説明

焙煎コーンパウダーを使用した容器詰め飲料及びその製造方法

【課題】ポタージュスープの調製材料の天然風味による香味・呈味を補強して、深みのある香味・呈味を付与した嗜好性の高いポタージュスープ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】水分含量7%以下で、100メッシュ篩を50%以上通過する大きさの乾燥粉砕コーンパウダーを、焙煎温度100〜200℃で、黄色〜薄茶色の焙煎色が得られるまで焙煎するポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーの製造方法からなる。該焙煎コーンパウダーは、ポタージュスープに添加して、ポタージュスープに焙煎香と甘味のあるコクを付与し、深みのある香味・呈味を付与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焙煎香味を付与したポタージュスープ及びその製造方法、特に、焙煎コーンパウダーを用いて、コーンポタージュスープのようなポタージュスープに、該焙煎コーンパウダーの焙煎香とコクを付与し、香味及び呈味の深みを増した高香味及び呈味のポタージュスープ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食生活の洋風化にともないスープ類は、一般の家庭でも日常食として飲用されており、家庭で作られると同時に、缶詰食品、レトルトパウチ食品などの形態でも市販されている。その種類は多品種に及んでいる。中でもコーンポタージュスープ等のポタージュスープは、広い世代に好まれ、飲食されている。例えば、コーンポタージュスープは、水に、コーン粒(通常、スイートコーン粒)を砕いたものや、粉砕して裏ごししたもの、食肉(牛肉、鶏肉などの獣鳥肉、魚介類などの肉や骨)或いは、野菜、海草類などを煮出して作った煮出し汁(エキス分)、或いは、これをペースト状、固形にしたもの、油脂、調味料、及び香辛料などの材料を加えて調理することによって作られ、より濃厚で、クリームのような滑らか感のあるものが好まれ、穀粉、或いは、脱脂粉乳、生クリーム、牛乳などの乳成分を加えた、ポタージュ(クリーム)スープとして調製されている。
【0003】
ポタージュスープの調製材料としては、コーンをはじめとして、バレイショ、ニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、エンドウマメ、赤ピーマン、トマト、マイタケ、シイタケ、エノキタケ、キャベツ、アスパラガス、クレソン、ブロッコリ、甘藷等の野菜など種々の材料が用いられ、各種のポタージュスープが提供されている。
【0004】
ポタージュスープを、例えば、缶詰食品、レトルトパウチ食品などの形態で製品化するに際しては、その物性や呈味、風味、或いは保存性を改善するために各種の方法が提案されている。例えば、特開平7−51030号公報には、水、コーン、食塩と、肉エキス、野菜エキス或いは蛋白質加水分解物からなるコーンスープに粒子径が1μm以下の油滴の状態で分散されている油脂を含有させ、少ない油脂含有量であっても、コク、乳風味が増強され、油脂含有量が多くてもべたつかないコーンスープが、特開平7−327645号公報には、微小繊維状セルロースの網状構造の間隙に多糖類を介在させ、これに補助材料及び水を混合して得た濃縮液状のスープの素を、凍結真空乾燥して固形化ポタージュスープとすることにより、熱湯を注いで復元した場合に、粉末臭のない良好な風味のポタージュスープとしたものが開示されている。
【0005】
また、特開平10−136950号公報には、野菜搾汁液に澱粉質を添加して加熱する野菜ポタージュスープの製造方法において、澱粉質として馬鈴薯澱粉と化工澱粉とを用いることにより、レトルト殺菌処理後も香味を損なうことなく適度な粘性を有するとともに色調の劣化を抑えた野菜ポタージュスープの製造方法について、特開2007−97439号公報には、澱粉、脂質含有固形分を含むポタージュスープにグリシンからなる静菌剤を添加することによって高温耐熱性グラム陽性芽胞形成細菌に対して安定なポタージュスープを製造する方法が、及び、特開2009−39071号公報には、油脂原料に過酸化物価が0〜0.3であり、酸化防止剤を添加してCDM値を13〜25時間の範囲に調整した豚脂を使用して加熱調理して得られ、保存、流通時に味の維持が可能なパック入り液状ポタージュスープが開示されている。
【0006】
上記のとおり、従来より、ポタージュスープの調製材料としてコーンを始めとして、種々の原材料が用いられ、各種のポタージュスープが調整され、また、添加する成分の調整により、その物性や呈味、風味、或いは保存性の改善が図られている。しかしながら、ポタージュスープの香味及び呈味は、基本的には、ポタージュスープの調製材料の天然風味によるものであるから、コクや呈味があっても、比較的深みのない、単調なものとなり、嗜好性の上から必ずしも充足感のあるものとなっていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−51030号公報。
