説明

無機繊維質ペーパー及びその製造方法

【課題】シール性に優れた無機繊維質ペーパー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】平均繊維径が3〜7μmである第一の生体溶解性無機繊維と、平均繊維径が2〜3μmであって、第一の生体溶解性無機繊維の平均繊維径より小さい第二の生体溶解性無機繊維と、バインダーとを含む無機繊維質ペーパー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機繊維質ペーパー及びその製造方法に関し、特に、生体溶解性無機繊維を含む無機繊維質ペーパーのシール性の向上に関するに関する。
【背景技術】
【0002】
無機繊維質ペーパーは、軽量で扱いやすく、且つ耐熱性に優れるため、例えば、耐熱性のシール材として使用されている。一方、近年、無機繊維が人体に吸入されて肺に侵入することによる問題が指摘されている。そこで、人体に吸入されても問題を起こさない又は起こしにくい生体溶解性無機繊維が開発されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−068777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、耐熱性と生体溶解性に優れる無機繊維から無機繊維質ペーパーを製造したとき、無機繊維質ペーパーのシール性が不十分となる(例えば、気体の透過性が大きくなりすぎる)ことがあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、シール性に優れた無機繊維質ペーパー及びその製造方法を提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る無機繊維質ペーパーは、平均繊維径が3〜7μmである第一の生体溶解性無機繊維と、平均繊維径が2〜3μmである第二の生体溶解性無機繊維と、バインダーと、を含む。第二の生体溶解性無機繊維の平均繊維径は、第一の生体溶解性無機繊維の平均繊維径より小さい。本発明によれば、シール性に優れた無機繊維質ペーパーを提供することができる。
【0007】
また、前記無機繊維質ペーパーは、前記第一の生体溶解性無機繊維を30〜90質量%、及び前記第二の生体溶解性無機繊維を10〜70質量%含むこととしてもよい。また、前記第一の生体溶解性無機繊維のSiO含有量は、50〜82質量%であることとしてもよい。また、前記第一の生体溶解性無機繊維は、予め加熱処理が施された生体溶解性無機繊維であることとしてもよい。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る無機繊維質ペーパーの製造方法は、平均繊維径が3〜7μmである第一の生体溶解性無機繊維と、平均繊維径が2〜3μmであって、前記第一の生体溶解性無機繊維の平均繊維径より小さい第二の生体溶解性無機繊維と、バインダーと、を含む原料を抄造する工程を含む。本発明によれば、シール性に優れた無機繊維質ペーパーの製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シール性に優れた無機繊維質ペーパーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る実施例において無機繊維質ペーパーのシール性及び圧縮加熱後の復元率を評価した結果の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る実施例において無機繊維質ペーパーのシール性及び圧縮加熱後の復元率を評価した結果の他の例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る実施例において、加熱処理が施された生体溶解性無機繊維を含む無機繊維質ペーパーのシール性及び圧縮加熱後の復元率を評価した結果の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る実施例において、加熱処理が施された生体溶解性無機繊維を含む無機繊維質ペーパーのシール性及び圧縮加熱後の復元率を評価した結果の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は、本実施形態に限られるものではない。
【0012】
本実施形態に係る無機繊維質ペーパー(以下、「本ペーパー」という。)は、平均繊維径が3〜7μmである第一の生体溶解性無機繊維(以下、「第一繊維」という。)と、平均繊維径が2〜3μmである第二の生体溶解性無機繊維(以下、「第二繊維」という。)と、バインダーと、を含む無機繊維質ペーパーである。尚、第二繊維の平均繊維径は第一繊維より小さい。
