説明

無段変速機用潤滑油組成物

【課題】 プッシュベルト式CVT油に要求される高い金属間摩擦係数と、ベルト及びプーリーに対する優れた摩耗防止性を両立する無段変速機用潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】 鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基油に、(A)酸性リン酸エステル、(B)チオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類の少なくとも一種、及び(C)ポリアミン化合物を配合してなる無段変速機用潤滑油組成物、又は、さらに(D)オレフィンコポリマーを配合することを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物を提供した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無段変速機用潤滑油組成物に関し、詳しくは、プッシュベルト式無断変速機に用いられる潤滑油組成物に関する。特に、プッシュベルト式無段変速機において、金属間摩擦係数が高く、かつ摩耗防止性能に優れる潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プッシュベルト式無段変速機(以下、ベルト式CVTということもある)は、自動車の燃費向上とドライバビリティの向上に有効であることから、近年急速に販売台数が増えている。しかし、ベルト式CVTは、大きな伝達トルク容量を得ることが難しいため、従来は、排気量1600cc以下の小型車にしか搭載できなかった。伝達トルク容量の向上は、ベルト式CVTにとって重要な課題である。
【0003】
ベルト式CVTでは、ベルトエレメントとプーリー間の摩擦力によりトルクが伝達される。そのため伝達トルク容量は、ベルトエレメントとプーリーの金属間摩擦係数とプーリーの押付け力によって決定される。この金属間摩擦係数は、潤滑油の性能によっても左右され、金属間摩擦係数が不足すると、ベルトとプーリー間にすべりを生じたり、ベルトが破断するという不具合を生じる恐れがある。
一方、ベルト式CVTの発進機構には、従来、電磁クラッチが使用されていたが、大排気量化による伝達トルクの増大に対する対応と、運転性向上のため、湿式クラッチやロックアップクラッチ付きのトルクコンバーターが使用されるようになってきている。これらの湿式クラッチ、トルクコンバーター及びCVTには共通の潤滑油を使用しているため、無段変速機用潤滑油(CVT油)は、これら湿式クラッチやトルクコンバーターとの適合性も重要になってきている。
【0004】
こうした中で従来CVT油には、自動変速機油(以下、ATFということもある。)を流用することが多かった。これは、従来の小排気量の車では伝達トルクが小さく、要求される金属間摩擦係数のレベルがあまり高くないため、ATFの中で比較的金属間摩擦係数の高いものを選択すれば性能を満足することができたからである。ATFを流用することの利点としては、湿式摩擦材との適合性や他の材料との適合性に実績があることが挙げられる。しかし、ベルト式CVTが大排気量の車に搭載されるようになると、必要とされる金属間摩擦係数のレベルが高くなって、ATFの流用では、性能を満足することができないため、CVT専用油が必要になってきている。
【0005】
更に、ベルト式CVTで、エンジン出力を効率よく伝達するためには、ベルトとプーリー間のすべりをより防止する必要があるが、すべりを防止するためベルトを挟み込む圧力を高めると、摩耗しやすくなる。このため、装置面の改良だけでなく、潤滑油に対しても、ベルトとプーリー間のすべりを防止し、かつベルト及びプーリーの摩耗を防止するものが要求されるようになった。
【0006】
従来、無段変速機用潤滑油には、例えば、特許文献1では、摩耗防止剤、金属清浄剤及びカルボキシル基を有する摩擦調整剤を配合した潤滑油組成物、特許文献2では、硫黄系極圧剤、りん系極圧剤及び金属系清浄剤を配合した無段変速機用組成物、特許文献3では、無灰分散剤、硫黄系極圧剤及びりん系極圧剤を配合した無段変速機用潤滑油組成物、特許文献4では、全塩基価が特定範囲のCaスルホネート及び亜リン酸エステル類等を配合したベルト式CVT自動変速機用潤滑油組成物、特許文献5では、特定範囲の摩擦係数を有し、金属清浄剤やジアルキルジチオリン酸亜鉛を配合したベルト式無段変速装置用潤滑油組成物、及び特許文献6では、ポリメタクリレート等、イミド化合物及びアルキルジチオリン酸亜鉛を配合した無段変速機油組成物などが提案されている。しかし、これらの提案にも拘わらず、未だ充分な、高レベルの金属間摩擦係数と、ベルト及びプーリーに対する優れた摩耗防止性を満足するものは無かった。特に、ベルト式無段変速機用潤滑油(CVT油)には、高い金属間摩擦係数が要求されるため、金属清浄剤が配合されるが、金属清浄剤の中には、その配合量によっては摩耗防止性を損なうものがあり、一方、摩耗防止性を向上させるために配合する摩耗防止剤は、金属清浄剤との相互作用により、配合量が少なすぎると摩耗防止性が不十分であり、配合量が多すぎると金属間摩擦係数が低下するなどの問題があった。
【特許文献1】特開平2−175794号公報
【特許文献2】特開平9−100487号公報
【特許文献3】特開平10−8081号公報
【特許文献4】特開平10−306292号公報
【特許文献5】特開平11−80772号公報
【特許文献6】特開平11−181464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記のような開発状況に鑑み、ベルト式CVT油に要求される高い金属間摩擦係数と、ベルト及びプーリーに対する優れた摩耗防止性を両立する無段変速機用潤滑油組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に対し鋭意研究を重ねた結果、潤滑油基油に、(A)リン酸エステル又は亜リン酸エステル類の少なくとも一種、(B)チオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類の少なくとも一種、及び(C)ポリアミン化合物の少なくとも3種類の添加剤を必須成分として配合することにより、無段変速機用潤滑油として要求される高い金属間摩擦係数と優れた摩耗防止性を両立する無段変速機用潤滑油組成物が得られることを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基油に、(A)酸性リン酸エステル、(B)チオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類の少なくとも一種、及び(C)ポリアミン化合物を配合してなる無段変速機用潤滑油組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、さらに、(D)オレフィンコポリマーを配合することを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、(C)ポリアミン化合物は、次の一般式(9)で示されるポリアミンであることを特徴とする無段変速機用潤滑油組成物が提供される。
【0010】
【化1】

