【0005】
しかし、点眼液の場合、治療の安全性と有効性という明白な理由のためだけではなく、眼に対する液体噴流の衝撃圧力の制御を可能にするためにも、高い精度で放出される投薬量を制御することが非常に重要であり、それは、例えば、米国特許第4623337号および米国特許第5836911号に開示されているように、いくつかのデバイスにより、液体放出オリフィスに対して固定の距離を付与するためにターゲット周辺に適用されるアイピースまたはスペーシング部材を用いることによって達成しようとする試みがなされている。しかし、プランジャに直接手動で圧力をかける場合、それらのデバイスは、液体噴流の衝撃力をいつも再現させることはできないことが分かる。
【特許文献1】米国特許第4623337号公報
【特許文献2】特許協力条約公開WO92/20455号公報
【特許文献3】仏国特許第FR2647757号公報
【特許文献4】米国特許第5836911号公報
【非特許文献1】Weinreb RN and Khaw PT、Lancet、2004、363巻、1711〜1720頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本設計を用いると、液体の正確な量が放出された後、残留物を何も残さずに、従来技術に関連する重要なリスク、すなわち、投与期間の間の装置中の残留溶液の品質ロスを排除することができる。正確な液体量の放出と溶液品質の維持は共に、医薬製品にとって特に重要であり、特に点眼液にとって重要である。この設計はまた、最小の努力で、また患者の器用さに最小の依存度で、(眼のような)ターゲット表面に対する液体の正確な水平投与を行う。この設計は、投薬治療が1回だけ必要となるようにし、従来技術に関連する投薬の失敗を最小化する。本設計は、患者によるさらに効率的な使用を可能にし、また(活性薬物に対する過度の曝露、調合における刺激物の増量に起因する眼の炎症の増加、眼との接触頻度増加に起因する感染リスクの増加など)医薬品の投与を複数回試みることに関連する医療安全リスクを低減する。
【0007】
本設計はまた、従来技術を用いて点眼を成功させるために必要な頭部を傾けることが困難な人にも可能なように、液体の水平投与を行うことができる。
このように、従来技術の投薬装置は、特定の問題に対する個々の解決策を提供するが、そのいずれも、前述の問題のすべてを同時に解決することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、液体製品を投与するための装置であって、
a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)ハウジングまたはフレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する液体用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)第2のオリフィスを介して液体の放出を可能にするように構成された機構と、e)放出される液体を、供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備え、i)機構が、投薬チャンバの第1のオリフィスおよび供給ノズルの流れが連通する少なくとも第1の位置と、第2のオリフィスおよび貫通路の流れが連通する第2の位置との間で、ハウジングまたはフレームに対して移動可能な移動エレメントを備えており、ii)機構が、移動エレメントが第1の位置にあるとき、第1のオリフィスを介して液体を吸引し、また移動エレメントが第2の位置にあるとき、第2のオリフィスを介して液体の放出が可能なように構成されている装置に関する。
【0009】
本発明の一実施形態は装置に関し、ハウジングは、任意選択でアイピースを備える。
本発明の他の実施形態は装置に関し、アイピースは、任意選択でアイピースリングを備える。
【0010】
本発明の他の実施形態は装置に関し、アイピースリングは熱可塑性の弾性体またはシリコーンからなる。
他の実施形態では、本発明は装置に関し、少なくとも1つのアクチュエータが含まれており、機構を動作させるように適合されている。
【0011】
本発明の一実施形態は装置に関し、アクチュエータは手動の力を用いることによって操作されるように構成される。
本発明の他の実施形態は装置に関し、アクチュエータは、移動エレメントが第1の位置にあるときの充填位置と、移動エレメントが第2の位置にあるときの放出位置との間で、移動エレメントを移動または搬送するように適合されている。
【0012】
他の実施形態では、本発明は装置に関し、アクチュエータは、実質的に、継続的な運動を実施するように適合されており、その運動中、機構は、少なくとも吸引ステップと、第1の位置と第2の位置の間における移動エレメントの運動を実施する。
【0013】
他の実施形態では、本発明は装置に関し、アクチュエータは、移動エレメントが第1の位置と第2の位置の間で実質的に連続運動できるようにする。
本発明の一実施形態は装置に関し、アクチュエータは、移動エレメントが第1の位置で投薬チャンバを液体製品で満たすために実質的に連続運動できるようにする。
【0014】
本発明の一実施形態は装置に関し、アクチュエータは、移動エレメントが第2の位置で投薬チャンバから液体製品を放出するために実質的に連続運動できるように構成される。
本発明の他の実施形態は装置に関し、アクチュエータは、連続運動における放出ステップの直前に触知できるフィードバックを与えるように適合されている。
【0015】
本発明の他の実施形態は装置に関し、移動エレメントは、実質的に、垂直方向に移動するように適合されている。
他の実施形態では、本発明は装置に関し、移動エレメントは、実質的に、水平方向に投薬チャンバを移動または搬送するように適合されている。
【0016】
