説明

無機エレクトロルミネッセンス材料、無機エレクトロルミネッセンス素子および画像表示装置

【課題】波長が互いに異なる複数の発光を得る場合にも原材料の種類を増加させることなく、紫外領域から青紫領域、および赤色領域における色光を発光することができ、耐久性に優れ、組成比の変更に伴う発光輝度の最適化を容易に図りうる、無機EL材料、無機EL素子および画像表示装置を得る。
【解決手段】ガラス基板6上に、下部電極層5、下部絶縁層4、無機EL材料層3、上部絶縁層2、および上部電極層1を順次積層することにより形成されており、電源部8により両電極層1、5間に所定の交流電圧が印加されると、無機EL材料層3において、紫外領域から青紫色領域、および赤色領域のEL発光が生じる。無機EL材料層3は、母体材料として、SrSbおよびSrSbが用いられ、MnイオンまたはEuイオンが付活された蛍光層である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型、長寿命、高精細、高コントラスト等の利点を有するELディスプレイ装置に用いられる、無機エレクトロルミネッセンス(EL)材料、無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子および画像表示装置(表示器)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネッセンス(以下、ELと称する)素子は、物質に電界をかけた際に発生する発光現象を利用した発光素子であり、例えばZnS等の無機材料をべースにした無機EL素子が知られている。この無機EL素子は、耐久性に優れ、かつ、消費電力を低く抑えることができるので、軽量、大型のフラットパネルディスプレイ等の画像表示装置や表示器への応用が期待されている。
【0003】
ところで、画像表示装置や表示器をカラー表示させるためには、一般に、赤色、緑色、青色の3原色光、さらには白色光などの、互いに異なる色発光が必要となる。そこで、従来の無機EL素子は、ZnSや、SrSといった2族元素と6族元素の化合物をベースとして作製されており、例えば、ZnSにMnを微量添加したものにより黄橙色の発光を、またZnSにTb(テルビウム)等を添加したものにより緑色の発光を、各々得るようにしている(下記非特許文献1のp.342を参照)。また、SrSにCeを添加したものにより青緑色の発光を得ること、さらにはCeイオンを含有したストロンチウムチオガレート(SrGa:Ce)により青色の発光を得ることが、各々知られている(下記非特許文献1のp.344を参照)。
【0004】
一方、このような無機EL材料の作製方法としては、主にPVD(Physical Vapor Deposition)法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の成膜方法が用いられる。また、この無機EL材料の対向する面のそれぞれに薄膜状の電極を形成することで無機EL素子が作製され、この無機EL素子の二つの電極間に所定電圧をかけると、当該無機EL材料に固有の発光現象が現れる。
このように、カラー表示を可能とするために、従来より、各種無機EL材料が作製されるところとなっている。
【0005】
【非特許文献1】フラットパネルディスプレイ大辞典、工業調査会
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した無機EL材料において、Mnを添加して得られる発光色は黄橙色であり、ZnMgSを母体材料とした場合には緑色発光成分が若干増加する(上記非特許文献1のp.357を参照)ものの、青色の発光は得られていない。
【0007】
また、従来より画像表示装置や表示器のカラー表示に必要な複数種の発光色を得るために、同一の母体材料に互いに異なる付活剤を添加する手法と、互いに組成が全く異なる母体材料(例えば、ZnSとSrS)を用いる手法とが知られているが、いずれの手法によっても、作製工程において多種類の材料が互いに混じり合わないように慎重に作業を進めなければならず煩に耐えない。
【0008】
また、紫外線を可視光に変換して種々の発光色とすることができる無機EL材料としてZnF:Gdが知られている(非特許文献1のp.342を参照)。この発光波長は311nmで、青色光−紫外線境界波長に比してかなり短波長となっており、一般的なガラス材料(基板材料)の透過率が低下する波長域となっており、基板を介して紫外線を取り出すことが困難である。また、フッ化物(ZnF)の場合はイオン性が強く、画像表示装置や表示器に使用する場合には耐久性の点で問題がある。
