説明

無効吸気努力を検出し患者と人工呼吸器の相互作用を改善する方法および装置

【課題】呼吸に関する技術において、上述の不足な点の1つまたは複数を修正または排除することができる方法を開発する必要性が高まっている。
【解決手段】(i)人工呼吸器がサイクル動作した後の患者の呼吸気流を監視し、(ii)前記気流を示す信号を作成し、(iii)前記信号からアーチファクトを除去し、(iv)前記信号の摂動を監視し、(v)前記摂動が顕著なとき、無効努力が生じたと判断することを含む、人工呼吸器によって機械的に換気されている患者の無効努力を検出する方法およびシステムであり、前記信号からアーチファクトを除去する前記工程が、心原性振動を表す信号を除去する工程を含み、前記信号からアーチファクトを除去する前記工程が、咳が生じたかを判断する工程を含み、前記信号からアーチファクトを除去する前記工程が、分泌を示す信号を除去する工程を含むことを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が参考により本明細書に組み込まれる、2004年10月20日出願の米国仮出願第60/619957号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、患者と人工呼吸器の非同期性、例えば、PSV、AC、AMV、およびバイレベルPSが挙げられるがそれらに限定されない、患者誘発性の呼吸を補助しかつそれを包括する人工呼吸器と、主にCOPD、および拘束性の混合病変など、自身の気道を保護し、かつ自発呼吸の試みをある程度示すことができる患者、ならびに一般に換気補助を必要とする患者との間の非同期性を判断し、最終的に補正する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
呼吸器の障害または疾患を有する患者、特に急性増悪期の患者は、自発呼吸を維持するのに十分な呼吸器の強度を有さず、機械的な換気補助を必要とすることがある。選択される呼吸器の役割およびタイプは症例特異的であり、呼吸に関与する程度は、患者が完全に受身である機械的調節換気(CMV)から、患者によって機械的呼吸が能動的に誘発された後、吸気努力を患者と全面的に共有する補助換気の形態まで様々である。
【0004】
呼吸補助の形態は、モード、例えばパラメータ制御(フロー/容積/圧力)、および自発呼吸に対して導入される補助の量によって異なり、それには、機械的補助換気(AMV)、同調性間欠的強制換気(SIMV)、および圧支持換気(PSV)が挙げられるが、それらに限定されない。治療効力は、可変圧力/フロー送達と患者の自発呼吸サイクルとの同期性によって決まる。これに関して重要なのは、患者が吸気努力を開始したときに人工呼吸器がそれを認識する能力(トリガメカニズム)であり、これは、一般に、患者が正のフロー閾値または最小圧力閾値のどちらかに達したときに得られる。患者がこのトリガ閾値に達することができない場合、患者/人工呼吸器間の同期性は崩れ、また、そうでなければ人工呼吸器を使用して見込まれる、あらゆる目的の効果を妨げることがある。無効トリガとしても知られるこの現象は、様々な病変において、ただし最も一般的にはCOPDにおいて観察されてきた。(「高レベルの圧支持換気または補助調節換気を受ける場合、患者の吸気努力の4分の1から3分の1は機械をトリガすることができない。」Tobin et al. (Tobin M, Jubran A, Laghi F. Patient-Ventilator Interaction. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine. 163: 1059-1063, 2001.))
【0005】
この非同期性の主な原因は、呼気流量の限界、肺の動的過膨張、および付随する内因性PEEPである。動的過膨張は、閉塞した気道の後方に捕捉されたガス、機械的呼気作用と神経性の呼気作用との不整合、またはそれらの組み合わせのいずれかに起因する場合がある。これは、COPDにおいて十分に、また程度は劣るが他の病変においても研究されてきたが、様々な患者において観察されている。そのメカニズムは次のとおりである。1)COPDにおける気道の閉塞は、気道分泌物、気管支痙攣、および粘膜浮腫などの病変による影響によって引き起こされる。すべての場合において、気流抵抗が増加し、強制的に筋動員が呼気を助けるようにされ、その結果、気道が動的に圧迫される。2)肺気腫の場合も、呼吸器系コンプライアンスが増加することがある。肺が空虚化する比率は妨げられ、(呼吸の負のフィードバック制御によって決定される)正常な呼気の有効なデューティサイクル時間は、完全な機械的呼気が生じるのには不十分である。3)拘束性の患者では、特に呼吸数が高い場合に、呼吸は肺容量が低いときに生じ、したがって気道の閉塞とガスの捕捉が促進される。すべての場合において、呼気終末肺容量(EELV)は、呼吸器系の弾性的平衡状態の容量に戻ることができず、外来のガスは肺の中に捕捉され、すなわち動的過膨張状態になる。
【0006】
EELVの動的な増加は、自発呼吸している患者の吸気を阻害するいくつかの影響を有する。
【0007】
