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無放流式環境配慮型水洗トイレ
説明

無放流式環境配慮型水洗トイレ

【課題】汚水の分解効率向上及び水洗流の最小化を図かり、自然エネルギーを有効利用した独立電源型とすることもでき、移動可能な無放流の水洗トイレの提供を目的とする。
【解決手段】便器と、その下方に汚水処理装置を有し、汚水処理装置は、便器からの汚水を受水し浄化する活性処理室と、活性処理室から移送され固液を分離する分離室と、分離室で分離された上澄み液を前記便器に循環揚水するエアーリフトポンプを有し、前記便器の底部断面が卵形形状又は円弧丸形形状になっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光又は風力等の自然エネルギーを活用することも可能にし、且つ少ないエネルギーにて稼働可能な無放流式の環境配慮型水洗トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公園、キャンプ場、各種イベント会場、屋外土木、建設工事現場等や災害時等においても水洗型トイレに対するニーズが増大している。
このようなトイレの設置場所においては、汚水を下水処理場に送水するのが困難であり、移動可能な循環浄水型水洗トイレが必要となる。
特許文献1は、エアーリフトポンプを用いた揚水循環型水洗トイレを開示する。
本発明は、自然エネルギーを用いて全体を作動させるようにシステム全体として省エネルギー化を図り、長期間使用可能な改良を図ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3463208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、汚水の分解効率向上及び水洗流の最小化を図り、自然エネルギーを有効利用した独立電源型とすることもでき、移動可能な無放流の水洗トイレの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る水洗トイレは、便器と、その下方に汚水処理装置を有し、汚水処理装置は、便器からの汚水を受水し浄化する活性処理室と、活性処理室から移送され固液を分離する分離室と、分離室で分離された上澄み液を前記便器に循環揚水するエアーリフトポンプを有し、前記便器の底部断面が卵形形状又は円弧丸形形状になっていることを特徴とする。
【0006】
ここで活性処理室は、汚水を微生物を用いて汚水浄化する処理室をいい、例えば、微生物を付着担持した粒子担体を混合した汚水に、空気を散気し、混合曝気処理する例が挙げられる。
従って、エアーリフトポンプを作動するためと活性処理室に散気するためのブロアーが必要となるが、便器の底部断面を卵形形状にしたので汚物を流す水量が少なくなり、いずれも小電力で済むので太陽光エネルギー、風力エネルギー等の自然エネルギーのみでも作動できる。
卵形形状とは、卵の最小R形状部に似た断面形状をいい、従来の便器の底部形状に比較し、少ない水量でも高い流水力が発生する。
【0007】
また、エアーリフトポンプは上下方向に配置したU字型配管の一方の配管の途中からエアーを吹き込み、他方の配管の水よりも比重が小さくなるように気液混合体を形成することで液圧差を生じさせ、気液混合側に送水するポンプをいう。
【0008】
本発明では特にエアーリフトポンプを用いると、汚物をカットする必要がなくなることから小さな容量のブロアー装置で送水できるので、消費電力が小さいという特徴を有することから、太陽光発電機や風力発電機等の自然エネルギーを用いた独立型電源で処理水を循環処理することができる。
本発明は更に小さい消費電力にて稼働できるようにするために、便器の底部形状を卵形形状又は円弧丸形形状にした。
これにより掃流力が増加し、少ない水量にて汚物を流し出すことができ、エアーリフトポンプ用のブロアーの消費電力を少なくできる。
太陽光発電機を用いた場合に晴天時に発電し、バッテリー等に蓄電し利用することになるが、雨天等が続いた場合にも支障が出にくいことを考えると風力発電機を組み合せるのが好ましい。
【0009】
本発明においては、さらに省エネルギー化を図るべく、前記便器を備えた便室に使用者が入室したことを検知し、エアーリフトポンプが作動するようにしてもよい。
さらに、水分の蒸発以上に水量等が増した場合にも安定して給水室の水位を確保するには、前記エアーリフトポンプで送水するための給水室を有し、給水室が満水になると余剰水を貯留する貯留室を有するようにしてもよい。
このようにすると、便室を複数有し、前記活性処理室以外の処理室の上方に位置する便器からの汚水は活性処理室に流し込むための連結流水路を有するようにすることで、複数の便室を備えた水洗トイレにすることも可能になる。
なお、使用者が長時間いない場合を想定し、通常は活性処理室の散気用エアーブロアーのみ作動しておき、エアーリフトポンプ用のエアーブロアーは所定時間以上使用者がいない場合には、酸欠及び氷結を防ぐことも考慮し、タイマーにより所定時間毎にこのエアーリフトポンプを作動させてもよい。
