説明

無溶媒の水性ポリウレタン分散液およびそれからの造形品

接着剤がストレッチ部材を布に折ったへり配置で貼り付けるために使用される、接着剤、ストレッチ部材および基材を含む物品。接着剤は水性ポリウレタン分散液から製造されたテープであることができ、ストレッチ部材はスパンデックス繊維であることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な水性ポリウレタン分散液およびそれから製造された造形品に関する。具体的には、本発明は、ブロックトイソシアネート末端基を有する完全に形成されたポリウレタンウレアを含む、無溶媒の安定な分散液に関する。分散液はプレポリマー混合プロセスによって形成することができる。本発明はさらに、基材への接合、積層および接着のために熱および/または圧力活性化することができる、かかる水性分散液から形成された造形品およびコーテッド物品に関する。造形品は、接合、積層または接着後に柔らかくそしてエラストマーのままであってもよい。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は現在係属中の、2005年10月19日出願の米国特許出願第11/253927号、2005年2月11日出願の米国特許出願第11/056067号、および2005年12月13日出願の米国特許出願第11/300229号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
ポリウレタン(ポリウレタンウレアを含む)は、編織布をはじめとする様々な基材のための接着剤として使用することができる。典型的には、かかるポリウレタンは、完全に形成された非反応性ポリマーか反応性イソシアネート末端プレポリマーかのどちらかである。かかる反応性ポリウレタン接着剤はしばしば、十分な接合強度を生み出すための延ばされた硬化時間を必要とし、それは製造プロセスでの不利点であり得る。加えて、ポリウレタンのイソシアネート基は湿気に敏感であることが知られており、それは貯蔵安定性を制限し、かかるポリウレタンを組み入れた製品の貯蔵寿命を短くする。
【0004】
典型的には、かかるポリマーは、完全に形成されたときに、溶媒に溶解される(溶媒希釈型)か、水に分散される(水性)か、熱可塑性固体材料として加工される(ホットメルト)かのいずれかである。注目すべきことに、溶媒ベースの接着剤は、揮発性有機化合物(VOC)および危険有害な大気汚染物質(HAP)排出を低減することを狙ったますます厳しくなる健康および環境法規に直面する。従って、通常の溶媒ベース製品の代替品が必要とされる。
【0005】
ホットメルト接着剤は環境上安全であり、そしてフィルムとして容易に付けられるが、一般に高い残留歪と繰り返しストレッチサイクルを受けたときに不十分な回復率とを有する。それ故、改善が必要とされる。
【0006】
これらの欠陥を克服するための水性ポリウレタン接着剤を開発するために多くの試みが行われてきた。
【0007】
米国特許公報(特許文献1)は、「(a)ポリプロピレングリコールを含むポリオール混合物、(b)α,α,α,α−テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)を含む多官能性イソシアネートの混合物、(c)水性溶液で塩形成することができる官能性成分、および(d)場合により、鎖延長剤の反応生成物を含有する実質的に無色透明で無溶媒の、水性の、一成分ポリウレタン分散液を含む接着組成物」を開示している。この組成物からの接着フィルムは、ポリマーのハードセグメントでの強い鎖間ウレア水素結合の形成を妨げる、TMXDI上のイソシアネート基の非対称構造および立体障害を考えると低い回復力および不十分な耐熱性を有する。
【0008】
米国特許公報(特許文献2)は、優れた被覆性、接着強度および耐熱性を有すると述べられる湿式および乾式積層での接着接合用の水性ポリウレタン分散液を開示している。この分散液はかなりの量の有機溶媒−メチルエチルケトン(MEK)を含有する。
【0009】
米国特許公報(特許文献3)は、N−メチルピロリドン(NMP)などの有機溶媒を含まないポリウレタン分散液の製造方法を開示している。しかしながら、該組成物は、メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)(4,4’−MDI)などの、低い遊離のジイソシアネート化学種を有するプレポリマーに限定される。低い遊離のジイソシアネートのかかるプレポリマーを製造するための方法は複雑である(米国特許公報(特許文献4)に開示されているように)。かかるプロセシングはまた遊離ジイソシアネートの短経路蒸留を必要とし、こうしてポリウレタン分散液を製造するためのプレポリマーを製造するのに経済的ではない。
【0010】
米国特許公報(特許文献5)は、カルボキシル基含有オキシム−ブロックされた、イソシアネート末端プレポリマーとポリアミンとの反応によって製造された、N−メチルピロリドン(NMP)溶媒を含有する、安定な水性ポリウレタン分散液を開示している。プレポリマーは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはトルエンジイソシアネート(TDI)などの芳香族ジイソシアネートのポリエーテルまたはポリエステルポリオールおよびジヒドロキシアルカン酸との反応によって製造される。オキシムブロックトイソシアネート基は、60〜80℃で6〜18時間内にポリアミンと反応することができる。該分散液は貯蔵中に安定であり、該分散液から形成されたフィルムは良好な引張特性を有する。しかしながら、この分散液は存在する有機溶媒を依然として有し、必要とされるより長い硬化時間は実際には布接合および積層に不適当である。
【0011】
米国特許公報(特許文献6)は、1:0.9〜1:1.5のブロックトイソシアネート基対第一級および/または第二級アミノ基のモル比でブロックトイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと60〜400の分子量範囲内のポリアミンとを含む、本質的に無溶媒の水性ポリウレタン分散液を製造するためのアセトン法を記載している。この分散液は室温での貯蔵中に安定であり、コーティングで耐熱性のバインダーを与える。それは長い硬化時間(30分以下の)を要し、それは布接合および接着に依然として好適ではない。さらに、アセトン法は、分散液からアセトンを除去するための追加の蒸留工程を必要とし、それはこの方法をそれほど経済的でないものにする。
【0012】
米国特許公報(特許文献7)は、部分的にブロックされたそして部分的に延長されたイソシアネート基を有するプレポリマーと、第一級または第二級アミノおよび/またはヒドロキシル基を有する32〜500の分子量を有する過剰の多官能性化合物とを含む、サイジング剤用の自己架橋ポリウレタン分散液を製造するためのアセトン法を記載している。この分散組成物は、硬化時間をある程度まで短くするが、アセトンを除去するための追加の蒸留工程が必要とされるので依然として欠点がある。
【0013】
米国特許公報(特許文献8)は、800〜14,000の数平均分子量(Mn)、0.0〜3.0モル/kgの分岐度、およびモル当たり2.0〜6.0のイソシアネート官能性を有する反応性ポリウレタンの無溶媒の水性分散液を記載している。該ポリウレタンは、低分子量ポリオールと中和後に陰イオンを形成する単位とがポリマー鎖中に組み込まれて、そして架橋のためのさらなる反応が可能なブロックトイソシアネート基を有して、ポリエステルポリオール、ポリイソシアネートおよびポリイソシアネート付加体から製造される。かかる分散液の結果は、ハードな、光沢のあるそして弾性があるコーティング材料であるが、かかるコーティング材料は、ストレッチ布地で使用されるべき接着剤に必要とされるエラストマー特性およびストレッチ/回復性を有さない。
【0014】
従って、先行技術の欠点の1つまたは複数を克服する、改良された水性ポリウレタン分散液を提供することが望ましいであろう。
【0015】
【特許文献1】米国特許第5,270,433号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0014880 A1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0220463 A1号明細書
【特許文献4】米国特許第5,703,193号明細書
【特許文献5】米国特許第4,387,181号明細書
【特許文献6】米国特許第5,563,208号明細書
【特許文献7】米国特許第6,586,523号明細書
【特許文献8】米国特許第6,555,613号明細書
【非特許文献1】ウォルター(Walter)ら著、「リバースロールコーティングでの共通コーティング欠陥の解決(Solving common coating flaws in Reverse Roll Coating)」、アミカル秋季技術会議(AIMCAL Fall Technical Conference)、2003年10月26−29日
【非特許文献2】S.シッギア(S.Siggia)著、「官能基による定量的有機分析(Quantitative Organic Analysis via Functional Group)」、第3版、ニューヨーク(New York)、ウィリー&サンズ社(Wiley & Sons)、1963年、559−561ページ
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は第1態様において、
約600〜約3,500の数平均分子量を有する少なくとも1つのポリエーテル(コポリエーテルを含む)、ポリカーボネートまたはポリエステルポリオール成分、例えば、約1,400〜約2,400の数平均分子量を有するポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、
約65:35〜約35:65の4,4’−MDI対2,4’−MDI異性体の比の、4,4’−および2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)異性体の混合物であるポリイソシアネート、ならびに
(i)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができるヒドロキシ基と(ii)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができない、中和時に塩を形成することができる少なくとも1つのカルボン酸基とを有する少なくとも1つのジオール化合物
を含む水性ポリウレタン分散液での使用のためのプレポリマーを含んでもよい。
【0017】
本発明は別の態様において、水性ポリウレタン分散液での使用のためのプレポリマーの製造方法であって、プレポリマーが、
約600〜約3,500の数平均分子量を有する少なくとも1つのポリエーテル(コポリエーテルを含む)、ポリカーボネートまたはポリエステルポリオール成分、好ましくは、約600〜約3,500の数平均分子量を有するポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、
約65:35〜約35:65の4,4’−MDI対2,4’−MDI異性体の比の、4,4’−および2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)異性体の混合物であるポリイソシアネート、ならびに
(i)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができるヒドロキシ基と(ii)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができない、中和時に塩を形成することができる少なくとも1つのカルボン酸基とを有する少なくとも1つのジオール化合物
を含み、
そして成分a)、b)、およびc)を実質的に無溶媒の系で組み合わせる工程を含む方法を含んでもよい。
【0018】
本発明は別の態様において、成分a)、b)、およびc)を含むプレポリマーを含む水性ポリウレタン分散液であって、
該水性ポリウレタン分散液は実質的に無溶媒の系であり、
成分c)とイオン性塩を形成するための少なくとも1つの中和剤、
イソシアネート基のためのブロッキング剤としての少なくとも1つの単官能性ジアルキルアミン化合物、
場合により、少なくとも1つのジアミン鎖延長成分、ならびに
場合により、ポリマーのモル当たり少なくとも3つ以上の第一級および/または第二級アミノ基を有する、500より大きい分子量を有する少なくとも1つのポリマー成分
をさらに含む水性ポリウレタン分散液を含んでもよい。
【0019】
本発明はさらなる態様において、水性ポリウレタン分散液の製造方法であって、
水性ポリウレタン分散液がプレポリマーを含み、水性ポリウレタン分散液が、
成分c)とイオン性塩を形成するための少なくとも1つの中和剤、
イソシアネート基のためのブロッキング剤としての少なくとも1つの単官能性ジアルキルアミン化合物
をさらに含む実質的に無溶媒の系であり、
およびプレポリマーを水性媒体に分散させる工程を含み、少なくとも1つの中和剤がプレポリマーを水性媒体に分散させる前にプレポリマーか水性媒体かのどちらかに加えられ、そして少なくとも1つのブロッキング剤がプレポリマーを水性媒体に分散させる間にかまたはその後かのどちらかに水性媒体に加えられる方法を含んでもよい。
【0020】
水性分散液が剥離紙上にコートされ、そして造形品に変換されるとき、ジアルキルアミン成分e)は、(i)ブロックトイソシアネート基が周囲貯蔵条件でだけでなく、コーティングおよび乾燥プロセスの両方でも本質的に安定であるが、同時に、(ii)ブロックトイソシアネート基を含有する接着フィルムが布接合および積層のために熱および/または圧力活性化されることができるように選択される。
