説明

無機質成形体の製造方法、及び無機質成形体

【課題】無機成形材料を用いた無機質成形体の製造方法であって、簡易な設備と生産条件で、欠損や空隙などの成形不良や凍害などが生じにくい無機質成形体を安定して供給することができ、さらには、立体的で複雑な形状の、表面に細かな模様を施した無機質成形体の製造を可能にする、経済性にも優れた無機質成形体の製造方法の提供。
【解決手段】少なくとも、粉体状の無機成形材料に水を添加して、平均粒径0.5〜25mmの造粒物を生成する工程と、該造粒物を成形型内に充填してプレス成形する工程と、を有することを特徴とする無機質成形体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機質成形体の製造方法、及び、該製造方法によって製造された無機質成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
外壁材、瓦又は内装タイルなど様々な用途に使用されている無機質成形体は、大きく分けて2種類に分類される。一つは、セメントなどの水硬性材料を基本原料とするものであり、主に外壁材やセメント瓦などの用途に使用されている。もう一つは、粘土鉱物を基本原料とするものであり、主に粘土瓦や内装タイルなどの用途に使用されている。そして、これらの無機質成形体の製造方法としては、従来から、以下の方法が用いられている。
【0003】
水硬性材料を基本原料とする無機質成形体の製造方法としては、例えば、水硬性材料を含むスラリーを成形型内に充填して脱水しながらプレス成形した後、養生硬化する脱水プレス法や、湿式混合した水硬性材料を押出成形した後、養生硬化する押出法などの湿式法が用いられている。一方、粘土鉱物を基本原料とする無機質成形体の製造方法としては、例えば、粉体状にした粘土鉱物を成形型内に充填してプレス成形し、乾燥した後、焼成固化する乾式法が用いられている。また、上述の押出法のように、湿式混合した粘土鉱物を押出成形し、乾燥した後、焼成固化する方法なども用いられている。
【0004】
しかしながら、これらに代表される従来の無機質成形体の製造方法は、それぞれ、以下の様々な課題を有していた。例えば、脱水プレス法は、立体的で複雑な形状の無機質成形体が得られる優れた方法であるが、過剰な水分を脱水しながらプレス成形する方法であるため、プレス時間が長くかかり生産性が悪く、経済性に劣るという問題があった。また、多量の水分を必要とするため、プレス成形したとしても成形後に余剰水分が残る。このため、余剰水分が乾燥してできる空隙を抑制したり、成形体の強度や凍害に影響する空隙の連通を防止したりするためには、高い圧力でプレスする必要があった。また、脱水した水分を排水処理するための設備が必要となる。さらには、成形後の余剰水分の量によっては、余剰水分の乾燥により成形体の表面形状は変化しやすく、細かな模様が崩れてしまったり、寸法変化やクラックが生じたりするなどの問題を生じる場合もある。
【0005】
一方、押出法は、生産性に優れた方法であるが、成形体を、幅方向全体において、均一の圧力で、均一の厚さに押し出さないとクラックが生じやすかったり、均一の厚さに押し出すために原材料の成分が制限されたりするなど、技術的に難しい問題を有していた。また、押出機の形状が複雑で掃除が困難であり、押し出しによる発熱を抑えるための冷却設備を必要とし、ランニングコストがかかるという問題がある。さらには、成形の初期段階においては、製品が安定せず歩留りが悪く、また、不良品を原料として再利用する場合にも、大掛かりな設備を必要とした。
【0006】
また、乾式法は簡便な方法であるが、原材料が粉体状であることから流動性がなく、粉体同士が十分に結合せずに、欠損や空隙などの成形不良が生じやすいという問題があった。また、得られる成形体は、粉体同士の結着力に欠け、十分な強度を有することができず、また、成形体の隙間から水が浸入して凍害などの被害を受けやすいという問題もあり、使用条件の厳しい屋外環境などで使用する製品の製造に不向きであった。これに対しては、高圧プレスで粉体同士の結着力を高める方法もあるが、設備が大掛かりとなるばかりか、生産性に劣るという問題があった。さらに、乾式法においては、原材料の流動性不足が原因で、立体的で複雑な形状をした無機質成形体を製造するのが難しいという問題があった。
【0007】
さらに、上述した脱水プレス法における課題に対して、特許文献1には、含水率3〜20質量%のセメント材料を成形型内に充填してプレス成形する方法が提案されている。この方法は、セメント材料中の含水率を抑えることで、脱水プレス法における生産性が十分でない問題や排水設備を必要とするなどの問題を解決するものである。しかしながら、この方法を用いた場合、セメント材料の流動性が不足し、成形性が脱水プレス法と比べて劣り、必ずしも十分に満足いく方法ではなかった。
【0008】
