説明

無線エネルギー伝送システムとそれに含まれる無線エネルギー受信装置及び無線エネルギー受信方法並びに電子システム

【課題】インダクタンス又はキャパシタンス値を直接調整せず、共振周波数チューニングを通じて無線でエネルギーを伝送するための無線エネルギー伝送システムとそれに含まれる無線エネルギー受信装置及びその方法並びに電子システムを提供する。
【解決手段】無線エネルギー送受信装置を含む無線エネルギー伝送システムで、無線エネルギー受信装置と同送信装置との内の少なくとも1つは、同相(I)信号を出力する第1発振器と、I信号と90°の位相差を有する直角位相(Q)信号を出力する第2発振器と、第1発振器及び第2発振器各々に含まれ、少なくとも1つのインダクタと少なくとも1つのキャパシタとを含む共振器と、少なくとも1つのインダクタに接続され、インダクタに流れる電流量を変化させる電流可変ブロックと、I信号及びQ信号の内の少なくとも1つの周波数をモニタしモニタリング結果にて、電流可変ブロックを制御するモニタとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線エネルギー伝送システムとそれに含まれる無線エネルギー受信装置及び無線エネルギー受信方法並びに電子システムに関し、より具体的には、より効率的な無線エネルギー伝送のための無線エネルギー伝送システムとそれに含まれる無線エネルギー受信装置及び無線エネルギー受信方法並びに電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁気誘導を利用した無線エネルギー伝送についての研究が活発になっているが、数cmのような近距離でのみ電力伝送が可能であるという問題があった。
このような短所を克服することができる方法として、磁気共鳴を利用した方法がある。
【0003】
磁気共鳴を利用した無線エネルギー伝送のために、LC共振を利用した方式が使われ、送信側と受信側との共振周波数が一致するようにチューニングされうる。
この際、共振周波数チューニングのために、キャパシタ値を調整することができる。
【0004】
しかしながら、キャパシタンス値の精密な調整は容易ではなく、共振周波数チューニングが難しい問題点がある。
したがって、インダクタンス又はキャパシタンス値を直接調整せず、共振周波数チューニングを行う必要性が注目されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の無線エネルギー伝送における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、インダクタンス又はキャパシタンス値を直接調整せず、共振周波数チューニングを通じて無線でエネルギーを伝送するための無線エネルギー伝送システムとそれに含まれる無線エネルギー受信装置及び無線エネルギー受信方法並びに電子システムを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による無線エネルギー伝送システムは、無線エネルギー受信装置と無線エネルギー送信装置とを含む無線エネルギー伝送システムにおいて、前記無線エネルギー受信装置と前記無線エネルギー送信装置との内の少なくとも1つは、同相(in−phase)信号(I信号)を出力する第1発振器と、前記I信号と90°の位相差を有する直角位相信号(Q信号)を出力する第2発振器と、前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれに含まれる、少なくとも1つのインダクタと少なくとも1つのキャパシタとを含む共振器と、前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれに含まれる、前記少なくとも1つのインダクタに接続され、前記少なくとも1つのインダクタに流れる電流量を変化させる電流可変ブロックと、前記I信号及びQ信号の内の少なくとも1つの周波数をモニタし、該モニタリングの結果に従って、前記電流可変ブロックを制御するモニタとを有することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明による無線エネルギー受信装置は、同相(in−phase)信号(I信号)を出力する第1発振器と、前記I信号と90°の位相差を有する直角位相(quadrature−phase)信号(Q信号)を出力する第2発振器とを有し、前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれは、第1相互誘導を有し、第1及び第2インダクタを含む第1インダクタ対と、第2相互誘導を有し、第3及び第4インダクタを含む第2インダクタ対と、前記第1インダクタと第3インダクタとに接続されるキャパシタとを含み、前記第1及び第2発振器のそれぞれは、前記第2及び第4インダクタに流れる電流量を変化させて共振周波数を可変することによって、受信される無線エネルギーの大きさを制御することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による電子システムは、電子システムにおいて、無線エネルギー送信装置から磁場を通じて無線エネルギーを受信して、受信電源を発生させる無線エネルギー受信装置と、前記無線エネルギー受信装置から前記受信電源を受信して、前記電子システムの動作に必要な内部電源の少なくとも一部を供給するパワーユニットとを有し、前記無線エネルギー受信装置は、同相(in−phase)信号(I信号)を出力する第1発振器と、前記I信号と90°の位相差を有する直角位相信号(Q信号)を出力する第2発振器とを含み、前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれは、少なくとも1つのインダクタ及び少なくとも1つのキャパシタを含む共振器と、前記少なくとも1つのインダクタに接続されて、前記少なくとも1つのインダクタに流れる電流量を変化させる電流可変ブロックとを含むことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明による無線エネルギー受信方法は、無線エネルギー受信装置の無線エネルギー受信方法において、相互誘導を有する少なくとも一対のインダクタを含む直交発振器(quadrature oscillator)によって、同相(in−phase)信号(I信号)及び前記I信号と90°の位相差を有する直角位相信号(Q信号)を発生させる段階と、前記少なくとも一対のインダクタの内、一側のインダクタに流れる電流量を可変して、共振周波数を調整する段階とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る無線エネルギー伝送システムとそれに含まれる無線エネルギー受信装置及び無線エネルギー受信方法並びに電子システムによれば、インダクタンス又はキャパシタンス値を直接調整せず、共振周波数チューニングすることができるという効果がある。
従って、無線エネルギー伝送を効率的に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による無線エネルギー伝送システムの概念的なブロック図である。
【図2】図1の無線エネルギー伝送システムの送信装置及び受信装置の一実施形態を示す概略的な構成ブロック図である。
【図3】図1の無線エネルギー伝送システムの送信装置及び受信装置の他の実施形態を示す概略的な構成ブロック図である。
【図4】図1の無線エネルギー伝送システムにおける周波数と良好度との関係を示すグラフである。
【図5】良好度の関数である共振周波数とエネルギー伝送比との関係を示すグラフである。