(式中、Aは、NHであり、Rは、アルキレン基であり、Rは、Hであり、nは、2〜20の整数である。)
【0011】
本発明は、上記した如く、潤滑油基油に、少なくとも3種類の特定の化合物を配合した潤滑油組成物に係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(i)無段変速機は、プッシュベルト式無段変速機であることを特徴とする上記の無段変速機用潤滑油組成物。
(ii)(B)チオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類は、短鎖のアルキルチオホスフェート又は短鎖のアルキルチオホスファイト類であることを特徴とする上記の無段変速機用潤滑油組成物。
(iii)(B)チオリン酸エステルは、ビスジチオリン酸エステルであることを特徴とする上記の無段変速機用潤滑油組成物。
(iv)(D)オレフィンコポリマーは、非分散型であることを特徴とする上記の無段変速機用潤滑油組成物。
【発明の効果】
【0012】
本発明の無段変速機用潤滑油組成物、特にプッシュベルト式無段変速機用潤滑油組成物は、潤滑油基油に、特定の3種類の添加剤、すなわち、(A)酸性リン酸エステル、(B)チオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類の少なくとも一種、及び(C)ポリアミン化合物を配合することにより、或いは、さらに(D)オレフィンコポリマーを配合することにより、無段変速機用潤滑油に要求される高い金属間摩擦係数と優れた摩耗防止性が得られるという顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
(1)潤滑油基油
本発明の無段変速機用潤滑油組成物に用いられる基油は、特に限定されるものではなく、一般に潤滑油基油として用いられているものならば何でも使用することができる。すなわち、これらに該当するものとしては、鉱油、合成油、或いはそれらの混合油がある。
本発明で使用する基油は、100℃において、0.5〜200mm/sの動粘度を有し、好適な動粘度は、2〜25mm/sの範囲であり、更に好適な動粘度は、2.5〜8mm/sの範囲である。基油の動粘度が高すぎると、低温粘度が悪化し、逆に動粘度が低すぎると、無段変速機の摺動部において摩耗が生じたり、引火点が低くなるという問題が生じる。
鉱油としては、潤滑油粘度を有する炭化水素油留分であり、例えば、減圧蒸留留出油をフェノール、フルフラール、N−メチルピロリドンの如き芳香族抽出溶剤で処理して得られるラフィネートを、プロパンやメチルエチルケトン等の溶剤で脱蝋処理した後、必要に応じて、更に水素化精製を行って得られる炭化水素油、又はこの炭化水素留出油と溶剤抽出、溶剤脱蝋及び溶剤脱れき処理を行った残渣油との混合物を使用することができる。酸化安定性の観点からは、芳香族炭素数の全炭素に対する割合、%C(ASTM D3238法)が20以下のものが好ましく、10以下のものが特に好ましい。また、流動点の観点からは、流動点が−10℃以下のものが好ましく、−15℃以下のものが特に好ましい。これらの精製鉱油は、組成上、パラフィン系、ナフテン系などで、単独又はこれらの混合系炭化水素であっても良い。鉱油の具体例としては、軽質ニュートラル油、中質ニュートラル油、重質ニュートラル油及びブライトストック等が挙げられ、要求性能を満たすように適宜混合することにより基油を調整することができる。
【0014】
本発明に使用する合成油としては、オレフィンオリゴマー、二塩基酸エステル、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、ポリエーテル、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等を挙げることができる。
オレフィンオリゴマーとしては、炭素数2〜14、好ましくは4〜12の範囲である直鎖又は分岐のオレフィン炭化水素の中から選択された任意の1種の単独、又は2種以上の共重合により得られるものであり、平均分子量が100〜約3,000、好ましくは200〜約1,000の生成物から選択されるが、特に水素化によって不飽和結合を除去したものが好ましい。好ましい具体的なオレフィンオリゴマーとしては、例えばポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、エチレン・α−オレフィンオリゴマー等である。
二塩基酸エステルとしては、炭素数4〜14の脂肪族二塩基酸と、炭素数4〜14の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。ポリオールエステルとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと、炭素数4〜18の脂肪酸とのエステルが挙げられる。又ヒドロキシピバリン酸等のヒドロキシ酸と脂肪酸及びアルコールとのエステル等も使用することができる。
ポリオキシアルキレングリコールの例としては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの重合物が使用でき、アルキレンオキサイドは、単独の重合でも、混合物の重合でも良い。またアルキレンオキサイドの混合物による重合体は、ブロック重合体でも、ランダム重合体でも良い。またアルキレングリコールの末端基は、片末端又は両末端が、エーテル封鎖されていても良く、エステル封鎖されていても良い。ポリエーテルとしては、フェニルエーテル等が使用できる。
これらの基油は、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができ、鉱油と合成油を組み合わせて使用してもよい。
【0015】
(2)添加剤成分
次に、本発明の無段変速機用潤滑油組成物に使用する、基油に配合される必須の(A)、(B)及び(C)成分について、そして、さらに配合するのが好ましい(D)成分について説明する。
【0016】
(i)(A)成分
本発明の無段変速機用潤滑油組成物において、必須成分として用いられる(A)成分は、リン酸エステル又は亜リン酸エステル類の少なくとも一種である。
(A)成分のリン酸エステル又は亜リン酸エステル類としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル、酸性リン酸エステルアミン塩、酸性亜リン酸エステルアミン塩が挙げられる。本発明においては、これらの化合物の単独使用、又はこれらの化合物数種を併用して用いることができる。
リン酸エステル又は酸性リン酸エステルは、通常、次の一般式(1)で表されるものである。
【0017】
【化2】