他の実施形態では、本発明は装置に関し、投薬チャンバは、同心のバレル(barrel)軸を定義する実質的に円筒のバレルを備える。
本発明の一実施形態は装置に関し、第1のオリフィスは、吸引エレメントと接続するように適合されている。
【0017】
本発明の他の実施形態は装置に関し、移動エレメントは、アパーチャを備え、移動エレメントが第1の位置にあるとき、アパーチャは遮断されるように適合され、また移動エレメントが第2の位置にあるとき、アパーチャは流体を放出するために第2のオリフィスおよび開口部と位置合わせされる。
【0018】
他の実施形態では、本発明は装置に関し、機構が、第1の位置における液体の吸引、第2の位置への移動エレメントの移動、および第2の位置における液体の放出を順に実施するように適合されている。
【0019】
他の実施形態では、本発明は装置に関し、機構が、戻しスプリングに対してポンプ部材を後退させることにより吸引を行い、また戻しスプリングによりポンプ部材を押し出すことによって放出を行うように適合されている。
【0020】
本発明の一実施形態は装置に関し、機構が、液体の放出後に、開始位置または静止位置にまた戻るように適合されている。
本発明の他の実施形態は装置に関し、機構が、液体の放出前に開始位置または静止位置に戻るように適合されている。
【0021】
他の実施形態では、本発明は装置に関し、供給ノズルは容器の近位端に配設される。
他の実施形態では、本発明は装置に関し、投薬チャンバは供給ノズルと動作可能に連通している。
【0022】
本発明の一実施形態は装置に関し、移動エレメントは直線のカム面形状である。
本発明の一実施形態は装置に関し、移動エレメントはカム面を有する。
本発明の他の実施形態は装置に関し、投薬チャンバはその中に吸引エレメントを備える。
【0023】
本発明の他の実施形態は装置に関し、吸引エレメントは円筒形状を有する。
本発明の他の実施形態は装置に関し、吸引エレメントはカニューレである。
他の実施形態では、本発明は装置に関し、吸引エレメントは硬質のプラスチック材料から形成される。
【0024】
他の実施形態では、本発明は装置に関し、吸引エレメントはポリカーボネート(PC)から形成される。
他の実施形態では、本発明は装置に関し、吸引エレメントは金属から形成される。
【0025】
本発明の一実施形態は装置に関し、吸引エレメントはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)から形成される。
本発明の他の実施形態は装置に関し、第2のオリフィスは、液体スプレーを生成するように適合されている。
【0026】
他の実施形態では、本発明は装置に関し、第2のオリフィスは、実質的に、凝集性のある流れを生成するように適合されている。
他の実施形態では、本発明は装置に関し、第2のオリフィスは、実質的に、空中に直接液体を放出するように適合されている。
【0027】
他の実施形態では、本発明は装置に関し、第2のオリフィスは、小滴の流れを生成するように適合されている。
他の実施形態では、本発明は装置に関し、小滴の流れは水平の流れである。
【0028】
本発明は、液体製品を投与するための装置を動作させる方法であって、その装置が、
a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)ハウジングまたはフレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する液体用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)第2のオリフィスを介して液体の放出を可能にするように構成された機構と、e)放出される液体を、供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備え、i)第1のオリフィスとノズルを接続して流れが通ずるようにするステップと、ii)第1のオリフィスを介して投薬チャンバ中に液体を充填するステップと、iii)眼のターゲットに対して、投薬チャンバから第2のオリフィスを介して液体を放出するステップとを含む方法に関する。
【0029】
本発明は、液体製品を投与するための装置を動作させるためのキットであって、液体製品を投与するための装置、液体製品、および使用のための指示を備えており、装置が、
a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)ハウジングまたはフレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する液体用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)第2のオリフィスを介して液体の放出を可能にするように構成された機構と、e)放出される液体を、供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備えるキットに関する。
【0030】
本発明の一実施形態はキットに関し、その液体製品は点眼液である。
本発明の一実施形態はキットに関し、その点眼液は、ラタノプロスト、または薬学的に許容可能な塩もしくはその溶媒化合物を含む配合物である。
【0031】
本発明は、眼の状態を治療する方法であって、液体製品を投与するための装置を含み、その装置が、
a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)ハウジングまたはフレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する液体用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)第2のオリフィスを介して液体の放出を可能にするように構成された機構と、e)放出される液体を、供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備え、液体製品が、薬学的に有効な量の点眼液を含む方法に関する。
