説明

無架橋型内発泡用樹脂組成物、無架橋型内発泡成形体及びその製造方法

【課題】ポリエチレン系樹脂からなり、発泡粒子同士の融着性に優れる無架橋型内発泡用樹脂組成物、該組成物からなる発泡成形体及び該発泡成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】成分(A):密度900〜940kg/m3、MFR0.01〜5g/10分、GPCにより測定される(Mw/Mn)5以上、かつ、流動の活性化エネルギー(Ea)40kJ/mol以上の、エチレン−α−オレフィン共重合体95〜60質量%と、成分(B):密度941〜970kg/m3のエチレン−α−オレフィン共重合体5〜40質量%、からなる無架橋型内発泡成形用樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無架橋型内発泡用樹脂組成物、無架橋型内発泡成形体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂からなる発泡体は、柔軟性、断熱性に優れるため、緩衝材や断熱材として種々の用途に利用されている。このようなエチレン系樹脂からなる発泡体の製造方法としては、エチレン系樹脂をブタンガス等で予め発泡させ発泡粒子を成形し、それを型内に充填し、スチーム等の熱媒を導入して加熱融着させる、いわゆるビーズ発泡が知られている。このビーズ発泡成形において従来は、発泡倍率が高く、耐熱性に優れる発泡体が容易に得られることから、架橋ポリエチレンが用いられていたが、無架橋エチレン−α−オレフィン共重合体でも成形性の良い発泡体を製造することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
上記型内発泡成形体は、熱可塑性樹脂発泡粒子を成形型内で互いに加熱融着させることにより製造することができる。この発泡粒子同士の融着性が低いと、製品は外観に劣ったり、製品強度が十分出なかったりする。そのため、融着性が高い樹脂が求められているが、従来この分野で使用されているエチレン−α−オレフィン共重合体では必ずしも融着性を十分満足するものでは無かった。
【特許文献1】特開平7−216153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、ポリエチレン系樹脂からなり、耐熱性に優れ、かつ、発泡粒子同士の融着性に優れる無架橋型内発泡用樹脂組成物、該組成物からなる発泡成形体及び該発泡成形体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、下記成分(A)及び成分(B)からなり、成分(A)と成分(B)の合計を100質量%とするとき、成分(A)が95〜60質量%であり、成分(B)が5〜40質量%である無架橋型内発泡成形用樹脂組成物である。
(A)エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有し、密度が900〜940kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.01〜5g/10分であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布(Mw/Mn)が5以上であり、かつ、流動の活性化エネルギー(Ea)が40kJ/mol以上であるエチレン系共重合体。
(B)密度が941〜970kg/m3であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
【0006】
また、本発明は、上記樹脂組成物からなる無架橋型内発泡成形体である。
【0007】
さらに、本発明は、上記樹脂組成物を予め発泡させて発泡粒子を得、得られた発泡粒子を金型に充填したのち加熱して、二次発泡と発泡粒子同士の融着をさせる、無架橋型内発泡成形体の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、ポリエチレン系樹脂からなり、発泡粒子の融着性に優れた、製品外観が良好な発泡成形体が成型可能な無架橋型内発泡成形用樹脂組成物が提供される。また、本発明の製造方法は、高発泡倍率の発泡体の製造に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に用いる成分(A)であるエチレン系共重合体は、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体である。エチレンと共重合する炭素原子数3〜20のα−オレフィンとして、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられる。中では、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンが好ましい。また、これらα−オレフィンは、1種であっても、2種以上を併用してもよい。
【0010】
成分(A)のエチレン系共重合体は、具体例には、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等である。中では、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体である。
【0011】
成分(A)のエチレン系共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン系共重合体の全重量を基準に、通常50〜99質量%である。α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン系共重合体の全重量を基準に、通常1〜50質量%である。
【0012】
