説明

無効負荷を駆動するシステム、方法及び装置

【課題】無効負荷を駆動するためのシステム、方法及び装置の提供。
【解決手段】無効負荷を駆動するための例示的な装置は、無効負荷を有する回路内の無効構成要素と、第1のエネルギー状態に無効負荷を選択的に保持し、無効負荷が第1のエネルギー状態から第2のエネルギー状態に変化することを選択的に可能にするための、無効負荷を有する回路内の第1の切り替え要素と、第2のエネルギー状態に無効負荷を選択的に保持し、無効負荷が第2のエネルギー状態から第1のエネルギー状態に変化することを選択的に可能にするための、無効負荷を有する回路内の第2の切り替え要素と、無効負荷における電流を検知し、電流がしきい値を超えたときには、第1のエネルギー状態又は第2のエネルギー状態に無効負荷を保持するように第1の切り替え要素と第2の切り替え要素とを制御するコントローラとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して音波検層に関し、より詳細には、無効音波源を駆動するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な音波測定技術を利用する掘削同時検層器具は、通常、掘削孔に吊らされ、周囲の累層の特性を測定するために使用される。せん断波速度の逆数である、せん断波の遅さは、関心のあるそのような累層特性の1つである。音波測定技術の例は、単極音波検層や多極音波検層を含む。単極音波検層は、特に、せん断波の遅さを決定するために測定されることが出来る非分散型せん断先端波(nondispersive shear head waves)を生成するために単極音波源を利用する。しかしながら、単極音波検層は、せん断波の遅さが、(掘削孔の流体の遅さとしても公知の)泥の遅さよりも遅いので、非分散型せん断先端波が伝搬することが出来る速い累層のみにおいて、意味のあるせん断波の遅さの測定値をもたらす。
【0003】
多極音波検層は、せん断波の遅さを決定するために処理されることが出来る分散波を生成するために、双極又は四重極の音波源などの多極音波源を利用する。多極音波検層は、せん断先端波を伝搬させることに依存していないので、多極音波検層は、速い累層と遅い累層との両方の特性を測定するために使用されることが出来る。しかしながら、掘削同時検層(LWD)用途における四重極検層などの多極音波検層は、速い累層におけるせん断波の遅さの変化に対して比較的に反応がない。このように、少なくとも一部の状況下においては、多極音波検層は、遅い累層よりも速い累層において比較的に信頼できないせん断波の遅さの測定値をもたらし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,308,137号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】P.Bretonら、「Well Positioned Seismic Measurements」、Oilfield Review、pp.32−45、2002年
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
無効負荷を駆動するための例示的な装置は、第1のエネルギー状態に無効負荷を選択的に保持し、無効負荷が第1のエネルギー状態から第2のエネルギー状態に変化することを選択的に可能にするための、無効負荷を有する回路内の第1の切り替え要素と、第2のエネルギー状態に無効負荷を選択的に保持し、無効負荷が第2のエネルギー状態から第1のエネルギー状態に変化することを選択的に可能にするための、無効負荷を有する回路内の第2の切り替え要素と、無効負荷における電流を検知し、電流がしきい値を超えたときに、第1又は第2のエネルギー状態に無効負荷を保持するように第1及び第2の切り替え要素を制御するためのコントローラとを含む。
【0007】
本明細書に開示される例示的な方法は、無効負荷を帯電させることと、第1の電界極性を有する第1のエネルギー状態に無効負荷を保持することと、無効負荷が、第1のエネルギー状態から、第2の電界極性を有する第2のエネルギー状態に変化することを可能にすることとを含み、変化は、無効負荷に第1の音波を伝搬させる。
【0008】
本明細書において開示される別の例において、システムは、音波を伝播させるための無効音波源と、無効負荷にエネルギーを提供するための励起源と、第1の期間の間に第1のエネルギー状態に無効負荷を保持し、そして、音波を伝搬させるために第1のエネルギー状態から第2のエネルギー状態に無効負荷を遷移させ、第2の期間の間に第2のエネルギー状態に無効負荷を保持するためのドライバ回路とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本明細書において開示される例示的なシステム、方法、及び装置が、利用されることが出来る坑井現場システムを説明する。
【図2】図1の坑井現場システムを実装するために使用され得る例示的な掘削同時地震探査器具を説明する。
【図3】図1の坑井現場システムを実装するために使用され得る例示的な掘削時音波検層器具を説明するブロック図である。
【図4】例示的な無効音波源と、音波源のための例示的なドライバ回路との概略図である。
【図5】図4の例示的な無効音波源と、無効音波源のための別の例示的なドライバ回路との概略図である。
【図6】図4の例示的な無効音波源と、無効音波源のためのさらに別の例示的なドライバ回路との概略図である。
【図7】例示的な無効音波源と、図6において説明された例示的なドライバ回路とをテストすることによって獲得された電圧波形と電流波形とを描くグラフである。
【図8A】音波を生成するために図4〜図6の例示的な無効音波源に加えられ得る、異なる遷移を有する例示的なM系列信号を表す電流波形を描くグラフである。
【図8B】図8Aの例示的な電流波形に対する自己相関関数と相互相関関数とを描くグラフである。
【図9】図4〜図6のコントローラを実装するために行われ得る例示的なプロセスを表す流れ図である。
【図10】図4〜図6のコントローラを実装するように図9のプロセスの一部又は全部を実装するために例示的な機械読み取り可能な命令を実行し得る例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な記載においては、本明細書の一部分を形成する添付の図面に対して、参照が行われ、添付の図面の中では、例として、本発明が実施され得る特定の実施形態が示される。他の実施形態が利用されてもよいことと、構造的な変更が本開示の範囲を逸脱することなく行われ得ることとが理解される。
【0011】
本明細書において使用されるように、励起源又は電気励起源は、配電線及び/又は送電系統の生成された商用電力を何らかの他の励起形態に転換する励起源を含む(例えば、商用電力をDC及び/又はACに転換すること、発電機によって提供される電圧を、より高い電圧又はより低い電圧に変化させることなど)。「励起源」又は「電気励起源」という用語は、本明細書において使用されるように、送電線、発電設備、及び/又は公共設備などの配電線又は送電系統の商用電力インフラを含まない。
【0012】
本明細書において使用されるように、エネルギー状態は、電圧を印加された時の回路の状態を指し、回路内のノードに存在する異なる電圧、回路内に存在する電流、1つ以上のコンポーネントにわたる電荷密度、1つ以上のコンポーネントにわたる電界密度、1つ以上のコンポーネントにわたる電荷極性、及び/又は1つ以上のコンポーネントにわたる電界極性によって特徴付けられ、及び/又はそれらによって他のエネルギー状態と区別される。本明細書に開示される一部の例において、回路は、1つ以上のコンポーネントにおける電荷を第1の極性から反対の極性に変化させることによって第1のエネルギー状態から第2のエネルギー状態に変化させる。
【0013】
