説明

無機系発泡促進助剤及びその製造方法並びにポリマー組成物

【課題】少量の亜鉛量で発泡剤の分解を促進することができ、発泡セルの大きさが微細均一で、かつ高い発泡倍率で発泡させることができる無機系発泡促進助剤及びその製造方法並びにそれを用いたポリマー組成物を得る。
【解決手段】熱分解型発泡剤の分解を促進する無機系発泡促進助剤であって、珪酸塩粒子、好ましくは無水珪酸アルミニウム塩鉱物粒子の表面に、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持させたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱分解発泡剤の分解を促進する無機系発泡促進助剤及びその製造方法並びにそれを用いたポリマー組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラスチックやゴムの発泡成形においては、熱分解型発泡剤を配合し、これを発泡させることにより発泡体を成形する方法が知られている。このような熱分解型発泡剤に、酸化亜鉛を共存させることにより、熱分解型発泡剤の分解温度を下げることができ、発泡剤の分解を促進できることが知られている。
【0003】
上記のような熱分解型発泡剤の発泡促進助剤としては、各種の亜鉛化合物が検討されている(例えば、特許文献1及び2)。
【0004】
金属酸化物としては、活性亜鉛華等が発泡促進助剤として知られている。しかしながら、活性亜鉛華は、極めて微細な酸化亜鉛粒子からなるため、凝集して比較的大きな二次粒子を構成しており、樹脂やゴムへの分散が不十分となりやすく、発泡促進の効果が不均一になりやすい。
【0005】
また、炭酸カルシウムの表面を酸化亜鉛で被覆した複合粒子が知られている(特許文献3)。しかしながら、このような複合粒子は、活性亜鉛華に比べ、必ずしも優れた発泡促進助剤といえるものではなかった。
【特許文献1】特開昭53−145876号公報
【特許文献2】特開昭58−201825号公報
【特許文献3】特開昭60−264324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、少量の亜鉛量で発泡剤の分解を促進することができ、発泡セルの大きさを微細均一に、かつ高い発泡倍率で発泡させることができる無機系発泡促進助剤及びその製造方法並びにそれを用いたポリマー組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の無機系発泡促進助剤は、熱分解型発泡剤の分解を促進する無機系発泡促進助剤であって、珪酸塩粒子の表面に、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持させたことを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、少量の亜鉛量で発泡剤の分解を促進することができ、発泡セルの大きさを微細均一に、かつ高い発泡倍率で発泡させることができる。
【0009】
本発明においては、珪酸塩粒子の表面に、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持させている。珪酸塩粒子の表面は、酸化亜鉛微粒子及び塩基性炭酸亜鉛微粒子に対し親和性を有しており、このため均一に酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持させることができる。従って、本発明の無機系発泡促進助剤においては、表面に微細な酸化亜鉛微粒子または微細な塩基性炭酸亜鉛微粒子が担持されており、これらの微粒子の表面活性により、熱分解発泡剤の分解を効果的に促進することができる。
【0010】
または、本発明の無機系発泡促進助剤は、プラスチックやゴムなどのポリマー中への分散性に優れている。このため、ポリマー中で発泡促進の効果を均一に発揮させることができ、少量の亜鉛量で、発泡剤の分解を均一に促進することができる。このため、発泡セルの大きさを微細均一に、かつ高い発泡倍率でポリマー材料を発泡させることができる。
【0011】
本発明において、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子の担持量は、金属亜鉛換算で6〜75重量%の範囲であることが好ましい。ここで、金属亜鉛換算の担持量とは、担持している酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を金属亜鉛に換算したZn換算重量を算出し、この値を用いて、以下の式から算出することができる。
【0012】
金属亜鉛換算の担持量(重量%)=(Zn換算重量)/(無機系発泡促進助剤の重量) 担持量が上記の範囲よりも少ないと、発泡セルの大きさを微細均一に、かつ高い発泡倍率で発泡させることができない場合がある。また、担持量が上記の範囲よりも多過ぎても、それに伴う効果が得られず、経済的に不利になる場合がある。
【0013】
