点鼻用内容物放出機構ならびに、この点鼻用内容物放出機構を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品
【課題】点鼻用内容物放出機構に関し、筒状出力部を鼻腔に入れる場合の挿入所定位置を利用者が無意識に設定可能にして、操作上の利便性を確保する。
【解決手段】内容物放出孔５ｇを備えた筒状部からなる出力部５ｄの外周面に、鼻腔９の中へ挿入されるときに当該鼻腔の入口周辺部と当接するかたちの環状段部５ｈを設けた。利用者が環状段部５ｈを鼻腔９の入口部分に当ててから操作部６ａをＡ方向に押圧すると回動操作部材６が回動して、その二股部分６ｂがキャップ部材２の環鍔状部２ｅをステム４に対して押し上げ、ハウジング２ｆの内容物がステム４の内容物放出通路域および内容物出力通路域５ｅを経て内容物放出孔５ｇから鼻腔９へ放出される。
【解決手段】内容物放出孔５ｇを備えた筒状部からなる出力部５ｄの外周面に、鼻腔９の中へ挿入されるときに当該鼻腔の入口周辺部と当接するかたちの環状段部５ｈを設けた。利用者が環状段部５ｈを鼻腔９の入口部分に当ててから操作部６ａをＡ方向に押圧すると回動操作部材６が回動して、その二股部分６ｂがキャップ部材２の環鍔状部２ｅをステム４に対して押し上げ、ハウジング２ｆの内容物がステム４の内容物放出通路域および内容物出力通路域５ｅを経て内容物放出孔５ｇから鼻腔９へ放出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、点鼻用内容物放出機構に関し、特に点鼻用内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合にその挿入位置を利用者が無意識に設定可能とした点鼻用内容物放出機構に関する。
【０００２】
また、このような点鼻用内容物放出機構を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品を対象としている。
【０００３】
なお、本明細書において容器本体，キャップ部材およびカバー筐体などの長手方向（図示上下方向）を「縦」といい、この「縦」と略直交する方向を「横」という。
【０００４】
また、内容物放出操作の対象である回動操作部材，スライド操作部材が操作されていない点鼻用内容物放出機構の初期状態を「静止状態」という。
【背景技術】
【０００５】
従来、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる点鼻用内容物放出機構が提案されている（特許文献１参照）。
【０００６】
この点鼻用内容物放出機構は、「管状部（本発明の筒状出力部に相当）」上端側の「噴射孔（本発明の内容物放出孔に相当）」のいわば開閉フタとして作用する「カバー部」を回動させることにより、内容物放出機構上端側の「噴射孔」から内容物が外部に噴射されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特表２００３−５０４２８０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
このように従来の点鼻用内容物放出機構においては、内容物放出用の管状部が鼻腔のどの部分まで入った状態で内容物が噴射開始されるかは利用者間にバラツキがあった。
【０００９】
そのため、利用者が内容物放出操作をする際、管状部の挿入位置が浅い場合には内容物が鼻腔奥に十分拡散されず、鼻腔外に漏れて周囲を汚すことがあり、また、逆に管状部の挿入位置が深い場合には噴射孔が鼻腔奥の粘膜に近づきすぎるために噴射された内容物がこの粘膜に集中して十分拡散されないという問題点があった。
【００１０】
本発明では、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合にその挿入位置を利用者が無意識に設定可能な出力部形状にして、鼻腔への内容物放出操作上の利便性確保を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
（１）内容物放出操作用の可動部材（例えば後述の回動操作部材６，２６，スライド操作部材８，２９）と、
前記可動部材が取り付けられて内容物放出操作時に利用者が保持可能なカバー筐体（例えば後述のカバー筐体５，７，２４，２７）と、
前記可動部材の内容物放出操作に基づいて容器本体（例えば後述の容器本体１,２１）との間で上下方向に相対移動する内容物通過用のステム（例えば後述のステム４，２３）と、
前記ステムが固定されて、当該ステムに続く内容物通路域（例えば後述の内容物出力通路域５ｅ，７ｆ，２５ｃ，２８ｃ）および当該内容物通路域と連通する内容物放出用の上端開口部分（例えば後述の内容物放出孔５ｇ，７ｈ，２５ｅ，２８ｅ）からなる筒状出力部（例えば後述の上側筒状部５ｄ，７ｅ，２５ａ，２８ａ）と、を備え、
前記筒状出力部は、
前記上端開口部分の方から内容物放出対象部位である鼻腔（例えば後述の鼻腔９）の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの挿入位置設定作用部（例えば後述の環状段部５ｈ，７ｊ，２５ｆ，２８ｆ）を、外周面に有している、
点鼻用内容物放出機構を用いる。
（２）上記（１）において、
前記挿入位置設定作用部は、
前記外周面に形成された環状段部（例えば後述の環状段部５ｈ，７ｊ，２５ｆ，２８ｆ）である、
ものを用いる。
（３）上記（１），（２）において、
前記筒状出力部（例えば後述の上側筒状部５ｄ，７ｅ）は、
前記カバー筐体（例えば後述のカバー筐体５，７）と一体化された筒状部分であって、
前記容器本体（例えば後述の容器本体１）は、
前記カバー筐体の内部に上下動可能なかたちで配設されて、
前記可動部材（例えば後述の回動操作部材６，スライド操作部材８）の内容物放出操作の際、
前記挿入位置設定作用部（例えば後述の環状段部５ｈ，７ｊ）が前記鼻腔の入口周辺部と当接した状態のままで、かつ、前記容器本体が、前記筒状出力部およびこれに固定された前記ステム（例えば後述のステム４）に対して上方へ移動する、
ものを用いる。
（４）上記（１），（２）において、
前記筒状出力部（例えば後述の上側筒状部２５ａ，２８ａ）は、
前記カバー筐体（例えば後述のカバー筐体２４，２７）と別体化された筒状部分であって、
前記容器本体（例えば後述の容器本体２１）は、
前記カバー筐体に固定されて、
前記可動部材（例えば後述の回動操作部材２６，スライド操作部材２９）の内容物放出操作の際、
前記容器本体は前記カバー筐体に対して移動せずに、かつ、前記筒状出力部およびこれに固定された前記ステム（例えば後述のステム２３）が前記容器本体に対して下方へ移動する、
ものを用いる。
【００１２】
このような構成からなる点鼻用内容物放出機構ならびに、当該点鼻用内容物放出機構を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品を本発明の対象としている。
【発明の効果】
【００１３】
本発明はこのように、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合にその挿入位置を利用者が無意識に設定可能であり、鼻腔への内容物放出時における操作上の利便性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】回動操作部材を用いた出力部固定タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【図２】図１の回動操作部材の斜視状態を示している。
【図３】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図１の回動操作部材をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図４】スライド操作部材を用いた出力部固定タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【図５】図４のスライド操作部材の斜視状態を示している。
【図６】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図４のスライド操作部材をＢ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図７】回動操作部材を用いた出力部上下動タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【図８】図７の回動操作部材の斜視状態を示している。
【図９】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図７の回動操作部材をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図１０】スライド操作部材を用いた出力部上下動タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【図１１】図１０の回動操作部材の斜視状態を示している。
【図１２】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図１０のスライド操作部材をＢ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
図１乃至図１２を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
【００１６】
なお、本発明の点鼻用内容物放出機構は上述のように、ポンプ式製品およびエアゾール式製品の双方を対象としているが、以下の実施形態においては単なる説明の便宜上、原則的にポンプ式製品を前提とする。
【００１７】
以下のアルファベット付き参照番号の構成要素（例えば開口側筒状部１ａ）は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素（例えば容器本体１）の一部であることを示している。
【００１８】
なお、図１〜図１２の内容を大別すると、
(11)図１〜図３は、回動操作対応のキャップ部材２，回動操作対応のカバー筐体５および回動操作部材６を用いる出力部固定タイプ（＝容器本体上下動タイプ）の場合を示し、
(12)図４〜図６は、スライド操作対応のキャップ部材３，スライド操作対応のカバー筐体７およびスライド操作部材８を用いる出力部固定タイプ（＝容器本体上下動タイプ）の場合を示し、
(13)図７〜図９は、回動操作対応のカバー筐体２４，回動操作対応のアクチュエータ２５および回動操作部材２６を用いる出力部上下動タイプ（＝容器本体固定タイプ）の場合を示し、
(14)図１０〜図１２は、スライド操作対応のカバー筐体２７，スライド操作対応のアクチュエータ２８およびスライド操作部材２９を用いる出力部上下動タイプ（＝容器本体固定タイプ）の場合を示している。