【0032】
本発明の他の実施形態は方法に関し、その点眼液は、ラタノプロスト、または薬学的に許容可能な塩もしくはその溶媒化合物を含む配合物である。
本発明の他の実施形態は、眼の状態の治療のために、薬学的に有効な量の点眼液の使用法であって、その点眼液は、患者に装置を介して提供され、その装置が、a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)ハウジングまたはフレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する点眼液用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)第2のオリフィスを介して点眼液の放出を可能にするように構成された機構と、e)放出される点眼液を、供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備える使用法に関する。
【0033】
他の実施形態では、本発明はその使用法に関し、その点眼液は活性成分ラタノプロストを含む。
他の実施形態では、本発明はその使用法に関し、その点眼液は活性成分ラタノプロストとマレイン酸チモロールの組合せを含む。
【0034】
本発明の一実施形態は、眼の状態の治療で使用するためのキットであって、点眼液、点眼液を投与するための装置、および使用のための指示を備えており、その装置が、a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)ハウジングまたはフレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する点眼液用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)第2のオリフィスを介して点眼液の放出を可能にするように構成された機構と、e)放出される点眼液を、供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備えるキットに関する。
【0035】
他の実施形態では、本発明はキットに関し、その点眼液はラタノプロストを含む。
他の実施形態では、本発明はキットに関し、その点眼液はラタノプロストおよびマレイン酸チモロールを含む。
【0036】
本発明の一実施形態は、薬学的に有効な量のラタノプロスト溶液およびそのラタノプロスト溶液を保持するための装置を含む眼用構成物であって、その装置が、a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)ハウジングまたはフレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有するラタノプロスト溶液用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)第2のオリフィスを介してラタノプロスト溶液の放出を可能にするように構成された機構と、e)放出されるラタノプロスト溶液を、供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備える眼用構成物に関する。
【0037】
本発明の一実施形態は、点眼液を提供するための構成物の使用法であって、構成物が、薬学的に有効な量の点眼液、およびその点眼液を保持するための装置を備えており、その装置が、a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)ハウジングまたはフレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する点眼液用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)第2のオリフィスを介して点眼液の放出を可能にするように構成された機構と、e)放出される点眼液を、供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備える使用方法に関する。
【0038】
他の実施形態では、本発明はその使用法に関し、その点眼液はラタノプロストを含む。
他の実施形態では、本発明はその使用法に関し、その点眼液はラタノプロストおよびマレイン酸チモロールを含む。
【0039】
本発明の他の機能および利点は、添付の図面を参照し、非限定的な例示のためだけに与えられた実施形態の諸実施例を読めば、より明確となろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1では、本発明による処分可能な繰返し投与の投薬装置を示す一実施形態の斜視図を示す。図1は、装置の外部を示しており、2つのシェル、すなわち、ハウジング右1およびハウジング左2から形成され、任意の適切な手段によって組み立てられたハウジングを含む。眼の目標、すなわち、例えば、眼の角膜の方向に空中を介して装置から放出される液体製品は、ハウジングおよび支持に対して実質的に固定された容器18中に含まれる。容器18中に含まれている液体製品は、プランジャ・シーリング11を後退させることにより投薬チャンバ7が加圧された後、吸引されることによって、投薬チャンバ7と流体連通するようになる。投薬チャンバ7が加圧されて液体製品で満たされると、プランジャ・シーリング11およびプランジャ12が押し出されて眼のターゲット上に流体を放出する。
【0041】
