説明

為替集中処理システム

【課題】帳票を処理するオペレータの操作負担を軽減する。
【解決手段】スキャナPCは、読取った帳票の画像データから、該帳票の所定の領域に記載された為替取引を翌日以降に処理することを表す翌日扱い情報、および該帳票の為替取引を処理する実行日付を認識するとともに、該帳票の記載事項を認識して為替データを生成し、現在時刻が該帳票の為替処理が可能であることを判定する。為替サーバ4は、該帳票の為替処理が可能と判定され、翌日扱い情報が認識された帳票についてはホストコンピュータへの発信日を認識された実行日付とした為替データを生成し、翌日扱い情報が認識されなかった帳票については発信日を当日とした為替データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票を読取って為替処理を行う為替集中処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の為替集中処理システムでは、営業店の窓口のオペレータの操作により、顧客から受け取り、必要事項が記入された振込依頼書を営業店に設置されたスキャナPCで読取り、スキャナPCはその振込依頼書に記入された手書き文字を認識した文字データを振込依頼書のイメージデータとともに為替センタの為替サーバへ送信し、または為替センタのオペレータの操作により、必要事項が記入された振込依頼書を為替センタに設置されたスキャナPCで読取り、スキャナPCはその振込依頼書に記入された手書き文字を認識した文字データを振込依頼書のイメージデータとともに為替サーバへ送信する。
【0003】
為替センタのエントリPCでは、スキャナPCにおける振込依頼書に記入された手書き文字の認識結果の補正や訂正、承認等の為替センタのオペレータによる操作を受付け、ホストコンピュータへ送信する為替データを生成し、為替サーバは生成された為替データをホストコンピュータへ発信して為替処理するようにしている。
【0004】
このような為替集中処理システムでは、振込み指定日が翌日以降の振込依頼書の処理を受付ける時間と振込指定日が当日の振込依頼書の処理を受付ける時間とを振込依頼書に付与された通番で区分するようにし、また生成された振込依頼書の為替データを発信可能日にホストコンピュータへ送信するようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−139456号公報(段落「0016」〜段落「0025」、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術においては、振込み指定日が翌日以降の帳票としての振込依頼書を読取るスキャナPCの画面と振込指定日が当日の振込依頼書を読取る画面とを読取り可能な時間帯に合わせて切り分ける必要があり、振込依頼書を読取るオペレータの操作が煩雑になり、また振込依頼書の為替データの発信可能日を入力する操作が必要であり、エントリPCを操作する為替センタのオペレータの操作が煩雑になってしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、帳票を処理するオペレータの操作負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、帳票を読取って生成した為替データに従って為替処理を行う為替集中処理システムにおいて、帳票の画像データを読取る帳票読取手段と、前記帳票読取手段で読取った画像データから、該帳票の所定の領域に記載された該帳票の為替取引を翌日以降に処理することを表す翌日扱い情報および該帳票の為替取引を処理する実行日付を認識するとともに、該帳票の記載事項を認識して為替データを生成する帳票認識手段と、前記翌日扱い情報が記載された帳票を前記帳票読取手段で読取ることが可能な時間帯を表す情報および前記翌日扱い情報が記載されていない帳票を前記帳票読取手段で読取ることが可能な時間帯を表す情報を記憶する記憶手段と、前記帳票認識手段で認識された翌日扱い情報に基づいて前記記憶手段から前記時間帯を表す情報を抽出し、現在時刻が前記時間帯内にあることを検知して該帳票の為替処理が可能であることを判定する判定手段と、前記判定手段で該帳票の為替処理が可能と判定され、前記帳票認識手段で前記翌日扱い情報が認識された帳票については上位装置への発信日を前記帳票認識手段で認識された前記実行日付とした為替データを生成し、前記帳票認識手段で前記翌日扱い情報が認識されなかった帳票については前記発信日を当日とした為替データを生成する発信日設定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、帳票を処理するオペレータの操作負担を軽減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例における為替集中処理システムの構成を示す説明図
