無線ネットワークにおけるチャネルアクセスの方法および装置
【課題】無線ネットワークにおけるチャネルアクセスの方法を提供する。
【解決手段】実施形態は、無線通信デバイスにおける送信を円滑化するべくトラフィック優先度を定義しているとしてよい。多くの実施形態は、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、および、プローブ応答フレーム等の管理フレームを生成および送信するMAC副層ロジックを含む。管理フレームは、低消費電力局またはセンサ局のアクセスカテゴリを含む。低消費電力局またはセンサ局のアクセスカテゴリは、トラフィックについての複数のアクセスカテゴリについて定義されている複数のコンテンションウィンドウのうち最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウをコンテンションウィンドウと定義しているパラメータレコードを含む。
【解決手段】実施形態は、無線通信デバイスにおける送信を円滑化するべくトラフィック優先度を定義しているとしてよい。多くの実施形態は、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、および、プローブ応答フレーム等の管理フレームを生成および送信するMAC副層ロジックを含む。管理フレームは、低消費電力局またはセンサ局のアクセスカテゴリを含む。低消費電力局またはセンサ局のアクセスカテゴリは、トラフィックについての複数のアクセスカテゴリについて定義されている複数のコンテンションウィンドウのうち最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウをコンテンションウィンドウと定義しているパラメータレコードを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、無線通信に関する。具体的には、実施形態は、無線送信機と無線受信機との間の通信プロトコルに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【図1】複数の通信デバイス、つまり、複数の固定通信デバイスまたは可動通信デバイスを備える無線ネットワークの実施形態を示す図である。
【図1A】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つ管理フレームの実施形態を示す図である。
【図1B】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントの実施形態を示す図である。
【図1C】アクセスカテゴリパラメータレコードエレメントの実施形態を示す図である。
【図1D】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントのテーブルの実施形態を示す図である。
【図1E】無線通信デバイス間で通信を構築するための図1Dの改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントに基づくタイミングチャートの実施形態を示す図である。
【図1F】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントの別の実施形態を示す図である。
【図1G】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントのテーブルの別の実施形態を示す図である。
【図1H】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントの別の実施形態を示す図である。
【図1I】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントのテーブルの別の実施形態を示す図である。
【図2】改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つフレームの生成、送信、受信および解釈を行う装置の実施形態を示す図である。
【図3】改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つフレームを生成するための処理の実施形態を示すフローチャートである。
【図4A】図2に示す改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つフレームを利用した通信の送信、受信および解釈を行う処理の実施形態を示すフローチャートである。
【図4B】図2に示す改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つフレームを利用した通信の送信、受信および解釈を行う処理の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下では、添付図面に図示している新技術の実施形態を詳細に説明する。以下の説明は、詳細の程度に関わらず、記載している実施形態について予測可能な変更を制限するものではない。逆に、請求項および詳細な説明は、請求項が定義する本教示内容の意図および範囲に含まれる全ての変形例、均等例および変更例を含むものである。以下に記載する詳細な説明は、当業者が理解可能な程度に実施形態を説明する。
【0004】
本発明の実施形態は、「一実施形態」、「ある実施形態」、「実施形態例」および「さまざまな実施形態」等と言及する場合、特定の特徴、構造または特性を含むが、必ずしも全ての実施形態がその特徴、構造または特性を含むものではない。また、「一実施形態」と繰り返し言及するが、必ずしも全てが同じ実施形態を意味するものではない。
【0005】
「第1」、「第2」、「第3」等の序数の形容詞は、本明細書で用いる場合、特に指定が無ければ、同じ物体を意味し、同様の物体が複数存在することを意味するに過ぎず、これらの物体が時間、空間、ランク等、任意の基準で所定の順序に並んでいなければならないことを意味するものではない。
【0006】
実施形態では、無線通信デバイスによる送信処理を円滑化するべく、トラフィック優先度を定義するとしてよい。多くの実施形態は、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレームおよびプローブ応答フレーム等の管理フレームを生成して送信するMAC副層ロジックを備える。当該管理フレームは、低消費電力局についてのアクセスカテゴリを含み、トラフィックについてのアクセスカテゴリに対して定義されるコンテンションウィンドウのうち最も早期に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義するパラメータレコードを含む。一部の実施形態によると、MAC副層ロジックは、メモリ、ロジックまたはフレーム送信を円滑化する他の構成で、アクセスカテゴリについてのパラメータレコードセットを格納するとしてよい。一部の実施形態では、アクセスカテゴリを含むフレームを含む通信を受信および検出して、アクセスカテゴリのうち1以上についてのパラメータセットを管理情報ベースに格納するとしてよい。
【0007】
一部の実施形態では、米国電気電子学会(IEEE)802.11規格、例えば、IEEE802.11ah等に準拠したシステムを実現する。IEEE802.11無線規格では、優先された搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)方式のアクセスメカニズムであるEDCA(高度分散型チャネルアクセス)が定義されている。IEEE802.11−2007、情報技術に関するIEEE規格−システム間の電気通信および情報のやりとり−ローカルエリアネットワークおよびメトロポリタンエリアネットワーク−具体的要件−パート11:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)層および物理(PHY)層の仕様(http://standards.ieee.org/getieee802/download/802.11-2007.pdf)。
【0008】
EDCAでは、用途に応じて必要とされるサービス品質(QoS)を提供するべく、バックグラウンド(BK)、ベストエフォート(BE)、画像(VI)および音声(VO)という4つのアクセスカテゴリ(AC)を定義している。複数の異なるACを定義するのは、例えば、音声および画像に関するレイテンシレベル要件を保証するためである。一部のデバイス、例えば、低電力局については、QoS要件はレイテンシではなく局の消費電力を低減することに重点を置いているとしてよい。例えば、電池を動力源とするセンサ局は、パケットをアクセスポイント(AP)に送信するトラフィックが多い局と競合する場合がある。両方のトラフィックフローが同じアクセスカテゴリにマッピングされている場合、センサ局は、時間のうち半分については競合に敗れて、電力を消費しながら、チャネルがアイドル状態になるまでウェイク状態で待機しなければならない。チャネルアクセス遅延は、長くなるとセンサ局の消費電力が大きくなり、1ギガヘルツ(GHz)以下のチャネル帯域幅を定義しているIEEE802.11ahシステム等のシステムについては増加してしまう。
【0009】
さらに説明すると、センサデバイス等の低電力局は、スリープ状態に入るべく電力を落とし、スリープ状態を維持して、送信すべきデータがあるとウェイク状態に入るべく電力を上げるとしてよい。センサデバイスは、ウェイク状態になる場合、チャネルがアイドル状態であるか否かを確認するべく、最初にチャネルに対して感知処理を行う。チャネルがビジー状態であれば、センサデバイスは、チャネルがアイドル状態になるまでチャネルの感知を続ける。この場合、電力が消費され、他の局のPPDU送信時間が長くなるほど、センサデバイスの消費電力が大きくなる。1GHz帯域幅以下の動作では、2.4ギガヘルツ(GHz)または5GHzの帯域幅に比べると帯域幅が狭くデータレートがはるかに低いので、物理層プロトコルデータユニット(PPDU)送信時間は、数十ミリ秒になる。
【0010】
一実施形態によると、例えば、小型の電池を動力源とする無線デバイス(例えば、センサ)等の低消費電力局がWi−Fiを利用して、非常に少ない消費電力でインターネットに接続できるように、1GHz以下の帯域幅で動作するIEEE802.11ahシステムについてEDCAを定義し直している。多くの実施形態では、デューティーサイクルが小さい局のエネルギー消費は、センサデバイスに対して、他の種類のトラフィックよりも高い優先度を割り当てることによって、そして別の実施形態では、PPDU送信時間に制限を課すことによって、ロードが高程度から中程度の従来のデバイス(例えば、ホットスポットまたはセルラー方式のオフロード)と共に用いられる場合に低減され得る。
【0011】
一部の実施形態によると、EDCAのアクセスカテゴリを定義し直して、VIアクセスカテゴリおよびVOアクセスカテゴリを削除している。一部の実施形態によると、BKカテゴリをBEカテゴリと組み合わせる。別の実施形態によると、新しくSSカテゴリを定義して、低消費電力局またはセンサ局のカテゴリを追加する。
【0012】
他の実施形態では、EDCAのアクセスカテゴリを定義し直して、低消費電力局をVOカテゴリに割り当てて、音声トラフィックをVIカテゴリに割り当てる。これらの実施形態の多くでは、低電力局はVOカテゴリに割り当てられるとしてよい。
【0013】
さらに別の実施形態によると、新しく定義されるSSカテゴリは、現在のBK、BE、VIおよびVOというカテゴリに加えて、低消費電力デバイスまたはセンサデバイスについて定義されているカテゴリである。このような実施形態によると、SSパラメータレコードエレメントの値は、他のカテゴリについてのコンテンションウィンドウに先立って、コンテンションウィンドウを開くように構成されているとしてよい。
【0014】
一部の実施形態は、ワイヤレスフィデリティ(Wi−Fi)ネットワークのユビキタス性を利用するとしてよく、さまざまな独自の特徴を持つがその中でも、必要な消費電力が通常は非常に小さい新たな利用方法の実現を可能とする。Wi−Fiは通常、IEEE802.11−2007無線規格および他の関連する無線規格を実現するデバイスを意味する。
【0015】
一部の実施形態は、アクセスポイント(AP)および/またはAPのクライアントデバイス、つまりステーション(STA)を備える。APおよび/またはSTAは、ルータ、スイッチ、サーバ、ワークステーション、ネットブック、モバイルデバイス(ラップトップ、スマートフォン、タブレット等)、センサ、メータ、コントローラ、計器、モニタ、機器等である。一部の実施形態は、例えば、室内および/または室外での「スマート」なグリッドデバイスおよびセンサデバイスを提供するとしてよい。例えば、一部の実施形態は、特定エリア内の家庭用の電気、水道、ガスおよび/または他の公共事業の利用分を計測するセンサからデータを収集して、こういったサービスの利用分を別の計測局に無線送信する計測局を提供するとしてよい。別の実施形態は、健康管理に関する出来事および患者のバイタルサイン、例えば、転倒検出、薬瓶の監視、体重管理、睡眠時無呼吸、血糖値、心拍等を監視する家庭用健康管理、クリニックまたは病院用のセンサからデータを収集するとしてよい。このようなサービス用の実施形態は通常、IEEE802.11n/acシステムに含まれるデバイスに比べると、必要なデータレートおよび消費電力が大幅に小さい。
【0016】
本明細書に記載するロジック、モジュール、デバイスおよびインターフェースは、ハードウェアおよび/またはコードで実現され得る機能を実行するとしてよい。ハードウェアおよび/またはコードは、ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、プロセッサ、ステートマシン、チップセット、または、所与の機能を実現するように構成される上記の組み合わせを含むとしてよい。
【0017】
実施形態によると、無線通信が円滑になるとしてよい。一部の実施形態は、Blueetooth(登録商標)等の低電力無線通信、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスメトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)、セルラー方式ネットワーク、ネットワーク内での通信、メッセージ送受信システム、および、デバイス間のやり取りを円滑にするためのスマートデバイスを含むとしてよい。さらに、一部の無線方式の実施形態では、アンテナが1つであるが、他の実施形態では、複数のアンテナを利用するとしてよい。例えば、多入力多出力(MIMO)方式では、通信性能を改善するべく、送信側および受信側の両方において複数のアンテナを介して信号を搬送する無線チャネルを利用する。
【0018】
以下に記載する具体的な実施形態の一部は具体的な構成に基づき実施形態を説明するが、当業者であれば、本開示の実施形態は同様の問題を持つ他の構成でも実現されるという利点があると理解されたい。
【0019】
図1は、無線通信システム1000の実施形態を示す図である。無線通信システム1000は、ネットワーク1005と有線接続または無線接続されている通信デバイス1010を備える。通信デバイス1010は、複数の通信デバイス1030、1050および1055とネットワーク1005を介して無線通信するとしてよい。通信デバイス1010は、アクセスポイントを有するとしてよい。通信デバイス1030は、センサ、消費者用電子デバイス、個人用モバイルデバイス等の低電力通信デバイスを含むとしてよい。そして、通信デバイス1050および1055は、センサ、ステーション、アクセスポイント、ハブ、スイッチ、ルータ、コンピュータ、ラップトップ、ネットブック、携帯電話、スマートフォン、PDA(携帯情報端末)等の無線機能を持つデバイスを含むとしてよい。このように、通信デバイスは、可動デバイスまたは固定デバイスであってよい。例えば、通信デバイス1010は、複数の家庭を含むエリアの水の消費量を測定するサブステーションを含むとしてよい。特定エリア内の各家庭は、通信デバイス1030等のセンサを備えるとしてよく、通信デバイス1030は、水消費量メータと一体化しているか、水消費量メータに結合されているとしてよい。
【0020】