成分(A)のエチレン系共重合体は長鎖分岐を有するものであり、従来から用いられてきた型内発泡成形体用のエチレン−α−オレフィン共重合体に比べ、流動の活性化エネルギー(Ea)が、通常40kJ/mol以上と高いものである。従来から型内発泡成形体に用いられてきたエチレン−α−オレフィン共重合体は、通常Eaが40kJ/molよりも低いものである。
【0013】
成分(A)のエチレン系共重合体のEaは、得られる型内発泡成形体における気泡径の均一性を高める観点から、45kJ/mol以上が好ましく、より好ましくは50kJ/mol以上であり、さらに好ましくは60kJ/mol以上である。また、得られる型内発泡成形体の強度を高める観点から、該Eaは、100kJ/mol以下が好ましく、より好ましくは90kJ/mol以下である。
【0014】
成分(A)のエチレン系共重合体のEaは、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度の角周波数依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であり、以下に示す方法で求められる。
【0015】
まず、エチレン系共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位:Pa・sec、角周波数の単位:rad/sec)を、130℃、150℃、170℃、190℃及び210℃の温度の中から、190℃を含む4つの温度(T、単位:℃)について、作成する。次いで、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度−角周波数曲線毎に、190℃でのエチレン系共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)を求める。さらに、夫々の温度(T)と各温度(T)でのシフトファクター(aT)から最小自乗法により下記の一次近似式(式(I))を作製し、その傾きmを算出する。この一次近似式の傾きmを下記式(II)に代入して、Eaが求められる。
ln(aT)=m{1/(T+273.16)}+n 式(I)
Ea=|0.008314×m| 式(II)
T:シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
【0016】
なお、シフトファクター(aT)とは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を移動させて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線(基準)に重ね合わせた際の移動量である。そして、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。
【0017】
また、190℃を含む4つの温度でのシフトファクター(aT)と温度(T)から得られる一次近似式(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
【0018】
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよい。なお、該計算ソフトウェアとしては、例えば、Rheometrics社製のRhios V.4.4.4(商品名)などがある。
【0019】
上記の溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800(商品名)など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行う。なお、測定は窒素雰囲気下で行い、また、測定試料に予め酸化防止剤を適量(例えば、1000ppm)配合することが好ましい。
【0020】
成分(A)のエチレン系共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.01〜5g/10分である。該MFRは、発泡体の軽量性を高める観点から、好ましくは0.4g/10分以上である。また、得られる発泡成形体の気泡径の均一性および強度を高める観点から、好ましくは4g/10分以下である。なお、MFRは、JIS K7210−1999に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定される。
【0021】
成分(A)のエチレン系共重合体の密度は、発泡体の軽量性を高める観点から、好ましくは940kg/m3以下であり、より好ましくは、935kg/m3以下である。また、発泡体のベタツキ感を低減する観点から、好ましくは900kg/m3以上であり、より好ましくは、905kg/m3以上である。なお、該密度は、JIS K7112−1999に規定された方法のA方法に従って測定する。
【0022】
成分(A)のエチレン系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、5以上である。該分子量分布は、発泡体の軽量性を高める観点から、好ましくは6以上であり、より好ましくは7以上である。また、該分子量分布は、発泡体の強度を高める観点から、好ましくは25以下であり、より好ましくは20以下であり、更に好ましくは17以下である。なお、該分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)測定によってポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除した値(Mw/Mn)である。
【0023】