【0009】
さらに、母体材料に付活剤を添加することなく発光させる無機EL材料も知られているが、一般に、母体材料の組成比を変えた場合には母体材料の結晶品質が低下することになるため、母体材料の組成比を変えて発光輝度の最適化を図ることは困難であり、このような無機EL材料の実用化は難しい(特許第3472236号公報参照)。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、波長が互いに異なる複数の発光を得る場合にも原材料の種類を増加させることなく、紫外領域から青紫領域、および赤色領域における色光を発光することができ、耐久性に優れ、組成比の変更に伴う発光輝度の最適化を容易に図りうる、無機EL材料、無機EL素子および画像表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の無機EL材料は、
化学式SrSbで表される化合物を母体材料とする無機EL材料において、
前記母体材料は、X線回折スペクトルにおける最大ピークが下式(1)で表されるSrSb、またはX線回折スペクトルにおける最大ピークが下式(2)で表されるSrSb、を含むように構成されてなることを特徴とするものである。
2θ=16.5度、および25.6度 (1)
2θ=18.5度、および28.0度 (2)
ここで、2θは、回折角
【0012】
また、前記母体材料にMnイオンまたはEuイオンを付活することが好ましい。
【0013】
また、本発明の無機EL素子は、
上述したいずれかの無機EL材料を含む無機EL層と、
該無機EL層の対向する面の少なくとも一方に形成された絶縁層と、
該無機EL層を前記対向する面の対向方向に挟むように、かつ各々が、該無機EL層または該絶縁層の少なくとも一方と接するように配された1組の電極と、
を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
さらに、本発明の画像表示装置は、
前記無機EL素子を含み、該無機EL素子の1組の電極のうち、いずれかの電極側から見たときに、これら2つの電極が、互いに交差するように配列されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の無機EL材料によれば、X線回折スペクトルにおいて2θ(回折角:以下同じ)が16.5度および25.6度にピークをもつSrSb、または2θが18.5度および28.0度にピークをもつSrSbを母体材料とするようにして無機EL材料を作製したので、紫外領域から青紫色領域にかけて、および赤色領域に、各々発光特性を有する無機EL材料を容易かつ安価に得ることができる。
【0016】
また、母体材料となる、SrSbおよびSrSbのいずれにおいても、真空容器中に導入された、加熱した雰囲気ガスを変化させることによって作製することができるため、無機EL材料の作製プロセスを簡略化することができる。特に、1元素(酸素)の組成比を変えることのみで、異なる母体材料を作製しており、無機EL材料の発光の中心波長を容易に変化させることができるので、作製プロセスを極めて簡略化することができる。
【0017】
また、本発明の無機EL素子によれば、無機EL材料を挟むようにして1組の電極が配置されたものとしているので、動作電流が小さく、応答性のよい無機EL素子を得ることができる。
【0018】
また、本発明の画像表示装置によれば、いずれかの電極側から見たときにこれら2つの電極(上部電極および下部電極)が互いに交差するように配列されているので、より動作電流が小さい画像表示を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る無機EL素子について図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る無機EL素子100は、ガラス基板6上に、下部電極層(透明電極)5、下部絶縁層4、無機EL材料層3、上部絶縁層2、および上部電極層(アルミ電極)1を順次積層することにより形成されており、電源部8により両電極層1、5間に所定の交流電圧が印加されると、無機EL材料層3において紫外領域または可視領域のEL発光が生じ、そのEL発光が、可視領域の場合はそのまま、紫外領域の場合は所定の蛍光体(例えば、光反射可能な上部電極層1上に配される)により可視光7に変換された後、ガラス基板6を介して外部に出力される。
