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無機薄膜付プラスチック用アンダーコート剤、無機薄膜付プラスチックフィルム、インモールド成型用加飾フィルムおよびインサート成型用加飾フィルム
説明

無機薄膜付プラスチック用アンダーコート剤、無機薄膜付プラスチックフィルム、インモールド成型用加飾フィルムおよびインサート成型用加飾フィルム

【課題】無機薄膜層及びプラスチック基材との密着性に優れ、高温下や、高温成形加工下にあっても無機薄膜に白化現象、干渉縞、クラックを生じさせないアンダーコート剤及びそれを用いた、無機薄膜付プラスチックフイルム及びこのフイルムを部材としたインモールド成型用加飾フィルムやインサート成形用加飾フィルムを提供する。
【解決手段】ポリエチレンイミン(A)、水溶性ポリエポキシ化合物(B)、および有機溶剤(C)を含有する無機薄膜付プラスチック用アンダーコート剤及びこのアンダーコート剤を用いた無機薄膜付プラスチックフイルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム金属層や酸化ケイ素層等の無機薄膜層とプラスチック基材との間において使用されるアンダーコート剤、および当該アンダーコート剤を用いて得られる無機薄膜付プラスチックフィルム、ならびに当該無機薄膜付プラスチックフィルムを部材とするインモールド成形用加飾フィルム、およびインサート成型用加飾フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
無機薄膜付プラスチックとは、一般には、アルミニウムなどの金属や酸化ケイ素などの金属酸化物等からなる無機薄膜を、プラスチック成型体またはプラスチックフィルムの表面に形成したものをいい、無機薄膜をなす化学種や薄膜の厚さ等に応じて、ボトルやキャップ、ガスバリアフィルム、導電シート、フィルムコンデンサ、表示用ラベル等の種々の用途に供されている。
【0003】
また、無機薄膜付プラスチックの中でも、アルミニウム層の厚みが数十nm程度と極めて薄いアルミニウム蒸着プラスチックフィルムは、従来、加飾フィルムの部材として賞用されており、成型品に電波透過性等の技術的機能やミラー感等の意匠性を付与できることから、近年、例えば、携帯電話やオーディオ製品、パソコン等の種々の電子製品の筐体に供されている。
【0004】
これらの無機薄膜付プラスチックを製造する際には、プラスチック基材の表面に、各種ポリマーを主成分とするアンダーコート剤を予め塗工し、柔軟性のあるアンダーコート層の上に金属を蒸着させる方法が採られている。これは、プラスチックの表面には通常、微細な凹凸や不純物(プラスチック添加剤等)が存在するため、無機薄膜層とプラスチック基材との密着性や、無機薄膜の平滑性を確保し難いためである。
【0005】
また、無機薄膜付プラスチックがフィルム状である場合、変形により無機薄膜面に亀裂やクラックが生じることがある。例えば特許文献1では、基材フィルム、無機酸化物の蒸着膜、プライマーコート層、アンカーコート層およびヒートシール層を有するガスバリア性積層フィルムにおいて、そうしたクラックが生じることが指摘されており、この問題を解消する手段として、ポリエチレンイミンおよび架橋剤を含むアンカーコート組成物の使用が提案されている。
【0006】
また、無機薄膜付プラスチックを高温環境下に置くと、無機薄膜面に白化現象(曇り、ボケ等)や干渉縞が生じるという問題があり、最終製品の外観に悪影響が及ぶ。特に、インモールド成型やインサート成型法等のように、高温環境下で無機薄膜付プラスチックが成型加工に付される場合には、加工部位における無機薄膜面の干渉縞や白化現象、そしてクラックが特に問題視される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−143102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、無機薄膜層およびプラスチック基材との密着性に優れ(以下、密着性という)、無機薄膜面の平滑性を保つことができ(以下、平滑性という)、かつ、高温下や、高温成型加工下にあっても無機薄膜に白化現象、干渉縞、およびクラックを生じさせない(以下、順に耐白化性、耐干渉縞性、および耐クラック性という)、新規なアンダーコート剤を提供することを課題とする。
【0009】
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、下記構成からなるアンダーコート剤によれば前記課題を解決できることを見出した。
【0010】
