説明

無線中継装置、仮想マシン作成サーバ、無線中継方法、および仮想マシン作成方法

【課題】他の通信事業者のコアネットワークに接続する場合に、各ホップのリモート部に対応する制御装置の導入が必要であった。
【解決手段】無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を、仮想マシンを作成する仮想マシン作成サーバに送信する起動要求送信部と、前記起動要求の送信に対して、前記仮想マシン作成サーバから前記仮想マシンの起動完了の報告であり、前記仮想マシンと通信するための通信先を示す通信先情報を含む起動完了報告を受信する起動完了報告受信部と、前記1以上の各起動完了報告が有する通信先情報を含む設定情報を、当該通信先情報に対応する仮想マシンではない他の仮想マシンに送信する設定情報送信部とを具備する無線中継装置により、他の通信事業者のコアネットワークに接続する場合に、設備投資コストの大幅な削減が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチホップ通信を実現する通信システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、少量の制御情報により所定の通信速度を維持しつつ、端末間或いは端末と基地局間の適切な経路を確保するマルチホップ通信システムがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、WiMAXとLTEによる2ホップのマルチホップ通信を想定した場合、既存の通信システムでは図12に示すような構成となる。つまり、LTE端末11からWiMAX通信事業者のコアネットワークを経由してLTE通信事業者のコアネットワークに接続する場合、無線中継装置71(LTE/WiMAXルータ)に、リモート部711(LTE基地局相当)およびドナー部712(WiMAX端末相当)が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−254237号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の通信システムにおいては、WiMAXとLTEによるマルチホップ通信を行う場合、各ホップのリモート部に対応する制御装置を追加導入する必要があるため、マルチホップ通信システムが許容する最大ホップ数に比例して、設備投資コストがかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第一の発明の無線中継装置は、マルチホップ通信を実現する無線中継装置であって、端末装置または他の無線中継装置のドナー部と無線方式Aで通信を行うリモート部と、基地局または他の無線中継装置のリモート部と無線方式Bで通信を行うドナー部と、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を、仮想マシンを作成する仮想マシン作成サーバに送信する起動要求送信部と、起動要求の送信に対して、仮想マシン作成サーバから仮想マシンの起動完了の報告であり、仮想マシンと通信するための通信先を示す通信先情報を含む起動完了報告を受信する起動完了報告受信部と、1以上の各起動完了報告が有する通信先情報を含む設定情報を、通信先情報に対応する仮想マシンではない他の仮想マシンに送信する設定情報送信部とを具備する無線中継装置である。
【0007】
かかる構成により、各ホップのリモート部に対応する制御装置の追加導入が不要となるため、設備投資コストの大幅な削減が可能となる。
【0008】
また、本第二の発明の無線中継装置は、第一の発明に対して、仮想マシンの終了要求を仮想マシン作成サーバに送信する終了要求送信部と、終了要求の送信に対して、仮想マシンの終了完了報告を仮想マシン作成サーバから受信する終了完了報告受信部とをさらに具備する無線中継装置である。
【0009】
かかる構成により、適正な終了処理を行え、かつ、各ホップのリモート部に対応する制御装置の追加導入が不要となるため、設備投資コストの大幅な削減が可能となる。
【0010】
また、本第三の発明の仮想マシン作成サーバは、無線中継装置と通信を行う仮想マシン作成サーバであって、サービスコンソール部と、仮想マシン処理部とを具備し、サービスコンソール部は、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を無線中継装置から受信する起動要求受信部と、起動要求に対応する仮想マシンイメージの要求をイメージ保存サーバに送信するイメージ要求送信部と、仮想マシンの起動後、仮想マシンと通信するために必要な通信先情報であり、仮想マシン処理部が取得した通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を無線中継装置に送信する起動完了報告送信部と、仮想マシンの終了要求を無線中継装置から受信する終了要求受信部と、仮想マシンの終了後、仮想マシンの終了完了報告を無線中継装置に送信する終了完了報告送信部とを具備し、仮想マシン処理部は、仮想マシンイメージの要求に対応する仮想マシンイメージをイメージ保存サーバから取得するイメージ取得部と、仮想マシンイメージから、仮想マシンを作成する仮想マシン作成部と、仮想マシンを起動し、仮想マシンの通信先情報を取得し、通信先情報格納部に蓄積する仮想マシン起動部とを具備する仮想マシン作成サーバである。
【0011】
かかる構成により、他の通信事業者のコアネットワークに接続する場合に、新たな制御装置の導入が不要となる。
【0012】
また、本第四の発明の仮想マシン作成サーバは、第三の発明に対して、サービスコンソール部は、仮想マシンの終了要求を無線中継装置から受信する終了要求受信部と、仮想マシンの終了後、仮想マシンの終了完了報告を無線中継装置に送信する終了完了報告送信部とをさらに具備し、仮想マシン処理部は、仮想マシンの終了要求に対応して、仮想マシンを終了する仮想マシン終了部をさらに具備する仮想マシン作成サーバである。
【0013】
かかる構成により、適正な終了処理を行え、かつ、各ホップのリモート部に対応する制御装置の追加導入が不要となるため、設備投資コストの大幅な削減が可能となる。
【0014】
また、本第五の発明の仮想マシン作成サーバは、第三の発明に対して、サービスコンソール部は、仮想マシンイメージの取得完了報告を仮想マシン処理部から受信するイメージ取得完了報告受信部と、起動要求受信部が受信した起動要求を仮想マシン処理部に送信する起動要求送信部と、仮想マシンの起動後、仮想マシンと通信するために必要な通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を仮想マシン処理部から受信する起動完了報告受信部と、仮想マシン処理部は、仮想マシンイメージの取得後、仮想マシンイメージの取得完了報告をサービスコンソール部に送信するイメージ取得完了報告送信部と、仮想マシンイメージに対応する仮想マシンの起動要求をサービスコンソール部から受信する起動要求受信部と、仮想マシンの起動後、仮想マシンと通信するために必要な通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告をサービスコンソール部に送信する起動完了報告送信部とをさらに具備する仮想マシン作成サーバである。
