無線中継装置
【課題】無線中継装置が備えるポートを、外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用可能とする。
【解決手段】無線中継装置は、クライアントが所属する内部ネットワークとクライアントが所属しない外部ネットワークとのいずれにも所属し、ネットワークケーブルを接続するためのポートと、ポートの機能を、外部ネットワーク側のポートとしての機能及び内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための切り替え用スイッチと、を備える。
【解決手段】無線中継装置は、クライアントが所属する内部ネットワークとクライアントが所属しない外部ネットワークとのいずれにも所属し、ネットワークケーブルを接続するためのポートと、ポートの機能を、外部ネットワーク側のポートとしての機能及び内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための切り替え用スイッチと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークにおける中継技術に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭やオフィスにおいて、パーソナルコンピューターやゲーム機等の無線LANクライアント(以下、単に「クライアント」とも呼ぶ)を他のネットワークに接続するために、無線中継装置としての無線LANアクセスポイント(以下、単に「アクセスポイント」とも呼ぶ)が広く利用されている(特許文献1)。このようなアクセスポイントとして、外出先において無線を介したネットワーク接続を可能とする携帯型のアクセスポイントが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−142907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯型のアクセスポイントでは、小型化の要請からネットワークケーブルを接続するためのポートを1つのみ備える構成が採用される。かかる構成において、この唯一のポートを、WAN(Wide Area Network)やインターネットと接続するためのポート(外部ネットワーク側のポート)とLAN(Local Area Network)を構成する装置(例えば、クライアントやスイッチなど)を接続するためのポート(内部ネットワーク側のポート)のいずれにも使用したいという要請があった。しかしながら、アクセスポイントが備える唯一のポートを、外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用することに関して十分な工夫がなされていないのが実情であった。
【0005】
なお、このような課題は、ポートを複数備えるアクセスポイントにおいても、各ポートについて外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用する場合などに起こり得る。加えて、このような課題は、無線LANアクセスポイントとしての無線中継装置に限らず、任意の無線通信ネットワークにおける無線通信を行う無線中継装置に共通の課題であった。
【0006】
本発明は、無線中継装置が備えるポートを、外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]クライアントが所属する内部ネットワークと前記クライアントが所属しない外部ネットワークとのいずれにも所属する無線中継装置であって、
ネットワークケーブルを接続するためのポートと、
前記ポートの機能を、前記外部ネットワーク側のポートとしての機能及び前記内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための切り替え用スイッチと、
を備える無線中継装置。
【0009】
適用例1の無線中継装置では、ポートの機能を、外部ネットワーク側のポートとしての機能、及び内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための切り替え用スイッチを備えているので、ポートを内部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、ポートを介してクライアントを無線中継装置に有線接続させることができる。したがって、ユーザは、無線中継装置への各種パラメータを設定する際に、有線接続されたクライアントから設定作業を行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、ポートを外部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、クライアントから受信したパケットをポートを介して外部ネットワークに転送することができる。このように、適用例1の無線中継装置では、同一のポートを、内部ネットワーク側のポート又は外部ネットワーク側のポートとして切り替えて機能させることができる。したがって、同一のポートを外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用可能とすることができる。また、内部ネットワーク側のポートと外部ネットワーク側のポートとをそれぞれ備える構成に比べて、無線中継装置を小型化することができる。
【0010】
[適用例2]適用例1に記載の無線中継装置において、さらに、
前記内部ネットワークに所属し、前記クライアントとの間において無線通信を行う内部ネットワーク側無線通信インタフェースと、
パケット転送処理部であって、
前記ポートが前記外部ネットワーク側のポートとして機能する場合に、前記クライアントが出力するパケットを前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信して、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記外部ネットワークに所属するネットワーク装置に転送し、また、前記ネットワーク装置が出力するパケットを前記ネットワークケーブルを介して受信して、前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して前記クライアントに転送する第1の動作モードで動作し、
前記ポートが前記内部ネットワーク側のポートとして機能する場合に、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントが出力するパケットを受信し、また、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントにパケットを出力する第2の動作モードで動作する、パケット転送処理部と、
を備える、無線中継装置。
【0011】
このような構成により、ネットワークケーブルの一端をポートに接続し、他端をネットワーク装置に接続し、切り替え用スイッチを用いてポートの機能を外部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、クライアントと外部ネットワークとの間の通信を実現させることができる。また、ネットワークケーブルの一端をポートに接続し、他端をクライアントに接続し、切り替え用スイッチを用いてポートの機能を内部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、クライアントと無線中継装置との間におけるネットワークケーブルを介した通信を実現させることができる。
【0012】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の無線中継装置において、さらに、
本体部と、
前記本体部に着脱自在に接続可能な付属部と、
を備え、
前記ポートは、前記付属部に配置され、
前記切り替え用スイッチは、前記付属部に配置されている、無線中継装置。
【0013】
このような構成により、ポートと切り替え用スイッチとがいずれも付属部に配置されているので、ユーザは、ネットワークケーブルの接続先を変更した際に、併せて切り替え用スイッチを用いてポートの機能を切り替える作業を行い易い。換言すると、ユーザは、ネットワークケーブルの一端をポートに接続した際に、切り替え用スイッチを用いた作業を忘れずに行うことができる。加えて、切り替え用インタフェースを付属部に配置するので、本体部を小型化して持ち運び易く構成できる。
【0014】
[適用例4]適用例2または適用例3に記載の無線中継装置において、さらに、
前記外部ネットワークに所属し、所定の無線通信ネットワークにおける無線通信を行う外部ネットワーク側無線通信インタフェースを備え、
前記第2の動作モードは、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントが出力するパケットを受信して、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して転送し、また、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信するパケットを、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントに転送する動作モードである、無線中継装置。
【0015】
このような構成により、ネットワークケーブルの一端をポートに接続し、他端をクライアントに接続し、切り替え用スイッチを用いてポートの機能を内部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、クライアントと無線中継装置との間を有線接続させ、無線中継装置と所定の無線通信ネットワークとの間を無線接続させることができる。したがって、例えば、クライアントが所定の無線通信ネットワーク用のインタフェースを備えていない構成においても、クライアントと所定の無線通信ネットワークとの間の通信を実現させることができる。
【0016】
[適用例5]適用例4に記載の無線中継装置において、さらに、
前記本体部が前記付属部に接続されているか否かを判定する判定部を備え、
前記パケット転送処理部は、前記本体部が前記付属部に接続されていない場合には、切り替え用スイッチによる前記ポートの機能の切り替え状態に関わらず、前記クライアントが出力するパケットを前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信して、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して転送し、また、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信するパケットを、前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して前記クライアントに転送する第3の動作モードで動作する、無線中継装置。
【0017】
このような構成により、本体部が付属部から外された場合には、クライアントと無線中継装置との間を無線接続させ、かつ、無線中継装置と所定の無線通信ネットワークとの間を無線接続させることができる。したがって、本体部が付属部に接続されている場合には、無線中継装置と外部ネットワークとの間を有線接続し、本体部が付属部から外された場合には、無線中継装置と外部ネットワーク(すなわち、所定の無線通信ネットワーク)との間を無線接続させることができる。それゆえ、本体部と外部ネットワークとの間を有線接続させることによって安定した通信を可能とし、また、ユーザが本体部を付属部から取り外して外出した場合であっても、外出先が所定の無線通信ネットワークのエリアである場合には、クライアントと外部ネットワークとの間の通信を実現させることができる。このように、本体部の利用シーンに応じて自動的に接続態様を変更できるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0018】
[適用例6]適用例4または適用例5に記載の無線中継装置において、
前記所定の無線通信ネットワークは、公衆無線LANまたは移動体通信網である、無線中継装置。
【0019】
このような構成により、無線中継装置に有線接続されたクライアントや、無線中継装置に無線接続されたクライアントを、公衆無線LANまたは移動体通信網に接続させることができる。
【0020】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、無線中継装置、無線中継装置を含む無線通信システム、これらの装置またはシステムの制御方法、これらの方法、装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】無線中継装置の正面および背面の外観構成を示す説明図である。
【図2】無線中継装置の側面の外観構成を示す説明図である。
【図3】無線中継装置の平面(天面)の外観構成を示す説明図である。
【図4】無線中継装置の内部構成を示す説明図である。
【図5】本実施例の無線中継装置による無線通信の際の第1の接続態様を示す説明図である。
【図6】本実施例の無線中継装置による無線通信の際の第2〜4の接続態様を示す説明図である。
【図7】本実施例の動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図5に示す第1の接続態様において転送処理部が第1動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【図9】図6上段に示す第2の接続態様において転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【図10】図6中段に示す第3の接続態様において転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【図11】図6下段に示す第4の接続態様において転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【図12】第2実施例の無線中継装置による無線通信の際の第5の接続態様を示す説明図である。
【図13】第2実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図12に示す第5の接続態様において転送処理部が第3動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.第1実施例:
A1.装置構成:
図1〜4は、本発明の一実施例としての無線中継装置10の構成を概略的に示す説明図である。図1(a)および(b)には、無線中継装置10の正面および背面の外観構成を示しており、図2(a)および(b)には、無線中継装置10の一方および他方の側面の外観構成を示しており、図3(a)には、無線中継装置10の平面(天面)の外観構成を示しており、図3(b)には、無線中継装置10のクレードル200の平面(天面)の外観構成を示している。また、図4には、無線中継装置10の内部構成を示している。
【0023】