最初に、通信デバイス1030は、通信デバイス1010が表すベースサービスセットとのアソシエーションを要求するために、通信デバイス1010に対してアソシエーション要求フレームを送信するとしてよい。通信デバイス1010は、データトラフィック用のアクセスカテゴリを定義しているパラメータセットを含むEDCA(高度分散チャネルアクセス)パラメータセットエレメントを含むアソシエーション応答フレームで応答するとしてよい。一部の実施形態によると、アクセスカテゴリは、ベストエフォート(BE)トラフィックおよび低消費電力局(SS)トラフィックを含み、アクセスカテゴリのコンテンションウィンドウを定義しており、SSトラフィックの最初のコンテンションウィンドウは、BEトラフィックのコンテンションウィンドウよりも先に開く。この後、通信デバイス1030は、一方または両方のカテゴリのパラメータセットを、メモリ1031の管理情報ベース1032に格納して、トラフィック用のアクセスカテゴリに応じて通信デバイス1010とのやり取りを円滑化するとしてよい。
【0021】
通信デバイス1030は、通信デバイス1010との間でアソシエーションが構築されると、定期的にアクティブ状態、つまり、ウェイク状態になって、収集されたデータ、例えば、一体化型水消費量センサが監視している水消費量に関するデータを送信するとしてよい。通信デバイス1030は、ウェイク状態になると、DIFS(Distributed Coordination Function(DCF)Interframe space)時間単位にわたって待機して、複数のタイムスロットをやり過ごして、通信デバイス1010に対するコンテンションウィンドウの開始を判断する。通信デバイス1030はこの後、測定サブステーションの通信デバイス1010に対して水消費量に関するデータを送信するべく1以上のデータフレームを送信するとしてよい。
【0022】
一部の実施形態によると、物理層プロトコルデータユニット送信時間に制限が課されるとしてよい。例えば、PPDU送信時間は、Tミリ秒未満に制限されるとしてよい。送信時間がしきい値であるTミリ秒よりも長くなる場合、パケットを分割して、1回のPPDU送信にかかる時間が長くなり過ぎないようにするとしてよい。
【0023】
別の実施形態によると、通信デバイス1010は、データオフロードを円滑化するとしてよい。例えば、低電力センサである通信デバイスは、例えば、計測ステーションに対するアクセスの待機時および/または帯域幅を利用し易くするために消費される消費電力を低減することを目的として、例えば、Wi−Fi、別の通信デバイス、セルラーネットワーク等を用いて通信を行うべくデータオフロード方式を含むとしてよい。測定ステーション等のセンサからデータを受信する通信デバイスは、ネットワーク1005の混雑状態を緩和することを目的として、例えば、Wi−Fi、別の通信デバイス、セルラーネットワーク等を用いて通信を行うためのデータオフロード方式を含むとしてよい。
【0024】
ネットワーク1005は、複数のネットワークを相互接続したものを表しているとしてよい。例えば、ネットワーク1005は、インターネットまたはイントラネット等のワイドエリアネットワークに結合されているとしてよく、1以上のハブ、ルータまたはスイッチを用いて有線方式または無線方式で相互接続されている複数のローカルデバイスを相互接続しているとしてよい。本実施形態によると、ネットワーク1005によって、通信デバイス1010、1030、1050および1055が通信可能に結合されている。
【0025】
通信デバイス1010および1030はそれぞれ、メモリ1011および媒体アクセス制御(MAC)副層ロジック1018、メモリ1031およびMAC副層ロジック1038を備える。メモリ1011および1031は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、バッファ、レジスタ、キャッシュ、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の格納媒体を含むとしてよい。メモリ1011および1031は、フレームおよび/あるいはフレーム構造、または、その一部分を格納するとしてよい。例えば、管理フレーム構造、および、図1B、図1Fおよび図1Hに図示しているパラメータセットエレメント1080、1400および1600等の高度分散型チャネルアクセスパラメータセットエレメントを格納するとしてよい。さらに、メモリ1011および1031は、図1D、図1Gおよび図1Iのテーブル1200、1500および1700に図示しているパラメータ値等のパラメータセットエレメントおよびパラメータレコードの値を、アクセスカテゴリに関連付けるデータを含むとしてよい。例えば、メモリ1011、1031は、アクセスカテゴリ(AC)、つまり、AC_BK、AC_BE、AC_VIおよびAC_VOについて、最小コンテンションウィンドウ(aCWmin)、最大コンテンションウィンドウ(aCWmax)およびアービトレーションフレーム間空間数(AIFSN)の値の指標を含むとしてよい。尚、これらのテーブルは、説明のための値を含んでいるので、実施形態ではこれらの値を利用するとしてもよいし、および/または、他の値を利用するとしてもよい。
【0026】
MAC副層ロジック1018、1038は、通信デバイス1010、1030のデータリンク層のMAC副層の機能を実現するロジックを含むとしてよい。MAC副層ロジック1018、1038は、管理フレーム等のフレームを生成するとしてよく、物理層ロジック1019、1039は、フレームに基づいて物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を生成するとしてよい。具体的には、フレーム構築部1013および1033は、EDCAパラメータセットエレメント1014、1034を含むフレームを生成するとしてよく、物理層ロジック1019、1039のデータユニット構築部が、プリアンブルで当該フレームをカプセル化して、送受信機(RX/TX)1020および1040等の物理層デバイスを介して送信するべくPPDUを生成する。
【0027】
通信デバイス1010、1030、1050および1055はそれぞれ、送受信機1020および1040等の送受信機を備えるとしてよい。送受信機1020、1040はそれぞれ、RF送信機およびRF受信機を有する。各RF送信機は、デジタルデータをRF周波数に乗せて、電磁波によりデータを送信する。RF受信機は、RF周波数で電磁エネルギーを受信して、デジタルデータを抽出する。
【0028】
図1は、例えば、4つの空間ストリームを持つ多入力多出力(MIMO)システム等、さまざまな実施形態を図示しているとしてよい。また、通信デバイス1010、1030、1050および1055のうち1以上が1つのアンテナを持つ受信機および/または送信機を有する、低機能のシステムを図示しているとしてよい。例えば、単入力単出力(SISO)システム、単入力多出力(SIMO)システム、および、多入力単出力(MISO)システム等を図示しているとしてよい。
【0029】
多くの実施形態によると、送受信機1020および1040は、直交周波数分割多重(OFDM)を実行する。OFDMは、複数の搬送周波数にデジタルデータを符号化する方法である。OFDMは、デジタルマルチキャリア変調方法として用いられる周波数分割多重化方式である。互いに近接して配置された多数の直交するサブキャリア信号を用いてデータを搬送する。このデータは、1サブキャリアにつき1つの並行データストリームまたは並行データチャネルとなるように、複数の並行データストリームまたは並行データチャネルに分割する。各サブキャリアは、低シンボルレートの変調方式で変調され、帯域幅が同じであると仮定すると、従来の単一キャリア変調方式と同様の総データレートを維持する。
【0030】
OFDMシステムは、データ、パイロット、ガードおよびヌル化等の機能についてキャリア、または「トーン」を利用する。データトーンは、複数のチャネルのうち1つを介して送信機と受信機との間で情報を転送するために用いられる。パイロットトーンは、チャネルを維持するために用いられ、時間/周波数およびチャネルのトラッキングに関する情報を提供するとしてよい。ガードトーンは、マルチパス歪みに起因し得るシンボル間干渉(ISI)を回避するために送信時にショートトレーニングフィールド(STF)シンボルおよびロングトレーニングフィールド(LTF)シンボル等のシンボルの間に挿入されるとしてよい。このようなガードトーンによって、信号がスペクトルマスクに同調し易くなる。直流成分(DC)のヌル化は、直接変換受信機構成を簡略化するために用いられるとしてよい。
【0031】
一部の実施形態によると、通信デバイス1010は任意で、点線で示すデジタルビームフォーマー(DBF)1022を備える。DBF1022は、情報信号を、アンテナアレイ1024の構成要素に供給されるべき信号へと変換する。アンテナアレイ1024は、複数の別個の独立して励起可能なアンテナ要素から構成されるアレイである。アンテナアレイ1024の構成要素に供給される信号によって、アンテナアレイ1024は、1個から4個の空間チャネルを放出する。このように形成される空間チャネルはそれぞれ、通信デバイス1030、1050および1055のうち1以上に対して情報を搬送するとしてよい。同様に、通信デバイス1030は、通信デバイス1010との間で信号を送受信する送受信機1040を有する。送受信機1040は、アンテナアレイ1044を有するとしてよく、任意でさらにDBF1042を有するとしてよい。
【0032】
図1Aは、図1に示す通信デバイス1010、1030、1050および1055等の無線通信デバイス間での通信のための管理フレーム1060の実施形態を示す図である。管理フレーム1060は、MACヘッダ1061、フレーム本体1074およびフレーム検査シーケンス(FCS)フィールド1076を含むとしてよい。MACヘッダ1061は、フレーム制御フィールド1062および他のMACヘッダフィールド1068を含むとしてよい。フレーム制御フィールド1062は、2オクテットであってよく、フレームのタイプおよびサブタイプを特定しているとしてよい。例えば、タイプが管理フレームで、サブタイプが再アソシエーション応答フレームである。他のMACヘッダフィールド1068は、例えば、1以上のアドレスフィールド、識別フィールド、制御フィールド等を含むとしてよい。
【0033】
一部の実施形態によると、管理フレーム1060は、フレーム本体1074を含むとしてよい。フレーム本体1074は、オクテットの数が可変であるとしてよく、データエレメント、制御エレメント、または、パラメータおよび機能を含むとしてよい。本実施形態によると、フレーム本体1074は、高度分散型チャネルアクセス(EDCA)パラメータセットエレメント1080を含む。図1Bは、EDCAパラメータセットエレメント1080の実施形態を示す図である。
【0034】
EDCAパラメータセットエレメント1080は、デフォルト管理情報ベース(MIB)属性値を変更することによってポリシーを確立させ、新しいステーション(STA)または新しいトラフィックを受け入れた際にポリシーを変更させ、または、ロードの変化に適応させるためにアクセスポイント(AP)によって利用されるとしてよい。APでないSTAから最も最近に受信したEDCAパラメータセットエレメント1080を用いて、適切なMIB値を更新するとしてよい。
【0035】
EDCAパラメータセットエレメント1080は、エレメント識別子(ID)フィールド1082、長さフィールド1086、サービス品質(QoS)情報(info)フィールド1088、保留フィールド1090、および、AC_BEパラメータレコード1092およびAC_SSパラメータレコード1094を含むパラメータレコードエレメント等のフィールドを含むとしてよい。エレメントIDフィールド1082は、1オクテットであるとしてよく、当該エレメントがEDCAパラメータセットエレメント1080であると特定するためのフィールドであるとしてよい。長さフィールド1086は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセットエレメント1080の長さを定義するとしてよい。QoS情報フィールド1088は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドを含むとしてよい。EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドは、最初は0に設定されているとしてよく、ACパラメータのうちいずれかが変化する度にインクリメントするとしてよい。EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドは、EDCAパラメータセットが変化したか否かを判断する場合に、APでないSTAによって利用されるとしてよく、適切なMIB属性の更新を要件とする。保留フィールド1090は、1オクテットであるとしてよく、今後利用されるために未使用になっているとしてよい。
【0036】
EDCAパラメータセットエレメント1080はさらに、本実施形態では、AC_BEパラメータレコード1092およびAC_SSパラメータレコード1094を含むアクセスカテゴリのそれぞれについて、パラメータレコードを含むとしてよい。本実施形態では、音声アクセスカテゴリおよび画像アクセスカテゴリ(AC_VIおよびAC_VO)は削除されている。また、AC_BKおよびAC_BEを組み合わせて1つのAC_BEに統一して簡略化しているとしてよい。さらに、新たにセンサアクセスカテゴリ(AC_SS)が追加されている。
【0037】
各パラメータレコードは、図1Cのパラメータレコードエレメント1100に図示されているフィールド等のフィールドを含むとしてよい。AC_BEパラメータレコード1092およびAC_SSパラメータレコード1094のパラメータレコードエレメントであるアクセスカテゴリインデックス/アービトレーションフレーム間空間数(ACI/AIFSN)1104、符号化コンテンションウィンドウ最小値/最大値(ECWmin/ECWmax)1106の値は、図1Dのアクセスカテゴリパラメータテーブル1200に図示している。尚、本実施形態によると、ベストエフォートアクセスカテゴリのAIFSN、AIFSN[AC_BE]は、10まで増加させて、最初の回のコンテンションで競合する際に、ベストエフォートトラフィックよりもセンサトラフィックに優先度を持たせるとしてよい(aCWminの値が15であると仮定している)。
【0038】
送信処理(TXOP)制限1108は、符号なしの整数で特定されているとしてよく、例えば、32μsを一単位として最下位オクテットが最初に送信される。TXOP制限1108フィールドの値は、0である場合、送信要求/送信準備完了(RTS/CTS)のやり取りまたは自身に対するCTSに加えて、一のMACサービスデータユニット(MSDU)またはMAC管理プロトコルデータユニット(MMPDU)が、任意のレートでTXOP毎に送信されることを示す。
【0039】
図1Aを再度参照すると、多くの実施形態では、管理フレーム1060は、フレーム検査シーケンス(FCS)フィールド1076を含むとしてよい。FCSフィールド1076は、4オクテットであるとしてよく、誤りの検出および訂正のためにショートフレーム1060に追加されている余分のチェックサムの文字を含むとしてよい。
【0040】
図1Eは、図1Dに示したテーブル1200に図示するアクセスカテゴリについて、AC_BE送信とAC_SS送信との間でのチャネルアクセスにおける関係についての実施形態のタイミングチャート1300を示す。図示されているように、センサSTAおよびホットスポットSTAが、所与のチャネルについて競合している。センサSTAは、AC_SSにマッピングされているセンサトラフィックを持ち、ホットスポットSTAは、AC_BEにマッピングされているベストエフォートトラフィックを持つ。チャネルがアイドル状態になると、これら2つのSTAは、遅延処理およびバックオフ処理を開始する。センサSTAは、SIFSとスロットタイムの2倍との和に等しいAIFS[AC_SS]の期間にわたって遅延して、CW=[0,7]から選択されるランダムな数でバックオフ処理を実行する。この例では、センサSTAは、ランダムな数として「3」を選択したと仮定している。
【0041】