【0015】
かかる構成により、各ホップのリモート部に対応する制御装置の追加導入が不要となるため、設備投資コストの大幅な削減が可能となる。
【0016】
また、本第六の発明の仮想マシン作成サーバは、第五の発明に対して、サービスコンソール部は、終了要求を仮想マシン処理部に送信する終了要求送信部と、仮想マシンの終了後、仮想マシンの終了完了報告を仮想マシン処理部から受信する終了完了報告受信部とをさらに具備し、仮想マシン処理部は、仮想マシンの終了要求をサービスコンソール部から受信する終了要求受信部をさらに具備する仮想マシン作成サーバである。
【0017】
かかる構成により、適正な終了処理を行え、かつ、各ホップのリモート部に対応する制御装置の追加導入が不要となるため、設備投資コストの大幅な削減が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明による通信システムによれば、他の通信事業者のコアネットワークに接続する場合に、新たな制御装置の導入が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1における通信システムのブロック図
【図2】同通信システムを構成する仮想マシン作成サーバのブロック図
【図3】同通信システムの概念図
【図4】同LTE端末が切断されるまでの手順を示す図
【図5】同LTE端末が切断されるまでの手順を図
【図6】実施の形態2における仮想マシン作成サーバのブロック図
【図7】同通信システムの概念図
【図8】同LTE端末が接続されるまでの手順を示す図
【図9】LTE端末が切断されるまでの手順を図
【図10】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
【図11】同コンピュータシステムのブロック図
【図12】従来のマルチホップ通信における通信システムを示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、通信システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0021】
(実施の形態1)
本実施の形態において、設備投資が不要なマルチホップ通信を実現する通信システムについて、主として説明する。また、本実施の形態において、仮想マシン作成サーバを構成するサービスコンソール部と仮想マシン処理部とが物理的に分離されていない場合について説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態における通信システム1のブロック図である。図2は、通信システム1を構成する仮想マシン作成サーバ14のブロック図である。
【0023】
通信システム1は、端末装置11、無線中継装置12、イメージ保存サーバ13、および仮想マシン作成サーバ14を備える。
【0024】
端末装置11は、受付部111、起動要求送付部112、および終了要求送付部113を備える。なお、端末装置11は、通信方式Aを用いて、無線中継装置12と通信を行う、とする。
【0025】
無線中継装置12は、リモート部121、ドナー部122、起動要求送信部123、起動完了報告受信部124、設定情報送信部125、終了要求送信部126、および終了完了報告受信部127を備える。
【0026】
イメージ保存サーバ13は、イメージ保存部131、イメージ要求受信部132、およびイメージ送信部133を備える。
【0027】
仮想マシン作成サーバ14は、サービスコンソール部141、および仮想マシン処理部142を備える。
【0028】
サービスコンソール部141は、起動要求受信部1411、イメージ要求送信部1412、起動完了報告送信部1413、終了要求受信部1414、および終了完了報告送信部1415を備える。
【0029】
仮想マシン処理部142は、イメージ取得部1421、仮想マシン作成部1422、仮想マシン起動部1423、および仮想マシン終了部1424を備える。
【0030】
端末装置11を構成する受付部111は、ユーザからの指示やデータ等を受け付ける。受け付ける指示は、例えば、通信を開始する指示である起動要求や、通信を終了する終了要求等である。指示やデータ等の入力手段は、キーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受付部111は、キーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0031】
起動要求送付部112は、受付部111が受け付けた起動要求を無線中継装置12に送信する。
【0032】
終了要求送付部113は、受付部111が受け付けた終了要求を無線中継装置12に送信する。
【0033】
無線中継装置12を構成するリモート部121は、端末装置または他の無線中継装置のドナー部と無線方式Aで通信を行う。なお、「他の無線中継装置」とあるのは、実施の形態で説明する通信システム1および通信システム2において、2以上の無線中継装置が存在していても良い趣旨である。また、リモート部121は、端末装置11から起動要求、終了要求などを受信する。
【0034】
ドナー部122は、基地局または他の無線中継装置のリモート部と無線方式Bで通信を行う。なお、無線方式Aと無線方式Bとは、通常、異なる通信方式であるが、同一の通信方式でも良い。
【0035】
起動要求送信部123は、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を、仮想マシンを作成する仮想マシン作成サーバ14に送信する。なお、制御装置とは、無線方式Aのサービスに必要となる機能を提供する装置であり、例えば、WiMAXの場合のASN−GW、CSN、LTEの場合のS−GW、P−GWなどである。なお、仮想マシンは、コアネットワーク内の制御装置と同等の機能を持つ仮想マシンである。また、仮想マシンは、仮想サーバと言い換えても良い。なお、仮想マシンは、例えば、クラウド環境「Amazon EC2(「Amazonは登録商標)」では、インスタンスとも言う。また、起動要求送信部123が送信する起動要求は、リモート部121が受信した起動要求である。
【0036】
起動完了報告受信部124は、起動要求送信部123における起動要求の送信に対して、仮想マシン作成サーバ14から起動完了報告を受信する。起動完了報告は、仮想マシンの起動完了の報告であり、仮想マシンと通信するための通信先を示す通信先情報を含む情報である。なお、通信先情報とは、例えば、IPアドレス、サブネットマスク、MACアドレス等である。
【0037】
設定情報送信部125は、1以上の各起動完了報告が有する通信先情報を含む設定情報を、当該通信先情報に対応する仮想マシンではない他の仮想マシンに送信する。なお、設定情報は、通信先情報と同一の情報でも良い。
【0038】
