無線タグ、無線タグ情報読み取り装置、無線タグ発行機
【課題】容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行する。
【解決手段】無線タグ宝くじ券P内蔵された無線タグ回路素子Toは、無線タグ発行・読み取り装置3の平面アンテナ4と非接触で信号の送受信を行うアンテナ151と、このアンテナ151に接続されたIC回路部150とを有している。IC回路部150には、宝くじの種類、宝くじ番号、引換有効期間等の宝くじ情報、宝くじの購入者の名前及びメールアドレス等の購入者情報、登録した宝くじ番号が書き換え不能にロックされているかどうかの情報などが記憶保持されている。
【解決手段】無線タグ宝くじ券P内蔵された無線タグ回路素子Toは、無線タグ発行・読み取り装置3の平面アンテナ4と非接触で信号の送受信を行うアンテナ151と、このアンテナ151に接続されたIC回路部150とを有している。IC回路部150には、宝くじの種類、宝くじ番号、引換有効期間等の宝くじ情報、宝くじの購入者の名前及びメールアドレス等の購入者情報、登録した宝くじ番号が書き換え不能にロックされているかどうかの情報などが記憶保持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と無線通信により情報送受信可能な無線タグ、この無線タグより情報の読み取りを行う無線タグ情報読み取り装置、及び無線タグを発行する無線タグ発行機に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行う無線タグシステム(=RFID:Radio Frequency Identificationシステム)が知られている。
【0003】
例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において既に実用化されている。
【0004】
無線タグのこのような性質を利用し、くじ引きシステムに応用したものとして、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来技術では、くじの参加者がそれぞれ所持する名札に、シリアルIDを備えた無線タグ(タグ端末)を設ける。全無線タグのシリアルIDを無線タグ情報読み取り装置(ホストコンピュータ)のメモリに記憶した後、乱数発生によるくじ引きを行い、当たり等の順位情報を各無線タグに送信して表示させるものである。
【0005】
【特許文献1】特開2006−79232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術においては、くじに参加する選抜候補としての名札にそれぞれ無線タグを設け、各無線タグごとに選抜参加用識別子としてシリアルIDを付与している。すなわち1つの無線タグには1つの識別子しか記憶されない。このため、すべての識別子を用いて選抜処理(くじ抽選)を行うには、無線タグ情報読み取り装置が全無線タグとそれぞれ通信を行う必要があり、選抜処理に時間がかかっていた。
【0007】
本発明の目的は、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる無線タグ、この無線タグより情報を読み取る無線タグ情報読み取り装置、及び当該無線タグを発行する無線タグ発行機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部、及び、このIC回路部に接続されるタグ側アンテナを備えた無線タグ回路素子を有する無線タグであって、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部は、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を、記憶保持することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明のタグにおいては、IC回路部に複数の選抜参加用識別子を記憶している。選抜処理が実行される際には(あるいは選抜処理結果との照合を行う際には)、無線タグ情報読み取り装置を用いてこの無線タグより情報読み取りが行われ、複数の識別子が読み取られる。そして、各識別子ごとに、選抜処理の対象となるかどうか(=該当性)の当否が判定される。このようにして、複数の識別子の当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの識別子しか記憶されない場合に比べ、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる。
【0010】
第2発明は、上記第1発明において、前記IC回路部は、複数の前記選抜処理に係わる前記選抜用識別子を、各選抜処理の識別情報と関連づけて記憶保持することを特徴とする。
【0011】
これにより、複数種類のくじ等に関わる複数の選抜用識別子についても、その当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができる。
【0012】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記IC回路部は、前記選抜処理の結果の連絡先情報を記憶保持することを特徴とする。
【0013】
これにより、選抜用識別子の当否確認を実行後、その結果を対応する連絡先へ報知することが可能となる。
【0014】
第4発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記所定の選抜処理としてのくじ抽選に参加するための複数の抽選番号を、前記選抜参加用識別子として記憶保持することを特徴とする。
【0015】
本願第4発明のタグにおいては、IC回路部に、くじ抽選のための複数の抽選番号を記憶している。くじ抽選が実行される際には(あるいはくじ抽選結果との照合を行う際には)、無線タグ情報読み取り装置を用いてこの無線タグより情報読み取りが行われ、複数の抽選番号が読み取られる。そして、各抽選番号ごとに、当選したかどうかの当否が判定される。このようにして、複数の抽選番号の当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの抽選番号識別子しか記憶されない場合に比べ、容易かつ迅速にくじ抽選の当選確認を実行することができる。
【0016】
第5発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記選抜参加用識別子に関する有効期間情報を、記憶保持することを特徴とする。
【0017】
これにより、現在の時間情報(期日、時間等)と有効期間との対比において種々の処理が可能となる。例えば有効期間満了が近いものについてはその旨を報知警告することで無線タグの所持者に確実に認識させることができる。また、有効期間が徒過したものについては、選抜処理対象外とすることも可能である。
【0018】
第6発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記複数の選抜参加用識別子を、書き換え不能に記憶保持することを特徴とする。
【0019】
これにより、識別子の書き換えによる不正使用を防止することができる。
【0020】
上記目的を達成するために、第7の発明は、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を記憶保持した無線タグと無線通信により情報送受信を行う読み取り用通信手段と、前記読み取り用通信手段を介し、前記無線タグより前記選抜参加用識別子を取得する取得手段と、前記取得手段を介し取得された前記選抜参加用識別子の、前記所定の選抜処理に対する該当性を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【0021】
本願第7発明においては、無線タグのIC回路部に複数の選抜参加用識別子が記憶されている。選抜処理が実行される際には(あるいは選抜処理結果との照合を行う際には)、無線タグ情報読み取り装置の読み取り用通信手段で無線通信を介して上記無線タグより情報読み取りが行われ、取得手段で複数の識別子が読み取られる。そして、判定手段で、各識別子ごとに、選抜処理の対象となるかどうか(=該当性)の当否が判定される。このようにして、複数の識別子の当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの識別子しか記憶されない場合に比べ、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる。
【0022】
第8発明は、上記第7発明において、前記判定手段による判定結果を報知するための報知信号を出力する判定結果出力手段を有することを特徴とする。
【0023】
これにより、選抜用識別子の当否判定を判定手段で実行後、その判定結果を報知することができる。
【0024】
第9発明は、上記第8発明において、前記読み取り用通信手段は、前記選抜処理の結果の連絡先情報を記憶保持した前記無線タグと情報送受信を行い、前記判定結果出力手段は、前記判定結果を、前記連絡先情報に対応した連絡先へ報知するための判定結果報知信号を出力することを特徴とする。
【0025】
これにより、選抜用識別子の当否判定を判定手段で実行後、その判定結果を対応する連絡先へと出力して報知することができる。したがって、無線タグの所持者は、無線タグ情報読み取り装置では手軽に情報読み取りを行わせ、その後連絡先において当否判定結果を取得することが可能となるため、さらに利便性が向上する。
【0026】
第10発明は、上記第9発明において、前記読み取り用通信手段は、前記選抜参加用識別子に関する有効期間情報を記憶保持した前記無線タグと情報送受信を行い、前記判定手段は、前記有効期間情報が所定条件を満たす前記選抜参加用識別子に対して、前記該当性を判定することを特徴とする。
【0027】
これにより、有効期間が徒過したものについては選抜処理対象外とすることが可能となり、選抜処理の対象期間に一定の制限範囲を設けることができる。
【0028】
第11発明は、上記第10発明において、前記連絡先情報に基づき、前記有効期間情報に基づき有効期間の残余が所定値以下となった前記選抜参加用識別子に対応する前記連絡先に対し、残余期間を報知するための残余期間報知信号を出力する期間情報出力手段を有することを特徴とする。
【0029】
これにより、有効期間満了が近いものについてはその旨を報知警告することで無線タグの所持者に確実に認識させることができる。
【0030】
上記目的を達成するために、第12の発明は、タグ媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し、無線通信を介し情報送受信可能な書き込み用通信手段と、前記書き込み用通信手段を介し、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を前記無線タグ回路素子に書き込む情報書き込み手段とを有することを特徴とする。
【0031】
本願第12発明の無線タグ発行機においては、書き込み用通信手段を介し、タグ媒体に備えられた無線タグ回路素子と無線通信が行われ、情報書き込み手段によって無線タグ回路素子に複数の選抜参加用識別子が書き込まれ、無線タグが発行される。このようにして発行された無線タグに対し、選抜処理が実行される際には(あるいは選抜処理結果との照合を行う際には)、無線タグ情報読み取り装置を用いて無線タグより情報読み取りが行われ、複数の識別子が読み取られる。そして、各識別子ごとに、選抜処理の対象となるかどうか(=該当性)の当否が判定される。このようにして、複数の識別子の当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの識別子しか記憶されない場合に比べ、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる。
【0032】
第13発明は、上記第12発明において、前記タグ媒体を搬送する搬送手段と、前記タグ媒体又はこれに貼り合わされる被印字媒体に対し、前記選抜処理の識別情報に対応する所定の印字を行い印刷表示部を形成する印字手段とを備えることを特徴とする。
【0033】
これにより、選抜処理内容等を表示した印刷表示部を備えた無線タグを発行することができる。
【0034】
第14発明は、上記第12又は第13発明において、前記タグ媒体を用いて、前記無線タグとしての有価証券類又はこれに準ずる物品類の発行処理を行うことを特徴とする。
【0035】
これにより、複数の選抜参加用識別子を一括して備えた有価証券等を発行することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、所定の選抜処理として宝くじを例にとり、その選抜候補としての宝くじ券の発行及び宝くじ券の情報読み取りを行うシステムに本発明を適用した場合の実施形態である。
【0038】
図1は、本実施形態の無線タグ発行・読み取り装置を備えたシステムの全体概略を表すシステム構成図である。
【0039】
図1に示すこの例において、無線タグ発行・読み取り装置3(無線タグ情報読み取り装置;無線タグ発行機)は、無線タグ宝くじ券P(無線タグ)を発行する無線タグ発行機能と、無線タグ宝くじ券Pに記憶した無線タグ情報を読み取る無線タグ情報読み取り機能とを有している。この無線タグ発行・読み取り装置3は、宝くじ販売店に設置されている。また、無線タグ発行・読み取り装置3は、適宜の通信ネットワークNWを介してデータベース6と接続されている。データベース6には、宝くじの種類(選抜処理の識別情報)、宝くじ番号(抽選番号;選抜参加用識別子。例えば後述のように発売時に各機に割り当てるためのもの)、当選発表日、引換有効期間、及び各宝くじ販売店の情報などが格納されている。
【0040】
無線タグ発行・読み取り装置3は、装置本体5と、この装置本体5に接続され、無線タグ宝くじ券Pに記憶されている無線タグ情報を読み取るためのアンテナ(=読み取り用通信手段。この例では平面アンテナ)4とを有している。
【0041】
装置本体5は、無線タグ宝くじ券Pを作成する宝くじタグカード作成部11と、操作者(例えば宝くじ販売店の店員や購入者等)が指示情報や各種データを入力操作するための操作部14と、宝くじの種類などの情報やメッセージを表示する表示部15とを有している。操作部14は、開始スイッチと、後述する3つの処理(新規発券処理、チェック処理、追加購入処理)を選択する選択スイッチとを有している(ともに図示省略)。
【0042】
図2は、無線タグ発行・読み取り装置3の概略を表す機能ブロック図である。この図2において、無線タグ宝くじ券Pには、アンテナ151(タグ側アンテナ)とIC回路部150とで構成される無線タグ回路素子Toが内包されている。
【0043】
無線タグ発行・読み取り装置3の装置本体5は、CPU10と、上記宝くじタグカード作成部11と、上記通信ネットワークNWを介してデータベース6との制御信号及び情報信号の授受の制御を行うネットワーク通信制御部12と、例えばRAMやROM等からなるメモリ13と、上記操作部14と、上記表示部15と、上記平面アンテナ4を介し無線タグ宝くじ券Pとの無線通信の制御を行うRF通信制御部17とを備えている。
【0044】
CPU10は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って、無線タグ宝くじ券Pを新規に購入するための新規発券処理、無線タグ宝くじ券Pを追加購入するための追加購入処理、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに記憶されている宝くじ番号が当選しているかどうかをチェックするチェック処理などを行う。これらの処理については、後で詳述する。
【0045】
図3は、上記装置本体5におけるCPU10、RF通信制御部17、及び平面アンテナ4の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【0046】
この図3において、RF通信制御部17は、上記平面アンテナ4を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(無線タグ情報)へアクセスするものである。CPU10は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするためのアクセス情報を生成する機能を含み、無線タグ発行・読み取り装置3全体の動作を制御するものである。
【0047】
RF通信制御部17は、平面アンテナ4を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、平面アンテナ4により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
【0048】
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(読み取り又は書き込み)ための搬送波を発生させる水晶振動子215A、CPU10の制御により所定の周波数の信号を発生させるPLL(Phase Locked Loop)215B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)215Cと、上記CPU10から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU10からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し「TX_ASK信号」の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例ではCPU10からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する可変送信アンプ217とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯、マイクロ波帯、短波帯等の周波数を用いており、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介し平面アンテナ4に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0049】
受信部213は、平面アンテナ4で受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調する受信第1乗算回路218と、その受信第1乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ219と、この第1バンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記平面アンテナ4で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波(反射波)と上記発生された後に移相器227により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算する受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ223と、この第2バンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU10に入力されて処理される。
【0050】
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU10に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態の無線タグ発行・読み取り装置3では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの応答波の復調が行われる。
【0051】
なお、本実施形態では、通信ネットワークNWにケーブル等を使用した有線ネットワークを想定しているが、これに限らず、無線ネットワークを用いてもよく、またこの際、例えば上記RF通信制御部17と周波数帯及び送受信方式の異なるようにしてもよい。
【0052】
図4は、宝くじタグカード作成部11の概略構成を表す概念的説明図である。
【0053】
この図4において、宝くじタグカード作成部11は、無線タグ回路素子Toを所定間隔で備えた宝くじ用テープ(タグ媒体)303を宝くじ用テープロール304(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)に巻回してこの宝くじ用テープ303を連続的に供給するカートリッジ300を着脱可能なカートリッジホルダ308と、この宝くじ用テープロール304から繰り出された宝くじ用テープ303(又はこの宝くじ用テープ303に貼り合わされる図示しない被印字媒体)のうち各無線タグ回路素子Toに対応した所定領域に所定の印字を行い印刷表示部(図示省略)を形成する印字ヘッド(印字手段)305と、無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行うためのアンテナ306(書き込み用通信手段)及び高周波回路301と、入出力インタフェース310を介して上記CPU10等に接続された制御回路302と、宝くじ用テープ303への印字及び無線タグ回路素子Toへの上記情報書き込みが終了した宝くじ用テープ303を所定の長さに切断して上記無線タグ宝くじ券Pとするカッタ307と、印字ヘッド305に対向して設けられ、制御回路302により制御されて宝くじ用テープ303を搬送する搬送装置(搬送手段)309とを有する。
【0054】
高周波回路301及び制御回路302は、詳細な説明を省略するが、前述した上記無線タグ発行・読み取り装置3のRF通信制御部17及びCPU10とほぼ同等の機能を備えるものであり、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を作成し、アンテナ306を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に対して情報書き込みを行う。
【0055】
図5は、上記無線タグ宝くじ券Pに備えられた上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。
【0056】
この図5において、無線タグ回路素子Toは、上述したように無線タグ発行・読み取り装置3の平面アンテナ4と例えばUHF帯、マイクロ波帯、短波帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ151と、このアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0057】
IC回路部150は、タグ側アンテナであるアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部(後述)157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0058】
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記無線タグ発行・読み取り装置3の平面アンテナ4からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、平面アンテナ4より受信された質問波を変調し、アンテナ151より応答波として再送信する。
【0059】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0060】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の速度に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0061】
図6は、上記無線タグ宝くじ券Pの全体概略構造の一例を表す上面図である。
【0062】
この図6において、無線タグ宝くじ券Pは、例えば長方形状のカードであり、前述したように無線タグ回路素子Toを内蔵している。無線タグ宝くじ券Pの表側(上面)には、宝くじの識別情報に対応する所定の印字情報(この例では「サマージャンボ」)Rが印字される印刷表示部Aが設けられている。なお、印字情報Rの印字は必須ではなく、文字でなく図形や符号、あるいは単なる色塗り(無色も可能)や模様等であってもよい。
【0063】
図7は、上記無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに備えられたIC回路部150のメモリ領域を概念的に表す図である。この例では複数種類の宝くじを購入した例を示している。
【0064】
この図7において、上記無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子ToのIC回路部150には、上述した複数種類それぞれの宝くじに係わる宝くじ番号を、各種類の宝くじの識別情報(例えば宝くじ名称。あるいはこれに代わるコード等でもよい)と関連づけて記憶保持するようになっている。すなわち、IC回路部150には、複数(この例では2つの)の宝くじデータ領域M1,M2が設けられている。
【0065】
宝くじデータ領域M1は、(後述のようにして本券所持者が購入した)サマージャンボ宝くじに関する情報を記憶する領域である。宝くじデータ領域M2は、同様に本券所持者が購入したグリーンジャンボ宝くじに関する情報を記憶する領域である。
【0066】
宝くじデータ領域M1,M2のいずれも、図示のように、宝くじ情報である宝くじ識別情報(名称)、宝くじ番号、及び引換有効期間(抽選期限等の有効期間情報)がそれぞれ書き込まれた宝くじ名称領域m1、宝くじ番号領域m2、及び有効期間領域m3を備えている。
【0067】
また、購入者情報である購入者の名前及び連絡先情報(この例ではメールアドレス)がそれぞれ書き込まれた購入者名領域M3及びメールアドレス領域M4を備えている。さらには、登録した宝くじ番号が書き換え不能にロックされているかどうかの情報を書き込まれたロック情報領域M5を備えている。ロック情報領域M5には、上記ロックした旨の情報や適宜の識別子が書きこまれる。
【0068】
図8は、無線タグ発行・読み取り装置3のCPU10によって実行される制御手順を表すフローチャートである。図8において、例えば操作部14の開始スイッチ(前述)が押下されると、このフローが開始される。
【0069】
まず、ステップS5において、操作部14の処理選択スイッチ(前述)により選択入力された処理を判定する。処理選択スイッチにより新規発券が選択入力されたときは、ステップS100において新規発券処理が実行され、処理選択スイッチによりチェックが選択入力されたときは、ステップS200においてチェック処理が実行され、処理選択スイッチにより追加購入が選択入力されたときは、ステップS300において追加購入処理が実行される。
【0070】
図9は、上記ステップS100において実行される新規発券処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0071】
この図9において、まずステップS105において、ネットワーク通信制御部12を介して上記データベースへアクセスし、現在発売中の宝くじの種類をリストアップして、表示部15に表示信号を出力し表示させる。
【0072】
次にステップS110に移り、上記表示部15での表示に対応し、現在発売中の宝くじの中から、購入者が購入を希望する宝くじの種類が操作部14により選択入力されたかどうかを判定する。操作者(宝くじ販売店の店員)が宝くじの種類を選択入力操作するまで本ステップS110を繰り返し、宝くじの種類が選択入力された場合には判定が満たされ、ステップS115へ移る。
【0073】
ステップS115では、上記ステップS105でのデータベース6へのアクセス時に取得した情報に基づき表示部15に表示信号を出力する。そして、宝くじの名称、(当機で購入可能な)宝くじ番号、及び当選発表日等を含む宝くじデータと、宝くじの種類別購入枚数(連番購入、バラ購入の別も含む)等を含む購入情報入力欄等と、購入者の名前、メールアドレス等のユーザー情報入力欄とを、表示部15に表示させる。
【0074】
次にステップS120において、表示部15に表示された上記購入情報入力欄及びユーザー情報の入力欄に、操作部14により宝くじ購入枚数やユーザー情報等が入力されたかどうかを判定する。操作者が各情報を入力操作するまで本ステップS120を繰り返し、情報が入力された場合には判定が満たされ、ステップS125へ移る。
【0075】
ステップS125では、宝くじタグカード作成部11(図4参照)の制御回路302に対して制御信号を出力し、高周波回路301及びアンテナ306を介して、宝くじ用テープ303に備えられている無線タグ回路素子Toに対して上記ステップS120で取得したユーザー情報、及び、ステップS110で選択されステップS120で枚数が決定された宝くじの種類及び当該枚数分の宝くじ番号(データベースより割り振ってもらう)等の宝くじデータ(当選発表日や引き替え有効期間等を含んでもよい)を書き込む。また、制御回路302に対して制御信号を出力し、印字ヘッド105によって上記無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報に対応した印字情報Rの印字を行う。
【0076】
そして次のステップS130において、宝くじタグカード作成部11の制御回路302に対して制御信号を出力し、高周波回路301及びアンテナ306を介して、宝くじ用テープ303の無線タグ回路素子Toに対し所定の照合確認信号を送信し、対応する応答信号を受信して取り込む。この応答信号に基づき、ステップS125で無線タグ回路素子Toに書き込むために送信した情報と上記応答信号に含まれる情報(実際に無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報)とが一致しているかどうかの照合確認(ベリファイ)処理を行う。
【0077】
両者が一致している場合には、ステップS130の判定が満たされ、ステップS135において適宜の精算処理(例えば表示部15に表示信号を出力して合計支払金額を表示し、対応する金額が入金されたことの確認操作信号が操作部14より入力されたかを判定する)を行った後、ステップS140に移る。一方、両者が一致していない場合にはステップS130の判定が満たされず、ステップS145において表示部15に表示信号を出力してエラー表示させた後、本フローを終了する。
【0078】
ステップS140では、宝くじタグカード作成部11の制御回路302に対して制御信号を出力し、高周波回路301及びアンテナ306を介して、宝くじ用テープ303の無線タグ回路素子Toに対し所定の書き換え禁止指令(ロック指令)を送信し、宝くじ用テープ303の無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報(宝くじデータやユーザー情報)を書き換え禁止(ロック)にする。これにより、宝くじデータやユーザー情報が無線タグ回路素子Toに書き換え不能に記憶保持されることとなる。
【0079】
そして次のステップS150において、宝くじタグカード作成部11の制御回路302に対し制御信号を出力し、搬送装置309で搬送した後の所定の位置にてカッタ307により宝くじ用テープ303を切断させて、1つの無線タグ回路素子Toを備えた無線タグ宝くじ券(宝くじタグ)Pを作成し、本フローを終了する。
【0080】
図10は、上記ステップS200において実行されるチェック処理(当選チェック処理)の詳細手順を表すフローチャートである。
【0081】
この図10において、まずステップS205において、表示部15に表示信号を出力し、「宝くじタグを置いて下さい」旨を表示させる。
【0082】
次にステップS210に移り、平面アンテナ4上に無線タグ宝くじ券Pが置かれることで無線タグ宝くじ券Pが検出されたか否かを判定する。無線タグ宝くじ券Pの検出方法としては、例えばRF通信制御部17及びアンテナ4を介して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対して応答を要求する問合せ信号を送信し、それに対して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toからの応答信号がアンテナ4で受信されたかどうかを判定することにより行えば足りる。操作者(購入客又は宝くじ販売店の店員等)が平面アンテナ4上に無線タグ宝くじ券Pを置き検出されるまで本ステップS210を繰り返し、無線タグ宝くじ券Pが検出された場合には判定が満たされ、ステップS215へ移る。
【0083】
ステップS215では、上記ステップS210で無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toから受信した応答信号より、当該無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持されていたユーザー情報(上記ステップS120参照)を抽出し取得する。あるいはステップS210とは別にもう一度情報要求信号を無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに送信し、ユーザー情報を含む応答信号を受信するようにしてもよい。
【0084】
そしてステップS220において、ステップS215で無線タグ宝くじ券Pから読み取ったユーザー情報が正しいものであるかどうかの照合を行う。この照合方法としては、例えば無線タグ宝くじ券Pを購入した購入者の名前やメールアドレス等を操作部14により入力させ、この入力データと無線タグ宝くじ券Pから読み取ったユーザー情報とが一致するかどうかを確認することにより行う。あるいは、過去にいずれかの売場(あるいは当該売場のみでもよい)より発券された無線タグ宝くじ券Pのユーザー情報がすべて上記データベース6に格納されており、読み取ったユーザー情報がデータベース6に格納されたものであるかどうか(不正に書き込まれたものでないか)を判定するようにしてもよい。
【0085】
ユーザー情報が正しいものでない場合には判定が満たされず、ステップS235において表示部15に表示信号を出力してエラー表示させた後、後述のステップS270に移る。一方、ユーザー情報が正しいものである場合には、ステップS220の判定が満たされ、次のステップS225に移る。ステップS225では、RF通信制御部17及びアンテナ4を介して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対して情報要求信号を送信し、無線タグ回路素子Toに記憶保持されている宝くじデータ(図7の宝くじデータ領域M1,M2に記憶されている情報であり、宝くじ種類情報、各種類別の宝くじ番号等を含む)を平面アンテナ4を介して読み取り、ステップS240に移る。
【0086】
ステップS240では、表示部15に表示信号を出力してステップS225で読み取った宝くじの種類を表示部15に表示させ、ステップS245に移る。
【0087】
ステップS245では、データベース6へのアクセス結果に基づき、上記ステップS240で表示部15に表示させた種類の宝くじの当選発表が既にあったかどうかを判断する。当該宝くじの当選発表が既にあった場合には、判定が満たされ、ステップS247に移る。当該宝くじの当選発表が未だ行われていない場合にはステップS245の判定が満たされず、ステップS255に移り、上記データベース6へのアクセス結果に基づき、表示部15に表示信号を出力して「○月○日に当選発表します」旨を表示させ、後述のステップS270に移る。
【0088】
ステップS247では、無線タグ宝くじ券Pに記憶保持されている宝くじ番号の中で引換有効期間中の宝くじがあるかどうかを判断する(図7の有効期間領域m3参照)。引換有効期間中の宝くじがない場合には、後述のステップS270に移る。引換有効期間中の宝くじがある場合には、ステップS250に移り、データベース6へのアクセス結果に基づき、表示部15に表示された種類の宝くじの中に当選した宝くじ番号があるかどうかを判断する。このように引換有効期間が徒過したものについては、当選確認の対象外とすることで、宝くじの当選確認対象期間に一定の制限範囲を設けることができる。
【0089】
ステップS250において、当選した宝くじ番号がある場合には、判定が満たされてステップS260に移り、表示部15に表示信号(報知信号)を出力して「当選しています」旨を表示させる。一方、当選した宝くじ番号がない場合は判定が満たされず、ステップS265において、表示部15に表示信号(報知信号)を出力して「残念でした」旨を表示させる。
【0090】
前述したように、ステップS260、ステップS265、ステップS255、ステップS235が終了した場合と、上記ステップS247の判定が満たされなかった場合は、ステップS270に移る。このステップS270では、表示部15に表示信号を出力し「宝くじタグを取って下さい」旨を表示させ、本フローを終了する。
【0091】
図11は、上記ステップS300において実行される追加購入処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0092】
この図11において、ステップS305、ステップS310、ステップS315、ステップS320は、前述のステップS205、ステップS210、ステップS215、ステップS220と同様である。
【0093】
すなわち、表示部15に「宝くじタグを置いて下さい」旨を表示させ、平面アンテナ4上の無線タグ宝くじ券Pが検出されたか否かを判定し、判定が満たされたら、無線タグ回路素子Toからの応答信号よりユーザー情報を取得する。そしてステップS320で読み取ったユーザー情報が正しいものであるかどうかの照合を行う。
【0094】
ユーザー情報が正しいものでない場合には、ステップS320の判定が満たされず、ステップS330で表示部15に表示信号を出力してエラー表示させた後、後述のステップS385に移る。ユーザー情報が正しいものである場合にはステップS320の判定が満たされ、次のステップS325に移る。
【0095】
ステップS325では、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに新たに書き込む追記領域があるかどうかを判定する。この判定は、ステップS310やステップS315における無線タグ回路素子Toからの応答信号より判定してもよい(応答信号中にメモリ残量情報又はメモリ消費情報等が含まれるようにして、それらの情報を取得して判定する)。あるいは、別にもう一度情報要求信号を無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに送信し、それらの情報を含む応答信号を受信するようにしてもよい。
【0096】
上記ステップS325において、無線タグ回路素子Toに十分な追記領域がない場合には判定が満たされず、ステップS345において、表示部15に「満杯です。新しいカードをお求め下さい」旨を表示させ、後述のステップS385へ移る。一方、上記ステップS325おいて、無線タグ回路素子Toに十分な追記領域があった場合は判定が満たされ、ステップS335において、上記ステップS105と同様にして現在発売中の宝くじの種類をリストアップして表示部15に表示させ、次のステップS340へ移る。
【0097】
ステップS340では、上記ステップS110と同様、購入者が購入を希望する宝くじの種類が操作部14により選択入力されたかどうかを判定する。宝くじの種類が選択入力された場合には判定が満たされ、ステップS350へ移る。
【0098】
ステップS350では、上記ステップS115と同様、データベース6へのアクセス結果に基づき表示部15に表示信号を出力し、宝くじの名称、(当機で購入可能な)宝くじ番号、及び当選発表日等を含む宝くじデータと、宝くじの種類別購入枚数(連番購入、バラ購入の別も含む)等を含む購入情報入力欄を、表示部15に表示させる。なお、この追加購入では、無線タグ宝くじ券Pに既に購入者の名前やメールアドレス等のユーザー情報は記録されている(図7の購入者名領域M3やメールアドレス領域M4参照)ため、ステップS115と異なりこれらのユーザー情報入力欄は表示しない。
【0099】
次に、ステップS355において、表示部15に表示された上記購入情報入力欄(種類別購入枚数等)に、操作部14により入力されたかどうかを判定する。操作者が入力操作するまで本ステップS355を繰り返し、入力が行われた場合には判定が満たされ、ステップS360へ移る。
【0100】
ステップS360では、RF通信制御部17及び平面アンテナ4を介し、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対し、ステップS340で選択されステップS355で枚数が決定された(追加購入に係る)宝くじの種類及び当該枚数分の宝くじ番号(データベースより割り振ってもらう)等の宝くじデータ(当選発表日や引き替え有効期間等を含んでもよい)を書き込む。
【0101】
そして次のステップS365において、RF通信制御部17及び平面アンテナ4を介して、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対し所定の照合確認信号を送信し、対応する応答信号を受信して取り込む。この応答信号に基づき、ステップS360で無線タグ回路素子Toに書き込むために送信した情報と上記応答信号に含まれる情報(実際に無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報)とが一致しているかどうかの照合確認(ベリファイ)処理を行う。
【0102】
両者が一致している場合には、ステップS365の判定が満たされ、ステップS370において適宜の精算処理(例えば表示部15に表示信号を出力して合計支払金額を表示し、対応する金額が入金されたことの確認操作信号が操作部14より入力されたかを判定する)を行った後、ステップS375に移る。一方、両者が一致していない場合にはステップS365の判定が満たされず、ステップS380において表示部15に表示信号を出力してエラー表示させた後、本フローを終了する。
【0103】
ステップS375では、RF通信制御部17及び平面アンテナ4を介して、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対し所定の書き換え禁止指令(ロック指令)を送信し、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに書き込まれた宝くじデータを書き換え禁止(ロック)にする。これにより、宝くじデータが無線タグ回路素子Toに書き換え不能に記憶保持されることとなる。
【0104】
そして次のステップS385において、上記ステップS270と同様、表示部15に制御信号を出力して「宝くじを取って下さい」旨を表示させ、本フローを終了する。
【0105】
以上において、図10のフローにおけるステップS225は、読み取り用通信手段を介し、無線タグより選抜参加用識別子を取得する取得手段を構成する。また、ステップS250は、取得手段を介し取得された選抜参加用識別子の、所定の選抜処理に対する該当性を判定する判定手段を構成する。また、ステップS260及びステップS265は、判定手段による判定結果を報知するための報知信号を出力する判定結果出力手段を構成する。
【0106】
また、図9のフローのステップS125と図11のステップS360とは、それぞれ、書き込み用通信手段を介し、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を無線タグ回路素子に書き込む情報書き込み手段を構成する。
【0107】
以上のように本実施形態においては、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に宝くじの種類及び宝くじ番号等の宝くじデータが書き込まれた無線タグ宝くじ券Pを発行する。このような無線タグ宝くじ券Pに対し、宝くじの当選確認を行う際には、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに登録された複数の宝くじ番号(その後の追加購入分も含む)が読み取られ、各宝くじ番号ごとに当選か否かの判定が行われる。このようにして、複数の宝くじ番号の当選確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの宝くじ番号しか記憶されない場合に比べ、宝くじ番号の当選確認を容易かつ迅速に実行することができる。このとき、複数種類の宝くじに関わる複数の宝くじ番号についても、その当選確認を一度の情報読み取りによって実行することができる。
【0108】
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の有効期間領域m3に宝くじの引換有効期間情報を記憶することにより、有効期間が徒過したものについては、当選確認の対象外とすることができる(ステップS247参照)。また、有効期間満了が近いものについては、その旨を無線タグ宝くじ券Pの所有者に報知警告することも可能となる(後述の変形例における図14のフローのステップS439参照)。
【0109】
またIC回路部150には、購入者情報である購入者の名前及び連絡先情報(この例ではメールアドレス)がそれぞれ書き込まれた購入者名領域M3及びメールアドレス領域M4を備えている。
【0110】
また、本実施形態では特に、IC回路部150への情報書き込み時に、宝くじ番号を書き換え不能にロックしている(ステップS145及びステップS375参照)。これにより、宝くじ番号等の書き換えによる不正使用を防止することができる。
【0111】
なお、本実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0112】
(1)無線タグ宝くじ券の情報読み取りをゲートで行う場合
上記実施形態では、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに記憶されている情報読み取りを、宝くじ売り場に設置されている無線タグ発行・読み取り装置3により行うようにしたが、本発明はこれに限られず、専用のゲートに情報読み取り機能を持たせてもよい(あるいは別用途のゲートに読み取り機能を併設してもよい)。
【0113】
図12は、本変形例による情報読み取り機能を有するゲートの概略構造を表す斜視図である。この図12において、ゲート200(無線タグ情報読み取り装置)は、例えば上述した無線タグ発行・読み取り装置3を備えた宝くじ売り場に隣接した場所に設置されるものである。
【0114】
この図12において、ゲート200は、無線タグ宝くじ券Pの所持者Mが通行可能な通路201と、この通路201の両側に立設されたガイド202A,202Bと、ガイド202Aに取り付けられ、所持者Mが所持する無線タグ宝くじ券Pに備えられる無線タグ回路素子Toに対し無線通信により情報の送受信を行うアンテナ203(読み取り用通信手段)とを備えている。
【0115】
図13は、ゲート200の概略機能を表す機能ブロック図である。
【0116】
この図13において、ゲート200は、CPU205と、例えばRAMやROM等からなるメモリ206と、上記アンテナ203を介し無線タグ宝くじ券Pに備えられた上記無線タグ回路素子Toとの無線通信による情報送受信を行うためのRF通信制御部207とを備えている。CPU205は、図示しない有線又は無線通信回線により前述のデータベス6に接続されており、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに記憶されている宝くじ番号が当選したかどうかをチェックするチェック処理などを行う。
【0117】
図14は、上記CPU205により実行されるチェック処理(当選チェック処理)の詳細手順を表すフローチャートである。
【0118】
この図14において、まずステップS405において、無線タグ宝くじ券Pが検出されたかどうかを判断する。無線タグ宝くじ券Pの検出方法は、例えば上述した図10に示すステップS210と同様である。すなわち、RF通信制御部207及びアンテナ203を介して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対して応答を要求する問合せ信号を送信し、それに対して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toからの応答信号がアンテナ203で受信されたかどうかを判定することにより行う。所有者Mが無線タグ宝くじ券Pをアンテナ203に近づけることで無線タグ宝くじ券Pが検出されるまで本ステップS405を繰り返し、無線タグ宝くじ券Pが検出された場合には判定が満たされ、ステップS410へ移る。
【0119】
ステップS410では、上記図10のステップS210と同様、上記ステップS405で無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toから受信した応答信号より、当該無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持されていたユーザー情報(メールアドレスを含む)を抽出し取得する。あるいは前述と同様、別にもう一度情報要求信号を無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに送信し、ユーザー情報を含む応答信号を受信するようにしてもよい。
【0120】
そしてステップS415において、上記ステップS220と同様にして、無線タグ宝くじ券Pから読み取ったユーザー情報が正しいものであるかどうかの照合を行う。
【0121】
ユーザー情報が正しいものでない場合には判定が満たされず、ステップS405に戻って同様の手順を繰り返す。一方、ユーザー情報が正しいものである場合には、ステップS415の判定が満たされ、次のステップS420に移る。ステップS420では、上記ステップS225と同様、RF通信制御部207及びアンテナ203を介して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対して情報要求信号を送信し、無線タグ回路素子Toに記憶保持されている宝くじデータをアンテナ203を介して読み取り、ステップS435に移る。
【0122】
ステップS435では、上記ステップS245と同様、データベース6へのアクセス結果に基づき、上記ステップS420で読み取った宝くじ番号について当選発表が既にあったかどうかを判断する。当該宝くじの当選発表があった場合には判定が満たされ、ステップS437に移る。当該宝くじの当選発表が未だ行われていない場合にはステップS435の判定が満たされずステップS445に移り、当選発表日を所有者Mのメールアドレス先(上記ステップS410で取得済)に対して報知するためのメールデータを作成し、後述するステップS460に移る。
【0123】
ステップS437では、上記ステップS247と同様、無線タグ宝くじ券Pに登録されている宝くじ番号の中で引換有効期間中の宝くじがあるかどうかを判断する。引換有効期間中の宝くじがない場合には、後述のステップS460に移る。引換有効期間中の宝くじがある場合には、ステップS439に移り、引換有効期間の残余期間を所有者Mのメールアドレス先に対して報知するためのメールデータを作成し、ステップS440に移る。これにより、例えば引換有効期間満了が近いものについてはその旨を所有者Mに報知警告し、確実に認識させることができる。なお、引換有効期間の残余が所定値以下である場合のみ、そのようなメールデータを作成しても良い。
【0124】
ステップS440では、上記ステップS245と同様、データベース6へのアクセス結果に基づき、ステップS420で取得した宝くじ番号の中で当選した番号があるかどうかを判断する。
【0125】
上記ステップS440において当選した宝くじ番号がある場合には判定が満たされ、次のステップS450において、当選した旨の情報を所有者Mのメールアドレス先に対して報知するためのメールデータを作成し、ステップS460に移る。一方、当選した宝くじ番号がない場合は判定が満たされず、ステップS455において、はずれた旨の情報を所有者Mのメールアドレス先に対して報知するためのメールデータを作成し、ステップS460に移る。
【0126】
前述したように、ステップS450、ステップS455、ステップS445が終了した場合と、上記ステップS437の判定が満たされなかった場合は、ステップS460に移る。このステップS460では、データベース6へのアクセス結果に基づき、未購入や未発売の宝くじの広告を所有者Mのメールアドレス先に対して報知するためのメールデータを作成する。そして、次のステップS465において、ステップS430、ステップS445、ステップS450、ステップS455、ステップS460等で作成された各メールデータ(判定結果報知信号を含む)を前述の通信回線を介し所有者Mのメールアドレス先に対して送信し、ステップS405に戻って同様の手順を繰り返す。
【0127】
以上において、図14のフローにおけるステップS420は、読み取り用通信手段を介し、無線タグより選抜参加用識別子を取得する取得手段を構成する。またステップS440は、取得手段を介し取得された選抜参加用識別子の、所定の選抜処理に対する該当性を判定する判定手段を構成する。またステップS450、ステップS455、ステップS465は、判定手段による判定結果を報知するための報知信号を出力する判定結果出力手段を構成する。
【0128】
また、上記ステップS430、ステップS465は、連絡先情報に基づき、有効期間情報に基づき有効期間の残余が所定値以下となった選抜参加用識別子に対応する連絡先に対し、残余期間を報知するための残余期間報知信号を出力する期間情報出力手段を構成する。
【0129】
本変形例によれば、宝くじ番号が当選したかどうかの判定を実行した後、その判定結果を無線タグ宝くじ券Pの所有者Mの連絡先にメールにより報知する。従って、無線タグ宝くじ券Pの所持者Mは、ゲート200に対し手軽に情報読み取りを行わせ、その後連絡先において抽選結果を取得することができる。このように宝くじ売り場に居なくても宝くじ当選結果を知ることができるため、利便性が向上する。
【0130】
(2)その他
上記実施形態では、無線タグ宝くじ券Pの発行と無線タグ宝くじ券Pの情報読み取りを1つの無線タグ発行・読み取り装置3で行うようにしたが、本発明はこれに限られず、これらを別々の装置(無線タグ発行機及び無線タグ情報読み取り装置)で行うようにしてもよい。
【0131】
また、上記実施形態は、選抜処理としての宝くじに本発明を適用し、無線タグ宝くじ券Pとして発行するものであったが、これに限られない。すなわち、選抜処理として宝くじ以外の福引き等やビンゴゲーム等の抽選・選抜処理に適用し対応する(宝くじ以外の)有価証券類(プリペードカードや各種金券・チケット等)又はこれに準ずる物品類(会員カード、スタンプカード等)の発行を行うようにしてもよい。
【0132】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の一実施形態の無線タグ発行・読み取り装置を備えたシステムの全体概略を表すシステム構成図である。
【図2】無線タグ発行・読み取り装置の概略機能を表す機能ブロック図である。
【図3】CPU、RF通信制御部、及び平面アンテナの詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図4】宝くじタグカード作成部の概略構成を表す概念的説明図である。
【図5】無線タグ宝くじ券に備えられた無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【図6】無線タグ宝くじ券の全体概略構造の一例を表す上面図である。
【図7】無線タグ宝くじ券の無線タグ回路素子に備えられたIC回路部のメモリ領域を概念的に表す図である。
【図8】CPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図9】図8中ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【図10】図8中ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図11】図8中ステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。
【図12】情報読み取り機能を有するゲートの概略構造を表す斜視図である。
【図13】ゲートの概略機能を表す機能ブロック図である。
【図14】CPUにより実行されるチェック処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0134】
3 無線タグ発行・読み取り装置(無線タグ発行機;無線タグ
情報読み取り装置)
4 平面アンテナ(読み取り用通信手段)
150 IC回路部
151 アンテナ(タグ側アンテナ)
200 ゲート(無線タグ情報読み取り装置)
203 アンテナ(読み取り用通信手段)
303 タグテープ(タグ媒体)
305 印字ヘッド(印字手段)
306 アンテナ(書き込み用通信手段)
309 搬送装置(搬送手段)
A 印刷表示部
P 無線タグ宝くじ券(無線タグ)
To 無線タグ回路素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と無線通信により情報送受信可能な無線タグ、この無線タグより情報の読み取りを行う無線タグ情報読み取り装置、及び無線タグを発行する無線タグ発行機に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行う無線タグシステム(=RFID:Radio Frequency Identificationシステム)が知られている。
【0003】
例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において既に実用化されている。
【0004】
無線タグのこのような性質を利用し、くじ引きシステムに応用したものとして、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来技術では、くじの参加者がそれぞれ所持する名札に、シリアルIDを備えた無線タグ(タグ端末)を設ける。全無線タグのシリアルIDを無線タグ情報読み取り装置(ホストコンピュータ)のメモリに記憶した後、乱数発生によるくじ引きを行い、当たり等の順位情報を各無線タグに送信して表示させるものである。
【0005】
【特許文献1】特開2006−79232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術においては、くじに参加する選抜候補としての名札にそれぞれ無線タグを設け、各無線タグごとに選抜参加用識別子としてシリアルIDを付与している。すなわち1つの無線タグには1つの識別子しか記憶されない。このため、すべての識別子を用いて選抜処理(くじ抽選)を行うには、無線タグ情報読み取り装置が全無線タグとそれぞれ通信を行う必要があり、選抜処理に時間がかかっていた。
【0007】
本発明の目的は、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる無線タグ、この無線タグより情報を読み取る無線タグ情報読み取り装置、及び当該無線タグを発行する無線タグ発行機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部、及び、このIC回路部に接続されるタグ側アンテナを備えた無線タグ回路素子を有する無線タグであって、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部は、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を、記憶保持することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明のタグにおいては、IC回路部に複数の選抜参加用識別子を記憶している。選抜処理が実行される際には(あるいは選抜処理結果との照合を行う際には)、無線タグ情報読み取り装置を用いてこの無線タグより情報読み取りが行われ、複数の識別子が読み取られる。そして、各識別子ごとに、選抜処理の対象となるかどうか(=該当性)の当否が判定される。このようにして、複数の識別子の当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの識別子しか記憶されない場合に比べ、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる。
【0010】
第2発明は、上記第1発明において、前記IC回路部は、複数の前記選抜処理に係わる前記選抜用識別子を、各選抜処理の識別情報と関連づけて記憶保持することを特徴とする。
【0011】
これにより、複数種類のくじ等に関わる複数の選抜用識別子についても、その当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができる。
【0012】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記IC回路部は、前記選抜処理の結果の連絡先情報を記憶保持することを特徴とする。
【0013】
これにより、選抜用識別子の当否確認を実行後、その結果を対応する連絡先へ報知することが可能となる。
【0014】
第4発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記所定の選抜処理としてのくじ抽選に参加するための複数の抽選番号を、前記選抜参加用識別子として記憶保持することを特徴とする。
【0015】
本願第4発明のタグにおいては、IC回路部に、くじ抽選のための複数の抽選番号を記憶している。くじ抽選が実行される際には(あるいはくじ抽選結果との照合を行う際には)、無線タグ情報読み取り装置を用いてこの無線タグより情報読み取りが行われ、複数の抽選番号が読み取られる。そして、各抽選番号ごとに、当選したかどうかの当否が判定される。このようにして、複数の抽選番号の当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの抽選番号識別子しか記憶されない場合に比べ、容易かつ迅速にくじ抽選の当選確認を実行することができる。
【0016】
第5発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記選抜参加用識別子に関する有効期間情報を、記憶保持することを特徴とする。
【0017】
これにより、現在の時間情報(期日、時間等)と有効期間との対比において種々の処理が可能となる。例えば有効期間満了が近いものについてはその旨を報知警告することで無線タグの所持者に確実に認識させることができる。また、有効期間が徒過したものについては、選抜処理対象外とすることも可能である。
【0018】
第6発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記複数の選抜参加用識別子を、書き換え不能に記憶保持することを特徴とする。
【0019】
これにより、識別子の書き換えによる不正使用を防止することができる。
【0020】
上記目的を達成するために、第7の発明は、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を記憶保持した無線タグと無線通信により情報送受信を行う読み取り用通信手段と、前記読み取り用通信手段を介し、前記無線タグより前記選抜参加用識別子を取得する取得手段と、前記取得手段を介し取得された前記選抜参加用識別子の、前記所定の選抜処理に対する該当性を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【0021】
本願第7発明においては、無線タグのIC回路部に複数の選抜参加用識別子が記憶されている。選抜処理が実行される際には(あるいは選抜処理結果との照合を行う際には)、無線タグ情報読み取り装置の読み取り用通信手段で無線通信を介して上記無線タグより情報読み取りが行われ、取得手段で複数の識別子が読み取られる。そして、判定手段で、各識別子ごとに、選抜処理の対象となるかどうか(=該当性)の当否が判定される。このようにして、複数の識別子の当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの識別子しか記憶されない場合に比べ、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる。
【0022】
第8発明は、上記第7発明において、前記判定手段による判定結果を報知するための報知信号を出力する判定結果出力手段を有することを特徴とする。
【0023】
これにより、選抜用識別子の当否判定を判定手段で実行後、その判定結果を報知することができる。
【0024】
第9発明は、上記第8発明において、前記読み取り用通信手段は、前記選抜処理の結果の連絡先情報を記憶保持した前記無線タグと情報送受信を行い、前記判定結果出力手段は、前記判定結果を、前記連絡先情報に対応した連絡先へ報知するための判定結果報知信号を出力することを特徴とする。
【0025】
これにより、選抜用識別子の当否判定を判定手段で実行後、その判定結果を対応する連絡先へと出力して報知することができる。したがって、無線タグの所持者は、無線タグ情報読み取り装置では手軽に情報読み取りを行わせ、その後連絡先において当否判定結果を取得することが可能となるため、さらに利便性が向上する。
【0026】
第10発明は、上記第9発明において、前記読み取り用通信手段は、前記選抜参加用識別子に関する有効期間情報を記憶保持した前記無線タグと情報送受信を行い、前記判定手段は、前記有効期間情報が所定条件を満たす前記選抜参加用識別子に対して、前記該当性を判定することを特徴とする。
【0027】
これにより、有効期間が徒過したものについては選抜処理対象外とすることが可能となり、選抜処理の対象期間に一定の制限範囲を設けることができる。
【0028】
第11発明は、上記第10発明において、前記連絡先情報に基づき、前記有効期間情報に基づき有効期間の残余が所定値以下となった前記選抜参加用識別子に対応する前記連絡先に対し、残余期間を報知するための残余期間報知信号を出力する期間情報出力手段を有することを特徴とする。
【0029】
これにより、有効期間満了が近いものについてはその旨を報知警告することで無線タグの所持者に確実に認識させることができる。
【0030】
上記目的を達成するために、第12の発明は、タグ媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し、無線通信を介し情報送受信可能な書き込み用通信手段と、前記書き込み用通信手段を介し、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を前記無線タグ回路素子に書き込む情報書き込み手段とを有することを特徴とする。
【0031】
本願第12発明の無線タグ発行機においては、書き込み用通信手段を介し、タグ媒体に備えられた無線タグ回路素子と無線通信が行われ、情報書き込み手段によって無線タグ回路素子に複数の選抜参加用識別子が書き込まれ、無線タグが発行される。このようにして発行された無線タグに対し、選抜処理が実行される際には(あるいは選抜処理結果との照合を行う際には)、無線タグ情報読み取り装置を用いて無線タグより情報読み取りが行われ、複数の識別子が読み取られる。そして、各識別子ごとに、選抜処理の対象となるかどうか(=該当性)の当否が判定される。このようにして、複数の識別子の当否確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの識別子しか記憶されない場合に比べ、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる。
【0032】
第13発明は、上記第12発明において、前記タグ媒体を搬送する搬送手段と、前記タグ媒体又はこれに貼り合わされる被印字媒体に対し、前記選抜処理の識別情報に対応する所定の印字を行い印刷表示部を形成する印字手段とを備えることを特徴とする。
【0033】
これにより、選抜処理内容等を表示した印刷表示部を備えた無線タグを発行することができる。
【0034】
第14発明は、上記第12又は第13発明において、前記タグ媒体を用いて、前記無線タグとしての有価証券類又はこれに準ずる物品類の発行処理を行うことを特徴とする。
【0035】
これにより、複数の選抜参加用識別子を一括して備えた有価証券等を発行することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、容易かつ迅速にくじ抽選等の選抜処理を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、所定の選抜処理として宝くじを例にとり、その選抜候補としての宝くじ券の発行及び宝くじ券の情報読み取りを行うシステムに本発明を適用した場合の実施形態である。
【0038】
図1は、本実施形態の無線タグ発行・読み取り装置を備えたシステムの全体概略を表すシステム構成図である。
【0039】
図1に示すこの例において、無線タグ発行・読み取り装置3(無線タグ情報読み取り装置;無線タグ発行機)は、無線タグ宝くじ券P(無線タグ)を発行する無線タグ発行機能と、無線タグ宝くじ券Pに記憶した無線タグ情報を読み取る無線タグ情報読み取り機能とを有している。この無線タグ発行・読み取り装置3は、宝くじ販売店に設置されている。また、無線タグ発行・読み取り装置3は、適宜の通信ネットワークNWを介してデータベース6と接続されている。データベース6には、宝くじの種類(選抜処理の識別情報)、宝くじ番号(抽選番号;選抜参加用識別子。例えば後述のように発売時に各機に割り当てるためのもの)、当選発表日、引換有効期間、及び各宝くじ販売店の情報などが格納されている。
【0040】
無線タグ発行・読み取り装置3は、装置本体5と、この装置本体5に接続され、無線タグ宝くじ券Pに記憶されている無線タグ情報を読み取るためのアンテナ(=読み取り用通信手段。この例では平面アンテナ)4とを有している。
【0041】
装置本体5は、無線タグ宝くじ券Pを作成する宝くじタグカード作成部11と、操作者(例えば宝くじ販売店の店員や購入者等)が指示情報や各種データを入力操作するための操作部14と、宝くじの種類などの情報やメッセージを表示する表示部15とを有している。操作部14は、開始スイッチと、後述する3つの処理(新規発券処理、チェック処理、追加購入処理)を選択する選択スイッチとを有している(ともに図示省略)。
【0042】
図2は、無線タグ発行・読み取り装置3の概略を表す機能ブロック図である。この図2において、無線タグ宝くじ券Pには、アンテナ151(タグ側アンテナ)とIC回路部150とで構成される無線タグ回路素子Toが内包されている。
【0043】
無線タグ発行・読み取り装置3の装置本体5は、CPU10と、上記宝くじタグカード作成部11と、上記通信ネットワークNWを介してデータベース6との制御信号及び情報信号の授受の制御を行うネットワーク通信制御部12と、例えばRAMやROM等からなるメモリ13と、上記操作部14と、上記表示部15と、上記平面アンテナ4を介し無線タグ宝くじ券Pとの無線通信の制御を行うRF通信制御部17とを備えている。
【0044】
CPU10は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って、無線タグ宝くじ券Pを新規に購入するための新規発券処理、無線タグ宝くじ券Pを追加購入するための追加購入処理、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに記憶されている宝くじ番号が当選しているかどうかをチェックするチェック処理などを行う。これらの処理については、後で詳述する。
【0045】
図3は、上記装置本体5におけるCPU10、RF通信制御部17、及び平面アンテナ4の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【0046】
この図3において、RF通信制御部17は、上記平面アンテナ4を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(無線タグ情報)へアクセスするものである。CPU10は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするためのアクセス情報を生成する機能を含み、無線タグ発行・読み取り装置3全体の動作を制御するものである。
【0047】
RF通信制御部17は、平面アンテナ4を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、平面アンテナ4により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
【0048】
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(読み取り又は書き込み)ための搬送波を発生させる水晶振動子215A、CPU10の制御により所定の周波数の信号を発生させるPLL(Phase Locked Loop)215B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)215Cと、上記CPU10から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU10からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し「TX_ASK信号」の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例ではCPU10からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する可変送信アンプ217とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯、マイクロ波帯、短波帯等の周波数を用いており、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介し平面アンテナ4に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0049】
受信部213は、平面アンテナ4で受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調する受信第1乗算回路218と、その受信第1乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ219と、この第1バンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記平面アンテナ4で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波(反射波)と上記発生された後に移相器227により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算する受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ223と、この第2バンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU10に入力されて処理される。
【0050】
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU10に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態の無線タグ発行・読み取り装置3では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの応答波の復調が行われる。
【0051】
なお、本実施形態では、通信ネットワークNWにケーブル等を使用した有線ネットワークを想定しているが、これに限らず、無線ネットワークを用いてもよく、またこの際、例えば上記RF通信制御部17と周波数帯及び送受信方式の異なるようにしてもよい。
【0052】
図4は、宝くじタグカード作成部11の概略構成を表す概念的説明図である。
【0053】
この図4において、宝くじタグカード作成部11は、無線タグ回路素子Toを所定間隔で備えた宝くじ用テープ(タグ媒体)303を宝くじ用テープロール304(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)に巻回してこの宝くじ用テープ303を連続的に供給するカートリッジ300を着脱可能なカートリッジホルダ308と、この宝くじ用テープロール304から繰り出された宝くじ用テープ303(又はこの宝くじ用テープ303に貼り合わされる図示しない被印字媒体)のうち各無線タグ回路素子Toに対応した所定領域に所定の印字を行い印刷表示部(図示省略)を形成する印字ヘッド(印字手段)305と、無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行うためのアンテナ306(書き込み用通信手段)及び高周波回路301と、入出力インタフェース310を介して上記CPU10等に接続された制御回路302と、宝くじ用テープ303への印字及び無線タグ回路素子Toへの上記情報書き込みが終了した宝くじ用テープ303を所定の長さに切断して上記無線タグ宝くじ券Pとするカッタ307と、印字ヘッド305に対向して設けられ、制御回路302により制御されて宝くじ用テープ303を搬送する搬送装置(搬送手段)309とを有する。
【0054】
高周波回路301及び制御回路302は、詳細な説明を省略するが、前述した上記無線タグ発行・読み取り装置3のRF通信制御部17及びCPU10とほぼ同等の機能を備えるものであり、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へのアクセス情報を作成し、アンテナ306を介して無線タグ回路素子Toへ送信し、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に対して情報書き込みを行う。
【0055】
図5は、上記無線タグ宝くじ券Pに備えられた上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。
【0056】
この図5において、無線タグ回路素子Toは、上述したように無線タグ発行・読み取り装置3の平面アンテナ4と例えばUHF帯、マイクロ波帯、短波帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ151と、このアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0057】
IC回路部150は、タグ側アンテナであるアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部(後述)157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0058】
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記無線タグ発行・読み取り装置3の平面アンテナ4からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、平面アンテナ4より受信された質問波を変調し、アンテナ151より応答波として再送信する。
【0059】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0060】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の速度に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0061】
図6は、上記無線タグ宝くじ券Pの全体概略構造の一例を表す上面図である。
【0062】
この図6において、無線タグ宝くじ券Pは、例えば長方形状のカードであり、前述したように無線タグ回路素子Toを内蔵している。無線タグ宝くじ券Pの表側(上面)には、宝くじの識別情報に対応する所定の印字情報(この例では「サマージャンボ」)Rが印字される印刷表示部Aが設けられている。なお、印字情報Rの印字は必須ではなく、文字でなく図形や符号、あるいは単なる色塗り(無色も可能)や模様等であってもよい。
【0063】
図7は、上記無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに備えられたIC回路部150のメモリ領域を概念的に表す図である。この例では複数種類の宝くじを購入した例を示している。
【0064】
この図7において、上記無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子ToのIC回路部150には、上述した複数種類それぞれの宝くじに係わる宝くじ番号を、各種類の宝くじの識別情報(例えば宝くじ名称。あるいはこれに代わるコード等でもよい)と関連づけて記憶保持するようになっている。すなわち、IC回路部150には、複数(この例では2つの)の宝くじデータ領域M1,M2が設けられている。
【0065】
宝くじデータ領域M1は、(後述のようにして本券所持者が購入した)サマージャンボ宝くじに関する情報を記憶する領域である。宝くじデータ領域M2は、同様に本券所持者が購入したグリーンジャンボ宝くじに関する情報を記憶する領域である。
【0066】
宝くじデータ領域M1,M2のいずれも、図示のように、宝くじ情報である宝くじ識別情報(名称)、宝くじ番号、及び引換有効期間(抽選期限等の有効期間情報)がそれぞれ書き込まれた宝くじ名称領域m1、宝くじ番号領域m2、及び有効期間領域m3を備えている。
【0067】
また、購入者情報である購入者の名前及び連絡先情報(この例ではメールアドレス)がそれぞれ書き込まれた購入者名領域M3及びメールアドレス領域M4を備えている。さらには、登録した宝くじ番号が書き換え不能にロックされているかどうかの情報を書き込まれたロック情報領域M5を備えている。ロック情報領域M5には、上記ロックした旨の情報や適宜の識別子が書きこまれる。
【0068】
図8は、無線タグ発行・読み取り装置3のCPU10によって実行される制御手順を表すフローチャートである。図8において、例えば操作部14の開始スイッチ(前述)が押下されると、このフローが開始される。
【0069】
まず、ステップS5において、操作部14の処理選択スイッチ(前述)により選択入力された処理を判定する。処理選択スイッチにより新規発券が選択入力されたときは、ステップS100において新規発券処理が実行され、処理選択スイッチによりチェックが選択入力されたときは、ステップS200においてチェック処理が実行され、処理選択スイッチにより追加購入が選択入力されたときは、ステップS300において追加購入処理が実行される。
【0070】
図9は、上記ステップS100において実行される新規発券処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0071】
この図9において、まずステップS105において、ネットワーク通信制御部12を介して上記データベースへアクセスし、現在発売中の宝くじの種類をリストアップして、表示部15に表示信号を出力し表示させる。
【0072】
次にステップS110に移り、上記表示部15での表示に対応し、現在発売中の宝くじの中から、購入者が購入を希望する宝くじの種類が操作部14により選択入力されたかどうかを判定する。操作者(宝くじ販売店の店員)が宝くじの種類を選択入力操作するまで本ステップS110を繰り返し、宝くじの種類が選択入力された場合には判定が満たされ、ステップS115へ移る。
【0073】
ステップS115では、上記ステップS105でのデータベース6へのアクセス時に取得した情報に基づき表示部15に表示信号を出力する。そして、宝くじの名称、(当機で購入可能な)宝くじ番号、及び当選発表日等を含む宝くじデータと、宝くじの種類別購入枚数(連番購入、バラ購入の別も含む)等を含む購入情報入力欄等と、購入者の名前、メールアドレス等のユーザー情報入力欄とを、表示部15に表示させる。
【0074】
次にステップS120において、表示部15に表示された上記購入情報入力欄及びユーザー情報の入力欄に、操作部14により宝くじ購入枚数やユーザー情報等が入力されたかどうかを判定する。操作者が各情報を入力操作するまで本ステップS120を繰り返し、情報が入力された場合には判定が満たされ、ステップS125へ移る。
【0075】
ステップS125では、宝くじタグカード作成部11(図4参照)の制御回路302に対して制御信号を出力し、高周波回路301及びアンテナ306を介して、宝くじ用テープ303に備えられている無線タグ回路素子Toに対して上記ステップS120で取得したユーザー情報、及び、ステップS110で選択されステップS120で枚数が決定された宝くじの種類及び当該枚数分の宝くじ番号(データベースより割り振ってもらう)等の宝くじデータ(当選発表日や引き替え有効期間等を含んでもよい)を書き込む。また、制御回路302に対して制御信号を出力し、印字ヘッド105によって上記無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報に対応した印字情報Rの印字を行う。
【0076】
そして次のステップS130において、宝くじタグカード作成部11の制御回路302に対して制御信号を出力し、高周波回路301及びアンテナ306を介して、宝くじ用テープ303の無線タグ回路素子Toに対し所定の照合確認信号を送信し、対応する応答信号を受信して取り込む。この応答信号に基づき、ステップS125で無線タグ回路素子Toに書き込むために送信した情報と上記応答信号に含まれる情報(実際に無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報)とが一致しているかどうかの照合確認(ベリファイ)処理を行う。
【0077】
両者が一致している場合には、ステップS130の判定が満たされ、ステップS135において適宜の精算処理(例えば表示部15に表示信号を出力して合計支払金額を表示し、対応する金額が入金されたことの確認操作信号が操作部14より入力されたかを判定する)を行った後、ステップS140に移る。一方、両者が一致していない場合にはステップS130の判定が満たされず、ステップS145において表示部15に表示信号を出力してエラー表示させた後、本フローを終了する。
【0078】
ステップS140では、宝くじタグカード作成部11の制御回路302に対して制御信号を出力し、高周波回路301及びアンテナ306を介して、宝くじ用テープ303の無線タグ回路素子Toに対し所定の書き換え禁止指令(ロック指令)を送信し、宝くじ用テープ303の無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報(宝くじデータやユーザー情報)を書き換え禁止(ロック)にする。これにより、宝くじデータやユーザー情報が無線タグ回路素子Toに書き換え不能に記憶保持されることとなる。
【0079】
そして次のステップS150において、宝くじタグカード作成部11の制御回路302に対し制御信号を出力し、搬送装置309で搬送した後の所定の位置にてカッタ307により宝くじ用テープ303を切断させて、1つの無線タグ回路素子Toを備えた無線タグ宝くじ券(宝くじタグ)Pを作成し、本フローを終了する。
【0080】
図10は、上記ステップS200において実行されるチェック処理(当選チェック処理)の詳細手順を表すフローチャートである。
【0081】
この図10において、まずステップS205において、表示部15に表示信号を出力し、「宝くじタグを置いて下さい」旨を表示させる。
【0082】
次にステップS210に移り、平面アンテナ4上に無線タグ宝くじ券Pが置かれることで無線タグ宝くじ券Pが検出されたか否かを判定する。無線タグ宝くじ券Pの検出方法としては、例えばRF通信制御部17及びアンテナ4を介して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対して応答を要求する問合せ信号を送信し、それに対して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toからの応答信号がアンテナ4で受信されたかどうかを判定することにより行えば足りる。操作者(購入客又は宝くじ販売店の店員等)が平面アンテナ4上に無線タグ宝くじ券Pを置き検出されるまで本ステップS210を繰り返し、無線タグ宝くじ券Pが検出された場合には判定が満たされ、ステップS215へ移る。
【0083】
ステップS215では、上記ステップS210で無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toから受信した応答信号より、当該無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持されていたユーザー情報(上記ステップS120参照)を抽出し取得する。あるいはステップS210とは別にもう一度情報要求信号を無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに送信し、ユーザー情報を含む応答信号を受信するようにしてもよい。
【0084】
そしてステップS220において、ステップS215で無線タグ宝くじ券Pから読み取ったユーザー情報が正しいものであるかどうかの照合を行う。この照合方法としては、例えば無線タグ宝くじ券Pを購入した購入者の名前やメールアドレス等を操作部14により入力させ、この入力データと無線タグ宝くじ券Pから読み取ったユーザー情報とが一致するかどうかを確認することにより行う。あるいは、過去にいずれかの売場(あるいは当該売場のみでもよい)より発券された無線タグ宝くじ券Pのユーザー情報がすべて上記データベース6に格納されており、読み取ったユーザー情報がデータベース6に格納されたものであるかどうか(不正に書き込まれたものでないか)を判定するようにしてもよい。
【0085】
ユーザー情報が正しいものでない場合には判定が満たされず、ステップS235において表示部15に表示信号を出力してエラー表示させた後、後述のステップS270に移る。一方、ユーザー情報が正しいものである場合には、ステップS220の判定が満たされ、次のステップS225に移る。ステップS225では、RF通信制御部17及びアンテナ4を介して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対して情報要求信号を送信し、無線タグ回路素子Toに記憶保持されている宝くじデータ(図7の宝くじデータ領域M1,M2に記憶されている情報であり、宝くじ種類情報、各種類別の宝くじ番号等を含む)を平面アンテナ4を介して読み取り、ステップS240に移る。
【0086】
ステップS240では、表示部15に表示信号を出力してステップS225で読み取った宝くじの種類を表示部15に表示させ、ステップS245に移る。
【0087】
ステップS245では、データベース6へのアクセス結果に基づき、上記ステップS240で表示部15に表示させた種類の宝くじの当選発表が既にあったかどうかを判断する。当該宝くじの当選発表が既にあった場合には、判定が満たされ、ステップS247に移る。当該宝くじの当選発表が未だ行われていない場合にはステップS245の判定が満たされず、ステップS255に移り、上記データベース6へのアクセス結果に基づき、表示部15に表示信号を出力して「○月○日に当選発表します」旨を表示させ、後述のステップS270に移る。
【0088】
ステップS247では、無線タグ宝くじ券Pに記憶保持されている宝くじ番号の中で引換有効期間中の宝くじがあるかどうかを判断する(図7の有効期間領域m3参照)。引換有効期間中の宝くじがない場合には、後述のステップS270に移る。引換有効期間中の宝くじがある場合には、ステップS250に移り、データベース6へのアクセス結果に基づき、表示部15に表示された種類の宝くじの中に当選した宝くじ番号があるかどうかを判断する。このように引換有効期間が徒過したものについては、当選確認の対象外とすることで、宝くじの当選確認対象期間に一定の制限範囲を設けることができる。
【0089】
ステップS250において、当選した宝くじ番号がある場合には、判定が満たされてステップS260に移り、表示部15に表示信号(報知信号)を出力して「当選しています」旨を表示させる。一方、当選した宝くじ番号がない場合は判定が満たされず、ステップS265において、表示部15に表示信号(報知信号)を出力して「残念でした」旨を表示させる。
【0090】
前述したように、ステップS260、ステップS265、ステップS255、ステップS235が終了した場合と、上記ステップS247の判定が満たされなかった場合は、ステップS270に移る。このステップS270では、表示部15に表示信号を出力し「宝くじタグを取って下さい」旨を表示させ、本フローを終了する。
【0091】
図11は、上記ステップS300において実行される追加購入処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0092】
この図11において、ステップS305、ステップS310、ステップS315、ステップS320は、前述のステップS205、ステップS210、ステップS215、ステップS220と同様である。
【0093】
すなわち、表示部15に「宝くじタグを置いて下さい」旨を表示させ、平面アンテナ4上の無線タグ宝くじ券Pが検出されたか否かを判定し、判定が満たされたら、無線タグ回路素子Toからの応答信号よりユーザー情報を取得する。そしてステップS320で読み取ったユーザー情報が正しいものであるかどうかの照合を行う。
【0094】
ユーザー情報が正しいものでない場合には、ステップS320の判定が満たされず、ステップS330で表示部15に表示信号を出力してエラー表示させた後、後述のステップS385に移る。ユーザー情報が正しいものである場合にはステップS320の判定が満たされ、次のステップS325に移る。
【0095】
ステップS325では、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに新たに書き込む追記領域があるかどうかを判定する。この判定は、ステップS310やステップS315における無線タグ回路素子Toからの応答信号より判定してもよい(応答信号中にメモリ残量情報又はメモリ消費情報等が含まれるようにして、それらの情報を取得して判定する)。あるいは、別にもう一度情報要求信号を無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに送信し、それらの情報を含む応答信号を受信するようにしてもよい。
【0096】
上記ステップS325において、無線タグ回路素子Toに十分な追記領域がない場合には判定が満たされず、ステップS345において、表示部15に「満杯です。新しいカードをお求め下さい」旨を表示させ、後述のステップS385へ移る。一方、上記ステップS325おいて、無線タグ回路素子Toに十分な追記領域があった場合は判定が満たされ、ステップS335において、上記ステップS105と同様にして現在発売中の宝くじの種類をリストアップして表示部15に表示させ、次のステップS340へ移る。
【0097】
ステップS340では、上記ステップS110と同様、購入者が購入を希望する宝くじの種類が操作部14により選択入力されたかどうかを判定する。宝くじの種類が選択入力された場合には判定が満たされ、ステップS350へ移る。
【0098】
ステップS350では、上記ステップS115と同様、データベース6へのアクセス結果に基づき表示部15に表示信号を出力し、宝くじの名称、(当機で購入可能な)宝くじ番号、及び当選発表日等を含む宝くじデータと、宝くじの種類別購入枚数(連番購入、バラ購入の別も含む)等を含む購入情報入力欄を、表示部15に表示させる。なお、この追加購入では、無線タグ宝くじ券Pに既に購入者の名前やメールアドレス等のユーザー情報は記録されている(図7の購入者名領域M3やメールアドレス領域M4参照)ため、ステップS115と異なりこれらのユーザー情報入力欄は表示しない。
【0099】
次に、ステップS355において、表示部15に表示された上記購入情報入力欄(種類別購入枚数等)に、操作部14により入力されたかどうかを判定する。操作者が入力操作するまで本ステップS355を繰り返し、入力が行われた場合には判定が満たされ、ステップS360へ移る。
【0100】
ステップS360では、RF通信制御部17及び平面アンテナ4を介し、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対し、ステップS340で選択されステップS355で枚数が決定された(追加購入に係る)宝くじの種類及び当該枚数分の宝くじ番号(データベースより割り振ってもらう)等の宝くじデータ(当選発表日や引き替え有効期間等を含んでもよい)を書き込む。
【0101】
そして次のステップS365において、RF通信制御部17及び平面アンテナ4を介して、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対し所定の照合確認信号を送信し、対応する応答信号を受信して取り込む。この応答信号に基づき、ステップS360で無線タグ回路素子Toに書き込むために送信した情報と上記応答信号に含まれる情報(実際に無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報)とが一致しているかどうかの照合確認(ベリファイ)処理を行う。
【0102】
両者が一致している場合には、ステップS365の判定が満たされ、ステップS370において適宜の精算処理(例えば表示部15に表示信号を出力して合計支払金額を表示し、対応する金額が入金されたことの確認操作信号が操作部14より入力されたかを判定する)を行った後、ステップS375に移る。一方、両者が一致していない場合にはステップS365の判定が満たされず、ステップS380において表示部15に表示信号を出力してエラー表示させた後、本フローを終了する。
【0103】
ステップS375では、RF通信制御部17及び平面アンテナ4を介して、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対し所定の書き換え禁止指令(ロック指令)を送信し、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに書き込まれた宝くじデータを書き換え禁止(ロック)にする。これにより、宝くじデータが無線タグ回路素子Toに書き換え不能に記憶保持されることとなる。
【0104】
そして次のステップS385において、上記ステップS270と同様、表示部15に制御信号を出力して「宝くじを取って下さい」旨を表示させ、本フローを終了する。
【0105】
以上において、図10のフローにおけるステップS225は、読み取り用通信手段を介し、無線タグより選抜参加用識別子を取得する取得手段を構成する。また、ステップS250は、取得手段を介し取得された選抜参加用識別子の、所定の選抜処理に対する該当性を判定する判定手段を構成する。また、ステップS260及びステップS265は、判定手段による判定結果を報知するための報知信号を出力する判定結果出力手段を構成する。
【0106】
また、図9のフローのステップS125と図11のステップS360とは、それぞれ、書き込み用通信手段を介し、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を無線タグ回路素子に書き込む情報書き込み手段を構成する。
【0107】
以上のように本実施形態においては、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に宝くじの種類及び宝くじ番号等の宝くじデータが書き込まれた無線タグ宝くじ券Pを発行する。このような無線タグ宝くじ券Pに対し、宝くじの当選確認を行う際には、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに登録された複数の宝くじ番号(その後の追加購入分も含む)が読み取られ、各宝くじ番号ごとに当選か否かの判定が行われる。このようにして、複数の宝くじ番号の当選確認を一度の情報読み取りによって実行することができるので、1つの無線タグに1つの宝くじ番号しか記憶されない場合に比べ、宝くじ番号の当選確認を容易かつ迅速に実行することができる。このとき、複数種類の宝くじに関わる複数の宝くじ番号についても、その当選確認を一度の情報読み取りによって実行することができる。
【0108】
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の有効期間領域m3に宝くじの引換有効期間情報を記憶することにより、有効期間が徒過したものについては、当選確認の対象外とすることができる(ステップS247参照)。また、有効期間満了が近いものについては、その旨を無線タグ宝くじ券Pの所有者に報知警告することも可能となる(後述の変形例における図14のフローのステップS439参照)。
【0109】
またIC回路部150には、購入者情報である購入者の名前及び連絡先情報(この例ではメールアドレス)がそれぞれ書き込まれた購入者名領域M3及びメールアドレス領域M4を備えている。
【0110】
また、本実施形態では特に、IC回路部150への情報書き込み時に、宝くじ番号を書き換え不能にロックしている(ステップS145及びステップS375参照)。これにより、宝くじ番号等の書き換えによる不正使用を防止することができる。
【0111】
なお、本実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0112】
(1)無線タグ宝くじ券の情報読み取りをゲートで行う場合
上記実施形態では、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに記憶されている情報読み取りを、宝くじ売り場に設置されている無線タグ発行・読み取り装置3により行うようにしたが、本発明はこれに限られず、専用のゲートに情報読み取り機能を持たせてもよい(あるいは別用途のゲートに読み取り機能を併設してもよい)。
【0113】
図12は、本変形例による情報読み取り機能を有するゲートの概略構造を表す斜視図である。この図12において、ゲート200(無線タグ情報読み取り装置)は、例えば上述した無線タグ発行・読み取り装置3を備えた宝くじ売り場に隣接した場所に設置されるものである。
【0114】
この図12において、ゲート200は、無線タグ宝くじ券Pの所持者Mが通行可能な通路201と、この通路201の両側に立設されたガイド202A,202Bと、ガイド202Aに取り付けられ、所持者Mが所持する無線タグ宝くじ券Pに備えられる無線タグ回路素子Toに対し無線通信により情報の送受信を行うアンテナ203(読み取り用通信手段)とを備えている。
【0115】
図13は、ゲート200の概略機能を表す機能ブロック図である。
【0116】
この図13において、ゲート200は、CPU205と、例えばRAMやROM等からなるメモリ206と、上記アンテナ203を介し無線タグ宝くじ券Pに備えられた上記無線タグ回路素子Toとの無線通信による情報送受信を行うためのRF通信制御部207とを備えている。CPU205は、図示しない有線又は無線通信回線により前述のデータベス6に接続されており、無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに記憶されている宝くじ番号が当選したかどうかをチェックするチェック処理などを行う。
【0117】
図14は、上記CPU205により実行されるチェック処理(当選チェック処理)の詳細手順を表すフローチャートである。
【0118】
この図14において、まずステップS405において、無線タグ宝くじ券Pが検出されたかどうかを判断する。無線タグ宝くじ券Pの検出方法は、例えば上述した図10に示すステップS210と同様である。すなわち、RF通信制御部207及びアンテナ203を介して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対して応答を要求する問合せ信号を送信し、それに対して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toからの応答信号がアンテナ203で受信されたかどうかを判定することにより行う。所有者Mが無線タグ宝くじ券Pをアンテナ203に近づけることで無線タグ宝くじ券Pが検出されるまで本ステップS405を繰り返し、無線タグ宝くじ券Pが検出された場合には判定が満たされ、ステップS410へ移る。
【0119】
ステップS410では、上記図10のステップS210と同様、上記ステップS405で無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toから受信した応答信号より、当該無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持されていたユーザー情報(メールアドレスを含む)を抽出し取得する。あるいは前述と同様、別にもう一度情報要求信号を無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに送信し、ユーザー情報を含む応答信号を受信するようにしてもよい。
【0120】
そしてステップS415において、上記ステップS220と同様にして、無線タグ宝くじ券Pから読み取ったユーザー情報が正しいものであるかどうかの照合を行う。
【0121】
ユーザー情報が正しいものでない場合には判定が満たされず、ステップS405に戻って同様の手順を繰り返す。一方、ユーザー情報が正しいものである場合には、ステップS415の判定が満たされ、次のステップS420に移る。ステップS420では、上記ステップS225と同様、RF通信制御部207及びアンテナ203を介して無線タグ宝くじ券Pの無線タグ回路素子Toに対して情報要求信号を送信し、無線タグ回路素子Toに記憶保持されている宝くじデータをアンテナ203を介して読み取り、ステップS435に移る。
【0122】
ステップS435では、上記ステップS245と同様、データベース6へのアクセス結果に基づき、上記ステップS420で読み取った宝くじ番号について当選発表が既にあったかどうかを判断する。当該宝くじの当選発表があった場合には判定が満たされ、ステップS437に移る。当該宝くじの当選発表が未だ行われていない場合にはステップS435の判定が満たされずステップS445に移り、当選発表日を所有者Mのメールアドレス先(上記ステップS410で取得済)に対して報知するためのメールデータを作成し、後述するステップS460に移る。
【0123】
ステップS437では、上記ステップS247と同様、無線タグ宝くじ券Pに登録されている宝くじ番号の中で引換有効期間中の宝くじがあるかどうかを判断する。引換有効期間中の宝くじがない場合には、後述のステップS460に移る。引換有効期間中の宝くじがある場合には、ステップS439に移り、引換有効期間の残余期間を所有者Mのメールアドレス先に対して報知するためのメールデータを作成し、ステップS440に移る。これにより、例えば引換有効期間満了が近いものについてはその旨を所有者Mに報知警告し、確実に認識させることができる。なお、引換有効期間の残余が所定値以下である場合のみ、そのようなメールデータを作成しても良い。
【0124】
ステップS440では、上記ステップS245と同様、データベース6へのアクセス結果に基づき、ステップS420で取得した宝くじ番号の中で当選した番号があるかどうかを判断する。
【0125】
上記ステップS440において当選した宝くじ番号がある場合には判定が満たされ、次のステップS450において、当選した旨の情報を所有者Mのメールアドレス先に対して報知するためのメールデータを作成し、ステップS460に移る。一方、当選した宝くじ番号がない場合は判定が満たされず、ステップS455において、はずれた旨の情報を所有者Mのメールアドレス先に対して報知するためのメールデータを作成し、ステップS460に移る。
【0126】
前述したように、ステップS450、ステップS455、ステップS445が終了した場合と、上記ステップS437の判定が満たされなかった場合は、ステップS460に移る。このステップS460では、データベース6へのアクセス結果に基づき、未購入や未発売の宝くじの広告を所有者Mのメールアドレス先に対して報知するためのメールデータを作成する。そして、次のステップS465において、ステップS430、ステップS445、ステップS450、ステップS455、ステップS460等で作成された各メールデータ(判定結果報知信号を含む)を前述の通信回線を介し所有者Mのメールアドレス先に対して送信し、ステップS405に戻って同様の手順を繰り返す。
【0127】
以上において、図14のフローにおけるステップS420は、読み取り用通信手段を介し、無線タグより選抜参加用識別子を取得する取得手段を構成する。またステップS440は、取得手段を介し取得された選抜参加用識別子の、所定の選抜処理に対する該当性を判定する判定手段を構成する。またステップS450、ステップS455、ステップS465は、判定手段による判定結果を報知するための報知信号を出力する判定結果出力手段を構成する。
【0128】
また、上記ステップS430、ステップS465は、連絡先情報に基づき、有効期間情報に基づき有効期間の残余が所定値以下となった選抜参加用識別子に対応する連絡先に対し、残余期間を報知するための残余期間報知信号を出力する期間情報出力手段を構成する。
【0129】
本変形例によれば、宝くじ番号が当選したかどうかの判定を実行した後、その判定結果を無線タグ宝くじ券Pの所有者Mの連絡先にメールにより報知する。従って、無線タグ宝くじ券Pの所持者Mは、ゲート200に対し手軽に情報読み取りを行わせ、その後連絡先において抽選結果を取得することができる。このように宝くじ売り場に居なくても宝くじ当選結果を知ることができるため、利便性が向上する。
【0130】
(2)その他
上記実施形態では、無線タグ宝くじ券Pの発行と無線タグ宝くじ券Pの情報読み取りを1つの無線タグ発行・読み取り装置3で行うようにしたが、本発明はこれに限られず、これらを別々の装置(無線タグ発行機及び無線タグ情報読み取り装置)で行うようにしてもよい。
【0131】
また、上記実施形態は、選抜処理としての宝くじに本発明を適用し、無線タグ宝くじ券Pとして発行するものであったが、これに限られない。すなわち、選抜処理として宝くじ以外の福引き等やビンゴゲーム等の抽選・選抜処理に適用し対応する(宝くじ以外の)有価証券類(プリペードカードや各種金券・チケット等)又はこれに準ずる物品類(会員カード、スタンプカード等)の発行を行うようにしてもよい。
【0132】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の一実施形態の無線タグ発行・読み取り装置を備えたシステムの全体概略を表すシステム構成図である。
【図2】無線タグ発行・読み取り装置の概略機能を表す機能ブロック図である。
【図3】CPU、RF通信制御部、及び平面アンテナの詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図4】宝くじタグカード作成部の概略構成を表す概念的説明図である。
【図5】無線タグ宝くじ券に備えられた無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【図6】無線タグ宝くじ券の全体概略構造の一例を表す上面図である。
【図7】無線タグ宝くじ券の無線タグ回路素子に備えられたIC回路部のメモリ領域を概念的に表す図である。
【図8】CPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図9】図8中ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【図10】図8中ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図11】図8中ステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。
【図12】情報読み取り機能を有するゲートの概略構造を表す斜視図である。
【図13】ゲートの概略機能を表す機能ブロック図である。
【図14】CPUにより実行されるチェック処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0134】
3 無線タグ発行・読み取り装置(無線タグ発行機;無線タグ
情報読み取り装置)
4 平面アンテナ(読み取り用通信手段)
150 IC回路部
151 アンテナ(タグ側アンテナ)
200 ゲート(無線タグ情報読み取り装置)
203 アンテナ(読み取り用通信手段)
303 タグテープ(タグ媒体)
305 印字ヘッド(印字手段)
306 アンテナ(書き込み用通信手段)
309 搬送装置(搬送手段)
A 印刷表示部
P 無線タグ宝くじ券(無線タグ)
To 無線タグ回路素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部、及び、このIC回路部に接続されるタグ側アンテナを備えた無線タグ回路素子を有する無線タグであって、
前記無線タグ回路素子の前記IC回路部は、
所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を、記憶保持することを特徴とする無線タグ。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
複数の前記選抜処理に係わる前記選抜用識別子を、各選抜処理の識別情報と関連づけて記憶保持することを特徴とする無線タグ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記選抜処理の結果の連絡先情報を記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記所定の選抜処理としてのくじ抽選に参加するための複数の抽選番号を、前記選抜参加用識別子として記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記選抜参加用識別子に関する有効期間情報を、記憶保持することを特徴とする無線タグ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記複数の選抜参加用識別子を、書き換え不能に記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項7】
所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を記憶保持した無線タグと無線通信により情報送受信を行う読み取り用通信手段と、
前記読み取り用通信手段を介し、前記無線タグより前記選抜参加用識別子を取得する取得手段と、
前記取得手段を介し取得された前記選抜参加用識別子の、前記所定の選抜処理に対する該当性を判定する判定手段と
を有することを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項8】
請求項7記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記判定手段による判定結果を報知するための報知信号を出力する判定結果出力手段を有する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項9】
請求項8記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記読み取り用通信手段は、
前記選抜処理の結果の連絡先情報を記憶保持した前記無線タグと情報送受信を行い、
前記判定結果出力手段は、
前記判定結果を、前記連絡先情報に対応した連絡先へ報知するための判定結果報知信号を出力する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項10】
請求項9記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記読み取り用通信手段は、
前記選抜参加用識別子に関する有効期間情報を記憶保持した前記無線タグと情報送受信を行い、
前記判定手段は、
前記有効期間情報が所定条件を満たす前記選抜参加用識別子に対して、前記該当性を判定する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項11】
請求項10記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記連絡先情報に基づき、前記有効期間情報に基づき有効期間の残余が所定値以下となった前記選抜参加用識別子に対応する前記連絡先に対し、残余期間を報知するための残余期間報知信号を出力する期間情報出力手段を有する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項12】
タグ媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し、無線通信を介し情報送受信可能な書き込み用通信手段と、
前記書き込み用通信手段を介し、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を前記無線タグ回路素子に書き込む情報書き込み手段と
を有することを特徴とする無線タグ発行機。
【請求項13】
請求項12記載の無線タグ発行機において、
前記タグ媒体を搬送する搬送手段と、
前記タグ媒体又はこれに貼り合わされる被印字媒体に対し、前記選抜処理の識別情報に対応する所定の印字を行い印刷表示部を形成する印字手段と
を備えることを特徴とする無線タグ発行機。
【請求項14】
請求項12又は請求項13記載の無線タグ発行機において、
前記タグ媒体を用いて、前記無線タグとしての有価証券類又はこれに準ずる物品類の発行処理を行うことを特徴とする無線タグ発行機。
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部、及び、このIC回路部に接続されるタグ側アンテナを備えた無線タグ回路素子を有する無線タグであって、
前記無線タグ回路素子の前記IC回路部は、
所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を、記憶保持することを特徴とする無線タグ。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
複数の前記選抜処理に係わる前記選抜用識別子を、各選抜処理の識別情報と関連づけて記憶保持することを特徴とする無線タグ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記選抜処理の結果の連絡先情報を記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記所定の選抜処理としてのくじ抽選に参加するための複数の抽選番号を、前記選抜参加用識別子として記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記選抜参加用識別子に関する有効期間情報を、記憶保持することを特徴とする無線タグ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記複数の選抜参加用識別子を、書き換え不能に記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項7】
所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を記憶保持した無線タグと無線通信により情報送受信を行う読み取り用通信手段と、
前記読み取り用通信手段を介し、前記無線タグより前記選抜参加用識別子を取得する取得手段と、
前記取得手段を介し取得された前記選抜参加用識別子の、前記所定の選抜処理に対する該当性を判定する判定手段と
を有することを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項8】
請求項7記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記判定手段による判定結果を報知するための報知信号を出力する判定結果出力手段を有する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項9】
請求項8記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記読み取り用通信手段は、
前記選抜処理の結果の連絡先情報を記憶保持した前記無線タグと情報送受信を行い、
前記判定結果出力手段は、
前記判定結果を、前記連絡先情報に対応した連絡先へ報知するための判定結果報知信号を出力する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項10】
請求項9記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記読み取り用通信手段は、
前記選抜参加用識別子に関する有効期間情報を記憶保持した前記無線タグと情報送受信を行い、
前記判定手段は、
前記有効期間情報が所定条件を満たす前記選抜参加用識別子に対して、前記該当性を判定する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項11】
請求項10記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記連絡先情報に基づき、前記有効期間情報に基づき有効期間の残余が所定値以下となった前記選抜参加用識別子に対応する前記連絡先に対し、残余期間を報知するための残余期間報知信号を出力する期間情報出力手段を有する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項12】
タグ媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し、無線通信を介し情報送受信可能な書き込み用通信手段と、
前記書き込み用通信手段を介し、所定の選抜処理における選抜候補として参加するための複数の選抜参加用識別子を前記無線タグ回路素子に書き込む情報書き込み手段と
を有することを特徴とする無線タグ発行機。
【請求項13】
請求項12記載の無線タグ発行機において、
前記タグ媒体を搬送する搬送手段と、
前記タグ媒体又はこれに貼り合わされる被印字媒体に対し、前記選抜処理の識別情報に対応する所定の印字を行い印刷表示部を形成する印字手段と
を備えることを特徴とする無線タグ発行機。
【請求項14】
請求項12又は請求項13記載の無線タグ発行機において、
前記タグ媒体を用いて、前記無線タグとしての有価証券類又はこれに準ずる物品類の発行処理を行うことを特徴とする無線タグ発行機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−242848(P2008−242848A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82761(P2007−82761)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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