無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法および該粒子を配合した化粧料
【課題】光拡散性やすべり性等に優れた酸化チタン微粒子等の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子を簡便かつ効率よく製造する。
【解決手段】オルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を主成分化合物とし、該主成分化合物の水分散液と、分散された酸化チタン等の無機粒子と、水溶性カチオン系ポリマーと、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液とを、前記主成分化合物が脱水縮合反応する前までに反応系内に添加して前記主成分化合物の脱水縮合反応を行うことで、前記無機微粒子を内包したポリオルガノシルセスキオキサン粒子を製造する。
【解決手段】オルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を主成分化合物とし、該主成分化合物の水分散液と、分散された酸化チタン等の無機粒子と、水溶性カチオン系ポリマーと、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液とを、前記主成分化合物が脱水縮合反応する前までに反応系内に添加して前記主成分化合物の脱水縮合反応を行うことで、前記無機微粒子を内包したポリオルガノシルセスキオキサン粒子を製造する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機粒子をポリオルガノシルセスキオキサン粒子内に内包してなる複合粒子の製造方法および該複合粒子を配合した化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、各種プラスティック、ゴム等の耐磨耗性、滑り性、光拡散性、ブロッキング防止性等の目的として幅広く利用されている。特に粒子形状が球状で平均粒子径が0.1μm(マイクロメートル)〜10μmのものが一般的に用いられている。
また、無機粒子も各種プラスティック、ゴム等の補強材、着色材、ブロッキング防止材等として幅広く配合されている。
一方、各々の機能性向上のため、ポリオルガノシルセスキオキサンと無機粒子との複合粒子についても、その製造方法が提案されている。
例えば、酸化チタンや炭酸カルシウム等の無機粒子を水分散した系内に、オルガノトリアルコキシシランを添加してポリオルガノシルセスキオキサン被覆を形成させた複合粒子を得る方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、酸化鉄粒子等の無機粒子をポリオルガノシルセスキオキサン粒子に内包してなる複合粒子についても、その製法が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−285363号公報
【特許文献2】特開2004−67763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のものは無機粒子の疎水化を目的としており、無機粒子表面をポリオルガノシルセスキオキサン樹脂で薄く被覆することで課題を達成している。
このものは、無機粒子の疎水化には一定の効果があるものの、複合粒子の基本組成は無機粒子であることから、粒子径や粒子形状等の制御が困難であった。
特許文献2のものは、無機顔料系粒子を内包させたシリコーン粒子であるが、例示される界面活性剤の効果だけでは良好な無機粒子内包シリコーン粒子を調製することは難しく、無機粒子種によってはシリコーン粒子に内包されずに、無機粒子凝集物と球状シリコーン粒子の混合物となる。このためすべり性や感触等が良好でなく、物性的にばらつきの大きいものであった。
【0005】
本発明は、これら問題を解決した無機粒子を内包してなるポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法について、特に単独の無機粒子や無機粒子凝集物の混在が殆どない無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明によって得られる無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の形状は、球状または球状表面全面に小さな突起を有する金平糖状粒子であり、光拡散性やすべり性に優れている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すために鋭意検討を重ねた結果、必須添加物として水溶性カチオン系ポリマーを用いること、さらに無機粒子種によっては塩および/または水溶性高分子分散剤を添加することで、無機粒子凝集物が殆ど混在しない無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
まず請求項1の発明は、オルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を主成分化合物とし、該主成分化合物の水分散液と、分散された無機粒子と、水溶性カチオン系ポリマーと、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液とを、前記主成分化合物が脱水縮合反応する前までに反応系内に添加して前記主成分化合物の脱水縮合反応を行うことで、ポリオルガノシルセスキオキサン粒子に該無機粒子を内包させることを特徴とする無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項2の発明は、前記主成分化合物の水分散液を加水分解させた反応液に、塩および/または水溶性高分子分散剤を添加した後に、水溶性カチオン系ポリマー水溶液に無機粒子を分散させた無機粒子分散液を添加し、更にアルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加して、主成分化合物の脱水縮合を行うことを特徴とする請求項1記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2で得られた無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子生成後の反応液分散液に、さらにオルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解液を添加することで、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン球状粒子表面全面にポリオルガノシルセスキオキサンの小さな突起が化学的に結合した形状を有することを特徴とする無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項4の発明は、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子1個に含有される無機粒子数が複数個であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項5の発明は、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子に含有される無機粒子は、ポリオルガノシルセスキオキサン100重量部に対して0.1〜15重量部であり、且つ無機粒子の平均粒子径が0.01μm〜3μmであることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項6の発明は、水溶性カチオン系ポリマーの分子量が1000〜500000であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項7の発明は、請求項1記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子を配合した化粧料である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、得られる粒子は球状または金平糖状のポリオルガノシルセスキオキサン粒子に無機粒子を内包した複合粒子であり、単独の無機粒子や無機粒子凝集物等の混在がほとんどないため、光拡散効果やすべり性等に優れている内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子を工業的に有利な方法で効率よく製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図2】実施例1で得られた粒子を断面した電子顕微鏡写真図である。
【図3】実施例2で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図4】実施例3で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図5】実施例11で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図6】実施例12で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図7】比較例1で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図8】比較例2で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図9】実施例4〜10の反応条件を示す表図である。
【図10】2ウェイケーキファンデーション処方の処方例と比較処方例を示す表図である。
【図11】使用性テストにおける化粧仕上がり感の評価点と判定符号を示す表図である。
【図12】2ウェイケーキファンデーション処方の処方例と比較処方例の評価結果を示す表図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、主成分化合物であるオルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を加水分解、脱水縮合させる工程において、分散された無機粒子と、水溶性カチオン系ポリマーと、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液とを、該主成分化合物が脱水縮合する前までに反応系内に添加することにより得られる。
また、無機粒子種によって塩および/または水溶性高分子分散剤を添加することにより得られる。
本発明の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、平均粒子径が0.5μm〜10μmの球状または球状粒子表面に突起物が形成された金平糖状粒子である。
【0011】
本発明における製造方法としては、以下に示す方法がより好ましい。
すなわち、水にオルガノトリアルコキシシランを添加して加水分解させた液に、必要があれば塩および/または水溶性高分子分散剤を添加した後、水溶性カチオン系ポリマー水溶液に無機粒子を分散させた無機粒子分散液を添加して、更にアルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加してオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させることにより、無機粒子を内包したポリオルガノシルセスキオキサン粒子が形成される。