本実施例の無線中継装置10は、互いに着脱自在に接続可能な本体100とクレードル200とを備えている。本体100は、小型軽量の可搬型装置であり、単独で無線中継装置として機能する。クレードル200は、本体100と接続されたときに、本体100に各種機能を提供する。また、クレードル200は、本体100を載置するためのスタンドとしても機能する。
【0024】
クレードル200は、図1(b)、図3(b)および図4に示すように、例えばIEEE802.3/3uに準拠したポート220と、切り替えスイッチ230と、本体100との接続のための本体接続インタフェース(I/F)280と、所定のネットワークプロトコル(例えばイーサネット(登録商標))に従いポート220を介したデータ伝送を制御するLAN制御回路210と、を含んでいる。
【0025】
切り替えスイッチ230は、いわゆるスライドスイッチであり、ポート220の近傍に配置されている。スイッチ230は、「Internet」の状態と「Lan」の状態とのいずれか一方に手動で切り換えられる。図4の例では、切り替えスイッチ230は、「Internet」の状態に設定されている。この切り替えスイッチ230は、後述する転送処理部121の動作モードを切り替えるためのスイッチである。なお、転送処理部121の動作モードの切り替えについては、後述する。
【0026】
本体接続インタフェース280は、USBデバイスコントローラとしての機能を有しており、クレードル200が本体100と接続されているとき、USB規格に則って本体100との間での情報のやり取りを行う。
【0027】
本体100は、図4に示すように、CPU120と、ROM171と、RAM172と、USBデバイスを接続するためのUSBデバイスインタフェース(I/F)173と、無線LAN制御回路174と、無線WAN制御回路175と、移動体通信制御回路176と、クレードル200との接続のためのクレードル接続インタフェース(I/F)180と、を含んでいる。
【0028】
無線LAN制御回路(「無線LANインタフェース」とも呼ばれる)174は、変調器やアンプ、アンテナを含み、例えばIEEE802.11b/gに準拠した無線LANのアクセスポイントとして、無線LANのクライアント(例えばパーソナルコンピューターやゲーム機)と無線通信を行う。無線WAN制御回路(「無線WANインタフェース」とも呼ばれる)175は、同様に、変調器やアンプ、アンテナを含み、例えばIEEE802.11a/b/gに準拠した無線LANのクライアントとして、無線LANのアクセスポイント(例えば公衆無線LAN)と無線通信を行う。移動体通信制御回路(「移動体通信インタフェース」とも呼ばれる)176は、同様に、変調器やアンプ、アンテナを含み、例えば3G/HSPAに準拠した移動体通信の端末として、移動体通信網の基地局と無線通信を行う。このように、本実施例の本体100は、それぞれが互いに異なる無線通信ネットワークにおける無線通信を行う複数の無線通信インタフェースを含んでいる。
【0029】
クレードル接続インタフェース180は、USBホストコントローラとしての機能を有しており、本体100がクレードル200と接続されているとき、USB規格に則ってクレードル200との間での情報のやり取りを行う。また、クレードル接続インタフェース180は、本体100がクレードル200と接続されているとき、本体接続インタフェース280を介してクレードルから供給される電力を、本体100側の図示しないバッテリに受け渡す。
【0030】
CPU120は、ROM171に格納されているファームウェアやコンピュータープログラムをRAM172に展開して実行することにより、無線中継装置10の各部を制御すると共に、転送処理部121と、転送制御部122と、切替監視部123と、PPPoE処理部124と、設定部125と、接続監視部126として機能する。
【0031】
転送処理部121は、ルータ機能部121rと、ブリッジ機能部121bとを有しており、各無線通信インタフェース(無線LAN制御回路174、無線WAN制御回路175、移動体通信制御回路176)及びクレードル200が有するポート220を介したパケット(レイヤ3パケット及びレイヤ2フレーム)の転送を行う。転送制御部122は、転送処理部121を制御する。
【0032】
切替監視部123は、切り替えスイッチ230の切り替え状態を監視する。具体的には、例えば、切り替えスイッチ230とCPU120のGPIO(General Purpose Input/Output)ポートとを図示しない制御線により接続し、かかる制御線を介してCPU120に入力される割り込み信号により、スイッチ230の切り替え状態を監視することができる。
【0033】
PPPoE処理部124は、IETF(Internet Engineering Task Force)により標準化されたPPPoE(PPP over Ethernet)に従って、ユーザ認証等を行うためにIP(Internet Protocol)パケットをカプセル化する。
【0034】
設定部125は、本体100に設定すべき各種パラメータを設定する。各種パラメータとしては、例えば、IPアドレスや、SSID(Service Set Identifier)や、WEP(Wired Equivalent Privacy)キーや、インターネット接続の契約に関する情報(ユーザ名やパスワード)などがある。
【0035】
接続監視部126は、本体100がクレードル200に接続されているか否かを監視する機能部である。この監視は、例えば、クレードル接続インタフェース180とクレードル接続インタフェース180との間における通電の有無により監視することができる。
【0036】
前述のクレードル200は、請求項における付属部に相当する。また、転送処理部121は請求項におけるパケット転送処理部に、無線LAN制御回路174は請求項における内部ネットワーク側無線通信インタフェースに、無線WAN制御回路175及び移動体通信制御回路176は請求項における外部ネットワーク側無線通信インタフェースに、転送制御部122及び接続監視部126は請求項における判定部に、それぞれ相当する。
【0037】
A2.接続態様:
図5は、本実施例の無線中継装置による無線通信の際の第1の接続態様を示す説明図である。図6は、本実施例の無線中継装置による無線通信の際の第2〜4の接続態様を示す説明図である。図6において、上段は第2の接続態様を、中段は第3の接続態様を、下段は第4の接続態様を、それぞれ示す。
【0038】
図5に示すように、第1の接続態様では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端が例えばFTTHやDSLのモデムと接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」である。第1の接続態様では、無線中継装置10は、無線LANのクライアントCL1に対するアクセスポイントとして、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1と無線通信を行う。この接続態様では、クライアントCL1は、無線中継装置10およびモデムを介して、インターネットにアクセス可能である。
【0039】
第1の接続態様では、クライアントCL1が所属するネットワーク(内部ネットワーク)は、無線LAN区間を含むセグメントである。また、クライアントCL1が所属しないネットワーク(外部ネットワーク)は、ポート220を含む有線LANの所属するセグメントである。
【0040】
図6上段に示すように、第2の接続態様では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端がクライアントCL1と接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である。第2の接続態様では、無線中継装置10は、有線LANのクライアントLC1に対するブリッジとして、クライアントCL1との間において有線通信を行う。この接続態様では、クライアントCL1は、無線中継装置10との間においてデータのやりとりが可能である。したがって、例えば、クライアントCL1を操作して、本体100に各種パラメータを設定する場合に、第2の接続態様が選択され得る。第2の接続態様では、内部ネットワークは、ポート220を含む有線LANの所属するセグメントである。
【0041】
図6中段に示すように、第3の接続態様では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端がクライアントCL1と接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である。また、第3の接続態様では、無線中継装置10は、公衆無線LANに対するクライアントとして機能する。この接続態様では、クライアントCL1は、無線通信用インタフェースを有していなくても、無線中継装置10および公衆無線LANを介して、インターネットにアクセス可能である。第3の接続態様では、内部ネットワークは、ポート220を含む有線LANの所属するセグメントである。また、外部ネットワークは、無線LAN区間を含むセグメントである。
【0042】
図6下段に示すように、第4の接続態様では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端がクライアントCL1と接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である。また、第4の接続態様では、無線中継装置10は、移動体通信端末として、移動体通信基地局を介した無線通信(移動体通信)を行うことができる。この接続態様では、クライアントCL1は、無線通信用インタフェースを有していなくても、無線中継装置10および移動体通信基地局を介して、インターネットにアクセス可能である。第4の接続態様では、内部ネットワークは、ポート220を含む有線LANの所属するセグメントである。また、外部ネットワークは、移動体通信区間を含むセグメントである。
【0043】
このように、ポート220は、切り替えスイッチ230が「Internet」の状態においては外部ネットワーク側(クライアントが所属しないセグメント側)のポートとして機能し、スイッチ230が「Lan」の状態においては内部ネットワーク側(クライアントが所属するセグメント側)のポートとして機能する。換言すると、切り替えスイッチ230は、ポート220の機能を、外部ネットワーク側のポートとしての機能と、内部ネットワーク側のポートとしての機能とのいずれかに切り替える。このとき、転送処理部121の動作モードは、切り替えスイッチ230の状態に応じて(すなわち、ポート220の機能に応じて)切り替わる。
【0044】
ユーザは、所望する接続態様に応じて、切り替えスイッチ230を、「Internet」の状態、または、「Lan」の状態に切り替えることができる。例えば、第1の接続態様を希望する場合には、切り替えスイッチ230を「Internet」の状態とし、第2〜4の接続態様を希望する場合には、スイッチ230を「Lan」の状態とすることができる。
【0045】
A3.動作切り替え処理:
図7は、本実施例の動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。本体100の電源がオンとなり、かつ、ポート220にLANケーブルLCaが挿入されポート220がリンクアップすると、本体100において、動作モード切り替え処理が開始される。
【0046】
転送制御部122は、接続監視部126を制御して、本体100とクレードル200とが接続されるまで待機する(ステップS105)。本体100とクレードル200とが接続されると、転送制御部122は、ROM171に格納されているイーサネットドライバプログラムを、クレードル200が有するLAN制御回路210にロードする(ステップS110)。
【0047】
転送制御部122は、切替監視部123を制御して、切り替えスイッチ230の状態が、「Internet」の状態であるか否かを判定する(ステップS115)。転送制御部122は、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」の状態である場合には、転送処理部121の動作モードを第1動作モードに切り替え(ステップS120)、「Lan」の状態である場合には、転送処理部121の動作モードを第2動作モードに切り替える(ステップS125)。
【0048】
図8は、図5に示す第1の接続態様において、転送処理部が第1動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図8では、無線中継装置10の一部の構成要素を省略している。なお、図8に示すクライアントCL1には、予めプライベートIPアドレスが割り当てられている。
【0049】
図8に示すように、クライアントCL1(無線LANクライアント)から無線LANを介してパケット(レイヤ2フレーム)が送信されると、無線LAN制御回路174は、パケットを受信してブリッジ機能部121bに渡す。
【0050】
ブリッジ機能部121bは、受信したパケットをルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットの送信元IPアドレスを、プライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスに変換するアドレス変換処理(NATやIPマスカレード)を実行して、LAN制御回路210に渡す。このとき、PPPoE処理部124は、アドレス変換後のパケット(IPパケット)にPPPoEヘッダを付与してPPPoEフレームにカプセル化する。なお、図8では、切り替えスイッチ230の状態に応じて、ルータ機能部121rとLAN制御回路210との間の経路が切り替わることを模式的に表わすため、ルータ機能部121rとLAN制御回路210との間に切り替えスイッチ230を配置して表わしている。
【0051】
LAN制御回路210は、ルータ機能部121rから受信したパケット(PPPoEフレーム)に基づきレイヤ2フレームを生成し、かかるレイヤ2フレームを含む信号をポート220からモデム等に送信する。
【0052】
また、図8に示すように、クライアントCL1宛のデータを含む信号がモデムを介して無線中継装置10に出力されると、LAN制御回路210は、ポート220においてかかる信号を受信すると共に、パケット(レイヤ2フレーム)を組み立ててルータ機能部121rに送信する。ルータ機能部121rは、受信したレイヤ2フレームに基づきIPパケットを組み立て、宛先IPアドレスに基づいてブリッジ機能部121bにパケット(レイヤ2フレーム)を転送する。ブリッジ機能部121bは、ルータ機能部121rから受信したパケット(レイヤ2フレーム)を、無線LAN制御回路174に転送し、無線LAN制御回路174は、無線LANを介してクライアントCL1にパケットを送信する。
【0053】