通常、任意の瞬間にフローの方向を動かす肺胞内圧Palvの動的な値は、呼気の間は正のままであり、呼気終末期(end-expiration)に、雰囲気に対する弾性反跳圧がゼロまで、すなわちPalv = Pse-t/RC(式中、Psは呼気終末期の静圧プラトー)に減衰する。しかし、動的過膨張がある場合、呼吸器系の平衡状態の弾性反跳は呼気終末期には得られず、Palvは正のまま(内因性呼気終末陽圧、すなわちPEEPi)である。吸気フローが始まるためには、肺胞内圧は雰囲気に対して負でなければならず、したがって、患者の吸気筋は、吸気フローが生じる前に最初にこの残留Palvに、すなわちPEEPiに打ち勝たなければならない。この文脈では、PEEPiは吸気負荷として働く。
【0008】
肺容量の動的な増加は、また、吸気筋繊維を最適な長さからより短い動作長さに変え、横隔膜と胸壁との幾何学的配置を変えることにより、吸気筋が圧力を発生させる能力を低減する場合がある。
【0009】
容量が増加することにより、さらに、肺の動作がより高まって、呼気終末期に、その容量/圧力曲線の非線形かつコンプライアンス性のより低い領域に達することがある。この場合に肺の堅さが相対的に増加するため、肺を拡張し、吸気を促すためにより高い筋肉努力が必要となる。
【0010】
上記の要因に対して作用する際、吸気筋は疲労し脱力して、それによって最終的に、肺が空気を出し入れすることができなくなる。したがって、患者の吸気努力がなされると、辺縁フローまたは圧力変化が得られるが、それらの吸気努力はトリガ閾値に達することができず、したがって人工呼吸器がまったく検出しないことがある。
【0011】
図1は、理想的にはPSVモードで動作する人工呼吸器(フロートリガ式)の一例を示す。2つの呼吸サイクル全体が示される。フローおよび気道内圧(Pressure at the Airway Opening) (PAO)は人工呼吸器が利用可能な信号であり、胸腔内圧(PPL)は、負の変位によって患者の吸気努力の発現を示す外部参照値である[1]。この事象の約300ms後、患者は人工呼吸器をトリガするのに必須のフローを達成しており[2]、IPAPがそれに続いて供給される[3]。
【0012】
対照的に、図2は、人工呼吸器によって検出されない患者努力の結果を示す。4つの患者の吸気努力が一連のPPLデータ中に観察され、その最初のもののみが、上述の記載のように人工呼吸器によって支援されている[1]。後に続く吸気努力[2]はそれぞれ、フローの立上りをもたらしているが、いずれの場合もトリガ閾値[3]には達せず、したがって人工呼吸器はEPAPのままであった。
【0013】
現在、PV相互作用中における患者の無効努力の発生を識別し、そのログを取る自動化された測定法は存在しない。Varon et al.(Varon J, et al. Prevalence of patient ventilator asynchrony in critically ill patients [abstract]. Chest. 106:141S, 1994)は、トリガできない監視された呼吸の百分率として「非同期性指数」を識別しているが、これを得る手段のさらなる説明は記載されていない。著者らは、適用されたPEEPに応じて指数が変わり、PSVモードおよびACモードそれぞれにおいて、圧支持または一回呼吸量の供給を低減することによって非同期性のトリガを排除することができ、また、患者の覚醒状態が指数に比例的に影響する、すなわち覚醒時よりも睡眠中に指数を下げると指摘している。これらの観察は、補助人工呼吸器の非同期性に統計的参照値を提供することに対する顕著な付加価値を意味し、さらに、応答処置が非同期性を緩和し呼吸作業を最小限に抑えるように決定できることを示唆する。
【0014】
患者/人工呼吸器間の相互作用が完全である場合、人工呼吸器は、中枢神経系で発生する電気インパルスを用いて同期性をトリガする。これは、人体内で達成することが事実上、また倫理的に不可能であり得るが、この事象に時間的に近いものとして患者の呼吸努力を検出することは、患者/人工呼吸器間の同期性を達成するための最終的な目的である。
【0015】
さらなる説明は、胸腔内圧からの圧支持をトリガすることがPVの同期性を改善することを示唆しており、図1および2のデータはこの理論を裏付ける。しかし、測定値は食道に挿入されたバルーンカテーテルから得られたものであり、この侵襲性レベルは、ICU外での適用、例えば家庭での使用には不適当かつ不可能である。
【0016】
人工呼吸器のトリガを改善する助けとなる患者努力を正確に検出する他の方法としては、外部センサの使用(米国特許第6758216号、米国特許第6015388号)、人工呼吸器内部のトリガ感度アルゴリズムの増強(米国特許第6626175号)が挙げられる。
【0017】
上述の方法はいずれも、無効努力の主な原因、すなわち患者の肺の動的過膨張および内因性PEEPの存在に対処することを目的とするものではない。
【0018】
