無線リピータおよびその制御方法

【課題】 大きな資源(処理能力、記憶容量、消費電力などのリソース)の無駄を生じることのない無線リピータおよびその制御方法を提供する。
【解決手段】 本発明の代表的な構成は、乗物に搭載される無線リピータ110であって、基地局104との無線通信を実行する基地局通信部116と、その無線通信の切断を検出する通信監視部118と、その無線通信の切断が検出された場合に基地局104への再接続の可能性を判断する再接続可能性判断部124と、再接続の可能性がなしと判断された場合にその無線通信の切断により基地局104への接続が途切れた移動局からの上りデータの蓄積量を減らすリピータ制御部112と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局と基地局との無線通信を中継する無線リピータおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動局と基地局との無線通信を中継する無線リピータが普及している。かかる無線リピータは、列車やバス等の乗物に搭載される場合がある。従来の無線リピータは、列車やバス等の乗物に搭載されトンネルなどの通信不可能エリアに進入することで基地局との無線通信が切断されても、通信品質確保のために、計時タイマがタイムアップする前に基地局が検出されれば再接続処理を実施し、元の通信を継続するように構成されている。また、従来の無線リピータは、基地局との無線通信が切断されている間でも移動局(UE:User Equipment)からの上りデータを全てバッファリングすることで、上りデータの欠損を防止している。
【0003】
特許文献1には、無線通信切断時における移動局(無線リピータではない)の再発信方法が記載されている。詳細には、特許文献1では、無線通信が切断された際に位置情報とトンネルなどの通信不可能エリアを記録しているデータベースとを照合する。無線通信が切断された場所が通信不可能エリアであるときには、基地局から取得される第1のタイマと共に内蔵の第2のタイマを起動する。そして、第1のタイマがタイムアップした後であっても、第2のタイマがタイムアップする前に基地局が検出されれば、切断された通信に対して自動で再発信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−251662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のように、移動局がトンネルなどの通信不可能エリアに進入して基地局との無線通信が切断された場合、通信不可能エリアを出ない限り電波が届かないので元の通信が継続(音声通話が終話せずに継続)される可能性は低い。これは、無線リピータに関しても同様である。すなわち、乗物に搭載された無線リピータがトンネルなどの通信不可能エリアに進入して基地局との無線通信が切断された場合、計時タイマがタイムアップする前に基地局が検出され元の通信が継続される可能性は低い。一方、無線リピータがトンネルなどの通信不可能エリアに進入しても、その乗物に搭乗したユーザの移動局と無線リピータとの無線通信は正常に維持される。この場合、元の通信が継続される可能性が低いにも拘らず、無線リピータは上記したように移動局からの上りデータを全てバッファリングする。
【0006】
近年は通信速度の高速化に伴い、音声通信は音質向上のために高ビットレート化し、データ通信は高速通信により単位時間あたりのデータ転送量が増大してきている。さらに、無線リピータには、通常複数台の移動局が接続可能になっている。そのため、タイムアップするまで全ての上りデータをバッファリングしておくためにはメモリに多くの記憶容量が必要であり、また移動局との接続を維持するためにはCPUが何らかの処理を継続する必要がある。ここで、元の通信が継続される可能性が低いことを考えると、全ての上りデータをバッファリングしておくことで多大な資源(処理能力、記憶容量、消費電力などのリソース)の無駄を生じることは妥当ではない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、資源の無駄を解消できる無線リピータおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、乗物に搭載される無線リピータであって、基地局との無線通信を実行する基地局通信部と、無線通信の切断を検出する通信監視部と、無線通信の切断が検出された場合に、基地局への再接続の可能性を判断する再接続可能性判断部と、再接続の可能性がなしと判断された場合に、無線通信の切断により基地局への接続が途切れた移動局からの上りデータの蓄積量を減らすリピータ制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
無線通信の切断が検出された際の無線リピータの位置情報を取得する位置測位部をさらに備え、再接続可能性判断部は、位置情報に基づいて、再接続の可能性を判断するとよい。
【0010】
無線通信が不可能とされている所定の通信不可能エリアを記憶する通信不可能エリア記憶部をさらに備え、再接続可能性判断部は、位置情報が通信不可能エリアと合致する場合に、再接続の可能性をなしと判断するとよい。
