説明

無人契約端末装置

【課題】顧客の個人情報を記入する契約申込み用紙に書き損じが生じた場合、書き損じた契約申込み用紙を回収した後に、新たな契約申込み用紙の再発行することによって、書き損じた契約申込み用紙を確実に回収することができ、顧客の個人情報の漏洩(えい)を確実に防止することができるようにする。
【解決手段】個人情報を含む必要事項を記入する契約申込み用紙を発行する無人契約端末装置10であって、前記必要事項の記入に不備があり、前記契約申込み用紙の再発行が指示されると、契約不成立用紙を回収する案内を表示し、前記契約不成立用紙を装置内に回収したという条件の下で、前記契約申込み用紙を再発行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人契約端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行、信用金庫、消費者金融会社、信販会社等の金融機関や、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の商店店舗、駐車場、道路脇(わき)等に配設された無担保ローン端末、無人カードローン端末等の無人契約端末装置は、顧客が自分で操作して無担保ローン、カードローン等の契約を行うようになっている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
この場合、前記金融機関、商店店舗等に配設された無人契約端末装置は、無人契約システムにおける運用管理センタに配設された運用管理サーバ、オペレータ端末等とネットワークを介して通信可能に接続されている。そして、前記運用管理サーバは、それぞれの無人契約端末装置の動作が正常か否かを監視するとともに、無人契約システム全体の動作を制御する。また、前記運用管理センタにおけるオペレータは、前記オペレータ端末を操作して前記無人契約端末装置を操作する顧客に対応する。
【0004】
そして、該顧客は、前記無人契約端末装置を操作して、無担保ローン、カードローン等のローン契約を行うために必要な手続きを実行する。
【0005】
まず、顧客が無人契約端末装置の操作を開始すると、該無人契約端末装置の表示手段に、無担保ローン、カードローン等の内容や契約手続きに関する案内が表示される。なお、スピーカ等の音声出力手段からの音声によって案内が行われてもよい。そして、契約手続きが開始されると、無人契約端末装置の印刷手段が、契約書のフォーマットが印刷された用紙を発行する。すると、前記顧客は、住所、氏名等の個人情報を前記用紙に記入し、該用紙を無人契約端末装置に読み取らせる。そして、運用管理センタにおけるオペレータが用紙の記入内容を確認して、間違いがなければ、前記用紙は無人契約端末装置の回収ボックス内に回収される。続いて、前記顧客の本人確認や信用情報の審査が行われ、本人確認や信用情報の審査が終了すると、ローン契約が完了する。
【0006】
このように、顧客は、前記無人契約端末装置を操作することによって、金融機関の窓口に出向く必要がないので、手間がかからず、迅速に、無担保ローン、カードローン等のローン契約を行うことができる。
【特許文献1】特開2001−195525号公報
【特許文献2】特開平10−254952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の無人契約端末装置においては、顧客が契約書のフォーマットが印刷された用紙への記入を誤った場合、すなわち、用紙を書き損じた場合、顧客が入力手段を操作することによって前記用紙は再発行されるが、書き損じた用紙は、無人契約端末装置の近傍に配設されたゴミ箱等に投入して廃棄されるようになっている。そのため、書き損じて廃棄された用紙に記載された顧客の個人情報が第三者に読み取られてしまう可能性がある。
【0008】
本発明は、前記従来の方法の問題点を解決して、顧客の個人情報を記入する契約申込み用紙に書き損じが生じた場合、書き損じた契約申込み用紙を回収した後に、新たな契約申込み用紙を再発行することによって、書き損じた契約申込み用紙を確実に回収することができ、顧客の個人情報の漏洩(えい)を確実に防止することができる無人契約端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の無人契約端末装置においては、個人情報を含む必要事項を記入する契約申込み用紙を発行する無人契約端末装置であって、前記必要事項の記入に不備があり、前記契約申込み用紙の再発行が指示されると、契約不成立用紙を回収する案内を表示し、前記契約不成立用紙を装置内に回収したという条件の下で、前記契約申込み用紙を再発行する。
【0010】
本発明の他の無人契約端末装置においては、さらに、前記装置内に回収した契約不成立用紙を、契約成立用紙を収納する回収ボックスと別個の回収ボックスに収納する。
【0011】
本発明の更に他の無人契約端末装置においては、さらに、前記装置内に回収した契約不成立用紙を裁断し、該契約不成立用紙に記入された文字を判読し難くする。