本明細書において開示される例示的なシステム、方法、及び装置は、無効音波源などの無効負荷を駆動するために使用されてもよい。特に、以下に記載される例示的なシステム、方法、及び装置は、有利なことに、第1のエネルギー状態から第2のエネルギー状態に無効音波源を変化させるために、そして、格納されたエネルギーの実質的な損失を被ることなく、実質的に無期限に第1のエネルギー状態又は第2のエネルギー状態に無効音波源を保持するために使用される。一部の例において、コントローラが、あるエネルギー状態に無効音波源を保持し、無効音波源がエネルギー状態を変化させることを選択的に可能にするように切り替え要素を制御するために、コントローラが提供される。無効負荷を駆動する公知の方法とは対照的に、本明細書において開示される例示的なシステム、方法、及び装置は、比較的に単純で、実装するのに費用がかからず、そして、無効負荷に対する高い電圧及び/電流において信頼可能な電流衝撃を提供する。
【0014】
さらに、本明細書において開示される例示的な音波検層の方法及び装置は、任意の特定の種類の検層技術からの音波データを処理することに限定されない。例えば、本明細書において開示される例示的な音波検層の方法及び装置は、LWD音波データを処理することに関して記載されるが、これらの例示的な方法や装置はまた、有線検層、又は掘削同時測定(MWD)、揚降管同時検層(LWT)などのその他のあらゆる種類の検層技術を介して獲得された音波データを処理するために使用されることが出来る。
【0015】
図1は、本発明が利用されることが出来る坑井現場システム1を説明する。坑井現場は、陸上又は沖合であってもよい。この例示的なシステムにおいて、掘削孔11が、周知の方法で回転掘削することによって地下の累層に形成される。本発明の実施形態はまた、以下で記載されるように、傾斜掘削を使用することが出来る。
【0016】
ドリルストリング12は、掘削孔11の中に吊るされ、底部穴アセンブリ100を有し、底部穴アセンブリ100は、その下端にドリルビット105を含む。坑井現場システム1は、掘削孔11を覆って配置された、プラットホームと油井やぐらとのアセンブリ10を含み、アセンブリ10は、回転テーブル16と、ケリー17と、フック18と、回転スイベル19とを含む。ドリルストリング12は、ドリルストリングの上端おいてケリー17と係合する、示されていない手段によって電圧を印加される回転テーブル16によって回転させられる。ドリルストリング12は、ケリー17と、フック18に対するドリルストリング12の回転を可能にする回転スイベル19とを介して、移動ブロック(図示せず)に取り付けられたフック18から吊るされる。周知のように、頂部駆動システムが、代替的に使用されることが出来る。
【0017】
この実施形態の例において、坑井現場システム1はさらに、坑井現場に形成されたピット27に格納される掘削流体又は泥26をさらに含む。ポンプ29は、スイベル19内のポートを介してドリルストリング12の内側に掘削流体26を送達し、方向を示す矢印8によって示されるように、ドリルストリング12を通って下方向に掘削流体26を流す。掘削流体は、ドリルビット105内のポートを介してドリルストリング12を出て、それから、方向を示す矢印9によって示されるように、ドリルストリング12の外側と掘削孔11の壁との間の環状領域を通って上方向に循環する。この周知の方法で、掘削流体は、ドリルビット105を滑りやすくし、掘削流体は、再循環のためにピット27に戻されるので、累層切断物を地表まで運ぶ。
【0018】
説明される実施形態の底部穴アセンブリ100は、掘削同時検層(LWD)モジュール120と、掘削同時測定(MWD)モジュール130と、回転操縦可能な(roto−steerable)システム及びモータ150と、ドリルビット105とを含む。
【0019】
LWDモジュール120は、当該分野において公知のように、特別な種類のドリルカラーに収容され、1つ又は複数の公知の種類の検層器具を含むことが出来る。例えば、120Aで表されるように、1つ以上のLWD及び/又はMWDモジュールが利用されることが出来ることも理解される。全体を通して、120の位置におけるモジュールに対する言及は、代替的に、120Aの位置におけるモジュールを意味することが出来る。例示的なLWDモジュール120は、情報を判断、処理、及び格納する能力だけでなく、地表の機器と通信するための能力を含む。本実施形態において、LWDモジュール120は、記録及び制御システム140と組み合わせて、音波源(例えば、音波伝達源)からの音波を受信及び又は記録するための音波測定デバイス160を含む。
【0020】
MWDモジュール130もまた、当該分野において公知のように、特別な種類のドリルカラーに収容され、ドリルストリング12及びドリルビット105の特性を測定するために1つ以上のデバイスを含むことが出来る。MED器具130はさらに、ダウンホールシステムに対する電力を生成するための装置(図示せず)を含む。この装置は、典型的には、掘削流体の流れによって動力を供給される泥タービン発電機を含んでもよく、他の電力及び/又はバッテリのシステムが利用されてもよいことが理解される。本実施形態において、MWD130モジュールは、以下の種類の測定デバイスのうちの1つ以上を含む。ビット荷重測定デバイス、トルク測定デバイス、振動測定デバイス、衝撃測定デバイス、スティックスリップ測定デバイス、方向測定デバイス、及び傾斜測定デバイス。
【0021】
図2A〜図2Dは、LWD器具120を実装するために使用されることが出来る例示的な掘削同時地震探査器具、又は参照により組み込まれるP.Bretonら、「Well Positioned Seismic Measurements」、Oilfield Review、pp.32−45、2002年春に開示された種類のLWD器具の組120Aの一部分であり得る例示的な掘削同時地震探査器具を説明する。ダウンホールLWDモジュール120/120Aは、(図2A及び図2Bに描かれるような)単一の受信器、又は(図2C及び図2Dに描かれるような)複数の受信器を有することが出来、そして、単極音波検層を支援するための(図2A及び図2Cに描かれるような)地表の単一の地震探査源、又は多極音波検層を支援するための(図2B及び図2Dに描かれるような)地表の複数の地震探査源と共に利用されることが出来る。従って、地層境界からの1つの反射を含み、「片寄りのない(zero−offset)」垂直地震探査プロフィール構成と呼ばれる図2Aは、単一の地震探査源と単一の受信器とを使用する。地層境界からの複数の反射を含み、「ウォークアウェイ(walk away)」垂直地震探査プロフィール構成と呼ばれる図2Bは、複数の地震探査源と単一の受信器とを使用する。岩塩ドームの境界を通過する屈折を含み、「岩塩近接(salt proximity)」垂直地震探査プロフィールと呼ばれる図2Cは、単一の地震探査源と複数の受信器とを使用する。地層境界からのいくつかの反射を含み、「ウォークアバブ(walk above)」垂直地震探査プロフィールと呼ばれる図2Dは、複数の地震探査源と複数の受信器とを使用する。
【0022】
図3は、LWD器具120を実装するために使用されることが出来る音波掘削同時検層器具、又は参照により組み込まれる米国特許第6,308,137号に記載された種類のLWD器具の組120Aの一部分であり得る音波掘削同時検層器具を説明する。図3の説明される例において、沖合リグ310が利用され、音波伝達源又は音波伝達アレイ314が、水面近くに配備される。あるいは、その他任意の適切な種類のアップホール源もしくはダウンホール源又はアップホールトランスミッタもしくはダウンホールトランスミッタが、提供されることが出来る。アップホールプロセッサは、音波トランスミッタ314の発射を制御する。本明細書に開示される例示的な音波トランスミッタ314は、無効音波源を含む。アップホール機器はまた、音波受信器と、無効音波源近くで基準信号を捕捉し、及び/又は音波信号の検知回数を記録するためのレコーダとを含むことが出来る。アップホール機器はさらに、ダウンホール機器からMWD信号を受信するためのテレメトリ機器を含む。テレメトリ機器とレコーダとは、アップホールクロックとダウンホールクロックとを使用して記録が同期されてもよいようにプロセッサに結合される。ダウンホールLWDモジュール300は、少なくとも、音波受信器331と音波受信器332とを含み、それらは、記録が、音波トランスミッタ314の発射と同期して、受信器331と受信器332とによって検知された信号で作成されてもよいように、単一のプロセッサに結合される。
【0023】