【0011】
無線通信の電波強度の推移を取得する強度推移測定部をさらに備え、再接続可能性判断部は、強度推移測定部が取得した電波強度が極端に低下した場合に、再接続の可能性をなしと判断してもよい。
【0012】
移動局の管理情報を記憶するUE管理情報テーブルをさらに備え、リピータ制御部は、再接続の可能性がなしと判断された場合に、UE管理情報テーブルを参照して移動局の通信種別を取得し、通信種別が音声通信の場合には上りデータを間引き、通信種別がデータ通信の場合には上りデータを破棄することにより上りデータの蓄積量を減らすとよい。
【0013】
上記課題を解決するために本発明の代表的な他の構成は、乗物に搭載され、移動局と基地局との無線通信を中継する無線リピータの制御方法であって、基地局との無線通信の切断を検出するステップと、無線通信の切断が検出された場合に、基地局への再接続の可能性を判断するステップと、再接続の可能性がなしと判断された場合に、無線通信の切断により基地局への接続が途切れた移動局からの上りデータの蓄積量を減らすステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、資源の無駄を解消できる無線リピータおよびその制御方法を提供可能である。詳細には、無線通信が切断されその復旧が見込めない場合には、上りデータの蓄積量を減らす(間引きまたは切断)ことにより、少ない資源(リソース)で無線リピータを運用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態にかかる無線リピータを含む無線通信システムを示す図である。
【図2】図1の無線リピータの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1の無線リピータの基地局との無線通信の切断時の処理を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態にかかる無線リピータの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかる無線リピータ110を含む無線通信システム100を示す図である。図1に示すように、無線通信システム100では、1以上の移動局(UE:User Equipment、以下「UE102a、102b、…102n」と称する)が、ルータ106を介してコアネットワーク108に接続する基地局104と無線通信を行う。無線リピータ110は、UE102a、102b、…102nと、基地局104との無線通信を中継する。
【0018】
本実施形態において、無線リピータ110は、列車やバス等の乗物160に搭載される。すなわち、無線リピータ110は移動可能である。無線リピータ110がトンネル162などの通信不可能エリアに進入すると電波が届かないので、基地局104との無線通信は切断される。一方、UE102a、102b、…102nが無線リピータ110とともに移動する場合、通信不可能エリアに進入しても無線リピータ110とUE102a、102b、…102nとの無線通信は正常に維持される。
【0019】
なお、UE102a、102b、…102nが無線リピータ110とともに移動する場合とは、例えばその乗物160に搭乗したユーザがUE102a、102b、…102nを保持している場合である。
【0020】
図2は、図1の無線リピータ110の概略構成を示すブロック図である。詳細には、図2(a)は無線リピータ110全体の概略構成を示しており、図2(b)はメモリ114について示している。図2(a)に示すように、無線リピータ110は、リピータ制御部112、メモリ114、基地局通信部116、通信監視部118、計時タイマ120、位置測位部122、再接続可能性判断部124、UE通信部126を含んで構成される。
【0021】
リピータ制御部112は、中央処理装置(いわゆるCPU)を含んで構成され、無線リピータ110全体の制御、管理を行う。すなわち、リピータ制御部112はメモリ114に格納されたプログラムを主体的に実行し、そのプログラムにしたがって所定の処理を実行する。
【0022】
メモリ114は、RAMやROM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等で構成され、無線リピータ110で使用するプログラムや各種データを記憶する。本実施形態においてメモリ114は、UE管理情報テーブル130、UE通信バッファテーブル140、通信不可能エリア記憶部150を含む(図2(b)参照)。
【0023】
基地局通信部116は、基地局104との無線通信を実行して各種データの送受信を行う。UE通信部126は、それぞれのUE102a、102b、…102nとの無線通信を実行して各種データの送受信を行う。無線リピータ110は、かかる基地局通信部116、UE通信部126を介して、基地局104とUE102a、102b、…102nとの無線通信を中継増幅する中継増幅器である。
【0024】