このように、第1動作モードは、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1から受信したパケット(レイヤ2フレーム)を、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたモデム等のネットワーク装置に転送し、また、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたモデム等のネットワーク装置から受信したパケット(レイヤ2フレーム)を、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1に転送する動作モードである。したがって、このような第1動作モードにより、ポート220は、無線中継装置10における外部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。ここで、外部ネットワークとは、本実施例では、クライアントCL1が所属しないネットワーク(セグメント)を意味するが、換言すると、グローバルIPアドレスが付与されているネットワークを意味する。さらに換言すると、外部ネットワークとは、本実施例では、ルータ機能部121rの各ポートのうち、PPPoE処理が実行されるポートに対応付けられたネットワークを意味する。
【0054】
図9は、図6上段に示す第2の接続態様において、転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図9に示す構成は、PPPoE処理部124に代えて、設定部125を記載している点、及びポート220にクライアントCL1が接続されている点において図8と異なり、他の構成は図8と同じである。
【0055】
図9に示すように、クライアントCL1から有線LAN(LANケーブルLCa)を介して無線中継装置10宛のデータ(設定データ)を含む信号が無線中継装置10に出力されると、LAN制御回路210は、ポート220においてかかる信号を受信すると共に、パケット(レイヤ2フレーム)を組み立ててブリッジ機能部121bに送信する。ブリッジ機能部121bは、レイヤ2フレームの宛先MAC(Media Access Control)アドレスが、自らのMACアドレスであるので、受信したパケットを、ルータ機能部121rやブリッジ機能部121bの他のポートに転送せず、受信したパケットからデータを抽出して設定部125に送信する。設定部125は、受信したデータに基づき、各種パラメータを設定する。
【0056】
また、図9に示すように、クライアントCL1から各種設定データの問い合わせがあった場合、設定部125は、設定データを含むパケット(レイヤ2フレーム)をブリッジ機能部121bに送信する。ブリッジ機能部121bは、受信したパケットをLAN制御回路210に転送し、LAN制御回路210は、ブリッジ機能部121bから受信したパケットを含む信号を、ポート220からLANケーブルLCaを介してクライアントCL1に送信する。
【0057】
このように、第2の接続態様における第2動作モードは、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1から送信されるパケット(レイヤ2フレーム)を受信し、また、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1にパケット(レイヤ2フレーム)を送信する動作モードである。したがって、このような第2動作モードにより、ポート220は、無線中継装置10における内部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。ここで、内部ネットワークとは、本実施例では、クライアントCL1が所属するネットワーク(セグメント)を意味するが、換言すると、クライアントCL1と同様にプライベートIPアドレスが付与されているネットワークを意味する。
【0058】
図10は、図6中段に示す第3の接続態様において、転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図10は、設定部125を省略している点において図9と異なり、他の構成は図9と同じである。
【0059】
図10に示すように、クライアントCL1から有線LAN(LANケーブルLCa)を介してインターネット接続された装置(端末やサーバ)宛のデータを含む信号が無線中継装置10に送信されると、LAN制御回路210は、ポート220においてかかる信号を受信すると共に、パケット(レイヤ2フレーム)を組み立ててブリッジ機能部121bに転送する。ブリッジ機能部121bは、レイヤ2フレームの宛先MACアドレスが、自らのMACアドレスではないので、受信したパケットをルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットを無線WAN制御回路175に転送し、無線WAN制御回路175は、無線LANクライアントとして、公衆無線LANの図示しないアクセスポイントに対して、パケット(レイヤ2フレーム)を送信する。
【0060】
また、図10に示すように、公衆無線LANからクライアントCL1宛のパケット(レイヤ2フレーム)が出力されると、無線WAN制御回路175は、かかるパケットを受信すると共に、ルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットをブリッジ機能部121bに転送し、ブリッジ機能部121bは、ルータ機能部121rから受信したパケットを含む信号を、ポート220からLANケーブルLCaを介してクライアントCL1に送信する。
【0061】
このように、第3の接続態様における第2動作モードは、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1から出力されるパケット(レイヤ2フレーム)を、無線WAN制御回路175を介して転送し、また、無線WAN制御回路175を介して受信するパケットを、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1に転送する動作モードである。このような第2動作モードにより、ポート220は、第2の接続態様(図9)と同様に、無線中継装置10における内部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。
【0062】
図11は、図6下段に示す第4の接続態様において、転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図11に示す構成は、図10と同じである。また、図11におけるパケット転送経路は、ルータ機能部121rと無線WAN制御回路175との間の転送経路に代えて、ルータ機能部121rと移動体通信制御回路176との間の転送経路を採用する点において、図10におけるパケット転送経路と異なり、他の経路は図10と同じである。
【0063】
このように、第4の接続形態における第2動作モードは、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1から出力されるパケット(レイヤ2フレーム)を、移動体通信制御回路176を介して転送し、また、移動体通信制御回路176を介して受信するパケットを、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1に転送する動作モードである。このような第2動作モードにより、ポート220は、第2の接続態様(図9)及び第3の接続態様(図10)と同様に、無線中継装置10における内部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。
【0064】
前述の図10に示す第3の接続態様及び図11に示す第4の接続態様では、ポート220で受信した信号に基づくパケットは、図8に示す第1の接続態様とは異なり、LAN制御回路210からブリッジ機能部121bに転送されている。これは以下の理由による。第3,4の接続態様において、LAN制御回路210からルータ機能部121rにパケットを転送する構成を採用した場合、ユーザ側のネットワーク(セグメント)は2つ存在することとなる。具体的には、図8に示す第1の接続態様においてクライアントCL1が所属するセグメントと、図10,11に示す第3,4の接続態様においてクライアントCL1が所属するセグメントとの2つのセグメントが存在することとなる。この場合、それぞれのセグメントについて、各種パラメータを無線中継装置10やクライアントCL1に設定しなければならず、ユーザに大きな負担を強いることとなる。そこで、本実施例では、ポート220が内部ネットワーク側のポートとして機能する場合には、LAN制御回路210からブリッジ機能部121bにパケットを転送することにより、ユーザ側のネットワーク(セグメント)を1つにして、ユーザの利便性を向上させている。
【0065】
以上説明したように、本実施例の無線中継装置10では、切り替えスイッチ230の状態により、ポート220を、外部ネットワーク側のポート又は内部ネットワーク側のポートとして機能させる。したがって、ポート220を、外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用することができる。ポート220を内部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、無線中継装置10とクライアントCL1とを有線接続させることができる。それゆえ、無線中継装置10への各種パラメータの設定を、無線中継装置10に有線接続されたクライアントCL1から行うことを可能とするので、ユーザの利便性を向上させることができる。また、クライアントCL1と無線中継装置10とを有線接続させて、クライアントを公衆無線LANや移動体通信網に接続させることができる。したがって、有線LANインタフェースのみしか有さず、無線通信インタフェースを有さないクライアントを、公衆無線LANや移動体通信網を介してインターネット接続させることができる。
【0066】
また、ポート220を外部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、無線中継装置10とモデム等とを有線接続させることができる。したがって、クライアントCL1が無線LANクライアントである場合には、無線中継装置10を無線LANアクセスポイントとして機能させることができる。このように、1つのポート220を内部ネットワーク側のポート又は外部ネットワーク側のポートとして切り替えて機能させることができるので、内部ネットワーク側のポート(物理ポート)と外部ネットワーク側のポート(物理ポート)とを、それぞれ配置する構成に比べて、装置サイズを小さくすることができる。また、複数のポートを制御せずに済むため、LAN制御回路210として安価な回路を用いることができ、無線中継装置10の製造コストの上昇を抑制できる。
【0067】
また、切り替えスイッチ230をポート220と共にクレードル200に配置しているので、ユーザが接続態様を変更するためにLANケーブルLCaの配線作業を行った際に、併せて切り替えスイッチ230の状態を変更する作業を行い易い。換言すると、ユーザは、LANケーブルLCaの一端をクレードル200(ポート220)に接続した際に、切り替えスイッチ230の状態を忘れずに変更することができる。また、切り替えスイッチ230やポート220をクレードル200に配置しているので、本体100の小型化及び軽量化を実現できる。
【0068】
B.第2実施例:
図12は、第2実施例の無線中継装置による無線通信の際の第5の接続態様を示す説明図である。第2実施例の無線中継装置は、第1〜4の接続態様に加えて、第5の接続態様を許容する点において、第1の実施例の無線中継装置10と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
【0069】
図12に示すように、第5の接続態様では、本体100がクレードル200から外されている。このとき、クレードル200のポート220には、いずれの装置も接続されていない。また、切り替えスイッチ230は、「Internet」の状態となっている。第5の接続態様では、無線中継装置10は、無線LANのクライアントCL1に対するアクセスポイントとして、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1と無線通信を行う。また、無線中継装置10は、公衆無線LANに対するクライアントとして、無線WAN制御回路175を介して公衆無線LANと無線通信を行う。この接続態様では、クライアントCL1は、無線中継装置10および公衆無線LANを介して、インターネットにアクセス可能である。
【0070】
図13は、第2実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。第2の実施例における動作モード切り替え処理は、ステップS130を追加して実行する点において、図7に示す第1実施例の動作モード切り替え処理の手順と異なり、他の処理は、第1実施例と同じである。
【0071】
転送制御部122は、接続監視部126を制御して、本体100とクレードル200とが接続されているか否かを判定し(ステップS105)、本体100とクレードル200とが接続されていると判定された場合には(ステップS105:YES)、前述のステップS110〜S125の処理が実行される。ステップS105において、本体100とクレードル200とが接続されていないと判定された場合には(ステップS105:NO)、転送制御部122は、転送処理部121の動作モードを第3動作モードに切り替える(ステップS130)。
【0072】
図14は、図12に示す第5の接続態様において、転送処理部が第3動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図14に示すように、クライアントCL1(無線LANクライアント)から無線LANを介してパケット(レイヤ2フレーム)が送信されると、無線LAN制御回路174は、受信したパケットをブリッジ機能部121bに渡す。
【0073】
ブリッジ機能部121bは、受信したパケットをルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットを無線WAN制御回路175に転送し、無線WAN制御回路175は、無線LANクライアントとして、公衆無線LANの図示しないアクセスポイントに対して、パケット(レイヤ2フレーム)を送信する。
【0074】
また、図14に示すように、公衆無線LANからクライアントCL1宛のパケット(レイヤ2フレーム)が無線中継装置10に出力されると、無線WAN制御回路175は、かかるパケットを受信すると共に、ルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットをブリッジ機能部121bに転送する。ブリッジ機能部121bは、ルータ機能部121rから受信したパケットを、無線LAN制御回路174に転送し、無線LAN制御回路174は、無線LANを介してクライアントCL1にパケット(レイヤ2フレーム)を送信する。
【0075】
