説明

無機シランからの異種金属の除去

本発明は、無機シラン及び少なくとも1種の異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物を有する組成物を処理する方法において、前記組成物を、少なくとも1種の吸着剤と接触させ、異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量が低減された組成物を得る方法、並びに低減された異種金属含有量を有する相応する組成物、並びに無機シランの組成物中の異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物を低減させるための有機樹脂、活性炭、ケイ酸塩及び/又はゼオライトの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機シラン及び少なくとも1種の異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物を有する組成物を処理する方法において、前記組成物を、少なくとも1種の吸着剤と接触させ、異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量が低減された組成物を得る方法、並びに低減された異種金属含有量を有する相応する組成物、並びに無機シランの組成物中の異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物を低減させるための有機樹脂、活性炭、ケイ酸塩及び/又はゼオライトの使用に関する。
【0002】
マイクロエレクトロニクスにおいて、例えばエピタキシーによる高純度シリコンの製造のために用いられる、ケイ素化合物又は窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸炭化ケイ素(SiOC)又は炭化ケイ素(SiC)は、それらの純度に関して特に高い要求を満たさなければならない。このことは、特に前記材料の薄膜の製造の際に通用する。チップ製造において、金属不純物によるシリコン化合物の汚染は、エピタキシャル層、例えばエピタキシャルシリコン層不所望なドーピングを引き起こす。
【0003】
例えば、四塩化ケイ素(SiCl4)は特に光導波路の製造のために使用される。この適用のために極めて高純度なSiCl4が必要とされる。特に、この場合、金属の及び/又は金属を主体とする不純物は、検出限界の範囲内で又は数μg/kg(=ppb)の量で含有する場合であっても、重大な欠点である。ハロゲンシラン中の金属不純物は減衰値を高め、ひいては信号伝達を低下させるために、光導波路の減衰挙動に不利な影響を及ぼす。
【0004】
更に、高純度HSiCl3は、太陽電池シリコンの製造の際の重要な原料である。一般に、高純度のハロゲンシラン及び/又はヒドロゲンハロゲンシランは、エレクトロニクス分野、半導体工業、並びに製薬工業において、求められている出発化合物である。
【0005】
例えばケイ素からのテトラクロロシランの製造方法に限れば、シリコン中に存在する不純物は、大抵は同様に塩素化され、かつ部分的に後続する合成工程に持ち込まれる。特に、この塩素化された金属不純物は、エレクトロニクス分野での素子の製造の場合に不利に作用する。
【0006】
EP 0 684 245 A2からは、ハロゲンシラン中の炭化水素の含有量を、吸着剤によるその吸着により低減させることは公知である。
【0007】
本願発明の根底をなす課題は、無機シラン中の異種金属含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量を低減する方法を提供することである。更に、前記方法は低コストでかつ簡単に取り扱うことができるのが好ましい。更に、前記課題は、低い異種金属含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の低い含有量を有する無機シランを提供することである。
【0008】
前記課題は、特許請求の範囲の記載に基づき解決される。
【0009】
意外にも、無機シラン及び少なくとも1種の異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物を有する組成物を、少なくとも1種の吸着剤、特に乾燥した吸着剤と接触させることにより処理し、異種金属の及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量を明らかに低下された組成物を得ることが見出された。
【0010】
本発明の主題は、従って、無機シラン及び少なくとも1種の異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物を有する組成物を、少なくとも1種の吸着剤、特に乾燥した吸着剤と接触させ、異種金属及び/又は少なくとも1種の異種金属を含有する化合物の含有量が低下された組成物を得る、組成物を処理する方法である。この場合、異種金属含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量(一般に蒸留により除去が困難であるか又はもはや蒸留により除去できない異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物の残留量である)は、特に相互に無関係に、それぞれ含有量に関して、100μg/kgを下回る範囲、特に25μg/kgを下回る範囲、有利に15μg/kgを下回る範囲、特に有利に10μg/kgを下回る範囲に減少させることができることが特別な利点である。
【0011】