【図6】図1に示した送信装置及び/又は受信装置に備えられる直交発振器の一実施形態を示す回路図である。
【図7】図1に示した送信装置及び/又は受信装置に備えられる直交発振器の一実施形態を示す回路図である。
【図8】本発明の他の一実施形態による受信装置を示すブロック図である。
【図9】図6及び図7の電流可変ブロックの一実施形態を示す回路図である。
【図10】図6及び図7の電流可変ブロックの一実施形態を示す回路図である。
【図11】図6及び図7の電流可変ブロックの一実施形態を示す回路図である。
【図12】図6又は図7の共振回路ブロックの等価回路図である。
【図13】図7に示した直交発振器のインダクタの一実施形態を3次元座標内に示す図である。
【図14】図7に示した直交発振器のインダクタの一実施形態を3次元座標内に示す図である。
【図15】本発明の一実施形態による直交発振器の整流出力波形を示すグラフである。
【図16】本発明の一実施形態による無線エネルギー伝送方法を説明するためのフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態による無線エネルギー伝送方法を説明するためのフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態による無線エネルギー伝送方法を説明するためのフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態による無線エネルギー伝送システムを示す概略斜視図である。
【図20】本発明の一実施形態による受信装置を含むデバイスの例を示す斜視図である。
【図21】本発明の一実施形態による受信装置を含むデバイスの例を示す斜視図である。
【図22】本発明の一実施形態による受信装置を含むデバイスの例を示す斜視図である。
【図23】本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置を含む電子システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図24】本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置を含む電子システムの他の一実施形態を示すブロック図である。
【図25】本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置を含む電子システムのさらに他の実施形態を示すブロック図である。
【図26】本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置を含む自動車の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る無線エネルギー伝送システムとそれに含まれる無線エネルギー受信装置及び無線エネルギー受信方法並びに電子システムを実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による無線エネルギー伝送システムの概念的なブロック図である。
図1を参考にすると、無線エネルギー伝送システム100は、送信装置(Tx)110、及び受信装置(Rx)120を含み、送信装置110及び受信装置120は、距離Dほど離れて位置する。
この際、距離Dは、数cmのような近距離ではない一定範囲の距離に当該する。
【0014】
送信装置110は、受信装置120に無線でエネルギーを伝達することができる。
そのために、送信装置110及び受信装置120は、共振装置(図示せず)を含みうる。
この際、共振装置(図示せず)は、LC(L:インダクタンス、C:キャパシタンス)共振器を含みうるが、これに限定されるものではない。
【0015】
送信装置110は、パワーサプライ(power supply)130に接続されて、第1電源VS1が供給され、送信装置110から受信装置120に磁場を通じて無線エネルギーが伝達される。
例えば、送信装置110に含まれたインダクタと受信装置120に含まれたインダクタとの間に、磁気エネルギー伝達がなされうる。
【0016】
受信装置120は、パワー消費装置140に接続され、パワー消費装置140は、無線伝達されたエネルギーを用いてパワーを消費(power consumption)する。
例えば、受信装置120は、送信装置110から無線エネルギーを受信して、受信電源VRに変換して、パワー消費装置140に提供することができる。パワー消費装置140は、受信装置120から提供される受信電源VRや別途の供給電源VS2を使うことができる。
【0017】
図1では、送信装置110及び受信装置120の2つの装置が示されているが、本発明の範囲が、これに限定されるものではなく、3つ以上の装置で構成することもできる。
例えば、送信装置(110)2つ及び受信装置(120)2つで構成することもできる。
また、図2では、受信装置120とパワー消費装置140が、別個に構成されるが、一体型で構成することもできる。
【0018】
図2は、図1の無線エネルギー伝送システムの送信装置及び受信装置の一実施形態を示す概略的な構成ブロック図である。
図2を参照すると、本実施形態の無線エネルギー伝送システム100aの送信装置110は、固定周波数発振器112を含み、受信装置120は、(可変周波数)発振器121、周波数調整器122、及び周波数モニタ124を含む。
【0019】
固定周波数発振器112は、固定周波数の信号を出力する。
固定周波数発振器112及び(可変周波数)発振器121のそれぞれは、直交発振器(quadrature oscillator、図示せず)を含みうる。
【0020】
この場合、固定周波数発振器112は、ポジティブ信号及びネガティブ信号を含む同相出力信号であるI−phase信号と、ポジティブ信号の直角位相出力信号及びネガティブ信号の直角位相出力信号を含むQ−phase信号とを出力し、(可変周波数)発振器121は、固定周波数発振器112のI−phase信号及びQ−phase信号を無線受信する。これについてのより具体的な説明は、図6及び図7で行う。
【0021】
周波数モニタ124は、(可変周波数)発振器121の周波数をモニタリングして、周波数調整器122を制御するための制御信号CONを出力する。
周波数調整器122は、受信装置120の周波数が送信装置110の周波数と一致するように、制御信号CONに基づいて、受信装置120の周波数を調整する役割を果たす。
すなわち、周波数調整器122は、周波数モニタ124の制御信号CONに応答して、(可変周波数)発振器121の周波数を可変する。
【0022】
本発明の他の実施形態では、周波数モニタ124の代わりに、パワーモニタ(図示せず)又はホールセンサー(図示せず)などの他の手段が使われ得る。
パワーモニタ(図示せず)は、受信装置120が送信装置110から受信した無線エネルギーの強度をモニタリングして、無線エネルギーの大きさが増加するように制御信号CONを出力することができる。
この際、無線エネルギーの強度は、I−phase信号及びQ−phase信号の強度を測定することでモニタリングされうる。
ホールセンサー(図示せず)は、磁場の強度を検出して、磁場の強度が増加するように制御信号CONを出力することができる。
これについてのより具体的な説明は、図6〜図9で行う。
【0023】
図3は、図1の無線エネルギー伝送システム100の送信装置及び受信装置の他の実施形態を示す概略的な構成ブロック図である。
図3を参照すると、本実施形態の無線エネルギー伝送システム100bの送信装置110’は、(可変周波数)発振器112’、周波数調整器114、及び周波数モニタ116を含み、受信装置120’は、固定周波数発振器121’を含む。