図4は、例示的な無効音波源400と、無効音波源400のための例示的なドライバ回路402との概略図である。図4の例示的な無効音波源400は、圧電トランスデューサであり、抵抗値Rを有するレジスタ406と直列の、容量値Cを有するコンデンサ404によって概略的に表される。レジスタ406は、例示的なドライバ回路402によって送達される(例えば、音波としての機械的な形態の)電気エネルギーの散逸だけでなく、無効音波源400に存在する全ての損失機構を表す。コンデンサ404は、無効音波源400の無効構成要素を表す。例は、コンデンサ404にわたって存在する電圧、及び/又はコンデンサ404によって格納されたエネルギーを有するとして以下で記載されるが、これらの例は、概して、無効音波源404(又は他の種類の無効負荷)に格納された電圧及び/又はエネルギーの例示のためのものであり、物理的なコンデンサに格納されたエネルギーだけに限定することを意図していない。
【0024】
図4の例示的なドライバ回路402は、励起源408、410を含む。一部の例において、励起源408、410は、それぞれの電圧V1、V2を有するDC電力供給源を使用して実装される。一部の例において、電圧V1と電圧V2とは等しい。説明される例のドライバ回路402はさらに、インダクタンス値Lを有する誘導子によって表される無効構成要素412を含む。例示的な無効構成要素412は、例示的な無効音波源400のリアクタンス(例えば、容量性)を無効にするために、そして、無効音波源400とドライバ回路402とに対する共振周波数を確立するために含まれる。
【0025】
例示的なドライバ回路402はさらに、コントローラ418によって制御される切り替え要素414、416を含む。例示的なコントローラ418は、無効音波源400のエネルギー状態を制御するために、及び/又は1つのエネルギー状態から別のエネルギー状態に無効音波源400を遷移させる(例えば、音波を生成及び/又は伝搬する)ために、切り替え要素414、416を選択的に開いたり(例えば、電気的に切断したり)、閉じたり(例えば、電気的に接続したり)する。エネルギー状態の例示的な各変化は、コンデンサ404に存在する電荷の極性を変化させる。例示的なドライバ回路402と無効音波源400とを始動させた(例えば、ゼロエネルギー状態から定常状態のエネルギー状態になるようにドライバ回路402と無効音波源400とに電圧を印加した)時には、コントローラ418は、無効音波源400においてエネルギーを強めるように、いくつかのエネルギー状態を経て無効音波源400を循環するように、切り替え要素414、416を選択的に開いたり閉じたりする。例示的なドライバ回路402と例示的な無効音波源400との始動サイクルが、以下でさらに詳細に記載される。
【0026】
無効音波源400が、充分なエネルギーを蓄積した時には、例示的なコントローラ418は、定常状態の動作モードになり、定常状態の動作モードにおいては、ドライバ回路402は、2つのエネルギー状態間で無効音波源400を選択的に交互に入れ替える。無効音波源400及びドライバ回路402の第1の例示的なエネルギー状態に、例示的な切り替え要素414、416は両方とも開き、例示的なコンデンサ404は、コンデンサ404の第1の電極420が、コンデンサ404の第2の電極422に対して正である(すなわち、高い電位を有する)ように第1の電荷を保持する。例示的なコントローラ418が、スイッチ414を閉じた時には、電流は、励起源408を含む閉ループを通って循環する。電流は、電流の瞬間的な変化を妨害する誘導子Lにより、最初はゼロである。コンデンサ404が、第1の電荷と反対の極性を有する第2の電荷(例えば、コンデンサ404の第1の電極420が、コンデンサ404の第2の電極422に対して負である(すなわち、低い電位を有する))で帯電されると、電流は、時間の経過と共に増加し、上限電流に到達し、そしてゼロまで減少する。同時に、コンデンサ404にわたる電圧は、最初に減少し、電流が上限にある時にゼロに到達し、それから反対の極性で増加する。コントローラ418と切り替え要素414とによってもたらされる、エネルギー状態の変化が、エネルギー状態間の遷移の間にレジスタ406を通って流れる電流によってモデル化された音波を例示的な無効音波源400に生成させる。
【0027】
次に、例示的なコントローラ418は、(基準方向を有する電流iとして図4〜図6に説明される)電流がゼロに到達した時に、切り替え要素414を開く。その時には、両方の切り替え要素414、416が開き、ドライバ回路402が、実質的に無期限に無効音波源400のエネルギー状態を保持することが出来る。切り替え要素414、416が、開いて保持された時には、エネルギーは、コンデンサ404において電界の形態で格納される。第2のエネルギー状態から第1のエネルギー状態に戻るように無効音波源404のエネルギー状態を変化させるために、例示的なコントローラ418は、例示的な励起源410を含む閉ループを通って電流が流れることを可能にするように切り替え要素416を閉じる。第1のエネルギー状態からの変化に関して、電流は、上限まで増加し、次に、コンデンサ404が実質的に第1の電荷(例えば、コンデンサ404の第1の電極420が、コンデンサ404の第2の電極422に対して正である)で再び帯電されるとゼロまで減少する。次に、例示的なコントローラ418は、電流がゼロに到達した時に、切り替え要素416を開く。
【0028】
切り替え要素414、416のうちの一方が、閉じた時にはいつでも、ドライバ回路402と無効音波源400とは、f0=1/(2π(LC)1/2)として定義される平常の共振周波数f0において振動する。回路内の電流iは、i=sin(2πf0t)に従って変化するが、コンデンサ404にわたる電圧Vは、V=cos(2πf0t)に基づいて変化する。従って、例示的なドライバ回路402は、エネルギー状態間の遷移の間の電圧変化が、正弦曲線の半周期の形状に類似するように、時間内の任意の瞬間において容量性負荷(例えば、無効音波源400、コンデンサ404)のエネルギー状態をトグルスイッチで操作するように使用されてもよい。切り替え要素414、416にわたる電圧低下を無視すると、図4の例示的なコンデンサ404にわたる上限電圧VCpeakは、VCpeak=Q0V1=Q0V2であり、ここで、Q0は、共振周波数における線質係数Q0=(1/R)(L/C)1/2である。
【0029】
定常状態のエネルギー状態に到達すると、図4の例示的なドライバ回路402は、係数Q0だけ供給電圧の増幅を提供する。従って、例示的なドライバ回路402は、有利なことに、比較的に単純な励起源408、410の使用を可能にする。図4の例示的な切り替え要素414、416は、開いた(例えば、オフ)状態に高い絶縁(例えば、電気絶縁)を提供し、閉じた(例えば、オン)状態に低い抵抗を提供するように選択される。例示的なドライバ回路402は、有利なことに、低損失の切り替え要素414、416と無効要素(例えば、無効構成要素412)とを使用するので、エネルギーが、機械的な散逸又は電気的な散逸により浪費されることがほとんどなく、例示的なドライバ回路402の全体的な電力効率は、均一であることに非常に近い。
【0030】
例示的なドライバ回路402と無効音波源400とを始動させた時には、例示的な無効音波源400は、最初は、ゼロエネルギー状態であり(例えば、エネルギーが、実質的にコンデンサ404に格納されていない)、例示的な励起源408、410は、電圧を印加されず、例示的な切り替え要素414、416は、開いた状態である。例示的なコントローラ418(あるいは、ある人、及び/又は他の制御機構)は、励起源408、410に電圧を印加することによって、V1及びV2をそれぞれ提供し始める。次に、図4の例示的なコントローラ418は、コンデンサ404を帯電させるために、切り替え要素414、416のうちの一方(この例においては、切り替え要素416)を閉じる。この例において、コンデンサ404は、電圧V2まで帯電させられ、電極420は、電極422に対して正の電荷を有する。
【0031】
電流iがゼロである(例えば、コンデンサ404が、V2まで帯電するのを終了した)時には、例示的なコントローラ418は、切り替え要素416を開き、切り替え要素414を閉じる。結果として、コンデンサ404は、(この例においては、2*V2=2*V1に等しい)ピーク電圧V1+V2まで帯電させられ、電極422は、電極420に対して正の電圧を有する。電流iが、再びゼロに到達したときには、コントローラ418は、V2+V1+V2というピーク電圧(この例においては、3*V1=3*V2)までコンデンサ404を帯電させるために、切り替え要素414を開き、切り替え要素416を再び閉じる。例示的なコントローラ418は、コンデンサ404が、(Q0*V1/2)+(Q0*V2/2)又はQ0*V1=Q0*V2という定常状態のピーク電圧に到達するまで、コンデンサ404を交互に帯電させるプロセスを繰り返す。