図1では、垂直力による作動は、放出される液体製品の方向に対して実質的に直角をなす方向に行われることが理解できる。作動機構は、アクチュエータ4の形をとる。次に、図3を参照すると、ハウジング右1およびハウジング左2が取り外されている。アクチュエータ4は、移動エレメント5およびアクチェータ・スプリング17を受け入れるように構成されている。移動エレメント5は、ピストン10に取り付けられたプランジャ12を眼のターゲット方向または離れる方向に駆動する移動コンポーネントを形成する。移動エレメント5は、直線のカム面形状を有しており、細長い部分5cおよび腕部5b、5aで、アクチュエータ4に動作可能に接続されている。移動エレメント5はまた、カム表面5dを有し、ピストン10に係合してプランジャ12を後退および押し出すように動作する。移動エレメント5はまた、その中心に、貫通路に相当する図6のオリフィス5eを含んでおり、投薬オリフィス7dと位置合わせがなされると、液体製品がその貫通路を通って眼のターゲット上に放出されることになる。移動エレメント5およびアクチェータ・スプリング17と動作可能に連係しているアクチュエータ4の特定の構造は、放出された液量の正確さ、および外部の汚染物質による投薬チャンバ7の非汚染化に寄与する。
【0042】
図6に示すように、移動エレメント5は、直線カム面形状のコンポーネントであり、それは、本発明の移動エレメントを形成する。静止状態で、ユーザは、手動でアクチェータ4に垂直の外力を加えることができる。その力は、放出平面に対して直角をなす平面内で、移動エレメント5を移動させる。ピストン10は、投薬チャンバ7およびバルブアセンブリ19を越えて水平に伸びている。平面に沿った移動エレメント5の運動における特定の点で、カム表面5dは、動作可能に連係してピストン10の露出した外側表面に沿って摺動し、それを押す。この動作可能な連係により、ピストンアセンブリ10aを後退させ、同時にプランジャ12を後退させることになる。
【0043】
プランジャ・シーリング11が後退すると、圧力が生じて吸引が行われ、バルブシール9により、液体を容器18から投薬チャンバ7に流入させる。安定化のために、プランジャ・シーリング11は、プランジャ12をシールし、案内するように働き、ピストン10、プランジャ・シーリング11、およびプランジャ12の組合せは、組み合わされてピストンアセンブリ10aを形成する。プランジャ・スプリング・ガイド13中に収容されている駆動スプリング15は、ピストン10の後ろに位置し、ピストンアセンブリ10aの後退によって得られた位置エネルギを貯えるために提供される。カム表面5dは、投薬機構として働き、カム表面5dの押出し角に直接比例する距離でプランジャ12を後退させる。ピストンアセンブリ10aが押出しの最大角である位置5fに直接比例する点まで後退すると、移動エレメント5は、次いで、平面に沿って移動を継続する。押出し角約0°の位置5gで、駆動スプリング15内に貯えられた位置エネルギが解放され、プランジャ12が押し出され、同時に、眼のターゲット上に向けて、スプレーまたは流れの形で、オリフィス5eを介して投薬チャンバ7から流体が放出される。容器18から投薬チャンバ7に入る液体製品の量すなわち投薬量は、移動エレメント5の先端角によって定義される。液体製品が装置から放出されると、ユーザによりアクチュエータ4上に加えられた外力を取り除くことができ、アクチュエータ・スプリング17は、アクチュエータ4をその元の位置に戻すように働く。
【0044】
アクチュエータ・スプリング17は、支持6のシリンダ6a中に収容されており、アクチュエータ4の底部表面に接している。戻しバルブ・スプリング16は、バルブ8とバルブ・スプリング・ガイド14の間に配設される。静止状態にあるときは、アクチュエータ4に対して力は何も働かない。ユーザが、アクチュエータ4に対して手動の垂直力を加えたとき、アクチュエータ・スプリング17およびバルブ・スプリング16は、次いで、圧縮される。この活動状態において、アクチュエータ・スプリング17およびバルブ・スプリング16の垂直圧縮により、位置エネルギが貯えられ、それが解放されると、エネルギが解放されてアクチュエータ4は元の静止状態に再度格納される。
【0045】
拡大された図6でより明確に分かるように、移動エレメント5は、眼のターゲットに向けて液体製品を放出するためのオリフィス5eを含む。移動エレメント5は、放出平面と直角をなす平面内で移動するとき、一定の点でピストンアセンブリ10に接するカム表面5dを有するように構成される。バルブアセンブリ19は、投薬チャンバの前面7aに接するバルブ8およびバルブシール9からなる。バルブ8およびバルブシール9は、投薬チャンバ7中に圧力が含まれるように協力して動作する。
【0046】
図3に示すように、投薬チャンバ7は、同心のバレル軸を定義し、そのバレル軸に直角をなす実質的に一定の断面積を有する実質的に円筒系のバレルから構成され、吸引エレメント7fおよびバレル中に挿入されるプランジャ12を有しており、プランジャ12は、そのバレル軸に沿って移動可能である。さらに、オリフィス5eは、実質的に、バレルよりも小さい断面積を有する。
【0047】
投薬チャンバの前面7aは、2つのアパーチャ、すなわち投薬オリフィス7dおよび放出オリフィス7eを含む。第1の位置5dで、活動状態にあるとき、移動エレメント5は、プランジャ12を眼のターゲットと反対の方向に後退させて、投薬チャンバ7を充填するように働く。投薬チャンバ7中に生成された圧力が投薬オリフィス7dを満たす。次いで、移動エレメント5は、その平面に沿って移動を続け、第2の位置5gで、投薬オリフィス7d中の液体製品が放出オリフィス7eに移動し、液体製品がオリフィス5eを介して眼のターゲットに向けて、アイピースオリフィス3bを通って放出される。放出オリフィス7eは、アイピースオリフィス3bまたはオリフィス5eよりも実質的に狭く、アイピースオリフィス3bは、オリフィス5eおよび放出オリフィス7eよりも実質的に広い。