【００１９】
図１〜図６において、
１は放出対象の内容物が収容された容器本体，
１ａは外周面に螺子が形成されている開口側筒状部，
２は容器本体１の開口側筒状部１ａに螺子結合作用により取り付けられた回動操作用のキャップ部材（図１〜図３参照），
３は容器本体１の開口側筒状部１ａに螺子結合作用により取り付けられたスライド操作用のキャップ部材（図４〜図６参照），
２ａ，３ａは開口側筒状部１ａの回りに相当する下大径筒状部，
２ｂ，３ｂは下大径筒状部２ａ，３ａの上端側に上狭まり態様で形成された環状斜面，
２ｃ，３ｃは環状斜面２ｂ，３ｂの上端部分から内側に形成された環状上面，
２ｄ，３ｄは環状上面２ｃ，３ｃの内端側から上方に形成された上小径筒状部,
２ｅは上小径筒状部２ｄの上端開口部に形成された環鍔状部（被駆動部），
３ｅは静止状態のとき後述の傾斜カム面８ｃの下端部分と水平カム面８ｄとに略当接する位置態様で、上小径筒状部３ｄの外周面に形成され、傾斜カム面８ｃのカム従動部として作用する一対の外向き円柱状部（被駆動部），
２ｆ，３ｆは下大径筒状部２ａ，３ａの内側上端部分などに取り付けられて次回放出対象内容物の貯留空間域を設定する周知のハウジング，
４は少なくとも下側部分がハウジング２ｆ，３ｆの内部空間域に配設され、かつ上端部分が後述のカバー筐体５，７の凹状部５ｆ，７ｇにそれぞれ嵌合固定されて、内容物放出操作にともなう内容物放出通路域として作用する周知のステム，
また、図１〜図３において、
５はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材２を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させる回動操作用のカバー筐体，
５ａは容器本体１およびキャップ部材２などを収納する大径の下側筒状部，
５ｂは下側筒状部５ａの上周面部分に形成された上下方向で下端低位置の回動操作用開口部，
５ｃは回動操作用開口部５ｂの対向部分に形成された一対の軸受け凹状部，
５ｄは下側筒状部５ａに連続形成された小径の上側筒状部（出力部），
５ｅはステム４と連通する上下方向の内容物出力通路域，
５ｆは内容物出力通路域５ｅの入口部分であってステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部，
５ｇは内容物出力通路域５ｅの上端開口部分からなる内容物放出孔，
５ｈは上側筒状部５ｄの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である後述の鼻腔９の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図３参照），
６はカバー筐体５の回動操作用開口部５ｂに取り付けられて、Ａ方向への内容物放出操作が可能な回動操作部材，
６ａは回動操作部材６の平板状の操作部，
６ｂは操作部６ａから横方向（キャップ部材２の上小径筒状部２ｄの方）に延び、利用者の操作に応じるかたちで上小径筒状部２ｄの環鍔状部２ｅに当接して、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１を上方向に駆動する二股部分（駆動部），
６ｃは回動操作部材６の側面部分それぞれに形成されて、カバー筐体５の軸受け凹状部５ｃに係合して回動中心となる一対の凸状軸部，
６ｄは一対の凸状軸部６ｃの下方の回動操作部材側面部分それぞれに形成され、回動操作用開口部５ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に係合して、静止状態の回動操作部材６が外側に抜けるのを防止するための一対の縦凸状部，
をそれぞれ示している。
【００２０】
また、図４〜図６において、
７はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材３を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させるスライド操作用のカバー筐体，
７ａは容器本体１およびキャップ部材３などを収納する大径の下側筒状部，
７ｂは下側筒状部７ａの上周面部分に形成された上下方向で下端高位置のスライド操作用開口部，
７ｃはスライド操作用開口部７ｂの上端部分と連続して、後述のスライド操作部材８の上面側を案内保持する略水平の環状天部，
７ｄは下側筒状部７ａの上内周面の、平面視座におけるスライド操作用開口部７ｂからキャップ部材３の上小径筒状部３ｄの縦方向中心軸にいたる仮想平面を基準とした対称部分に形成されて、後述のスライド操作部材８の底面側を案内保持する一対でそれぞれ略水平の横板状部，
７ｅは下側筒状部７ａに連続形成された小径の上側筒状部（出力部），
７ｆはステム４と連通する上下方向の内容物出力通路域，
７ｇは内容物出力通路域７ｆの入口部分であってステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部，
７ｈは内容物出力通路域７ｆの上端開口部分からなる内容物放出孔，
７ｊは上側筒状部７ｅの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である後述の鼻腔９の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図６参照），
８はカバー筐体７のスライド操作用開口部７ｂや環状天部７ｃ，横板状部７ｄなどに案内されるかたちで配設されて、Ｂ方向への内容物放出操作が可能な略Ｕ字状のスライド操作部材，
８ａはスライド操作部材の操作部，
８ｂは操作部８ａから横方向（キャップ部材３の上小径筒状部３ｄの方）に延び、利用者の操作に応じるかたちで移動する一対でそれぞれ略垂直の縦板状部，
８ｃは縦板状部８ｂの対向内面それぞれの操作部８ａに近い側に形成されて、Ｂ方向へのスライド操作の際に外向き円柱状部３ｅが倣う内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部），
８ｄは傾斜カム面８ｃの下端部分から操作部８ａとは反対側に続く水平カム面，
８ｅは縦板状部８ｂの外面それぞれに形成され、スライド操作用開口部７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に係合して、静止状態のスライド操作部材８が外側に抜けるのを防止するための一対の縦凸状部，
をそれぞれ示している。
【００２１】
また、図３，図６，図９および図１２において、
９は内容物放出対象部位である鼻腔，
Ａは内容物放出時の回動操作方向，
Ｂは内容物放出時のスライド操作方向，
をそれぞれ示している。
【００２２】
また、図７〜図１２において、
２１は放出対象の内容物が収容された容器本体，
２１ａは外周面に螺子が形成されている開口側筒状部，
２１ｂは開口側筒状部２１ａの直下にされた環状凹部，
２２は容器本体２１の開口側筒状部２１ａに螺子結合作用により取り付けられたキャップ部材，
２２ａは開口側筒状部２１ａの回りに相当する下大径筒状部，
２２ｂは下大径筒状部２２ａの内側上端部分などに取り付けられて次回放出対象内容物の貯留空間域を設定する周知のハウジング，
２３は上端部分が後述のアクチュエータ２５，２８の下側筒状部２５ｄ，２８ｄにそれぞれ嵌合固定されて、内容物放出操作にともなう内容物放出通路域として作用する周知のステム，
をそれぞれ示している。
【００２３】
また、図７〜図９において、
２４は容器本体２１に嵌合固定された筒状の回動操作用のカバー筐体，
２４ａはカバー筐体２４の内周面下端部に形成され、環状凹部２１ｂと係合して当該カバー筐体を容器本体２１に嵌合固定する複数の内向き凸部，
２４ｂはカバー筐体２４の上周面部分に形成された上下方向で下端低位置の回動操作用開口部，
２４ｃは回動操作用開口部２４ｂの上端部分と連続した環状天部，
２４ｄはカバー筐体２４の内周面と環状天部にまたがるかたちのリブに設けられたΩ字状の軸受け切欠部，
２５は回動操作用のアクチュエータ，
２５ａは上側筒状部（出力部），
２５ｂは上側筒状部２５ａの下端外周部に形成された環鍔状部（被駆動部），
２５ｃはステム２３と連通する上下方向の内容物出力通路域，
２５ｄは内容物出力通路域２５ｃの入口部分であってステム２３の上端部分を嵌合状態で固定する下側筒状部，
２５ｅは内容物出力通路域２５ｃの上端開口部分からなる内容物放出孔，
２５ｆは上側筒状部２５ａの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である鼻腔９の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図９参照），
２６はカバー筐体２４の回動操作用開口部２４ｂに設けられて、Ａ方向（図９参照）への内容物放出操作が可能な回動操作部材，
２６ａは回動操作部材２６の略平板状の操作部，
２６ｂは操作部２６ａの上部に上側筒状部２５ａを周回するかたちで形成された環状部分，
２６ｃは環状部分２６ｂの一部であって、カバー筐体２４の軸受け切欠部２４ｄに係合して回動中心となる軸部，
２６ｄは環状部分２６ｂの下端面側で操作部２６ａの幅方向両端に近い部分に設けられて、利用者の操作に応じるかたちで環鍔状部２５ｂに当接してアクチュエータ２５およびこれと一体のステム２３を下方向に駆動する一対の凸状部（駆動部），
をそれぞれ示している。
【００２４】
また、図１０〜図１２において、
２７は容器本体２１に嵌合固定された筒状のスライド操作用のカバー筐体，
２７ａはカバー筐体２７の内周面下端部に形成され、環状凹部２１ｂと係合して当該カバー筐体を容器本体２１に嵌合固定する複数の内向き凸部，
２７ｂはカバー筐体２７の上周面部分に形成された上下方向で下端高位置のスライド操作用開口部，
２７ｃは回動操作用開口部２７ｂの上端部分と連続して、後述のスライド操作部材２９の上面側を案内保持する略水平の環状天部，
２８はスライド操作用のアクチュエータ，
２８ａは上側筒状部（出力部），
２８ｂは静止状態のとき後述の傾斜カム面２９ｃの上端部分とこれに続く水平カム面２９ｄとに略当接する位置態様で、上側筒状部２８ａの下端外周部に形成され、これらのカム面のカム従動部として作用する一対の外向き凸状部（被駆動部）
２８ｃはステム２３と連通する上下方向の内容物出力通路域，
２８ｄは内容物出力通路域２８ｃの入口部分であってステム２３の上端部分を嵌合状態で固定する下側筒状部，
２８ｅは内容物出力通路域２８ｃの上端開口部分からなる内容物放出孔，
２８ｆは上側筒状部２８ａの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である鼻腔９の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図１２参照），