【0013】
本ペーパーは、平均繊維径が比較的大きい第一繊維と、平均繊維径が当該第一繊維より小さい第二繊維と、を含むことにより、当該第一繊維に由来する特性に加えて、当該第二繊維に由来する優れたシール性をも備える。
【0014】
第一繊維の平均繊維径は、例えば、3.1〜4.5μm、又は3.1〜4.0μmであってもよい。第一繊維の平均繊維径が上述の範囲より大きい場合には、本ペーパーの密度が低くなりすぎるため、本ペーパーの強度が低くなりやすい。また、第二繊維の平均繊維径が上述の範囲より小さい場合(例えば、当該平均繊維径が1μm以下である場合)には、当該第二繊維が破断し易くなるため、本ペーパーの強度が低くなりやすい。
【0015】
そこで、本ペーパーは、例えば、平均繊維径が7μmより大きな繊維を含まないこととしてもよい。また、本ペーパーは、例えば、平均繊維径が2μm未満の繊維を含まないこととしてもよく、平均繊維径が1μm以下の繊維を含まないこととしてもよい。
【0016】
第一繊維の平均繊維長は、本ペーパーが好適に製造される範囲であれば特に限られず、例えば、1〜200mmであり、好ましくは1〜100mmである。第二繊維の平均繊維長は、本ペーパーが好適に製造される範囲であれば特に限られず、例えば、1〜200mmであり、好ましくは1〜100mmである。第一繊維及び第二繊維の平均繊維長が上記範囲内にあることにより、適切な密度を有する本ペーパーを製造しやすくなる。
【0017】
なお、平均繊維径及び平均繊維長は、例えば、光学顕微鏡下で300〜500本の繊維の繊維径及び繊維長を測定した場合における、当該繊維径及び繊維長の算術平均値としてそれぞれ求められる。
【0018】
第一繊維及び第二繊維は、それぞれの平均繊維径が上述の範囲である生体溶解性無機繊維であれば特に限られない。ここで、生体溶解性無機繊維とは、生体溶解性(例えば、生体の肺に吸入されても当該生体内で分解される性質)を有する無機繊維である。すなわち、第一繊維及び第二繊維は、例えば、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上の無機繊維である。
【0019】
無機繊維の生理食塩水溶解率は、例えば、次のようにして測定される。すなわち、先ず、無機繊維を200メッシュ以下に粉砕して調製された試料1g及び生理食塩水150mLを三角フラスコ(容積300mL)に入れ、40℃のインキュベーターに設置する。次に、三角フラスコに、毎分120回転の水平振動を50時間継続して加える。その後、ろ過により得られた濾液に含有されている各元素の濃度(mg/L)をICP発光分析装置により測定する。そして、測定された各元素の濃度と、溶解前の無機繊維における各元素の含有量(質量%)と、に基づいて、生理食塩水溶解率(%)を算出する。すなわち、例えば、測定元素が、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)及びアルミニウム(Al)である場合には、次の式により、生理食塩水溶解率C(%)を算出する;C(%)=[ろ液量(L)×(a1+a2+a3+a4)×100]/[溶解前の無機繊維の質量(mg)×(b1+b2+b3+b4)/100]。この式において、a1、a2、a3及びa4は、それぞれ測定されたケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの濃度(mg/L)であり、b1、b2、b3及びb4は、それぞれ溶解前の無機繊維におけるケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムの含有量(質量%)である。
【0020】
第一繊維及び第二繊維の化学組成は、当該第一繊維及び第二繊維がそれぞれ上述の平均繊維径及び生体溶解性を有する範囲であれば特に限られない。すなわち、第一繊維及び第二繊維の一方又は両方は、例えば、シリカ(SiO)と、アルカリ土類金属酸化物と、を含み、当該アルカリ土類金属酸化物の含有量が、10〜80質量%の無機繊維である。アルカリ土類金属酸化物は、例えば、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)、BeO、SrO及びBaOからなる群より選択される1種又は2種以上であり、好ましくはカルシア(CaO)及び/又はマグネシア(MgO)である。
【0021】
第一繊維及び第二繊維の一方又は両方は、例えば、シリカ(SiO)と、カルシア(CaO)及びマグネシア(MgO)の少なくとも一方と、を含み、SiO含有量が35〜82質量%であり、CaO含有量とMgO含有量との合計が10〜50質量%の無機繊維である。第一繊維及び第二繊維の一方又は両方は、非晶質の生体溶解性無機繊維であってもよい。