【0024】
(可変周波数)発振器112’は、周波数調整器114によって可変される周波数の信号を発生させる。
可変周波数発振器112’及び固定周波数発振器121’のそれぞれは、直交発振器(図示せず)を含みうる。
この場合、(可変周波数)発振器112’は、ポジティブ信号及びネガティブ信号を含む同相出力信号であるI−phase信号と、ポジティブ信号の直角位相出力信号及びネガティブ信号の直角位相出力信号を含むQ−phase信号とを発生し、固定周波数発振器121’は、(可変周波数)発振器112’のI−phase信号及びQ−phase信号を無線受信する。
これについてのより具体的な説明は、図6及び図7で行う。
【0025】
周波数モニタ116は、(可変周波数)発振器112’の周波数をモニタリングして、周波数調整器114を制御するための制御信号CONを出力する。
周波数調整器114は、送信装置110’の周波数が受信装置120’の周波数と一致するように、制御信号CONに基づいて、送信装置110’の周波数を調整する役割を果たす。
これについてのより具体的な説明は、図6〜図9で行う。
【0026】
図4は、図1の無線エネルギー伝送システムにおける周波数と良好度(qualityfactor;Q)との関係を示すグラフである。
ここで、良好度Qは、送信装置110の良好度を表わし、良好度Qは、受信装置120の良好度を表わす。
【0027】
図4を参照すると、受信装置120の周波数がwであれば、送信装置110の良好度Qによって、エネルギー伝達効率が落ちる。
特に、無線エネルギー伝送システム100が高い良好度を必要とする場合、周波数変動によるエネルギー伝達効率の変化もさらに大きくなる。
送信装置110の場合、周波数wで良好度が最大であるために、周波数wで受信装置120へのエネルギー伝送効率が最大となる。
したがって、受信装置120の周波数をwからwに調整して、共振周波数をマッチングさせてエネルギー伝達効率を高めうる。
【0028】
図5は、良好度の関数である共振周波数とエネルギー伝送比(V/V)との関係を示すグラフである。
図5を参照すると、第1グラフ410、第2グラフ420、及び第3グラフ430の順序が、良好度が高いグラフから低いグラフの順序である。
良好度が高い第1グラフ410の場合、共振周波数がわずかに変更されても、エネルギー伝送比(V/V)は急激に落ちることが分かる。
したがって、図1の無線エネルギー伝送システム100に高い良好度が要求される場合、周波数調節による送信装置110と受信装置120との間の共振周波数マッチングは、非常に重要である。
【0029】
図6及び図7は、それぞれ図1に示した送信装置110及び/又は受信装置120に備えられる直交発振器600の一実施形態を示す回路図である。
例えば、図6及び図7の直交発振器600は、図2に示した(可変周波数)発振器121及び周波数調整器122を構成する実施形態に当該し、図3に示した(可変周波数)発振器112’及び周波数調整器114を構成する実施形態に当該する。
以下、図2に示した(可変周波数)発振器121及び周波数調整器122を構成する実施形態を基準に説明する。
【0030】
図6及び図7に示した直交発振器600は、互いに等価である。
図6及び図7を参照すると、直交発振器600は、第1発振器605a及び第2発振器605bを含む。
第1発振器605a及び第2発振器605bは、それぞれI−phase信号及びI−phase信号と直角位相出力信号であるQ−phase信号とを出力することができる。
【0031】
第1発振器605a及び第2発振器605bは、それぞれ共振回路ブロック610a、610b、ネガティブ抵抗ブロック615a、615b、カップリング回路ブロック620a、620b、バイアスブロック630a、630b、及び電流可変ブロック640a、640bを含む。
【0032】
共振回路ブロック610aは、インダクタL、L及びキャパシタC、Cを含み、同相出力信号I、Iの周波数を決定する。インダクタLとインダクタLの間には、相互誘導が起こり、相互インダクタンス値は、Mである。
共振回路ブロック610bは、インダクタL、L及びキャパシタC、Cを含み、直角位相出力信号Q、Qの周波数を決定する。インダクタLとインダクタLの間には、相互誘導が起こり、相互インダクタンス値は、Mである。
【0033】
本発明の一実施形態で、インダクタL、L、L、Lのそれぞれは、オンチップインダクタとして具現可能であるが、これに限定されるものではない。
オンチップインダクタは、半導体チップ上で伝導体(例えば、メタル)で配線して具現可能である。
【0034】
共振回路ブロック610aは、理想的ではない場合には、インダクタL、LとキャパシタC、Cとに内在するポジティブ抵抗を有するために、共振回路ブロック610aの出力は、RLCからなる回路応答特性が表われ、これにより、ダンピング(damping)発振がなされうる。
また、共振回路ブロック610bの場合にも、理想的ではない場合には、インダクタL、LとキャパシタC、Cとに内在するポジティブ抵抗を有するために、共振回路ブロック610bの出力は、RLCからなる回路応答特性が表われ、これにより、ダンピング発振がなされうる。
【0035】
そのために、共振回路ブロック610a、610bにネガティブ抵抗ブロック615a、615bが接続され、ネガティブ抵抗ブロック615a、615bは、共振回路ブロック610a、610bのポジティブ抵抗を相殺させるネガティブ抵抗を生成させる。
【0036】
ネガティブ抵抗ブロック615aは、互いにクロスカップリングされたnMOSトランジスタT、Tで構成される。
nMOSトランジスタTの一側端には、ネガティブ同相出力信号Iが出力されて、nMOSトランジスタTのゲートに入力され、nMOSトランジスタTの一側端には、ポジティブ同相出力信号Iが出力されて、nMOSトランジスタTのゲートに入力されるように互いにクロスカップリングされている。
【0037】
ネガティブ抵抗ブロック615bは、互いにクロスカップリングされたnMOSトランジスタT、Tで構成される。
nMOSトランジスタTの一側端には、ネガティブ直角位相出力信号Qが出力されて、nMOSトランジスタTのゲートに入力され、nMOSトランジスタTの一側端には、ポジティブ直角位相出力信号Qが出力されて、nMOSトランジスタTのゲートに入力されるように互いにクロスカップリングされている。
【0038】
カップリング回路ブロック620a、620bは、それぞれ2つのnMOSトランジスタT、T及び2つのnMOSトランジスタT、Tで構成され、第1発振器605a及び第2発振器605bをカップリングさせることができる。
【0039】
nMOSトランジスタTのゲートには、ポジティブ直角位相出力信号Qが入力され、nMOSトランジスタTのゲートには、ネガティブ直角位相出力信号Qが入力される。
また、nMOSトランジスタTのゲートには、ネガティブ同相出力信号Iが入力され、nMOSトランジスタTのゲートには、ポジティブ同相出力信号Iが入力される。
【0040】
バイアスブロック630a、630bは、ネガティブ抵抗ブロック615a、615bに接続され、それぞれnMOSトランジスタT、nMOSトランジスタT10を含む。
nMOSトランジスタT、T10は、ゲートに入力されるバイアス電圧Vb1、Vb2に基づいてバイアス電流Ib1、Ib2を調節する。
【0041】
電流可変ブロック640a、640bは、周波数モニタ124から入力される入力制御信号CON_1、CON_2に基づいて、共振回路ブロック610a、610bに流れる電流を可変することができる。
【0042】