【特許文献2】特開平7−327645号公報。
【特許文献3】特開平10−136950号公報。
【特許文献4】特開2007−97439号公報。
【特許文献5】特開2009−39071号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、ポタージュスープの調製材料の天然風味による香味・呈味を補強して、深みのある香味・呈味を付与した嗜好性の高いポタージュスープ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく、ポタージュスープの調製材料の天然風味による香味・呈味を補強して、調和した深みのある香味・呈味を付与した嗜好性の高いポタージュスープを製造するための香味・呈味の付与について鋭意検討する中で、焙煎香によるポタージュスープの香味の付与に着目し、更に検討する中で、特定の水分含量に乾燥し、特定の大きさに粉砕した乾燥粉砕コーンパウダーを、焙煎温度100〜200℃で、黄色〜薄茶色の焙煎色が得られるまで焙煎したものを調製し、該焙煎コーンパウダーをポタージュスープに添加することにより、ポタージュスープに焙煎香と甘味のあるコクを付与し、ポタージュスープの元来の香味・呈味と調和した、深みのある香味・呈味を付与する焙煎コーンパウダーを製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、水分含量7%以下で、100メッシュ篩を50%以上通過する大きさの乾燥粉砕コーンパウダーを、焙煎温度100〜200℃で、黄色〜薄茶色の焙煎色が得られるまで焙煎するポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーの製造方法からなる。該焙煎コーンパウダーは、ポタージュスープに添加して、ポタージュスープに焙煎香と甘味のあるコクを付与し、深みのある香味・呈味を付与することができる。
【0011】
本発明の焙煎コーンパウダーの製造方法においては、乾燥粉砕コーンパウダーを、焙煎温度100〜200℃で、黄色〜薄茶色の焙煎色が得られるまで焙煎するが、かかる場合の焙煎色としては、分光式色彩計による反射率の測定において、L値40〜75、色度a値2〜16、色度b値32〜39なる数値で表示することができる。本発明の焙煎コーンパウダーの製造方法によって製造される焙煎コーンパウダーは、各種ポタージュスープに添加して深みのある香味・呈味を付与する焙煎香とコクを付与することができるが、該焙煎コーンパウダーは、特に、コーンポタージュスープ用として用いて、調和のある焙煎香とコクを付与することができる。
【0012】
本発明は、本発明の焙煎コーンパウダーの製造方法により製造された焙煎コーンパウダーを、ポタージュスープに添加することにより、焙煎香とコクを付与したポタージュスープの製造方法の発明を包含する。該ポタージュスープの製造方法において、焙煎コーンパウダーの添加率は、ポタージュスープの全量に対して、0.1〜0.5重量%であることが好ましい。また、本発明は、本発明のポタージュスープの製造方法によって製造された、焙煎香とコクを付与したポタージュスープ自体の発明を包含する。
【0013】
すなわち、具体的には本発明は、(1)水分含量7%以下で、100メッシュ篩を50%以上通過する大きさの乾燥粉砕コーンパウダーを、焙煎温度100〜200℃で、黄色〜薄茶色の焙煎色が得られるまで焙煎することを特徴とするポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーの製造方法や、(2)黄色〜薄茶色の焙煎色が、分光式色彩計による反射率の測定において、L値40〜75、色度a値2〜16、色度b値32〜39であることを特徴とする上記(1)記載のポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーの製造方法や、(3)ポタージュスープが、コーンポタージュスープであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーの製造方法や、(4)上記(1)〜(3)のいずれか記載の焙煎コーンパウダーの製造方法により製造されたポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーからなる。
【0014】
