説明

無機化合物被覆鋼材及びその製造方法

【課題】従来の防食被覆鋼材に比べ、無機化合物被覆層の見かけ拡散係数が低く、海洋等の高塩分環境における塩化物イオンバリア性に優れた無機化合物被覆鋼材の製造方法を提供するにある。
【解決手段】素地鋼材の上に、直接または中間層を介して、溶融した、硫黄を含有する無機化合物を接触させ、素地鋼材上で無機化合物の溶融状態を一定時間保持した後、無機化合物を冷却固化させて無機化合物被覆層を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として土木・建築用の資材に適用される硫黄を含有した防食被覆鋼材であり、特に高塩分環境における塩化物イオンバリア性に優れた無機化合物被覆鋼材の製造方法である。
【背景技術】
【0002】
現在、土木建築用に適用される資材としては、鋼材と無機化合物を組み合わせた被覆鋼材、例えば特許文献1に開示されているような、所定粒径の自然石粉砕物と無機質系樹脂を含有する無機質系樹脂モルタル被覆鋼材が挙げられる。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されているような鋼材を長時間に渡り塩分の浸透にさらされる環境においた場合、塩分がモルタル中へ浸透し、鋼材の腐食によるひび割れや、モルタルの剥離が発生し、鋼材の耐用年数がモルタルの耐用年数よりも短くなる点が指摘されていた。また、モルタルを被覆した後、硬化するまでには1〜4週間程度を要するため、工期が長くなるという問題もあった。
【0004】
また、他の土木建築用に適用される資材としては、無機化合物を鋼材へ被覆したものがあり、例えばJIS K5553-2002に示されているような、無機ジンクリッチペイントを鋼材へ塗装した土木建築用資材が挙げられる。しかし、無機ジンクリッチペイントは被覆層形成時の硬化反応に伴い体積収縮し、クラックが発生しやすいため、ミストコートなどにより封孔処理を実施することが必要とされ、それでも塩化物イオンの被覆層透過率が大きく、さらにその上から重防食塗装をしなければ、塩化物イオンバリア性を確保することができなかった。
【0005】
さらに、他の土木建築用に適用される資材としては、無機化合物被覆層としてガラス質の被膜を形成させたものがあり、例えば特許文献2に開示されているような、ゾルゲル法によりアルコキシシランからポリシロキサン被覆層を形成した資材や、特許文献3に開示されているようなポリシラザンを塗布して、空気中の水分と反応させることでガラス質の被覆層を形成する資材などが挙げられる。しかし、特許文献2の資材はシロキサン結合の生成による架橋反応にともなう体積収縮が起こり、特許文献3の資材は被覆形成時にガス(具体的には、H2、NH3)が発生するため、いずれも被覆層にクラックが発生し、十分な塩化物イオンバリア性を確保できないという問題があった。
【0006】
さらにまた、引用文献1に開示されているような、高温のプラズマ(数千℃)によりセラミックを溶融し鋼材に溶射することで得られるセラミック被覆鋼材なども挙げられる。しかしながら、引用文献1のような資材は、セラミック被覆層が鋼材に付着して瞬時に冷却固化するため、被覆層に欠陥が生じやすく、塩化物イオンの透過率が大きくなるため、十分な塩化物イオンバリア性を確保できないという問題があった。
【0007】
そのため、上記問題点を解決できるような高塩分環境における塩化物イオンバリア性に優れた無機化合物被覆鋼材の提供が望まれている。
【特許文献1】特開2005−194124号公報
【特許文献2】特開平2−311579号公報
【特許文献3】特開2006−43934号公報号公報
【非特許文献1】植松進、「第25回防錆防食技術発表大会講演予稿集」、日本、社団法人 日本防錆技術協会、2005年6月30日発行、page129
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は無機化合物被覆層を、所定の条件により形成することで、無機化合物被覆層の塩化物に対する見かけ拡散係数が低く、海洋等の高塩分環境における塩化物イオンバリア性に優れた無機化合物被覆鋼材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、硫黄を含有する無機化合物ベースの被覆層を形成してなる無機化合物被覆鋼材の製造方法について検討を重ねた。その結果、素地鋼材の上に、直接または中間層を介して、硫黄を含有する溶融した無機化合物を接触させ、素鋼材上でこの接触させた無機化合物の溶融状態を一定時間保持することで、無機化合物の瞬時の冷却固化による欠陥の発生を低減させ、塩化物に対する見かけイオン拡散係数が1.0×10-9cm2/秒以下の優れた塩化物イオンバリア性を有する均一な無機化合物被覆層の形成が可能となることを見出した。
【0010】
