無線ネットワーク装置
【課題】意図しない利用者による利用を防止する無線ネットワーク装置を提供する。
【解決手段】無線通信電波を送出する無線通信手段と、周囲の状況を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像された画像データを解析する画像処理手段と、画像処理手段による画像データの解析結果に基づき、無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整する送出パワー調整手段と、を具備する。
【解決手段】無線通信電波を送出する無線通信手段と、周囲の状況を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像された画像データを解析する画像処理手段と、画像処理手段による画像データの解析結果に基づき、無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整する送出パワー調整手段と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワークを提供する無線ネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線装置が無線通信のために送出する空中線電力の送出パワーの最大値は電波法により定められている。一般的な無線通信装置は、その最大値でシステムを制御し、通信相手とのやり取りの中で、必要に応じて、転送レートや送出電力の送出パワーを調整、決定している。
【0003】
しかし、これまでは、空中線電力の送出パワーが大きすぎ、送出された無線通信電波が通信したい相手との距離を越え、利用者の意図しない広範囲まで伝播していた。その結果、その無線通信を本来利用するべきではない端末装置でもその無線通信を傍受することができるようになり、無線通信の内容が取得されてしまうという問題が生じていた。また、その無線通信ネットワークに無断で参加されてしまうという問題も生じていた。
【0004】
無線通信電波の伝播距離を制御するためには、送信パワーを制御する必要がある。送信パワーを制御する方法として、例えば、特許文献1には、携帯端末と、その携帯端末の使用を制限するための認証用機器であるキーユニットと、の間の通信における消費電力を抑えるために送出パワーを制御する方法が開示されている。また、特許文献2には、携帯端末が複数の基地局と通信を行っている場合に、それらの基地局から携帯端末への通信強度の平均化などを行うために、基地局からの送信パワーを制御する方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に開示された送信パワーを制御する方法では、無線通信電波の伝播距離を制御することはできない。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、意図しない利用者による利用を防止する無線ネットワーク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明における無線ネットワーク装置は、無線通信電波を送出する無線通信手段と、周囲の状況を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像データを解析する画像処理手段と、前記画像処理手段による画像データの解析結果に基づき、前記無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整する送出パワー調整手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、意図しない利用者による利用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ネットワーク設備の構成例を示す図である。
【図2】ネットワーク設備の配置例を示す図である。
【図3】一般的な無線アクセスポイントの構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る無線アクセスポイントの構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る無線アクセスポイントの利用状況例を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係る無線アクセスポイントの別の利用状況例を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係る無線アクセスポイントにおける処理動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態を説明する。具体的には、小規模なオフィスや会議室などでローカルな無線通信環境を構築するに際して、以下の特徴を有する。本発明は、利用者がどのようなオフィス空間や会議室で無線通信を使用しているのかを情報として取得し、この取得した情報に基づき、無線装置から送出する空中線電力の出力を調整することが特徴の1つになっている。本発明について、以下の図面を用いて具体的に解説する。
【0011】
<ネットワーク設備の構成例>
図1は、オフィスなどにおけるネットワーク設備の導入例について説明する図である。オフィスにおいて、ネットワークの設備を導入する場合、一般的には図1に示すような構成をとる。有線により、複数の端末装置1や複合機2などを繋ぐローカルエリアネットワーク4を構成する。さらに、このローカルネットワーク4に無線アクセスポイント3も組み込むことにより、無線通信による無線ネットワーク5が提供することができるようになる。これにより、有線によりローカルネットワーク4に繋がれていない複数の端末装置6もローカルネットワーク4を利用できるようになる。このように、無線アクセスポイント3(無線ネットワーク装置)を導入し、無線ネットワーク5を提供することにより、利便性を向上することが可能になる。
【0012】
ここで注目したいのは、ローカルエリアネットワーク4から無線ネットワーク5に拡張する際に、無線アクセスポイント3が重要である点である。この無線アクセスポイント3は、規格に沿った無線通信手順を行いながら、端末装置6とローカルエリアネットワーク4とを繋ぐ役割を果たす。無線アクセスポイント3は、通常無線ネットワーク5に繋がっている端末装置6との間で、MACアドレスやセキュリティ確保に必要な鍵情報のやり取りなどを行う。これにより、端末装置6は、無線アクセスポイント3と接続状態を構成し、有線(ケーブル)で接続された端末装置1と同じようにローカルエリアネットワーク4の提供するサービスを利用できるようにすることができるようになる。
【0013】
<ネットワーク設備の配置例>