また、本発明は、(5)上記(1)〜(3)のいずれか記載の焙煎コーンパウダーの製造方法により製造された焙煎コーンパウダーを、ポタージュスープに添加することを特徴とする焙煎香とコクを付与したポタージュスープの製造方法や、(6)焙煎コーンパウダーの添加率が、ポタージュスープの全量に対して、0.1〜0.5重量%であることを特徴とする上記(5)記載の焙煎香とコクを付与したポタージュスープの製造方法や、(7)上記(5)又は(6)記載のポタージュスープの製造方法によって製造された焙煎香とコクを付与したポタージュスープや、(8)ポタージュスープが、コーンポタージュスープであることを特徴とする上記(7)記載の焙煎香とコクを付与したポタージュスープからなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、ポタージュスープに焙煎香と甘味のあるコクを付与し、深みのある香味・呈味を付与する焙煎コーンパウダーを提供して、従来のポタージュスープの調製材料の天然風味による香味及び呈味を補強して、深みのある香味・呈味を付与した嗜好性の高いポタージュスープを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、水分含量7%以下で、100メッシュ篩を50%以上通過する大きさの乾燥粉砕コーンパウダーを、焙煎温度100〜200℃で、黄色〜薄茶色の焙煎色が得られるまで焙煎するポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーの製造方法からなる。該焙煎コーンパウダーの製造に用いられるコーンの品種は特に限定されないが、特に好ましいコーンとして、スイートコーンを挙げることができる。
【0017】
本発明において、焙煎香とコクを付与するポタージュスープとしては、コーンをはじめとして、バレイショ、ニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、エンドウマメ、赤ピーマン、トマト、マイタケ、シイタケ、エノキタケ、キャベツ、アスパラガス、クレソン、ブロッコリ、甘藷等の野菜など種々の材料から調製されるポタージュスープを挙げることができるが、特に好ましいポタージュスープとして、コーンポタージュスープを挙げることができる。
【0018】
本発明の焙煎コーンパウダーの製造方法において、焙煎に用いられるコーンは、水分含量7%以下に乾燥するとともに、100メッシュ篩を50%以上通過する大きさに粉砕された乾燥粉砕コーンパウダーが用いられる。水分含量が7%以上であると、焙煎香による甘味とコクを付与できる焙煎コーンパウダーが付与できず、また、粉砕度が100メッシュ篩を50%以上通過する大きさ以上であると、均一な焙煎香味が得られないばかりでなく、焙煎コーンパウダーをポタージュスープに添加した場合に均質な分散ができなく、スープとして不適な外観を呈する。ここで、メッシュの規格には主にTylerとUSSがあり、本発明において特に断りのない場合は、Tyler規格のメッシュとする。乾燥粉砕コーンパウダー調製のための乾燥及び粉砕手段は、適宜、公知の乾燥及び粉砕手段を用いることができる。
【0019】
焙煎コーンパウダーの製造方法における焙煎は、焙煎温度100〜200℃で、黄色〜薄茶色の焙煎色が得られるまで焙煎することにより行なわれる。該黄色〜薄茶色の焙煎色は、分光式色彩計による反射率の測定において、L値40〜75、色度a値2〜16、色度b値32〜39として表示することができる。発明の効果においてより好ましくは、L値45〜55、色度a値11〜16、色度b値33〜37である。かかる焙煎の方法は、熱風式、ドラム式等いずれの方式の焙煎方法を用いることができる。焙煎時間は、用いる焙煎装置によって相違するが、通常、5〜70分の範囲が用いられる。焙煎温度が上記温度範囲より低いと、焙煎香が弱く、好ましい焙煎香を付与することができず、また、上記温度範囲より高いと、焦げ臭、えぐみが強くなり、好ましい焙煎香を付与することができない。
【0020】
本発明の焙煎香とコクを付与したポタージュスープの製造方法は、ポタージュスープの製造工程において、本発明の焙煎コーンパウダーの製造方法により製造された焙煎コーンパウダーを添加することによって行なうことができる。本発明において、本発明の焙煎コーンパウダーの製造方法により製造された焙煎コーンパウダーを添加する点を除いて、ポタージュスープの製造方法自体は、従来のポタージュスープの製造方法と変わるところはない。焙煎コーンパウダーは、ポタージュスープの製造の適宜の工程で添加することができる。例えば、ポタージュスープの製造工程の原料調合工程で添加し、均質化処理工程、レトルト殺菌処理工程を経て、製品化することができる。本発明の焙煎香とコクを付与したポタージュスープの製造方法において、添加する焙煎コーンパウダーは、焙煎コーンパウダーの添加率が、ポタージュスープの全量に対して、0.1〜0.5重量%であることが好ましい。該範囲より少ないと、十分な焙煎香とコクが得られないし、また、該範囲より多いと、焙煎香が強くなりすぎ、ポタージュスープの元来の香味との調和が取れなくなる。
【0021】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は該実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
[I.焙煎試験]
<方法>
(1)焙煎方法:
サンプル0.5gを、アルミ箔を敷いた一定温度の加熱プレート上に面積10cmとなるように置き、適宜攪拌しながら一定時間焙煎した。サンプルの状態は表1(焙煎試験サンプル)のとおりである。なお、水分含量の測定にはエー・アンド・デイ社製自動水分測定装置MX50を使用した。すなわち、各サンプル1gに対し、加熱温度120℃として測定を行った。
【0023】
【表1】

