説明

無機物被覆合成樹脂発泡体とその製造方法

【課題】合成樹脂発泡体の少なくとも一部の表面にシリカ系無機物を含む無機物層が積層された無機物被覆合成樹脂発泡体とその製造方法の提供。
【解決手段】合成樹脂発泡体の少なくとも一部の表面にシリカ系無機物を含む無機物層が積層されてなる無機物被覆合成樹脂発泡体。合成樹脂発泡体の表面に水溶性ケイ酸塩の溶液を付着させる工程(A)と、前記合成樹脂発泡体の表面に前記水溶性ケイ酸塩と反応してシリカ系無機物を生成する凝固剤を付着させる工程(B)とを有し、前記工程(A)と工程(B)のいずれか一方を先に、いずれか他方を後に行うか又は両方を同時に行って、前記合成樹脂発泡体の表面にシリカ系無機物を含む無機物層を積層して無機物被覆合成樹脂発泡体を得ることを特徴とする無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機物被覆合成樹脂発泡体とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ポリスチレン系樹脂発泡成形体などの合成樹脂発泡体は、食品トレーなどの容器類、緩衝材、断熱材、建築用資材、車両用構造部材などの各種分野で汎用されている。さらに、他の使用形態として、合成樹脂発泡体の気泡内部に各種の材料を入れ、特有の機能を持たせた発泡体が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0003】
特許文献1には、発泡体材料を含む連続気泡の微小気泡発泡体であって、70マイクロメートル以下の平均気泡径を有し、排気されており、赤外線減衰剤(カーボンブラック、グラファイト)を含み、この赤外線減衰剤の量が、この赤外線減衰剤を含まない対応する発泡体と比べて発泡体の熱伝導率を低下させるに十分な量であることを特徴とする発泡体が開示されている。
特許文献2には、平均空気通過時間が10秒以下で且つ長さ25mmの直線上にある平均気泡数が6〜50個であると共に平均破膜面積割合が20〜80%である連続気泡ポリオレフィン系樹脂発泡体の連続気泡表面に、複合金属水酸化物からなるリン吸着剤を付着一体化させてなるリン吸着フィルターにおける連続気泡ポリオレフィン系樹脂発泡体の連続気泡内に、リン成分を含有する水を流通させてリン吸着剤にリン成分を吸着させた後、このリン吸着フィルターのリン吸着剤をリン離脱剤で処理して、リン吸着剤からリン成分を分離、回収すると共にリン吸着剤を再生することを特徴とする水中からのリン成分の回収及びリン吸着フィルターの再生方法が開示されている。
特許文献3には、平均空気通過時間が10秒以下で且つ長さ25mmの直線上にある平均気泡数が6〜50個であると共に平均破膜面積割合が20〜80%である連続気泡ポリオレフィン系樹脂発泡体の連続気泡表面に、リン吸着剤をリン成分を吸着可能な状態に付着一体化させてなることを特徴とするリン吸着フィルターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特表平11−504359号公報
【特許文献2】 特開2004−121895号公報
【特許文献3】 特開2004−121940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリスチレン系樹脂発泡体などの合成樹脂発泡体は、連続気泡型よりも独立気泡型である方が機械的強度や断熱性に優れたものが得られることから、独立気泡型の合成樹脂発泡体の表面に各種の無機物が積層された無機物被覆発泡体の提供が望まれる。
また、前記無機物被覆合成樹脂発泡体において、表面に積層する無機物をシリカ系無機物とすれば、表面硬度の向上、接着性能向上、吸湿・脱臭効果、上品で堅牢な色調付与などの様々な効果を得ることが期待できる。
【0006】
しかしながら、合成樹脂発泡体の表面に強固にシリカ系無機物が積層された無機物被覆合成樹脂発泡体は、これまで提供されていない。
本発明は、合成樹脂発泡体の少なくとも一部の表面にシリカ系無機物を含む無機物層が積層された無機物被覆合成樹脂発泡体とその製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するため、本発明は、合成樹脂発泡体の少なくとも一部の表面にシリカ系無機物を含む無機物層が積層されてなる無機物被覆合成樹脂発泡体を提供する。
【0008】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記シリカ系無機物が、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩のうちの1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。
【0009】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記シリカ系無機物が、遷移金属元素の中から選択される1種又は2種以上の金属元素を含み、着色することもできる。