２９はカバー筐体２７のスライド操作用開口部２７ｂや環状天部２７ｃなどに案内されるかたちで配設されて、Ｂ方向への内容物放出操作が可能な略Ｕ字状のスライド操作部材，
２９ａはスライド操作部材２９の操作部，
２９ｂは操作部２９ａから横方向（アクチュエータ２８の上側筒状部２８ａの方）に延び、利用者の操作に応じるかたちでＢ方向に移動する一対でそれぞれ略垂直の縦板状部，
２９ｃは縦板状部２９ｂの下面それぞれに形成されて、Ｂ方向へのスライド操作の際に外向き凸状部２８ｂが倣う内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部），
２９ｄは傾斜カム面２９ｃの上端部分から続き、操作部１２ａとは反対側の縦板状部２９ｂの先端まで至る水平カム面，
２９ｅは縦板状部２９ｂの下端面それぞれの操作部２９ａに近い側に形成され、スライド操作用開口部２７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して、静止状態のスライド操作部材２９が外側に抜けるのを防止するための一対の凸状部，
をそれぞれ示している。
【００２５】
ここで、容器本体１，２１，キャップ部材２，３，２２，回動操作用のカバー筐体５，２４，回動操作部材６，２６，スライド操作用のカバー筐体７，２７，スライド操作部材８，２９，回動操作用のアクチュエータ２５およびスライド操作用のアクチュエータ２８は例えばポリプロピレン，ポリエチレン，ポリアセタール，ナイロン，ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。また、ステム４，２３は例えばプラスチック製または金属製のものである。
【００２６】
本発明の基本的特徴は、回動操作用のカバー筐体５，スライド操作用のカバー筐体７，回動操作用のアクチュエータ２５およびスライド操作用のアクチュエータ２８それぞれの上側筒状部５ｄ，７ｅ，２５ａ，２８ａの外周面に、内容物放出対象部位の鼻腔９への挿入位置を規定する環状段部５ｈ，７ｊ，２５ｆ，２８ｆを形成したことである（図３，図６，図９，図１２参照）。
【００２７】
図１および図４はそれぞれ「回動操作，出力部固定」および「スライド操作，出力部固定」の各タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【００２８】
このとき、
(21)ステム４は、その上端部分がカバー筐体５，７の凹状部５ｆ，７ｇに嵌合保持され、
(22)図１の回動操作部材６は、その一対の縦凸状部６ｄがそれぞれ回動操作用開口部５ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その二股部分６ｂの先端上部がそれぞれキャップ部材２の環鍔状部２ｅと当接して当該キャップ部材を保持し、
(23)図４のスライド操作部材８は、その一対の縦凸状部８ｇがそれぞれスライド操作用開口部７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その傾斜カム面８ｃ（の下端部分）および水平カム面８ｄにキャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｅが当接して当該キャップ部材を保持し、
(24)ステム４の下端部に設定された周知の吐出弁（図示省略）が閉塞して、当該ステムの内容物放出通路域はハウジング２ｆ，３ｆの内容物貯留空間域と連通しない状態に設定されている。
【００２９】
図３は、利用者がカバー筐体５の環状段部５ｈを鼻腔９の入口部分に当ててから図１の回動操作部材６をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００３０】
すなわち、回動操作部材６のＡ方向への回動操作によりその二股部分６ｂの先端上部がキャップ部材２の環鍔状部２ｅに当接してこれを持ち上げる。
【００３１】
このキャップ部材２の持上げ作動にともない、これと一体の容器本体１およびハウジング２ｆが、ハウジング内部でステム４との間に設けられた周知のコイルスプリング（図示省略）の弾性力に抗して上動する。その結果、ハウジング２ｆにおける次回放出対象内容物の貯留空間域、すなわち当該ステム下端側の吐出弁（図示省略）と、ハウジング内部下側に設定された周知の吸込弁（図示省略）との間の空間域容積が減少してそこの貯留内容物の圧力が上昇する。
【００３２】
そして、この圧力上昇により吐出弁がそれまでの「閉」から「開」へと移行する。このときの吸込弁は「閉」のままである。
【００３３】
この吐出弁「開」への移行により、ハウジング内部の貯留空間域の内容物が当該吐出弁からステム４の内容物放出通路域およびカバー筐体５の内容物出力通路域５ｅを経て内容物放出孔５ｇから鼻腔９へ放出される。
【００３４】
利用者がＡ方向への回動操作を解除すると、カバー筐体５に係合固定されたステム４に対し、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１がコイルスプリング（図示省略）の弾性力や当該容器本体，当該キャップ部材の自重などに基づいて下動する。
【００３５】
そして、キャップ部材２などは、その環鍔状部２ｅの回動操作部材６の二股部分６ｂに対する押下げ作用により当該回動操作部材の一対の縦凸状部６ｄが上述のようにカバー筐体５の内面部分に係合した状態に保持される。
【００３６】
すなわち、吐出弁（図示省略）および吸込弁（図示省略）がともに「閉」状態の、図１の静止状態へと復帰する。
【００３７】
図６は、利用者がカバー筐体７の環状段部７ｊを鼻腔９の入口部分に当ててからスライド操作部材８をＢ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００３８】
すなわち、スライド操作部材８のＢ方向へのスライド操作により、キャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｅがそれぞれ傾斜カム面８ｃに倣って上方向へ駆動される。
【００３９】
この円柱状部３ｅの上動、すなわちキャップ部材３およびこれと一体の容器本体１のステム４に対する上動にともない、図３の場合と同様の弁作動が生じて、ハウジング３ｆ内部の貯留空間域の内容物がステム４の内容物放出通路域およびカバー筐体７の内容物出力通路域７ｆを経て内容物放出孔７ｈから鼻腔９へ放出される。
【００４０】
このときも、カバー筐体７の上側筒状部７ｅの鼻腔９への挿入位置は当該上側筒状部の環状段部７ｊで設定されている。
【００４１】
次に利用者がＢ方向へのスライド操作を解除すると、カバー筐体７に係合固定されたステム４に対し、キャップ部材３およびこれと一体の容器本体１が当該キャップ部材のハウジング内部に設けられたコイルスプリング（図示省略）の弾性力や当該容器本体，当該キャップ部材の自重などに基づいて下動する。
【００４２】
そして、キャップ部材３などはその円柱状部３ｅのカム作用により、当該円柱状部がスライド操作部材８の傾斜カム面８ｃ（の下端部分）および水平カム面８ｄに当接して、当該スライド操作部材の一対の縦凸状部８ｇが上述のようにカバー筐体７の内面部分に係合した状態に保持される。すなわち図４の静止状態へと復帰する。
【００４３】
図７および図１０はそれぞれ「回動操作，出力部上下動」および「スライド操作，出力部上下動」の各タイプの内容物放出機構における静止状態を示している。
【００４４】
このとき、
(31)ステム２３は、その上端部分がアクチュエータ２５，２８の下側筒状部２５ｄ，２８ｄに嵌合し、
(32)図７の回動操作部材２６は、その操作部２６ａの上端がカバー筐体２４の回動操作用開口部２４ｂの上端および環状天部２４ｃに当接し、かつ、一対の凸状部２６ｄがアクチュエータ２５の鍔状部２５ｂと当接し、
(33)図１０のスライド操作部材２９は、その一対の凸状部２９ｅがそれぞれスライド操作用開口部２７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その傾斜カム面２９ｃ（の上端部分）および水平カム面２９ｄにアクチュエータ２８の一対の外向き凸状部２８ｂが当接して当該アクチュエータを保持し、
(34)ステム２３の下端部に設定された周知の吐出弁（図示省略）が閉塞して、当該ステムの内容物放出通路域は、ハウジング２２ｂの内容物貯留空間域と連通しない状態に設定されている。
【００４５】
図９は、利用者がアクチュエータ２５の環状段部２５ｆを鼻腔９の入口部分に当ててから回動操作部材２６をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００４６】
すなわち、回動操作部材２６のＡ方向への回動操作によりその一対の凸状部２６ｄがアクチュエータ２５の鍔状部２５ｂに当接してこれを押し下げる。
【００４７】
この鍔状部２５ｂの押下げによって、ステム２３がキャップ部材２２のハウジング２２ｂの内部に設けられたコイルスプリング（図示省略）の弾性力に抗して押し下げられ、図３の場合と同様に、当該ハウジング内部の貯留空間域の内容物が当該ステムの内容物放出通路域およびアクチュエータ２５の内容物出力通路域２５ｃを経て内容物放出孔２５ｅから鼻腔９へ放出される。
【００４８】
したがって、アクチュエータ２５の環状段部２５ｆが鼻腔９の入口部分から離間しながら内容物は鼻腔９へ放出される。
【００４９】
次に利用者がＡ方向への回動操作を解除すると、アクチュエータ２５に係合固定されたステム２３がコイルスプリング（図示省略）の弾性力で上動し、鍔状部２５ｂと一対の凸状部２６ｄとの押圧作用により回動操作部材２６が上方向に駆動されて図７の静止状態へと復帰する。
【００５０】
図１２は、利用者がアクチュエータ２８の環状段部２８ｆを鼻腔９の入口部分に当ててからスライド操作部材２９をＢ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００５１】
すなわち、スライド操作部材２８のＢ方向へのスライド操作により、アクチュエータ２８の一対の外向き凸状部２８ｂがそれぞれ傾斜カム面２９ｃに倣って下方向へ駆動される。
【００５２】
この外向き凸状部２８ｂの下方向へ駆動によって、ステム２３がキャップ部材２２のハウジング２２ｂの内部に設けられたコイルスプリング（図示省略）の弾性力に抗して押し下げられ、図３の場合と同様に、当該ハウジング内部の貯留空間域の内容物が当該ステムの内容物放出通路域およびアクチュエータ２８の内容物出力通路域２８ｃを経て内容物放出孔２８ｅから鼻腔９へ放出される。
【００５３】
したがって、アクチュエータ２８の環状段部２８ｆが鼻腔９の入口部分から離間しながら内容物は鼻腔９へ放出される。
【００５４】
次に利用者がＢ方向へのスライド操作を解除すると、アクチュエータ２８に係合固定されたステム２３がコイルスプリング（図示省略）の弾性力で上動し、外向き凸状部２８ｂと傾斜カム面２９ｃとのカム作用によりアクチュエータ２８が逆Ｂ方向に駆動されて図１０の静止状態へと復帰する。