【0012】
オルガノトリアルコキシシランを加水分解させる水の電気伝導度は5μS/cm(マイクロジーメンス/センチメートル)以下が好ましい。
この水には、各種の酸、界面活性剤、水溶性有機溶剤等を少量添加することもできる。
【0013】
本発明で使用される主成分化合物であるオルガノトリアルコキシシランは、一般式
R1Si(OR2)3
で示される。
該一般式において、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜6の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基、フェニル基、アミノ基、エポキシ基、あるいはビニル基を少なくとも1個有する1価の有機基であり、またR2はR1と同様の炭素数1〜6の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基である。
【0014】
さらに具体的には、オルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−i−ブトキシシラン、メチルトリ−s−ブトキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、s−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどが例示される。
【0015】
これらのオルガノトリアルコキシシランは単独、あるいは二種以上の混合物で用いても良いが、これらオルガノトリアルコキシシランのうち、入手が容易なメチルトリメトキシシランが好適に用いられる。
【0016】
オルガノトリアルコキシシランの添加量は、水100重量部に対して5〜30重量部が好ましい。5重量部未満では製造効率が悪くなり、30重量部より多くなると粒子同士の融着が発生し易くなる。
【0017】
オルガノトリアルコキシシランの水への添加方法は10分以内で添加することが好ましい。オルガノトリアルコキシシランの水への添加時間が10分を超えると、該オルガノトリアルコキシシランの加水分解反応の進行にばらつきが発生するため、粒子同士の融着が発生し易くなる。
【0018】
本発明で用いられる塩としては、酸性塩、アルカリ性塩のいずれでもよく、具体的には酢酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどのアンモニウム塩などを例示することができる。
塩の添加量を多くすると球状粒子表面全面にポリオルガノシルセスキオキサンの突起が化学的に結合した粒子となる。尚、具体的な塩の添加量については各種反応条件や無機粒子種により異なるため、一概に言えるものではない。
【0019】
本発明で用いられる水溶性高分子分散剤としては、合成高分子、天然高分子のいずれでも使用できるが、具体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどを例示することができる。
水溶性高分子分散剤の効果は、生成した無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子同士の凝集を抑制するものであり、その具体的な添加量については各種反応条件や無機粒子種により異なるため、一概に言えるものではない。
【0020】
本発明で用いられる無機粒子は具体的には、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛などの金属酸化物類、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩類、硫酸バリウム等の金属硫酸塩類、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどの天然無機化合物からなり、これら1種または2種以上を混合して使用しても良い。
【0021】
無機粒子は一般的な製造方法で得られるものでよく、その平均粒子径は0.01〜3μmが好適である。平均粒子径が3μmを超えるとポリオルガノシルセスキオキサン粒子に複数個の無機粒子を内包させることが困難となる。
また無機粒子の粒度分布も重要であり、比較的シャープな粒度分布を有する無機粒子が好適に用いられる。
さらにまた、無機粒子の形状は、球状、針状、微粒子凝集体状等特に限定されるものではない。
上記無機粒子はイオン性不純物が少ない方がより好ましい。
【0022】
無機粒子の添加量は、ポリオルガノシルセスキオキサン100重量部に対して0.1〜15重量部が好ましく、0.1重量部未満では無機粒子内包による効果が低下する。また、15重量部より多いと内包できない無機粒子が発生するようになる。
【0023】
本発明に用いる水溶性カチオン系ポリマーは、分子量が1000〜500000であることが好ましい。水溶性カチオン系ポリマーの例としては、ポリジアリルジアルキルアンモニウム塩、ポリジアミノジメチルアンモニウム塩、ポリビニルピリジン4級塩等の高分子4級アミン化合物、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン等が挙げられる。この中でもポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。
【0024】
水溶性カチオン系ポリマーは予め水に溶解し、これに無機粒子を添加して分散させる方法がよい。また無機粒子を添加した分散液はさらに超音波分散させる事が好ましい。
無機粒子分散液の反応系内への添加方法については特に限定されるものではないが、短時間で投入する方が効率的である。
【0025】
アルカリ性物質とは、一般に周期律表Ia属、IIa属の金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩または有機窒素化合物、アンモニアなどが挙げられ、アルカリ性水溶液とは前記したアルカリ性物質の水溶液であるが、反応後除去しやすいことから、特にアンモニアが好ましい。これらアルカリ性物質および/またはその水溶液は単独でも、あるいは2種類以上を混合して用いても良い。また、該アルカリ性水溶液に水溶性有機溶剤、界面活性剤などが含まれていても使用することが出来る。
【0026】
アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液の添加量は、主成分化合物の脱水縮合反応時の反応液のpHが8.0〜11の範囲となるように添加することが望ましく、pHが8.0未満では粒子同士の融着が発生し易く、pHが11を超えると脱水縮合反応が早すぎて内包されない無機粒子が発生し易い。
【0027】
アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加することで主成分化合物の加水分解物を脱水縮合させるときの反応液温度としては、10〜60℃が好ましい。
【0028】
アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液の添加方法は、反応液撹拌下で、速やかに添加することが望ましい。また、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加する際の反応液の撹拌は特に限定されないが、強い撹拌とすると粒子同士の融着、あるいは不定形粒子が生成する場合があるので、通常、液が混合されている程度の、穏やかな撹拌であることが好ましい。
【0029】
アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加した後は、撹拌を止めて静置下で1時間以上熟成させる。熟成時間が1時間未満では粒子同士の融着が発生し易くなる。
【0030】
熟成後に再撹拌をした反応液に、さらにオルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解液を添加することで、球状粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンの突起が化学的に結合した金平糖状粒子とさせることもできる。
この効果も水溶性カチオン系ポリマーによるものであり、水溶性カチオン系ポリマーを用いない反応系では金平糖状粒子は生成されない。
オルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解液の添加量は、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子調製時に使用したオルガノトリアルコキシシラン100重量部に対して5〜25重量部が好ましい。5重量部未満では突起の形成が弱く、25重量部より多いと粒子同士の融着が発生し易くなる。
オルガノトリアルコキシシラン加水分解液に使用する水の添加量としては、オルガノトリアルコキシシラン100重量部に対して50〜200重量部である。50重量部未満では加水分解反応の進行が遅くなるため効率が悪くなり、200重量部より多いと反応系内の粒子濃度が低下するために効率が悪くなる。
【0031】
本発明を実施するにあたり、主成分化合物である前述したオルガノトリアルコキシシランに、副成分化合物としてジオルガノジアルコキシシラン、トリオルガノモノアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、オルガノハロシランから選択される少なくとも1種類を副成分化合物として添加してもよい。
【0032】
ジオルガノジアルコキシしランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−i−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−i−ブトキシシラン、ジメチルジ−s−ブトキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−i−ブチルジメトキシシラン、ジ−s−ブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ−N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルジメトキシシラン、ジ−γ−グリシドキシプロピルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどが例示される。
【0033】
トリオルガノモノアルコキシシランとしては、トリメチルモノメトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン、トリメチルモノ−n−プロポキシシラン、トリメチルモノ−i−プロポキシシラン、トリメチルモノ−n−ブトキシシラン、トリメチルモノ−i−ブトキシシラン、トリメチルモノ−s−ブトキシシラン、トリメチルモノ−t−ブトキシシラン、トリエチルモノメトキシシラン、トリ−n−プロピルモノメトキシシラン、トリ−i−プロピルモノメトキシシラン、トリ−n−ブチルモノメトキシシラン、トリ−i−ブチルモノメトキシシラン、トリ−s−ブチルモノメトキシシラン、トリ−t−ブチルモノメトキシシラン、トリ−N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルモノメトキシシラン、トリ−γ−グリシドキシプロピルモノメトキシシラン、トリビニルモノメトキシシラン、トリフェニルモノメトキシシランなどが例示される。