【0012】
本発明の更に他の無人契約端末装置においては、さらに、前記装置内に回収した契約不成立用紙に再印刷を施して、該契約不成立用紙に記入された文字を判読し難くする。
【0013】
本発明の更に他の無人契約端末装置においては、個人情報を含む必要事項を記入する契約申込み用紙を発行する無人契約端末装置であって、印刷用紙を収容する用紙カセットと、該用紙カセットから繰り出された印刷用紙に所定のフォーマットを印刷して契約申込み用紙を発行する印刷部と、発行された契約申込み用紙の排出及び前記必要事項が記入された契約申込み用紙の挿入が行われる用紙入出口と、該用紙入出口から挿入された前記契約申込み用紙のイメージを読み取るイメージ読取部と、契約成立用紙を収納する回収ボックスと、契約不成立用紙を収納する回収ボックスとを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、無人契約端末装置においては、顧客の個人情報を記入する契約申込み用紙に書き損じが生じた場合、書き損じた契約申込み用紙を回収した後に、新たな契約申込み用紙を再発行するようになっている。そのため、書き損じた契約申込み用紙を確実に回収することができ、顧客の個人情報の漏洩を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の第1の実施の形態における無人契約端末装置の要部の構成を示す図、図2は本発明の第1の実施の形態における無人契約システムの構成を示す図である。
【0017】
図2において、20は無人契約システムであり、無人契約端末装置10及びセンタ端末装置23を有する。なお、前記無人契約端末装置10の数は、通常複数であり、任意に設定することができる。
【0018】
ここで、前記無人契約端末装置10は、銀行、信用金庫、消費者金融会社、信販会社等の金融機関の顧客が無担保ローン、カードローン等のローン契約を行うために自分で操作する無担保ローン端末、無人カードローン端末等であるが、新規の口座開設、住所変更届の受付、通帳の発行等の他の機能を有する多機能端末であってもよい。また、前記無人契約端末装置10は、前記金融機関の本店、支店等、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等の商店店舗、駅の構内、地下街、市役所、病院等の公共施設、工場、事務所等の私企業、駐車場、道路脇等の屋外など、いかなる場所に配設されていてもよい。
【0019】
なお、前記無人契約端末装置10は、ローンカードを発行する機能を備えるものである。さらに、前記無人契約端末装置10は、ATM(Automatic Teller Machine:現金自動預払機)の機能を備えるものであってもよい。この場合、前記顧客は、無人契約端末装置10を操作することによって、入金、出金、通帳記帳、残高照会、振込、振替、送金、定期性預金設定等の金融サービスを利用することができる。
【0020】
そして、前記無人契約端末装置10は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信するための通信手段等を備える一種のコンピュータであり、身分証明書、契約書等を読み取るための読取手段としての図示されないイメージスキャナ装置、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示手段から成る表示部11、該表示部11の画面上に配設されたタッチスイッチ等の入力手段から成る入力部12を有する。また、前記無人契約端末装置10は、音声案内のためのスピーカ等の図示されない音声出力手段、顧客の音声を入力するためのマイクロフォン等の図示されない音声入力手段、及び、顧客の静止画像又は動画像を撮影するためのカメラ、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)装置等の撮影手段14を有している。さらに、前記無人契約端末装置10は、画像、音声及び各種データの通信制御を行うマルチメディア通信制御装置13、及び、無人契約端末装置10全体の動作を制御する主制御部21を有する。なお、該主制御部21は、CD−ROM、ハードディスク等の記憶媒体を備え、各種データやプログラムを格納することができる外部記憶装置15、及び、該外部記憶装置15に格納されたMPEG(Moving Picture Experts Group)等の圧縮方式に従って圧縮された動画データを取得し、MPEGエンジンによるハード再生を行い、表示部11の所望の領域に表示する動画表示制御部16を有する。
【0021】
また、前記無人契約端末装置10は、ローンカード、クレジットカード等を発行するためのカード発行機を備える。さらに、前記無人契約端末装置10は、ATMの機能を備えるものである場合、キャッシュカード、クレジットカード、ICカード等のカードを取り扱うカード取扱装置、取引明細票等を発行する印刷装置、預金通帳等の通帳に記帳する通帳記帳装置、紙幣又は貨幣を取り扱う貨幣入出金装置を有する。該貨幣入出金装置は、入金等の金融取引や借入金の返済等の支払い手続きにおいて顧客が入金した現金を受け取りカウントするとともに、出金等の金融取引や現金の借入等の支払い手続きにおいて所定金額の貨幣又は硬貨を払い出す。