他方、ホットスポットSTAは、最初に、SIFSとスロット時間の10倍との和に等しいAIFS[AC_BE]の期間にわたって遅延した後、バックオフ処理を開始する。しかし、センサSTAについての遅延処理およびバックオフ処理は常にAIFS[AC_BE]よりも短いので、センサSTAは常に、初回のコンテンションで勝利する。また、センサトラフィックのデューティーサイクルが非常に低い場合については(例えば、パケット送信が数分毎)、AC_SSに最も高い優先度を割り当てても、AC_BEに大きく影響することはなく、影響は無視可能な程度であるとしてよい。
【0042】
さらに、PPDU送信時間(T)が長すぎる場合(例えば、T>5ミリ秒)、センサSTAはチャネルにアクセスするまでの待機時間が長くなり過ぎるとしてよい。データレートが1Mbps未満の場合、例えば、パケットサイズが200バイト程度であればPPDU送信時間は容易に非常に長くなる。多くの実施形態によると、PPDU送信時間が制限されるので、センサSTAはチャネルがアイドル状態になるまで待機する時間が長くなり過ぎることはなく、センサSTAの消費電力が低減される。
【0043】
図1Fおよび図1Gはそれぞれ、別の実施形態を示し、EDCAパラメータセットエレメント1400を示す図であり、EDCAパラメータセットエレメント1400のパラメータレコードエレメントの値を含むアクセスカテゴリパラメータテーブル1500を示す図である。本実施形態によると、センサデバイスに最も高い優先度を割り当てる別の方法、または、センサデバイスに最初にコンテンションウィンドウを開けさせる別の方法として、従来のEDCAパラメータセットの4つのアクセスカテゴリを全て利用するが、EDCAパラメータを修正して、アクセスカテゴリとトラフィックタイプとの間のマッピングを変更する方法がある。
【0044】
EDCAパラメータセットエレメント1400は、エレメント識別子(ID)フィールド1402、長さフィールド1406、サービス品質(QoS)情報(info)フィールド1408、保留フィールド1410、および、AC_BKパラメータレコード1412、AC_BEパラメータレコード1414、AC_VIパラメータレコード1416、および、AC_VOパラメータレコード1418を含むパラメータレコードエレメント等のフィールドを含むとしてよい。AC_BKパラメータレコード1412、AC_BEパラメータレコード1414、AC_VIパラメータレコード1416、および、AC_VOパラメータレコード1418は、図1Gのテーブル1500に図示したような値を含むとしてよい。
【0045】
エレメントIDフィールド1402は、1オクテットであるとしてよく、当該エレメントがEDCAパラメータセットエレメント1400であると特定するためのフィールドであるとしてよい。長さフィールド1406は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセットエレメント1400の長さを定義するとしてよい。QoS情報フィールド1408は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドを含むとしてよい。保留フィールド1410は、1オクテットであるとしてよく、今後利用されるために未使用になっているとしてよい。
【0046】
図1Hおよび図1Iはそれぞれ、別の実施形態を示し、EDCAパラメータセットエレメント1600を示す図であり、EDCAパラメータセットエレメント1600のパラメータレコードエレメントの値を含むアクセスカテゴリパラメータテーブル1700を示す図である。本実施形態によると、センサデバイスに最も高い優先度を割り当てる別の方法、または、センサデバイスに最初にコンテンションウィンドウを開けさせる別の方法として、従来のアクセスカテゴリテーブルに新しくセンサアクセスカテゴリ(AC_SS)を追加して、EDCAパラメータを変更する方法がある。
【0047】
EDCAパラメータセットエレメント1600は、エレメント識別子(ID)フィールド1602、長さフィールド1606、サービス品質(QoS)情報(info)フィールド1608、保留フィールド1610、および、AC_BKパラメータレコード1612、AC_BEパラメータレコード1614、AC_VIパラメータレコード1616、AC_VOパラメータレコード1618および、AC_SSパラメータレコード1620を含むパラメータレコードエレメント等のフィールドを含むとしてよい。AC_BKパラメータレコード1612、AC_BEパラメータレコード1614、AC_VIパラメータレコード1616、AC_VOパラメータレコード1618、および、AC_SSパラメータレコード1620は、図1Iのテーブル1700に図示したような値を含むとしてよい。
【0048】
エレメントIDフィールド1602は、1オクテットであるとしてよく、当該エレメントがEDCAパラメータセットエレメント1600であると特定するためのフィールドであるとしてよい。長さフィールド1606は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセットエレメント1600の長さを定義するとしてよい。QoS情報フィールド1608は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドを含むとしてよい。保留フィールド1610は、1オクテットであるとしてよく、今後利用されるために未使用になっているとしてよい。
【0049】
尚、テーブル1200、1500および1700に示す値は、例示を目的としたものであり、他の値であってよい。
【0050】
図2は、フレームで高度分散型チャネルアクセス(EDCA)パラメータセットエレメントを生成、送信、受信および解釈する装置の実施形態を示す図である。当該装置は、媒体アクセス制御(MAC)副層ロジック201に結合されている送受信機200を備える。MAC副層ロジック201は、フレームを決定するとしてよく、物理層(PHY)ロジック250は、当該フレームをプリアンブルでカプセル化することによってPPDUを決定して、送受信機200を介して送信するとしてよい。
【0051】
多くの実施形態によると、MAC副層ロジック201は、図1Aから図1Iに図示したEDCAパラメータセットエレメント1080、1400および1600を含む管理フレーム1060等のフレーム(MPDU)を生成するフレーム構築部202を備えるとしてよい。EDCAパラメータセットエレメントは、当該装置が含まれているアクセスポイントについてのトラフィック優先度を示すデータを含むとしてよい。図1における通信デバイス1010等のアクセスポイント、および、通信デバイス1030等のステーションは、図1に示す管理情報ベース(MIB)1032等のメモリに、EDCAパラメータセットエレメント1080、1400および1600ならびに値を保存するとしてよい。
【0052】
PHYロジック250は、データユニット構築部203を含むとしてよい。データユニット構築部203は、MPDUをカプセル化するプリアンブルを決定して、PPDUを生成するとしてよい。多くの実施形態では、データユニット構築部203は、宛先である通信デバイスとのやり取りで選択される通信パラメータに基づいて、プリアンブルを形成するとしてよい。
【0053】
送受信機200は、受信機204および送信機206を備える。送信機206は、符号化器208、変調器210、OFDM212およびDBF214のうち1以上を有するとしてよい。送信機206の符号化器208は、MAC副層ロジック202から送信されるべく宛先が決まったデータを受信して、例えば、バイナリ畳み込み符号化(BCC)、低密度パリティチェック符号化(LDPC)等を用いて符号化する。変調器210は、符号化器208からデータを受信して、受信したデータブロックを選択した周波数の正弦波に乗せるとしてよい。例えば、データブロックを、正弦波の対応する離散振幅群、正弦波の離散位相群、または、正弦波の周波数と相対的に決まる離散周波数シフト群にマッピングすることによって正弦波に乗せる。変調器210の出力は、直交周波数分割多重化器(OFDM)212に供給される。OFDM212は、変調器210から受信した変調データを、複数の直交するサブキャリアに乗せる。そして、OFDM212の出力はデジタルビームフォーマー(DBF)214に供給されて、複数の空間チャネルを形成し、各空間チャネルを別々にステアリングして、複数のユーザ端末のそれぞれとの間で送受信する信号電力を最大限に大きくするとしてよい。
【0054】
送受信機200はさらに、アンテナアレイ218に接続されているダイプレクサ216を備えるとしてよい。このため、本実施形態では、1のアンテナアレイを、送信および受信の両方に利用する。送信の場合、信号はダイプレクサ216を通過して、アップコンバートされた情報含有信号でアンテナを駆動する。送信時には、ダイプレクサ216は、送信されるべき信号が受信機204に入らないようにする。受信の場合、アンテナアレイから受信した情報含有信号は、ダイプレクサ216を通過して、アンテナアレイから受信機204へと信号を配信する。ダイプレクサ216はこの後、受信した信号が送信機206に入らないようにする。このように、ダイプレクサ216は、アンテナアレイ素子を受信機204および送信機206に交互に接続するスイッチとして機能する。
【0055】
アンテナアレイ218は、情報含有信号を、時間に応じて変化する空間分布を持つ、受信機のアンテナが受信可能な電磁エネルギーで放出する。受信機は受信した信号から情報を抽出できる。
【0056】
送受信機200は、情報含有信号の受信、復調および復号を行う受信機204を備えるとしてよい。受信機204は、DBF220、OFDM222、復調器224および復号器226のうち1以上を有するとしてよい。受信した信号は、アンテナ素子218からデジタルビームフォーマー(DBF)220に供給される。DBF220は、N個のアンテナ信号をL個の情報信号に変換する。DBF220の出力は、OFDM222に供給される。OFDM222は、情報含有信号が変調により乗せられていた複数のサブキャリアから、信号情報を抽出する。復調器224は、受信した信号を復調して、受信した信号に含まれている情報を抽出して、非復調情報信号を生成する。そして、復号器226は、復調器224から受信したデータを復号して、復号された情報、つまりMPDUをMAC副層ロジック201に送信する。
【0057】
当業者であれば、送受信機は、図2に図示していない数多くの機能をさらに備え得ること、そして、受信機204および送信機206は、1つの送受信機としてパッケージングされるのではなく別々のデバイスとして構成され得ることに想到するであろう。例えば、送受信機の実施形態は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、基準オシレータ、フィルタリング回路、同期回路、インターリーバおよびデインタリーバ、複数の周波数変換段および複数の増幅段等を備えるとしてよい。また、図2に図示した機能のうち一部を一体化するとしてもよい。例えば、デジタルビームフォーミングは、直交周波数分割多重と統合するとしてもよい。
【0058】
MAC副層ロジック201は、MPDUをパーシングして、フレームの種類を判断して、EDCAパラメータセットエレメントを特定するとしてよい。MAC副層ロジック201は、EDCAパラメータセットエレメントのQoS infoフィールドの値を特定して、EDCAパラメータセットエレメントの情報が変化したか否か、このため、MIBの更新が必要か否かを判断するとしてよい。例えば、MIBの最後の更新以降にEDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドのカウント値が変化していれば、MAC副層ロジック201は、MIBを更新すべきと判断するとしてよい。一方、カウントが変化していない場合には、MIBの更新は必要でなく、EDCAパラメータセットエレメントを破棄するとしてよい。
【0059】
一部の実施形態によると、MPDUは、PPDU送信時間のしきい値を定義している情報要素等のエレメントを含むとしてよい。このような実施形態では、PPDU送信時間は、例えば、Tミリ秒未満になるように制限が課されるとしてよい。PPDUの送信がこのTミリ秒というしきい値よりも長い場合、MAC副層ロジック201は、パケットを分割して、1回のPPDU送信が、PPDU送信時間のしきい値、例えば、Tミリ秒以上の時間を費やさないようにするとしてよい。
【0060】
図3は、図1Aから図1Iで説明するEDCAパラメータセットエレメント1080、1400および1600等のEDCAパラメータセットエレメントを含む管理フレームを生成または決定する実施形態を説明するフローチャート300を示す図である。フローチャート300は、媒体アクセス制御(MAC)副層ロジックが、管理フレーム用のMACヘッダを決定することから開始される(305)。
【0061】
MAC副層ロジックは、EDCAパラメータセットエレメントを決定するとしてよい(310)。当該処理は、センサおよび/またはその他の低電力デバイスのパラメータレコードエレメントを決定することを含む。例えば、MAC副層ロジックは、メモリにアクセスして、EDCAパラメータレコードセットエレメントのエレメント構造を取得して、AIFSN、aCWminおよびaCWmax等のエレメントに値を割り当てて、他のアクセスカテゴリのコンテンションウィンドウよりも先に開く低消費電力デバイスまたはセンサ用のコンテンションウィンドウを構築するとしてよい。多くの実施形態によると、低消費電力デバイスまたはセンサのコンテンションウィンドウは、他のアクセスカテゴリのコンテンションウィンドウが開く前に閉じる。低消費電力デバイスまたはセンサのデューティーサイクルが低い場合、低デューティーサイクルデバイスに起因する干渉およびレイテンシは、存在しないか、無視可能であるか、または、他のアクセスカテゴリのデバイスが許容可能なレベルであるとしてよい。別の実施形態によると、低消費電力デバイスまたはセンサのAIFSNは、他のアクセスカテゴリのAIFSNよりも低いとしてよい。そして、別の実施形態によると、低消費電力デバイスまたはセンサは、アクセスカテゴリのうち最も高い優先度が付与されるとしてよい。
【0062】
MAC副層ロジックは、管理フレームのフレーム本体の別のエレメントを決定するとしてよい(325)。多くの実施形態によると、フィールドを決定することは、フレームに含めるべく格納媒体からこれらのフィールドを取得することを含むとしてよい。他の実施形態によると、このようなフィールドに含めるべき値は、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、キャッシュ、バッファ、レジスタ等の格納媒体に格納されているとしてよい。別の実施形態によると、フィールドのうち1以上は、MAC副層ロジック、PHYロジックにハードコードされているとしてよく、または、フレームに挿入するような状態であるとしてよい。さらに別の実施形態によると、MAC副層ロジックは、それぞれの値の指標へのアクセスに基づき、フィールドの値を生成するとしてよい。
【0063】
MAC副層ロジックは、短いフレームの他の部分を決定した後、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールドの値を決定して(335)、受信側のデバイスが受信したビットシーケンスでエラー訂正を可能とするとしてよい。
【0064】
図4Aおよび図4Bは、図1Aから図1Iに図示しているEDCAパラメータセットエレメント1080、1400および1600等のEDCAパラメータセットエレメントを含む管理フレームを含む通信の送信、受信および解釈を行う実施形態を示すフローチャート400および450を示す図である。図4Aに示すように、フローチャート400は、EDCAパラメータセットエレメントを含むフレームをフレーム構築部から受信することから開始されるとしてよい。通信デバイスのMAC副層ロジックは、アクセスポイントに送信すべき管理フレームとしてフレームを生成して、データをアクセスポイントに送信可能なパケットに変換するデータユニット構築部に、MPDUとして当該フレームを渡すとしてよい。データユニット構築部は、送信すべきPPDUを形成するべくPSDU(フレーム構築部からのMPDU)をカプセル化するプリアンブルを生成するとしてよい(405)。一部の実施形態によると、複数のMPDUをカプセル化して、一のPPDUを形成するとしてよい。多くの実施形態によると、物理層ロジックは、PPDUの送信にかかる時間がPPDUを送信する際の送信時間のしきい値よりも長い場合には、PPDUを分割するとしてよい。
