説明

無線センサのオートコンフィギュレーション機能付き制御システム

【課題】 無線センサの追加、撤去に際し、制御性能及び運用上の安全性を確保しつつ一連の設定手続きを自動化する。
【解決手段】 無線センサ11,12,…,1nと制御処理装置2とで構成され、当該制御処理装置2は、各無線センサのセンサ情報を記憶する手段22と、設備システム各個所の物理量を制御するコントローラのコントローラモデル24と、制御対象モデル25と、追加無線センサからセンサ識別情報を含む追加指示を受け、追加無線センサに対応するセンサ情報を用いて、制御系構成及び制御パラメータを生成し前記コントローラモデルに設定し、制御対象モデルのシミュレーションを実施する制御系設計部23と、シミュレーション結果信号を取り込んで追加無線センサに関する制御性能を評価する性能評価手段26,27とを備えた制御システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の設備システムの各箇所に設置する無線センサの性能を評価する無線センサのオートコンフィギュレーション機能付き制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル空調システム、照明制御システム、メカトロニクス制御システム、各種のプラント計装システム等の設備システムでは、所定の物理量を測定する無線センサを備えた制御システムが使用されている。ここで、センサとは、例えばビルの温度,湿度,照度,プラント各所の温度,流量,圧力,設置機器の振動などを測定するセンサ全般を指すものであり、また、無線センサとは、測定データを無線通信により送信する機能を持ったセンサを指す。
【0003】
また、近年は、無線技術が飛躍的な発展を遂げ、通信機器はもとより、センサネットワーク、REID(IDタグ,無線タグ)など多くの産業機器、家電機器などでも、無線通信技術が多く使用されている。
【0004】
因みに、無線センサネットワークの技術としては、例えばZigBeeネットワークが発展途上にあり(非特許文献1)、また、位置基準となる広域無線通信手段及び測位手段を有する広域無線のシンクノードと、仮想位置基準となる狭域無線通信手段及び測位手段を有する狭域無線のピアノードと、両者を併有するハブノードとによって階層無線ネットワークを構成し、ピアノードがシンクノードから位置基準を取得し、ハブノードがピアノードから位置基準及び仮想位置基準を取得することにより、階層的に位置を推測し、広域であっても細粒度の測位を実現する技術も提案されている(特許文献1)。
【非特許文献1】技術雑誌、EDN japan 2006 7月号、pp.42〜51「ZigBeeネットワークでワイヤレスセンサを実現」
【特許文献1】特開2006−003187号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、以上のような各種の無線センサは、通信線の架設が不要であることから、新規取り付け、取り外しなどの設置・撤去作業が非常に簡単であり、コストや工期も削減できるメリットを有している。また、無線センサは、一時的に取り付けて使用する仮設センサとしての利用も増えている。
【0006】
ところで、例えばビル空調システムなどに使用される制御システムでは、温度、湿度などを測定する無線センサを新規追加、または撤去する場合、制御システム側としては、種々の初期設定を行う必要がある。例えば無線センサの新規追加に際し、当該無線センサの認識とか、追加センサとの対応付け及び当該無線センサの測定データに対し、制御演算を行うためのタグ(変数名)や演算制御パラメータの設定作業が必要となる。また、無線センサを撤去した場合にも同様に種々の後処理の手続きが必要となる。
【0007】
そこで、従来、無線センサの新規追加に際し、作業員が現場に出向き、手動にて制御システム内のシーケンス処理の一連の流れの中に無線センサの認識処理を追加したり、制御演算上必要なタグ(変数名)や演算制御パラメータなどを追加設定する作業を行っている。
【0008】
しかし、従来の通信線の配線作業とは異なり、熟練者が無線センサの初期設定のために多くの時間を費やし、また、手動による操作ミス等によって間違った無線センサの接続設定を行ってしまう場合もある。そのため、制御システムとしては、手動による操作ミス等に伴って、本来有する制御機能を実現できないとか、システム運用上の安全性を損なう恐れがあるなどの問題が出てくる。
【0009】
また、無線センサを撤去する場合でも、制御系にとって非常に重要な無線センサを撤去したとき、制御システムが本来持つ機能を実現できなくなるリスクとか、システム運用上の安全性を損なうリスクが生じる可能性がある。そのため、無線センサの撤去前、制御システムが例えばビル空調システムに与える影響や安全等を調査検討することが余儀なくされ、多大な時間と労力を費やす問題がある。
【0010】