酸化亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子のBET比表面積は、10〜55m/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましく15〜50m/gの範囲であり、さらに好ましくは20〜45m/gの範囲である。
【0014】
塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子のBET比表面積は、25〜90m/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは30〜85m/gであり、さらに好ましくは35〜80m/gの範囲である。
【0015】
塩基性炭酸亜鉛微粒子の方が、酸化亜鉛微粒子よりも微細であり、BET比表面積の高い微粒子とすることができる。このため、上記のように、塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持した場合、酸化亜鉛微粒子を担持した場合に比べ、BET比表面積が高くなっている。
【0016】
BET比表面積が低くなりすぎると、ポリマー材料中において、発泡剤との接触が十分に形成されず、発泡が不均一となり、発泡倍率が低下する場合がある。
【0017】
また、BET比表面積が高くなりすぎると、担持されないフリーの酸化亜鉛または塩基性炭酸亜鉛が混在し、これが凝集粒子となり、均一な発泡体を形成することができない場合がある。また、相対的に酸化亜鉛または塩基性炭酸亜鉛の担持量が多くなるため、経済的なメリットが得られにくくなる場合がある。
【0018】
本発明における珪酸塩粒子としては、珪酸アルミニウム塩鉱物粒子が好ましく用いられる。また、珪酸アルミニウム塩鉱物粒子以外の珪酸塩粒子としては、タルク、マイカ、長石、ベントナイト、塩基性炭酸マグネシウム、シリカ、珪酸カルシウムなどが挙げられる。
【0019】
本発明における珪酸アルミニウム塩鉱物粒子としては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、及びセリサイトから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本発明において、珪酸アルミニウム塩鉱物粒子は、好ましくは無水珪酸アルミニウム塩鉱物粒子である。無水珪酸アルミニウム塩鉱物粒子としては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、及びセリサイトから選ばれる少なくとも1種を焼成したものが挙げられる。例えば、粒径2μm以下の含有率が80%以上である微細粒子からなるこれらの粘土鉱物を、500〜900℃の温度で焼成したものが挙げられる。
【0020】
本発明の無機系発泡促進助剤において、珪酸アルミニウム塩鉱物粒子中のAlに対する、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子中のZnの割合(Zn/Al)は、モル比で、0.2〜40.0の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.4〜20.0の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜10.0の範囲である。上記モル比が小さくなりすぎると、表面に担持させる酸化亜鉛または塩基性炭酸亜鉛の量が少なくなり、発泡セルの大きさが微細均一にかつ高い発泡倍率が得られない場合がある。また、上記モル比が大きくなりすぎると、珪酸アルミニウム塩鉱物粒子に担持されない微細な酸化亜鉛または塩基性炭酸亜鉛粒子の量が増加し、製造工程における作業性が劣るとともに、担持されない酸化亜鉛または塩基性炭酸亜鉛が凝集体となるため、均一な発泡が得られない場合がある。
【0021】
本発明の製造方法は、上記本発明の無機系発泡促進助剤を製造することができる方法であり、亜鉛塩の酸性水溶液を準備する工程と、珪酸塩粒子の存在下に、亜鉛塩の酸性水溶液とアルカリ性水溶液とを混合して酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を析出させ、珪酸塩粒子の表面に酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持させる工程とを備えることを特徴としている。
【0022】
上記本発明の製造方法により、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子を製造することができる。さらに、酸化亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子を、アンモニウム塩水溶液で処理し、担持された酸化亜鉛微粒子を塩基性炭酸亜鉛微粒子に変換することにより、塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子を製造することができる。
【0023】
本発明においては、珪酸塩粒子の存在下に、亜鉛塩の酸性水溶液とアルカリ性水溶液とを混合して、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛を析出させ、珪酸塩粒子の表面に、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛を担持させる。