【００５５】
以上の内容物放出状態（図３，図６，図９，図１２）から静止状態（図１，図４，図７，図１０）への復帰プロセスの際には、ハウジング２ｆ，３ｆ，２２ｂの内部の貯留空間域容積が増加してそこでの内容物圧力が低下し、これにともない当該ハウジング内部下側に設定された吸込弁がそれまでの「閉」から「開」へと変化して容器本体１，２１の内容物が当該ハウジングの貯留空間域に流入する。この流入内容物が次回の放出対象となる。また、内容物の流入による貯留空間域圧力の増加に応じて吸込弁は閉じる。
【００５６】
なお、このような回動操作部材６，２６のＡ方向への回動操作およびその回動操作解除ならびにスライド操作部材８，２９のＢ方向へのスライド操作およびそのスライド操作解除のそれぞれにともなう吐出弁および吸込弁の作動自体は周知である。
【００５７】
エアゾール式製品の場合には、上述の「容器本体１＋キャップ部材２，３＋ステム４」または「容器本体２１＋キャップ部材２２＋ステム２３」の代わりに「吐出弁を開閉するステムを備え、噴射用ガスおよび内容物を収容した周知のエアゾール式容器」を用い、「環鍔状部２ｅ，外向き円柱状部３ｅを備えたキャップ相当部材」または「カバー筐体２４，２７」は当該エアゾール式容器の「マウンテンキャップ」や「容器本体」などに取り付ければよい。
【００５８】
本発明の点鼻用内容物放出機構が図示の実施形態に限定されるものでないことは勿論であり、例えば、
(41)図１〜図３の軸受け凹状部５ｃと凸状軸部６ｃとの凹凸関係を逆にする、
(42)図１〜図６の縦凸状部６ｄ，８ｅに代わる凹状部を回動操作部材６，スライド操作部材８に形成し、かつ、当該凹状部に対応した係合用凸状部をカバー筐体５，７に形成する、
(43)図４〜図６の、傾斜カム面８ｃに代わる内容物放出作動用のカム作動部を、スライド操作部材８の縦板状部８ｂの内面に例えば円柱状態様で形成し、かつ、当該カム作動部に対応した従動傾斜カム面を、キャップ部材３の外周面にそれぞれ形成する、
(44)図７〜図９の軸受け切欠部２４ｄと軸部２６ｃとの関係を逆にする、
(45)図１０〜図１２の、傾斜カム面２９ｃに代わる内容物放出作動用のカム作動部を、スライド操作部材２９の縦板状部２９ｂの内面に例えば円柱状態様で形成し、かつ、当該カム作動部に対応した従動傾斜カム面を、アクチュエータ２８の外周面にそれぞれ形成する、
ようにしてもよい。
【００５９】
本発明が適用されるポンプ式製品およびエアゾール式製品としては、洗浄剤，消炎剤，医薬品，医薬部外品などの各種用途のものがある。
【００６０】
容器本体に収納する内容物は、液状，クリーム状，ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物，油成分，アルコール類，界面活性剤，高分子化合物，各用途に応じた有効成分，水などが挙げられる。
【００６１】
粉状物としては、金属塩類粉末，無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク，カオリン，アルミニウムヒドロキシクロライド（アルミ塩），アルギン酸カルシウム，炭酸塩，硫酸バリウム，セルロース，これらの混合物などを用いる。
【００６２】
油成分としては、シリコーン油，パーム油，ユーカリ油，ツバキ油，オリーブ油，ホホバ油，パラフィン油，ミリスチン酸，パルミチン酸，ステアリン酸，リノール酸，リノレン酸などを用いる。
【００６３】
アルコール類としては、エタノールなどの１価の低級アルコール，ラウリルアルコールなどの１価の高級アルコール，エチレングリコール，グリセリン，1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【００６４】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【００６５】
高分子化合物としては、メチルセルロース，ゼラチン，デンプン，カゼイン，ヒドロキシエチルセルロース，キサンタンガム，カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【００６６】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル，インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム，クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド，ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル，メントールなどの清涼剤、エフェドリン，アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース，アスパルテームなどの甘味料などを用いる。
【００６７】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤，紫外線吸収剤，乳化剤，保湿剤，酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【００６８】
エアゾール式製品における噴射用ガスとしては、炭酸ガス，亜酸化窒素ガス，窒素ガス，圧縮空気，酸素ガス，希ガス，これらの混合ガスなどの可溶性圧縮ガス，圧縮ガスや、液化石油ガス，ジメチルエーテル，フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【符号の説明】
【００６９】
（図１〜図６）
１：容器本体
１ａ：開口側筒状部
２：回動操作用のキャップ部材（図１，図３参照）
３：スライド操作用のキャップ部材（図４，図６参照）
２ａ，３ａ：下大径筒状部
２ｂ，３ｂ：環状斜面
２ｃ：環状上面（被駆動部）
３ｃ：環状上面
２ｄ，３ｄ：上小径筒状部
２ｅ：環鍔状部（被駆動部）
３ｅ：一対の外向き円柱状部（被駆動部）
２ｆ，３ｆ：ハウジング
４：ステム
【００７０】
（図１〜図３）
５：回動操作用のカバー筐体
５ａ：大径の下側筒状部
５ｂ：回動操作用開口部
５ｃ：一対の軸受け凹状部
５ｄ：小径の上側筒状部（出力部）
５ｅ：上下方向の内容物出力通路域
５ｆ：ステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部
５ｇ：内容物放出孔
５ｈ：上側筒状部５ｄの挿入位置設定用の環状段部
６：回動操作部材
６ａ：操作部
６ｂ：二股部分（駆動部）
６ｃ：一対の凸状軸部
６ｄ：一対の縦凸状部
【００７１】
（図４〜図６）
７：スライド操作用のカバー筐体
７ａ：大径の下側筒状部
７ｂ：スライド操作用開口部
７ｃ：略水平の環状天部
７ｄ：略水平の横板状部
７ｅ：小径の上側筒状部（出力部）
７ｆ：上下方向の内容物出力通路域
７ｇ：凹状部
７ｈ：内容物放出孔
７ｊ：上側筒状部７ｅの挿入位置設定用の環状段部
８：略Ｕ字状のスライド操作部材
８ａ：操作部
８ｂ：略垂直の縦板状部
８ｃ：内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部）
８ｄ：水平カム面
８ｅ：一対の縦凸状部
【００７２】
９：内容物放出対象部位である鼻腔（図３，図６，図９，図１２参照）
Ａ：内容物放出時の回動操作方向（図３，図９参照）
Ｂ：内容物放出時のスライド操作方向（図６，図１２参照）
【００７３】
（図７〜図１２）
２１：容器本体
２１ａ：開口側筒状部
２１ｂ：環状凹部
２２：キャップ部材
２２ａ：下大径筒状部
２２ｂ：ハウジング
２３：ステム
【００７４】
（図７〜図９）
２４：回動操作用のカバー筐体
２４ａ：内向き凸部
２４ｂ：回動操作用開口部
２４ｃ：環状天部
２４ｄ：Ω字状の軸受け切欠部
２５：回動操作用のアクチュエータ
２５ａ：上側筒状部（出力部）
２５ｂ：鍔状部（被駆動部）
２５ｃ：上下方向の内容物出力通路域
２５ｄ：下側筒状部
２５ｅ：内容物放出孔
２５ｆ：上側筒状部２５ａの挿入位置設定用の環状段部
２６：回動操作部材
２６ａ：操作部
２６ｂ：環状部分
２６ｃ：軸部
２６ｄ：凸状部（駆動部）
【００７５】
（図１０〜図１２）
２７：スライド操作用のカバー筐体
２７ａ：内向き凸部
２７ｂ：スライド操作用開口部
２７ｃ：環状天部
２８：スライド用のアクチュエータ
２８ａ：上側筒状部（出力部）
２８ｂ：一対の外向き凸状部（被駆動部）
２８ｃ：上下方向の内容物出力通路域
２８ｄ：下側筒状部
２８ｅ：内容物放出孔
２８ｆ：上側筒状部２８ａの挿入位置設定用の環状段部
２９：略Ｕ字状のスライド操作部材
２９ａ：操作部
２９ｂ：略垂直の縦板状部
２９ｃ：内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部）
２９ｄ：水平カム面
２９ｅ：一対の凸状部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、点鼻用内容物放出機構に関し、特に点鼻用内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合にその挿入位置を利用者が無意識に設定可能とした点鼻用内容物放出機構に関する。
【０００２】
また、このような点鼻用内容物放出機構を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品を対象としている。
【０００３】
なお、本明細書において容器本体，キャップ部材およびカバー筐体などの長手方向（図示上下方向）を「縦」といい、この「縦」と略直交する方向を「横」という。
【０００４】
また、内容物放出操作の対象である回動操作部材，スライド操作部材が操作されていない点鼻用内容物放出機構の初期状態を「静止状態」という。
【背景技術】
【０００５】
従来、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる点鼻用内容物放出機構が提案されている（特許文献１参照）。
【０００６】
この点鼻用内容物放出機構は、「管状部（本発明の筒状出力部に相当）」上端側の「噴射孔（本発明の内容物放出孔に相当）」のいわば開閉フタとして作用する「カバー部」を回動させることにより、内容物放出機構上端側の「噴射孔」から内容物が外部に噴射されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特表２００３−５０４２８０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
このように従来の点鼻用内容物放出機構においては、内容物放出用の管状部が鼻腔のどの部分まで入った状態で内容物が噴射開始されるかは利用者間にバラツキがあった。
【０００９】
