説明

無収差結像システムおよび結合された非結像光集光器を有する多接合太陽電池

【課題】電気エネルギーを生成するための太陽エネルギーに対する光学システムを提供する。
【解決手段】光学システム10は、無収差結像システム、無収差システムに結合された非結像太陽集光器24、および非結像太陽集光器24から非常に集結された光を受信するための多接合太陽電池26を含む。無収差光学結像システムは、一次ミラー20と二次ミラー14とを備え得る。無収差光学結像システムは、同一平面上の入口開口部12を有する二次ミラー14と、頂点と同一平面上の出口開口部16を含む一次ミラー20とのうちの少なくとも1つを含み得る。一次ミラー20と二次ミラー14との間の空間は、誘電体を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の分野)
本発明は、光学システムを用いる多接合太陽電池に関し、上記光学システムは、極めて高い太陽フラックス(solar flux)を提供し、非常に効率的な電気的出力を生成する。より詳細には、本発明は、太陽エネルギーシステムに関し、上記太陽エネルギーシステムは、非結像光集光器またはフラックスブースターと、無収差の一次および二次のミラーシステムとを組み合わせる事に関し、非結像集光器は、ミラーに効率的に結合され、その結果、結像条件が、多接合太陽電池上での高い強度の光の集中に対して達成される。
【背景技術】
【0002】
電気的エネルギーを生成するための太陽電池は、非常に周知されているが、生成のKwhコストが非常に高いので、実用性が制限されている。多年にわたり、十分な研究が行なわれているが、依然として、Kwhあたりのコストは、従来の電力生成の約10倍である。風力電力またはその他の代替的なエネルギー源と競争さえもするためには、太陽電池からの電気の生成の効率は、劇的に向上されなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(本発明の概要)
無収差光学結像設計は、非結像光学システムと組み合わされ、超小型の光集光器を生成し、これは、エタンデュ(etendue)限界で機能する。多接合太陽電池システムにおいて、無収差光学素子ならびに結合された非結像集光器は、非常に高い効率の電気的出力を生成する。代替的な実施形態においては、複数の従来の太陽電池が、多接合電池の代わりに用いられ得る。
【0004】
様々な無収差および平面状の光学システムは、非結像集光器に、必要なコンポーネントを提供し得、これは、多接合太陽電池上への集光度が高い光出力を形成する。一実施形態において、二次ミラーは、入口開口部と同一平面上にあり、出口開口部は、一次ミラーの頂点と同一平面上にある。一般的な立場で、一次および二次のミラーを有する最も小型の結像システムに対し、直径に対する奥行きの比は、1:4である。図1は、この関係を例示している。好適な実施形態において、ミラー内空間は、屈折率nの誘電体で充満され、開口数(「NA」)は、nのファクターによって増大する。非結像光集光器は、一次ミラーの出口開口部に配置され、非結像集光器は、θ/θ集光器である。ここに、θは、システムの結像ステージのNAに適合するように選ばれ(sinθ=NA,/n)、一方で、θは、実質的な条件、例えば、全内反射(「TIR」)維持すること、あるいは多接合太陽電池における光の発散の角度を制限すること、あるいは集光器と多接合太陽電池(または、以後に記載される本発明の形態の照明器の光源)との間の小さな空隙と適応するように放射が発することを可能にすること、を満たすように、選ばれる。
【0005】
このシステム(そのエレメントの組み合わせを有する)は、高い効率の多接合太陽電池を用いることを可能にし、その結果、非常に強度の強い太陽フラックスが、無収差および平面状の光学サブシステムに結合されている非結像集光器によって、太陽電池に入力され得る。多接合太陽電池は、当該技術分野で基本的な従来の電池よりも約100倍高いが、本明細書に記載されているシステムは、非常に集光した太陽光(少なくともおよそ数千sunに相当)を提供し得るので、結果として、多接合電池のコストは、商業的に非常に魅力的なものになる。したがって、光学システムは、太陽電池に対する商業的な実効性を達成するのに必要な光の強度を提供する。上述された光学システムが、光変換器に隣接して配置された光源を有する照明器として用いられ得ることにも、留意されたい。
【0006】
本発明の目的および利点は、以下の詳細な記載およびこれ以後に記載される図面から明らかになる。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
太陽エネルギーシステムであって、
無収差光学結像システムと、
非結像太陽集光器であって、該無収差光学結像システムから光を収集する、非結像太陽集光器と、
該非結像太陽集光器から光を受信する太陽電池であって、該太陽電池は、電気的出力を形成する、太陽電池と
を備える、太陽エネルギーシステム。
(項目2)
上記太陽電池は、多接合太陽電池を備える、項目1に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目3)
上記無収差光学結像システムは、一次ミラーと二次ミラーとを備える、項目1に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目4)
上記無収差光学結像システムは、同一平面上の入口開口部を有する上記二次ミラーと、頂点と同一平面上の出口開口部を含む上記一次ミラーとのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目5)
上記一次ミラーと上記二次ミラーとの間の空間は、誘電体を含む、項目1に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目6)
上記誘電体は、空気ならびに約1.4〜1.5の屈折率を有する材料から構成される群から選択される、項目5に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目7)
上記非結像太陽集光器は、θ/θ非結像集光器を備える、項目1に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目8)