【特許文献1】特開平11−165307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、水硬性材料又は粘土鉱物を基本原料とする無機質成形体の製造方法であって、簡易な設備と生産条件で、欠損や空隙などの成形不良や凍害などが生じにくい無機質成形体を安定して供給することができ、さらには、立体的で複雑な形状の、表面に細かな模様が施された無機質成形体の製造を可能にする、経済性にも優れた無機質成形体の製造方法、及び該製造方法により製造された無機質成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記に挙げた課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明は、少なくとも、粉体状の無機成形材料に水を添加して平均粒径0.5〜25mmの造粒物を生成する工程と、該造粒物を成形型内に充填してプレス成形する工程と、を有することを特徴とする無機質成形体の製造方法である。そして、本発明の第一の実施形態は、少なくとも、水硬性材料及び可塑性原料を含有する成形材料に水を添加して、平均粒径0.5〜25mmの造粒物を生成する工程と、該造粒物を成形型内に充填してプレス成形する工程と、得られたプレス成形体を養生硬化させる工程とを有することを特徴とする無機質成形体の製造方法である。
【0011】
また、本発明の第一の実施形態において、前記可塑性原料が粘土鉱物であり、該粘土鉱物の前記成形材料中における含有量が1〜40質量%の範囲内である形態とすることもできるし、前記可塑性原料がメチルセルロース、ポリビニルアルコール又はでんぷん系糊剤であり、これらの前記成形材料中における含有量が、それぞれ、0.1〜10質量%の範囲内である形態とすることもできる。
【0012】
また、本発明の第一の実施形態において、前記成形材料中に、さらに、長さ1〜20mmの有機繊維を配合させることが好ましく、また、前記成形材料中に、さらに、水ガラスを配合させることが好ましく、また、前記成形材料中に、さらに、有機系樹脂を配合させることが好ましく、また、前記成形材料中に、10〜70質量%の無機多孔質材料が配合されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明の第二の実施形態は、少なくとも、粘土鉱物を含有する成形材料に水を添加して、平均粒径0.5〜25mmの造粒物を生成する工程と、該造粒物を成形型内に充填してプレス成形する工程と、得られたプレス成形体を乾燥させた後に焼成固化させる工程とを有することを特徴とする無機質成形体の製造方法である。
【0014】
また、本発明の第二の実施形態において、前記成形材料中に、10〜90質量%の無機多孔質材料が配合されていることが好ましい。また、本発明の第一又は第二の実施形態において、前記造粒物の含水率が、10〜40質量%の範囲内であることが好ましく、前記造粒物が、実質的に均一な粒径を有することが好ましく、また、前記造粒物が、その平均粒径の±50%の粒径を有するものを全体数の80%以上含有した粒度分布を有することが好ましい。
【0015】
また、本発明の別の実施形態は、本発明の無機質成形体の製造方法によって製造されたことを特徴とする無機質成形体である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の無機質成形体の製造方法は、脱水プレス法に比べて、少量の水の添加で、原材料に流動性を付与でき、良好な成形性を得ることができる。水分量が少ないため、余剰水分量を低減でき、これによって生じる問題が解決される。すなわち、本発明によれば、水硬性材料又は粘土鉱物を基本原料とする無機質成形体の製造方法であって、簡易な設備と生産条件で、欠損や空隙などの成形不良や凍害が生じにくい無機質成形体を安定して供給することができ、さらには、立体的で複雑な形状の、表面に細かな模様が施された無機質成形体の製造を可能にする、経済性にも優れた無機質成形体の製造方法、及び製造方法により製造された無機質成形体を提供することができる。また、本発明の無機質成形体の製造方法は、成形材料中に、多量の水分を保持できる機能性材料である無機多孔質材料を配合させたとしても、プレス成形後の残留水分を必要最小限とすることができ、良好な成形体が得られるため、上記に加えて調湿性などの機能性に優れる無機質成形体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明の無機質成形体の製造方法の第一の実施形態は、少なくとも、水硬性材料及び可塑性原料を含有する無機成形材料に水を添加して、平均粒径0.5〜25mmの造粒物を生成する工程と、該造粒物を成形型内に充填してプレス成形する工程と、得られたプレス成形体を養生硬化させる工程とを有することを特徴としている。
【0018】
また、本発明の無機質成形体の製造方法の第二の実施形態は、少なくとも、粘土鉱物を含有する無機成形材料に水を添加して、平均粒径0.5〜25mmの造粒物を生成する工程と、該造粒物を成形型内に充填してプレス成形する工程と、得られたプレス成形体を乾燥させた後に焼成固化させる工程とを有することを特徴としている。
【0019】