また、活性処理室の散気ブロアーもタイマー等にて間欠運転させてもよい。
さらに本発明は、給水室に散気管を取り付けて沈殿処理曝気をしてもよく、給水室前に沈殿処理曝気室を設けるとともに上記給水室あるいは貯留室に散気管を設置し、少量のエアーを散気することで嫌な臭いの発生を抑えるようにした。
また、この給水室あるいは貯留室に設けた散気管及び沈殿処理曝気室に設けた散気管にエアーを送り込むためのブロアーもタイマー等にて間欠運転することで、さらに省エネルギー化を図ることができる。
例えば、電源として太陽光エネルギーを使用した場合には夜間の運転を極力少なくし、昼間に太陽光エネルギーで充分に稼働させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にあっては、トイレの屋根に太陽電池モジュールを配置したり、風車を配置することで、自然エネルギーを活用し、このような自然エネルギーであっても小型のエアーブロアーを充分に作動できるので商用電源のない屋外にても自由に設置できる。
また、従来のような1人用の小型の無放流式循環型水洗トイレのみでなく、複数の便室を有する大型の無放流式循環型水洗トイレにも充分に対応できる。
また、商用電源を用いた場合であってもその消費電力はわずかで済む。
さらには、給水室の前に沈殿処理曝気室を設けると下部で沈殿する嫌気層と上部の曝気による好気層により処理効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本考案に係る水洗トイレの外観例を示す。
【図2】水洗トイレの便室平面図を示す。
【図3】汚水を浄化処理するタンクの構造例を示す。
【図4】複数の便器の配置例を示す。
【図5】処理水を移送するバッフルの構造例を示す。
【図6】給水室と貯留室との隔壁構造例を示す。
【図7】給水室を沈殿処理曝気室としても使用した例を示す。
【図8】給水室と沈殿処理曝気室を兼ねた場合の構造例を示す。
【図9】便器への揚水構造例を示す。
【図10】便器を示し、(a)は平面図、(b)はA−A線断面図を示す。
【図11】地上設置型の水洗トイレの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る水洗トイレは循環型であっても長期間に使用可能であることから、汚水を浄化処理するタンク50を図1に示すように地下に設けることも、図11に示すように地上に設置することも可能である。
【0013】
水洗トイレは、床面2の上に便室1を建築し、この床面2の下方に汚水を循環、浄化処理するタンク50を備えている。
便室1の屋根1aに太陽電池モジュール5を備え、図示を省略したが太陽光発電装置及び蓄電バッテリーを有する。
また、風車4を備え、図示を省略したが風力発電装置を有する。
本実施例では便室を2つに分けて出入用ドア3a,3bを2組有する。
その便室平面図を図2に示し、便室の下方のタンク50の平面図を図3に示す。
第1便器10は活性処理室51の上方に位置し、第2便器20は第2分離室53の上方に位置している。
図4に示すように、第1便器10からは汚水が排出口11を経由して直接、活性処理室51に落下するが、第2便器20からの汚水は、この第2便器の下方から活性処理室51にかけて架け渡した連結流水路57に沿って排出口21から活性処理室に流水移送する。
これにより、タンク50の上部全体を便室として活用できる。
第1便器と第2便器は同じ構造を有し、第1便器を例に説明すると、後述するエアーリフトポンプが作動すると、図10に示すように流水口12から水が卵形形状の断面からなる流水路13に沿って流れ、汚物を排出口11に流し込む。
【0014】
タンク50は、複数の隔壁にて各処理室を形成し、第1隔壁61と第4隔壁64の一部にて仕切られた活性処理室51には図示を省略した粒子状の粒子担体を有し、この粒子担体には微生物が付着していて、散気ブロアー30にて発生させたエアーを散気管34を介して汚水中に曝気する。
これにより汚水は浄化処理される。
活性処理室51からは第2隔壁62で仕切られた第1分離室52に処理水がバッフル71を介して移送される。
【0015】
バッフル71の構造例を図5に示す。
第1隔壁61の両側に平面視、コ字型で下部が開口してバッフル壁71a,71bを形成し、この内側で水面より下に移送孔71cを有する。
【0016】
第1分離室52である程度、固液分離した処理水は第2隔壁62に設けたバッフル72を経由して第2分離室53に移送される。
バッフル72は、バッフル71と同様の構造になっている。
第2分離室53と第3分離室54とが第3隔壁63にて仕切られていて、バッフル73を介して移送される。
バッフル73もバッフル71と同様の構造になっている。
第3分離室の処理水は、バッフル74を介して第4隔壁64等にて仕切られた沈殿処理曝気室55に移送される。
沈殿処理曝気室55は槽の底部から水面高さの1/3〜1/2の位置に散気管31を有し、配管31aにてバルブ31bを介して散気ブロアー30と配管されている。