図2は、オフィスに配置したネットワークについて説明する図です。図2は、図1に示したネットワークを構成する各装置のオフィスにおける配置例をイメージとして示している。図2に示した配置例では、ローカルエリアネットワーク4を構成するケーブルを、壁や床面に配線し、無線アクセスポイント3を、天井においてオフィス全体が見渡すことができる位置に設置している。このように、無線アクセスポイント3をオフィス全体が見渡すことができる位置に設置することにより、無線ネットワーク5に繋がる端末装置6が利用できるようになる。
【0014】
無線ネットワーク5がオフィスの壁を越え、オフィスの外まで到達してしまう場合、オフィスの外に、端末装置6と同様に無線ネットワーク5に繋がることができる機器66により、無線ネットワーク5を利用できることになる。つまり、オフィス外でも無線ネットワーク5を利用できてしまうことになり、意図しない利用者が生じてしまうことになる。
【0015】
このように、意図しない利用者を生じさせないように、暗号化技術を用い、無線通信を簡単には解読できないようにするという、通信そのものに対する工夫もされている。しかし、このように通信を暗号化しても、暗号が解読されてしまえば、意味を成さない。よって、より安全に配慮するためには、さらなる工夫が必要である。
【0016】
<一般的な無線アクセスポインタ3の構成例>
図3は、一般的な無線アクセスポインタ3の構成例について説明する図である。図3は、図1、図2に示した無線アクセスポイント3の一般的な構成例を示す図である。図3に示すように、無線アクセスポイント3は、より上位層のネットワーク、つまり、有線のネットワークにつながるためのイーサネット(登録商標)制御部301と、端末装置6などと無線接続する、つまり、無線通信電波を送出する無線通信部302と、これらを制御する制御部303と、ネットワークへの接続情報や暗号化に関する情報などを格納する記憶装置部304と、を有して構成される。この構成により、無線アクセスポイント3は、設置された状態と、端末装置6との距離や通信状態などに基づき、通信速度やデータレートなどを制御して無線通信サービスを提供する。
【0017】
しかし、この構成では、無線アクセスポイント3は、無線通信でやり取りされる端末装置6からの接続要求に関する情報だけを頼りに無線通信を制御することになり、その接続要求が本来の利用者からの要求か、またはオフィスの外側にいる意図しない利用者からの接続要求かを認識することができない。
【0018】
<本実施形態に係る無線アクセスポイント8の構成例>
図4は、本発明の実施形態に係る無線アクセスポイント8の構成例について説明する図である。図3に示した一般的な無線アクセスポイント3では、通信しようとしているエリアの状況や利用者の数などが把握できない。このため、不正な利用者や、電波の到達する室外などにいる不正利用者が接続して利用しても、暗号解読さえされてしまえば、そのまま利用されてしまうこととなる。
【0019】
そこで、本実施形態に係る無線アクセスポイント8は、図3に示した無線アクセスポイント3の構成に、無線通信を行うエリアの情報を取得するセンサと、取得された情報を処理する処理部と、をあらたに追加した構成をしている。本実施形態に係る無線アクセスポインタ8は、この構成により、正規の利用者の利便性を損なうことなく、不正利用者の利用を阻害する。また、不正利用者の接続要求があったことなどを他の利用者にレポートするようにし、安全な無線通信環境を提供する。
【0020】
図4の例では、センサとして、対象までの距離情報を取得、画像のピント調節などを行う測距部701や、撮影画像を光学的に取り込む光学部312などを備えた撮像装置310を接続する。撮像装置7は、光学部702が光学的に取り込んだ撮影画像を画像データとして取得する。また、処理部として、取得した画像の処理を行う画像処理部805を備える。また、無線アクセスポイント8は、無線通信部302から送出される無線通信電波の送出パワーを調整する送出パワー調整機構と、を備える。そして、本実施形態では、制御部303は、画像処理部805による画像の処理の結果に基づいて、無線通信部302から送出される無線通信電波の送出パワーを、送出パワー調整機構を使い、調整する。
【0021】
画像処理部805は、撮像装置7が取得した画像データの中から、利用者である人物を認識し、その人物までの距離を測距部701からの情報で取得する。また、画像データから、利用者を認識するのではなく、端末装置6のような無線端末装置を認識するようにし、その端末装置までの距離を測距部701により計測し、この計測された情報を測距データと取得するようにしても良い。そして、この測距データを利用することで、無線アクセスポイント8が利用されるエリアの広さを認識する。
【0022】
このようにして、画像処理部805は、エリアに配置されている端末装置6の台数や利用者の人数などを判別する。本実施形態では、この判別された台数や人数などの情報を無線通信の運用に応用する。例えば、端末装置6にユニークなマークをつけておき、このマークの付いた端末装置6の数だけ無線通信の接続を許可するように制御する。また、撮像した画像と測距データにより、端末装置6、利用者までの距離情報に加え、エリアの広さも取得し、これらの情報に基づいて、無線送出パワーを制御するようにする。このようにすることで、エリア外の不正利用者の利用を阻害することが可能になる。
【0023】
<本実施形態に係る無線アクセスポイント8の利用状況例>
図5は、図4で示した通信エリアの認識を行う無線アクセスポイント8の利用状況を説明する図である。無線アクセスポイント8は、一般的な無線アクセスポイント3の有する機能に加え、撮像装置7とのインターフェースを持ち、撮像装置7が取得した画像に基づいて様々な画像処理を行う。そして、無線アクセスポイント8は、この画像処理により、無線アクセスポイント8の利用エリアの広さ、端末装置6の数、利用者の数、利用者までの距離などの情報などを得る。無線アクセスポイント8の制御部303は、これらの情報に基づき、無線通信部302を制御しそのエリアの広さや利用者の数などに合わせた無線通信サービスを提供する。
【0024】
具体的には、例えば、撮像装置7のピント調節機能と画像処理とを組み合わせることで参加者の数と距離を情報として取得できる。例えば、顔認識技術やパターン認識技術などを応用し、撮影された画像の中で人の数を把握することが可能である。また、撮像の過程でピント調節機能により被写体のコントラストによる判断を行う。この判断により測距情報を得ることが出来る。そこで、この情報をそれぞれの利用者へのピント調節処理を行うことで利用者個別の測距情報を蓄積することが可能である。また、端末装置6の数についても、撮像装置7が取得した画像に基づいて、端末装置6の特徴を抽出し認識することが可能である。また、事前に認識されやすいパターンのユニークなマークを端末装置6に付加することにすれば、このマークに使用することで端末装置6を認識することが可能になり、端末装置6の数を情報として蓄積させることが出来るようになる。