従って、無線センサの新規追加や撤去を簡単に実施できるメリットを有するにも拘らず、種々の設定手続きに手間がかかり、無線センサの取り付けの容易性を損なう要因ともなっており、比較的手軽に利用できない状況にある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、無線センサの新規追加、撤去に際し、制御性能及び運用上の安全性を確保しつつ一連の設定手続きの自動化、省力化を実現する無線センサのオートコンフィギュレーション機能付き制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、設備システムの各個所の制御対象である物理量を測定する複数の無線センサと、制御処理装置とを設けた制御システムであって、
前記制御処理装置は、前記設備システムの各個所に設置する無線センサのセンサ情報を記憶する第1の記憶手段と、前記各無線センサから無線送信される測定データを蓄積記憶する第2の記憶手段と、前記設備システムの各個所の制御対象である物理量を制御するコントローラのコントローラモデルと、このコントローラモデルとの間で循環ループを形成する制御対象モデルと、前記何れか1つの無線センサまたは前記制御システムから現状評価指示を受けたとき、前記各無線センサから無線送信されてくる測定データと前記第2の記憶手段の記憶されている前記各無線センサの過去の履歴測定データとを用い、前記各無線センサに関する性能を評価する第1の性能評価手段と、前記各無線センサごとに、前記第1の記憶手段のセンサ情報を参照し、該当無線センサが撤去されたことを表す制御系の構成及び制御パラメータを生成して前記コントローラモデルに設定し、前記制御対象モデルのシミュレーションを実施する制御系設計手段と、この制御対象モデルからシミュレーション結果の信号を取り込んで撤去予定の無線センサに関する性能を評価する第2の性能評価手段と、前記第1および第2の性能評価手段で得られた評価結果を、前記複数の無線センサのうち少なくとも現状評価指示元の無線センサに無線送信し、当該無線センサの表示部に表示させる手段とを備えた無線センサのオートコンフィギュレーション機能付き制御システムである。
【0013】
また、本発明は、設備システムの各個所の制御対象である物理量を測定する複数の無線センサと、制御処理装置とを設けた制御システムであって、
前記制御処理装置は、前記設備システムの各個所に設置する無線センサのセンサ情報を記憶する第1の記憶手段と、前記設備システムの各個所の制御対象である物理量を制御するコントローラのコントローラモデルと、このコントローラモデルとの間で循環ループを形成する制御対象モデルと、前記設備システムのある個所に新規追加する無線センサから無線送信されてくるセンサ識別情報を含むセンサ追加指示を受けると、前記第1の記憶手段に記憶される新規追加無線センサに対応するセンサ情報を用いて、該当無線センサが新規に追加されたことを表す制御系の構成及び制御パラメータを生成して前記コントローラモデルに設定し、前記制御対象モデルのシミュレーションを実施する制御系設計手段と、この制御対象モデルからシミュレーション結果の信号を取り込んで新規追加の無線センサに関する制御性能の寄与率を評価する性能評価手段と、この性能評価手段で得られた評価結果を、前記複数の無線センサのうち少なくとも新規追加の無線センサに無線送信し、当該無線センサの表示部に表示させる手段とを備えた無線センサのオートコンフィギュレーション機能付き制御システムである。
【0014】
さらに、本発明は、設備システムの各個所の制御対象である物理量を測定する複数の無線センサと、制御処理装置とを設けた制御システムであって、
前記制御処理装置は、前記設備システムの各個所に設置する無線センサのセンサ情報を記憶する第1の記憶手段と、前記設備システムの各個所の制御対象である物理量を制御するコントローラのコントローラモデルと、このコントローラモデルとの間で循環ループを形成する制御対象モデルと、前記設備システムのある個所に設置される撤去予定の無線センサから無線送信されてくるセンサ識別情報を含むセンサ撤去指示を受けると、前記第1の記憶手段に記憶される撤去予定の無線センサに対応するセンサ情報を用いて、該当無線センサが撤去されたことを表す制御系の構成及び制御パラメータを生成して前記コントローラモデルに設定し、前記制御対象モデルのシミュレーションを実施する制御系設計手段と、この制御対象モデルからシミュレーション結果の信号を取り込んで撤去予定の無線センサに関する制御性能の寄与率およびリスクを評価する性能評価手段と、この性能評価手段で得られた評価結果を、前記複数の無線センサのうち少なくとも撤去予定の無線センサに無線送信し、当該無線センサの表示部に表示させる手段とを備えた無線センサのオートコンフィギュレーション機能付き制御システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、設備システムに既に設置されている無線センサの評価だけでなく、新規追加、撤去の無線センサの制御性能及び運用上の安全性を確認でき、しかも無線センサの新規追加、撤去に際し、一連の設定手続きの自動化、省力化を実現できるコンフィギュレーション機能付き制御システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る無線センサのオートコンフィギュレーション機能付き制御システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