例えば、入力制御信号CON_1、CON_2に基づいて電流Ic1、Ic2が可変され、カップリング回路ブロック620a、620bによって、共振回路ブロック610a、610bに流れる電流、特に、インダクタL、Lに流れる電流が可変されうる。
入力制御信号CON_1、CON_2は、それぞれ2以上のビットで構成されたデジタル信号であり得る。入力制御信号CON_1と入力制御信号CON_2は、同じでもあり、異なることもある。また、入力制御信号CON_1と入力制御信号CON_2は、対称的な信号(例えば、相補的な信号)でもあり得る。
電流可変ブロック640a、640bについての具体的な実施形態は、図8〜図10で説明する。
【0043】
これにより、インダクタL〜Lのインダクタンス及びキャパシタC〜Cのキャパシタンスを直接変化させず、第1発振器605a及び第2発振器605bが発生する信号の周波数を変更することができる。
これについてのより具体的な説明は、図11で行う。
【0044】
図8は、本発明の他の一実施形態による受信装置を示すブロック図である。
図6〜図8を参照すると、本発明の他の一実施形態による受信装置120は、図6及び図7に示した直交発振器600にバイアス電圧発生部650及び整流器660をさらに備える。
もちろん、受信装置120は、図2に示した周波数モニタ124又は図3に示した周波数モニタ116をさらに備えることができる。
【0045】
バイアス電圧発生部650は、nMOSトランジスタT、T10のゲートに入力されるバイアス電圧Vb1、Vb2を発生させる。
整流器660は、共振回路ブロック610aの同相出力信号Ip、In及び共振回路ブロック610bの直角位相出力信号Qp、Qnを受信電源VRに変換する。
例えば、整流器660は、同相出力信号Ip、In及び直角位相出力信号Qp、Qnに基づいた交流電源を整流して、直流電源である受信電源VRを発生させうる。
【0046】
図8は、本発明の他の一実施形態による受信装置として示しているが、本発明の他の一実施形態による送信装置も、図8に示したものと同様に構成することができる。
【0047】
図9〜図11は、それぞれ図6及び図7の電流可変ブロック640a、640bの一実施形態を示す回路図である。
図9〜図11では、電流可変ブロック640aを基準に説明し、電流可変ブロック640bの構成及び動作は、電流可変ブロック640aと同一なので、説明の重複を避けるために省略する。
【0048】
図9を参照すると、電流可変ブロック640aは、2つ以上のnMOSトランジスタで構成され、図9では、その一実施形態として、4つのnMOSトランジスタT、T、T、Tで構成された電流可変ブロック640aとして示す。
4つのnMOSトランジスタT、T、T、Tのゲートに入力制御信号CON_1が印加され、入力制御信号CON_1によって、4つのnMOSトランジスタT、T、T、Tが選択的にスイッチングされる。
【0049】
例えば、入力制御信号CON_1は、4ビットデジタル信号に当該し、4ビットデジタル信号が「1100」に当該する場合、4つのnMOSトランジスタT、T、T、Tのうち、2つのnMOSトランジスタT、Tがスイッチ・オンされ、他の2つのnMOSトランジスタT、Tはスイッチ・オフされる。
この際、4つのnMOSトランジスタT、T、T、Tは、それぞれ異なるW(width)/L(length)を有し、これにより、各nMOSトランジスタに流れる電流を変化させることができて、電流Ic1を変化させることができる。
図9のノードN0は、図6及び図7のノードN_1又はN_2に当該する。
【0050】
図10を参照すると、電流可変ブロック640aは、電流ミラーを含んだ回路で構成され、図10では、その一実施形態として、4つのnMOSトランジスタTR、TR、TR、TR及び電流源Iを含む電流可変ブロック640aとして示す。
本実施形態では、入力制御信号CON_1は、電流ミラーでのオープン及びクローズ(0及び1)スイッチングを制御するための当該スイッチSW1、SW2に印加される。
【0051】
入力制御信号CON_1を用いてスイッチSW1、SW2の開閉を制御して、電流Ic1を変化させることができる。
入力制御信号CON_1は、2ビットデジタル信号に当該し、もし、入力制御信号CON_1が、「10」に当該する場合、スイッチSW1はクローズされ、スイッチSW2はオープンされる。
【0052】
例えば、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2がオープンされる場合には、nMOSトランジスタTRには、nMOSトランジスタTRに流れる電流量と同一のIの電流が流れ、nMOSトランジスタTR及びnMOSトランジスタTRには、電流が流れなくなる。したがって、電流Ic1は、Iほどの電流が流れる。
【0053】
一方、第1スイッチSW1がクローズされる場合には、nMOSトランジスタTRだけではなく、nMOSトランジスタTRにも、Iほどの電流が流れて、電流Ic1は、2Iほどの電流が流れる。
また、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2がクローズされる場合には、nMOSトランジスタTRだけではなく、nMOSトランジスタTR及びnMOSトランジスタTRにも、Iほどの電流が流れて、電流Ic1は、3Iほどの電流が流れる。
もちろん、nMOSトランジスタの大きさを異ならせて具現するならば、電流Ic1の電流量も異なるように調節することができる。
図10のノードN1は、図6及び図7のノードN_1又はN_2に当該する。
【0054】
図11を参照すると、電流可変ブロック640aは、電流ミラーを含んだ回路で構成され、図11では、その一実施形態として、2つのnMOSトランジスタTR、TR及び3つの電流源I、I、Iを含む電流可変ブロック640aとして示す。
本実施形態では、入力制御信号CON_1が電流源I、I、Iでのオープン及びクローズ(0及び1)スイッチングを制御するための当該スイッチSW3、SW4、SW5に印加される。
【0055】
入力制御信号CON_1を用いてスイッチSW3、SW4、SW5の開閉を制御して、電流Ic1を変化させることができる。
入力制御信号CON_1は、3ビットデジタル信号に当該し、もし、入力制御信号CON_1が、「110」に当該する場合、スイッチSW3及びスイッチSW4はクローズされ、スイッチSW5はオープンされる。
【0056】
例えば、第3スイッチSW3はクローズされ、第4スイッチSW4及び第5スイッチSW5がオープンされている場合には、nMOSトランジスタTRには、nMOSトランジスタTRに流れる電流量と同一のIの電流が流れる。したがって、電流Ic1は、Iほどの電流が流れる。
【0057】
一方、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4がクローズされ、第5スイッチSW5がオープンされている場合には、nMOSトランジスタTRにも、I+Iほどの電流が流れて、電流Ic1は、I+Iほどの電流が流れる。
また、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4及び第5スイッチSW5がクローズされる場合には、nMOSトランジスタTRにも、I+I+Iほどの電流が流れて、電流Ic1は、I+I+Iほどの電流が流れる。
もちろん、nMOSトランジスタの大きさを異ならせて具現するならば、電流Ic1の電流量も異なるように調節することができる。
図11のノードN2は、図6及び図7のノードN_1又はN_2に当該する。
【0058】
図12は、図6又は図7の共振回路ブロックの等価回路図である。
共振回路ブロック610a、610bは、図12のような等価回路として表現される。