【0024】
珪酸塩粒子の存在下に、亜鉛塩の酸性水溶液とアルカリ性水溶液を混合して、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を析出させる方法としては、具体的には以下のような方法が挙げられる。
【0025】
(1)亜鉛塩の酸性水溶液中に珪酸塩粒子を分散させておき、この分散液に、アルカリ性水溶液を添加する。
【0026】
(2)アルカリ性水溶液に珪酸塩粒子を分散させておき、この分散液に、亜鉛塩の酸性水溶液を添加する。
【0027】
(3)水中に珪酸塩粒子を分散させておき、この分散液に、亜鉛塩の酸性水溶液とアルカリ性水溶液とを同時に添加する。
【0028】
上記の(1)〜(3)の方法の内、特に好ましくは(1)の方法が採用される。
【0029】
亜鉛塩の酸性水溶液は、例えば、酸性水溶液中に、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛などを添加して調製することができる。酸化亜鉛としては、各種工業原料として用いられている亜鉛華を用いてもよい。酸性水溶液としては、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸などの水溶液が挙げられる。また、塩化亜鉛などの水溶性亜鉛化合物を酸性水溶液中に添加して調製してもよい。
【0030】
アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどの水溶液が挙げられる。一般に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどをアルカリ性水溶液として用いた場合には、酸化亜鉛微粒子を析出させて担持させることができる。また、酸性水溶液として炭酸を用いた場合や、アルカリ性水溶液として炭酸ナトリウムなどを用いた場合には、塩基性炭酸亜鉛を析出させて担持させることができる。
【0031】
また、塩基性炭酸亜鉛を担持した珪酸塩粒子は、上述のように、酸化亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子をアンモニウム塩水溶液で処理する方法または、酸化亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子の水懸濁液に炭酸ガスを導入して炭酸化を行うなどの方法で処理することにより、担持された酸化亜鉛微粒子を塩基性炭酸亜鉛微粒子に変換することにより製造することができる。これら処理方法は単独で行ってもよいし、両方法を併用してもよい。
【0032】
アンモニウム塩水溶液としては、水酸化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの水溶液が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
上述のように、アンモニウム塩水溶液で処理し、酸化亜鉛微粒子を塩基性炭酸亜鉛微粒子に変換することにより、より微細な粒子として担持することができる。
【0034】
酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を珪酸アルミニウム塩鉱物粒子の表面に析出させて担持させた後、一般には十分に水洗を行い、脱水・乾燥した後、粉砕する。
【0035】
本発明のポリマー組成物は、熱分解型発泡剤と、上記本発明の無機系発泡促進助剤とを含有することを特徴としている。
【0036】
本発明における熱分解型発泡剤としては、有機系熱分解発泡剤、及び無機系熱分解発泡剤が挙げられる。
【0037】
有機系熱分解型発泡剤としては、熱分解により発泡する有機系の発泡剤であれば制限なく用いることができる。代表的な有機系熱分解型発泡剤としては、ADCA(アゾジカルボンアミド)、DPT(ジニトロソペンタメチレンテトラミン)、OBSH(p,p´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド)、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)などが挙げられる。
【0038】
無機系熱分解型発泡剤としては、熱分解により発泡する無機系の発泡剤であれば制限なく用いることができ、例えば、重炭酸塩、炭酸塩、亜硝酸塩などが挙げられる。また、熱分解型発泡剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、有機系熱分解型発泡剤と無機系熱分解型発泡剤とを併用してもよい。
【0039】
本発明のポリマー組成物において、無機系発泡促進助剤の含有量は、ポリマー100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜15重量部の範囲であり、さらに好ましくは1〜10重量部の範囲である。無機系発泡促進助剤の含有量が少なすぎると、発泡セルの大きさが微細均一でかつ発泡倍率の高い発泡体を形成することができない場合がある。また、無機系発泡促進助剤の含有量が多すぎても、それに伴う効果が得られず、経済的に不利なものとなる場合がある。