【0022】
第一繊維の化学組成と第二繊維の化学組成とは異なっていてもよい。すなわち、第一繊維のSiO含有量は、例えば、50〜82質量%(好ましくは70〜80質量%)であることとしてもよい。この場合、第二繊維のSiO含有量は、例えば、35〜58質量%であることとしてもよい。
【0023】
具体的に、第一繊維は、例えば、SiO含有量が、50〜82質量%、好ましくは58〜82質量%であり、CaO含有量とMgO含有量との合計が10〜43質量%、好ましくは18〜34質量%(好ましくは18〜30質量%)の無機繊維である。
【0024】
第一繊維のSiO含有量が上記の範囲であることによって、当該第一繊維は、生体溶解性に加えて、優れた耐熱性をも有することとなる。そして、本ペーパーもまた、SiO含有量が大きい第一繊維を含むことによって、優れた耐熱性を有することとなる。
【0025】
なお、第一繊維が、このようにSiO含有量が高い化学組成を有する場合、当該第一繊維の製造においては、当該化学組成に起因する溶融液の性質により、当該第一繊維の平均繊維径を低減することが難しくなる。このため、第一繊維のみで無機繊維質ペーパーの十分なシール性を達成することは難しい。そこで、本ペーパーは、上述のようにSiO含有量が大きな第一繊維に加えて、平均繊維径が当該第一繊維より小さい第二繊維を含む。この結果、本ペーパーは、第一繊維に由来する優れた耐熱性と、第二繊維に由来する優れたシール性と、を兼ね備えたものとなる。
【0026】
また、第一繊維のCaO含有量は、例えば、5〜34質量%(好ましくは21〜26質量%)であることとしてもよい。すなわち、第一繊維は、例えば、SiO含有量が50〜82質量%であり、CaO含有量が5〜34質量%の生体溶解性無機繊維(以下、「SiO/CaO繊維」ということがある。)であることとしてもよい。
【0027】
さらに、第一繊維のMgO含有量は、例えば、1質量%以下(すなわち、0〜1質量%)であることとしてもよい。すなわち、第一繊維は、例えば、SiO含有量が50〜82質量%であり、CaO含有量が5〜34質量%、好ましくは9〜34質量%であり、MgO含有量が1質量%以下のSiO/CaO繊維であることとしてもよい。
【0028】
また、第一繊維のMgO含有量は、1〜24質量%、好ましくは10〜24質量%、より好ましくは10〜20質量%(好ましくは14〜22質量%)であることとしてもよい。すなわち、第一繊維は、例えば、SiO含有量が50〜82質量%であり、MgO含有量が1〜24質量%、好ましくは10〜24質量%、CaO含有量が1〜9質量%の生体溶解性無機繊維(以下、「SiO/MgO繊維」ということがある。)であることとしてもよい。
【0029】
第一繊維は、SiO、MgO及びCaOを主成分として含有する生体溶解性無機繊維であってもよい。すなわち、第一繊維は、例えば、SiO含有量、MgO含有量及びCaO含有量の合計が97質量%以上(すなわち、97〜100質量%)であることとしてもよい。
【0030】
なお、第一繊維及び第二繊維の一方又は両方は、SiOと、アルカリ土類金属酸化物(例えば、MgO及びCaOの少なくとも一方)と、に加えて、さらに他の成分を含有してもよい。すなわち、第一繊維及び第二繊維の一方又は両方は、例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、酸化鉄(Fe)、酸化マンガン(MnO)、酸化カリウム(KO)からなる群より選択される1種又は2種以上をさらに含有してもよい。
【0031】
第一繊維は、SiOとAlとZrOとTiOとの合計が50質量%〜82質量%、CaOとMgOとの合計が18質量%〜50質量%としてもよい。
【0032】
また、第一繊維がAlを含有する場合、Al含有量は、例えば、0〜3質量%、1〜2質量%又は2〜3質量%である。この場合、第一繊維は、例えば、SiO含有量、MgO含有量、CaO含有量及びAl含有量の合計が98質量%以上(すなわち、98〜100質量%)又は99質量%以上(すなわち、99〜100質量%)であることとしてもよい。
【0033】
第一繊維は、他の成分として、アルカリ金属酸化物(KO、NaO等)、Fe、ZrO、TiO、P、B、R(RはSc,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y又はこれらの混合物から選択される)等を1以上含んでもよく、含まなくてもよい。これら酸化物は、それぞれ、0.2質量%以下又は0.1質量%以下としてよい。
【0034】