【0025】
このようにすることにより、例えば、壁の向こうで不正に利用しようとする者がいる場合であっても、無線アクセスポイント8は、利用者の端末装置6の数を把握しているため、新たな接続要求に対しては認識している端末装置6の数を超えた接続要求に対しては、拒否することや、現在の利用者に新たな使用者の存在を知らせる等の動作をすることが可能になり、情報セキュリティをより高めること可能になる。
【0026】
また、本実施形態では、利用者の数や、利用者との距離、無線通信利用エリアの距離などに関する情報を基づいて、無線通信を利用しようとする部屋の広さや状況に応じて無線通信電波の送出パワーを調整することが可能になる。よって、その部屋の外からは無線通信を使用することができなる。これにより、意図しない利用者が無線ネットワーク5を使用することを防ぐことが可能になる。また、無駄な電力を抑え、さらに不用意に電波が飛び過ぎないように制御することができるようになる。
【0027】
<本実施形態に係る無線アクセスポイント8の別の利用状況例>
図6は、図4で示した通信エリアの認識を行う無線アクセスポイント8の図5に示した利用状況とは別の利用状況を説明する図である。図5に示した利用状況例は、小規模なオフィスでの利用をイメージしたものであったが、無線アクセスポイント8と撮像装置7の組み合わせた図4の構成を、持ち運べるような形状、サイズにし、様々な場所に設置できるようにすることも可能である。このような無線アクセスポイント8を、図6に示すように、オフィス以外の場所に設置した場合、その場所では、端末装置6を持ち寄った利用者が無線ネットワーク5でつながり、協働作業を行うことや、資料や情報の共有を行うことが可能になる。このときも、撮像装置7を無線アクセスポイント8に接続しているため、上述したように、撮像装置7が撮影した利用される周辺の状況の画像と、測距部701が取得した距離情報と、を処理することにより、上述したような方法で、例えば、利用者の人数や端末装置6の識別や、またそれらまでの距離の把握、などが可能である。このため、この利用対象物のある範囲にのみに無線電波が到達するように送出パワーを調整したり、接続される端末装置の台数を管理したりすることが可能になる。よって、想定外の不正利用者が存在したとしても、送出電力の到達エリアを外れていれば、不正接続も出来ないことになり、また、仮に接続できるエリアに近づくことが出来ても、利用台数以上の端末装置6が接続しようとした時点で利用者に知らせることが可能になる。
【0028】
<本実施形態に係る無線アクセスポイント8における処理動作例>
図7は、本発明の実施形態に係る無線アクセスポイント8における処理動作例を示す図である。無線アクセスポイント8の電源が投入される(S101)。無線アクセスポイント8は、まず、設置された空間に存在する利用者を認識するための処理を行う(S102)。
【0029】
無線アクセスポイント8は、利用者を認識するための処理(S102)において、撮像装置7の光学部302の光学装置と撮像装置の組み合わせにより撮像された画像データを撮像装置7から取得する(S103)。この画像データの中から、人の顔や体の特徴を抽出するようにする画像処理し、無線アクセスポイント8が設置されたエリアの利用者の数を認識し、利用者の数をデータとして取得する(S104)。また、この処理の過程で光学部301の制御と画像処理により、距離情報も同時に取得する(S105)。このとき、撮像装置7の測距部311により得られた距離情報を撮像装置7から取得するようにしても良い。そして、無線アクセスポイント8は、利用者が空間内でどのような距離関係に分布するかを全て把握するために、人の認識と測距を繰り返す(S103〜S105)、全ての利用者を把握し終えたら(S106、Yes)、取得した距離情報などを利用者情報として記録して(S107)、元の処理に戻る。
【0030】
次に、無線アクセスポイント8は、最も遠い位置に存在する利用者との無線ネットワーク5が構成できるように、送出パワーの調整機構を使い、送出パワーの調整する(S109)。つまり、最も遠い位置に存在する利用者より遠くからは無線ネットワーク5を利用できなくなるように送出パワーを抑制する。このようにすることにより、本実施形態では、無線通信電波の伝播距離を制御することが可能になる。つまり、無線通信電波の伝播距離を所望の範囲内に制限することが可能なり、その範囲外からは無線通信を受信できなくなり、無線ネットワークに接続できなる。このため、意図しない利用者による使用を防止することができるようになり、セキュリティ性が向上する。また、必要な範囲、つまり、利用者のいるエリアにだけ通信電波が届くように送出パワーを制御するため、無駄な電力を抑えることができるようになり、省電力効果を得ることができる。つまり、利用者に最適な無線通信サービスを提供することが可能になる。
【0031】
送出パワー調整後は、利用者からの接続要求を監視し、要求があれば対応する(S110)。利用者から接続要求があると(S111、Yes)、無線アクセスポイント8は、無線ネットワーク5を現在使用している人数と、上記のステップS107により取得した利用者数、つまり、無線アクセスポイント8を同時に利用できる利用者数とを比較する(S112)。現在の使用者数が、この利用者数より小さいのであれば(S112、Yes)、接続手順実行を行い、接続要求をだした利用者が無線ネットワーク5を使用できるように接続処理をする(S113)。
【0032】
現在の使用者数が、この利用者数と同じ値であるときは(S112、No)、接続要求を出した利用者は、不正利用する利用者、または意図しない利用者とし、接続拒否する(S114)。このように、本実施形態では、利用者のセキュリティ性を高めるように制御する。
【0033】
また、新たな接続要求者が、ネットワークへの参加を認められる場合もあるので、新たな接続希望者があることについては、現在のネットワーク利用者に対してその旨を告知するように制御する(S115)これにより、再度利用者の認識が必要な場合は処理を行うかどうか判断し(S116)、必要であれば(S116、Yes)、ステップS102の処理に戻り、必要なければ(S116、No)、ステップS110の処理により監視を継続する。
【0034】
このように、本実施形態では、意図しない利用者による接続を拒否することができるようになり、セキュリティを向上することが可能になる。
【0035】
上述した実施形態における処理動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0036】