異種金属又は異種金属を含有する化合物の測定は、一般に、当業者に周知の定量分析法により、いくつかの方法を挙げるとすると、例えば原子吸光分析(AAS)又は測光法により、特に誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)並びに誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES)により行うことができる。
【0012】
無機シランとは、特にハロゲンシラン、ヒドロゲンハロゲンシラン、少なくとも1つの有機基で置換されたハロゲンシラン及び/又は少なくとも1つの有機基で置換されたヒドロゲンハロゲンシラン、前記シランの混合物であると解釈される。一実施態様によると、純粋なヒドロゲンシランも含むことができる。ハロゲンを含有する無機シランの場合には、それぞれのハロゲンは、他のハロゲンとは無関係に、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素のグループから選択することができ、例えば混合したハロゲンシラン、例えばSiBrCl2F又はSiBr2ClFを含むことができる。
【0013】
この無機シランには、有利に塩素置換された、主にモノマーのシラン、例えばテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、メチルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジヒドロゲンジクロロシランが挙げられる。更に、モノマーのシラン、例えばテトラメチルシラン、トリメチルシラン、ジメチルシラン、メチルシラン、モノシラン又はオルガノヒドロゲンシラン又はジシラン、トリシラン、テトラシラン及び/又はペンタシラン、並びにより高い同族のシランも、本発明による方法によりその異種金属含有量を低減することができる。この有利な、主にモノマーの化合物の他に、他のダイマーの化合物、例えばヘキサクロロジシラン、オリゴマーの化合物、例えばオクタクロロトリシラン、デカクロロテトラシラン、及びより高い同族のハロゲンポリシラン並びに混合した水素化されたハロゲン化されたポリシラン、例えばペンタクロロヒドロゲンジシラン又はテトラクロロジヒドロゲンジシラン、並びにこれらと、モノマーの、線状の、分枝状の及び/又は環状のオリゴマーの、及び/又はポリマーの無機シランとの混合物も、その異種金属含有量を相応して低減することができる。環状のオリゴマーの化合物には、Sin2n(式中、n>3)のタイプの化合物、例えばSi5Cl10が挙げられ、ポリマーの無機化合物には、例えばハロゲンポリシラン、つまりポリケイ素ハロゲン化物のSin2n+2(式中、n≧5)及び/又はポリケイ素ヒドロゲンハロゲン化物Sina[(2n+2)-a](式中、n≧2及び0≦a≦(2n+2)、その際、Xはそれぞれハロゲン、例えばF、Cl、Br、I、特にClを表す)が挙げられる。
【0014】
異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物とは、金属がケイ素に相当しないものであると考えられる。少なくとも1種の異種金属及び異種金属を含有する化合物の吸着は、特に無機シランを含有する組成物から選択的に行われ、その際、前記吸着は溶液中でも、気相中でも行うことができる。異種金属又は異種金属を含有する化合物とは、半金属又は半金属を含有する化合物、例えばホウ素及び塩化ホウ素であるとも解釈される。
【0015】
特に、低減されるべき異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物は、金属ハロゲン化物、金属ヒドロゲンハロゲン化物及び/又は金属水素化物並びに前記化合物の混合物である。しかしながら、前記有機基、例えばアルキル基又はアリール基、官能化された金属ハロゲン化物、金属水素ハロゲン化物又は金属水素化物も、無機シランから極めて良好な結果で除去することができる。これについての例は、三塩化アルミニウム又は塩化鉄(III)並びに連続して経過するプロセスから由来する持ち込まれた粒子状金属であることができる。
【0016】
有利に、ホウ素、アルミニウム、カリウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム及び/又は鉄の含有量を低減することができ、特に前記金属に基づく化合物が分離される。
【0017】
本発明による方法は、特に、無機シランの沸点の範囲内にある沸点を有するか又は前記無機シランと共沸混合物として留出される異種金属を含有する化合物の分離又は低減のために適している。前記異種金属を含有する化合物は、部分的に、蒸留により分離することが困難であるか又は全く分離することができない。無機シラン化合物の沸点の範囲にある沸点とは、常圧(約1013.25hPa又は1013.25mbar)で前記無機シランの沸点の±20℃の範囲内にある沸点であると見なされる。
【0018】
一般に、異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物は50〜99質量%が低減される。有利に、前記異種金属含有量は70〜99質量%、特に有利に85〜99質量%が低減される。鉄を含有する組成物について前記方法は、95〜99質量%の残留含有量の低減が可能である。一般に、例えば無機シランの組成物のアルミニウム含有量は、50〜99質量%、有利に85〜99質量%が低減され、ホウ素含有量は少なくとも70質量%、有利に95〜99.5質量%が低減される。
【0019】
組成物中の異種金属の含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量は、有利に金属化合物に関して、特に相互に無関係に、それぞれの含有量に関して、100μg/kgを下回る範囲、特に25μg/kgを下回る範囲、有利に15μg/kgを下回る範囲、特に有利に0.1〜10μg/kgからそれぞれの検出限界までに低減することができる。