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)素地鋼材の上に、直接または中間層を介して、溶融した、硫黄を含有する無機化合物を接触させ、この接触させた無機化合物の溶融状態を前記素地鋼材上で一定時間保持した後、前記素地鋼材上の無機化合物を冷却固化させて無機化合物被覆層を形成することを特徴する無機化合物被覆鋼材の製造方法。
【0011】
(2)前記無機化合物は、硫黄並びに、鉄鋼スラグ、フライアッシュ、硅砂、ならびにタルクもしくはマイカなどの無機系酸化物から選択される少なくとも1種の無機資材を含有した無機化合物であることを特徴とする上記(1)記載の無機化合物被覆鋼材の製造方法。
【0012】
(3)前記無機化合被覆層の膜厚は0.3mm以上であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の無機化合物被覆鋼材の製造方法。
【0013】
(4)上記(1)、(2)または(3)記載の製造方法により製造された無機化合物被覆鋼材であって、前記無機化合物被覆層の塩化物イオンに対するみかけ拡散係数が、1.0×10-9cm2/秒以下となることを特徴する無機化合物被覆鋼材。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、無機化合物被覆層の見かけ拡散係数が1.0×10-9cm2/秒以下であり、海洋等の高塩分環境における塩化物イオンバリア性に優れた無機化合物被覆鋼材の製造方法を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の構成と限定理由を説明する。
素地鋼材の上に、直接または中間層を介して、溶融した、硫黄を含有する無機化合物を接触させ、この接触させた無機化合物の溶融状態を、素地鋼材上で一定時間保持した後、この素地鋼材上の無機化合物を冷却固化させて無機化合物被覆層を形成することを特徴する無機化合物被覆鋼材の製造方法である。
【0016】
(素地鋼材)
本発明による無機化合物被覆鋼材の母材となる素地鋼材としては、例えば、炭素鋼、低合金鋼及びステンレス鋼等が挙げられる。用途について特に限定はないが、土木建築資材に適用できるのもの、例えば、鉄筋、鋼管、鋳鉄管、鋼材(厚板など)、形鋼等が好ましい。また、素地鋼材に予め表面処理を施していてもよく、必要に応じて、ブラスト、ケレン、酸洗等を施してもよい。
【0017】
(無機化合物被覆層)
本発明による無機化合物被覆層は、硫黄を含有する無機化合物ベースの被覆層であって、硫黄を含有する無機化合物を溶融し、素地鋼材の上に、直接または中間層を介して接触させ、素地鋼材上でこの接触させた無機化合物の溶融状態を一定時間保持した後、無機化合物を冷却固化させることにより形成される。
【0018】
・硫黄を含有する無機化合物
本発明による製造方法は、硫黄を含有する無機化合物を無機化合物被覆層として用いる必要がある。この硫黄を含有する無機化合物の種類は、硫黄を含有していれば特に限定はないが、例えば、鉄鋼スラグ、フライアッシュ、硅砂、ならびにタルクもしくはマイカなどの無機系酸化物などに、硫黄を加えたものが挙げられる。特に、無機系酸化物(タルクもしくはマイカなど)、粘土鉱物、砂、石炭灰、フライアッシュ、ごみ焼却灰、活性炭、グラスファイバーおよびカーボンファイバーから選択される少なくとも一種の無機資材と、硫黄とを含有した無機化合物であることが、より好ましい。
ここで、硫黄を原料として用いると、有機樹脂や他の無機化合物ベースの無機化合物被覆層に比べ、耐候性や耐傷付き性に優れ、かつ低コストである点で有効である。また、無機資材を混合することで、機械的強度、耐燃焼性および耐生分解性(耐硫黄酸化性)の向上を図ることができる点でも有効となる。なお、硫黄化合物中の硫黄は、例えば、通常の硫黄単体で天然産または石油や天然ガスの脱硫によって発生した硫黄等が挙げられる。
また、この硫黄は、ジシクロペンタジエンにより変性しておくことが、より好ましい。硫黄をその融点に近い120℃以上に加熱すると溶融し、その後、常温付近まで冷却すると、まず単斜晶系の硫黄となるが、時間経過と共に斜方晶系に変化し、体積収縮を伴うため欠陥が生じ、脆くなりやすい。そのため、ジシクロペンタジエンを添加することで硫黄と重合し、高分子化合物が生成するため、防食被覆層の固化後の結晶形態変化による体積収縮を防ぐことができ、欠陥の発生を抑制できるからである。さらに、ジシクロペンタジエンの添加量は、硫黄とジシクロペンタジエンの合計量に対して3〜20質量%であることがより好適である。2重量%未満であると固化物に欠陥が生じやすく、20重量%を超えて添加してもその効果は向上しないためである。なお、本発明でジシクロペンタジエンとは、そのオリゴマーを含めた総称である。
【0019】