【0034】
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−s−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどが例示される。
【0035】
オルガノハロシランとしては、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、トリメチルモノクロルシラン、エチルトリクロルシラン、ジエチルジクロルシラン、トリエチルモノクロルシランなどが例示される。
【0036】
このようにして合成した粒子は、その後、ろ過分離・水洗浄あるいは有機溶剤洗浄をした後、乾燥し、場合によっては解砕して微粒子を得る。
得られた粒子は、無機粒子を内包したポリオルガノシルセスキオキサン粒子である。
【0037】
また本発明では、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子を化粧料に配合するものであり、この場合に、必要に応じ、シリコーン処理、フッ素処理、脂肪酸、金属石鹸、脂肪酸エステル、アミノ酸系誘導体、レシチン等により表面被覆処理を行った後配合しても良く、更にはこれらの複合処理を行なった後、配合してもよい。
【0038】
より詳しくは、シリコーン処理としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の各種のシリコーンオイルによる処理や、メチルトリアルキルシラン、エチルトリアルキルシラン、ヘキシルトリアルキルシラン、オクチルトリアルキルシラン等の各種のアルキルシランによる処理が例示され、フッ素処理としては、パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩や、トリフルオロメチルエチルトリアルキルシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリアルキルシラン、トリデカフルオロオクチルトリアルキルシラン等の各種フルオロアルキルシランによる処理が例示され、脂肪酸処理としては、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の各種脂肪酸による処理が例示され、金属石鹸処理としては、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸アルミニウム、ミリスチン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸アルミニウム、ベヘン酸カルシウム等の金属石鹸処理が例示され、脂肪酸エステル処理としては、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル処理が例示され、アミノ酸誘導体処理としては、ラウロイルリシン、ステアロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、ラウロイルグルタミン酸等のアミノ酸誘導体処理が例示され、また、レシチンによる処理等が例示される。
【0039】
本発明の化粧料には、必要に応じて通常化粧料に配合される成分を適宜配合することができる。例えば、ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形・半固形油分、スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコーン油、オリーブ油、アボガド油、ミンク油等の流動油分、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤、水溶性および油溶性ポリマー、界面活性剤、多価アルコール、糖類、シリコーン、金属石鹸、レシチン、アミノ酸、コラーゲン、ポリマー、無機顔料、有機顔料等の各種表面処理粉体、タール色素、天然色素等の各種色素、エタノール、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、PH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、水等を本発明の効果を損なわない範囲内で配合可能である。
【0040】
また本発明の化粧料は、その剤形や製品形態が特に限定されるものではなく、油中水型、水中油型、水分散型、プレス状、固形等、パウダーなどの剤形とすることができ、また製品形態としては、洗顔フォーム・クリーム、クレンジング、マッサージクリーム、パック、化粧水、乳液、クリーム、美容液、化粧下地、日焼け止め等の皮膚用化粧料、ファンデーション、水白粉、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、コンシーラー、口紅、リップクリーム等の仕上げ用化粧料、ヘアミスト、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアトニック、ヘアクリーム、ポマード、チック等の液体整髪料、シャンプー、リンス、トリートメント、セットローション、ヘアスプレー、染毛料等の頭髪用化粧料、パウダースプレー、ロールオン等の制汗剤などを例示することができる。この中でも、ファンデーション、フェースパウダーなど固形状製品等が本発明の効果が発揮されやすい化粧料である。
【0041】
以下に、本発明の具体的な実施例について比較例と共に記載するが、本発明はこれらの記載に限定されないことはいうまでもない。
【0042】
<実施例1>
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に電気伝導度が0.5μS/cmの水320重量部を仕込み、反応温度を35℃とした後にメチルトリメトキシシラン70重量部を3分間で添加して1時間撹拌し、メチルトリメトキシシラン加水分解液を得た。このメチルトリメトキシシラン加水分解物に5重量%の塩化アンモニウム5重量部と5重量%のポリビニルアルコール8重量部を添加して、メチルトリメトキシシラン加水分解液との混合液を得た。
これとは別に0.2重量%のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量:200,000〜350,000)水溶液20重量部に平均粒子径0.3μmである酸化チタン粒子(石原産業製CR−50)を2重量部投入し、超音波を1分間照射して酸化チタン分散液を得た。
先に調製したメチルトリメトキシシラン加水分解液との混合液の液温を35℃として、酸化チタン分散液を添加した後に、1重量%のアンモニア水4重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で3時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量は36.1gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化チタンの配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタンは5.8重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図1に示す写真図のように平均粒子径が4μmの球状粒子であり、酸化チタン単独粒子や酸化チタン粒子凝集物は殆ど確認できなかった。得られた粉末の断面を電子顕微鏡観察したところ、図2に示す写真図のように、酸化チタン微粒子(写真図において球状粒子内にある白色粒状のもの)を複数個内包したポリメチルシルセスキオキサン粒子であった。
【0043】
<実施例2>
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に電気伝導度が0.5μS/cmの水330重量部を仕込み、反応温度を30℃とした後にメチルトリメトキシシランを70重量部添加して、メチルトリメトキシシラン加水分解液を得た。これとは別に0.5重量%のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量:200,000〜350,000)水溶液15重量部に平均粒子径0.3μmである酸化アルミニウム粒子(住友化学工業製AA−03)を1重量部投入し、超音波を1分間照射して酸化アルミニウム分散液を得た。
次に、メチルトリメトキシシラン加水分解液の液温を30℃として、酸化アルミニウム分散液を添加した後に、1重量%のアンモニア水3.5重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で3時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量は35.1gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化アルミニウムの配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタンは2.9重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図3に示す写真図のように平均粒子径が5μmの球状粒子であり、酸化アルミニウム単独粒子や酸化アルミニウム粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0044】
<実施例3>
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に電気伝導度が0.5μS/cmの水300重量部を仕込み、反応温度を30℃とした後にメチルトリメトキシシラン70重量部を3分間で添加して1時間撹拌し、メチルトリメトキシシラン加水分解物を得た。このメチルトリメトキシシラン加水分解物に5重量%のポリビニルアルコール5重量部を添加して、メチルトリメトキシシラン加水分解液との混合液を得た。これとは別に0.5重量%のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量:200,000〜350,000)水溶液10重量部に平均粒子径0.5μmである酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子(日興リカ製Y−N−2)を1重量部投入し、超音波を1分間照射して酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子分散液を得た。