【0010】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記シリカ系無機物が、多孔質シリカであってもよい。
【0011】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記シリカ系無機物が、二酸化チタンを含むものであってもよい。
【0012】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記無機物層が、含有成分の異なる2層以上の無機物層からなっていてもよい。
【0013】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記合成樹脂発泡体が、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体、発泡ポリウレタンからなる群から選択されるものが好ましい。
【0014】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記合成樹脂発泡体の表面に合成樹脂層が積層された構造であってもよい。
【0015】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記合成樹脂発泡体に穴が設けられ、該穴内にシリカ系無機物が充填されていてもよい。
【0016】
また本発明は、合成樹脂発泡体の表面に水溶性ケイ酸塩の溶液を付着させる工程(A)と、前記合成樹脂発泡体の表面に前記水溶性ケイ酸塩と反応してシリカ系無機物を生成する凝固剤を付着させる工程(B)とを有し、前記工程(A)と工程(B)のいずれか一方を先に、いずれか他方を後に行うか又は両方を同時に行って、前記合成樹脂発泡体の表面にシリカ系無機物を積層して無機物被覆合成樹脂発泡体を得ることを特徴とする無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法を提供する。
【0017】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記凝固剤が、酸又は酸性化合物、Ca含有化合物、Mg含有化合物、Al含有化合物からなる群から選択される1種又は2種以上の混合物を含むものであることが好ましい。
【0018】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記水溶性ケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸二ナトリウム、ケイ酸二ナトリウム五水和物、ケイ酸カリウムからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物を含むものであってよい。
【0019】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記シリカ系無機物が、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩のうちの1種又は2種以上の混合物を含むものであってよい。
【0020】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記シリカ系無機物が、遷移金属元素の中から選択される1種又は2種以上の金属元素を含み、着色していてもよい。
【0021】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記シリカ系無機物が、多孔質シリカであってもよい。
【0022】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記シリカ系無機物が、二酸化チタンを含むものであってもよい。
【0023】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記工程(A)及び工程(B)を複数回行い、前記合成樹脂発泡体の表面に同一成分の又は含有成分の異なる2層以上のシリカ系無機物層を積層してもよい。
【0024】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記合成樹脂発泡体が、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体、発泡ポリウレタンからなる群から選択されるものが好ましい。
【0025】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法では、前記工程(A)において、前記水溶性ケイ酸塩の溶液がケイ酸ゲルを含むものであってもよい。
【0026】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記無機物被覆合成樹脂発泡体の表面に合成樹脂層を積層する工程をさらに有していてもよい。
