説明

無線システムとこれに用いるハンディ端末、注文管理装置、及び制御プログラム

【課題】 同一構造のハンディ端末をパネル型としても見開き型としても使用することができ、コストの増大を招くことなくパネル型と見開き型の両方のハンディ端末を用意できる。
【解決手段】 入力された情報を無線通信で注文管理装置に伝送するためのハンディ端末であって、単体ではパネル型の端末として機能し、接続機構により2台接続され、一方が左用で他方が右用、又は一方が下用で他方が上用の画面を表示する見開き型の端末として機能するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ハンディ端末を用いて各種の情報を注文管理装置に伝送する無線システムに関する。また、この無線システムに用いるハンディ端末、注文管理装置、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等の無線オーダーシステムで使用されるハンディ端末には、単板状のパネル型と2つ折りの見開き型がある。見開き型はパネル型に比してボタン類を多く配置することができ、慣れない店員にとっては使いやすい。一方、熟練した店員に取っては、見開き型の大きさが欠点となり、却ってパネル型の方が使いやすい場合がある。しかし、両方の機種を用意することはコストの増大を招くことになる。
【0003】
また、見開き型のハンディ端末は本体と蓋部分で構成され、本体側にはLCDやバッテリーを初め処理機能の大部分が搭載され、蓋体側には拡張キー入力用のメンブレンスイッチマトリックスが配置されている。この場合、何らかの手段で本体側から蓋体側に電源供給をしながらのデータ通信を行わなければならず、コストアップを避けつつこれらの機能を実装するのは困難である。
【0004】
見開き型のハンディ端末において、本体側から蓋体側に電源給供給しデータ通信も行うための最も簡単な方法は、電気的なケーブルを使って本体側と蓋体側を直接繋ぐことである。しかし、この方法では、蓋の開閉に伴う疲労劣化によりケーブルの断線が起こりやすく、品質的には十分とは云えない。一方、ケーブルを使わず無接点化する方法も採用されているが、物理的及びコスト的な制約がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−202974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように従来の無線オーダーシステムにおいては、パネル型と見開き型のハンディ端末はそれぞれ長所を有しているが、両方の機種を用意するのはコストの増大を招くことになる。また、見開き型のハンディ端末には、本体側から蓋体側への電源供給及び両者間のデータ通信が必要となり、実装コストが高くなり、更に品質的には十分とは云えない問題があった。
【0007】
本発明の一実施形態は、同一構造のハンディ端末をパネル型としても見開き型としても使用することができ、コストの増大を招くことなくパネル型と見開き型の両方のハンディ端末を用意できる無線システムを提供することを目的とする。また、本発明の別の一実施形態は、上記の無線システムに用いるハンディ端末、注文管理装置、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、入力された情報を無線通信で注文管理装置に伝送するためのハンディ端末であって、単体ではパネル型の端末として機能し、接続機構により2台接続され、一方が左用で他方が右用、又は一方が下用で他方が上用の画面を表示する見開き型の端末として機能するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係わる無線オーダーシステムの全体構成を示す図。
【図2】図1の無線オーダーシステムに用いたハンディ端末の外観構成を示す斜視図。
【図3】2台のハンディ端末を接続するためのヒンジ部及びはめ込み検出部の構成を示す斜視図。
【図4】図1の無線オーダーシステムに用いたハンディ端末の回路構成を示すブロック図。
【図5】2台のハンディ端末が左右に接続された状態を示す図。
【図6】2台のハンディ端末が上下に接続された状態を示す斜視図。
【図7】ステーション側の動作を説明するためのフローチャート。
【図8】端末参加管理テーブル例と送受信パケット構成例を示す図。
【図9】第2の実施形態を説明するためのもので、2台のハンディ端末がケースにより接続された状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係わる無線オーダーシステムの全体構成を示す図である。なお、図1では、機番(ID)が#1〜#7の端末がシステムに参加しており、そのうちの任意の2台(#5と#7)をヒンジ部により接続して見開き端末を形成する状況を示している。
【0012】
システム全体を制御する注文管理装置であるステーション10とPOS端末20及びキッチンプリンタ70が、有線LAN等のケーブル30を介して接続されている。ケーブル30には、無線LANの親機としてのアクセスポイント(AP)40が接続されている。そして、AP40には、複数のハンディ端末50(#1〜#7)が無線通信により接続可能となっている。
【0013】
ハンディ端末50において入力を受け付けた注文情報は、例えばステーション10に送信され、ステーション10からキッチンプリンタ70やPOS端末20に送信される。そして、キッチンプリンタ70では、注文メニュー品目をキッチンの料理人に指示するための調理指示伝票(図示せず)が印字発行され、POS端末20では注文情報に基づく会計処理が行われるようになっている。
【0014】
ハンディ端末50は、図2に示すように、LCDを備えたタッチパネル式の表示部51を有している。このハンディ端末50は、通常時は表示部51にオーダー入力部51a,代表スイッチ部51b,及びテンキー51c等を表示させることにより、パネル型の端末として機能する。また、2台のハンディ端末50がヒンジ部60により接続されると、見開き型の端末として機能する。
【0015】
なお、ヒンジ部60は、回転軸61とヒンジ羽根62,63からなり、ヒンジ羽根62(62a,62b)は回転軸61の中央を除く部分に接続され、ヒンジ羽根63は回転軸61の中央部に接続されている。そして、ヒンジ羽根62とヒンジ羽根63とは回転軸61を中心に回動可能となっている。また、ハンディ端末50が見開き型の端末として機能するとき、表示部51には、左右上下の位置を指定する位置指定キー51dが表示されるようになっている。
【0016】
ハンディ端末50の右側面には、ヒンジ部60のヒンジ羽根62が挿入される2つ穴のスロット(ヒンジ取り付け部)52が設けられている。さらに、図では見えないが、ハンディ端末50の左側面にはヒンジ部60のヒンジ羽根63が挿入される1つ穴のスロット52が設けられている。これらのスロット52内に、図3に示すように、ヒンジ部60のヒンジ羽根62,63の一方が挿入されるのを検出するはめ込み検出部53がそれぞれ内蔵されている。このように、ハンディ端末50の左右の両方にはめ込み検出部53が設けられているため、ハンディ端末50はヒンジ部60を介して接続した場合に、ヒンジ部60の左側に位置するか右側に位置するかを検知できるようになっている。
【0017】
なお、ハンディ端末50としては、必ずしも左右の両方にヒンジ取り付けのためのスロット52を有する必要はない。ハンディ端末50を、右側面のみにスロット52を有するものと、左側面のみにスロット52を有するものとの二種とすることも可能である。さらに、両方にスロット孔52を有するものと一方のみにスロット孔52を有するものとを混在させることも可能である。
【0018】
ハンディ端末50の回路構成は、例えば図4に示すようになっている。即ち、前記はめ込み検出部53と、前記表示部51を構成するLCDパネル54及びタッチパネル55に加え、AP40と無線通信を行うための無線通信部56、タッチパネル55から入力された情報やステーション10側から送られた情報を信号処理するための信号処理部57、各部の制御を行うCPU58、及び3つのプログラム1〜3を格納した記憶領域59等を備えている。
【0019】
記憶領域59に格納されたプログラム1〜3のうち第1のプログラム1は、ハンディ端末50を通常のパネル型の端末として動作させるように記述されている。第2のプログラム2は、ハンディ端末50を見開き型の端末の左用として動作させるように記述され、第3のプログラム3は、ハンディ端末50を見開き型の端末の右用として動作させるように記述されている。
【0020】
これらのプログラム1〜3は、例えばはめ込み検出部53の検出信号により選択される。即ち、ハンディ端末50のスロット52にヒンジ部60のヒンジ羽根62,63が挿入されていない場合、即ちハンディ端末50がヒンジ部60で接続されていない場合は、プログラム1が選択される。2台のハンディ端末50がヒンジ部60で接続された場合、右側のスロット52にヒンジ部60のヒンジ羽根62が挿入された端末ではプログラム2が選択され、左側のスロット52にヒンジ部60のヒンジ羽根63が挿入された端末ではプログラム3が選択されるようになっている。
【0021】
通常時は、スロット52にヒンジ部60のヒンジ羽根62,63が挿入されていないので、CPU58はパネル表示用のプログラム1に従ってCPU58が動作する。これにより、ハンディ端末50はパネル型の端末として機能する。即ち、タッチパネル55で入力された情報をLCDパネル54に表示すると共に、信号処理部57で必要な計算を行い、さらに無線通信部56によりAP40を介してステーション10にオーダーを伝送する。更に、必要があればPOS端末20にもオーダーを伝送する。
【0022】
一方、2台のハンディ端末50(#5,#7)がヒンジ部60により接続された場合、図5に示すように、#5は左画面表示用のプログラム2によりCPU58が動作し、#7は右画面用のプログラム3によりCPU58が動作する。#5は、パネル型と実質的に同じであるが、#7は細かいメニューのキーが配置された画面となる。これにより、接続された2台のハンディ端末50は、左右の画面が異なった見開き型の端末として機能することになる。
【0023】
このとき、左右の端末はヒンジ部60により機械的に接続されているだけであり、電気的には接触していない。見開き型のハンディ端末では、蓋側で押下されたキーに関連するキー群を本体側に表示し、より詳細な選択肢を掲示するような階層構造のキー割り当て方式を用いているため、見開き両画面間のキー連携が必要となってくる。本実施形態では、このような画面連携のための通信方法として、各々のハンディ端末50がAP40との通信用に元々備えている近距離無線機能を利用する。即ち、左側の端末#5とAP40との間で無線通信を行い、さらに右側の端末#7とAP40との間で無線通信を行うことにより、左右の端末間で画面連携のための通信を行うことが可能となる。
【0024】
また、接続された2台のハンディ端末50の各表示を変更する場合、必ずしもヒンジ部60の挿入位置により決定するのではなく、ハンディ端末50の表示部51に位置指定キー51dを表示させ、上下左右の何れかのキーを選択することにより、表示を変えるようにしても良い。
【0025】
ここで、ハンディ端末50の接続位置を端末からのキー入力でステーション10側に知らせることができれば、システムに参加している端末の管理が容易になり、ステーション10は独立及び見開き端末が混在した場合でも正確な制御を行うことが可能となる。さらに、接続位置をはめ込み検出器53で検出した場合も、これを自動的にステーション10に知らせるようにすれば、ステーション10は独立及び見開き端末が混在した場合でも正確な制御を行うことが可能となる。
【0026】
なお、上下に見開く場合には、図6に示すように、画面表示を縦長から横長にする必要がある。このためには、ハンディ端末50を見開き型の端末の下画面用として動作させるように記述された第4のプログラムと、ハンディ端末50を見開き型の端末の上画面用として動作させるように記述された第5のプログラムを、記憶領域59に格納しておけばよい。
【0027】
また、ハンディ端末50に重力センサや加速度センサ等を設けておき、端末の向きを変えることにより、図5の状態と図6の状態を自動的に変更するようにしても良い。
【0028】
このように本実施形態では、通常は単独でシステム参加している複数のハンディ端末50のうちの任意の2台を接続して、1組又は複数組の見開き型のハンディ端末を構成する。システムに参加しているハンディ端末50のうち、何台を独立した端末として使うか、何台を接続した見開き型の端末として使うかは、そのときの端末稼働状況や業務難易度や使用者のスキルに応じて変える。見開き型端末として使用する場合、接続された端末は、自身の接続位置(上下左右)に応じた表示画面と処理プログラムに切り替える。
【0029】
次に、ステーション側の動作例を、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
まず、参加端末を調査(把握)して(ステップS1:調査手段)、図8に示すような端末参加状態管理テーブルを作成する(ステップS2:記憶手段)。この管理テーブルの作成はシステム起動時に行うと共に、参加端末の変更があれば、その変更分を修正する。そして、各無線通信手段から送受信リクエストがあるか否かを判定し(ステップS3)、リクエストがない場合は、S1〜S3のループを繰り返す。
【0031】
S3でリクエストがあると判定された場合は、ループしている端末調査状態を抜けてデータ通信を行う。このとき、目的の通信が、見開き端末のペア間通信なのか、通常の通信なのかを判断して処理を効率良く行う(ステップS4)。
【0032】
図8には、前述の端末参加管理テーブル例(a)と送受信パケット構成例(b)を示す。図8(a)に示すように、端末参加テーブルには、端末のシステムへの参加状況(参加端末ID,参加時間,参加終了時間,ペア相手,ペア接続位置等)がリアルタイムで記録され、どの2台がペアとなって見開き型のハンディ端末として動作しているかも知ることができる。その際、接続位置(上下左右)も記録されている。
【0033】
一方、図8(b)に示すように、通信で使われる送受信パケットには、同期プリアンブル,送信元ID(アドレス),送信元ID(アドレス),送信データ,チェックビットに加え、そのパケットがどの通信目的で使われているか、即ち端末間のペア通信なのか通常の通信なのかを表すフラグ(ペア/通常)が用意されている。ステーション10は、このフラグを参照することによって通信の種類を判別し、効率良い処理を行うことができる。
【0034】
前記図7のS4でペア間通信でないと判定された場合は、端末50とステーション10との間で通常端末通信を行う(ステップS5:通常端末通信手段)。S4でペア間通信と判定された場合は、接続された2台の端末50とステーション10との間で通信を行うことにより、左右画面連携通信を行う(ステップS6:左右画面連携通信手段)。
【0035】
その後、通信の終了を確認したら(ステップS7)、システムが終了したか否かを判定し(ステップS8)、終了していなければS1に戻る。
【0036】
このように本実施形態によれば、複数の独立したハンディ端末で構成されたシステムにおいて、任意の2台の端末を簡易接続して見開き型端末システムを構築することができる。即ち、同一構造のハンディ端末50をパネル型としても見開き型としても使用することができ、コストの増大を招くことなくパネル型と見開き型の両方のハンディ端末を用意できる。しかも、接続された2台のハンディ端末間を電気配線等で接続する必要はなく、端末に元々備わっているAP40との無線通信機能を利用して2台の端末の画面連携を行うことができるため、見開き型端末を構成した場合の品質向上及びコストの低減をはかることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、上記の効果に加えて次のような効果も得られる。
【0038】
(1) 独立したハンディ端末50を何台とし見開き型を何台とするかはユーザーが自由に決められるため、空いている端末を減らして高稼働率で使用できるばかりでなく、故障した場合でも代替品を用意できる。
【0039】
(2) ユーザーは、端末稼働状況や、使用者の習熟度、業務での必要性に応じて、見開き端末の形成台数を臨機応変に決められる。
【0040】
(3) 独立したハンディ端末として使用するときに、ヒンジ部60を取り外せる仕組みにしているので、外観を損ねることがない。
【0041】
(4) 本体側と蓋体側といったハードウェア的な区別がないため、両側共にLCD、タッチパネル、無線、バッテリーといった高機能なH/Wリソースを備え、キーの階層入力はもとより、高度のGUIを実現可能である。
【0042】
(5) 接続位置に応じた切り替え画面と処理プログラムを各端末50に予め記憶させているので、接続して見開き型として使用する際の切り替え時間が短くて済む。
【0043】
(6) 通信で使われる送受信パケットに端末間のペア通信なのか通常の通信なのかを表すフラグを用意しておくことにより、端末50とステーション10との通信において、通常の端末業務に関する通信か、見開き型端末の端末間通信なのかを即時に判断することができ、必要な処理を迅速に行うことができる。
【0044】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態を説明するためのもので、2台のハンディ端末がケースにより接続された状態を示す図である。
【0045】
システムの全体構成及びハンディ端末50の構成は、先に説明した第1の実施形態と同様であるので、ここでは省略する。
【0046】
本実施形態では、2台のハンディ端末50をヒンジ部により直接接続するのではなく、2台のハンディ端末50をセットできる接続用ケース90を用意し、このケース90に端末をセットしたときに見開き用端末として機能するようにしている。即ち、システムに参加している任意の2台のハンディ端末50を固定して機能的に一体化でき、且つ中央のヒンジ部60で折り畳むことによって、見開き型のハンディ端末を形成可能な接続用ケース90を用意する。
【0047】
接続用ケース90は、2枚の板体91,92がヒンジ部93により接続されて折り畳み可能な構成となっており、各々の板体91,92にはハンディ端末50を固定するための端末保持具が設けられている。そして、2台のハンディ端末50を板体91,92に固定した後に、先の第1の実施形態で説明した例えば位置指定キー51dを選択することにより、2台のハンディ端末50を接続した見開き型端末として機能させることができる。
【0048】
このように任意の2台のハンディ端末50をセットしソフト的な設定を行うようにすれば、簡単に見開き型のハンディ端末を構成することができる。従って、先の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0049】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態では、顧客からの注文を伝送する無線オーダーシステムの例で説明したが、何らかの情報をハンディ端末に入力し、これをステーション等の注文管理装置に無線通信で伝送する無線システムであれば適用することが可能である。
【0050】
実施形態では、独立したハンディ端末として使用するときに、ヒンジ部が取り外せる仕組みにしているが、ヒンジ部が格納される仕組みにすれば、邪魔なヒンジ部を持ち運ばなくて済む。
【0051】
実施形態では、接続位置に応じた切り替え画面と処理プログラムが各端末に予め記憶されるようにしたが、接続位置に応じた切り替え画面と処理プログラムを注文管理装置側からダウンロードするようにしても良い。この場合は、端末の記憶容量の節約になる。
【0052】
見開き型ハンディ端末は見開きの2画面を備えるため、これらを結合して一つの大きな画面としても利用可能である。さらに、見開き型ハンディ端末は見開きの2画面を備えるため、従来の薄い蓋体と本体側からなる見開き型ハンディ端末に比べてグレードの高いコンテンツ(動画やカラー画像)を表示可能である。
【0053】
実施形態では、接続された端末間の通信は無線親機及び注文管理装置を介して行っているが、各々の端末で互いのID情報を保持管理するようにすれば、画面連携通信時に注文管理装置を介さずに親機を介した端末間直接通信を行うことも可能である。このように、注文管理装置が関わることなく端末同士の管理で行うことができれば、注文管理装置の負担を軽減させることが可能となる。
【0054】
また、ハンディ端末と注文管理装置との間の通信は、必ずしも無線LANに限るものではなく、仕様に応じて適宜変更可能である。さらに、注文管理装置の単独でハンディ端末との無線通信が可能であれば、無線親機は省略することも可能である。
【0055】
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
10…ステーション(注文管理装置)
20…POS端末
30…LANケーブル
40…アクセスポイント(AP)
50…ハンディ端末
51…表示部
52…スロット
53…はめ込み検出部
54…LCDパネル
55…タッチパネル
56…無線通信部
57…信号処理部
58…CPU
59…記憶領域
60,93…ヒンジ部
70…キッチンプリンタ
61,62…ヒンジ羽根
90…ケース
91,92…板体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された情報を無線通信で注文管理装置に伝送するためのハンディ端末であって、
単体ではパネル型の端末として機能し、接続機構により2台接続され、一方が左用で他方が右用、又は一方が上用で他方が下用の画面を表示する見開き型の端末として機能するように構成されたことを特徴とするハンディ端末。
【請求項2】
前記接続機構は、ヒンジであることを特徴とする請求項1記載のハンディ端末。
【請求項3】
情報を入力するための複数のハンディ端末に無線通信可能に接続される注文管理装置であって、
単体で使用するパネル型端末であるか、又は2台を接続して使用する見開き型端末であるかの端末接続状態を各端末毎に記憶する手段と、
前記端末から通信要求を受けた場合に、前記記憶された端末接続状態を基に、該端末がパネル型端末の場合は通常端末通信を行い、該端末が見開き型端末の場合はそれぞれの端末に対して画面連携通信を行う手段と、
を具備したことを特徴とする注文管理装置。
【請求項4】
前記端末が見開き型端末状態の場合に、一方の端末を前記パネル型と同等の表示画面にし、他方の端末を詳細メニューのキーが配置された表示画面にすることを特徴とする請求項3記載の無線システム。
【請求項5】
情報を入力するための複数のハンディ端末と、これらのハンディ端末に無線通信可能に接続される注文管理装置とを有する無線システムであって、
前記ハンディ端末は、単体ではパネル型の端末として機能し、接続機構により2台接続された場合は、一方が左用で他方が右用、又は一方が下用で他方が上用の画面を表示する見開き型の端末として機能するように構成され、
前記注文管理装置は、前記複数のハンディ端末がパネル型端末であるか見開き型端末であるかを判断し、前記端末から通信要求を受けた場合に該端末がパネル型端末の場合は通常端末通信を行い、該端末が見開き型端末の場合はそれぞれの端末に対して画面連携通信を行うように構成されていることを特徴とする無線システム。
【請求項6】
情報を入力するための複数のハンディ端末に無線通信可能に接続される注文管理装置を制御するための、コンピュータ読み取り可能な制御プログラムであって、
前記複数のハンディ端末が単体で使用するパネル型端末であるか、又は2台を接続して使用する見開き型端末であるかの端末接続状態を記憶する手順と、
前記端末から通信要求を受けた場合に、前記記憶された端末接続状態を基に、該端末がパネル型端末の場合は通常端末通信を行い、該端末が見開き型端末の場合はそれぞれの端末に対して画面連携通信を行う手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−174109(P2012−174109A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37088(P2011−37088)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】