【0065】
PPDUはこの後、図2の送信機206または図1の送受信機1020、1040等の物理層デバイスに送信されるとしてよく、ここで、PPDUは通信信号に変換されるとしてよい(410)。この後、送信機はアンテナを介して通信信号を送信するとしてよい(415)。
【0066】
図4Bを参照すると、フローチャート450は、アクセスポイントの受信機、例えば、図2の受信機204が、アンテナアレイ218のアンテナ素子等の1以上のアンテナを介して通信信号を受信することから開始される(455)。受信機は、プリアンブルに記述しているプロセスに応じて、通信信号をMPDUに変換するとしてよい(460)。より具体的に説明すると、受信した信号は、1以上のアンテナからDBF220等のDBFに供給される。DBFは、アンテナ信号を情報信号に変換する。DBFの出力は、OFDM222等のOFDMに供給される。OFDMは、情報含有信号が変調されている複数のサブキャリアから信号情報を抽出する。この後、復調器224等の復調器は、例えば、BPSK、16QAM、64QAM、256QAM、QPSKまたはSQPSKを用いて信号情報を復調する。そして、復号器226等の復号器は、例えば、BCCまたはLDPC等を用いて復調器から受信する信号情報を復号して、MPDUを抽出して(460)、MPDUをMAC副層ロジック202等のMAC副層ロジックに送信する(465)。
【0067】
MAC副層ロジックは、MPDUから、EDCAパラメータセットエレメントのQoS infoフィールドの値を決定するとしてよい(470)。例えば、MAC副層ロジックは、QoS infoフィールドの値がEDCAパラメータセットエレメントが更新されたことを示しているか否か、または、今回のアソシエーションについて最初に受信したEDCAパラメータセットエレメントであるか否かを判断するとしてよい。エレメントが更新されている場合、または、APから最初に受信したものである場合、EDCAパラメータセットエレメントの残りの値は、MPDUから判断されて、管理情報ベースを更新するために用いられるとしてよい。
【0068】
別の実施形態は、図1から図4Bを参照しつつ説明したシステムおよび方法を実現するためのプログラム製品として実現する。一部の実施形態は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、または、ハードウェア素子およびソフトウェア素子の両方を含む実施形態であってよい。一実施形態は、これらに限定されないが、ファームウェア、レジデントソフトウェア、マイクロコード等を含むソフトウェアで実現される。
【0069】
さらに、実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムが利用または接続されるプログラムコードを提供するコンピュータ利用可能媒体またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品(または、機械アクセス可能製品)として実現され得る。この説明では、コンピュータ利用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令を実行するシステム、装置またはデバイスが利用または接続するプログラムを保存、格納、通信、伝播または輸送する任意の装置であってよい。
【0070】
このような媒体は、電子システム、磁気システム、光学システム、電磁システム、赤外線システムまたは半導体システム(または装置またはデバイス)である。コンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリまたはソリッドステートメモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、剛性の磁気ディスク、および、光ディスクを含む。現在の技術水準における光ディスクの例としては、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−リード/ライト(CD−R/W)およびDVDがある。
【0071】
プログラムコードの格納および/または実行に適したデータ処理システムは、システムバスを介して少なくとも1つのプロセッサが複数のメモリ素子に直接的または間接的に結合されている。メモリ素子は、プログラムコードを実際に実行する際に利用されるローカルメモリ、バルクストレージ、および、実行中にバルクストレージからコードを取得する回数を減らすために少なくとも一部のプログラムコードを一時的に格納するキャッシュメモリを含むとしてよい。
【0072】
上述したロジックは、集積回路チップの構成の一部であってよい。チップ構成は、グラフィックコンピュータプログラミング言語で作成され、コンピュータ格納媒体(例えば、ディスク、テープ、物理的ハードドライブ、または、ストレージアクセスネットワーク内等の仮想的ハードドライブ)に格納される。設計者は、チップを製造しない場合またはチップ製造に利用されるフォトリソグラフィーマスクを製造しない場合、最終的に決まった構成を物理的手段で送信する(例えば、構成を格納している格納媒体の複製を供給する)か、または、直接的または間接的に電子的(例えば、インターネットを介して)に送信する。格納されている構成内容を製造に適した形式(例えば、GDSII)に変換する。
【0073】
このようにして得られる集積回路チップは、ウェハの状態(つまり、複数のパッケージングが済んでいないチップを含む一枚のウェハとして)、ベアダイとして、または、パッケージング済みの状態として、製造者によって流通させられる。後者の場合、チップは、一の単一チップパッケージ(例えば、プラスチックの担体でマザーボードまたは他の高位の担体にリード線が接続されているもの)またはマルチチップパッケージ(表面配線または埋設配線の一方または両方を含むセラミックの担体)に実装される。いずれにしても、チップはこの後、(a)マザーボード等の中間製品、または、(b)最終製品の一部として、他のチップ、ディスクリートな回路素子、および/または、他の信号処理デバイスと一体化される。
【0074】
本開示を参照することによって、本開示が無線通信におけるチャネルアクセスの方法および装置に関することは当業者には明らかである。上記の詳細な説明および図面に図示および説明されている実施形態は一例に過ぎないと理解されたい。請求項は、開示した実施形態例の変更例を全て含むものと広義に解釈されたい。
【技術分野】
【0001】
実施形態は、無線通信に関する。具体的には、実施形態は、無線送信機と無線受信機との間の通信プロトコルに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【図1】複数の通信デバイス、つまり、複数の固定通信デバイスまたは可動通信デバイスを備える無線ネットワークの実施形態を示す図である。
【図1A】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つ管理フレームの実施形態を示す図である。
【図1B】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントの実施形態を示す図である。
【図1C】アクセスカテゴリパラメータレコードエレメントの実施形態を示す図である。
【図1D】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントのテーブルの実施形態を示す図である。
【図1E】無線通信デバイス間で通信を構築するための図1Dの改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントに基づくタイミングチャートの実施形態を示す図である。
【図1F】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントの別の実施形態を示す図である。
【図1G】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントのテーブルの別の実施形態を示す図である。
【図1H】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントの別の実施形態を示す図である。
【図1I】無線通信デバイス間で通信を構築するための改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントのテーブルの別の実施形態を示す図である。
【図2】改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つフレームの生成、送信、受信および解釈を行う装置の実施形態を示す図である。
【図3】改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つフレームを生成するための処理の実施形態を示すフローチャートである。
【図4A】図2に示す改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つフレームを利用した通信の送信、受信および解釈を行う処理の実施形態を示すフローチャートである。
【図4B】図2に示す改良型分散チャネルアクセスパラメータセットエレメントを持つフレームを利用した通信の送信、受信および解釈を行う処理の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下では、添付図面に図示している新技術の実施形態を詳細に説明する。以下の説明は、詳細の程度に関わらず、記載している実施形態について予測可能な変更を制限するものではない。逆に、請求項および詳細な説明は、請求項が定義する本教示内容の意図および範囲に含まれる全ての変形例、均等例および変更例を含むものである。以下に記載する詳細な説明は、当業者が理解可能な程度に実施形態を説明する。
【0004】
本発明の実施形態は、「一実施形態」、「ある実施形態」、「実施形態例」および「さまざまな実施形態」等と言及する場合、特定の特徴、構造または特性を含むが、必ずしも全ての実施形態がその特徴、構造または特性を含むものではない。また、「一実施形態」と繰り返し言及するが、必ずしも全てが同じ実施形態を意味するものではない。
【0005】
「第1」、「第2」、「第3」等の序数の形容詞は、本明細書で用いる場合、特に指定が無ければ、同じ物体を意味し、同様の物体が複数存在することを意味するに過ぎず、これらの物体が時間、空間、ランク等、任意の基準で所定の順序に並んでいなければならないことを意味するものではない。
【0006】
実施形態では、無線通信デバイスによる送信処理を円滑化するべく、トラフィック優先度を定義するとしてよい。多くの実施形態は、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレームおよびプローブ応答フレーム等の管理フレームを生成して送信するMAC副層ロジックを備える。当該管理フレームは、低消費電力局についてのアクセスカテゴリを含み、トラフィックについてのアクセスカテゴリに対して定義されるコンテンションウィンドウのうち最も早期に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義するパラメータレコードを含む。一部の実施形態によると、MAC副層ロジックは、メモリ、ロジックまたはフレーム送信を円滑化する他の構成で、アクセスカテゴリについてのパラメータレコードセットを格納するとしてよい。一部の実施形態では、アクセスカテゴリを含むフレームを含む通信を受信および検出して、アクセスカテゴリのうち1以上についてのパラメータセットを管理情報ベースに格納するとしてよい。
【0007】
一部の実施形態では、米国電気電子学会(IEEE)802.11規格、例えば、IEEE802.11ah等に準拠したシステムを実現する。IEEE802.11無線規格では、優先された搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)方式のアクセスメカニズムであるEDCA(高度分散型チャネルアクセス)が定義されている。IEEE802.11−2007、情報技術に関するIEEE規格−システム間の電気通信および情報のやりとり−ローカルエリアネットワークおよびメトロポリタンエリアネットワーク−具体的要件−パート11:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)層および物理(PHY)層の仕様(http://standards.ieee.org/getieee802/download/802.11-2007.pdf)。
【0008】
EDCAでは、用途に応じて必要とされるサービス品質(QoS)を提供するべく、バックグラウンド(BK)、ベストエフォート(BE)、画像(VI)および音声(VO)という4つのアクセスカテゴリ(AC)を定義している。複数の異なるACを定義するのは、例えば、音声および画像に関するレイテンシレベル要件を保証するためである。一部のデバイス、例えば、低電力局については、QoS要件はレイテンシではなく局の消費電力を低減することに重点を置いているとしてよい。例えば、電池を動力源とするセンサ局は、パケットをアクセスポイント(AP)に送信するトラフィックが多い局と競合する場合がある。両方のトラフィックフローが同じアクセスカテゴリにマッピングされている場合、センサ局は、時間のうち半分については競合に敗れて、電力を消費しながら、チャネルがアイドル状態になるまでウェイク状態で待機しなければならない。チャネルアクセス遅延は、長くなるとセンサ局の消費電力が大きくなり、1ギガヘルツ(GHz)以下のチャネル帯域幅を定義しているIEEE802.11ahシステム等のシステムについては増加してしまう。
【0009】
さらに説明すると、センサデバイス等の低電力局は、スリープ状態に入るべく電力を落とし、スリープ状態を維持して、送信すべきデータがあるとウェイク状態に入るべく電力を上げるとしてよい。センサデバイスは、ウェイク状態になる場合、チャネルがアイドル状態であるか否かを確認するべく、最初にチャネルに対して感知処理を行う。チャネルがビジー状態であれば、センサデバイスは、チャネルがアイドル状態になるまでチャネルの感知を続ける。この場合、電力が消費され、他の局のPPDU送信時間が長くなるほど、センサデバイスの消費電力が大きくなる。1GHz帯域幅以下の動作では、2.4ギガヘルツ(GHz)または5GHzの帯域幅に比べると帯域幅が狭くデータレートがはるかに低いので、物理層プロトコルデータユニット(PPDU)送信時間は、数十ミリ秒になる。
【0010】
一実施形態によると、例えば、小型の電池を動力源とする無線デバイス(例えば、センサ)等の低消費電力局がWi−Fiを利用して、非常に少ない消費電力でインターネットに接続できるように、1GHz以下の帯域幅で動作するIEEE802.11ahシステムについてEDCAを定義し直している。多くの実施形態では、デューティーサイクルが小さい局のエネルギー消費は、センサデバイスに対して、他の種類のトラフィックよりも高い優先度を割り当てることによって、そして別の実施形態では、PPDU送信時間に制限を課すことによって、ロードが高程度から中程度の従来のデバイス(例えば、ホットスポットまたはセルラー方式のオフロード)と共に用いられる場合に低減され得る。
【0011】
一部の実施形態によると、EDCAのアクセスカテゴリを定義し直して、VIアクセスカテゴリおよびVOアクセスカテゴリを削除している。一部の実施形態によると、BKカテゴリをBEカテゴリと組み合わせる。別の実施形態によると、新しくSSカテゴリを定義して、低消費電力局またはセンサ局のカテゴリを追加する。
【0012】
他の実施形態では、EDCAのアクセスカテゴリを定義し直して、低消費電力局をVOカテゴリに割り当てて、音声トラフィックをVIカテゴリに割り当てる。これらの実施形態の多くでは、低電力局はVOカテゴリに割り当てられるとしてよい。
【0013】
さらに別の実施形態によると、新しく定義されるSSカテゴリは、現在のBK、BE、VIおよびVOというカテゴリに加えて、低消費電力デバイスまたはセンサデバイスについて定義されているカテゴリである。このような実施形態によると、SSパラメータレコードエレメントの値は、他のカテゴリについてのコンテンションウィンドウに先立って、コンテンションウィンドウを開くように構成されているとしてよい。
【0014】