より有意義な解決策は、PEEPiの影響を排除し、呼吸機能の後退をその発生時に緩和するものである。一般に、これは、呼気終末期において、口腔における圧力と肺胞内圧とが平衡するように、人工呼吸器を介して外因性PEEP(external PEEP)を付加してPEEPiを相殺することにより、ある程度達成される。最終的に、それは、人工呼吸器をトリガするのに必要な胸腔内圧の負の変位(吸気筋努力によってもたらされる)の大きさを低減することにより、患者/人工呼吸器間の相互作用を改善する。PEEPは、また、以前に崩壊した、換気されていない灌流適用された気腔を動員し、全体的な灌流およびPaO2を改善することにより、機能的残気量および呼吸コンプライアンス(低容量における)を増加させる。
【0019】
したがって、外部から適用されるPEEPによってPEEPiを平衡させることで、呼吸作業が低減され、効率的に人工呼吸器をトリガすることが容易になる。しかし、適用されるPEEPの値の決定は、いくつかの理由で問題を提起する。
【0020】
1)多過ぎると、動的過膨張(および関連する問題)を増悪させ、また、患者によっては圧力傷害をも引き起こすことがある。理想値は、PEEPiの既存のレベルに大きく依存することが示されている。
【0021】
2)完全な機械的換気(患者の受動的関与)なしに、PEEPiの静的測定を行うことはできず、また、動的測定値は、吸気筋肉群と呼気筋肉群の両方からの圧力寄与によって多く見積もられる。
【0022】
3)絶対測定値を得ることが可能であったとしても、PEEPiは呼吸ごとに大幅に変わり、したがって、外因性PEEPの単発的な測定は十分ではない。継続的なPEEPi測定およびサーボ調整されたPEEPの供給が最適である。
【0023】
第1の問題に対処する第1の工程は、PEEPとPEEPiの適切な比を導き出して、さらなる動的過膨張を防ぐことである。付加されるPEEPは、肺の空虚化の比率が、したがって動的過膨張のレベルが臨界値Pcritを超えるまで、それにほとんど影響しないことが分かっている。しかし、測定されたPEEPiとPcritの間に精密な関係があるとすれば、それはどのようなものであるかはまだ分かっておらず、さらなる調査が求められる。そのため、有効であるが有害ではないためには、PEEPiに対してPcritがどの比率であるか(75%から90%の間で異なる)、また、これがPEEPiの動的なまたは静的な値に関連するべきかに関して、臨床上の議論がある。さらに、動的な条件下の動的過膨張の結果としてPEEPiを測定する、信頼性が高く単純な手段はまだ開発されていない。したがって、最も明瞭な解決策は、現在よりもさらに問題を実際的に理解し評価することを条件とする。
【0024】
米国特許第6588422号は、呼吸不全患者の換気補助中にPEEPiを平衡させる方法および装置を記載している。この発明は、PEEPiを動的に相殺する調節可能なPEEPを患者に供給しようとするものである。それは、動的な気道圧迫の程度の測定から類推して、PEEPiをリアルタイムで、かつ非侵襲的に測定するという問題に対処する。この測定を達成するため、1)強制オシレーション法(FOT)を使用して吸気のコンダクタンスと呼気のコンダクタンスの比を割り当て、2)呼気流対時間曲線の形状を調べることによる、2つの主な手法が検討されている。
【0025】
しかし、実際には、これらの解決策は問題を招く。両方の技術は、実際上は制限される可能性がある、確固とした理想化された理論的基盤を想定している。さらに、FOTは線形性を要件とするので、振幅の小さな振動を使用する必要があり、そのため、通常呼吸中に現れる他の重要な非線形性が軽視されることがある。また、臨床上の構成、データ収集、およびその分析に求められる方法論の厳密さにより、監視下にない環境、すなわち家庭での換気に適用しにくくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】米国仮出願第60/619957号
【特許文献2】米国特許第6758216号
【特許文献3】米国特許第6015388号
【特許文献4】米国特許第6626175号
【特許文献5】米国特許第6,588,422号
【特許文献6】米国特許第6,152,129号
【非特許文献】
【0027】
【非特許文献1】Tobin M, Jubran A, Laghi F. Patient-Ventilator Interaction. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine. 163: 1059-1063, 2001
【非特許文献2】Varon J, et al. Prevalence of patient ventilator asynchrony in critically ill patients [abstract]. Chest. 106:141S, 1994
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
したがって、呼吸に関する技術において、上述の不足な点の1つまたは複数を修正または排除することができる方法を開発する必要性が高まっている。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の1つの態様は、患者/人工呼吸器間の(補助)相互作用中に、失敗したトリガを、したがって認識されない患者努力を検出するためのアルゴリズムに関する。アルゴリズムの1つの機能は、供給される吸気補助(圧支持または容量制御)がない状態で、フロー信号上に顕著な摂動がいつ生じたか(患者努力を示す)を記録することである。このアルゴリズムの出力は、これらの事象の時間基準の指数であり、それは、患者/人工呼吸器間の同期性、したがって治療の有効性の統計値としての役割を果たすことができる。