なお、ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)から、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリ(RAM)にプログラムを読み込んで実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0037】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MO(Magneto Optical)ディスク等の光磁気ディスクなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。
【0038】
このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することが可能である。
【0039】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送したりし、コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0040】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0041】
また、上記実施形態で説明したシステムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各装置の機能を混在させたりするように構築することも可能である。
【0042】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0043】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記撮像手段により撮像された周囲の対象物との距離を測定する測距手段を有し、前記送出パワー調整手段は、前記画像処理手段による画像データの解析結果と前記測距手段により測定された周囲の対象物との距離とに基づき、前記無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整するようにしても良い。
【0044】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記画像処理手段は、前記撮像手段により撮像された画像データにより前記周囲の対象物の数を解析するようにしても良い。
【0045】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記周囲の対象物は、周囲にいる利用者であるようにしても良い。
【0046】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記周囲の対象物は、周囲にある、前記無線通信電波を使用する端末装置であるとしても良い。
【0047】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、接続要求を受けたときに、前記画像処理手段による解析により得られた前記端末装置の数と所定の値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記端末装置の数が前記所定の値と同じ値であることが判明した場合には、当該接続要求を拒否する接続拒否手段と、を有するようにしても良い。
【0048】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記比較手段による比較の結果、前記端末装置の数が前記所定の値と同じ値であるであることが判明した場合には、当該接続要求があったことを前記利用者に告知する告知手段を有するようにしても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 端末装置
2 複合機
3 無線アクセスポイント
4 有線によるローカルネットワーク
5 無線ネットワーク
6 端末装置
7 撮像装置
8 無線アクセスポイント
66 意図しない利用者の端末装置
301 イーサネット制御部
302 無線通信部
303 制御部
304 記憶装置部
701 測距部
702 光学部
805 画像処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2007−19766号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワークを提供する無線ネットワーク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線装置が無線通信のために送出する空中線電力の送出パワーの最大値は電波法により定められている。一般的な無線通信装置は、その最大値でシステムを制御し、通信相手とのやり取りの中で、必要に応じて、転送レートや送出電力の送出パワーを調整、決定している。
【0003】
しかし、これまでは、空中線電力の送出パワーが大きすぎ、送出された無線通信電波が通信したい相手との距離を越え、利用者の意図しない広範囲まで伝播していた。その結果、その無線通信を本来利用するべきではない端末装置でもその無線通信を傍受することができるようになり、無線通信の内容が取得されてしまうという問題が生じていた。また、その無線通信ネットワークに無断で参加されてしまうという問題も生じていた。
【0004】
無線通信電波の伝播距離を制御するためには、送信パワーを制御する必要がある。送信パワーを制御する方法として、例えば、特許文献1には、携帯端末と、その携帯端末の使用を制限するための認証用機器であるキーユニットと、の間の通信における消費電力を抑えるために送出パワーを制御する方法が開示されている。また、特許文献2には、携帯端末が複数の基地局と通信を行っている場合に、それらの基地局から携帯端末への通信強度の平均化などを行うために、基地局からの送信パワーを制御する方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に開示された送信パワーを制御する方法では、無線通信電波の伝播距離を制御することはできない。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、意図しない利用者による利用を防止する無線ネットワーク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明における無線ネットワーク装置は、無線通信電波を送出する無線通信手段と、周囲の状況を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像データを解析する画像処理手段と、前記画像処理手段による画像データの解析結果に基づき、前記無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整する送出パワー調整手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、意図しない利用者による利用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ネットワーク設備の構成例を示す図である。