【0018】
上記式中、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、その式中で、同一又は相異なるものであってもよい。xは、1、2又は3である。xが3の場合、リン酸エステルとなり、xが1又は2の場合、酸性リン酸エステルとなる。好ましい炭化水素基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基であり、特に好適なのは炭素数1〜8の短鎖のアルキル基である。
【0019】
具体的には、リン酸エステルとして、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート等があり、例えば、ベンジルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、及びトリエチルフェニルホスフェート等の化合物を挙げることができる。
【0020】
酸性リン酸エステルとしては、例えば、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、n−ブチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、及びオレイルアシッドホスフェート等の化合物を挙げることができる。
【0021】
また、亜リン酸エステル又は酸性亜リン酸エステルは、通常、次の一般式(2)又は(3)で表されるものである。
【0022】
【化3】

【0023】
【化4】

【0024】
上記式中、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、それぞれの式中で、同一又は相異なるものであってもよい。yは、1又は2である。yが2の場合、第2級ホスファイト類となり、ハイドロジェンホスファイトと呼ばれることもある。また、一般式(2)の場合、第3級ホスファイト類であり、大別してアルキルホスファイト類、アリールホスファイト類、及びアルキルアリールホスファイト類の3種類がある。好ましい炭化水素基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基であり、特に好適なのは炭素数1〜8の短鎖のアルキル基である。
【0025】
亜リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリス2−エチルヘキシルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト等が挙げられる。
【0026】
また、酸性亜リン酸エステルとしては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルハイドロジェンホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、ジオレイルハイドロジェンホスファイト等が挙げられる。
【0027】
さらに、(A)成分として、酸性リン酸エステルアミン塩や酸性亜リン酸エステルアミン塩も用いられる。これらは、例えば、次の一般式(4)などで表されるものである。
【0028】
【化5】

【0029】
上記式中、Rは、炭素数1〜24の炭化水素基であり、その式中で、同一又は相異なるものであってもよい。Rは、炭素数4〜20のアルキル基またはアルキレン基、炭素数2〜12のアルカノール基、或いは炭素数6〜20のアリール基またはアルキル置換アリール基であり、Rは、水素原子、炭素数4〜20のアルキル基またはアルキレン基、炭素数2〜12のアルカノール基、或いは炭素数6〜20のアリール基またはアルキル置換アリール基である。
【0030】
(A)成分のリン酸エステル又は亜リン酸エステル類の配合量としては、組成物全量基準で、P量として100〜500ppmが好適であり、100ppmより少ないと金属間摩擦係数の向上作用が小さく、摩耗防止性も不十分である。一方、配合量が500ppmを超えると材料適合性が悪化する。
【0031】
(ii)(B)成分
本発明の無段変速機用潤滑油組成物において、必須成分として用いられる(B)成分は、チオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類の少なくとも一種である。
(B)成分のチオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類としては、チオリン酸エステル、チオ酸性リン酸エステル、チオ亜リン酸エステル、チオ酸性亜リン酸エステル、チオ酸性リン酸エステルアミン塩、チオ酸性亜リン酸エステルアミン塩が挙げられる。本発明においては、これらの化合物の単独使用、又はこれらの化合物数種を併用して用いることができる。
チオリン酸エステル(チオホスフェート)類は、例えば、次の一般式(5)などで表されるチオリン酸エステルやチオ酸性リン酸エステルなどである。
【0032】
【化6】

【0033】
上記式中、Rは、水素又は炭素数1〜24の炭化水素基であり、その式中で、同一又は相異なるものであってもよいが、少なくとも一つは、炭化水素基である(すなわち、全ては水素でない)。X〜Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、少なくとも一つは、硫黄原子である。好ましい炭化水素基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基であり、特に好適なのは炭素数1〜8の短鎖のアルキル基である。
【0034】
また、チオリン酸エステル類としては、例えば、次の一般式(6)などで表されるビスチオリン酸エステル又はビスジチオリン酸エステルなども挙げることができ、本発明においては、ビスジチオリン酸エステルを好ましい態様として用いることができる。
【0035】
【化7】

【0036】
上記式中、Rは、水素又は炭素数1〜24の炭化水素基であり、その式中で、同一又は相異なるものであってもよいが、少なくとも一つは、炭化水素基である(すなわち、全ては水素でない)。X〜Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、少なくとも一つは、硫黄原子である。nは、1又は2の整数である。好ましい炭化水素基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基であり、特に好適なのは炭素数1〜8の短鎖のアルキル基である。
【0037】
また、チオ亜リン酸エステル(チオホスファイト)類としては、例えば、次の一般式(7)などで表されるチオ亜リン酸エステルやチオ酸性亜リン酸エステルなどである。
【0038】
【化8】