【0027】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、前記合成樹脂発泡体に穴が設けられ、該穴内に前記水溶性ケイ酸塩の溶液及び前記凝固剤の溶液を入れるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体は、合成樹脂発泡体の少なくとも一部の表面にシリカ系無機物を含む無機物層が積層されてなるものなので、その表面硬度を大幅に向上させることができる。
また、この無機物被覆合成樹脂発泡体の表面は、接着剤、特にモルタルなどの無機系接着剤に対する接着強度が高くなり、コンクリートなどの建築物の表面に対して強固に接着させることができる。
また、この無機物被覆合成樹脂発泡体の表面は、耐火性・難燃性に優れており、合成樹脂発泡体の耐火・難燃性能を高めることができる。
また、シリカ系無機物を多孔質シリカとした場合には、吸湿及び吸臭効果が得られる。
また、シリカ系無機物に二酸化チタンを含ませることで光触媒効果が得られる。
また、シリカ系無機物に1種又は2種以上の遷移金属元素を含有させることで容易に着色できる。これにより得られる着色表面は、美麗で且つ耐候性に優れ、長期間にわたり優れた意匠面を維持できる。
【0029】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法によれば、合成樹脂発泡体の表面に水溶性ケイ酸塩の溶液を付着させる工程(A)と、前記合成樹脂発泡体の表面に前記水溶性ケイ酸塩と反応してシリカ系無機物を生成する凝固剤を付着させる工程(B)とを有し、前記工程(A)と工程(B)のいずれか一方を先に、いずれか他方を後に行うか又は両方を同時に行って、前記合成樹脂発泡体の表面にシリカ系無機物を積層して無機物被覆合成樹脂発泡体を得る構成としたことによって、前述した通り、優れた効果を有する前記無機物被覆合成樹脂発泡体を容易に且つ低コストで製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体は、合成樹脂発泡体の少なくとも一部の表面にシリカ系無機物を含む無機物層が積層されてなるものである。
ここで「少なくとも一部の表面」とは、合成樹脂発泡体の表面の一部又は全部を意味している。
また「積層」とは、前記合成樹脂発泡体の表面にシリカ系無機物を含む無機物層が直接固着された状態を指し、該無機物層の厚みや層構造などは限定されない。
【0031】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記合成樹脂発泡体としては、従来より周知の各種合成樹脂発泡体を用いることができ、その材質、密度、気泡径、形状などは特に限定されない。前記合成樹脂発泡体の中でも、軽量で且つ機械的強度に優れ、種々の形状のものを容易に製造でき、しかも低コストで提供できるなどの点から、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体、発泡ポリウレタンからなる群から選択されるものであることが好ましい。
なお、製品コストや製造容易性などの制約が無ければ、他の合成樹脂、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテルなどの所謂エンジニアリングプラスチックなどを樹脂材料とした合成樹脂発泡体を使用することも可能である。
また、合成樹脂発泡体の形状は、シート状、ボード状、ブロック状、トレー状、カップ状、丼状、球状、粒子状、箱形、棒状、柱状、管状などの種々の形状であってよく、また所定形状の合成樹脂発泡体を切断、打ち抜きなどして所望の形状に二次加工した合成樹脂発泡体や合成樹脂発泡体のシートを熱成形した成形品を使用することもできる。
【0032】
前記ポリスチレン系樹脂発泡体は、使用用途などに応じて適宜選択して各種市販品の中から適宜選択して使用することができ、或いは、ポリスチレン系樹脂粒子にブタンやペンタンなどの発泡剤を含有させた発泡性樹脂粒子(発泡ビーズ)を加熱して発泡させた粒子(予備発泡粒子)を用い、該予備発泡粒子を所望形状のキャビティを有する成形型の該キャビティ内に充填し加熱して型内発泡成形を行って発泡成形体を製造することもできる。
【0033】
前記ポリスチレン系樹脂発泡体の原料のポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体、ポリスチレン系樹脂と他の合成樹脂とのブレンドポリマーなどが挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂発泡体には、物性を損なわない範囲内において、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等の添加剤を添加してもよい。ここで、着色剤としては有機染料でもよいし、無機顔料でもよい。また、後述するようにシリカ系無機物を着色する場合、ポリスチレン系樹脂発泡体をシリカ系無機物と同色に着色してもよいし、異なる色に着色してもよい。