【0048】
ハウジング右1およびハウジング左2はそれぞれ、米国コネティカット州ブリッジポートに位置するModern Plastics社から共に市販される、General Electric company(ジェネラル・エレクトリック社)により製造されるポリカーボネート(PC)Lexan(登録商標)としても知られるビスフェノールA、またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)などの硬質プラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。
【0049】
アクチュエータ4は、ポリカーボネート(PC)Lexan(登録商標)またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)などの硬質プラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。
【0050】
移動エレメント5は、ポリカーボネート(PC)Lexan(登録商標)またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)などの硬質プラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。
【0051】
投薬チャンバ7は、ポリカーボネート(PC)Lexan(登録商標)またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)などの硬質プラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。
【0052】
容器18は、供給ノズル18aで投薬チャンバ7と連結される。その連結は、ロックおよび溝(lock and groove)機構により達成することができる。容器18は、米国テキサス州ヒューストンに位置するEquistar社から市販の高密度ポリエチレン(HDPE)、またはポリプロピレン(PP)などのプラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意のプラスチック材料から形成される。
【0053】
吸引エレメント7fは、実質的に、スパイクなどのような円筒形状を有しており、鋼などの金属、またはポリカーボネート(PC)Lexan(登録商標)もしくはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、(PE)、(HDPE)などの硬質プラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。吸引エレメント7fはまた、あご部(barb)もしくはノブなど容器18への固定を可能にする固定手段を有する。
【0054】
ピストン10は、装置の支持6およびチャンバ7に取り付けられており、米国ケンタッキー州フローレンスに位置するTicona North America社から市販のCelanex(登録商標)ポリブチレン・テレフタレート共重合体(PBT)などの硬質プラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。
【0055】
プランジャ12は、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、またはポリプロピレン(PP)などの硬質プラスチック、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。任意選択で、プランジャは、容器18と同じ材料から形成することもできる。プランジャ12は、投薬装置が正確さおよび無菌状態という目的を達成できるようにする本発明の一実施形態を構成するが、本発明の範囲を逸脱せずに、他のタイプのプランジャを使用することもできる。
【0056】
プランジャ・シーリング11は、米国テキサス州ウッドランドのHuntsman(登録商標)から市販のHuntsman(登録商標)ポリエチレン、またはHuntsman(登録商標)ポリプロピレン(PP)などの可撓性のあるプラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の可撓性のあるプラスチック材料から形成される。
【0057】
バルブ8は、Celanex(登録商標)ポリブチレン・テレフタレート共重合体(PBT)などの硬質プラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。
【0058】
バルブシール9は、当業者に利用可能な市販のDanFlex(登録商標)、または米国オハイオ州アクロンに位置するAdvanced Elastomer Systems社から市販のSantoprene(登録商標)TPEなどの軟質の弾性体、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の軟質の熱可塑性弾性体から形成される。
【0059】
プランジャ・スプリング・ガイド13およびバルブ・スプリング・ガイド14は共に、(HDPE)または(PP)などの硬質のプラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。
【0060】
アクチュエータ・スプリング17、バルブ・スプリング16、(バルブ・スプリング右16bおよびバルブ・スプリング左16a)および駆動スプリング15はそれぞれ、当業者に利用可能な市販のステンレス鋼など、鋼から形成される。
【0061】