【0020】
前記方法を実施するために、有利に、無機吸着剤も有機吸着剤(吸着材と同義)を使用することができ、前記吸着剤は更に親水性及び/又は疎水性であることができる。どのような異種金属又は異種金属を含有する化合物を分離するかに応じて、親水性及び疎水性の吸着剤からなる混合物又は両方の機能を有する吸着剤を使用することも有利である。前記吸着剤は、有機樹脂、活性炭、ケイ酸塩、特にシリカゲル及び/又はゼオライトのグループから選択することができる。有利な吸着剤は、Roehm Haas社のAmberliteTM XAD-4樹脂、活性炭、特にノーライト活性炭、モンモリロナイト、特にモンモリロナイトK10、ゼオライト、例えば Wessalith F 20、シリカゲル、例えば熱分解ケイ酸又は沈降ケイ酸、特にシリカゲルSilica Gel Grace Type 432(550℃で押出)又はAerosil(登録商標) 200である。
【0021】
一般に、無機シランを含有する組成物の本発明による処理は、精製されるべきシランの加水分解を阻止するためにまず吸着剤を入念に乾燥することから実施される。引き続き、この乾燥された吸着剤を保護ガス雰囲気下で前記組成物と接触させ、場合により撹拌する。適当な場合には、前記処理は室温及び常圧で数時間にわたり行われる。通常では、前記組成物は1分〜10時間まで、一般に5時間まで前記吸着剤と接触させる。精製された組成物の取得又は分離は、一般に、濾過、遠心分離又は沈殿により行われる。前記方法操作は、必要に応じて、不連続的又は連続的に行うことができる。無機シランをベースとするこの得られた組成物は、50〜99質量%低減された異種金属含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量を有する。
【0022】
本発明の主題は、同様に、上記の方法により無機シラン及び少なくとも1種の異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物を有する組成物を処理する方法であり、その際、少なくとも1種の無機シランは一般式I
Sinab((2n+2)-a-b) (I)
[その際、1≦n≦5、0≦a≦12、0≦b≦12及びシラン中のそれぞれのXは、相互に無関係に、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素のグループから選択されるハロゲンであり、シラン中のそれぞれの基Rは、相互に無関係に、1〜16個のC原子を有する、線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である]に相当する。その際、アリール基とは、1〜8個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基でアルキル置換されたアリールであるとも解釈される。特に有利に少なくとも1種のシランは、n=1、X=塩素、0≦a≦3、0≦b≦3及びa+b≦3及びRは1〜16個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である一般式Iに相当する。
【0023】
特に有利な無機シランには、塩素置換されたモノマーのシラン(式中n=1及びX=Cl)、例えば、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、トリクロロメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジヒドロゲンジクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、メチルトリクロロシランが挙げられる。
【0024】
有利に、前記方法は一般式I
Sinab((2n+2)-a-b) (I)
(式中、シラン中のそれぞれのXは、相互に無関係に、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素のグループから選択されるハロゲンであり、かつシラン中のそれぞれの基Rは、相互に無関係に、1〜16個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である)のタイプのn=1、a=4又は0≦a≦3、0≦b≦3及びa+b≦3である化合物、又はn=2、0≦a≦4、0≦b≦4であるダイマーの化合物を有する組成物を処理するためにも適している。その際、アリール基とは、1〜8個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基でアルキル置換されたアリールであるとも解釈される。トリマーの線状の化合物の場合、n=3、0≦a≦8、0≦a≦8に相当し、その際、X及びRの置換パターンは前記したのと同様であることができる。n=4、0≦a≦10、0≦b≦10のテトラマーの化合物及びn=5、0≦a≦12、0≦b≦12のペンタマーの線状の化合物の場合の前記置換パターンも同様であり、その際、X及びRの置換パターンは前記したのと同様であることができ、その際、ハロゲン置換された化合物が有利である。
【0025】
前記組成物の異種金属の含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量は、有利に金属化合物に関して、特に相互に無関係に、それぞれの含有量に関して、100μg/kgを下回る範囲、特に25μg/kgを下回る範囲、有利に15μg/kgを下回る範囲、特に有利に10μg/kgを下回る範囲に低減することができる。
【0026】
前記方法を実施するために、既に記載された、無機の並びに有機の親水性及び/又は疎水性の吸着剤を使用することができる。
【0027】
更に、本発明は、一般式I