即ち本発明は、ポリエチレンイミン(A)、水溶性ポリエポキシ化合物(B)、および有機溶剤(C)を含有する無機薄膜付プラスチック用アンダーコート剤;プラスチックフィルム、当該アンダーコート剤からなる層、および無機薄膜からなる層を有する無機薄膜付プラスチックフィルム;当該無機薄膜付プラスチックフィルムを部材とするインモールド成型用加飾フィルム;当該無機薄膜付プラスチックフィルムを部材とするインサート成型用加飾フィルム、に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のアンダーコート剤によれば、無機薄膜層およびプラスチック基材との密着性に優れるアンダーコート層が得られるため、無機薄膜付プラスチックの取り扱いに際して無機薄膜の剥がれ等が低減する。また、平滑性に優れた無機薄膜面をプラスチック基材上に形成できるため、アルミニウム等の金属を使用した場合には、光沢に優れた無機薄膜が得られる。また、該アンダーコート剤を用いて得られた無機薄膜付プラスチックは、高温環境下に置いても無機薄膜面に白化や干渉縞が生じ難く、さらに高温下での成型加工に付しても、加工部位の無機薄膜にクラックや干渉縞、白化現象が生じ難い。よって、当該該アンダーコート剤は、無機薄膜付プラスチックの各種用途、例えばボトルやキャップ、レトルトパック等の包装容器や、ガスバリアフィルム、導電シート、フィルムコンデンサ、表示用ラベル、加飾フィルム等の部材の製造に適している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るアンダーコート剤は、ポリエチレンイミン(A)(以下、(A)成分という)、水溶性ポリエポキシ化合物(B)(以下、(B)成分という)、および有機溶剤(C)(以下、(C)成分という)を含有する。
【0013】
(A)成分としては、各種公知のポリエチレンイミンを特に制限なく用いうる。具体的には、例えば、エチレンイミンを酸触媒の存在下で開環重合させてなる、1級、2級および3級アミノ基を通常1:2:1程度の割合で含む、分岐構造状のポリエチレンイミンが挙げられる。
【0014】
(A)成分の物性は特に限定されないが、例えば数平均分子量(沸点上昇法による測定値)は、密着性、平滑性、耐白化性、耐干渉縞性、耐クラック性等の性能(以下、単に皮膜性能と総称することがある)を考慮すると、通常300〜100000程度、好ましくは1500〜70000である。数平均分子量が300未満であると皮膜性能のバランスが取り難くなり、100000を超えるとアンダーコート剤のポットライフが短くなる傾向にある。
【0015】
また、皮膜性能のバランスを考慮すると、(A)成分のアミノ基含有量は通常5〜35mmol/g程度、好ましくは15〜25mmol/gである。なお、「アミノ基含有量」とは、(A)成分1g(固形分換算)中に含まれる1級、2級および3級アミノ基の合計mmol数である。
【0016】
(B)成分としては、水溶性のポリエポキシ化合物であれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、水溶率が通常30%以上、特に40〜80%であるポリエポキシ化合物が好ましい。該水溶率のものを使用すると、特に密着性、耐白化性および耐クラック性が良好になる傾向にある。なお、「水溶率」とは、水90g(25℃)に当該水溶性ポリエポキシ化合物10gを加え、撹拌したときの溶解量(g)を100分率で表した値をいう。
【0017】
(B)成分のエポキシ基含有量は特に限定されないが、皮膜性能のバランスを考慮すると、通常は1〜12.5mmol/g程度、好ましくは1.5〜10mmol/gである。
【0018】
(B)成分の具体例としては、グリセロールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリジジルエーテル、ジグリセロールジグリジルエーテル、ソルビトールジグリジルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(繰り返し単位が1〜30程度)ジグリジジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール(繰り返し単位が1〜30程度)ジグリジジルエーテル、ジペンタエリスリトールジグリジジルエーテル等のジエポキシ化合物;トリメチロールプロパントリグリジジルエーテル、グリセロールトリグリジジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールトリグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル等のトリエポキシ化合物;ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のテトラエポキシ化合物;ソルビトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル等のペンタエポキシ化合物;ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等のヘキサエポキシ化合物などが挙げられ、(B)成分はこれら化合物の2種以上が混合したものであってよい。(B)成分としては、特に耐白化性および耐クラック性の観点より、分子内にエーテル基および水酸基を少なくとも1個ずつ有し、かつ、エポキシ基が4〜6個である水溶性ポリエポキシ化合物が好ましい。
【0019】
なお、(B)成分とともに、フェノール−ポリオキシエチレン(繰り返し単位が3〜5程度)−グリシジルエーテル、ラウリルアルコール−ポリオキシエチレン(繰り返し単位が10〜20程度)−グリシジルエーテル等の水溶性モノエポキシ化合物を使用できる。
【0020】
本発明のアンダーコート剤における(A)成分と(B)成分の含有量は特に限定されないが、皮膜性能のバランスを考慮すると、両者は、(A)成分のアミノ基含有量(mmol/g)/(B)成分のエポキシ基含有量(mmol/g)が4/1〜1/3程度、好ましくは3/1〜1/2となる範囲で含まれる。(B)成分の比率が小さくなりすぎると、特に耐白化性や耐クラック性が低下する傾向にある。