【図2】実施例における帳票の説明図
【図3】実施例における読取り時間制御処理の流れを示すフローチャート
【図4】実施例における帳票読取り画面の説明図
【図5】実施例における帳票読取り画面の説明図
【図6】実施例における帳票読取り画面の説明図
【図7】実施例における帳票読取り画面の説明図
【図8】実施例におけるエントリ/ベリファイ/承認処理の流れを示すフローチャート
【図9】実施例におけるホスト発信制御処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明による為替集中処理システムの実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1は実施例における為替集中処理システムの構成を示す説明図である。
図1において、2は銀行等の金融機関の営業店に設置されるスキャナPCであり、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の演算および制御手段としての制御部、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、帳票の画像データを光学的に読取るスキャナ等の帳票読取手段、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段、液晶ディスプレイ等の表示手段、カレンダ・時計等の計時手段および通信手段等を備えるパーソナルコンピュータ等である。
【0012】
このスキャナPC2は、スキャナで読取った振込依頼書等の帳票のイメージデータである画像データファイル(例えば、TIFF形式)を生成し、その画像データファイルに基づいて制御部で文字や数字を認識して為替データとしての取引データファイルを生成する。したがって、制御部は帳票の画像データファイルに基づいて文字や数字を認識する帳票認識手段として機能する。またスキャナPC2は通信回線としてのネットワーク3に接続され、他の通信機器と相互に通信可能に接続されている。
【0013】
9は銀行等の金融機関の為替センタに設置されたスキャナPCであり、CPU、MPU等の演算および制御手段としての制御部、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、帳票の画像データを光学的に読取るスキャナ等の帳票読取手段、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段、液晶ディスプレイ等の表示手段、カレンダ・時計等の計時手段および通信手段等を備えるパーソナルコンピュータ等である。
【0014】
このスキャナPC9も、スキャナで読取った振込依頼書等の帳票のイメージデータである画像データファイルを生成し、その画像データファイルに基づいて制御部で文字や数字を認識して為替データとしての取引データファイルを生成する。したがって、制御部は帳票の画像データファイルに基づいて文字や数字を認識する帳票認識手段として機能する。またスキャナPC9は通信回線としての構内回線10に接続され、他の通信機器と相互に通信可能に接続されている。
また、スキャナPC2およびスキャナPC9の制御部は、帳票に記載された翌日扱いマークを認識することができるようになっている。
【0015】
ここで、本実施例の為替集中処理システムで使用される帳票の例を図2の実施例における帳票の説明図に基づいて説明する。
図2において、帳票20は、定型の振込依頼書であり、依頼日21、翌日扱い22、振込みを実行する日付である振込指定日23、振込先銀行名24、振込先支店名25、振込先口座の預金種目26、振込先の口座番号27、振込み金額である金額28、受取人名29、依頼人名30、および電話番号31等により構成されたものである。
【0016】
翌日扱い22が本実施例における翌日扱い情報としての翌日扱いマークであり、帳票20における所定の領域(位置)にチェックボックスが予め印刷されており、そのチェックボックス内に「○」等が記載されている場合、翌日以降の振込指定日23に記載された日付に振込みを実行することを表し、チェックボックス内に何も記載されていない場合は本振込依頼書を受け付けた当日に振込みを実行することを表すものである。
【0017】
スキャナPC2およびスキャナPC9の制御部は、帳票20に記載された依頼日21、翌日扱い22、振込指定日23、振込先銀行名24、振込先支店名25、預金種目26、振込先の口座番号27、金額28、受取人名29、依頼人名30、および電話番号31を認識し、例えば依頼日、振込先銀行名、振込先支店名、預金種目、口座番号、金額、受取人名、依頼人名、電話番号並びに翌日扱いマークの有無の情報および振込指定日等で構成された取引データファイルを生成する。すなわち、スキャナPC2およびスキャナPC9の制御部は、帳票読取手段としてのスキャナで読取った画像データから該帳票の所定の領域に記載された該帳票の為替取引を翌日以降に処理することを表す翌日扱い情報としての翌日扱いマークの有無および該帳票の為替取引を処理する実行日付としての振込み指定日を認識し、該帳票の記載事項(振込み取引の内容)を認識して為替データを生成する帳票認識手段である。