【0040】
熱分解型発泡剤と無機系発泡促進助剤の含有割合は、特に限定されるものではないが、好ましくは、重量比(熱分解型発泡剤:無機系発泡促進助剤)で、1:0.05〜3.0の範囲が好ましく、さらに好ましくは1:0.1〜2.6の範囲である。無機系発泡促進助剤の含有割合が少なすぎると、発泡セルの大きさが微細均一でかつ高い発泡倍率で発泡させることができない場合がある。また、無機系発泡促進助剤の含有割合が多すぎると、それに伴う効果が得られず、経済的に不利な場合がある。
【0041】
本発明のポリマー組成物は、上記本発明の無機系発泡促進助剤を含有するものであるので、発泡セルの大きさが微細均一で、かつ高い発泡倍率で発泡させることができ、用途としては、軽量性、緩衝性、断熱性等の特性を有する機能性多孔質材料として各種プラスチック樹脂を原料とした発泡プラスチックや天然ゴムおよび合成ゴムを原料としたゴムスポンジ等、各種原料に適した製造方法、気泡構造、機能などにより様々な発泡成形体分野で用いることができる。代表例として、発泡プラスチックには、自動車用内装材、衝撃吸収材、緩衝剤、鮮度保持材、保温梱包材、マット材、包装材、クッション材、浮揚材、表皮用材、パレット、建築用型枠などが挙げられる。スポンジゴムには、自動車用ウェザーストリップ類及びホース保護管、各種クッション、発泡シート、ミッドソール及びアウトソールなどシューズ材、建築用シール材、各種パッキン、各種ガスケット、OAロール、化粧品のパフ、断熱材、防振材、異形材、詰め物、ウエットスーツなどが挙げられる。
【0042】
ポリマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられ、天然ゴムとは、天然植物から得られるゴム上高分子物質であり、化学構造的に、シス−1,4−ポリイソプレン構造を有するものであれば、形状、色調などは特に限定されない。合成ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴムなどを例示することができる。合成樹脂としては、熱可塑性樹脂ならびに熱硬化性樹脂の双方を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA),エチレン−プロピレン共重合体、プロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレンゴム、ポリブテン、ブチルゴム、HIPS、PS、ABS、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、MMA−スチレン共重合体、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12、ポリアミド46等のポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、PBT、PET等のポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケテン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、フッ素樹脂、ポリウレタン、アイオノマー、塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、ポリジシクロペンタジエン、メチルペン樹脂、ポリアクリロニトリル繊維素樹脂等などを例示することができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、アリルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂及びこれらのハロゲン化物等のエポキシ樹脂、ポリウレタン(注型品用)、フラン樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、尿素樹脂、アリル樹脂(DAP)、ポリイミド、ケイ素樹脂(含常温硬化)、などを例示することができる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可塑性エラストマー、塩素系熱可塑性エラストマー、エンジニアリングプラスチックス系エラストマーなどを例示することができる。
【0043】