【0032】
例示的なコントローラ418は、電流iが、ゼロであるか、又はしきい値未満である時を決定するために例示的な無効音波源400に結合される。一部の他の例において、コントローラ418は、入力信号のタイミングに基づいて閉じる、及び/又は開くように切り替え要素414、416を制御するように構成される。
【0033】
図5は、図4の例示的な無効音波源400と、音波源400を駆動させるための別の例示的なドライバ回路502との概略図である。図4の例示的な無効音波源400は、レジスタ406と直列の電極420及び422を有するコンデンサ404によって図5に表される。図4において説明されたドライバ回路402と同様に、図5の例示的なドライバ回路502は、無効構成要素412とコントローラ418とを含む。しかしながら、図4のドライバ回路402とは異なり、例示的なドライバ回路502は、単一の励起源504と、4つの切り替え要素506、508、510、512とを含む。例示的な励起源504は、電圧V1を生成する。
【0034】
図5の例示的な切り替え要素506、508、510、512は、Hブリッジとして公知の構造で配置される。コントローラ418は、例示的な切り替え要素506及び512を実質的に同時に開かせ、及び/又は閉じさせ、そして別個に、例示的な切り替え要素508及び510を実質的に同時に開かせ、及び/又は閉じさせる。図4の例示的なドライバ回路402におけるように、無効音波源400の始動の際、例示的なコントローラ418は、エネルギーを強めるために、無効音波源400のエネルギー状態を繰り返し変化させる。図5の例において、コントローラ418は、切り替え要素506及び512を交互に閉じたり開いたりし、無効音波源400におけるエネルギーを強めるために、切り替え要素508及び510を閉じたり開いたりする。多数のエネルギー状態変化サイクルの後、例示的な音波源400は、第1の定常なエネルギー状態に到達する。
【0035】
回路の例示的な第1の定常状態のエネルギー状態に、4つ全ての切り替え要素506〜512が開き、電荷は例示的なコンデンサ404に存在する。例示的なコントローラ418は、閉じた回路を作り出し、例示的な無効音波源400が第1のエネルギー状態から第2のエネルギー状態に変化するのを可能にするために切り替え要素508及び510を閉じる。切り替え要素508及び510が閉じられた時には、例示的なコンデンサ404にわたる電圧Vは、第1の極性における上限電圧から、V=cos(2πf0t)に従って反対の極性を有する電圧まで減少する。さらに、電流iは、上限電流まで増加し、それから、i=sin(2πf0t)に従ってゼロまで減少する。電流がゼロに到達した時には、例示的なコントローラ418は、第2のエネルギー状態に例示的な無効音波源400を保持するために、切り替え要素508及び510を開く。例示的なドライバ回路502は、共振回路R、L、Cの平常の振動のほぼ1つの半周期T0/2、すなわち、T0/2=π(LC)1/2において、第1のエネルギー状態から第2のエネルギー状態に無効音波源400を変化させる。無効音波源400によるエネルギー状態の変化は、音波の生成をもたらすこととなる。
【0036】
説明される例のコントローラ418は、エネルギーがコンデンサ404に格納される任意の期間、開いた位置に切り替え要素506〜512を維持する。次に、コントローラ418は、第2のエネルギー状態から第1のエネルギー状態に無効音波源400を変化させるために、例示的なスイッチ506及び512を閉じる。上で記載されたように、電流iは、上限電流まで増加し、それからゼロまで減少するが、その一方、コンデンサ404の電圧Vは減少し、それから反対の極性で増加する。第2のエネルギー状態から第1のエネルギー状態への変化もまた、例示的な無効音波源400に音波を生成させる。
【0037】
図6は、図4の例示的な無効音波源400と、無効音波源400のためのさらに別の例示的なドライバ回路602との概略図である。図4及び図5の例示的なドライバ回路402、502と同様に、例示的なドライバ回路602は、無効コンポーネント412とコントローラ418とを含む。図6の例示的なドライバ回路602はさらに、励起源604、606と、切り替え要素608、610と、スナバ回路612と、剛性コンデンサ(stiffening capacitors)614、616と、例示的な無効音波源400と並列の分路コンデンサ618とを含む。
【0038】
例示的な剛性コンデンサ614、616は、励起源604、606の内部インピーダンスを低下させるためにそれぞれの励起源604、606と並列に、及び/又はエネルギー状態間の遷移の間に経験され得る大きなピーク電流を調達するために、励起源604、606と組み合わせて接続される。例示的な分路コンデンサ618は、ドライバ回路602の線質係数Q0を増加させるために(例えば、所与の励起源電圧V1、V2のために無効音波源400に高いピーク電圧を提供するために)、及び/又は機械的な反発及び/又は他の効果に応答して、無効音波源400によって集積された電荷を吸収するように、例示的な無効音波源400と並列で接続される。
【0039】
例示的な切り替え要素608、610はそれぞれ、サイリスタ620、622と、遮断ダイオード624、626と、パルストランス628、630とを含む。例示的なサイリスタ620、622は、有利なことに、例示的な切り替え要素608、610を実装するために使用される。なぜならば、サイリスタは、大きな電圧及び電流の定格で利用可能であり、比較的に頑丈であり、制御のために比較的に単純な回路構成要素と組み合わせて使用されてもよいからである。特に、サイリスタは、ゲート端子に電流パルスを加えることによって作動され(閉じられ)てもよい。逆に、サイリスタは、逆電圧にさらされた時には、実質的に自発的に停止する。図6の例において、コントローラ418は、パルストランス628、630のうちのそれぞれのものを介して例示的なサイリスタ620、622に電流パルスを提供する。しかしながら、サイリスタは、比較的に長い逆回復時間を示し得る。コンデンサ404の望ましくなく放電、及び/又は無効構成要素412における損傷を与える可能性がある電圧ノイズをもたらし得る可能性がある逆電流が、サイリスタ620、622を通って流れることを減少させるか、又はそれを防止するために、図6の例示的な切り替え要素608、610はまた、それぞれの遮断ダイオード624、626を含む。例示的な遮断ダイオード624、626は、比較的に速い逆回復時間を有し、逆電流が切り替え要素608、610を通って流れるのを可能にすることと関連する問題を減少させるか、また防止することが出来る。
【0040】
例示的なスナバ回路612は、抵抗値Rsを有するレジスタ632と、容量値Csを有するコンデンサ634とを含む。切り替え要素608、610、及び/又はダイオード624、626に過度な電圧ストレスを加え得る、誘導子412にわたって現れる電圧ノイズを減少させるか、又は回避するために、切り替え要素608、610が切られた時に誘導子412に残っているあらゆる残余エネルギーは、例示的なスナバ回路612によって吸収される。説明される例において、抵抗値Rsは、Rs=0.5(L/Cstray1/2に従って誘導子412の自己共振を決定的に弱めるように選択され、Cstrayは、誘導子412の端子にわたって存在する浮遊配線容量である。さらに、例示的な容量値Csは、コーナー周波数fc=1/(2πRss)に基づいて、エネルギー状態間の遷移の間にレジスタ632において散逸されるエネルギーを最小化するように選択される。一部の例において、スナバ回路612のコーナー周波数fcは、好適には、f0と比較して高くなり、そして、fr=1/(2π(LCstray1/2)に従った、誘導子412の自己共振周波数frと比較して低くなるように選択される。
【0041】