すなわち、本発明の無機質成形体の製造方法の特徴は、上述したように、粉体状の無機成形材料(以下「無機成形材料」を単に「成形材料」という場合がある。)に水を添加して、平均粒径0.5〜25mmの造粒物とする工程と、該造粒物を成形型内に充填してプレス成形する工程とを少なくとも有する点にある。本発明者らの検討によると、当該方法を用いることで、従来の方法にない以下の優れた効果が得られることが分かった。つまり、本発明の無機質成形体の製造方法は、脱水プレス法のように、生産性が不十分であったり、排水設備が必要となるなどの問題が生じることがなく、また、表面に細かな模様を付した無機質成形体を得ることが可能である。また、押出法のように、細かな生産条件を設定する必要がなく、冷却設備などの大掛かりな設備も必要としない。さらに、成形の初期段階における不良品が多量に発生することもない。
【0020】
さらに、特許文献1に記載された方法や乾式法で課題であった、欠損や空隙などの成形不良や、凍害などの問題が生じ難く、また、これらの方法と異なり、筒型や容器型、深堀り模様といった立体的で複雑な形状をした無機質成形体を安定して得ることができる。
【0021】
本発明者らは、本発明の無機質成形体の製造方法が、上述した課題を解決できる理由として、以下のように考えている。すなわち、本発明の無機質成形体の製造方法は、成形材料を造粒物とした後、これを成形型内にそのまま充填してプレス成形する方法であるため、使用する水を必要最小限に抑えることができる。このため、脱水プレス法のように過剰な水分を用いることがなく、過剰な水分の使用で生じる上述した問題を有効に改善できる。また、本発明における造粒物は、平均粒径が0.5〜25mmの範囲内に調整されたものであることから、造粒物の転がり性により良好な流動性を確保することができ、乾式法や特許文献1に記載された方法のように、原材料の流動性不足から生じる問題も解決することができる。また、本発明は、プレス成形する方法であるため、押出法のように、冷却設備や、細かな成形条件の設定も必要とせず、また、初期段階における不良品の多量発生を防止できる。
【0022】
本発明において、成形材料を造粒物とする方法は、特に制限はないが、例えば、パン型造粒機や押出造粒機などの造粒機を用いた方法を挙げることができる。これらの造粒機を用いて造粒させる場合、成形材料は混合させてから、若しくは、混合しながら行うことが好ましい。また、使用する水は、成形材料を混合した後、又は混合しながら添加することができる。また、本発明において、成形材料の混合と造粒のどちらも行い得る逆流式高速撹拌造粒機、又は、混合造粒機などを用いることが好ましい。例えば、日本アイリッヒ社製の商品名「インテンシブミキサーR02」や三井鉱山社製の商品名「粒王TM25B」などを用いることができる。また、本発明の無機質成形体の製造方法は、予め、成形材料を粉砕しておくこともできる。例えば、粉砕機を用いて成形材料を粉砕することができる。粉砕機としては、例えば、ジョークラッシャー又はロールクラッシャーなどの粗粉砕機、振動ミルなどの微粉砕機、高速回転ミル(デシンダー)、ハンマーミル、インペラー又はフレットミルなどの中粒粉砕機などを用いることができる。
【0023】
また、本発明における造粒物の平均粒径は、0.5〜25mmの範囲内であることが必要である。造粒物の平均粒径が、0.5mm未満の場合は、成形材料の流動性が不足する場合がある。つまり、無機質成形体を立体的で複雑な形状に成形できない場合や、強度が不十分となる場合がある。一方、25mmを超える場合は、粒間に隙間が生じ易く空隙などの成形不良や凍害の原因となる場合がある。造粒物のより好ましい平均粒径は、2.5〜20mmの範囲内である。造粒物の最も好ましい平均粒径は、10〜20mmの範囲内であり、この場合、強度、意匠性又は耐クラック性などの特性がバランス良く優れた無機質成形体を得ることができる。
【0024】
また、本発明において、造粒物は、実質的に均一な粒径であることが好ましい。より具体的には、この造粒物が、その平均粒径の±50%以内の粒径を有するものを全体数の80%以上含有した粒度分布を有することが好ましい。このように均一な粒径とすることで、成形型へ充填する造粒物の充填量をほぼ一定にすることが可能となる。つまり、充填量が一定となることで、毎回、同じ成形条件で同じ製品をより安定的に供給できるようになる。このような均一な粒径の造粒物を得る方法としては、特に制限はないが、例えば、押出機で成形材料を混練しながら押出成形し、均一な大きさにカットした後、さらに転動造粒することで得ることができる。また、上述した、日本アイリッヒ社製の商品名「インテンシブミキサーR02」を用いて行うことも可能である。さらに、本発明において、造粒物はほぼ球形状であることが好ましく、この場合、成形材料の流動性をより向上させることができる。
【0025】