終了要求送信部126は、仮想マシンの終了要求を仮想マシン作成サーバ14に送信する。なお、終了要求送信部123が送信する終了要求は、リモート部121が受信した終了要求である。
【0039】
終了完了報告受信部127は、終了要求送信部126における終了要求の送信に対して、仮想マシンの終了完了報告を仮想マシン作成サーバ14から受信する。
【0040】
イメージ保存サーバ13を構成するイメージ保存部131は、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの仮想マシンイメージを格納している。イメージ保存部131は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。イメージ保存部131に仮想マシンイメージが記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して仮想マシンイメージがイメージ保存部131で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された仮想マシンイメージがイメージ保存部131で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された仮想マシンイメージがイメージ保存部131で記憶されるようになってもよい。なお、仮想マシンイメージとは、仮想マシンを生成するための元になる情報であり、広く解し、例えば、仮想マシンを実現するプログラム等である。なお、仮想マシンイメージは、仮想サーバを起動するための元になる情報である、とも言える。
【0041】
イメージ要求受信部132は、仮想マシンイメージの要求を仮想マシン作成サーバ14から受信する。
【0042】
イメージ送信部133は、イメージ要求受信部132が受信した要求に応じて、要求に対応する仮想マシンイメージをイメージ保存部131から読み出し、仮想マシン作成サーバ14に送信する。
【0043】
イメージ要求受信部132、およびイメージ送信部133は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0044】
仮想マシン作成サーバ14を構成するサービスコンソール部141は、無線中継装置12とのインターフェイスを実現する。
【0045】
サービスコンソール部141を構成する起動要求受信部1411は、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を無線中継装置12から受信する。
【0046】
イメージ要求送信部1412は、起動要求受信部1411が受信した起動要求に対応する仮想マシンイメージの要求をイメージ保存サーバ13に送信する。
【0047】
起動完了報告送信部1413は、仮想マシンの起動後、通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を無線中継装置12に送信する。なお、通信先情報は、仮想マシンと通信するために必要な情報であり、仮想マシン処理部142が取得した情報である。
【0048】
終了要求受信部1414は、仮想マシンの終了要求を無線中継装置12から受信する。
【0049】
終了完了報告送信部1415は、仮想マシンの終了後、仮想マシンの終了完了報告を無線中継装置12に送信する。
【0050】
仮想マシン処理部142は、仮想マシンの作成等、仮想マシンに関する処理を行う。
【0051】
仮想マシン処理部142を構成するイメージ取得部1421は、仮想マシンイメージの要求に対応する仮想マシンイメージをイメージ保存サーバ13から取得する。ここでの取得は、通常、受信である。
【0052】
仮想マシン作成部1422は、仮想マシンイメージから、仮想マシンを作成する。仮想マシン作成部1422が作成した仮想マシンは、無線中継装置12から設定情報を受信し、当該設定情報を用いて、無線方式Aのサービスに必要となる制御装置間の通信を実現する。また、仮想マシンは、無線方式Aのサービスに必要となる制御装置の機能を有する。つまり、仮想マシンは、通常、無線方式Aのサービスに必要となる制御装置の機能を持つ制御機能部(図示しない)と、他の仮想マシンの起動完了報告が有する設定情報を無線中継装置12から受信する設定情報受信部(図示しない)を具備するものである。
【0053】
仮想マシン起動部1423は、仮想マシンを起動し、仮想マシンの通信先情報を取得する。
【0054】
仮想マシン終了部1424は、仮想マシンの終了要求に対応して、仮想マシンを終了する。
【0055】
起動要求送付部112、終了要求送付部113、リモート部121、ドナー部122、起動要求送信部123、起動完了報告受信部124、設定情報送信部125、終了要求送信部126、終了完了報告受信部127、イメージ要求受信部132、イメージ送信部133、起動要求受信部1411、イメージ要求送信部1412、起動完了報告送信部1413、終了要求受信部1414、および終了完了報告送信部1415は、例えば、有線または無線による通信手段等で実現される。
【0056】
次に、通信システム1の動作について説明する。まず、端末装置11の動作について説明する。端末装置11の受付部111は、ユーザから起動要求を受け付けると、起動要求送付部112は、起動要求を無線中継装置12に送信する。そして、端末装置11の受付部111は、ユーザから終了要求を受け付けると、終了要求送付部113は、終了要求を無線中継装置12に送信する。
【0057】
次に、無線中継装置12の動作について説明する。無線中継装置12の起動要求送信部123は、端末装置11から起動要求を受信する等、何らかのトリガーが発生した場合、仮想マシン作成サーバ14に対して、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を送信する。ここで、仮想マシンの起動要求は、コアネットワーク2を経由して送信される。また、仮想マシンの起動要求は、コアネットワーク2やインターネット3を経由して送信されても良い。また、次に、起動完了報告受信部124は、起動要求の送信に対応して、仮想マシン作成サーバ14から起動完了報告(通信先情報を含む)を受信する。次に、設定情報送信部125は、通信先情報が含まれる設定情報を、当該通信先情報に対応する仮想マシンではない他の仮想マシンに送信する。また、終了要求送信部126は、例えば、端末装置11から受信した終了要求に応じて、仮想マシンの終了要求を仮想マシン作成サーバ14に送信する。そして、終了要求の送信に対応して、終了完了報告受信部127は、終了完了報告を受信する。
【0058】
次に、イメージ保存サーバ13の動作について説明する。イメージ保存サーバ13のイメージ要求受信部132が仮想マシンイメージの要求を仮想マシン作成サーバ14から受信した場合、イメージ送信部133は、当該要求に応じて、要求に対応する仮想マシンイメージをイメージ保存部131から読み出し、仮想マシン作成サーバ14に送信する。
【0059】