図12を参照して、図3の共振回路ブロック610a、610bの共振周波数が如何に調整されるかを説明する。
【0059】
図12のような等価回路の周波数が、wである場合、下記に示す数式1のような数式が成立する。
【数1】




【0060】
図6及び図7に示した直交発振器の場合、iL1及びiL2の位相が0°又は180°の差が出る。
したがって、iL2=αiL1(ここで、αは、実数)が成立し、数式1は、下記に示す数式2のように表現される。
【0061】
【数2】

【0062】
結局、インダクタLに流れる電流iL2を変化を通じてα値を変化させることができて、キャパシタCから眺めるインダクタンス値を変化させることができる。
一般的に、キャパシタC及びインダクタLに対する共振周波数wは、

と定義され、これにより、共振回路ブロックの共振周波数を変化させることができる。
【0063】
図12の場合、図6及び図7に示した電流可変ブロック640a、640bによるインダクタLに流れる電流iL2の変化によって、キャパシタCから眺めるインダクタンス値が、LからL+αMに変化する。
これにより、共振回路ブロック610a、610bの共振周波数を変えることができる。
【0064】
図13及び図14は、図7に示した直交発振器600のインダクタの一実施形態を3次元座標内に示す図である。
図13は、図7に示した直交発振器600の第1発振器605aのインダクタL、Lを示し、図14は、図7に示した直交発振器600の第2発振器605bのインダクタL、Lを示す。
【0065】
図13及び図14は、インダクタL、L及びインダクタL、Lが直角になるように示したが、本発明の範囲は、これに限定されるものではない。
例えば、インダクタL、LとインダクタL、Lとが平行に配置されることもあり、所定の角度(例えば、0〜180°の間の任意の角度)を有するように配置することもある。
【0066】
図13及び図14を参照すると、例えば、送信装置110が、図13及び図14に示した直交発振器600を含む場合を仮定すれば、受信装置120に含まれるインダクタ(図示せず)が、たとえ第1発振器605aのインダクターL、Lと直角を保持しても、送信装置110が、直交発振器600を含み、第2発振器605bのインダクタL、Lによって、第1発振器605aが出力するI−phase信号と直角に当該するQ−phase信号を出力することができて、受信装置120にエネルギーを伝達することができる。
【0067】
すなわち、本発明の一実施形態では、送信装置110の第1発振器605aのインダクタL、Lと第2発振器605bのインダクタL、Lとが空間上で直角になるように配されれば、受信装置120は、受信装置120のインダクタL、L、L、Lの位置に大きく関係なく、無線エネルギーを安定して受信することができる。
【0068】
送信装置110は、受信装置120が無線エネルギーを受信できるように、特定の領域(以下、充電ゾーンと称する)に設けられることもある。
充電ゾーンは、建物や自動車の室内であり、室外でもあり得る。
送信装置110の第1発振器605aのインダクタL、Lと第2発振器605bのインダクタL、Lとが充電ゾーンで直角(90°)を成すように設けられることもある。
【0069】
図15は、本発明の一実施形態による直交発振器の整流出力波形を示すグラフである。
図7に示した直交発振器600は、図15のように、経時的に整流出力V、V波形を出力する。
一般的に、整流出力V、V波形のうち、何れか1つのみ用いて受信端にエネルギーを伝達する場合、zero電圧時点(t、t、t、t、t)での不連続によって、エネルギー伝達に問題が発生する。
【0070】
しかし、本発明の一実施形態によれば、送信装置110及び受信装置120のそれぞれに、直交発振器600をいずれも含ませる場合、整流出力V、V波形のうち、何れか1つは、zero電圧時点(t、t、t、t、t)で、他の1つは最大電圧値を有するので、エネルギー伝達により効率的な長所を有しうる。
【0071】
図16〜図18は、本発明の一実施形態による無線エネルギー伝送方法を説明するためのフローチャートである。
図16〜図18の無線エネルギー伝送方法は、前述した無線エネルギー伝送システム100によって行われる。
【0072】
図16で説明するフローチャートは、無線エネルギー伝送システム100で行われる全体的なフローチャートに該当し、図17で説明するフローチャートは、無線エネルギー伝送システム100の送信装置110又は受信装置120で行われる周波数調整についてのフローチャートに該当し、図18で説明するフローチャートは、周波数調整が如何になされるかについての詳細を説明するためのフローチャートに当該する。
【0073】
図16を参照すると、電源から無線エネルギー送信装置にパワーが供給される(ステップS110)。
供給されたパワーに基づいて、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との間に磁場を通じて、無線エネルギー送信装置から無線エネルギー受信装置にパワーが伝達される(ステップS120)。
この際、無線エネルギー受信装置への効率的なパワー伝達のために、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との間で周波数マッチングがなされる。
【0074】
周波数マッチングのために、無線エネルギー受信装置の周波数が調整され、90°の位相差が出る少なくとも2つの信号が、無線エネルギー受信装置に伝達されうる。
この際、周波数マッチングのために、無線エネルギー受信装置内部のインダクタに流れる電流量を変化させ、これを通じて、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との間の周波数マッチングがなされる。上述したように、他の実施形態では、送信装置の周波数が調整される。
【0075】
無線エネルギー受信装置に伝達されたパワーは、無線エネルギー受信装置に接続されたパワー消費電子デバイスにパワーが供給される(ステップS130)。
【0076】
図17を参照すると、信号発生装置が、90°の位相差が出る少なくとも2つの信号(例えば、同相信号及び直角位相信号)を発生させる(ステップS210)。
周波数モニタが、少なくとも2つの信号の周波数をモニタリングし(ステップS220)、周波数調整器が、モニタリングに基づいて、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との間の周波数マッチングのために、無線エネルギー受信装置の周波数を調整する(ステップS230)。
この際、周波数調整は、無線エネルギー受信装置内部のインダクタに流れる電流量の変化を通じてなされる。
【0077】
図18を参照すると、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との周波数マッチングのために、無線エネルギー受信装置内部のインダクタに流れる電流量を可変する(ステップS310)。
これを通じて、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との共振周波数がマッチングされ(ステップS320)、周波数マッチングがなされば、無線エネルギー受信装置にエネルギーが効率的に伝達されうる。
【0078】
このように、図16〜図18に示した本発明の一実施形態による無線エネルギー伝送方法によれば、インダクタンス又はキャパシタンス値を直接調整せず、共振周波数をチューニングすることができて、効率的に無線エネルギー伝達が可能である。
【0079】