【0039】
上記式中、Rは、水素又は炭素数1〜24の炭化水素基であり、その式中で、同一又は相異なるものであってもよいが、少なくとも一つは、炭化水素基である(すなわち、全ては水素でない)。X〜Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、少なくとも一つは、硫黄原子である。好ましい炭化水素基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基であり、特に好適なのは炭素数1〜8の短鎖のアルキル基である。
【0040】
さらに、(B)成分として、チオ酸性リン酸エステルアミン塩やチオ酸性亜リン酸エステルアミン塩も用いられる。これらは、例えば、次の一般式(8)などで表されるものである。
【0041】
【化9】

【0042】
上記式中、Rは、水素又は炭素数1〜24の炭化水素基であり、その式中で、同一又は相異なるものであってもよいが、少なくとも一つは、炭化水素基である(すなわち、全ては水素でない)。好ましい炭化水素基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基であり、特に好適なのは炭素数1〜8の短鎖のアルキル基である。X、Xは、酸素原子又は硫黄原子を表し、少なくとも一つは、硫黄原子である。Rは、炭素数4〜20のアルキル基またはアルキレン基、炭素数2〜12のアルカノール基、或いは炭素数6〜20のアリール基またはアルキル置換アリール基であり、Rは、水素原子、炭素数4〜20のアルキル基またはアルキレン基、炭素数2〜12のアルカノール基、或いは炭素数6〜20のアリール基またはアルキル置換アリール基である。
【0043】
(B)成分のチオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類の配合量としては、組成物全量基準で、P量として100〜500ppmが好適であり、100ppmより少ないと金属間摩擦係数の向上作用が小さく、摩耗防止性も不十分である。一方、配合量が500ppmを超えると材料適合性が悪化する。
【0044】
(iii)(C)成分
本発明の潤滑油組成物において、必須成分として用いられる(C)成分は、ポリアミン化合物であって、次の一般式(9)で表されるものである。このポリアミン化合物の構造上の特徴は、分子中にポリアルキルアミンの構造を有することである。
【0045】
【化10】