【0017】
この実施の形態は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの下位層に基づく通信プロトコルのレベルではなく、上位層であるアプリケーションレベルに関する無線センサのオートコンフィギュレーション機能を実現する例である。
【0018】
この制御システムは、複数の無線センサ11,12,…,1nと、制御処理装置2と、複数のローカルコントローラ31,…,3と、各複数のローカルコントローラ31,…,3の制御管理下にある制御対象41,…,4とで構成される。
【0019】
各無線センサ11,12,…,1nは、各種システム(例えばビル空調システム)の設置と同時に設置され、あるいはその後に新規追加または撤去されるものであって、各制御対象41,…,4の温度,湿度,照度,プラント各所の温度,流量,圧力,設置機器の振動その他の物理量を測定し、制御処理装置2に無線送信する機能を有する。
【0020】
各無線センサ11,12,…,1nには、当該センサ自体に直接設けられ、あるいは有線または無線にて接続される所要のデータを入力する入力部11の他、通信制御部12及び表示部13が設けられている。
【0021】
各無線センサ11,12,…,1nの例えば新規追加、撤去時、入力部11からセンサ固有ID情報またはセンサ設置情報を入力すると、通信制御部12が予め定める無線通信プロトコルのもとに、当該センサ固有ID情報またはセンサ設置場所情報を制御処理装置2に無線送信する。
【0022】
なお、各無線センサ11,12,…,1nは、制御処理装置2との間で無線通信にて必要な情報を双方向的にやり取りするが、例えば無線センサ11,12,…,1nが中継局、ルータを介して制御処理装置2と接続される場合もある。
【0023】
制御処理装置2は、各無線センサ11,12,…,1nから無線送信されてくる測定データをデータ記憶装置20に蓄積保存するとともに、制御系を監視制御する通常監視制御系(図示せず)の他、コンフィギュレーション機能を実現するために、送受信機能を持ったセンサI/O部21、コンフィギュレーションデータベース22、制御系設計部23、コントローラモデル24、制御対象モデル25、制御性能評価部26及びセンサ性能評価部27が設けられている。
【0024】
さらに、制御処理装置2には、図1に示すコンフィギュレーション機能を実現するための構成の他、一般的な監視制御系(図示せず)及び監視データ蓄積データベース28が設けられている。
【0025】
センサI/O部21は、各無線センサ11,12,…,1nから無線送信されてくる所定の情報をアンテナを介して受信し、ここで必要に応じて制御処理装置2で処理可能なデータに変換し、制御系設計部23に渡す。
【0026】
コンフィギュレーションデータベース22は、本発明システムが適用される制御系で必要とする全ての種類の無線センサ情報が蓄積され、制御系設計部23が無線センサの新規追加または撤去時に制御系の構成及び制御パラメータを生成する際に使用される。
【0027】
因みに、コンフィギュレーションデータベース22には、ビルや工場などの建設時の設計情報に基づき、予め予想される各無線センサ11,12,…,1nのセンサ情報が格納される。また、予想以外の無線センサの新規追加時などの場合にはその都度センサ情報が格納される。
【0028】
センサ情報としては、図2に示すように、全てのセンサ固有ID情報またはセンサ設置場所情報に紐付け形式で、センサ種類(例えば温度、湿度、圧力、流量など)、センサ特性(測定レンジ、分解能、サンプリング周期、性能に関係するパラメータ、信頼性(例えば通信エラー率))等のデータが格納される。
【0029】
さらに、コンフィギュレーションデータベース22には、必要に応じて、重要、かつ、使用頻度の高い無線センサに関するセンサ情報も格納することも可能である。
【0030】
制御系設計部23は、センサI/O部21を介して入力される無線センサの追加、撤去に関するセンサ固有ID情報またはセンサ設置場所情報を受け取ると、コンフィギュレーションデータベース22に格納されるセンサ情報を用いて、新規追加、または撤去予定を含めた制御系の構成及び制御パラメータを決定し、コントローラモデル24に設定する。
【0031】
すなわち、制御系設計部23は、新規追加の無線センサのセンサ固有ID情報に基づき、センサ種類(例えば温度、湿度、圧力、流量など)、センサ設置場所を参照し、何れの種類の新規追加センサが制御系のどの部分に接続されたかを表す制御系の構成を生成し、コントローラモデル24に設定する。
【0032】
また、制御系設計部23は、制御系の構成を設定した後、コントローラモデル24を介してステップ信号を制御対象モデル25に送り込んだ後、当該制御対象モデル25からシミュレーション結果を取り込み、データベース22のセンサ特性等を考慮しつつ、制御系の制御パラメータを決定し、コントローラモデル24に設定する。
【0033】
制御系設計部23は、具体的には、n点の無線センサ11,12,…,1nが接続され、かつ、m点のローカルコントローラ31,…,3が接続されている場合、制御対象をn入力m出力多変数システムと考え、新規追加,撤去予定の無線センサを含めた多変数制御系の構成及び制御パラメータを設計してもよい。