アイピースアセンブリ3は、ハウジング右1およびハウジング左2の両方に収容される。図1を参照すると、アイピースアセンブリ3は動かないが、任意選択で動かすこともでき、例えば、装置を保管しやすいように引込み可能にすることができる。アイピースアセンブリ3は、点眼液製品を眼に投与するのをガイドするために提供される。アイピースの外側リング3aは、Santoprene(登録商標)TPE、VersaFlex(登録商標)、あるいは当業者に利用可能な市販のシリコーンなど軟質の可撓性のある材料から形成され、快適さを提供する。アイピース3は、ポリカーボネート(PC)Lexan(登録商標)もしくはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、などの硬質プラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。
【0062】
支持6は、アクチュエータ4、移動エレメント5、投薬チャンバ7、ピストンアセンブリ10a、バルブアセンブリ19、およびバルブ・スプリング・ガイド14に動作可能に接続される。支持6は、Celanex(登録商標)ポリブチレン・テレフタレート共重合体(PBT)などの硬質プラスチック材料、あるいは当業者に利用可能な市販の適切な任意の硬質プラスチック材料から形成される。支持6はそれ自体、装置のハウジング右1およびハウジング左2の両方の内部に収容される。
【0063】
本発明で想定される液体製品は、例えば、Xalatan(登録商標)、Xalacom(登録商標)、もしくは任意のラタノプロスト含有溶液、チモロール配合物、ドライアイ溶液、局所的眼溶液、Visine(登録商標)などの局所的抗生物質、またはテトラヒドロゾリンHCLもしくは硫酸亜鉛などの活性成分を含む任意の製品などの点眼液、あるいは当業者に知られている適切な任意の点眼液に関する。
【0064】
装置は、任意選択で、投薬カウンタ、日付および時間を表示するためのスイッチなどを含むことができる。
適切なキットは、点眼液、例えば、Xalatan(登録商標)、装置、および使用の指示を含むはずである。
【0065】
装置の構成要素はすべて、眼用薬の計量およびその後の投与を容易にするために協力して動作する。さらに、装置の構成要素はすべて、中量のコスト効率のよい構成要素から形成されているので、装置の可処分的な性質に合っている。
【0066】
充填位置
図4に示す充填位置から、アクチュエータ4に対して垂直力を加えることにより、カム表面5dは、ピストンアセンブリ10aを眼のターゲットの反対方向に移動させ、それにより、プランジャ12を後退させ、その後、バルブ・スプリング16を圧縮する。この位置で、容器18は、投薬チャンバ7と吸引エレメント7fを介して液体連通しており、それにより、投薬チャンバ7を液体製品で満たすことができる。アクチュエータ4に垂直力を加えることにより、位置5fで、チャンバ7は、完全に計量された液体製品で満たされる。
【0067】
放出位置
続けて垂直力をアクチュエータ4に加えることにより、移動エレメント5は、図7に示すようにピストンアセンブリ10aを解放する。次いで、液体製品は、放出オリフィス7eを満たし、オリフィス5eがそれと位置合わせされる。放出すべき液体は、駆動スプリング15の戻し作用により、放出オリフィス7eおよびオリフィス5eの両方を介して放出される。アクチュエータ4上の垂直外力を解放することにより、移動エレメント5は、ピストン10のすぐ内側で上方向に枢動し、ボタン・スプリング17およびバルブ・スプリング16の戻し作用によって垂直力と反対の方向に上方に摺動する。
【0068】
上記の本装置は、繰返し投薬用途、すなわち、投薬量が供給部から繰り返し吸引され、繰り返し放出する用途のために構成されていることは明らかである。本装置はまた、眼の治療用途に適切な機能で例示されていることも明らかである。この用途に対する典型的なパラメータを以下で示すが、本発明を、この用途または任意のこのような例示のパラメータに限定されるものと見なすべきではない。眼に投与するための1回の投薬量は、100μL未満であり、適切には50μL未満であり、また適切には30μL未満とすることができる。一般には、待機位置における容積は、少なくとも1μLであり、適切には少なくとも2μLであり、また適切には少なくとも3μLである。容器18は、これらの複数の投薬量を投与できる容量を有することが適切である。
【0069】
装置の出口から眼までの適切な距離は、約24mmである。適切な噴流時間は約40から60ミリ秒である。滴薬の流れもしくは放出される噴流のための適切な速度は、重力の支援なしに、装置の開口部とターゲットの間の空気の間隙を横断するのに十分な運動量を有すること、瞬きによって妨害されない十分な高速で移動すること、および不都合な、有害な衝撃を眼に与えないことの間のバランスである。理想的な速度は、使用される滴薬のサイズにある程度依存するが、一般則として、適薬は、開口部とターゲットの間の合理的な距離を考慮すると、それ自体の運動量により空中を介して、少なくとも1cm、適切には少なくとも3cm、非常に適切には少なくとも5cmを横断できるべきである。装置の開口部を離れるときの適切な低速限界は、0.1m/s、適切には、0.5m/s、および非常に適切には少なくとも10m/sである。一般に、上限速度は、200m/sより低く、適切には100m/sより低い。そのように定義された適切な滴薬サイズは、すぐに減速されることなく、また、例えば、吸い込まれないなど、容易に方向の変更されない十分なサイズとすべきであり、最小直径で20μm、適切には50μm以上、および非常に適切には少なくとも100μm以上を有することが適切である。通常、サイズは、200μm未満であり、適切には150μm未満である。
【0070】