次に、仮想マシン作成サーバ14の動作について説明する。仮想マシン作成サーバ14の起動要求受信部1411は、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を無線中継装置12から受信する。次に、イメージ要求送信部1412は、起動要求に対応する仮想マシンイメージの要求をイメージ保存サーバ13に送信する。次に、イメージ取得部1421は、仮想マシンイメージの要求に対応する仮想マシンイメージをイメージ保存サーバ13から取得する。そして、仮想マシン作成部1422は、仮想マシンイメージから、仮想マシンを作成する。次に、仮想マシン起動部1423は、仮想マシンを起動し、仮想マシンの通信先情報を取得する。次に、起動完了報告送信部1413は、仮想マシンの起動後、仮想マシンと通信するために必要な通信先情報であり、仮想マシン処理部142が取得した通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を無線中継装置12に送信する。また、終了要求受信部1414が仮想マシンの終了要求を無線中継装置12から受信した場合、仮想マシン終了部1424は、当該終了要求に対応して、仮想マシンを終了する。次に、終了完了報告送信部1415は、仮想マシンの終了後、仮想マシンの終了完了報告を無線中継装置12に送信する。
【0060】
以下、本実施の形態における通信システム1の具体的な動作について説明する。本具体例において、通信システム1の概念図は図3である。本具体例において、端末装置11は、いわゆるLTE端末である。また、無線中継装置12は、いわゆるLTE/WiMAXルータである。そして、イメージ保存サーバ13は、P−GWイメージ、およびS−GWイメージを格納し得る。イメージ保存サーバ13は、ここでは、例えば、Amazon S3である。また、仮想マシン作成サーバ14として、サービスコンソール1、S−GWの仮想サーバ2、およびP−GWの仮想サーバ3が存在する。なお、サービスコンソール1、S−GWの仮想サーバ2、およびP−GWの仮想サーバ3は、クラウド環境(ここでは、例えば、Amazon EC2)に存在する。また、2は、例えば、WiMAXコアネットワークであり、ASN−GW、CSNを具備する。また、LTE/WiMAXルータからの情報をWiMAX基地局が受信し、GREトンネルを経由して、インターネットに接続される。なお、図3において、インスタンスイメージは、仮想マシンイメージと同意義である。また、仮想サーバは、仮想マシンと言い換えても良い。
【0061】
また、本具体例において、通信システム1は、クラウド技術を利用したマルチホップ通信を行う。
【0062】
かかる場合、LTE端末が接続されるまでの手順を図4の手順図を用いて説明する。まず、LTE/WiMAXルータ12のドナー部122(WiMAX端末相当)は802.16標準に従ってWiMAX網に接続する(図4の401)。WiMAX接続手続きについては、公知技術であるので詳細な説明を省略する。
【0063】
次に、LTE/WiMAXルータ12のリモート部121(LTE基地局相当)は、S−GW、およびP−GWのインスタンスの起動要求をクラウド環境(仮想マシン作成サーバ14のサービスコンソール部141))に対して送信する(402)。
【0064】
次に、サービスコンソール部141から、S−GW仮想サーバの起動要求を仮想サーバ2に与える(403)。また、サービスコンソール部141から、P−GW仮想サーバの起動要求を仮想サーバ3に与える(404)。
【0065】
次に、仮想サーバ2(イメージ要求送信部1412)から、イメージ保存サーバ13にS−GW仮想サーバイメージのダウンロード要求を送信する(405)。次に、仮想サーバ3(イメージ要求送信部1412)から、イメージ保存サーバ13にP−GW仮想サーバイメージのダウンロード要求を送信する(406)。
【0066】
次に、クラウド環境に存在する仮想サーバ2(イメージ取得部1421)は、イメージ保存サーバ13から、S−GWインスタンスイメージを取得する(407)。次に、仮想サーバ2(仮想マシン作成部1422、および仮想マシン起動部1423)は、S−GWインスタンスイメージから、S−GWの仮想サーバ2を作成し、起動する(408)。
【0067】
次に、仮想サーバ3(イメージ取得部1421)は、イメージ保存サーバ13から、P−GWインスタンスイメージを取得する(409)。次に、仮想サーバ3(仮想マシン作成部1422、および仮想マシン起動部1423)は、P−GWインスタンスイメージから、P−GWの仮想サーバ3を作成し、起動する(410)。
【0068】
そして、仮想サーバ2(起動完了報告送信部1413)は、LTE/WiMAXルータ12の起動完了報告受信部124に、S−GW仮想サーバ起動完了報告を送信する(411)。そして、仮想サーバ3(起動完了報告送信部1413)は、LTE/WiMAXルータ12の起動完了報告受信部124に、P−GW仮想サーバの起動完了報告を送信する(412)。なお、仮想サーバ2が送信したS−GW仮想サーバの起動完了報告には、仮想サーバ2のIPアドレスが含まれる。また、仮想サーバ3が送信したP−GW仮想サーバの起動完了報告には、仮想サーバ3のIPアドレスが含まれる。
【0069】
そして、次に、LTE/WiMAXルータ12の設定情報送信部125は、仮想サーバ2に届くように、仮想サーバ3のIPアドレスが含まれる設定情報を、クラウド環境に送信する(413)。ここで、仮想サーバ2に届くように設定情報をクラウド環境に送信することは、設定情報を仮想サーバ2に送信することと同意義である、と考えても良い。
【0070】
また、LTE/WiMAXルータ12の設定情報送信部125は、仮想サーバ3に届くように、仮想サーバ2のIPアドレスが含まれる設定情報を、クラウド環境に送信する(414)。ここで、仮想サーバ3に届くように設定情報をクラウド環境に送信することは、設定情報を仮想サーバ3に送信することと同意義である、と考えても良い。
【0071】
次に、LTE端末11は、3GPPRelease.8標準に従ってLTEで無線通信するのに必要な手続きを行う(415)。その後、LTE端末11は、ユーザからの操作により、メールの送受信やインターネット通信を行う(416)。
【0072】
以上の処理により、接続手順が完了する。
【0073】
次に、LTE端末が切断されるまでの手順を図5の手順図を用いて説明する。ユーザから端末装置11に、終了要求が入力された、とする。次に、受付部111は、ユーザからの終了要求を受け付ける。そして、LTE端末11は、3GPP Release.8標準に従ってLTEの切断手続きを行う(51)。
【0074】
次に、LTE/WiMAXルータ12の終了要求送信部126はクラウド環境(ここでは、サービスコンソール部141)に対してS−GWおよびP−GWの仮想サーバの終了を要求する(52)。
【0075】
次に、サービスコンソール部141は、S−GWの仮想サーバ2に対して、S−GW仮想サーバの終了を要求する(53)。また、仮想サーバ1は、P−GWの仮想サーバ3に対して、P−GW仮想サーバの終了を要求する(54)
【0076】
次に、仮想サーバ2および仮想サーバ3は、それぞれS−GW、P−GWの仮想サーバを終了する(55、56)。
【0077】