【0021】
本発明はさらなる態様において、実質的に無溶媒の水性ポリウレタン分散液から誘導された造形品を含んでもよい。本発明はまた造形品を含む衣類を含んでもよい。本発明はまた、少なくとも1つの造形品と前記物品が付けられる基材とを含む物品を含んでもよい。本発明はさらに、本水性分散液でコートされた基材を含む物品を含む。本発明は造形品を含む成形品を含む。本発明は、本水性ポリウレタン分散液でコートされた基材を含む成形品を含む。本発明はさらに前述の物品から製造された衣類を含む。
【0022】
本発明はさらなる態様において、造形品および基材が貼り付けられてラミネートを形成し、それによって弾性ラミネートの摩擦係数が基材だけのそれより大きい、造形品および基材を含む物品を含んでもよい。本発明の別の態様は、造形品の弾性率が物品の、長さ、あるいはまた幅に沿って変わる、造形品および基材を含む物品である。
【0023】
本発明はさらに、次の特性:約0〜10%、例えば約0〜5%、典型的には約0〜約3%の伸長後残留歪、約400〜約800%の伸び、および約0.5〜約3Mpaのテナシティを有してもよい造形品を含んでもよい。本発明はさらに、次の特性:剥離強度の少なくとも50%が洗濯前のそれから維持されている50回洗濯後剥離強度、少なくとも約0〜約0.5cfmの通気度、および24時間にわたって少なくとも約0〜約300g/mの水蒸気透過度を有してもよい、物品および基材から製造されたラミネートを含んでもよい。
【0024】
本発明は、次の図面に関連した次の詳細な説明で説明されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の範囲に入る水性ポリウレタン分散液は、本発明の態様をまた形成する、特定のウレタンプレポリマーから提供される。
【0026】
ウレタンプレポリマー、またはキャップトグリコールは、プレポリマーが水に分散され、そして鎖延長される前の、ポリオール、ポリイソシアネート、および中和時に塩を形成することができる化合物の反応生成物として一般に概念化することができる。かかるプレポリマーは典型的には、溶媒を含むかまたは含まずに、1つまたは複数の工程で製造することができる。プレポリマーが、分散液に留まるであろうそれほど揮発性でない溶媒(MEK、またはNMPなどの)に溶解されている、後で除去することができる、アセトンなどの揮発性溶媒に溶解されている、またはいかなる溶媒もなしに水に分散されているかどうかに依存して、分散プロセスは実際には溶媒法、アセトン法、またはプレポリマー混合法として分類することができる。プレポリマー混合法は、環境上のおよび経済的優位性を有し、それ故、本発明において無溶媒の水性分散液を製造するための基本方法として好ましい。
【0027】
プレポリマー混合法では、プレポリマーの粘度は、溶媒による希釈なしに、輸送されるそして水に分散されるのに十分に適切に低いことが重要である。本発明は一実施形態では、かかるプレポリマーから誘導された、この粘度要件を満たしそしてプレポリマー中にまたは分散液中にいかなる有機溶媒も有さないポリウレタン分散液に関する。本発明に従って、プレポリマーはポリオールa)、ジイソシアネートb)およびジオール化合物c)の反応生成物である。
【0028】
本発明は、一実施形態では、従来の技術によって、基材の、基材へのコーティング、接合、および積層のための接着材料(すなわち、いかなる追加の接着材料の必要性もなしに)として処理しそして塗布することができる、新規の、無溶媒の、安定な水性ポリウレタン分散液を提供することができる。本発明の範囲内に入る水性ポリウレタン分散液は、揮発性有機物質の排出が本質的になく、製造で受け入れられる硬化時間、ならびに完成製品でおよび実際の適用で良好な接着強度、耐熱性、およびストレッチ/回復性を提供するかもしれない。
【0029】
本発明は、追加の実施形態では、剥離紙上にコートすることができ、それによって本発明の水性分散液を編織布をはじめとする基材への接合および積層用に使用することができる、接着剤であってもよいし接着剤でなくてもよい造形品を提供することができる。接着は、1分未満、例えば、約15秒〜約60秒の滞留時間で、基材および接着フィルム上へ熱および/または圧力を加えることによって活性化することができる。このように接合された物品は良好なストレッチ/回復性を有し、普通の着用および洗濯サイクルで耐久性があると予期される。
【0030】
本明細書で用いるところでは、用語「分散液」は、分散相が細分された粒子からなり、そして連続相が液体、固体またはガスであることができる系を意味する。
【0031】
本明細書で用いるところでは、用語「水性ポリウレタン分散液」は、脱イオン水をはじめとする水などの水性媒体に分散された少なくともポリウレタンもしくはポリウレタンウレアポリマーまたはプレポリマー(本明細書に記載されるポリウレタンプレポリマーなどの)を含有する組成物を意味する。該用語はさらに、例えば、造形品の形成で、乾燥にさらされたかかる組成物に関する。
【0032】
本明細書で用いるところでは、用語「溶媒」は、特に明記しない限り、揮発性の有機溶媒(アセトンなどの)および幾分それほど揮発性でない有機溶媒(MEK、またはNMPなどの)をはじめとする有機溶媒を含む、非水性媒体を意味する。
【0033】
本明細書で用いるところでは、用語「無溶媒」または「無溶媒の系」は、組成物または分散成分の大半が溶媒に溶解または分散されなかった組成物または分散液に関する。
【0034】
本明細書で用いるところでは、用語「造形品」は、例えば、フィルム、テープ、ドット、ウェブ、ストライプ、ビーズ、および発泡体をはじめとする多数の物体の1つを意味してもよい。フィルムは任意の形状のシート材料を示してもよい。テープは狭いストリップ形態のフィルムを示してもよい。フィルムはテープの形態にあってもよい。本明細書で用いるところでは、用語「造形品」は、接着のためにおよび/または堅いもしくは弾性品を形成するために使用できる、基材または剥離紙に直接塗布することができる水性ポリウレタン分散液(本明細書に記載されるポリウレタンプレポリマーを含有する水性ポリウレタン分散液などの)を含む層を意味する。
【0035】
本明細書で用いるところでは、用語「物品」は、一つには、本明細書に記載されるような分散液または造形品の適用のために、少なくとも1つの弾性特性を有しても有さなくてもよい、分散液または造形品および基材、例えば編織布を含む物品を意味する。
【0036】
本明細書で用いるところでは、用語「編織布」は、編、織または不織材料を意味する。編布は横編、丸編、縦編、狭弾性、およびレースであってもよい。織布は、任意の構造のもの、例えば朱子、綾、平織、オックスフォード織、バスケット織、および狭い弾性があってもよい。不織材料はメルトブローン、スパンボンド、ウェットレイド、カーデッド繊維ベースのステープルウェブなどであってもよい。
【0037】
本明細書で用いるところでは、用語「基材」は、それに造形品を貼り付けることができるまたはそれに水性ポリウレタン分散液を塗布することができる任意の材料を意味する。基材は、繊維のように実質的に一次元、平面シートのように二次元、または三次元の物品もしくは凹凸シートであることができる。平面シートは例えば編織布、紙、フロックド物品、およびウェブを含んでもよい。三次元物品は例えば皮革および発泡体を含んでもよい。他の基材は木材、紙、プラスチック、金属、ならびにコンクリート、アスファルト、体育館フローリング、およびプラスチックチップなどの複合材料を含んでもよい。
【0038】
本明細書で用いるところでは、用語「硬質糸」は実質的に非弾性である糸を意味する。
【0039】
本明細書で用いるところでは、用語「成形」品は、それによって物品または造形品の形状が熱および/または圧力の適用に応じて変えられるプロセスに関する。
【0040】
本明細書で用いるところでは、用語「から誘導される」は、別の物体からある物質を形成することに関する。例えば、造形品は、乾燥させることができる分散液から誘導されてもよい。
【0041】
本明細書で用いるところでは、用語「弾性率」は、単位線密度または面積当たりの力で表される、物に関する応力の比に関する。
【0042】
本発明によるウレタンプレポリマーを製造するための出発原料として好適なポリオール成分a)は、約600〜約3,500の数平均分子量のポリエーテルグリコール、ポリカーボネートグリコール、およびポリエステルグリコールである。
【0043】
使用することができるポリエーテルポリオールの例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、および3−メチルテトラヒドロフランの開環重合および/または共重合からの、または多価アルコール、好ましくは、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールなどの、各分子中に12個未満の炭素原子を有する、ジオールもしくはジオール混合物の縮重合からの、2つ以上のヒドロキシ基を有するそれらのグリコールが挙げられる。線状二官能性ポリエーテルポリオールが好ましく、2の官能価のテラセイン(Terathane)(登録商標)1800(インビスタ(Invista))などの、約1,700〜約2,100の分子量のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールが本発明で特に好ましい。
【0044】
使用することができるポリエステルポリオールの例には、各分子中に12個以下の炭素原子を有する低分子量の、脂肪族ポリカルボン酸とポリオール、またはそれらの混合物との縮重合によって製造された、2つ以上のヒドロキシ基を有するそれらのエステルグリコールが挙げられる。好適なポリカルボン酸の例は、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸およびドデカンジカルボン酸である。ポリエステルポリオールを製造するために好適なポリオールの例は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールである。約5℃〜約50℃の溶融温度の線状二官能性ポリエステルポリオールが好ましい。
【0045】
使用することができるポリカーボネートポリオールの例には、ホスゲン、クロロギ酸エステル、ジアルキルカーボネートもしくはジアリルカーボネートと、各分子中に12個以下の炭素原子を有する低分子量の、脂肪族ポリオール、またはそれらの混合物との縮重合によって製造された、2つ以上のヒドロキシ基を有するそれらのカーボネートグリコールが挙げられる。ポリカーボネートポリオールを製造するために好適なポリオールの例は、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールである。約5℃〜約50℃の溶融温度の線状二官能性ポリカーボネートポリオールが好ましい。
【0046】
本発明によるウレタンプレポリマーを製造するための別の出発原料として好適な、ポリイソシアネート成分b)は、約65:35〜約35:65の4,4’−MDI対2,4’−MDI異性体比の範囲で、好ましくは約55:45〜約45:55の範囲で、より好ましくは約50:50で4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)および2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)を含有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の異性体混合物であることができる。好適なポリイソシアネート成分の例には、モンデュール(Mondur)(登録商標)ML(バイエル(Bayer))、ルプラネート(Lupranate)(登録商標)MI(バスフ(BASF))、およびアイソネート(Isonate)(登録商標)50 O,P’(ダウ・ケミカル(Dow Chemical))が挙げられる。
【0047】
本発明によるウレタンプレポリマーを製造するためのさらなる出発原料として好適なジオール成分c)には、(i)ポリイソシアネートb)と反応することができる2つのヒドロキシ基と、(ii)中和時に塩を形成することができ、そしてポリイソシアネートb)と反応することができない少なくとも1つのカルボン酸基とを有する少なくとも1つのジオール化合物が含まれる。カルボン酸基を有するジオール化合物c)の典型的な例には、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸、およびカパ(CAPA)(登録商標)HC 1060(ソルベイ(Solvay))などのDMPA開始カプロラクトンが挙げられる。DMPAが本発明では好ましい。
【0048】
プレポリマーは、出発原料a)、b)、およびc)を1つの工程で一緒に混合することによって、そしてすべてのヒドロキシ基が本質的に使われ、そしてイソシアネート基の所望の%NCOが達成されるまで十分な時間約50℃〜約100℃の温度で反応させることによって製造することができる。あるいはまた、このプレポリマーは、出発原料a)を過剰のb)と先ず反応させ、引き続きプレポリマーの最終所望%NCOが達成されるまで成分c)と反応させることによって2段階で製造することができる。例えば、%NCOは約1.8〜約2.6などの、約1.3〜約6.5の範囲であってもよい。重要なことには、有機溶媒は、反応前、中または後に出発原料に全く加えられないか、またはそれと全く混合されない。場合により、触媒がプレポリマー形成を促進するために使用されてもよい。
【0049】
本発明の一実施形態では、プレポリマーは、一緒に組み合わせられ、そしてプレポリマーの総重量を基準にして、次の範囲の重量百分率で提供される成分a)、b)、およびc)を含む:
約34%〜約89%の成分a)、
約59%〜約10%の成分b)、および
約7.0%〜約1.0%の成分c)。
【0050】
本発明の別の実施形態では、プレポリマーは成分a)としてテラセイン(登録商標)1800ポリエーテルグリコール、成分b)としてモンデュール(登録商標)MLジイソシアネート、および成分c)として2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)を含む。かかる実施形態内で、これらの成分は、例えば、プレポリマーの総重量を基準にして、次の範囲の重量百分率で存在してもよい:
a)テラセイン(登録商標)1800ポリエーテルグリコール:約61%〜約80%、
b)モンデュール(登録商標)MLジイソシアネート:約35%〜約18%、および
c)2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA):約4.0%〜約2.0%。
【0051】
成分a)、b)およびc)から製造されたプレポリマーは、落球法によって40℃で測定された、約4,500ポアズ未満などの、約6,000ポアズ未満のバルク粘度(いかなる溶媒も存在せずに)を有するべきである。ポリマー鎖に沿ってカルボン酸基を含有するこのプレポリマーは、酸とイオン性塩を形成するために少なくとも1つの中和剤d)、少なくとも1つの界面活性剤(イオン性および/または非イオン性分散剤または界面活性剤)、および場合により少なくとも1つのジアミン鎖延長成分f)を含む脱イオン水媒体へ高速分散器で分散させることができる。あるいはまた、中和剤は、水媒体へ分散される前にプレポリマーと混合することができる。少なくとも1つの発泡防止剤および/または消泡剤ならびに好ましくは少なくとも1つのレオロジー調整剤は、プレポリマーが分散される前、その間、またはその後に水媒体に加えることができる。
【0052】
酸基を塩基に変換するための好適な中和剤d)の例には、第三級アミン(トリエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、およびトリエタノールアミンなどの)ならびにアルカリ金属水酸化物(水酸化リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどの)が挙げられる。第一級および/または第二級アミンもまた酸基のための中和剤として使用されてもよい。中和の程度は一般に、酸基の約60%〜約140%、例えば、約80%〜約120%の範囲にある。
【0053】
好適なジアミン鎖延長剤f)の例には、1,2−エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、m−テトラメチルキシレンジアミン、および500未満の分子量のジェファミン(Jeffamine)(登録商標)(テキサコ(Texaco))が挙げられる。
【0054】
好適な界面活性剤の例には、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エトキシル化ノニルフェノール、および臭化ラウリルピリジニウムなどの、陰イオン性、陽イオン性、もしくは非イオン性分散剤または界面活性剤が挙げられる。
【0055】
好適な発泡防止剤または消泡剤または発泡制御剤の例には、アディティブ(Additive)65およびアディティブ62(ダウ・コーニング(Dow Corning)製のシリコーンベースの添加剤)、フォームスター(FoamStar)(登録商標)I 300(コグニス(Cognis)製の鉱油ベースのシリコーンなし消泡剤)およびサーフィノール(Surfynol)TMDF 110L(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products & Chemicals)製の高分子量アセチレン系グリコール非イオン性界面活性剤)が挙げられる。
【0056】
好適なレオロジー調整剤の例には、疎水性改質エトキレートウレタン(HEUR)、疎水性改質アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)、および疎水性改質ヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)が挙げられる。
【0057】
少なくとも1つの単官能性ジアルキルアミン化合物e)が、イソシアネート基のためのブロッキング剤として、プレポリマーが分散される間にまたはその後に水媒体に加えられる。例えば、ブロッキング剤は、プレポリマーが分散された直後に水混合物に加えることができる。場合により、ポリマーのモル当たり少なくとも3つ以上の第一級および/または第二級アミノ基を有する少なくとも1つのポリマー成分g)(MW>約500)が、プレポリマーが分散され、そしてブロッキング剤が加えられた後に水媒体に加えられる。
【0058】
好適な単官能性ジアルキルアミンブロッキング剤e)の例には、N,N−ジエチルアミン、N−エチル−N−プロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、N−tert−ブチル−N−メチルアミン、N−tert−ブチル−N−ベンジルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−エチル−N−イソプロピルアミン、N−tert−ブチル−N−イソプロピルアミン、N−イソプロピル−N−シクロヘキシルアミン、N−エチル−N−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエタノールアミン、および2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。水での分散の前にアミンブロッキング剤対プレポリマーのイソシアネート基のモル比は一般に約0.05〜約0.50、例えば約0.20〜約0.40の範囲であるべきである。触媒が脱ブロッキング反応のために使用されてもよい。
【0059】
好適なポリマー成分g)の例には、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(アリルアミン)、およびポリ(アミドアミン)デンドリマーが挙げられる。
【0060】
場合により水性分散液にまたはプレポリマーに含まれてもよい他の添加剤には、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤、顔料、架橋剤、相変化物質(すなわち、アウトラスト・テクノロジーズ、コロラド州ボールダー(Outlast Technologies,Boulder,Colorado)から市販されているアウトラスト(Outlast)(登録商標))、抗菌剤、鉱物(すなわち、銅)、マイクロカプセル化健康添加剤(すなわち、アロエ、ビタミンEゲル、アロエ、海ケルプ、ニコチン、カフェイン、香気物または芳香物)、ナノ粒子(すなわち、シリカまたはカーボン)、炭酸カルシウム、難燃剤、粘着防止添加剤、耐塩素分解性添加剤、ビタミン、医薬、香料、導電性添加剤、および/または染色助剤(すなわち、デラウェア州ウィルミントンのE.I.デュポン・ドゥ・ヌムール(E.I.DuPont de Nemours,Wilmington,Delaware)から市販されている、メタクロル(Methacrol)(登録商標))が含まれる。プレポリマーまたは水性分散液に加えられてもよい他の添加剤は、接着促進剤、帯電防止剤、クレーター形成防止剤、クローリング防止剤、蛍光増白剤、融合助剤、導電性添加剤、ルミネセンス添加剤、フロー剤および均染剤、凍結融解安定剤、滑剤、有機および無機充填剤、防腐剤、テクスチャー加工剤、熱変色添加剤、昆虫忌避剤、ならびに湿潤剤を含む。
【0061】
かかる任意の添加剤は、プロセスが許すところでは、プレポリマーが分散される前、間、または後に水性分散液に加えられてもよい。有機溶媒はいかなる時にも水性分散液に全く加えられない。
【0062】
本発明の範囲内に入るポリウレタン水性分散液は約10重量%〜約50重量%、例えば、約30重量%〜約45重量%の固形分含有率を有することが予期されるべきである。本発明の範囲内に入るポリウレタン水性分散液の粘度は、処理および塗布要件に依存して約10センチポアズ〜約100,000センチポアズの広い範囲で変わってもよい。例えば、一実施形態では、粘度は約500センチポアズ〜約30,000センチポアズの範囲にある。粘度は、水性分散液の総重量を基準にして、約0〜約2.0重量%などの、適切な量の増粘剤を用いることによって変えられてもよい。
【0063】
本発明の無溶媒の水性ポリウレタン分散液は、比較的短い期間熱および圧力で塗布されるときに布接合、積層、および接着目的のために使用することができる、接着造形品に特に好適である。圧力は、例えば、約大気圧〜約60psiの範囲であり、時間は用いられる接合方法に従って約1秒未満〜約30分の範囲であることができる。
【0064】
かかる造形品は、本分散液を剥離紙上へコートし、商業的に利用可能な方法によって約100℃未満の温度で水を除去するために乾燥させて紙上にフィルムを形成することによって製造されてもよい。形成されたフィルムシートは所望の幅のストリップへ細長く切り、用途において後で使用するためにスプールへ巻き取ってストレッチ品、例えば編織布を形成することができる。かかる用途の例には、縫い目なしまたはシームレス衣類構造物、シームシールおよび強化材、衣類に接合するラベルおよびパッチ、ならびに局在化ストレッチ/回復強化材が挙げられる。接着接合は、約130℃〜約200℃、例えば、約140℃〜約180℃などの、約100℃〜約200℃の温度範囲で、0.1秒〜数分、例えば、約1分未満の期間で作成することができる。典型的な接合機はソー・フリー(Sew Free)(英国レスターのソー・システムズ(Sew Systems in Leicester,England)から市販されている)、マックピ(Macpi)耳切り機(イタリア国ブレシアのマックピ・グループ(Macpi Group in Brescia,Italy)から市販されている)、フラミス(Framis)熱空気溶接機(イタリア国ミラノのフラミス・イタリア社(Framis Italy,s.p.a. in Milano,Italy)から市販されている)である。この接合は、編織布衣類で繰り返し着用、洗濯およびストレッチにさらされたときに強くて耐久性があると予期される。
【0065】
コーティング、分散液、または造形品は、顔料入りであってもまたは着色されてもよく、またその関連でデザイン要素として使用されてもよい。
【0066】
加えて、積層フィルムまたは分散液付き物品は成形することができる。例えば、布は、布中の硬質糸にとって適切な条件下に成形することができる。また、成形は、造形品または分散液を成形するであろう温度で、しかし硬質糸を成形するのに好適な温度未満で可能である。
【0067】
積層は、熱がラミネート表面に加えられる任意の方法を用いて造形品を布に固定するために実施することができる。加熱の方法には、例えば、超音波、直接加熱、間接加熱、およびマイクロ波が含まれる。かかる直接積層は、造形品が機械的相互作用によってだけでなく化学結合によっても基材に接合するかもしれないという点において当該技術で用いられる他の方法に照らして優位性を提供するかもしれない。例えば、基材が任意の反応性水素官能基を有する場合、かかる基は、分散液または造形品でのイソシアネートおよびヒドロキシル基と反応し、それによって基材と分散液または造形品との間に化学結合を提供するかもしれない。基材への分散液または造形品のかかる化学結合は、はるかにより強い接合を与えることができる。かかる接合は、基材上へ硬化される乾燥造形品でまたは1つの工程で乾燥されそして硬化される湿った分散液で起こってもよい。活性水素なしの材料には、ポリプロピレン布およびフルオロポリマーまたはシリコーンベース表面の任意のものが含まれる。活性水素を有する材料には、例えば、ナイロン、木綿、ポリエステル、羊毛、絹、セルロース誘導体、アセテート、金属、およびアクリルが含まれる。さらに、酸、プラズマ、または別の形態のエッチングで処理された物品は接着のための活性水素を有するかもしれない。染料分子もまた、接合のための活性水素を有するかもしれない。
【0068】
本発明の範囲内に入る分散液および造形品を物品上に付けるための方法および手段には、ロールコーティング(リバースロールコーティングを含む)、金属製工具またはナイフブレードの使用(例えば、分散液を基材上へ注ぎ、次に分散液を、ナイフブレードなどの金属製工具を用いてそれを基材の全域に広げることによって均一な厚さにキャストすること)、物品をスプレーする(例えば、ポンプスプレーボトルを用いて)、浸漬する、塗装する、プリントする、型押しする、および含浸させることが含まれるが、それらに限定されない。これらの方法は、さらなる接着材料を必要とせずに分散液を基材上へ直接塗布するために用いることができ、追加の/より重い層が必要とされる場合には繰り返すことができる。分散液は、コーティング、接合、積層および接着目的のために合成、天然、または合成/天然ブレンド材料から製造された編布、織布または不織布のいかなる布にも塗布することができる。分散液中の水は、処理中の乾燥で(例えば、空気乾燥またはオーブンの使用によって)除去して、沈澱および合体ポリウレタン層を布上に残して接着接合を形成することができる。
【0069】
少なくとも1つの凝固剤が場合により、布または他の物品への本発明による分散液の浸透を最小限にするために使用されてもよい。使用されてもよい凝固剤の例には、硝酸カルシウム(硝酸カルシウム四水和物をはじめとする)、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム(水和した)、酢酸マグネシウム、塩化亜鉛(水和した)および硝酸亜鉛が挙げられる。