【図2】ネットワーク設備の配置例を示す図である。
【図3】一般的な無線アクセスポイントの構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る無線アクセスポイントの構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る無線アクセスポイントの利用状況例を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係る無線アクセスポイントの別の利用状況例を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係る無線アクセスポイントにおける処理動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態を説明する。具体的には、小規模なオフィスや会議室などでローカルな無線通信環境を構築するに際して、以下の特徴を有する。本発明は、利用者がどのようなオフィス空間や会議室で無線通信を使用しているのかを情報として取得し、この取得した情報に基づき、無線装置から送出する空中線電力の出力を調整することが特徴の1つになっている。本発明について、以下の図面を用いて具体的に解説する。
【0011】
<ネットワーク設備の構成例>
図1は、オフィスなどにおけるネットワーク設備の導入例について説明する図である。オフィスにおいて、ネットワークの設備を導入する場合、一般的には図1に示すような構成をとる。有線により、複数の端末装置1や複合機2などを繋ぐローカルエリアネットワーク4を構成する。さらに、このローカルネットワーク4に無線アクセスポイント3も組み込むことにより、無線通信による無線ネットワーク5が提供することができるようになる。これにより、有線によりローカルネットワーク4に繋がれていない複数の端末装置6もローカルネットワーク4を利用できるようになる。このように、無線アクセスポイント3(無線ネットワーク装置)を導入し、無線ネットワーク5を提供することにより、利便性を向上することが可能になる。
【0012】
ここで注目したいのは、ローカルエリアネットワーク4から無線ネットワーク5に拡張する際に、無線アクセスポイント3が重要である点である。この無線アクセスポイント3は、規格に沿った無線通信手順を行いながら、端末装置6とローカルエリアネットワーク4とを繋ぐ役割を果たす。無線アクセスポイント3は、通常無線ネットワーク5に繋がっている端末装置6との間で、MACアドレスやセキュリティ確保に必要な鍵情報のやり取りなどを行う。これにより、端末装置6は、無線アクセスポイント3と接続状態を構成し、有線(ケーブル)で接続された端末装置1と同じようにローカルエリアネットワーク4の提供するサービスを利用できるようにすることができるようになる。
【0013】
<ネットワーク設備の配置例>
図2は、オフィスに配置したネットワークについて説明する図です。図2は、図1に示したネットワークを構成する各装置のオフィスにおける配置例をイメージとして示している。図2に示した配置例では、ローカルエリアネットワーク4を構成するケーブルを、壁や床面に配線し、無線アクセスポイント3を、天井においてオフィス全体が見渡すことができる位置に設置している。このように、無線アクセスポイント3をオフィス全体が見渡すことができる位置に設置することにより、無線ネットワーク5に繋がる端末装置6が利用できるようになる。
【0014】
無線ネットワーク5がオフィスの壁を越え、オフィスの外まで到達してしまう場合、オフィスの外に、端末装置6と同様に無線ネットワーク5に繋がることができる機器66により、無線ネットワーク5を利用できることになる。つまり、オフィス外でも無線ネットワーク5を利用できてしまうことになり、意図しない利用者が生じてしまうことになる。
【0015】
このように、意図しない利用者を生じさせないように、暗号化技術を用い、無線通信を簡単には解読できないようにするという、通信そのものに対する工夫もされている。しかし、このように通信を暗号化しても、暗号が解読されてしまえば、意味を成さない。よって、より安全に配慮するためには、さらなる工夫が必要である。
【0016】
<一般的な無線アクセスポインタ3の構成例>
図3は、一般的な無線アクセスポインタ3の構成例について説明する図である。図3は、図1、図2に示した無線アクセスポイント3の一般的な構成例を示す図である。図3に示すように、無線アクセスポイント3は、より上位層のネットワーク、つまり、有線のネットワークにつながるためのイーサネット(登録商標)制御部301と、端末装置6などと無線接続する、つまり、無線通信電波を送出する無線通信部302と、これらを制御する制御部303と、ネットワークへの接続情報や暗号化に関する情報などを格納する記憶装置部304と、を有して構成される。この構成により、無線アクセスポイント3は、設置された状態と、端末装置6との距離や通信状態などに基づき、通信速度やデータレートなどを制御して無線通信サービスを提供する。
【0017】
しかし、この構成では、無線アクセスポイント3は、無線通信でやり取りされる端末装置6からの接続要求に関する情報だけを頼りに無線通信を制御することになり、その接続要求が本来の利用者からの要求か、またはオフィスの外側にいる意図しない利用者からの接続要求かを認識することができない。
【0018】
<本実施形態に係る無線アクセスポイント8の構成例>
図4は、本発明の実施形態に係る無線アクセスポイント8の構成例について説明する図である。図3に示した一般的な無線アクセスポイント3では、通信しようとしているエリアの状況や利用者の数などが把握できない。このため、不正な利用者や、電波の到達する室外などにいる不正利用者が接続して利用しても、暗号解読さえされてしまえば、そのまま利用されてしまうこととなる。
【0019】
そこで、本実施形態に係る無線アクセスポイント8は、図3に示した無線アクセスポイント3の構成に、無線通信を行うエリアの情報を取得するセンサと、取得された情報を処理する処理部と、をあらたに追加した構成をしている。本実施形態に係る無線アクセスポインタ8は、この構成により、正規の利用者の利便性を損なうことなく、不正利用者の利用を阻害する。また、不正利用者の接続要求があったことなどを他の利用者にレポートするようにし、安全な無線通信環境を提供する。