図19は、本発明の一実施形態による無線エネルギー伝送システムを示す概略斜視図である。
図19を参照すると、無線エネルギー伝送システム1700は、送信装置1750及び受信装置1755を含む。
図19に示す実施形態によれば、送信装置1750は、エネルギーを伝送するためのパッド形態で具現可能であり、受信装置1755は、モバイルデバイス、例えば、携帯電話であり得る。
【0080】
図19には示していないが、送信装置1750は、受信装置1755への無線エネルギー伝送のために、受信装置1755と一定距離範囲内の特定の場所又は位置、例えば、壁、テーブル内又はカバンなどに装着されうる。
本発明の実施形態によって、受信装置1755は、送信装置1750と直接接触又は近距離ではないとしても、エネルギーを伝達されうる。
【0081】
図19を参照すると、送信装置1750は、内部に直交発振器である第1発振器1751及び第2発振器1752を含み、コネクタ1760を通じて外部からパワーが供給される。
受信装置1755は、携帯電話本体1730及び携帯電話ケース1740を含み、携帯電話本体1730は、内部にバッテリー1710及びチャージャー(charger)1720を含み、携帯電話ケース1740は、直交発振器である第1発振器1741及び第2発振器1742を含む。
【0082】
受信装置1755は、送信装置1750にパワーが供給された場合、送信装置1750に含まれた第1発振器1751及び第2発振器1752によって、受信装置1755の第1発振器1741及び第2発振器1742にエネルギーが伝達される。
受信装置1755は、エネルギーを伝達された場合、チャージャー1720を通じてバッテリー1710にエネルギーを充電させることができる。
【0083】
図19では、受信装置1755の第1発振器1741及び第2発振器1742が、携帯電話ケース1740の内部に位置するように示したが、本発明の範囲は、これに限定されるものではなく、設計によって、例えば、第1発振器1741及び第2発振器1742は、携帯電話本体1730の内部に位置することもできる。
【0084】
図20〜図22は、それぞれ本発明の一実施形態による受信装置を含むデバイスの例を示す斜視図である。
図20〜図22では、図19と異なって、送信装置110の図示は省略する。
【0085】
図20を参照すると、受信装置120は、3Dメガネ1900の形態で具現可能である。
3Dメガネは、2つのレンズのフレーム部分に直交発振器の第1発振器1910及び第2発振器1920を含みうる。
したがって、送信装置110に電源が供給されれば、送信装置110と一定距離範囲内の3Dメガネ1900に無線でエネルギーが供給されうる。
【0086】
また、図21を参照すると、受信装置120は、ヘッドセット2000、例えば、ブルートゥース(登録商標)ヘッドセットの形態で具現可能である。
直交発振器の第1発振器2010及び第2発振器2020は、図21に示すように、ヘッドセット2000の内部に含まれうる。
したがって、送信装置110に電源が供給されれば、送信装置110と一定距離範囲内のヘッドセット2000に無線でエネルギーが供給されうる。
【0087】
また、図22を参照すると、受信装置120は、サラウンドスピーカー2100の形態で具現可能である。
直交発振器の第1発振器2110及び第2発振器2120は、図22に示すように、サラウンドスピーカー2100の内部に含まれうる。
したがって、送信装置110に電源が供給されれば、送信装置110と一定距離範囲内のサラウンドスピーカー2100に無線でエネルギーが供給されうる。
【0088】
一対のサラウンドスピーカー2100に受信装置120が備えられるようにできるが、他の実施形態では、一対のサラウンドスピーカー2100のうち、1つのスピーカーには送信装置110が備えられ、他の1つのスピーカーには受信装置120が備えられるようにすることもできる。
さらに他の実施形態では、一対のサラウンドスピーカー2100に送信装置110が備えられ、近隣に位置する受信装置120に無線エネルギーを伝送することもできる。
【0089】
図23は、本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置を含む電子システムの一実施形態を示すブロック図である。
図23を参照すると、電子システム700は、無線エネルギー受信装置120、SoC(System−on−a−Chip)710、アンテナ701、無線送受信器703、入力装置705、ディスプレイ707、及びパワーユニット709を含む。
【0090】
無線エネルギー受信装置120は、上述した本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置であって、無線エネルギー送信装置から無線エネルギーを受信して、受信電源VRを発生させて、パワーユニット709に提供する。
パワーユニット709は、電子システムの内部構成要素(703、705、707、710)に動作のための内部電源を供給する。
【0091】
無線送受信器703は、アンテナ701を通じて無線信号を送受信することができる。
例えば、無線送受信器703は、アンテナ701を通じて受信された無線信号をSoC710で処理される信号に変更することができる。
したがって、SoC710は、無線送受信器703から出力された信号を処理し、該処理された信号をディスプレイ707に伝送しうる。
また、無線送受信器703は、SoC710から出力された信号を無線信号に変更し、該変更された無線信号をアンテナ701を通じて外部装置に出力することができる。
【0092】
SoC710は、また電子システム700の動作を全般的に制御するための中央処理装置(CPU、図示せず)を含みうる。
入力装置705は、SoC710の動作を制御するための制御信号又はSoC710によって処理されるデータを入力することができる装置であって、タッチパッド(touch pad)やコンピュータマウス(computer mouse)のようなポインティング装置(pointing device)、キーパッド(keypad)、又はキーボードとして具現可能である。
【0093】
図24は、本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置を含む電子システムの他の一実施形態を示すブロック図である。
図24を参照すると、電子システム800は、PC(Personal Computer)、ネットワークサーバ(Network Server)、タブレット(tablet)PC、ネットブック(net−book)、eリーダー(e−reader)、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable Multimedia Player)、MP3プレーヤー、又はMP4プレーヤーとして具現可能である。
【0094】
電子システム800は、無線エネルギー受信装置120、パワーユニット805、SoC810、メモリ装置801、メモリ装置801のデータ処理動作を制御することができるメモリコントローラ802、ディスプレイ803、及び入力装置804を含む。
【0095】
無線エネルギー受信装置120は、上述した本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置であって、無線エネルギー送信装置から無線エネルギーを受信して、受信電源VRを発生させて、パワーユニット805に提供する。パワーユニット805は、電子システム内部の構成要素(801、802、803、804、810)に内部電源を供給する。
【0096】
SoC810は、入力装置804を通じて入力されたデータによって、メモリ装置801に保存されたデータをディスプレイ803を通じてディスプレイすることができる。