【0024】
(2)評価方法:
得られた焙煎サンプルの外観と香味を官能にて評価した。官能評価は訓練されたパネルが行い、スコアとコメントにて比較した。スコアは表2のとおりである。
【0025】
【表2】

【0026】
<結果>
焙煎されたサンプルパウダーの評価結果を表3(焙煎されたサンプルパウダーの評価結果)に示す。比較例2は、外観と香味はやや好ましいものであったが、アルミ箔へのこびりつきが発生するため工業的には好ましくないと判断された。
【0027】
【表3】

【実施例2】
【0028】
[II.焙煎パウダー製造試験]
<方法>
(1)焙煎、パウダー化:
実施例2:市販のスイートコーンパウダー(水分含量5%以下、粒度USS35メッシュ通過率99%)20kgを容量100Lの加熱容器に投入した。その後、加熱し、品温110℃以上で70分間保持し、冷却して焙煎コーンパウダーを得た。なお、USS35メッシュ篩(目開き500μm)は、ほぼTyler規格32メッシュ(目開き495μm)に相当する。
比較例5:スイートコーンを粒のまま同様の装置にて焙煎し、粉砕してパウダーとした。
【0029】
(2)評価方法
得られた焙煎サンプルの外観と香味を官能にて評価した。官能評価は訓練されたパネルがコメントにて行った。
【0030】
<結果>
結果を表4に示す。
【0031】
【表4】

【実施例3】
【0032】
[III.焙煎スイートパウダーの色差測定試験]
<方法>
(1)焙煎方法:
試験Iにおける比較例1と同じ未焙煎スイートコーンパウダー40gを、アルミ箔を敷いた一定温度の加熱プレート上に面積50cmとなるように置き、適宜攪拌しながら110〜180℃で適当時間焙煎した(実施例3、実施例4、実施例5)。試験IIにおける実施例2と同じ焙煎スイートコーンパウダー40gを、アルミ箔を敷いた一定温度の加熱プレート上に面積50cmとなるように置き、適宜攪拌しながら160〜190℃で適当時間焙煎した(実施例6;160℃15分間+180℃5分間、比較例6;180℃15分、比較例7;180℃25分+190℃20分)。
【0033】
(2)評価方法:
得られた焙煎スイートコーンパウダーサンプルを日本電色工業社製分光式色彩計SA−2000にて反射率を用いL*a*b*を測定した。L*a*b*表色系では明度をL*、色相と彩度をあらわす色度はa*b*という単位で表しa*b*はそれぞれ色の方向を示しており、a*は赤(+)-緑(-)方向、b*は黄(+)-青(-)方向を表す。また、各パウダーサンプルの香味評価を行った。評価方法は、I.焙煎試験の評価方法に準じた。
【0034】
<結果>
結果を表5(各サンプルのLab測定結果と香味評価結果)に示す。結果より、焙煎パウダーのL値は40〜75、かつa値は2〜16、かつb値は32〜39であることが好ましく、更に好ましくはL値は45〜55、かつa値は11〜16、b値は33〜37と評価された。
【0035】
【表5】