成分(A)のエチレン系共重合体の製造方法として、例えば、有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、有機亜鉛化合物などの助触媒成分を粒子状担体に担持させてなる固体粒子状の助触媒成分(以下、成分(イ)と称する。)と、アルキレン基やシリレン基等の架橋基で2つのシクロペンタジエニル型アニオン骨格が結合した構造を持つ配位子を有するメタロセン錯体(以下、成分(ロ)と称する。)を触媒成分として用いてなる重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が挙げられる。
【0024】
上記成分(イ)としては、メチルアルモキサンを多孔質シリカと混合させた成分、ジエチル亜鉛と水とフッ化フェノールを多孔質シリカと混合させた成分等を挙げることができる。
【0025】
上記成分(イ)のより具体例として、成分(a)ジエチル亜鉛、成分(b)フッ素化フェノール、成分(c)水、成分(d)多孔質シリカおよび成分(e)トリメチルジシラザン(((CH33Si)2NH)を接触させてなる担体担持助触媒を挙げることができる。
【0026】
成分(b)のフッ素化フェノールとしては、ペンタフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール等を使用することができる。なお、成分(A)の流動活性化エネルギー(Ea)および分子量分布(Mw/Mn)を高める観点から、フッ素数の異なる2種類のフッ素化フェノールを用いることが好ましく、この場合、フッ素数が多いフェノールとフッ素数が少ないフェノールとのmol比としては、通常、20/80〜80/20であり、該mol比は高い方が好ましい。
【0027】
上記成分(a)、成分(b)および成分(c)の使用量のmol比率を1:y:zとするときに、これら成分の使用量は、下記式(III)を満足することが好ましい。
|2−y−2z|≦1 式(III)
【0028】
上記の式におけるyとして、好ましくは0.01〜1.99であり、より好ましくは0.10〜1.80であり、さらに好ましくは0.20〜1.50であり、最も好ましくは0.30〜1.00である。
【0029】
成分(a)に対して使用する成分(d)の量としては、成分(a)と成分(d)との接触により得られる粒子に含まれる亜鉛原子のmol数が、該粒子1gあたり0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。成分(d)に対して使用する成分(e)の量としては、成分(d)1gあたり成分(e)0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。
【0030】
上記成分(ロ)として、2つのインデニル基がエチレン基、ジメチルメチレン基またはジメチルシリレン基で結合したメタロセン錯体、2つのメチルインデニル基がエチレン基、ジメチルメチレン基またはジメチルシリレン基で結合したメタロセン錯体、2つのメチルシクロペンタジエニル基がエチレン基、ジメチルメチレン基またはジメチルシリレン基で結合したメタロセン錯体、2つのジメチルシクロペンタジエニル基がエチレン基、ジメチルメチレン基またはジメチルシリレン基で結合したメタロセン錯体等をあげることができる。また、成分(ロ)の金属原子としては、ジルコニウムとハフニウムが好ましく、さらに該金属原子が有する残りの置換基としては、ジフェノキシ基やジアルコキシ基が好ましい。成分(ロ)として、好ましくは、エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシドである。
【0031】
上記の成分(イ)と成分(ロ)とを用いてなる重合触媒においては、適宜、有機アルミニウム化合物を触媒成分として併用してもよく、該有機アルミニウム化合物としては、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム等を使用することができる。
【0032】
上記成分(ロ)の使用量は、上記成分(イ)1gあたり、好ましくは5×10-6〜5×10-4molである。また有機アルミニウム化合物の使用量として、好ましくは、上記成分(ロ)の金属原子1molあたり、有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子が1〜2000molとなる量である。
【0033】
また、上記の成分(イ)と成分(ロ)とを用いてなる重合触媒においては、適宜、電子供与性化合物を触媒成分として併用してもよく、該電子供与性化合物として、トリエチルアミン、トリノルマルオクチルアミン等を挙げることができる。
【0034】
上記成分(b)のフッ素化フェノールとしてフッ素数の異なる2種類のフッ素化フェノールを用いる場合は、電子供与性化合物を用いることが好ましい。
【0035】
電子供与性化合物の使用量としては、上記の触媒成分として用いられる有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子のmol数に対して、通常0.1〜10mol%であり、成分(A)の分子量分布(Mw/Mn)を高める観点から、該使用量は多い方が好ましい。
【0036】
成分(A)のエチレン系共重合体の製造方法としては、より具体的には、上記成分(イ)、成分(ロ)として架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体および有機アルミニウム化合物を接触させてなる触媒の存在下、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合する方法が挙げられる。
【0037】
重合方法として、エチレン系共重合体の粒子の成形を伴う連続重合方法、例えば、連続気相重合、連続スラリー重合、連続バルク重合が好ましく、特に好ましくは、連続気相重合である。気相重合反応装置としては、通常、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に攪拌翼が設置されていてもよい。
【0038】