そのため、利用者が内容物放出操作をする際、管状部の挿入位置が浅い場合には内容物が鼻腔奥に十分拡散されず、鼻腔外に漏れて周囲を汚すことがあり、また、逆に管状部の挿入位置が深い場合には噴射孔が鼻腔奥の粘膜に近づきすぎるために噴射された内容物がこの粘膜に集中して十分拡散されないという問題点があった。
【００１０】
本発明では、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合にその挿入位置を利用者が無意識に設定可能な出力部形状にして、鼻腔への内容物放出操作上の利便性確保を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
（１）内容物放出操作用の可動部材（例えば後述の回動操作部材６，２６，スライド操作部材８，２９）と、
前記可動部材が取り付けられて内容物放出操作時に利用者が保持可能なカバー筐体（例えば後述のカバー筐体５，７，２４，２７）と、
前記可動部材の内容物放出操作に基づいて容器本体（例えば後述の容器本体１,２１）との間で上下方向に相対移動する内容物通過用のステム（例えば後述のステム４，２３）と、
前記ステムが固定されて、当該ステムに続く内容物通路域（例えば後述の内容物出力通路域５ｅ，７ｆ，２５ｃ，２８ｃ）および当該内容物通路域と連通する内容物放出用の上端開口部分（例えば後述の内容物放出孔５ｇ，７ｈ，２５ｅ，２８ｅ）からなる筒状出力部（例えば後述の上側筒状部５ｄ，７ｅ，２５ａ，２８ａ）と、を備え、
前記筒状出力部は、
前記上端開口部分の方から内容物放出対象部位である鼻腔（例えば後述の鼻腔９）の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの挿入位置設定作用部（例えば後述の環状段部５ｈ，７ｊ，２５ｆ，２８ｆ）を、外周面に有している、
点鼻用内容物放出機構を用いる。
（２）上記（１）において、
前記挿入位置設定作用部は、
前記外周面に形成された環状段部（例えば後述の環状段部５ｈ，７ｊ，２５ｆ，２８ｆ）である、
ものを用いる。
（３）上記（１），（２）において、
前記筒状出力部（例えば後述の上側筒状部５ｄ，７ｅ）は、
前記カバー筐体（例えば後述のカバー筐体５，７）と一体化された筒状部分であって、
前記容器本体（例えば後述の容器本体１）は、
前記カバー筐体の内部に上下動可能なかたちで配設されて、
前記可動部材（例えば後述の回動操作部材６，スライド操作部材８）の内容物放出操作の際、
前記挿入位置設定作用部（例えば後述の環状段部５ｈ，７ｊ）が前記鼻腔の入口周辺部と当接した状態のままで、かつ、前記容器本体が、前記筒状出力部およびこれに固定された前記ステム（例えば後述のステム４）に対して上方へ移動する、
ものを用いる。
（４）上記（１），（２）において、
前記筒状出力部（例えば後述の上側筒状部２５ａ，２８ａ）は、
前記カバー筐体（例えば後述のカバー筐体２４，２７）と別体化された筒状部分であって、
前記容器本体（例えば後述の容器本体２１）は、
前記カバー筐体に固定されて、
前記可動部材（例えば後述の回動操作部材２６，スライド操作部材２９）の内容物放出操作の際、
前記容器本体は前記カバー筐体に対して移動せずに、かつ、前記筒状出力部およびこれに固定された前記ステム（例えば後述のステム２３）が前記容器本体に対して下方へ移動する、
ものを用いる。
【００１２】
このような構成からなる点鼻用内容物放出機構ならびに、当該点鼻用内容物放出機構を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品を本発明の対象としている。
【発明の効果】
【００１３】
本発明はこのように、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合にその挿入位置を利用者が無意識に設定可能であり、鼻腔への内容物放出時における操作上の利便性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】回動操作部材を用いた出力部固定タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【図２】図１の回動操作部材の斜視状態を示している。
【図３】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図１の回動操作部材をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図４】スライド操作部材を用いた出力部固定タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【図５】図４のスライド操作部材の斜視状態を示している。
【図６】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図４のスライド操作部材をＢ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図７】回動操作部材を用いた出力部上下動タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【図８】図７の回動操作部材の斜視状態を示している。
【図９】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図７の回動操作部材をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図１０】スライド操作部材を用いた出力部上下動タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【図１１】図１０の回動操作部材の斜視状態を示している。
【図１２】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図１０のスライド操作部材をＢ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
図１乃至図１２を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
【００１６】
なお、本発明の点鼻用内容物放出機構は上述のように、ポンプ式製品およびエアゾール式製品の双方を対象としているが、以下の実施形態においては単なる説明の便宜上、原則的にポンプ式製品を前提とする。
【００１７】
以下のアルファベット付き参照番号の構成要素（例えば開口側筒状部１ａ）は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素（例えば容器本体１）の一部であることを示している。
【００１８】
なお、図１〜図１２の内容を大別すると、
(11)図１〜図３は、回動操作対応のキャップ部材２，回動操作対応のカバー筐体５および回動操作部材６を用いる出力部固定タイプ（＝容器本体上下動タイプ）の場合を示し、
(12)図４〜図６は、スライド操作対応のキャップ部材３，スライド操作対応のカバー筐体７およびスライド操作部材８を用いる出力部固定タイプ（＝容器本体上下動タイプ）の場合を示し、
(13)図７〜図９は、回動操作対応のカバー筐体２４，回動操作対応のアクチュエータ２５および回動操作部材２６を用いる出力部上下動タイプ（＝容器本体固定タイプ）の場合を示し、
(14)図１０〜図１２は、スライド操作対応のカバー筐体２７，スライド操作対応のアクチュエータ２８およびスライド操作部材２９を用いる出力部上下動タイプ（＝容器本体固定タイプ）の場合を示している。
【００１９】
図１〜図６において、
１は放出対象の内容物が収容された容器本体，
１ａは外周面に螺子が形成されている開口側筒状部，
２は容器本体１の開口側筒状部１ａに螺子結合作用により取り付けられた回動操作用のキャップ部材（図１〜図３参照），
３は容器本体１の開口側筒状部１ａに螺子結合作用により取り付けられたスライド操作用のキャップ部材（図４〜図６参照），
２ａ，３ａは開口側筒状部１ａの回りに相当する下大径筒状部，
２ｂ，３ｂは下大径筒状部２ａ，３ａの上端側に上狭まり態様で形成された環状斜面，
２ｃ，３ｃは環状斜面２ｂ，３ｂの上端部分から内側に形成された環状上面，
２ｄ，３ｄは環状上面２ｃ，３ｃの内端側から上方に形成された上小径筒状部,
２ｅは上小径筒状部２ｄの上端開口部に形成された環鍔状部（被駆動部），
３ｅは静止状態のとき後述の傾斜カム面８ｃの下端部分と水平カム面８ｄとに略当接する位置態様で、上小径筒状部３ｄの外周面に形成され、傾斜カム面８ｃのカム従動部として作用する一対の外向き円柱状部（被駆動部），
２ｆ，３ｆは下大径筒状部２ａ，３ａの内側上端部分などに取り付けられて次回放出対象内容物の貯留空間域を設定する周知のハウジング，
４は少なくとも下側部分がハウジング２ｆ，３ｆの内部空間域に配設され、かつ上端部分が後述のカバー筐体５，７の凹状部５ｆ，７ｇにそれぞれ嵌合固定されて、内容物放出操作にともなう内容物放出通路域として作用する周知のステム，
また、図１〜図３において、
５はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材２を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させる回動操作用のカバー筐体，
５ａは容器本体１およびキャップ部材２などを収納する大径の下側筒状部，
５ｂは下側筒状部５ａの上周面部分に形成された上下方向で下端低位置の回動操作用開口部，
５ｃは回動操作用開口部５ｂの対向部分に形成された一対の軸受け凹状部，
５ｄは下側筒状部５ａに連続形成された小径の上側筒状部（出力部），
５ｅはステム４と連通する上下方向の内容物出力通路域，
５ｆは内容物出力通路域５ｅの入口部分であってステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部，
５ｇは内容物出力通路域５ｅの上端開口部分からなる内容物放出孔，
５ｈは上側筒状部５ｄの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である後述の鼻腔９の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図３参照），
６はカバー筐体５の回動操作用開口部５ｂに取り付けられて、Ａ方向への内容物放出操作が可能な回動操作部材，
６ａは回動操作部材６の平板状の操作部，
６ｂは操作部６ａから横方向（キャップ部材２の上小径筒状部２ｄの方）に延び、利用者の操作に応じるかたちで上小径筒状部２ｄの環鍔状部２ｅに当接して、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１を上方向に駆動する二股部分（駆動部），
６ｃは回動操作部材６の側面部分それぞれに形成されて、カバー筐体５の軸受け凹状部５ｃに係合して回動中心となる一対の凸状軸部，