このように、第3動作モードは、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1から受信するパケットを、無線WAN制御回路175を介して転送し、また、無線WAN制御回路175を介して受信するパケットを、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1に転送する動作モードである。したがって、このような第3動作モードにより、LALポート220は、無線中継装置10における内部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。
【0076】
ここで、図12に示すように、切り替えスイッチ230は、「Internet」の状態となっており、ポート220は、LANケーブルLCaを介してモデムに接続されている。したがって、本体100がクレードル200と接続されている場合には、第1の接続態様となり、本体100がクレードル200から外された場合には、第5の接続態様となる。換言すると、本体100がクレードル200と接続されている場合には、外部ネットワークは、ポート220と有線接続されたモデムが所属するネットワーク(セグメント)であり、本体100がクレードル200から外された場合には、外部ネットワークは、無線WAN制御回路175が所属するネットワーク(セグメント)となる。すなわち、第2実施例では、本体100とクレードル200との接続状態に応じて、内部ネットワークと接続される外部ネットワークが切り替わる。
【0077】
以上の構成を有する第2実施例の無線中継装置は、第1実施例の無線中継装置10と同様な効果を有する。加えて、本体100とクレードル200との接続状態を監視し、本体100がクレードル200から外された場合には、内部ネットワークを無線WAN制御回路175の属するネットワーク(セグメント)と接続させる。したがって、本体100がクレードル200に接続されている場合には、第1の接続態様でクライアントCL1をインターネット接続させ、本体100がクレードル200から外された場合には、第5の接続態様でクライアントCL1をインターネット接続させることができる。これにより、ユーザは、例えば、自宅では、第1の接続態様でクライアントCL1をインターネット接続させて信頼性及び速度のより高い通信を実現でき、また、本体100をクレードル200から取り外して携帯し、外出先(駅やレストラン等)において、第5の接続態様でクライアントCL1をインターネット接続させることができる。それゆえ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0078】
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0079】
C1.変形例1:
各実施例における無線中継装置10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施例では、本体100のクレードル接続インタフェース180とクレードル200の本体接続インタフェース280とが、USB規格に則って情報のやり取りを行うとしているが、本体100とクレードル200との間の情報のやり取りはUSB以外の規格に則って行われるとしてもよい。
【0080】
また、上記実施例において、無線LAN制御回路174や無線WAN制御回路175は、IEEE802.11a/b/g/nに準拠した無線LANに限らず、将来的に利用可能となる無線LAN一般により無線通信を行う無線通信インタフェースであるとしてもよい。また、移動体通信制御回路176は、3G/HSPAに準拠した移動体通信に限らず、例えばLTEや次世代モバイルWiMAX(IEEE802.16m)、次世代PHS(XGP:eXtended Global Platform)といった将来的に利用可能となる移動体通信一般により無線通信を行う無線通信インタフェースであるとしてもよい。
【0081】
また、上記実施例では、本体100が無線LAN制御回路174と無線WAN制御回路175と移動体通信制御回路176との3種類の無線通信インタフェースを含むとしているが、本体100が3種類の無線通信インタフェースの内の1種類あるいは2種類のみを含むとしてもよいし、本体100が4種類以上の無線通信インタフェースを含むとしてもよい。あるいは、本体100が同じ種類の無線通信インタフェースを複数含むとしてもよい。また、本発明は、無線LANや移動体通信に限らず、所定の無線通信ネットワークにおける無線通信一般に適用することができる。
【0082】
また、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0083】
C2.変形例2:
各実施例では、クレードル200が備えるポート220は1つであったが、これに代えて、複数備える構成を採用することができる。例えば、ポート220を2つ備え、各ポートごとに対応する切り替えスイッチ230を備える構成とすることもできる。また、例えば、ポート220を2つ備え、一方のポート220は、外部ネットワーク側のポート専用とし、他方のポート220は各実施例のポートと同様に、内部ネットワーク側のポートと外部ネットワーク側のポートとで機能を切り替えるポートとすることもできる。
【0084】
C3.変形例3:
第1実施例では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端がクライアントCL1と接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である条件下では、第2〜第4の接続態様のいずれも実現可能であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、このような条件下では、第2の接続態様のみが実現される構成を採用することができる。この構成においては、本体100から無線WAN制御回路175及び移動体通信制御回路176を省略することができる。
【0085】
C4.変形例4:
第1実施例では、本体100とクレードル200とは互いに着脱可能であったが、これに代えて、本体100とクレードル200とを一体化することもできる。この構成においては、本体100とクレードル200とが一体化された装置が、請求項における無線中継装置に相当する。
【0086】
C5.変形例5:
各実施例では、切り替えスイッチ230は、クレードル200に配置されていたが、クレードル200に代えて、本体100が備える構成とすることもできる。この構成では、切り替えスイッチ230の状態をCPU120に通知するための制御線を、本体100とクレードル200との間に配置することを要さないので、クレードル接続インタフェース180及び本体接続インタフェース280の構成をシンプルにすることができる。
【0087】
C6.変形例6:
各実施例において、切り替えスイッチ230は、スライドスイッチであったが、本発明はこれに限定されるものではない。スライドスイッチに代えて、押しボタンスイッチやロータリースイッチなど、任意の物理的なスイッチを採用することもできる。また、このような物理的なスイッチに代えて、論理的なスイッチを採用することもできる。具体的には、例えば、本体100またはクレードル200に表示部及び操作パネルを配置し、かかる操作パネルを操作して表示部に表示されるメニューを選択することにより、ポート220の機能を切り替える構成を採用することもできる。また、例えば、無線中継装置10に接続されているクライアントCL1において、切り替え用プログラムを起動し、かかるプログラムにより提供されるGUI(Graphical User Interface)を利用して、ポート220の機能を切り替える構成を採用することもできる。すなわち、一般には、ポートの機能を、外部ネットワーク側のポートとしての機能及び内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための任意の切り替え用スイッチを、本発明の無線中継装置に採用することができる。
【0088】
C7.変形例7:
各実施例では、転送処理部121が第2動作モードで動作している場合には、図9〜11に示すように、ポート220で受信した信号に基づくパケットは、LAN制御回路210からブリッジ機能部121bに転送されているが、本発明はこれに限定されるものではない。転送処理部121が第2動作モードで動作している場合も、図8に示す第1動作モードで動作する場合と同様に、LAN制御回路210からルータ機能部121rにパケットを転送する構成を採用することができる。
【0089】
C8.変形例8:
各実施例では、第2〜4の接続態様において、クライアントCL1は、LANケーブルLCaを介してクレードル200のポート220に直接接続されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、クライアントCL1とポート220との間にブリッジ(例えば、レイヤ2スイッチ)や、リピータ(例えば、リピータハブ)を配置し、ブリッジ又はリピータを介して、クライアントCL1とポート220とを接続する構成を採用することができる。このような構成においても、クライアントCL1と無線中継装置10(LAN制御回路210)とは、互いに同じセグメントに所属することとなる。なお、かかるセグメントは、請求項における内部ネットワークに相当する。
【0090】
C9.変形例9:
第2実施例では、第5の接続態様において、無線中継装置10は、公衆無線LANに対するクライアントとして、無線WAN制御回路175を介して公衆無線LANと無線通信を行っていたが、これに代えて、移動体通信基地局に対する通信端末として、移動体通信制御回路176を介して移動体通信基地局と無線通信を行うこともできる。
【0091】
C10.変形例10:
各実施例の第1の接続態様では、無線中継装置10においてプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとの変換を行っていたが、アドレス変換を行わない構成とすることもできる。例えば、クライアントCL1にグローバルIPアドレスが割り当てられている場合や、外部ネットワークが、無線LANとは異なるセグメントであってプライベートIPアドレスが割り当てられたネットワーク(LAN)である場合には、アドレス変換を行わないこともできる。また、外部ネットワークが無線LANとは異なるセグメントであってプライベートIPアドレスが割り当てられたネットワーク(LAN)である場合には、無線中継装置10におけるPPPoEの処理も省略することができる。以上の実施例及び変形例からも理解できるように、本発明の無線中継装置において、内部ネットワークとは、少なくともクライアントが所属するネットワークを意味し、外部ネットワークとは、少なくともクライアントが所属しないネットワークを意味する。
【符号の説明】
【0092】
10…無線中継装置
100…本体
120…CPU
121…転送処理部
121b…ブリッジ機能部
121r…ルータ機能部
122…転送制御部
123…切替監視部
124…PPPoE処理部
125…設定部
126…接続監視部
171…ROM
172…RAM
173…USBデバイスインタフェース
174…無線LAN制御回路
175…無線WAN制御回路
176…移動体通信制御回路
180…クレードル接続インタフェース
200…クレードル
210…LAN制御回路
220…ポート
230…切り替えスイッチ
280…本体接続インタフェース
LCa…LANケーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークにおける中継技術に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭やオフィスにおいて、パーソナルコンピューターやゲーム機等の無線LANクライアント(以下、単に「クライアント」とも呼ぶ)を他のネットワークに接続するために、無線中継装置としての無線LANアクセスポイント(以下、単に「アクセスポイント」とも呼ぶ)が広く利用されている(特許文献1)。このようなアクセスポイントとして、外出先において無線を介したネットワーク接続を可能とする携帯型のアクセスポイントが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−142907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯型のアクセスポイントでは、小型化の要請からネットワークケーブルを接続するためのポートを1つのみ備える構成が採用される。かかる構成において、この唯一のポートを、WAN(Wide Area Network)やインターネットと接続するためのポート(外部ネットワーク側のポート)とLAN(Local Area Network)を構成する装置(例えば、クライアントやスイッチなど)を接続するためのポート(内部ネットワーク側のポート)のいずれにも使用したいという要請があった。しかしながら、アクセスポイントが備える唯一のポートを、外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用することに関して十分な工夫がなされていないのが実情であった。
【0005】
なお、このような課題は、ポートを複数備えるアクセスポイントにおいても、各ポートについて外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用する場合などに起こり得る。加えて、このような課題は、無線LANアクセスポイントとしての無線中継装置に限らず、任意の無線通信ネットワークにおける無線通信を行う無線中継装置に共通の課題であった。
【0006】
本発明は、無線中継装置が備えるポートを、外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]クライアントが所属する内部ネットワークと前記クライアントが所属しない外部ネットワークとのいずれにも所属する無線中継装置であって、
ネットワークケーブルを接続するためのポートと、
前記ポートの機能を、前記外部ネットワーク側のポートとしての機能及び前記内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための切り替え用スイッチと、
を備える無線中継装置。
【0009】
適用例1の無線中継装置では、ポートの機能を、外部ネットワーク側のポートとしての機能、及び内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための切り替え用スイッチを備えているので、ポートを内部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、ポートを介してクライアントを無線中継装置に有線接続させることができる。したがって、ユーザは、無線中継装置への各種パラメータを設定する際に、有線接続されたクライアントから設定作業を行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、ポートを外部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、クライアントから受信したパケットをポートを介して外部ネットワークに転送することができる。このように、適用例1の無線中継装置では、同一のポートを、内部ネットワーク側のポート又は外部ネットワーク側のポートとして切り替えて機能させることができる。したがって、同一のポートを外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用可能とすることができる。また、内部ネットワーク側のポートと外部ネットワーク側のポートとをそれぞれ備える構成に比べて、無線中継装置を小型化することができる。