先に調製したメチルトリメトキシシラン加水分解液との混合液の液温を30℃として、先に調製した酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子分散液を添加した後に、1重量%のアンモニア水4重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で3時間熟成した後、ろ過、乾燥して淡黄色粉末を得た。得られた淡黄色粉末の重量は36.2gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子の配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子は2.9重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図4に示す写真図のように平均粒子径が4μmの球状粒子であり、酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子の単独粒子や酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0045】
<実施例4〜10>
図9の表図記載の条件以外は実施例1と同じ条件として、無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子を得た。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図9の表図記載の平均粒子径を有する球状粒子であり、別途電子顕微鏡観察したところ、無機粒子の単独粒子や無機粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0046】
<実施例11:金平糖状粒子の合成1>
5重量%の塩化アンモニウム8重量部とした以外は、実施例1と同反応条件で反応させて、静置下で3時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量は36.0gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化チタンの配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタンは5.8重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図5に示す写真図のように平均粒子径が5μmの球状粒子表面にポリメチルシルセスキオキサンの突起を有する金平糖状粒子であり、酸化チタン単独粒子や酸化チタン粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0047】
<実施例12:金平糖状粒子の合成2>
酸化チタンの添加量を5重量部とした以外は実施例1と同条件で無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子を合成して、3時間熟成した後、撹拌を再開して無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子分散液を得た。
別にメチルトリメトキシシラン10重量部を水10重量部に添加、1時間撹拌してメチルトリメトキシシラン加水分解液を調製して、これを無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子分散液に速やかに添加して30秒後に撹拌を停止した。
静置下で2時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量は40.9gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化チタンの配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタンは13重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図6に示す写真図のように平均粒子径が3μmの金平糖状粒子であり、酸化チタン単独粒子や酸化チタン粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0048】
<比較例1>
水溶性カチオン系ポリマーを添加しない以外は、実施例1と同条件で反応を実施した。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図7に示す写真図のように平均粒子径が4μm程度のポリメチルシルセスキオキサン粒子と酸化チタン粒子(写真図上、球状粒子の周りに点在するゴミのような微粒子)の混合物であり、酸化チタンを内包したポリメチルシルセスキオキサン粒子とは言い難いものであった。
【0049】
<比較例2>
水溶性カチオン系ポリマーの替わりにカチオン性界面活性剤であるラウリルトリメチルアンモニウムクロライドを添加した以外は、実施例1と同条件で反応を実施した。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図8に示す写真図のように平均粒子径が2μm程度のポリメチルシルセスキオキサン粒子と酸化チタン微粒子(写真図上、球状粒子の周りに点在するゴミのような微粒子)の混合物であり、また粒子同士の融着も観測され、酸化チタンを内包したポリメチルシルセスキオキサン粒子とは言い難いものであった。
【0050】
<化粧料として2ウェイケーキファンデーションの処方>
[処方例1、2、3、比較処方例1、2:2ウェイケーキファンデーション]
前記実験例1、2、12、比較例1及び無機粒子を内包しない一般的なポリメチルシルセスキオキサン粒子を用いて図10の表図に示す組成の2ウェイケーキファンデーションをそれぞれ処方した。
これらを処方例1、2、3、比較処方例1、2とする。
これら2ウエイケーキファンデーションを下記の製法によりそれぞれ製造し、該製造された各ファンデーションの化粧仕上がり感、使用性、持続性について図11の表図に示す評価方法により評価し、その結果を図12の表図に示す。
【0051】
[2ウエイケーキファンデーションの製法]
図10の表図に示される粉体成分(1)〜(12)を混合粉砕して、これをヘンシェルミキサーに移す。別の容器に油相成分(13)〜(17)を混合する。ヘンシェルミキサーを撹拌しながら油相成分を加えて均一になるよう撹拌混合し、その後アトマイザーにて粉砕した。これをアルミ皿にプレス成型して2ウェイケーキファンデーションの製品を得た。
【0052】
[2ウェイケーキファンデーションの化粧仕上がりの評価方法]
これら得られた各2ウェイケーキファンデーションを女性パネラー(5人)が通常の使用方法にて用い、化粧仕上がりを専門評価者により、
5:非常に自然な仕上がり
4:自然な仕上がり
3:普通
2:やや仕上がり感が悪い
1:仕上がり感が悪い
の5段階で評価をしてもらい、その平均点を評価結果として図11の表図に示す判定符号を付した。
【0053】
[2ウェイケーキファンデーションの使用性の評価方法]
前記得られた2ウェイケーキファンデーションを女性パネラー(5名)により、平滑感、きしみ、ざらつきなどの使用性を同様にして5段階で評価してもらい、その平均点を評価点とし、図11に示す判定符号を図12の表図に示した。
【0054】
[2ウェイケーキファンデーションの持続性の評価方法]
前記得られた2ウェイケーキファンデーションを女性パネラー(5名)により、化粧持続性をファンデーション塗布後3時間後に同様にして5段階で評価してもらい、その平均点を評価結果とし、図11に示す判定符号を図12の表図に示した。
【0055】
[2ウェイケーキファンデーションの評価結果]
図12に示す表図から明らかなように、本発明を実施して得られた無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子を用いて製造した2ウェイケーキファンデーション(処方例1、2、3)は、塗布時の仕上がり感、使用性、持続性ともに優れたファンデーションであった。更に処方例1、2、3のファンデーションは、仕上がり感が自然なだけ出なく、立体感を感じさせ、陰影をハッキリさせ、小顔になるとのコメントも寄せられた。
これに対し、比較例1で得られた粉体および一般的なポリメチルシルセスキオキサン粒子を用いて製造した2ウェイケーキファンデーション(比較処方例1、2)のものは、仕上がり感、使用性、持続性共に処方例1、2、3のファンデーションより劣っていた。
以上の結果、本発明の方法で得た粒子を用いて製造した2ウェイケーキファンデーションは、仕上がり感、使用性、持続性ともに優れた2ウェイケーキファンデーションであることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明による無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、主に化粧料への処方により、光拡散によるソフトフォーカス効果や滑り性の寄与、触感向上等に効果的である。また各種プラスティック、各種ゴム等の添加材として、滑り性、耐摩耗性、ブロッキング防止性、撥水性、光拡散性等付与剤としても利用される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機粒子をポリオルガノシルセスキオキサン粒子内に内包してなる複合粒子の製造方法および該複合粒子を配合した化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、各種プラスティック、ゴム等の耐磨耗性、滑り性、光拡散性、ブロッキング防止性等の目的として幅広く利用されている。特に粒子形状が球状で平均粒子径が0.1μm(マイクロメートル)〜10μmのものが一般的に用いられている。
また、無機粒子も各種プラスティック、ゴム等の補強材、着色材、ブロッキング防止材等として幅広く配合されている。
一方、各々の機能性向上のため、ポリオルガノシルセスキオキサンと無機粒子との複合粒子についても、その製造方法が提案されている。
例えば、酸化チタンや炭酸カルシウム等の無機粒子を水分散した系内に、オルガノトリアルコキシシランを添加してポリオルガノシルセスキオキサン被覆を形成させた複合粒子を得る方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、酸化鉄粒子等の無機粒子をポリオルガノシルセスキオキサン粒子に内包してなる複合粒子についても、その製法が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−285363号公報
【特許文献2】特開2004−67763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のものは無機粒子の疎水化を目的としており、無機粒子表面をポリオルガノシルセスキオキサン樹脂で薄く被覆することで課題を達成している。
このものは、無機粒子の疎水化には一定の効果があるものの、複合粒子の基本組成は無機粒子であることから、粒子径や粒子形状等の制御が困難であった。
特許文献2のものは、無機顔料系粒子を内包させたシリコーン粒子であるが、例示される界面活性剤の効果だけでは良好な無機粒子内包シリコーン粒子を調製することは難しく、無機粒子種によってはシリコーン粒子に内包されずに、無機粒子凝集物と球状シリコーン粒子の混合物となる。このためすべり性や感触等が良好でなく、物性的にばらつきの大きいものであった。
【0005】