Sinab((2n+2)-a-b) (I)
[式中、1≦n≦5、0≦a≦12、0≦b≦12及びシラン中のそれ+ぞれのXは、相互に無関係に、ハロゲンであり、シラン中のそれぞれのRは、相互に無関係に、1〜16個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である]の少なくとも1種の無機シランを有し、異種金属含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量が、特に相互に無関係に、それぞれ100μg/kgを下回る、特に25μg/kgを下回る、有利に15μg/kgを下回る、特に有利に10μg/kgを下回る組成物に関する。異種金属には、特に、ホウ素、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム及び/又はリチウムが該当する。特に有利な組成物は、少なくとも1種のシラン(n=1、X=塩素、0≦a≦3、0≦b≦3及びa+b≦3、その際、Rは、特に相互に無関係に、1〜16個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である)を含有する。
【0028】
本発明の主題は、一般式I
Sinab((2n+2)-a-b) (I)
[式中、1≦n≦5、0≦a≦12、0≦b≦12及びシラン中のそれぞれのXは、相互に無関係に、ハロゲンであり、シラン中のそれぞれの基Rは、相互に無関係に、1〜16個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である]の無機シランを有する組成物から少なくとも1種の異種金属及び/又は少なくとも1種の異種金属を含有する化合物の含有量を低減するための、有機樹脂、活性炭、ケイ酸塩、特にシリカゲル及び/又はゼオライトの使用でもある。有利に、前記組成物は、n=1、X=塩素、0≦a≦3、0≦b≦3及びa+b≦3、その際、Rは、相互に無関係に、1〜16個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である一般式Iの化合物から選択される無機シランを有する。
【0029】
本発明を次の実施例により詳細に説明する。
【0030】
実施例
実施例1.1
吸着剤の前処理
吸着剤を、この方法で使用する前に入念に乾燥し、精製されるべきシランの加水分解を妨げる。
【0031】
実施例1.2
異種金属及び/又は金属化合物で汚染されたシランを処理するための一般的方法手順
吸着剤の定義された量を、冷却器(水、ドライアイス)、滴下漏斗、撹拌機、温度計及び窒素接続部を備えた四つ頸ガラスフラスコを有する500mlの撹拌装置中に装入し、真空(<1mbar)及び約170℃で5時間乾燥し、引き続き乾燥した窒素をゆっくりと送って、冷却する。引き続き、精製されるべきシラン250mlの前記滴下漏斗を介する添加を行う。5時間の期間にわたり、この吸着工程を常圧で室温で保護ガス雰囲気下で実施する。フリット(Por. 4)を介して、排出装置を用いて真空にした500mlのガラスフラスコ中に吸引することにより、前記吸着剤をシランから分離する。引き続き、前記ガラスフラスコに窒素を送り、窒素でパージされたショットガラスフラスコ中に排出する。
【0032】
実施例1.3
次の実施例を、前記一般的方法手順によりここに記載された量を用いて実施した。
【0033】
アンバーライト(Amberlite(登録商標) XAD 4)119.97gを、前記一般的方法手順に従って、実施例1.2に記載されたように前処理し、トリクロロシラン250mlを添加した。処理前及び処理後の金属含有量を、ICP−MSで測定した。
【0034】
表1.3
処理前及び処理後の異種金属含有量:
【表1】

【0035】
実施例1.4
次の実施例を、前記の一般的方法手順によりここに記載された量を用いて実施した。
【0036】
モンモリロナイト(Montmorillonit K 10)40.01gを、実施例1.2の一般的方法手順に記載されたと同様に前処理し、トリクロロシラン250mlを添加した。処理前及び処理後の金属含有量を、ICP−MSで測定した。
【0037】
表1.4
処理前及び処理後の異種金属含有量:
【表2】

【0038】
実施例1.5
次の実施例を、前記の一般的方法手順によりここに記載された量を用いて実施した。
【0039】
ウェッサリス(Wessalith F 20)20.17gを、実施例1.2の一般的方法手順に記載されたと同様に前処理し、トリクロロシラン250mlを添加した。処理前及び処理後の金属含有量を、ICP−MSで測定した。
【0040】
表1.5
処理前及び処理後の異種金属含有量:
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機シラン及び少なくとも1種の異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物を有する組成物を処理する方法において、前記組成物を少なくとも1種の吸着剤と接触させ、異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量が低減された組成物を取得することを特徴とする、組成物を処理する方法。
【請求項2】