【0020】
上記ガラス基板6は、下部電極層5の短絡を防ぐために絶縁性を有する板状の部材から構成されている。なお、ガラス基板6に替えて、合成石英ガラスやサファイヤ等の、紫外線や可視光に対して透明な材料からなる基板を用いてもよいが、通常の耐熱ガラスがより好適である。また、ガラス基板6に替えて、Siや各種のセラミックス等の、紫外線や可視光に対して不透明な材料からなる基板を用いることも可能であるが、発光を外部に出力するためには、少なくとも、基板とは他方側の電極(この場合には上部電極層1)は透明電極とする必要がある。
【0021】
また、下部電極層5と上部電極層1は、無機EL材料を挟むように平行に形成された薄膜により構成されている。すなわち、酸化インジウムスズ(ITO)、ZnO等の導電性を有し、かつ、紫外線や可視光に対して透明な材料により形成してもよいし、Au、Al、Pt、W、Ag、Cu、Ni等の紫外線や可視光に対して不透明な導電性材料で形成してもよい。ただし、少なくとも一方の電極層1、5は、発光を外部に出力するために透明電極とする必要がある。
【0022】
また、上記絶縁層2、4は、例えばSiOやTaにより形成されている。
この絶縁層2、4は、無機EL材料層3の上下面に各々配されることで、無機EL素子100を安定に動作させる機能を有する。
【0023】
また、無機EL材料層3は、X線回折スペクトルにおける2θが、16.5度および25.6度にピークをもつSrSbまたは18.5度および28.0度にピークをもつSrSbで表される結晶構造を有することが好ましい。ここで、Srは、Ca、Ba等のアルカリ土類元素と一部ないし全部を固溶置換することが可能である。
このような無機EL素子100は、電源8を用いて下部電極層5と上部電極層1の間に電界をかけることにより、紫外領域から青色領域における発光、および赤色領域における発光を得ることができる。
【0024】
SrSbおよびSrSbは、組成が類似しているものの、同一の元素を付活した場合にも、互いに異なる色の発光を得ることができる。例えば、Mnイオンを微量付活したSrSbによる発光の中心波長は約470nmであり青色発光であるのに対し、Mnイオンを微量付活したSrSbによる発光の中心波長は約650nmであり赤色発光である。また、Euイオンを微量付活したSrSbによる発光の中心波長は約600nm付近であり赤色発光であるのに対し、Euイオンを微量付活したSrSbによる発光の中心波長は約380nmおよび約411nmであり、紫外から青紫色の発光である。
【0025】
このように本実施形態によれば、2つの母体材料であるSrSbおよびSrSbが、作製条件を変えることにより酸素元素の組成比のみを互いに異ならせることにより形成可能としているので、従来技術に比べ、多種類の材料を取り扱うEL材料作製作業が容易となる。
【0026】
また、上記2つの母体材料は、真空容器中に導入された、加熱した雰囲気ガスを変化させることによって作製することができるため、作製プロセスを簡略化することができる。
また、いずれの母体材料も酸化物から構成されており、硫化物によって構成した場合よりも組成比を制御することが容易であり、化学的、熱的に安定な無機EL材料を容易に得ることができる。
【0027】
なお、この無機EL素子100は任意の形状に配列することができ、例えば、表示内容に応じた配列とすることにより表示装置を作製することができる。また、青色や赤色の照明や装飾、あるいはセグメント形式によるカラー数字表示装置等に用いることができる。
【0028】
さらに、他の発色を示す発光素子と組み合わせることによりフルカラー画像の表示が可能な画像表示装置を作製することもできる。
【0029】
また、無機EL材料層3からの発光が紫外線である場合には、所定部位に設けた蛍光体により、紫外線を可視光に変換し、得られた可視光7を外部に出力するようにする。
この蛍光体としては、例えば、黄色発光用蛍光体であるYAl12:Ce、赤色発光用蛍光体であるCaS:Eu、緑色発光用蛍光体であるSrGa:Eu等が好適であるが、勿論これに限られるものではなく、波長370〜420nmに励起帯を有する任意の蛍光体を用いることができる。
【0030】
なお、蛍光体を設ける部位としては、上部電極層1上等が好適である。この場合には、無機EL材料層3から発光された紫外線が蛍光体により所望の可視光に変換され、光反射機能を有する上部電極層1により反射されて、ガラス基板6を介して外部に出力される。