上記θ/θ非結像集光器は、上記無収差光学結像システムの開口数に適合するように選ばれたθによって選択される、項目7に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目9)
上記一次ミラーと上記二次ミラーとの両方の上記出口開口部は、実質的に平坦である、項目1に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目10)
上記非結像集光器は、全内反射を提供する、項目1に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目11)
上記非結像集光器は、銀メッキされた反射表面を含む、項目1に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目12)
上記非結像太陽集光器は、実質的に、上記一次ミラーの出口開口部と同一平面に配置される、項目1に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目13)
上記非結像太陽集光器は、調整された反射表面を備える、項目12に記載の太陽エネルギーシステム。
(項目14)
太陽エネルギーシステムのための光学システムであって、
光を収集するための無収差光学結像システムと、
該無収差光学結像システムに結合された非結像太陽集光器であって、該無収差光学結像システムから光を受信し、これにより、太陽エネルギーシステムによって使用するための非常に高い強度の光の出力を提供する、非結像太陽集光器と
を備える、光学システム。
(項目15)
上記無収差光学結像システムは、一次ミラーと二次ミラーとを含み、該一次ミラーおよび該二次ミラーは、それらと同一平面上の出口開口部を有する、項目14に記載の光学システム。
(項目16)
上記一次ミラーと上記二次ミラーとの間に配置された誘電体をさらに含み、該誘電体は、約1.0〜1.5の屈折率を有する、項目14に記載の光学システム。
(項目17)
上記非結像太陽集光器は、θ/θ集光器と調整された集光器との群から選択される、項目14に記載の光学システム。
(項目18)
光を選択的に結像するための光学システムであって、
光源と、
非結像光学照明器システムであって、該光源から光を収集する、非結像光学照明器システムと、
無収差光学結像システムであって、該非結像光学照明器から受信した光を出力する、無収差光学結像システムと
を備える、光学システム。
(項目19)
上記非結像光学照明器は、θ/θ照明器および調整された反射表面の照明器から構成される群から選択される、項目18に記載の光学システム。
(項目20)
上記非結像光学照明器は、TIR照明器および銀メッキされた反射表面の照明器から構成される群から選択される、項目18に記載の光学システム。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、多接合太陽電池に結合された非結像集光器に関連する無収差光学システムを示している。
【図2】図2は、非結像集光器の詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(好適な実施形態の詳細な説明)
本発明の一実施形態に従って組み立てられた光学システム10が、図1に示される。二次ミラー14は、一次ミラー20の入口開口部12と同一平面上にある。一次ミラー20と二次ミラー14との組合せの焦点は、図2において最も分りやすく見られるように、非結像集光器24の入口開口部25の中心に存在する(以下に詳細に記述される)。一次ミラー20、二次ミラー12および非結像集光器24の光学システム10に関する公称の「焦点」と考えられ得る最終的なフラックス出力は、出口開口部16で生成され、一次ミラー20の頂点18と交差する。頂点18は、一次ミラー20と光軸26との交差に位置する点である。一次ミラー20は、集光器24を適応させるために割り込まれる。好適な実施形態において、頂点18もまた、出口開口部32の中心にある。角度2θ(光学エラーを有する太陽ディスクのコンボリューション)に渡って均一に入射する太陽の放射線は、角度2θに渡って分配される焦点面に集光される。介在空間を屈折率(n)の誘電体22で満たす場合は、開口数(NA)は、nだけ増加する。一般的な材料に対して、これ
は、約1.4から1.5の間のファクターであり、これは、(同一の視野に対する)対応する集光がn〜2.25だけ増加するので重要である(吸収器が、光変換器または集光器24と光学的に結合されている場合)。好適な実施形態において、非結像集光器24は、出口開口部16に配置され、別の入口開口部25を有する。この集光器24は、最も好適には、θ/θの非結像集光器であり、θは、一次ミラー20および二次ミラー14を有する光学システム10の、結像ステージ部分の開口数(NA)と整合するように選択され、(sinθ)=NA/nである。θは、副次的な条件、例えば、全内反射(TIR)を維持すること、多接合電池26への放射照度の角度を限定すること、または放射を出現させ、集光器24と多接合太陽電池26(または本発明の照明器の形態の光源30)との間の小さな空隙に適応させることなどを満たすために選択される。終末ステージの集光またはフラックスブーストは、(sinθ/sinθの基本的な限界に近づく。全体的な集光は、(n/sinθのエテンデュ(extendue)限界に近づき、ここでは、sinθ=n sinθである。代替的な実施形態において、多接合電池26は、従来の小型太陽電池であり得る。別の実施形態において、非結像集光器24は、公知の、調整された非結像集光器であり得る。
【0009】
光学システム10において、入口開口部14および出口開口部16との両方は、実質的に平坦であり、これを、分析する理解し易いケースとする。実際に、好適な光学システム10は、周知のθ/θの非結像集光器の部類に分けられる設計を有する。TIRの条件は、以下である。
θ+θ≦π−2θ (1)
ここで、θは、臨界角であり、arc sin(1/n)である。
【0010】
実用的見地から重要な多くの場合において、TIRの条件は、放射照度の角度を妥当な規定値に限定することと両立する。全体的な光学システム10は、理想に近いので、全体的なNAは、θが、π/2に近いときに、
【0011】
【数1】