【0034】
前記ポリエチレン系樹脂発泡体は、使用用途などに応じて適宜選択して各種市販品の中から適宜選択して使用することができ、或いは、前述したポリスチレン系樹脂発泡体の場合と同様に製造して得られた発泡成形体を用いることができる。原料のポリエチレン系樹脂としては、各種密度のポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度直鎖状ポリエチレンなど)、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−ビニルアルコール共重合体などのエチレン含有共重合体、ポリエチレンと他の樹脂とのブレンドポリマーなどが挙げられる。
【0035】
前記ポリプロピレン系樹脂発泡体は、使用用途などに応じて適宜選択して各種市販品の中から適宜選択して使用することができ、或いは、前述したポリスチレン系樹脂発泡体の場合と同様に製造して得られた発泡成形体を用いることができる。原料のポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン、プロピレンと他のモノマーとの共重合体、ポリプロピレンと他の樹脂とのブレンドポリマーなどが挙げられる。
【0036】
前記ポリエステル系樹脂発泡体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの樹脂発泡体が挙げられ、それらの中でも特にポリエチレンテレフタレート発泡体が好ましい。このポリエチレンテレフタレート発泡体としては、使用用途などに応じて適宜選択して各種市販品の中から適宜選択して使用することができる。
【0037】
前記発泡ポリウレタンは、使用用途などに応じて適宜選択して各種市販品の中から適宜選択して使用することができ、或いは、ポリオール、イソシアネート、水、触媒及び整泡剤等を含む原料から所望形状の発泡ウレタンを製造することもできる。
【0038】
前記合成樹脂発泡体の気泡は、多数の小気泡が気泡壁を隔てて密集した独立気泡型でもよいし、長い気泡孔が形成された通気性のある連続気泡型でもよい。一般に、独立気泡型の合成樹脂発泡体の方が、連続気泡型の同種の合成発泡体よりも機械的強度や断熱性に優れていることから、独立気泡型の合成樹脂発泡体を用いることが好ましい。
【0039】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記シリカ系無機物は、シリカ(SiO)を主成分とする無機物であればよく、特に限定されない。本発明において好ましいシリカ系無機物としては、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩のうちの1種又は2種以上の混合物が挙げられる。前記シリカは、無水ケイ酸、含水ケイ酸などを含み得る。前記ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩について、ケイ酸と各金属元素(Ca,Mg,Al)との組成モル比は特に限定されず、種々の組成モル比とすることができる。
また、前記シリカ系無機物がシリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩の各無機物のうちの2種以上の混合物である場合、各無機物の組成比は特に限定されない。
【0040】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記シリカ系無機物は、遷移金属元素の中から選択される1種又は2種以上の金属元素を含み、着色している構成とすることができる。前記遷移金属元素としては、例えば、Co、Cr、Cu、Ti、Fe、Ni、Mn、V、Mo、Au、白金族元素、希土類元素、U等が挙げられる。前記遷移金属元素は、イオンの状態でシリカ系無機物中に存在し、それぞれの金属イオンの電荷数に応じて様々な色に着色する。一例を挙げれば、Co2+は青色〜ピンク、Cr3+は緑色、Cr5+は淡黄色、Cu2+は青色、Ti3+は青色、Fe2+は青緑色、Fe3+は褐色、Ni2+は黄褐色〜暗紫色、Mn2+は淡赤紫色、Mn3+は紫褐色、V3+及びV4+は緑色、Mo3+は橙色、Mo4+は緑色などである。
【0041】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記シリカ系無機物が多孔質シリカ(所謂シリカゲル)である構成とすることができる。
多孔質シリカは、周知の通り吸湿・吸臭性に優れており、この多孔質シリカが表面に積層された無機物被覆合成樹脂発泡体は、吸湿・吸臭機能を発揮し得る。