【0030】
別の態様、また恐らくは最終的な目的は、患者/人工呼吸器間の非同期性を最小限に抑えることであり、したがって、人工呼吸器パラメータを変更する(PEEPを増加させる、圧支持を減少させる、または一回呼吸量の供給を低減する)、かつ/または環境要因(患者の状態、薬剤投与)を変更することのいずれかにより、指数を(手動で、またはサーボ調整により)最小限に抑える対策を講じることによって、呼吸作業を低減することができる。
【0031】
本発明のさらに別の態様は、人工呼吸器によって検出されていない、患者/補助人工呼吸器間の相互作用における患者の吸気努力の発生を指数付けする計量値としての役割を果たすことである。
【0032】
本発明の別の態様は、人工呼吸器が供給した呼吸と検出された無効努力との合計として、真の患者呼吸数の指示を提供することである。
【0033】
本発明のさらに別の態様は、人工呼吸器のサーボ調整によって患者の無効吸気努力の発生を最小限に抑えることであり、それは次のものの1つまたは複数によって達成される。
1)例えば一連の無効トリガ後の計量値の統計的参照値を使用し、人工呼吸器を介した外因性PEEPの供給をサーボ調整して、適用されるPEEPを漸増的に押し上げて指数を最小限に抑える。
2)例えば一連の無効トリガ後の計量値の統計的参照値を使用し、人工呼吸器を介した一回呼吸量の供給をサーボ調整して、一回呼吸量の供給を漸減的に減少させて指数を最小限に抑える。
3)例えば一連の無効トリガ後の計量値の統計的参照値を使用し、人工呼吸器を介した圧支持の供給をサーボ調整して、圧支持を漸減的に低減して指数を最小限に抑える。
4)フロートリガ式の人工呼吸器の場合、例えば一連の無効トリガ後に、IPAPを直接トリガするアルゴリズムを、フロー極性に対するその中立性に基づいて使用し、トリガを再度高感度化して指数を最小限に抑える。
【0034】
本発明の1つの態様は、また、1)疾病の進行および急性増悪期、および/または2)薬剤投与のどちらかに応答して、患者の状態に関して臨床医に参照値を提供することである。
【0035】
計量値からの統計、例えば失敗したトリガの発生または比率は、1)患者の不安定性を示す警告をトリガする、2)適切な患者管理手順、例えば手動のPEEP滴定のガイドとして働く、かつ/または3)長期間にわたって疾病の進行のログを取り追跡する役割を果たすことができる。
【0036】
本発明のさらなる態様は、人工呼吸器によって検出されず支援されなくなった、補助人工呼吸器に対するCOPD患者の吸気努力を検出し指数付けする方法を対象とする。
【0037】
本発明の別の態様は、例えば一連の無効トリガ後の計量値を統計的に参照し、人工呼吸器を介した外因性PEEPの供給をサーボ調整して、適用されるPEEPを押し上げて指数を最小限に抑える方法を対象とする。
【0038】
本発明のさらに別の態様は、フロー極性に対するその中立性に基づいて、人工呼吸器のフロートリガを高感度化する方法を対象とする。アルゴリズムは、指数を最小限に抑えるため、必要に応じて可変のフロートリガ閾値に対する指標を提供することができる。
【0039】
本発明のさらなる態様は、薬理学的管理を案内する方法、適用されるPEEPを臨床医が手動調節するための参照値、差し迫った増悪期を予測し警告するための、疾病の進行の指標、および/または、設定を調節するか、もしくは患者を管理するように臨床医に対する警告をトリガする方法の、1つまたは複数を対象としてよい。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、(i)人工呼吸器がサイクル動作した後の患者の呼吸気流を監視する工程と、(ii)前記気流を示す信号を作成する工程と、(iii)前記信号からアーチファクトを除去する工程と、(iv)前記信号の摂動を監視する工程と、(v)前記摂動が顕著なとき、無効努力が生じたと判断する工程とを含む、人工呼吸器によって機械的に換気されている患者の無効努力を検出する方法が提供される。
【0041】
本発明の別の実施形態によれば、(i)人工呼吸器がサイクル動作した後の患者の呼吸気流を監視する手段と、(ii)前記気流を示す信号を作成する手段と、(iii)前記信号からアーチファクトを除去する手段と、(iv)前記信号の摂動を監視する手段と、(v)前記摂動が顕著なとき、無効努力が生じたと判断する手段とを備える、人工呼吸器によって機械的に換気されている患者の無効努力を検出するシステムが提供される。
【0042】
本発明のさらに別の実施形態によれば、人工呼吸器がサイクル動作した後の患者の呼吸気流を監視し、かつ前記気流を示す信号を生成するフローセンサと、前記信号からアーチファクトを除去し、前記信号の摂動を監視し、かつ、前記摂動が顕著なとき、無効努力が生じたと判断するプロセッサとを備える、人工呼吸器によって機械的に換気されている患者の無効努力を検出するシステムが提供される。
【0043】