通信監視部118は、基地局104との無線通信の切断を検出する。計時タイマ120は所定のタイムアップ時間が設定され、通信監視部118が基地局104との無線通信の切断を検出した場合にカウントを開始する。
【0025】
位置測位部122は、GPS(Global Positioning System)や三点測位法等により、無線リピータ110の位置情報を取得する。なお、三点測位法とは複数の基地局104が検出されている場合に、その複数の基地局104の絶対位置と、送受信される電波の伝播遅延または電波強度により算出されるその複数の基地局104との距離とから、無線リピータ110の絶対位置を算出する方法である。絶対位置には通常は地理座標(緯度、経度)を用いることができるが、他の座標系であっても良い。
【0026】
再接続可能性判断部124は、通信監視部118が基地局104との無線通信の切断を検出した場合に、基地局104への再接続の可能性を判断する。なお、当然ながら、ここでいう再接続する基地局104は、無線通信が切断される前に接続していた基地局104に限られない。再接続可能性判断部124の具体的な動作については、図3のフローチャートと併せて説明する。
【0027】
図2(b)を参照する。UE管理情報テーブル130には、各UE102a、102b、…102nのUE管理情報132a、132b、…132nが含まれる。それぞれのUE管理情報132a、132b、…132nには、各UE102a、102b、…102nを個別に識別するUE識別子や各UE102a、102b、…102nの通信種別(音声通信、データ通信)等が含まれる。
【0028】
UE通信バッファテーブル140は、UE通信バッファ142a、142b、…142nを備える。UE通信バッファ142aは、UE102aと送受信するデータをバッファリングする。同様に、UE通信バッファ142b、…142nは、それぞれに対応するUE102b、…102nと送受信するデータをバッファリングする。UE通信バッファ142a、142b、…142nは、それぞれに対応するUE管理情報132a、132b、…132nと紐付けされる。
【0029】
通信不可能エリア記憶部150は、無線通信が不可能とされる所定の通信不可能エリア(例えばトンネル162など)を予め記憶する。通信不可能エリア記憶部150に記憶される通信不可能エリアは、リピータ制御部112によって書換可能に構成される。
【0030】
なお、メモリ114には基地局104と送受信するデータをバッファリングする不図示のバッファなども含まれる。本実施形態において、UE102a、102b、…102nから基地局104へと送られるデータを「上りデータ」と称し、基地局104からUE102a、102b、…102nへと送られるデータを「下りデータ」と称する。
【0031】
図3は、図1の無線リピータ110の基地局104との無線通信の切断時の処理を示すフローチャートである。以下、かかるフローチャートにしたがって無線リピータ110の具体的な処理について説明する。
【0032】
列車やバス等の乗物160に搭載された無線リピータ110は、その乗物160に搭乗したユーザ等のUE102a、102b、…102nと基地局104との無線通信を中継する。かかる中継は、基地局通信部116による基地局104との無線通信が切断されない限り継続される(ステップS200のNo)。
【0033】
一方、基地局通信部116による基地局104との無線通信が切断されると、通信監視部118がこれを検出する(ステップS200のYes)。すると、計時タイマ120がカウントを開始する(ステップS202)。また、再接続可能性判断部124が基地局104への再接続の可能性を判断する(ステップS204)。
【0034】
ステップS204では、再接続可能性判断部124は、位置測位部122から無線通信の切断を検出した際の位置情報を取得する。そして、その位置情報が通信不可能エリア記憶部150に予め記憶された通信不可能エリアと合致するか否かを判断する(ステップS204)。なお、無線通信が切断されるとき、GPSや三点測位法などによる位置測位も実施できない可能性が高い。そこで位置測位部122は、再接続可能性判断部124から要求を受けてから測位するのではなく、要求を受けたときに既に存在する最新の位置情報を返す。
【0035】
なお、通信不可能エリア記憶部150には、予め、真に通信不可能なエリアの周辺の位置測位可能な(通信可能な)所定距離を含むように「通信不可能エリア」を広めに設定しておくとよい。これにより、位置情報が正に(広めの)通信不可能エリアの中にある場合に、再接続可能性判断部124に位置情報が合致していると判断させることができる。なお、位置情報が正に通信不可能エリアの中にある場合に限らず、通信不可能エリアの周辺の所定距離にある場合も合致していると判断させてもよい。
【0036】
再接続可能性判断部124は、位置情報と通信不可能エリアが合致する場合には再接続の可能性をなしと判断し(ステップS204のYes)、ステップS206へと移行する。これは、無線リピータ110がトンネル162などの通信不可能エリアに進入して無線通信が切断された場合、通信不可能エリアを出ない限り電波が届かないので、一時的に電波状況が悪くなって基地局104との無線通信が切断された場合などと同様の処理を行うことは妥当ではないからである。すなわち、通信不可能エリアに進入したことが原因で無線通信が切断された場合、計時タイマ120がタイムアップする前に再接続が行われる可能性は他と比して極めて低い。