【0042】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記シリカ系無機物が二酸化チタンを含む構成とすることができる。二酸化チタンは、光触媒機能を有しており、これを含むシリカ系無機物が表面に積層された無機物被覆合成樹脂発泡体に光を照射することで、脱臭効果を発揮する。なお、二酸化チタンの光触媒機能を求める場合、二酸化チタンの微粒子は、無機物層の表面近くに存在することが望ましい。
【0043】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記無機物層は、含有成分の異なる2層以上のシリカ系無機物層からなる構成とすることができる。含有成分の異なるシリカ系無機物層の組み合わせとしては、例えば、着色していないシリカ系無機物層の上に着色したシリカ系無機物層を乗せる場合や、二酸化チタンを含まないシリカ系無機物層の上に二酸化チタンを含むシリカ系無機物層を乗せる場合など多数の組み合わせが考えられる。なお、二酸化チタンが樹脂に接しているとその光触媒機能によって樹脂が劣化しやすいなるため、二酸化チタンを含まないシリカ系無機物層の上に二酸化チタンを含むシリカ系無機物層を乗せる組み合わせは、合成樹脂発泡体の劣化を防ぐ上でも好ましい。
【0044】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記無機物層の表面に、合成樹脂層が積層された構造とすることもできる。前記合成樹脂層は、合成樹脂発泡体の樹脂と同種の樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよい。また、透明な非発泡の合成樹脂層でもよいし、発泡した合成樹脂層でもよい。合成樹脂発泡体の表面に合成樹脂層を積層することで、表面に積層されたシリカ系無機物の脱落を防止することができる。
【0045】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体において、前記合成樹脂発泡体に穴が設けられており、該穴内にシリカ系無機物が充填された構成とすることもできる。前記穴の大きさ、形成個数、穴形状及び形成ピッチ等は特に限定されない。例えば、合成樹脂成形体に円形、角形、楕円形などの多数の小穴を格子状、千鳥格子状、或いはランダムに形成しておく構成が挙げられる。また、該穴の径は、穴深さ方向に一定でもよいし、表面の開口に向けて先細りとなる形状としてもよい。このように開口に向けて先細りの形状の穴を形成すれば、シリカ系無機物の脱落が防止できることから好ましい。
このように、合成樹脂発泡体が穴を有しており、該穴内にシリカ系無機物を充填した構成とすることで、合成樹脂発泡体を覆うシリカ系無機物の量を格段に増加させることができるので、シリカ系無機物による機械的強度の向上効果、吸湿・吸臭効果、着色による意匠性向上効果などをさらに向上させることができる。また難燃性を高めることができる。さらに、シリカ系無機物と合成樹脂発泡体との接着強度を高めることができるので、無機物被覆合成樹脂発泡体を無機系接着剤を介して接合対象物に接着固定する場合の接着強度を高めることができる。
【0046】
次に、本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法を説明する。
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法は、合成樹脂発泡体の表面に水溶性ケイ酸塩の溶液を付着させる工程(A)と、前記合成樹脂発泡体の表面に前記水溶性ケイ酸塩と反応してシリカ系無機物を生成する凝固剤を付着させる工程(B)とを有し、前記工程(A)と工程(B)のいずれか一方を先に、いずれか他方を後に行うか又は両方を同時に行って、前記合成樹脂発泡体の表面にシリカ系無機物を積層して無機物被覆合成樹脂発泡体を得ることを特徴とする。
【0047】
前記工程(A)で用いる水溶性ケイ酸塩は、各種ケイ酸塩のうち、水溶性があり、後述する凝固剤と反応してシリカ系無機物を析出するものであればよく、特に限定されない。本発明の製造方法において好適な水溶性ケイ酸塩を挙げれば、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸二ナトリウム、ケイ酸二ナトリウム五水和物、ケイ酸カリウムからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物を含むものである。
ケイ酸ナトリウムは、その濃厚水溶液が水ガラスと呼称される化合物であり、JIS規格表・K1408に記されたような各種規格品が市販されている。
【0048】
前記水溶性ケイ酸塩溶液の濃度は、著しく粘度が高くて合成樹脂発泡体の表面に均一に付着させることが困難となる場合を除き、特に限定されない(以下、適度に希釈した水溶性ケイ酸塩の水溶液を水溶性ケイ酸塩溶液と記す)。
前記水溶性ケイ酸塩溶液は、ケイ酸ゲルを含むものであってもよい。ただし、ケイ酸ゲルを含む水溶性ケイ酸塩溶液の粘度が、合成樹脂発泡体の表面に均一に付着させることが困難となるような粘度である場合を除く。
