説明

無線タグ読取装置、無線タグ読取システムおよび無線タグ読取方法

【課題】 ユーザの嗜好情報に関連づけた商品情報を表示することができる無線タグ読取装置、無線タグ読取システムおよび無線タグ読取方法を提供する。
【解決手段】 ユーザ識別情報および前記ユーザの嗜好情報を格納するカードから情報を読み出すカード読取部12と、無線タグTから無線通信によりコード情報を読み出すタグ読取部23と、カード読取部から読み出したユーザ識別情報および前記タグ読取部から読み出したコード情報に基づき、サーバ装置から商品情報を取得する通信部21と、通信部から取得した商品情報を、カード読取部から読み出した嗜好情報に関連付けて表示する表示部25を有する無線タグ読取装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等の無線タグからEPC(Electronic Product Code)を読み取る無線タグ読取装置に関し、特に、ICカード等の他の媒体から与えられる情報に基づいて読取結果を表示する無線タグ読取装置、無線タグ読取システムおよび無線タグ読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、物流分野におけるRFID(Radio Frequency Identification)システムの導入が進められている。このRFIDシステムにおいては、取り扱うデータ量が膨大となる上、無数の国をまたぐことがあるため、SGTIN(Serialized Global Trade Item Number)やSSCC(Serial Shipping Container Code)といったグローバルで完全にユニークな物品管理のコード、いわゆるEPCコードが活用されている。
【0003】
ちなみに、SGTINコードは、国際標準の商品識別コードであるGTINにシリアル番号を付すことで商品を個別管理するためのコード体系であり、現在、96ビットを使用したSGTIN−96と198ビットとのSGTIN−198とがEPCグローバルで規定されている。SSCCコードは、ケース、ダンボール、パレット等の輸送用の梱包対を個別管理するためのコード体系であり、現在、96ビットを使用したSSCC−96がEPCグローバルで規定されている。
【0004】
特許文献1は、このようなEPCコードを用いる無線タグを使用した無線タグ読取装置を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1が示す無線タグ読取装置においては、EPCコードを用いる無線タグを使用した読取処理を開示してはいるが、ユーザ一人一人の嗜好情報を活用した商品情報の表示についてはなんら記載されていない。
【0006】
本発明は、ユーザの嗜好情報に関連づけた商品情報を表示することができる無線タグ読取装置、無線タグ読取システムおよび無線タグ読取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決する一実施形態は、
ユーザ識別情報および前記ユーザの嗜好情報を格納するカードから情報を読み出すカード読取部(12)と、
無線タグ(T)から無線通信によりコード情報を読み出すタグ読取部(23)と、
前記カード読取部から読み出したユーザ識別情報および前記タグ読取部から読み出した前記コード情報に基づき、サーバ装置から商品情報を取得する通信部(21)と、
前記通信部から取得した前記商品情報を、前記カード読取部から読み出した前記嗜好情報に関連付けて表示する表示部(25)と、
を具備することを特徴とする無線タグ読取装置である。
【0008】
また、
端末装置(1)と無線タグ読取装置を含む無線タグ読取システムであって、
前記端末装置は、ユーザ識別情報および前記ユーザの嗜好情報を格納するカード(C)に前記ユーザの前記嗜好情報を入力する入力手段を有しており、
前記無線タグ読取装置は、
前記カードから情報を読み出すカード読取部(12)と、
無線タグ(T)から無線通信によりコード情報を読み出すタグ読取部(23)と、
前記カード読取部から読み出したユーザ識別情報および前記タグ読取部から読み出した前記コード情報に基づき、サーバ装置から商品情報を取得する通信部(21)と、
前記通信部から取得した前記商品情報を、前記カード読取部から読み出した前記嗜好情報に関連付けて表示する表示部(25)を有することを特徴とする無線タグ読取システムである。
【0009】
また、
端末装置(1)と無線タグ読取装置(2)により無線タグを読み取る無線タグ読取方法であって、
ユーザ識別情報および前記ユーザの嗜好情報を格納するカード(C)へ、前記端末装置を介して前記ユーザの前記嗜好情報を入力し、
前記無線タグ読取装置のカード読取部(12)を用いて、前記嗜好情報を読み出し、
前記無線タグ読取装置のタグ読取部(23)を用いて、無線タグ(T)から無線通信を介してコード情報を読み出し、
前記カード読取部から読み出したユーザ識別情報および前記タグ読取部から読み出した前記コード情報に基づき、通信回線を介してサーバ装置から商品情報を取得し、
前記通信部から取得した前記商品情報を、前記カード読取部から読み出した前記嗜好情報に関連付けて、前記端末装置の表示部(25)に表示することを特徴とする無線タグ読取方法である。
【発明の効果】
【0010】
あらかじめICカード等で消費者の嗜好を入力しておき、商品の無線タグから商品情報を収集すると、その商品が消費者の嗜好に合っているかを知らせる。たとえば、魚アレルギーをもつ消費者に対して魚肉ソーセージであれば、カート装置の表示部に忠告メッセージを表示することで、買い物の際の便宜を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る店舗端末装置の一例を示す外観図。
【図2】同じくカート装置の一例を示す外観図。
【図3】同じく無線タグ読取システムの構成の一例を示すブロック図。
【図4】同じく無線タグ読取システムの読取処理の一例を示すフローチャート。
【図5】同じく無線タグ読取システムの読取処理の他の例を示すフローチャート。
【図6】同じく無線タグ読取システムの読取処理の他の例を示すフローチャート。
【図7】同じく無線タグ読取システムの読取処理の他の例を示すフローチャート。
【図8】同じく無線タグ読取装置の忠告メッセージの一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
通常のRFIDタグはバーコードと違い多くの情報を格納できるため、EPCコードという世界共通の96ビットからなる商品識別コードを有している。このEPCコードには、メーカ番号、商品番号、製造番号が含まれており、どこで誰が、何を、いつ製造したかが詳らかにわかる仕組みになっている。
【0013】
一般に製品を購入する際、製造メーカ、原産国、原料等をチェックしてその製品を購入するかを判断することが多い。しかし製品ラベルを商品ごとにチェックするのは時間がかかる上に細かな情報は記載されていない場合もある。そこで本発明では、あらかじめ自分にとって好ましいものと好ましくないものの嗜好情報をICカード等の記憶媒体に記録しておく。そして商品購入の際、商品に貼り付けられたRFIDタグをRFIDリーダを用いて読み取りそのEPCコードを取得する。そしてEPCコードからその商品の商品情報を入手し、あらかじめ自身にとっての好みを記録しておいた媒体内の情報と比較し、その商品が自身にとって買って良い物であるか等を判定する。これにより、アレルギーにより受け付けないものが含まれていないか、または、購入したくないメーカの物ではないかなどの情報が瞬時に消費者に伝達することができる。
【0014】
以下、具体的な実施形態である無線タグ読取装置、無線タグ読取システムおよび無線タグ読取方法を図1乃至図3を用いて、詳細に説明する。本発明の一実施形態に係る無線タグ読取システムは、一例として、店舗端末装置1とカート装置2からなり、例えば、ユーザ認証が可能なICカードCにより、趣味・嗜好情報を入力し、商品Sに添付された無線タグTから商品情報を読み取って、カート装置2の表示部25等に趣味・嗜好情報に関連づけた商品情報を表示する。なお、ICカードCは、必ずしも上述した嗜好情報をICカードCの記憶領域に格納しておく必要は無く、代わりにユーザの識別情報や何らかの代理情報を格納しておき、パーソナルコンピュータPやホストコンピュータH等の記憶領域にユーザの識別情報や上述した代理情報に対応させて、肝心の識別情報を管理しておくものでもよい。
【0015】
店舗端末装置1は、全体の動作を制御する制御部10と、ネットワークNを介してホストコンピュータH、パーソナルコンピュータP、携帯電話K等と通信を行なう通信部11と、ICカードCを読み取るICカードリーダ12と、ユーザが操作を行うための操作部13と、商品情報等を表示する表示部14と、各種制御情報等を記憶する記憶部15を有している。
【0016】
また、カート装置2は、全体の動作を制御する制御部20と、ネットワークNを介してホストコンピュータH、パーソナルコンピュータP、携帯電話K等と通信を行なう通信部
21と、ICカードCを読み取るICカードリーダ22と、無線タグTを読み取るRFIDリーダ23と、ユーザが操作を行うための操作部24と、商品情報等を表示する表示部25と、各種制御情報等を記憶する記憶部26を有している。
【0017】
このような構成をもつ店舗端末装置1およびカート装置2において、以下のように、ユーザ(消費者)の趣味・嗜好情報に関連づけた表示処理を行うことができる。すなわち、図4のフローチャートに示すように、ユーザは、店舗端末装置1に対して、ICカードCをICカードリーダ12で読み取らせ、操作部13によりパスワード等で認証処理をした後に、表示部14による対話形式において自己の趣味・嗜好情報を入力することでICカードCの記憶領域に自己の趣味・嗜好情報を記憶させることができる(ステップS1)。なお、この趣味・嗜好情報は、通信部11およびネットワークNを介して、ホストコンピュータHの記憶領域に記憶してもよい。この際、ICカードCにはこの趣味・嗜好情報を引き出すための関連情報を記憶させておくものでも可能である。
【0018】
また、外部のパーソナルコンピュータPや携帯電話Kから、趣味・嗜好情報をホストコンピュータHの記憶領域に入力することもできる。
【0019】
その後、ユーザは、カート装置2に対しても、ICカードCをICカードリーダ22に挿入して読み取らせる(ステップS2)。次に、ユーザは、気に入った商品Sを手に取って、カート装置2のRFIDリーダ23にかざすことで、無線タグTからEPCコードを読み取る(ステップS3)。制御部20は、読み取ったEPCコードを通信部21およびネットワークNを介してホストコンピュータHに供給し、ホストコンピュータHは、EPCコードに基づきウェブ上の他のサーバ等から商品情報を取得して、カート装置2に供給する(ステップS4)。
【0020】
カート装置2の制御部20は、ホストコンピュータHから与えられた商品情報(この商品情報は記憶部26に順次蓄積されることで再利用が可能である)に基づいて、ICカードCより取得した趣味・嗜好情報に対応しているかどうかを判断する(ステップS5)。制御部20が商品情報が趣味・嗜好情報に対応していると判断すれば、対応関係に基づいて忠告等すべく表示部25に表示することで、ユーザの買い物の便宜を図ることが可能となる(ステップS6)。商品情報は趣味・嗜好情報に対応していないと、制御部20が判断すれば、対応関係がないことに基づく忠告等を行い、または、何も忠告せずに、単に商品情報を表示部25に表示することで、ユーザの買い物の便宜を図る(ステップS7)。
【0021】
また、制御部20は、図示しない店舗のサーバのデータベース(または店舗端末装置1)から扱っている商品情報を取得し、この商品情報の中からICカードCより取得した趣味・嗜好情報に対応している商品を選択検出して、この商品情報を表示部25に表示することで、ユーザ(顧客)に当該商品の購入を促すことができる。
【0022】
次に、図5のフローチャートにおいて具体的な趣味・嗜好情報の例を用いて、本発明の一実施形態に係る無線タグ読取装置によるユーザ(消費者)の趣味・嗜好情報に関連づけた表示処理を説明する。ユーザは、店舗端末装置1に対して、ICカードCをICカードリーダ12で読み取らせ、操作部13によりパスワード等で認証処理をした後に、表示部14による対話形式において自己の趣味・嗜好情報として例えば『魚アレルギー』を入力することでICカードCの記憶領域に自己の趣味・嗜好情報を記憶させることができる(ステップS11)。なお、この趣味・嗜好情報は、通信部11およびネットワークNを介して、ホストコンピュータHの記憶領域に記憶してもよい。また、外部のパーソナルコンピュータPや携帯電話Kから、趣味・嗜好情報をホストコンピュータHの記憶領域に入力することもできる。
【0023】
その後、ユーザは、カート装置2に対しても、ICカードCをICカードリーダ22に挿入して読み取らせる(ステップS12)。次に、ユーザは、気に入った商品S、例えばソーセージを手に取ってカート装置2のRFIDリーダ23にかざすことで、無線タグTからEPCコードを読み取る(ステップS13)。制御部20は、読み取ったEPCコードを通信部21およびネットワークNを介してホストコンピュータHに供給し、ホストコンピュータHは、EPCコードに基づきウェブ上の他のサーバ等から商品情報を取得して、カート装置2に供給する(ステップS14)。
【0024】
カート装置2の制御部20は、ホストコンピュータHから与えられた商品情報(この商品情報は記憶部26に順次蓄積されることで再利用が可能である)に基づいて、ICカードCより取得した趣味・嗜好情報である『魚アレルギー』に対応しているかどうかを判断する(ステップS15)。制御部20が、ソーセージの商品情報が趣味・嗜好情報である『魚アレルギー』に対応しており、原材料に魚肉が含まれていれば、図8に示すような忠告画面において対応関係に基づいて『この商品には、原材料に魚肉が含まれています』等の忠告等を行うべく表示部25に表示することで、ユーザの買い物の便宜を図ることが可能となる(ステップS16)。この際に、他の商品情報である『商品名』、『価格』、『メーカ名』、『工場名』等を表示することができる。また、制御部20は、データベースに問い合わせて、現在、紹介できる代替品を同時に表示することができる。
【0025】
また、商品情報は趣味・嗜好情報に対応していないと、制御部20が判断すれば、対応関係がないことに基づく忠告等を行い、または、何も忠告せずに、単に商品情報を表示部25に表示することで、ユーザの買い物の便宜を図る(ステップS17)。
【0026】
次に、図6のフローチャートにおいて趣味・嗜好情報の具体例を医療情報(お薬手帳情報等)を用いて、本発明の一実施形態に係る無線タグ読取装置によるユーザ(消費者)の医療情報(お薬手帳情報等)に関連づけた表示処理を説明する。ここで、医療情報(お薬手帳情報等)とは、医師が処方箋を作成して患者に渡し、薬剤師から製薬を購入する際に、どのような薬を処方しているかを示している『お薬手帳』や、この『お薬手帳』に付記される薬以外の医療情報および『お薬手帳』以外の医療情報を意味しており、処方している薬名以外にも、アレルギー物質や、回避したい食品情報、積極的に取り入れたい食品情報・健康食品等を含んでいる。
【0027】
ユーザは、店舗端末装置1に対して、ICカードCをICカードリーダ12で読み取らせ、操作部13によりパスワード等で認証処理をした後に、表示部14による対話形式において自己の趣味・嗜好情報として医療情報(お薬手帳情報等)を入力することでICカードCの記憶領域に自己の医療情報(お薬手帳情報等)を記憶させることができる(ステップS21)。なお、この医療情報(お薬手帳情報等)は、通信部11およびネットワークNを介して、ホストコンピュータHの記憶領域に記憶してもよい。また、外部のパーソナルコンピュータPや携帯電話Kから、医療情報(お薬手帳情報等)をホストコンピュータHの記憶領域に入力することもできる。
【0028】
その後、ユーザは、カート装置2に対しても、ICカードCをICカードリーダ22に挿入して読み取らせる(ステップS22)。次に、ユーザは、気に入った商品Sを手に取ってカート装置2のRFIDリーダ23にかざすことで、無線タグTからEPCコードを読み取る(ステップS23)。制御部20は、読み取ったEPCコードを通信部21およびネットワークNを介してホストコンピュータHに供給し、ホストコンピュータHは、EPCコードに基づきウェブ上の他のサーバ等から商品情報を取得して、カート装置2に供給する(ステップS24)。
【0029】
カート装置2の制御部20は、ホストコンピュータHから与えられた商品情報(この商品情報は記憶部26に順次蓄積されることで再利用が可能である)に基づいて、ICカードCより取得した医療情報(お薬手帳情報等)に対応しているかどうかを判断する(ステップS25)。制御部20が、商品Sの商品情報が医療情報(お薬手帳情報等)に対応しており、原材料にアレルギー物質を含んでいたり、回避すべき原材料を含んでいる等すれば、図8に示すような忠告画面において対応関係に基づいて『この商品には、原材料に回避すべき物質が含まれています』や、『この商品は、お客様にとって望ましい原材料が含まれています』等の忠告等を行うべく表示部25に表示することで、ユーザの買い物の便宜を図ることが可能となる(ステップS26)。この際に、他の商品情報である『商品名』、『価格』、『メーカ名』、『工場名』等を表示することができる。また、制御部20は、データベースに問い合わせて、現在、紹介できる代替品を同時に表示することができる。
【0030】
また、商品情報は医療情報(お薬手帳情報等)に対応していないと制御部20が判断すれば、対応関係がないことに基づく忠告等を行い、または、何も忠告せずに、単に商品情報を表示部25に表示することで、ユーザの買い物の便宜を図る(ステップS27)。
【0031】
次に、図7のフローチャートにおいて、ユーザの過去の購入履歴情報を用いて、本発明の一実施形態に係る無線タグ読取装置によるユーザ(消費者)の購入履歴情報に関連づけた表示処理を説明する。ここで、購入履歴情報とは、そのユーザが過去に購入した日時・場所・購入品・価格・購入品の商品情報等を意味する。
【0032】
ユーザは、店舗端末装置1に対して、ICカードCをICカードリーダ12で読み取らせ、操作部13によりパスワード等で認証処理をした後に、表示部14による対話形式において、通信部11を介してホストコンピュータHから自己の購入情報を収集してICカードCの記憶領域に記憶するべく操作する。または、ユーザがICカードCをICカードリーダ12で読み取らせ、操作部13によりパスワード等で認証処理をするだけで、制御部10は自動的に通信部11を介してホストコンピュータHからユーザの購入情報を収集してICカードCの記憶領域に記憶することもできる(ステップS31)。また、ホストコンピュータHは、ユーザがICカードC等で自分のIDを用いて購入を行う度に、店舗のレジスタと通信を行ない、購入履歴情報を自動的にホストコンピュータHの記憶領域に蓄積させるものでもよい。
【0033】
その後、ユーザは、カート装置2に対しても、ICカードCをICカードリーダ22に挿入して読み取らせる(ステップS32)。次に、ユーザは、気に入った商品Sを手に取ってカート装置2のRFIDリーダ23にかざすことで、無線タグTからEPCコードを読み取る(ステップS33)。
【0034】
制御部20は、読み取ったEPCコードを通信部21およびネットワークNを介してホストコンピュータHに供給し、ホストコンピュータHは、EPCコードに基づきウェブ上の他のサーバ等から商品情報を取得して、カート装置2に供給する(ステップS34)。
【0035】
カート装置2の制御部20は、ホストコンピュータHから与えられた商品情報(この商品情報は記憶部26に順次蓄積されることで再利用が可能である)と、ICカードCより取得した購入履歴情報との対応関係を判断する(ステップS35)。制御部20が商品Sの商品情報がユーザの過去の購入履歴情報と対応していると判断すれば、その対応関係を表示部25に表示することで、ユーザの買い物の便宜を図ることが可能となる(ステップS36)。商品が書籍やCD、DVD等であれば、『本商品は3ヶ月前に購入済です』等の忠告を行い、代替品として、まだ未購入の関連商品、例えば、書籍がシリーズものであれば未購入の巻の書籍を紹介する画面を表示することができる。この際に、他の商品情報である『商品名』、『価格』、『メーカ名(出版名)』、『工場名(印刷所名)』等を表示することができる。
【0036】
また、商品情報は過去の購入履歴情報と対応していないと制御部20が判断すれば、対応関係がないことに基づく忠告等を行い、または、何も忠告せずに、単に商品情報を表示部25に表示することで、ユーザの買い物の便宜を図る(ステップS37)。
【0037】
また、ユーザ(顧客)の過去の購入履歴情報において、周期的に購入されている商品があり、当該店舗でその商品を扱っていれば、制御部21は、図示しない店舗のサーバのデータベースから扱っている商品情報を取得し、購入履歴情報に基づいて、当該商品の購入を促すべく表示部25に表示を行うことができる。
【0038】
その後、RFIDリーダ23が商品Sを読み取る等の処理とは無関係に、カート装置2の操作部24の操作等のユーザからの指示を受けると(ステップS38)、カート装置2の制御部21は表示部25に、ユーザ(顧客)の過去の購入履歴情報を表示することができる(ステップS39)。これにより、ユーザ(顧客)は、より効率的で無駄のない買い物を行うことができる。
【0039】
以上記載した様々な実施形態は複数同時に実施することが可能であり、これらの記載により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0040】
1…店舗端末装置、2…カート装置、H…ホストコンピュータ、C…ICカード、S…商品、T…RFIDタグ、10…制御部、11…通信部、12…ICカードリーダ、13…操作部、14…表示部、15…記憶部、20…制御部、21…通信部、22…ICカードリーダ、23…RFIDリーダ、24…操作部、25…表示部、26…記憶部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特開2008−176633号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ識別情報および前記ユーザの嗜好情報を格納するカードから情報を読み出すカード読取部と、
無線タグから無線通信によりコード情報を読み出すタグ読取部と、
前記カード読取部から読み出したユーザ識別情報および前記タグ読取部から読み出した前記コード情報に基づき、サーバ装置から商品情報を取得する通信部と、
前記通信部から取得した前記商品情報を、前記カード読取部から読み出した前記嗜好情報に関連付けて表示する表示部と、を具備することを特徴とする無線タグ読取装置。
【請求項2】
前記嗜好情報は、ユーザが希望する要素と回避したい要素を含むことを特徴とする請求項1記載の無線タグ読取装置。
【請求項3】
前記嗜好情報は、医療情報を含むことを特徴とする請求項1記載の無線タグ読取装置。
【請求項4】
前記嗜好情報は、ユーザの過去の購入履歴情報を含むことを特徴とする請求項1記載の無線タグ読取装置。
【請求項5】
前記嗜好情報は、前記カードを読み取ることができる端末装置から入力させることを特徴とする請求項1記載の無線タグ読取装置。
【請求項6】
前記表示部は、ユーザが購入しようとする商品について、前記嗜好情報に関連付けて忠告を行うことを特徴とする請求項1記載の無線タグ読取装置。
【請求項7】
前記表示部は、ユーザが購入しようとする商品について前記嗜好情報に関連付けて忠告を行うと同時に、代替品に関する情報を表示することを特徴とする請求項1記載の無線タグ読取装置。
【請求項8】
前記ユーザの嗜好情報は、ネットワークに接続できるパーソナルコンピュータまたは携帯電話から入力することができることを特徴とする請求項1記載の無線タグ読取装置。
【請求項9】
端末装置と無線タグ読取装置を含む無線タグ読取システムであって、
前記端末装置は、ユーザ識別情報および前記ユーザの嗜好情報を格納するカードに前記ユーザの前記嗜好情報を入力する入力手段を有しており、
前記無線タグ読取装置は、
前記カードから情報を読み出すカード読取部と、
無線タグから無線通信によりコード情報を読み出すタグ読取部と、
前記カード読取部から読み出したユーザ識別情報および前記タグ読取部から読み出した前記コード情報に基づき、サーバ装置から商品情報を取得する通信部と、
前記通信部から取得した前記商品情報を、前記カード読取部から読み出した前記嗜好情報に関連付けて表示する表示部を有することを特徴とする無線タグ読取システム。
【請求項10】
端末装置と無線タグ読取装置により無線タグを読み取る無線タグ読取方法であって、
ユーザ識別情報および前記ユーザの嗜好情報を格納するカードへ、前記端末装置を介して前記ユーザの前記嗜好情報を入力し、
前記無線タグ読取装置のカード読取部を用いて、前記嗜好情報を読み出し、
前記無線タグ読取装置のタグ読取部を用いて、無線タグから無線通信を介してコード情報を読み出し、
前記カード読取部から読み出したユーザ識別情報および前記タグ読取部から読み出した前記コード情報に基づき、通信回線を介してサーバ装置から商品情報を取得し、
前記通信部から取得した前記商品情報を、前記カード読取部から読み出した前記嗜好情報に関連付けて、前記端末装置の表示部に表示することを特徴とする無線タグ読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−170631(P2011−170631A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33932(P2010−33932)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】