【0037】
その一方で、無線リピータ110とUE102a、102b、…102nとの無線通信が正常に維持されていれば、UE102a、102b、…102nからの上りデータは全てUE通信バッファ142a、142b、…142nによってバッファリングされる。このバッファリングした上りデータは、基地局104との再接続が行われなければ全て無駄となってしまう。そこでここでは、再接続の可能性がなしと判断された場合(ステップS204のYes)、リピータ制御部112が無線通信の切断により基地局104への接続が途切れたUE102a、102b、…102nからの上りデータの蓄積量を減らす処理(ステップS206、S208、S210)を行う。
【0038】
ステップS206では、リピータ制御部112がUE管理情報テーブル130のUE管理情報132a、132b、…132nを参照して、対象のUE102a、102b、…102nの通信種別を取得する。そして、通信種別が音声通信の場合には(ステップS206のYes)リピータ制御部112が上りデータを間引く処理を行い(ステップS208)、通信種別がデータ通信の場合には(ステップS206のNo)リピータ制御部112が上りデータを破棄する処理を行う。
【0039】
本実施形態において通信種別が音声通信の場合に上りデータを間引く処理を行っているのは、音声通信の場合、一部のデータを間引いてもデータ通信のように問題が生じる可能性が少ないためである。データの間引きの具体例としては、サンプリングレートを落としたり、ビットレートを落としたりすることができる。なお、本実施形態では「音声通信」として具体的に説明しているが、テレビ電話のように通信種別がリアルタイム通信であればかかる音声通信のようにデータを間引く処理を行ってよい。また、通信種別が音声通信(リアルタイム通信)の場合であっても、データ通信のように上りデータを破棄してもよい。
【0040】
ステップS208、S210にて上りデータの蓄積量を減らす処理を行ったら、ステップS212へと移行する。位置測位部122から取得した位置情報が、通信不可能エリア記憶部150に記憶された通信不可能エリアと合致せず、再接続の可能性がありと判断された場合(ステップS204のNo)も同様である。ステップS212では、基地局通信部112が基地局104をサーチする。
【0041】
ここで基地局104が検出されれば(ステップS214のYes)、基地局通信部112がその基地局104に再接続し元の通信を継続する(ステップS216)。一方、基地局104が検出されない場合には(ステップS214のNo)、計時タイマ120がタイムアップしない限り(ステップS218のNo)基地局通信部112が基地局104のサーチを行う。
【0042】
計時タイマ120がタイムアップした場合には(ステップS218のYes)、リピータ制御部112がそれぞれのUE管理情報132a、132b、…132nを解放する(ステップS220)。なお、UE管理情報132a、132b、…132nを解放する際に、無線リピータ110が基地局104から受信した下りデータをUE102a、102b、…102nに送りきってない場合には、これを送りきった後にUE管理情報132a、132b、…132nを解放するとよい。
【0043】
以上、上述した無線リピータ110によれば、基地局104との無線通信が切断されその復旧が見込めない場合には、上りデータの蓄積量を減らす(間引きまたは切断)処理が行われる。したがって、資源(処理能力、記憶容量、消費電力などのリソース)の無駄を解消することができ、少ない資源で無線リピータ110を運用することが可能となる。
【0044】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態にかかる無線リピータ310の概略構成を示すブロック図である。詳細には、図4(a)は無線リピータ310全体の概略構成を示しており、図4(b)はメモリ114について示している。図4(a)に示すように、無線リピータ310は、基地局104との無線通信の電波強度の推移を取得する強度推移測定部322を位置測位部122に換えて備える点、および通信不可能エリア記憶部150を備えていない点で第1実施形態と異なる。
【0045】
無線リピータ310は、第1実施形態と同様に、基地局104との無線通信が切断された場合に図3のフローチャートに示す処理を行う。ただし、ステップS204では、再接続可能性判断部124は、強度推移測定部322が取得した電波強度が極端に低下した場合に、再接続の可能性をなしと判断する。これは、無線リピータ310がトンネル162などの通信不可能エリアに進入した場合には電波強度が極端に低下するためである。なお「極端に低下した電波強度」とは、通信が維持できるか否かという中途半端な強度ではなく、ノイズを除けば実質的に電波が到来していないと見なせる程度の強度である。