【0010】
[適用例2]適用例1に記載の無線中継装置において、さらに、
前記内部ネットワークに所属し、前記クライアントとの間において無線通信を行う内部ネットワーク側無線通信インタフェースと、
パケット転送処理部であって、
前記ポートが前記外部ネットワーク側のポートとして機能する場合に、前記クライアントが出力するパケットを前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信して、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記外部ネットワークに所属するネットワーク装置に転送し、また、前記ネットワーク装置が出力するパケットを前記ネットワークケーブルを介して受信して、前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して前記クライアントに転送する第1の動作モードで動作し、
前記ポートが前記内部ネットワーク側のポートとして機能する場合に、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントが出力するパケットを受信し、また、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントにパケットを出力する第2の動作モードで動作する、パケット転送処理部と、
を備える、無線中継装置。
【0011】
このような構成により、ネットワークケーブルの一端をポートに接続し、他端をネットワーク装置に接続し、切り替え用スイッチを用いてポートの機能を外部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、クライアントと外部ネットワークとの間の通信を実現させることができる。また、ネットワークケーブルの一端をポートに接続し、他端をクライアントに接続し、切り替え用スイッチを用いてポートの機能を内部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、クライアントと無線中継装置との間におけるネットワークケーブルを介した通信を実現させることができる。
【0012】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の無線中継装置において、さらに、
本体部と、
前記本体部に着脱自在に接続可能な付属部と、
を備え、
前記ポートは、前記付属部に配置され、
前記切り替え用スイッチは、前記付属部に配置されている、無線中継装置。
【0013】
このような構成により、ポートと切り替え用スイッチとがいずれも付属部に配置されているので、ユーザは、ネットワークケーブルの接続先を変更した際に、併せて切り替え用スイッチを用いてポートの機能を切り替える作業を行い易い。換言すると、ユーザは、ネットワークケーブルの一端をポートに接続した際に、切り替え用スイッチを用いた作業を忘れずに行うことができる。加えて、切り替え用インタフェースを付属部に配置するので、本体部を小型化して持ち運び易く構成できる。
【0014】
[適用例4]適用例2または適用例3に記載の無線中継装置において、さらに、
前記外部ネットワークに所属し、所定の無線通信ネットワークにおける無線通信を行う外部ネットワーク側無線通信インタフェースを備え、
前記第2の動作モードは、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントが出力するパケットを受信して、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して転送し、また、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信するパケットを、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントに転送する動作モードである、無線中継装置。
【0015】
このような構成により、ネットワークケーブルの一端をポートに接続し、他端をクライアントに接続し、切り替え用スイッチを用いてポートの機能を内部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、クライアントと無線中継装置との間を有線接続させ、無線中継装置と所定の無線通信ネットワークとの間を無線接続させることができる。したがって、例えば、クライアントが所定の無線通信ネットワーク用のインタフェースを備えていない構成においても、クライアントと所定の無線通信ネットワークとの間の通信を実現させることができる。
【0016】
[適用例5]適用例4に記載の無線中継装置において、さらに、
前記本体部が前記付属部に接続されているか否かを判定する判定部を備え、
前記パケット転送処理部は、前記本体部が前記付属部に接続されていない場合には、切り替え用スイッチによる前記ポートの機能の切り替え状態に関わらず、前記クライアントが出力するパケットを前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信して、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して転送し、また、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信するパケットを、前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して前記クライアントに転送する第3の動作モードで動作する、無線中継装置。
【0017】
このような構成により、本体部が付属部から外された場合には、クライアントと無線中継装置との間を無線接続させ、かつ、無線中継装置と所定の無線通信ネットワークとの間を無線接続させることができる。したがって、本体部が付属部に接続されている場合には、無線中継装置と外部ネットワークとの間を有線接続し、本体部が付属部から外された場合には、無線中継装置と外部ネットワーク(すなわち、所定の無線通信ネットワーク)との間を無線接続させることができる。それゆえ、本体部と外部ネットワークとの間を有線接続させることによって安定した通信を可能とし、また、ユーザが本体部を付属部から取り外して外出した場合であっても、外出先が所定の無線通信ネットワークのエリアである場合には、クライアントと外部ネットワークとの間の通信を実現させることができる。このように、本体部の利用シーンに応じて自動的に接続態様を変更できるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0018】
[適用例6]適用例4または適用例5に記載の無線中継装置において、
前記所定の無線通信ネットワークは、公衆無線LANまたは移動体通信網である、無線中継装置。
【0019】
このような構成により、無線中継装置に有線接続されたクライアントや、無線中継装置に無線接続されたクライアントを、公衆無線LANまたは移動体通信網に接続させることができる。
【0020】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、無線中継装置、無線中継装置を含む無線通信システム、これらの装置またはシステムの制御方法、これらの方法、装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】無線中継装置の正面および背面の外観構成を示す説明図である。
【図2】無線中継装置の側面の外観構成を示す説明図である。
【図3】無線中継装置の平面(天面)の外観構成を示す説明図である。
【図4】無線中継装置の内部構成を示す説明図である。
【図5】本実施例の無線中継装置による無線通信の際の第1の接続態様を示す説明図である。
【図6】本実施例の無線中継装置による無線通信の際の第2〜4の接続態様を示す説明図である。
【図7】本実施例の動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図5に示す第1の接続態様において転送処理部が第1動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【図9】図6上段に示す第2の接続態様において転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【図10】図6中段に示す第3の接続態様において転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【図11】図6下段に示す第4の接続態様において転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【図12】第2実施例の無線中継装置による無線通信の際の第5の接続態様を示す説明図である。
【図13】第2実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図12に示す第5の接続態様において転送処理部が第3動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.第1実施例:
A1.装置構成:
図1〜4は、本発明の一実施例としての無線中継装置10の構成を概略的に示す説明図である。図1(a)および(b)には、無線中継装置10の正面および背面の外観構成を示しており、図2(a)および(b)には、無線中継装置10の一方および他方の側面の外観構成を示しており、図3(a)には、無線中継装置10の平面(天面)の外観構成を示しており、図3(b)には、無線中継装置10のクレードル200の平面(天面)の外観構成を示している。また、図4には、無線中継装置10の内部構成を示している。
【0023】
本実施例の無線中継装置10は、互いに着脱自在に接続可能な本体100とクレードル200とを備えている。本体100は、小型軽量の可搬型装置であり、単独で無線中継装置として機能する。クレードル200は、本体100と接続されたときに、本体100に各種機能を提供する。また、クレードル200は、本体100を載置するためのスタンドとしても機能する。
【0024】
クレードル200は、図1(b)、図3(b)および図4に示すように、例えばIEEE802.3/3uに準拠したポート220と、切り替えスイッチ230と、本体100との接続のための本体接続インタフェース(I/F)280と、所定のネットワークプロトコル(例えばイーサネット(登録商標))に従いポート220を介したデータ伝送を制御するLAN制御回路210と、を含んでいる。
【0025】
切り替えスイッチ230は、いわゆるスライドスイッチであり、ポート220の近傍に配置されている。スイッチ230は、「Internet」の状態と「Lan」の状態とのいずれか一方に手動で切り換えられる。図4の例では、切り替えスイッチ230は、「Internet」の状態に設定されている。この切り替えスイッチ230は、後述する転送処理部121の動作モードを切り替えるためのスイッチである。なお、転送処理部121の動作モードの切り替えについては、後述する。
【0026】
本体接続インタフェース280は、USBデバイスコントローラとしての機能を有しており、クレードル200が本体100と接続されているとき、USB規格に則って本体100との間での情報のやり取りを行う。
【0027】
本体100は、図4に示すように、CPU120と、ROM171と、RAM172と、USBデバイスを接続するためのUSBデバイスインタフェース(I/F)173と、無線LAN制御回路174と、無線WAN制御回路175と、移動体通信制御回路176と、クレードル200との接続のためのクレードル接続インタフェース(I/F)180と、を含んでいる。
【0028】
無線LAN制御回路(「無線LANインタフェース」とも呼ばれる)174は、変調器やアンプ、アンテナを含み、例えばIEEE802.11b/gに準拠した無線LANのアクセスポイントとして、無線LANのクライアント(例えばパーソナルコンピューターやゲーム機)と無線通信を行う。無線WAN制御回路(「無線WANインタフェース」とも呼ばれる)175は、同様に、変調器やアンプ、アンテナを含み、例えばIEEE802.11a/b/gに準拠した無線LANのクライアントとして、無線LANのアクセスポイント(例えば公衆無線LAN)と無線通信を行う。移動体通信制御回路(「移動体通信インタフェース」とも呼ばれる)176は、同様に、変調器やアンプ、アンテナを含み、例えば3G/HSPAに準拠した移動体通信の端末として、移動体通信網の基地局と無線通信を行う。このように、本実施例の本体100は、それぞれが互いに異なる無線通信ネットワークにおける無線通信を行う複数の無線通信インタフェースを含んでいる。
【0029】
クレードル接続インタフェース180は、USBホストコントローラとしての機能を有しており、本体100がクレードル200と接続されているとき、USB規格に則ってクレードル200との間での情報のやり取りを行う。また、クレードル接続インタフェース180は、本体100がクレードル200と接続されているとき、本体接続インタフェース280を介してクレードルから供給される電力を、本体100側の図示しないバッテリに受け渡す。
【0030】
CPU120は、ROM171に格納されているファームウェアやコンピュータープログラムをRAM172に展開して実行することにより、無線中継装置10の各部を制御すると共に、転送処理部121と、転送制御部122と、切替監視部123と、PPPoE処理部124と、設定部125と、接続監視部126として機能する。
【0031】
転送処理部121は、ルータ機能部121rと、ブリッジ機能部121bとを有しており、各無線通信インタフェース(無線LAN制御回路174、無線WAN制御回路175、移動体通信制御回路176)及びクレードル200が有するポート220を介したパケット(レイヤ3パケット及びレイヤ2フレーム)の転送を行う。転送制御部122は、転送処理部121を制御する。
【0032】
切替監視部123は、切り替えスイッチ230の切り替え状態を監視する。具体的には、例えば、切り替えスイッチ230とCPU120のGPIO(General Purpose Input/Output)ポートとを図示しない制御線により接続し、かかる制御線を介してCPU120に入力される割り込み信号により、スイッチ230の切り替え状態を監視することができる。
【0033】
PPPoE処理部124は、IETF(Internet Engineering Task Force)により標準化されたPPPoE(PPP over Ethernet)に従って、ユーザ認証等を行うためにIP(Internet Protocol)パケットをカプセル化する。
【0034】