前記無機シランは、ハロゲンシラン、ヒドロゲンハロゲンシラン、オルガノヒドロゲンシラン、ヒドロゲンシラン、少なくとも1つの有機基で置換されたハロゲンシラン及び/又は少なくとも1つの有機基で置換されたヒドロゲンハロゲンシラン及び/又は前記シランの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ハロゲンは塩素であることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記無機シランは、モノマー、ダイマー、オリゴマー及び/又はポリマーとして存在することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記異種金属を含有する化合物は、金属ハロゲン化物、金属水素化物、有機基で置換された金属ハロゲン化物及び/又は有機基で置換された金属水素化物から選択されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記異種金属を含有する化合物の沸点は、常圧で、無機シランの沸点の±20℃の範囲内にあることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物が、ホウ素、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム及び/又は鉄を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
異種金属及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量は50〜99質量%低減されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
異種金属含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量は、それぞれ100μg/kgを下回るまで低減されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記吸着剤は、親水性及び/又は疎水性であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記吸着剤は、有機樹脂、活性炭、ケイ酸塩及び/又はゼオライトのグループから選択されることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、不連続的又は連続的に行われることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の、無機シラン及び少なくとも1種の異種金属及び/又は異種金属を有する化合物を有する組成物を処理する方法において、少なくとも1種の無機シランは一般式I
Sinab((2n+2)-a-b) (I)
[式中、1≦n≦5、0≦a≦12、0≦b≦12及びシラン中のそれぞれのXは、相互に無関係にハロゲンであり、シラン中のそれぞれの基Rは、相互に無関係に、1〜16個のC原子を有する、線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である]に相当することを特徴とする、組成物を処理する方法。
【請求項14】
前記無機シランは、一般式I
Sinab((2n+2)-a-b) (I)
[式中、n=1、X=塩素、0≦a≦3、0≦b≦3及びa+b≦3及びRは1〜16個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である]を満たすことを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記シランは、モノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン及び/又はトリメチルクロロシランであることを特徴とする、請求項13又は14記載の方法。
【請求項16】
一般式I
Sinab((2n+2)-a-b) (I)
[式中、1≦n≦5、0≦a≦12、0≦b≦12及びシラン中のそれぞれのXは、相互に無関係に、ハロゲンであり、シラン中のそれぞれのRは、相互に無関係に、1〜16個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である]の少なくとも1種の無機シランを有する組成物において、異種金属含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量が、それぞれ100μg/kgを下回ることを特徴とする、組成物。
【請求項17】
前記無機シランは、一般式I
Sinab((2n+2)-a-b) (I)
[式中、n=1、X=塩素、0≦a≦3、0≦b≦3及びa+b≦3及びRは1〜16個のC原子を有する線状、分枝状及び/又は環状のアルキル基又はアリール基である]を満たすことを特徴とする、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
異種金属含有量及び/又は異種金属を含有する化合物の含有量は、それぞれ25μg/kgを下回るまで低減されることを特徴とする、請求項16又は17記載の組成物。
【請求項19】
無機シランを有する組成物から、少なくとも1種の異種金属及び/又は少なくとも1種の異種金属を含有する化合物の含有量を低減するための、有機樹脂、活性炭、ケイ酸塩及び/又はゼオライトの使用。
【請求項20】
請求項16から18までのいずれか1項記載の無機シランを有する組成物から、少なくとも1種の異種金属及び/又は少なくとも1種の異種金属を含有する化合物の含有量を低減するための、請求項19記載の使用。

【公表番号】特表2011−500489(P2011−500489A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529312(P2010−529312)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060863
【国際公開番号】WO2009/049944
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】