成分(A)のエチレン系共重合体の製造に用いられる重合触媒の各成分を反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。重合触媒の各成分は個別に供給してもよく、任意の成分を任意の順序にあらかじめ接触させて供給してもよい。
【0039】
また、本重合を実施する前に、予備重合を実施し、予備重合された予備重合触媒成分を本重合の触媒成分または触媒として使用することが好ましい。本重合と予備重合では異なるα−オレフィン組成であってもよく、炭素原子数が4〜12のα−オレフィンとエチレンとを予備重合することが好ましく、炭素原子数が6〜8のα−オレフィンとエチレンとを予備重合することがより好ましい。
【0040】
重合温度としては、通常、エチレン系共重合体が溶融する温度よりも低く、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃であり、さらに好ましくは50〜90℃である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を広げる観点からは、重合温度は高い方が好ましい。
【0041】
重合時間としては(連続重合反応である場合は平均滞留時間として)、通常1〜20時間である。エチレン系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を広げる観点からは、重合時間(平均滞留時間)は長い方が好ましい。
【0042】
また、共重合体のMFRを調節する目的で、重合反応ガスに水素を分子量調節剤として添加してもよく、重合反応ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。重合反応ガス中のエチレンのmol濃度に対する重合反応ガス中の水素のmol濃度は、重合反応ガス中のエチレンのmol濃度を100mol%として、通常、0.1〜3mol%である。また、エチレン系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を広げる観点からは、該重合反応ガス中の水素のmol濃度は、高い方が好ましい。
【0043】
成分(A)および成分(B)を含む本発明の無架橋型内発泡用樹脂組成物は、必要に応じ更に他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、プロピレン由来の構成単位を50質量%より多く含むエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体に該当しない共重合体などが使用可能である。本発明では、これら他の樹脂の含有量は、成分(A)と成分(B)の合計100質量%に対して、通常50質量%以下であることが好ましい。
【0044】
本発明における成分(B)のエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は941〜970kg/m3、好ましくは945〜965kg/m3であり、941kg/m3未満では型内発泡時の耐熱性が悪く良い外観を得るのが困難であり、970kg/m3を越えると得られる発泡体の剛性が強く適切な柔軟性が得られない。
【0045】
本発明における成分(B)のエチレン−α−オレフィン共重合体のMFRは、成形時の流動性の観点から、0.1g/10分以上であることが好ましく、0.5g/10分以上であることがより好ましい。成分(B)のMFRは、得られる発泡成形体の耐衝撃強度の観点から、50g/10分以下であることが好ましく、25g/10分以下であることがより好ましい。
【0046】
本発明における成分(A)の配合量は、成分(A)と成分(B)の合計を100質量%とするとき、95〜60質量%であり、好ましくは90〜70質量%である。すなわち、成分(B)の配合量は、成分(A)と成分(B)の合計に対して、5〜40質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。成分(B)の配合量が5質量%未満であると型内発泡時の耐熱性が悪く良い外観を得るのが困難であり、60質量%を越えると発泡粒子の発泡性が劣り、十分な発泡倍率を示す予備発泡粒子を得られなくなる。
【0047】
成分(A)と成分(B)は、通常溶融混練して用いる。溶融混練する方法としては、予めタンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサーなどで混合した後、更に単軸押出機や多軸押出機などにより溶融混練する方法、またはニーダーやバンバリーミキサーなどで溶融混練する方法などが挙げられる。もしくは単軸押出機や多軸押出機で成分(A)の押出の際にサイドフィーダーなどを用いて成分(B)を押出機の途中より供給し溶融混練する方法が挙げられる。
【0048】
発泡粒子製造時に用いる発泡剤は特に限定されるものではなく、公知の物理発泡剤が使用できる。また複数の発泡剤を併用してもよい。
【0049】
物理発泡剤としては、空気、酸素、チッソ、二酸化炭素、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、エチレン、プロピレン、水、石油エーテル、塩化メチル、塩化エチル、モノクロルトリフルオルメタン、ジクロルジフルオルメタン、ジクロテトラフルオロエタン等が挙げられる。該物理発泡剤の使用量は、樹脂組成物100質量部に対して通常10〜60質量部である。
【0050】
発泡剤を用いる場合には発泡核剤を併用することによって、より微細な気泡を有する押出発泡成形体を得ることができる。発泡核剤としては、タルク、シリカ、マイカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、アルミノシリケート、クレー、石英粉、珪藻土類等の無機充填剤;ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンからなる粒径100μm以下のビーズ;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属塩などを例示することができ、これらを2種類以上組み合わせてもよい。