【0022】
また、前記無人契約端末装置10は、ネットワーク22に通信可能に接続されている。ここで、該ネットワーク22は、無線又は有線の専用通信回線網又は公衆通信回線網、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等いかなるものであってもよい。なお、前記ネットワーク22は、公衆通信回線網を利用したVPN(Virtual Private Network)であってもよい。
【0023】
そして、前記ネットワーク22には、無人契約システム20における運用管理センタに配設された前記センタ端末装置23が通信可能に接続されている。ここで、該センタ端末装置23は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ等の表示手段、通信手段、マイクロフォン等の音声入力手段、スピーカ等の音声出力手段、印刷機等を備えるコンピュータである。そして、前記運用管理センタにおけるオペレータは、前記センタ端末装置23を操作して無人契約端末装置10を操作する顧客に対応し、顧客の入力及び操作による情報や撮影手段14を介して取得した顧客の画像に基づいて、顧客の本人確認や信用情報の審査を行い、契約処理を遂行する。
【0024】
本実施の形態において、前記無人契約端末装置10は、契約書等の所定のフォーマットが印刷された契約申込み用紙の発行及び回収を行うために、図1に示されるような構成を備える。図1において、31はフォーマットが印刷される前の用紙としての印刷用紙が収容されている用紙カセットである。そして、32は用紙が搬送される搬送路であり、一端が分岐して、用紙カセット31に接続されている。また、33は、用紙カセット31から排出され、搬送路32を通って搬送された印刷用紙に契約書等の所定のフォーマットを印刷して契約申込み用紙を発行する印刷部であり、搬送路32の途中に配設されている。さらに、34は、発行された契約申込み用紙の排出、及び、顧客によって必要事項が記入されて回収される契約申込み用紙の挿入が行われる用紙入出口であり、搬送路32の他端に接続されている。さらに、35は前記用紙入出口34から挿入された契約申込み用紙のイメージを読み取るイメージ読取部であり、搬送路32の途中に配設されている。さらに、36は必要事項の記入が適切に行われ、契約を成立させることのできる契約申込み用紙、すなわち、契約成立用紙を回収する回収ボックスであり、搬送路32の分岐した一端に接続されている。さらに、37は、必要事項の記入に不備があり契約を成立させることができない契約申込み用紙、すなわち、契約不成立用紙であって、廃棄すべき用紙を回収する回収ボックスとしての廃棄用紙回収ボックスであり、搬送路32の分岐した一端に接続されている。
【0025】
次に、前記構成の無人契約端末装置10の動作について説明する。
【0026】
図3は本発明の第1の実施の形態における無人契約端末装置の動作を示すフローチャートである。
【0027】
まず、顧客が無人契約端末装置10の操作を開始すると、該無人契約端末装置10の表示部11に、無担保ローン、カードローン等の内容や契約手続きに関する案内が表示される。なお、スピーカ等の音声出力手段からの音声によって案内が行われてもよい。そして、前記顧客は無人契約端末装置10の入力部12を操作してローン契約の申込みを開始する。これにより、前記無人契約端末装置10が取引を開始する。なお、運用管理センタのオペレータが操作するセンタ端末装置23も、前記無人契約端末装置10が取引を開始したことを受信して、取引を開始する。
【0028】
そして、取引が開始されると、無人契約端末装置10は、用紙繰り出しを行い、用紙カセット31からフォーマットが印刷される前の用紙を繰り出す。該用紙は、搬送路32を搬送され、印刷部33に到達する。すると、該印刷部33は、用紙印刷を行い、ローン契約の契約書のフォーマットを印刷用紙に印刷する。続いて、無人契約端末装置10は、用紙排出を行い、契約書のフォーマットが印刷された用紙、すなわち、契約申込み用紙を用紙入出口34から排出する。これにより、契約書のフォーマットが印刷された契約申込み用紙の発行が完了する。そして、顧客は発行された契約申込み用紙の所定欄に住所、氏名等の個人情報を含む必要事項を記入する。
【0029】
続いて、前記顧客は、申込み用紙記入OKか否かを判断する。この場合、前記顧客は、契約申込み用紙の記入に誤りがないか否か、すなわち、書き損じがないか否かを自分で判断する。そして、書き損じがない場合、申込み用紙記入OKと判断して、無人契約端末装置10の用紙入出口34に必要事項を記入した契約申込み用紙を挿入する。すると、無人契約端末装置10は、用紙吸入を行い、挿入された契約申込み用紙をイメージ読取部35にまで搬送する。すると、イメージ読取部35は、用紙イメージ読み取りを行い、用紙入出口34から挿入された契約申込み用紙のイメージを読み取る。そして、契約申込み用紙のイメージは、無人契約端末装置10からネットワーク22を介してセンタ端末装置23に送信される。