【0021】
(C)成分としては、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコール系有機溶剤;ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系有機溶剤;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド等のアミド系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系有機溶剤などが挙げられる。これらの中でも、エステル系有機溶剤および/または炭素数1〜4程度のアルコール系有機溶剤が好ましい。
【0022】
また、本発明のアンダーコート剤は、溶媒として水を含有していてもよい。水は(A)成分に由来するものであってもよいし、外部から加えてもよい。
【0023】
本発明のアンダーコート剤における(A)成分および(B)成分の含有量(固形分濃度)は特に制限されないが、通常は5〜50重量%程度である。また、(C)成分および必要に応じて用いる水の含有量は50〜95重量%程度である。なお、水の使用量は、(C)成分および水の総重量において通常0〜95重量%程度である。
【0024】
本発明のアンダーコート剤は、前記(A)〜(C)成分を各種公知の方法で混合することにより得られる。また、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、コロイダルシリカ、フィラー等の添加剤を配合できる。これらの使用量は通常、0〜10重量%程度である。
【0025】
本発明の無機薄膜付プラスチックとしては、基材の形状により、無機薄膜付プラスチックフィルムや、無機薄膜付プラスチック構造体等が挙げられる。
【0026】
当該無機薄膜付プラスチック構造体をなすプラスチック基材の形状は特に限定されず、例えば球状、円柱状、円筒状、直方体状、板状であってよく、凹凸や曲面を有していてよい。
【0027】
当該無機薄膜付プラスチックフィルムは、プラスチックフィルム、前記アンダーコート剤からなる層、および無機薄膜からなる層を有する。
【0028】
プラスチック基材としては、ポリエステル(PET等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。これらの中でも、アンダーコート層との密着性等を考慮すると、ポリエステルが好ましい。
【0029】
無機薄膜をなす種としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、スズ等の金属や、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化チタン等の金属酸化物が挙げられる。本発明においては、アンダーコート層との密着性や平滑性等を考慮して、無機薄膜としてはアルミニウム層が好ましい。
【0030】
本発明の無機薄膜付プラスチックは、(1)前記プラスチックフィルム基材に本発明のアンダーコート剤を各種公知の方法(ディップ、スプレー、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター等)で塗工し、通常80〜185℃程度において、10秒〜5分程度加熱処理することによりアンダーコート層を形成した後、(2)アンダーコート面に、各種公知の薄膜形成法(真空熱蒸着、スパッタリング、化学的気相反応等)により前記無機薄膜種を蒸着することに、得ることができる。アンダーコート剤の塗工量は特に限定されないが、通常は乾燥固形分として0.01〜10g/m程度である。また、無機薄膜層の厚みは、通常は5〜800nm程度である。
【0031】
本発明の無機薄膜付プラスチックフィルムは、用途に応じ、プラスチックフィルム、アンダーコート層、および無機薄膜層のそれぞれに、他の機能性層が隣接していてもよい。、例えば、プラスチックフィルムとアンダーコート層との間に離型層、ハードコート層、ハードコート層用アンカー層、柄インキ層等が存在していてよい。また、無機薄膜層の上には接着剤層が存在していてもよい。
【0032】
本発明の無機薄膜付プラスチックフィルムは、特にインモールド成型用加飾フィルムまたはインサート成型用加飾フィルムとして好適である。各フィルムは、具体的には、ポリエステルフィルム、アンダーコート層、および5〜50nm程度のアルミニウム層を有するものであり、特に耐白化性および耐クラック性が良好である。
【実施例】
【0033】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されるものではない。また、実施例中の「部」は重量基準を表す。
【0034】
<アンダーコート剤の調製>
実施例1
市販ポリエチレンイミン(製品名「エポミンSP−018」、(株)日本触媒製、数平均分子量1800、不揮発分100%)を20部、市販ソルビトールポリグリシジルエーテル(商品名「デナコールEX−612」、ナガセケムテックス(株)製、水溶率42%、4官能以上、エポキシ基含有量5.9mmol/g)を12.5部、イソプロピルアルコール125.8部、酢酸エチルを58.3部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0035】
実施例2