【0046】
なお、無線リピータ310と1つの基地局104との間では、ビルなどの障害物の影響により、電波強度が瞬間的に極端に低下することは頻繁に発生する可能性がある。一方、一般に無線リピータ310はローミングのために常に3〜5の基地局104を検出していて、障害物によって全ての基地局からの電波が遮られることは考えにくい。そこで強度推移測定部322は、検出されている全ての基地局104からの電波強度が低下した場合に、再接続の可能性をなしと判断することが好ましい。これにより、トンネル162に入った場合のように通信を早期に断念すべき状況を判断することができる。
【0047】
上記構成によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する無線リピータ310を実現できる。特に本実施形態の構成に依れば、通信不可能エリアを限定することなく、状況に応じてUE102a、102b、…102nからの上りデータの蓄積量を減らすことができる。したがって、資源(処理能力、記憶容量、消費電力などのリソース)の無駄を解消することができ、少ない資源で無線リピータ310を運用することが可能となる。
【0048】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、移動局と基地局との無線通信を中継する無線リピータおよびその制御方法として利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
100…無線通信システム、102a、102b、102n…UE(移動局)、104…基地局、106…ルータ、108…コアネットワーク、110…無線リピータ、112…リピータ制御部、114…メモリ、116…基地局通信部、118…通信監視部、120…計時タイマ、122…位置測位部、124…再接続可能性判断部、126…UE通信部、130…UE管理情報テーブル、132a、132b、132n…UE管理情報、140…UE通信バッファテーブル、142a、142b、142n…UE通信バッファ、150…通信不可能エリア記憶部、160…乗物、162…トンネル、310…無線リピータ、322…強度推移測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物に搭載される無線リピータであって、
基地局との無線通信を実行する基地局通信部と、
前記無線通信の切断を検出する通信監視部と、
前記無線通信の切断が検出された場合に、基地局への再接続の可能性を判断する再接続可能性判断部と、
前記再接続の可能性がなしと判断された場合に、前記無線通信の切断により基地局への接続が途切れた移動局からの上りデータの蓄積量を減らすリピータ制御部と、
を備えることを特徴とする無線リピータ。
【請求項2】
前記無線通信の切断が検出された際の当該無線リピータの位置情報を取得する位置測位部をさらに備え、
前記再接続可能性判断部は、前記位置情報に基づいて、前記再接続の可能性を判断することを特徴とする請求項1に記載の無線リピータ。
【請求項3】
前記無線通信が不可能とされている所定の通信不可能エリアを記憶する通信不可能エリア記憶部をさらに備え、
前記再接続可能性判断部は、前記位置情報が前記通信不可能エリアと合致する場合に、前記再接続の可能性をなしと判断することを特徴とする請求項2に記載の無線リピータ。
【請求項4】
前記無線通信の電波強度の推移を取得する強度推移測定部をさらに備え、
前記再接続可能性判断部は、前記強度推移測定部が取得した電波強度が極端に低下した場合に、前記再接続の可能性をなしと判断することを特徴とする請求項1に記載の無線リピータ。
【請求項5】
前記移動局の管理情報を記憶するUE管理情報テーブルをさらに備え、
前記リピータ制御部は、前記再接続の可能性がなしと判断された場合に、前記UE管理情報テーブルを参照して移動局の通信種別を取得し、該通信種別が音声通信の場合には前記上りデータを間引き、該通信種別がデータ通信の場合には前記上りデータを破棄することにより上りデータの蓄積量を減らすことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の無線リピータ。
【請求項6】
乗物に搭載され、移動局と基地局との無線通信を中継する無線リピータの制御方法であって、
基地局との無線通信の切断を検出するステップと、
前記無線通信の切断が検出された場合に、基地局への再接続の可能性を判断するステップと、
前記再接続の可能性がなしと判断された場合に、前記無線通信の切断により基地局への接続が途切れた移動局からの上りデータの蓄積量を減らすステップと、
を含むことを特徴とする無線リピータの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−58912(P2013−58912A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196082(P2011−196082)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】