例えば、入力装置804は、タッチパッド又はコンピュータマウスのようなポインティング装置、キーパッド、又はキーボードとして具現可能である。
SoC810は、電子システム800の全般的な動作を制御し、メモリコントローラ802の動作を制御することができる。このために、SoC810は、中央処理装置(CPU、図示せず)を含みうる。
実施形態によっては、メモリ装置801の動作を制御することができるメモリコントローラ802は、SoC810の一部として具現されるか、あるいはSoC810と別途のチップとして具現可能である。
【0097】
図25は、本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置を含む電子システムのさらに他の実施形態を示すブロック図である。
図25を参照すると、電子システム900は、イメージ処理装置(image process device)、例えば、デジタルカメラ又はデジタルカメラ付き携帯電話、PDA、PMP、スマートフォンなどとして具現可能である。
【0098】
電子システム900は、無線エネルギー受信装置120、パワーユニット905、SoC910、メモリ装置901、メモリ装置901のデータ処理動作を制御することができるメモリコントローラ902を含む。
また、電子システム900は、イメージセンサー903及びディスプレイ904をさらに含む。
【0099】
無線エネルギー受信装置120は、上述した本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置であって、無線エネルギー送信装置から無線エネルギーを受信して、受信電源VRを発生させて、パワーユニット905に提供する。
パワーユニット905は、電子システム内部の構成要素(901、902、903、904、910)に内部電源を供給する。
【0100】
電子システム900のイメージセンサー903は、光学イメージをデジタル信号に変換し、該変換されたデジタル信号は、SoC910又はメモリコントローラ902に伝送される。SoC910の制御によって、変換されたデジタル信号は、ディスプレイ904を通じてディスプレイされるか、又はメモリコントローラ902を通じてメモリ装置901に保存することができる。
【0101】
また、メモリ装置901に保存されたデータは、SoC910又はメモリコントローラ902の制御によって、ディスプレイ904を通じてディスプレイされる。
実施形態によっては、メモリ装置901の動作を制御することができるメモリコントローラ902は、SoC910の一部として具現されるか、あるいはSoC910と別個のチップとして具現可能である。
SoC910は、また電子システム900の動作を全般的に制御するための中央処理装置(CPU、図示せず)を含みうる。
【0102】
図26(a)(b)は、本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置を含む電気自動車の一実施形態を概略的に示す図である。
図26(a)(b)を参照すると、電気自動車1100は、無線充電装置1110を備える。無線充電装置1110は、受信装置120と充電用バッテリー1112とを含む。
【0103】
無線エネルギー受信装置120は、上述した本発明の一実施形態による無線エネルギー受信装置であって、無線エネルギー送信装置から無線エネルギーを受信して、受信電源VRを発生させて、充電用バッテリー1112に提供する。
例えば、自動車1100が駐車場に停車している間に自動車充電用バッテリー1112は、本発明の実施形態による無線エネルギー伝送方法で自動充電される。
【0104】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、無線エネルギー受信装置、無線エネルギー送信装置、それを含む無線エネルギー伝送システム及びその無線エネルギー伝送方法を有する種々の電子機器に好適に使用される。
【符号の説明】
【0106】
100、100a、100b 無線エネルギー伝送システム
110、110’ 送信装置
112、121’ 固定周波数発振器
112’、121 (可変周波数)発振器
114、122 周波数調整器
116、124 周波数モニタ
120、120’ 受信装置
130 パワーサプライ
140 パワー消費装置
600 直交発振器
605a 第1発振器
605b 第2発振器
610a、610b 共振回路ブロック
615a、615b ネガティブ抵抗ブロック
620a、620b カップリング回路ブロック
630a、630b バイアスブロック
640a、640b 電流可変ブロック
650 バイアス電圧発生部
660 整流器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線エネルギー受信装置と無線エネルギー送信装置とを含む無線エネルギー伝送システムにおいて、
前記無線エネルギー受信装置と前記無線エネルギー送信装置との内の少なくとも1つは、同相(in−phase)信号(I信号)を出力する第1発振器と、
前記I信号と90°の位相差を有する直角位相信号(Q信号)を出力する第2発振器と、
前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれに含まれる、少なくとも1つのインダクタと少なくとも1つのキャパシタとを含む共振器と、
前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれに含まれる、前記少なくとも1つのインダクタに接続され、前記少なくとも1つのインダクタに流れる電流量を変化させる電流可変ブロックと、
前記I信号及びQ信号の内の少なくとも1つの周波数をモニタし、該モニタリングの結果に従って、前記電流可変ブロックを制御するモニタとを有することを特徴とする無線エネルギー伝送システム。
【請求項2】
前記無線エネルギー伝送システムは、前記無線エネルギー受信装置と前記無線エネルギー送信装置との間の磁場を感知し、該感知の結果によって、前記電流可変ブロックをさらに制御するためのセンサーをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の無線エネルギー伝送システム。
【請求項3】
前記共振器は、第1相互誘導を有し、第1及び第2インダクタを含む第1インダクタ対と、
第2相互誘導を有し、第3及び第4インダクタを含む第2インダクタ対と、
前記第1インダクタと第3インダクタとの間に接続されるキャパシタと、
前記第1及び第3インダクタに流れる電流にバイアスをかけるためのバイアスブロックとを含み、
前記電流可変ブロックは、前記第2及び第4インダクタに流れる電流を可変することを特徴とする請求項1に記載の無線エネルギー伝送システム。
【請求項4】
前記第1発振器の少なくとも1つのインダクタと前記第2発振器の少なくとも1つのインダクタは、直角を成すように構成されることを特徴とする請求項3に記載の無線エネルギー伝送システム。
【請求項5】
同相(in−phase)信号(I信号)を出力する第1発振器と、
前記I信号と90°の位相差を有する直角位相(quadrature−phase)信号(Q信号)を出力する第2発振器とを有し、
前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれは、第1相互誘導を有し、第1及び第2インダクタを含む第1インダクタ対と、
第2相互誘導を有し、第3及び第4インダクタを含む第2インダクタ対と、
前記第1インダクタと第3インダクタとに接続されるキャパシタとを含み、