一部の実施形態は、ワイヤレスフィデリティ(Wi−Fi)ネットワークのユビキタス性を利用するとしてよく、さまざまな独自の特徴を持つがその中でも、必要な消費電力が通常は非常に小さい新たな利用方法の実現を可能とする。Wi−Fiは通常、IEEE802.11−2007無線規格および他の関連する無線規格を実現するデバイスを意味する。
【0015】
一部の実施形態は、アクセスポイント(AP)および/またはAPのクライアントデバイス、つまりステーション(STA)を備える。APおよび/またはSTAは、ルータ、スイッチ、サーバ、ワークステーション、ネットブック、モバイルデバイス(ラップトップ、スマートフォン、タブレット等)、センサ、メータ、コントローラ、計器、モニタ、機器等である。一部の実施形態は、例えば、室内および/または室外での「スマート」なグリッドデバイスおよびセンサデバイスを提供するとしてよい。例えば、一部の実施形態は、特定エリア内の家庭用の電気、水道、ガスおよび/または他の公共事業の利用分を計測するセンサからデータを収集して、こういったサービスの利用分を別の計測局に無線送信する計測局を提供するとしてよい。別の実施形態は、健康管理に関する出来事および患者のバイタルサイン、例えば、転倒検出、薬瓶の監視、体重管理、睡眠時無呼吸、血糖値、心拍等を監視する家庭用健康管理、クリニックまたは病院用のセンサからデータを収集するとしてよい。このようなサービス用の実施形態は通常、IEEE802.11n/acシステムに含まれるデバイスに比べると、必要なデータレートおよび消費電力が大幅に小さい。
【0016】
本明細書に記載するロジック、モジュール、デバイスおよびインターフェースは、ハードウェアおよび/またはコードで実現され得る機能を実行するとしてよい。ハードウェアおよび/またはコードは、ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、プロセッサ、ステートマシン、チップセット、または、所与の機能を実現するように構成される上記の組み合わせを含むとしてよい。
【0017】
実施形態によると、無線通信が円滑になるとしてよい。一部の実施形態は、Blueetooth(登録商標)等の低電力無線通信、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスメトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)、セルラー方式ネットワーク、ネットワーク内での通信、メッセージ送受信システム、および、デバイス間のやり取りを円滑にするためのスマートデバイスを含むとしてよい。さらに、一部の無線方式の実施形態では、アンテナが1つであるが、他の実施形態では、複数のアンテナを利用するとしてよい。例えば、多入力多出力(MIMO)方式では、通信性能を改善するべく、送信側および受信側の両方において複数のアンテナを介して信号を搬送する無線チャネルを利用する。
【0018】
以下に記載する具体的な実施形態の一部は具体的な構成に基づき実施形態を説明するが、当業者であれば、本開示の実施形態は同様の問題を持つ他の構成でも実現されるという利点があると理解されたい。
【0019】
図1は、無線通信システム1000の実施形態を示す図である。無線通信システム1000は、ネットワーク1005と有線接続または無線接続されている通信デバイス1010を備える。通信デバイス1010は、複数の通信デバイス1030、1050および1055とネットワーク1005を介して無線通信するとしてよい。通信デバイス1010は、アクセスポイントを有するとしてよい。通信デバイス1030は、センサ、消費者用電子デバイス、個人用モバイルデバイス等の低電力通信デバイスを含むとしてよい。そして、通信デバイス1050および1055は、センサ、ステーション、アクセスポイント、ハブ、スイッチ、ルータ、コンピュータ、ラップトップ、ネットブック、携帯電話、スマートフォン、PDA(携帯情報端末)等の無線機能を持つデバイスを含むとしてよい。このように、通信デバイスは、可動デバイスまたは固定デバイスであってよい。例えば、通信デバイス1010は、複数の家庭を含むエリアの水の消費量を測定するサブステーションを含むとしてよい。特定エリア内の各家庭は、通信デバイス1030等のセンサを備えるとしてよく、通信デバイス1030は、水消費量メータと一体化しているか、水消費量メータに結合されているとしてよい。
【0020】
最初に、通信デバイス1030は、通信デバイス1010が表すベースサービスセットとのアソシエーションを要求するために、通信デバイス1010に対してアソシエーション要求フレームを送信するとしてよい。通信デバイス1010は、データトラフィック用のアクセスカテゴリを定義しているパラメータセットを含むEDCA(高度分散チャネルアクセス)パラメータセットエレメントを含むアソシエーション応答フレームで応答するとしてよい。一部の実施形態によると、アクセスカテゴリは、ベストエフォート(BE)トラフィックおよび低消費電力局(SS)トラフィックを含み、アクセスカテゴリのコンテンションウィンドウを定義しており、SSトラフィックの最初のコンテンションウィンドウは、BEトラフィックのコンテンションウィンドウよりも先に開く。この後、通信デバイス1030は、一方または両方のカテゴリのパラメータセットを、メモリ1031の管理情報ベース1032に格納して、トラフィック用のアクセスカテゴリに応じて通信デバイス1010とのやり取りを円滑化するとしてよい。
【0021】
通信デバイス1030は、通信デバイス1010との間でアソシエーションが構築されると、定期的にアクティブ状態、つまり、ウェイク状態になって、収集されたデータ、例えば、一体化型水消費量センサが監視している水消費量に関するデータを送信するとしてよい。通信デバイス1030は、ウェイク状態になると、DIFS(Distributed Coordination Function(DCF)Interframe space)時間単位にわたって待機して、複数のタイムスロットをやり過ごして、通信デバイス1010に対するコンテンションウィンドウの開始を判断する。通信デバイス1030はこの後、測定サブステーションの通信デバイス1010に対して水消費量に関するデータを送信するべく1以上のデータフレームを送信するとしてよい。
【0022】
一部の実施形態によると、物理層プロトコルデータユニット送信時間に制限が課されるとしてよい。例えば、PPDU送信時間は、Tミリ秒未満に制限されるとしてよい。送信時間がしきい値であるTミリ秒よりも長くなる場合、パケットを分割して、1回のPPDU送信にかかる時間が長くなり過ぎないようにするとしてよい。
【0023】
別の実施形態によると、通信デバイス1010は、データオフロードを円滑化するとしてよい。例えば、低電力センサである通信デバイスは、例えば、計測ステーションに対するアクセスの待機時および/または帯域幅を利用し易くするために消費される消費電力を低減することを目的として、例えば、Wi−Fi、別の通信デバイス、セルラーネットワーク等を用いて通信を行うべくデータオフロード方式を含むとしてよい。測定ステーション等のセンサからデータを受信する通信デバイスは、ネットワーク1005の混雑状態を緩和することを目的として、例えば、Wi−Fi、別の通信デバイス、セルラーネットワーク等を用いて通信を行うためのデータオフロード方式を含むとしてよい。
【0024】
ネットワーク1005は、複数のネットワークを相互接続したものを表しているとしてよい。例えば、ネットワーク1005は、インターネットまたはイントラネット等のワイドエリアネットワークに結合されているとしてよく、1以上のハブ、ルータまたはスイッチを用いて有線方式または無線方式で相互接続されている複数のローカルデバイスを相互接続しているとしてよい。本実施形態によると、ネットワーク1005によって、通信デバイス1010、1030、1050および1055が通信可能に結合されている。
【0025】
通信デバイス1010および1030はそれぞれ、メモリ1011および媒体アクセス制御(MAC)副層ロジック1018、メモリ1031およびMAC副層ロジック1038を備える。メモリ1011および1031は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、バッファ、レジスタ、キャッシュ、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の格納媒体を含むとしてよい。メモリ1011および1031は、フレームおよび/あるいはフレーム構造、または、その一部分を格納するとしてよい。例えば、管理フレーム構造、および、図1B、図1Fおよび図1Hに図示しているパラメータセットエレメント1080、1400および1600等の高度分散型チャネルアクセスパラメータセットエレメントを格納するとしてよい。さらに、メモリ1011および1031は、図1D、図1Gおよび図1Iのテーブル1200、1500および1700に図示しているパラメータ値等のパラメータセットエレメントおよびパラメータレコードの値を、アクセスカテゴリに関連付けるデータを含むとしてよい。例えば、メモリ1011、1031は、アクセスカテゴリ(AC)、つまり、AC_BK、AC_BE、AC_VIおよびAC_VOについて、最小コンテンションウィンドウ(aCWmin)、最大コンテンションウィンドウ(aCWmax)およびアービトレーションフレーム間空間数(AIFSN)の値の指標を含むとしてよい。尚、これらのテーブルは、説明のための値を含んでいるので、実施形態ではこれらの値を利用するとしてもよいし、および/または、他の値を利用するとしてもよい。
【0026】
MAC副層ロジック1018、1038は、通信デバイス1010、1030のデータリンク層のMAC副層の機能を実現するロジックを含むとしてよい。MAC副層ロジック1018、1038は、管理フレーム等のフレームを生成するとしてよく、物理層ロジック1019、1039は、フレームに基づいて物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を生成するとしてよい。具体的には、フレーム構築部1013および1033は、EDCAパラメータセットエレメント1014、1034を含むフレームを生成するとしてよく、物理層ロジック1019、1039のデータユニット構築部が、プリアンブルで当該フレームをカプセル化して、送受信機(RX/TX)1020および1040等の物理層デバイスを介して送信するべくPPDUを生成する。
【0027】
通信デバイス1010、1030、1050および1055はそれぞれ、送受信機1020および1040等の送受信機を備えるとしてよい。送受信機1020、1040はそれぞれ、RF送信機およびRF受信機を有する。各RF送信機は、デジタルデータをRF周波数に乗せて、電磁波によりデータを送信する。RF受信機は、RF周波数で電磁エネルギーを受信して、デジタルデータを抽出する。
【0028】
図1は、例えば、4つの空間ストリームを持つ多入力多出力(MIMO)システム等、さまざまな実施形態を図示しているとしてよい。また、通信デバイス1010、1030、1050および1055のうち1以上が1つのアンテナを持つ受信機および/または送信機を有する、低機能のシステムを図示しているとしてよい。例えば、単入力単出力(SISO)システム、単入力多出力(SIMO)システム、および、多入力単出力(MISO)システム等を図示しているとしてよい。
【0029】
多くの実施形態によると、送受信機1020および1040は、直交周波数分割多重(OFDM)を実行する。OFDMは、複数の搬送周波数にデジタルデータを符号化する方法である。OFDMは、デジタルマルチキャリア変調方法として用いられる周波数分割多重化方式である。互いに近接して配置された多数の直交するサブキャリア信号を用いてデータを搬送する。このデータは、1サブキャリアにつき1つの並行データストリームまたは並行データチャネルとなるように、複数の並行データストリームまたは並行データチャネルに分割する。各サブキャリアは、低シンボルレートの変調方式で変調され、帯域幅が同じであると仮定すると、従来の単一キャリア変調方式と同様の総データレートを維持する。
【0030】
OFDMシステムは、データ、パイロット、ガードおよびヌル化等の機能についてキャリア、または「トーン」を利用する。データトーンは、複数のチャネルのうち1つを介して送信機と受信機との間で情報を転送するために用いられる。パイロットトーンは、チャネルを維持するために用いられ、時間/周波数およびチャネルのトラッキングに関する情報を提供するとしてよい。ガードトーンは、マルチパス歪みに起因し得るシンボル間干渉(ISI)を回避するために送信時にショートトレーニングフィールド(STF)シンボルおよびロングトレーニングフィールド(LTF)シンボル等のシンボルの間に挿入されるとしてよい。このようなガードトーンによって、信号がスペクトルマスクに同調し易くなる。直流成分(DC)のヌル化は、直接変換受信機構成を簡略化するために用いられるとしてよい。
【0031】
一部の実施形態によると、通信デバイス1010は任意で、点線で示すデジタルビームフォーマー(DBF)1022を備える。DBF1022は、情報信号を、アンテナアレイ1024の構成要素に供給されるべき信号へと変換する。アンテナアレイ1024は、複数の別個の独立して励起可能なアンテナ要素から構成されるアレイである。アンテナアレイ1024の構成要素に供給される信号によって、アンテナアレイ1024は、1個から4個の空間チャネルを放出する。このように形成される空間チャネルはそれぞれ、通信デバイス1030、1050および1055のうち1以上に対して情報を搬送するとしてよい。同様に、通信デバイス1030は、通信デバイス1010との間で信号を送受信する送受信機1040を有する。送受信機1040は、アンテナアレイ1044を有するとしてよく、任意でさらにDBF1042を有するとしてよい。
【0032】
図1Aは、図1に示す通信デバイス1010、1030、1050および1055等の無線通信デバイス間での通信のための管理フレーム1060の実施形態を示す図である。管理フレーム1060は、MACヘッダ1061、フレーム本体1074およびフレーム検査シーケンス(FCS)フィールド1076を含むとしてよい。MACヘッダ1061は、フレーム制御フィールド1062および他のMACヘッダフィールド1068を含むとしてよい。フレーム制御フィールド1062は、2オクテットであってよく、フレームのタイプおよびサブタイプを特定しているとしてよい。例えば、タイプが管理フレームで、サブタイプが再アソシエーション応答フレームである。他のMACヘッダフィールド1068は、例えば、1以上のアドレスフィールド、識別フィールド、制御フィールド等を含むとしてよい。
【0033】
一部の実施形態によると、管理フレーム1060は、フレーム本体1074を含むとしてよい。フレーム本体1074は、オクテットの数が可変であるとしてよく、データエレメント、制御エレメント、または、パラメータおよび機能を含むとしてよい。本実施形態によると、フレーム本体1074は、高度分散型チャネルアクセス(EDCA)パラメータセットエレメント1080を含む。図1Bは、EDCAパラメータセットエレメント1080の実施形態を示す図である。
【0034】
EDCAパラメータセットエレメント1080は、デフォルト管理情報ベース(MIB)属性値を変更することによってポリシーを確立させ、新しいステーション(STA)または新しいトラフィックを受け入れた際にポリシーを変更させ、または、ロードの変化に適応させるためにアクセスポイント(AP)によって利用されるとしてよい。APでないSTAから最も最近に受信したEDCAパラメータセットエレメント1080を用いて、適切なMIB値を更新するとしてよい。
【0035】