設定部125は、本体100に設定すべき各種パラメータを設定する。各種パラメータとしては、例えば、IPアドレスや、SSID(Service Set Identifier)や、WEP(Wired Equivalent Privacy)キーや、インターネット接続の契約に関する情報(ユーザ名やパスワード)などがある。
【0035】
接続監視部126は、本体100がクレードル200に接続されているか否かを監視する機能部である。この監視は、例えば、クレードル接続インタフェース180とクレードル接続インタフェース180との間における通電の有無により監視することができる。
【0036】
前述のクレードル200は、請求項における付属部に相当する。また、転送処理部121は請求項におけるパケット転送処理部に、無線LAN制御回路174は請求項における内部ネットワーク側無線通信インタフェースに、無線WAN制御回路175及び移動体通信制御回路176は請求項における外部ネットワーク側無線通信インタフェースに、転送制御部122及び接続監視部126は請求項における判定部に、それぞれ相当する。
【0037】
A2.接続態様:
図5は、本実施例の無線中継装置による無線通信の際の第1の接続態様を示す説明図である。図6は、本実施例の無線中継装置による無線通信の際の第2〜4の接続態様を示す説明図である。図6において、上段は第2の接続態様を、中段は第3の接続態様を、下段は第4の接続態様を、それぞれ示す。
【0038】
図5に示すように、第1の接続態様では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端が例えばFTTHやDSLのモデムと接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」である。第1の接続態様では、無線中継装置10は、無線LANのクライアントCL1に対するアクセスポイントとして、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1と無線通信を行う。この接続態様では、クライアントCL1は、無線中継装置10およびモデムを介して、インターネットにアクセス可能である。
【0039】
第1の接続態様では、クライアントCL1が所属するネットワーク(内部ネットワーク)は、無線LAN区間を含むセグメントである。また、クライアントCL1が所属しないネットワーク(外部ネットワーク)は、ポート220を含む有線LANの所属するセグメントである。
【0040】
図6上段に示すように、第2の接続態様では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端がクライアントCL1と接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である。第2の接続態様では、無線中継装置10は、有線LANのクライアントLC1に対するブリッジとして、クライアントCL1との間において有線通信を行う。この接続態様では、クライアントCL1は、無線中継装置10との間においてデータのやりとりが可能である。したがって、例えば、クライアントCL1を操作して、本体100に各種パラメータを設定する場合に、第2の接続態様が選択され得る。第2の接続態様では、内部ネットワークは、ポート220を含む有線LANの所属するセグメントである。
【0041】
図6中段に示すように、第3の接続態様では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端がクライアントCL1と接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である。また、第3の接続態様では、無線中継装置10は、公衆無線LANに対するクライアントとして機能する。この接続態様では、クライアントCL1は、無線通信用インタフェースを有していなくても、無線中継装置10および公衆無線LANを介して、インターネットにアクセス可能である。第3の接続態様では、内部ネットワークは、ポート220を含む有線LANの所属するセグメントである。また、外部ネットワークは、無線LAN区間を含むセグメントである。
【0042】
図6下段に示すように、第4の接続態様では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端がクライアントCL1と接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である。また、第4の接続態様では、無線中継装置10は、移動体通信端末として、移動体通信基地局を介した無線通信(移動体通信)を行うことができる。この接続態様では、クライアントCL1は、無線通信用インタフェースを有していなくても、無線中継装置10および移動体通信基地局を介して、インターネットにアクセス可能である。第4の接続態様では、内部ネットワークは、ポート220を含む有線LANの所属するセグメントである。また、外部ネットワークは、移動体通信区間を含むセグメントである。
【0043】
このように、ポート220は、切り替えスイッチ230が「Internet」の状態においては外部ネットワーク側(クライアントが所属しないセグメント側)のポートとして機能し、スイッチ230が「Lan」の状態においては内部ネットワーク側(クライアントが所属するセグメント側)のポートとして機能する。換言すると、切り替えスイッチ230は、ポート220の機能を、外部ネットワーク側のポートとしての機能と、内部ネットワーク側のポートとしての機能とのいずれかに切り替える。このとき、転送処理部121の動作モードは、切り替えスイッチ230の状態に応じて(すなわち、ポート220の機能に応じて)切り替わる。
【0044】
ユーザは、所望する接続態様に応じて、切り替えスイッチ230を、「Internet」の状態、または、「Lan」の状態に切り替えることができる。例えば、第1の接続態様を希望する場合には、切り替えスイッチ230を「Internet」の状態とし、第2〜4の接続態様を希望する場合には、スイッチ230を「Lan」の状態とすることができる。
【0045】
A3.動作切り替え処理:
図7は、本実施例の動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。本体100の電源がオンとなり、かつ、ポート220にLANケーブルLCaが挿入されポート220がリンクアップすると、本体100において、動作モード切り替え処理が開始される。
【0046】
転送制御部122は、接続監視部126を制御して、本体100とクレードル200とが接続されるまで待機する(ステップS105)。本体100とクレードル200とが接続されると、転送制御部122は、ROM171に格納されているイーサネットドライバプログラムを、クレードル200が有するLAN制御回路210にロードする(ステップS110)。
【0047】
転送制御部122は、切替監視部123を制御して、切り替えスイッチ230の状態が、「Internet」の状態であるか否かを判定する(ステップS115)。転送制御部122は、切り替えスイッチ230の状態が「Internet」の状態である場合には、転送処理部121の動作モードを第1動作モードに切り替え(ステップS120)、「Lan」の状態である場合には、転送処理部121の動作モードを第2動作モードに切り替える(ステップS125)。
【0048】
図8は、図5に示す第1の接続態様において、転送処理部が第1動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図8では、無線中継装置10の一部の構成要素を省略している。なお、図8に示すクライアントCL1には、予めプライベートIPアドレスが割り当てられている。
【0049】
図8に示すように、クライアントCL1(無線LANクライアント)から無線LANを介してパケット(レイヤ2フレーム)が送信されると、無線LAN制御回路174は、パケットを受信してブリッジ機能部121bに渡す。
【0050】
ブリッジ機能部121bは、受信したパケットをルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットの送信元IPアドレスを、プライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスに変換するアドレス変換処理(NATやIPマスカレード)を実行して、LAN制御回路210に渡す。このとき、PPPoE処理部124は、アドレス変換後のパケット(IPパケット)にPPPoEヘッダを付与してPPPoEフレームにカプセル化する。なお、図8では、切り替えスイッチ230の状態に応じて、ルータ機能部121rとLAN制御回路210との間の経路が切り替わることを模式的に表わすため、ルータ機能部121rとLAN制御回路210との間に切り替えスイッチ230を配置して表わしている。
【0051】
LAN制御回路210は、ルータ機能部121rから受信したパケット(PPPoEフレーム)に基づきレイヤ2フレームを生成し、かかるレイヤ2フレームを含む信号をポート220からモデム等に送信する。
【0052】
また、図8に示すように、クライアントCL1宛のデータを含む信号がモデムを介して無線中継装置10に出力されると、LAN制御回路210は、ポート220においてかかる信号を受信すると共に、パケット(レイヤ2フレーム)を組み立ててルータ機能部121rに送信する。ルータ機能部121rは、受信したレイヤ2フレームに基づきIPパケットを組み立て、宛先IPアドレスに基づいてブリッジ機能部121bにパケット(レイヤ2フレーム)を転送する。ブリッジ機能部121bは、ルータ機能部121rから受信したパケット(レイヤ2フレーム)を、無線LAN制御回路174に転送し、無線LAN制御回路174は、無線LANを介してクライアントCL1にパケットを送信する。
【0053】
このように、第1動作モードは、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1から受信したパケット(レイヤ2フレーム)を、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたモデム等のネットワーク装置に転送し、また、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたモデム等のネットワーク装置から受信したパケット(レイヤ2フレーム)を、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1に転送する動作モードである。したがって、このような第1動作モードにより、ポート220は、無線中継装置10における外部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。ここで、外部ネットワークとは、本実施例では、クライアントCL1が所属しないネットワーク(セグメント)を意味するが、換言すると、グローバルIPアドレスが付与されているネットワークを意味する。さらに換言すると、外部ネットワークとは、本実施例では、ルータ機能部121rの各ポートのうち、PPPoE処理が実行されるポートに対応付けられたネットワークを意味する。
【0054】
図9は、図6上段に示す第2の接続態様において、転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図9に示す構成は、PPPoE処理部124に代えて、設定部125を記載している点、及びポート220にクライアントCL1が接続されている点において図8と異なり、他の構成は図8と同じである。
【0055】
図9に示すように、クライアントCL1から有線LAN(LANケーブルLCa)を介して無線中継装置10宛のデータ(設定データ)を含む信号が無線中継装置10に出力されると、LAN制御回路210は、ポート220においてかかる信号を受信すると共に、パケット(レイヤ2フレーム)を組み立ててブリッジ機能部121bに送信する。ブリッジ機能部121bは、レイヤ2フレームの宛先MAC(Media Access Control)アドレスが、自らのMACアドレスであるので、受信したパケットを、ルータ機能部121rやブリッジ機能部121bの他のポートに転送せず、受信したパケットからデータを抽出して設定部125に送信する。設定部125は、受信したデータに基づき、各種パラメータを設定する。
【0056】
また、図9に示すように、クライアントCL1から各種設定データの問い合わせがあった場合、設定部125は、設定データを含むパケット(レイヤ2フレーム)をブリッジ機能部121bに送信する。ブリッジ機能部121bは、受信したパケットをLAN制御回路210に転送し、LAN制御回路210は、ブリッジ機能部121bから受信したパケットを含む信号を、ポート220からLANケーブルLCaを介してクライアントCL1に送信する。
【0057】
このように、第2の接続態様における第2動作モードは、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1から送信されるパケット(レイヤ2フレーム)を受信し、また、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1にパケット(レイヤ2フレーム)を送信する動作モードである。したがって、このような第2動作モードにより、ポート220は、無線中継装置10における内部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。ここで、内部ネットワークとは、本実施例では、クライアントCL1が所属するネットワーク(セグメント)を意味するが、換言すると、クライアントCL1と同様にプライベートIPアドレスが付与されているネットワークを意味する。
【0058】
図10は、図6中段に示す第3の接続態様において、転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図10は、設定部125を省略している点において図9と異なり、他の構成は図9と同じである。
【0059】
図10に示すように、クライアントCL1から有線LAN(LANケーブルLCa)を介してインターネット接続された装置(端末やサーバ)宛のデータを含む信号が無線中継装置10に送信されると、LAN制御回路210は、ポート220においてかかる信号を受信すると共に、パケット(レイヤ2フレーム)を組み立ててブリッジ機能部121bに転送する。ブリッジ機能部121bは、レイヤ2フレームの宛先MACアドレスが、自らのMACアドレスではないので、受信したパケットをルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットを無線WAN制御回路175に転送し、無線WAN制御回路175は、無線LANクライアントとして、公衆無線LANの図示しないアクセスポイントに対して、パケット(レイヤ2フレーム)を送信する。
【0060】
また、図10に示すように、公衆無線LANからクライアントCL1宛のパケット(レイヤ2フレーム)が出力されると、無線WAN制御回路175は、かかるパケットを受信すると共に、ルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットをブリッジ機能部121bに転送し、ブリッジ機能部121bは、ルータ機能部121rから受信したパケットを含む信号を、ポート220からLANケーブルLCaを介してクライアントCL1に送信する。