６ｄは一対の凸状軸部６ｃの下方の回動操作部材側面部分それぞれに形成され、回動操作用開口部５ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に係合して、静止状態の回動操作部材６が外側に抜けるのを防止するための一対の縦凸状部，
をそれぞれ示している。
【００２０】
また、図４〜図６において、
７はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材３を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させるスライド操作用のカバー筐体，
７ａは容器本体１およびキャップ部材３などを収納する大径の下側筒状部，
７ｂは下側筒状部７ａの上周面部分に形成された上下方向で下端高位置のスライド操作用開口部，
７ｃはスライド操作用開口部７ｂの上端部分と連続して、後述のスライド操作部材８の上面側を案内保持する略水平の環状天部，
７ｄは下側筒状部７ａの上内周面の、平面視座におけるスライド操作用開口部７ｂからキャップ部材３の上小径筒状部３ｄの縦方向中心軸にいたる仮想平面を基準とした対称部分に形成されて、後述のスライド操作部材８の底面側を案内保持する一対でそれぞれ略水平の横板状部，
７ｅは下側筒状部７ａに連続形成された小径の上側筒状部（出力部），
７ｆはステム４と連通する上下方向の内容物出力通路域，
７ｇは内容物出力通路域７ｆの入口部分であってステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部，
７ｈは内容物出力通路域７ｆの上端開口部分からなる内容物放出孔，
７ｊは上側筒状部７ｅの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である後述の鼻腔９の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図６参照），
８はカバー筐体７のスライド操作用開口部７ｂや環状天部７ｃ，横板状部７ｄなどに案内されるかたちで配設されて、Ｂ方向への内容物放出操作が可能な略Ｕ字状のスライド操作部材，
８ａはスライド操作部材の操作部，
８ｂは操作部８ａから横方向（キャップ部材３の上小径筒状部３ｄの方）に延び、利用者の操作に応じるかたちで移動する一対でそれぞれ略垂直の縦板状部，
８ｃは縦板状部８ｂの対向内面それぞれの操作部８ａに近い側に形成されて、Ｂ方向へのスライド操作の際に外向き円柱状部３ｅが倣う内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部），
８ｄは傾斜カム面８ｃの下端部分から操作部８ａとは反対側に続く水平カム面，
８ｅは縦板状部８ｂの外面それぞれに形成され、スライド操作用開口部７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に係合して、静止状態のスライド操作部材８が外側に抜けるのを防止するための一対の縦凸状部，
をそれぞれ示している。
【００２１】
また、図３，図６，図９および図１２において、
９は内容物放出対象部位である鼻腔，
Ａは内容物放出時の回動操作方向，
Ｂは内容物放出時のスライド操作方向，
をそれぞれ示している。
【００２２】
また、図７〜図１２において、
２１は放出対象の内容物が収容された容器本体，
２１ａは外周面に螺子が形成されている開口側筒状部，
２１ｂは開口側筒状部２１ａの直下にされた環状凹部，
２２は容器本体２１の開口側筒状部２１ａに螺子結合作用により取り付けられたキャップ部材，
２２ａは開口側筒状部２１ａの回りに相当する下大径筒状部，
２２ｂは下大径筒状部２２ａの内側上端部分などに取り付けられて次回放出対象内容物の貯留空間域を設定する周知のハウジング，
２３は上端部分が後述のアクチュエータ２５，２８の下側筒状部２５ｄ，２８ｄにそれぞれ嵌合固定されて、内容物放出操作にともなう内容物放出通路域として作用する周知のステム，
をそれぞれ示している。
【００２３】
また、図７〜図９において、
２４は容器本体２１に嵌合固定された筒状の回動操作用のカバー筐体，
２４ａはカバー筐体２４の内周面下端部に形成され、環状凹部２１ｂと係合して当該カバー筐体を容器本体２１に嵌合固定する複数の内向き凸部，
２４ｂはカバー筐体２４の上周面部分に形成された上下方向で下端低位置の回動操作用開口部，
２４ｃは回動操作用開口部２４ｂの上端部分と連続した環状天部，
２４ｄはカバー筐体２４の内周面と環状天部にまたがるかたちのリブに設けられたΩ字状の軸受け切欠部，
２５は回動操作用のアクチュエータ，
２５ａは上側筒状部（出力部），
２５ｂは上側筒状部２５ａの下端外周部に形成された環鍔状部（被駆動部），
２５ｃはステム２３と連通する上下方向の内容物出力通路域，
２５ｄは内容物出力通路域２５ｃの入口部分であってステム２３の上端部分を嵌合状態で固定する下側筒状部，
２５ｅは内容物出力通路域２５ｃの上端開口部分からなる内容物放出孔，
２５ｆは上側筒状部２５ａの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である鼻腔９の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図９参照），
２６はカバー筐体２４の回動操作用開口部２４ｂに設けられて、Ａ方向（図９参照）への内容物放出操作が可能な回動操作部材，
２６ａは回動操作部材２６の略平板状の操作部，
２６ｂは操作部２６ａの上部に上側筒状部２５ａを周回するかたちで形成された環状部分，
２６ｃは環状部分２６ｂの一部であって、カバー筐体２４の軸受け切欠部２４ｄに係合して回動中心となる軸部，
２６ｄは環状部分２６ｂの下端面側で操作部２６ａの幅方向両端に近い部分に設けられて、利用者の操作に応じるかたちで環鍔状部２５ｂに当接してアクチュエータ２５およびこれと一体のステム２３を下方向に駆動する一対の凸状部（駆動部），
をそれぞれ示している。
【００２４】
また、図１０〜図１２において、
２７は容器本体２１に嵌合固定された筒状のスライド操作用のカバー筐体，
２７ａはカバー筐体２７の内周面下端部に形成され、環状凹部２１ｂと係合して当該カバー筐体を容器本体２１に嵌合固定する複数の内向き凸部，
２７ｂはカバー筐体２７の上周面部分に形成された上下方向で下端高位置のスライド操作用開口部，
２７ｃは回動操作用開口部２７ｂの上端部分と連続して、後述のスライド操作部材２９の上面側を案内保持する略水平の環状天部，
２８はスライド操作用のアクチュエータ，
２８ａは上側筒状部（出力部），
２８ｂは静止状態のとき後述の傾斜カム面２９ｃの上端部分とこれに続く水平カム面２９ｄとに略当接する位置態様で、上側筒状部２８ａの下端外周部に形成され、これらのカム面のカム従動部として作用する一対の外向き凸状部（被駆動部）
２８ｃはステム２３と連通する上下方向の内容物出力通路域，
２８ｄは内容物出力通路域２８ｃの入口部分であってステム２３の上端部分を嵌合状態で固定する下側筒状部，
２８ｅは内容物出力通路域２８ｃの上端開口部分からなる内容物放出孔，
２８ｆは上側筒状部２８ａの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である鼻腔９の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図１２参照），
２９はカバー筐体２７のスライド操作用開口部２７ｂや環状天部２７ｃなどに案内されるかたちで配設されて、Ｂ方向への内容物放出操作が可能な略Ｕ字状のスライド操作部材，
２９ａはスライド操作部材２９の操作部，
２９ｂは操作部２９ａから横方向（アクチュエータ２８の上側筒状部２８ａの方）に延び、利用者の操作に応じるかたちでＢ方向に移動する一対でそれぞれ略垂直の縦板状部，
２９ｃは縦板状部２９ｂの下面それぞれに形成されて、Ｂ方向へのスライド操作の際に外向き凸状部２８ｂが倣う内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部），
２９ｄは傾斜カム面２９ｃの上端部分から続き、操作部１２ａとは反対側の縦板状部２９ｂの先端まで至る水平カム面，
２９ｅは縦板状部２９ｂの下端面それぞれの操作部２９ａに近い側に形成され、スライド操作用開口部２７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して、静止状態のスライド操作部材２９が外側に抜けるのを防止するための一対の凸状部，
をそれぞれ示している。
【００２５】
ここで、容器本体１，２１，キャップ部材２，３，２２，回動操作用のカバー筐体５，２４，回動操作部材６，２６，スライド操作用のカバー筐体７，２７，スライド操作部材８，２９，回動操作用のアクチュエータ２５およびスライド操作用のアクチュエータ２８は例えばポリプロピレン，ポリエチレン，ポリアセタール，ナイロン，ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。また、ステム４，２３は例えばプラスチック製または金属製のものである。
【００２６】
本発明の基本的特徴は、回動操作用のカバー筐体５，スライド操作用のカバー筐体７，回動操作用のアクチュエータ２５およびスライド操作用のアクチュエータ２８それぞれの上側筒状部５ｄ，７ｅ，２５ａ，２８ａの外周面に、内容物放出対象部位の鼻腔９への挿入位置を規定する環状段部５ｈ，７ｊ，２５ｆ，２８ｆを形成したことである（図３，図６，図９，図１２参照）。
【００２７】
図１および図４はそれぞれ「回動操作，出力部固定」および「スライド操作，出力部固定」の各タイプの点鼻用内容物放出機構における静止状態を示している。
【００２８】
このとき、
(21)ステム４は、その上端部分がカバー筐体５，７の凹状部５ｆ，７ｇに嵌合保持され、
(22)図１の回動操作部材６は、その一対の縦凸状部６ｄがそれぞれ回動操作用開口部５ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その二股部分６ｂの先端上部がそれぞれキャップ部材２の環鍔状部２ｅと当接して当該キャップ部材を保持し、
(23)図４のスライド操作部材８は、その一対の縦凸状部８ｇがそれぞれスライド操作用開口部７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その傾斜カム面８ｃ（の下端部分）および水平カム面８ｄにキャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｅが当接して当該キャップ部材を保持し、
(24)ステム４の下端部に設定された周知の吐出弁（図示省略）が閉塞して、当該ステムの内容物放出通路域はハウジング２ｆ，３ｆの内容物貯留空間域と連通しない状態に設定されている。
【００２９】