EDCAパラメータセットエレメント1080は、エレメント識別子(ID)フィールド1082、長さフィールド1086、サービス品質(QoS)情報(info)フィールド1088、保留フィールド1090、および、AC_BEパラメータレコード1092およびAC_SSパラメータレコード1094を含むパラメータレコードエレメント等のフィールドを含むとしてよい。エレメントIDフィールド1082は、1オクテットであるとしてよく、当該エレメントがEDCAパラメータセットエレメント1080であると特定するためのフィールドであるとしてよい。長さフィールド1086は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセットエレメント1080の長さを定義するとしてよい。QoS情報フィールド1088は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドを含むとしてよい。EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドは、最初は0に設定されているとしてよく、ACパラメータのうちいずれかが変化する度にインクリメントするとしてよい。EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドは、EDCAパラメータセットが変化したか否かを判断する場合に、APでないSTAによって利用されるとしてよく、適切なMIB属性の更新を要件とする。保留フィールド1090は、1オクテットであるとしてよく、今後利用されるために未使用になっているとしてよい。
【0036】
EDCAパラメータセットエレメント1080はさらに、本実施形態では、AC_BEパラメータレコード1092およびAC_SSパラメータレコード1094を含むアクセスカテゴリのそれぞれについて、パラメータレコードを含むとしてよい。本実施形態では、音声アクセスカテゴリおよび画像アクセスカテゴリ(AC_VIおよびAC_VO)は削除されている。また、AC_BKおよびAC_BEを組み合わせて1つのAC_BEに統一して簡略化しているとしてよい。さらに、新たにセンサアクセスカテゴリ(AC_SS)が追加されている。
【0037】
各パラメータレコードは、図1Cのパラメータレコードエレメント1100に図示されているフィールド等のフィールドを含むとしてよい。AC_BEパラメータレコード1092およびAC_SSパラメータレコード1094のパラメータレコードエレメントであるアクセスカテゴリインデックス/アービトレーションフレーム間空間数(ACI/AIFSN)1104、符号化コンテンションウィンドウ最小値/最大値(ECWmin/ECWmax)1106の値は、図1Dのアクセスカテゴリパラメータテーブル1200に図示している。尚、本実施形態によると、ベストエフォートアクセスカテゴリのAIFSN、AIFSN[AC_BE]は、10まで増加させて、最初の回のコンテンションで競合する際に、ベストエフォートトラフィックよりもセンサトラフィックに優先度を持たせるとしてよい(aCWminの値が15であると仮定している)。
【0038】
送信処理(TXOP)制限1108は、符号なしの整数で特定されているとしてよく、例えば、32μsを一単位として最下位オクテットが最初に送信される。TXOP制限1108フィールドの値は、0である場合、送信要求/送信準備完了(RTS/CTS)のやり取りまたは自身に対するCTSに加えて、一のMACサービスデータユニット(MSDU)またはMAC管理プロトコルデータユニット(MMPDU)が、任意のレートでTXOP毎に送信されることを示す。
【0039】
図1Aを再度参照すると、多くの実施形態では、管理フレーム1060は、フレーム検査シーケンス(FCS)フィールド1076を含むとしてよい。FCSフィールド1076は、4オクテットであるとしてよく、誤りの検出および訂正のためにショートフレーム1060に追加されている余分のチェックサムの文字を含むとしてよい。
【0040】
図1Eは、図1Dに示したテーブル1200に図示するアクセスカテゴリについて、AC_BE送信とAC_SS送信との間でのチャネルアクセスにおける関係についての実施形態のタイミングチャート1300を示す。図示されているように、センサSTAおよびホットスポットSTAが、所与のチャネルについて競合している。センサSTAは、AC_SSにマッピングされているセンサトラフィックを持ち、ホットスポットSTAは、AC_BEにマッピングされているベストエフォートトラフィックを持つ。チャネルがアイドル状態になると、これら2つのSTAは、遅延処理およびバックオフ処理を開始する。センサSTAは、SIFSとスロットタイムの2倍との和に等しいAIFS[AC_SS]の期間にわたって遅延して、CW=[0,7]から選択されるランダムな数でバックオフ処理を実行する。この例では、センサSTAは、ランダムな数として「3」を選択したと仮定している。
【0041】
他方、ホットスポットSTAは、最初に、SIFSとスロット時間の10倍との和に等しいAIFS[AC_BE]の期間にわたって遅延した後、バックオフ処理を開始する。しかし、センサSTAについての遅延処理およびバックオフ処理は常にAIFS[AC_BE]よりも短いので、センサSTAは常に、初回のコンテンションで勝利する。また、センサトラフィックのデューティーサイクルが非常に低い場合については(例えば、パケット送信が数分毎)、AC_SSに最も高い優先度を割り当てても、AC_BEに大きく影響することはなく、影響は無視可能な程度であるとしてよい。
【0042】
さらに、PPDU送信時間(T)が長すぎる場合(例えば、T>5ミリ秒)、センサSTAはチャネルにアクセスするまでの待機時間が長くなり過ぎるとしてよい。データレートが1Mbps未満の場合、例えば、パケットサイズが200バイト程度であればPPDU送信時間は容易に非常に長くなる。多くの実施形態によると、PPDU送信時間が制限されるので、センサSTAはチャネルがアイドル状態になるまで待機する時間が長くなり過ぎることはなく、センサSTAの消費電力が低減される。
【0043】
図1Fおよび図1Gはそれぞれ、別の実施形態を示し、EDCAパラメータセットエレメント1400を示す図であり、EDCAパラメータセットエレメント1400のパラメータレコードエレメントの値を含むアクセスカテゴリパラメータテーブル1500を示す図である。本実施形態によると、センサデバイスに最も高い優先度を割り当てる別の方法、または、センサデバイスに最初にコンテンションウィンドウを開けさせる別の方法として、従来のEDCAパラメータセットの4つのアクセスカテゴリを全て利用するが、EDCAパラメータを修正して、アクセスカテゴリとトラフィックタイプとの間のマッピングを変更する方法がある。
【0044】
EDCAパラメータセットエレメント1400は、エレメント識別子(ID)フィールド1402、長さフィールド1406、サービス品質(QoS)情報(info)フィールド1408、保留フィールド1410、および、AC_BKパラメータレコード1412、AC_BEパラメータレコード1414、AC_VIパラメータレコード1416、および、AC_VOパラメータレコード1418を含むパラメータレコードエレメント等のフィールドを含むとしてよい。AC_BKパラメータレコード1412、AC_BEパラメータレコード1414、AC_VIパラメータレコード1416、および、AC_VOパラメータレコード1418は、図1Gのテーブル1500に図示したような値を含むとしてよい。
【0045】
エレメントIDフィールド1402は、1オクテットであるとしてよく、当該エレメントがEDCAパラメータセットエレメント1400であると特定するためのフィールドであるとしてよい。長さフィールド1406は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセットエレメント1400の長さを定義するとしてよい。QoS情報フィールド1408は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドを含むとしてよい。保留フィールド1410は、1オクテットであるとしてよく、今後利用されるために未使用になっているとしてよい。
【0046】
図1Hおよび図1Iはそれぞれ、別の実施形態を示し、EDCAパラメータセットエレメント1600を示す図であり、EDCAパラメータセットエレメント1600のパラメータレコードエレメントの値を含むアクセスカテゴリパラメータテーブル1700を示す図である。本実施形態によると、センサデバイスに最も高い優先度を割り当てる別の方法、または、センサデバイスに最初にコンテンションウィンドウを開けさせる別の方法として、従来のアクセスカテゴリテーブルに新しくセンサアクセスカテゴリ(AC_SS)を追加して、EDCAパラメータを変更する方法がある。
【0047】
EDCAパラメータセットエレメント1600は、エレメント識別子(ID)フィールド1602、長さフィールド1606、サービス品質(QoS)情報(info)フィールド1608、保留フィールド1610、および、AC_BKパラメータレコード1612、AC_BEパラメータレコード1614、AC_VIパラメータレコード1616、AC_VOパラメータレコード1618および、AC_SSパラメータレコード1620を含むパラメータレコードエレメント等のフィールドを含むとしてよい。AC_BKパラメータレコード1612、AC_BEパラメータレコード1614、AC_VIパラメータレコード1616、AC_VOパラメータレコード1618、および、AC_SSパラメータレコード1620は、図1Iのテーブル1700に図示したような値を含むとしてよい。
【0048】
エレメントIDフィールド1602は、1オクテットであるとしてよく、当該エレメントがEDCAパラメータセットエレメント1600であると特定するためのフィールドであるとしてよい。長さフィールド1606は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセットエレメント1600の長さを定義するとしてよい。QoS情報フィールド1608は、1オクテットであるとしてよく、EDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドを含むとしてよい。保留フィールド1610は、1オクテットであるとしてよく、今後利用されるために未使用になっているとしてよい。
【0049】
尚、テーブル1200、1500および1700に示す値は、例示を目的としたものであり、他の値であってよい。
【0050】
図2は、フレームで高度分散型チャネルアクセス(EDCA)パラメータセットエレメントを生成、送信、受信および解釈する装置の実施形態を示す図である。当該装置は、媒体アクセス制御(MAC)副層ロジック201に結合されている送受信機200を備える。MAC副層ロジック201は、フレームを決定するとしてよく、物理層(PHY)ロジック250は、当該フレームをプリアンブルでカプセル化することによってPPDUを決定して、送受信機200を介して送信するとしてよい。
【0051】
多くの実施形態によると、MAC副層ロジック201は、図1Aから図1Iに図示したEDCAパラメータセットエレメント1080、1400および1600を含む管理フレーム1060等のフレーム(MPDU)を生成するフレーム構築部202を備えるとしてよい。EDCAパラメータセットエレメントは、当該装置が含まれているアクセスポイントについてのトラフィック優先度を示すデータを含むとしてよい。図1における通信デバイス1010等のアクセスポイント、および、通信デバイス1030等のステーションは、図1に示す管理情報ベース(MIB)1032等のメモリに、EDCAパラメータセットエレメント1080、1400および1600ならびに値を保存するとしてよい。
【0052】
PHYロジック250は、データユニット構築部203を含むとしてよい。データユニット構築部203は、MPDUをカプセル化するプリアンブルを決定して、PPDUを生成するとしてよい。多くの実施形態では、データユニット構築部203は、宛先である通信デバイスとのやり取りで選択される通信パラメータに基づいて、プリアンブルを形成するとしてよい。
【0053】
送受信機200は、受信機204および送信機206を備える。送信機206は、符号化器208、変調器210、OFDM212およびDBF214のうち1以上を有するとしてよい。送信機206の符号化器208は、MAC副層ロジック202から送信されるべく宛先が決まったデータを受信して、例えば、バイナリ畳み込み符号化(BCC)、低密度パリティチェック符号化(LDPC)等を用いて符号化する。変調器210は、符号化器208からデータを受信して、受信したデータブロックを選択した周波数の正弦波に乗せるとしてよい。例えば、データブロックを、正弦波の対応する離散振幅群、正弦波の離散位相群、または、正弦波の周波数と相対的に決まる離散周波数シフト群にマッピングすることによって正弦波に乗せる。変調器210の出力は、直交周波数分割多重化器(OFDM)212に供給される。OFDM212は、変調器210から受信した変調データを、複数の直交するサブキャリアに乗せる。そして、OFDM212の出力はデジタルビームフォーマー(DBF)214に供給されて、複数の空間チャネルを形成し、各空間チャネルを別々にステアリングして、複数のユーザ端末のそれぞれとの間で送受信する信号電力を最大限に大きくするとしてよい。
【0054】
送受信機200はさらに、アンテナアレイ218に接続されているダイプレクサ216を備えるとしてよい。このため、本実施形態では、1のアンテナアレイを、送信および受信の両方に利用する。送信の場合、信号はダイプレクサ216を通過して、アップコンバートされた情報含有信号でアンテナを駆動する。送信時には、ダイプレクサ216は、送信されるべき信号が受信機204に入らないようにする。受信の場合、アンテナアレイから受信した情報含有信号は、ダイプレクサ216を通過して、アンテナアレイから受信機204へと信号を配信する。ダイプレクサ216はこの後、受信した信号が送信機206に入らないようにする。このように、ダイプレクサ216は、アンテナアレイ素子を受信機204および送信機206に交互に接続するスイッチとして機能する。
【0055】
アンテナアレイ218は、情報含有信号を、時間に応じて変化する空間分布を持つ、受信機のアンテナが受信可能な電磁エネルギーで放出する。受信機は受信した信号から情報を抽出できる。
【0056】
送受信機200は、情報含有信号の受信、復調および復号を行う受信機204を備えるとしてよい。受信機204は、DBF220、OFDM222、復調器224および復号器226のうち1以上を有するとしてよい。受信した信号は、アンテナ素子218からデジタルビームフォーマー(DBF)220に供給される。DBF220は、N個のアンテナ信号をL個の情報信号に変換する。DBF220の出力は、OFDM222に供給される。OFDM222は、情報含有信号が変調により乗せられていた複数のサブキャリアから、信号情報を抽出する。復調器224は、受信した信号を復調して、受信した信号に含まれている情報を抽出して、非復調情報信号を生成する。そして、復号器226は、復調器224から受信したデータを復号して、復号された情報、つまりMPDUをMAC副層ロジック201に送信する。
【0057】
当業者であれば、送受信機は、図2に図示していない数多くの機能をさらに備え得ること、そして、受信機204および送信機206は、1つの送受信機としてパッケージングされるのではなく別々のデバイスとして構成され得ることに想到するであろう。例えば、送受信機の実施形態は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、基準オシレータ、フィルタリング回路、同期回路、インターリーバおよびデインタリーバ、複数の周波数変換段および複数の増幅段等を備えるとしてよい。また、図2に図示した機能のうち一部を一体化するとしてもよい。例えば、デジタルビームフォーミングは、直交周波数分割多重と統合するとしてもよい。
【0058】
MAC副層ロジック201は、MPDUをパーシングして、フレームの種類を判断して、EDCAパラメータセットエレメントを特定するとしてよい。MAC副層ロジック201は、EDCAパラメータセットエレメントのQoS infoフィールドの値を特定して、EDCAパラメータセットエレメントの情報が変化したか否か、このため、MIBの更新が必要か否かを判断するとしてよい。例えば、MIBの最後の更新以降にEDCAパラメータセット更新カウントサブフィールドのカウント値が変化していれば、MAC副層ロジック201は、MIBを更新すべきと判断するとしてよい。一方、カウントが変化していない場合には、MIBの更新は必要でなく、EDCAパラメータセットエレメントを破棄するとしてよい。
【0059】