流れは、水平のシャワーまたは霧状にした液体小滴のスプレーの形をとることができるが、流れは、狭くかつ十分に凝集性のあることが適切であり、ただし、このような流れは、一定の時間および距離の後、個々の小滴に砕けてしまう傾向がある。上記で与えられた値は、球形の小滴に関し、また複数の小滴に対しては、粒子直径の重量平均(weight average)に関することを意図している。凝集流れは、おおよそ、流れの直径の倍の直径の小滴に砕けてしまう傾向がある。したがって、投薬オリフィスのための適切な開口部直径は、上記所与の滴薬直径の約半分、または、おおよそ、10μmと1000μmの間、適切には20と800μmの間である。上記の検討は、液体粘性から十分に独立しており、液体製品用および軟膏用の両方に適用されることが多い。投薬全体は、瞬目反射時間より短い時間内に、すなわち、約150m/s未満、適切には100m/s未満、および非常に適切には75m/s未満の時間内に投与され得ることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】ハウジングが取り付けられた本発明による投薬装置の斜視図である。
【図2】ハウジングが取り付けられた本発明による投薬装置の正面斜視図である。
【図3】図1に示す装置の分解された斜視図である。
【図4】静止位置にある機構アセンブリの、図1の線V―Vに沿った断面図である。
【図5】図1に示すアイピースの分解された斜視図である。
【図6A】図3に示す移動エレメントの斜視図である。
【図6B】図3に示す移動エレメントの斜視図である。
【図6C】図3に示す移動エレメントの斜視図である。
【図6D】図3に示す移動エレメントの斜視図である。
【図7】放出位置における移動エレメントの斜視図である。
【図8】投薬チャンバの前面の斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
1 ハウジング右
2 ハウジング左
3 アイピースアセンブリ
3a 外側リング
3b アイピースオリフィス
4 アクチュエータ
5 移動エレメント
5e オリフィス
5d カム表面
6 支持
7 投薬チャンバ
7d 投薬オリフィス
7e 放出オリフィス
7f 吸引エレメント
8 バルブ
9 バルブシール
10 ピストン
10a ピストンアセンブリ
11 プランジャ・シーリング
12 プランジャ
13 プランジャ・スプリング・ガイド
14 バルブ・スプリング・ガイド
15 駆動スプリング
16 バルブ・スプリング
16a バルブ・スプリング左
16b バルブ・スプリング右
17 アクチュエータ・スプリング、ボタン・スプリング
18 容器
19 バルブアセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体製品を投与するための装置であって、
a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)前記ハウジングまたは前記フレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する液体用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)前記第2のオリフィスを介して液体の放出を可能にするように構成された機構と、e)前記放出される液体を、前記供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備え、i)前記機構が、前記投薬チャンバの前記第1のオリフィスおよび前記供給ノズルの流れが連通する少なくとも第1の位置と、前記第2のオリフィスおよび前記貫通路の流れが連通する第2の位置との間で、前記ハウジングまたは前記フレームに対して移動可能な移動エレメントを備えており、ii)前記機構が、前記移動エレメントが前記第1の位置にあるとき、前記第1のオリフィスを介して液体を吸引し、また前記移動エレメントが前記第2の位置にあるとき、前記第2のオリフィスを介して液体の放出が可能なように構成されている装置。
【請求項2】
前記ハウジングが任意選択でアイピースを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つのアクチュエータが含まれており、前記機構を動作させるように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記移動エレメントが、実質的に、垂直方向に移動するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記投薬チャンバが、同心のバレル軸を定義する実質的に円筒のバレルを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のオリフィスが、吸引エレメントと接続するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記機構が、前記第1の位置における前記液体の吸引、前記第2の位置への前記移動エレメントの移動、および前記第2の位置における前記液体の放出を順に実施するようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記供給ノズルが前記容器の近位端に配設される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
液体製品を投与するための装置を動作させる方法であって、前記装置が、
a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)前記ハウジングまたは前記フレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する液体用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)前記第2のオリフィスを介して液体の放出を可能にするように構成された機構と、e)前記放出される液体を、前記供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備え、i)前記第1のオリフィスと前記ノズルを接続して流れが通ずるようにするステップと、ii)前記第1のオリフィスを介して前記投薬チャンバ中に液体を充填するステップと、iii)眼のターゲットに対して、前記投薬チャンバから前記第2のオリフィスを介して液体を放出するステップとを含む方法。