【0018】
また、スキャナPC2およびスキャナPC9の記憶手段には、翌日扱い情報としての翌日扱いマークが記載された帳票をスキャナで読取ることが可能な時間帯を表す情報および翌日扱い情報としての翌日扱いマークが記載されていない帳票をスキャナで読取ることが可能な時間帯を表す情報が予め記憶され、スキャナPC2およびスキャナPC9の制御部は、認識した翌日扱い情報としての翌日扱いマークに基づいて記憶手段から帳票をスキャナで読取ることが可能な時間帯を表す情報を抽出し、現在時刻がその時間帯内にあることを検知して該帳票の為替処理が可能であることを判定する判定手段として機能する。
【0019】
図1の説明に戻り、4は為替センタに設置されたサーバコンピュータとしての為替サーバであり、CPU、MPU等の演算および制御手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス等の入力手段、液晶ディスプレイ等の表示手段、カレンダ・時計等の計時手段および通信手段等を備えるものである。
【0020】
この為替サーバ4は構内回線10に接続されスキャナPC9や後述するエントリPC等と相互に通信可能に接続され、また、構内回線10およびネットワーク3を介してスキャナPC2やスキャナPC9と相互に通信可能に接続されている。スキャナPC2やスキャナPC9で処理された帳票の画像データファイルおよび取引データファイルが、営業店のスキャナPC2やスキャナPC9から送信され、為替サーバ4の記憶手段に記憶される。
【0021】
また、発信日設定手段としての為替サーバ4は、判定手段としてのスキャナPC2やスキャナPC9で帳票の為替処理が可能と判定され、帳票認識手段としてのスキャナPC2やスキャナPC9の制御部で翌日扱い情報(翌日扱いマーク)が認識された帳票については、上位装置としての後述するホストコンピュータへの発信日を帳票認識手段としてのスキャナPC2やスキャナPC9の制御部で認識された実行日付とした為替データ(取引データファイル)を生成し、帳票認識手段としてのスキャナPC2やスキャナPC9で翌日扱い情報(翌日扱いマーク)が認識されなかった帳票については発信日を当日(帳票を受け付けた日付)とした為替データ(取引データファイル)を生成する。
【0022】
5はエントリ用のエントリPC、6はベリファイ用のエントリPC、7は承認用のエントリPCであり、為替センタに配置されたCPU、MPU等の演算および制御手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段、液晶ディスプレイ等の表示手段、カレンダ・時計等の計時手段および通信手段等を備えるパーソナルコンピュータ等である。
【0023】
エントリ用のエントリPC5は為替サーバ4に格納された帳票の画像データおよびこの画像データを認識した結果としての取引データファイルを為替サーバ4から受信して表示手段に表示し、オペレータ(係員)が不読・誤読等した文字を入力手段により補正して為替データとしての取引データファイルを作成するものである。ここで、不読とは、帳票の画像データを認識した結果、文字や数字であることを認識することができなかったことをいい、誤読とは、帳票の画像データを認識した結果、本来の文字や数字とは異なった文字や数字に認識してしまったことをいう。
【0024】
ベリファイ用のエントリPC6はエントリ用のエントリPC5でオペレータが作成した取引データファイルを表示手段により表示し、オペレータが入力手段により取引データファイルを確認し訂正や再入力等を行なうものである。
【0025】
承認用のエントリPC7はベリファイ用のエントリPC6で確認した結果、訂正や再入力が発生した場合や高額取引の場合に、ベリファイ用のエントリPC6でオペレータが作成した取引データファイルを表示手段により表示し、役席者等の一定の権限を有する者が入力手段により承認の操作を行うものである。
【0026】
このエントリ用のエントリPC5、ベリファイ用のエントリPC6および承認用のエントリPC7により作成・承認された取引データファイルは、為替サーバ4の記憶手段に一旦記憶された後、構内回線10に接続された通信ゲートウェイ8等を介して後述するホストコンピュータへ送信される。
ここで、ホストコンピュータへ送信される取引データファイルは、例えば依頼日、発信日、依頼人電話番号、店番、預金種目、口座番号、金額、銀行名、支店名、受取人名および依頼人名等で構成され、ホストコンピュータに為替取引を依頼するデータである。