【0070】
本発明の範囲内に入る分散液を塗布するために用いることができる工具の例は、図8および9に示されるナイフブレードである。ナイフブレード100は、金属または任意の他の好適な材料製であることができる。ナイフブレードは、あらかじめ定められた幅102および厚さ104のギャップを有することができる。ギャップは、厚さが、5ミル、10ミル、15ミル、25ミル、30ミル、または45ミルの厚さなどの、例えば、0.2ミル〜50ミルの範囲であってもよい。
【0071】
本発明の範囲内に入る分散液および造形品の厚さは、用途および塗布の方法に依存して変わってもよい。乾燥造形品のケースでは、最終厚さは、例えば、約1〜約6ミル(1ミル=インチの千分の一)をはじめとする、約0.5ミル〜約25ミルなどの、約0.1ミル〜約250ミルの範囲であってもよい。水性分散液については、使用される量は、例えば、約25.4〜約152.4g/mをはじめとする、約12.7〜約635g/mなどの、約2.5g/m〜約6.40kg/mの範囲であってもよい。
【0072】
本発明の範囲内に入る分散液および造形品でコートすることができるタイプの平面シートおよびテープには、織布および編布をはじめとする編織布、不織布、皮革(本物または合成)、紙、金属、プラスチック、ならびにスクリムが含まれるが、それらに限定されない。
【0073】
本発明の範囲内に入る分散液および造形品を使用して製造することができる最終品には、任意のタイプの衣類または衣料品の物品を含むアパレル、編み手袋、室内装飾品、髪飾り、ベッドシーツ、カーペットおよびカーペット裏地、コンベアベルト、ストレッチ包帯などの医療用途;失禁および女性衛生用品をはじめとするパーソナルケア用品、ならびに履物が含まれるが、それらに限定されない。分散液でコートされたまたはフィルムもしくはテープでカバーされた物品が騒音防止品として使用されてもよい。
【0074】
造形品に積層された非弾性布は、改善されたストレンチおよび回復ならびに改善された成形特性を有することができる。
【0075】
造形品、フィルム、テープ、または水性ポリウレタン分散液を含む物品は成形されてもよい。物品は、基材および造形品、フィルム、テープ、または分散液の多層で製造されてもよい。多層物品もまた成形されてもよい。成形品および非成形品は異なるレベルのストレッチおよび回復を有してもよい。成形品は、ブラジャーなどの、ボディシェーピングまたはボディサポート衣類を含んでもよい。
【0076】
本発明の範囲内に入る分散液および造形品を使用して製造することができるアパレルまたは衣類の例には、下着、ブラジャー、パンティー、ランジェリー、水着、シェーパー、キャミソール、靴下、寝間着、エプロン、ウェットスーツ、タイ、手術着、宇宙服、制服、帽子、ガーター、汗止めバンド、ベルト、スポーツウェア、上着、雨着、冷気候ジャケット、パンツ、シャツ地、ドレス、ブラウス、男女トップス、セーター、コルセット、チョッキ、ニッカー、ソックス、ハイソックス(knee high)、ドレス、ブラウス、エプロン、タキシード、ビシュト(bisht)、アバーヤ、ヒジャーブ,ジルバーブ(jilbab)、サウブ(thoub)、ブルカ、ケープ、コスチューム、潜水服、キルト、着物、ジャージ、ガウン、防護服、サリー、サロン、スカート、スパッツ、ストラ(stola)、スーツ、拘束衣、トーガ、タイツ、タオル、制服、ベール、ウェットスーツ、医療圧迫帯、包帯、スーツ芯材、ウエストバンド、およびそれらにおけるすべての構成材が挙げられるが、それらに限定されない。
【0077】
図4は平台型積層機の代表的な図である。布基材のロール72は解かれ、ゾーン78で予熱される。布基材の第2ロール76およびフィルムのロール74が解かれ、積層熱/圧力ゾーン80に入る。加熱後に、布/フィルム/布サンドイッチ構造体は冷却ゾーン82で冷却される。ロール84は、巻き取られた布/フィルム/布ラミネートを表す。
【0078】
リバースロールコーティングでの共通の問題を執り行うおよび克服するための方法は、その全開示が参照により本明細書に援用される(非特許文献1)に記載されている。
【0079】
本発明の範囲内に入る分散液および造形品は、所与の基材に連続的にまたは選択的に付けられてもよい。この関連で、図5〜7は、本発明の範囲内に入る分散液および造形品の付着の略図を断面図で示す。これらの図で、基材は黒い太線で表され、本発明の範囲内に入る分散液および造形品は(1)図5に示されるように、延展法(spreading method)によって(ナイフブレードなどの使用によって)付けられるときに2つの並行の細線、(2)図6に示されるように、浸漬方法によって塗布されるときに黒い太線上に重ねられるジグザグ線、または(3)図7に示されるように、塗装もしくはスプレー法によって塗布されるときに黒い太線の間もしくは上のジグザグ線として表される。文字「a」がそれに続く数で示される、図の左側の図面は本発明の範囲内に入る分散液および造形品の連続付着を表すが、文字「b」がそれに続く数で示される、図の右側の図面は本発明の範囲内に入る分散液および造形品の選択的またはセグメント化付着を表す。図5〜7には示されていないが、本発明の範囲内に入る分散液および造形品は同じ付着で連続的におよびセグメントでの両方で、例えば、幾つかの層上ではまたは層間では連続的に、および他の層上ではまたは層間ではセグメントで付着できることもまた考えられる。
【0080】
図10〜13は、本発明の範囲内に入る分散液または造形品を組み入れるために製造することができる衣類の代表的な例を示す。
【0081】
図10は、カップ112を取り囲む周囲領域114とホック118およびはめ合わせループ120などの、締め付け手段で終わる身体を包むサイド116とを含むサポート構造内に布ブラジャーカップ112が形成されたブラジャー110を示す。ブラジャー110は肩ひも122をさらに含む。ブラジャー110は、本発明の範囲内に入る分散液または造形品を組み入れるために製造することができる。かかる分散液または造形品は、肩ひも122、周囲領域114、および身体を包むサイド116を含むが、それらに限定されない、ブラジャー上の任意の数の場所のためにまたは場所に提供することができる。かかる分散液または造形品は、継ぎ目がブラ中の材料の1つまたは複数のセグメントを結び付けるために存在すると予期されるであろう任意の場所に提供することができる。図10に示されるような、ブラジャーカップ112と身体を包むサイド116に沿った幾何学的形状の領域124とはフィルムを付けられない。すべての他の布構成材は本発明による造形品または分散液を含む。図10に具体的に示されていないが、ブラジャーカップ112は、本発明の範囲内に入る分散液を使用して成形されてもよい。
【0082】
図11はブラジャーカップ112の断面図を示す。図12は、カップを取り囲む周囲領域114に交わるカップのエッジの分解組立図を示す。図11および12に示されるように、ブラジャーカップ112は、分散液またはフィルムが全く付けられなかった布で形成される。周囲領域114はフィルムを付けられ、こうして、フィルムおよび布の厚さを一緒に含むカップの布より大きい厚さを有する。周囲領域114は、アンダーワイヤによって提供される着心地の悪い剛性を有さずに、胸をサポートする幾らかの剛性および硬度を提供する。
【0083】
図13は、接着、高められた弾性、および/または高められたサポートのために本発明の範囲内に入る分散液または造形品を組み入れるために製造することができる女性のパンティーまたはブリーフ130を示す。かかる分散液または造形品は、ウエストバンド132および脚開口部134を含むが、それらに限定されない、パンティーまたはブリーフ130上の任意数の場所のためにまたは場所に提供することができる。
【0084】
本発明の別の態様は、接着剤、ストレッチ部材、および基材を含んでもよい物品である。接着剤150およびストレッチ部材152は第1工程で組み合わせられ、第2工程で基材154に貼り合わせられてストレッチ品156、図14を形成する。あるいはまた、接着剤162およびストレッチ部材162は単一工程で基材164に付着されてストレッチ品166、図15を形成してもよい。両実施形態で熱および圧力を、接着剤を接合するために使用することができる。接着剤の例には、前述の水性ポリウレタン分散液から製造された接着テープが挙げられてもよく、または分散液それ自体を接着剤として直接使用することができる。これらの接着剤は弾性があってもなくてもよい。ストレッチ部材の例には、スパンデックス糸またはテープ、ゴム糸またはテープ、織られた狭い弾性ストリップ、編まれた弾性ストリップなどが挙げられてもよい。本発明の一実施形態は折り重ねたへりであり、それでは基材200は折り重ねられ、接着剤202を使用して固定され、そしてストレッチ部材204、図16によってストレッチおよび回復のためのサポートを与えられる。図16に示された折り重ねたへりは、衣類、例えば密接アパレルまたは水着で使用することができる。密接アパレルの例には、男女用の下着、ブラジャー、およびシェイプウェアが挙げられる。
【0085】
本発明の別の態様は、造形品および基材が貼り付けられてラミネートを形成し、それによって弾性ラミネートの摩擦係数が基材だけのそれより大きい、造形品および基材を含む物品である。これの例は、ブラウスまたはシャツなどの別の衣類からの衣類の滑りを防ぐ、あるいはまた衣類着用者の皮膚上のウエストバンドの滑りを防ぐ、水性ポリウレタン分散液を含むコーティングまたはフィルム付きウエストバンドである。
【0086】
本発明の別の態様は、造形品の弾性率が物品の長さ、あるいはまた幅に沿って変わる、造形品および基材を含む物品である。例えば、布などの基材302は、1インチ(2.5cm)幅の接着テープ304などの2フィート(61cm)の造形品で処理することができる。接着剤の追加の層306は、1インチ幅の接着テープの長さに沿って3つの2インチ(5cm)×1インチ・セグメントを塗ることによって付着して複合構造体300、図17を形成することができる。
【0087】
造形品、例えば本水性ポリウレタンウレア分散液のフィルムは、次の特性を有してもよい:
−約0〜10%、例えば約0〜5%、典型的には約0%〜約3%の伸長後残留歪、
−約400〜約800%の伸び、および
−約0.5〜約3Mpaのテナシティ。
【0088】
物品および基材から製造されたラミネートは、次の特性を有してもよい:
−強度の少なくとも50%が洗濯前のそれから維持されている50回洗濯後の剥離強度、
−少なくとも約0〜約0.5cfmの通気度、および
−24時間にわたって少なくとも約0〜約300g/mの水蒸気透過度。
【0089】
(分析方法)
以下の実施例では、次の分析方法を用いた。
【0090】
(接着接合についての剥離強度)
その全開示が参照により本明細書に援用される、ASTM(米国材料試験協会)D903−93をフィルム積層布の試験のために修正した。試験に使用したサンプルサイズは1インチ×6インチ(2.5cm×15cm)であった。分離速度は2インチ毎分(5センチメートル毎分)であった。データは、表2および4に示すように、サンプル幅のインチ当たりのポンドの力(ミリメートル当たりのキログラム)として報告する。
【0091】
(洗濯試験)
その全開示が参照により本明細書に援用される、AATCC(米国繊維化学者・色彩技術者協会)試験方法150−2001を成形ブラカップの洗濯のために用いた。機械サイクルは(I)標準/木綿スターディ(sturdy)であった。洗濯温度は(III)41℃であった。乾燥手順は、(A)(i)10分冷却時間で66℃30分間のタンブル木綿スターディであった。
【0092】
(水蒸気輸送)
その全開示が参照により本明細書に援用される、ASTM E96−00を物品の水蒸気輸送性を試験するために用いた。データは、表7に示すように、24時間期間の平方メートル当たりのグラムとして報告する。
【0093】
(通気性)
その全開示が参照により本明細書に援用される、ASTM D−737を物品の通気性を試験するために用いた。データは、表7に示すように、布の平方フィート当たり分当たりの空気の立方フィート(cfm、布の平方センチメートル当たり秒当たりの空気の立方センチメートル(ccs))として報告する。
【0094】
(伸び、テナシティ、および残留歪)
伸びおよびテナシティ特性は、動的引張試験機インストロン(Instron)を用いてフィルムについて測定した。サンプルサイズは、長い寸法に沿って測定されて1×3インチ(1.5cm×7.6cm)であった。サンプルをクランプに入れ、最大伸びに達するまで200%伸び毎分の歪み速度で引き伸ばした。テナシティおよび伸びは、フィルムが破壊する直前に測定した。同様に、残留歪%は、フィルムの1×3インチ・サンプル(1.5cm×7.6cm)を200%毎分の歪み速度で5サイクルの間0〜50%伸びに引き伸ばすことによって測定した。残留歪%は第5サイクル後に測定した。
【実施例】
【0095】
本発明の代表的な実施形態は、本発明の原理および実施を例示する次の実施例に関連して説明されるであろう。これらの実施例では、参照番号は図1〜3のフローチャートおよび、適切な場合、図5〜7の断面図に示される要素を意味する。
テラセイン(登録商標)1800は、1,800の数平均分子量の、線状ポリテトラメチレングリコール(PTMEG)(カンザス州ウィッチタおよびデラウェア州ウィルミントンのインビスタ社(Invista,S.a.r.L.,of Wichita,KS and Wilmington,DE)から市販されている)であり、
プルラコール(Pluracol)(登録商標)HP4000Dは、400の数平均分子量の、線状の第一級ヒドロキシル末端ポリプロピレンエーテルグリコール(バスフ、ベルギー国ブリュッセル(Bruxelles,Belgium)から市販されている)であり、
