説明

無線タグ読取システム、ホスト、および無線タグ読取装置

【課題】無線タグ読取装置およびホストの処理を軽減することができる無線タグ読取システム、ホスト、および無線タグ読取装置を提供する。
【解決手段】アンテナ101を介して、無線タグ100からタグIDを読み取り、タグIDを読み取った重複しない無線タグ100の数が、ホスト105から受信したリードコマンドが指定する数に達している場合に、読み取った重複しない無線タグ100のタグIDをホスト105に送信することにより、ホスト105がタグIDの受信処理を行う回数を減らすことができるので、無線タグ読取装置104およびホスト105の処理を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグ読取システム、ホスト、および無線タグ読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
RFID(Radio Frequency Identification)リーダなどの無線タグ読取装置は、ホストから読取開始命令を受け取ると、読取停止命令を受け取るまで、無線タグの読み取りを繰り返し実行する(例えば、特許文献1参照)。そして、無線タグ読取装置は、定期的にまたはホストからの要求に応じて、無線タグから読み取ったタグIDなどのデータをホストに通知する。また、無線タグ読取装置は、データを全てホストに通知すると、再度、無線タグの読み取りを実行して、自装置内に読み取ったデータを蓄積する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、無線タグ読取装置が無線タグの読み取りを繰り返し実行すると、無線タグが静止している場合などは、無線タグから殆ど同じデータを繰り返し読み取ることになる。ここで、読み取るデータが殆ど同じとしているのは、アンテナから発信する電波が不安定で毎回全てのデータを無線タグから読み取れない場合や、アンテナ上に複数の無線タグが置かれるなど、タイミングよっては全ての無線タグがアンテナの電波放射エリア内に入らない場合もあるからである。
【0004】
したがって、無線タグ読取装置により繰り返し読み取られたデータが毎回通知されると、ホストは、大量のデータを無線タグ無線装置から受信することになる。また、ホストは、1回目に無線タグ読取装置により読み取られたデータと、2回目に無線タグ読取装置により読み取られたデータと、の間に重複がないかをチェックする必要がある。このような、大量のデータの受信およびデータの重複チェック処理は、ホストの主要部であるCPU(Central Processing Unit)などのリソースを大量に使うことになり、画面表示処理などのホスト全体の処理能力を低下させることある、という課題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無線タグ読取装置およびホストの処理を軽減することができる無線タグ読取システム、ホスト、および無線タグ読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、無線タグと信号を送受信するアンテナを介して、前記無線タグのタグIDを読み取る無線タグ読取装置と、前記無線タグ読取装置により読み取られた前記タグIDを受信するホストと、を有する無線タグ読取システムであって、前記ホストは、前記タグIDを読み取る重複しない前記無線タグの数を指定するリードコマンドを前記無線タグ読取装置に送信する送信手段、を備え、前記無線タグ読取装置は、前記リードコマンドを前記ホストから受信する受信手段と、前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数が、受信した前記リードコマンドが指定する数に達している場合に、重複しない前記無線タグから読み取った全ての前記タグIDを前記ホストに送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、無線タグと信号を受信するアンテナを介して前記無線タグのタグIDを読み取る無線タグ読取装置に、前記タグIDを読み取る重複しない前記無線タグの数を指定するリードコマンドを送信する送信手段と、前記リードコマンドにより指定した数の重複しない前記無線タグの前記タグIDを前記無線タグ読取装置から受信する受信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、無線タグと信号を送受信するアンテナと、前記アンテナを介して前記無線タグからタグIDを読み取る読取手段と、前記読取手段により前記タグIDを読み取る重複しない前記無線タグの数を指定するリードコマンドをホストから受信する受信手段と、前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数が、受信した前記リードコマンドが指定する数に達している場合に、読み取った全ての前記タグIDを前記ホストに送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる無線タグ読取システム、ホスト、および無線タグ読取装置は、無線タグ読取装置およびホストの処理を軽減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態である無線タグ読取システムの構成を示す図である。
【図2】図2は、無線タグ読取装置が備えるアンテナの構成例を示す図である。