本発明の別の態様によれば、人工呼吸器がサイクル動作した後に生じるフロー信号中の摂動は、分類体系にしたがって分類される。分類体系は、無効努力を、咳、嚥下、および心原性の信号などの他の事象と区別する。
【0044】
別の態様によれば、無効努力の監視はコンプライアンスを測定するために使用される。別の形態では、無効努力の測定を使用して、患者の状態の増悪期が発現したことが検出される。
【0045】
別の形態では、無効努力の測定にしたがって呼気終末陽圧(PEEP)が調節される。別の形態では、無効努力の測定にしたがって圧支持が調節される。別の形態では、無効努力の測定にしたがって一回呼吸量および/またはフローの供給が調節される。
【0046】
本発明のさらに別の態様によれば、加圧された呼吸可能なガスの供給源を生成するブロワーと、呼吸可能なガスを患者の気道に送達する患者インターフェース(例えば、マスク、カニューレ、プロング、パフなど)とを備える、患者用の人工呼吸器システムが提供される。人工呼吸器システムは、本明細書に記載の方法のいずれかを実施するように構成された、プロセッサ(例えば、汎用コンピュータなど)、プログラム、アルゴリズム、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む。例えば、人工呼吸器は、プロセッサによって決定されるような、患者の呼吸努力の測定値に基づいて少なくとも部分的に制御される。
【0047】
これらおよび他の態様は、以下の発明を実施するための最良の形態に記載され、またはそれから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】PSVモードにおける同期性の患者/人工呼吸器間の相互作用の一例を示すグラフである。
【図2】非同期性の患者/人工呼吸器間の相互作用を示すグラフである。
【図3】単一の無効努力パターンの特徴セットを示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態による非同期性を監視する高次の方策を要約する概略フローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による非同期性の監視に関する概略フローチャートである。
【図6A】呼吸の呼気相の同定に関する概略フローチャートである。
【図6B】呼吸の呼気相の同定に関する概略フローチャートである。
【図6C】呼吸の呼気相の同定に関する概略フローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態による非同期性の監視に関する概略フローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態を使用して得られた動作結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下の実施形態は、連続的プロセスの観点から説明されていることがあるが、プロセスは、非線形的、非連続的、または非段階的プロセスを使用して実施することができ、あるいはプロセスの順序は変更されてもよいことが理解される。また、以下はプロセス全体を説明しているが、本発明の態様はそのプロセスの部分集合のみに関連することがある。
【0050】
本発明の1つの態様は、患者/人工呼吸器間の同期性を改善する方法を対象とし、内因性PEEPを測定(または類推による)する、あるいは人工呼吸器内部のトリガ感度アルゴリズムを修正/複雑化する、外部センサを不要にする。さらに正確には、フロー信号または圧力信号中の特定の特徴として示される支援されていない患者努力を識別し、それらの発生を指数付けし、かつ任意に、様々な人工呼吸器/環境パラメータを調節することにより、長時間にわたって最小限に抑えるようにされた出力を誤差関数として使用する。これらの調節は、手動であるか、またはサーボ調整され、PEEPおよび/または一回呼吸量の供給(PEEPを平衡させ、動的過膨張を低減するため)、ならびにトリガ感度に関与することがある。
【0051】
一実施形態では、努力を直接感知するセンサの利益なしに、患者努力に対応する失敗したトリガを検出するため、アルゴリズムが提供される。これを決定するため、患者のフローおよび気道内圧の信号のみが処理される。
【0052】
図2に示されるように、支援されていない努力はフロー信号中における顕著かつ固有の摂動を伴い[4]、これは共通の現象である。
これらの摂動は、
・人工呼吸器がサイクル動作した後、かつ次にトリガする前、すなわち成功した吸気補助がない状態で呼気の間に生じ、
・必ずしも正方向のフローによってではなく、むしろ遅延された負のフローによって特徴付けられ、
・ノイズ、または、分泌もしくは心原性振動などの他の低振幅現象と区別できる点で「顕著」であり、
・嚥下または咳などの他の生理現象によって引き起こされる顕著な摂動と区別できる点で「固有」である。
【0053】