【0051】
成分(A)および成分(B)を含む本発明の無架橋型内発泡用樹脂組成物は、必要に応じたとえば、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛等の分散剤を含有していてもよい。
【0052】
成分(A)および成分(B)を含む本発明の無架橋型内発泡用樹脂組成物は、必要に応じ、耐熱安定剤、耐候安定剤、顔料、充填剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、中和剤などの公知の添加剤を含有していてもよい。
【0053】
本発明の発泡体は、次のような方法で製造する。まず、耐圧容器内で、上記成分(A)および成分(B)を含有する樹脂組成物に発泡核剤や添加剤などを加えて得られたミニペレットと発泡剤とを分散剤の存在下、水に分散させたミニペレットをその融点近傍に加熱し発泡剤を含浸させた後、耐圧容器内の圧力を発泡剤の示す蒸気圧力以上、通常20〜50kg/cm2Gの範囲で一定に保持しながら容器内容物を大気圧下に放出して平均粒径2〜6mmの発泡粒子を得る。
【0054】
上記方法で得られた発泡粒子を直ちに、または常温常圧下に長時間かけて養生した後に、金型に入れ、通常、水蒸気圧0.5〜4kg/cm2の条件で水蒸気加圧することにより、発泡成形体を製造することができる。本発明の樹脂組成物を用いて得られる発泡成形体は通常、発泡倍率は20〜50倍の高発泡倍率のものである。
【0055】
本発明により得られる発泡体は、発泡粒子同士の融着性に優れ、成形体の外観が良好である。そのため、緩衝材、断熱材、遮音材、保温保冷材等に用いることができる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
【0057】
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
【0058】
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定した。
【0059】
(2)密度(単位:kg/m3
密度は、JIS K7112−1999に規定された方法のA方法に従って測定した。
【0060】
(3)分子量分布(Mw/Mn)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件により測定を行った。予め分子量分布が単分散とみなせる分子量分布の狭い標準ポリスチレン(東ソー製、TSK STANDARD POLYSTYRNE(商品名))を用いて作成しておいた検量線を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を求め、それらより分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
装置 :Waters社製Waters150C(商品名)
分離カラム:TOSOH TSKgelGMH−HT(商品名)
測定温度 :145℃
キャリア :オルトジクロロベンゼン
流量 :1.0mL/分
注入量 :500μL
検出器 :示差屈折
【0061】
(4)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製、Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800(商品名))を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製の計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4(商品名)を用いて、流動の活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.2〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素下
【0062】
(5)引張物性
発泡粒子同士の融着性を評価する代用物性としてペレットの融着強度を引張試験で求めた。融着強度が高いものは良好な発泡粒子同士の融着性を示す。ペレット形状は長さ約3mm、断面積約9.5mm2の円柱状に揃えた。これらペレットを5mm厚×10mm×70mmのスペーサーに2層になるように立てて並べた。これを120℃において予熱10分、加圧10分、冷却5分の条件で加圧成形により試験片を作成した。作成した試験片をつかみ間距離30mm、引張速度10mm/分の条件で引張試験を行い、引張破壊強さ(単位:N)と引張破壊伸び(単位:%)を求めた。これらの値が大きいほどペレットの融着性に優れる。
【0063】
(6)融解ピーク温度(Tm、単位:℃)
エチレン−α−オレフィン共重合体を、150℃の熱プレス機により10MPaの圧力で5分間プレスした後、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ約100μmのシートに成形し、該シートから約10mgの試料を切り出し、アルミニウムパンに封入した。次に、試料を封入したアルミニウムパンを、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製の示差走査型熱量計DSC−7型)にて、(1)150℃で5分間保持し、(2)5℃/分で150℃から20℃まで降温し、(3)20℃で2分間保持し、(4)5℃/分で20℃から150℃まで昇温して、(4)での融解曲線を測定した。得られた融解曲線より、25℃から融解終了温度(融解曲線が高温側のベースラインに戻る温度)までの間に観察されるピークのうち、最も高温側で観察される融解ピークの頂点の温度を求めた。無架橋型内発泡においては、120℃以上に融解ピーク温度があることが耐熱性の点から好ましいといえる。