【0020】
図4の例では、センサとして、対象までの距離情報を取得、画像のピント調節などを行う測距部701や、撮影画像を光学的に取り込む光学部312などを備えた撮像装置310を接続する。撮像装置7は、光学部702が光学的に取り込んだ撮影画像を画像データとして取得する。また、処理部として、取得した画像の処理を行う画像処理部805を備える。また、無線アクセスポイント8は、無線通信部302から送出される無線通信電波の送出パワーを調整する送出パワー調整機構と、を備える。そして、本実施形態では、制御部303は、画像処理部805による画像の処理の結果に基づいて、無線通信部302から送出される無線通信電波の送出パワーを、送出パワー調整機構を使い、調整する。
【0021】
画像処理部805は、撮像装置7が取得した画像データの中から、利用者である人物を認識し、その人物までの距離を測距部701からの情報で取得する。また、画像データから、利用者を認識するのではなく、端末装置6のような無線端末装置を認識するようにし、その端末装置までの距離を測距部701により計測し、この計測された情報を測距データと取得するようにしても良い。そして、この測距データを利用することで、無線アクセスポイント8が利用されるエリアの広さを認識する。
【0022】
このようにして、画像処理部805は、エリアに配置されている端末装置6の台数や利用者の人数などを判別する。本実施形態では、この判別された台数や人数などの情報を無線通信の運用に応用する。例えば、端末装置6にユニークなマークをつけておき、このマークの付いた端末装置6の数だけ無線通信の接続を許可するように制御する。また、撮像した画像と測距データにより、端末装置6、利用者までの距離情報に加え、エリアの広さも取得し、これらの情報に基づいて、無線送出パワーを制御するようにする。このようにすることで、エリア外の不正利用者の利用を阻害することが可能になる。
【0023】
<本実施形態に係る無線アクセスポイント8の利用状況例>
図5は、図4で示した通信エリアの認識を行う無線アクセスポイント8の利用状況を説明する図である。無線アクセスポイント8は、一般的な無線アクセスポイント3の有する機能に加え、撮像装置7とのインターフェースを持ち、撮像装置7が取得した画像に基づいて様々な画像処理を行う。そして、無線アクセスポイント8は、この画像処理により、無線アクセスポイント8の利用エリアの広さ、端末装置6の数、利用者の数、利用者までの距離などの情報などを得る。無線アクセスポイント8の制御部303は、これらの情報に基づき、無線通信部302を制御しそのエリアの広さや利用者の数などに合わせた無線通信サービスを提供する。
【0024】
具体的には、例えば、撮像装置7のピント調節機能と画像処理とを組み合わせることで参加者の数と距離を情報として取得できる。例えば、顔認識技術やパターン認識技術などを応用し、撮影された画像の中で人の数を把握することが可能である。また、撮像の過程でピント調節機能により被写体のコントラストによる判断を行う。この判断により測距情報を得ることが出来る。そこで、この情報をそれぞれの利用者へのピント調節処理を行うことで利用者個別の測距情報を蓄積することが可能である。また、端末装置6の数についても、撮像装置7が取得した画像に基づいて、端末装置6の特徴を抽出し認識することが可能である。また、事前に認識されやすいパターンのユニークなマークを端末装置6に付加することにすれば、このマークに使用することで端末装置6を認識することが可能になり、端末装置6の数を情報として蓄積させることが出来るようになる。
【0025】
このようにすることにより、例えば、壁の向こうで不正に利用しようとする者がいる場合であっても、無線アクセスポイント8は、利用者の端末装置6の数を把握しているため、新たな接続要求に対しては認識している端末装置6の数を超えた接続要求に対しては、拒否することや、現在の利用者に新たな使用者の存在を知らせる等の動作をすることが可能になり、情報セキュリティをより高めること可能になる。
【0026】
また、本実施形態では、利用者の数や、利用者との距離、無線通信利用エリアの距離などに関する情報を基づいて、無線通信を利用しようとする部屋の広さや状況に応じて無線通信電波の送出パワーを調整することが可能になる。よって、その部屋の外からは無線通信を使用することができなる。これにより、意図しない利用者が無線ネットワーク5を使用することを防ぐことが可能になる。また、無駄な電力を抑え、さらに不用意に電波が飛び過ぎないように制御することができるようになる。
【0027】
<本実施形態に係る無線アクセスポイント8の別の利用状況例>
図6は、図4で示した通信エリアの認識を行う無線アクセスポイント8の図5に示した利用状況とは別の利用状況を説明する図である。図5に示した利用状況例は、小規模なオフィスでの利用をイメージしたものであったが、無線アクセスポイント8と撮像装置7の組み合わせた図4の構成を、持ち運べるような形状、サイズにし、様々な場所に設置できるようにすることも可能である。このような無線アクセスポイント8を、図6に示すように、オフィス以外の場所に設置した場合、その場所では、端末装置6を持ち寄った利用者が無線ネットワーク5でつながり、協働作業を行うことや、資料や情報の共有を行うことが可能になる。このときも、撮像装置7を無線アクセスポイント8に接続しているため、上述したように、撮像装置7が撮影した利用される周辺の状況の画像と、測距部701が取得した距離情報と、を処理することにより、上述したような方法で、例えば、利用者の人数や端末装置6の識別や、またそれらまでの距離の把握、などが可能である。このため、この利用対象物のある範囲にのみに無線電波が到達するように送出パワーを調整したり、接続される端末装置の台数を管理したりすることが可能になる。よって、想定外の不正利用者が存在したとしても、送出電力の到達エリアを外れていれば、不正接続も出来ないことになり、また、仮に接続できるエリアに近づくことが出来ても、利用台数以上の端末装置6が接続しようとした時点で利用者に知らせることが可能になる。
【0028】
<本実施形態に係る無線アクセスポイント8における処理動作例>
図7は、本発明の実施形態に係る無線アクセスポイント8における処理動作例を示す図である。無線アクセスポイント8の電源が投入される(S101)。無線アクセスポイント8は、まず、設置された空間に存在する利用者を認識するための処理を行う(S102)。
【0029】