フロー信号上のいくつかの特徴は、図3に示される個々の無効努力の特性として識別することができる。それらは、全体として連続して特徴セットを形成する。連続的な呼気の間、かつ最大呼気流量に達した後、フロープロファイルはゼロに向かって加速する。この傾向は、正常な被験者の場合は指数関数的であり、または、呼気フローが制限された被験者の場合は線形の減衰に近づくことがある。呼気曲線上で無効努力が生じると、筋肉努力の発現に対応して、負のフロー中に短く急速な(呼気の基線に対して)減速があることも、またはないこともあるが、局所極大[1]と、局所極小[3]で中断される、呼気フロープロファイルの基線まで戻る短く極めて急速な下り勾配(declivity)[2]とは常に存在する。
【0054】
本発明の1つの態様は、フロー信号上の呼気の識別と、無効努力に関係する信号のこの部分上にある顕著かつ固有の摂動とに関する。これは、少なくとも局所極大と、さらにそれに続く下り勾配との識別を伴う。さらに、本発明の1つの態様は、呼気の間のフロー信号上の摂動を、嚥下、咳、および心原性振動などのそれらの生理的原因に関連付ける、一般的な分類子を包含するので、より信頼性高く無効努力を固有に区別することができる。高次のフローチャートの説明については図4を参照のこと。
【0055】
呼気の間に生じる顕著な局所極大として無効努力を検出する本発明の一実施形態は、以下のように実施されてよい。プロセスのフローチャートは図5に含まれる。
【0056】
予備信号処理は次の工程を含む。
1)人工呼吸器自体であってよい、データ取得システムおよびメモリを含むロギング装置を使用して、換気された患者から2つの信号が記録される。これらの信号は、気流(Q)および口腔における気道内圧(P)である。
2)フローおよび気道内圧の信号は、ノイズを最小限に抑えるため、平滑/ノイズフィルタに通される。そのような1つの例は、低次で位相遅れを最小限にし、遮断周波数が1Hzであるバターワース低域フィルタである。
3)米国特許第6,152,129号(Berthon-Jones)に記載されているような、意図的でない漏れを補償するアルゴリズムをフロー信号に適用する。
4)フロー信号の一次導関数(Q')が計算される。
5)フロー信号の二次導関数(Q'')が計算される。
【0057】
3つのブール制御信号が、前処理された信号から導き出される。
【0058】
1)呼気相の指標。これは、任意の数の手段、例えば、フローの極性に基づいて(図6(a))、もしくはその代わりにトリガおよびサイクル動作の事象を使用して治療供給の状態を判断することに基づいて(図6(b))、呼吸相を分類する手段、または、相転移閾値に対して圧力信号を試験する手段(図6(c))(例えば、補助のタイプによって、(IPAPまたは最大圧力) - (EPAPまたは最小圧力)) * 50%)を使用して得ることができる。結果として得られる制御信号Cexpは、呼気の間TRUEであってよい。
【0059】
2)一次導関数フロー信号中のゼロ交差を示す指数。結果として得られる制御信号CQ'は、Q' = 0のときTRUEであり、フロー信号中の変曲を識別する。
【0060】
3) a)工程2によって識別された変曲が最大であることと、b)変曲が、ノイズまたは心原性のフローとは区別される特徴として見なされる顕著な立上りを有することとを確保する制御信号。これは、二次導関数フロー信号を、例えば次式で定義されるそれ自体の標準偏差またはその百分率であるが、それらに限定されない、中立な負の非ゼロ閾値αに対して試験することによって得られてよい。
【0061】
【数1】

【0062】
結果として得られる制御信号CQ''は、-α未満のときTRUEである。
【0063】
上述の制御信号は、結果として得られる指数を導き出すため論理的にAND処理され、その際、検出された無効努力すべてに対してINDEX = TRUEである。
【0064】
本発明の別の実施形態は、呼気の間に生じ、顕著な局所極大とそれに続く下り勾配とを含む、その生理的原因に固有のパラメータも有する特徴セットとして、無効努力を検出する。それは以下のように実施されてよい。
【0065】
予備信号処理は次の工程を含む。
1)人工呼吸器自体であってよい、データ取得システムおよびメモリを含むロギング装置を使用して、換気された患者から2つの信号が記録される。これらの信号は、気流(Q)および口腔における気道内圧(P)である。
2)フローおよび気道内圧の信号は、ノイズを最小限に抑えるため、平滑/ノイズフィルタに通される。そのような1つの例は、低次で位相遅れを最小限にし、遮断周波数が1Hzであるバターワース低域フィルタである。
3)米国特許第6,152,129号(Berthon-Jones)に記載されているような、意図的でない漏れを補償するアルゴリズムをフロー信号に適用する。
4)フロー信号の一次導関数(Q')が計算される。
5)フロー信号の二次導関数(Q'')が計算される。
【0066】
呼気相の指標が決定される。これは、任意の数の手段、例えば、フローの極性に基づいて(図6(a))、もしくはその代わりにトリガおよびサイクル動作の事象を使用して治療供給の状態を判断することに基づいて(図6(b))、呼吸相を分類する手段、または、相転移閾値に対して圧力信号を試験する手段(図6(c))(例えば、補助のタイプによって、(IPAPまたは最大圧力) - (EPAPまたは最小圧力)) * 50%)を使用して得ることができる。結果として得られる制御信号Cexpは、呼気の間TRUEであってよい。
【0067】