一部の実施形態によると、MPDUは、PPDU送信時間のしきい値を定義している情報要素等のエレメントを含むとしてよい。このような実施形態では、PPDU送信時間は、例えば、Tミリ秒未満になるように制限が課されるとしてよい。PPDUの送信がこのTミリ秒というしきい値よりも長い場合、MAC副層ロジック201は、パケットを分割して、1回のPPDU送信が、PPDU送信時間のしきい値、例えば、Tミリ秒以上の時間を費やさないようにするとしてよい。
【0060】
図3は、図1Aから図1Iで説明するEDCAパラメータセットエレメント1080、1400および1600等のEDCAパラメータセットエレメントを含む管理フレームを生成または決定する実施形態を説明するフローチャート300を示す図である。フローチャート300は、媒体アクセス制御(MAC)副層ロジックが、管理フレーム用のMACヘッダを決定することから開始される(305)。
【0061】
MAC副層ロジックは、EDCAパラメータセットエレメントを決定するとしてよい(310)。当該処理は、センサおよび/またはその他の低電力デバイスのパラメータレコードエレメントを決定することを含む。例えば、MAC副層ロジックは、メモリにアクセスして、EDCAパラメータレコードセットエレメントのエレメント構造を取得して、AIFSN、aCWminおよびaCWmax等のエレメントに値を割り当てて、他のアクセスカテゴリのコンテンションウィンドウよりも先に開く低消費電力デバイスまたはセンサ用のコンテンションウィンドウを構築するとしてよい。多くの実施形態によると、低消費電力デバイスまたはセンサのコンテンションウィンドウは、他のアクセスカテゴリのコンテンションウィンドウが開く前に閉じる。低消費電力デバイスまたはセンサのデューティーサイクルが低い場合、低デューティーサイクルデバイスに起因する干渉およびレイテンシは、存在しないか、無視可能であるか、または、他のアクセスカテゴリのデバイスが許容可能なレベルであるとしてよい。別の実施形態によると、低消費電力デバイスまたはセンサのAIFSNは、他のアクセスカテゴリのAIFSNよりも低いとしてよい。そして、別の実施形態によると、低消費電力デバイスまたはセンサは、アクセスカテゴリのうち最も高い優先度が付与されるとしてよい。
【0062】
MAC副層ロジックは、管理フレームのフレーム本体の別のエレメントを決定するとしてよい(325)。多くの実施形態によると、フィールドを決定することは、フレームに含めるべく格納媒体からこれらのフィールドを取得することを含むとしてよい。他の実施形態によると、このようなフィールドに含めるべき値は、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、キャッシュ、バッファ、レジスタ等の格納媒体に格納されているとしてよい。別の実施形態によると、フィールドのうち1以上は、MAC副層ロジック、PHYロジックにハードコードされているとしてよく、または、フレームに挿入するような状態であるとしてよい。さらに別の実施形態によると、MAC副層ロジックは、それぞれの値の指標へのアクセスに基づき、フィールドの値を生成するとしてよい。
【0063】
MAC副層ロジックは、短いフレームの他の部分を決定した後、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールドの値を決定して(335)、受信側のデバイスが受信したビットシーケンスでエラー訂正を可能とするとしてよい。
【0064】
図4Aおよび図4Bは、図1Aから図1Iに図示しているEDCAパラメータセットエレメント1080、1400および1600等のEDCAパラメータセットエレメントを含む管理フレームを含む通信の送信、受信および解釈を行う実施形態を示すフローチャート400および450を示す図である。図4Aに示すように、フローチャート400は、EDCAパラメータセットエレメントを含むフレームをフレーム構築部から受信することから開始されるとしてよい。通信デバイスのMAC副層ロジックは、アクセスポイントに送信すべき管理フレームとしてフレームを生成して、データをアクセスポイントに送信可能なパケットに変換するデータユニット構築部に、MPDUとして当該フレームを渡すとしてよい。データユニット構築部は、送信すべきPPDUを形成するべくPSDU(フレーム構築部からのMPDU)をカプセル化するプリアンブルを生成するとしてよい(405)。一部の実施形態によると、複数のMPDUをカプセル化して、一のPPDUを形成するとしてよい。多くの実施形態によると、物理層ロジックは、PPDUの送信にかかる時間がPPDUを送信する際の送信時間のしきい値よりも長い場合には、PPDUを分割するとしてよい。
【0065】
PPDUはこの後、図2の送信機206または図1の送受信機1020、1040等の物理層デバイスに送信されるとしてよく、ここで、PPDUは通信信号に変換されるとしてよい(410)。この後、送信機はアンテナを介して通信信号を送信するとしてよい(415)。
【0066】
図4Bを参照すると、フローチャート450は、アクセスポイントの受信機、例えば、図2の受信機204が、アンテナアレイ218のアンテナ素子等の1以上のアンテナを介して通信信号を受信することから開始される(455)。受信機は、プリアンブルに記述しているプロセスに応じて、通信信号をMPDUに変換するとしてよい(460)。より具体的に説明すると、受信した信号は、1以上のアンテナからDBF220等のDBFに供給される。DBFは、アンテナ信号を情報信号に変換する。DBFの出力は、OFDM222等のOFDMに供給される。OFDMは、情報含有信号が変調されている複数のサブキャリアから信号情報を抽出する。この後、復調器224等の復調器は、例えば、BPSK、16QAM、64QAM、256QAM、QPSKまたはSQPSKを用いて信号情報を復調する。そして、復号器226等の復号器は、例えば、BCCまたはLDPC等を用いて復調器から受信する信号情報を復号して、MPDUを抽出して(460)、MPDUをMAC副層ロジック202等のMAC副層ロジックに送信する(465)。
【0067】
MAC副層ロジックは、MPDUから、EDCAパラメータセットエレメントのQoS infoフィールドの値を決定するとしてよい(470)。例えば、MAC副層ロジックは、QoS infoフィールドの値がEDCAパラメータセットエレメントが更新されたことを示しているか否か、または、今回のアソシエーションについて最初に受信したEDCAパラメータセットエレメントであるか否かを判断するとしてよい。エレメントが更新されている場合、または、APから最初に受信したものである場合、EDCAパラメータセットエレメントの残りの値は、MPDUから判断されて、管理情報ベースを更新するために用いられるとしてよい。
【0068】
別の実施形態は、図1から図4Bを参照しつつ説明したシステムおよび方法を実現するためのプログラム製品として実現する。一部の実施形態は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、または、ハードウェア素子およびソフトウェア素子の両方を含む実施形態であってよい。一実施形態は、これらに限定されないが、ファームウェア、レジデントソフトウェア、マイクロコード等を含むソフトウェアで実現される。
【0069】
さらに、実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムが利用または接続されるプログラムコードを提供するコンピュータ利用可能媒体またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品(または、機械アクセス可能製品)として実現され得る。この説明では、コンピュータ利用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令を実行するシステム、装置またはデバイスが利用または接続するプログラムを保存、格納、通信、伝播または輸送する任意の装置であってよい。
【0070】
このような媒体は、電子システム、磁気システム、光学システム、電磁システム、赤外線システムまたは半導体システム(または装置またはデバイス)である。コンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリまたはソリッドステートメモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、剛性の磁気ディスク、および、光ディスクを含む。現在の技術水準における光ディスクの例としては、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−リード/ライト(CD−R/W)およびDVDがある。
【0071】
プログラムコードの格納および/または実行に適したデータ処理システムは、システムバスを介して少なくとも1つのプロセッサが複数のメモリ素子に直接的または間接的に結合されている。メモリ素子は、プログラムコードを実際に実行する際に利用されるローカルメモリ、バルクストレージ、および、実行中にバルクストレージからコードを取得する回数を減らすために少なくとも一部のプログラムコードを一時的に格納するキャッシュメモリを含むとしてよい。
【0072】
上述したロジックは、集積回路チップの構成の一部であってよい。チップ構成は、グラフィックコンピュータプログラミング言語で作成され、コンピュータ格納媒体(例えば、ディスク、テープ、物理的ハードドライブ、または、ストレージアクセスネットワーク内等の仮想的ハードドライブ)に格納される。設計者は、チップを製造しない場合またはチップ製造に利用されるフォトリソグラフィーマスクを製造しない場合、最終的に決まった構成を物理的手段で送信する(例えば、構成を格納している格納媒体の複製を供給する)か、または、直接的または間接的に電子的(例えば、インターネットを介して)に送信する。格納されている構成内容を製造に適した形式(例えば、GDSII)に変換する。
【0073】
このようにして得られる集積回路チップは、ウェハの状態(つまり、複数のパッケージングが済んでいないチップを含む一枚のウェハとして)、ベアダイとして、または、パッケージング済みの状態として、製造者によって流通させられる。後者の場合、チップは、一の単一チップパッケージ(例えば、プラスチックの担体でマザーボードまたは他の高位の担体にリード線が接続されているもの)またはマルチチップパッケージ(表面配線または埋設配線の一方または両方を含むセラミックの担体)に実装される。いずれにしても、チップはこの後、(a)マザーボード等の中間製品、または、(b)最終製品の一部として、他のチップ、ディスクリートな回路素子、および/または、他の信号処理デバイスと一体化される。
【0074】
本開示を参照することによって、本開示が無線通信におけるチャネルアクセスの方法および装置に関することは当業者には明らかである。上記の詳細な説明および図面に図示および説明されている実施形態は一例に過ぎないと理解されたい。請求項は、開示した実施形態例の変更例を全て含むものと広義に解釈されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラフィックについてアクセスカテゴリを定義する方法であって、
媒体アクセス制御副層ロジックによって、トラフィックについての複数のアクセスカテゴリを定義する複数のパラメータレコードを含むフレームを生成する段階と、
物理層ロジックによって、プリアンブルを用いて前記フレームをカプセル化して、送信すべき物理層プロトコルデータユニットを形成する段階と
を備え、
低消費電力局のアクセスカテゴリは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義しているパラメータレコードを含む方法。
【請求項2】
アンテナによって、前記プリアンブルがカプセル化した前記フレームを送信する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記媒体アクセス制御副層ロジックによって、前記フレームの少なくとも一部をメモリに格納する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フレームを生成する段階は、前記物理層プロトコルデータユニットを送信するための送信時間のしきい値を定義している前記フレームを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フレームを生成する段階は、前記低消費電力局のアクセスカテゴリのパラメータレコードが、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリのうち、トラフィックについて最も高い優先度を定義している前記フレームを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フレームを生成する段階は、前記低消費電力局のアクセスカテゴリを、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリのうちベストエフォートのアクセスカテゴリのアービトレーションフレーム間空間数よりも少ないアービトレーションフレーム間空間数で定義している前記フレームを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
トラフィックについてアクセスカテゴリを定義するデバイスであって、
メモリと、
前記メモリに結合されており、トラフィックについて複数のアクセスカテゴリを定義する複数のパラメータレコードを含むフレームを生成する媒体アクセス制御副層ロジックと
を備え、
低消費電力局のアクセスカテゴリは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義しているパラメータレコードを含むデバイス。
【請求項8】
前記フレームを送信するべく前記媒体アクセス制御副層ロジックに結合されている送信機をさらに備える請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記フレームを送信するべく前記送信機に結合されているアンテナをさらに備える請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレームの少なくとも一部分を格納するべく前記メモリに結合されている請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、物理層プロトコルデータユニットを送信するための送信時間のしきい値を定義する前記フレームを生成するロジックを有する請求項7に記載のデバイス。
【請求項12】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、定義されている複数のアクセスカテゴリのうち、トラフィックについて最も高い優先度で、前記低消費電力局のアクセスカテゴリを定義する前記フレームを生成するロジックを有する請求項7に記載のデバイス。
【請求項13】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、ベストエフォートアクセスカテゴリのアービトレーションフレーム間空間数よりも少ないアービトレーションフレーム間空間数で前記アクセスカテゴリを定義する前記フレームを生成するロジックを有する請求項7に記載のデバイス。
【請求項14】
トラフィックについてアクセスカテゴリを定義する方法であって、
媒体アクセス制御副層ロジックによって、トラフィックについての複数のアクセスカテゴリを定義する複数のパラメータレコードを含むフレームを受信する段階と、
前記媒体アクセス制御副層ロジックによって、前記フレームに基づき、低消費電力局のアクセスカテゴリのパラメータレコードをメモリ内の管理情報ベースに格納する段階と
を備え、
前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義している前記パラメータレコードを含む方法。
【請求項15】