第二繊維は、例えば、ロックウールとすることができる。ロックウールは、天然鉱物由来のものであってもよいし、高炉スラグ由来のものであってもよい。ロックウールは、玄武岩、高炉スラグ等の原料をキュポラ又は電気炉で1500℃〜1600℃で溶融した溶融物、又は高炉から取り出して高温状態にある溶融スラグを、遠心力等で吹き飛ばして繊維化することにより製造することができる。
【0035】
ロックウールの化学組成は、その原料によって変わり得るが、例えば、SiO含有量が30〜50質量%(好ましくは35〜45質量%)、Al含有量が10〜20質量%MgO含有量が1〜10質量%(好ましくは4〜8質量%)、CaO含有量が20〜40質量%、Fe含有量が0〜3質量%、MnO含有量が0〜1質量%の生体溶解性無機繊維である。ロックウールとして、例えば、SiOを35〜45質量%、MgOを1〜10質量%、CaOを20〜40質量%、Alを10〜20質量%含むものを使用できる。
【0036】
ロックウールとしては、例えば、空気雰囲気下、800℃で24時間加熱処理した際の長さ方向の収縮率({(加熱前の長さ−加熱後の長さ)/加熱前の長さ})×100)が10%以上であるもの、1100℃で24時間加熱処理した際の長さ方向の収縮率が12%以上であるものが挙げられる。
【0037】
本ペーパーにおける第一繊維の含有量及び第二繊維の含有量は、本ペーパーにおいて、当該第一繊維に由来する所望の特性と、当該第二繊維に由来する所望のシール性と、が実現される範囲であれば、特に限られない。
【0038】
すなわち、本ペーパーは、例えば、第一繊維を30〜90質量%及び第二繊維を10〜70質量%、第一繊維を40〜80質量%及び第二繊維を20〜60質量%、第一繊維を32〜79.6質量%及び第二繊維を16〜59.7質量%、また、第一繊維を36〜78.4質量%及び第二繊維を18〜58.8質量%含むこととしてもよい。
【0039】
また、本ペーパーにおいて、第一繊維の含有量と第二繊維の含有量との合計は、例えば、80〜99.5質量%、90〜98質量%であることとしてもよい。
【0040】
第一繊維及び第二繊維の含有量が上述の範囲であることにより、本ペーパーにおいて、当該第一繊維に由来する特性を損なうことなく、当該第二繊維に由来する優れたシール性を実現することができる。
【0041】
なお、本ペーパーは、第一繊維及び第二繊維以外の生体溶解性無機繊維を含むこととしてもよく、第一繊維及び第二繊維以外に生体溶解性無機繊維を含まないこととしてもよい。また、本ペーパーは、生体溶解性無機繊維以外に無機繊維を含まないこととしてもよい。また、本ペーパーは、有機繊維を含まないこととしてもよい。
【0042】
第一繊維は、予め加熱処理が施された生体溶解性無機繊維(以下、「加熱処理繊維」ということがある。)であることとしてもよい。すなわち、この場合、第一繊維は、例えば、上述した化学組成を有し、且つ本ペーパーの抄造に先立って加熱処理が施された生体溶解性無機繊維である。
【0043】
第一繊維が加熱処理繊維である場合、本ペーパーは、第一繊維が加熱処理を施されていない生体溶解性無機繊維(以下、「未処理繊維ということがある」という。)である場合に比べて優れた特性を備えることができる。すなわち、例えば、第一繊維として加熱処理繊維を含む本ペーパーの圧縮加熱後の復元率は、当該加熱処理繊維に代えて未処理繊維を含む本ペーパーのそれに比べて高くなる。
【0044】
なお、圧縮加熱後の復元率は、無機繊維質ペーパーを圧縮した状態(すなわち、無機繊維質ペーパーの厚みが低減された状態)で加熱した後に、当該無機繊維質ペーパーの厚みが復元する割合(圧縮加熱前の厚みに対する圧縮加熱後の厚みの割合)である。
【0045】
加熱処理の条件(例えば、温度及び時間)は、本ペーパーの所望の特性が向上する範囲であれば特に限られない。すなわち、加熱処理の条件は、例えば、上述のとおり、加熱処理繊維を含む本ペーパーの圧縮加熱後の復元率が、未処理繊維を含む本ペーパーのそれに比べて高くなる範囲で決定される。
【0046】
加熱処理において第一繊維を加熱する温度(以下、「加熱処理温度」という。)は、例えば、300〜1300℃であり、好ましくは400〜1300℃であり、より好ましくは700〜1000℃である。加熱処理温度は、例えば、第一繊維の結晶化温度未満としてもよい。すなわち、加熱処理温度は、例えば、300℃以上又は400℃以上、結晶化温度未満の温度としてもよく、700℃以上、結晶化温度未満の温度としてもよい。なお、結晶化温度は、例えば、TG−DTA(熱重量−示差熱測定)により測定される。
【0047】