【実施例4】
【0036】
[IV.コーンポタージュ飲料製造試験]
<方法>
(1)製造方法:
「II.焙煎パウダー製造試験」で得られた焙煎コーンパウダーを使用して、コーンポタージュ飲料を製造した。組成は表6(コーンポタージュ飲料組成)のとおりである。該コーンポタージュ飲料は、粒コーン・でんぷん以外を除いた各原料を調合タンク内で混合し、ホモゲナイザーにて均質化処理(150kg/cm)を行い得た液に、でんぷんを加え十分に撹拌した。80℃での加熱を行い、予め粒コーンを充填した金属缶に充填後、中心温度が120℃4分の条件でレトルト殺菌を行った。
【0037】
(2)評価方法
評価方法は、焙煎試験の評価方法に準じた。
【0038】
【表6】

【0039】
<結果>
結果を表7に示す。焙煎スイートコーンパウダー(実施例2)を添加率0.1〜0.5%(好ましくは、0.1〜0.2%)で使用したとき、殺菌前と殺菌後のいずれにおいても、不快な焦げ臭や、焦げ味を感じないうえに、好ましい焙煎香・焙煎味が感じられ美味であり、良好な外観であった。一方、焙煎スイートコーンパウダー(比較例5)を使用した場合、殺菌前後いずれにおいても香味、外観ともに良好でなかった。
【0040】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、ポタージュスープに焙煎香と甘味のあるコクを付与し、深みのある香味・呈味を付与する本発明の焙煎コーンパウダーを提供して、従来のポタージュスープの調製材料の天然風味による比較的深みのない、単調な香味及び呈味を補強して、深みのある香味・呈味を付与した嗜好性の高いポタージュスープを提供する。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分含量7%以下で、100メッシュ篩を50%以上通過する大きさの乾燥粉砕コーンパウダーを、焙煎温度100〜200℃で、黄色〜薄茶色の焙煎色が得られるまで焙煎することを特徴とするポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーの製造方法。
【請求項2】
黄色〜薄茶色の焙煎色が、分光式色彩計による反射率の測定において、L値40〜75、色度a値2〜16、色度b値32〜39であることを特徴とする請求項1記載のポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーの製造方法。
【請求項3】
ポタージュスープが、コーンポタージュスープであることを特徴とする請求項1又は2記載のポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダーの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか記載の焙煎コーンパウダーの製造方法により製造されたポタージュスープ添加用焙煎コーンパウダー。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか記載の焙煎コーンパウダーの製造方法により製造された焙煎コーンパウダーを、ポタージュスープに添加することを特徴とする焙煎香とコクを付与したポタージュスープの製造方法。
【請求項6】
焙煎コーンパウダーの添加率が、ポタージュスープの全量に対して、0.1〜0.5重量%であることを特徴とする請求項5記載の焙煎香とコクを付与したポタージュスープの製造方法。
【請求項7】
請求項5又は6記載のポタージュスープの製造方法によって製造された焙煎香とコクを付与したポタージュスープ。
【請求項8】
ポタージュスープが、コーンポタージュスープであることを特徴とする請求項7記載の焙煎香とコクを付与したポタージュスープ。


【公開番号】特開2013−63033(P2013−63033A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203450(P2011−203450)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(391058381)キリンビバレッジ株式会社 (94)
【出願人】(505144588)キリン協和フーズ株式会社 (50)
【Fターム(参考)】