アンテナによって、プリアンブルでカプセル化された前記フレームを受信する段階をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記媒体アクセス制御副層ロジックによって、前記フレーム内で定義されている、物理層プロトコルデータユニットを送信する場合の送信時間のしきい値を、メモリ内に格納する段階をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリの前記パラメータレコードが、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリのうち、トラフィックについて最も高い優先度を定義していると判断する段階をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記フレームではアービトレーションフレーム間空間数を2に設定して前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリを定義していると判断する段階をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記フレームでは最小コンテンションウィンドウを(aCWmin+1)/2−1に設定して前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリを定義していると判断する請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記フレームでは最大コンテンションウィンドウをaCWmaxに設定して前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリを定義していると判断する請求項14に記載の方法。
【請求項21】
トラフィックについてアクセスカテゴリを定義するデバイスであって、
メモリと、
前記メモリに結合されており、トラフィックについて複数のアクセスカテゴリを定義する複数のパラメータレコードを含むフレームを受信する媒体アクセス制御副層ロジックと
を備え、
低消費電力局のアクセスカテゴリは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義しているパラメータレコードを含み、
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレームの受信に基づいて、前記低消費電力局のアクセスカテゴリの前記パラメータレコードを、メモリ内の管理情報ベースに格納するデバイス。
【請求項22】
前記フレームを受信するべく前記媒体アクセス制御副層ロジックに結合されている受信機をさらに備える請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記フレームを受信するべく前記受信機に結合されているアンテナをさらに備える請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレーム内に定義されている、物理層プロトコルデータユニットを送信する場合の送信時間のしきい値を前記メモリに格納するロジックを有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項25】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリのうちトラフィックについて最も高い優先度を定義している、前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリの前記パラメータレコードを決定するロジックを有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項26】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレームではアービトレーションフレーム間空間数を2に設定して前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリを定義していると判断するロジックを有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項27】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレームでは最小コンテンションウィンドウを(aCWmin+1)/4−1に設定して低消費電力局のアクセスカテゴリを定義していると判断するロジックを有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項28】
機械アクセス可能製品であって、
トラフィックについての複数のアクセスカテゴリを定義している複数のパラメータレコードを含む媒体を備え、
前記複数のパラメータレコードは、
トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義している、低消費電力局のアクセスカテゴリのパラメータレコードを定義している機械アクセス可能製品。
【請求項29】
前記媒体はさらに、物理層プロトコルデータユニットを送信する送信時間のしきい値を含む請求項28に記載の機械アクセス可能製品。
【請求項30】
前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリの前記パラメータレコードは、前記アクセスカテゴリを、ベストエフォートアクセスカテゴリのアービトレーションフレーム間空間数よりも少ないアービトレーションフレーム間空間数の設定で定義している請求項28に記載の機械アクセス可能製品。
【請求項1】
トラフィックについてアクセスカテゴリを定義する方法であって、
媒体アクセス制御副層ロジックによって、トラフィックについての複数のアクセスカテゴリを定義する複数のパラメータレコードを含むフレームを生成する段階と、
物理層ロジックによって、プリアンブルを用いて前記フレームをカプセル化して、送信すべき物理層プロトコルデータユニットを形成する段階と
を備え、
低消費電力局のアクセスカテゴリは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義しているパラメータレコードを含む方法。
【請求項2】
アンテナによって、前記プリアンブルがカプセル化した前記フレームを送信する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記媒体アクセス制御副層ロジックによって、前記フレームの少なくとも一部をメモリに格納する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フレームを生成する段階は、前記物理層プロトコルデータユニットを送信するための送信時間のしきい値を定義している前記フレームを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フレームを生成する段階は、前記低消費電力局のアクセスカテゴリのパラメータレコードが、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリのうち、トラフィックについて最も高い優先度を定義している前記フレームを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フレームを生成する段階は、前記低消費電力局のアクセスカテゴリを、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリのうちベストエフォートのアクセスカテゴリのアービトレーションフレーム間空間数よりも少ないアービトレーションフレーム間空間数で定義している前記フレームを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
トラフィックについてアクセスカテゴリを定義するデバイスであって、
メモリと、
前記メモリに結合されており、トラフィックについて複数のアクセスカテゴリを定義する複数のパラメータレコードを含むフレームを生成する媒体アクセス制御副層ロジックと
を備え、
低消費電力局のアクセスカテゴリは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義しているパラメータレコードを含むデバイス。
【請求項8】
前記フレームを送信するべく前記媒体アクセス制御副層ロジックに結合されている送信機をさらに備える請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記フレームを送信するべく前記送信機に結合されているアンテナをさらに備える請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレームの少なくとも一部分を格納するべく前記メモリに結合されている請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、物理層プロトコルデータユニットを送信するための送信時間のしきい値を定義する前記フレームを生成するロジックを有する請求項7に記載のデバイス。
【請求項12】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、定義されている複数のアクセスカテゴリのうち、トラフィックについて最も高い優先度で、前記低消費電力局のアクセスカテゴリを定義する前記フレームを生成するロジックを有する請求項7に記載のデバイス。
【請求項13】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、ベストエフォートアクセスカテゴリのアービトレーションフレーム間空間数よりも少ないアービトレーションフレーム間空間数で前記アクセスカテゴリを定義する前記フレームを生成するロジックを有する請求項7に記載のデバイス。
【請求項14】
トラフィックについてアクセスカテゴリを定義する方法であって、
媒体アクセス制御副層ロジックによって、トラフィックについての複数のアクセスカテゴリを定義する複数のパラメータレコードを含むフレームを受信する段階と、
前記媒体アクセス制御副層ロジックによって、前記フレームに基づき、低消費電力局のアクセスカテゴリのパラメータレコードをメモリ内の管理情報ベースに格納する段階と
を備え、
前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義している前記パラメータレコードを含む方法。
【請求項15】
アンテナによって、プリアンブルでカプセル化された前記フレームを受信する段階をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記媒体アクセス制御副層ロジックによって、前記フレーム内で定義されている、物理層プロトコルデータユニットを送信する場合の送信時間のしきい値を、メモリ内に格納する段階をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリの前記パラメータレコードが、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリのうち、トラフィックについて最も高い優先度を定義していると判断する段階をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記フレームではアービトレーションフレーム間空間数を2に設定して前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリを定義していると判断する段階をさらに備える請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記フレームでは最小コンテンションウィンドウを(aCWmin+1)/2−1に設定して前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリを定義していると判断する請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記フレームでは最大コンテンションウィンドウをaCWmaxに設定して前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリを定義していると判断する請求項14に記載の方法。
【請求項21】
トラフィックについてアクセスカテゴリを定義するデバイスであって、
メモリと、
前記メモリに結合されており、トラフィックについて複数のアクセスカテゴリを定義する複数のパラメータレコードを含むフレームを受信する媒体アクセス制御副層ロジックと
を備え、
低消費電力局のアクセスカテゴリは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義しているパラメータレコードを含み、
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレームの受信に基づいて、前記低消費電力局のアクセスカテゴリの前記パラメータレコードを、メモリ内の管理情報ベースに格納するデバイス。
【請求項22】
前記フレームを受信するべく前記媒体アクセス制御副層ロジックに結合されている受信機をさらに備える請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記フレームを受信するべく前記受信機に結合されているアンテナをさらに備える請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレーム内に定義されている、物理層プロトコルデータユニットを送信する場合の送信時間のしきい値を前記メモリに格納するロジックを有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項25】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリのうちトラフィックについて最も高い優先度を定義している、前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリの前記パラメータレコードを決定するロジックを有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項26】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレームではアービトレーションフレーム間空間数を2に設定して前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリを定義していると判断するロジックを有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項27】
前記媒体アクセス制御副層ロジックは、前記フレームでは最小コンテンションウィンドウを(aCWmin+1)/4−1に設定して低消費電力局のアクセスカテゴリを定義していると判断するロジックを有する請求項21に記載のデバイス。
【請求項28】
機械アクセス可能製品であって、
トラフィックについての複数のアクセスカテゴリを定義している複数のパラメータレコードを含む媒体を備え、
前記複数のパラメータレコードは、
トラフィックについての前記複数のアクセスカテゴリについて定義されているコンテンションウィンドウのうち、最初に開くコンテンションウィンドウであるコンテンションウィンドウを定義している、低消費電力局のアクセスカテゴリのパラメータレコードを定義している機械アクセス可能製品。
【請求項29】
前記媒体はさらに、物理層プロトコルデータユニットを送信する送信時間のしきい値を含む請求項28に記載の機械アクセス可能製品。
【請求項30】
前記低消費電力局の前記アクセスカテゴリの前記パラメータレコードは、前記アクセスカテゴリを、ベストエフォートアクセスカテゴリのアービトレーションフレーム間空間数よりも少ないアービトレーションフレーム間空間数の設定で定義している請求項28に記載の機械アクセス可能製品。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【公開番号】特開2012−235448(P2012−235448A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−61054(P2012−61054)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−61054(P2012−61054)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】
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