次に、仮想サーバ2および仮想サーバ2は仮想マシンの終了後、仮想サーバの終了完了の報告メッセージを、サービスコンソール部141を経由して、LTE/WiMAXルータ12の終了完了報告受信部127に送信する(57、58)。
【0078】
さらに、LTE/WiMAXルータ12のドナー部122(WiMAX端末相当)は、802.16標準に従ってWiMAXの切断手続きを行う(59)。
【0079】
以上の処理により、切断手順が完了する。
【0080】
以上、本実施の形態によれば、新たな制御装置の導入を必要とせずに、マルチホップ通信が可能となる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、スケーラビリティが高いため、利用者増大時にも対応可能である。クラウド環境の場合、必要な時に必要なだけCPUやメモリなどのリソースを借りられるからである。
【0082】
なお、本実施の形態の具体例におけるLTE/WiMAXルータは、無線中継装置12の一例であることは言うまでもない。
【0083】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。
【0084】
(実施の形態2)
本実施の形態において、設備投資が不要なマルチホップ通信を実現する通信システムについて説明する。また、本実施の形態において、主として、仮想マシン作成サーバを構成するサービスコンソール部と仮想マシン処理部とが物理的に分離されており、異なる装置である場合について説明する。
【0085】
また、通信システム2において、通信システム1とは、仮想マシン作成サーバが異なる。つまり、通信システム2は、端末装置11、無線中継装置12、イメージ保存サーバ13、仮想マシン作成サーバ24を備える。
【0086】
図6は、本実施の形態における通信システム2を構成する仮想マシン作成サーバ24のブロック図である。
【0087】
仮想マシン作成サーバ24は、サービスコンソール部241、および仮想マシン処理部242を備える。
【0088】
また、サービスコンソール部241は、起動要求受信部1411、イメージ要求送信部1412、起動完了報告送信部1413、終了要求受信部1414、終了完了報告送信部1415、イメージ取得完了報告受信部2411、起動要求送信部2412、起動完了報告受信部2413、終了要求送信部2414、および終了完了報告受信部2415を備える。
【0089】
また、仮想マシン処理部242は、イメージ取得部1421、仮想マシン作成部1422、仮想マシン起動部1423、仮想マシン終了部1424、イメージ取得完了報告送信部2421、第二起動要求受信部2422、第二起動完了報告送信部2423、第二終了要求受信部2424、および第二終了完了報告送信部2425を備える。
【0090】
サービスコンソール部241を構成するイメージ取得完了報告受信部2411は、仮想マシンイメージの取得完了報告を仮想マシン処理部242から受信する。
【0091】
起動要求送信部2412は、起動要求受信部1411が受信した起動要求を仮想マシン処理部242に送信する。
【0092】
起動完了報告受信部2413は、仮想マシンの起動後、仮想マシンと通信するために必要な通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を仮想マシン処理部242から受信する。
【0093】
終了要求送信部2414は、終了要求を仮想マシン処理部242に送信する。
【0094】
終了完了報告受信部2415は、仮想マシンの終了後、仮想マシンの終了完了報告を仮想マシン処理部242から受信する。
【0095】
仮想マシン処理部242を構成するイメージ取得完了報告送信部2421は、仮想マシンイメージの取得後、仮想マシンイメージの取得完了報告をサービスコンソール部241に送信する。
【0096】
第二起動要求受信部2422は、仮想マシンイメージに対応する仮想マシンの起動要求をサービスコンソール部241から受信する。
【0097】
第二起動完了報告送信部2423は、仮想マシンの起動後、仮想マシンと通信するために必要な通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告をサービスコンソール部241に送信する。
【0098】
第二終了要求受信部2424は、仮想マシンの終了要求をサービスコンソール部241から受信する。
【0099】
第二終了完了報告送信部2425は、仮想マシンの終了の完了報告を、サービスコンソール部241に送信する。
【0100】
イメージ取得完了報告受信部2411、起動要求送信部2412、起動完了報告受信部2413、終了要求送信部2414、終了完了報告受信部2415、イメージ取得完了報告送信部2421、第二起動要求受信部2422、第二起動完了報告送信部2423、第二終了要求受信部2424、および第二終了完了報告送信部2425は、通常、無線通信手段で実現される。
【0101】
次に、通信システム2を構成する仮想マシン作成サーバ24の動作について説明する。特に、サービスコンソール部241、および仮想マシン処理部242との通信処理を含む仮想マシン作成サーバ24の動作について説明する。
【0102】
まず、サービスコンソール部241の起動要求受信部1411は、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を無線中継装置12から受信する。次に、サービスコンソール部241のイメージ要求送信部1412は、起動要求に対応する仮想マシンイメージの要求をイメージ保存サーバ13に送信する。
【0103】
次に、仮想マシン処理部242のイメージ取得部1421は、仮想マシンイメージの要求に対応する仮想マシンイメージをイメージ保存サーバ13から取得する。次に、仮想マシン処理部142のイメージ取得完了報告送信部2421は、仮想マシンイメージの取得完了報告をサービスコンソール部241に送信する。
【0104】
次に、サービスコンソール部241のイメージ取得完了報告受信部2411は、イメージ取得完了報告を仮想マシン処理部242から受信する。
【0105】
次に、サービスコンソール部241の起動要求送信部2412は、起動要求受信部1411が受信した起動要求を仮想マシン処理部242に送信する。
【0106】
次に、仮想マシン処理部242の第二起動要求受信部2422は、仮想マシンイメージに対応する仮想マシンの起動要求をサービスコンソール部241から受信する。そして、仮想マシン処理部242の仮想マシン作成部1422は、仮想マシンイメージから、仮想マシンを作成する。次に、仮想マシン処理部242の仮想マシン起動部1423は、仮想マシンを起動し、仮想マシンの通信先情報を取得する。次に、第二起動完了報告送信部2423は、仮想マシンの起動後、当該仮想マシンと通信するために必要な通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告をサービスコンソール部241に送信する。
【0107】