【0031】
また、本実施形態の無機EL素子100は、酸化物から構成される無機EL材料を使用することで、その強度が1/eに減衰するまでの減衰時間が、Mnイオンを付活した場合では10〜50μs程度となり、応答性のよい無機EL素子を得ることができる。また、Euイオンを付活した場合でも略同様の減衰時間であり、良好な応答性が得られる。
【0032】
なお、本実施形態の画像表示装置としては、無機EL素子100の電極層1、5が、いずれかの電極側から見たときに、互いに交差するように配列されるよう形成することが好ましい。また、いずれかの電極側から見たときに、これら電極層1、5の交差領域に、可視光または紫外線を発光する無機EL材料層3が形成されることが好ましく、さらに紫外線の場合には発光された紫外線を所望の可視光に変換する前述した如き蛍光体が配設されていることが好ましい。
【0033】
この場合において、2つの電極層1、5が互いに交差する領域に配される蛍光体として赤色、緑色、青色の発光を各々示す蛍光体を用いることで、無機EL素子100を用いてフルカラーの画像表示装置を作製することができる。
なお、本発明の無機エレクトロルミネッセンス材料、無機エレクトロルミネッセンス素子および画像表示装置としては、上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、絶縁層が上下1対配されているが、いずれか一方とすることも可能である。
【実施例】
【0034】
以下、実施例に係る無機EL素子を用いて、本発明をより具体的に説明する。
【0035】
<第1の無機EL素子>
本実施例に係る無機EL素子を作製する際には、まず、SrOに対して、MnまたはMnOを0.1から10
mol%の範囲で十分に混合させて第1の蒸着用ペレットを作製する。さらに、Sb粉末を固めて第2の蒸着用ペレットを作製する。次に、2つの電子ビーム蒸発源を備えた真空蒸着装置内の、所定位置に上記2つの蒸着用ペレットを装着する。また、透明電極(下部電極層)付きのガラス板に、SiOまたはTaからなる絶縁層(下部絶縁層)を形成してなるガラス基板を真空蒸着装置内の所定位置に配設して基板温度を100゜Cから300゜C程度に保つ。この後、上記2種類の蒸着用ペレットを電子ビームで同時に加熱し、蒸着材料を蒸発させてガラス基板上に無機EL材料よりなる薄膜を形成する。
【0036】
次に、ガラス基板上に生成した上記薄膜を、酸素を混合したアルゴンガス雰囲気中または酸素を混合した窒素ガス雰囲気中に設置し、電気炉を用い1時間以上に亘り500゜C以上で加熱する。これにより、図2に示す如く、X線回折スペクトルにおける2θが16.5度および25.6度にピークをもつSrSbを母体材料とする蛍光薄膜を作製する。
なお、加熱する方法としては電気炉を用いたものに限れるものではなく、ランプを用いた高速加熱法などを適用することもできる。
【0037】
さらに、この後、上記蛍光薄膜上に、SiOまたはTaからなる絶縁層(上部絶縁層)および電極(上部電極層)を形成する。
これにより、第1の無機EL素子を作製する。
【0038】
<第2の無機EL素子>
次に、上記第1の無機EL素子における母体材料としてのSrSbを、SrSbに替えることにより、第2の無機EL素子を作製する。
【0039】
すなわち、母体材料としてSrSbを作製する場合には、ガラス基板上に生成した上記無機EL材料よりなる薄膜を、アルゴンガス雰囲気中または窒素ガス雰囲気中に設置し、電気炉を用い1時間以上に亘り500゜C以上で加熱する。これにより、図3に示す如く、X線回折スペクトルにおける2θが18.5度および28.0度にピークをもつSrSbを母体材料とする蛍光薄膜を作製する。
【0040】
<第3の無機EL素子>
次に、上記第1の無機EL素子に対し、第1の蒸着用ペレットを作製する際に、MnまたはMnOに替えて、EuFまたはEuOを用いるようにし、他は上記第1の無機EL素子の場合と同様にして第3の無機EL素子を作製する。
【0041】
<第4の無機EL素子>
次に、上記第2の無機EL素子に対し、第1の蒸着用ペレットを作製する際に、MnまたはMnOに替えて、EuFまたはEuOを用いるようにし、他は上記第2の無機EL素子の場合と同様にして第4の無機EL素子を作製する。
【0042】
<スペクトルの測定結果>
上記の如くして作製した、第1、第2、第3および第4の各無機EL素子について、発光されたELのスペクトルを測定した。その測定結果を順次図4、図5、図6および図7に示す。