【0046】
一般式(9)中、Aは、NH、炭化水素基、又は置換基を有する炭化水素基であって、好ましくはNHであり、置換基を有する炭化水素基としては、ポリブテニルコハク酸イミドやポリブテニルベンジルアミンが好適である。また、Rは、アルキレン基であり、好ましくはエチレン基、プロピレン基、又はブチレン基である。Rは、H、炭化水素基、又は置換基を有する炭化水素基であって、好ましくはHであり、置換基を有する炭化水素基としては、ポリブテニルコハク酸イミドやポリブテニルベンジルアミンが好適である。nは、任意の整数であり、好ましくは2〜20である。
【0047】
(C)成分のポリアミン化合物の配合量は、組成物全量基準で、0.01〜10重量%の範囲である。配合量が0.01重量%未満であると、金属間摩擦係数の向上作用が小さく、一方、10重量%を超えると配合量に見合う金属間摩擦係数の向上が見られず、むしろ酸化安定性などが悪化する恐れがある。
【0048】
(iv)(D)成分
本発明の無段変速機用潤滑油組成物において、必須成分として用いられるのは、上記の3成分であるが、さらに(D)成分として、オレフィンコポリマーが好ましく用いられる。
【0049】
オレフィンコポリマー(又はオレフィン共重合体)は、2種以上のオレフィンモノマーのランダム共重合により得られる油溶性のものであり、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体を挙げることができる。エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと炭素数3〜20の直鎖状又は分枝状α−オレフィンとの共重合体が好ましい。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン及びこれらの分枝状オレフィンを挙げることができ、特に、プロピレンを用いたエチレン−プロピレン共重合体が本発明の課題を達成するために有効である。
【0050】
本発明において、オレフィンコポリマーは、重量平均分子量が3.0×10〜1.0×10であるものが好適に用いられる。オレフィンコポリマーの重量平均分子量が3.0×10未満であると増粘度効果が小さく、一方1.0×10を超えると剪断安定性に劣るために粘度低下を引き起こし、金属間摩擦係数に影響を及ぼす。オレフィンコポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン換算値で表示したものである。
【0051】
上記オレフィンコポリマーとしては、分散型又は非分散型のいずれも使用することができ、特に限定されるものではないが、金属間摩擦係数に対する点から、分子中に極性基を持たない非分散型が好ましい。また、1種のオレフィンコポリマーを用いることも、又は2種以上のオレフィンコポリマーを混合して用いることもできる。また、エチレンとα−オレフィンに加えて共重合の第三成分としてジオレフィンを用いたコポリマーも使用することができる。ジオレフィンとして炭素数6〜12の二環式、脂環式又は脂肪族共役ジオレフィン、例えば、1,5−シクロオクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、2−ノルボルネン等を挙げることができる。
【0052】
オレフィンコポリマーの製造方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えば、エチレン−プロピレン共重合体は、溶媒中、溶媒に可溶なチーグラー・ナッタ型触媒の存在下において、エチレンとプロピレンとをモノマーとして用いることによって製造することができる。本発明の無段変速機用潤滑油組成物の(D)成分として、必須であるオレフィンコポリマーの分子量は、重合条件、すなわち溶媒の種類、モノマーの割合、触媒濃度、温度等の選択によって確保することができる。
【0053】
本発明においては、(D)成分の重量平均分子量が3.0×10〜1.0×10であるオレフィンコポリマーは、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、またその配合量は、組成物全量に基づき、総量で0.5〜10.0重量%の範囲で選ばれる。特に好ましいその配合量は、1.0〜9.0重量%の範囲である。この配合量が0.5重量%未満であると、粘度指数向上効果が少なく、10.0重量%を超えると、無段変速機用潤滑油組成物としての粘度調整が難しい。
【0054】
本発明の無段変速機用潤滑油組成物は、上記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を共存させ、三成分を必須成分として含有させることにより、或いは、さらに(D)成分を必須成分として含有させることにより、無段変速機用潤滑油に要求される高い金属間摩擦係数が得られるという顕著な効果を奏する。