また、本発明において、造粒物の含水率は、10〜40質量%の範囲内であることが好ましい。造粒物の含水率が10質量%未満の場合は、成形材料の粒子間の結着に問題が生じる場合があり、造粒物が安定した状態を保つことができない場合がある。一方、40質量%を超える場合は、浮き水や、成形体端部にバリが生じやすくなる場合があり、また、成形型へ造粒物が付着したり、成形型からの離型が困難になったりする場合がある。また、水硬性材料を基本原料とする第一の実施形態の無機質成形体の製造方法においては、造粒物の含水率を上記範囲にすることで、水和反応をより確実に促進させることができ、短い時間で適度な強度を有する無機質成形体の製造が可能となる。より好ましい造粒物の含水率の範囲は、20〜30質量%の範囲内である。
【0026】
また、本発明において、造粒物を成形型内に充填してプレス成形する方法は、特に制限はなく、従来公知の成形型及びプレス成形方法などを使用することができる。例えば、下金型と上金型とからなる成形型の間に充填した造粒物を、上下方向から圧力を付加する方法などを用いることができる。この際、付加する圧力も特に制限はなく、造粒物の流動性により適宜変更できる。例えば、60〜400kg/cm2の範囲内の圧力とすることができる。また、成形型面に凹凸形状を設けるなどして、無機質成形体に模様を施してもよい。
【0027】
また、本発明の第一の実施形態において、プレス成形により得られたプレス成形体を養生硬化させる方法は、特に制限はなく、通常の水硬性材料を用いた無機質成形体と同様の方法を用いることができる。例えば、常温環境下に放置することで養生硬化させることもできるし、生産性を向上させたい場合は、蒸気養生やオートクレーブ養生などを行うこともできる。また、成形材料中に水ガラスを配合されている場合などは、炭酸ガス硬化養生を行うこともできる。勿論、これ以外の方法を用いてもよい。蒸気養生は、例えば、温度40〜90℃の、水蒸気が満たされた環境下に、10〜100時間保持するなどして行うことができる。また、オートクレーブ養生は、例えば、温度150〜200℃のオートクレーブ中に、7〜15時間保持するなどして行うことができる。
【0028】
本発明の第二の実施形態において、プレス成形により得られたプレス成形体を乾燥させる方法や、乾燥させたプレス成形体を焼成固化させる方法は、特に制限はなく、通常の粘土鉱物を基本原料とする無機質成形体と同様の方法を用いることができる。乾燥させる方法としては、例えば、天日乾燥や、乾燥機などで強制乾燥する方法などを挙げることができる。また、焼成固化させる方法としては、例えば、土窯、鉄板窯、トンネル窯、シャットルキルン、電気炉又はローラーハースキルンなどの焼成炉を用いる方法などが挙げられる。焼成温度や時間も、特に制限はなく、例えば、1,000〜1,200℃で24時間焼成するなどできる。但し、成形材料中に無機多孔質材料を配合させる場合は、無機多孔質材料の微細孔が減少するのを防止するため、焼成温度を650〜1,000℃の範囲内とすることが好ましい。
【0029】
以下、本発明において、使用する成形材料について説明する。
本発明の第一の実施形態において、水硬性材料としては、例えば、ポルトランドセメント、フライアッシュセメント又はスラグセメントなどのセメント系材料又は石膏などを用いることができる。また、水硬性材料の含有量は、成形材料中に10〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
【0030】
本発明の第一の実施形態において、可塑性原料としては、ミラクレー、セピオライト、ゼオライト、バーミキュライト、水簸粘土、木節粘土、蛙目粘土、酸性白土、赤松粘土、ベントナイト若しくは活性白土などの粘土鉱物、メチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、又は、でんぷん系糊剤などを挙げることができ、これらは単独でも混合物としても用いることができる。可塑性原料は、成形材料を造粒化させたり、成形時の流動性を確保したり、さらには、緻密な成形体を得るために有効である。また、その含有量は、使用する原料の種類により、流動性や保水性などの性能が異なってくるため、適宜、調整することが好ましい。例えば、可塑性原料として、粘土鉱物を単独で用いる場合は、成形材料中の含有量が1〜40質量%の範囲内であることが好ましい。さらには、可塑性原料としてベントナイトを単独で用いる場合はその含有量を1〜10質量%の範囲内、ミラクレーを単独で用いる場合はその含有量を1〜30質量%の範囲内、水簸粘土、木節粘土又は蛙目粘土などの標準的な粘土鉱物を単独で用いる場合はその含有量を5〜40の範囲内とすることがより好ましい。また、可塑性原料として、メチルセルロース、ポリビニルアルコール又はでんぷん系糊剤を単独で用いる場合は、成形材料中の含有量が、それぞれ、0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。また、可塑性原料を2種類以上用いる場合には、その含有量は適宜調整される。
【0031】
この第一の実施形態における成形材料は、上述した成形材料以外にも、珪石、珪灰石粉、クリンカーアッシュ、消石灰、漆、シリカ、パーライト、バーミキュライトなどの骨材、着色剤、紫外線吸収剤、ビーズ法発泡スチロール(EPS)などの断熱発泡剤又は分散剤などの種々の添加剤を含有していてもよい。