そして、サービスコンソール部241の起動完了報告受信部2413は、仮想マシンと通信するために必要な通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を仮想マシン処理部242から受信する。
【0108】
次に、起動完了報告送信部1413は、仮想マシン処理部142が取得した通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を無線中継装置12に送信する。
【0109】
また、仮想マシン作成部1422が作成した仮想マシンは、無線中継装置12から設定情報を受信し、当該設定情報を用いて、無線方式Aのサービスに必要となる制御装置間の通信を実現する。また、仮想マシンは、無線方式Aのサービスに必要となる制御装置の機能を実現する。
【0110】
また、終了要求受信部1414が仮想マシンの終了要求を無線中継装置12から受信した場合、終了要求送信部2414は、終了要求を仮想マシン処理部242に送信する。
【0111】
次に、第二終了要求受信部2424は、仮想マシンの終了要求をサービスコンソール部241から受信する。そして、仮想マシン終了部1424は、当該終了要求に対応して、仮想マシンを終了する。次に、第二終了完了報告送信部2425は、仮想マシンの終了完了報告を、サービスコンソール部241に送信する。
【0112】
次に、サービスコンソール部241の終了完了報告受信部2415は、仮想マシン処理部242から仮想マシンの終了完了報告を受信する。そして、終了完了報告送信部1415は、当該仮想マシンの終了完了報告を無線中継装置12に送信する。
【0113】
以下、本実施の形態における通信システム2の具体的な動作について説明する。本具体例において、通信システム2の概念図は図7である。本具体例において、端末装置11は、いわゆるLTE端末である。また、無線中継装置12は、いわゆるLTE/WiMAXルータである。そして、イメージ保存サーバ13は、P−GWイメージ、およびS−GWイメージを格納し得る。イメージ保存サーバ13は、ここでは、例えば、Amazon S3である。また、仮想マシン作成サーバ24として、S−GWの仮想サーバ1、およびP−GWの仮想サーバ2が存在する。なお、仮想マシン作成サーバは、クラウド環境に存在する。また、2は、例えば、WiMAXコアネットワークであり、ASN−GW、CSNを具備する。また、LTE/WiMAXルータからの情報をWiMAX基地局が受信し、GREトンネルを経由して、インターネットに接続される。なお、図7において、仮想サーバは、仮想マシンと言い換えても良い。
【0114】
また、本具体例において、通信システム2は、クラウド技術を利用したマルチホップ通信を行う。
【0115】
かかる場合、LTE端末が接続されるまでの手順を図8の手順図を用いて説明する。まず、LTE/WiMAXルータ12の図示しないドナー部122(WiMAX端末相当)は802.16標準に従ってWiMAX網に接続する(図8の801)。
【0116】
次に、LTE/WiMAXルータ12の図示しないリモート部121(LTE基地局相当)は、S−GW、およびP−GWの仮想マシンの起動要求をクラウド環境に対して送信する(802)。そして、サービスコンソール部241の起動要求受信部1411は、S−GW、およびP−GWの仮想マシンの起動要求を受信する。
【0117】
次に、サービスコンソール1のイメージ要求送信部1412(サービスコンソール部141のイメージ要求送信部1412)から、S−GW仮想マシンイメージ、およびP−GW仮想マシンイメージの要求をイメージ保存サーバ13に送信する(803)。
【0118】
次に、イメージ保存サーバ13は、要求に応じて、仮想サーバ2にS−GW仮想マシンイメージを送信し、仮想サーバ3にP−GW仮想マシンイメージを送信する(804,805)。
【0119】
そして、仮想サーバ2のイメージ取得部1421は、S−GW仮想マシンイメージを受信する(804)。また、仮想サーバ3のイメージ取得部1421は、P−GW仮想マシンイメージを受信する(805)。
【0120】
次に、仮想サーバ2のイメージ取得完了報告送信部2421は、S−GW仮想マシンイメージの取得完了報告をサービスコンソール1に送信する(806)。また、仮想サーバ3のイメージ取得完了報告送信部2421は、P−GW仮想マシンイメージの取得完了報告をサービスコンソール1に送信する(807)。
【0121】
次に、サービスコンソール1の起動要求送信部2412は、仮想サーバ2に、S−GW仮想マシンの起動要求を送信する(808)。また、サービスコンソール1の起動要求送信部2412は、仮想サーバ3に、P−GW仮想マシンの起動要求を送信する(809)。
【0122】
次に、仮想サーバ2の第二起動要求受信部2422は、起動要求を受信する。そして、仮想サーバ2の仮想マシン作成部1422は、S−GW仮想マシンイメージから仮想マシンを作成する。そして、仮想マシン起動部1423は、仮想マシンを起動する(810)。なお、この際、仮想マシン起動部1423は、自信の通信先情報(IPアドレス等)を取得する。
【0123】
また、仮想サーバ3の第二起動要求受信部2422は、起動要求を受信する。そして、仮想サーバ3の仮想マシン作成部1422は、P−GW仮想マシンイメージから仮想マシンを作成する。そして、仮想マシン起動部1423は、仮想マシンを起動する(811)。なお、この際、仮想マシン起動部1423は、自信の通信先情報(IPアドレス等)を取得する。
【0124】
次に、仮想サーバ2は、サービスコンソール1を経由して、LTE/WiMAXルータ12に、S−GW仮想サーバ起動完了報告を送信する(812)。また、仮想サーバ3は、サービスコンソール1を経由して、LTE/WiMAXルータ12に、P−GW仮想サーバ起動完了報告を送信する(813)。なお、仮想サーバ2が送信したS−GW仮想サーバ起動完了報告には、仮想サーバ2の通信先情報が含まれる。また、仮想サーバ3が送信したP−GW仮想サーバ起動完了報告には、仮想サーバ3の通信先情報が含まれる。
【0125】
そして、次に、LTE/WiMAXルータ12の設定情報送信部125は、仮想サーバ2に届くように、仮想サーバ3のIPアドレスが含まれる設定情報を、クラウド環境に送信する(814)。また、LTE/WiMAXルータ12の設定情報送信部125は、仮想サーバ3に届くように、仮想サーバ2のIPアドレスが含まれる設定情報を、クラウド環境に送信する(815)。
【0126】
そして、LTE端末11は、3GPPRelease.8標準に従ってLTEで無線通信するのに必要な手続きを行う)。その後、LTE端末11は、ユーザからの操作により、メールの送受信やインターネット通信を行う。
【0127】
以上の処理により、接続手順が完了する。
【0128】
次に、LTE端末が切断されるまでの手順を図9の手順図を用いて説明する。ユーザから端末装置11に、終了要求が入力された、とする。次に、受付部111は、ユーザからの終了要求を受け付ける。そして、LTE端末11は、3GPP Release.8標準に従ってLTEの切断手続きを行う。
【0129】
次に、LTE/WiMAXルータ12の終了要求送信部126(LTE基地局相当)は、S−GWおよびP−GWの仮想サーバの終了を要求する終了要求をサービスコンソール1に送信する(91)。
【0130】
次に、サービスコンソール1の終了要求受信部1414は、S−GWおよびP−GWの仮想サーバの終了要求を受信する。そして、サービスコンソール1の終了要求送信部2414は、S−GWの仮想サーバ2に対して、終了要求を送信する(92)。また、サービスコンソール1は、P−GWの仮想サーバ3に対して、終了要求を送信する(93)
【0131】
次に、仮想サーバ2および仮想サーバ3の仮想マシン終了部1424は、それぞれS−GW、P−GWの仮想マシンを終了する(94、95)。
【0132】
次に、仮想サーバ2および仮想サーバ3は仮想マシンの終了後、仮想マシンの終了完了の報告メッセージを、サービスコンソール1を経由して、LTE/WiMAXルータ12の終了完了報告受信部127に送信する(96、97)。
【0133】
さらに、LTE/WiMAXルータ12のドナーノード部(WiMAX端末相当)は、802.16標準に従ってWiMAXの切断手続きを行う(98)。
【0134】
以上の処理により、切断手順が完了する。
【0135】
以上、本実施の形態によれば、新たな制御装置の導入を必要とせずに、マルチホップ通信が可能となる。
【0136】
また、本実施の形態によれば、スケーラビリティが高いため、利用者増大時にも対応可能である。クラウド環境の場合、必要な時に必要なだけCPUやメモリなどのリソースを借りられるからである。
【0137】
また、図10は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の仮想マシン作成サーバ等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図10は、このコンピュータシステム300の概観図であり、図11は、システム300のブロック図である。
【0138】
図10において、コンピュータシステム300は、FD(Flexible Disk)ドライブ、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304と、マイク305と、スピーカー306とを含む。
【0139】
図11において、コンピュータ301は、FDドライブ3011、CD−ROMドライブ3012に加えて、CPU(Central Processing Unit)3013と、CPU3013、CD−ROMドライブ3012及びFDドライブ3011に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM(Read−Only Memory)3015と、CPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM(Random Access Memory)3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0140】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の仮想マシン作成サーバ等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3101、またはFD3102に記憶されて、CD−ROMドライブ3012またはFDドライブ3011に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD−ROM3101、FD3102またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0141】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の仮想マシン作成サーバ等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0142】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信するステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0143】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0144】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0145】
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0146】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0147】
以上のように、本発明にかかる通信システムは、他の通信事業者のコアネットワークに接続する場合に、設備投資コストの大幅な削減が可能となる、という効果を有し、通信システム等として有用である。
【符号の説明】
【0148】
1、2 通信システム
11 端末装置
12 無線中継装置
13 イメージ保存サーバ
14、24 仮想マシン作成サーバ
111 受付部
112 起動要求送付部
113 終了要求送付部
121 リモート部
122 ドナー部
123、2412 起動要求送信部
124、2413 起動完了報告受信部
125 設定情報送信部
126、2414 終了要求送信部
127、2415 終了完了報告受信部
131 イメージ保存部
132 イメージ要求受信部
133 イメージ送信部
141、241 サービスコンソール部
142、242 仮想マシン処理部
1411 起動要求受信部
1412 イメージ要求送信部
1413 起動完了報告送信部
1414 終了要求受信部
1415 終了完了報告送信部
1421 イメージ取得部
1422 仮想マシン作成部
1423 仮想マシン起動部
1424 仮想マシン終了部
2411 イメージ取得完了報告受信部
2421 イメージ取得完了報告送信部
2422 第二起動要求受信部
2423 第二起動完了報告送信部
2424 第二終了要求受信部
2425 第二終了完了報告送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチホップ通信を実現する無線中継装置であって、
端末装置または他の無線中継装置のドナー部と無線方式Aで通信を行うリモート部と、
基地局または他の無線中継装置のリモート部と無線方式Bで通信を行うドナー部と、
無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を、仮想マシンを作成する仮想マシン作成サーバに送信する起動要求送信部と、
前記起動要求の送信に対して、前記仮想マシン作成サーバから前記仮想マシンの起動完了の報告であり、前記仮想マシンと通信するための通信先を示す通信先情報を含む起動完了報告を受信する起動完了報告受信部と、
前記1以上の各起動完了報告が有する通信先情報を含む設定情報を、当該通信先情報に対応する仮想マシンではない他の仮想マシンに送信する設定情報送信部とを具備する無線中継装置。