モンデュール(登録商標)MLは、50〜60%の2,4’−MDI異性体および50〜40%の4,4’−MDI異性体を含有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の異性体混合物(バイエル、テキサス州ベイタウン(Baytown,TX)から市販されている)であり、
ルプラネート(登録商標)MIは、45〜55%の2,4’−MDI異性体および55〜45%の4,4’−MDI異性体を含有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の異性体混合物(バスフ、ミシガン州ワイアンドット(Wyandotte,Michigan)から市販されている)であり、
アイソネート(登録商標)125MDRは、98%の4,4’−MDI異性体および2%の2,4’−MDI異性体を含有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の純混合物(ダウ・カンパニー、ミシガン州ミッドランド(Dow Company,Midland,Michigan)から市販されている)であり、そして
DMPAは2,2−ジメチロールプロピオン酸である。
【0096】
次のプレポリマーサンプルを、高レベルの2,4’−MDIを含有する、ルプラネート(登録商標)MIおよびモンデュール(登録商標)MLなどの、MDI異性体混合物で製造した。
【0097】
(実施例1)
プレポリマーの製造を窒素雰囲気のグローブボックス中で行った。圧力駆動撹拌機、加熱マントル、および熱電対温度測定を備えている2000mlパイレックス(Pyrex)(登録商標)ガラス反応ケトルに、382.5グラムのテラセイン(登録商標)1800グリコールおよび約12.5グラムのDMPAを装入した。この混合物を撹拌しながら約50℃に加熱し、それに約105グラムのルプラネート(登録商標)MIジイソシアネートの添加が続いた。反応混合物を次に連続的に撹拌しながら約90℃に加熱し、90℃に約120分間保持し、その時間後に、混合物の%NCOがイソシアネート末端基を有するプレポリマーの計算値(1.914の%NCO照準)にマッチする安定値に低下したので、反応を完了させた。プレポリマーの粘度を、約40℃で操作される、モデル(Model)DV−8落球粘度計(Falling Ball Viscometer)(デュラテック・コープ、バージニア州ウェーンズバロ(Duratech Corp.,Waynesboro,VA.)によって販売される)を用いてASTM D1343−69の一般法に従って測定した。キャップドグリコールプレポリマーの、NCO基の重量パーセントの観点からの、全イソシアネート部分含有率を、その全開示が参照により本明細書に援用される、(非特許文献2)の方法によって測定した。
【0098】
(実施例2)
製造手順は、下記原料を反応混合物に使用したことを除いては、実施例1と同じものであった:
テラセイン(登録商標)1800: 約361グラム、
DMPA: 約19グラム、および
モンデュール(登録商標)ML: 約120グラム。
【0099】
(実施例3)
製造手順は、下記原料を反応混合物に使用したことを除いては、実施例1と同じものであった:
テラセイン(登録商標)1800: 約349グラム、
DMPA: 約21グラム、および
モンデュール(登録商標)ML: 約130グラム。
【0100】
(実施例4)
製造手順は、下記原料を反応混合物に使用したことを除いては、実施例1と同じものであった:
テラセイン(登録商標)1800: 約329グラム、
プルラコール(登録商標)HP4000D:約30グラム、
DMPA: 約21グラム、および
モンデュール(登録商標)ML: 約120グラム。
【0101】
(実施例5)
製造手順は、下記原料を反応混合物に使用したことを除いては、実施例1と同じものであった:
テラセイン(登録商標)1800: 約331グラム、
プルラコール(登録商標)HP4000D:約30グラム、
DMPA: 約19グラム、および
モンデュール(登録商標)ML: 約120グラム。
【0102】
(比較例)
下記プレポリマーサンプルにおいて、製造手順ならびに原料タイプおよび量は、MDIイソシアネートを除いては同じものに保った。比較のために、アイソネート(登録商標)125MDRを、下に示すような反応混合物にルプラネート(登録商標)MIまたはモンデュール(登録商標)MLの代わりに同じ量で使用した。
【0103】
比較例6C
テラセイン(登録商標)1800: 約382.5グラム、
DMPA: 約12.5グラム、および
アイソネート(登録商標)125MDR:約105グラム。
【0104】
比較例7C
テラセイン(登録商標)1800: 約361グラム、
DMPA: 約19グラム、および
アイソネート(登録商標)125MDR:約120グラム。
【0105】
比較例8C
テラセイン(登録商標)1800: 約349グラム、
DMPA: 約21グラム、および
アイソネート(登録商標)125MDR:約130グラム。
【0106】
比較例9C
テラセイン(登録商標)1800: 約329グラム、
プルラコール(登録商標)HP4000D:約30グラム、
DMPA: 約21グラム、および
アイソネート(登録商標)125MDR: 約120グラム。
【0107】
比較例10C
テラセイン(登録商標)1800: 約331グラム、
プルラコール(登録商標)HP4000D:約30グラム、
DMPA: 約19グラム、および
アイソネート(登録商標)125MDR: 約120グラム。
【0108】
実施例プレポリマーサンプル(実施例1〜5)および比較例サンプル(比較例6C〜10C)の、落球法によって40℃で測定されるような粘度を、比較のために表1にリストする。
【0109】
【表1】

【0110】
表1に示すように、ルプラネート(登録商標)MIまたはモンデュール(登録商標)MLで製造したプレポリマーは、プレポリマー製造中または後に任意の溶媒の不存在下に、アイソネート(登録商標)125MDRで製造したものより実質的に低い粘度を与えた。比較例サンプルからのプレポリマー粘度は、溶媒を用いる希釈なしでは、輸送するおよび下流処理で水に分散させるには余りにも高かった。
【0111】
(実施例11)
実施例1に記載した手順および組成に従って製造されるような、無溶媒のプレポリマーを、本発明のポリウレタンウレア水性分散液を製造するために使用した。
【0112】
2,000mlステンレススチールビーカーに、約700グラムの脱イオン水、約15グラムのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)、および約10グラムのトリエチルアミン(TEA)を装入した。この混合物を次に氷/水で約5℃に冷却し、回転子/固定子混合ヘッド付き高剪断実験室ミキサー(ロス、モデル(Ross,Model)100LC))で約5,000rpmで約30秒間混合した。実施例1のようなやり方で製造した、そして金属管状シリンダー中に含有される粘稠なプレポリマーを、空気加圧で柔軟なチューブによって水溶液中の混合ヘッドの底部に加えた。プレポリマーの温度を約50℃〜約70℃に維持した。押し出されたプレポリマー流れを分散させ、約5,000rpmの連続混合下に水で鎖延長させた。約50分の期間に、約540グラムの総量のプレポリマーを導入し、水に分散させた。プレポリマーを加え、そして分散させた直後に、分散混合物に、約2グラムのアディティブ65(ダウ・コーニング(登録商標)、ミシガン州ミッドランド(Dow Corning,Midland Michigan)から市販されている)および約6グラムのジエチルアミン(DEA)を装入した。反応混合物を次に約もう30分間混合した。生じた無溶媒の水性分散液は乳白色であり、安定であった。分散液の粘度を、水性分散液の約2.0重量%のレベルでのハウセイン(Hauthane)HA増粘剤900(ハウスウェイ、マサチューセッツ州リン(Hauthway,Lynn,Massachusetts)から市販されている)の添加および混合で調節した。粘稠な分散液を次に40ミクロンのベンディックス(Bendix)金属メッシュ・フィルターによって濾過し、フィルムキャスティングまたは積層使用のために室温で保管した。分散液は43%の固形分レベルおよび約25,000センチポアズの粘度を有した。この分散液からのキャストフィルムは柔らかく、粘着性で、そしてエラストマーであった。
【0113】
(実施例12)
実施例1に記載した手順および組成に従って製造されるような、無溶媒のプレポリマーを、本発明のポリウレタンウレア水性分散液を製造するために使用した。
【0114】
2,000mlステンレススチールビーカーに、約900グラムの脱イオン水、約15グラムのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)、および約10グラムのトリエチルアミン(TEA)を装入した。この混合物を次に氷/水で約5℃に冷却し、回転子/固定子混合ヘッド付き高剪断実験室ミキサー(ロス、モデル100LC)で約5,000rpmで約30秒間混合した。実施例1のようなやり方で製造した、金属管状シリンダー中に含有される粘稠なプレポリマーを、空気加圧で柔軟なチューブによって水溶液中の混合ヘッドの底部に加えた。プレポリマーの温度を約50℃〜約70℃に維持した。押し出されたプレポリマー流れを分散させ、約5,000rpmの連続混合下に水で鎖延長させた。約50分の期間に、約540グラムの総量のプレポリマーを導入し、水に分散させた。プレポリマーを加え、そして分散させた直後に、分散混合物に、約2グラムのアディティブ(登録商標)65(ダウ・コーニング、ミシガン州ミッドランドから市販されている)および約6グラムのジエチルアミン(DEA)を装入した。反応混合物を次に約もう30分間混合した。生じた無溶媒の水性分散液は乳白色であり、安定であった。粘稠な分散液を次に40ミクロンのベンディックス金属メッシュ・フィルターによって濾過し、フィルムキャスティングまたは積層使用のために室温で保管した。分散液は40%の固形分レベルおよび約28センチポアズの粘度を有した。この分散液からのキャストフィルムは柔らかく、粘着性で、そしてエラストマーであった。
【0115】
(実施例13)
実施例1に記載した手順および組成に従って製造されるような、無溶媒のプレポリマーを、本発明のポリウレタンウレア水性分散液を製造するために使用した。
【0116】
2,000mlステンレススチールビーカーに、約700グラムの脱イオン水、約15グラムのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)、および約10グラムのトリエチルアミン(TEA)を装入した。この混合物を次に氷/水で約5℃に冷却し、回転子/固定子混合ヘッド付き高剪断実験室ミキサー(ロス、モデル100LC)で約5,000rpmで約30秒間混合した。実施例1のようなやり方で製造した、金属管状シリンダー中に含有される粘稠なプレポリマーを、空気加圧で柔軟なチューブによって水溶液中の混合ヘッドの底部に加えた。プレポリマーの温度を約50℃〜約70℃に維持した。押し出されたプレポリマー流れを分散させ、約5,000rpmの連続混合下に水で鎖延長させた。約50分の期間に、約540グラムの総量のプレポリマーを導入し、水に分散させた。プレポリマーを加え、そして分散させた直後に、分散混合物に、約2グラムのアディティブ(登録商標)65(ダウ・コーニング、ミシガン州ミッドランドから市販されている)および約6グラムのジエチルアミン(DEA)を装入した。反応混合物を次に約もう30分間混合した。生じた無溶媒の水性分散液は乳白色であり、安定であった。粘稠な分散液を次に40ミクロンのベンディックス金属メッシュ・フィルターによって濾過し、フィルムキャスティングまたは積層使用のために室温で保管した。分散液は43%の固形分レベルおよび約28センチポアズの粘度を有した。この分散液からのキャストフィルムは柔らかく、粘着性で、そしてエラストマーであった。
【0117】
(比較例14C)
製造手順は、プレポリマーを混合した後にDEAを分散液へ加えなかったことを除いては、実施例11と同じものであった。最初は、分散液は実施例11と全く異ならないように見えた。しかしながら、分散液を室温で1週間以上エージングしたときに、この分散液からキャストしたフィルムは脆く、接着または積層に好適ではなかった。
【0118】
(実施例15)
実施例11で製造したような濾過した水性分散液を、連続の12インチ(30cm)実験室リバースロール・コーターで、シリコーンコーテッド剥離紙上にフィルムをコートするために使用した。コーターは、それぞれ、約60℃、75℃および120℃の温度設定の、3ゾーン乾燥オーブンを備えていた。乾燥の全滞留時間は約6分であった。約3ミル厚さの乾燥フィルムを約2メートル毎分のスピードで巻き取った。エラストマーフィルム12は容易に剥離紙から剥離することができ、積層のために使用した。
【0119】
(実施例16)
実施例11で製造したような濾過した水性分散液を、シリコーンコーテッド剥離紙上にフィルムをコートしてエラストマーフィルム12を形成するために使用した。実験室サンプルを、両面シリコーン剥離紙(プリント・マウント社(Print Mount Co.,Inc)製のカバーマウント(Covermount)DS 401−232−0096)の12インチ×12インチ(30cm×30cm)シートをマスキングテープで作業表面に固定することによって手動で製造した。水性分散液を剥離紙上へ注ぎ、5ミルの厚さの6インチ(15cm)幅のギャップを有する、図8および9に示すような、金属ナイフブレード工具を用いて剥離紙の全域に分散液を広げることによって均一な厚さへキャストした。過剰の溶液を紙タオルで拭き取った。キャスティングをフード下で一晩風乾させた。生じたフィルム12は、さらなる使用のために剥離紙から剥離するのが容易であった。