【0049】
前記工程(B)で用いる凝固剤としては、前記水溶性ケイ酸塩と反応してシリカ系無機物を生成するものであればよく、前記水溶性ケイ酸塩の種類に応じて適宜選択可能である。前記水溶性ケイ酸塩がケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムである場合、好ましい凝固剤としては、酸又は酸性化合物、Ca含有化合物、Mg含有化合物、Al含有化合物からなる群から選択される1種又は2種以上の混合物を含むものが挙げられる。これらの凝固剤は、粉末状のまま使用することもできるが、水溶液として使用することが好ましい(以下、凝固剤溶液と記す)。
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、クエン酸などの周知の酸を用いることができる。
酸性化合物としては、硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどの酸性塩、二酸化硫黄、酸化リンなどの酸性無機化合物、フェノール、有機スルホン酸化合物などの酸性有機化合物などが挙げられる。
Ca含有化合物としては、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、水溶性リン酸カルシウムなどが挙げられる。
Mg含有化合物としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウムなどが挙げられる。
Al含有化合物としては、塩化アルミニウム、第1リン酸アルミニウム、重リン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。
【0050】
前記合成樹脂発泡体の表面に水溶性ケイ酸塩溶液を付着させる工程(A)を行う方法は、特に限定されない。例えば、槽内に入れた水溶性ケイ酸塩溶液中に合成樹脂発泡体の一部又は全部を浸漬する方法、合成樹脂発泡体の表面に水溶性ケイ酸塩溶液を塗布又は噴霧する方法、水溶性ケイ酸溶液を含浸させたローラを通す方法などが挙げられる。
【0051】
表面に水溶性ケイ酸塩溶液を付着させた合成樹脂発泡体は、必要に応じて表面の余分な水溶性ケイ酸塩溶液を除去し、乾燥させた後、凝固剤溶液を付着させる工程(B)を行う。この場合、合成樹脂発泡体を凝固剤溶液に浸漬させたり、凝固剤溶液を塗布又は噴霧することで、凝固剤溶液を付着させることができる。
【0052】
合成樹脂発泡体の表面に水溶性ケイ酸塩溶液及び凝固剤溶液を付着させることで、水溶性ケイ酸塩と凝固剤の反応によってシリカ系無機物が析出し、合成樹脂発泡体の表面に沈積し固化する。次いで、合成樹脂発泡体の表面を乾燥させることによって、表面にシリカ系無機物を含む無機物層が積層された無機物被覆合成樹脂発泡体が得られる。
【0053】
本発明の製造方法では、使用する凝固剤の種類などによって各種の成分組成のシリカ系無機物を生成させることができ、例えば、塩酸などの酸を用いればシリカが生成し、Ca含有化合物を用いればケイ酸カルシウムが生成し、Mg含有化合物を用いればケイ酸マグネシウムが生成し、Al含有化合物を用いればケイ酸アルミニウムやアルミノケイ酸塩が生成する。また、複数種の凝固剤を混合して用いれば、各種の無機物の混合物を生成させることもできる。
【0054】
遷移金属元素の中から選択される1種又は2種以上の金属元素を含み、着色しているシリカ系無機物を形成する場合には、前記遷移金属元素の化合物(酸化物、水酸化物、塩など)の溶液を、前記無機物被覆合成樹脂発泡体の表面に塗布、噴霧又は溶液中浸漬することによってシリカ系無機物に該溶液を浸透させる方法、工程(A)又は(B)のいずれか一方又は両方の溶液中に前記遷移金属元素の化合物を混ぜておく方法、などにより行うことができる。
【0055】
多孔質シリカを形成する場合には、凝固剤として塩酸などの酸を用い、水溶性ケイ酸塩からケイ酸ゲルを生成させ、次いでこれを十分に乾燥させることで形成可能である。
また二酸化チタンを含むシリカ系無機物を形成する場合には、顔料や光触媒用として市販されている二酸化チタン微粒子を工程(A)又は(B)で用いる溶液中に懸濁させておき、この二酸化チタンを懸濁させた溶液を用いて前記と同様に工程(A)及び(B)を実施することによって形成可能である。
【0056】
合成樹脂発泡体の表面に、同一成分の又は含有成分の異なる2層以上のシリカ系無機物層を形成する場合には、前記工程(A)及び工程(B)を一度行ってシリカ系無機物を含む第1層を形成した後、好ましくは該発泡体表面を十分に洗浄し、乾燥した後、前記工程(A)及び(B)を行ってシリカ系無機物を含む第2層を形成する。この工程を必要な層数だけ繰り返し行うことによって、同一成分の又は含有成分の異なる2層以上のシリカ系無機物層を形成することができる。
【0057】