【0064】
実施例及び比較例で、下記の材料を用いた。
成分(A):
・エチレン系共重合体(PE−1〜3):後記製造例参照。
・直鎖状低密度ポリエチレン:住友化学株式会社製の<スミカセンα>(商品名)グレードFZ201−0、CS1009およびFZ103−0、および<スミカセンL>(商品名)グレードFS240
・メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン:住友化学株式会社製の<スミカセンE>(商品名)グレードFV203、FV205およびFV405
・プラストマー:ダウケミカル社製の<affinity>(商品名)グレードPF1140
・気相法リニア低密度ポリエチレン:日本ポリエチレン株式会社製の<ノバテックLL>(商品名)グレードUE320
成分(B):
・高密度ポリエチレン:京葉ポリエチレン株式会社製の<KEIYOポリエチ>(商品名)グレードG1900(エチレン−αオレフィン共重合体、MFR=15g/10分、密度=956kg/m3
【0065】
製造例1(エチレン系共重合体(PE−1)の製造)
(1)助触媒担体(成分(a))の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(グレースデビソン社製、Sylopol948(商品名);50%体積平均粒子径=59μm;細孔容量=1.68ml/g;比表面積=313m2/g)0.36kgおよびトルエン3.5リットルを入れ、撹拌した後、5℃に冷却し、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.15リットルおよびトルエン0.2リットルの混合溶液を、反応器内の温度を5℃に保ちながら、30分間で滴下した。滴下終了後、さらに5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体成分をトルエン2リットルで6回、洗浄を行い、トルエン2リットルを加えスラリーとし、一晩静置した。
【0066】
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:2mol/リットル)0.27リットルを投入し、撹拌した後、5℃に冷却し、ペンタフルオロフェノール0.05kgおよびトルエン0.09リットルの混合溶液を、反応器内の温度を5℃に保ちながら、60分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、5℃に冷却してから、H2O 7gを、反応器内の温度を5℃に保ちながら、1.5時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1.5時間撹拌し、次に55℃に昇温し、55℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、その中へ、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:2mol/リットル)0.63リットルを投入した。再び、5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール94gおよびトルエン0.2リットルの混合溶液を、反応器内の温度を5℃に保ちながら、60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、5℃に冷却し、H2O 17gを反応器内の温度を5℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に、80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌した。
【0067】
その後、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除き、次いで残りの液成分をフィルターにて除去した後、トルエン3リットルを加え、95℃で2時間撹拌した。その後、トルエン分散スラリーを静置して、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。この固体成分のトルエンによる洗浄をさらに4回行った後、室温でヘキサン3リットルにて同様の操作を2回行った。その後、残りの液成分をフィルターにて除去し、減圧下、室温で1時間乾燥して、固体として助触媒担体(成分(a))を得た。
【0068】
(2)予備重合触媒成分(1)の調製
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド91.8mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して、撹拌を2時間行った。次にオートクレーブを30℃まで降温して系内が安定した後、エチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分仕込み、上記助触媒担体(成分(a))0.7kgを投入し、続いてトリイソブチルアルミニウム263mmolを投入して、重合を開始した。エチレンを0.7kg/Hrで連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温すると共に、エチレンと水素をそれぞれ3.5kg/Hrと5.5リットル(常温常圧体積)/Hrで連続供給して、合計4時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、助触媒担体1g当り23.8gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒成分(1)を得た。