【0120】
(実施例17)
実施例15からの剥離紙12上のフィルムを、12インチ×12インチ(30cm×30cm)縦編スパンデックス14とのナイロン布の裏面上へ置いた。布/フィルム/剥離紙サンドイッチを羽島HP−400Cベルトオーブン積層機(Hashima HP−400C Belt Oven Laminator)(羽島株式会社(Hashima Co.,Ltd)、日本国岐阜市)、058−245−4501)へフィードし、図1のバス11aで示されるように、20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層した16。剥離紙を取り除き、フィルム/布ラミネート・ストレッチ品18aを残した。
【0121】
【表2】

【0122】
(実施例18)
積層ストレッチ品18aを縦編ナイロン・スパンデックス布の別の12インチ×12インチ(30cm×30cm)片でカバーした。布/フィルム/布サンドイッチを羽島積層機へフィードし、20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層してストレッチ品24aを与えた。実施例18についての剥離強度は2.56ポンド/インチであった。表2を参照されたい。
【0123】
(実施例19)
実施例15のフィルム12を、積層温度が120℃であったことを除いては、実施例17と同じ条件下に布に積層した。剥離紙を取り除き、フィルム/布ラミネート・ストレッチ品18aを残した。物品18aのフィルム側を縦編ナイロン・スパンデックス布の別の12インチ×12インチ(30cm×30cm)層でカバーした。布/フィルム/布サンドイッチを羽島積層機へフィードし、20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層してストレッチ品24aを与えた。実施例19についての剥離強度は1.71ポンド/インチであった。表2を参照されたい。
【0124】
(実施例20)
本実施例では、2つの18aのストレッチ品を、フィルム側が互いに面した状態で層状化させた。布/フィルム/フィルム/布サンドイッチを羽島積層機へフィードし、20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層してストレッチ品を与えた。実施例20についての剥離強度は4.25ポンド/インチであった。表2を参照されたい。
【0125】
(実施例21)
実施例15のフィルム12を剥離紙から注意深く取り外し、12インチ×12インチ(30cm×30cm)縦編スパンデックスとのナイロン布上へ置いた14。縦編ナイロン・スパンデックス布の別の12インチ×12インチ(30cm×30cm)層をキャストフィルム上へ置いた20。布/フィルム/布サンドイッチ20を羽島積層機へフィードし、20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層して22ストレッチ品24aを与えた。実施例21についての剥離強度は1.72ポンド/インチであった。表2を参照されたい。
【0126】
(実施例22)
第2フィルムを剥離紙から注意深く取り除き、布/フィルム/布サンドイッチ24a上に置いて物品を形成した26。縦編ナイロン・スパンデックス布の第2の12インチ×12インチ(30cm×30cm)層をキャストフィルムの第2層上へ置いた28。布/フィルム/布/フィルム/布サンドイッチを羽島積層機へフィードし、30におけるように20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層してストレッチ品32aを与えた。
【0127】
(実施例23)
本実施例では、縦編ナイロン・スパンデックス布の一片(1インチ×12インチ(2.5cm×30cm))を実施例11からの高粘度水性分散液10b中へ浸漬し、取り出し、次に過剰を、手袋をした指間で圧搾除去した。過剰を、手袋をした指間で2回圧搾除去して浸漬品34を与えた。コートしたストリップを吊し、フード下に一晩風乾させてストレッチ品38a、図2のパス21aを与えた。
【0128】
(実施例24)
横方向に変形可能な、軽量不織布の一片を、実施例12の方法によって製造した、低粘度の水性分散液10b(40重量%固形分および28センチポアズ)中へ浸漬する。浸漬品34を、滴らせて過剰の分散液を除去し、次に一晩ドラフト中で乾燥させるために吊して36ストレッチ品38a、図2のバス21aを与える。
【0129】
(実施例25)
本実施例では、実施例23からのストレッチ品38aを縦編ナイロン・スパンデックス布(6インチ×12インチ(15cm×30cm))でカバーした40。層状品40を羽島積層機へフィードし、42、図2のパス21bにおけるように20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層してストレッチ品44aを与えた。実施例25についての剥離強度は6.17ポンド/インチであった。表2を参照されたい。
【0130】
(実施例26)
本実施例では、ストレッチ品44aを縦編ナイロン・スパンデックス布(6インチ×12インチ(15cm×30cm))でカバーした、46、図2のバス21c。層状品46を羽島積層機へフィードし、48におけるように20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層してストレッチ品50aを与えた。実施例26についての剥離強度は5.26ポンド/インチであった。表2を参照されたい。
【0131】
(実施例27)
本実施例では、実施例12で製造したような水性分散液の濾過した溶液を、典型的なスプレーボトルへ注ぎ入れる。図3に示すように、濾過した水性分散液10cを、スプレーボトルを用いて両ストレッチ木綿/スパンデックス綾織布に直接塗布する52。布を風乾させて54、ストレッチ品56aを形成する、図3のパス31a。
【0132】
(実施例28)
ストレッチデニム生地の一片を、凝固剤としての20重量%硝酸カルシウム四水和物の水溶液を含有する浴中へ浸漬することによって前処理し、オーブン中100℃で30分間乾燥させる。実施例12の方法によって製造した、水性分散液10c(40重量%固形分および28センチポアズ)を、前処理した生地の裏面上へ5ミルギャップ厚さを有する、図8および9に示すような、ブレードで均一にコートする。分散液を、しみ込むことなく生地の表面上で凝固させる。この布を次にオーブン中80℃で60分間乾燥させて54ストレッチ品56a、図3のパス31aを与える。
【0133】
(実施例29)
ストレッチデニム生地の一片を、実施例11の高粘度分散液10c(43%固形分および25,000センチポアズ)でコートする。この増加した粘度は、分散液が生地にしみ込むことなく生地の一面上にコートされるのを可能にする52。布をオーブン中80℃で60分間乾燥させて54ストレッチ品56a、図3のパス31aを与える。
【0134】
(実施例30)
12インチ×12インチ(30cm×30cm)縦編ナイロン・スパンデックス布片を、マスキングテープを用いて作業表面に固定した(布がたて方向にわずかな張力下に保持されるのを可能にする)。実施例11の濾過した水性分散液10c(43重量%固形分および25,000センチポアズ)を布上へ注いだ52。この増加した粘度は、分散液が布にしみ込むことなく布の一面上にコートされるのを可能にする52。均一な厚さのフィルムを、10ミル厚さの6インチ幅ギャップを有する、図8および9に示す、金属工具を用いて布の全域に分散液を広げることによって製造した。過剰の溶液を紙タオルで拭き取った。コーテッド布をフード下で一晩風乾させた。物品52を羽島積層機へフィードし、54におけるように20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層してストレッチ品56a、図3のパス31aを形成した。
【0135】
(実施例31)
12インチ×12インチ(30cm×30cm)縦編ナイロン・スパンデックス布片を、マスキングテープを用いて作業表面に固定した(布がたて方向にわずかな張力下に保持されるのを可能にする)。実施例11の濾過した水性分散液10c(43重量%固形分および25,000センチポアズ)を布上へ注いだ52。均一な厚さのフィルムを、10ミル厚さの6インチ幅ギャップを有する、図8および9に示す、金属工具を用いて布の全域に分散液を広げることによって製造した。過剰の溶液を紙タオルで拭き取った。別の12インチ×12インチ(30cm×30cm)縦編ナイロン・スパンデックス布を、分散液上に置き、軽くプレスして接着を促進した58、図3のパス31b。コーテッド布サンドイッチをフード下で一晩風乾させた。層状品58を羽島積層機へフィードし、60におけるように20秒の滞留時間およびP=1の圧力設定で、165℃で積層してストレッチ品62aを与えた。実施例31についての剥離強度は4.06ポンド/インチであった。表2を参照されたい。
【0136】
【表3】

【0137】
(実施例32)
ストレッチ品24a、図1を、100%木綿丸編布をトップ布およびボトム布として使用したことを除いては実施例21に従って製造した。木綿ベースのストレッチ品24aの12インチ×12インチ(30cm×30cm)片を、8.5cm深さの円形ビュレット金型を備えたテキシルフォールムング・ウィリ・レーマン社の成形機タイプ2030NT(Texilformung Willi Lehman GmbH Molding Machine Type 2030 NT)を用いてブラカップに成形した。ビュレットおよび円錐金型ベースを195℃に加熱し、一方、リングクランプを185℃に加熱した。布を標準慣行に従って45秒間成形した。カップ高さを成形直後およびAATCC試験方法150−2001に従った洗濯および乾燥サイクル後に再び測定した。積層および成形した木綿のカップは7.4cmの高さを有した。洗濯後に、実施例32のカップは4.2cmの高さを有した。
【0138】
(比較例33C)
100%木綿丸編の12インチ×12インチ(30cm×30cm)片を実施例32と同じやり方で成形した。カップ高さを成形直後およびAATCC試験方法150−2001に従った洗濯および乾燥サイクル後に再び測定した。100%木綿丸編成形カップは7.3cmの高さを有した。洗濯後に、比較例33Cのカップは1.9cmの高さを有した。
【0139】
(実施例34)
ストレッチ品24a、図1を、実施例21に従って、トップ布およびボトム布として縦編ナイロン・スパンデックス布を使って製造した。縦編ナイロン・スパンデックスベースのストレッチ品24aの12インチ×12インチ(30cm×30cm)片を、実施例32と同じやり方で成形した。カップ高さを成形直後およびAATCC試験方法150−2001に従った洗濯および乾燥サイクル後に再び測定した。積層および成形したカップは6.7cmの高さを有した。洗濯後に、実施例34のカップは6.4cmの高さを有した。
【0140】
(比較例35C)
100%縦編ナイロンの12インチ×12インチ(30cm×30cm)片を、実施例32と同じやり方で成形した。カップ高さを成形直後およびAATCC試験方法150−2001に従った洗濯および乾燥サイクル後に再び測定した。積層および成形したカップは6.8cmの高さを有した。洗濯後に、比較例35Cのカップは5.9cmの高さを有した。
【0141】
(実施例36)
4つのスパンデックス糸(ライクラ(Lycra)(登録商標)70デニール)をパッケージから110cm長さへカットし、サイド−バイ−サイドに置いた。糸を、フラット束でサイド−バイ−サイドにレイダウンし、実施例11、図14のキャストフィルムから形成したテープへプレスした。糸テープ複合材料を縦編布と共に接合機(ソー・システムズ、英国レスター(Sew Systems,Leicester,England)から市販されている)へフィードして布上に折り重ねたへりを形成した。へりの折り重ねは180℃で実施し、接着テープで一緒に保持され、そしてスパンデックス糸で強化された滑らかなへりをもたらした、図16。
【0142】
(実施例37)
本実施例では、へりの折り重ねを実施例36と同様に行ったが、スパンデックス糸を延伸し(引き伸ばし)、そしてテープは、それが接合機へフィードされつつある間ずっと延伸もまたは張力もほとんどないし全く持たなかった。これは、実施例36のへりに似ているへりをもたらしたが、本実施例でのへりは集結した。
【0143】
(実施例38)
本実施例では、実施例36の布を実施例30におけるような分散液の溶液でコートする。ストレッチ糸を布に付け、布を、実施例36におけるような接合機を用いてへりを折り返す。ストレッチ糸で強化されたフラット接合へりが形成される。
【0144】
(実施例39)
本実施例では、スパンデックス糸を実施例11の分散液でコートする。コーテッド糸を布のエッジに付ける。布のエッジを折り重ねてへりを作る。折り重ねたへりを、実施例36におけるように接合機を用いて接合する。布を接合するためにストレッチ糸を使用するフラット接合へりが形成される。
【0145】
(実施例40)
実施例17からと同様に製造した積層品を剥離強度について試験した。サンプルを5、10、20、30、40、および50回洗濯した。本実施例についてのデータを表4に与える。
【0146】
(実施例41)
積層品を、フィルムを除いては実施例40に従って製造した。本実施例のために使用したフィルムは1ミル・ストレッチフィルム#3410(マサチューセッツ州シャーリーのベミス・アソシエイツ社(Bemis Associates,Inc.of Shirley,Massachusetts)から市販されている)であった。ラミネートを剥離強度について試験した。サンプルを5、10、20、30、40、および50回洗濯した。本実施例についてのデータを表4および5に与える。