【請求項10】
液体製品を投与するための装置を動作させるためのキットであって、液体製品を投与するための装置、液体製品、および使用のための指示を備えており、前記装置が、
a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)前記ハウジングまたは前記フレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する液体用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)前記第2のオリフィスを介して液体の放出を可能にするように構成された機構と、e)前記放出される液体を、前記供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備えるキット。
【請求項11】
眼の状態を治療する方法であって、液体製品を投与するための装置を含み、前記装置が、
a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)前記ハウジングまたは前記フレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する液体用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)前記第2のオリフィスを介して液体の放出を可能にするように構成された機構と、e)前記放出される液体を、前記供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備え、前記液体製品が、薬学的に有効な量の点眼液を含む方法。
【請求項12】
眼の状態の治療のために、薬学的に有効な量の点眼液の使用法であって、前記点眼液は、患者に装置を介して提供され、前記装置が、a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)前記ハウジングまたは前記フレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する点眼液用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)前記第2のオリフィスを介して点眼液の放出を可能にするように構成された機構と、e)前記放出される点眼液を、前記供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備える使用法。
【請求項13】
眼の状態の治療に使用するためのキットであって、点眼液、前記点眼液を投与するための装置、および使用のための指示を備えており、前記装置が、a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)前記ハウジングまたは前記フレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する点眼液用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)前記第2のオリフィスを介して点眼液の放出を可能にするように構成された機構と、e)前記放出される点眼液を、前記供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備えるキット。
【請求項14】
薬学的に有効な量のラタノプロスト溶液および前記ラタノプロスト溶液を保持するための装置を含む眼用構成物であって、前記装置が、a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)前記ハウジングまたは前記フレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有するラタノプロスト溶液用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)前記第2のオリフィスを介してラタノプロスト溶液の放出を可能にするように構成された機構と、e)前記放出されるラタノプロスト溶液を、前記供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備える眼用構成物。
【請求項15】
点眼液を提供するための構成物の使用法であって、前記構成物が、薬学的に有効な量の点眼液、および前記点眼液を保持するための装置を備えており、前記装置が、a)開口部を有するハウジングまたはフレームと、b)前記ハウジングまたは前記フレームに対して実質的に静的に構成された供給ノズルを有する点眼液用容器と、c)少なくとも第1のオリフィスおよび第2のオリフィスを含む、バルブを有する投薬チャンバと、d)前記第2のオリフィスを介して点眼液の放出を可能にするように構成された機構と、e)前記放出される点眼液を、前記供給ノズルとは異なる方向で前記開口部の外に向けて通過させるように構成された貫通路とを備える使用法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−305347(P2006−305347A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115678(P2006−115678)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】