本発明に記載のポリマー組成物は架橋しても、しなくても良い。架橋する場合には、硫黄、有機過酸化物、金属酸化物、フェノール樹脂、加硫促進助剤としての酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、多官能性アクリルモノマーなどの一般的な共架橋剤など公知のものが使用できる。本発明に記載のポリマー組成物には、必要に応じて補強剤、充てん剤、プロセスオイル、可塑剤、着色剤、シュリンク防止剤などを使用できる。補強剤としてはカーボンブラック、乾式シリカ、湿式シリカ、微粒子ベーマイトなどが例示できる。充てん剤としては、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、コロイド炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、マイカ、セリサイト、長石、珪酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、天然シリカ、ベントナイト、有機ベントナイトなどが例示できる。これらは脂肪酸、樹脂酸、アクリル酸などの有機酸、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤などで表面処理されていても良い。
【0044】
本発明の複合熱分解型発泡剤は、熱分解型発泡剤と、上記本発明の無機系発泡促進助剤とを混合したことを特徴としている。
【0045】
本発明の複合熱分解型発泡剤は、予め熱分解型発泡剤と無機系発泡促進助剤とが混合されているので、ポリマーなどへの添加をより容易に行うことができる。また、熱分解型発泡剤に対し、最適な割合で予め無機系発泡促進助剤を混合させておくことができるので、発泡セルの大きさを微細均一に、かつ高い発泡倍率で発泡させることができるという本発明の効果をより効果的に得ることができる。
【0046】
複合熱分解型発泡剤における熱分解型発泡剤と無機系発泡促進助剤の混合割合は、上記本発明のポリマー組成物に含有させる割合において説明した重量比(熱分解型発泡剤:無機系発泡促進助剤)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0047】
本発明の無機系発泡促進助剤を用いることにより、少量の亜鉛量で、発泡剤の分解を促進することができ、発泡セルの大きさを微細均一に、かつ高い発泡倍率で発泡させることができる。
【0048】
本発明の製造方法によれば、上記本発明の無機系発泡促進助剤を効率良く製造することができる。
【0049】
本発明のポリマー組成物は、上記本発明の無機系発泡促進助剤を含有しているので、発泡セルの大きさを微細均一に、かつ高い発泡倍率で発泡させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0051】
(実施例1)
高速攪拌機付きポリ容器に、36重量%の塩酸2025.6gを入れ、イオン交換水2.0kgを加えた後、酸化亜鉛(ゴム用酸化亜鉛:亜鉛華2種)813.9gを加えて溶解した。さらに、イオン交換水15.0kgを加えた後、予め調製しておいた45.0重量%の焼成カオリンのスラリー740gを添加して、20分間攪拌し分散させた。次に、攪拌下に、16.0重量%の水酸化ナトリウム水溶液5.0kgを60分間かけて添加し、添加終了後60分間攪拌した。その後、希釈、静置、上水カットの水洗工程を繰り返して、十分に水洗を行い、酸化亜鉛微粒子を担持した焼成カオリンの懸濁液を得た。
【0052】
得られた焼成カオリンの懸濁液を、高速攪拌機付きポリ容器に入れ、高速攪拌下で10重量%の炭酸水素アンモニウム水溶液3.20kgを加えて10分間攪拌した。その後、昇温速度1℃/分で加温を開始し、70℃に保持して60分間攪拌した。
【0053】
得られた生成物を5倍量の水で希釈し、一夜静置して熟成した後、上水を切り、さらに希釈、静置、上水カットの水洗工程を繰り返して、十分に水洗した。その後、脱水を行い、得られたペーストを105℃で乾燥し、これをパルベライザーで粉砕して、塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持した焼成カオリン粉末を得た。
【0054】
(実施例2)
45.0重量%の焼成カオリンのスラリー2714.9gを添加すること、及び水酸化ナトリウム水溶液を1分間で添加すること以外は、実施例1と同様にして、酸化亜鉛微粒子を担持させた焼成カオリンの懸濁液を得た。この懸濁液を脱水し、得られたペーストを105℃で乾燥し、これをパルベライザーで粉砕して、酸化亜鉛微粒子を担持した焼成カオリンの粉末を得た。
【0055】
(実施例3)
45.0重量%の焼成カオリンのスラリー2714.9gを添加すること、及び水酸化ナトリウム水溶液を1分間で添加すること以外は、実施例1と同様にして、酸化亜鉛微粒子を担持した焼成カオリンを調製し、これを、実施例1と同様にして炭酸水素アンモニウム水溶液で処理して、塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持した焼成カオリンの粉末を得た。
【0056】
(実施例4)
45.0重量%の焼成カオリンのスラリー4936.2gを添加すること、及び水酸化ナトリウム水溶液を1分間で添加すること以外は、実施例1と同様にして、酸化亜鉛微粒子を担持させた焼成カオリンの懸濁液を得た。この懸濁液を脱水し、得られたペーストを105℃で乾燥し、これをパルベライザーで粉砕して、酸化亜鉛微粒子を担持した焼成カオリンの粉末を得た。
【0057】
(実施例5)