【0030】
続いて、オペレータは、センタ端末装置23を操作して、契約申込み用紙のイメージに基づき、センタの内容確認OKか否かを判断する。この場合、オペレータは、契約申込み用紙のイメージを視認することによって、契約申込み用紙に必要事項が適切に記入されているか否かを判断する。そして、必要事項が適切に記入されている場合、センタの内容確認OKと判断し、その旨をセンタ端末装置23を操作して無人契約端末装置10に送信する。すると、無人契約端末装置10は、用紙回収を行い、契約申込み用紙を搬送路32を介して回収ボックス36にまで搬送し、該回収ボックス36に収容して回収し、取引を終了する。
【0031】
一方、顧客が契約申込み用紙の書き損じがないか否かを自分で判断して書き損じがある場合、申込み用紙記入OKでないとして、再印刷指示を行う。この場合、顧客は、無人契約端末装置10の入力部12を操作して、契約書のフォーマットが印刷された契約申込み用紙の再発行を行わせる指示を入力するとともに、無人契約端末装置10の用紙入出口34に書き損じた契約申込み用紙を挿入する。すると、無人契約端末装置10は、表示部11に再印刷することを表示し、用紙を吸入し、OCR(Optical Character Reader)読み取りをする。この場合、無人契約端末装置10は、表示部11に契約申込み用紙の再発行が行われる旨を表示するとともに、挿入された書き損じた契約申込み用紙をイメージ読取部35まで搬送する。すると、該イメージ読取部35はOCR読み取りを行い、書き損じた契約申込み用紙に記入された必要事項の文字認識を行う。
【0032】
続いて、無人契約端末装置10は、正しく記載された箇所を認識し、吸入した用紙を回収ボックスに回収し、プレ印刷して再発行する。すなわち、無人契約端末装置10は、挿入された書き損じた契約申込み用紙を廃棄用紙回収ボックス37まで搬送し、該廃棄用紙回収ボックス37に収容して回収するとともに、書き損じた契約申込み用紙に記入された必要事項の中から適切に記入された事項を認識し、契約書のフォーマットを用紙に印刷する際に、前記適切に記入された事項も印刷するようにする。
【0033】
ここで、無人契約端末装置10は、書き損じた契約申込み用紙において、取消線を引いたりすることによって修正された箇所、本来必要事項が記入されるべき箇所であって何も記入されていない箇所等を認識することによって、適切に記入された事項を認識する。なお、イメージ読取部35がOCR読み取りを行った結果を表示部11に表示し、適切に記入された事項を顧客に指示させるようにすることもできる。この場合、顧客は、表示部11に表示された必要事項の中から適切に記入された事項にラインを引く等の操作を行うことによって、適切に記入された事項を指示することができる。
【0034】
このように、再発行される契約申込み用紙には、一度適切に記入された事項があらかじめ印刷された状態となっているので、顧客は必要事項の記入を重複して行う必要がない。そして、無人契約端末装置10は、再び、用紙繰り出しを行い、前述の動作を繰り返して行う。
【0035】
また、オペレータが契約申込み用紙に必要事項が適切に記入されているか否かを判断して必要事項が適切に記入されていない場合、センタの内容確認OKでないとして、用紙書き直しか否かを判断する。この場合、オペレータは契約申込み用紙における必要事項の記入の不備の程度が書き損じに該当するものであるか否かを判断する。そして、不備の程度が軽微なもので書き損じに該当しない場合、用紙書き直しではないと判断し、その旨をセンタ端末装置23を操作して無人契約端末装置10に送信する。すると、無人契約端末装置10は、用紙排出を行い、契約申込み用紙を用紙入出口34から排出する。この場合、無人契約端末装置10は、記入された事項の訂正を行う旨の顧客に対する指示を表示部11に表示する。すると、顧客は、表示部11に表示された指示に従って、記入訂正を行い、契約申込み用紙に記入した事項の訂正を行う。続いて、顧客が記入した事項の訂正を行った契約申込み用紙を挿入すると、無人契約端末装置10は、再び、用紙吸入を行い、前述の動作を繰り返して行う。
【0036】
なお、オペレータは、契約申込み用紙における必要事項の記入の不備の程度が書き損じに該当するものであるか否かを判断して、書き損じに該当するものである場合、用紙書き直しである旨をセンタ端末装置23を操作して無人契約端末装置10に送信する。すると、無人契約端末装置10は、表示部11に再印刷することを表示し、用紙を吸入し、OCR読み取りをする。そして、正しく記載された箇所を認識し、吸入した用紙を回収ボックスに回収し、プレ印刷して再発行を行い、前述の動作を繰り返して行う。この場合、オペレータが表示された必要事項の中から適切に記入された事項にラインを引く等の操作を行うことによって、適切に記入された事項を指示することができる。