本発明は、これら問題を解決した無機粒子を内包してなるポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法について、特に単独の無機粒子や無機粒子凝集物の混在が殆どない無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明によって得られる無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の形状は、球状または球状表面全面に小さな突起を有する金平糖状粒子であり、光拡散性やすべり性に優れている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すために鋭意検討を重ねた結果、必須添加物として水溶性カチオン系ポリマーを用いること、さらに無機粒子種によっては塩および/または水溶性高分子分散剤を添加することで、無機粒子凝集物が殆ど混在しない無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
まず請求項1の発明は、オルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を主成分化合物とし、該主成分化合物の水分散液と、分散された無機粒子と、水溶性カチオン系ポリマーと、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液とを、前記主成分化合物が脱水縮合反応する前までに反応系内に添加して前記主成分化合物の脱水縮合反応を行うことで、ポリオルガノシルセスキオキサン粒子に該無機粒子を内包させることを特徴とする無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項2の発明は、前記主成分化合物の水分散液を加水分解させた反応液に、塩および/または水溶性高分子分散剤を添加した後に、水溶性カチオン系ポリマー水溶液に無機粒子を分散させた無機粒子分散液を添加し、更にアルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加して、主成分化合物の脱水縮合を行うことを特徴とする請求項1記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2で得られた無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子生成後の反応液分散液に、さらにオルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解液を添加することで、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン球状粒子表面全面にポリオルガノシルセスキオキサンの小さな突起が化学的に結合した形状を有することを特徴とする無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項4の発明は、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子1個に含有される無機粒子数が複数個であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項5の発明は、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子に含有される無機粒子は、ポリオルガノシルセスキオキサン100重量部に対して0.1〜15重量部であり、且つ無機粒子の平均粒子径が0.01μm〜3μmであることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項6の発明は、水溶性カチオン系ポリマーの分子量が1000〜500000であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法である。
請求項7の発明は、請求項1記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子を配合した化粧料である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、得られる粒子は球状または金平糖状のポリオルガノシルセスキオキサン粒子に無機粒子を内包した複合粒子であり、単独の無機粒子や無機粒子凝集物等の混在がほとんどないため、光拡散効果やすべり性等に優れている内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子を工業的に有利な方法で効率よく製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図2】実施例1で得られた粒子を断面した電子顕微鏡写真図である。
【図3】実施例2で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図4】実施例3で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図5】実施例11で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図6】実施例12で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図7】比較例1で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図8】比較例2で得られた粒子の電子顕微鏡写真図である。
【図9】実施例4〜10の反応条件を示す表図である。
【図10】2ウェイケーキファンデーション処方の処方例と比較処方例を示す表図である。
【図11】使用性テストにおける化粧仕上がり感の評価点と判定符号を示す表図である。
【図12】2ウェイケーキファンデーション処方の処方例と比較処方例の評価結果を示す表図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、主成分化合物であるオルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を加水分解、脱水縮合させる工程において、分散された無機粒子と、水溶性カチオン系ポリマーと、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液とを、該主成分化合物が脱水縮合する前までに反応系内に添加することにより得られる。
また、無機粒子種によって塩および/または水溶性高分子分散剤を添加することにより得られる。
本発明の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、平均粒子径が0.5μm〜10μmの球状または球状粒子表面に突起物が形成された金平糖状粒子である。
【0011】
本発明における製造方法としては、以下に示す方法がより好ましい。
すなわち、水にオルガノトリアルコキシシランを添加して加水分解させた液に、必要があれば塩および/または水溶性高分子分散剤を添加した後、水溶性カチオン系ポリマー水溶液に無機粒子を分散させた無機粒子分散液を添加して、更にアルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加してオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させることにより、無機粒子を内包したポリオルガノシルセスキオキサン粒子が形成される。
【0012】
オルガノトリアルコキシシランを加水分解させる水の電気伝導度は5μS/cm(マイクロジーメンス/センチメートル)以下が好ましい。
この水には、各種の酸、界面活性剤、水溶性有機溶剤等を少量添加することもできる。
【0013】
本発明で使用される主成分化合物であるオルガノトリアルコキシシランは、一般式
R1Si(OR2)3
で示される。
該一般式において、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜6の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基、フェニル基、アミノ基、エポキシ基、あるいはビニル基を少なくとも1個有する1価の有機基であり、またR2はR1と同様の炭素数1〜6の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基である。
【0014】
さらに具体的には、オルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−i−ブトキシシラン、メチルトリ−s−ブトキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、s−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどが例示される。
【0015】
これらのオルガノトリアルコキシシランは単独、あるいは二種以上の混合物で用いても良いが、これらオルガノトリアルコキシシランのうち、入手が容易なメチルトリメトキシシランが好適に用いられる。
【0016】
オルガノトリアルコキシシランの添加量は、水100重量部に対して5〜30重量部が好ましい。5重量部未満では製造効率が悪くなり、30重量部より多くなると粒子同士の融着が発生し易くなる。
【0017】
オルガノトリアルコキシシランの水への添加方法は10分以内で添加することが好ましい。オルガノトリアルコキシシランの水への添加時間が10分を超えると、該オルガノトリアルコキシシランの加水分解反応の進行にばらつきが発生するため、粒子同士の融着が発生し易くなる。
【0018】
本発明で用いられる塩としては、酸性塩、アルカリ性塩のいずれでもよく、具体的には酢酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどのアンモニウム塩などを例示することができる。
塩の添加量を多くすると球状粒子表面全面にポリオルガノシルセスキオキサンの突起が化学的に結合した粒子となる。尚、具体的な塩の添加量については各種反応条件や無機粒子種により異なるため、一概に言えるものではない。
【0019】
本発明で用いられる水溶性高分子分散剤としては、合成高分子、天然高分子のいずれでも使用できるが、具体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどを例示することができる。
水溶性高分子分散剤の効果は、生成した無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子同士の凝集を抑制するものであり、その具体的な添加量については各種反応条件や無機粒子種により異なるため、一概に言えるものではない。
【0020】
本発明で用いられる無機粒子は具体的には、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛などの金属酸化物類、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩類、硫酸バリウム等の金属硫酸塩類、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどの天然無機化合物からなり、これら1種または2種以上を混合して使用しても良い。