図３は、利用者がカバー筐体５の環状段部５ｈを鼻腔９の入口部分に当ててから図１の回動操作部材６をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００３０】
すなわち、回動操作部材６のＡ方向への回動操作によりその二股部分６ｂの先端上部がキャップ部材２の環鍔状部２ｅに当接してこれを持ち上げる。
【００３１】
このキャップ部材２の持上げ作動にともない、これと一体の容器本体１およびハウジング２ｆが、ハウジング内部でステム４との間に設けられた周知のコイルスプリング（図示省略）の弾性力に抗して上動する。その結果、ハウジング２ｆにおける次回放出対象内容物の貯留空間域、すなわち当該ステム下端側の吐出弁（図示省略）と、ハウジング内部下側に設定された周知の吸込弁（図示省略）との間の空間域容積が減少してそこの貯留内容物の圧力が上昇する。
【００３２】
そして、この圧力上昇により吐出弁がそれまでの「閉」から「開」へと移行する。このときの吸込弁は「閉」のままである。
【００３３】
この吐出弁「開」への移行により、ハウジング内部の貯留空間域の内容物が当該吐出弁からステム４の内容物放出通路域およびカバー筐体５の内容物出力通路域５ｅを経て内容物放出孔５ｇから鼻腔９へ放出される。
【００３４】
利用者がＡ方向への回動操作を解除すると、カバー筐体５に係合固定されたステム４に対し、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１がコイルスプリング（図示省略）の弾性力や当該容器本体，当該キャップ部材の自重などに基づいて下動する。
【００３５】
そして、キャップ部材２などは、その環鍔状部２ｅの回動操作部材６の二股部分６ｂに対する押下げ作用により当該回動操作部材の一対の縦凸状部６ｄが上述のようにカバー筐体５の内面部分に係合した状態に保持される。
【００３６】
すなわち、吐出弁（図示省略）および吸込弁（図示省略）がともに「閉」状態の、図１の静止状態へと復帰する。
【００３７】
図６は、利用者がカバー筐体７の環状段部７ｊを鼻腔９の入口部分に当ててからスライド操作部材８をＢ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００３８】
すなわち、スライド操作部材８のＢ方向へのスライド操作により、キャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｅがそれぞれ傾斜カム面８ｃに倣って上方向へ駆動される。
【００３９】
この円柱状部３ｅの上動、すなわちキャップ部材３およびこれと一体の容器本体１のステム４に対する上動にともない、図３の場合と同様の弁作動が生じて、ハウジング３ｆ内部の貯留空間域の内容物がステム４の内容物放出通路域およびカバー筐体７の内容物出力通路域７ｆを経て内容物放出孔７ｈから鼻腔９へ放出される。
【００４０】
このときも、カバー筐体７の上側筒状部７ｅの鼻腔９への挿入位置は当該上側筒状部の環状段部７ｊで設定されている。
【００４１】
次に利用者がＢ方向へのスライド操作を解除すると、カバー筐体７に係合固定されたステム４に対し、キャップ部材３およびこれと一体の容器本体１が当該キャップ部材のハウジング内部に設けられたコイルスプリング（図示省略）の弾性力や当該容器本体，当該キャップ部材の自重などに基づいて下動する。
【００４２】
そして、キャップ部材３などはその円柱状部３ｅのカム作用により、当該円柱状部がスライド操作部材８の傾斜カム面８ｃ（の下端部分）および水平カム面８ｄに当接して、当該スライド操作部材の一対の縦凸状部８ｇが上述のようにカバー筐体７の内面部分に係合した状態に保持される。すなわち図４の静止状態へと復帰する。
【００４３】
図７および図１０はそれぞれ「回動操作，出力部上下動」および「スライド操作，出力部上下動」の各タイプの内容物放出機構における静止状態を示している。
【００４４】
このとき、
(31)ステム２３は、その上端部分がアクチュエータ２５，２８の下側筒状部２５ｄ，２８ｄに嵌合し、
(32)図７の回動操作部材２６は、その操作部２６ａの上端がカバー筐体２４の回動操作用開口部２４ｂの上端および環状天部２４ｃに当接し、かつ、一対の凸状部２６ｄがアクチュエータ２５の鍔状部２５ｂと当接し、
(33)図１０のスライド操作部材２９は、その一対の凸状部２９ｅがそれぞれスライド操作用開口部２７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その傾斜カム面２９ｃ（の上端部分）および水平カム面２９ｄにアクチュエータ２８の一対の外向き凸状部２８ｂが当接して当該アクチュエータを保持し、
(34)ステム２３の下端部に設定された周知の吐出弁（図示省略）が閉塞して、当該ステムの内容物放出通路域は、ハウジング２２ｂの内容物貯留空間域と連通しない状態に設定されている。
【００４５】
図９は、利用者がアクチュエータ２５の環状段部２５ｆを鼻腔９の入口部分に当ててから回動操作部材２６をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００４６】
すなわち、回動操作部材２６のＡ方向への回動操作によりその一対の凸状部２６ｄがアクチュエータ２５の鍔状部２５ｂに当接してこれを押し下げる。
【００４７】
この鍔状部２５ｂの押下げによって、ステム２３がキャップ部材２２のハウジング２２ｂの内部に設けられたコイルスプリング（図示省略）の弾性力に抗して押し下げられ、図３の場合と同様に、当該ハウジング内部の貯留空間域の内容物が当該ステムの内容物放出通路域およびアクチュエータ２５の内容物出力通路域２５ｃを経て内容物放出孔２５ｅから鼻腔９へ放出される。
【００４８】
したがって、アクチュエータ２５の環状段部２５ｆが鼻腔９の入口部分から離間しながら内容物は鼻腔９へ放出される。
【００４９】
次に利用者がＡ方向への回動操作を解除すると、アクチュエータ２５に係合固定されたステム２３がコイルスプリング（図示省略）の弾性力で上動し、鍔状部２５ｂと一対の凸状部２６ｄとの押圧作用により回動操作部材２６が上方向に駆動されて図７の静止状態へと復帰する。
【００５０】
図１２は、利用者がアクチュエータ２８の環状段部２８ｆを鼻腔９の入口部分に当ててからスライド操作部材２９をＢ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００５１】
すなわち、スライド操作部材２８のＢ方向へのスライド操作により、アクチュエータ２８の一対の外向き凸状部２８ｂがそれぞれ傾斜カム面２９ｃに倣って下方向へ駆動される。
【００５２】
この外向き凸状部２８ｂの下方向へ駆動によって、ステム２３がキャップ部材２２のハウジング２２ｂの内部に設けられたコイルスプリング（図示省略）の弾性力に抗して押し下げられ、図３の場合と同様に、当該ハウジング内部の貯留空間域の内容物が当該ステムの内容物放出通路域およびアクチュエータ２８の内容物出力通路域２８ｃを経て内容物放出孔２８ｅから鼻腔９へ放出される。
【００５３】
したがって、アクチュエータ２８の環状段部２８ｆが鼻腔９の入口部分から離間しながら内容物は鼻腔９へ放出される。
【００５４】
次に利用者がＢ方向へのスライド操作を解除すると、アクチュエータ２８に係合固定されたステム２３がコイルスプリング（図示省略）の弾性力で上動し、外向き凸状部２８ｂと傾斜カム面２９ｃとのカム作用によりアクチュエータ２８が逆Ｂ方向に駆動されて図１０の静止状態へと復帰する。
【００５５】
以上の内容物放出状態（図３，図６，図９，図１２）から静止状態（図１，図４，図７，図１０）への復帰プロセスの際には、ハウジング２ｆ，３ｆ，２２ｂの内部の貯留空間域容積が増加してそこでの内容物圧力が低下し、これにともない当該ハウジング内部下側に設定された吸込弁がそれまでの「閉」から「開」へと変化して容器本体１，２１の内容物が当該ハウジングの貯留空間域に流入する。この流入内容物が次回の放出対象となる。また、内容物の流入による貯留空間域圧力の増加に応じて吸込弁は閉じる。
【００５６】
なお、このような回動操作部材６，２６のＡ方向への回動操作およびその回動操作解除ならびにスライド操作部材８，２９のＢ方向へのスライド操作およびそのスライド操作解除のそれぞれにともなう吐出弁および吸込弁の作動自体は周知である。
【００５７】
エアゾール式製品の場合には、上述の「容器本体１＋キャップ部材２，３＋ステム４」または「容器本体２１＋キャップ部材２２＋ステム２３」の代わりに「吐出弁を開閉するステムを備え、噴射用ガスおよび内容物を収容した周知のエアゾール式容器」を用い、「環鍔状部２ｅ，外向き円柱状部３ｅを備えたキャップ相当部材」または「カバー筐体２４，２７」は当該エアゾール式容器の「マウンテンキャップ」や「容器本体」などに取り付ければよい。
【００５８】
本発明の点鼻用内容物放出機構が図示の実施形態に限定されるものでないことは勿論であり、例えば、
(41)図１〜図３の軸受け凹状部５ｃと凸状軸部６ｃとの凹凸関係を逆にする、
(42)図１〜図６の縦凸状部６ｄ，８ｅに代わる凹状部を回動操作部材６，スライド操作部材８に形成し、かつ、当該凹状部に対応した係合用凸状部をカバー筐体５，７に形成する、
(43)図４〜図６の、傾斜カム面８ｃに代わる内容物放出作動用のカム作動部を、スライド操作部材８の縦板状部８ｂの内面に例えば円柱状態様で形成し、かつ、当該カム作動部に対応した従動傾斜カム面を、キャップ部材３の外周面にそれぞれ形成する、
(44)図７〜図９の軸受け切欠部２４ｄと軸部２６ｃとの関係を逆にする、
(45)図１０〜図１２の、傾斜カム面２９ｃに代わる内容物放出作動用のカム作動部を、スライド操作部材２９の縦板状部２９ｂの内面に例えば円柱状態様で形成し、かつ、当該カム作動部に対応した従動傾斜カム面を、アクチュエータ２８の外周面にそれぞれ形成する、
ようにしてもよい。
【００５９】
本発明が適用されるポンプ式製品およびエアゾール式製品としては、洗浄剤，消炎剤，医薬品，医薬部外品などの各種用途のものがある。
【００６０】
容器本体に収納する内容物は、液状，クリーム状，ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物，油成分，アルコール類，界面活性剤，高分子化合物，各用途に応じた有効成分，水などが挙げられる。
【００６１】
粉状物としては、金属塩類粉末，無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク，カオリン，アルミニウムヒドロキシクロライド（アルミ塩），アルギン酸カルシウム，炭酸塩，硫酸バリウム，セルロース，これらの混合物などを用いる。
【００６２】
油成分としては、シリコーン油，パーム油，ユーカリ油，ツバキ油，オリーブ油，ホホバ油，パラフィン油，ミリスチン酸，パルミチン酸，ステアリン酸，リノール酸，リノレン酸などを用いる。
【００６３】