動作において、例示的なコントローラ418は、コンデンサ404に印加される電圧Vを強めるためにエネルギー状態間で例示的な無効音波源400を交互に切り替えるように、(例えば、それぞれのパルストランス628、630に電圧を提供することによって)切り替え要素608、610を制御する。多数のエネルギー状態変化の後、例示的なドライバ回路602は、定常状態の動作モードに到達する。例えば、定常状態の動作モードは、電圧Vが、V1*Q0及び/又はV2*Q0に等しいか、又は実質的に等しい時に生じ得る。
【0042】
第1のエネルギー状態に、コンデンサ404の第1の電極420は、第2の電極422に対して正の電圧を有する。さらに、コントローラ418は、切り替え要素608、610を開いて保持する。しばらくして、例示的なコントローラ418は、切り替え要素608を開いたままで、パルストランス630に電圧を印加することによって、ドライバ回路602に切り替え要素610を閉じさせる。図4及び図5の例示的なドライバ回路402、502に関して、コンデンサ404の電圧Vが減少し、それから第1のエネルギー状態における極性とは反対の極性で増加すると、図6の例示的な無効音波源400を通る電流iは、上限電流まで増加し、それから減少する。電流iが、実質的にゼロまで減少した時には、例示的なコントローラ418は、切り替え要素610を開かせる。上述のように、遮断ダイオード626は、サイリスタ622が停止すると、逆電流がコンデンサ404から放電するのを減少させるか、又は防止する。
【0043】
第2のエネルギー状態から第1のエネルギー状態に例示的な無効音波源400を切り替えるために、図6のコントローラ418は、切り替え要素610を開いた状態で維持しながら、パルストランス628に電圧を印加することによって切り替え要素608を閉じる。切り替え要素608が閉じた時には、電流iは増加し、それからゼロまで減少するが、上に記載されたように、電圧Vは減少し、それから第2のエネルギー状態とは反対の極性(例えば、第1のエネルギー状態における極性と同じ極性)を有して増加する。電流iが、ゼロまで減少した時か、又は実質的にゼロまで減少した時には、サイリスタ620は、逆電流がコンデンサ404から放電するのを減少させるか、又は防止するために停止する。遮断ダイオード624は、サイリスタ620が停止すると、逆電流がコンデンサ404から放電するのを減少させるか、又は防止する。なぜならば、例示的なサイリスタ620は、比較的にゆっくりと停止するからである。例示的なコントローラ418は、開いたスイッチとして切り替え要素608、610を維持することによって、実質的に無期限に、第1及び/又は第2のエネルギー状態で無効音波源400を保持することが出来る。コントローラ418が、ドライバ回路602に無効音波源400のエネルギー状態を変化させた時に、無効音波源400は、音波を生成する。
【0044】
例示的な切り替え要素が、図4、図5、及び図6に記載されるが、他の種類の切り替え要素が、追加的又は代替的に使用されてもよい。例えば、切り替え要素414、416、506、508、510、512、608、又は610のうちのいずれかが、その他任意の種類の電気切り替え要素と交換されてもよく、その他任意の種類の電気切り替え要素は、バイポーラ・ジャンクション・トランジスタ(BJT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)、及び/又は継電器、任意の関連回路網を含むが、それらには限定されない。
【0045】
さらに、本明細書において開示された例示的なドライバ回路は、圧電トランスデューサなどの無効音波源を参照して本明細書に記載されるが、例示的なドライバ回路は、他の種類の磁歪トランスデューサだけでなく、磁気駆動弁、磁気駆動継電器、及び/又はシヌソイド形状のパルス及び/又は衝撃で駆動されることが出来るその他任意の種類の主な無効負荷を駆動するために使用されてもよく、又はそれらを駆動するために使用するように改変されてもよい。
【0046】
図4〜図6の例示的なコントローラ418は、無効音波源を通る電流が、ゼロであるか、又は実質的にゼロであるときに、切り替え要素414、416、506、508、510、512、608、又は610のうちの選択されたものを開くと記載されるが、例示的なコントローラは、電流がしきい値電流よりも下まで減少した時に、切り替え要素414、416、506、508、510、512、608、又は610のうちの選択されたものを追加的又は代替的に開いてもよい。例えば、図6のサイリスタ620、622は、保持電流しきい値を有するように選択されてもよく、保持電流しきい値よりも下では、サイリスタ620、622は、電流を伝えるのを止め、遮断モードに変化する。
【0047】
図7は、例示的な無効音波源400と、図6で説明された例示的なドライバ回路602とをテストすることによって獲得された電圧波形と電流波形とを描くグラフ700である。例示的な波形702は、入力M系列電圧であり、例示的な波形704は、無効音波源400にわたる電圧(例えば、ドライバ回路602によって無効音波源400に印加される電圧)であり、例示的な波形706は、例示的な無効音波源400を通って流れる電荷電流である。例示的な波形702〜706は、約1オームの抵抗(例えば、レジスタ406の抵抗値R)と直列で、1マイクロファラッド(μF)の容量(例えば、コンデンサ404の容量値C)を有する圧電トランスデューサに適用される。例示的な無効構成要素412は、8.5ミリヘンリー(mH)の誘導子であり、これが、ドライバ回路602と無効音波源400とに対する1726ヘルツ(Hz)の共振周波数f0をもたらす。結果として、共振周波数における正弦波サイクルの半分に対応する、1つのエネルギー状態から別のエネルギー状態への各遷移の持続時間は、約290マイクロ秒(μs)である。
【0048】
図7で説明されるように、波形702は、例えば、エネルギー間(従って音波間)の遷移をもたらすためにパルストランス628、630を制御するための、コントローラ418からの出力電力を示す。例示的な波形702と関連するクロック周波数は、約1000Hzである。例示的な波形704は、図6の無効音波源400にわたる電圧である。図7で説明されるように、2400Vのピーク・トゥ・ピーク電圧振幅が、例示的な励起源604、606によって提供される例示的な電圧V1=V2=19V(例えば、約2400V/38V≒63.16の線質係数Q0)と共に生じる。図7で説明されるように、第1のエネルギー状態と第2のエネルギー状態との間で切り替えた時のピーク電流は、約28アンペア(A)である。
【0049】
図8Aは、音波を生成するために図4〜図6の例示的な無効音波源に適用されてもよい異なる遷移を有する例示的なM系列信号を表す電流波形802、804、806を描くグラフ800である。図8Bは、図8Aの例示的な電流波形802、804、806に対する自己相関係数810、812、814と相互相関係数816、818とを描くグラフ808である。具体的には、例示的なM系列信号波形802は、波形802が急な遷移を経験するという意味で理想的なM系列の部分である。例示的なM系列信号波形804は、波形802と同じM系列の部分であるが、波形804の遷移は、正弦波の半周期である。例示的なM系列信号波形806もまた、波形802、804と同じM系列の部分であるが、波形806の遷移は、全クロック周期まで延びる。
【0050】
波形810は、波形802の自己相関係数を表し、波形812は、波形804の自己相関係数を表し、そして、波形814は、波形806の自己相関係数を表す。波形816は、波形802と波形804との間の相互相関係数を表す。波形818は、波形802と波形806との間の相互相関係数を表す。図8A及び図8Bから明らかにされるように、図4、図5、及び図6の例示的なドライバ回路402、502、602において生成された平滑な遷移電流は、相関係数のコンパクトさを目に見えるほどには低下させず、スプリアスのサイドローブを生じない。さらに、図8A及び図8Bで説明された結果は、例示的なグラフ802、808を生成するために使用された例示的な127状態の系列(127−state sequence)に限定されず、その代わりに、実質的にM系列の長さに関わらず、複数のM系列に適用される。
【0051】