【0032】
また、本発明の第一の実施形態は、成形材料中に、さらに、長さ1〜20mmの有機繊維を配合させることが好ましい。これにより、成形性や得られる無機質成形体の強度を向上させることができる。この有機繊維としては、例えば、パルプ、ビニロン繊維又はポリプロピレン繊維(PP繊維)などを用いることができる。これらの有機繊維の配合量は、成形材料100質量部に対して、0.2〜1.0質量部の範囲内であることが好ましい。
【0033】
また、本発明の第一の実施形態は、成形材料中に、さらに、水ガラスを配合させることが好ましい。水ガラスの配合量は、成形材料100質量部に対して、固形分換算で0.5〜20質量部の範囲内であることが好ましい。これにより、成形材料間の付着安定性を確保でき、より安定した造粒物の作製が可能となる。また、プレス成形された水硬性材料の硬化反応を促進する効果も有する。さらには、得られる無機質成形体の強度を補強する効果も得られ、また、成形材料中に珪質頁岩や珪藻泥岩を配合させた場合は、吸着性能が必ずしも十分でない酸性ガス(硫化水素など)の吸着性を向上させることができる。また、これらをアルカリ改質することで、幅広いガス(酸性ガス、塩基性ガスなど)に対する吸着性能をより向上させる効果が得られる。水ガラスの具体例としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム又は珪酸リチウムを主成分とした水溶液などが挙げられる。
【0034】
また、本発明の第一の実施形態は、成形材料中に、さらに、有機系樹脂を配合させることが好ましい。有機系樹脂の配合量は、成形材料100質量部に対して、0.5〜15質量部の範囲内であることが好ましい。これにより、得られる無機質成形体の防水性や柔軟性を向上させることができるため、凍害やクラックが発生するのをより確実に防止することが可能となる。有機系樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂又はアクリル樹脂などの合成樹脂や、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)などの合成ゴムを用いることができる。これらの有機系樹脂は、吸水率の低いものが好ましい。なお、防水性や柔軟性を向上させた無機質成形体は、屋外環境に使用する製品として有効に用いることができる。
【0035】
また、本発明の第二の実施形態において、粘土鉱物としては、特に制限はなく、無機質成形体の用途により適宜変更できる。上述した、ベントナイト、ミラクレー、水簸粘土、木節粘土又は蛙目粘土などを用いることもできる。また、成形材料中の粘土鉱物の含有量は、特に制限はなく、100質量%でもよいし、他の成形材料と混合して用いることもできる。他の成形材料と混合して用いる場合、例えば、後述の無機多孔質材料と混同して用いる場合は、上記粘土鉱物の含有量を5〜90質量%の範囲内とすることができる。また、本発明の第二の実施形態において、粘土鉱物以外にも、種々の添加材を成形材料として配合することができる。
【0036】
また、本発明において、成形材料中に無機多孔質材料を配合させることができる。これにより、無機多孔質材料が有する調湿性やガス吸着性といった優れた性質を持った無機質成形体を得ることが可能となる。従来、これらの無機多孔質材料を含む成形材料を脱水プレス法や押出法などの湿式法で成形した場合、無機多孔質材料の優れた調湿性から、得られるプレス成形体は非常に多量の水分を有したままとなり、その後の乾燥工程などで、表面にクラックが生じたり、寸法変化や模様が崩れたりする問題が多々あった。また、押出法においては、無機多孔質材料の有する調湿性が原因となり、均一の無機質成形体を安定して得ることが難しい問題があった。しかし、本発明の無機質成形体の製造方法は、造粒させるために必要な水量しか使用しないことから、無機多孔質材料を成形材料中に含有させて成形したとしても、成形体中に過剰な水分が残留することがなく、上述した問題を有効に防止することができる。これらの無機多孔質材料としては、例えば、珪質頁岩、珪藻泥岩、アロフェン、イモゴライト、セピオライト、活性白土又はシリカゲルなどを挙げることができる。この中でも、優れた調湿性やガス吸着性をバランスよく発揮し、建材用途に適した材料である珪質頁岩を用いることが好ましい。本発明の第一の実施形態においては、成形材料中の無機多孔質材料の配合量は、10〜70質量%、さらには20〜50質量%の範囲内であることが好ましい。また、本発明の第二の実施形態においては、成形材料中の無機多孔質材料の配合量は、10〜90質量%、さらには、30〜60質量%の範囲内であることが好ましい。
【0037】
本発明の無機質成形体の製造方法は、上述した以外の工程を有していてもよい。例えば、成形材料を予め粉砕する工程や、養生硬化させた無機質成形体又は焼成固化した無機質成形体に塗装する工程などを有していてもよい。
【実施例】
【0038】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。なお、以下の記載で「%」や「部」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