加熱処理温度が第一繊維の結晶化温度以上である場合には、加熱処理後の第一繊維は、当該加熱処理前の第一繊維に比べて脆くなりやすい。また、第一繊維を、その結晶化温度以上の温度で加熱処理して、当該第一繊維の一部を結晶化させる場合、当該加熱処理後の当該第一繊維の生体溶解性は、当該加熱処理前に比べて低下することがある。これに対し、第一繊維の結晶化温度未満の温度で加熱処理を行うことにより、当該第一繊維の脆化及び生体溶解性の低下が効果的に回避される。
【0048】
加熱処理において第一繊維を加熱処理温度で保持する時間(以下、「加熱処理時間」という。)は、特に限られず、例えば、1分〜48時間であり、好ましくは3分〜24時間である。
【0049】
バインダーは、第一繊維及び第二繊維を結着するものであれば特に限られず、有機バインダー及び無機バインダーの一方又は両方が使用される。すなわち、本ペーパーは、有機バインダー及び無機バインダーの一方又は両方を含む。具体的に、本ペーパーは、例えば、有機バインダーを含み無機バインダーを含まないこととしてもよく、有機バインダー及び無機バインダーを含むこととしてもよく、無機バインダーを含み有機バインダーを含まないこととしてもよい。
【0050】
有機バインダーは、成形補助剤、凝集剤としても使用でき、例えば、アクリル酸エステル樹脂、スチレン・アクリル樹脂等のアクリル樹脂、エチレン・酢ビ樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン樹脂、澱粉、ポリアクリルアミドからなる群より選択される1種又は2種以上である。無機バインダーは、例えば、アニオン性のコロイダルシリカ、カチオン性のコロイダルシリカ等のコロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、ジルコニアゾル、チタニアゾル、アルミナゾル、ベントナイト、カオリンからなる群より選択される1種又は2種以上である。
【0051】
本ペーパーは、第一繊維、第二繊維及びバインダーに加えて、さらに他の成分を含有してもよい。すなわち、本ペーパーは、例えば、他の成分として、定着剤、凝集剤、成形補助剤をさらに含有してもよい。本ペーパーは、繊維とバインダーで96%以上を占めることとしてもよい。
【0052】
本ペーパーの厚さは、特に限られず、その用途や求められる特性によって適宜決定される。すなわち、本ペーパーの厚さは、例えば、0.1〜8mmであり、好ましくは0.5〜6mmである。
【0053】
本ペーパーの坪量は、特に限られず、その用途や求められる特性によって適宜決定される。すなわち、本ペーパーの坪量は、例えば、10〜2800g/mであり、好ましくは75〜1800g/mである。
【0054】
本ペーパーの密度は、特に限られず、その用途や求められる特性によって適宜決定される。すなわち、本ペーパーの密度は、例えば、0.1〜0.35g/cm3であり、好ましくは0.15〜0.3g/cmである。
【0055】
本ペーパーは、様々な用途に適用される。すなわち、本ペーパーは、例えば、加熱及び又は保温のための設備に使用される。具体的に、本ペーパーは、例えば、熱処理装置、工業炉、焼却炉、燃焼機器、アルミニウム溶湯装置、温水ボイラー、給湯器、家庭用ガスコンロ等におけるシール材(例えば、ガスケット)、脱硝用触媒緩衝材、石油ストーブ芯として使用される。
【0056】
本実施形態に係る無機繊維質ペーパーの製造方法(以下、「本方法」という。)は、上述した第一繊維と、第二繊維と、バインダーと、を含む原料を抄造する工程(以下、「抄造工程」という。)を含む。上述した本ペーパーは、本方法により好ましく製造される。
【0057】
抄造工程においては、まず、第一繊維、第二繊維及びバインダーを含む原料を調製する。原料(溶媒は除く)において、第一繊維の含有量及び第二繊維の含有量の合計は、例えば、80〜99.5質量%であり、バインダー(有機バインダー及び無機バインダーの一方又は両方)の含有量は、例えば、0.5〜20質量%である。なお、原料は、さらに上述したような他の成分を含んでもよい。他の成分の含有量は、例えば、5質量%以下、又は4質量%以下である。
【0058】
原料は、第一繊維、第二繊維、バインダー及び必要に応じてその他の成分を溶媒と混合することにより調製する。溶媒は、第一繊維、第二繊維及びバインダーを混合し分散するものであれば特に限られず、例えば、水(例えば、蒸留水、イオン交換水、水道水、地下水、工業用水)及び/又は極性有機溶媒(例えば、エタノール、プロパノール等の1価のアルコール類、エチレングリコール等の2価のアルコール類)であり、好ましくは水である。こうして調製された本ペーパーの原料は、抄造に適した流動性のある組成物(いわゆるスラリー等)である。
【0059】
抄造工程においては、こうして調製された原料から、本ペーパーを抄造する。抄造は、例えば、市販の抄造装置を使用して好ましく行うことができる。