【請求項2】
前記仮想マシンの終了要求を仮想マシン作成サーバに送信する終了要求送信部と、
前記終了要求の送信に対して、前記仮想マシンの終了完了報告を前記仮想マシン作成サーバから受信する終了完了報告受信部とをさらに具備する請求項1記載の無線中継装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の無線中継装置と通信を行う仮想マシン作成サーバであって、
サービスコンソール部と、仮想マシン処理部とを具備し、
前記サービスコンソール部は、
前記無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を前記無線中継装置から受信する起動要求受信部と、
前記起動要求に対応する仮想マシンイメージの要求を前記イメージ保存サーバに送信するイメージ要求送信部と、
前記仮想マシンの起動後、当該仮想マシンと通信するために必要な通信先情報であり、前記仮想マシン処理部が取得した通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を無線中継装置に送信する起動完了報告送信部とを具備し、
前記仮想マシン処理部は、
前記仮想マシンイメージの要求に対応する仮想マシンイメージを前記イメージ保存サーバから取得するイメージ取得部と、
前記仮想マシンイメージから、仮想マシンを作成する仮想マシン作成部と、
前記仮想マシンを起動し、当該仮想マシンの通信先情報を取得する仮想マシン起動部とを具備し、
前記仮想マシンは、前記無線中継装置から設定情報を受信し、当該設定情報を用いて、前記無線方式Aのサービスに必要となる制御装置の機能を実現する仮想マシン作成サーバ。
【請求項4】
前記サービスコンソール部は、
前記仮想マシンの終了要求を前記無線中継装置から受信する終了要求受信部と、
前記仮想マシンの終了後、当該仮想マシンの終了完了報告を前記無線中継装置に送信する終了完了報告送信部とをさらに具備し、
前記仮想マシン処理部は、
前記仮想マシンの終了要求に対応して、前記仮想マシンを終了する仮想マシン終了部をさらに具備する請求項3記載の仮想マシン作成サーバ。
【請求項5】
前記サービスコンソール部は、
前記仮想マシンイメージの取得完了報告を前記仮想マシン処理部から受信するイメージ取得完了報告受信部と、
前記起動要求受信部が受信した起動要求を前記仮想マシン処理部に送信する起動要求送信部と、
前記仮想マシンの起動後、当該仮想マシンと通信するために必要な通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を前記仮想マシン処理部から受信する起動完了報告受信部と、
前記仮想マシン処理部は、
前記仮想マシンイメージの取得後、当該仮想マシンイメージの取得完了報告を前記サービスコンソール部に送信するイメージ取得完了報告送信部と、
前記仮想マシンイメージに対応する仮想マシンの起動要求を前記サービスコンソール部から受信する起動要求受信部と、
前記仮想マシンの起動後、当該仮想マシンと通信するために必要な通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を前記サービスコンソール部に送信する第二起動完了報告送信部とをさらに具備する請求項3記載の仮想マシン作成サーバ。
【請求項6】
前記サービスコンソール部は、
前記終了要求を前記仮想マシン処理部に送信する終了要求送信部と、
前記仮想マシンの終了後、当該仮想マシンの終了完了報告を前記仮想マシン処理部から受信する終了完了報告受信部とをさらに具備し、
前記仮想マシン処理部は、
前記仮想マシンの終了要求を前記サービスコンソール部から受信する第二終了要求受信部をさらに具備する請求項5記載の仮想マシン作成サーバ。
【請求項7】
無線方式Aで通信を行うリモート部に対応する仮想マシンを起動および終了することができる請求項3から請求項6いずれか記載の仮想マシン作成サーバ。
【請求項8】
一の保存サーバと通信を行う請求項3から請求項6いずれか記載の仮想マシン作成サーバであって、
前記保存サーバは、
無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの仮想マシンイメージを格納しているイメージ保存部と、
前記仮想マシンイメージの要求を前記仮想マシン作成サーバから受信するイメージ要求受信部と、
前記要求に応じて、当該要求に対応する仮想マシンイメージを前記イメージ保存部から読み出し、前記仮想マシン作成サーバに送信するイメージ送信部とを具備する請求項3から請求項6いずれか記載の仮想マシン作成サーバ。
【請求項9】
起動要求送信部、起動完了報告受信部、設定情報送信部とによりマルチホップ通信を実現する無線中継方法であって、
前記起動要求送信部が、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を、仮想マシンを作成する仮想マシン作成サーバに送信する起動要求送信ステップと、
前記起動完了報告受信部が、前記起動要求の送信に対して、前記仮想マシン作成サーバから前記仮想マシンの起動完了の報告であり、前記仮想マシンと通信するための通信先を示す通信先情報を含む起動完了報告を受信する起動完了報告受信ステップと、
前記設定情報送信部が、前記1以上の各起動完了報告が有する通信先情報を含む設定情報を、当該通信先情報に対応する仮想マシンではない他の仮想マシンに送信する設定情報送信ステップとを具備する無線中継方法。
【請求項10】
起動要求受信部、イメージ要求送信部、イメージ取得部、仮想マシン作成部、仮想マシン起動部、起動完了報告送信部、終了要求受信部とにより実現される仮想マシン作成方法であって、
前記起動要求受信部が、無線方式Aのサービスに必要となる各制御装置の仮想マシンの起動要求を無線中継装置から受信する起動要求受信ステップと、
前記イメージ要求送信部が、前記起動要求に対応する仮想マシンイメージの要求をイメージ保存サーバに送信するイメージ要求送信ステップと、
前記起動完了報告送信部が、前記仮想マシンの起動後、当該仮想マシンと通信するために必要な通信先情報であり、通信先情報を含む仮想マシンの起動完了報告を前記無線中継装置に送信する起動完了報告送信ステップとを具備し、
前記イメージ取得部が、前記仮想マシンイメージの要求に対応する仮想マシンイメージを前記イメージ保存サーバから取得するイメージ取得ステップと、
前記仮想マシン作成部が、前記仮想マシンイメージから、仮想マシンを作成する仮想マシン作成ステップと、
前記仮想マシン起動部が、前記仮想マシンを起動し、当該仮想マシンの通信先情報を取得する仮想マシン起動ステップとを具備する仮想マシン作成方法。

【図2】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−199730(P2012−199730A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61895(P2011−61895)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】