【0147】
【表4】

【0148】
【表5】

【0149】
(実施例42)
本実施例では、実施例12の分散液を実施例15に従って使用して2ミル・フィルムを製造した。フィルムの第2層を、ポリプロピレンシート上の4.5ミル・フィルムへ実施例12の分散液のキャスティングによって製造した。このフィルムの2つの層を一緒に、熱油加熱された100℃の金属ロールおよび15psiの圧力下のゴムロールによって積層して6.5ミル厚さのフィルムを形成した。本実施例でのフィルムを、テナシティ、伸びおよび残留歪をはじめとする引張特性について試験した、表6。
【0150】
(実施例43)
本実施例では、実施例13の分散液を実施例15に従って使用して3ミル・フィルムを製造した。本実施例でのフィルムを、テナシティ、伸びおよび残留歪をはじめとする引張特性について試験した、表6。
【0151】
(実施例44)
本実施例では、フィルムを、ポリプロピレンシート上の4.5ミル・フィルムへの実施例12の分散液のキャスティングによって製造した。このフィルムの2つの層を一緒に、熱油加熱された100℃の金属ロールおよび15psiの圧力下のゴムロールによって積層して9ミル厚さのフィルムを形成した。本実施例でのフィルムを、テナシティ、伸びおよび残留歪をはじめとする引張特性について試験した、表6。
【0152】
【表6】

【0153】
(実施例45)
本実施例では、実施例18のラミネートを上に与えた方法に従って水蒸気輸送について試験した。データを表7に与える。
【0154】
(実施例46)
本実施例では、実施例17のラミネートを上に与えた方法に従って水蒸気輸送について試験した。データを表7に与える。
【0155】
(実施例47)
本実施例では、実施例18のラミネートを上に与えた方法に従って通気性について試験した。データを表7に与える。
【0156】
(実施例48)
本実施例では、実施例17のラミネートを上に与えた方法に従って通気性について試験した。データを表7に与える。
【0157】
実施例17の布を通気性および水蒸気輸送だけについて試験した。
【0158】
【表7】

【0159】
本発明を例示的に説明してきたが、用いられた専門用語が限定の意味ではなく言葉または説明の意味で使用されるものであることを理解されたい。さらに、本発明を幾つかの例示的な実施形態について説明してきたが、当業者がこれらの教示を本発明の他の可能な変形に容易に適用するであろうことは認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】延展法を用いて本発明による分散液またはフィルムを付けるために用いられてもよい処理工程を示すフローチャートである。
【図2】浸漬法を用いて本発明による分散液またはフィルムを付けるために用いられてもよい処理工程を示すフローチャートである。
【図3】塗装またはスプレー法を用いて本発明による分散液またはフィルムを付けるために用いられてもよい処理工程を示すフローチャートである。
【図4】積層品を形成するために平床式積層機を用いるプロセスの略図である。
【図5】延展法を用いる本発明による分散液またはフィルムの基材上への付着を示す断面図である。
【図6】浸漬法を用いる本発明による分散液またはフィルムの基材上への付着を示す断面図である。
【図7】塗装またはスプレー法を用いる本発明による分散液またはフィルムの基材上への付着を示す断面図である。
【図8】本発明による分散液またはフィルムを分配させるために用いることができるナイフブレードの図である。
【図9】図8のナイフブレードの一部の分解組立図である。
【図10】本発明による分散液または造形品を組み入れた女性のブラジャーの正面図である。
【図11】ブラジャーカップを示す図10のライン11−11に沿って取られた断面図である。
【図12】ブラジャーカップとカップを取り囲む周囲領域でのフィルム界面とを示す図11から取られた部分分解組立図である。
【図13】本発明による分散液または造形品を組み入れた女性のパンティーの正面図である。
【図14】本発明の一実施形態によるストレッチ品を製造するために用いられてもよい処理工程を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態によるストレッチ品を製造するために用いられてもよい処理工程を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態による接着剤およびストレッチ部材を使用してへりを折り返された基材布を示す断面図である。
【図17】本発明の一実施形態による接着テープおよび追加の接着剤と組み合わせられた基材布を示す平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)600〜3,500の数平均分子量を有する、少なくとも1つのポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートポリオール、
b)4,4’−MDI対2,4’−MDI異性体の比が65:35〜35:65の範囲である、4,4’−および2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)異性体の混合物、ならびに
c)(i)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができるヒドロキシ基と、(ii)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができない、中和時に塩を形成することができる少なくとも1つのカルボン酸基とを含む少なくとも1つのジオール化合物
を含む水性ポリウレタン分散液での使用のためのプレポリマーであって、
実質的に無溶媒であることを特徴とするプレポリマー。
【請求項2】
成分a)の少なくとも1つのポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートポリオールが1,400〜2,400の数平均分子量を有するポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールであることを特徴とする請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項3】
4,4’−MDI対2,4’−MDI異性体の比が55:45〜45:55の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項4】
少なくとも1つのジオール化合物が2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、および2,2−ジメチロール吉草酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項5】
4,4’−MDI対2,4’−MDI異性体の比が55:45〜45:55の範囲であり、そして少なくとも1つのジオール化合物が2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)であることを特徴とする請求項2に記載のプレポリマー。
【請求項6】
成分(a)がプレポリマーの総重量を基準にして34%〜89%の範囲の重量百分率で存在し、成分b)がプレポリマーの総重量を基準にして59%〜10%の範囲の重量百分率で存在し、そして成分c)がプレポリマーの総重量を基準にして7.0%〜1.0%の範囲の重量百分率で存在することを特徴とする請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項7】
落球法によって40℃で測定された、500〜6,000ポアズのバルク粘度を有することを特徴とする請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項8】
落球法によって40℃で測定された、500〜4,500ポアズのバルク粘度を有することを特徴とする請求項7に記載のプレポリマー。
【請求項9】
酸化防止剤、UV安定剤、着色剤、顔料、架橋剤、相変化物質、抗菌剤、鉱物、マイクロカプセル化健康添加剤、ナノ粒子、炭酸カルシウム、難燃剤、粘着防止添加剤、耐塩素性添加剤、染色助剤、接着促進剤、帯電防止剤、クレーター形成防止剤、クローリング防止剤、蛍光増白剤、融合助剤、導電性添加剤、ルミネセンス添加剤、フロー剤および均染剤、凍結融解安定剤、滑剤、有機および無機充填剤、防腐剤、テクスチャー加工剤、熱変色添加剤、昆虫忌避剤、ならびに湿潤剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加成分をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項10】
成分a)の少なくとも1つのポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートポリオールが2つのグリコール末端または3つのグリコール末端を有することを特徴とする請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項11】
水性ポリウレタン分散液がポリウレタンウレアであることを特徴とする請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項12】
水性ポリウレタン分散液での使用のためのプレポリマーの製造方法であって、プレポリマーが、
a)600〜3,500の数平均分子量を有する、少なくとも1つのポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートポリオール、
b)4,4’−MDI対2,4’−MDI異性体の比が65:35〜35:65の範囲である、4,4’−および2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)異性体の混合物、ならびに
c)(i)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができるヒドロキシ基と、(ii)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができない、中和時に塩を形成することができる少なくとも1つのカルボン酸基とを含む少なくとも1つのジオール化合物
を含み、
そして該方法が成分a)、b)、およびc)を実質的に無溶媒の系で組み合わせる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
成分a)、b)、およびc)が混合され、そして50℃〜100℃の範囲の温度で反応させてもよいことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
成分a)、b)、およびc)が1つの工程で一緒に組み合わせられることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
成分a)およびb)が第1工程で反応させられ、それに成分c)との混合が続くことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
触媒をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
a)600〜3,500の数平均分子量を有する、少なくとも1つのポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートポリオール、
b)4,4’−MDI対2,4’−MDI異性体の比が65:35〜35:65の範囲である、4,4’−および2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)異性体の混合物、ならびに
c)(i)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができるヒドロキシ基と(ii)成分b)のMDI異性体の混合物と反応することができない、中和時に塩を形成することができる少なくとも1つのカルボン酸基とを含む少なくとも1つのジオール化合物
を含むプレポリマーを含む水性ポリウレタン分散液であって、
該水性ポリウレタン分散液は実質的に無溶媒の系であり、
d)少なくとも1つのジオール化合物とイオン性塩を形成するための少なくとも1つの中和剤、および
e)イソシアネート基のためのブロッキング剤としての少なくとも1つの単官能性ジアルキルアミン化合物
をさらに含むことを特徴とする水性ポリウレタン分散液。
【請求項18】
少なくとも1つの界面活性剤および少なくとも1つの消泡剤をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項19】
少なくとも1つのレオロジー調整剤をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項20】
f)少なくとも1つのジアミン鎖延長成分、および
g)ポリマーのモル当たり少なくとも3つ以上の第一級および/または第二級アミノ基を有する、500より大きい分子量を有する少なくとも1つのポリマー成分
をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項21】