である。代替的な実施形態において、集光器24の反射表面31は、TIRが発生するようにある必要はない。この代替的な実施形態において、θ/θの集光器の外面、すなわち反射表面31は、銀メッキされた表面であり得、それによって、θを制限することはないが、およそ1つの追加の反射(〜4%)に関する光学的損失をこうむる。
【0012】
集光器24の結像形状および非結像形状の両方のレイトレースが、スキュー光線阻止率が2〜3%を越えないということを明らかにする点において、全体的な光学システム10は理想に近い。同一平面上にある設計は、一定の光路の長さのフェルマの原理を満たす、選択された集光器24に対する1/4の最小縦横比(f数)に達し得る。(1)一次ミラー20のリム、および(2)光軸36に沿った、両極端から近軸光線をトレースすることによって、かつ焦点への一定の光路の長さを規定することによって、(a)一次ミラーの頂点18から入口開口部12への距離が、入口直径の1/4を下回り得ないこと、および(b)コンパクト性の限界が、共平面性を要求する、ということを示すことが理解し易い。そのような高フラックスデバイスは、最終的には誘電体の厚さ(体積)によって制約されるので、好適な共平面性のユニットに対する様々な実施形態が、記述され得る。
【0013】
θに対する設計の選択は、共平面性の制約にもかかわらず、相当な自由度がある。もろさの理由を説明するときの最も実用的な設計として、電池の取付けおよびヒートシンキングが、一次ミラー20の頂点18においてPV吸収器を位置させるために行われる。そのように制約された設計に対して、増加するθと二次ミラー14によるシェーディングとの間のトレードオフ(trade−off)がある。例えば、シェーディング≦3%に対して、θ≦24°である。
【0014】
【数2】


故に、等式(1)より、θ+θ≦96°である。図1における例示的なケースは、θ=24°、θ=72°、および3%のシェーディングを有し、(n sin(θ))=2.0は、エタンデュ(e’tendue)限界に非常に近接する。恐らく、最も単純な端末集光器24は、フラストラム(frustrum)(端のかけたV字の円錐)である。しかし、最大限の集光の促進を実現するために必要なフラストラムの奥行きは、光の漏洩と過度の光線の阻止との両方が避けられる場合には、対応するθ/θの設計よりも実質的に大きい。
【0015】
製造の簡易性および費用は、集光器24への電池26の光学的な結合に対して影響し得る。この場合において、光は、空気中に抽出され、次いで電池26に投射される。図1の一体型の超小型設計は、まだ適用が可能であり、一次ミラー20の頂点18における電池26の位置付けを含む。端末集光器24は、TIRによる光線の阻止を避けるために、θ<θを有さなくてはならない。比較的大きな奥行きに適応(すなわち、同一の電池の位置を保持)するには、焦点を二次ミラー14により近づけて、結像誘電体集光器を改めて設計する必要がある。達成可能な集光に対する、対応するエタンデュ限界は、nのファクターによって(1/sin(θ))に低減される。
【0016】
一部の波長の範囲において透明である、全ての誘電体は、分散(透明窓の外側の吸収の結果)を有する。分散がほんの数パーセントであるガラスまたはアクリルに対してさえ、これは、
【0017】
【数3】