【0021】
無機粒子は一般的な製造方法で得られるものでよく、その平均粒子径は0.01〜3μmが好適である。平均粒子径が3μmを超えるとポリオルガノシルセスキオキサン粒子に複数個の無機粒子を内包させることが困難となる。
また無機粒子の粒度分布も重要であり、比較的シャープな粒度分布を有する無機粒子が好適に用いられる。
さらにまた、無機粒子の形状は、球状、針状、微粒子凝集体状等特に限定されるものではない。
上記無機粒子はイオン性不純物が少ない方がより好ましい。
【0022】
無機粒子の添加量は、ポリオルガノシルセスキオキサン100重量部に対して0.1〜15重量部が好ましく、0.1重量部未満では無機粒子内包による効果が低下する。また、15重量部より多いと内包できない無機粒子が発生するようになる。
【0023】
本発明に用いる水溶性カチオン系ポリマーは、分子量が1000〜500000であることが好ましい。水溶性カチオン系ポリマーの例としては、ポリジアリルジアルキルアンモニウム塩、ポリジアミノジメチルアンモニウム塩、ポリビニルピリジン4級塩等の高分子4級アミン化合物、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン等が挙げられる。この中でもポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。
【0024】
水溶性カチオン系ポリマーは予め水に溶解し、これに無機粒子を添加して分散させる方法がよい。また無機粒子を添加した分散液はさらに超音波分散させる事が好ましい。
無機粒子分散液の反応系内への添加方法については特に限定されるものではないが、短時間で投入する方が効率的である。
【0025】
アルカリ性物質とは、一般に周期律表Ia属、IIa属の金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩または有機窒素化合物、アンモニアなどが挙げられ、アルカリ性水溶液とは前記したアルカリ性物質の水溶液であるが、反応後除去しやすいことから、特にアンモニアが好ましい。これらアルカリ性物質および/またはその水溶液は単独でも、あるいは2種類以上を混合して用いても良い。また、該アルカリ性水溶液に水溶性有機溶剤、界面活性剤などが含まれていても使用することが出来る。
【0026】
アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液の添加量は、主成分化合物の脱水縮合反応時の反応液のpHが8.0〜11の範囲となるように添加することが望ましく、pHが8.0未満では粒子同士の融着が発生し易く、pHが11を超えると脱水縮合反応が早すぎて内包されない無機粒子が発生し易い。
【0027】
アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加することで主成分化合物の加水分解物を脱水縮合させるときの反応液温度としては、10〜60℃が好ましい。
【0028】
アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液の添加方法は、反応液撹拌下で、速やかに添加することが望ましい。また、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加する際の反応液の撹拌は特に限定されないが、強い撹拌とすると粒子同士の融着、あるいは不定形粒子が生成する場合があるので、通常、液が混合されている程度の、穏やかな撹拌であることが好ましい。
【0029】
アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加した後は、撹拌を止めて静置下で1時間以上熟成させる。熟成時間が1時間未満では粒子同士の融着が発生し易くなる。
【0030】
熟成後に再撹拌をした反応液に、さらにオルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解液を添加することで、球状粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンの突起が化学的に結合した金平糖状粒子とさせることもできる。
この効果も水溶性カチオン系ポリマーによるものであり、水溶性カチオン系ポリマーを用いない反応系では金平糖状粒子は生成されない。
オルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解液の添加量は、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子調製時に使用したオルガノトリアルコキシシラン100重量部に対して5〜25重量部が好ましい。5重量部未満では突起の形成が弱く、25重量部より多いと粒子同士の融着が発生し易くなる。
オルガノトリアルコキシシラン加水分解液に使用する水の添加量としては、オルガノトリアルコキシシラン100重量部に対して50〜200重量部である。50重量部未満では加水分解反応の進行が遅くなるため効率が悪くなり、200重量部より多いと反応系内の粒子濃度が低下するために効率が悪くなる。
【0031】
本発明を実施するにあたり、主成分化合物である前述したオルガノトリアルコキシシランに、副成分化合物としてジオルガノジアルコキシシラン、トリオルガノモノアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、オルガノハロシランから選択される少なくとも1種類を副成分化合物として添加してもよい。
【0032】
ジオルガノジアルコキシしランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−i−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−i−ブトキシシラン、ジメチルジ−s−ブトキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−i−ブチルジメトキシシラン、ジ−s−ブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ−N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルジメトキシシラン、ジ−γ−グリシドキシプロピルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどが例示される。
【0033】
トリオルガノモノアルコキシシランとしては、トリメチルモノメトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン、トリメチルモノ−n−プロポキシシラン、トリメチルモノ−i−プロポキシシラン、トリメチルモノ−n−ブトキシシラン、トリメチルモノ−i−ブトキシシラン、トリメチルモノ−s−ブトキシシラン、トリメチルモノ−t−ブトキシシラン、トリエチルモノメトキシシラン、トリ−n−プロピルモノメトキシシラン、トリ−i−プロピルモノメトキシシラン、トリ−n−ブチルモノメトキシシラン、トリ−i−ブチルモノメトキシシラン、トリ−s−ブチルモノメトキシシラン、トリ−t−ブチルモノメトキシシラン、トリ−N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルモノメトキシシラン、トリ−γ−グリシドキシプロピルモノメトキシシラン、トリビニルモノメトキシシラン、トリフェニルモノメトキシシランなどが例示される。
【0034】
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−s−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどが例示される。
【0035】
オルガノハロシランとしては、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、トリメチルモノクロルシラン、エチルトリクロルシラン、ジエチルジクロルシラン、トリエチルモノクロルシランなどが例示される。
【0036】
このようにして合成した粒子は、その後、ろ過分離・水洗浄あるいは有機溶剤洗浄をした後、乾燥し、場合によっては解砕して微粒子を得る。
得られた粒子は、無機粒子を内包したポリオルガノシルセスキオキサン粒子である。
【0037】
また本発明では、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子を化粧料に配合するものであり、この場合に、必要に応じ、シリコーン処理、フッ素処理、脂肪酸、金属石鹸、脂肪酸エステル、アミノ酸系誘導体、レシチン等により表面被覆処理を行った後配合しても良く、更にはこれらの複合処理を行なった後、配合してもよい。
【0038】
より詳しくは、シリコーン処理としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の各種のシリコーンオイルによる処理や、メチルトリアルキルシラン、エチルトリアルキルシラン、ヘキシルトリアルキルシラン、オクチルトリアルキルシラン等の各種のアルキルシランによる処理が例示され、フッ素処理としては、パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩や、トリフルオロメチルエチルトリアルキルシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリアルキルシラン、トリデカフルオロオクチルトリアルキルシラン等の各種フルオロアルキルシランによる処理が例示され、脂肪酸処理としては、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の各種脂肪酸による処理が例示され、金属石鹸処理としては、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸アルミニウム、ミリスチン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸アルミニウム、ベヘン酸カルシウム等の金属石鹸処理が例示され、脂肪酸エステル処理としては、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル処理が例示され、アミノ酸誘導体処理としては、ラウロイルリシン、ステアロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、ラウロイルグルタミン酸等のアミノ酸誘導体処理が例示され、また、レシチンによる処理等が例示される。
【0039】