市販ポリエチレンイミン(製品名「エポミンSP−200」、アミノ基含有量18mmol/g、(株)日本触媒製、不揮発分100%)を20部、市販ソルビトールポリグリシジルエーテル(製品名「デナコールEX−614」、ナガセケムテックス(株)製、4官能以上、エポキシ基含有量6.0mmol/g)を6.3部、イソプロピルアルコールを131.4部、酢酸エチルを44部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0036】
実施例3
エポミンSP−200を20部、デナコールEX−612を6.3部、イソプロピルアルコールを131.4部、酢酸エチルを44部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0037】
実施例4
エポミンSP−018を20部、デナコールEX−612を6.3部、イソプロピルアルコールを131.4部、酢酸エチルを44部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0038】
実施例5
エポミンSP−018を40部、デナコールEX−614を6.3部、イソプロピルアルコールを248部、酢酸エチルを60.6部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0039】
実施例6
エポミンSP−018を40部、デナコールEX−612を6.3部、イソプロピルアルコールを248部、酢酸エチルを60.6部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0040】
実施例7
エポミンSP−200を40部、デナコールEX−614を6.3部、イソプロピルアルコールを248部、酢酸エチルを60.6部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0041】
実施例8
エポミンSP−200を40部、デナコールEX−612を6.3部、イソプロピルアルコールを248部、酢酸エチルを60.6部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0042】
実施例9
エポミンSP−200を20部、デナコールEX−612を12.6部、イソプロピルアルコールを125.8部、酢酸エチルを58.3部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0043】
実施例10
市販のポリエチレンイミンの水溶液(製品名「エポミンP−1000」、アミノ基含有量18mmol/g、(株)日本触媒製、不揮発分30%)を133.3部、デナコールEX−614を6.3部、イソプロピルアルコールを114.8部、酢酸エチルを54.3部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0044】
実施例11
エポミンSP−1000を66.7部、デナコールEX−614を6.3部、イソプロピルアルコールを64.7部、酢酸エチルを37.7部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0045】
実施例12
エポミンSP−200を60部、デナコールEX−614を6.3部、イソプロピルアルコールを364.7部、酢酸エチルを77.3部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0046】
実施例13
エポミンSP−018を60部、デナコールEX−614を6.3部、イソプロピルアルコールを364.7部、酢酸エチルを77.3部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0047】
比較例1
エポミンSP−200を20部、市販ソルビトールポリグリシジルエーテル(製品名「デナコールEX−622」、ナガセケムテックス(株)製、エポキシ基含有量5.0mmol/g、水に不溶(水溶率20%未満))を5.3部、イソプロピルアルコールを129部、酢酸エチルを39.6部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0048】
比較例2
エポミンSP−018を20部、デナコールEX−622を5.3部、イソプロピルアルコールを129部、酢酸エチルを39.6部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0049】
比較例3
エポミンSP−200を20部、イソプロピルアルコールを66.7部、酢酸エチルを66.7部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0050】
比較例4
エポミンSP−018を20部、イソプロピルアルコールを66.7部、酢酸エチルを66.7部、ビーカー中で良く混合し、固形分濃度が15重量%のコーティング剤を調製した。
【0051】
【表1】

【0052】
IPA:イソプロピルアルコール
EAc:酢酸エチル
【0053】
<無機薄膜付プラスチックフィルムの作製および評価>
市販PETフィルム(製品名「E5100」、東洋紡績(株)製、38μm厚)に、実施例1のアンダーコート剤を、バーコーターを用いて乾燥膜厚が1μとなるように塗工した。次いで、塗工フィルムを循風乾燥機にて乾燥(150℃、60秒間)させた。
【0054】