アルコール類としては、エタノールなどの１価の低級アルコール，ラウリルアルコールなどの１価の高級アルコール，エチレングリコール，グリセリン，1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【００６４】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【００６５】
高分子化合物としては、メチルセルロース，ゼラチン，デンプン，カゼイン，ヒドロキシエチルセルロース，キサンタンガム，カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【００６６】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル，インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム，クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド，ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル，メントールなどの清涼剤、エフェドリン，アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース，アスパルテームなどの甘味料などを用いる。
【００６７】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤，紫外線吸収剤，乳化剤，保湿剤，酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【００６８】
エアゾール式製品における噴射用ガスとしては、炭酸ガス，亜酸化窒素ガス，窒素ガス，圧縮空気，酸素ガス，希ガス，これらの混合ガスなどの可溶性圧縮ガス，圧縮ガスや、液化石油ガス，ジメチルエーテル，フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【符号の説明】
【００６９】
（図１〜図６）
１：容器本体
１ａ：開口側筒状部
２：回動操作用のキャップ部材（図１，図３参照）
３：スライド操作用のキャップ部材（図４，図６参照）
２ａ，３ａ：下大径筒状部
２ｂ，３ｂ：環状斜面
２ｃ：環状上面（被駆動部）
３ｃ：環状上面
２ｄ，３ｄ：上小径筒状部
２ｅ：環鍔状部（被駆動部）
３ｅ：一対の外向き円柱状部（被駆動部）
２ｆ，３ｆ：ハウジング
４：ステム
【００７０】
（図１〜図３）
５：回動操作用のカバー筐体
５ａ：大径の下側筒状部
５ｂ：回動操作用開口部
５ｃ：一対の軸受け凹状部
５ｄ：小径の上側筒状部（出力部）
５ｅ：上下方向の内容物出力通路域
５ｆ：ステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部
５ｇ：内容物放出孔
５ｈ：上側筒状部５ｄの挿入位置設定用の環状段部
６：回動操作部材
６ａ：操作部
６ｂ：二股部分（駆動部）
６ｃ：一対の凸状軸部
６ｄ：一対の縦凸状部
【００７１】
（図４〜図６）
７：スライド操作用のカバー筐体
７ａ：大径の下側筒状部
７ｂ：スライド操作用開口部
７ｃ：略水平の環状天部
７ｄ：略水平の横板状部
７ｅ：小径の上側筒状部（出力部）
７ｆ：上下方向の内容物出力通路域
７ｇ：凹状部
７ｈ：内容物放出孔
７ｊ：上側筒状部７ｅの挿入位置設定用の環状段部
８：略Ｕ字状のスライド操作部材
８ａ：操作部
８ｂ：略垂直の縦板状部
８ｃ：内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部）
８ｄ：水平カム面
８ｅ：一対の縦凸状部
【００７２】
９：内容物放出対象部位である鼻腔（図３，図６，図９，図１２参照）
Ａ：内容物放出時の回動操作方向（図３，図９参照）
Ｂ：内容物放出時のスライド操作方向（図６，図１２参照）
【００７３】
（図７〜図１２）
２１：容器本体
２１ａ：開口側筒状部
２１ｂ：環状凹部
２２：キャップ部材
２２ａ：下大径筒状部
２２ｂ：ハウジング
２３：ステム
【００７４】
（図７〜図９）
２４：回動操作用のカバー筐体
２４ａ：内向き凸部
２４ｂ：回動操作用開口部
２４ｃ：環状天部
２４ｄ：Ω字状の軸受け切欠部
２５：回動操作用のアクチュエータ
２５ａ：上側筒状部（出力部）
２５ｂ：鍔状部（被駆動部）
２５ｃ：上下方向の内容物出力通路域
２５ｄ：下側筒状部
２５ｅ：内容物放出孔
２５ｆ：上側筒状部２５ａの挿入位置設定用の環状段部
２６：回動操作部材
２６ａ：操作部
２６ｂ：環状部分
２６ｃ：軸部
２６ｄ：凸状部（駆動部）
【００７５】
（図１０〜図１２）
２７：スライド操作用のカバー筐体
２７ａ：内向き凸部
２７ｂ：スライド操作用開口部
２７ｃ：環状天部
２８：スライド用のアクチュエータ
２８ａ：上側筒状部（出力部）
２８ｂ：一対の外向き凸状部（被駆動部）
２８ｃ：上下方向の内容物出力通路域
２８ｄ：下側筒状部
２８ｅ：内容物放出孔
２８ｆ：上側筒状部２８ａの挿入位置設定用の環状段部
２９：略Ｕ字状のスライド操作部材
２９ａ：操作部
２９ｂ：略垂直の縦板状部
２９ｃ：内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部）
２９ｄ：水平カム面
２９ｅ：一対の凸状部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
内容物放出操作用の可動部材と、
前記可動部材が取り付けられて内容物放出操作時に利用者が保持可能なカバー筐体と、
前記可動部材の内容物放出操作に基づいて容器本体との間で上下方向に相対移動する内容物通過用のステムと、
前記ステムが固定されて、当該ステムに続く内容物通路域および当該内容物通路域と連通する内容物放出用の上端開口部分からなる筒状出力部と、を備え、
前記筒状出力部は、
前記上端開口部分の方から内容物放出対象部位である鼻腔の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの挿入位置設定作用部を、外周面に有している、
ことを特徴とする点鼻用内容物放出機構。
【請求項２】
前記挿入位置設定作用部は、
前記外周面に形成された環状段部である、
ことを特徴とする請求項１記載の点鼻用内容物放出機構。
【請求項３】
前記筒状出力部は、
前記カバー筐体と一体化された筒状部分であって、
前記容器本体は、
前記カバー筐体の内部に上下動可能なかたちで配設されて、
前記可動部材の内容物放出操作の際、
前記挿入位置設定作用部が前記鼻腔の入口周辺部と当接した状態のままで、かつ、前記容器本体が、前記筒状出力部およびこれに固定された前記ステムに対して上方へ移動する、
ことを特徴とする請求項１または２記載の点鼻用内容物放出機構。
【請求項４】
前記筒状出力部は、
前記カバー筐体と別体化された筒状部分であって、
前記容器本体は、
前記カバー筐体に固定されて、
前記可動部材の内容物放出操作の際、
前記容器本体は前記カバー筐体に対して移動せずに、かつ、前記筒状出力部およびこれに固定された前記ステムが前記容器本体に対して下方へ移動する、
ことを特徴とする請求項１または２記載の点鼻用内容物放出機構。
【請求項５】
請求項１乃至４のいずれかに記載の点鼻用内容物放出機構を備え、かつ、前記容器本体に内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【請求項６】
請求項１乃至４のいずれかに記載の点鼻用内容物放出機構を備え、かつ、前記容器本体に噴射用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。
【請求項１】
内容物放出操作用の可動部材と、
前記可動部材が取り付けられて内容物放出操作時に利用者が保持可能なカバー筐体と、
前記可動部材の内容物放出操作に基づいて容器本体との間で上下方向に相対移動する内容物通過用のステムと、
前記ステムが固定されて、当該ステムに続く内容物通路域および当該内容物通路域と連通する内容物放出用の上端開口部分からなる筒状出力部と、を備え、
前記筒状出力部は、
前記上端開口部分の方から内容物放出対象部位である鼻腔の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの挿入位置設定作用部を、外周面に有している、
ことを特徴とする点鼻用内容物放出機構。
【請求項２】
前記挿入位置設定作用部は、
前記外周面に形成された環状段部である、
ことを特徴とする請求項１記載の点鼻用内容物放出機構。
【請求項３】
前記筒状出力部は、
前記カバー筐体と一体化された筒状部分であって、
前記容器本体は、
前記カバー筐体の内部に上下動可能なかたちで配設されて、
前記可動部材の内容物放出操作の際、
前記挿入位置設定作用部が前記鼻腔の入口周辺部と当接した状態のままで、かつ、前記容器本体が、前記筒状出力部およびこれに固定された前記ステムに対して上方へ移動する、
ことを特徴とする請求項１または２記載の点鼻用内容物放出機構。
【請求項４】
前記筒状出力部は、
前記カバー筐体と別体化された筒状部分であって、
前記容器本体は、
前記カバー筐体に固定されて、
前記可動部材の内容物放出操作の際、
前記容器本体は前記カバー筐体に対して移動せずに、かつ、前記筒状出力部およびこれに固定された前記ステムが前記容器本体に対して下方へ移動する、
ことを特徴とする請求項１または２記載の点鼻用内容物放出機構。
【請求項５】
請求項１乃至４のいずれかに記載の点鼻用内容物放出機構を備え、かつ、前記容器本体に内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【請求項６】
請求項１乃至４のいずれかに記載の点鼻用内容物放出機構を備え、かつ、前記容器本体に噴射用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【公開番号】特開２０１３−３９２９８（Ｐ２０１３−３９２９８Ａ）
【公開日】平成２５年２月２８日（２０１３．２．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１７９３９７（Ｐ２０１１−１７９３９７）
【出願日】平成２３年８月１９日（２０１１．８．１９）
【出願人】（０００１４４４６３）株式会社三谷バルブ (142)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年２月２８日（２０１３．２．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年８月１９日（２０１１．８．１９）
【出願人】（０００１４４４６３）株式会社三谷バルブ (142)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]