本発明の化粧料には、必要に応じて通常化粧料に配合される成分を適宜配合することができる。例えば、ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形・半固形油分、スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコーン油、オリーブ油、アボガド油、ミンク油等の流動油分、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤、水溶性および油溶性ポリマー、界面活性剤、多価アルコール、糖類、シリコーン、金属石鹸、レシチン、アミノ酸、コラーゲン、ポリマー、無機顔料、有機顔料等の各種表面処理粉体、タール色素、天然色素等の各種色素、エタノール、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、PH調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、水等を本発明の効果を損なわない範囲内で配合可能である。
【0040】
また本発明の化粧料は、その剤形や製品形態が特に限定されるものではなく、油中水型、水中油型、水分散型、プレス状、固形等、パウダーなどの剤形とすることができ、また製品形態としては、洗顔フォーム・クリーム、クレンジング、マッサージクリーム、パック、化粧水、乳液、クリーム、美容液、化粧下地、日焼け止め等の皮膚用化粧料、ファンデーション、水白粉、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、コンシーラー、口紅、リップクリーム等の仕上げ用化粧料、ヘアミスト、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアトニック、ヘアクリーム、ポマード、チック等の液体整髪料、シャンプー、リンス、トリートメント、セットローション、ヘアスプレー、染毛料等の頭髪用化粧料、パウダースプレー、ロールオン等の制汗剤などを例示することができる。この中でも、ファンデーション、フェースパウダーなど固形状製品等が本発明の効果が発揮されやすい化粧料である。
【0041】
以下に、本発明の具体的な実施例について比較例と共に記載するが、本発明はこれらの記載に限定されないことはいうまでもない。
【0042】
<実施例1>
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に電気伝導度が0.5μS/cmの水320重量部を仕込み、反応温度を35℃とした後にメチルトリメトキシシラン70重量部を3分間で添加して1時間撹拌し、メチルトリメトキシシラン加水分解液を得た。このメチルトリメトキシシラン加水分解物に5重量%の塩化アンモニウム5重量部と5重量%のポリビニルアルコール8重量部を添加して、メチルトリメトキシシラン加水分解液との混合液を得た。
これとは別に0.2重量%のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量:200,000〜350,000)水溶液20重量部に平均粒子径0.3μmである酸化チタン粒子(石原産業製CR−50)を2重量部投入し、超音波を1分間照射して酸化チタン分散液を得た。
先に調製したメチルトリメトキシシラン加水分解液との混合液の液温を35℃として、酸化チタン分散液を添加した後に、1重量%のアンモニア水4重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で3時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量は36.1gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化チタンの配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタンは5.8重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図1に示す写真図のように平均粒子径が4μmの球状粒子であり、酸化チタン単独粒子や酸化チタン粒子凝集物は殆ど確認できなかった。得られた粉末の断面を電子顕微鏡観察したところ、図2に示す写真図のように、酸化チタン微粒子(写真図において球状粒子内にある白色粒状のもの)を複数個内包したポリメチルシルセスキオキサン粒子であった。
【0043】
<実施例2>
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に電気伝導度が0.5μS/cmの水330重量部を仕込み、反応温度を30℃とした後にメチルトリメトキシシランを70重量部添加して、メチルトリメトキシシラン加水分解液を得た。これとは別に0.5重量%のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量:200,000〜350,000)水溶液15重量部に平均粒子径0.3μmである酸化アルミニウム粒子(住友化学工業製AA−03)を1重量部投入し、超音波を1分間照射して酸化アルミニウム分散液を得た。
次に、メチルトリメトキシシラン加水分解液の液温を30℃として、酸化アルミニウム分散液を添加した後に、1重量%のアンモニア水3.5重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で3時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量は35.1gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化アルミニウムの配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタンは2.9重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図3に示す写真図のように平均粒子径が5μmの球状粒子であり、酸化アルミニウム単独粒子や酸化アルミニウム粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0044】
<実施例3>
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に電気伝導度が0.5μS/cmの水300重量部を仕込み、反応温度を30℃とした後にメチルトリメトキシシラン70重量部を3分間で添加して1時間撹拌し、メチルトリメトキシシラン加水分解物を得た。このメチルトリメトキシシラン加水分解物に5重量%のポリビニルアルコール5重量部を添加して、メチルトリメトキシシラン加水分解液との混合液を得た。これとは別に0.5重量%のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量:200,000〜350,000)水溶液10重量部に平均粒子径0.5μmである酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子(日興リカ製Y−N−2)を1重量部投入し、超音波を1分間照射して酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子分散液を得た。
先に調製したメチルトリメトキシシラン加水分解液との混合液の液温を30℃として、先に調製した酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子分散液を添加した後に、1重量%のアンモニア水4重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で3時間熟成した後、ろ過、乾燥して淡黄色粉末を得た。得られた淡黄色粉末の重量は36.2gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子の配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子は2.9重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図4に示す写真図のように平均粒子径が4μmの球状粒子であり、酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子の単独粒子や酸化チタン酸化鉄焼結顔料粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0045】
<実施例4〜10>
図9の表図記載の条件以外は実施例1と同じ条件として、無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子を得た。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図9の表図記載の平均粒子径を有する球状粒子であり、別途電子顕微鏡観察したところ、無機粒子の単独粒子や無機粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0046】
<実施例11:金平糖状粒子の合成1>
5重量%の塩化アンモニウム8重量部とした以外は、実施例1と同反応条件で反応させて、静置下で3時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量は36.0gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化チタンの配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタンは5.8重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図5に示す写真図のように平均粒子径が5μmの球状粒子表面にポリメチルシルセスキオキサンの突起を有する金平糖状粒子であり、酸化チタン単独粒子や酸化チタン粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0047】
<実施例12:金平糖状粒子の合成2>
酸化チタンの添加量を5重量部とした以外は実施例1と同条件で無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子を合成して、3時間熟成した後、撹拌を再開して無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子分散液を得た。
別にメチルトリメトキシシラン10重量部を水10重量部に添加、1時間撹拌してメチルトリメトキシシラン加水分解液を調製して、これを無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子分散液に速やかに添加して30秒後に撹拌を停止した。
静置下で2時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量は40.9gであった。
メチルトリメトキシシランと酸化チタンの配合比率から、ポリメチルシルセスキオキサン100重量部に対し酸化チタンは13重量部である。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図6に示す写真図のように平均粒子径が3μmの金平糖状粒子であり、酸化チタン単独粒子や酸化チタン粒子凝集物は殆ど確認できなかった。
【0048】
<比較例1>
水溶性カチオン系ポリマーを添加しない以外は、実施例1と同条件で反応を実施した。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図7に示す写真図のように平均粒子径が4μm程度のポリメチルシルセスキオキサン粒子と酸化チタン粒子(写真図上、球状粒子の周りに点在するゴミのような微粒子)の混合物であり、酸化チタンを内包したポリメチルシルセスキオキサン粒子とは言い難いものであった。