【0037】
次にフローチャートについて説明する。
ステップS1 用紙を繰り出す。
ステップS2 用紙を印刷する。
ステップS3 用紙を排出する。
ステップS4 申込み用紙記入OKか否かを判断する。申込み用紙記入OKの場合はステップS5に進み、申込み用紙記入OKでない場合はステップS9に進む。
ステップS5 用紙を吸入する。
ステップS6 用紙イメージを読み取る。
ステップS7 センタの内容確認OKか否かを判断する。センタの内容確認OKの場合はステップS8に進み、センタの内容確認OKでない場合はステップS12に進む。
ステップS8 用紙を回収し、処理を終了する。
ステップS9 再印刷指示を出す。
ステップS10 表示部に再印刷することを表示し、用紙を吸入し、OCR読み取りをする。
ステップS11 正しく記載された箇所を認識し、吸入した用紙を回収ボックスに回収し、ステップS1に戻る。
ステップS12 用紙の書き直しをするか否かを判断する。用紙の書き直しをする場合はステップS10に戻り、用紙の書き直しをしない場合はステップS13に進む。
ステップS13 用紙を排出する。
ステップS14 記入した申込み用紙を訂正し、ステップS5に戻る。
【0038】
このように、本実施の形態において、無人契約端末装置10は、顧客が契約申込み用紙に必要事項を記入する際に書き損じが生じた場合、書き損じた契約申込み用紙を回収してから、新たな契約申込み用紙を再発行するようになっている。そのため、書き損じた契約申込み用紙を確実に回収することができ、該契約申込み用紙に記入された顧客の個人情報の漏洩を確実に防止することができる。また、書き損じた契約申込み用紙が、必要事項が適切に記入された契約申込み用紙が回収される回収ボックス36とは別個の廃棄用紙回収ボックス37に回収されるので、書き損じた契約申込み用紙と、必要事項が適切に記入された契約申込み用紙とを分別する手間を省くことができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0040】
図4は本発明の第2の実施の形態における無人契約端末装置の要部の構成を示す図である。
【0041】
本実施の形態における無人契約端末装置10は、前記第1の実施の形態における廃棄用紙回収ボックス37に代えて、シュレッダー処理部41を有する。該シュレッダー処理部41は、必要事項の記入が不適切に行われた用紙、すなわち、契約不成立用紙であって廃棄すべき用紙を細かく裁断する装置であり、搬送路32の分岐した一端に接続されている。なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0042】
次に、本実施の形態における無人契約端末装置10の動作について説明する。
【0043】
図5は本発明の第2の実施の形態における無人契約端末装置の動作を示すフローチャートである。
【0044】
本実施の形態においては、顧客が契約申込み用紙に必要事項を記入する際に書き損じが生じない場合の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、顧客が契約申込み用紙の書き損じがないか否かを自分で判断して書き損じがある場合、申込み用紙記入OKでないとして、再印刷指示を行う。この場合、顧客は、無人契約端末装置10の入力部12を操作して、契約書のフォーマットが印刷された契約申込み用紙の再発行を行わせる指示を入力するとともに、無人契約端末装置10の用紙入出口34に書き損じた契約申込み用紙を挿入する。すると、無人契約端末装置10は、表示部11に再印刷することを表示し、用紙を吸入し、OCR読み取りをする。この場合、無人契約端末装置10は、表示部11に契約申込み用紙の再発行が行われる旨を表示するとともに、挿入された書き損じた契約申込み用紙をイメージ読取部35まで搬送する。すると、該イメージ読取部35はOCR読み取りを行い、書き損じた契約申込み用紙に記入された必要事項の文字認識を行う。
【0045】
続いて、無人契約端末装置10は、正しく記載された箇所を認識し、吸入した用紙をシュレッダー処理し、プレ印刷して再発行する。すなわち、無人契約端末装置10は、挿入された書き損じた契約申込み用紙をシュレッダー処理部41まで搬送し、該シュレッダー処理部41に書き損じた契約申込み用紙を細かく裁断させるとともに、書き損じた契約申込み用紙に記入された必要事項の中から適切に記入された事項を認識し、契約書のフォーマットを用紙に印刷する際に、前記適切に記入された事項も印刷するようにする。これにより、再発行される契約申込み用紙には、一度適切に記入された事項があらかじめ印刷された状態となっているので、顧客は必要事項の記入を重複して行う必要がない。なお、その他の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