無線アクセスポイント8は、利用者を認識するための処理(S102)において、撮像装置7の光学部302の光学装置と撮像装置の組み合わせにより撮像された画像データを撮像装置7から取得する(S103)。この画像データの中から、人の顔や体の特徴を抽出するようにする画像処理し、無線アクセスポイント8が設置されたエリアの利用者の数を認識し、利用者の数をデータとして取得する(S104)。また、この処理の過程で光学部301の制御と画像処理により、距離情報も同時に取得する(S105)。このとき、撮像装置7の測距部311により得られた距離情報を撮像装置7から取得するようにしても良い。そして、無線アクセスポイント8は、利用者が空間内でどのような距離関係に分布するかを全て把握するために、人の認識と測距を繰り返す(S103〜S105)、全ての利用者を把握し終えたら(S106、Yes)、取得した距離情報などを利用者情報として記録して(S107)、元の処理に戻る。
【0030】
次に、無線アクセスポイント8は、最も遠い位置に存在する利用者との無線ネットワーク5が構成できるように、送出パワーの調整機構を使い、送出パワーの調整する(S109)。つまり、最も遠い位置に存在する利用者より遠くからは無線ネットワーク5を利用できなくなるように送出パワーを抑制する。このようにすることにより、本実施形態では、無線通信電波の伝播距離を制御することが可能になる。つまり、無線通信電波の伝播距離を所望の範囲内に制限することが可能なり、その範囲外からは無線通信を受信できなくなり、無線ネットワークに接続できなる。このため、意図しない利用者による使用を防止することができるようになり、セキュリティ性が向上する。また、必要な範囲、つまり、利用者のいるエリアにだけ通信電波が届くように送出パワーを制御するため、無駄な電力を抑えることができるようになり、省電力効果を得ることができる。つまり、利用者に最適な無線通信サービスを提供することが可能になる。
【0031】
送出パワー調整後は、利用者からの接続要求を監視し、要求があれば対応する(S110)。利用者から接続要求があると(S111、Yes)、無線アクセスポイント8は、無線ネットワーク5を現在使用している人数と、上記のステップS107により取得した利用者数、つまり、無線アクセスポイント8を同時に利用できる利用者数とを比較する(S112)。現在の使用者数が、この利用者数より小さいのであれば(S112、Yes)、接続手順実行を行い、接続要求をだした利用者が無線ネットワーク5を使用できるように接続処理をする(S113)。
【0032】
現在の使用者数が、この利用者数と同じ値であるときは(S112、No)、接続要求を出した利用者は、不正利用する利用者、または意図しない利用者とし、接続拒否する(S114)。このように、本実施形態では、利用者のセキュリティ性を高めるように制御する。
【0033】
また、新たな接続要求者が、ネットワークへの参加を認められる場合もあるので、新たな接続希望者があることについては、現在のネットワーク利用者に対してその旨を告知するように制御する(S115)これにより、再度利用者の認識が必要な場合は処理を行うかどうか判断し(S116)、必要であれば(S116、Yes)、ステップS102の処理に戻り、必要なければ(S116、No)、ステップS110の処理により監視を継続する。
【0034】
このように、本実施形態では、意図しない利用者による接続を拒否することができるようになり、セキュリティを向上することが可能になる。
【0035】
上述した実施形態における処理動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0036】
なお、ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)から、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリ(RAM)にプログラムを読み込んで実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0037】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MO(Magneto Optical)ディスク等の光磁気ディスクなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。
【0038】
このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することが可能である。
【0039】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送したりし、コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0040】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0041】
また、上記実施形態で説明したシステムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各装置の機能を混在させたりするように構築することも可能である。
【0042】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0043】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記撮像手段により撮像された周囲の対象物との距離を測定する測距手段を有し、前記送出パワー調整手段は、前記画像処理手段による画像データの解析結果と前記測距手段により測定された周囲の対象物との距離とに基づき、前記無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整するようにしても良い。
【0044】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記画像処理手段は、前記撮像手段により撮像された画像データにより前記周囲の対象物の数を解析するようにしても良い。
【0045】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記周囲の対象物は、周囲にいる利用者であるようにしても良い。
【0046】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記周囲の対象物は、周囲にある、前記無線通信電波を使用する端末装置であるとしても良い。
【0047】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、接続要求を受けたときに、前記画像処理手段による解析により得られた前記端末装置の数と所定の値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記端末装置の数が前記所定の値と同じ値であることが判明した場合には、当該接続要求を拒否する接続拒否手段と、を有するようにしても良い。