【0034】
コントローラモデル24は、各ローカルコントローラ31,…,3mに関するシミュレーションモデルを内蔵され、制御系設計部23で構築された制御系の構成及び制御パラメータに基づき、実際に制御対象モデル25を制御する。
【0035】
制御対象モデル25は、各制御対象41,…,4を近似するモデルにより構成され、コントローラモデル24から送られてくるステップ信号に基づき、新規追加または撤去に伴うシミュレーションを実施し、そのシミュレーション結果の信号を出力する。
【0036】
つまり、制御系設計部23は、センサの新規追加または撤去に伴う制御系の構成及び制御パラメータをコントローラモデル24及び制御対象モデル25に適用し、当該制御対象モデル25から制御結果であるフィードバック信号を取り込み、現代制御理論に基づいて最適な制御系の構成及び制御パラメータを決定し、コントローラモデル24に反映する。
【0037】
制御性能評価部26は、制御対象モデル25から出力されるシミュレーション結果信号を取り込んで各種の制御挙動を再現し、シミュレーション結果の制御応答などに基づいて制御性能を評価する。具体的には、シミュレーション結果の制御応答に基づいて制御系の安定性、各制御目標値(設定値)との誤差など,制御系の制御性能を評価する。
【0038】
センサ性能評価部27は、制御性能評価部26の評価結果に基づいて、例えば新規追加または撤去予定の無線センサの可観測性や冗長性などのセンサ性能を評価する。すなわち、センサ性能評価部27は、制御性能評価部26の評価結果である新規追加または撤去予定センサが与える制御系の制御性能をそのまま出力することもあるが、制御性能評価部26の評価結果に応じて、各無線センサの冗長性や可観測性などのセンサ性能を評価する。
【0039】
このセンサ性能評価部27による評価結果としては、例えば、
*各無線センサ11,12,…,1nの制御性能(制御系寄与率、可観測性、冗長性など)。
*新規追加の無線センサの有無による制御性能(制御系寄与率、可観測性、冗長性など)。
*撤去予定の無線センサの有無による制御性能(センサ精度、可観測性、冗長性など)などである。
【0040】
そして、制御性能評価部26およびセンサ性能評価部27による評価結果は、センサI/O入力部21を介して新規追加または撤去予定の無線センサまたは必要に応じて全部の無線センサ11,12,…,1nに送信して表示部13に表示し、また、必要に応じて制御処理装置2の表示部(図示せず)に表示する。
【0041】
次に、以上のように構成された無線センサのオートコンフィギュレーション機能付き制御システムの動作について説明する。
【0042】
この制御システムにおけるコンフィギュレーション機能は、次の3つの機能に大別される。
【0043】
(1) 無線センサ11,12,…,1nの現状評価機能について(図3参照)。
【0044】
現状評価機能とは、現在接続されている全無線センサ11,…,1nについて、例えばセンサ精度、センサ信頼性、センサ寄与率(可観測性,冗長性)など、例えばビル空調システムのリスク要因を評価することをいう。
【0045】
制御処理装置2の制御系設計部23は、制御制御装置2の図示されていない入力部から現状評価指示の有無か、またはある無線センサ例えば11の入力部11−通信制御部12−センサI/O部21を介してセンサ固有ID情報を含む現状評価指示の有無を判断する(S1)。制御系設計部23は、現状評価指示有りと判断されたとき、制御性能評価部26およびセンサ性能評価部27に現状評価指令を送出する。
【0046】
(イ) センサの精度について。
【0047】
制御性能評価部26は、現在接続されている無線センサ11,…,1から送信されてくる測定データを所定回数にわたって収集し(S2)、無線センサ11,…,1別にデータ記憶装置20に順次格納する。なお、各無線センサ11,…,1は所定のサンプリング周期ごとに測定データを測定し、制御処理装置2に送信している。
【0048】
制御性能評価部26は、無線センサごとに収集された複数の測定データに基づき、データ記憶装置20に既に記憶されている該当無線センサの過去の測定履歴データを照合し、制御系の安定性や制御目標値に対する測定データのずれ(誤差)などを評価し、その評価結果をセンサ性能評価部27に送出する。
【0049】
センサ性能評価部27は、制御系の安定性や制御目標値に対する測定データのずれが予め定める許容安定度や許容ずれなどと比較し、該当無線センサの精度を評価する(S3)。具体的には、例えばビル空調システムの温度無線センサの場合、過去の類似する気象条件における同一の複数時刻の温度を比較し、例えば過去の複数時刻の測定履歴温度の平均値に対する今回の同一の複数時刻の温度差とを用いて精度を評価し、複数時刻の測定履歴温度の平均値に対する今回の同一の複数時刻の温度とのバラツキ等から安定性を評価する。また、隣接する類似の無線センサどうしの温度差に基づき、センサ精度を評価する。
【0050】
(ロ) センサの信頼性について。
【0051】
制御性能評価部26及びセンサ性能評価部27は、データ記憶装置20に既に各無線センサ11,12,…,1と制御処理装置2との間の通信回数および通信エラー回数が保存されているので、過去一定期間の実際の通信回数とエラー回数とからエラー率を計算し、各無線センサ11,12,…,1の信頼性を評価する(S4)。例えば過去1000回の通信において、3回の通信エラーが発生したとき、0.3%のエラー率を計算し、各無線センサ11,12,…,1の信頼性を評価する。また、信頼性評価に際し、コンフィギュレーションデータベース22の格納されるセンサ情報の信頼性を考慮し、信頼性の評価を行っても良い。
【0052】
制御性能評価部26及びセンサ性能評価部27は、全ての無線センサ11,…,1についてセンサ精度および信頼性を評価する(S5)。
【0053】
制御性能評価部26およびセンサ性能評価部27による評価結果であるセンサ精度および信頼性は、一時的に適宜な記憶手段に無線センサ11,…,1ごとに分けて記憶した後、現状評価指示元の無線センサまたは全無線センサ11,…,1に送信し、表示部13に表示する。また、制御処理装置2の入力部から現状評価指示が有ったとき、自装置2の表示部に表示する。
【0054】
(ハ) 制御系の制御性能寄与率について。
【0055】
全無線センサ11,12,…,1または単一の無線センサのセンサ精度および信頼性の評価を行った後、全無線センサ11,12,…,1または単一の無線センサの寄与率を評価するか否かを判断し(S6,S7)、評価すると判断されたとき、制御系の制御性能寄与率を評価する(S8,S8´)。
【0056】
以下、全無線センサ11,12,…,1の制御性能寄与率の評価について説明する。ここで、制御性能寄与率の評価とは、制御系の中に組み込まれている個々の無線センサ11,12,…,1の有無における重要度(寄与率)を評価する。すなわち、制御系設計部23は、個々の無線センサ11,12,…,1が有る場合と無い場合との制御系に与えるリスクを評価する。
【0057】
制御系設計部23は、具体的には、ある1つの無線センサ11を撤去したと仮定し、コンフィギュレーションデータベース22から該当する無線センサ11を除いた他の無線センサ11のセンサ情報等を用いて、制御系の構成及び制御パラメータを生成し、コントローラモデル24に設定し、実際にシミュレーションを実施する。
【0058】
制御性能評価部26は、制御対象モデル25の出力からシミュレーション結果信号を取り込み、各種の制御挙動を再現し、制御応答がセンサの有無に大きく悪化するか否か、つまり、制御系の安定性の大小、制御目標値に対するシミュレーション結果信号の誤差の大小を評価し、センサ性能評価部27に送出する。センサ性能評価部27は、制御性能評価部26が無線センサの有無に応じて大きく変化する場合、該当無線センサの寄与率が高いと評価する。引き続き、次の無線センサについて制御性能の寄与率を評価し、全ての無線センサ11,12,…,1の寄与率について評価する(S9)。
【0059】
また、全無線センサ11,12,…,1の寄与率評価結果は、各無線センサ端末11,12,…,1の優位性を認識させるために、寄与率の大きい順に整列させて、一時的に適宜な記憶手段に無線センサ11,…,1ごとに分けて記憶した後、適宜な時期に全無線センサ11,…,1に送信して表示部13に表示し、また、制御処理装置2の表示部に表示させる。
【0060】
なお、単一の無線センサにおける制御性能の寄与率についても同様に評価し(S8´)、該当無線センサに送信し(S10)、表示部13に表示させる。
【0061】
また、制御性能評価部26およびセンサ性能評価部27は、無線センサの可観測性から各無線センサ11,12,…,1の寄与率を定量的に評価することも可能である。
【0062】
制御性能評価部26およびセンサ性能評価部27は、複数の無線センサ11,12,…,1による多変数制御系のシステムと考え、以下の状態方程式による解法を用いて寄与率を求めてもよい。
【0063】
dx/dt=Ax+Bu (1)
y=CT
x:状態ベクトル(N次元)
y:センサ値ベクトル(n次元)
u:操作量ベクトル(m次元)
A,B,Cは対応する次元のマトリクスである。
【0064】
このとき、可観測性は、
O=[CT
T
T2
T3
………
TN-1 ……(2)
のランクがN(フルランク)であれば、無線センサ11,12,…,1の測定データから全ての状態量が観測可能となり、制御性能が保たれる。Oはマトリクス、Nは状態ベクトルの数である。よって、無線センサ11,12,…,1の有無により、上記(2)式の可観測マトリクスOのランクの変化から無線センサ端末の寄与率を判定できる。
【0065】
(ニ) 無線センサの冗長性について。
【0066】
センサ性能評価部27は、前述した(ハ)項による無線センサの寄与率等の評価結果と同時に、ある無線センサと他の無線センサとの寄与率が同等であるか否かに応じ、これら無線センサの冗長性の有無を評価する(S10)。具体的には、第i番目の無線センサ1iと第j番目の無線センサ1jとの寄与率が低く、かつ、そのどちらを除外しても制御性能の変化が同等である場合、両無線センサ1i、1j群は冗長性を有するセンサ群であると評価する。
【0067】
そして、以上のようにして得られた無線センサ11,12,…,1の性能評価結果は、無線通信によって各無線センサ11,12,…,1に送信し(S11)、表示部13に表示させる。
【0068】
また、無線センサ11,12,…,1の性能評価結果は、各無線センサ11,12,…,1だけでなく、制御処理装置2の表示部にも表示する。
【0069】
(2) 無線センサの新規追加時の評価機能について(図4参照)。
【0070】
制御系の特定の設置場所に必要なセンサ種類の無線センサ1n+1(図示せず)を新規追加するとき、当該新規追加の無線センサ1n+1の入力部11からセンサ固有ID情報を含む線さ追加指示信号を入力し、通信制御部12から無線送信する。
【0071】
制御処理装置2のセンサI/O部21は、無線センサ1n+1からのセンサ固有ID情報を含むセンサ追加指示信号を受信し、制御系設計部23に渡す。
【0072】
制御系設計部23は、センサI/O部21から例えばセンサ固有ID情報を含むセンサ追加指示信号を受け取ると(S21)、コンフィギュレーションデータベース22の対応するセンサ固有ID情報に紐付けされるセンサ種類例えば温度とセンサ設置場所とを取り出し、また、センサ固有ID情報に紐付けされるセンサ特性を取り出す(S22)。
【0073】
制御系設計部23は、センサ固有ID情報に紐付けされるセンサ種類例えば温度とセンサ設置場所とに基づき、当該設置場所に新規に追加された温度検出用の無線センサ1n+1を接続したことを表す制御系の構成を決定し、コントローラモデル24に設定した後(S23)、ステップ信号を送出し、制御対象モデル25のシミュレーションを実行する。制御系設計部23は、そのシミュレーション結果とコンフィギュレーションデータベース22の対応するセンサ特性(測定レンジ、分解能、サンプリング周期、性能に関係するパラメータ、信頼性)とから制御パラメータを決定し、コントローラモデル24に設定する(S24)。
【0074】
制御系設計部23は、以上のようにして制御系の構成および制御パラメータをコントローラモデル24に設定した後、制御性能評価部26およびセンサ性能評価部27に評価指示を出し、ステップ信号を送出し、制御対象モデル25のシミュレーションを実行する。
【0075】
ここで、制御性能評価部26は、制御対象モデル25の出力から得られるシミュレーション結果の信号を取り込み、制御応答に基づいて制御性能の寄与率などの制御性能を評価する(S25)。なお、制御性能の寄与率については、前述した「(1)(ハ) 制御系の制御性能寄与率を参照について」の項を参照。つまり、制御系設計部23は、無線センサ1n+1を新規に追加した場合と追加無しの場合の制御性能の寄与率を求め、センサ性能評価部27に送る。
【0076】
さらに、センサ性能評価部27は、新規に追加された無線センサ1n+1による制御系への寄与率および追加無しの場合の制御性能の寄与率などの評価結果を受け取ると、新規に追加の無線センサ1n+1に送信し(S26)、また必要に応じて制御処理装置2の表示部に表示する(S27)。新規追加の無線センサ1n+1は、制御処理装置2から受け取った評価結果に基づき、新規追加の有効性を判断する。
【0077】
なお、評価結果を全部の無線センサ11,12,…,1,1n+1に送信してもかまわない。
【0078】
(3) 無線センサ撤去時の評価機能について(図5照)。
【0079】
制御系の特定の設置場所の撤去予定の無線センサ例えば11の入力部11からセンサ固有ID情報を含むセンサ撤去指示信号を入力し、通信制御部12から無線送信する。
【0080】
制御処理装置2のセンサI/O部21は、無線センサ1からのセンサ固有ID情報を含むセンサ撤去指示信号を受信し、制御系設計部23に渡す。
【0081】
制御系設計部23は、センサI/O部21から例えばセンサ固有ID情報を含むセンサ撤去指示信号を受け取ると(S31)、コンフィギュレーションデータベース22の対応するセンサ固有ID情報に紐付けされるセンサ種類例えば温度とセンサ設置場所とを取り出し、また、センサ固有ID情報に紐付けされるセンサ特性を取り出す(S32)。
【0082】
制御系設計部23は、センサ固有ID情報に紐付けされるセンサ種類例えば温度とセンサ設置場所とに基づき、当該設置場所に撤去予定の温度検出用の無線センサ11を撤去したことを表す制御系の構成を決定し、コントローラモデル24に設定した後(S33)、ステップ信号を送出し、無線センサ11撤去による制御対象モデル25のシミュレーションを実行する。制御系設計部23は、そのシミュレーション結果に基づいて制御パラメータを決定し、コントローラモデル24に設定する(S34)。
【0083】
制御系設計部23は、以上のようにして制御系の構成および制御パラメータをコントローラモデル24に設定した後、制御性能評価部26およびセンサ性能評価部27に評価指示を出し、ステップ信号を送出し、制御対象モデル25のシミュレーションを実行する。
【0084】
ここで、制御性能評価部26は、制御対象モデル25の出力から得られるシミュレーション結果の信号を取り込み、制御応答に基づいて制御性能の寄与率などの制御性能を評価する(S35)。なお、制御性能の寄与率については、前述した「(1)(ハ) 制御系の制御性能寄与率を参照について」の項を参照。つまり、制御系設計部23は、無線センサ11を撤去した場合と撤去無しの場合の制御性能の寄与率を求め、センサ性能評価部27に送る。
【0085】
さらに、センサ性能評価部27は、撤去予定の無線センサ11による制御系への寄与率および撤去無しの場合の制御性能の寄与率などの評価結果を受け取ると、予め定める許容リスクよりも大きなリスクか否かを判定する(S36)。予定リスクと判定された場合、性能評価やセンサ性能評価結果を撤去予定の無線センタ11に送信し(S37)、性能評価やセンサ性能評価結果を表示させるとともに、警報を発する。また、必要に応じて制御処理装置2の表示部に性能評価やセンサ性能評価結果を表示させるとともに、警報を発する(S38)。
【0086】
ステップ36において、リスクが大きいと判定した場合、性能評価やセンサ性能評価結果とともに、アラーム情報を撤去予定の無線センタ11に送信し(S39)、性能評価やセンサ性能評価結果を表示する。また必要に応じて制御処理装置2の表示部に表示する(S40)。
【0087】
撤去予定の無線センサ11は、制御処理装置2から受け取った評価結果からリスクが大きい場合には撤去を取り消し、リスクが小さい場合には過去の経験等を考慮しつつ撤去すべきか否かを判断する。
【0088】
なお、評価結果を全部の無線センサ11,12,…,1,1n+1に送信してもかまわない。
【0089】
従って、以上のような実施の形態によれば、新規に無線センサを取り付ける際、センサ固有ID情報を含むセンサ追加指示を無線送信するだけで、制御処理装置2は、センサ追加を表す制御系の構成及びパラメータをコントローラモデル24に設定し、制御対象モデル25のシミュレーションを実行し、新規追加による制御性能等を評価するので、無線センサの登録に関る手間を大幅に省力化できる。
【0090】
また、新規に無線センサを取り付ける際、一連の設定手続きを自動的に実施するので、人為的なミスによる制御システムの信頼性の低下を防ぐことができる。
【0091】
また、無線センサを撤去するに際し、センサ欠如によって発生する制御系の性能低下を未然に検知し、大きなトラブルを未然に回避できる。
【0092】
さらに、例えば定期的に複数の無線センサ11,12,…,1の中のいずれの無線センサの精度が低下しているとか、冗長であるかを容易に評価でき、センサ資源を有効に活用することができる。
【0093】
さらに、以上のような利点により、各種の設備システムにおいて、無線センサを簡便に取り付け、あるいは一時的な仮り付けし、手軽に利用することができる。
【0094】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係る無線センサのオートコンフィギュレーション機能付き制御システムの一実施の形態を示す全体構成図。
【図2】図1に示すコンフィギュレーションデータベースに記憶される各無線センサのセンサ情報の配列例図。
【図3】設備システムに設置されている現状の無線センサに関する性能を評価する一連の処理の流れを説明する図。
【図4】新規に無線センサを追加する際の性能を評価する一連の処理の流れを説明する図。
【図5】無線センサを撤去する際の性能やリスクを評価する一連の処理の流れを説明する図。
【符号の説明】
【0096】
1,12,…,1n…無線センサ、2…制御処理装置、31,…,3…ローカルコントローラ、41,…,4…制御対象、20…データ記憶装置、21…センサI/O部、22…コンフィギュレーションデータベース、23…制御系設計部、24…コントローラモデル、25…制御対象モデル、26…制御性能評価部、27…センサ性能評価部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備システムの各個所の制御対象である物理量を測定する複数の無線センサと、制御処理装置とを設けた制御システムにおいて、
前記制御処理装置は、
前記設備システムの各個所に設置する無線センサのセンサ情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記各無線センサから無線送信される測定データを蓄積記憶する第2の記憶手段と、
前記設備システムの各個所の制御対象である物理量を制御するコントローラのコントローラモデルと、
このコントローラモデルとの間で循環ループを形成する制御対象モデルと、
前記何れか1つの無線センサまたは前記制御システムから現状評価指示を受けたとき、前記各無線センサから無線送信されてくる測定データと前記第2の記憶手段の記憶されている前記各無線センサの過去の履歴測定データとを用い、前記各無線センサに関する性能を評価する第1の性能評価手段と、
前記各無線センサごとに、前記第1の記憶手段のセンサ情報を参照し、該当無線センサが撤去されたことを表す制御系の構成及び制御パラメータを生成して前記コントローラモデルに設定し、前記制御対象モデルのシミュレーションを実施する制御系設計手段と、
この制御対象モデルからシミュレーション結果の信号を取り込んで撤去予定の無線センサに関する性能を評価する第2の性能評価手段と、
前記第1および第2の性能評価手段で得られた評価結果を、前記複数の無線センサのうち少なくとも現状評価指示元の無線センサに無線送信し、当該無線センサの表示部に表示させる手段とを備えたことを特徴とするコンフィギュレーション機能付き制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンフィギュレーション機能付き制御システムにおいて、
前記第1の性能評価手段は、前記無線センサの所定回数の測定データと同一の無線センサの同一条件下における過去の所定回数の履歴測定データとを用い、センサ精度及び信頼性を評価することを特徴とするコンフィギュレーション機能付き制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載のコンフィギュレーション機能付き制御システムにおいて、
前記第2の性能評価手段は、前記全部の無線センサについて、無線センサごとに制御性能の寄与率および冗長性を評価することを特徴とするコンフィギュレーション機能付き制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載のコンフィギュレーション機能付き制御システムにおいて、
前記第2の性能評価手段は、複数の無線センサのうち少なくとも現状評価指示元である無線センサの制御性能の寄与率を評価することを特徴とするコンフィギュレーション機能付き制御システム。
【請求項5】
設備システムの各個所の制御対象である物理量を測定する複数の無線センサと、制御処理装置とを設けた制御システムにおいて、
前記制御処理装置は、
前記設備システムの各個所に設置する無線センサのセンサ情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記設備システムの各個所の制御対象である物理量を制御するコントローラのコントローラモデルと、
このコントローラモデルとの間で循環ループを形成する制御対象モデルと、
前記設備システムのある個所に新規追加する無線センサから無線送信されてくるセンサ識別情報を含むセンサ追加指示を受けると、前記第1の記憶手段に記憶される新規追加無線センサに対応するセンサ情報を用いて、該当無線センサが新規に追加されたことを表す制御系の構成及び制御パラメータを生成して前記コントローラモデルに設定し、前記制御対象モデルのシミュレーションを実施する制御系設計手段と、
この制御対象モデルからシミュレーション結果の信号を取り込んで新規追加の無線センサに関する制御性能の寄与率を評価する性能評価手段と、
この性能評価手段で得られた評価結果を、前記複数の無線センサのうち少なくとも新規追加の無線センサに無線送信し、当該無線センサの表示部に表示させる手段とを備えたことを特徴とするコンフィギュレーション機能付き制御システム。
【請求項6】
設備システムの各個所の制御対象である物理量を測定する複数の無線センサと、制御処理装置とを設けた制御システムにおいて、
前記制御処理装置は、
前記設備システムの各個所に設置する無線センサのセンサ情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記設備システムの各個所の制御対象である物理量を制御するコントローラのコントローラモデルと、
このコントローラモデルとの間で循環ループを形成する制御対象モデルと、
前記設備システムのある個所に設置される撤去予定の無線センサから無線送信されてくるセンサ識別情報を含むセンサ撤去指示を受けると、前記第1の記憶手段に記憶される撤去予定の無線センサに対応するセンサ情報を用いて、該当無線センサが撤去されたことを表す制御系の構成及び制御パラメータを生成して前記コントローラモデルに設定し、前記制御対象モデルのシミュレーションを実施する制御系設計手段と、
この制御対象モデルからシミュレーション結果の信号を取り込んで撤去予定の無線センサに関する制御性能の寄与率およびリスクを評価する性能評価手段と、
この性能評価手段で得られた評価結果を、前記複数の無線センサのうち少なくとも撤去予定の無線センサに無線送信し、当該無線センサの表示部に表示させる手段とを備えたことを特徴とするコンフィギュレーション機能付き制御システム。
【請求項7】
請求項1,5,6に記載のコンフィギュレーション機能付き制御システムにおいて、
前記第1の記憶手段に記憶されるセンサ情報は、前記設備システムの予め想定される各個所に設置すべき無線センサごとに、センサ固有識別情報、センサ種類、センサ設置個所情報、センサ特性情報であることを特徴とするコンフィギュレーション機能付き制御システム。
【請求項8】
請求項1〜6の何れか一項に記載のコンフィギュレーション機能付き制御システムにおいて、
前記評価手段で評価された評価結果は、前記制御処理装置の表示部に表示させることを特徴とするコンフィギュレーション機能付き制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−224445(P2008−224445A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63777(P2007−63777)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】