図3の音波トランスミッタ314を実装する例示的な方法が、図4、図5、及び図6に説明されているが、図4、図5、及び図6で説明された要素、プロセス、及び/又はデバイスのうちの1つ以上が、他の方法で、組み合わされてもよく、分割されてもよく、再配置されてもよく、省かれてもよく、排除されてもよく、及び/又は実装されてもよい。さらに、例示的なコントローラ418、例示的な切り替え要素414、416、506、508、510、512、608、610、及び/又はさらに一般的には、図4、図5、及び図6の例示的なドライバ回路402、502、602が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせによって実装されてもよい。このように、例えば、例示的なコントローラ418、例示的な切り替え要素414、416、506、508、510、512、608、610、及び/又はさらに一般的には、例示的なドライバ回路402、502、602が、1つ以上の回路、プログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、及び/又はフィールドプログラマブル論理デバイス(FPLD)などによって実装されることが出来る。添付の装置の請求項のうちの任意のものが、純粋なソフトウェア及び/又はファームウェアの実装を包含するように読まれる時には、例示的なコントローラ418、及び/又は例示的な切り替え要素414、416、506、508、510、512、608、610のうちの少なくとも1つが、ソフトウェア及び/又はファームウェアを格納する、メモリ、DVD、CDなどのコンピュータ読み取り可能な媒体を含むように明示的に定義される。さらにまた、図4、図5、及び図6の例示的なドライバ回路402、502、602は、図4、図5、及び図6で説明されたものに加えて、又はそれらの代わりに、1つ以上の要素、プロセス、及び/又はデバイスを含んでもよく、及び/又は説明された要素、プロセス、及びデバイスのうちの任意のもののうちの2つ以上、又はそれらの全てを含んでもよい。
【0052】
図4、図5、及び図6のコントローラ418を実装するための例示的なプロセスを表す流れ図が、図9に示される。この例において、プロセスは、図10に関して以下で考察される例示的なコンピュータ1000に示されるプロセッサ1012などのプロセッサによって実行するためのプログラムによって実装されてもよい。プログラムは、CD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、又はプロセッサ1012と関連付けられるメモリなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されたソフトウェアにおいて体現されてもよいが、プログラム全体、及び/又はその一部は、代替的に、プロセッサ1012以外のデバイスによって実行され、及び/又はファームウェア又は専用ハードウェアにおいて体現されることが出来る。さらに、例示的なプログラムは、図9で説明される流れ図を参照して記載されるが、例示的なコントローラ418を実装する多くの他の方法が、代替的に使用されてもよい。例えば、ブロックの実行の順序は、変更されてもよく、及び/又は記載されるブロックのうちの一部が、変更、排除、又は組み合わされてもよい。
【0053】
上述のように、図9の例示的なプロセスは、ハード・ディスク・ドライブ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、キャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、及び/又は情報が任意の持続時間の間(例えば、長期間の間、永久に、短い間、一時的なバッファリングの間、及び/又は情報をキャッシュする間)、格納されるその他任意の格納媒体などの有形のコンピュータ読み取り可能な媒体に格納された符号化された命令(例えば、コンピュータ読み取り可能な命令)を使用して実装されてもよい。本明細書において使用されるように、有形のコンピュータ読み取り可能な媒体という用語は、あらゆる種類のコンピュータ読み取り可能なストレージを含み、信号を伝播することを排除するように明示的に定義される。さらに、又は代替的に、図9の例示的な動作は、ハード・ディスク・ドライブ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、キャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ、及び/又は情報が任意の持続時間の間(例えば、長期間の間、永久に、短い間、一時的なバッファリングの間、及び/又は情報をキャッシュする間)、格納されるその他任意の格納媒体などの一時的ではないコンピュータ読み取り可能な媒体に格納された符号化された命令(例えば、コンピュータ読み取り可能な命令)を使用して実装されてもよい。本明細書において使用されるように、一時的ではないコンピュータ読み取り可能な媒体という用語は、あらゆる種類のコンピュータ読み取り可能な媒体を含み、信号を伝播することを排除するように明示的に定義される。
【0054】
図9は、図4〜図6のコントローラ418を実装するために行われ得る例示的なプロセス900を表す流れ図である。上述のように、例示的なプロセス900は、有形のコンピュータ読み取り可能な媒体に格納された符号化された命令を使用して実装されてもよい。例示的なプロセス900は、例示的なドライバ回路602と、図6の例示的な無効音波源400とを参照して考察されるが、例示的なプロセス900はまた、図4及び図5の例示的なドライバ回路402、502、他の種類のドライバ回路、及び/又は他の種類の無効負荷に適用可能である。図9の例示的なプロセス900は、コントローラ418が、第1のエネルギー状態に無効音波源400を変化させるために(例えば、図6の切り替え要素608、610を介して)ドライバ回路602を制御することから始まる(ブロック902)。一部の例において、第1のエネルギー状態は、第1の定常状態のエネルギー状態であり、コンデンサ端子における電圧は、図6の励起源604、606によって提供される電圧V1、V2とドライバ回路602の線質係数Q0とに基づく。帯電は、例えば、切り替え要素のうちの一方608を閉じながら、切り替え要素のうちの他方610を開き、切り替え要素のうちの他方610を閉じながら、切り替え要素のうちの最初のもの608を開くことを交互に行うことによって行われてもよい。
【0055】
無効音波源400が、第1のエネルギー状態に変化された時(ブロック902)には、例示的なコントローラ418が、第1のエネルギー状態に無効音波源400を保持する(ブロック904)。例えば、サイリスタ620、622を通る電流が、ゼロに到達した時、また実質的にゼロに到達した時(例えば、無効音波源400が、第1のエネルギー状態に到達した時)に、それぞれのサイリスタ620、622は停止し、これが、切り替え要素608、610を開いたスイッチの状態にさせる。一部の例において、コントローラ418は、無効音波源400を通る電流が、ゼロであるか、実質的にゼロであるときに開くように切り替え要素608、610を制御し、これが、電気エネルギーの散逸によってもたらされる損失を減少させる。なんらかの時に、例示的なコントローラ418は、無効音波源400がエネルギー状態を変化させる時であるか否かを決定する(ブロック906)。エネルギー状態を変化させることは、例えば、無効音波源400が、測定及び/又は検層のために音波を生成する時に生じ得る。例示的なコントローラ418は、例えば、音波を生成するための別個の所望の時、及び/又はM系列信号、パルス変調信号、及び/又はその他任意の種類の周期的又は非周期的な信号などの制御信号と一致する時に基づいてエネルギー状態を変化させる時を決定してもよい。コントローラ418が、エネルギー状態を変化させる時ではないと決定した場合(ブロック906)には、制御は、第1のエネルギー状態に無効音波源400を保持し続けるためにブロック904に戻る。
【0056】