45.0重量%の焼成カオリンのスラリー4936.2gを添加すること、及び水酸化ナトリウム水溶液を1分間で添加すること以外は、実施例1と同様にして、酸化亜鉛を担持した焼成カオリンを調製し、これを、実施例1と同様にして炭酸水素アンモニウム水溶液で処理して、塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持した焼成カオリンの粉末を得た。
【0058】
(実施例6)
30.0重量%のタルクのスラリー1110.0gを添加すること、及び水酸化ナトリウム水溶液を40分間で添加すること以外は、実施例1と同様にして、酸化亜鉛を担持したタルクを調製し、これを、実施例1と同様にして炭酸水素アンモニウム水溶液で処理して、塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持したタルクの粉末を得た。
【0059】
(実施例7)
高速攪拌機付きポリ容器に、8.0重量%の水酸化ナトリウム水溶液10.0kgを入れ、ワラストナイト粉末333.0kgを加えて20分間攪拌し分散させ、ワラストナイトのスラリーを調製した。次いで、36.0重量%の塩酸2025.6kgに酸化亜鉛813.9kgを溶解し、イオン交換水を加えて全量6.0kgとして予め調製しておいた酸性水溶液を、攪拌下に、ワラストナイトのスラリーに対して、15分間で添加した。このこと以外は、実施例1と同様にして、酸化亜鉛を担持したワラストナイトを調製し、これを、実施例1と同様にして炭酸水素アンモニウム水溶液で処理して、塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持したワラストナイトの粉末を得た。
【0060】
(比較例1)
高速攪拌機付きポリ容器に、36重量%の塩酸2025.6gを入れ、イオン交換水2.0kgを加えた後、酸化亜鉛(ゴム用酸化亜鉛:亜鉛華2種)813.9gを加えて溶解した。さらに、イオン交換水15.0kgを加えて希釈した後、16.0重量%の水酸化ナトリウム水溶液5.0kgを1分間かけて添加し、添加終了後、60分間攪拌した。その後、希釈、静置、上水カットの水洗工程を繰り返して、十分に水洗した後、脱水を行い、得られたペーストを105℃で乾燥し、これをパルベライザーで粉砕して、酸化亜鉛の粉末を得た。
【0061】
以上のように、ここでは、焼成カオリンのスラリーを添加せずに、亜鉛塩の酸性水溶液とアルカリ水溶液とを混合して、酸化亜鉛微粒子を調製した。
【0062】
〔BET比表面積の測定〕
上記のようにして得られた本発明に従う実施例1〜7の無機系発泡促進助剤及び比較例1の酸化亜鉛について、BET比表面積を測定した。BET比表面積は、マイクロメリテック社製流動式比表面積測定装置により測定した。
【0063】
なお、比較として、以下の市販の酸化亜鉛粉末についてもBET比表面積を測定した。
【0064】
亜鉛華2種:市販のフランス法にて製造されたゴム用酸化亜鉛
複合亜鉛華:酸化亜鉛で被覆した炭酸カルシウムの市販品
活性亜鉛華:湿式法にて製造されたラテックス製品や透明ゴム用の市販酸化亜鉛微粒子
また、表1には、担持した酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子のZn換算重量、無水珪酸アルミニウム塩鉱物粒子の重量、無水珪酸アルミニウム塩鉱物粒子中のAlに対する、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子中のZnの割合(Zn/Al)のモル比、及びZn換算担持量を併せて示す。
【0065】
【表1】

【0066】
実施例1、実施例3及び実施例5は、塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持させた焼成カオリン粒子である。酸化亜鉛微粒子を担持させた実施例2及び実施例4の場合に比べ、BET比表面積が高くなっていることがわかる。
【0067】
また、本発明に従う無機系発泡促進助剤は、酸化亜鉛で被覆した炭酸カルシウムである複合亜鉛華に比べ、高いBET比表面積を有していることがわかる。
【0068】
〔分解温度及び分解ガス発生量の測定〕
測定用粉末試料としては、有機系熱分解型発泡剤ADCA(アゾジカルボンアミド)粉末1.0gに対して、実施例1〜7及び比較例1で得られた粉末並びに亜鉛華2種、複合亜鉛華、及び活性亜鉛華粉末0.83gを添加し、十分に混合して調製した混合粉末を用いた。この混合粉末約1gを焼成ボートに取り精秤し、試験管状ガラス管に挿入して分解ガス発生量測定装置の加熱部となる管状炉中心部にセットした。次に、ガラス管と発生ガス量測定部とを連結した後、昇温速度5℃/分で加熱を行い、試料部の温度変化とガラス管内の体積の変化を測定して、試料の分解温度と分解ガス発生量(ml/g.発泡剤)を求めた。測定結果を表2に示した。
【0069】
【表2】

【0070】
実施例1〜7は、比較例1並びに亜鉛華2種、複合亜鉛華、及び活性亜鉛華に比べ、分解温度が低く、分解ガス発生量が高くなっていることがわかる。
【0071】
〔EVA配合試験〕
上記の実施例1〜5及び比較例1、並びに亜鉛華2種、複合亜鉛華、及び活性亜鉛華を、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂)に配合し、EVA発泡体を作製した。