さらにまた、上記で説明した変性された硫黄は、テトラヒドロナフタレン、オクタヒドロアンスラセン、またはオクタヒドロフェナンスレンなどのヒドロ芳香族炭化水素化合物をさらに含有することが、特に好ましい。硫黄にジシクロペンタジエンを加えて重合反応させると、上述した効果があるものの、重合反応は発熱反応であり、急激に反応が進行すると、硫黄化合物の粘度が急上昇するため成型できなくなる場合がある。このような場合に、ヒドロ芳香族炭化水素化合物の添加が反応を抑制する点で有効だからである。その添加量はジシクロペンタジエン100質量部に対して、ヒドロ芳香族炭化水素化合物10〜1000質量部とすることが、より好適である。10質量部未満では重合反応の抑制効果が十分に発揮されず、1000質量部を超えて添加してもその効果は向上しないためである。
【0020】
なお、ジシクロペンタジエンにより変性された硫黄は、硫黄と、ジシクロペンタジエンと、ヒドロ芳香族炭化水素化合物とを含有し、硫黄:70〜98質量%、ジシクロペンタジエン2〜20質量%およびヒドロ芳香族炭化水素化合物:0.2〜10質量%を含有することが、より好ましい。硫黄、ジシクロペンタジエン、ヒドロ芳香族炭化水素化合物を好適な範囲に限定することで、本発明の下水等の酸性環境や海洋等の高塩分環境における耐食性の効果が最も発揮されるためである。
【0021】
また、中間層は、主として鋼材と被覆との密着性向上のために形成され、例えば、プライマー、化成皮膜等が挙げられる。密着性を向上するものであればどのようなものでも支障はないが、密着性だけでなく耐食性を向上できるものがより好ましい。クロメート処理、シランカップリング処理等の化成処理や、エポキシプライマーなどを適用してもよい。
また、中間層の膜厚は、特に限定はないが、所望の密着性を得るためには、20〜200μmであることが好ましい。
【0022】
・無機化合物の溶融状態を一定時間保持
本発明による製造方法では、素地鋼材上で無機化合物の溶融状態を一定時間保持する。本発明者らは、従来の無機化合物被覆層では、海洋等の高塩分環境において被覆層中を塩分が透過するため、十分な塩化物イオンバリア性を有することができないという問題について、無機化合物被覆層の塩化物イオンの透過性の指標である、見かけ拡散係数に着目し、鋭意研究を行った。その結果、無機化合物の溶融状態を一定時間保持した後に、冷却固化させて無機化合物被覆層を形成すれば、鋼材上に塗布された無機化合物の、急激な冷却による欠陥発生を低減することができるため、塩化物イオンの見かけ拡散係数が1.0×10-9cm2/秒以下の塩化物イオンバリア性に優れた均一な無機化合物被覆層が形成できることを見出した。
【0023】
無機化合物の溶融状態を保持する時間は、1秒間以上が好ましく、より好ましくは、3秒間以上、10秒間以下である。1秒より短いと無機化合物被覆層中の欠陥発生を十分に抑制することができず、10秒より長くてもその効果は変わらないからである。また、塩化物イオンに対する見かけ拡散係数とは、実際の塩化物イオンの拡散は多くの現象が複雑に絡み合った現象であるが、単純な拡散を示す(1)式で表すために見かけの拡散係数とよぶものである。
【数1】

x:表面からの距離(cm)、C:xでの塩化物イオン含有量(%)、
C0:x=0でのC、D:見かけの拡散係数(cm2/sec)、t:時間(sec)
erf(s):誤差関数
塩化物イオン濃度の測定はJIS A1154-2003に準じて測定し、見かけの拡散係数は(式1)により算出することができる。
【0024】
無機化合物を1秒間以上溶融した状態を保持する方法は、溶融状態を保持できれば特に限定されないが、例えば鋼材を予熱しておく方法などにより可能になる。また、無機化合物被覆層は連続的に形成することが製造効率の点で好ましく、溶融した無機化合物をサイジングダイ等を介して予熱した鋼材などの上に一定厚さにて被覆した後、冷風または冷却水により冷却して形成する方法や、冷却水を循環させたサイジングダイ中を通過させることにより無機化合物被覆層を形成する方法が挙げられる。
【0025】
なお、形成された無機化合物被覆層の膜厚は0.3mm以上であることが好ましく、0.3〜25mmであることがより好適である。0.3mm未満では十分な耐食性を得ることができず、25mmを超えても耐食性の効果は変わらないためである。
【0026】
以上のことから、本発明の製造方法を用いれば、無機化合物被覆層の塩化物イオンに対する見かけ拡散係数が1.0×10-9cm2/秒以下の、塩化物イオンバリア性の優れた無機化合物被覆鋼材を得ることができる。
【0027】
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【実施例】
【0028】