次にフローチャートについて説明する。
ステップS21 用紙を繰り出す。
ステップS22 用紙を印刷する。
ステップS23 用紙を排出する。
ステップS24 申込み用紙記入OKか否かを判断する。申込み用紙記入OKの場合はステップS25に進み、申込み用紙記入OKでない場合はステップS29に進む。
ステップS25 用紙を吸入する。
ステップS26 用紙イメージを読み取る。
ステップS27 センタの内容確認OKか否かを判断する。センタの内容確認OKの場合はステップS28に進み、センタの内容確認OKでない場合はステップS32に進む。
ステップS28 用紙を回収し、処理を終了する。
ステップS29 再印刷指示を出す。
ステップS30 表示部に再印刷することを表示し、用紙を吸入し、OCR読み取りをする。
ステップS31 正しく記載された箇所を認識し、吸入した用紙をシュレッダー処理し、ステップS21に戻る。
ステップS32 用紙の書き直しをするか否かを判断する。用紙の書き直しをする場合はステップS30に戻り、用紙の書き直しをしない場合はステップS33に進む。
ステップS33 用紙を排出する。
ステップS34 記入した申込み用紙を訂正し、ステップS25に戻る。
【0047】
このように、本実施の形態において、無人契約端末装置10は、顧客が契約申込み用紙に必要事項を記入する際に書き損じが生じた場合、書き損じた契約申込み用紙をシュレッダー処理して細かく裁断してから、新たな契約申込み用紙を再発行するようになっている。そのため、書き損じた契約申込み用紙に記載された事項の読み取りが困難になり、該契約申込み用紙に記入された顧客の個人情報の漏洩を確実に防止することができる。また、書き損じた契約申込み用紙は、細かく裁断されるので、そのまま破棄することができ、必要事項が適切に記入された契約申込み用紙と分別する手間を省くことができる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0049】
図6は本発明の第3の実施の形態における無人契約端末装置の要部の構成を示す図である。
【0050】
本実施の形態における無人契約端末装置10は、前記第1の実施の形態における廃棄用紙回収ボックス37が省略されている。なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0051】
次に、本実施の形態における無人契約端末装置10の動作について説明する。
【0052】
図7は本発明の第3の実施の形態における無人契約端末装置の動作を示すフローチャートである。
【0053】
本実施の形態においては、顧客が契約申込み用紙に必要事項を記入する際に書き損じが生じない場合の動作は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、顧客が契約申込み用紙の書き損じがないか否かを自分で判断して書き損じがある場合、申込み用紙記入OKでないとして、再印刷指示を行う。この場合、顧客は、無人契約端末装置10の入力部12を操作して、契約書のフォーマットが印刷された契約申込み用紙の再発行を行わせる指示を入力するとともに、無人契約端末装置10の用紙入出口34に書き損じた契約申込み用紙を挿入する。すると、無人契約端末装置10は、用紙吸入を行い、挿入された書き損じた契約申込み用紙を印刷部33まで搬送する。すると、印刷部33は用紙に更に印刷する。この場合、挿入された書き損じた契約申込み用紙に再印刷を施し、記入された顧客の個人情報の上に任意の印刷を行うことによって、顧客の個人情報を示す文字を判読し難い状態にする。
【0054】
続いて、無人契約端末装置10は回収ボックス36に回収する。この場合、再印刷を施された契約申込み用紙を搬送路32を介して回収ボックス36まで搬送し、該回収ボックス36に収容して回収する。そして、無人契約端末装置10は、再び、用紙繰り出しを行い、契約申込み用紙を再発行する。
【0055】
また、オペレータは、契約申込み用紙における必要事項の記入の不備の程度が書き損じに該当するものであるか否かを判断して書き損じに該当するものである場合、用紙書き直しである旨をセンタ端末装置23を操作して無人契約端末装置10に送信する。すると、無人契約端末装置10は、用紙吸入を行い、挿入された書き損じた契約申込み用紙を印刷部33にまで搬送する。そして、前述の動作を繰り返して行う。なお、その他の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0056】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS41 用紙を繰り出す。
ステップS42 用紙を印刷する。
ステップS43 用紙を排出する。
ステップS44 申込み用紙記入OKか否かを判断する。申込み用紙の記入OKの場合はステップS45に進み、申込み用紙記入OKでない場合はステップS49に進む。
ステップS45 用紙を吸入する。