【0027】
11は銀行等の金融機関の事務センタ等に設置された上位装置としてのホストコンピュータであり、為替センタの構内回線10に接続された通信ゲートウェイ8等を介して受信した取引データファイルにしたがって受取人が所有する口座に指定した金額を振り込む為替処理を行うものである。また、ホストコンピュータ11は為替センタの通信ゲートウェイ8等と専用回線で相互に通信可能に接続されている。
【0028】
このように為替集中処理システム1は、営業店に設置されたスキャナPC2と、為替センタに設置された為替サーバ4、エントリPC5、6、7、およびスキャナPC9と、事務センタ等に設置されたホストコンピュータ11とから構成され、読取った帳票の画像データから生成した取引データファイルに基づいて為替取引を行う。
【0029】
なお、営業店に設置されたスキャナPC2、為替センタに設置された為替サーバ4、エントリPC5、6、7、およびスキャナPC9、ならびにホストコンピュータ11は、演算および制御手段としての制御部により記憶手段に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて全体の動作が制御される。
【0030】
また、本実施例では、為替サーバ4、エントリPC5、6、7、およびスキャナPC9を為替センタに、ホストコンピュータ11を事務センタ等に設置したものとして説明するが、それに限られることなく、為替サーバ4、エントリPC5、6、7、およびスキャナPC9、ならびにホストコンピュータ11の設置場所は任意である。
【0031】
ここで、為替集中処理システム1の為替取引処理の流れの概略を説明する。
まず、営業店のスキャナPC2または為替センタのスキャナPC9は、帳票としての振込依頼書を読取る。(図中矢印A)
スキャナPC2またはスキャナPC9は、読取った振込依頼書のイメージデータに基づいてその振込依頼書に記載された文字や数字を認識した結果としての取引データファイルと、振込依頼書のイメージデータとしての画像データファイルとを生成する。(図中矢印B)
【0032】
このとき、スキャナPC2またはスキャナPC9は、帳票に記載された翌日扱いマークの認識処理を行い、翌日扱いの帳票または当日扱いの帳票であるかを判別し、その帳票の読取りが可能な時間帯であるか否かの確認を行い、当該帳票の読取りが不可能と判定した場合、取引データファイルおよび画像データファイルは生成することなく、帳票を排出して処理を終了する。
一方、当該帳票の読取りが可能と判定した場合、スキャナPC2またはスキャナPC9は、帳票上の翌日扱いマークの記載の有無を取引データファイルに書き込む。
【0033】
ここで、帳票に記載された翌日扱いマークの認識処理を行い当日扱いの帳票であると判別した場合、その帳票の読み取り可能時間は、例えば9:00〜15:00であり、また翌日扱いの帳票である判別した場合、その帳票の読み取り可能時間は、例えば9:00〜16:00である。
なお、スキャナPC2またはスキャナPC9は、認識処理の結果、帳票上に翌日扱いマークが存在しない帳票(例えば、非定型帳票やイメージ帳票)と判定した場合、帳票読取り画面に表示された読取り可能時間に従って帳票の処理を行う。
【0034】
スキャナPC2またはスキャナPC9は、生成した取引データファイルおよび画像データファイルを為替サーバ4へ送信し、為替サーバ4は受信した取引データファイルおよび画像データファイルを記憶手段に記憶して登録する。(図中矢印C)
取引データファイルに不読・誤読等した文字が存在する場合、エントリ用のエントリPC5は為替サーバ4から取引データファイルおよび画像データファイルをダウンロードし、データのエントリ操作を受付ける。(図中矢印D)
【0035】
取引データファイルに不読・誤読等した文字が存在しない場合やエントリ用のエントリPC5でデータのエントリ操作を受付けて不読・誤読等した文字が補正されると、ベリファイ用のエントリPC6は画像データファイルに基づいて取引データファイルの確認操作を受付ける。(図中矢印E、矢印F)
次に、ベリファイ用のエントリPC6で確認した結果、データ不一致による訂正や再入力が発生した場合や限度金額以上の高額取引の場合に、承認用のエントリPC7で承認操作を受付ける。(図中矢印G)
【0036】
承認用のエントリPC7で承認された取引データファイルは、翌日扱いマークの認識結果である当日または翌日以降(振込指定日)に、ホストコンピュータ11へ送信され、為替取引が行われる。(図中矢印H)
なお、エントリ用のエントリPC5およびベリファイ用のエントリPC6は、配信される為替データとしての取引データファイルに基づいて帳票に記載された翌日扱いマークの有無を表す情報を表示手段に表示するものとする。
このようにして為替集中処理システム1は、為替取引処理を行う。