の優秀な設計のフレネルレンズによって達成可能な太陽フラックス集光を非常に限定する。集光器24の平面の誘電体形状に対して、唯一の屈折インターフェースは、入口開口部12であり、入射光線28と直角に交わる。該面(入口開口部14)において、角分散は、
δθ=−tan(θ)δn/n (2)
であり、これは、完全に無視できるのだが、それは、入射光線28の角伝搬は、<<1ラジアン、だからである。誘電体光学システム10は、無色の実用的目的のためにある。実際に、等式(2)は、設計における一部の柔軟性を示す。誘電体/空気のインターフェース(入口開口部12)は、光線に対して厳密に直角である必要はない。等式(2)によって決定された色の効果が、境界内に保持される限り、適度の傾斜が許容可能である。
【0018】
非結像デバイス、例えば集光器24は、最も小さな開口部が光の波長と比較可能な回折限界において、大変良く作動し得る。これは、光電子集光器に要求され得るものよりも、はるかに優れているが、サブミリメートルの波長における検出器において有用であり得、これは、本明細書中の実施形態に対して妥当と思われる適用である。利用可能な幅広いスケールを用いて、多接合電池26上の出力密度は、接合を分離するトンネルダイオード層の設計が配慮されている場合には、1平方mmにつき約1ワット(電気)である。これは、幾何的集光の
【0019】
【数4】


(焦点面における全フラックスマップに適応するために、名目上の40%の効率の電池から30%の電気へのシステム効率を取得し、これは、ミラー吸収、フレネル反射、誘電体における減衰、シェーディング、電池の加熱、数%の光線阻止、および出力密度の緩やかな希釈からの損失を説明する)を伴って、
【0020】
【数5】


であることを意味する。
【0021】
1mmの直径の電池26を用いると、図1の集光器24は、直径が68mmであり得、最大の奥行きは17mmで、1ユニットエリアあたりの質量は、8.5mmの厚さの平坦な平板と均等であり得る。明らかに、集光器24の相当により薄い形状は、より低い集光および同一基準において低減された出力生成密度を伴って(同一の電池の大きさに対して)設計され得る。
【0022】
対応する角視野は、
【0023】
【数6】


であり、上の例に対して
【0024】
【数7】


であり、寛大な光学許容量を有する固有の太陽の大きさ(4.7mrad)のコンボリューションに十分に適応する。より幅の狭い光学許容量は、電池26上により小さなスポットを生成し得る。幸いにも、電池のパフォーマンスは、数千sunのフラックスレベルでさえ、そのようなフラックスの不均等性に対して比較的に反応し得ないことを、実験が示している。空気が充満した集光器24のレイトレースシミュレーションは、二次光行差がフラックス集光を顕著に低減し始める前に、θが、20mradに到達し得ることを示す。ここで対応する閾値は、
【0025】
【数8】


であり得る。電池26自体は、1mmまたは数mmであり得る。平面の集光器の体積は、電池の大きさの3乗として増加するので、これは、エンジニアリング最適化である。いずれの場合においても、数ワットの熱阻止負荷は、受動的に放散され得、その結果として、温度上昇は、およそ30Kを越えることはない。
【0026】
これまでのところ、光学システム10は、円形の開口部および円形の電池26に関して線対称として考えられてきた。高フラックスレベルに比較的容易に到達することができると、集光効率を最大限にすることが最高であり、モジュールの中に集光器を包含することを含む。また、経済的な製作および切断の技術が、四角い電池26を作り出すことができると、四角い入口開口部から四角い目標に集光することが、考えられ得る。集光効率または電池効率において損失なく、同一の出力密度を生成することは、
【0027】
【数9】