このようにして得られた無機物被覆合成樹脂発泡体の表面には、同種の樹脂又は異なる樹脂からなる合成樹脂層を積層してもよい。前記無機物被覆合成樹脂発泡体の表面に合成樹脂層を積層する場合、接着剤層又は粘着剤層を介して接着してもよい。
【0058】
本発明の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法において、合成樹脂発泡体に予め穴を設けておき、この合成樹脂発泡体に前記工程(A)及び工程(B)を施して、前記穴内にシリカ系無機物を充填して無機物被覆合成樹脂発泡体を製造することもできる。この穴の大きさ、形成個数、穴形状及び形成ピッチ等は特に限定されない。
合成樹脂発泡体に穴を形成するには、合成樹脂発泡体を型内発泡成形する際に用いる成形型に前記穴に対応する突起を設けておき、該成形型を用いて合成樹脂発泡成形体を成形する方法、ドリルによる穴開け加工を施す方法、プレス加工により凹部を形成する方法、局部加熱や溶媒によって穴を設ける方法などによって容易に形成できる。
前記工程(A)及び工程(B)を行うことで、前記穴内に水溶性ケイ酸塩溶液や凝固剤溶液を入れることが可能であり、これらの工程を経て、穴内にシリカ系無機物が充填された無機物被覆合成樹脂発泡体を簡単に製造することができる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の単なる例示であって、本発明は以下の実施例の記載に限定されない。
【実施例1】
【0060】
合成樹脂発泡体として、ポリスチレン系樹脂発泡成形体(商品名「ピオセラン」、積水化成品工業社製)のブロックを用いた。
水溶性ケイ酸塩溶液として、ケイ酸ナトリウム濃厚溶液(和光純薬工業社製)を2〜10倍に希釈した溶液を用いた。
凝固剤溶液として、酸性クエン酸カルシウム溶液を用いた。
前記合成樹脂発泡体の表面に前記該溶液に水溶性ケイ酸塩溶液を塗布し、十分乾燥させた。次いで、前記凝固剤溶液を塗布し、しばらく放置した。
その後、余分な凝固剤溶液を除去し、ドライヤーで乾燥させ、表面にシリカ系無機物を含む無機物層が積層された無機物被覆合成樹脂発泡体を得た。
【実施例2】
【0061】
実施例1で作製した無機物被覆合成樹脂発泡体の表面に、1%塩化コバルト水溶液を塗布した。しばらく放置した後、余分な溶液をろ紙で吸着除去し、ドライヤーで乾燥した。これによってシリカ系無機物を美しい青色に着色することができた。
【実施例3】
【0062】
合成樹脂発泡体としてポリスチレン系樹脂発泡成形体に代えて、ポリエチレン系樹脂発泡シート(商品名「ライトロン」、積水化成品工業社製)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして無機物被覆合成樹脂発泡体を製造した。
【実施例4】
【0063】
合成樹脂発泡体としてポリスチレン系樹脂発泡成形体に代えて、ポリプロピレン系樹脂発泡ボード(商品名「ネオフラットボード」、積水化成品工業社製)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして無機物被覆合成樹脂発泡体を製造した。
【実施例5】
【0064】
合成樹脂発泡体としてポリスチレン系樹脂発泡成形体に代えて、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂発泡シート(商品名「セルペット」、積水化成品工業社製)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして無機物被覆合成樹脂発泡体を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂発泡体の少なくとも一部の表面にシリカ系無機物を含む無機物層が積層されてなる無機物被覆合成樹脂発泡体。
【請求項2】
前記シリカ系無機物が、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩のうちの1種又は2種以上の混合物である請求項1に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体。
【請求項3】
前記シリカ系無機物が、遷移金属元素の中から選択される1種又は2種以上の金属元素を含み、着色している請求項1又は2に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体。
【請求項4】
前記シリカ系無機物が、多孔質シリカである請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体。
【請求項5】
前記シリカ系無機物が、二酸化チタンを含むものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体。
【請求項6】
前記無機物層が、含有成分の異なる2層以上の無機物層からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体。