【0060】
また、加熱処理繊維を含む本ペーパーを製造する場合、第一繊維として、加熱処理繊維を準備する。すなわち、この場合、本方法においては、予め加熱処理が施された第一繊維と、第二繊維と、バインダーと、を含む原料を調製し、当該原料を抄造して本ペーパーを製造する。
【0061】
また、本方法は、抄造工程に先立って、第一繊維に加熱処理を施す工程(以下、「加熱処理工程」という。)をさらに含むこととしてもよい。この加熱処理工程においては、まず、未処理繊維である第一繊維を準備し、次いで、当該未処理繊維に加熱処理を施し、加熱処理繊維である第一繊維を得る。
【0062】
加熱処理の条件(例えば、加熱処理時間、加熱処理時間)は、上述のとおり、適宜決定することができる。すなわち、加熱処理工程においては、例えば、結晶化温度未満の温度で第一繊維に加熱処理を施すこととしてもよい。そして、続く抄造工程においては、加熱処理工程で得られた加熱処理繊維と、第二繊維と、バインダーと、を含む原料を抄造する。
【0063】
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
【実施例1】
【0064】
[無機繊維質ペーパーの製造]
第一の生体溶解性無機繊維として、SiO含有量が74質量%、CaO含有量が25質量%、MgO含有量が0.3質量%、Al含有量が2質量%の非晶質のSiO/CaO繊維(以下、「繊維A」という。)を準備した。繊維Aの結晶化温度は895℃であった。繊維Aの平均繊維径は3.4μmであった。
【0065】
第二繊維としては、SiO含有量が40質量%、CaO含有量が35質量%、MgO含有量が5質量%、Al含有量が13質量%のロックウール(以下、「繊維C」という。)を準備した。繊維Cの平均繊維径は2〜3μmであった。
【0066】
そして、繊維Aを100重量部及び繊維Cを0重量部、繊維Aを20重量部及び繊維Cを80重量部、繊維Aを40重量部及び繊維Cを60重量部、繊維Aを60重量部及び繊維Cを40重量部、繊維Aを80重量部及び繊維Cを20重量部、又は繊維Aを0重量部及び繊維Cを100重量部、のいずれかの比率で繊維A及び繊維Cを含む6種類の無機繊維質ペーパーを製造した。
【0067】
すなわち、上述したいずれかの比率で組み合わされた繊維A及び繊維Cからなる生体溶解性無機繊維100重量部と、有機バインダーとしてアクリル樹脂(AG-100:固形分50%、昭和電工株式会社製)を12重量部と、定着剤として硫酸バンド(硫酸アルミニウム:0.2%溶液、大明化学工業株式会社製)を1.2重量部と、凝集剤としてポリアクリルアミド(DS414:0.5%溶液、星光PMC製)を0.1重量部と、を2000重量部の水と混合して、原料スラリーを調製した。そして、市販の抄造装置を使用して、原料スラリーの抄造を行い、無機繊維質ペーパーを製造した。製造された無機繊維質ペーパーは、いずれも、厚さが0.5〜6mm、坪量が75〜1800g/m、密度が0.15〜0.3g/cmであった。
【0068】
[シール性の評価]
上述のようにして製造された無機繊維質ペーパーのシール性を評価した。すなわち、まず、各無機繊維質ペーパーの任意の箇所から、外径30mm、内径15mmの試験片を3つずつ打ち抜いた。
【0069】
次いで、試験片を、その厚さが50%に低減されるようフランジで圧縮した。そして、フランジにコンプレッサーから空気を流し、差圧が30KPaとなった時の当該空気の流量(L/分)を測定した。測定された流量(通気性)を無機繊維質ペーパーのシール性(L/分)として評価した。
【0070】
[復元率の評価]
上述のようにして製造された無機繊維質ペーパーの圧縮加熱後の復元率を評価した。すなわち、まず、各無機繊維質ペーパーの任意の箇所から、幅25mm、長さ50mmの試験片を3つずつ切り出し、各試験片の厚さ(圧縮加熱前の厚さ)をノギスで測定した。
【0071】
次いで、この圧縮加熱前の厚さを100%として、その厚さが50%になるまで試験片を圧縮した。さらに、圧縮された状態の試験片を、500±15℃の電気炉内に載置し、3時間保持することで圧縮加熱を行った。その後、試験片を圧縮加熱から解放した。
【0072】
圧縮加熱を解放してから0.5時間後の試験片の厚さ(圧縮加熱後の厚さ)をノギスで測定した。そして、試験片の圧縮加熱前の厚さに対する圧縮加熱後の厚さの割合(%)を復元率として算出した。
【0073】
[評価結果]
図1には、生体溶解性無機繊維の配合が異なる6種類の無機繊維質ペーパーについてシール性(L/分)及び圧縮加熱後の復元率(%)を評価した結果を示す。なお、図1に示すシール性及び圧縮加熱後の復元率は、いずれも3つの試験片について得られた値の算術平均値である。また、図1においてシール性の数値が小さいほど、シール性が高いことを示す。