【0043】
すなわち、第1の無機EL素子において、無機EL材料Mn付活したSrSb薄膜のEL発光強度が最も高くなるときの発光の中心波長は、図4に示すように約470nmであり、青色発光が得られる。
【0044】
また、第2の無機EL素子において、無機EL材料Mn付活したSrSb薄膜のEL発光強度が最も高くなるときの発光の中心波長は、図5に示すように約650nmであり、赤色発光が得られる。
【0045】
また、第3の無機EL素子において、無機EL材料Eu付活したSrSb薄膜のEL発光強度が最も高くなるときの発光の中心波長は、図6に示すように約600nm付近であり、赤色発光が得られる。
【0046】
また、第4の無機EL素子において、無機EL材料Eu付活したSrSb薄膜のEL発光強度が最も高くなるときの発光の中心波長は、図7に示すように、約380nmおよび約411nmであり、紫外から青紫色のEL発光が得られる。
【0047】
このように、本実施例に係る無機EL素子によれば、紫外領域から青紫色領域にかけて、および赤色領域において所望の発光が得られることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態の無機EL発光素子の積層構造を示す側部断面図
【図2】本実施例に係る無機EL材料SrSb薄膜のX線回折スペクトルを示す図(2θが16.5度および25.6度以外のピークには下地のITO透明電極の回折ピークを含む)
【図3】本実施例に係る無機EL材料SrSb薄膜のX線回折スペクトルを示す図(2θが18.5度および28.0度以外のピークには下地のITO透明電極の回折ピークを含む)
【図4】本実施例に係る、第1の無機EL素子(無機EL材料Mn付活したSrSb薄膜)のELスペクトルを示す図
【図5】本実施例に係る、第2の無機EL素子(無機EL材料Mn付活したSrSb薄膜)のELスペクトルを示す図
【図6】本実施例に係る、第3の無機EL素子(無機EL材料Eu付活したSrSb薄膜)のELスペクトルを示す図
【図7】本実施例に係る、第4の無機EL素子(無機EL材料Eu付活したSrSb薄膜)のELスペクトルを示す図
【符号の説明】
【0049】
1 上部電極層
2 上部絶縁層
3 無機EL材料層
4 下部絶縁層
5 下部電極層
6 ガラス基板
7 可視光(EL発光)
8 電源
100 無機EL素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式SrSbで表される化合物を母体材料とする無機エレクトロルミネッセンス材料において、
前記母体材料は、X線回折スペクトルにおける最大ピークが下式(1)で表されるSrSb、またはX線回折スペクトルにおける最大ピークが下式(2)で表されるSrSb、を含むように構成されてなることを特徴とする無機エレクトロルミネッセンス材料。
2θ=16.5度、および25.6度 (1)
2θ=18.5度、および28.0度 (2)
ここで、2θは、回折角
【請求項2】
前記母体材料にMnイオンまたはEuイオンを付活することを特徴とする請求項1記載の無機エレクトロルミネッセンス材料。
【請求項3】
請求項1または2に記載の無機エレクトロルミネッセンス材料を含む無機エレクトロルミネッセンス層と、
該無機エレクトロルミネッセンス層の対向する面の少なくとも一方に形成された絶縁層と、
該無機エレクトロルミネッセンス層を前記対向する面の対向方向に挟むように、かつ各々が、該無機エレクトロルミネッセンス層または該絶縁層の少なくとも一方と接するように配された1組の電極と、
を備えたことを特徴とする無機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
請求項3に記載の無機エレクトロルミネッセンス素子を含み、該無機エレクトロルミネッセンス素子の1組の電極のうち、いずれかの電極側から見たときに、これら2つの電極が、互いに交差するように配列されていることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−204685(P2007−204685A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27605(P2006−27605)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】