【0039】
<水硬性材料を基本原料とする無機質成形体の作製>
(造粒物の作製)
表1の成分1〜9、11、12、14〜20に示す組成にて各成分を、それぞれ、逆流式高速撹拌造粒機(日本アイリッヒ(株)社、商品名:インテンシブミキサーR02)に投入して、混合するとともに、さらに、水を添加して造粒物1〜9、11、12、14〜20を作製した。これらの造粒物の平均粒径及び含水率は、表1−1〜1−5に示すとおりである。また、表1−3の成分13及び表1−5の成分21に示す組成にて、それぞれ、水を添加しながら混合することで、粉体物13、21を得た。得られた粉体物13、21の含水率は、それぞれ、表1−3、表1−5に示すとおりである。また、表1−2の10に示す組成にて各成分を、一般的なドラムミキサーに投入して、混合するとともに、さらに、水を添加して造粒物10を作製した。得られた造粒物10の平均粒径及び含水率は、表1−2に示すとおりである。なお、得られた造粒物1〜9、11、12、14〜20は、それぞれ、平均粒径の±50%以内の粒径のものが、造粒物の全体数の80%以上を占める粒度分布を示すものであった。一方、造粒物10は、造粒物4と同じ成分組成、同じ平均粒径でありながら、その粒度分布はブロードであり、造粒物の平均粒径が±50%以内の粒径のものは、造粒物の全体数の50%程度であった。また、上記の造粒物や粉体物の作製に用いた成形材料は、予め、粉砕機で平均粒径0.5mm未満に粉体化したものである。
【0040】

【0041】

【0042】

【0043】

【0044】

【0045】
(無機質成形体の作製)
得られた造粒物1〜12、14〜20を、それぞれ、幅300×300mmの成形型枠内に充填し、150kg/cm2の圧力でプレス成形したところ、幅300×300mm、厚さ10mmの板状をなすプレス成形体1〜12、14〜20が得られた。なお、成形時間は、約15秒程度であった。さらに、得られたプレス成形体1〜12、14〜20を、それぞれ、湿度95%、温度40℃の条件で8時間の蒸気養生を行い、その後、さらに常温で放置することで養生硬化させ、無機質成形体を作製した。なお、プレス成形体1〜12、14〜20を養生硬化させることで得られた無機質成形体を、それぞれ順に、実施例1〜10、比較例1、2、実施例11〜15、比較例4、5の無機質成形体とした。また、粉体物13、21についても、上記と同様の方法で無機質成形体を作製し、それぞれ、比較例3、6の無機質成形体とした。なお、用いた成形型の上金型面は、深堀り模様と、微細な模様を有した無機質成形体が得られるように加工がされているものである。
【0046】
(試験評価)
1−1.強度試験
得られた実施例1〜15、比較例1〜6の無機質成形体について、それぞれ、所定の大きさに切断して試験片を得た後、JISA1408に準じた方法で、曲げ強度を測定した。以下の評価基準で曲げ強度を評価し、その評価結果を表2に示した。
◎:曲げ強度が240kg/cm2以上
○:曲げ強度が220kg/cm2以上240kg/cm2未満
△:曲げ強度が200kg/cm2以上220kg/cm2未満
×:曲げ強度が200kg/cm2未満
【0047】
2−1.意匠性試験(深堀り模様(立体的成形))
得られた実施例1〜15、比較例1〜6の無機質成形体について、それぞれ、それらの表面に立体的に形成された深堀り模様を目視で観察し、深堀り模様の状態を確認した。以下の評価基準で深堀り模様の状態を評価し、その評価結果を表2に示した。
○:成形型どおりの深堀り模様が形成されていた。
△:一部において成形型どおりの深堀り模様が形成されていなかったが、外観上問題ないレベルであった。
×:多くの箇所において成形型どおりの深堀り模様が形成されていなかった。
【0048】
3−1.意匠性試験(微細な模様(表面模様))
得られた実施例1〜15、比較例1〜6の無機質成形体について、それぞれ、それらの表面に形成された微細な模様を目視で観察し、微細な模様の状態を確認した。以下の評価基準で微細な模様の状態を評価し、その評価結果を表2に示した。
○:成形型どおりの微細な表面模様が形成されていた。
△:一部において成形型どおりの微細な表面模様が形成されていなかったが、外観上問題ないレベルであった。
×:多くの箇所において成形型どおりの微細な表面模様が形成されていなかった。
【0049】
4−1.クラック、成形不良の確認試験
得られた実施例1〜15、比較例1〜6の無機質成形体を、それぞれ、100個ずつ作製して、これらの外観及び切断した内面を目視で観察することで、クラックや成形不良(欠損、空隙など)の発生の有無を確認した。以下の評価基準でクラックや成形不良の発生状態について評価し、評価結果を表2に示した。なお、実施例10の無機質成形体を100個作製する場合において、成形型へ充填する造粒物の充填量は、各無機質成形体の作製で多少バラツキがあったのに対し、実施例1〜9、11〜15の無機質成形体を100個作製する場合は、それぞれにおいて、ほぼ全ての無機質成形体の作製で充填量が一定であり、造粒物は均一な状態に成形型に充填されていた。つまり、実施例1〜9、11〜15の無機質成形体を作製した場合は、造粒物の充填量の微調整を必要とせず、より高い生産性を有していた。