【0069】
(3)エチレン系共重合体(PE−1)の製造
上記で得た予備重合触媒成分(1)を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を87℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素mol比を0.63%、エチレンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ヘキセンmol比をそれぞれ0.78%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量を80kgで一定に維持した。平均重合時間は4hrであった。得られた重合体パウダーを、押出機(株式会社神戸製鋼所製 LCM50(商品名))を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒して、エチレン−1−ヘキセン共重合体(PE−1)を得た。
【0070】
製造例2(エチレン系共重合体(PE−2)の製造)
ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシドの使用量を90.7mmolとする他は、製造例1の(2)と同様にして、助触媒担体1g当り33.8gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒成分(2)を得た。
【0071】
上記で得た予備重合触媒成分(2)を用い、重合温度を82℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素mol比を1.12%、エチレンと1−ヘキセンの合計に対する1−ヘキセンmol比を1.2%とした他は、製造例1の(3)と同様にして、エチレン−1−ヘキセン共重合体(PE−2)を得た。
【0072】
製造例3(エチレン系共重合体(PE−3)の製造)
重合温度を84℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素mol比を1.69%、エチレンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ヘキセンmol比を1.15%とした他は、製造例1の(3)と同様にして、エチレン−1−ヘキセン共重合体(PE−3)を得た。
【0073】
得られたPE−1〜3の物性を、上記により評価した。評価結果を表1に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
実施例1〜3
成分(A)として製造例で得たPE−1〜3のペレット80質量%、成分(B)としてG1900のペレット20質量%をとり、タンブルミキサーにて1分間混合した。この混合原料をスクリュー径30mmφ、L/D=25の単軸押出機に供給し、混練部の温度が190〜210℃、ダイ部の温度が210℃、吐出量が約5kg/hの条件で押出し、長さ約3mm、断面積約9.5mm2の円柱状のペレットを得た。得られたペレットを用い、上記の(5)引張物性に従い融着性評価用試験片を作成し、引張試験を行った。また、上記の(6)融点に従い、融解ピーク温度を測定した。得られた物性を表2に示す。
【0076】
実施例4
成分(A)と成分(B)の使用量をそれぞれ95質量%/5質量%とする他は、実施例1と同様にペレットを作成し、(5)引張試験および(6)融解ピーク温度の測定を行った。結果を表2に示す。
【0077】
比較例1、2
成分(A)と成分(B)の使用量をそれぞれ100質量%/0質量%、50質量%/50質量%とする他は、実施例1と同様にペレットを作成し、(5)引張試験および(6)融解ピーク温度の測定を行った。結果を表2に示す。
【0078】
比較例3〜11
成分(A)に替えて表2に示すものを用いた他は、実施例1と同様にしてペレット作成し、引張試験および融解ピーク温度の測定を行った。結果を表2に示す。
【0079】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)及び成分(B)からなり、成分(A)と成分(B)の合計を100質量%とするとき、成分(A)が95〜60質量%であり、成分(B)が5〜40質量%である無架橋型内発泡成形用樹脂組成物。
(A)エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有し、密度が900〜940kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.01〜5g/10分であり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布(Mw/Mn)が5以上であり、かつ、流動の活性化エネルギー(Ea)が40kJ/mol以上であるエチレン系共重合体。
(B)密度が941〜970kg/m3であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
【請求項2】
請求項1に記載の発泡成形用樹脂組成物からなる無架橋型内発泡成形体。
【請求項3】
請求項1に記載の樹脂組成物を予め発泡させて発泡粒子を得、得られた発泡粒子を金型に充填したのち加熱して、二次発泡と発泡粒子同士の融着をさせる、無架橋型内発泡成形体の製造方法。

【公開番号】特開2010−126641(P2010−126641A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302734(P2008−302734)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】