【0055】
(3)その他の添加剤成分
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油に必須成分、或いはさらに好ましい成分として上記の化合物を配合するものであるが、更に必要に応じて、通常のATFに使用する、次に示すような各種添加剤、即ち、摩擦調整剤、無灰分散剤、金属清浄剤、金属不活性化剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤、腐食防止剤、着色剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜添加することができる。
【0056】
摩擦調整剤としては、アミン系摩擦調整剤やホウ素含有アルコール系摩擦調整剤等が好適に使用できる。また、アミド系化合物、イミド系化合物、ホウ素含有環状カルボン酸イミド等も好適に使用できる。アミン系摩擦調整剤としては、炭素数が4〜36までのアルキルアミン、アルキルジアミン、ジアルキルアミン、又はトリアルキルアミンが使用できる。特にアルキルアミンと、ジアルキルアミンが好適に使用できる。ホウ素含有アルコール系摩擦調整剤としては、脂肪族モノアルコール、脂肪族多価アルコール又はアルキレングリコールとホウ酸との反応物が使用できる。摩擦調整剤の配合量としては、組成物全量基準で、0.01〜5重量%が好適であり、配合量が0.01重量%未満では所期の効果を発揮せず、一方、5重量%を超えると金属間摩擦係数が低下する。
【0057】
無灰分散剤としては、モノイミド、ビスイミド等のイミド化合物を挙げることができ、コハク酸イミド又はコハク酸イミドをホウ素化合物で処理したものなどが好ましく、ポリアルキル又はポリアルケニルコハク酸イミドのホウ素含有物が特に好ましい。これらは、通常0.1〜10重量%の割合で使用される。
【0058】
金属清浄剤としては、分子内にアルカリ土類金属又はアルカリ金属を有し、潤滑油基油に溶解又は均一に分散するものであって、例えばアルカリ土類金属の少なくとも一個の鎖状炭化水素基を有するサリシレート、カルボキシレート、スルホネート、フェネート又はフォスフォネートであり、具体的には、アルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩や、アルキル等の置換基を有するナフテン酸又はフタール酸のアルカリ土類金属塩や、石油スルホン酸又はアルキルベンゼンやアルキルナフタレンのスルホン酸のアルカリ土類金属塩や、硫化アルキルフェノールのアルカリ土類金属塩、又は炭化水素基を有するチオフォスフォン酸やフォスフォン酸のアルカリ土類金属塩などであり、カルシウム(Ca)塩、マグネシウム(Mg)塩、バリウム(Ba)塩が好適に用いられる。また、アルカリ金属のサリシレート、カルボキシレート、スルホネート、フェネート又はフォスフォネートも用いられ、アルカリ金属としては、ナトリウム(Na)やカリウム(K)が挙げられる。これらの中で、アルカリ土類金属のサリシレートやスルホネートが好ましく用いられる。また、金属清浄剤は、通常は全塩基価(TBN)[JIS K2501(過塩素酸法)]が10〜450mgKOH/gの範囲に、好ましくは、20〜400mgKOH/gの範囲である。石鹸分は、20〜50重量%のものが使用できるが、30〜45重量%のものが特に好ましい。これらを単独または組合せて使用し、組合せて使用した場合には、単独で使用した場合より湿式摩擦材との摩擦特性が好ましい場合がある。金属清浄剤の配合量としては、組成物全量基準で、金属量として100〜1000ppmが好適に用いられる。
【0059】
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾールやチアジアゾール及びそれらの誘導体が好適に使用でき、ベンゾトリアゾールタイプとチアジアゾールタイプの併用は、併用することにより優れた酸化安定性を示すために、特に好ましい。これらは、通常0.001〜3重量%の割合で使用される。
【0060】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系とアミン系が好ましく使用でき、これらを組み合わせて使用することは、酸化安定性が飛躍的に向上するため、特に好ましい。フェノール系酸化防止剤としては、4メチル2,6ジターシャリーブチルフェノール、4,4−メチレンビス2,6ジターシャリーブチルフェノール等が好適に使用できる。アミン系酸化防止剤としては、フェニルαナフチルアミン、アルキルフェニルαジフェニルアミン、ジフェニルアミン、アルキルジフェニルアミン等が好適に使用できる。これらは、通常0.05〜5重量%の割合で使用される。
【0061】