【0074】
図1に示すように、無機繊維質ペーパーに含まれる繊維Cの配合比率が大きくなるにつれて、圧縮加熱後の復元率は低下する傾向があるものの、シール性が向上した。特に、繊維Aが40〜80重量部、繊維Cが60〜20重量部の場合、無機繊維質ペーパーは、圧縮加熱後の復元率を維持しつつ、十分なシール性を備えていた。
【実施例2】
【0075】
[無機繊維質ペーパーの製造]
第一繊維として、SiO含有量が76質量%、CaO含有量が4質量%、MgO含有量が18質量%、Al含有量が2質量%の非晶質のSiO/MgO繊維(以下、「繊維B」という。)を準備した。繊維Bの結晶化温度は857℃であった。繊維Bの平均繊維径は3.6μmであった。第二繊維としては、上述の実施例1でも使用した繊維Cを準備した。
【0076】
そして、上述の実施例1と同様に、生体溶解性無機繊維として互いに異なる比率で繊維B及び繊維Cを含む6種類の無機繊維質ペーパーを製造した。製造された無機繊維質ペーパーは、いずれも、厚さが0.5〜6mm、坪量が75〜1800g/m、密度が0.15〜0.3g/cmであった。
【0077】
[シール性及び圧縮加熱後の復元率の評価]
上述の実施例1と同様に、無機繊維質ペーパーのシール性及び圧縮加熱後の復元率を評価した。図2には、生体溶解性無機繊維の配合が異なる6種類の無機繊維質ペーパーについてシール性(L/分)及び圧縮加熱後の復元率(%)を評価した結果を示す。なお、図2に示すシール性及び圧縮加熱後の復元率は、いずれも3つの試験片について得られた値の算術平均値である。
【0078】
図2に示すように、無機繊維質ペーパーに含まれる繊維Cの配合比率が大きくなるにつれて、圧縮加熱後の復元率は低下する傾向があるものの、シール性が向上した。特に、繊維Bが40〜80重量部、繊維Cが60〜20重量部の場合、無機繊維質ペーパーは、圧縮加熱後の復元率を維持しつつ、十分なシール性を備えていた。
【実施例3】
【0079】
[無機繊維質ペーパーの製造]
第一繊維として、加熱処理が施された繊維A(以下、「加熱処理繊維A」という。)を準備した。すなわち、上述の実施例1で使用された繊維Aに、結晶化温度未満である800℃にて20分の加熱処理を施すことにより、加熱処理繊維Aを得た。第二繊維としては、上述の実施例1でも使用した繊維Cを準備した。
【0080】
そして、上述の実施例1と同様に、生体溶解性無機繊維として互いに異なる比率で加熱処理繊維A及び繊維Cを含む6種類の無機繊維質ペーパーを製造した。製造された無機繊維質ペーパーは、いずれも、厚さが0.5〜6mm、坪量が75〜1800g/m、密度が0.15〜0.3g/cmであった。
【0081】
[シール性及び圧縮加熱後の復元率の評価]
上述の実施例1と同様に、無機繊維質ペーパーのシール性及び圧縮加熱後の復元率を評価した。図3には、生体溶解性無機繊維の配合が異なる6種類の無機繊維質ペーパーについてシール性(L/分)及び圧縮加熱後の復元率(%)を評価した結果を示す。なお、図3に示すシール性及び圧縮加熱後の復元率は、いずれも3つの試験片について得られた値の算術平均値である。
【0082】
図3に示すように、無機繊維質ペーパーに含まれる繊維Cの配合比率が大きくなるにつれて、シール性が向上した。また、圧縮加熱後の復元率は、未処理繊維である繊維Aを使用した上述の実施例1における結果(図1参照)に比べて顕著に増加した。すなわち、第一繊維として加熱処理繊維Aを使用することにより、圧縮加熱後の復元率が顕著に向上した。
【0083】
さらに、未処理繊維である繊維Aを使用した上述の実施例1とは異なり、加熱処理繊維Aを80重量部、繊維Cを20重量部含む無機繊維質ペーパーの圧縮加熱後の復元率は、当該加熱処理繊維Aを100重量部含み繊維Cを含まない無機繊維質ペーパーのそれに比べて顕著に増加した。
【0084】
このように、特に、加熱処理繊維Aが40〜80重量部、繊維Cが60〜20重量部の場合、無機繊維質ペーパーは、圧縮加熱後の十分な復元率と、十分なシール性と、を備えていた。
【実施例4】
【0085】
[無機繊維質ペーパーの製造]
第一繊維として、加熱処理が施された繊維B(以下、「加熱処理繊維B」という。)を準備した。すなわち、上述の実施例2で使用された繊維Bに、結晶化温度未満である800℃にて20分の加熱処理を施すことにより、加熱処理繊維Bを得た。第二繊維としては、上述の実施例1でも使用した繊維Cを準備した。
【0086】
そして、上述の実施例1と同様に、生体溶解性無機繊維として互いに異なる比率で加熱処理繊維B及び繊維Cを含む6種類の無機繊維質ペーパーを製造した。製造された無機繊維質ペーパーは、いずれも、厚さが0.5〜6mm、坪量が75〜1800g/m、密度が0.15〜0.3g/cmであった。