【0049】
<比較例2>
水溶性カチオン系ポリマーの替わりにカチオン性界面活性剤であるラウリルトリメチルアンモニウムクロライドを添加した以外は、実施例1と同条件で反応を実施した。
得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、図8に示す写真図のように平均粒子径が2μm程度のポリメチルシルセスキオキサン粒子と酸化チタン微粒子(写真図上、球状粒子の周りに点在するゴミのような微粒子)の混合物であり、また粒子同士の融着も観測され、酸化チタンを内包したポリメチルシルセスキオキサン粒子とは言い難いものであった。
【0050】
<化粧料として2ウェイケーキファンデーションの処方>
[処方例1、2、3、比較処方例1、2:2ウェイケーキファンデーション]
前記実験例1、2、12、比較例1及び無機粒子を内包しない一般的なポリメチルシルセスキオキサン粒子を用いて図10の表図に示す組成の2ウェイケーキファンデーションをそれぞれ処方した。
これらを処方例1、2、3、比較処方例1、2とする。
これら2ウエイケーキファンデーションを下記の製法によりそれぞれ製造し、該製造された各ファンデーションの化粧仕上がり感、使用性、持続性について図11の表図に示す評価方法により評価し、その結果を図12の表図に示す。
【0051】
[2ウエイケーキファンデーションの製法]
図10の表図に示される粉体成分(1)〜(12)を混合粉砕して、これをヘンシェルミキサーに移す。別の容器に油相成分(13)〜(17)を混合する。ヘンシェルミキサーを撹拌しながら油相成分を加えて均一になるよう撹拌混合し、その後アトマイザーにて粉砕した。これをアルミ皿にプレス成型して2ウェイケーキファンデーションの製品を得た。
【0052】
[2ウェイケーキファンデーションの化粧仕上がりの評価方法]
これら得られた各2ウェイケーキファンデーションを女性パネラー(5人)が通常の使用方法にて用い、化粧仕上がりを専門評価者により、
5:非常に自然な仕上がり
4:自然な仕上がり
3:普通
2:やや仕上がり感が悪い
1:仕上がり感が悪い
の5段階で評価をしてもらい、その平均点を評価結果として図11の表図に示す判定符号を付した。
【0053】
[2ウェイケーキファンデーションの使用性の評価方法]
前記得られた2ウェイケーキファンデーションを女性パネラー(5名)により、平滑感、きしみ、ざらつきなどの使用性を同様にして5段階で評価してもらい、その平均点を評価点とし、図11に示す判定符号を図12の表図に示した。
【0054】
[2ウェイケーキファンデーションの持続性の評価方法]
前記得られた2ウェイケーキファンデーションを女性パネラー(5名)により、化粧持続性をファンデーション塗布後3時間後に同様にして5段階で評価してもらい、その平均点を評価結果とし、図11に示す判定符号を図12の表図に示した。
【0055】
[2ウェイケーキファンデーションの評価結果]
図12に示す表図から明らかなように、本発明を実施して得られた無機粒子内包型ポリメチルシルセスキオキサン粒子を用いて製造した2ウェイケーキファンデーション(処方例1、2、3)は、塗布時の仕上がり感、使用性、持続性ともに優れたファンデーションであった。更に処方例1、2、3のファンデーションは、仕上がり感が自然なだけ出なく、立体感を感じさせ、陰影をハッキリさせ、小顔になるとのコメントも寄せられた。
これに対し、比較例1で得られた粉体および一般的なポリメチルシルセスキオキサン粒子を用いて製造した2ウェイケーキファンデーション(比較処方例1、2)のものは、仕上がり感、使用性、持続性共に処方例1、2、3のファンデーションより劣っていた。
以上の結果、本発明の方法で得た粒子を用いて製造した2ウェイケーキファンデーションは、仕上がり感、使用性、持続性ともに優れた2ウェイケーキファンデーションであることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明による無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子は、主に化粧料への処方により、光拡散によるソフトフォーカス効果や滑り性の寄与、触感向上等に効果的である。また各種プラスティック、各種ゴム等の添加材として、滑り性、耐摩耗性、ブロッキング防止性、撥水性、光拡散性等付与剤としても利用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を主成分化合物とし、該主成分化合物の水分散液と、分散された無機粒子と、水溶性カチオン系ポリマーと、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液とを、前記主成分化合物が脱水縮合反応する前までに反応系内に添加して前記主成分化合物の脱水縮合反応を行うことで、ポリオルガノシルセスキオキサン粒子に該無機粒子を内包させることを特徴とする無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項2】
前記主成分化合物の水分散液を加水分解させた反応液に、塩および/または水溶性高分子分散剤を添加した後に、水溶性カチオン系ポリマー水溶液に無機粒子を分散させた無機粒子分散液を添加し、更にアルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加して、主成分化合物の脱水縮合を行うことを特徴とする請求項1記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2で得られた無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子生成後の反応液分散液に、さらにオルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解液を添加することで、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン球状粒子表面全面にポリオルガノシルセスキオキサンの小さな突起が化学的に結合した形状を有することを特徴とする無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項4】
無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子1個に含有される無機粒子数が複数個であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項5】
無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子に含有される無機粒子は、ポリオルガノシルセスキオキサン100重量部に対して0.1〜15重量部であり、且つ無機粒子の平均粒子径が0.01μm〜3μmであることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子製造方法。
【請求項6】
水溶性カチオン系ポリマーの分子量が1000〜500000であることを特徴とする請求項1請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子を配合した化粧料。
【請求項1】
オルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解物を主成分化合物とし、該主成分化合物の水分散液と、分散された無機粒子と、水溶性カチオン系ポリマーと、アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液とを、前記主成分化合物が脱水縮合反応する前までに反応系内に添加して前記主成分化合物の脱水縮合反応を行うことで、ポリオルガノシルセスキオキサン粒子に該無機粒子を内包させることを特徴とする無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項2】
前記主成分化合物の水分散液を加水分解させた反応液に、塩および/または水溶性高分子分散剤を添加した後に、水溶性カチオン系ポリマー水溶液に無機粒子を分散させた無機粒子分散液を添加し、更にアルカリ性物質またはアルカリ性水溶液を添加して、主成分化合物の脱水縮合を行うことを特徴とする請求項1記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2で得られた無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子生成後の反応液分散液に、さらにオルガノトリアルコキシシランおよび/またはオルガノトリアルコキシシラン加水分解液を添加することで、無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン球状粒子表面全面にポリオルガノシルセスキオキサンの小さな突起が化学的に結合した形状を有することを特徴とする無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項4】
無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子1個に含有される無機粒子数が複数個であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項5】
無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子に含有される無機粒子は、ポリオルガノシルセスキオキサン100重量部に対して0.1〜15重量部であり、且つ無機粒子の平均粒子径が0.01μm〜3μmであることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子製造方法。
【請求項6】
水溶性カチオン系ポリマーの分子量が1000〜500000であることを特徴とする請求項1請求項2または請求項3記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載の無機粒子内包型ポリオルガノシルセスキオキサン粒子を配合した化粧料。
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−197380(P2012−197380A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63033(P2011−63033)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(591180130)日興リカ株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(591180130)日興リカ株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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