本発明においては、粘度指数向上剤として、前記のオレフィンコポリマー(成分(D))が好ましく用いられるが、適宜、オレフィンコポリマー以外の粘度指数向上剤を、配合量として組成物全量基準で1〜10重量%の範囲で併用することができる。併用する粘度指数向上剤は、どのようなタイプのものも使用できる。例えば、分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤で数平均分子量が5,000〜200,000のものが使用でき、せん断安定性の面からは平均分子量100,000以下のものが好適に使用できる。この場合の分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤は、極性モノマーを5〜20モル%程度含むものが良く、極性モノマーとしては、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジンなどのアミン、N−ビニルピロリジノンなどの窒素化合物が好適に使用できる。その他の例として、非分散型のポリアクリレート及びポリメタクリレート系粘度指数向上剤等が挙げられ、低温粘度の観点からは非分散型ポリメタクリレート系粘度指数向上剤との併用が好ましい。
【0062】
流動点降下剤としては、一般にエチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げられ、例えば、ポリメタクリレートが好ましく用いられる。これらは、通常0.01〜5重量%の割合で使用される。
【0063】
消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系化合物、ソルビタンモノラウレート、アルケニルコハク酸誘導体等のエステル系化合物を使用することができる。これらは、通常0.0001〜2重量%の割合で使用される。
【0064】
本発明におけるベルト式CVTの例として、Van Doorne’ Transmissie BV社により製造されている金属ベルトを使用したCVTが挙げられるが、本発明におけるベルト式CVTは、必ずしもVan Doorne’ Transmissie BV社により製造されたベルトを使用したCVTに限定されるわけでは無く、同様の機構、つまり、金属間摩擦を利用して動力を伝達するCVTに使用することができる。
【実施例】
【0065】
以下に、本発明について実施例及び比較例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における金属間摩擦係数の測定と摩耗防止性の評価は、次に示す方法で測定評価した。
【0066】
(1)金属間摩擦係数と摩耗防止性
試験機としてSRV摩擦試験機(往復動型摩擦試験機)を用い、次の試験条件で試験を実施し、すべり出し金属間摩擦係数(すべり出し直後の金属間摩擦係数最大値)を測定した。この金属間摩擦係数の高いものほど、伝達トルク容量が大きいと判断され、0.19以上の金属間摩擦係数を有するものを可とした。また、摩耗防止性は、試験終了時のプレートを触針式表面粗さ計で摩耗痕を測定し、評価した。明確に摩耗痕が認められたものは、摩耗有りと評価され、摩耗防止性が劣ると判断される。
[試験条件]
・試験片 :ボール(SUJ2)、プレート(SUJ2)
・試験温度 :100℃
・荷重 :100N
・周波数 :50Hz
・ストローク:1mm
【0067】
(2)実施例及び比較例
[実施例1]
基油として、溶剤精製パラフィン系鉱油(100℃での動粘度、4mm/s)を使用し、この鉱油に、組成物全量基準で、(A)成分のリン酸エステル又は亜リン酸エステル類の少なくとも一種として、酸性リン酸エステル(n−ブチルアシッドホスフェート:(CO)P(O)(OH)3−n n=1,2)を0.3重量%、(B)成分のチオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類の少なくとも一種として、次の構造式(10)で表されるチオリン酸エステル類、すなわち、前記した一般式(6)において、X,X,Xが硫黄(S)、X,X,X,Xが酸素(O)、Rがブチル基、nが2のものであるビスジチオリン酸エステルを0.3重量%、(C)成分のポリアミン化合物として、次の構造式(11)で表されるポリアミンを0.1重量%、及び(D)成分のオレフィンコポリマーとして、平均分子量が40,000の非分散型オレフィンコポリマーを5.0重量%、そして、金属清浄剤として、全塩基価(TBN)が300mgKOH/gであるCaスルホネートを0.5重量%、摩擦調整剤として、オレイルアミンを0.02重量%、及びその他の添加剤として酸化防止剤、無灰分散剤、金属不活性化剤と消泡剤の各一定量の合計1.5重量%を配合する潤滑油組成物を調製した。
【0068】
【化11】