【0087】
[シール性及び圧縮加熱後の復元率の評価]
上述の実施例1と同様に、無機繊維質ペーパーのシール性及び圧縮加熱後の復元率を評価した。図4には、生体溶解性無機繊維の配合が異なる6種類の無機繊維質ペーパーについてシール性(L/分)及び圧縮加熱後の復元率(%)を評価した結果を示す。なお、図4に示すシール性及び圧縮加熱後の復元率は、いずれも3つの試験片について得られた値の算術平均値である。
【0088】
図4に示すように、無機繊維質ペーパーに含まれる繊維Cの配合比率が大きくなるにつれて、シール性が向上した。また、圧縮加熱後の復元率は、未処理繊維である繊維Bを使用した上述の実施例2における結果(図2参照)に比べて顕著に増加した。すなわち、第一繊維として加熱処理繊維Bを使用することにより、圧縮加熱後の復元率が顕著に向上した。
【0089】
さらに、未処理繊維である繊維Bを使用した上述の実施例2とは異なり、加熱処理繊維Bを80重量部、繊維Cを20重量部含む無機繊維質ペーパー、及び加熱処理繊維Bを60重量部、繊維Cを40重量部含む無機繊維質ペーパーの圧縮加熱後の復元率は、当該加熱処理繊維Bを100重量部含み繊維Cを含まない無機繊維質ペーパーのそれに比べて顕著に増加した。
【0090】
このように、特に、加熱処理繊維Bが40〜80重量部、繊維Cが60〜20重量部の場合、無機繊維質ペーパーは、圧縮加熱後の十分な復元率と、十分なシール性と、を備えていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均繊維径が3μm〜7μmである第一の生体溶解性無機繊維と、
平均繊維径が2μm〜3μmであって、前記第一の生体溶解性無機繊維の平均繊維径より小さい第二の生体溶解性無機繊維と、
バインダーと、
を含む無機繊維質ペーパー。
【請求項2】
前記第一の生体溶解性無機繊維の平均繊維径が3.1μm〜4.0μmである
請求項1に記載された無機繊維質ペーパー。
【請求項3】
前記第一の生体溶解性無機繊維を30質量%〜90質量%、及び前記第二の生体溶解性無機繊維を10質量%〜70質量%含む
請求項1又は2に記載された無機繊維質ペーパー。
【請求項4】
前記第一の生体溶解性無機繊維を40質量%〜80質量%、及び前記第二の生体溶解性無機繊維を20質量%〜60質量%含む
請求項3に記載された無機繊維質ペーパー。
【請求項5】
前記生体溶解性無機繊維が、以下の組成を有する請求項1乃至4のいずれかに記載された無機繊維質ペーパー。
SiOとAlとZrOとTiOとの合計 50質量%〜82質量%
CaOとMgOとの合計 18質量%〜50質量%
【請求項6】
前記第一の繊維が、SiOを50質量%〜82質量%、CaOとMgOを合わせて10質量%〜43質量%含む繊維である
請求項1乃至4のいずれかに記載された無機繊維質ペーパー。
【請求項7】
前記第二の繊維が、ロックウールである
請求項1乃至6のいずれかに記載された無機繊維質ペーパー。
【請求項8】
前記第二の繊維が、SiOを35質量%〜45質量%、MgOを1質量%〜10質量%、CaOを20質量%〜40質量%、Alを10質量%〜20質量%含む繊維である
請求項1乃至6のいずれかに記載された無機繊維質ペーパー。
【請求項9】
前記第一の生体溶解性無機繊維は、予め加熱処理が施された生体溶解性無機繊維である
請求項1乃至8のいずれかに記載された無機繊維質ペーパー。
【請求項10】
前記加熱処理温度が400℃〜1300℃である
請求項9に記載された無機繊維質ペーパー。
【請求項11】
繊維として、前記第一の生体溶解性無機繊維と第二の生体溶解性無機繊維だけを含む請求項1乃至10のいずれかに記載された無機繊維質ペーパー。
【請求項12】
平均繊維径が3〜7μmである第一の生体溶解性無機繊維と、平均繊維径が2〜3μmであって、前記第一の生体溶解性無機繊維の平均繊維径より小さい第二の生体溶解性無機繊維と、バインダーと、を含む原料を抄造する工程を含む
無機繊維質ペーパーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−211417(P2012−211417A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77939(P2011−77939)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【特許番号】特許第5015336号(P5015336)
【特許公報発行日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】