【図3】図3は、無線タグ読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、ホストのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、無線タグ読取装置およびホストの機能構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、タグIDの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、タグIDの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる無線タグ読取システム、ホスト、および無線タグ読取装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態である無線タグ読取システムの構成を示す図である。本実施の形態の無線タグ読取システム1は、無線タグ100と信号を送受信するアンテナ101を介して、無線タグ100のタグIDを読み取る無線タグ読取装置104、および無線タグ読取装置104により読み取ったタグIDを受信するホスト105(例えば、PC:Personal Computer、POS(Point Of Sale)端末など)を有している。
【0013】
無線タグ読取装置104は、アンテナ101が同軸ケーブル103を介して本体部102に接続されている。なお、読み取り対象の無線タグ100は、実際には郵便物、封筒、書類等の物品に取り付けられるが、本明細書では説明の簡単のため、無線タグ100のみを示して説明する。
【0014】
図2は、無線タグ読取装置が備えるアンテナの構成例を示す図である。
【0015】
アンテナ101は、図2に示すように、ループ形状を有している。より具体的には、アンテナ101は、基板上に形成された導体からなる円形のループを複数分割し、その間隙をコンデンサ201で接続して所望の共振周波数を得るものが用いられる。給電点202には通常、不平衡の同軸ケーブルが接続されるため、不平衡−平衡変換用のバラン203が設けられている。
【0016】
現在広く利用されるようになってきているUHF帯のRFID用磁界型リーダアンテナであれば、上記ループの直径は約10cm、各コンデンサ201の容量を1pF程度とすることにより、日本において使用される周波数帯域の中心である953MHzに共振周波数を合わせることが可能である。ただし、使用する基板や周囲の環境などにより共振周波数は変化するため、ループの直径や、ループの分割数、使用するコンデンサ201の容量値などは適宜調整が必要である。本実施形態では、上記の一般的な磁界型リーダアンテナをアンテナ101として用いる。
【0017】
なお、本実施の形態では、磁界型リーダアンテナをアンテナ101として用いているが、これに限定するものではない。例えば、従来からよく使用されているいわゆるパッチアンテナをアンテナ101として用いることもできる。ちなみに、直線偏波型のパッチアンテナは、誘電体を挟んで導体パターンと接地導体が対向する層構造を有する基板上に、約1/2波長の正方形導体パターンを配置し、共振させるための給電部を設けることによって形成される(図示せず)。
【0018】
図3は、無線タグ読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。無線タグ読取装置104は、CPU301、ROM302、RAM303、出力DA変換器304、PLL305、パワーアンプ306、デジタル変復調器307、LNA308、サーミスタ309、通信制御部310、AD変換器311などを備えている。
【0019】
CPU(Central Processing Unit)301は、無線タグ読取装置104の主要部であって各部を集中的に制御するものである。ROM(Read Only Memory)302は、OS(Operating System)などの各種プログラムを記憶した読み出し専用メモリである。RAM(Random Access Memory)303は、各種データを書換え可能に記憶するものである。出力DA変換器304は、ホスト105などに出力するデジタル信号をアナログ信号に変換するものである。PLL(Phase Locked Loop)305は、自装置内に入力される信号の基準周波数と自装置から出力する信号の周波数とを一致させる電子回路である。サーミスタ309は、自装置内の温度を検出するものである。パワーアンプ306は、アンテナ101を介して無線タグ100から受信した信号やサーミスタ309の検出信号などを増幅するものである。LNA(Low Noise Amplifier)308は、アンテナ101を介して無線タグ100から受信した信号やサーミスタ309の検出信号を増幅させるものであって、自装置の初段に適用される雑音指数の小さい増幅器である。AD変換器311は、ホスト105から入力されたアナログ信号、アンテナ101を介して無線タグ100から受信した信号、サーミスタ309の検出信号などをデジタル信号に変換するものである。デジタル変復調器307は、AD変換器311によりデジタル信号に変換された信号を変復調するものである。通信制御部310は、RS232Cに従ってホスト105との通信を司るものである。
【0020】
図4は、ホストのハードウェア構成を示すブロック図である。ホスト105は、CPU401、ROM402、RAM403、出力DA変換器404、デジタル変復調器405、AD変換器406、通信制御部407などを備えている。
【0021】
CPU401は、ホスト105の主要部であって各部を集中的に制御部するものである。ROM402は、OSなどの各種プログラムを記憶した読み出し専用メモリである。RAM403は、各種データを書換え可能に記憶するものである。出力DA変換器404は、無線タグ読取装置104などに出力するデジタル信号をアナログ信号に変換するものである。AD変換器406は、無線タグ読取装置104から入力されたアナログ信号などをデジタル信号に変換するものである。デジタル変復調器405は、AD変換器406によりデジタル信号に変換された信号を変復調するものである。通信制御部407は、RS232Cに従って無線タグ読取装置104との通信を司るものである。
【0022】
次に、無線タグ読取装置104およびホスト105のROM302,402に記憶されている各種プログラムがCPU301,401に実行させる機能のうち、本実施の形態の無線タグ読取装置104およびホスト105が備える特長的な機能について説明する。
【0023】
図5は、無線タグ読取装置およびホストの機能構成を示すブロック図である。図5に示すように、無線タグ読取装置104は、各種プログラムに従うことにより、読取手段501、受信手段502、送信手段503などを実現する。さらに、図5に示すように、ホスト105は、各種プログラムに従うことにより、送信手段504、受信手段505などを実現する。
【0024】
まず、無線タグ読取装置104の各手段について説明する。
【0025】
受信手段502は、通信制御部310を介して、タグIDの読取開始を命令するコマンドであるタグ読み取り開始コマンド(RD,START)、タグIDの読取停止を命令するタグ読み取り停止コマンド(RD,STOP)、タグIDを読み取る重複しない無線タグ100の数を指定するリードコマンド(RD,a:30)などをホスト105から受信するものである。
【0026】
読取手段501は、受信手段502によりホスト105からタグ読み取り開始コマンド(RD,START)を受信すると、アンテナ101を介して、無線タグ100からタグID(000001,000002,・・・,000030)を読み取る。そして、読取手段501は、読み取ったタグIDをRAM303などの記憶媒体に蓄積する。なお、読取手段501は、読み取ったタグIDが既にRAM303に蓄積されているタグIDと同じ場合には、当該タグIDをRAM303に蓄積しない。つまり、RAM303には、重複しない無線タグ100のタグIDのみが蓄積されている。さらに、読取手段501は、無線タグ100のタグIDであって、RAM303に蓄積されているタグIDとは異なるタグIDを読み取る毎に、タグIDを読み取った重複しない無線タグ100の数(以下、読み取り枚数Zとする)をインクリメントする。読み取り枚数Zは、RAM303などの記憶媒体に記憶されているものとする。なお、読取手段501は、受信手段502によりホスト105からタグ読み取り停止コマンド(RD,STOP)を受信するまで、無線タグ100からのタグIDの読み取りを繰り返すものとする。
【0027】
送信手段503は、読み取り枚数Zが、受信手段502によりホスト105から受信したリードコマンドが指定する数aに達している場合に、通信制御部310を介して、RAM303に記憶されたタグID(つまり、重複しない無線タグ100から読み取った全てのタグID(RD,d:000001,d:000002,・・・,d:000030))をホスト105に送信する。また、送信手段503は、タグIDをホスト105に送信した際に、読み取り枚数Zをクリアする。なお、送信手段503は、読み取り枚数Zが、受信手段502によりホスト105から受信したリードコマンドが指定する数aに達していない場合、読み取り枚数Zをホスト105に送信する。
【0028】
次に、ホスト105の各手段について説明する。
【0029】
送信手段504は、通信制御部407を介して、タグ読み取り開始コマンド(RD,START)、タグ読み取り停止コマンド(RD,STOP)、リードコマンド(RD,a:30)などを無線タグ読取装置104に送信するものである。
【0030】
受信手段505は、通信制御部407を介して、リードコマンドにより指定した数の重複しない無線タグ100のタグIDを無線タグ読取装置104から一括受信するものである。さらに、受信手段505は、通信制御部407を介して、読み取り枚数Zを無線タグ読取装置104から受信するものである。
【0031】
ここで、郵便局などにおいて、郵便物などに埋め込まれている無線タグ100のタグIDを読み取る場合について説明する。
【0032】
ホスト105(POS端末)に接続されている無線タグ読取装置104により郵便物に埋め込まれた無線タグ100のタグIDを読み取る際、まず、ユーザは、ホスト105が備える図示しない入力装置を介して、ホスト105に対してタグIDを読み取る重複しない無線タグ100の数a(例えば、a:5)を入力する。すると、送信手段504は、タグ読み取り開始コマンド(RD,START)を無線タグ読取装置104に送信する。
【0033】
さらに、送信手段504は、所定時間毎に、リードコマンド(RD,a:5)を無線タグ読取装置104に送信する。なお、送信手段504は、ユーザによりタグIDを読み取る重複しない無線タグ100の数aが入力されなかった場合、読み取り対象の無線タグ100の数よりも十分に大きい値(例えば、100)を指定するリードコマンド(RD,a:100)を無線タグ読取装置104に送信する。そして、受信手段505により無線タグ読取装置104から受信した読み取り枚数Zが安定した場合(つまり、無線タグ読取装置104から受信した読み取り枚数Zが増えなくなった場合)、送信手段504は、受信した読み取り枚数Zを指定するリードコマンド(RD,a:5)を無線タグ読取装置100に送信する。
【0034】
受信手段502がタグ読み取り開始コマンド(RD,START)を受信すると、読取手段501は、無線タグ100のタグIDの読み取りを開始する。次いで、受信手段502がリードコマンド(RD,a:5)を受信すると、送信手段503は、RAM303に記憶された読み取り枚数Zが、受信したリードコマンドが指定する重複しない無線タグ100の数である「5」に達しているか否かを判断する。そして、読み取り枚数Zが「5」に達していない場合(例えば、読み取り枚数Zが「3」の場合)、送信手段503は、読み取り枚数Zをホスト105に送信する。さらに、受信手段502がリードコマンド(RD,a:5)を再び受信し、読み取り枚数Zが受信したリードコマンドが指定する重複しない無線タグ100の数である「5」に達している場合、送信手段503は、読み取った重複しない5つの無線タグ100のタグIDをホスト105に送信する。
【0035】
受信手段505は、無線タグ読取装置104から送信された読み取り枚数Z(例えば、「3」)を受信する。さらに、受信手段505は、無線タグ読取装置104から送信された5つのタグIDを一括受信する。
【0036】
次に、図6を用いて、無線タグ読取装置104によるタグIDの送信処理の流れについて説明する。図6は、タグIDの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0037】
まず、受信手段502は、読取手段501により無線タグ100のタグIDの読み取りが行われているか否かを判断する(ステップS601)。タグIDの読み取りが行われていない場合(ステップS601:No)、受信手段502は、タグ読み取りコマンドの受信を待つ(ステップS602)。そして、タグ読み取りコマンドを受信すると(ステップS602:Yes)、受信手段502は、読み取り枚数Zをクリアする(ステップS603)。続いて、読取手段501は、アンテナ101を介して、無線タグ100のタグIDの読み取りを開始する(ステップS604)。
【0038】
一方、タグIDの読み取りが行われている場合(ステップS601:Yes)、読取手段501は、重複しない無線タグ100のタグIDを読み取る毎に(ステップS605:Yes)、読み取り枚数Zをインクリメントする(ステップS606)。さらに、受信手段502がリードコマンドを受信すると(ステップS607:Yes)、送信手段503は、読み取り枚数Zが受信したリードコマンドにより指定されるタグIDを読み取る重複しない無線タグ100の数aに達したか否かを判断する(ステップ608)。
【0039】
ここで、読み取り枚数Zがリードコマンドにより指定されるタグIDを読み取る重複しない無線タグ100の数aに達していない場合(ステップS608:No)、送信手段503は、読み取り枚数Zをホスト105に送信する(ステップS609)。一方、読み取り枚数Zがリードコマンドにより指定されるタグIDを読み取る重複しない無線タグ100の数aに達していた場合(ステップS608:Yes)、送信手段503は、読み取り枚数Z、および読取手段501により読み取った重複しない無線タグ100の全てのタグIDをホスト105に送信するとともに(ステップS610)、読み取り枚数Zをクリアする(ステップS611)。
【0040】
なお、リードコマンドを受信しなかった場合(ステップS607:No)、受信手段502は、タグ読み取り停止コマンドの受信を待つ(ステップS612)。そして、タグ読み取り停止コマンドを受信した場合(ステップS612:Yes)、読取手段501は、無線タグ100のタグIDの読み取りを停止する(ステップS613)。
【0041】
図6では、リードコマンドの受信を待って読み取り枚数ZおよびタグIDの送信を行っているが、リードコマンドの受信を待たずに、無線タグ読取装置104から自動的にタグIDの送信処理(図7参照)を行うことも可能である。図7は、タグIDの送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
まず、受信手段502は、読取手段501により無線タグ100のタグIDの読み取りが行われているか否かを判断する(ステップS701)。タグIDの読み取りが行われていない場合(ステップS701:No)、受信手段502は、タグ読み取りコマンドおよびリードコマンドの受信を待つ(ステップS702)。そして、タグ読み取りコマンドおよびリードコマンドを受信すると(ステップS702:Yes)、受信手段502は、読み取り枚数Zをクリアする(ステップS703)。続いて、読取手段501は、アンテナ101を介して、無線タグ100のタグIDの読み取りを開始する(ステップS704)。
【0043】
一方、タグIDの読み取りが行われている場合(ステップS701:Yes)、読取手段501は、重複しない無線タグ100のタグIDを読み取る毎に(ステップS705:Yes)、読み取り枚数Zをインクリメントする(ステップS706)。次いで、受信手段502によりタグ読み取り停止コマンドを受信していない場合(ステップS707:No)、送信手段503は、読み取り枚数Zが受信したリードコマンドにより指定されるタグIDを読み取る重複しない無線タグ100の数aに達したか否かを判断する(ステップ708)。
【0044】
ここで、読み取り枚数Zがリードコマンドにより指定されるタグIDを読み取る重複しない無線タグ100の数aに達していない場合(ステップS708:No)、送信手段503は、読み取り枚数Zをホスト105に送信する(ステップS709)。一方、読み取り枚数Zがリードコマンドにより指定されるタグIDを読み取る重複しない無線タグ100の数aに達していた場合(ステップS708:Yes)、送信手段503は、読み取り枚数Z、および読取手段501により読み取った重複しない無線タグ100の全てのタグIDをホスト105に送信するとともに(ステップS710)、読み取り枚数Zをクリアする(ステップS711)。
【0045】
なお、タグ読み取り停止コマンドを受信した場合(ステップS707:Yes)、読取手段501は、無線タグ100のタグIDの読み取りを停止する(ステップS712)。
【0046】
このように本実施の形態にかかる無線タグ読取システム1によれば、アンテナ101を介して、無線タグ100からタグIDを読み取り、タグIDを読み取った重複しない無線タグの数が、ホスト105から受信したリードコマンドが指定する数に達している場合に、読み取った重複しない無線タグ100の全てのタグIDをホスト105に送信することにより、ホスト105がタグIDの受信処理を行う回数を減らすことができるので、無線タグ読取装置104およびホスト105の処理を軽減することができる。さらに、安価な低処理能力のホスト105により無線タグ読取システム1を実現することができる。さらに、無線タグ100の読取処理と他のアプリケーションにより処理とを共存させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 無線タグ読取システム
100 無線タグ
101 アンテナ
104 無線タグ読取装置
105 ホスト
501 読取手段
502,505 受信手段
503,504 送信手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開2006−277014公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグと信号を送受信するアンテナを介して、前記無線タグのタグIDを読み取る無線タグ読取装置と、前記無線タグ読取装置により読み取られた前記タグIDを受信するホストと、を有する無線タグ読取システムであって、
前記ホストは、
前記タグIDを読み取る重複しない前記無線タグの数を指定するリードコマンドを前記無線タグ読取装置に送信する送信手段、
を備え、
前記無線タグ読取装置は、
前記リードコマンドを前記ホストから受信する受信手段と、
前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数が、受信した前記リードコマンドが指定する数に達している場合に、重複しない前記無線タグから読み取った全ての前記タグIDを前記ホストに送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする無線タグ読取システム。
【請求項2】
前記ホストは、
前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数を前記無線タグ読取装置から受信する受信手段、
をさらに備え、
前記無線タグ読取装置の前記送信手段は、さらに、前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数が前記リードコマンドにより指定された数に達していない場合、前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数を前記ホストに送信することを特徴とする請求項1に記載の無線タグ読取システム。
【請求項3】
無線タグと信号を受信するアンテナを介して前記無線タグのタグIDを読み取る無線タグ読取装置に、前記タグIDを読み取る重複しない前記無線タグの数を指定するリードコマンドを送信する送信手段と、
前記リードコマンドにより指定した数の重複しない前記無線タグの前記タグIDを前記無線タグ読取装置から受信する受信手段と、
を備えたことを特徴とするホスト。
【請求項4】
前記受信手段は、前記無線タグ読取装置により前記無線タグの前記タグIDが読み取られている間、前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数を前記無線タグ読取装置から受信することを特徴とする請求項3に記載のホスト。
【請求項5】
無線タグと信号を送受信するアンテナと、
前記アンテナを介して前記無線タグからタグIDを読み取る読取手段と、
前記読取手段により前記タグIDを読み取る重複しない前記無線タグの数を指定するリードコマンドをホストから受信する受信手段と、
前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数が、受信した前記リードコマンドが指定する数に達している場合に、読み取った全ての前記タグIDを前記ホストに送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項6】
前記送信手段は、さらに、前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数が前記リードコマンドにより指定された数に達していない場合、前記タグIDを読み取った重複しない前記無線タグの数を前記ホストに送信することを特徴とする請求項5に記載の無線タグ読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−53898(P2011−53898A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201993(P2009−201993)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】