【0061】
このように、第3の接続態様における第2動作モードは、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1から出力されるパケット(レイヤ2フレーム)を、無線WAN制御回路175を介して転送し、また、無線WAN制御回路175を介して受信するパケットを、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1に転送する動作モードである。このような第2動作モードにより、ポート220は、第2の接続態様(図9)と同様に、無線中継装置10における内部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。
【0062】
図11は、図6下段に示す第4の接続態様において、転送処理部が第2動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図11に示す構成は、図10と同じである。また、図11におけるパケット転送経路は、ルータ機能部121rと無線WAN制御回路175との間の転送経路に代えて、ルータ機能部121rと移動体通信制御回路176との間の転送経路を採用する点において、図10におけるパケット転送経路と異なり、他の経路は図10と同じである。
【0063】
このように、第4の接続形態における第2動作モードは、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1から出力されるパケット(レイヤ2フレーム)を、移動体通信制御回路176を介して転送し、また、移動体通信制御回路176を介して受信するパケットを、LANケーブルLCaを介してポート220に接続されたクライアントCL1に転送する動作モードである。このような第2動作モードにより、ポート220は、第2の接続態様(図9)及び第3の接続態様(図10)と同様に、無線中継装置10における内部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。
【0064】
前述の図10に示す第3の接続態様及び図11に示す第4の接続態様では、ポート220で受信した信号に基づくパケットは、図8に示す第1の接続態様とは異なり、LAN制御回路210からブリッジ機能部121bに転送されている。これは以下の理由による。第3,4の接続態様において、LAN制御回路210からルータ機能部121rにパケットを転送する構成を採用した場合、ユーザ側のネットワーク(セグメント)は2つ存在することとなる。具体的には、図8に示す第1の接続態様においてクライアントCL1が所属するセグメントと、図10,11に示す第3,4の接続態様においてクライアントCL1が所属するセグメントとの2つのセグメントが存在することとなる。この場合、それぞれのセグメントについて、各種パラメータを無線中継装置10やクライアントCL1に設定しなければならず、ユーザに大きな負担を強いることとなる。そこで、本実施例では、ポート220が内部ネットワーク側のポートとして機能する場合には、LAN制御回路210からブリッジ機能部121bにパケットを転送することにより、ユーザ側のネットワーク(セグメント)を1つにして、ユーザの利便性を向上させている。
【0065】
以上説明したように、本実施例の無線中継装置10では、切り替えスイッチ230の状態により、ポート220を、外部ネットワーク側のポート又は内部ネットワーク側のポートとして機能させる。したがって、ポート220を、外部ネットワーク側のポート及び内部ネットワーク側のポートのいずれとしても使用することができる。ポート220を内部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、無線中継装置10とクライアントCL1とを有線接続させることができる。それゆえ、無線中継装置10への各種パラメータの設定を、無線中継装置10に有線接続されたクライアントCL1から行うことを可能とするので、ユーザの利便性を向上させることができる。また、クライアントCL1と無線中継装置10とを有線接続させて、クライアントを公衆無線LANや移動体通信網に接続させることができる。したがって、有線LANインタフェースのみしか有さず、無線通信インタフェースを有さないクライアントを、公衆無線LANや移動体通信網を介してインターネット接続させることができる。
【0066】
また、ポート220を外部ネットワーク側のポートとして機能させることにより、無線中継装置10とモデム等とを有線接続させることができる。したがって、クライアントCL1が無線LANクライアントである場合には、無線中継装置10を無線LANアクセスポイントとして機能させることができる。このように、1つのポート220を内部ネットワーク側のポート又は外部ネットワーク側のポートとして切り替えて機能させることができるので、内部ネットワーク側のポート(物理ポート)と外部ネットワーク側のポート(物理ポート)とを、それぞれ配置する構成に比べて、装置サイズを小さくすることができる。また、複数のポートを制御せずに済むため、LAN制御回路210として安価な回路を用いることができ、無線中継装置10の製造コストの上昇を抑制できる。
【0067】
また、切り替えスイッチ230をポート220と共にクレードル200に配置しているので、ユーザが接続態様を変更するためにLANケーブルLCaの配線作業を行った際に、併せて切り替えスイッチ230の状態を変更する作業を行い易い。換言すると、ユーザは、LANケーブルLCaの一端をクレードル200(ポート220)に接続した際に、切り替えスイッチ230の状態を忘れずに変更することができる。また、切り替えスイッチ230やポート220をクレードル200に配置しているので、本体100の小型化及び軽量化を実現できる。
【0068】
B.第2実施例:
図12は、第2実施例の無線中継装置による無線通信の際の第5の接続態様を示す説明図である。第2実施例の無線中継装置は、第1〜4の接続態様に加えて、第5の接続態様を許容する点において、第1の実施例の無線中継装置10と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
【0069】
図12に示すように、第5の接続態様では、本体100がクレードル200から外されている。このとき、クレードル200のポート220には、いずれの装置も接続されていない。また、切り替えスイッチ230は、「Internet」の状態となっている。第5の接続態様では、無線中継装置10は、無線LANのクライアントCL1に対するアクセスポイントとして、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1と無線通信を行う。また、無線中継装置10は、公衆無線LANに対するクライアントとして、無線WAN制御回路175を介して公衆無線LANと無線通信を行う。この接続態様では、クライアントCL1は、無線中継装置10および公衆無線LANを介して、インターネットにアクセス可能である。
【0070】
図13は、第2実施例における動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。第2の実施例における動作モード切り替え処理は、ステップS130を追加して実行する点において、図7に示す第1実施例の動作モード切り替え処理の手順と異なり、他の処理は、第1実施例と同じである。
【0071】
転送制御部122は、接続監視部126を制御して、本体100とクレードル200とが接続されているか否かを判定し(ステップS105)、本体100とクレードル200とが接続されていると判定された場合には(ステップS105:YES)、前述のステップS110〜S125の処理が実行される。ステップS105において、本体100とクレードル200とが接続されていないと判定された場合には(ステップS105:NO)、転送制御部122は、転送処理部121の動作モードを第3動作モードに切り替える(ステップS130)。
【0072】
図14は、図12に示す第5の接続態様において、転送処理部が第3動作モードで動作する際のパケットの転送経路を模式的に示す説明図である。図14に示すように、クライアントCL1(無線LANクライアント)から無線LANを介してパケット(レイヤ2フレーム)が送信されると、無線LAN制御回路174は、受信したパケットをブリッジ機能部121bに渡す。
【0073】
ブリッジ機能部121bは、受信したパケットをルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットを無線WAN制御回路175に転送し、無線WAN制御回路175は、無線LANクライアントとして、公衆無線LANの図示しないアクセスポイントに対して、パケット(レイヤ2フレーム)を送信する。
【0074】
また、図14に示すように、公衆無線LANからクライアントCL1宛のパケット(レイヤ2フレーム)が無線中継装置10に出力されると、無線WAN制御回路175は、かかるパケットを受信すると共に、ルータ機能部121rに転送する。ルータ機能部121rは、受信したパケットをブリッジ機能部121bに転送する。ブリッジ機能部121bは、ルータ機能部121rから受信したパケットを、無線LAN制御回路174に転送し、無線LAN制御回路174は、無線LANを介してクライアントCL1にパケット(レイヤ2フレーム)を送信する。
【0075】
このように、第3動作モードは、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1から受信するパケットを、無線WAN制御回路175を介して転送し、また、無線WAN制御回路175を介して受信するパケットを、無線LAN制御回路174を介してクライアントCL1に転送する動作モードである。したがって、このような第3動作モードにより、LALポート220は、無線中継装置10における内部ネットワーク側のポートとして機能することとなる。
【0076】
ここで、図12に示すように、切り替えスイッチ230は、「Internet」の状態となっており、ポート220は、LANケーブルLCaを介してモデムに接続されている。したがって、本体100がクレードル200と接続されている場合には、第1の接続態様となり、本体100がクレードル200から外された場合には、第5の接続態様となる。換言すると、本体100がクレードル200と接続されている場合には、外部ネットワークは、ポート220と有線接続されたモデムが所属するネットワーク(セグメント)であり、本体100がクレードル200から外された場合には、外部ネットワークは、無線WAN制御回路175が所属するネットワーク(セグメント)となる。すなわち、第2実施例では、本体100とクレードル200との接続状態に応じて、内部ネットワークと接続される外部ネットワークが切り替わる。
【0077】
以上の構成を有する第2実施例の無線中継装置は、第1実施例の無線中継装置10と同様な効果を有する。加えて、本体100とクレードル200との接続状態を監視し、本体100がクレードル200から外された場合には、内部ネットワークを無線WAN制御回路175の属するネットワーク(セグメント)と接続させる。したがって、本体100がクレードル200に接続されている場合には、第1の接続態様でクライアントCL1をインターネット接続させ、本体100がクレードル200から外された場合には、第5の接続態様でクライアントCL1をインターネット接続させることができる。これにより、ユーザは、例えば、自宅では、第1の接続態様でクライアントCL1をインターネット接続させて信頼性及び速度のより高い通信を実現でき、また、本体100をクレードル200から取り外して携帯し、外出先(駅やレストラン等)において、第5の接続態様でクライアントCL1をインターネット接続させることができる。それゆえ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0078】
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0079】
C1.変形例1:
各実施例における無線中継装置10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施例では、本体100のクレードル接続インタフェース180とクレードル200の本体接続インタフェース280とが、USB規格に則って情報のやり取りを行うとしているが、本体100とクレードル200との間の情報のやり取りはUSB以外の規格に則って行われるとしてもよい。
【0080】
また、上記実施例において、無線LAN制御回路174や無線WAN制御回路175は、IEEE802.11a/b/g/nに準拠した無線LANに限らず、将来的に利用可能となる無線LAN一般により無線通信を行う無線通信インタフェースであるとしてもよい。また、移動体通信制御回路176は、3G/HSPAに準拠した移動体通信に限らず、例えばLTEや次世代モバイルWiMAX(IEEE802.16m)、次世代PHS(XGP:eXtended Global Platform)といった将来的に利用可能となる移動体通信一般により無線通信を行う無線通信インタフェースであるとしてもよい。
【0081】
また、上記実施例では、本体100が無線LAN制御回路174と無線WAN制御回路175と移動体通信制御回路176との3種類の無線通信インタフェースを含むとしているが、本体100が3種類の無線通信インタフェースの内の1種類あるいは2種類のみを含むとしてもよいし、本体100が4種類以上の無線通信インタフェースを含むとしてもよい。あるいは、本体100が同じ種類の無線通信インタフェースを複数含むとしてもよい。また、本発明は、無線LANや移動体通信に限らず、所定の無線通信ネットワークにおける無線通信一般に適用することができる。
【0082】
また、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0083】
C2.変形例2:
各実施例では、クレードル200が備えるポート220は1つであったが、これに代えて、複数備える構成を採用することができる。例えば、ポート220を2つ備え、各ポートごとに対応する切り替えスイッチ230を備える構成とすることもできる。また、例えば、ポート220を2つ備え、一方のポート220は、外部ネットワーク側のポート専用とし、他方のポート220は各実施例のポートと同様に、内部ネットワーク側のポートと外部ネットワーク側のポートとで機能を切り替えるポートとすることもできる。
【0084】
C3.変形例3:
第1実施例では、本体100がクレードル200に接続され、クレードル200のポート220に、一端がクライアントCL1と接続されたLANケーブルLCaの他端が接続され、切り替えスイッチ230の状態が「Lan」である条件下では、第2〜第4の接続態様のいずれも実現可能であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、このような条件下では、第2の接続態様のみが実現される構成を採用することができる。この構成においては、本体100から無線WAN制御回路175及び移動体通信制御回路176を省略することができる。