本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1は、型枠中に150℃に予熱された素地鋼材を設置した後、150℃で溶融した硫黄30kgとジシクロベンタジエン1kgに、高炉スラグ50kgおよびフライアッシュ20kgを混練してなる無機化合物被覆材料を型枠中に注入し、その後、表1に示す時間溶融状態を保持した後、室温まで冷却して、2mm厚さの無機化合物被覆層を有する無機化合物被覆鋼材を得た。なお、素地鋼材としては、スチールグリッドブラストにより表面を十点平均粗さ(Rz)で50μm程度にしたサイズ100mm×l00mm×6mmの熱延鋼板(素地鋼材)(JIS SS400相当)を用いた。
【比較例】
【0029】
(比較例1)
比較例1は、型枠中に設置された実施例1と同じ素地鋼材が予熱されておらず室温であり、溶融した無機化合物が素地鋼材表面に接触と同時に冷却固化したこと以外は、実施例1と同様の工程により無機化合物被覆鋼材を得た。
【0030】
(比較例2)
比較例2は、型枠中に設置された予熱された80℃の実施例1と同じ素地鋼材を用いて、無機化合物被覆材料を型枠中に注入した後、表1に示すように、溶融状態の保持時間を1秒未満としたこと以外は、実施例1と同様の工程により無機化合物被覆鋼材を得た。
【0031】
(比較例3)
比較例3は、型枠中に実施例1と同じ素地鋼材を設置し、消石灰5kg(乾燥重量)、フライアッシュ230kg(乾燥重量)、および石膏(2水和物40℃で24時間乾燥)18kgを5分間混合した後、水54kgを添加して5分間混合したセメント質混合物3kgに、高炉スラグ5kgを混練したものを被覆材料として型枠中に注入したこと以外は、実施例1と同様の工程により無機化合物被覆鋼材を得た。
【0032】
(比較例4)
比較例4は、実施例1と同じ素地鋼材上に、Al2O3粒子をプラズマ溶射し、膜厚2mm程度のセラミック被膜を形成したしたこと以外は、実施例1と同様の工程により無機化合物被覆鋼材を得た。
【0033】
上記で作製した各無機化合物被覆鋼材について、溶融状態の保持時間、素地鋼材の常温までの冷却速度及び塩化物イオンに対する見かけ拡散係数を測定し、各種試験を行った。本実施例で行った試験の評価方法を以下に示す。なお、塩化物イオンに対する見かけ拡散係数については、各無機化合物被覆鋼材を被覆表面から一定深さごとに採取し、JIS A1154-2003に準じて塩化物イオン濃度を測定し、前述の(式1)により算出した。
測定した溶融状態の保持時間及び塩化物イオンに対する見かけ拡散係数は表1に示す。
【0034】
(評価方法)
上記で作製した各無機化合物被覆鋼材を、鋼材面が露出しないようにシリコンシーラントによりシールし、3質量%のNaCl水溶液(60℃)中に21日間浸漬した後、被覆を鋼板から剥離させて鋼材表面の腐食面積率(%)を測定した。評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1によれば、実施例1の無機化合物被覆鋼材は、比較例1〜4に比べて、腐食面積率について良好な値が得られており、塩化物イオンバリア性に優れていることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、無機化合物被覆層の見かけ拡散係数が1.0×10-9cm2/秒以下であり、海洋等の高塩分環境における塩化物イオンバリア性に優れた無機化合物被覆鋼材の製造方法を提供することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素地鋼材の上に、直接または中間層を介して、溶融した、硫黄を含有する無機化合物を接触させ、この接触させた無機化合物の溶融状態を前記素地鋼材上で一定時間保持した後、前記素地鋼材上の無機化合物を冷却固化させて無機化合物被覆層を形成することを特徴する無機化合物被覆鋼材の製造方法。
【請求項2】
前記無機化合物は、鉄鋼スラグ、フライアッシュ、硅砂、ならびにタルクもしくはマイカなどの無機系酸化物から選択される少なくとも1種の無機資材を含有した無機化合物であることを特徴とする請求項1記載の無機化合物被覆鋼材の製造方法。
【請求項3】
前記無機化合被覆層の膜厚は0.3mm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の無機化合物被覆鋼材の製造方法。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の製造方法により製造された無機化合物被覆鋼材であって、前記無機化合物被覆層の塩化物イオンに対する見かけ拡散係数が、1.0×10-9cm2/秒以下となることを特徴する無機化合物被覆鋼材。

【公開番号】特開2008−246364(P2008−246364A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90284(P2007−90284)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】