少なくとも1つの中和剤が第三級アミンおよびアルカリ金属水酸化物からなる群から選択され、そして少なくとも1つのブロッキング剤がN,N−ジエチルアミン、N−エチル−N−プロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、N−tert−ブチル−N−メチルアミン、N−tert−ブチル−N−ベンジルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−エチル−N−イソプロピルアミン、N−tert−ブチル−N−イソプロピルアミン、N−イソプロピル−N−シクロヘキシルアミン、N−エチル−N−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエタノールアミン、および2,2,6,6−テトラメチルピペリジンからなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項22】
少なくとも1つの界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エトキシル化ノニルフェノール、および臭化ラウリルピリジニウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項23】
少なくとも1つのレオロジー調整剤が疎水性改質エトキシレートウレタン(HEUR)、疎水性改質アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)、および疎水性改質ヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)からなる群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項24】
少なくとも1つのジアミン鎖延長成分が1,2−エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、およびm−テトラメチルキシレンジアミンからなる群から選択され、そして500より大きい分子量を有する少なくとも1つのポリマー成分がポリエチレンイミンデンドリマー、ポリ(ビニルアミン)デンドリマー、ポリ(アリルアミン)デンドリマー、およびポリ(アミドアミン)デンドリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項25】
成分a)の少なくとも1つのポリエーテル、ポリエステル、またはポリカーボネートポリオールが1,700〜2,100の数平均分子量を有するポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールであり、4,4’−MDI対2,4’−MDI異性体の比が55:45〜45:55の範囲であり、そして少なくとも1つのジオール化合物が2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)であることを特徴とする請求項17に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項26】
酸化防止剤、UV安定剤、着色剤、顔料、架橋剤、相変化物質、抗菌剤、鉱物、マイクロカプセル化健康添加剤、ナノ粒子、炭酸カルシウム、難燃剤、粘着防止添加剤、耐塩素分解性添加剤、染色助剤、湿潤剤、および均染剤、接着促進剤、帯電防止剤、クレーター形成防止剤、クローリング防止剤、蛍光増白剤、融合助剤、導電性添加剤、ルミネセンス添加剤、フロー剤および均染剤、凍結融解安定剤、滑剤、有機および無機充填剤、防腐剤、テクスチャー加工剤、熱変色添加剤、ならびに湿潤剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加成分をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項27】
バルク粘度が落球法によって40℃で測定した際に10〜100,000センチポアズであることを特徴とする請求項20に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項28】
バルク粘度が落球法によって40℃で測定した際に500〜30,000センチポアズであることを特徴とする請求項27に記載の水性ポリウレタン分散液。
【請求項29】
水性ポリウレタン分散液の製造方法であって、
水性ポリウレタン分散液がプレポリマーを含み、水性ポリウレタン分散液が、
d)少なくとも1つのジオール化合物とイオン性塩を形成するための少なくとも1つの中和剤、および
e)イソシアネート基のためのブロッキング剤としての少なくとも1つの単官能性ジアルキルアミン化合物
をさらに含む実質的に無溶媒の系であり、
およびプレポリマーを水性媒体に分散させる工程を含み、少なくとも1つの中和剤がプレポリマーを水性媒体に分散させる前にプレポリマーか水性媒体かのどちらかに加えられ、そして少なくとも1つのブロッキング剤がプレポリマーを水性媒体に分散させる間にかまたはその後かのどちらかに水性媒体に加えられることを特徴とする方法。
【請求項30】
少なくとも1つのブロッキング剤がプレポリマーを水性媒体に分散させた直後に水性媒体に加えられることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも1つの中和剤がプレポリマーを水性媒体に分散させる前に水性媒体に加えられることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも1つの中和剤がプレポリマーを水性媒体に分散させる前にプレポリマーに加えられることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項33】
実質的に無溶媒の水性ポリウレタン分散液から誘導されることを特徴とする造形品。
【請求項34】
実質的に非粘着性であることを特徴とする請求項33に記載の造形品。
【請求項35】
成形されていることを特徴とする請求項33に記載の造形品。
【請求項36】
請求項35に記載の造形品を含むことを特徴とする物品。
【請求項37】
請求項33に記載の造形品を含むことを特徴とする物品。
【請求項38】
請求項36に記載の物品を含むことを特徴とする衣類。
【請求項39】
ブラであることを特徴とする請求項38に記載の衣類。
【請求項40】
少なくとも1つの造形品と前記造形品が付けられる基材とを含むことを特徴とする物品。
【請求項41】
基材が編織布であることを特徴とする請求項40に記載の物品。
【請求項42】
衣類であることを特徴とする請求項40に記載の物品。
【請求項43】
造形品が剥離紙からの剥離と同時に基材に付けられることを特徴とする請求項40に記載の物品。
【請求項44】
造形品が基材に接合されまたは接着され、前記基材が編織布を含むことを特徴とする請求項43に記載の物品。
【請求項45】
造形品が編織布上の継ぎ目または支持区域に接合されるかまたは接着されることを特徴とする請求項44に記載の物品。
【請求項46】
衣類であることを特徴とする請求項44に記載の物品。
【請求項47】
衣類が下着、ブラジャー、パンティー、ランジェリー、水着、シェーパー、キャミソール、靴下、寝間着、エプロン、ウェットスーツ、タイ、手術着、宇宙服、制服、帽子、ガーター、汗止めバンド、ベルト、スポーツウェア、上着、雨着、冷気候ジャケット、パンツ、シャツ地、ドレス、ブラウス、男女トップス、セーター、コルセット、チョッキ、ニッカー、ソックス、ハイソックス、ドレス、ブラウス、エプロン、タキシード、ビシュト、アバーヤ、ヒジャーブ、ジルバーブ、サウブ、ブルカ、ケープ、コスチューム、潜水服、キルト、着物、ジャージ、ガウン、防護服、サリー、サロン、スカート、スパッツ、ストラ、スーツ、拘束衣、トーガ、タイツ、タオル、制服、ベール、ウェットスーツ、医療圧迫帯、包帯、スーツ芯材、ウエストバンド、およびそれらにおけるすべての構成材からなる群から選択されることを特徴とする請求項42に記載の物品。
【請求項48】
基材が前処理されることを特徴とする請求項40に記載の物品。
【請求項49】
基材が前記基材上のヒドロキシル官能性を増加させるために前処理されることを特徴とする請求項40に記載の物品。
【請求項50】
成形されていることを特徴とする請求項40に記載の物品。
【請求項51】
請求項50に記載の物品を含むことを特徴とする衣類。
【請求項52】
ブラであることを特徴とする請求項51に記載の衣類。
【請求項53】
水性分散液でコートされた基材を含むことを特徴とする物品。
【請求項54】
分散液をスプレーする、コートする、塗装する、プリントする、型押しする、浸漬する、および含浸させるための手段を用いて分散液を基材に提供する工程を含むことを特徴とする請求項53に記載の物品の形成方法。
【請求項55】
成形されていることを特徴とする請求項53に記載の物品。
【請求項56】
衣類であることを特徴とする請求項53に記載の物品。
【請求項57】
請求項55に記載の物品を含むことを特徴とする衣類。
【請求項58】
ブラであることを特徴とする請求項57に記載の衣類。
【請求項59】
手袋、コンドーム、ビーズ、繊維、およびフィルムのシートを含むことを特徴とする請求項33に記載の造形品。
【請求項60】
フィルムまたはテープの2つ以上の層が付けられることを特徴とする請求項33に記載の造形品。
【請求項61】
水性ポリウレタン分散液の少なくとも1つの層をさらに含むことを特徴とする請求項33に記載の造形品。
【請求項62】
プリントされていることを特徴とする請求項33に記載の造形品。
【請求項63】
0.1ミル〜250ミルの厚さを有することを特徴とする請求項33に記載の造形品。
【請求項64】
0.5ミル〜25ミルの厚さを有することを特徴とする請求項63に記載の造形品。
【請求項65】
1〜6ミルの厚さを有することを特徴とする請求項64に記載の造形品。
【請求項66】
水性分散液コーティングが2.5g/m〜6.40kg/mの坪量を有することを特徴とする請求項53に記載の物品。
【請求項67】
水性分散液コーティングが12.7g/m〜635g/mの坪量を有することを特徴とする請求項66に記載の物品。
【請求項68】
水性分散液コーティングが25.4g/m〜152.4g/mの坪量を有すことを特徴とする請求項67に記載の物品。
【請求項69】
接着剤がストレッチ部材を基材に折ったへり配置で貼り付けるために使用されることを特徴とする接着剤、ストレッチ部材、および基材を含む物品。
【請求項70】
接着剤がテープであることを特徴とする請求項69に記載の物品。
【請求項71】
接着剤が水性ポリウレタン分散液であることを特徴とする請求項69に記載の物品。
【請求項72】
ストレッチ部材がスパンデックスであることを特徴とする請求項69に記載の物品。
【請求項73】
ストレッチ部材がゴムであることを特徴とする請求項69に記載の物品。
【請求項74】
ストレッチ部材が狭い弾性ストリップであることを特徴とする請求項69に記載の物品。
【請求項75】
接着剤およびストレッチ部材が第1工程で接合されて接着剤ストレッチ部材を製造し、そして接着剤ストレッチ部材が第2工程で基材に付けられることを特徴とする請求項69に記載の物品の製造方法。
【請求項76】
接着剤およびストレッチ部材が1つの工程で基材に加えられることを特徴とする請求項69に記載の物品の製造方法。
【請求項77】
請求項69に記載の物品を含むことを特徴とする衣類。
【請求項78】
ブラジャーであることを特徴とする請求項77に記載の衣類。
【請求項79】
下着であることを特徴とする請求項77に記載の衣類。
【請求項80】
水着であることを特徴とする請求項77に記載の衣類。
【請求項81】
残留歪の%が0〜10%であることを特徴とする請求項33に記載の物品。
【請求項82】
%残留歪が0〜5%であることを特徴とする請求項33に記載の物品。
【請求項83】
%残留歪が0〜3%であることを特徴とする請求項33に記載の物品。
【請求項84】
最大伸びが400%〜800%であることを特徴とする請求項33に記載の物品。
【請求項85】
テナシティが0.5〜3Mpaであることを特徴とする請求項33に記載の物品。
【請求項86】
ラミネートの剥離強度が、AATCC−150−2001に従う50回洗濯の後のASTM D093−93に従って、元の剥離強度値の50%まで下がらないことを特徴とする物品および基材を含むラミネート。
【請求項87】
ラミネートの水蒸気輸送がASTM E96−00に従って24時間にわたって0〜300g/mであることを特徴とする物品および基材を含むラミネート。
【請求項88】
ラミネートの通気度がASTM D737−96に従って0〜0.5cfmであることを特徴とする物品および基材を含むラミネート。
【請求項89】
造形品および基材が貼り付けられてラミネートを形成し、それによってラミネートの摩擦係数が基材の摩擦係数より高いことを特徴とする請求項33に記載の造形品および基材を含む物品。
【請求項90】
造形品を含む物品であって、物品が弾性率および長さを有し、前記弾性率が物品の長さに沿って変わることを特徴とする物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公表番号】特表2008−530308(P2008−530308A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555284(P2007−555284)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/004894
【国際公開番号】WO2006/086715
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(505245302)インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル (81)
【氏名又は名称原語表記】INVISTA Technologies S.a.r.l.
【住所又は居所原語表記】Talstrasse 80,8001 Zurich,Switzerland
【Fターム(参考)】