【0069】
【化12】

【0070】
この調製した潤滑油組成物について、金属間摩擦係数と摩耗痕の測定評価を実施した。この評価結果を表1に示す。実施例1の金属間摩擦係数は、0.195であって、良好であり、また、摩耗痕は認められず摩耗防止性も、良好である。
【0071】
[実施例2]
実施例1と同様に、表1に示す基油成分と添加剤成分を同表に示す割合で配合し、潤滑油組成物を調製した。特に、粘度指数向上剤として、実施例1の(D)成分のオレフィンコポリマーに替えて、分散型のポリメタクリレートを用いた。この調製した潤滑油組成物について、金属間摩擦係数と摩耗痕の測定評価を実施した。これらの結果を表1に示す。実施例1と同様に、実施例2の評価結果は、良好である。
【0072】
[比較例1〜3]
表1に示す基油成分と各種添加剤成分を同表に示す割合で配合し、潤滑油組成物を調製した。この調製した潤滑油組成物について、金属間摩擦係数と摩耗痕の測定評価を実施した。これらの評価結果を表1に示す。
【0073】
【表1】

【0074】
上記の実施例及び比較例から、本発明において必須成分である(A)(B)及び(C)の3種の添加剤、さらに(D)オレフィンコポリマーを配合することにより、いずれの実施例においても無段変速機用潤滑油として、高い金属間摩擦係数と優れた摩耗防止性の目標を満足し、高品質のものが得られることが明らかになった。
一方、(A)、(B)及び(C)成分のうち、2種類を配合しているものの、必須の3成分を全て配合していない比較例1〜3では、高い金属間摩擦係数が得られていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基油に、(A)酸性リン酸エステル、(B)チオリン酸エステル又はチオ亜リン酸エステル類の少なくとも一種、及び(C)ポリアミン化合物を配合してなる無段変速機用潤滑油組成物。
【請求項2】
さらに、(D)オレフィンコポリマーを配合することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機用潤滑油組成物。
【請求項3】
(C)ポリアミン化合物は、次の一般式(9)で示されるポリアミンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の無段変速機用潤滑油組成物。
【化1】

(式中、Aは、NHであり、Rは、アルキレン基であり、Rは、Hであり、nは、2〜20の整数である。)

【公開番号】特開2007−211250(P2007−211250A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−99335(P2007−99335)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【分割の表示】特願2000−354892(P2000−354892)の分割
【原出願日】平成12年11月21日(2000.11.21)
【出願人】(000108317)東燃ゼネラル石油株式会社 (22)
【Fターム(参考)】