この沈殿処理曝気室55では槽の底部付近に活性汚泥が沈降していて、嫌気微生物により分解処理が進行し、散気管31より上部側が好気性の環境になっている。
沈殿処理曝気室55から給水室56に向流され、この給水室56には図9に示すようにエアーリフトポンプの吸水口42aが設けられている。
このエアーリフトポンプは、U字状の送水配管42にて連結されていて、便器側の配管の途中にエアーの吹き込み配管41を接続してあり、エアーリフトブロアー40,40aのエアーをそれぞれの便器10,20に配管したエアー吹き込み配管41に吹き込むことで給水室56の浄水が便器10,20の後部の流水口12,22に流れ込み、便器の底部のインバートを断面卵形形状にした傾斜面に沿って汚水を洗浄しながら排出口11,21を介して、前述した活性処理室51に循環流水する。
便器の底部を卵形形状又は円弧水型形状にすることで、掃流力が増加するので流水量を減らすことができる。
【0017】
汚水の発生量が蒸発量を上回る場合には給水室56が満水になる。
その場合には、図6に示すように給水室の隣に向流隔壁66を介して貯留室56aが設けてあり、この貯留室56aにはフロート等の満水検知手段80を有する。
このようにすると、給水室56の水面の高さを一定に保ちつつ、増水した水を貯留室56aに貯水することができるので、従来よりも長期間の使用に耐えられる。
本発明では、図3及び図6に示すように散気ブロアー30から分岐した配管31a,32a,33aをバルブ31b,32b,33bを介して、沈殿処理曝気室55には槽の上下方向途中に配置し、散気管32と散気管33をそれぞれ給水室56と貯留室56aの底部に取り付けた。
これにより、トイレ特有の嫌な臭いが消えた。
この沈殿処理曝気室55と給水室56の曝気効果を確認すべく、次のような実験をした。
通常運転時の溶存酸素量(DO)を測定したら、沈殿処理曝気室55:0.2mg/l(13.6℃),給水室56:5.8mg/lであった。
一晩曝気を停止(18時間)した際に同様に測定すると、沈殿処理曝気室55:0.05mg/l,給水室56:1.6mg/lと低下した。
その後に1時間曝気すると、沈殿処理曝気室55:0.21mg/l,給水室3.7mg/lに上昇した。
これにより、曝気効果が確認できた。
【0018】
水洗トイレの便室内には人感知センサーを有し、人が便室内に入室するとエアーリフトポンプが作動し、便室から退室後直ぐにあるいは退室後所定時間経過するとタイマーにてエアーリフトブロアー40が停止するようになっている。
なお、所定時間以上人が便室内に入室することがない場合には定期的にタイマー等にてエアーリフトブロアー40が作動するようになっている。
【0019】
上記実施例では、沈殿処理曝気室55と給水室56とを分けたが、図7,図8に示すように給水室56の散気管31を槽の高さ1/2〜1/3の間に配置することで、給水室56と沈殿処理曝気室55とを1つにまとめてもよい。
その場合には図9で2点鎖線で示したように吸水口42aの高さを散気管31よりも上部に位置させる。
【符号の説明】
【0020】
10 第1便器
11 排出口
12 流水口
13 流水路
20 第2便器
21 排出口
22 流水口
23 流水路
30 散気ブロアー
31 散気管
32 散気管
33 散気管
34 散気管
40 エアーリフトブロアー
51 活性処理室
52 第1分離室
53 第2分離室
54 第3分離室
55 沈殿処理曝気室
56 給水室
56a 貯留室
AP エアーリフトポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器と、その下方に汚水処理装置を有し、
汚水処理装置は、便器からの汚水を受水し浄化する活性処理室と、
活性処理室から移送され固液を分離する分離室と、
分離室で分離された上澄み液を前記便器に循環揚水するエアーリフトポンプを有し、
前記便器の底部断面が卵形形状又は円弧丸形形状になっていることを特徴とする水洗トイレ。
【請求項2】
前記エアーリフトポンプで送水するための給水室を有し、給水室が満水になると余剰水を貯留する貯留室を有し、当該給水室の前に沈殿処理曝気室を設けたことを特徴とする請求項1記載の水洗トイレ。
【請求項3】
前記便器を備えた便室に使用者が入室したことを検知し、エアーリフトポンプが作動することを特徴とする請求項1又は2記載の水洗トイレ。
【請求項4】
所定時間以上使用者が入室しない場合にタイマーにより所定時間エアーリフトポンプが作動することを特徴とする請求項3記載の水洗トイレ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−233335(P2012−233335A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101839(P2011−101839)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(594108096)株式会社ハイテックス (2)
【Fターム(参考)】