組み合わされた摂動の特徴セットの検出およびパターン分類子は、以下に記載され、図5のフローチャートに示される。言及される特徴は上述されており、図3に示される。
【0068】
フローを処理して摂動を検出すべきかを示すため、呼気相の制御信号がTRUEかが確認される[1]。
【0069】
次の状態変数およびタイマーが初期化される[2]。
1. max_detected - 局所極大が生じたかを示す
2. TIE - 最も最近の局所極大の発現、すなわち患者努力の減衰の発現からの経過時間
3. potential_swallow - 患者が嚥下している可能性があるかを示す
4. TSA - 潜在的な嚥下の発現からの経過時間
5. dec_detected - 顕著な下り勾配がすでに検出されたかを示す
【0070】
最大呼気流量(PEF)は、連続的な呼気の初期に生じ、次式によって摂動の検出の前に計算される[3]。
(Qi > Qi-1)のとき、PEF = Qi
式中、iはサンプルシーケンスを示す。PEFが約200L/min-1の閾値を超える場合、咳が生じたと考えられ、PEFはヌル値を割り当てられる。
【0071】
局所極大の特徴の検出は優先され[4]、一次導関数上における降下するゼロ交差または正確にゼロの傾斜のいずれかの発生によって決定される。
Q'i < 0およびQ'i-1 > 0、またはQ'i = 0
【0072】
局所極大を検出する際、状態変数max_detectedがアサートされ、TIEがリセットされる。局所極大におけるフローの値は、変数Qaとして格納される[5]。
【0073】
Qaは、起こり得る嚥下事象を識別するため、ほぼゼロの値に対して試験される[6]。呼気中期に生じる嚥下は、無効努力としてのものに類似する特徴セットを備えた摂動であり得る。しかし、気道の一時的な閉塞、したがって無呼吸またはゼロフローの期間として区別されてもよい。嚥下性無呼吸の予期される持続時間は、少なくとも500msであると考えられる。この試験が真であることが分かった場合、状態変数potential_swallowがアサートされ、嚥下性無呼吸タイマーTSAは、サンプル時間分だけ増分される。
【0074】
顕著な下り勾配が検出されるまで、入ってくるフローのサンプルは、最初に局所極大を識別し、無効努力タイマーを始動させ、次に嚥下が生じている可能性を識別し、可能性があれば嚥下性無呼吸タイマーを始動させる、この一連のループ内で処理される。両方のタイマーは、反復するごとに、サンプル時間に等しい量だけ増分される。
【0075】
顕著な下り勾配は、減少するフローの変化率(Q''=0)における最大値の発生によって識別される[7]ので、その値は、例えば次式で定義される標準偏差の百分率(例えば33%)であるがそれに限定されない、中立的な負の非ゼロ閾値αよりも大きい。
【0076】
【数2】

【0077】
式中、nは、入ってくるフローによって次第に変わる、長いウィンドウまたは円形のバッファ内のサンプルの数である。
【0078】
この顕著な下り勾配の特徴の検出を示すため、状態変数dec_detectedがアサートされる[8]。
【0079】
下り勾配が嚥下の結果であるか否かを分類するため、嚥下性無呼吸タイマーが、最小の予期される嚥下期間500msよりも大きいかが確認され[9]、大きければ、特徴検出プロセスは、すべての状態変数およびタイマーを含めてリセットされる。
【0080】
下り勾配が嚥下の結果ではないことが検出された場合、次の局所極小は、一次導関数上における増加するゼロ交差の発生によって確認される。
Q'i > 0およびQ'i-l < 0
【0081】
この局所極小を検出する際、下り勾配の総持続時間、したがって患者努力の減衰が、タイマー値TIEによって与えられる。500msを超える値については、特徴セットは、無効努力として実行できないと考えられ、無視される[11]。
【0082】
局所極大におけるフローの値は変数Qbとして格納され、下り勾配の振幅は次式で定義される[12]。
|Declivity| = Qa - Qb
【0083】
下り勾配の振幅は、生理的原因の観点から特徴セットを分類するために使用される。無効努力以外に、顕著な摂動を説明する最も一般的な生理機能、より正確には呼気の間に生じる下り勾配は、分泌、咳および心原性振動(CGO)である。
【0084】
患者の分泌は、呼気の発現直後の高頻度のクラックルとして、高分解能のフロー信号上で観察することができる。信号のダウンサンプリングまたはノイズフィルタリングは、無効努力のより高い頻度の構成成分を排除することなく、このクラックルの存在を排除することができる。本発明の実施形態におけるフィルタリング技術によれば、分泌は、ほとんどまたはまったく影響を有さない。
【0085】
咳は、胸腔の突発的な痙性収縮であり、それにより、肺からの空気が劇的に放出される。呼気中期では、得られるフローは最大呼気流量を大幅に上回って200L/minを超える場合がある。これらの閾値は、下り勾配の振幅を試験するために使用される[13]。
【0086】
高い抵抗および低い肺コンプライアンスを有する閉塞性の患者の場合、CGOがあったとしても、口腔までは十分に伝搬されない。それらの存在は、ダウンサンプリングまたはノイズフィルタリングによって減衰されるか、あるいは、ECGまたはプレスチモグラフなどの心拍同期信号(cardiac-gated signal)を使用する、適応フィルタリングなどの技術を使用して抑制される。