◎:全ての無機質成形体においてクラックや成形不良が生じていない。
○:1個以上5個未満の無機質成形体にクラックや成形不良が見られた。
△:5個以上15個未満の無機質成形体にクラックや成形不良が見られた。
×:15個以上の無機質成形体にクラックや成形不良が見られた。
【0050】
5−1.調湿性試験
実施例1〜15、比較例1〜6の無機質成形体を、それぞれ、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽に入れ48時間保持した後、質量を測定した。次に、これらを、25℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に入れ24時間保持し、再度質量を測定した。測定した質量の質量増加率を算出した。その後、さらに、これらの無機質成形体を、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽に入れ24時間保持して質量を測定し、2回目の質量測定時からの質量減少率を算出した。質量増加率及び質量減少率により、以下の評価基準で調湿性を評価し、その評価結果を表2に示した。
◎:質量増加率及び質量減少率がともに5.0%以上であった。
○:質量増加率及び質量減少率がともに3.5%以上5.0%未満であった。
△:質量増加率及び質量減少率がともに2.0%以上3.5%未満であった。
×:質量増加率及び質量減少率がともに2.0%未満であった。
【0051】
6−1.総合評価
強度試験、意匠性試験(深堀り模様、微細な模様)、クラック・成形不良の確認試験の評価結果から以下の基準で総合評価を行い、その評価結果を表2に示した。なお、調湿性試験の評価結果は総合評価の評価基準に含まれない。
○:全ての評価結果が「◎」又は「○」であった。
△:少なくとも1つの評価結果が「△」であった。
×:少なくとも1つの評価結果が「×」であった。
【0052】

【0053】
なお、クラック・成形不良の評価試験においては、発生した問題の多くが、成形不良によるものであった。
【0054】
以上の評価結果から、実施例の無機質成形体はいずれも十分な強度を有しており、本発明は簡易な設備で実用レベルの強度を有した無機質成形体が得られる方法であることが確認された。また、以上の評価結果から、本発明により得られる無機質成形体は、立体的で複雑な形状の、表面に細かな模様が施されたものであり、成形不良やクラックが生じにくいものであることが確認された。
【0055】
<粘土鉱物を基本原料とする無機質成形体の作製>
(造粒物の作製)
表3に示す組成の成形材料22〜30、32、33を用い、それぞれ、成分1における方法と同様の方法で、造粒物22〜30、32、33を作製した。得られた造粒物22〜30、32、33の平均粒径及び含水率は、表3−1〜3−3に示すとおりである。次に、表3−3に示す組成にて成形材料31、34を用い、それぞれ、成分13における方法と同様の方法で、粉体物31、34を作製した。得られた粉体物31、34の含水率は表3−3に示すとおりである。なお、用いた粘土鉱物、珪質頁岩及びベントナイトは、予め、粉砕機で平均粒径0.5mm未満に粉体化したものである。
【0056】

【0057】

【0058】

【0059】
(無機質成形体の作製)
得られた造粒物22〜30、32、33を用い、それぞれ、造粒物1における方法と同様の方法で、プレス成形体22〜30、32、33を作製した。また、粉体物31、34についても、粉体物13における方法と同様の方法で、それぞれ、プレス成形体31、34を作製した。次に、得られたプレス成形体22〜34を、それぞれ、1週間天日乾燥させた後、トンネル式の焼成炉で温度1,100℃の条件で24時間焼成固化させ、無機質成形体を作製した。得られた無機質成形体を、それぞれ順に、実施例16〜23、比較例7〜11の無機質成形体とした。なお、用いた成形型は、実施例1で用いたものと同様のものを使用した。
【0060】
(試験評価)
実施例16〜23、比較例7〜11の無機質成形体について、実施例1と同様にして、強度試験、意匠性試験、クラック・成形不良の確認試験、調湿性試験を行った。得られた評価結果を表4に示す。また、これらの評価結果を基に上述の方法で総合評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0061】

【0062】
なお、クラック・成形不良の評価試験においては、発生した問題の多くが、成形不良によるものであった。また、実施例16〜21、23における、表面模様の意匠性試験の評価結果は、いずれも「○」であったが、実施例16〜19の無機質成形体の方が特に優れた意匠性の表面模様を形成していた。また、実施例16〜19、23における、立体的成形の意匠性試験の評価結果は、いずれも「○」であったが、実施例16〜19の無機質成形体の方が特に優れた意匠性の深堀り模様を形成していた。
