説明

無線タグ位置検知システム、無線タグ位置検知装置及び無線タグ

【課題】
本願発明の無線タグ位置検知システムは、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置で1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することを目的とする。
【解決手段】
本発明に係る無線タグ位置検知システムは、1以上の無線タグ位置検知装置及び1以上の無線タグを有しており、無線タグ位置検知装置は、無線タグサーチ信号を無線送信するデータ送信手段と、無線タグの方向を検知する受信信号方向検知手段と、無線タイミング信号を無線送信するタイミング送信手段と、無線タグまでの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段と、無線タグまでの伝搬往復時間から無線タグの位置座標を求める位置座標解析手段と、を備え、無線タグは、自己のIDを確認するID受信手段と、IDを確認すると無線応答信号を無線送信する応答信号送信手段と、無線タイミング信号を無線折り返しタイミング信号として折り返すタイミング信号折り返し手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の無線タグ位置検知装置が1以上の無線タグの位置を検知する無線タグ位置検知システム、及び前記無線タグ位置検知システムに用いる無線タグ位置検知装置と無線タグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線タグ位置検知システムでは、無線タグから無線タグ位置検知装置への無線電波の伝搬往復時間の差に基づいて、無線タグと無線タグ位置検知装置との距離を算出し、三角測量の原理により無線タグの位置を検出していた(例えば、非特許文献1参照。)。三角測量で無線タグの位置を検出するには、3台以上の無線タグ位置検知装置を必要としていた。
【非特許文献1】http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2004/07/0720.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願発明の無線タグ位置検知システムは、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置で1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することを目的とする。
【0004】
また、本願発明は上記無線タグ位置検知システムに用いることのできる無線タグ位置検知装置及び無線タグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明では、無線タグ位置検知装置から無線タグサーチ信号を受信した無線タグからの無線応答信号により無線タグの方向を検出し、さらに無線タグ位置検知装置から無線タイミング信号を送信し、無線タグからの無線折り返しタイミング信号により、無線タグまでの距離を検知することとした。
【0006】
具体的には、本発明に係る無線タグ位置検知システムは、1以上の無線タグ位置検知装置及び1以上の無線タグを有する無線タグ位置検知システムであって、前記無線タグ位置検知装置は、前記無線タグを特定するIDを含む無線タグサーチ信号を無線送信するデータ送信手段と、前記無線タグサーチ信号を無線受信して前記IDで特定された前記無線タグが無線送信した無線応答信号を、無線受信して前記無線タグの方向を検知する受信信号方向検知手段と、前記受信信号方向検知手段の検知した方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号を無線送信するタイミング送信手段と、前記無線タイミング信号を無線受信した前記無線タグが折り返した無線折り返しタイミング信号を、無線受信して前記無線タグまでの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段と、前記受信信号方向検知手段の検知した前記無線タグの方向及び前記時間間隔測定手段の測定した前記無線タグまでの伝搬往復時間から前記無線タグの位置座標を求める位置座標解析手段と、を備え、前記無線タグは、前記無線タグサーチ信号を無線受信して自己のIDを確認するID受信手段と、前記IDを確認すると前記無線応答信号を無線送信する応答信号送信手段と、前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すタイミング信号折り返し手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
データ送信手段により、無線タグ位置検知装置から無線タグを特定するIDを含む無線タグサーチ信号を無線送信することで、特定の無線タグにのみ無線応答信号を送信させることができる。そのため、無線応答信号の到来方向から無線タグの方向を特定することができる。そして、タイミング送信手段により無線タグに向けて無線タイミング信号を送信し、無線タグからの無線折返しタイミング信号により無線タグまでの伝搬往復時間を測定することができる。そのため、無線タグまでの距離を算出することができ、無線タグの方向及び無線タグまでの距離により無線タグの位置座標を解析することができる。これにより、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置で1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【0008】
上記無線タグ位置検知システムにおいて、前記無線タグ位置検知装置は、前記無線タグサーチ信号及び前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線応答信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータを用いた共用アンテナを備えることが望ましい。
【0009】
サーキュレータを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0010】
また、上記無線タグ位置検知システムにおいて、前記無線タグ位置検知装置は、前記無線タグサーチ信号及び前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線応答信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを備えることが望ましい。
【0011】
無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0012】
また、上記無線タグ位置検知システムにおいて、前記受信信号方向検知手段は、前記無線応答信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することが望ましい。
【0013】
無線応答信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信することで、簡易に無線タグから送信される無線応答信号の受信方向を検知することができる。
【0014】
また、上記無線タグ位置検知システムにおいて、前記受信信号方向検知手段は、前記無線応答信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することが望ましい。
【0015】
無線応答信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信することにより、簡易に無線タグから送信される無線応答信号の受信方向を検知することができる。
【0016】
また、本発明に係る無線タグ位置検知装置は、1以上の無線タグの位置を検出する無線タグ位置検知装置であって、前記無線タグを特定するIDを含む無線タグサーチ信号を無線送信するデータ送信手段と、前記無線タグサーチ信号を無線受信して前記IDで特定された前記無線タグが無線送信した無線応答信号を、無線受信して前記無線タグの方向を検知する受信信号方向検知手段と、前記受信信号方向検知手段の検知した方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号を無線送信するタイミング送信手段と、前記無線タイミング信号を無線受信した前記無線タグが折り返した無線折り返しタイミング信号を、無線受信して前記無線タグまでの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段と、前記受信信号方向検知手段の検知した前記無線タグの方向及び前記時間間隔測定手段の測定した前記無線タグまでの伝搬往復時間から前記無線タグの位置座標を求める位置座標解析手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
データ送信手段により、無線タグ位置検知装置から無線タグを特定するIDを含む無線タグサーチ信号を無線送信することで、特定の無線タグにのみ無線応答信号を送信させることができる。そのため、他の無線タグとの競合を避け、無線応答信号の到来方向から無線タグの方向を特定することができる。そして、タイミング送信手段により無線タグに向けて無線タイミング信号を送信し、無線タグからの無線折返しタイミング信号により無線タグまでの伝搬往復時間を測定することができる。そのため、無線タグまでの距離を算出することができ、無線タグの方向及び無線タグまでの距離により無線タグの位置座標を解析することができる。これにより、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置で1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【0018】
上記無線タグ位置検知装置において、前記無線タグサーチ信号及び前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線応答信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータを用いた共用アンテナを備えることが望ましい。
【0019】
サーキュレータを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0020】
また、上記無線タグ位置検知装置において、前記無線タグサーチ信号及び前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線応答信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを備えることが望ましい。
【0021】
無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0022】
また、上記無線タグ位置検知装置において、前記受信信号方向検知手段は、前記無線折り返しタイミング信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することが望ましい。
【0023】
無線応答信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信することで、簡易に無線タグから送信される無線応答信号の受信方向を検知することができる。
【0024】
また、上記無線タグ位置検知装置において、前記受信信号方向検知手段は、前記無線折り返しタイミング信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することが望ましい。
【0025】
無線応答信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信することにより、簡易に無線タグから送信される無線応答信号の受信方向を検知することができる。
【0026】
また、本発明に係る無線タグは、1以上の無線タグ位置検知装置から位置検出される無線タグであって、前記無線タグサーチ信号を無線受信して自己のIDを確認するID受信手段と、前記IDを確認すると前記無線応答信号を無線送信する応答信号送信手段と、前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すタイミング信号折り返し手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
ID受信手段により、自己のIDを確認することで、IDと一致する無線タグのみが無線応答信号を送信することができる。この無線応答信号から無線タグ位置検知装置に無線タグの方向を検知させることができる。また、タイミング信号折り返し手段により無線折り返しタイミング信号を折り返すことにより、無線タグ位置検知装置に無線タグまでの距離を算出させることができる。そして、無線タグの方向及び無線タグまでの距離により無線タグの位置座標を無線タグ位置検知装置に解析させることができる。これにより、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置に1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出させることができる。
【0028】
上記無線タグにおいて、前記タイミング信号折り返し手段は、終端点を開放又は短絡した無線アンテナを利用して前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すことが望ましい。
【0029】
終端点を開放又は短絡した無線アンテナを利用することで、簡易に無線タイミング信号を無線折り返しタイミング信号として折り返すことができる。
【0030】
また、上記無線タグにおいて、前記タイミング信号折り返し手段は、少なくとも3端子以上のサーキュレータと、前記サーキュレータの第一の端子に接続された送受共用アンテナと、入力と出力が前記サーキュレータの第二端子と第三端子にそれぞれ接続された増幅器と、を備えることが望ましい。
【0031】
サーキュレータを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。そのため、無線タグ自体のコンパクト化を可能とし、無線タグの利便性を向上させる。
【0032】
また、上記無線タグにおいて、前記タイミング信号折り返し手段は、2つの周波数の無線信号が入出力する第一の端子と2つの周波数のうち一方の周波数の無線信号が入出力する第二の端子と2つの周波数のうち他方の周波数の無線信号が入出力する第三の端子を有する周波数弁別フィルタと、前記周波数弁別フィルタの第一の端子に接続された送受共用アンテナと、前記周波数弁別フィルタの第二の端子に接続された入力端子からの前記一方の周波数の無線信号を前記他方の周波数の無線信号に周波数変換して前記周波数弁別フィルタの第三の端子に出力する周波数変換回路と、を備えることが望ましい。
【0033】
無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。そのため、無線タグ自体のコンパクト化を可能とし、無線タグの利便性を向上させる。
【0034】
また、本発明に係る無線タグ位置検知システムは、1以上の無線タグ位置検知装置及び1以上の無線タグを有する無線タグ位置検知システムであって、前記無線タグ位置検知装置は、前記無線タグの送信する前記無線タグに関する情報を含む無線タグ情報信号を無線受信して前記無線タグの方向を検知する受信信号方向検知手段と、前記受信信号方向検知手段の検知した方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号を無線送信するタイミング送信手段と、前記無線タイミング信号を無線受信した前記無線タグが折り返した無線折り返しタイミング信号を、無線受信して前記無線タグまでの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段と、前記受信信号方向検知手段の検知した前記無線タグの方向及び前記時間間隔測定手段の測定した前記無線タグまでの伝搬往復時間から前記無線タグの位置座標を求める位置座標解析手段と、を備え、前記無線タグは、前記無線タグに関する情報を含む前記無線タグ情報信号を無線送信する情報信号送信手段と、前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すタイミング信号折り返し手段と、を備えることを特徴とする。
【0035】
無線タグ位置検知装置は、無線タグに関する情報を含む無線タグ情報信号を無線受信することにより、特定の無線タグにおいて、イベントが発生したことを検知することができる。また、同時に無線タグの方向を検知することができる。さらに、無線タイミング信号を無線タグに送信して、その折返し信号である無線折り返しタイミング信号から無線タグまでの伝搬往復時間を測定することができる。そのため、無線タグまでの距離を算出することができ、無線タグの方向及び無線タグまでの距離により無線タグの位置座標を解析することができる。これにより、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置でイベントが発生した1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【0036】
上記無線タグ位置検知システムにおいて、前記無線タグ位置検知装置は、無線タイミング信号の無線送信と、無線タグ情報信号及び無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータを用いた共用アンテナを備えることが望ましい。
【0037】
サーキュレータを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0038】
また、上記無線タグ位置検知システムにおいて、前記無線タグ位置検知装置は、無線タイミング信号の無線送信と、無線タグ情報信号及び無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを備えることが望ましい。
【0039】
無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0040】
また、上記無線タグ位置検知システムにおいて、前記受信信号方向検知手段は、前記無線タグ情報信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することが望ましい。
【0041】
無線タグ情報信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信することで、簡易に無線タグから送信される無線タグ情報信号の方向を検知することができる。
【0042】
また、上記無線タグ位置検知システムにおいて、前記受信信号方向検知手段は、前記無線タグ情報信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することが望ましい。
【0043】
無線タグ情報信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信することにより、簡易に無線タグから送信される無線タグ情報信号の方向を検知することができる。
【0044】
また、本発明に係る無線タグ位置検知装置は、1以上の無線タグの位置を検出する無線タグ位置検知装置であって、前記無線タグの送信する前記無線タグに関する情報を含む無線タグ情報信号を無線受信して前記無線タグの方向を検知する受信信号方向検知手段と、前記受信信号方向検知手段の検知した方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号を無線送信するタイミング送信手段と、前記無線タイミング信号を無線受信した前記無線タグが折り返した無線折り返しタイミング信号を、無線受信して前記無線タグまでの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段と、前記受信信号方向検知手段の検知した前記無線タグの方向及び前記時間間隔測定手段の測定した前記無線タグまでの伝搬往復時間から前記無線タグの位置座標を求める位置座標解析手段と、を備えることを特徴とする。
【0045】
無線タグ位置検知装置は、無線タグに関する情報を含む無線タグ情報信号を無線受信することにより、特定の無線タグにおいて、イベントが発生したことを検知することができる。また、同時に無線タグの方向を検知する。さらに、無線タイミング信号を無線タグに送信して、その折返し信号である無線折り返しタイミング信号から無線タグまでの伝搬往復時間を測定することができる。そのため、無線タグまでの距離を算出することができ、無線タグの方向及び無線タグまでの距離により無線タグの位置座標を解析することができる。これにより、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置でイベントが発生した1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【0046】
上記無線タグ位置検知装置において、前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線タグ情報信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータを用いた共用アンテナを備えることが望ましい。
【0047】
サーキュレータを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0048】
また、上記無線タグ位置検知装置において、前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線タグ情報信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを備えることが望ましい。
【0049】
無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0050】
また、上記無線タグ位置検知装置において、前記受信信号方向検知手段は、前記無線タグ情報信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することが望ましい。
【0051】
無線タグ情報信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信することで、簡易に無線タグから送信される無線タグ情報信号の方向を検知することができる。
【0052】
また、上記無線タグ位置検知装置において、前記受信信号方向検知手段は、前記無線タグ情報信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することが望ましい。
【0053】
無線タグ情報信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信することにより、簡易に無線タグから送信される無線タグ情報信号の受信方向を検知することができる。
【0054】
また、本発明に係る無線タグは、1以上の無線タグ位置検知装置から位置検出される無線タグであって、前記無線タグに関する情報を含む前記無線タグ情報信号を無線送信する情報信号送信手段と、前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すタイミング信号折り返し手段と、を備えることを特徴とする。
【0055】
無線タグに関する情報を含む無線タグ情報信号を無線送信することにより、特定の無線タグにおいて、イベントが発生したことを無線タグ位置検知装置に検知させることができる。また、タイミング信号折り返し手段により無線折り返しタイミング信号を折り返すことにより、無線タグまでの距離を無線タグ位置検知装置に算出させることができる。そして、無線タグの方向及び無線タグまでの距離により無線タグの位置座標を無線タグ位置検知装置に解析させることができる。これにより、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置にイベントが発生した1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出させることができる。
【0056】
上記無線タグにおいて、前記タイミング信号折り返し手段は、終端点を開放又は短絡した無線アンテナを利用して前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すことが望ましい。
【0057】
終端点を開放又は短絡した無線アンテナを利用することで、簡易に無線タイミング信号を無線折り返しタイミング信号として折り返すことができる。
【0058】
また、上記無線タグにおいて、前記タイミング信号折り返し手段は、少なくとも3端子以上のサーキュレータと、前記サーキュレータの第一の端子に接続された送受共用アンテナと、入力と出力が前記サーキュレータの第二端子と第三端子にそれぞれ接続された増幅器と、を備えることが望ましい。
【0059】
サーキュレータを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。そのため、無線タグ自体のコンパクト化を可能とし、無線タグの利便性を向上させる。
【0060】
また、上記無線タグにおいて、前記タイミング信号折り返し手段は、2つの周波数の無線信号が入出力する第一の端子と2つの周波数のうち一方の周波数の無線信号が入出力する第二の端子と2つの周波数のうち他方の周波数の無線信号が入出力する第三の端子を有する周波数弁別フィルタと、前記周波数弁別フィルタの第一の端子に接続された送受共用アンテナと、前記周波数弁別フィルタの第二の端子に接続された入力端子からの前記一方の周波数の無線信号を前記他方の周波数の無線信号に周波数変換して前記周波数弁別フィルタの第三の端子に出力する周波数変換回路と、を備えることが望ましい。
【0061】
無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。そのため、無線タグ自体のコンパクト化を可能とし、無線タグの利便性を向上させる。
【発明の効果】
【0062】
本発明に係る無線タグ位置検知システム、無線タグ位置検知装置及び無線タグによれば、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置で1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
以下に、本発明に係る無線タグ位置検知システム、無線タグ位置検知装置及び無線タグについて実施形態を示して詳細に説明するが、本発明は、以下の記載に限定して解釈されない。
【0064】
(第1実施形態)
図1、図2、図3に、本実施形態に係る無線タグ位置検知システムの概略構成図を示す。無線タグ位置検知システム200は、1以上の無線タグ位置検知装置100及び1以上の無線タグ101、102、103を有する。なお、本実施形態では、無線タグ位置検知装置が1つ、無線タグが3つの形態を示しているが、無線タグ位置検知装置及び無線タグは共に1以上設けられている。
【0065】
ここで、本実施形態に係る無線タグ位置検知システム200での信号の流れの概要について説明する。
【0066】
まず、図1において、無線タグ位置検知装置100は、無線タグ101、102、103のうち1つを特定するIDを含む無線タグサーチ信号50を無線送信する。ここでは、無線タグサーチ信号50には無線タグ101を特定するIDを含むこととする。無線タグ101は、無線タグサーチ信号50を無線受信して自己のIDを確認する。ここで無線タグ101、102、103を特定するIDとは、例えば、無線タグ101、102、103についてそれぞれ付された番号、無線タグ101、102、103の種類(形、重さ、大きさ等の種類)、無線タグが取り付けられたものの種類等の無線タグ101、102、103をそれぞれ特定できる情報を意味する。
【0067】
次に、無線タグサーチ信号50(図1)を受信してIDで特定された無線タグ101は、IDを確認すると図2に示すように無線タグ位置検知装置100に向けて無線応答信号51を送信する。無線タグ位置検知装置100は、無線タグ101が送信した無線応答信号51を無線受信して無線タグ101の方向を検知する。
【0068】
次に、無線タグ位置検知装置100は、図3に示すように、検知した無線タグ101の方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号52aを無線送信する。そして、無線タイミング信号52aを無線受信した無線タグ101が折り返した無線折り返しタイミング信号52bを、無線受信して無線タグ101までの伝搬往復時間を測定する。
【0069】
以上説明した信号の流れにより、無線タグ位置検知装置100は、無線タグ101の方向を検知し、さらに無線タグ101までの距離を算出することができ、無線タグ101の方向及び無線タグ101までの距離により無線タグ101の位置座標を解析することができる。従って、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置で1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【0070】
次に、無線タグ位置検知装置及び無線タグの具体的な構成について説明する。
【0071】
図4に本実施形態に係る無線タグ位置検知装置の概略構成図を示す。
【0072】
図4に示す無線タグ位置検知装置100は、図1に示す無線タグ101を特定するIDを含む無線タグサーチ信号50を無線送信するデータ送信手段として、無線タグ101を特定するIDを生成するデータ送信部25と、送信ビーム制御部31から所定の振幅・位相を与えられ、データ送信部25からスイッチ38を介して送信されたIDを無線タグサーチ信号として合成する送信ビーム合成部27と、送信ビーム合成部27で分岐した無線タグサーチ信号をアンテナ28のそれぞれのアンテナ素子28a〜28dに出力するサーキュレータ33a〜33dと、を有する。
【0073】
ここで、無線タグサーチ信号50は、アンテナ28から全方向に向けて送信するため、1又は3以上のアンテナ素子(例えば、アンテナ素子28aのみ、或いはアンテナ素子28a、28b、28c)によって送信することが望ましい。
【0074】
また、無線タグ位置検知装置100は、図2に示すIDで特定された無線タグ101が無線送信した無線応答信号51を、無線受信して無線タグ101の方向を検知する受信信号方向検知手段として、無線タグ101からの無線応答信号51を受信するアンテナ28と、アンテナ28で受信し、サーキュレータ33から出力されたそれぞれの無線応答信号51に所定の位相・振幅を与えて合成する受信ビーム合成部29と、受信ビーム合成部29で用いられる所定の位相から無線応答信号51の受信方向を検知する受信ビーム制御部32と、受信ビーム合成部29からスイッチ39を介して無線応答信号51を受信するデータ受信部30と、を有する。
【0075】
ここで、受信ビーム制御部32は、例えば無線応答信号51に位相差を連続的に変化させて与えて信号強度が最大となったときの位相差から、無線応答信号51の受信方向を特定することができる。例えば、アンテナ素子28a〜28dを一列に並べたアンテナ28の場合にはアンテナ素子28a〜28dの列に対して垂直方向の受信角度を特定できる。この場合、いずれの側からの到来波であるかを特定することはできないため、アンテナ28は壁際に配置して無線信号の受信方向を特定することが望ましい。一方、アンテナ素子28a〜28dを一列ではなく、平面状に配置すると無線信号の受信方向について全方向で特定可能となる。
【0076】
このように、データ送信手段により、無線タグ位置検知装置100から無線タグ101を特定するIDを含む無線タグサーチ信号50を無線送信することで、特定の無線タグ101にのみ無線応答信号51を送信させることができる。そのため、無線応答信号51の到来方向から無線タグ101の方向を特定することができる。
【0077】
また、無線タグ位置検知装置100は、受信信号方向検知手段の検知した方向に図3に示す無線タイミング信号52aを無線送信するタイミング送信手段として、タイミング信号を生成するタイミング送信部23を有する。ここで、タイミング送信部23で生成されたタイミング信号は、送信ビーム合成部27を介してアンテナ28から送信する。タイミング信号は、送信ビーム合成部27から与えられる位相によって送信方向を決定して無線タグ101に向けて送信する。また、タイミング送信部23は、伝搬往復時間を測定するために、タイミング信号をスイッチ38を介して送信ビーム合成部27に送信すると共に、送信開始時間を時間間隔測定部24に送信する。
【0078】
また、無線タグ位置検知装置100は、図3に示す無線タグ101から折り返された無線折り返しタイミング信号52bを、無線受信して無線タグ101までの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段として、無線折り返しタイミング信号52bをアンテナ28から受信ビーム合成部29を介して受信するタイミング受信部37と、タイミング受信部37が受信した折返しタイミング信号52bの受信時間を受信し、タイミング送信部23から送信される送信開始時間と受信時間とから伝搬往復時間を測定する時間間隔測定部24と、を有する。
【0079】
また、無線タグ位置検知装置100は、受信信号方向検知手段の検知した無線タグ101(図3)の方向及び時間間隔測定手段の測定した無線タグ101までの伝搬往復時間から無線タグ101の位置座標を求める位置座標解析手段としての位置座標解析部35を有する。
【0080】
ここで、無線タグ位置検知装置100と無線タグ101との距離は、伝搬往復時間を2で除算し、光速cを掛け合わせたものとして算出することができる。
【0081】
このように、タイミング送信手段により図3に示す無線タグ101に向けて無線タイミング信号52aを送信し、無線タグ101からの無線折り返しタイミング信号52bにより無線タグ101までの伝搬往復時間を測定することができる。そのため、無線タグ101までの距離を算出することができ、無線タグ101までの距離と図2に示す無線応答信号51により検知した無線タグ101の方向とから無線タグ101の位置座標を解析することができる。従って、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置100で1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【0082】
また、本実施形態では、無線タグサーチ信号及び無線タイミング信号の無線送信と、無線応答信号及び無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータ33を用いた共用アンテナ28を備えている。
【0083】
このように、サーキュレータ33を用いた共用アンテナ28を適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0084】
また、上記の受信信号方向検知手段は、図2に示す無線応答信号51をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、無線タグ101の方向を検知することが望ましい。
【0085】
無線応答信号51をフェーズドアレイアンテナにより無線受信することで、簡易に無線タグ101から送信される無線応答信号51の受信方向を検知することができる。
【0086】
また、上記の受信信号方向検知手段は、無線応答信号51を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、無線タグ101の方向を検知することが望ましい。
【0087】
無線応答信号51を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信することにより、簡易に無線タグ101から送信される無線応答信号51の受信方向を検知することができる。
【0088】
ここで、アンテナの別の形態について説明する。図5に、無線タグ位置検知装置の別形態を示す概略構成図を示す。なお、図4で説明した無線タグ位置検知装置と同様のものには符号を同一とし、説明は省略する。
【0089】
図5に示す無線タグ位置検知装置110は、無線タグサーチ信号及び無線タイミング信号の無線送信と、無線応答信号及び無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタ34を用いた共用アンテナ28を備えている。
【0090】
ここで、無線タグサーチ信号及び無線タイミング信号の送信周波数は、送信ビーム合成部27によって決定される。
【0091】
このように、無線タグサーチ信号及び無線タイミング信号の無線送信と、無線応答信号及び無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置110に確実に無線折り返しタイミング信号52b(図3)を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、周波数弁別フィルタ34を用いた共用アンテナ28を適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0092】
次に、無線タグの具体的な構成について説明する。図6に、本実施形態に係る無線タグの概略構成図を示す。
【0093】
図6に示す無線タグ101は、図1に示す無線タグサーチ信号50を無線受信して自己のIDを確認するID受信手段としてのID受信部11と、IDを確認すると図2に示す無線応答信号51を無線送信する応答信号送信手段としての応答信号送信部12と、を有している。スイッチ13は、予めID受信部11の側に入っており、ID受信部11によりIDが確認されると、応答信号送信部12の側に切り替わり、無線タグ101は無線応答信号51を無線送信する。
【0094】
このように、ID受信部11により、自己のIDを確認することで、IDと一致する無線タグ101のみが無線応答信号51を送信することができる。この無線応答信号51により図2に示す無線タグ位置検知装置100に無線タグ101の方向を検知させることができる。
【0095】
また、無線タグ101は、図3に示す無線タイミング信号52aを無線折り返しタイミング信号52bとして折り返すタイミング信号折り返し手段を有する。本実施形態では、タイミング信号折り返し手段は、終端点を開放した無線アンテナを利用して無線タイミング信号52aを無線折り返しタイミング信号52bとして折り返す。すなわち、スイッチ13をいずれの側にも入れない状態とする。スイッチ13を開放すると、無線タグ位置検知装置100から送信される無線タイミング信号52aは、スイッチ13の開放された端部で反射して折り返すこととなる。
【0096】
また、スイッチ13の終端点の開放ではなく、スイッチ13の終端点を短絡させても同様に、無線タグ位置検知装置100から送信される無線タイミング信号52aは、スイッチ13の短絡された端部で反射して折り返すこととなる。
【0097】
このように、終端点を開放又は短絡した無線アンテナを利用することで、簡易に無線タイミング信号を無線折り返しタイミング信号として折り返すことができる。
【0098】
タイミング信号折り返し手段により無線折り返しタイミング信号52b(図3)を折り返すことにより、無線タグ位置検知装置100に無線タグ101までの距離を算出させることができる。そして、無線タグ101の方向及び無線タグ101までの距離により無線タグ101の位置座標を無線タグ位置検知装置100に解析させることができる。これにより、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置100に1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出させることができる。
【0099】
ここで、無線タグの別形態について説明する。図7、図8は、無線タグの別形態を示した概略構成図である。なお、図6で説明した無線タグと同様のものについては符号を同一とし説明は省略する。
【0100】
図7に示す無線タグ111は、タイミング信号折り返し手段として、少なくとも3端子以上のサーキュレータ17と、サーキュレータ17の第一の端子90aに接続された送受共用アンテナ14と、入力と出力がサーキュレータ17の第二端子90bと第三端子90cにそれぞれ接続された増幅器16と、を備える。
【0101】
ここで、図2に示す無線応答信号51を送信する場合、スイッチ13はID受信部11の側に入れたままとし、応答信号送信部12から増幅器16を介して送信する。また、図3に示す折返しタイミング信号52bを送信する場合、スイッチ13を増幅器16の側に入れる。このようにすることで、送受共用アンテナ14で受信した無線タイミング信号52aは、スイッチ13を介して増幅器16で増幅され、再び送受共用アンテナ14から折返しタイミング信号52bとして送信される。
【0102】
このように、サーキュレータ17を用いた送受共用アンテナ14を適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。そのため、無線タグ111自体のコンパクト化を可能とし、無線タグ111の利便性を向上させる。また、スイッチ13の動作数が減り、無線タグ111の誤動作を防止することができる。
【0103】
また、図8に示す無線タグ112は、タイミング信号折り返し手段として、2つの周波数の無線信号が入出力する第一の端子90dと2つの周波数のうち一方の周波数の無線信号が入出力する第二の端子90eと2つの周波数のうち他方の周波数の無線信号が入出力する第三の端子90fを有する周波数弁別フィルタ15と、周波数弁別フィルタ15の第一の端子90dに接続された送受共用アンテナ14と、周波数弁別フィルタ15の第二の端子90eに接続された入力端子80からの一方の周波数の無線信号を他方の周波数の無線信号に周波数変換して周波数弁別フィルタ15の第三の端子90fに出力する周波数変換回路としてのミキサ19と、を備える。
【0104】
ここで、図2に示す無線応答信号51を送信する場合、スイッチ13はID受信部11の側に入れたままとし、応答信号送信部12から増幅器16を介して送信する。また、図3に示す折返しタイミング信号52bを送信する場合、スイッチ13をミキサ19の側に入れる。このようにすることで、送受共用アンテナ14で受信した無線タイミング信号52aは、スイッチ13を介してミキサ19に入力され、発振器18の発振周波数に基づいて周波数変換された後に増幅器16で増幅され、再び送受共用アンテナ14から無線折返しタイミング信号52bとして送信される。
【0105】
このように、無線タイミング信号52a及び無線折り返しタイミング信号52bにそれぞれ異なる周波数を適用することで、図3に示す無線タグ位置検知装置100に確実に無線折り返しタイミング信号52bを受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、図8に示す周波数弁別フィルタ15を用いた送受共用アンテナ14を適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。そのため、無線タグ112自体のコンパクト化を可能とし、無線タグ112の利便性を向上させる。また、スイッチ13の動作数が減り、無線タグ112の誤動作を防止することができる。
【0106】
ここで、図4、図5、図6、図7、図8を参照して、本実施形態に係る無線タグ位置検知システムの動作について説明する。
【0107】
まず、図4に示す無線タグ位置検知装置100は、データ送信部25により無線タグ(ここでは、無線タグ101(図6)とする。)を特定するIDを生成してスイッチ38を介して送信ビーム合成部27に送信する。送信ビーム合成部27は、送信ビーム制御部31から所定の振幅・位相を与えられ、データ送信部25から送信されたIDを無線タグサーチ信号として合成する。送信ビーム合成部27で分岐した無線タグサーチ信号をアンテナ28のそれぞれのアンテナ素子28a〜28dから図6に示す無線タグ101に向けて送信する。
【0108】
ここで、無線タグサーチ信号は、アンテナ28から全方向に向けて送信するため、1又は3以上のアンテナ素子(例えば、アンテナ素子28aのみ、或いはアンテナ素子28a、28b、28c)によって送信することが望ましい。
【0109】
図6に示す無線タグ101は、図4に示す無線タグ位置検知装置100から送信された無線タグサーチ信号をID受信部11により無線受信して自己のIDを確認する。そして、IDを確認するとスイッチ13を応答信号送信部12の側に切り替えて応答信号送信部12から無線応答信号を無線送信する。そして、無線応答信号を送信した後、スイッチ13を開放して無線タイミング信号を受信待機する。
【0110】
次に、図4に示す無線タグ位置検知装置100は、図6に示す無線タグ101が無線送信した無線応答信号を、アンテナ28を介して受信ビーム合成部29で受信し、受信ビーム制御部32により所定の位相・振幅を与えて合成する。そして、スイッチ39を介してデータ受信部30により、無線応答信号を受信する。ここで、受信ビーム制御部32は、例えば無線応答信号に位相差を連続的に変化させて与えて信号強度が最大となったときの位相差から、無線応答信号の受信方向を特定する。
【0111】
無線タグ位置検知装置100は、受信ビーム制御部32により検知した方向に、無線タイミング信号を無線送信するため、タイミング送信部23によりタイミング信号を生成する。そして、送信ビーム合成部27から与えられる位相によって送信方向を決定して図6に示す無線タグ101に向けて無線タイミング信号を送信する。また、タイミング送信部23は、伝搬往復時間を測定するために、タイミング信号をスイッチ38を介して送信ビーム合成部27に送信すると共に、送信開始時間を時間間隔測定部24に送信する。
【0112】
ここで、図5に示すように周波数弁別フィルタ34を用いた共用アンテナを適用して無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置110に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。
【0113】
図6に示す無線タグ101は、図4に示す無線タグ位置検知装置100から送信された無線タイミング信号を受信し、スイッチ13の開放された端部で反射させて無線折り返しタイミング信号として折り返して送信する。
【0114】
ここで、図7に示すように、サーキュレータ17を用いた送受共用アンテナ14を適用することにより、スイッチ13の動作数が減り、無線タグ111の誤動作を防止することができる。また、図8に示すように、周波数弁別フィルタ15を用いた送受共用アンテナ14を適用して無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、図4に示す無線タグ位置検知装置100に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。
【0115】
図4に示す無線タグ位置検知装置100は、図6に示す無線タグ101から折り返された無線折り返しタイミング信号を、スイッチ39を介してタイミング受信部37で受信し、時間間隔測定部24により無線タグ101までの伝搬往復時間を測定する。そして、位置座標解析部35により、受信ビーム制御部32で検知した無線タグ101の方向と時間間隔測定部24により測定した伝搬往復時間とから、図6に示す無線タグ101の位置座標を求める。
【0116】
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグ位置検知システムでは、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置100で1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【0117】
(第2実施形態)
図9、図10に、本実施形態に係る無線タグ位置検知システムの概略構成図を示す。無線タグ位置検知システム300は、1以上の無線タグ位置検知装置120及び1以上の無線タグ101、102、103を有する。なお、本実施形態では、無線タグ位置検知装置が1つ、無線タグが3つの形態を示しているが、無線タグ位置検知装置及び無線タグは共に1以上設けられている。
【0118】
ここで、本実施形態に係る無線タグ位置検知システム300での信号の流れの概要について説明する。
【0119】
まず、図9において、無線タグ102は、何らかのイベントが生じたときに、無線タグ102に関する情報を含む無線タグ情報信号53を無線送信する。ここで、無線タグ102に関する情報とは、例えば、無線タグ102の移動、振動、温度上昇等の無線タグに関するイベントを意味する。そして、無線タグ位置検知装置120は、無線タグ102の送信する無線タグ情報信号53を無線受信し、無線タグ102の方向を検知する。
【0120】
次に、図10において、無線タグ位置検知装置120は、検知した無線タグ102の方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号54aを無線送信する。そして、無線タイミング信号54aを無線受信した無線タグ102が折り返した無線折り返しタイミング信号54bを、無線受信して無線タグ102までの伝搬往復時間を測定する。
【0121】
以上説明した信号の流れにより、無線タグ位置検知装置120は、特定の無線タグ102において、イベントが発生したことを検知することができる。また、無線タグ102の方向を検知し、さらに無線タグ102までの距離を算出することができ、無線タグ102の方向及び無線タグ102までの距離により無線タグ102の位置座標を解析することができる。従って、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置120でイベントが発生した1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【0122】
なお、本実施形態では、無線タグ102についてイベントが生じているが、無線タグ101、103についても等しくイベントは生じうる。
【0123】
次に、無線タグ位置検知装置及び無線タグの具体的な構成について説明する。
【0124】
図13に本実施形態に係る無線タグの概略構成図を示す。
【0125】
図13に示す無線タグ102は、図9に示す無線タグ102に関する情報を含む無線タグ情報信号53を無線送信する情報信号送信手段としての情報信号送信部10を有している。
【0126】
無線タグ102に関する情報を含む無線タグ情報信号53を無線送信することにより、特定の無線タグ102において、イベントが発生したことを図9に示す無線タグ位置検知装置120に検知させると共に、無線タグ102の方向を検知させることができる。
【0127】
ここで、無線タグ情報信号53には、無線タグ102のIDを含ませることとしてもよい。例えば、図9に示す無線タグ101、102、103に同時にイベントが発生した場合にそれぞれの無線タグを特定することができる点で有効である。
【0128】
また、無線タグ102は、図10に示す無線タイミング信号54aを無線折り返しタイミング信号54bとして折り返すタイミング信号折り返し手段を備える。
【0129】
本実施形態では、タイミング信号折り返し手段は、終端点を開放した無線アンテナを利用して無線タイミング信号54aを無線折り返しタイミング信号54bとして折り返す。すなわち、図13に示すスイッチ13をいずれの側にも入れない状態とする。スイッチ13を開放すると、図10に示す無線タグ位置検知装置120から送信される無線タイミング信号54aは、スイッチ13の開放された端部で反射して折り返すこととなる。
【0130】
また、スイッチ13の終端点の開放ではなく、スイッチ13の終端点を短絡させても同様に、無線タグ位置検知装置120から送信される無線タイミング信号54aは、スイッチ13の短絡された端部で反射して折り返すこととなる。
【0131】
このように、終端点を開放又は短絡した無線アンテナ14を利用することで、簡易に無線タイミング信号54aを無線折り返しタイミング信号54bとして折り返すことができる。
【0132】
ここで、無線タグの別形態について説明する。図14、図15は、無線タグの別形態を示した概略構成図である。なお、図13で説明した無線タグと同様のものについては符号を同一とし説明は省略する。
【0133】
図14に示す無線タグ131は、タイミング信号折り返し手段として、少なくとも3端子以上のサーキュレータ17と、サーキュレータ17の第一の端子91aに接続された送受共用アンテナ14と、入力と出力がサーキュレータ17の第二端子91bと第三端子91cにそれぞれ接続された増幅器16と、を備える。
【0134】
ここで、図9に示す無線タグ情報信号53を送信する場合、スイッチ13は開放した状態とし、情報信号送信部10から増幅器16を介して送信する。また、図10に示す折返しタイミング信号54bを送信する場合、スイッチ13を増幅器16の側に入れる。このようにすることで、無線アンテナ14で受信した無線タイミング信号54aは、スイッチ13を介して増幅器16で増幅され、再び無線アンテナ14から無線折返しタイミング信号54bとして送信される。
【0135】
このように、サーキュレータ17を用いた送受共用アンテナ14を適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。そのため、無線タグ131自体のコンパクト化を可能とし、無線タグ131の利便性を向上させる。また、スイッチ13の動作数が減り、無線タグ131の誤動作を防止することができる。
【0136】
また、図15に示す無線タグ132は、タイミング信号折り返し手段として、2つの周波数の無線信号が入出力する第一の端子91dと2つの周波数のうち一方の周波数の無線信号が入出力する第二の端子91eと2つの周波数のうち他方の周波数の無線信号が入出力する第三の端子91fを有する周波数弁別フィルタ15と、周波数弁別フィルタ15の第一の端子91dに接続された送受共用アンテナ14と、周波数弁別フィルタ15の第二の端子91eに接続された入力端子81からの一方の周波数の無線信号を他方の周波数の無線信号に周波数変換して周波数弁別フィルタ15の第三の端子91fに出力する周波数変換回路としてのミキサ19と、を備える。
【0137】
ここで、図9に示す無線タグ情報信号53を送信する場合、スイッチ13を開放した状態とし、情報信号送信部10から増幅器16を介して送信する。また、図10に示す折返しタイミング信号54bを送信する場合、スイッチ13をミキサ19の側に入れる。このようにすることで、送受共用アンテナ14で受信した無線タイミング信号54aは、スイッチ13を介してミキサ19に入力され、発振器18の発振周波数に基づいて周波数変換された後に増幅器16で増幅され、再び送受共用アンテナ14から折返しタイミング信号54bとして送信される。
【0138】
このように、無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、図10に示す無線タグ位置検知装置120に確実に無線折り返しタイミング信号54bを受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、図15に示す周波数弁別フィルタ15を用いた送受共用アンテナ14を適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。そのため、無線タグ132自体のコンパクト化を可能とし、無線タグ132の利便性を向上させる。
【0139】
次に、無線タグ位置検知装置の具体的な構成について説明する。
【0140】
図11に本実施形態に係る無線タグ位置検知装置の概略構成図を示す。なお、本実施形態に係る無線タグ位置検知装置は、第1実施形態で説明した無線タグ位置検知装置と略同様の構成を有している。そのため、第1実施形態で説明した無線タグ位置検知装置と同様のものについては符号を同一とし説明は省略する。
【0141】
無線タグ位置検知装置120は、図9に示す無線タグ102の送信する無線タグ102に関する情報を含む無線タグ情報信号53を無線受信して無線タグ102の方向を検知する受信信号方向検知手段として、無線タグ102からの無線タグ情報信号53を受信するアンテナ28と、アンテナ28で受信し、サーキュレータ33から出力されたそれぞれの無線タグ情報信号53に所定の位相・振幅を与えて合成する受信ビーム合成部29と、受信ビーム合成部29で用いられる所定の位相から無線タグ情報信号53の受信方向を検知する受信ビーム制御部32と、受信ビーム合成部29からスイッチ39を介して無線タグ情報信号53を受信するデータ受信部30と、を有する。
【0142】
ここで、受信ビーム制御部32は、例えば無線タグ情報信号53に位相差を連続的に変化させて与えて信号強度が最大となったときの位相差から、無線タグ情報信号53の受信方向を特定することができる。例えば、アンテナ素子28を一列に並べた場合にはアンテナ素子28a〜28dの列に対して垂直方向の受信角度を特定できる。この場合、いずれの側からの到来波であるかを特定することはできないため、アンテナ28は壁際に配置して無線信号の受信方向を特定することが望ましい。一方、アンテナ素子28a〜28dを一列ではなく、平面状に配置すると無線信号の受信方向について全方向で特定可能となる。
【0143】
このように、受信信号方向検知手段により、イベントが生じた無線タグ102(図9)を検知するとともに、無線タグ102の方向を特定することができる。
【0144】
また、無線タグ位置検知装置120は、受信信号方向検知手段の検知した方向に図10に示す無線タイミング信号54aを無線送信するタイミング送信手段として、タイミング信号を生成するタイミング送信部23を有する。ここで、タイミング送信部23で生成されたタイミング信号は、送信ビーム合成部27を介してアンテナ28から送信する。タイミング信号は、送信ビーム合成部27から与えられる位相によって送信方向を決定して無線タグ102に向けて送信する。また、タイミング送信部23は、伝搬往復時間を測定するために、タイミング信号を送信ビーム合成部27に送信すると共に、送信開始時間を時間間隔測定部24に送信する。
【0145】
また、無線タグ位置検知装置120は、図10に示す無線タグ102から折り返された無線折り返しタイミング信号54bを、無線受信して無線タグ102までの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段として、無線折り返しタイミング信号54bをアンテナ28から受信ビーム合成部29を介して受信するタイミング受信部37と、タイミング受信部37が受信した無線折返しタイミング信号54bの受信時間を受信し、受信時間とタイミング送信部23から送信される送信開始時間とから伝搬往復時間を測定する時間間隔測定部24と、を有する。
【0146】
また、無線タグ位置検知装置120は、受信信号方向検知手段の検知した無線タグの方向及び時間間隔測定手段の測定した無線タグ102(図10)までの伝搬往復時間から無線タグ102の位置座標を求める位置座標解析手段としての位置座標解析部35を有する。
【0147】
ここで、無線タグ位置検知装置120と無線タグ102との距離は、伝搬往復時間を2で除算し、光速cを掛け合わせたものとして算出することができる。
【0148】
このように、タイミング送信手段により図10に示す無線タグ102に向けて無線タイミング信号54aを送信し、無線タグ102からの無線折り返しタイミング信号54bにより無線タグ102までの伝搬往復時間を測定することができる。そのため、無線タグ102までの距離を算出することができ、無線タグ102の方向及び無線タグ102までの距離により無線タグ102の位置座標を解析することができる。従って、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置120でイベントが生じた1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【0149】
また、本実施形態では、無線タイミング信号の無線送信と、無線タグ情報信号及び無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータ33を用いた共用アンテナ28を備えている。
【0150】
このように、サーキュレータ33を用いた共用アンテナを適用することにより、簡易にアンテナ28を共用して無線信号を送受信することができる。
【0151】
また、上記の受信信号方向検知手段は、無線タグ情報信号53をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、無線タグ102の方向を検知することが望ましい。
【0152】
無線タグ情報信号53をフェーズドアレイアンテナにより無線受信することで、簡易に無線タグから送信される無線タグ情報信号53の受信方向を検知することができる。
【0153】
また、上記の受信信号方向検知手段は、無線タグ情報信号53を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、無線タグ102の方向を検知することが望ましい。
【0154】
無線タグ情報信号53を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信することにより、簡易に無線タグ102から送信される無線タグ情報信号53の受信方向を検知することができる。
【0155】
ここで、共用アンテナの別の形態について説明する。図12に、無線タグ位置検知装置の別形態を示す概略構成図を示す。なお、図11で説明した無線タグ位置検知装置と同様のものには符号を同一とし、説明は省略する。
【0156】
図12に示す無線タグ位置検知装置130は、無線タイミング信号の無線送信と、無線タグ情報信号及び線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタ34を用いた共用アンテナ28を備えている。
【0157】
ここで、無線タイミング信号の送信周波数は、送信ビーム合成部27によって決定される。
【0158】
このように、無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置130に確実に無線折り返しタイミング信号54bを受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。また、周波数弁別フィルタ34を用いた共用アンテナ28を適用することにより、簡易にアンテナを共用して無線信号を送受信することができる。
【0159】
ここで、図11、図12、図13、図14、図15を参照して、本実施形態に係る無線タグ位置検知システムの動作について説明する。
【0160】
まず、図13に示す無線タグ102は、イベントが発生したときに、情報信号送信部10により無線タグ情報信号を生成してスイッチ13を介して送受共用アンテナ14から図11に示す無線タグ位置検知装置120に向けて送信する。そして、無線タグ情報信号を送信した後、スイッチ13を開放して無線タイミング信号を受信待機する。
【0161】
次に、図11に示す無線タグ位置検知装置120は、図13に示す無線タグ102が無線送信した無線タグ情報信号を、アンテナ28を介して受信ビーム合成部29で受信し、受信ビーム制御部32により所定の位相・振幅を与えて合成する。そして、スイッチ39を介してデータ受信部30により、無線タグ情報信号を受信する。ここで、受信ビーム制御部32は、例えば無線タグ情報信号に位相差を連続的に変化させて与えて信号強度が最大となったときの位相差から、無線タグ情報信号の受信方向を特定する。
【0162】
無線タグ位置検知装置120は、受信ビーム制御部32により検知した方向に、無線タイミング信号を無線送信するため、タイミング送信部23によりタイミング信号を生成する。そして、送信ビーム合成部27から与えられる位相によって送信方向を決定して図13に示す無線タグ102に向けて無線タイミング信号を送信する。また、タイミング送信部23は、伝搬往復時間を測定するために、タイミング信号を送信ビーム合成部27に送信すると共に、送信開始時間を時間間隔測定部24に送信する。
【0163】
ここで、図12に示すように周波数弁別フィルタ34を用いた共用アンテナを適用して無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、無線タグ位置検知装置130に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。
【0164】
図13に示す無線タグ102は、図11に示す無線タグ位置検知装置120から送信された無線タイミング信号を受信し、スイッチ13の開放された端部で反射させて無線折り返しタイミング信号として折り返して送信する。
【0165】
ここで、図14に示すように、サーキュレータ17を用いた送受共用アンテナ14を適用することにより、スイッチ13の動作数が減り、無線タグ131の誤動作を防止することができる。また、図15に示すように、周波数弁別フィルタ15を用いた送受共用アンテナ14を適用して無線タイミング信号及び無線折り返しタイミング信号にそれぞれ異なる周波数を適用することで、図11に示す無線タグ位置検知装置120に確実に無線折り返しタイミング信号を受信させ、障害物等による電波の途中反射による誤動作を防止することができる。
【0166】
図11に示す無線タグ位置検知装置120は、図13に示す無線タグ102から折り返された無線折り返しタイミング信号を、スイッチ39を介してタイミング受信部37で受信し、時間間隔測定部24により無線タグ102までの伝搬往復時間を測定する。そして、位置座標解析部35により、受信ビーム制御部32で検知した無線タグ102の方向と時間間隔測定部24により測定した伝搬往復時間とから図13に示す無線タグ102の位置座標を求める。
【0167】
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグ位置検知システムでは、少なくとも1台の無線タグ位置検知装置120でイベントが生じた1以上の無線タグの方向と距離から無線タグの位置を検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明の無線タグ位置検知システム、無線タグ位置検知装置及び無線タグによれば、無線タグの位置座標を検知することができるので、例えば店頭に陳列された商品の管理、盗難の防止等の用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】無線タグ位置検知システムの1実施形態を示した概略構成図である。
【図2】無線タグ位置検知システムの1実施形態を示した概略構成図である。
【図3】無線タグ位置検知システムの1実施形態を示した概略構成図である。
【図4】無線タグ位置検知装置の1実施形態を示した概略構成図である。
【図5】無線タグ位置検知装置の別形態を示した概略構成図である。
【図6】無線タグの1実施形態を示した概略構成図である。
【図7】無線タグの別形態を示した概略構成図である。
【図8】無線タグの別形態を示した概略構成図である。
【図9】無線タグ位置検知システムの1実施形態を示した概略構成図である。
【図10】無線タグ位置検知システムの1実施形態を示した概略構成図である。
【図11】無線タグ位置検知装置の1実施形態を示した概略構成図である。
【図12】無線タグ位置検知装置の別形態を示した概略構成図である。
【図13】無線タグの1実施形態を示した概略構成図である。
【図14】無線タグの別形態を示した概略構成図である。
【図15】無線タグの別形態を示した概略構成図である。
【符号の説明】
【0170】
10:情報信号送信部
11:ID受信部
12:応答信号送信部
13:スイッチ
14:アンテナ
15:周波数弁別フィルタ
16:増幅器
17:サーキュレータ
18:発振器
19:ミキサ
23:タイミング送信部
24:時間間隔測定部
25:データ送信部
27:送信ビーム合成部
28:アンテナ
28a〜d:アンテナ素子
29:受信ビーム合成部
30:データ受信部
31:送信ビーム制御部
32:受信ビーム制御部
33:サーキュレータ
34:周波数弁別フィルタ
35:位置座標解析部
37:タイミング受信部
38:スイッチ
39:スイッチ
50:無線タグサーチ信号
51:無線応答信号
52a:無線タイミング信号
52b:無線折り返しタイミング信号
53:無線タグ情報信号
54a:無線タイミング信号
54b:無線折り返しタイミング信号
80、81:入力端子
90a、90d、91a、90d:第1の端子
90b、90e、91b、90e:第2の端子
90c、90f、91c、90f:第3の端子
100、120:無線タグ位置検知装置
101−103:無線タグ
200、300:無線タグ位置検知システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の無線タグ位置検知装置及び1以上の無線タグを有する無線タグ位置検知システムであって、
前記無線タグ位置検知装置は、
前記無線タグを特定するIDを含む無線タグサーチ信号を無線送信するデータ送信手段と、
前記無線タグサーチ信号を無線受信して前記IDで特定された前記無線タグが無線送信した無線応答信号を、無線受信して前記無線タグの方向を検知する受信信号方向検知手段と、
前記受信信号方向検知手段の検知した方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号を無線送信するタイミング送信手段と、
前記無線タイミング信号を無線受信した前記無線タグが折り返した無線折り返しタイミング信号を、無線受信して前記無線タグまでの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段と、
前記受信信号方向検知手段の検知した前記無線タグの方向及び前記時間間隔測定手段の測定した前記無線タグまでの伝搬往復時間から前記無線タグの位置座標を求める位置座標解析手段と、を備え、
前記無線タグは、
前記無線タグサーチ信号を無線受信して自己のIDを確認するID受信手段と、
前記IDを確認すると前記無線応答信号を無線送信する応答信号送信手段と、
前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すタイミング信号折り返し手段と、を備えることを特徴とする無線タグ位置検知システム。
【請求項2】
前記無線タグ位置検知装置は、前記無線タグサーチ信号及び前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線応答信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータを用いた共用アンテナを備えることを特徴とする請求項1に記載の無線タグ位置検知システム。
【請求項3】
前記無線タグ位置検知装置は、前記無線タグサーチ信号及び前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線応答信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを備えることを特徴とする請求項1に記載の無線タグ位置検知システム。
【請求項4】
前記受信信号方向検知手段は、前記無線応答信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することを特徴とする請求項1から3に記載のいずれかの無線タグ位置検知システム。
【請求項5】
前記受信信号方向検知手段は、前記無線応答信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することを特徴とする請求項1から3に記載のいずれかの無線タグ位置検知システム。
【請求項6】
1以上の無線タグの位置を検出する無線タグ位置検知装置であって、
前記無線タグを特定するIDを含む無線タグサーチ信号を無線送信するデータ送信手段と、
前記無線タグサーチ信号を無線受信して前記IDで特定された前記無線タグが無線送信した無線応答信号を、無線受信して前記無線タグの方向を検知する受信信号方向検知手段と、
前記受信信号方向検知手段の検知した方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号を無線送信するタイミング送信手段と、
前記無線タイミング信号を無線受信した前記無線タグが折り返した無線折り返しタイミング信号を、無線受信して前記無線タグまでの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段と、
前記受信信号方向検知手段の検知した前記無線タグの方向及び前記時間間隔測定手段の測定した前記無線タグまでの伝搬往復時間から前記無線タグの位置座標を求める位置座標解析手段と、を備えることを特徴とする前記無線タグ位置検知装置。
【請求項7】
前記無線タグサーチ信号及び前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線応答信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータを用いた共用アンテナを備えることを特徴とする請求項6に記載の無線タグ位置検知装置。
【請求項8】
前記無線タグサーチ信号及び前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線応答信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを備えることを特徴とする請求項6に記載の無線タグ位置検知装置。
【請求項9】
前記受信信号方向検知手段は、前記無線折り返しタイミング信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することを特徴とする請求項6から8に記載のいずれかの無線タグ位置検知装置。
【請求項10】
前記受信信号方向検知手段は、前記無線折り返しタイミング信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することを特徴とする請求項6から8に記載のいずれかの無線タグ位置検知装置。
【請求項11】
1以上の無線タグ位置検知装置から位置検出される無線タグであって、
前記無線タグサーチ信号を無線受信して自己のIDを確認するID受信手段と、
前記IDを確認すると前記無線応答信号を無線送信する応答信号送信手段と、
前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すタイミング信号折り返し手段と、を備えることを特徴とする無線タグ。
【請求項12】
前記タイミング信号折り返し手段は、終端点を開放又は短絡した無線アンテナを利用して前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すことを特徴とする請求項11に記載の無線タグ。
【請求項13】
前記タイミング信号折り返し手段は、少なくとも3端子以上のサーキュレータと、前記サーキュレータの第一の端子に接続された送受共用アンテナと、入力と出力が前記サーキュレータの第二端子と第三端子にそれぞれ接続された増幅器と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の無線タグ。
【請求項14】
前記タイミング信号折り返し手段は、2つの周波数の無線信号が入出力する第一の端子と2つの周波数のうち一方の周波数の無線信号が入出力する第二の端子と2つの周波数のうち他方の周波数の無線信号が入出力する第三の端子を有する周波数弁別フィルタと、前記周波数弁別フィルタの第一の端子に接続された送受共用アンテナと、前記周波数弁別フィルタの第二の端子に接続された入力端子からの前記一方の周波数の無線信号を前記他方の周波数の無線信号に周波数変換して前記周波数弁別フィルタの第三の端子に出力する周波数変換回路と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の無線タグ。
【請求項15】
1以上の無線タグ位置検知装置及び1以上の無線タグを有する無線タグ位置検知システムであって、
前記無線タグ位置検知装置は、
前記無線タグの送信する前記無線タグに関する情報を含む無線タグ情報信号を無線受信して前記無線タグの方向を検知する受信信号方向検知手段と、
前記受信信号方向検知手段の検知した方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号を無線送信するタイミング送信手段と、
前記無線タイミング信号を無線受信した前記無線タグが折り返した無線折り返しタイミング信号を、無線受信して前記無線タグまでの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段と、
前記受信信号方向検知手段の検知した前記無線タグの方向及び前記時間間隔測定手段の測定した前記無線タグまでの伝搬往復時間から前記無線タグの位置座標を求める位置座標解析手段と、を備え、
前記無線タグは、
前記無線タグに関する情報を含む前記無線タグ情報信号を無線送信する情報信号送信手段と、
前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すタイミング信号折り返し手段と、を備えることを特徴とする無線タグ位置検知システム。
【請求項16】
前記無線タグ位置検知装置は、無線タイミング信号の無線送信と、無線タグ情報信号及び無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータを用いた共用アンテナを備えることを特徴とする請求項15に記載の無線タグ位置検知システム。
【請求項17】
前記無線タグ位置検知装置は、無線タイミング信号の無線送信と、無線タグ情報信号及び無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を
利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを備えることを特徴とする請求項15に記載の無線タグ位置検知システム。
【請求項18】
前記受信信号方向検知手段は、前記無線タグ情報信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することを特徴とする請求項15から17に記載のいずれかの無線タグ位置検知システム。
【請求項19】
前記受信信号方向検知手段は、前記無線タグ情報信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することを特徴とする請求項15から17に記載のいずれかの無線タグ位置検知システム。
【請求項20】
1以上の無線タグの位置を検出する無線タグ位置検知装置であって、
前記無線タグの送信する前記無線タグに関する情報を含む無線タグ情報信号を無線受信して前記無線タグの方向を検知する受信信号方向検知手段と、
前記受信信号方向検知手段の検知した方向に伝搬往復時間を測定するための無線タイミング信号を無線送信するタイミング送信手段と、
前記無線タイミング信号を無線受信した前記無線タグが折り返した無線折り返しタイミング信号を、無線受信して前記無線タグまでの伝搬往復時間を測定する時間間隔測定手段と、
前記受信信号方向検知手段の検知した前記無線タグの方向及び前記時間間隔測定手段の測定した前記無線タグまでの伝搬往復時間から前記無線タグの位置座標を求める位置座標解析手段と、を備えることを特徴とする無線タグ位置検知装置。
【請求項21】
前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線タグ情報信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ同じ周波数帯を利用し、無線送信と無線受信にはサーキュレータを用いた共用アンテナを備えることを特徴とする請求項20に記載の無線タグ位置検知装置。
【請求項22】
前記無線タイミング信号の無線送信と、前記無線タグ情報信号及び前記無線折り返しタイミング信号の無線受信とにそれぞれ異なる周波数を利用し、無線送信と無線受信には周波数弁別フィルタを用いた共用アンテナを備えることを特徴とする請求項20に記載の無線タグ位置検知装置。
【請求項23】
前記受信信号方向検知手段は、前記無線タグ情報信号をフェーズドアレイアンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することを特徴とする請求項20から22に記載のいずれかの無線タグ位置検知装置。
【請求項24】
前記受信信号方向検知手段は、前記無線タグ情報信号を少なくとも3組の指向性アンテナにより無線受信して、前記無線タグの方向を検知することを特徴とする請求項20から22に記載のいずれかの無線タグ位置検知装置。
【請求項25】
1以上の無線タグ位置検知装置から位置検出される無線タグであって、
前記無線タグに関する情報を含む前記無線タグ情報信号を無線送信する情報信号送信手段と、
前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すタイミング信号折り返し手段と、を備えることを特徴とする無線タグ。
【請求項26】
前記タイミング信号折り返し手段は、終端点を開放又は短絡した無線アンテナを利用して前記無線タイミング信号を前記無線折り返しタイミング信号として折り返すことを特徴とする請求項25に記載の無線タグ。
【請求項27】
前記タイミング信号折り返し手段は、少なくとも3端子以上のサーキュレータと、前記サーキュレータの第一の端子に接続された送受共用アンテナと、入力と出力が前記サーキュレータの第二端子と第三端子にそれぞれ接続された増幅器と、を備えることを特徴とする請求項25に記載の無線タグ。
【請求項28】
前記タイミング信号折り返し手段は、2つの周波数の無線信号が入出力する第一の端子と2つの周波数のうち一方の周波数の無線信号が入出力する第二の端子と2つの周波数のうち他方の周波数の無線信号が入出力する第三の端子を有する周波数弁別フィルタと、前記周波数弁別フィルタの第一の端子に接続された送受共用アンテナと、前記周波数弁別フィルタの第二の端子に接続された入力端子からの前記一方の周波数の無線信号を前記他方の周波数の無線信号に周波数変換して前記周波数弁別フィルタの第三の端子に出力する周波数変換回路と、を備えることを特徴とする請求項25に記載の無線タグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−105723(P2006−105723A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291272(P2004−291272)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】