のファクターによって、増加する幾何的な集光を規定する(または、固定された幾何的な集光において出力密度を弱めることも可能である)。
【0028】
高NAの共平面の設計が可能であるが、それは、焦点が、一次ミラー内で上手く設けられるときのみに可能である。等式(1)、故にTIRは、満たされ得ず、よって、端末集光器24は、外部的に銀メッキされる必要がある(また、端末ブースターはなにも、NA→1と要求されない)。集光におけるnの増幅のファクターを保存しながら、中央領域における誘電体22は、除去され得る。電池の取付けおよびヒートシンキングは、図1の設計におけるよりも、遥かに問題があり得る。
【0029】
ここに提示される、平面状の全誘導体光学システム10は、安価で高いパフォーマンスの形状を包含し、該形状は、(a)数千sunまでのフラックスレベルにおける、市販の1mmの高度な太陽電池26からの約1Wの発電、(b)超高度集光においても無視できるほどの色の光行差を受けること、(c)電池26の受動的な冷却、(d)寛大な光学許容量への適応、(e)現存するガラスおよび重合体の成形技術を用いる大量生産、(f)1/4の縦横比の基礎的なコンパクト性の限界の実現、といった能力を有し得る。
【0030】
前述の実施形態に加えて、逆に、光学システム10は、エタンデュ限界に非常に近接して機能するコンパクトコリメータであり得る。光源30(図2に幻影として示される)は、非結像集光器24の「出口」開口部32の近くに位置しており、発光ダイオードであり得る。一般的に、光学システム10は、光変換器であり得、非結像集光器24から下流の集光のために光を収集するか、または光源30が、非結像集光器24(ここでは、照明器)の「出口」開口部32の近くで分散される場合には、選択された光出力パターンを生成するかのいずれかであり、次いで所望の方法において光を出力し得る。
【0031】
以下の非結像の実施例は、単にシステムの設計を例示しているに過ぎない。
【実施例】
【0032】
(実施例1)
光学的空間は、誘電体22で充満される(すなわち、平面状の非結像集光器24は、ガラスの平板に似ている)。多接合技術は、太陽電池のサイズを小さくするために役立つ。高い電流が短い距離だけ移動し、内部の抵抗の効果を軽減するので、サイズの関係は、よく機能する。したがって、セル26が1平方mmから数平方mm以内のサイズであることが、好適である。NAの設計選択は、かなりの程度の自由度と、二次ミラー12によるシェーディングとのトレードオフとを有するが、典型的に、上記設計選択は、約0.3〜0.4の範囲内にある。
【0033】
【数10】


をとると、ガラス(およびプラスチック)に対する典型的な値として、
【0034】
【数11】


を有する。したがって、等式(1)
【0035】
【数12】


から、
【0036】
【数13】


をとり、θは、72と同じくらいの大きさであり得、多接合太陽電池26上の光の発散に関する完全に理にかなった最大の角度である。同時に、エタンデュ限界の5%以内で、
【0037】
【数14】


である。
【0038】
(実施例2)
別の実施形態において、非結合光学集光器(または照明器)は、θ=θの円筒である。角度の制限が、所望の条件に依存して、課される。TIRが望ましく、太陽電池が多接合太陽電池26(または照明器のための光源30)に光学的に結合されている場合、θは、
【0039】
【数15】


を超え得ない。TIRが望ましく、集光器と多接合太陽電池26(または照明器のための光源30)との間に小さな空隙がある場合、θは、
【0040】
【数16】


を超え得ない。
【0041】
円筒が銀メッキされ、集光器が多接合太陽電池26(または照明器のための光源30)に光学的に結合されている場合、一切の制限はない。円筒が銀メッキされ、集光器と多接合太陽電池26(または照明器のための光源30)との間に小さな空隙がある場合、θは、
【0042】
【数17】


を超え得ない。
【0043】
(実施例3)
別の実施形態において、集光器と多接合太陽電池26(または照明器のための光源30)との間の小さな空隙に適応するように、放射を発することが可能である。したがって、θは、
【0044】
【数18】


を超え得ない。上述のように、θ=39およびθ=23.5とする。このとき、NA=n sin(39)=0.94
であり、エタンデュ限界の6%以内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−69973(P2012−69973A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−242684(P2011−242684)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【分割の表示】特願2008−503091(P2008−503091)の分割
【原出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
【Fターム(参考)】