次に、前記乾燥フィルムを市販の蒸着装置(製品名「NS−1875−Z」、西山製作所(株)製、無機薄膜種としてアルミを使用)を用い、蒸着層の厚みが50nmであるアルミニウム蒸着フィルムを得た。これを実施例1の試験フィルムとして用いた。他の実施例及び比較例に係るアンダーコート剤についても同様にして試験フィルムを作製した。
【0055】
(平滑性)
実施例および比較例の各アルミニウム蒸着フィルムについて、蒸着面の外観を以下の規準で目視評価した。結果を表2に示す。
○…光沢に優れる
△…やや光沢に劣る
×…光沢がかなり乏しい
【0056】
(密着性)
実施例および比較例の各アルミニウム蒸着フィルムについて、蒸着面に粘着テープ(製品名「セロテープ」、ニチバン(株)製)を貼り付け、これを垂直方向に勢い良く引き剥がした際の結果を表2に示す。
○・・・蒸着面が剥がれなかった
×・・・蒸着面が剥がれた
【0057】
実施例および比較例の各アルミニウム蒸着フィルムを、循風乾燥機にて150℃で1時間加熱し、蒸着面の白化現象と干渉縞の程度を、以下の基準で目視評価した。
【0058】
(耐白化性)
5…白化が生じていない
4〜1…白化が生じている。数字が小さくなるほどその程度が大きい。
(耐干渉縞性)
5…干渉縞が生じていない
4〜1…干渉縞が生じている。数字が小さくなるほどその程度が大きい。
【0059】
(耐クラック性)
市販アクリルパネル(製品名「コモグラス」、(株)クラレ製、5cm×5cm×1mm)に、実施例1で得られたアンダーコート剤を、乾燥膜厚が1μとなるようバーコーターにて塗工し、順風乾燥機において、150℃で60秒間、乾燥させた。次いで、前記蒸着装置を用い、当該テストパネルのアンダーコート面に、蒸着層の厚みが50nmとなるようにアルミニウムを蒸着させたることにより、耐クラック性および耐干渉縞試験用のテストパネルを作製した。他の実施例及び比較例に係るアンダーコート剤についても同様にしてテストパネルを作製した。
【0060】
また、当該テストパネルの屈曲器具として、アルミニウム板(15cm×5cm×1mm)を真中で60°に折り曲げたものを用意した。
【0061】
次に、順風乾燥機(250℃)において加熱した当該屈曲器具の折り曲げ辺上に、前記テストパネルをアクリルパネル側から約3秒間押し付けた後、約80°に折り曲げた。折り曲げ部位におけるアルミ蒸着層の状態について、加工部の割れ・剥がれ、および、干渉縞のそれぞれにおいて、以下の基準により目視評価した。
【0062】
(耐クラック性)
6…割れや剥がれが生じていない。
5〜1…割れや剥がれが生じている。数値が小さくなるほど程度が大きい。
(耐干渉縞性)
5…干渉縞が生じていない。
4〜1…干渉縞が生じている。数値が小さくなるほど程度が大きい。
【0063】
なお、厚手のアクリルパネルを使用することにより、パネルの曲げ方向にアンダーコート面(層)が過度に引き伸ばされる。その結果、アルミニウム蒸着面にクラックがより生じ易い状況となる。こうした過酷な試験条件は、インモールド射出成形の実機を意図したものである。
【0064】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンイミン(A)、水溶性ポリエポキシ化合物(B)、および有機溶剤(C)を含有する無機薄膜付プラスチック用アンダーコート剤。
【請求項2】
(A)の数平均分子量が300〜100000である、請求項1のアンダーコート剤。
【請求項3】
(A)成分のアミノ基含有量が5〜35mmol/gである、請求項1または2のアンダーコート剤。
【請求項4】
(B)成分の水溶率が30%以上である、請求項1〜3のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項5】
(B)成分のエポキシ基含有量が1〜12.5mmol/gである、請求項1〜4のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項6】
(A)成分のアミノ基含有量(mmol/g)/(B)成分のエポキシ基含有量(mmol/g)が4/1〜1/3である、請求項1〜5のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項7】
(C)成分が、エステル系有機溶剤および/または炭素数1〜4程度のアルコール系有機溶剤である、請求項1〜6のいずれかのアンダーコート剤。
【請求項8】
プラスチックフィルム、請求項1〜6のいずれかのアンダーコート剤からなる層、および無機薄膜からなる層を有する無機薄膜付プラスチックフィルム。
【請求項9】
無機薄膜層がアルミニウム層である、請求項8の無機薄膜付プラスチックフィルム。
【請求項10】
請求項8または9の無機薄膜付プラスチックフィルムを部材とするインモールド成型用加飾フィルム。
【請求項11】
請求項8または9の無機薄膜付プラスチックフィルムを部材とするインサート成型用加飾フィルム。



【公開番号】特開2011−208036(P2011−208036A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77626(P2010−77626)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000168414)荒川化学工業株式会社 (301)
【Fターム(参考)】