例示的なコントローラ418が、エネルギー状態を変化させる時であると決定した時(ブロック906)には、コントローラ418は、無効音波源が第2のエネルギー状態に変化するのを可能にするために、第1の切り替え要素(例えば、図6の切り替え要素610)を閉じる(ブロック908)。例えば、コントローラ418は、サイリスタ622に、無効音波源400と例示的な励起源606とを含む回路において電流を伝えさせるために、パルストランス630に電圧を印加してもよい。無効音波源400が、第2のエネルギー状態に変化する間に、例示的なコントローラ418は、電流がしきい値よりも低いか否かを決定する(ブロック910)ために無効音波源400を通って流れる電流を監視する。例えば、電流が、ゼロであるか、又は実質的にゼロであるときには、電流は、しきい値よりも低くてもよい。
【0057】
コントローラ418が、電流がしきい値よりも低いことを検知した時(ブロック910)には、コントローラ418は、第2のエネルギー状態に無効音波源400を保持する(ブロック912)。例示的な第2のエネルギー状態に、無効音波源400は、第1のエネルギー状態に無効音波源400によって格納された電界と実質的に同じエネルギーを有するが、それとは反対の極性を有する電界を格納する。コントローラ418は、例えば、開いた状態のままであるように切り替え要素608、610を制御することによって、第2のエネルギー状態に無効音波源400を保持してもよい。例示的なコントローラ418は、エネルギー状態を変化させる時であるか否かを決定する(ブロック914)。例示的なブロック906におけるように、例示的なコントローラ418は、無効音波源400が、いつ測定及び/又は検層のために音波を生成するかに基づいて、音波を生成するための個別の所望の時などのエネルギーを変化させる時に基づいて、及び/又はM系列信号、パルス変調信号、及び/又はその他任意の種類の周期的又は半周期的な信号などの制御信号と一致する時に、エネルギー状態を変化させる時であるかを決定してもよい。コントローラ418がエネルギーを変化させる時ではないと決定した場合(ブロック914)には、第2のエネルギー状態に無効音波源を保持し続けるために、制御はブロック912に戻る。
【0058】
コントローラ418が、エネルギー状態を変化させる時であると決定した時(ブロック914)には、コントローラ418は、無効音波源が第1のエネルギー状態に変化するのを可能にするために第2の切り替え要素を閉じる(ブロック916)。例えば、図6のコントローラ418は、サイリスタ620が電流を伝えるのを可能にするためにパルストランス628に電圧を印加することによって切り替え要素608を閉じる。無効音波源400が、第1のエネルギー状態に変化すると、コントローラ418は、無効音波源400を通る例示的な電流iが、しきい値よりも低いか否かを決定する(ブロック918)。電流iが、しきい値よりも下に減少した時(ブロック918)には、コントローラ418は、エネルギー状態間で無効音波源400を切り替え続けるか否かを決定する(ブロック920)。
【0059】
例示的なコントローラ418が、エネルギー状態を切り替え続ける場合(ブロック920)には、第1のエネルギー状態に無効音波源を保持するために、制御はブロック904に戻る。一方、コントローラ418が、エネルギー状態を切り替えるのを止める場合(ブロック920)には、図9の例示的なプロセス900は、終了してもよい。一部の例において、無効音波源400は、プロセス900が終了した時には、コンデンサ404に格納されたあらゆるエネルギーを放電することを可能にされてもよく、及び/又はそれを強制させられてもよい。これは、例えば、励起源604、606の電源を切ることによって、及び切り替え要素608、610のうちの一方又は両方を閉じることによって達成されてもよい。
【0060】
図10は、図4〜図6のドライバ回路を実装するために図10のプロセスの一部又は全部を実装するために、例示的な機械読み取り可能な命令を実行し得る例示的なコンピュータシステム1000のブロック図である。コンピュータシステム1000は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、携帯端末(PDA)、インターネット家電、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、デジタル・ビデオ・レコーダ、パーソナル・ビデオ・レコーダ、セット・トップ・ボックス、又はその他任意の種類のコンピュータ計算デバイスであり得る。
【0061】
システム1000の簡単な例は、汎用プログラマブルプロセッサなどのプロセッサ1012を含む。プロセッサ1012は、ローカルメモリ1014を含み、ローカルメモリ1014及び/又は別のメモリデバイスに存在する符号化された命令1016を実行する。プロセッサ1012は、特に、図9に表されたプロセスを実装するための機械読み取り可能な命令を実行してもよい。プロセッサ1012は、Intel(登録商標)Centrino(登録商標)系のマイクロプロセッサ、Intel(登録商標)Pentium(登録商標)系のマイクロプロセッサ、Intel(登録商標)Itanium(登録商標)系のマイクロプロセッサ、及び/又はIntel XScale(登録商標)系のプロセッサのうちの1つ以上のマイクロプロセッサなどの任意の種類の処理ユニットであってもよい。当然、他系からの他のプロセッサもまた適切である。
【0062】
プロセッサ1012は、バス1022を介して、揮発性メモリ1018と不揮発性メモリ1020とを含むメインメモリと通信する。揮発性メモリ1018は、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、同期型ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(RDRAM)、及び/又はその他任意の種類のランダム・アクセス・メモリ・デバイスによって実装されてもよい。不揮発性メモリ1020は、フラッシュメモリ、及び/又はその他任意の所望の種類のメモリデバイスによって実装されてもよい。メインメモリ1018、1020に対するアクセスは、典型的には、メモリコントローラ(図示せず)によって制御される。
【0063】
システム1000はまた、インタフェース回路1024を含む。インタフェース回路1024は、イーサネット(登録商標)インタフェース、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、及び/又は第3世代の入力/出力(3GIO)インタフェースなどの任意の種類のインタフェース規格によって実装されてもよい。
【0064】
1つ以上の入力デバイス1026が、インタフェース回路1024に接続される。入力デバイス1026は、ユーザが、プロセッサ1012にデータやコマンドを入力することを可能にする。入力デバイスは、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、アイソポイント、及び/又は音声認識システムによって実装されることが出来る。
【0065】
1つ以上の出力デバイス1028もまた、インタフェース回路1024に接続される。出力デバイス1028は、例えば、ディスプレイデバイス(例えば、液晶ディスプレイ、ブラウン管ディスプレイ(CRT))によって、プリンタによって、及び/又はスピーカによって実装されることが出来る。このように、インタフェース回路1024は、典型的には、グラフィック・ドライバ・カードを含む。
【0066】
インタフェース回路1024はまた、ネットワーク(例えば、イーサネット(登録商標)接続、デジタル加入者回線(DSL)、電話回線、同軸ケーブル、セルラー電話システムなど)を介した外部コンピュータとのデータの交換を容易にするために、モデム又はネットワーク・インタフェース・カードなどの通信デバイスを含む。
【0067】
システム1000はまた、ソフトウェアやデータを格納するために1つ以上のマス・ストレージ・デバイス1030を含む。そのようなマス・ストレージ・デバイス1030の例は、フロッピー(登録商標)・ディスク・ドライブ、ハード・ディスク・ドライブ、コンパクト・ディスク・ドライブ、及びデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブを含む。
【0068】
上記から、無効音波源及び/又は他の無効負荷を駆動するためのシステム、方法、及び装置が開示された。本明細書において開示された例示的なシステム、方法、及び装置は、効率的であり、実装するのが比較的に簡単である。本明細書において開示された一部の例示的なシステム、方法、及び装置は、有利なことに、単極及び/又は双極の音波検層、地震探査、掘削同時検層、及び/又は音波が使用されてもよいその他任意の用途を行うために音波を生成するために使用されてもよい。