前記第1及び第2発振器のそれぞれは、前記第2及び第4インダクタに流れる電流量を変化させて共振周波数を可変することによって、受信される無線エネルギーの大きさを制御することを特徴とする無線エネルギー受信装置。
【請求項6】
前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれは、前記第2及び第4インダクタに流れる電流量を可変させる電流可変ブロックをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の無線エネルギー受信装置。
【請求項7】
前記第1及び第3インダクタは、相互同一のインダクタンスを有し、
前記第2及び第4インダクタは、相互同一のインダクタンスを有することを特徴とする請求項5に記載の無線エネルギー受信装置。
【請求項8】
前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれは、前記第1及び第3インダクタに流れる電流にバイアスをかけるためのバイアスブロックと、
前記第1インダクタと前記バイアスブロックとの間、及び前記第3インダクタと前記バイアスブロックとの間に接続され、相互カップリングされるクロスカップルされた(cross−coupled)トランジスタと、
前記第2インダクタと前記電流可変ブロックとの間に接続されるトランジスタと、
前記第4インダクタと前記電流可変ブロックとの間に接続されるトランジスタとをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の無線エネルギー受信装置。
【請求項9】
前記第1発振器の前記第2インダクタと前記電流可変ブロックとの間に接続されるトランジスタと、前記第4インダクタと前記電流可変ブロックとの間に接続されるトランジスタのゲートには、前記第2発振器から出力される前記Q信号が入力され、
前記第2発振器の前記第2インダクタと前記電流可変ブロックとの間に接続されるトランジスタと、前記第4インダクタと前記電流可変ブロックとの間に接続されるトランジスタのゲートには、前記第1発振器から出力される前記I信号が入力されることを特徴とする請求項8に記載の無線エネルギー受信装置。
【請求項10】
前記第1発振器の少なくとも1つのインダクタと前記第2発振器の少なくとも1つのインダクタは、直角を成すように構成されることを特徴とする請求項5に記載の無線エネルギー受信装置。
【請求項11】
電子システムにおいて、
無線エネルギー送信装置から磁場を通じて無線エネルギーを受信して、受信電源を発生させる無線エネルギー受信装置と、
前記無線エネルギー受信装置から前記受信電源を受信して、前記電子システムの動作に必要な内部電源の少なくとも一部を供給するパワーユニットとを有し、
前記無線エネルギー受信装置は、同相(in−phase)信号(I信号)を出力する第1発振器と、
前記I信号と90°の位相差を有する直角位相信号(Q信号)を出力する第2発振器とを含み、
前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれは、少なくとも1つのインダクタ及び少なくとも1つのキャパシタを含む共振器と、
前記少なくとも1つのインダクタに接続されて、前記少なくとも1つのインダクタに流れる電流量を変化させる電流可変ブロックとを含むことを特徴とする電子システム。
【請求項12】
前記第1発振器及び前記第2発振器のそれぞれは、前記共振器に接続され、前記共振器のポジティブ抵抗を相殺させるためのネガティブ抵抗ブロックと、
前記少なくとも1つのインダクタに接続され、前記第1発振器と前記第2発振器をカップリングさせるためのカップリング回路ブロックとをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の電子システム。
【請求項13】
前記電流可変ブロックは、少なくとも2つ以上の並列接続されたnMOSトランジスタを含み、
前記少なくとも2つ以上の並列接続されたnMOSトランジスタの一側端は、前記カップリング回路ブロックに接続され、
前記少なくとも2つ以上の並列接続されたnMOSトランジスタは、ゲート端に入力される入力制御信号によって選択的にスイッチングされて、前記少なくとも1つのインダクタに流れる電流量を変化させることを特徴とする請求項12に記載の電子システム。
【請求項14】
前記電流可変ブロックは、特定電流を印加する電流源と、
前記電流源にその一側端が接続される第1nMOSトランジスタと、
前記第1nMOSトランジスタのゲート端と電流ミラー回路形態に接続される少なくとも2つ以上のnMOSトランジスタとを含み、
前記少なくとも2つ以上のnMOSトランジスタは、入力制御信号によって選択的にスイッチングされて、前記少なくとも1つのインダクタに流れる電流量を変化させることを特徴とする請求項11に記載の電子システム。
【請求項15】
前記電流可変ブロックは、特定電流を印加する互いに並列接続された少なくとも2つ以上の電流源と、
前記少なくとも2つ以上の電流源にその一側端が接続される第1nMOSトランジスタと、
前記第1nMOSトランジスタのゲート端と電流ミラー回路形態に接続される第2nMOSトランジスタとを含み、
前記少なくとも2つ以上の電流源は、入力制御信号によって選択的にスイッチングされて、前記少なくとも1つのインダクタに流れる電流量を変化させることを特徴とする請求項11に記載の電子システム。
【請求項16】
前記無線エネルギー受信装置は、前記I信号及びQ信号の内の少なくとも1つの周波数をモニタし、制御信号を発生させるモニタと、
前記制御信号に応答して、前記少なくとも1つのインダクタに流れる電流量を可変することによって、前記I信号及びQ信号の周波数を可変する周波数調整器とをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の電子システム。
【請求項17】
前記電子システムは、スマートフォン、携帯電話、PDA、PMP、又はタブレットPCを含むことを特徴とする請求項11に記載の電子システム。
【請求項18】
無線エネルギー受信装置の無線エネルギー受信方法において、
相互誘導を有する少なくとも一対のインダクタを含む直交発振器(quadrature oscillator)によって、同相(in−phase)信号(I信号)及び前記I信号と90°の位相差を有する直角位相信号(Q信号)を発生させる段階と、
前記少なくとも一対のインダクタの内、一側のインダクタに流れる電流量を可変して、共振周波数を調整する段階とを有することを特徴とする無線エネルギー受信方法。
【請求項19】
前記無線エネルギー受信方法は、前記少なくとも一対のインダクタのうち、他の一側のインダクタに流れる電流に、所定のバイアス電流をかける段階をさらに有することを特徴とする請求項18に記載の無線エネルギー受信方法。
【請求項20】
前記無線エネルギー受信方法は、モニタが、前記I信号及び前記Q信号の内の少なくとも1つの信号の周波数をモニタリングして、該モニタリングの結果を提供する段階をさらに有し、
前記共振周波数を調整する段階は、前記モニタリングの結果に応答してなされることを特徴とする請求項19に記載の無線エネルギー受信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−110958(P2013−110958A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−252997(P2012−252997)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea