説明

無線システムにおけるジオフェンスの動的創出の方法

ジオフェンスデバイスによって受け取られた疑似距離測定値の第1の集合を使用して即時参照点を決定すること、即時参照点へ参照される動的ジオフェンス区域を規定すること、疑似距離測定値の第2の集合を使用して測位を決定すること、及び測位を動的ジオフェンス区域と比較することによって、動的ジオフェンス区域を創出する方法及び装置。1つの態様において、比較結果に基づく警報メッセージがユーザへ提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
この特許出願は、2008年7月16日に出願されて「無線システムにおけるジオフェンスの動的創出の方法」(METHOD FOR DYNAMIC CREATION OF A GEOFENCE IN A WIRELESS SYSTEM)の題名を有する米国仮特許出願61/081,265への優先権の利益を主張する。前記米国仮特許出願は、参照によって前記出願の全体を本明細書の中に組み入れられる。
【0002】
この開示は、一般的には、人物、ペット、又は資産を無線で追跡する装置及び方法に関する。さらに具体的には、この開示は、無線システムにおけるジオフェンス区域の動的創出に関する。
【背景技術】
【0003】
ジオフェンス追跡は、ターゲット、例えば、人の資産、車両、又は人物の移動を、規定された地理的境界の内部で監視することである。ジオフェンス追跡は、地理的境界からの特定ターゲットの移動(例えば、入場又は退出)を追跡及び記録し、特定ターゲットの移動行動をシステムユーザに警報するために使用される。
【0004】
ジオフェンス境界は、一般的に、固定された場所へ参照される。ここでシステムユーザは、このユーザが監視したい各々の異なる区域について、地理的境界、又は地理的境界の参照点を再規定する。こうして、新しいジオフェンス境界が各々の時間に規定される。固定されたジオフェンス境界では、もし特定ターゲット及び他の特定ターゲットの双方が移動中であれば、システムユーザは前記他の特定ターゲットに対する前記特定ターゲットを追跡することができない。移動中のターゲットが、他の移動中のターゲットを包囲する地理的区域へ入場及び/又は退出したかどうかを決定することも、困難である。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様によれば、ユーザはジオフェンスデバイスを活性化し、ユーザの現在位置を包囲するジオフェンス区域を自動的に規定して、ユーザが自分の現在位置をルックアップしジオフェンス区域をプログラムする必要性を無用にする。
【0006】
1つの態様によれば、動的ジオフェンス区域を創出する方法は、ジオフェンスデバイスによって受け取られた疑似距離測定値の第1の集合を使用して即時参照点を決定すること、即時参照点へ参照される動的ジオフェンス区域を規定すること、疑似距離測定値の第2の集合を使用して測位を決定すること、及び測位を動的ジオフェンス(地理的フェンス)区域と比較することを備える。
【0007】
他の態様によれば、動的ジオフェンス区域を創出する方法は、ジオフェンスデバイスによって受け取られた疑似距離測定値の第1の集合を使用して即時参照点を決定すること、即時参照点へ参照される動的ジオフェンス区域を規定すること、疑似距離測定値の第2の集合を使用して測位を決定すること、測位を動的ジオフェンス区域と比較すること、第1の待機時間の後に測位を更新すること、第2の待機時間の後に即時参照点を更新し、更新された即時参照点に基づいて動的ジオフェンス区域を再規定すること、及び更新された測位を、再規定された動的ジオフェンス区域と比較することを備える。
【0008】
さらに他の態様によれば、動的ジオフェンス区域を監視する方法は、n量の被追跡デバイスについてn量の動的ジオフェンス区域を規定すること、n量の動的ジオフェンス区域を監視してn量の動的ジオフェンス区域の間の重複を決定すること、及び、もしn量の動的ジオフェンス区域の少なくとも1つが、n量の動的ジオフェンス区域の少なくとも他の1つと重複していなければ、警報メッセージを提示することを備える。
【0009】
さらに他の態様によれば、ジオフェンスデバイスは、疑似距離測定値の第1の集合を受け取るSPSアプリケーション及びハードウェアユニット、疑似距離測定値の第1の集合に基づいて即時参照点を決定する処理ユニット、処理ユニットは即時参照点に基づいて動的ジオフェンス区域をさらに規定すること、測位を受け取るインタフェースユニット、及び処理ユニットは測位を動的ジオフェンス区域と比較することを備える。
【0010】
さらに他の態様によれば、記憶されたプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能媒体であって、ジオフェンスデバイスによって受け取られた疑似距離測定値の第1の集合を使用して即時参照点を決定するプログラムコード、即時参照点へ参照される動的ジオフェンス区域を規定するプログラムコード、疑似距離測定値の第2の集合を使用して測位を決定するプログラムコード、及び測位を動的ジオフェンス区域と比較するプログラムコードを備える。
【0011】
他の態様は、下記の詳細な説明から当業者へ直ちに明らかになることが理解される。ここで様々な態様及び特徴は、例証によって図示及び説明される。図面及び詳細な説明は、事実上、例証として見なされるべきであり、限定として見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】資産の追跡を示す例示的流れ図である。
【図2】ターゲットを追跡し、ターゲットが制限区域へ入るのを防止することを示す例示的流れ図である。
【図3】動的ジオフェンスを使用し、移動中の複数のターゲットを追跡することを示す例示的流れ図である。
【図4】無線システムにおける動的ジオフェンスの例示的アーキテクチャを示すブロック図である。
【詳細な説明】
【0013】
添付された図面と関連づけて下記で記述される詳細な説明は、本発明の様々な態様の説明として意図され、本発明が実施され得る態様のみの表現としては意図されない。この開示で説明される各態様は、本発明の単なる例又は例証として提供され、必ずしも他の態様よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するため具体的詳細部分を含む。しかしながら、これらの具体的詳細部分なしに本発明を実施してもよいことが当業者に明らかであろう。幾つかの例において、本発明の概念を不明瞭にすることを避けるため、周知の構造及びデバイスはブロック図で示される。頭字語及び他の記述用語は、単に便宜的に及び明瞭にするために使用され、本発明の範囲を限定することを意図されない。
【0014】
本明細書で説明される様々な例証的論理ブロック、モジュール、及び回路は、1つ又は複数のプロセッサを用いて実現又は達成される。プロセッサは、汎用プロセッサ、例えばマイクロプロセッサ、特定応用プロセッサ、例えばディジタル信号プロセッサ(DSP)、又はソフトウェアをサポートできる任意の他のハードウェアプラットフォームであってもよい。ソフトウェアは広く解釈され、命令、データ構造、又はプログラムコードの任意の組み合わせを意味し、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、又は他の用語で呼ばれる。代替として、プロセッサは、特定用途集積回路(ASIC)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械、離散的ハードウェアコンポーネントの組み合わせ、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。本明細書で説明される様々な例証的論理ブロック、モジュール、及び回路は、ソフトウェアを記憶する機械読み取り可能媒体を含んでもよい。機械読み取り可能媒体は、1つ又は複数の記憶デバイス、伝送線、又はデータ信号を符号化する搬送波を含んでもよい。
【0015】
図1は、資産の追跡を示す例示的流れ図である。図1はブロックの例示的組み合わせ及び順序を提示していることを、当業者は理解するであろう。図1で提示されたブロックの様々な他の組み合わせ及び順序は、開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、当業者へ直ちに明らかであろう。
【0016】
ブロック105において、ジオフェンスデバイス1000は、即時参照点に対して動的ジオフェンス区域を規定する。動的ジオフェンス区域は任意のポリゴンであり、最も単純な区域は円である。即時参照点に対して動的ジオフェンス区域を規定するため、ジオフェンスデバイス100は最初に即時参照点の測位を取得する。即時参照点に対して具体的な地理的境界を選び、このようなものとして動的ジオフェンス区域を規定することによって、動的ジオフェンス区域が即時参照点に対して規定される。ここで即時参照点は、一度確立されると移動しない。ユーザは、この時点で、このユーザの必要に適したものとして動的ジオフェンス区域を規定する。1つの態様において、即時参照点は動的ジオフェンス区域から任意の距離にあってもよく、動的ジオフェンス区域の内側にあること、動的ジオフェンス区域の縁にあること、又は動的ジオフェンス区域の外側にあることを含む。即時参照点に対して動的ジオフェンス区域を規定する最も簡単な配列の1つは、円の中心に即時参照点を有することである。この場合、円は特定半径を有する動的ジオフェンス区域を規定する。1つの態様において、動的ジオフェンス区域の形状及びパラメータがジオフェンスデバイス1000の中へ前もってプログラムされる。ユーザはジオフェンスデバイス1000を活性化し、疑似距離測定値を受け取る。この疑似距離測定値は、測位を計算するために使用される。この測位は即時参照点となる。次いで、この即時参照点は動的ジオフェンス区域を規定するために使用される。この態様において、ユーザは自分の現在位置を決定する必要はなく、又はジオフェンス区域をどのように規定するかを決定する必要はない。1つの例において、ユーザはジオフェンスデバイスを活性化し、ジオフェンスデバイスは図1で示されるプロセスを達成する。
【0017】
測位(position fix)の決定では、疑似距離測定値が取得される。疑似距離測定値は、多様なモードで取得され得る。これらのモードは、非限定的に、システム支援を有しない単独型衛星測位システム(SPS)、初期化システム支援を有するMSベース(移動局ベース)SPS、外部エンティティが測位を達成するMS支援(移動局支援)、CDMAセクタ三角測量に基づくAFLT(先進順方向リンク三辺測量)、SPS及びCDMAセクタ三角測量に基づくハイブリッド、及びセクタ場所に基づくセクタセンタを含む。SPSは、全地球測位システム(GPS)、ガリレオ(Galileo)、GLONASS、GNSS、及びこれらのシステムの組み合わせ又は将来開発される衛星システムからの衛星を使用する任意のシステムを含む。さらに、幾つかの測位決定システムは、疑似衛星、又は衛星と疑似衛星との組み合わせを利用する。疑似衛星は地上送信機である。この地上送信機は、SPSによって提供される時間と同期する搬送波信号の上で変調された測距符号、例えばPN符号(GPS又はCDMAセルラ信号に類似する)をブロードキャストする。疑似衛星は、周回軌道衛星からの信号が利用できない事態に有用である。追加の地上測距源、例えばAFLTは、代替の測位システムとして使用されてもよい。当業者は、疑似距離測定値を取得するための他の衛星ベース源又は地上ベース源も利用可能であることを理解するであろう。
【0018】
ブロック110では、第1の被追跡デバイス1006によって疑似距離測定値が受け取られる。ブロック115では、受け取られた疑似距離測定値に基づいて第1の被追跡デバイス1006の測位が決定される。1つの態様において、第1の被追跡デバイス1006は、受け取られた疑似距離測定値から自分の測位を決定するコンポーネントを含む。他の態様において、第1の被追跡デバイス1006は疑似距離測定値を外部の位置決定エンティティ1008へ中継し、位置決定エンティティ1008は測位を決定し、第1の被追跡デバイスの測位を第1の被追跡デバイス1006へ戻す。他の態様において、第1の被追跡デバイス1006は疑似距離測定値をジオフェンスデバイス1000へ中継し、ジオフェンスデバイス1000は第1の被追跡デバイスの測位を決定する。
【0019】
ブロック120では、第1の被追跡デバイスの測位が動的ジオフェンス区域の外側にあるかどうかを決定する。この決定は、第1の被追跡デバイス1006、外部デバイス、例えば位置追跡管理エンティティ620、又はジオフェンスデバイス1000によって行われ得る。
【0020】
もし第1の被追跡デバイスの測位が動的ジオフェンス区域の外側になければ、ブロック125へ進む。ブロック125において、プロセスは、ブロック110へ戻って疑似距離測定値の次の集合を受け取る前に、時間T1だけ待機しなければならない。時間T1は、ユーザ、他のオペレータ、システムパラメータ、又はアプリケーション自体によって構成されるシステムパラメータである。1つの態様において、時間T1は、疑似距離測定値を取得する間の固定期間を表す。他の態様において、時間T1は可変期間である。1つの態様において、時間T1は、センサ、例えば非限定的に、慣性センサの測定値によって決定又は変更される。例えば、第1の被追跡デバイスの移動が検出された事象において、測定された移動の大きさに従って時間T1が変更される。もし慣性センサの測定値が、比較的短い時間量で大きな移動量を表示するならば、時間T1は低減され、疑似距離測定値の次の集合が即時に収集される。当業者は、開示の範囲又は趣旨に影響することなく、多様なセンサが使用されてもよいことを理解するであろう。例えば、第1の被追跡デバイスを有する自動車で窓が破壊されたことを表示するセンサ測定値は、時間T1を低減するために使用され得る。他の例において、センサは第1の被追跡デバイスのバッテリ電力を測定し、それに従って時間T1を変更する。もしバッテリ電力が十分であれば、バッテリ電力が空に近い場合よりも、時間T1は短くされる。他の例において、センサは日中か夜間かを感知し、それに従って時間T1を変更する。さらに他の例では、第1の被追跡デバイスと動的ジオフェンス区域の境界との間の相対的距離に従って時間T1が調整される。例えば、第1の被追跡デバイスが境界に近づくにつれて、時間T1が低減される。
【0021】
もし第1の被追跡デバイスの測位が動的ジオフェンス区域の外側にあれば、ブロック130へ進む。ブロック130では、警報メッセージが提示される。1つの態様において、ジオフェンスデバイス1000は警報メッセージをユーザへ提示し、ユーザは警報メッセージを他の人物、デバイス、又はシステムへ中継する選択肢を有する。他の態様において、ジオフェンスデバイス1000は警報メッセージを他の人物、デバイス、又はシステムへ中継する。代替として、外部デバイス、例えば位置追跡管理エンティティ620は、警報メッセージを他の人物、デバイス、又はシステムへ中継する。ジオフェンスデバイス1000及び第1の被追跡デバイス1006は、別個のデバイス又は単一のデバイスであり得る。ジオフェンスデバイス1000及び第1の被追跡デバイス1006が単一のデバイスである例では、別個のデバイス、例えば、ユーザが所有する無線電話などへ警報メッセージが中継される。1つの態様において、第1の被追跡デバイスの測位は定期的に更新され、動的ジオフェンス区域と比較される。幾つかの応用において、図1で説明されるプロセスは、ブロック130で警報メッセージが提示された後に反復されることを、当業者は認識するであろう。
【0022】
図1の流れ図は、資産、例えば車両、宝石、又は他の有形物を追跡するために使用されてもよいことを、当業者は認識するであろう。例えば、レストランへ車を走らせているユーザは、レストランの外に駐車し、ジオフェンスデバイス1000を活性化し、ジオフェンスデバイス1000を活性化することによって創出された即時参照点に対して動的ジオフェンス区域を設定する。例えば、ユーザのジオフェンスデバイス1000を活性化することによって、ユーザが自分の現在位置を決定する必要なしに、又はユーザが自分の動的ジオフェンス区域の限界線を規定する必要なしに、動的ジオフェンス区域が創出される。1つの態様において、動的ジオフェンス区域の特性は前もって規定されている。他の態様では、動的ジオフェンス区域に関連づけられた簡単なパラメータが、ユーザによって調整され得る。ユーザは自分の車に第1の被追跡デバイス1006を取り付けてもよい。ユーザがレストランに居る間、もし車(即ち、第1の被追跡デバイス)が動的ジオフェンス区域の外側へ移動するならば、(ユーザが所有する)ジオフェンスデバイス1000へ警報メッセージが送られ、ユーザの車が移動したことをユーザへ警報する。ジオフェンスデバイス及び第1の被追跡デバイスが単一のデバイスである他の例において、ユーザは自分の車の中でジオフェンスデバイスを活性化し、動的ジオフェンス区域を創出する。もし車が動的ジオフェンス区域の外側へ移動するならば、警報メッセージをユーザへ表示できるデバイスへ警報メッセージが送られる。
【0023】
同様に、他の例は、出張旅行で留守になるユーザが、家屋の中で宝石類の保護を確実にしたい場合である。ユーザはジオフェンスデバイス1000を活性化し、ジオフェンスデバイス1000を活性化することによって創出された即時参照点に対して動的ジオフェンス区域を設定することによって、動的ジオフェンス区域が自分の家屋の限界線となるように設定し得る。ここで、即時参照点は家屋内の参照点であり得る。ユーザは自分の宝石類に第1の被追跡デバイス1006を取り付ける。もし宝石類(即ち、第1の被追跡デバイス)が動的ジオフェンス区域の外側へ移動されれば(例えば、宝石類が家屋の外側へ持ち出されれば)、警報メッセージがジオフェンスデバイス1000へ送られてユーザに警報する。1つの例において、ユーザは自分の宝石が許可なく家屋から移動されたことを当局へ通知する。他の例において、ジオフェンスデバイス1000は第2の警報メッセージを第三者、例えば警察又はセキュリティ当局へ提示する。追加的に、第1の被追跡デバイス1006が警報メッセージを当局へ直接送り得る。1つの態様では、資産を監視する代わりに、第1の被追跡デバイス1006を人物に取り付け、動的ジオフェンス区域に対するこの人物の移動を監視し得る。
【0024】
図2は、ターゲットを追跡して、ターゲットが制限区域へ入ることを防止することを示す例示的流れ図である。ブロックの例示的組み合わせ及び順序を図2が提示していることを、当業者は理解するであろう。図2で提示されるブロックの様々な他の組み合わせ及び順序は、開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、当業者に直ちに明らかであろう。
【0025】
図2のブロック205〜215は、図1のブロック105〜115と機能的に同じであるが、例外として、第1の被追跡デバイス1006が第2の被追跡デバイス1011によって置換されている。ユーザはジオフェンスデバイス1000を活性化し、疑似距離測定値を受け取る。疑似距離測定値は、測位を計算するために使用される。測位は即時参照点となり、この即時参照点は動的ジオフェンス区域を規定するために使用される。この態様では、ユーザが自分の現在位置を決定する必要はなく、又はジオフェンス区域をどのように規定するかを決定する必要はない。1つの例において、ユーザはジオフェンスデバイスを活性化し、ジオフェンスデバイスは図2で示されるプロセスを達成する。
【0026】
ブロック220において、第2の被追跡デバイスの測位は動的ジオフェンス区域の内側にあるかどうかが決定される。1つの態様において、この決定は第2の被追跡デバイス1011によって行われるか、又は外部デバイス、例えば位置追跡管理エンティティ620又はジオフェンスデバイス1000によって行われる。もし第2の被追跡デバイスの測位が動的ジオフェンス区域の内側になければ、ブロック225へ進む。ブロック225において、プロセスは、ブロック210へ進んで疑似距離測定値の次の集合を受け取る前に、時間T2だけ待機しなければならない。時間T2は、ユーザ、他のオペレータ、又はアプリケーション自体によって構成されるシステムパラメータである。時間T2は、疑似距離測定値を取得する間の時間区間を設定する。もし第2の被追跡デバイスの測位が動的ジオフェンス区域の内側にあれば、ブロック230へ進む。ブロック230では、警報メッセージが提示される。1つの態様において、ジオフェンスデバイス1000は警報メッセージをユーザへ提示する。次いでユーザは、警報メッセージを他の人物、デバイス、又はシステムへ提示する。他の態様において、ジオフェンスデバイス1000は警報メッセージを他の人物、デバイス、又はシステムへ中継する。代替として、外部デバイス、例えば、位置追跡管理エンティティ620が、警報メッセージを他の人物、デバイス、又はシステムへ中継する。時間T1と同じく、時間T2は、他のパラメータ、例えば、時間T1の文脈で論述された例(例えば、センサ測定値)に依存して、疑似距離測定値を取得する間の固定期間を表すか可変期間を表す。同様に、第2の被追跡デバイス1011及びジオフェンスデバイス1000は、2つの別個のデバイスであるか、単一のデバイスであり得る。1つの態様において、第2の被追跡デバイスの測位は定期的に更新され、動的ジオフェンス区域と比較される。幾つかの応用では、ブロック230の警報メッセージが提示された後、図2で説明されるプロセスが反復されることを、当業者は認識するであろう。
【0027】
ターゲットを追跡して、ターゲットが制限区域へ入ることを防止するため、図2の流れ図が使用されてもよいことを、当業者は認識するであろう。例えば、行楽地に居る母親は、彼女の10代の子供が行楽地の酒場区域へ入ることを防止したいかも知れない。母親は酒場区域へ入って彼女のジオフェンスデバイス1000を活性化し、制限された酒場区域の周りに動的ジオフェンス区域を創出する。1つの例において、10代の子供は第2の被追跡デバイス1011を携行する。もし第2の被追跡デバイス1011の位置が動的ジオフェンス区域の内側へ移動するならば、警報メッセージが母親へ提示される(例えば、彼女のジオフェンスデバイスを介して)。他の例において、母親は酒場区域へ入ってジオフェンスデバイス1000を活性化し、酒場区域の周りに動的ジオフェンス区域を創出する。次いで母親は、ジオフェンスデバイス1000を彼女の10代の子供へ与える。もし10代の子供(即ち、ジオフェンスデバイス1000)が酒場区域(即ち、動的ジオフェンス区域)へ入るならば、別個のデバイスを介して警報メッセージが母親へ提示される。図1及び図2の流れ図は、提示された例へ限定されず、動的ジオフェンス区域に対するターゲットの移動を監視する多数の例を包含し得ることを、当業者は理解するであろう。
【0028】
図3は、動的ジオフェンスを使用して複数のターゲットを追跡することを示す例示的流れ図である。ブロックの例示的組み合わせ及び順序を図3が提示していることを、当業者は理解するであろう。図3で提示されるブロックの様々な他の組み合わせ及び順序は、開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、当業者へ直ちに明らかであろう。
【0029】
ブロック310において、ジオフェンスデバイス1000は、ジオフェンスプロトコルが活性化されたことをチェックして検証する。例えば、ユーザはジオフェンスデバイス1000の上のボタンを押すことによって、ジオフェンスプロトコルを活性化する。1つの態様において、ジオフェンスデバイス1000がオンであるとき、このデバイスはジオフェンスプロトコルが活性化されていることを定期的にチェックして検証する。どれくらいの頻度で定期的チェックが行われるかは、ユーザ、他のオペレータ、又はアプリケーション自体によって構成されるシステムパラメータであることを、当業者は理解するであろう。ユーザはジオフェンスデバイス1000を活性化し、測位を計算するために使用される疑似距離測定値を受け取る。測位は即時参照点となり、次いで即時参照点は動的ジオフェンス区域を規定するために使用される。この態様において、ユーザは自分の現在位置を決定する必要はなく、又はジオフェンス区域をどのように規定するかを決定する必要はない。1つの例において、ユーザはジオフェンスデバイスを活性化し、ジオフェンスデバイスは図3で示されるプロセスを達成する。
【0030】
もしジオフェンスプロトコルが活性化されていれば、ブロック335及び320へ進む。ブロック335では、第3の被追跡デバイス1020が疑似距離測定値を受け取り、ブロック340では、受け取られた疑似距離測定値に基づいて、第3の被追跡デバイスの測位が決定される。1つの態様において、第3の被追跡デバイス1020は自分の測位を決定するコンポーネントを含む。他の態様において、第3の被追跡デバイス1020は疑似距離測定値を外部デバイス、例えば位置決定エンティティ1008へ中継し、位置決定エンティティ1008は第3の被追跡デバイスの測位を決定する。他の態様において、第3の被追跡デバイス1020は疑似距離測定値をジオフェンスデバイス1000へ中継し、ジオフェンスデバイス1000は第3の被追跡デバイスの測位を決定する。ブロック340から、ブロック345へ進む。
【0031】
ブロック320では、ジオフェンスデバイス1000によって疑似距離測定値が受け取られる。ブロック325では、受け取られた疑似距離測定値を使用してジオフェンスデバイスの測位が決定される。1つの態様において、ジオフェンスデバイス1000は自分の測位を決定するコンポーネントを含む。他の態様において、ジオフェンスデバイス1000は疑似距離測定値を外部デバイス、例えば位置決定エンティティ1008へ中継し、位置決定エンティティ1008はジオフェンスデバイスの測位を決定する。
【0032】
1つの態様において、ジオフェンスデバイスの測位は即時参照点を規定する。ブロック330では、動的ジオフェンス区域が即時参照点に対して規定される。ブロック330において、プロセスは、ブロック320へ戻って疑似距離測定値の次の集合を受け取る前に、時間T3だけ待機する。時間T1と同じく、時間T3は、他のパラメータ、例えば、時間T1の文脈で論述された例(例えば、センサ測定値)に依存して、疑似距離測定値を取得する間の固定期間又は可変期間を表し得る。
【0033】
ブロック345では、第3の被追跡デバイスの測位は、ブロック330で規定された動的ジオフェンス区域の外側にあるかどうかが決定される。この決定は、第3の被追跡デバイス1020、外部デバイス、例えば位置追跡管理エンティティ620、又はジオフェンスデバイス1000によって行われ得る。もし第3の被追跡デバイス1020が動的ジオフェンス区域の外側にあれば、ブロック350へ進む。ブロック350では、警報メッセージが提示される。1つの態様では、ジオフェンスデバイス1000が警報メッセージをユーザへ提示する。他の態様において、警報メッセージは他の人物、デバイス、又はシステムへ提示される。もし第3の被追跡デバイス1020が動的ジオフェンス区域の外側になければ、プロセスは、ブロック335へ戻って疑似距離測定値の次の集合を受け取る前に、時間T4だけ待機する。時間T1と同じく、時間T4は、他のパラメータ、例えば、時間T1の文脈で論述された例(例えば、センサ測定値)に依存して、疑似距離測定値を取得する間の固定期間又は可変期間を表し得る。1つの例において、時間T4は時間T3に等しい。
【0034】
1つの態様において、第3の被追跡デバイスの測位は定期的に更新され、動的ジオフェンス区域と比較される。1つの態様では、即時参照点が定期的に更新され、更新された第一の即時参照点に基づいて動的ジオフェンス区域が再規定される。一度、動的ジオフェンス区域が再規定されると、更新された測位が、再規定されたジオフェンス区域と比較される。幾つかのアプリケーションでは、ブロック350の警報メッセージが提示された後、図3で説明されたプロセスが反復されることを、当業者は認識するであろう。
【0035】
動的ジオフェンスを使用して複数のターゲットを追跡するため、図3の流れ図が使用されてもよいことを、当業者は認識するであろう。そのような使用は、後で説明される。例えば、母親は、商店街の中でショッピングをしている間、彼女の子供(又は、複数のターゲットを追跡する場合には、子供達)を彼女の近くに引き留めておきたいと望むかも知れない。母親は、彼女のジオフェンスデバイス1000を活性化し、彼女の即時参照点に対して動的ジオフェンス区域を規定することによって、動的ジオフェンス区域を彼女の周りに設定する。1つの例において、母親は動的ジオフェンス区域を彼女のジオフェンスデバイス1000からXフィート(例えば、20フィート)の限界線として規定する。母親が商店街を移動するにつれて(即ち、ジオフェンスデバイス1000が移動するにつれて)、即時参照点は新しい測位を用いて更新され、ジオフェンスデバイス1000は、ジオフェンスプロトコルが活性化されている限り、更新された即時参照点に対して動的ジオフェンス区域を定期的に再規定する。母親は子供に第3の被追跡デバイス1020を取り付け得る。もし子供(即ち、第3の被追跡デバイスの測位)が動的ジオフェンス区域の外側へ移動するならば、警報メッセージがジオフェンスデバイス1000へ送られ、許可された限界線を子供が通過して迷子になったことを母親に警報する。1つの態様において、母親はジオフェンスデバイス1000を調べ、彼女の子供を発見するため動的ジオフェンス区域の図形表示及び子供の第3の被追跡デバイスの測位を観察する。
【0036】
他の例において、警察官は、行動制約命令によって行動を制約された人物(別名は「被制約人物」)を監視することを望む。警察官は、ジオフェンスデバイス1000を活性化し、行動制約命令により保護される人物(別名は「被保護人物」)の即時参照点に対して動的ジオフェンス区域を設定することによって、被保護人物の周りに動的ジオフェンス区域を確立し得る。被保護人物が移動するにつれて、ジオフェンスデバイス1000は、被保護人物の更新された即時参照点に対して動的ジオフェンス区域を定期的に再規定する。警察官は被制約人物に第3の被追跡デバイス1020を取り付け得る。もし被制約人物(即ち、第3の被追跡デバイス)が動的ジオフェンス区域の内側へ移動するならば、ジオフェンスデバイス1000は警報メッセージを警察官へ送り、被制約人物が行動制約命令に違反したことを警察官に警報する。1つの態様において、警察官は、被制約人物を発見して逮捕するため、動的ジオフェンス区域の図形表示及び被制約人物の測位(即ち、第3の被追跡デバイスの測位)を調べる。1つの態様において、警報メッセージは被保護人物(即ち、ジオフェンスデバイス)へも提示され、被制約人物がジオフェンス区域へ入ったことを被保護人物に警報する。この例において、ブロック345は、第3の被追跡デバイスの測位が動的ジオフェンス区域の(外側ではなく)内側にあるかどうかを決定する。
【0037】
図4は、被追跡デバイス601及びジオフェンスデバイス1000を含む無線システムにおける動的ジオフェンスの例示的アーキテクチャを示すブロック図である。描写された幾何学的配置は、図1〜3の例示的流れ図の任意のもの、又はこの開示の範囲に入る任意の数の他のプロセスを達成するように適応される。ブロックの例示的組み合わせ及び順序を図4が提示することを、当業者は理解するであろう。図4で提示されるブロックの様々な他の組み合わせ及び順序は、開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者に直ちに明らかであろう。
【0038】
1つの態様において、例えば、被追跡デバイス601はLDC(「低デューティサイクル」)トランシーバを備える。他の態様において、被追跡デバイス601は、無線移動デバイス、例えば、非限定的に、パームトレオ700w(Palm Treo 700w)、又はリサーチ・イン・モーション(ブラックベリー)(Research−in−Motion(Blackberry))、アップル(Apple)、イーテン(E−TEN)、エイチティーシー(HTC)、ノキア(Nokia)、モトローラ(Motorola)、サムスン(Samsung)、ソニーエリクソン(Sony Ericsson)、又はその他による他の移動デバイスを備えてもよい。非追跡デバイス601の選択は、ユーザ、他のオペレータ、又はシステム設計者によって選択されるシステムパラメータである。
【0039】
1つの態様において、ジオフェンスデバイス1000は、アプリケーションを記憶及び実行できる無線移動デバイスを表す。図4で示されるジオフェンスデバイス1000及びこのデバイスの構成は非追跡デバイス601の構成でもあり得ることを、当業者は認識するであろう。図4では、パームトレオ700w(Palm Treo 700w)が1つの例として示される。他の代替の移動デバイスは、非限定的に、リサーチ・イン・モーション(ブラックベリー)、アップル、イーテン、エイチティーシー、ノキア、モトローラ、サムスン、ソニーエリクソン、又はその他からのデバイスを含む。これらのデバイスは、例えば、シンビアン(シンビアン社)(Symbian(Symbian,Inc.))、ウィンドウズ(登録商標)モバイル(マイクロソフト)(Windows(登録商標) Mobile(Microsoft))、ブラックベリー(リサーチ・イン・モーション)(Blackberry(Research−in−Motion))、リナックス(登録商標)(Linux(登録商標))、パーム(パームソース/アクセス)(Palm(PalmSource/Access))、オーエステン(アップル)(OS−X(Apple))、又はその他を含むオペレーティングシステムの上で実行する。他の態様において、ジオフェンスデバイス1000はLDCトランシーバである。
【0040】
1つの例において、ジオフェンスデバイス1000は、疑似距離測定値を受け取るSPSアプリケーション及びハードウェア607を備える。データベースマネージャ608、ユーザ・デバイス・データベース609、及び/又は履歴データベース610は、ジオフェンスデバイス1000の内部でデータベース管理システム(「DBMS」)611を備える。DBMS611は、地図表示、動的ジオフェンス区域に関連づけられたデータ、及び/又は測位のための記憶域を提供する。追加的に、DBMS611は、ジオフェンスデバイス1000の上で実行するシステムアプリケーションのための記憶域も提供する。1つの例において、ジオフェンスデバイス1000はアプリケーション初期化及び管理ユニット614及びアプリケーション・ユーザ・インタフェース・ユニット615を含む。連携して働くとき、アプリケーション初期化及び管理ユニット614及びアプリケーション・ユーザ・インタフェース・ユニット615は、ジオフェンスデバイス1000の上で実行するシステムアプリケーションを初期化、制御、及び管理する。ジオフェンスデバイス1000は、非限定的に、シンビアン、ウィンドウズ(登録商標)モバイル、ブラックベリー、リナックス(登録商標)、パーム、オーエステン、又はその他を含むオペレーティングシステムの中で、この機能性を実現する。列記されたオペレーティグシステムは単なる例であること、及び、この開示の趣旨及び範囲に影響することなく他のオペレーティングシステムが使用されてもよいことを、当業者は理解するであろう。代替として、アプリケーションの初期化、制御、及び管理の全て又は幾つかは、ジオフェンスデバイス1000の中に存在する特定のオペレーティングシステムから別々に達成されてもよい。1つの例において、追跡エンジン616は、データベースマネージャ608、アプリケーション初期化及び管理ユニット614、アプリケーション・ユーザ・インタフェース・ユニット615、地図アプリケーション及びインタフェースユニット612、及び被追跡デバイスアプリケーション及びインタフェースユニット613へ接続される。追跡エンジン616は、例えば、動的ジオフェンス区域及び測位に関連づけられたデータを合成し、動的ジオフェンス区域への測位の近接度を計算する。1つの態様において、追跡エンジン616はジオフェンスデバイス1000の内部チップセットと連携し、取得されたデータを合成し、地図、動的ジオフェンス区域、及び/又は測位をユーザ・ディスプレイ・デバイスの上に表示する。(図4で示されているような)ジオフェンスデバイス1000の内部のコンポーネントは単なる例として提供されていることを、当業者は理解するであろう。ジオフェンスデバイス1000は、開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、図4で示されていない他のコンポーネントを含むか、又は図4で示されているコンポーネントの幾つかを含まなくてもよい。1つの態様において、ジオフェンスデバイス1000は処理ユニットを含み、この処理ユニットは疑似距離測定値に基づいて即時参照点を決定し、即時参照点に基づいて動的ジオフェンス区域を規定する。1つの態様において、処理ユニットは測位を動的ジオフェンス区域と比較し、比較結果をユーザ、他の人物、他のデバイス、及び/又は他のシステムへ提示する。1つの態様において、処理ユニットは次の1つ又は複数を含む。即ち、データベースマネージャ608、ユーザ・デバイス・データベース609、履歴データベース610、アプリケーション初期化及び管理ユニット614、アプリケーション・ユーザ・インタフェース・ユニット615、地図アプリケーション及びインタフェースユニット612、被追跡デバイスアプリケーション及びインタフェースユニット613、追跡エンジン616、又はSPSアプリケーション及びハードウェア607である。
【0041】
図4で示されるように、被追跡デバイス601は携帯電話ネットワーク604へ接続される。1つの態様において被追跡デバイス601への情報及び被追跡デバイス601からの情報を中継するために使用される携帯電話ネットワーク604は、CDMA、TDMA、GSM(登録商標)、又は他の無線エアインタフェースを備える。さらに、1つの態様において、携帯電話ネットワーク604はIP(「インターネットプロトコル」)ネットワーク605及びSMS(「ショート・メッセージ・サービス」)ネットワーク606へ接続される。IPネットワーク605は、データがネットワーク(例えば、インターネット)を介して1つのホストから他のホストへ送られるシステムである。SMSネットワーク606は、デバイス間で短いテキストメッセージを送る。1つの態様において、携帯電話ネットワーク604は被追跡デバイス601からIPネットワーク605及びSMSネットワーク606へデータを中継する。他の態様において、被追跡デバイス601は、図4で示されるように、IPネットワーク605及びSMSネットワーク606へ直接接続される。1つの態様において、ジオフェンスデバイス1000は、同様に、携帯電話ネットワーク604、IPネットワーク605、及び/又はSMSネットワーク606へ接続される。又は、ジオフェンスデバイス1000は、携帯電話ネットワーク604を介してIPネットワーク605及びSMSネットワーク606へ接続されてもよい。被追跡デバイス及び/又はジオフェンスデバイスを、携帯電話ネットワーク604、SMSネットワーク606、又はIPネットワーク605の1つ又は複数へ接続することは、デバイス間の情報中継の柔軟性を可能にする。
【0042】
1つの例において、ジオフェンスデバイスは、(このデバイスの地図アプリケーション及びインタフェース612を介して)IPネットワーク605又は携帯電話ネットワーク604へ接続される。マップポイント・ウェブ・サービス(Mappoint Web Service)617も、IPネットワーク605又は携帯電話ネットワーク604へ接続される。マップポイント・ウェブ・サービス617は、このサービスの地図データベース618からジオフェンスデバイス1000へ情報を中継し得る。追加的に、測位データは、IPネットワーク605又は携帯電話ネットワーク604を介して、被追跡デバイス601又は位置決定エンティティ1008からジオフェンスデバイス1000へ中継され得る。
【0043】
1つの例において、被追跡デバイス601は、SMSテキストメッセージを、SMSネットワーク606又は携帯電話ネットワーク604を介して、ジオフェンスデバイス1000へ送る、またはその逆もある。代替として、位置追跡管理エンティティ620はSMSテキストメッセージをジオフェンスデバイス1000又は被追跡デバイス601へ送る。SMSテキストメッセージ1039を受け取ると、ジオフェンスデバイス1000又は被追跡デバイス601は、SMSテキストメッセージ1039をユーザに表示する。
【0044】
1つの態様において、被追跡デバイス601は疑似距離測定値をSPS衛星及び/又は地上源から受け取り、自分の測位を計算する。代替として、被追跡デバイス601は疑似距離測定値をジオフェンスデバイス1000又は位置決定エンティティ1008へ中継し、ジオフェンスデバイス1000又は位置決定エンティティ1008が被追跡デバイス601の測位を計算する。同様に、ジオフェンスデバイスは疑似距離測定値をSPS衛星又は地上源603から受け取り、自分の測位を計算する。代替として、ジオフェンスデバイスは疑似距離測定値を位置決定エンティティ1008へ中継し、位置決定エンティティ1008がジオフェンスデバイス1000の測位を計算する。1つの態様において、IPネットワーク605は位置追跡及び管理エンティティ(PTME)620へ接続される。1つの例において、PTME620はジオフェンスデバイス1000、被追跡デバイス601、及び/又は位置決定エンティティ1008から測位を受け取る。PTME620は動的ジオフェンス区域を規定し、測位を動的ジオフェンス区域と比較して、測位が外側にあるか内側にあるかを決定する。次いで決定は、ジオフェンスデバイス1000、被追跡デバイス601、又は他の指定されたデバイスの1つ又は複数へ中継される。この例において、ジオフェンスデバイス1000及び/又は被追跡デバイス601は簡単なデバイスであり、この簡単なデバイスがデータを中継し、PTME620からのメッセージを表示する。
【0045】
1つの態様において、ターゲットの集合の移動を監視するため、PTME620が使用される。集合の中の各ターゲットは、被追跡デバイス601を取り付けられる。動的ジオフェンス区域は、各々の被追跡デバイスについて規定される。こうして、n量の被追跡デバイスについて、n量の動的ジオフェンス区域がそれぞれ存在する。動的ジオフェンス区域は、各ターゲットの個々の移動に従って個々に更新される。PTME620は動的ジオフェンス区域の各々を監視し、動的ジオフェンス区域の間の重複を決定する。1つの例において、もし動的ジオフェンス区域のいずれか1つが、少なくとも1つの他の動的ジオフェンス区域と重複しなければ、警報メッセージがユーザへ提示される。1つの例において、n量のターゲット及びn量の被追跡デバイス、及び対応するn量の動的ジオフェンス区域が存在する。ここで、nは任意の量である。1つの例において、各ターゲットは子供である。もし1人の子供がグループから迷子になれば(即ち、この子供の関連づけられた動的ジオフェンス区域は、もはや他の子供の動的ジオフェンス区域と重複しない)、警報メッセージが保護者(即ち、ユーザ)へ提示される。この例において、被追跡デバイスは簡単なデバイスであり、この簡単なデバイスが疑似距離測定値を受け取って、疑似距離測定値を位置決定エンティティ1008へ中継し、位置決定エンティティ1008は測位を決定して、測位をPTME620へ中継する。PTME620は動的ジオフェンス区域を規定する。
【0046】
開示された態様のこれまでの説明は、当業者に本開示を作成又は使用させるために提供される。これらの態様への様々な修正は、当業者へ直ちに明らかであろう。本明細書の中で規定された一般的原理は、開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の態様へ応用されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的ジオフェンス区域を創出する方法であって、
ジオフェンスデバイスによって受け取られた疑似距離測定値の第1の集合を使用して即時参照点を決定することと、
前記即時参照点へ参照される動的ジオフェンス区域を規定することと、
疑似距離測定値の第2の集合を使用して測位を決定することと、
前記測位を前記動的ジオフェンス区域と比較することと、
を備える方法。
【請求項2】
警報メッセージを提示することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
疑似距離測定値の前記第2の集合は、前記ジオフェンスデバイスとは別個の被追跡デバイスによって取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ジオフェンスデバイスを活性化して、請求項1に記載のプロセスを達成することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記即時参照点を決定すること及び前記測位を決定することは、位置決定エンティティによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記動的ジオフェンス区域を規定することは、位置追跡及び管理エンティティによって達成される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記測位を前記動的ジオフェンス区域と比較することは、前記位置追跡及び管理エンティティによって達成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記測位が前記動的ジオフェンス区域の外側にあるとき、前記警報メッセージが提示される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記測位が前記動的ジオフェンス区域の内側にあるとき、前記警報メッセージが提示される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記測位を更新し、前記更新された測位を前記動的ジオフェンス区域と比較することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記測位を更新する前に或る待機時間だけ待機することをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記待機時間は可変期間である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記待機時間は、少なくとも1つのセンサ測定値に依存する可変期間である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記即時参照点を更新することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記更新された即時参照点に基づいて前記動的ジオフェンス区域を再規定することをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記測位を更新することをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記更新された測位を前記再規定された動的ジオフェンス区域と比較することをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
動的ジオフェンス区域を創出する方法であって、
ジオフェンスデバイスによって受け取られた疑似距離測定値の第1の集合を使用して即時参照点を決定することと、
前記即時参照点へ参照される動的ジオフェンス区域を規定することと、
疑似距離測定値の第2の集合を使用して測位を決定することと、
前記測位を前記動的ジオフェンス区域と比較することと、
第1の待機時間の後に前記測位を更新することと、
第2の待機時間の後に前記即時参照点を更新し、前記更新された即時参照点に基づいて前記動的ジオフェンス区域を再規定することと、
前記更新された測位を前記再規定された動的ジオフェンス区域と比較することと、
を備える方法。
【請求項19】
前記第1の待機時間は前記第2の待機時間に等しい、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記警報メッセージは、前記測位が前記動的ジオフェンス区域の外側にあるとき提示される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記警報メッセージは、前記測位が前記動的ジオフェンス区域の内側にあるとき提示される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記即時参照点を決定すること及び前記測位を決定することは、位置決定エンティティによって達成される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記動的ジオフェンス区域を規定することは、位置追跡及び管理エンティティによって達成される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記測位を前記動的ジオフェンス区域と比較することは、前記位置追跡及び管理エンティティによって達成される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ジオフェンスデバイスを活性化し、請求項18に記載されたプロセスを達成することをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
動的ジオフェンス区域を監視する方法であって、
n量の被追跡デバイスについてn量の動的ジオフェンス区域を規定することと、
前記n量の動的ジオフェンス区域を監視し、前記n量の動的ジオフェンス区域の間の重複を決定することと、
もし前記n量の動的ジオフェンス区域の少なくとも1つが、前記n量の動的ジオフェンス区域の少なくとも他の1つと重複するならば、又は重複しないならば、警報メッセージを提示することと、
を備える方法。
【請求項27】
前記n量の動的ジオフェンス区域を規定することは、位置追跡及び管理エンティティによって達成される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記n量の動的ジオフェンス区域を監視することは、前記位置追跡及び管理エンティティによって達成される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ジオフェンスデバイスであって、
疑似距離測定値の第1の集合を受け取るハードウェアユニットと、
疑似距離測定値の前記第1の集合に基づいて即時参照点を決定する処理ユニットと、ここにおいて、前記処理ユニットは、前記即時参照点に基づいて動的ジオフェンス区域をさらに規定する、
測位を受け取るインタフェースユニットと、ここにおいて、前記処理ユニットは、前記測位を前記動的ジオフェンス区域と比較する、
を備えるジオフェンスデバイス。
【請求項30】
前記処理ユニットは警報メッセージを提示する、請求項29に記載のジオフェンスデバイス。
【請求項31】
前記動的ジオフェンス区域の規定に使用される地図情報を受け取る地図アプリケーション及びインタフェースユニットをさらに備える、請求項29に記載のジオフェンスデバイス。
【請求項32】
地図データ、前記動的ジオフェンス区域に関連づけられたデータ、又は前記測位の1つ又は複数を記憶するデータベース管理システムをさらに備える、請求項29に記載のジオフェンスデバイス。
【請求項33】
前記動的ジオフェンス区域に関連づけられた前記データ及び前記測位を合成し、前記動的ジオフェンス区域への前記測位の近接度を計算する追跡エンジンをさらに備える、請求項32に記載のジオフェンスデバイス。
【請求項34】
記憶されたプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能媒体であって、
ジオフェンスデバイスによって受け取られた疑似距離測定値の第1の集合を使用して即時参照点を決定するプログラムコードと、
前記即時参照点へ参照される動的ジオフェンス区域を規定するプログラムコードと、
疑似距離測定値の第2の集合を使用して測位を決定するプログラムコードと、
前記測位を前記動的ジオフェンス区域と比較するプログラムコードと、
を備えるコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項35】
前記測位を更新し、前記更新された測位を前記動的ジオフェンス区域と比較するプログラムコードをさらに備える、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項36】
前記即時参照点を更新するプログラムコードをさらに備える、請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項37】
前記更新された即時参照点に基づいて前記動的ジオフェンス区域を再規定するプログラムコードをさらに備える、請求項36に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項38】
前記測位を更新するプログラムコードをさらに備える、請求項37に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項39】
前記更新された測位を前記再規定された動的ジオフェンス区域と比較するプログラムコードをさらに備える、請求項38に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項40】
装置であって、
ジオフェンスデバイスによって受け取られた疑似距離測定値の第1の集合を使用して即時参照点を決定する手段と、
前記即時参照点へ参照される動的ジオフェンス区域を規定する手段と、
疑似距離測定値の第2の集合を使用して測位を決定する手段と、
前記測位を前記動的ジオフェンス区域と比較する手段と、
を備える装置。
【請求項41】
第1の待機時間の後に前記測位を更新する手段と、
第2の待機時間の後に前記即時参照点を更新し、前記更新された即時参照点に基づいて前記動的ジオフェンス区域を再規定する手段と、
前記更新された測位を前記再規定された動的ジオフェンス区域と比較する手段と、
をさらに備える、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
装置であって、
n量の被追跡デバイスについてn量の動的ジオフェンス区域を規定する手段と、
前記n量の動的ジオフェンス区域を監視し、前記n量の動的ジオフェンス区域の間の重複を決定する手段と、
もし前記n量の動的ジオフェンス区域の少なくとも1つが、前記n量の動的ジオフェンス区域の少なくとも他の1つと重複するか、又は重複しないならば、警報メッセージを提示する手段と、
を備える装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−528480(P2011−528480A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518916(P2011−518916)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/050865
【国際公開番号】WO2010/009324
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】