【0037】
上述した構成の作用について説明する。
まず、為替集中処理システムが行う読取り時間制御処理を図3の実施例における読取り時間制御処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。なお、本実施例では、帳票(振込依頼書)を読取るスキャナPCを営業店に設置されたスキャナPC2として説明するが、為替センタに設置されたスキャナPC9で帳票を読取る場合も同様な処理となる。
【0038】
S1:スキャナPC2は、読取る帳票(振込依頼書)の種類を選択するオペレータの入力操作を入力手段で受け付け、選択された帳票の種類に応じてそれぞれの帳票読取画面をスキャナPC2の表示手段に表示する。
ここで、選択された帳票の種類に応じて表示する帳票読取画面は、例えば図4〜図7に示すように、定型かつ非ロットの帳票を読取る帳票読取画面(図4)、非定型かつ非ロットの帳票を読取る帳票読取画面(図5)、定型かつロットの帳票を読取る帳票読取画面(図6)、非定型かつロットの帳票を読取る帳票読取画面(図7)である。
【0039】
なお、定型の帳票とは、自金融機関(以下、「自行」という。)で発行している所定の形式の帳票であり、非定型の帳票とは、自行以外の他の金融機関等(以下、「他行」という。)や公共機関等で発行された帳票である。また、ロットの帳票とは、複数の帳票を一括して処理する帳票群であり、非ロットの帳票とは、1枚の帳票である。
スキャナPC2は、帳票読取画面に表示した帳票の読取りを開始させるための操作ボタン(図4〜図7に示す「読取&転送」の操作ボタン)の選択操作を入力手段で受け付けると帳票を給紙してスキャナで帳票を読み取る。
【0040】
S2:スキャナPC2は、帳票のイメージデータとしての画像データ(画像データファイル)を生成し、またその画像データに基づいて帳票に記載された翌日扱いマークの有無を認識し、その認識結果により帳票に翌日扱いマークの記載が有ると判定、すなわち翌日以降に振込を実行すると判定すると処理をS4へ移行し、帳票に翌日扱いマークの記載が無いと判定、すなわち当日に振込を実行すると判定すると処理をS7へ移行する。
【0041】
ここで、スキャナPC2は、読取った帳票のイメージデータに基づいてその帳票に記載された文字や数字を認識した結果としての取引データファイルと、帳票のイメージデータとしての画像データファイルとを生成する。
なお、非定型の帳票または文字や数字の認識を行わないイメージ帳票の場合は、翌日扱いマークの記載の有無を認識することができないため、翌日扱いマークが無い帳票として扱うものとする。
【0042】
S3:帳票に翌日扱いマークの記載が有ると判定したスキャナPC2は、現在の時刻が記憶手段に予め記憶された翌日扱いマーク有り帳票の帳票読取り可能時間内であるか否かの判定を行い、現在の時刻が、翌日扱いマーク有り帳票の帳票読取り可能時間内(例えば、9:00〜16:00)であると判定すると処理をS4へ移行し、翌日扱いマーク有り帳票の帳票読取り可能時間内でないと判定すると取引データファイルおよび画像データファイルを生成することなく処理をS13へ移行する。
【0043】
S4:現在の時刻が翌日扱いマーク有り帳票の帳票読取り可能時間内であると判定したスキャナPC2は、読取った帳票に記載された振込先が他行(自金融機関以外の他の金融機関等)宛てか否かを判定し、振込先が他行であると判定すると処理をS5へ移行し、振込先が自行(自金融機関)であると判定すると処理をS6へ移行する。
【0044】
S5:振込先が他行であると判定したスキャナPC2は、現在の時刻が記憶手段に予め記憶された他行宛振込の帳票の読取り可能時間内であるか否かの判定を行い、現在の時刻が、他行宛振込の帳票読取り可能時間内(例えば、9:00〜15:30)であると判定すると処理をS11へ移行し、他行宛振込の帳票読取り可能時間内でないと判定すると取引データファイルおよび画像データファイルを生成することなく処理をS13へ移行する。
【0045】
S6:一方、S4において、振込先が自行であると判定したスキャナPC2は、現在の時刻が記憶手段に予め記憶された自行宛振込の帳票の読取り可能時間内であるか否かの判定を行い、現在の時刻が、自行宛振込の帳票読取り可能時間内(例えば、9:00〜16:00)であると判定すると処理をS11へ移行し、自行宛振込の帳票読取り可能時間内でないと判定すると取引データファイルおよび画像データファイルを生成することなく処理をS13へ移行する。
【0046】
S7:S2において、帳票に翌日扱いマークの記載が無いと判定したスキャナPC2は、現在の時刻が記憶手段に予め記憶された翌日扱いマーク無し帳票の帳票読取り可能時間内であるか否かの判定を行い、現在の時刻が、翌日扱いマーク無し帳票の帳票読取り可能時間内(例えば、9:00〜15:00)であると判定すると処理をS8へ移行し、翌日扱いマーク無し帳票の帳票読取り可能時間内でないと判定すると取引データファイルおよび画像データファイルを生成することなく処理をS13へ移行する。
【0047】
S8:現在の時刻が翌日扱いマーク無し帳票の帳票読取り可能時間内であると判定したスキャナPC2は、読取った帳票に記載された振込先が他行(自金融機関以外の他の金融機関等)宛てか否かを判定し、振込先が他行であると判定すると処理をS9へ移行し、振込先が自行(自金融機関)であると判定すると処理をS10へ移行する。
【0048】
S9:振込先が他行であると判定したスキャナPC2は、現在の時刻が記憶手段に予め記憶された他行宛振込の帳票の読取り可能時間内であるか否かの判定を行い、現在の時刻が、他行宛振込の帳票読取り可能時間内(例えば、9:00〜14:30)であると判定すると処理をS11へ移行し、他行宛振込の帳票読取り可能時間内でないと判定すると取引データファイルおよび画像データファイルを生成することなく処理をS13へ移行する。
【0049】
S10:一方、S8において、振込先が自行であると判定したスキャナPC2は、現在の時刻が記憶手段に予め記憶された自行宛振込の帳票の読取り可能時間内であるか否かの判定を行い、現在の時刻が、自行宛振込の帳票読取り可能時間内(例えば、9:00〜15:00)であると判定すると処理をS11へ移行し、自行宛振込の帳票読取り可能時間内でないと判定すると取引データファイルおよび画像データファイルを生成することなく処理をS13へ移行する。
【0050】
S11:スキャナPC2は、読取った帳票のイメージデータに基づいてその帳票に記載された文字や数字を認識し、その認識結果としての取引データファイルと、帳票のイメージデータとしての画像データファイルとを生成する。なお、生成する取引データファイルには、帳票に記載された翌日扱いマークの有無を表す情報も含まれている。
【0051】
S12:スキャナPC2は、生成した取引データファイルおよび画像データファイルを為替サーバ4へ送信し、為替サーバ4は受信した取引データファイルおよび画像データファイルを記憶手段に記憶して登録する。
S13:スキャナPC2は、帳票を排出して帳票の読取り処理を終了する。
【0052】
このように帳票に記載された翌日扱いマークの有無により、帳票を読取ることが可能な時間帯と不可能な時間帯を分けるようにしたことにより、オペレータはスキャナPC2の帳票読取り画面を選択する操作が不要になり、帳票を読取るオペレータの操作負担を軽減することができる。
【0053】
次に、為替集中処理システムが行うエントリ/ベリファイ/承認処理を図8の実施例におけるエントリ/ベリファイ/承認処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
S21:エントリ用のエントリPC5またはベリファイ用のエントリPC6は、初回の配信時に上記帳票の読取り処理において為替サーバ4の記憶手段に登録された取引データファイル、すなわち帳票に記載された翌日扱いマークの有無を表す情報も含む取引データファイルおよび画像データファイルを為替画面表示に必要なデータとして為替サーバ4からダウンロードする。
【0054】
S22:エントリ用のエントリPC5またはベリファイ用のエントリPC6は、為替サーバ4からダウンロードした取引データファイル、すなわち帳票に記載された翌日扱いマークの有無を表す情報も含む取引データファイルおよび画像データファイルに基づいて為替画面を表示手段に表示する。
【0055】
また、ベリファイ用のエントリPC6または承認用のエントリPC7は、前段階で更新されて為替サーバ4の記憶手段に登録された取引データファイルおよび画像データファイルを為替画面表示に必要なデータとして為替サーバ4からダウンロードし、ダウンロードした取引データファイル、すなわち帳票に記載された翌日扱いマークの有無を表す情報も含む取引データファイルおよび画像データファイルに基づいてベリファイまたは承認用の為替画面を表示手段に表示する。
【0056】
S23:エントリ用のエントリPC5、ベリファイ用のエントリPC6または承認用のエントリPC7は、オペレータによるデータエントリ、ベリファイ、承認の入力操作を入力手段で受付ける。このとき、帳票に記載された翌日扱いマークの認識結果が確認され、翌日扱いマークが認識されていない場合は、画像データファイルに基づいて当日に振込を行う「当日扱い」または翌日以降に振込を行う「翌日扱い」を表す情報が入力され、その情報が取引データファイルに付加されるものとする。
S24:エントリ用のエントリPC5、ベリファイ用のエントリPC6または承認用のエントリPC7は、入力操作を終了させるオペレータによる操作を受付けると必要な入力操作の受付けを終了する。
【0057】
S25:入力操作の受付けを終了したエントリ用のエントリPC5、ベリファイ用のエントリPC6または承認用のエントリPC7は、入力された情報で為替サーバ4の記憶手段に記憶された取引データファイルを更新する。
S26:また、為替サーバ4は、取引データファイルのエントリ、ベリファイ、承認または処理済の各処理段階を表す処理状況情報を次段階(例えば、ベリファイ、承認または処理済)に更新して記憶手段に記憶し、エントリ/ベリファイ/承認処理を終了する。
【0058】
次に、為替集中処理システムが行うホスト発信制御処理を図9の実施例におけるホスト発信制御処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
S31:為替サーバ4は、ホストコンピュータ11へ送信すべき為替データとしての発信データが未だ作成されていない取引データファイルが記憶手段に記憶されているか否かの判定を行い、発信データが未だ作成されていない取引データファイルが存在すると判定すると処理をS32へ移行し、当該取引データファイルが存在しないと判定すると処理をS36へ移行する。
【0059】
S32:発信データが未だ作成されていない取引データファイルが存在すると判定した為替サーバ4は、記憶手段に記憶された取引データファイルのうち処理状況情報が処理済となっている取引データファイルをすべて抽出し、抽出した取引データファイルに含まれている翌日扱いマークの有無の情報が翌日扱いマーク無し(=「当日扱い」)であるか否かの判定、すなわち当日にホストコンピュータへ発信すべき取引データファイル(当日ホスト発信データ)の存否の判定を行い、翌日扱いマークの有無の情報が「当日扱い」であると判定すると処理をS33へ移行し、抽出したすべての取引データファイルの翌日扱いマークの有無の情報が「当日扱い」でないと判定すると処理をS34へ移行する。
【0060】
S33:為替サーバ4は、翌日扱いマークの有無の情報が「当日扱い」であると判定したすべての取引データファイルを本日に処理すべき取引データファイルとするため、その取引データファイルのホストコンピュータへの発信日付情報を本日の日付として設定し、記憶手段に記憶する。
【0061】
S34:発信データが未だ作成されていない取引データファイルが存在すると判定した為替サーバ4は、記憶手段に記憶された取引データファイルのうち処理状況情報が処理済となっている取引データファイルをすべて抽出し、抽出した取引データファイルに含まれている翌日扱いマークの有無の情報が翌日扱いマーク有り(=「翌日扱い」)であるか否かの判定、すなわち翌日以降にホストコンピュータへ発信すべき取引データファイル(翌日以降ホスト発信データ)の存否の判定を行い、翌日扱いマークの有無の情報が「翌日扱い」であると判定すると処理をS35へ移行し、抽出したすべての取引データファイルの翌日扱いマークの有無の情報が「翌日扱い」でないと判定すると処理をS36へ移行する。
【0062】
S35:為替サーバ4は、翌日扱いマークの有無の情報が「翌日扱い」であると判定したすべての取引データファイルを翌日以降に処理すべき取引データファイルとするため、その取引データファイルのホストコンピュータへの発信日付情報を取引データファイルに含まれる振込指定日に設定して記憶手段に記憶する。
【0063】
S36:為替サーバ4は、翌日扱いマークの有無の情報が「当日扱い」であると判定した取引データファイルであって、ホストコンピュータへの発信日付情報が本日である取引データファイルが記憶手段に記憶されているか否かの判定を行い、記憶されていると判定すると処理をS37へ移行し、記憶されていないと判定すると処理を終了する。
【0064】
また、為替サーバ4は、翌日扱いマークの有無の情報が「翌日扱い」であると判定した取引データファイルであって、ホストコンピュータへの発信日付情報が本日である取引データファイルが記憶手段に記憶されているか否かの判定を行い、記憶されていると判定すると処理をS37へ移行し、記憶されていないと判定すると本処理を終了する。
【0065】
S37:為替サーバ4は、ホストコンピュータへの発信日付情報が本日である取引データファイルに基づいて生成した為替データをホストコンピュータ11へ発信して為替取引を実行し、本処理を終了する。
【0066】
このように帳票に記載された翌日扱いマークの有無により、帳票の為替データのホストコンピュータ11への発信日付情報を設定するようにしたことにより、発信日付の入力が不要になり、エントリPC5、6、7を操作する為替センタのオペレータの操作負担を軽減することができる。
【0067】
なお、スキャナPC2において翌日扱いマークが認識できなかった場合、または非定型帳票やイメージ帳票等の翌日扱いマークを認識できない帳票の場合、為替サーバ4は、図8のS23において発信日入力手段としてのエントリPCで入力された為替データの発信日付を表す情報に基づいてホストコンピュータへの発信日付情報を設定し、ホストコンピュータへの発信処理を行うものとする。
【0068】
以上説明したように、本実施例では、帳票に記載された翌日扱いマークの有無により、帳票を読取ることが可能な時間帯と不可能な時間帯を分けるようにしたことにより、オペレータはスキャナPCの帳票読取り画面を選択する操作が不要になり、帳票を読取るオペレータの操作負担を軽減することができるという効果が得られる。
【0069】
また、帳票に記載された翌日扱いマークの有無により、帳票の為替データのホストコンピュータへの発信日付を設定するようにしたことにより、発信日付の入力が不要になり、エントリPCを操作する為替センタのオペレータの操作負担を軽減することができるという効果が得られる。
なお、本実施例では、帳票の翌日扱いマークを帳票における所定の領域(位置)に予め印刷されたチェックボックスとして説明したが、それに限られるものでなく、翌日扱いマークの有無が判別できるものであれば他のものであっても良い。
【符号の説明】
【0070】
1 為替集中処理システム
2、9 スキャナPC
3 ネットワーク
4 為替サーバ
5、6、7 エントリPC
10 構内回線
11 ホストコンピュータ
20 帳票

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票を読取って生成した為替データに従って為替処理を行う為替集中処理システムにおいて、
帳票の画像データを読取る帳票読取手段と、
前記帳票読取手段で読取った画像データから、該帳票の所定の領域に記載された該帳票の為替取引を翌日以降に処理することを表す翌日扱い情報および該帳票の為替取引を処理する実行日付を認識するとともに、該帳票の記載事項を認識して為替データを生成する帳票認識手段と、
前記翌日扱い情報が記載された帳票を前記帳票読取手段で読取ることが可能な時間帯を表す情報および前記翌日扱い情報が記載されていない帳票を前記帳票読取手段で読取ることが可能な時間帯を表す情報を記憶する記憶手段と、
前記帳票認識手段で認識された翌日扱い情報に基づいて前記記憶手段から前記時間帯を表す情報を抽出し、現在時刻が前記時間帯内にあることを検知して該帳票の為替処理が可能であることを判定する判定手段と、
前記判定手段で該帳票の為替処理が可能と判定され、前記帳票認識手段で前記翌日扱い情報が認識された帳票については上位装置への発信日を前記帳票認識手段で認識された前記実行日付とした為替データを生成し、前記帳票認識手段で前記翌日扱い情報が認識されなかった帳票については前記発信日を当日とした為替データを生成する発信日設定手段と
を備えたことを特徴とする為替集中処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の為替集中処理システムにおいて、
前記為替データの発信日付を入力する操作を受付ける発信日入力手段を備え、
前記帳票認識手段は、前記翌日扱い情報が前記帳票の所定の領域に記載された定型帳票と前記翌日扱い情報が前記帳票の所定の領域に記載されていない非定型帳票とを認識し、
前記発信日設定手段は、前記帳票認識手段で前記翌日扱い情報が記載される領域が認識されなかった帳票については前記発信日を前記発信日入力手段で入力された発信日付とした為替データを生成することを特徴とする為替集中処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の為替集中処理システムにおいて、
前記帳票読取手段、前記帳票認識手段、前記記憶手段および前記判定手段をスキャナコンピュータに備え、
前記発信日設定手段を為替サーバに備え、
前記上位装置をホストコンピュータとし、
前記スキャナコンピュータ、前記為替サーバおよび前記ホストコンピュータが通信回線を介して接続されている
ことを特徴とする為替集中処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の為替集中処理システムにおいて、
前記帳票読取手段、前記帳票認識手段、前記記憶手段および前記判定手段をスキャナコンピュータに備え、
前記発信日設定手段を為替サーバに備え、
前記発信日入力手段をエントリコンピュータに備え、
前記上位装置をホストコンピュータとし、
前記スキャナコンピュータ、前記エントリコンピュータ、前記為替サーバおよび前記ホストコンピュータが通信回線を介して接続されている
ことを特徴とする為替集中処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−37636(P2013−37636A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175302(P2011−175302)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)