【0085】
C4.変形例4:
第1実施例では、本体100とクレードル200とは互いに着脱可能であったが、これに代えて、本体100とクレードル200とを一体化することもできる。この構成においては、本体100とクレードル200とが一体化された装置が、請求項における無線中継装置に相当する。
【0086】
C5.変形例5:
各実施例では、切り替えスイッチ230は、クレードル200に配置されていたが、クレードル200に代えて、本体100が備える構成とすることもできる。この構成では、切り替えスイッチ230の状態をCPU120に通知するための制御線を、本体100とクレードル200との間に配置することを要さないので、クレードル接続インタフェース180及び本体接続インタフェース280の構成をシンプルにすることができる。
【0087】
C6.変形例6:
各実施例において、切り替えスイッチ230は、スライドスイッチであったが、本発明はこれに限定されるものではない。スライドスイッチに代えて、押しボタンスイッチやロータリースイッチなど、任意の物理的なスイッチを採用することもできる。また、このような物理的なスイッチに代えて、論理的なスイッチを採用することもできる。具体的には、例えば、本体100またはクレードル200に表示部及び操作パネルを配置し、かかる操作パネルを操作して表示部に表示されるメニューを選択することにより、ポート220の機能を切り替える構成を採用することもできる。また、例えば、無線中継装置10に接続されているクライアントCL1において、切り替え用プログラムを起動し、かかるプログラムにより提供されるGUI(Graphical User Interface)を利用して、ポート220の機能を切り替える構成を採用することもできる。すなわち、一般には、ポートの機能を、外部ネットワーク側のポートとしての機能及び内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための任意の切り替え用スイッチを、本発明の無線中継装置に採用することができる。
【0088】
C7.変形例7:
各実施例では、転送処理部121が第2動作モードで動作している場合には、図9〜11に示すように、ポート220で受信した信号に基づくパケットは、LAN制御回路210からブリッジ機能部121bに転送されているが、本発明はこれに限定されるものではない。転送処理部121が第2動作モードで動作している場合も、図8に示す第1動作モードで動作する場合と同様に、LAN制御回路210からルータ機能部121rにパケットを転送する構成を採用することができる。
【0089】
C8.変形例8:
各実施例では、第2〜4の接続態様において、クライアントCL1は、LANケーブルLCaを介してクレードル200のポート220に直接接続されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、クライアントCL1とポート220との間にブリッジ(例えば、レイヤ2スイッチ)や、リピータ(例えば、リピータハブ)を配置し、ブリッジ又はリピータを介して、クライアントCL1とポート220とを接続する構成を採用することができる。このような構成においても、クライアントCL1と無線中継装置10(LAN制御回路210)とは、互いに同じセグメントに所属することとなる。なお、かかるセグメントは、請求項における内部ネットワークに相当する。
【0090】
C9.変形例9:
第2実施例では、第5の接続態様において、無線中継装置10は、公衆無線LANに対するクライアントとして、無線WAN制御回路175を介して公衆無線LANと無線通信を行っていたが、これに代えて、移動体通信基地局に対する通信端末として、移動体通信制御回路176を介して移動体通信基地局と無線通信を行うこともできる。
【0091】
C10.変形例10:
各実施例の第1の接続態様では、無線中継装置10においてプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスとの変換を行っていたが、アドレス変換を行わない構成とすることもできる。例えば、クライアントCL1にグローバルIPアドレスが割り当てられている場合や、外部ネットワークが、無線LANとは異なるセグメントであってプライベートIPアドレスが割り当てられたネットワーク(LAN)である場合には、アドレス変換を行わないこともできる。また、外部ネットワークが無線LANとは異なるセグメントであってプライベートIPアドレスが割り当てられたネットワーク(LAN)である場合には、無線中継装置10におけるPPPoEの処理も省略することができる。以上の実施例及び変形例からも理解できるように、本発明の無線中継装置において、内部ネットワークとは、少なくともクライアントが所属するネットワークを意味し、外部ネットワークとは、少なくともクライアントが所属しないネットワークを意味する。
【符号の説明】
【0092】
10…無線中継装置
100…本体
120…CPU
121…転送処理部
121b…ブリッジ機能部
121r…ルータ機能部
122…転送制御部
123…切替監視部
124…PPPoE処理部
125…設定部
126…接続監視部
171…ROM
172…RAM
173…USBデバイスインタフェース
174…無線LAN制御回路
175…無線WAN制御回路
176…移動体通信制御回路
180…クレードル接続インタフェース
200…クレードル
210…LAN制御回路
220…ポート
230…切り替えスイッチ
280…本体接続インタフェース
LCa…LANケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントが所属する内部ネットワークと前記クライアントが所属しない外部ネットワークとのいずれにも所属する無線中継装置であって、
ネットワークケーブルを接続するためのポートと、
前記ポートの機能を、前記外部ネットワーク側のポートとしての機能及び前記内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための切り替え用スイッチと、
を備える無線中継装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線中継装置において、さらに、
前記内部ネットワークに所属し、前記クライアントとの間において無線通信を行う内部ネットワーク側無線通信インタフェースと、
パケット転送処理部であって、
前記ポートが前記外部ネットワーク側のポートとして機能する場合に、前記クライアントが出力するパケットを前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信して、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記外部ネットワークに所属するネットワーク装置に転送し、また、前記ネットワーク装置が出力するパケットを前記ネットワークケーブルを介して受信して、前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して前記クライアントに転送する第1の動作モードで動作し、
前記ポートが前記内部ネットワーク側のポートとして機能する場合に、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントが出力するパケットを受信し、また、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントにパケットを出力する第2の動作モードで動作する、パケット転送処理部と、
を備える、無線中継装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、さらに、
本体部と、
前記本体部に着脱自在に接続可能な付属部と、
を備え、
前記ポートは、前記付属部に配置され、
前記切り替え用スイッチは、前記付属部に配置されている、無線中継装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の無線中継装置において、さらに、
前記外部ネットワークに所属し、所定の無線通信ネットワークにおける無線通信を行う外部ネットワーク側無線通信インタフェースを備え、
前記第2の動作モードは、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントが出力するパケットを受信して、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して転送し、また、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信するパケットを、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントに転送する動作モードである、無線中継装置。
【請求項5】
請求項4に記載の無線中継装置において、さらに、
前記本体部が前記付属部に接続されているか否かを判定する判定部を備え、
前記パケット転送処理部は、前記本体部が前記付属部に接続されていない場合には、切り替え用スイッチによる前記ポートの機能の切り替え状態に関わらず、前記クライアントが出力するパケットを前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信して、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して転送し、また、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信するパケットを、前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して前記クライアントに転送する第3の動作モードで動作する、無線中継装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の無線中継装置において、
前記所定の無線通信ネットワークは、公衆無線LANまたは移動体通信網である、無線中継装置。
【請求項1】
クライアントが所属する内部ネットワークと前記クライアントが所属しない外部ネットワークとのいずれにも所属する無線中継装置であって、
ネットワークケーブルを接続するためのポートと、
前記ポートの機能を、前記外部ネットワーク側のポートとしての機能及び前記内部ネットワーク側のポートとしての機能のいずれかの機能に切り替えるための切り替え用スイッチと、
を備える無線中継装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線中継装置において、さらに、
前記内部ネットワークに所属し、前記クライアントとの間において無線通信を行う内部ネットワーク側無線通信インタフェースと、
パケット転送処理部であって、
前記ポートが前記外部ネットワーク側のポートとして機能する場合に、前記クライアントが出力するパケットを前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信して、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記外部ネットワークに所属するネットワーク装置に転送し、また、前記ネットワーク装置が出力するパケットを前記ネットワークケーブルを介して受信して、前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して前記クライアントに転送する第1の動作モードで動作し、
前記ポートが前記内部ネットワーク側のポートとして機能する場合に、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントが出力するパケットを受信し、また、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントにパケットを出力する第2の動作モードで動作する、パケット転送処理部と、
を備える、無線中継装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、さらに、
本体部と、
前記本体部に着脱自在に接続可能な付属部と、
を備え、
前記ポートは、前記付属部に配置され、
前記切り替え用スイッチは、前記付属部に配置されている、無線中継装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の無線中継装置において、さらに、
前記外部ネットワークに所属し、所定の無線通信ネットワークにおける無線通信を行う外部ネットワーク側無線通信インタフェースを備え、
前記第2の動作モードは、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントが出力するパケットを受信して、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して転送し、また、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信するパケットを、前記ネットワークケーブルを介して前記ポートに接続された前記クライアントに転送する動作モードである、無線中継装置。
【請求項5】
請求項4に記載の無線中継装置において、さらに、
前記本体部が前記付属部に接続されているか否かを判定する判定部を備え、
前記パケット転送処理部は、前記本体部が前記付属部に接続されていない場合には、切り替え用スイッチによる前記ポートの機能の切り替え状態に関わらず、前記クライアントが出力するパケットを前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信して、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して転送し、また、前記外部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して受信するパケットを、前記内部ネットワーク側無線通信インタフェースを介して前記クライアントに転送する第3の動作モードで動作する、無線中継装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の無線中継装置において、
前記所定の無線通信ネットワークは、公衆無線LANまたは移動体通信網である、無線中継装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−244051(P2011−244051A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111781(P2010−111781)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】
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