【0072】
発泡剤としては、ADCAを用いた。配合割合は、以下に示す通りであり、具体的には表3に示している。
【0073】
EVA樹脂[東ソ(株)製、ウルトラセン630] 100.0重量部
発泡剤ADCA[三協化成(株)製、セルマイク−C] 4.0重量部
発泡促進助剤 0.5〜2.0重量部
ステアリン酸{試薬1級} 1.0重量部
架橋剤[三新化学(株)製、パーヘキサ3M] 1.0重量部
充填剤[(株)トクヤマ製、炭酸マグネシウムTT] 10.0重量部
EVA樹脂をロールで混練しながら、上記の各種配合材料を添加し、添加後混練分散して配合した。得られた発泡体組成物を、金型にセットして、160℃で30分間プレス発泡を行い、発泡成形体を得た。
【0074】
得られた発泡成形体について、比重を測定し、その結果を表3に示した。
【0075】
また、得られた発泡成形体について、体積発泡倍率を以下の式により求めた。
【0076】
体積発泡倍率=〔(発泡体の体積cm)/(金型の体積=93.6cm)〕×100
また、得られた発泡成形体について、その断面を観察し、断面1cmあたりに存在する直径0.2mm以上の気泡の数を測定し、その個数を発泡体断面の均一性として評価した。
【0077】
図1は、実施例8の発泡成形体の断面を示す写真であり、図2は、比較例2の発泡成形体の断面を示す写真である。図2に示すように、比較例2の発泡成形体においては、発泡が不均一であるため、大きな気泡が認められる。これに対し、図1に示すように、実施例8の発泡成形体においては、図2に認められるような大きな気泡は存在しておらず、均一に発泡している。
【0078】
【表3】

【0079】
表3に示すように、本発明に従う実施例1〜5の発泡促進助剤を用いた実施例8〜12においては、発泡体断面の均一性がいずれも0であり、均一に発泡していることがわかる。これに対し、比較例2〜5においては、均一な発泡が得られていない。特に、比較例1の酸化亜鉛を用いた比較例2においては、比較的高い発泡倍率が得られているが、発泡が不均一であることがわかる。市販の亜鉛華2種を用いた比較例3、市販の複合亜鉛華を用いた比較例4、市販の活性亜鉛華を用いた比較例5においては、発泡倍率が低く、また発泡が不均一であることがわかる。
【0080】
〔EPDM配合試験〕
表4に示すように、実施例1、実施例4、及び実施例5の本発明に従う発泡促進助剤、並びに比較例1の酸化亜鉛、亜鉛華2種、複合亜鉛華、及び活性亜鉛華を用いて、EPDMへの配合試験を行った。
【0081】
EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)をロール混練しながら、表4に示す発泡促進助剤以外の配合材料を添加してマスターバッチを調製した。
【0082】
次に、EPDM100重量部に相当するマスターバッチに対し、ロール混練下で、表4に示す発泡促進助剤を、表4に示す配合量となるように添加して、発泡ゴム組成物シートを調製した。
【0083】
得られた発泡ゴム組成物シートを、170℃で30分間プレス加硫を行い、EPDM発泡ゴムシートを得た。
【0084】
得られたEPDM発泡ゴムシートについて、比重を測定し、その結果を表4に示した。
【0085】
また、得られたEPDM発泡ゴムシートの体積発泡倍率を、上記と同様にして求め、その結果を表4に示した。
【0086】
また、得られたEPDM発泡ゴムシートについて、圧縮歪みを測定した。圧縮歪みは、常温において、厚さ9.53mmの発泡成形体を厚さ7.62mmに圧縮して10時間保持した後開放し、開放1時間後の厚さを測定して求めた。測定結果を表4に示す。
【0087】
【表4】

【0088】
表4に示す結果から明らかなように、本発明に従う実施例1、4及び5の発泡促進助剤を配合した、実施例13〜15においては、比重が小さく、体積発泡倍率を高くなっている。また、圧縮歪みも小さいことから、均一な発泡体が得られていることがわかる。
【0089】
これに対し、比較例6〜9においては、その比重が大きく、体積発泡倍率が低いことがわかる。また、比較例10においては、比較例9よりも、活性亜鉛華の量を少なくするように配合しているが、発泡体の比重が小さくなり、体積発泡倍率が高くなっている。これは、加硫促進剤としての酸化亜鉛の量を少なくすることにより、加硫を抑制させたことによるものと思われる。しかしながら、圧縮歪みが大きな値になっており、大きな気泡が含まれた状態で不均一に発泡していることがわかる。
【0090】
これに対し、本発明に従う実施例13〜15においては、体積発泡倍率が高く、かつ圧縮歪みが小さい状態で発泡しており、発泡セルの大きさが微細均一で、かつ高い発泡倍率が発泡していることがわかる。
【0091】
また、実施例14及び15と、比較例10との比較から明らかなように、本発明に従う実施例においては、Zn換算量が少なくとも、加硫が十分になされており、本発明の無機系発泡促進助剤は、加硫促進剤としても効果的であることがわかる。
【0092】