【0048】
また、本発明における無線ネットワーク装置は、前記比較手段による比較の結果、前記端末装置の数が前記所定の値と同じ値であるであることが判明した場合には、当該接続要求があったことを前記利用者に告知する告知手段を有するようにしても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 端末装置
2 複合機
3 無線アクセスポイント
4 有線によるローカルネットワーク
5 無線ネットワーク
6 端末装置
7 撮像装置
8 無線アクセスポイント
66 意図しない利用者の端末装置
301 イーサネット制御部
302 無線通信部
303 制御部
304 記憶装置部
701 測距部
702 光学部
805 画像処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2007−19766号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信電波を送出する無線通信手段と、
周囲の状況を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像データを解析する画像処理手段と、
前記画像処理手段による画像データの解析結果に基づき、前記無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整する送出パワー調整手段と、を具備することを特徴とする無線ネットワーク装置。
【請求項2】
前記撮像手段により撮像された周囲の対象物との距離を測定する測距手段をさらに有し、
前記送出パワー調整手段は、
前記画像処理手段による画像データの解析結果と前記測距手段により測定された周囲の対象物との距離とに基づき、前記無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整することを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、
前記撮像手段により撮像された画像データにより前記周囲の対象物の数を解析することを特徴とする請求項1または2に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項4】
前記周囲の対象物は、周囲にいる利用者であることを特徴とする請求項2または3に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項5】
前記周囲の対象物は、周囲にある、前記無線通信電波を使用する端末装置であることを特徴とする請求項2または3に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項6】
接続要求を受けたときに、前記画像処理手段による解析により得られた前記端末装置の数と所定の値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記端末装置の数が前記所定の値と同じ値であることが判明した場合には、当該接続要求を拒否する接続拒否手段と、を有することを特徴とする請求項5に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項7】
前記比較手段による比較の結果、前記端末装置の数が前記所定の値と同じ値であるであることが判明した場合には、当該接続要求があったことを前記利用者に告知する告知手段を有することを特徴とする請求項6に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項1】
無線通信電波を送出する無線通信手段と、
周囲の状況を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像データを解析する画像処理手段と、
前記画像処理手段による画像データの解析結果に基づき、前記無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整する送出パワー調整手段と、を具備することを特徴とする無線ネットワーク装置。
【請求項2】
前記撮像手段により撮像された周囲の対象物との距離を測定する測距手段をさらに有し、
前記送出パワー調整手段は、
前記画像処理手段による画像データの解析結果と前記測距手段により測定された周囲の対象物との距離とに基づき、前記無線通信手段により送出される無線通信電波の送出パワーを調整することを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、
前記撮像手段により撮像された画像データにより前記周囲の対象物の数を解析することを特徴とする請求項1または2に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項4】
前記周囲の対象物は、周囲にいる利用者であることを特徴とする請求項2または3に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項5】
前記周囲の対象物は、周囲にある、前記無線通信電波を使用する端末装置であることを特徴とする請求項2または3に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項6】
接続要求を受けたときに、前記画像処理手段による解析により得られた前記端末装置の数と所定の値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記端末装置の数が前記所定の値と同じ値であることが判明した場合には、当該接続要求を拒否する接続拒否手段と、を有することを特徴とする請求項5に記載の無線ネットワーク装置。
【請求項7】
前記比較手段による比較の結果、前記端末装置の数が前記所定の値と同じ値であるであることが判明した場合には、当該接続要求があったことを前記利用者に告知する告知手段を有することを特徴とする請求項6に記載の無線ネットワーク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2011−188184(P2011−188184A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50528(P2010−50528)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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