【請求項7】
前記合成樹脂発泡体が、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体、発泡ポリウレタンからなる群から選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体。
【請求項8】
前記合成樹脂発泡体の表面に合成樹脂層が積層された構造である請求項1〜7のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体。
【請求項9】
前記合成樹脂発泡体に穴が設けられ、該穴内にシリカ系無機物が充填された請求項1〜8のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体。
【請求項10】
合成樹脂発泡体の表面に水溶性ケイ酸塩の溶液を付着させる工程(A)と、
前記合成樹脂発泡体の表面に前記水溶性ケイ酸塩と反応してシリカ系無機物を生成する凝固剤を付着させる工程(B)とを有し、前記工程(A)と工程(B)のいずれか一方を先に、いずれか他方を後に行うか又は両方を同時に行って、前記合成樹脂発泡体の表面にシリカ系無機物を積層して無機物被覆合成樹脂発泡体を得ることを特徴とする無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項11】
前記凝固剤が、酸又は酸性化合物、Ca含有化合物、Mg含有化合物、Al含有化合物からなる群から選択される1種又は2種以上の混合物を含むものである請求項10に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項12】
前記水溶性ケイ酸塩が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸二ナトリウム、ケイ酸二ナトリウム五水和物、ケイ酸カリウムからなる群から選択される1種又は2種以上の混合物を含むものである請求項10又は11に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項13】
前記シリカ系無機物が、シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩のうちの1種又は2種以上の混合物を含むものである請求項10〜12のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項14】
前記シリカ系無機物が、遷移金属元素の中から選択される1種又は2種以上の金属元素を含み、着色している請求項10〜13のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項15】
前記シリカ系無機物が、多孔質シリカである請求項10〜14のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項16】
前記シリカ系無機物が、二酸化チタンを含むものである請求項10〜15のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項17】
前記工程(A)及び工程(B)を複数回行い、前記合成樹脂発泡体の表面に同一成分の又は含有成分の異なる2層以上のシリカ系無機物層を積層する請求項10〜16のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項18】
前記合成樹脂発泡体が、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリエステル系樹脂発泡体、発泡ポリウレタンからなる群から選択される請求項10〜17のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項19】
前記工程(A)において、前記水溶性ケイ酸塩の溶液がケイ酸ゲルを含むものである請求項10〜18に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項20】
前記無機物被覆合成樹脂発泡体の表面に合成樹脂層を積層する工程をさらに有する請求項10〜19のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。
【請求項21】
前記合成樹脂発泡体に穴が設けられ、該穴内に前記水溶性ケイ酸塩の溶液及び前記凝固剤の溶液を入れる請求項10〜20のいずれか1項に記載の無機物被覆合成樹脂発泡体の製造方法。

【公開番号】特開2012−153871(P2012−153871A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27815(P2011−27815)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(510310532)
【Fターム(参考)】