また、上記実施例においては、熱分解型発泡剤と、本発明の無機系発泡促進助剤とを、それぞれ別にゴムに添加しているが、予め熱分解型発泡剤と本発明の無機系発泡促進助剤を混合し、複合熱分解型発泡剤としてゴムに添加した場合にも、上記各実施例と同様もしくはそれ以上の本発明の効果が得られることを確認している。
【0093】
以上のように、本発明の無機系発泡促進助剤を用いることにより、少量の亜鉛量で発泡剤の分解を促進することができ、発泡セルの大きさを微細均一で、かつ高い発泡倍率で発泡させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明に従う実施例1の無機系発泡促進助剤を用いた実施例8の発泡成形体の断面を示す写真。
【図2】比較例1の発泡促進助剤を用いた比較例2の発泡成形体の断面を示す写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱分解型発泡剤の分解を促進する無機系発泡促進助剤であって、
珪酸塩粒子の表面に、酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持させたことを特徴とする無機系発泡促進助剤。
【請求項2】
酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子の担持量が、金属亜鉛換算で6〜75重量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の無機系発泡促進助剤。
【請求項3】
酸化亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子のBET比表面積が、10〜55m/gの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の無機系発泡促進助剤。
【請求項4】
塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子のBET比表面積が、25〜90m/gの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の無機系発泡促進助剤。
【請求項5】
珪酸塩粒子が、珪酸アルミニウム塩鉱物粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の無機系発泡促進助剤。
【請求項6】
珪酸アルミニウム塩鉱物粒子が、無水珪酸アルミニウム塩鉱物粒子であることを特徴とする請求項5に記載の無機系発泡促進助剤。
【請求項7】
無水珪酸アルミニウム塩鉱物粒子が、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、及びセリサイトから選ばれる少なくとも1種を焼成したものであることを特徴とする請求項6に記載の無機系発泡促進助剤。
【請求項8】
熱分解発泡剤が、有機系熱分解発泡剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の無機系発泡促進助剤。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の無機系発泡促進助剤を製造する方法であって、
亜鉛塩の酸性水溶液を準備する工程と、
珪酸塩粒子の存在下に、前記亜鉛塩の酸性水溶液とアルカリ性水溶液とを混合して酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を析出させ、前記珪酸塩粒子の表面に酸化亜鉛微粒子または塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持させる工程とを備えることを特徴とする無機系発泡促進助剤の製造方法。
【請求項10】
酸化亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子を、アンモニウム塩水溶液で処理し、担持された酸化亜鉛微粒子を塩基性炭酸亜鉛微粒子に変換することにより、塩基性炭酸亜鉛微粒子を担持した珪酸塩粒子にする工程をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の無機系発泡促進助剤の製造方法。
【請求項11】
熱分解型発泡剤と、請求項1〜8のいずれか1項に記載の無機系発泡促進助剤とを混合したことを特徴とする複合熱分解型発泡剤。
【請求項12】
熱分解型発泡剤と、請求項1〜8のいずれか1項に記載の無機系発泡促進助剤とを含有することを特徴とするポリマー組成物。
【請求項13】
前記無機系発泡促進助剤の含有量が、ポリマー100重量部に対して、0.5〜20重量部であることを特徴とする請求項12に記載のポリマー組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−173885(P2009−173885A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321846(P2008−321846)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(593119527)白石カルシウム株式会社 (17)
【Fターム(参考)】