【0069】
特定の例示的な方法、装置、及び製品が、本明細書において記載されたが、本特許の対象範囲は、それらには限定されない。反対に、本特許は、本特許の特許請求の範囲の範囲内に適切に該当する全ての方法、装置、及び製品を包含する。
【符号の説明】
【0070】
1 坑井現場システム
10 アセンブリ
11 掘削孔
12 ドリルストリング
16 回転テーブル
17 ケリー
18 フック
19 回転スイベル
26 泥、掘削流体
27 ピット
29 ポンプ
100 底部穴アセンブリ
105 ドリルビット
120 掘削同時検層モジュール
130 掘削同時測定モジュール
150 モータ
160 音波測定デバイス
300 ダウンLWDモジュール
314 音波トランスミッタ
331、332 音波受信器
400 無効音波音源
402 ドライバ回路
404 コンデンサ
406 レジスタ
408、410 励起源
412 無効構成要素
414、416 切り替え要素
418 コントローラ
420 第1の電極
422 第2の電極
506、508、510、512 切り替え要素
602 ドライバ回路
604、606 励起源
608、610 切り替え要素
620、622 サイリスタ
624、626 遮断ダイオード
628、630 パルストランス
632 レジスタ
634 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無効負荷を有する回路内の無効構成要素と、
第1のエネルギー状態に前記無効負荷を選択的に保持し、前記無効負荷が前記第1のエネルギー状態から第2のエネルギー状態に変化することを選択的に可能にするための、前記無効負荷を有する回路内の第1の切り替え要素と、
前記第2のエネルギー状態に前記無効負荷を選択的に保持し、前記無効負荷が前記第2のエネルギー状態から前記第1のエネルギー状態に変化することを選択的に可能にするための、前記無効負荷を有する回路内の第2の切り替え要素と、
前記無効負荷における電流を検知し、前記電流がしきい値を超えたときには、前記第1のエネルギー状態又は前記第2のエネルギー状態に前記無効負荷を保持するように前記第1の切り替え要素と前記第2の切り替え要素とを制御するコントローラと
を備える、無効負荷を駆動する装置。
【請求項2】
前記第1の切り替え要素は、サイリスタ又はシリコン制御整流器のうちの少なくとも一方を有する回路内に遮断ダイオードを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記無効構成要素は、誘導子である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記誘導子の自己共振を減少させるためにスナバ回路をさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のエネルギー状態及び前記第2のエネルギー状態のうちの少なくとも一方に前記無効負荷を選択的に保持するように、前記無効負荷を有する回路内に第3の切り替え要素と第4の切り替え要素とをさらに備え、前記第1の切り替え要素及び前記第4の切り替え要素は、前記無効負荷が前記第1のエネルギー状態から前記第2のエネルギー状態に変化するのを選択的に可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の切り替え要素と前記第3の切り替え要素とは、前記無効負荷が前記第2のエネルギー状態から前記第1のエネルギー状態に変化するのを選択的に可能にする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記無効負荷に電気エネルギーを提供するために励起源をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記無効負荷は、無効音波源、圧電トランスデューサ、磁歪トランスデューサ、磁気駆動弁及び磁気駆動継電器のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
無効負荷を帯電させることと、
第1の電界極性を有する第1のエネルギー状態に前記無効負荷を保持することと、
前記無効負荷が、前記第1のエネルギー状態から、第2の電界極性を有する第2のエネルギー状態に変化するのを可能にすることであって、前記変化は、前記無効負荷に、第1の音波を伝搬させる、可能にすることと
を包含する、方法。
【請求項10】
前記第2のエネルギー状態に前記無効負荷を保持することと、
前記無効負荷が前記第2のエネルギー状態から前記第1のエネルギー状態又は第3のエネルギー状態に変化するのを可能にすることであって、前記変化は、前記無効負荷に、第2の音波を伝搬させる、可能にすることと
をさらに包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のエネルギー状態に前記無効負荷を保持することは、前記無効負荷の無効構成要素において第1の極性を有する電荷を格納することを包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のエネルギー状態に前記無効負荷を保持することは、前記無効負荷の前記無効構成要素において前記第1の極性とは反対の第2の極性を有する電荷を格納することを包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のエネルギー状態又は前記第2のエネルギー状態に前記無効負荷を保持することは、前記無効負荷を通る電流が実質的にゼロであるときに、切り替え要素を開くことを包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
音波を伝搬するための無効音波源と、
前記無効音波源にエネルギーを提供するための励起源と、
第1の期間の間、第1のエネルギー状態に前記無効音波源を保持し、音波を伝搬するために、前記第1のエネルギー状態から第2のエネルギー状態に前記無効音波源を遷移させ、そして、第2の期間の間、前記第2のエネルギー状態に前記無効音波源を保持するためのドライバ回路と
を備える、システム。
【請求項15】
前記ドライバ回路は、複数の切り替え要素と一個のコントローラとを備え、前記コントローラは、前記第1のエネルギー状態又は前記第2のエネルギー状態に前記無効音波源を選択的に保持し、前記第1のエネルギー状態から前記第2のエネルギー状態に前記無効音波源を選択的に遷移させるように、前記切り替え要素を制御する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記無効音波源を通る電流がしきい値よりも低い時に、前記第1のエネルギー状態又は前記第2のエネルギー状態に前記無効音波を保持するように、前記切り替え要素を制御する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、M系列信号に基づいて前記切り替え要素を制御する、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ドライバ回路は、無効にするリアクタンス(countering reactance)を提供するために、前記無効音波源を有する回路内に無効構成要素を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記無効音波源は、圧電トランスデューサを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記音波を検知するための複数の受信器と、検知の時を記録するためのレコーダとをさらに備える、請求項14に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−252007(P2012−252007A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−126473(P2012−126473)
【出願日】平成24年6月1日(2012.6.1)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited