説明

無線ディジタル符号分割多元接続(CDMA)通信システムの加入者ユニット

【課題】用途ごとに最小の周波数帯域を用いてあらゆる種類の音声通信およびデータ通信をサポートする無線ディジタルCDMA通信システムを提供する。
【解決手段】本発明のシステムは、加入者からの要求に即応してISDN帯域幅を効率的に割り当てる。加入者局ユニットが起動すると、本システムはチャネルを設定し、その加入者局ユニットの求める最大容量チャネルのサポートに必要なスペクトラム拡散符号を発生する。加入者局ユニットから実際に要求があるまで通信帯域幅の一部を保留しておくことはしない。スペクトラム拡散符号の割当てなど呼セットアップは上記加入者局ユニットからの呼の始まりに行われるので、加入者局ユニットは所要特定用途のサポートに必要な周波数スペクトラムの一部へのアクセスを急速に達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には無線通信システムに関する。より詳細にいうと、本発明は、基地局と複数の加入者局ユニットとを含み、加入者局ユニットまたは加入者局ユニットへの発呼を意図するエンティティからの要求に即応して周波数帯域幅を選択的に割り当てる無線ディジタル符号分割多元接続(CDMA)通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの容量および信頼性の改善に伴って、通信業界における無線通信技術の利用が飛躍的に拡大した。音声信号の送信に便利な一つの方法に過ぎないと考えられていたディジタル無線通信システムが、現在では、単純な従来型の電話サービス(POTS)、サービス統合ディジタル網(ISDN)、可変速度(VBR)データサービス、広帯域サービス、専用線サービスおよびパケットデータサービスなどあらゆる種類の通信信号の伝送に不可欠になっている。これら多様なサービスの提供のための信号伝送は技術的には可能であるが、高速度通信には広い周波数帯域幅を要するのでこれらサービスの多くが不経済であった。無線ディジタル通信システムへのアクセスを要求する加入者の数が増加するに伴って、各通話に広い周波数帯域幅を割り当てる手法は現実的でなくなった。
【0003】
公衆無線通信システムに割り当てられる有限の周波数帯域幅はますます貴重になってきた。既存の用途についてはユーザ数の伸びに呼応して追加の周波数帯域割当てが行われるとは考えられないので、通信ハードウェアおよびソフトウェアにおける最近の進歩の多くは、より狭い帯域幅を用いてデータ伝送速度をより高くする方向に向けられてきた。
【0004】
したがって、割当て周波数帯域幅をより効率的に用いて従来の有線網と同等の高速度データサービスをサポートする無線ディジタル通信システムが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許 USP 5 442 625
【特許文献2】国際公開公報WO 95 26094
【特許文献3】国際公開公報WO 97 09810
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、スペクトラム拡散帯域幅を効率的に用いてPOTSやISDNなどの多様な電話サービスをサポートする無線ディジタルスペクトラム拡散通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所要帯域幅を最小に抑えてあらゆる種類の音声通信およびデータ通信をサポートするCDMA無線ディジタル通信システムにある。このシステムは加入者からの要求に即応してISDN帯域幅を効率的に割り当てる。加入者局ユニットをイニシャライズすると、このシステムはチャネルを設定してその加入者局ユニットの所要最大容量チャネルをサポートするのに必要な拡散符号を発生する。しかし、このシステムは、加入者局ユニットから実際に要求されるまで通信帯域幅の一部を確保しておくことはしない。拡散符号の割当てなど呼のセットアップはその特定の加入者局ユニットからの各呼の初めに行われるので、各加入者局ユニットは特定用途サポートのための所要スペクトラムの一部に急速にアクセスできる。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明により、割当て周波数帯域幅をより効率的に用いて従来の有線網と同等の高速度データサービスをサポートする無線ディジタル通信システムを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による符号分割多元接続スペクトラム拡散通信システムブロック図である。
【図2A】本発明の加入者局ユニットとISDN端末装置との間のインタフェースのブロック図である。
【図2B】本発明の加入者局ユニットとPOTS端末装置との間のインタフェースのブロック図である。
【図2C】本発明の加入者局ユニットとパケット端末装置との間のインタフェースのブロック図である。
【図2D】本発明の加入者局ユニットと広帯域接続との間のインタフェースのブロック図である。
【図2E】本発明の加入者局ユニットと専用線端末装置との間のインタフェースのブロック図である。
【図2F】本発明の加入者局ユニットとISDN網およびPOTS網との間のインタフェースのブロック図である。
【図2G】本発明の加入者局ユニットと広帯域網およびパケット網との間のインタフェースのブロック図である。
【図2H】本発明の加入者局ユニットと専用線網との間のインタフェースのブロック図である。
【図3】本発明による加入者局ユニットのブロック図である。
【図4】本発明によるRCSのブロック図である。
【図5】ISDNサービスへの帯域幅の動的割当ての手順の流れ図である。
【図6A】加入者局ユニットとRCSとの間のPOTSサービスのためのベアラチャネル設定の流れ図である。
【図6B】加入者局ユニットとRCSとの間のPOTSサービスのためのベアラチャネル設定の流れ図である。
【図7】加入者局ユニットとRCSとの間の通信の階層型プロトコルを示す。
【図8A】加入者局ユニットの起動した単純化ベアラ切換方法の図解である。
【図8B】RCSの起動した単純化ベアラ切換方法の図解である。
【図9A】加入者局ユニットとRCSとの間のISDNサービスのためのベアラチャネル設定の流れ図である。
【図9B】加入者局ユニットとRCSとの間のISDNサービスのためのベアラチャネル設定の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、同一の構成要素に同一の参照数字を付けて示した添付図面を参照して好ましい実施例を次に説明する。
【0011】
本発明のシステムは、一つ以上の基地局と少なくとも一つの遠隔加入者局ユニットとの間の無線リンクを用いた加入者線(ローカル・ループ)電話サービスを提供する。一つの典型的な実施例では、上記無線リンクを固定加入者局ユニット(FSU)と交信する基地局について述べるが、このシステムは固定加入者局ユニットおよび移動加入者局ユニット(MSU)の両方への無線リンクを形成する複数基地局を含むシステムにも同様に適用できる。したがって、この明細書では固定加入者局ユニットおよび移動加入者局ユニットの両方を加入者局ユニットと呼ぶ。
【0012】
図1を参照すると、基地局101は市内交換局103または構内交換機(PBX)など上記以外の電話網交換インタフェースへの呼接続を提供し、少なくとも一つの無線搬送波局(RCS)104、105・・・110を含む。一つ以上のRCS104、105、110がリンク131、132、137、138、139経由で無線分配ユニット(RDU)102に接続され、RDU102は電話会社リンク141、142・・・150経由で呼セットアップ信号、制御信号および情報信号を送受信することによって市内交換局103との間のインタフェースを形成する。加入者局ユニット116、119は無線リンク161、162、163、164、165経由でRCS104と信号授受する。この発明のもう一つの実施例は、いくつかの加入者局ユニットとRCS104同等の機能を備える「主加入者局ユニット」とを含む。その代替的実施例では市内電話網への接続を備える場合もあり、備えない場合もある。
【0013】
無線リンク161−165は、CDS1800標準(1.71−1.785GHzおよび1.805−1.880GHz)、US−PCS標準(1.85−1.99GHz)およびCEPT標準(2.0−2.7GHz)の周波数帯域内で動作する。この明細書で述べる実施例にはこれらの周波数帯域を用いるが、この発明はUHF帯およびSHF帯全部と2.7GHz乃至5GHzの帯域とを含む任意のRF周波数帯に同様に適用できる。送信帯域幅および受信帯域幅はそれぞれ7MHzを始点とする3.5MHzの倍数および10MHzを始点とする5MHzの倍数である。この明細書に記載したシステムは7、10、10.5、14および15MHzの帯域幅を有する。この発明の典型的な実施例では、アップリンクとダウンリンクとの間の最小保護周波数帯は20MHzであり、信号周波数帯域幅の少なくとも3倍にするのが望ましい。二重通信分離は50乃至174MHzであり、この明細書に記載した実施例では50、75、80、95、175MHzとしている。これら以外の周波数も使うことができる。
【0014】
本システムは、スペクトラム拡散チャネルの送受信用に搬送波を中心とした互いに異なるスペクトラム拡散帯域幅を用いることができるが、この発明は送信チャネルに複数スペクトラム拡散帯域幅を用い受信チャネルに複数スペクトラム拡散帯域幅を用いたシステムに容易に拡張できる。また、送信チャネルおよび受信チャネル両方に同一のスペクトラム拡散帯域幅を用いアップリンクおよびダウンリンクが同じ周波数帯域を占めるようにすることもできる。さらに、本発明は、各々が互いに異なるメッセージ群をアップリンクで、ダウンリンクで、またはアップリンクおよびダウンリンクの両方でそれぞれ伝送する複数CDMA周波数帯域に容易に拡張できる。
【0015】
拡散2進シンボル情報を、ナイキストパルス波形整形を伴う直交位相偏移変調(QPSK)により無線リンク161乃至165経由で伝送する。これ以外の変調手法、すなわちオフセットQPSK最小位相偏移変調(MSK)、ガウス型位相偏移変調(GPSK)、M次位相偏移変調(MPSK)などの変調手法も用いることができる。
【0016】
無線リンク161乃至165は、アップリンクおよびダウンリンクの両方向で伝送モードとして広帯域符号分割多元接続(B−CDMA)を組み入れる。多元接続システムに用いるCDMA(すなわち、スペクトラム拡散)通信手法は周知であり、Donald Schilling名義の米国特許第5,228,056号「同期スペクトラム拡散通信システムおよび方法」に記載されている。同特許記載のシステムは直接シーケンススペクトラム拡散手法を用いている。CDMA変調器は擬似雑音シーケンスで構成可能なスペクトラム拡散符号シーケンスを発生し、QPSK信号の複素直接シーケンス変調を同相(I)チャネルおよび直交位相(Q)チャネルについてのスペクトラム拡散符号シーケンスによって行う。パイロット信号、すなわちデータによる変調を受けていないスペクトラム拡散符号を発生して被変調信号とともに伝送する。これらパイロット信号は、同期、搬送波位相回復および無線チャネルインパルス応答推定に用いる。加入者局ユニット111−118の各々は符号発生器と少なくとも一つのCDMA変調器および復調器とを含み、これら変調器および復調器でCDMAモデムを構成する。RCS104、105、110の各々は、少なくとも一つの符号発生器と加入者局ユニットが使用中の論理チャネル全部に十分なCDMA変調器および復調器とを有する。
【0017】
CDMA変調器はマルチパス伝搬効果の削減に適切な信号処理で信号を逆拡散する。無線リンクはデータ速度8、16、32、64、128および144kb/sの複数トラフィックチャネルをサポートする。トラフィックチャネルの接続先の物理チャネルは64kシンボル/秒の速度で動作する。これ以外のデータ速度もサポートでき、順方向誤り訂正(FEC)符号化を利用できる。ここに記載した実施例では符号化速度1/2および拘束長7のFECを用いている。これ以外の符号化速度および拘束長も符号発生手法との整合性を保って採用することができる。
【0018】
図1を再び参照すると、RCS104は、ディジタルデータ信号送受信用に例えば1.533Mb/sDSIフォーマット、または2.048Mb/sE1フォーマットもしくはHDSLフォーマットの複数のRFリンクまたは地上リンク131、132、137経由でRDU102との間のインタフェースを形成する。これらは電話会社の標準化した通常のインタフェースであるが、本発明はこれらのディジタルデータフォーマットだけに限られない。好例のRCS回線インタフェース(図1には示してない)は回線符号化(HDB3、B8ZS、AMIなど)を翻訳してフレーム情報を抽出し、警報および施設シグナリング動作、並びにチャネル特有のループバックおよびパリティチェック動作を行う。これによって64kb/sPCM符号化または32kb/sADPCM符号化した電話トラフィックチャネルまたはISDNチャネルをRCS104、105、110に供給し、後述の信号処理にかける。上記以外の音声圧縮手法も上記符号シーケンス発生手法と整合性を保って採用できる。
【0019】
本発明のシステムはPOTSサービスおよびISDNサービスの両方についてRCS104と加入者局ユニット111との間のベアラ速度変換もサポートする。加入者局ユニット111−118は電話機170、私設交換機(PBX)171、データ端末172、ISDNインタフェース173またはこれら以外の図2A−2H記載の装置とインタフェースを形成する。電話機170からの入力は音声、音声帯域データおよびシグナリングを含む。この発明は複数の加入者局装置111−118と複数のRCS104−110との間の交信に適用できるが、以下の説明は単純化のために特定の加入者局ユニットとRCSとを対象とする。加入者局ユニットに入力された信号がディジタル信号でない場合は、加入者局ユニット111はアナログ信号をRCS104への送信に備えてディジタルシーケンスに変換する。加入者局ユニット112はADPCMなどの手法により32kb/s以下の速度で音声データを符号化する。RCS104は4.8kb/s以上の速度の音声帯域データまたはファクシミリデータを検出し、送信用トラフィックチャネルのベアラ速度を変換する。また、送信前にA法則圧伸、μ法則圧伸を行うこともでき、圧伸なしにすることもできる。当業者に周知のとおり、伝送容量の確保および干渉の最小化のために空きフラグ除去などのディジタルデータ圧縮手法を併せて用いることもできる。
【0020】
RCS104と加入者局ユニット111との間の無線インタフェースの送信電力レベルは、ダウンリンク方向およびアップリンク方向に別々の閉ループ電力制御方法を用いて制御する。自動順方向電力制御(AFPC)方法でダウンリンク送信電力レベルを定め、自動逆方向電力制御(ARPC)方法でアップリンク送信電力レベルを定める。加入者局ユニット111およびRCS104が電力制御情報の伝達に用いる論理制御チャネルは少なくとも16kHzの更新ずみ速度で動作する。上記以外の実施例は、例えば64kHzのより高いまたは低い更新ずみ速度を用いる。これらのアルゴリズムによって、ユーザ送信電力は受容可能なビット誤り率(BER)を維持し、電力節減のためにシステム電力を最小値に維持し、RCS104の受信点での加入者局ユニット111電力レベルをほぼ等しいレベルに維持することを確実にする。
【0021】
本システムは、加入者局ユニット111の非活性モードの期間中に維持電力制御をオプションで用いることができる。加入者局ユニット111が電力節減のための非活性状態すなわち低出力電力状態にある場合は、加入者局ユニット111はRCS104からの維持電力制御信号に応答して初期送信電力レベル設定を調節するようにときどき活性状態になる。維持電力制御信号は、RCS104が加入者局ユニット111からの受信電力レベルと現在のシステム電力レベルとを測定し所要初期送信電力を計算して定める。この方法によって、交信開始までの加入者局ユニット111のチャネル捕捉時間を短縮し、加入者局ユニット111の送信電力レベルが閉ループ電力制御による送信電力抑制始動前の初期送信の期間中に上がり過ぎて他チャネルに干渉を及ぼすことを防止する。
【0022】
RCS104はE1、T1またはHDSLインタフェースなどのインタフェース回線からクロック同期の供給を受ける。また、RCS104は地表位置特定システム(GPS)受信機で調整可能な発振器から内部クロック信号を発生する。RCS104はグローバルパイロット符号を発生し、遠隔加入者局ユニット111はこのパイロット符号を捕捉できる。RCS104の送信チャネルはこのグローバルパイロットチャネルにすべて同期している。RCS104の内部の論理通信チャネルに用いられる符号発生器(図1には示してない)の拡散符号位相も上記のグローバルパイロットチャネルの拡散符号位相に同期している。同様に、RCS104のグローバルパイロット符号を受ける加入者局ユニット111−118はすべてそれぞれの内蔵符号発生器の拡散符号位相および逆拡散符号位相をグローバルパイロット符号に同期させる。
【0023】
従来技術におけるチャネルは、通常は通信路、すなわちインタフェースの一部であって
コンテンツに関わりなくそのインタフェースの他の通信路から区別できる通信路である。
しかし、CDMA通信では互いに別々の通信路をそのコンテンツで区別する。この発明に
おける論理チャネルおよび論理サブチャネルはすべて共通の64kシンボル/秒(ksym/s
)QPSKストリームにマップする。いくつかのチャネルは、グローバルパイロット符号
から発生しそれと同様の作用をもたらす関連パイロット符号と同期している。システムパ
イロット信号は論理チャネルとは考えない。
【0024】
いくつかの論理通信チャネルをRCS104と加入者局ユニット111との間のRF通信リンクで用いる。各論理通信チャネルは、固定の予め定めたスペクトラム拡散符号か、動的に割り当てられたスペクトラム拡散符号化のいずれかの拡散符号を有する。予め定めた符号の場合も動的に割り当てられた符号の場合も、符号位相はグローバルパイロット符号に同期させる。
【0025】
スペクトラム拡散符号はその符号の発生に用いたシードで特定する。RDU102の内部には「一次シード」のプールがあり、その一部はグローバル一次シードを構成し、残りが割当て一次シードを構成する。RDU102はこれらの一次シードを所要即応式にRCS104に割り当てる。グローバル一次シードはセル内のRCS104用のグローバルチャネル符号全部を発生する。しかし、割り当てられた一次シードは二次割当てシードの発生に用いられる。一つの一次割当てシードが57個の二次割当てシードを発生する。二次割当てシードの各々はRCS104および加入者局ユニット111の内部の符号発生器に入力され、各通信リンクのサポートのためのひと組の割当てチャネル符号を発生する。この好ましい実施例では、各RCSはグローバル符号および二つの一次割当てシード発生のために一つのグローバル一次シードを受ける。したがって、RCS104およびその対応の加入者局ユニット111−118は二次割当てシードを114個まで発生できる。各二次割当てシードは活性状態リンク用の符号発生のためにRCS104が割り当て、これによって114個以下の同時並行通信リンクに十分な符号を供給する。
【0026】
論理通信チャネルは二つの群、すなわち(1)グローバルチャネルおよび(2)割当てチャネルに分ける。グローバルチャネル群は、RCS104から全加入者局ユニット111−118へまたは加入者ユニット111−118からRCS104への伝送チャネルを加入者111−118の区別に関わりなく含む。割当てチャネル群の中のチャネルはRCS104と特定の加入者局ユニット111との間の交信専用のチャネルである。
【0027】
グローバルチャネル群について述べると、このグローバルチャネル群は、(1)全加入者局ユニット111−118へのメッセージの一斉伝達および加入者局ユニット111−118への個別呼出メッセージの一斉伝達のための一地点・多地点間サービスを提供する一斉伝達制御論理チャネル、および(2)加入者局ユニット111−118がこのシステムにアクセスして割当てチャネルを得られるようにグローバルチャネルに二地点間サービスを提供するアクセス制御論理チャネルに備える。本発明のRCS104は一つの一斉伝達制御論理チャネルおよび多数のアクセス制御論理チャネルを有する。この発明の加入者局ユニット111−118は少なくとも一つの一斉伝達制御論理チャネルと少なくとも一つのアクセス制御論理チャネルとを有する。
【0028】
RCS104に制御されるグローバル論理チャネルは、現在利用可能なサービスおよびアクセスチャネルに関する高速変動の情報を一斉伝達する高速一斉伝達チャネル(FBCCH)、および低速変動のシステム情報および個別呼出メッセージを一斉伝達する低速一斉伝達チャネル(SBCCH)である。
【0029】
加入者局ユニット111はアクセスチャネル(AXCH)を用いてRCS104との交信を開始するとともに割当てチャネルへのアクセスを得る。各AXCHはRCS104から加入者局ユニット111への制御チャネル(CTCH)と対になっている。CTCHはRCS104が加入者局ユニット111によるアクセス試行の受信確認および応答を行うのに用いる。短アクセスパイロット(SAXPT)および長アクセスパイロット(LAXPT)をAXCHと同期して送り、アクセスを開始してRCS104に時間および位相の基準を与える。SAXPTは加入者局ユニット111がRCS104へのアクセスの開始のために送信電力を漸増させている間に加入者局111から送信する。SAXPTは相対的に短い符号であるので、RCS104による加入者局ユニット111の高速検出を可能にし、加入者局ユニット111による送信電力オーバーシュートを回避する。SAXPTを用いた送信電力漸増の詳細は1996年6月27日提出の米国特許出願番号第08/670,162号「CDMAシステムにおける送信電力立上りを短符号の利用により制御する方法」に記載されており、同特許出願をここに参照してその内容をこの明細書に組み入れる。RCS104がSAXPTを検出するまでは、加入者局ユニット111は他の信号を全く送出しない。SAXPTを検出すると、加入者局ユニット111はLAXPTの送信を開始し、これによってRCS104に時間および位相の基準を供給し、RCS104がチャネルインパルス応答を算定できるようにする。
【0030】
割当てチャネル群について述べると、この群はRCS104と加入者局ユニット111との間の単一の通信リンクを制御する論理チャネルを含む。割当てチャネルが形成されると、アップリンク結合およびダウンリンク結合の各々について一対の電力制御論理メッセージチャネルが設定され、接続の種類に応じて一対以上のトラフィックチャネルが設定される。ベアラ制御機能が所要の順方向誤り制御、ベアラ速度変換および暗号化を行う。
【0031】
加入者局ユニット111−118の各々は通信リンク設定時に少なくとも一つの割当てチャネル群を有し、RCS104−110の各々は交信進行中の各通信リンクに一つずつの複数チャネル群を有する。通信リンクが首尾よく設定されるとその通信リンクについて論理チャネルの割当てチャネル群が形成される。割当てチャネル群は暗号化、FEC符号化、送信時の多重化、復号化、受信時のFEC復号化および回線分離(逆多重化)を含む。
【0032】
各割当てチャネル群はひと組の通信リンク利用二地点間サービスを提供し、特定のRCS104と特定の加入者局ユニット111との間で双方向に動作する。通信リンクのために形成した割当てチャネル群は単一通信リンク関連のRF通信チャネル経由で一つ以上のベアラを制御できる。ISDNなどの分散データの搬送には複数ベアラを用いる。割当てチャネル群は、高速度ファクシミリおよびモデムサービスの場合のベアラ速度変換に際して64kb/sPCMへの切換えを容易にするためのトラフィックチャネル2重化に即応できる。
【0033】
首尾よく設定された通信リンクに形成され割当てチャネル群に含まれている割当て論理チャネルは、専用シグナリングチャネル打合せ線(OW)、APCチャネルおよびサポートされているサービスに応じた8、16、32または64kb/sのベアラ速度の一つ以上のトラフィックチャネル(TRCH)である。音声トラフィックについては、中程度の速度で符号化した音声ADPCMまたはPCMをトラフィックチャネルにサポートできる。ISDNサービス型については、二つの64kb/sTRCHでBチャネルを形成し、一つの16kb/sTRCHでDチャネルを形成する。代替的に、APCサブチャネルをそれ自身のCDMAチャネルで別個に変調するか、トラフィックチャネルまたはOWチャネルで時分割多重化することができる。
【0034】
本発明の加入者ユニット111−118の各々は同時並行チャネル三つまでをサポートする。加入者局ユニットはPOTS加入者局ユニット112またはISDN加入者局ユニット115の機能を持たせるのが好ましい。本発明によればPOTS加入者局装置ユニットはISDNサービスをサポートしないが、帯域幅資源はいずれのサービス型にも動的に割り当てできる。例えばPOTS加入者局ユニット112は追加のPOTS回線をセットアップすることも切断することもでき、ISDN加入者局ユニット115はBチャネル搬送ベアラを動的に追加することもできまた切断することもできる。POTSサービスの動的帯域幅割当てについては、活性状態の32kb/sADPCMサービスがベアラ種類を32kb/s未符号化データから64kb/s未符号化データに変換してファクシミリ送信をサポートする。ファクシミリ通信の発呼はRCS104が2100Hz応答音の有無をモニタすることによって検出する。
【0035】
ISDNサービスの動的帯域幅割当てについては、RCS104がDチャネルメッセージをモニタしてBチャネルへの要求の発生時点および同チャネルを切断すべき時点を判定する。RCS104は、ベアラチャネル割当ての変更の必要性を判定すると、後述の動的ベアラ割当て手順を開始する。ユーザデータへのTRCH用の三つの論理チャネルのマッピングを表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
本発明による加入者局ユニット200を、図3に示す。この加入者局ユニット200は受信機部分202および送信機部分204を含む。RCS104からの信号をアンテナ206で受信し、チップ周波数の2倍に等しい帯域幅とスペクトラム拡散システム帯域幅の中心周波数に等しい中心周波数とを有する帯域フィルタ208でフィルタ処理する。フィルタ208の出力を固定周波数(Fc)の局部発振器を用いてミキサ210でベースバンド信号に周波数変換する。次に、ミキサ210の出力を、各論理チャネル対応のPNシーケンスをPNRx発生器214中のミキサ212に加えることによって、スペクトラム拡散復号化する。ミキサ212の出力を交信相手エンティティとの間のインタフェースを形成する符復号器(codec)218に入力する。
【0038】
例えば図2A−図2Hに示した装置で構成される交信相手のエンティティ220からのベースバンド信号は符復号器218でパルス符号変調されている。このパルス符号変調は32kb/s適応型パルス符号変調(ADPCM)とするのが好ましい。このPCM信号をPNTx発生器224内のミキサ222に供給する。ミキサ222はこのPCMデータ信号を論理チャネル各々につきPNシーケンスと乗算する。ミキサ222の出力を、システムチップ周波数と等しい遮断周波数を有する低域フィルタ226に加える。次に、このフィルタ226の出力をミキサ228に加えて、もう一つの端子への搬送波周波数Fcに周波数変換する。周波数変換ずみの信号を帯域フィルタ230および広帯域RF増幅器232を通じてアンテナに導く。図には二つのアンテナ206、234を示したが、好ましい実施例はダイプレクサと送受信用の単一のアンテナとを備える。ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)236で捕捉プロセスとRxPN発生器214およびTxPN発生器224とを制御する。
【0039】
本発明によって構成した複数のRCS104、105、110を含む基地局101を図4に示す。単純化のためにRCS104一つだけを図示してある。基地局101は受信機部分304を含む。加入者局ユニットからの信号をアンテナ306で受信し、チップ周波数の2倍に等しい帯域幅とスペクトラム拡散システムの帯域幅の中心周波数に等しい中心周波数とを有する帯域フィルタ308でフィルタ処理する。フィルタ308の出力を、固定周波数(Fc)局部発振器を用いて、ミキサ310でベースバンド信号に周波数変換する。次に、ミキサ310の出力を、各符復号器においてPNRx発生器314の中のミキサ312にPNシーケンスを供給することによってスペクトラム拡散復号化する。ミキサ312の出力をRDU318に供給する。
【0040】
ベースバンド信号はRDU318から受ける。この信号は32kb/sADPCM信号とするのが好ましい。ADPCM信号またはPCM信号をPNTx発生器324の中のミキサ322に加える。ミキサ322はこのADPCMデータ信号またはPCMデータ信号をPNシーケンスと乗算する。ミキサ322の出力を、システムチップ周波数に等しい遮断周波数を有する低域フィルタ326に加える。次に、このフィルタ326の出力をミキサ328に加え、ミキサ328において他の端子への搬送波周波数Fcにより周波数変換する。この周波数変換ずみ信号を帯域フィルタ330および広帯域RF増幅器332経由でアンテナ334に導く。図には二つのアンテナ306、334を示してあるが、好ましい実施例ではダイプレクサと送受信用の単一のアンテナとを用いる。ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)336はこの捕捉プロセスとRxPN発生器314およびTxPN発生器324とを制御する。
【0041】
本システムは、RCS104と上記複数の加入者局ユニット111−118との間の無線リンクを提供する。帯域幅をできるだけ節約するために、このシステムは特定の通信に必要なデータ伝送速度をサポートする周波数帯域幅を選択的に割り当てる。それによって、このシステムは帯域幅利用の効率化を確実にする。例えば、表1を再び参照すると、音声通話は32kb/s適応型パルス符号変調(ADPCM)チャネルで効率的に伝送できる。しかし、高速ファクシミリ信号またはデータ符復号器信号は伝送の信頼性確保のためには少なくとも64kb/sPCM信号を必要とする。また、加入者局ユニット115は二つの64kb/sBチャネルおよび一つの16kb/sチャネルを含むISDNサービスのための料金を支払いずみであるが、ISDN伝送容量全体を利用するのは稀である。また、発信ノードおよび着信ノードの用いる伝送速度も多様である。
【0042】
それら発信ノードおよび着信ノードはコンピュータ、ファクシミリ送受信機、自動着信応答装置、データ網またはこれら装置の任意の組合せから成る。データの高信頼性伝送には、任意のデータの送信前に通信ノードの所要データ伝送速度に通信システムを確実に切り換えることが必須である。このシステムは、ユーザからの要求に即応して、これらデータ通信速度に帯域幅を効率的に割り当てるとともにデータ通信速度相互間の切換を動的に行うことができなければならない。伝送速度を低速度(音声通話をサポートする)から高速度(符号化データ通信をサポートする)に変換することによって、通信チャネル経由のデータの高信頼性高速度伝送を確実にする。また、ISDNDチャネルが割当てずみであり一つまたは二つのBチャネルが要求されている場合は、通信をサポートするために符号発生器をシステムが確実に活性化しなければならない。
【0043】
POTSについては、基本的に二つの筋書き、すなわちベアラチャネル(TRCH)を変換するか新たなベアラチャネルを追加または切断するかの筋書きがある。まず、ファクシミリ伝送をサポートするためにベアラチャネルを32kb/s符号化ADPCM型から64kb/s未符号化PCMに変換する。次に、加入者がオフフックしOA&M(オーバーヘッド、管理および保守)呼が進行している場合、またはOA&M呼が起動されPOT呼が進行している場合は、新たなチャネルを追加し、または切断する。OA&M無音声呼の進行中に、加入者局ユニット112は、通信装置170(オンフック/オフフック検出器)との間のA/Bインタフェースの変化をモニタすることによって、ユーザによる新たなPOTS発呼を判定できる。POTSへの帯域幅の動的割当ての詳細は1996年6月27日提出のLompほか名義の米国特許出願第08/669,775号の一部継続出願として1997年3月11日付で提出した出願番号未付与の米国特許出願「符号分割多元接続(CDMA)通信システム」に記載されており、同出願をここに参照してその内容全部をこの明細書に組み入れる。
【0044】
ISDNサービスについては、帯域幅の動的割当てとは、D、DおよびBベアラチャネル構成またはDおよびBベアラチャネル構成においてDチャネルおよびBチャネルを必要に応じて選択的に割り当てること、およびそれらチャネルの空き時に切断することをいう。ISDNDチャネルは制御信号を搬送しており、ISDN呼が活性状態にある間は切断でない。したがって、ISDNサービスへの帯域幅動的割当てはBチャネルの追加および切断だけに関係する。
【0045】
本発明によるISDNサービス用帯域幅動的割当ての手順400を、図5を参照してより詳細に説明する。ISDN呼が起動されると、まずDチャネルが設定される(ステップ402)。特定用途に必要な帯域幅は発呼ISDN装置からDチャネル上のメッセージ経由で被呼ISDN装置に伝送される(ステップ404)。これらのメッセージはHDLCフォーマットであり、RCS104はこれらのメッセージをHDLCインタフェース経由でモニタする(ステップ406)。RCS104は所要Bチャネル数を算定すると(ステップ408)、これらベアラチャネルの無線インタフェース経由の設定を開始する(ステップ410)。RCSはISDNこの期間中Dチャネル上のHDLCメッセージのモニタを続け(ステップ412)、Bチャネルの接続または切断の要否を判定する。追加のBチャネルの接続または切断を要する場合は、RCS104は無線インタフェース経由でベアラチャネルの設定または切断を開始する(ステップ414)。
【0046】
ベアラチャネル設定の単純化した手順600を示す流れ図を、図6Aおよび6Bを参照して説明する。加入者局ユニット111はSAXPTを送出しながら(ステップ604)送信電力を急速に立ち上がらせる(ステップ602)。RCS104は、SAXPTを検出すると(ステップ606)、FBCCH上の交通信号ビットを「赤」に変えて(ステップ608)、検出されたことを加入者局ユニット111に伝える。RCS104はFBCCHを送信する(ステップ610)。加入者局ユニット111はFBCCHをモニタし(ステップ612)、FBCCH上で「交通信号」が赤になったことを認識すると送信電力急速立上げを停止する(ステップ614)。次に、加入者局ユニット111はLAXPTを送出しながら(ステップ618)送信電力の低速立ち上げを続ける(ステップ616)。RCS104がLAXPTを捕捉すると(ステップ620)、加入者局ユニット111にCTCH上のSYNC−OKメッセージにより知らせる(ステップ622)。上記アクセス手順の送信電力立上げ部分はこれで完結する。
【0047】
加入者局ユニット111は、CTCH上でSYNC−OKを受けたのち(ステップ624)、アクセス要求メッセージをAXCH上に送出する(ステップ626)。RCS104は、この要求を受けると(ステップ628)、AXCHメッセージの受信を割り当て符号シードを含むCTCH上のメッセージで確認する(ステップ630)。加入者局ユニット111は、割当て符号シードをAXCH上で搬送するベアラ確認メッセージを検出して受信確認し(ステップ632および634)、それをRCS104が検出する(ステップ636)。ここで符号切換を行って、加入者局ユニット111およびRCS104は割当て符号使用に同時に切り換わる(ステップ638および640)。このようにしてベアラチャネルは設定される。
【0048】
加入者局ユニット111とRCS104との間の通信の階層型プロトコルを、開放型システム間相互接続(OSI)基準モデルの階層との対応関係と併せて図7に示す。物理層(PHL)は、(1)CDMA符号の発生、(2)送信機と受信機との間の同期、(3)ミディアムアクセス制御(MAC)層へのベアラの供給、(4)MACの特定するCDMA符号に基づくビットのスペクトラム拡散およびMACの特定する電力レベルによる送信、(5)自動送信電力制御を可能にするための受信信号強度の測定、および(6)パイロット信号の発生および送信を行う。MAC層は、(1)順方向誤り訂正(FEC)のための符号化および復号化、(2)CDMA符号の割当て、(3)暗号化および復号化、(4)暗号化し誤り訂正したベアラの供給、(5)MACピア・ピア間メッセージおよびデータのフレーム形成、誤り訂正および弁別、(6)データリンク制御(DLC)フレーム、並びに(7)送信電力自動制御情報の処理を行う。データリンク制御層(DLC)はプロトコルスタックのより高いレベルの層の間の誤りなしのリンクを提供する。
【0049】
図8Aに示すとおり、加入者局ユニット111とRCS104との間のシグナリングは上記プロトコルのMAC層およびDLC層を関与させる。POTSサービスのためのベアラチャネルが上述のとおり設定されると、このサービスが利用可能になり、切断されるまでまたは同時並行のOA&M呼およびPOT呼の場合はファクシミリ送信またはもう一つの呼のサポートのための変換を要しない限りその状態に留まる。進行中のOA&M呼があり加入者局ユニット111がPOTSサービス呼を開始する場合は、図8Aに示した手順に入る。この図は加入者局ユニット111の開始した単純化ベアラ切換方法を図解する。メッセージは加入者局ユニット111のデータリンク制御層(DLC)およびミディアムアクセス制御層(MAC)とRCS104の各対応層との間で授受される。まず、加入者局ユニット111のDLC層が加入者局ユニット111のMAC層への切換要求を起動し、加入者局ユニット111はこの切換要求をRCS104のMAC層に差し向ける。RCS104はMAC層経由で加入者局ユニット111に確認を送り、RCS104のDLC層に切換指示を送る。加入者局ユニット111ではRCS104からMAC層経由で送られてきた切換確認を加入者局ユニット111のDLC層に転送する。
【0050】
進行中のPOTSサービス呼がありRCS104が同じ加入者局ユニット111にOA&M呼を開始したときは、図8Bに示した手順に入る。この図はRCS104の開始した単純化ベアラ切換方法を図解する。RCS104は切換指示メッセージをMAC層経由で加入者局ユニット111に送る。加入者局ユニット111はこのメッセージをDLC層経由で転送する。
【0051】
ISDNにおけるベアラチャネル設定を、図9Aおよび9Bを参照して説明する。ステップ902−940は図6Aおよび図6Bにおける対応のステップ602−640とそれぞれ同じである。しかし、加入者局ユニット111およびRCS104が両方とも割当て符号に切り換わった(ステップ938および940)あと、いくつかの追加のステップが必要になる。加入者局ユニット111およびRCS104が割り当て符号に切り換えられると(ステップ938および940)、ISDNDチャネルが活性状態になる。この時点で加入者局ユニット111とISDN装置との間のインタフェースは既に活性状態にある。RCS104はHDLCフォーマットのDチャネルメッセージのモニタを開始する(ステップ942)。RCS104は、特定の用途に一つ以上のBチャネルが必要であることを検出すると、無線インタフェース経由でこれらベアラチャネルの設定を開始する。このプロセスは図5に示した手順に従って続けられる。この手順におけるMACメッセージおよびDLCメッセージの流れは図8Bに示すのと同じである。
【0052】
POTSおよびISDNのためのベアラチャネルの追加または切断はDチャネルメッセージの対応フィールドの中の値で指示する。したがって、図8Bの流れ図はベアラチャネルの動的切換による設定にも動的切換による切断にも適合する。
【0053】
特定の実施例を部分的に詳細に参照して本発明を上に述べてきたが、それら詳述部分は例示のためのものであって限定を意図するものではない。この明細書に開示した本発明の真意と範囲を逸脱することなく本発明の構成および動作態様に多数の変形が可能であることは当業者に認識されよう。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、CDMAによる第三世代広帯域移動無線通信方式のシステム容量の拡大に適用できる。
【符号の説明】
【0055】
101 基地局
102 無線分配ユニット(RDU)
103 市内交換局
104−110 無線搬送波局(RCS)
111−118 加入者局ユニット
131−139 リンク
141−150 電話会社リンク
161−165 無線リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、
前記アンテナに結合され、所定のデータ送信レートのチャネルを確立するよう構成されている回路であって、前記通信チャネルの少なくとも1つを使用して、初期データレートで通信を送信するよう構成されている回路と
を備え、
前記回路は、前記通信をモニターし、および、前記通信の継続するサポートのために要求される、調整されたデータレートを決定するようにさらに構成されており、
前記回路は、前記調整されたデータレートに基づいて、前記通信のための十分な数のチャネルを割り当てるようさらに構成されており、複数の電力コマンドが制御シグナリングを使用してチャネル上に時分割多重されること
を特徴とする符号分割多重アクセス(CDMA)加入者ユニット。
【請求項2】
前記チャネルは、前記割り当てられたチャネルのデータレートの合計が前記調整されたデータレートに少なくとも等しく、および、前記調整されたデータレートプラス所定のデータレートを越えないよう、割り当てられることを特徴とする請求項1に記載のCDMA加入者ユニット。
【請求項3】
前記通信の送信は、前記割り当てられたチャネル内で起こることを特徴とする請求項1に記載のCDMA加入者ユニット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2013−42529(P2013−42529A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−226170(P2012−226170)
【出願日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【分割の表示】特願2011−233197(P2011−233197)の分割
【原出願日】平成10年5月26日(1998.5.26)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】