ステップS46 用紙イメージを読み取る。
ステップS47 センタの内容確認OKか否かを判断する。センタの内容確認OKの場合はステップS48に進み、センタの内容確認OKでない場合はステップS53に進む。
ステップS48 用紙を回収し、処理を終了する。
ステップS49 再印刷指示を出す。
ステップS50 用紙を吸入する。
ステップS51 用紙に更に印刷する。
ステップS52 回収ボックスに回収し、ステップS41に戻る。
ステップS53 用紙の書き直しをするか否かを判断する。用紙の書き直しをする場合はステップS50に戻り、用紙の書き直しをしない場合はステップS54に進む。
ステップS54 用紙を排出する。
ステップS55 記入した申込み用紙を訂正し、ステップS45に戻る。
【0057】
このように、本実施の形態において、無人契約端末装置10は、顧客が契約申込み用紙に必要事項を記入する際に書き損じが生じた場合、書き損じた契約申込み用紙を回収してから、新たな契約申込み用紙を再発行するようになっている。そのため、書き損じた契約申込み用紙を確実に回収することができ、該契約申込み用紙に記入された顧客の個人情報の漏洩を確実に防止することができる。また、書き損じた契約申込み用紙は、再印刷が施され顧客の個人情報を示す文字が判別し難い状態にされるので、そのまま破棄することができる。さらに、無人契約端末装置10は、回収ボックス36と別個の廃棄用紙回収ボックス37を有していないので、構造が簡素化され、コストを低減することができる。
【0058】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施の形態における無人契約端末装置の要部の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における無人契約システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における無人契約端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態における無人契約端末装置の要部の構成を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における無人契約端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態における無人契約端末装置の要部の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における無人契約端末装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10 無人契約端末装置
31 用紙カセット
33 印刷部
34 用紙入出口
35 イメージ読取部
36 回収ボックス
37 廃棄用紙回収ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)個人情報を含む必要事項を記入する契約申込み用紙を発行する無人契約端末装置であって、
(b)前記必要事項の記入に不備があり、前記契約申込み用紙の再発行が指示されると、
(c)契約不成立用紙を回収する案内を表示し、前記契約不成立用紙を装置内に回収したという条件の下で、前記契約申込み用紙を再発行することを特徴とする無人契約端末装置。
【請求項2】
前記装置内に回収した契約不成立用紙を、契約成立用紙を収納する回収ボックスと別個の回収ボックスに収納する請求項1に記載の無人契約端末装置。
【請求項3】
前記装置内に回収した契約不成立用紙を裁断し、該契約不成立用紙に記入された文字を判読し難くする請求項1に記載の無人契約端末装置。
【請求項4】
前記装置内に回収した契約不成立用紙に再印刷を施して、該契約不成立用紙に記入された文字を判読し難くする請求項1に記載の無人契約端末装置。
【請求項5】
(a)個人情報を含む必要事項を記入する契約申込み用紙を発行する無人契約端末装置であって、
(b)印刷用紙を収容する用紙カセットと、
(c)該用紙カセットから繰り出された印刷用紙に所定のフォーマットを印刷して契約申込み用紙を発行する印刷部と、
(d)発行された契約申込み用紙の排出及び前記必要事項が記入された契約申込み用紙の挿入が行われる用紙入出口と、
(e)該用紙入出口から挿入された前記契約申込み用紙のイメージを読み取るイメージ読取部と、
(f)契約成立用紙を収納する回収ボックスと、
(g)契約不成立用紙を収納する回収ボックスとを有することを特徴とする無人契約端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−80125(P2007−80125A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−269477(P2005−269477)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】