【0087】
CGOがフロー信号上に存在し、抑制されていない場合、それらのより小さなピークトラフまたは下り勾配振幅に基づいて、それらを無効努力と区別することができる。この実施形態では4L/minの閾値が使用される[14]。
【0088】
下り勾配の振幅が全体的な制約内にある場合、無効努力が生じたと考えられる。
【0089】
無効努力の検出後、かつ後に続く無効努力に対応する新しい局所極大の検出前に、待機期間が与えられる[16]。これは、試みられる吸気に対する最小の反応時間、すなわち努力が500msであるという予測に基づく。
【0090】
本発明の一実施形態の出力が図8に示される。フロー信号中の顕著な摂動と整合された、2つの支援されていない吸気努力[1]および[2]が明白であり、それらは、アルゴリズムによって時間的に直後に認識され、ログが取られている。
【0091】
これらの実施形態は本発明の実現可能性の例示であり、そのような記載は限定的なものとして解釈されるべきではない。
【0092】
本発明の別の態様は、真の患者呼吸数を概算するため、無効努力の指数を使用することに関する。1つの形態では、これは、上述のように検出された無効努力の数とある期間内に人工呼吸器が供給した呼吸数とを合計することによって行われる。
【0093】
本発明の別の態様は、患者/人工呼吸器間の非同期性を改善することに関する。周期的な間隔全体にわたる、または設定された数の呼吸サイクルに対するアルゴリズム出力の累計(指数統計値)を、治療効力の指標として使用することができる。患者の状態(高PEEPi、急性増悪期)または誤った人工呼吸器の設定の結果として失敗したトリガが多い場合、計量値によって、応答処置(薬剤投与、またはPEEP/圧支持/一回呼吸量の供給の調節)を行うように臨床医に警告することを容易にし、また、その前に指数統計値を参照してその処置の有効性を測定することができる。
【0094】
この概念を拡張して、指数統計値に対する応答処置、すなわち人工呼吸器の設定、つまりPEEP/圧支持/一回呼吸量の供給の調節は、人工呼吸器自体において自動化されてよい。さらに、これらの調節の効力を継続的に評価し、したがって治療をサーボ調整することが可能になる。
【0095】
本発明を、最も実際的かつ好ましいと現在考えられる実施形態に関連して記載してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されず、反対に、本発明の趣旨および範囲に含まれる様々な変形および同等の構成を包含するものであることを理解されたい。さらに、上述の様々な実施形態は、他の実施形態と併せて実施することができ、例えば、一実施形態の態様を別の実施形態の態様と組み合わせて、さらに他の実施形態を実現することができる。
【0096】
例えば、フロー信号が監視される代わりに、患者の気道の入口において圧力信号が監視される。圧力信号に適用可能な特徴セットの1つの形態は、フローに関して上述の特徴セットと反比例する。例えば、下り勾配が検出される代わりに、局所極小に続く急激な増加に関して圧力信号が監視される。
【0097】
さらに、本発明は、COPDに罹患する患者に対する特定の用途を有するが、他の疾患(例えば、うっ血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満外科治療など)の患者が、上述の教示から利益を得ることができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0098】
1 呼気
3 最大呼気流量を決定する
10 局所極小、すなわちQ´=0は増加?
12 フロー値Qbを格納する
13 最大呼気流量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)人工呼吸器がサイクル動作した後および人工呼吸器がトリガした前の患者の呼吸気流を監視する手段と、
(ii)前記気流を示す信号を作成する手段と、
(iii)患者の最大呼気流量(PEF)を決定する手段と、
(iv)前記信号の摂動を監視する手段と、
(v)非無効努力から無効努力を区別するために摂動を分類する手段とを備え、
摂動を分類する前記手段は、気流の二次導関数が負の閾値よりも大きい時に発生したと判断される顕著な下り勾配を検出する手段を備えることを特徴とする、人工呼吸器によって機械的に換気されている患者の無効努力を検出するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−5882(P2012−5882A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212389(P2011−212389)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【分割の表示】特願2007−537070(P2007−537070)の分割
【原出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD
【Fターム(参考)】