【0063】
以上の評価結果から、粘土鉱物を基本原料とした場合にあっても、本発明は、簡易な設備で十分な強度を有し、立体的で細かな模様が鮮明に付され、クラックや成形不良のない無機質成形体が得られることが確認された。また、本発明は、成形材料中に無機多孔質材料を含有させることで調湿性に優れた無機質成形体が得られることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によれば、水硬性材料又は粘土鉱物を基本原料とする無機質成形体の製造方法であって、簡易な設備と生産条件で、欠損や空隙などの成形不良やクラックが生じにくい無機質成形体を安定して供給することができ、さらには、立体的で複雑な形状の、表面に細かな模様を施された無機質成形体の製造を可能にする、経済性に優れた無機質成形体の製造方法を提供することができる。したがって、本発明の無機質成形体の製造方法は、外壁材、内装タイル、瓦又は炊飯釜などのあらゆる無機質成形体を製造する方法として最適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、粉体状の無機成形材料に水を添加して平均粒径0.5〜25mmの造粒物を生成する工程と、該造粒物を成形型内に充填してプレス成形する工程と、を有することを特徴とする無機質成形体の製造方法。
【請求項2】
前記成形材料が水硬性材料及び可塑性原料を含有するものであり、さらに、前記プレス成形体を養生硬化させる工程を有する請求項1に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項3】
前記可塑性原料が粘土鉱物であり、該粘土鉱物の前記成形材料中における含有量が1〜40質量%の範囲内である請求項2に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項4】
前記可塑性原料がメチルセルロース、ポリビニルアルコール又はでんぷん系糊剤であり、これらの前記成形材料中における含有量が、それぞれ、0.1〜10質量%の範囲内である請求項2に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項5】
前記成形材料中に、さらに、長さ1〜20mmの有機繊維を配合させる請求項2〜4のいずれか1項に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項6】
前記成形材料中に、さらに、水ガラスを配合させる請求項2〜5のいずれか1項に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項7】
前記成形材料中に、さらに、有機系樹脂を配合させる請求項2〜6のいずれか1項に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項8】
前記成形材料中に、10〜70質量%の無機多孔質材料が配合されている請求項2〜7のいずれか1項に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項9】
前記成形材料が粘土鉱物を含有するものであり、さらに、前記プレス成形体を乾燥させた後に焼成固化させる工程とを有する請求項1に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項10】
前記成形材料中に、10〜90質量%の無機多孔質材料が配合されている請求項9に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項11】
前記造粒物の含水率が、10〜40質量%の範囲内である請求項1〜10のいずれか1項に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項12】
前記造粒物が、実質的に均一な粒径を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項13】
前記造粒物が、その平均粒径の±50%の粒径を有するものを全体数の80%以上含有した粒度分布を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の無機質成形体の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の無機質成形体の製造方法によって製造されたことを特徴とする無機質成形体。

【公開番号】特開2009−166376(P2009−166376A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7678(P2008−7678)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(506106866)株式会社自然素材研究所 (21)
【出願人】(000237053)富士スレート株式会社 (10)
【Fターム(参考)】