説明

無線伝送におけるパイロットサブキャリア

集積回路が、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルのサブキャリアの第1の組内に(604)、及び後続OFDMシンボルのサブキャリアの第2の組内に、パイロット信号を符号化するように構成されるロジックを含む。シンボル及び後続シンボルは同一スマートユーティリティネットワークパケット内にある(606)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信ネットワーク等に関し、特に、無線伝送におけるパイロットサブキャリアに関連するシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)は比較的短距離での情報伝達に用いられる。無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)とは異なり、WPANはインフラをほとんど或いはまったく必要とせず、WPANにより、広範な課題に対して、小型で、電力効率がよく、且つ安価な解決策を実現することが可能となる。スマートユーティリティネットワーク(SUN)は、公共料金メータ情報が1つのユーティリティメータから他のユーティリティメータに送られるメッシュネットワーク内のような短い距離で、或いは公共料金メータ情報がポールトップの回収ポイントに送られるスタートポロジ内のような一層長い距離で動作しうる。用語WPAN及びSUNは本明細書中では交換可能に用いられる。
【発明の概要】
【0003】
集積回路が、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルのサブキャリアの第1の組内に、及び後続OFDMシンボルの、第1の組とは異なりうる、サブキャリアの第2の組内にパイロット信号を符号化するように構成されたロジックを含む。シンボル及び後続シンボルは、同一スマートユーティリティネットワークパケット内にある。
【0004】
方法が、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルのサブキャリアの第1の組内にパイロット信号を符号化することを含む。この方法は後続OFDMシンボルの、前記第1の組とは異なる、サブキャリアの第2の組内にパイロット信号を符号化することを更に含む。シンボル及び後続シンボルは、同一のスマートユーティリティネットワークパケット内にある。
【0005】
機械可読記憶媒体が、実行可能な命令を含み、命令は、実行されると、1つ又はそれ以上のプロセッサに、OFDMシンボルのサブキャリアの第1の組の内に、及び後続OFDMシンボルの、前記第1の組とは異なりうる、サブキャリアの第2の組内に、パイロット信号を符号化させる。シンボル及び後続シンボルは、同一スマートユーティリティネットワークパケット内にある。
【0006】
本発明の例示的な実施形態の詳細に関し以下の付属図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】少なくとも1つの例示の実施形態に係るSUNネットワークを示す。
【0008】
【図2】少なくとも1つの例示の実施形態に係るSUNネットワーク要素を示す。
【0009】
【図3】少なくとも1つの例示の実施形態に係る、繰り返され、スタガされた(staggered)パイロットサブキャリアを示す。
【0010】
【図4】少なくとも1つの例示の実施形態に係る、構成オプション1に関するスタガされたパイロットサブキャリアを示す。
【0011】
【図5】少なくとも1つの例示の実施形態に係る、オプション2及び3に関するスタガされたパイロットサブキャリアを示す。
【0012】
【図6】少なくとも1つの例示の実施形態に係る、オプション4に関するスタガされたパイロットサブキャリアを示す。
【0013】
【図7】少なくとも1つの例示の実施形態に係る、スタガされ、繰り返されたサブキャリアを示す。
【0014】
【図8】少なくとも1つの例示の実施形態に係る擬似雑音生成器を示す。
【0015】
【図9】本明細書中に記載した1つ又はそれ以上の実施形態を実現するために適切な特定の装置を示す。
【図10】少なくとも1つの例示の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明は、本発明の種々の実施形態に向けたものである。これらの実施形態の1つまたはそれ以上は好ましいものでありうるが、開示される実施形態は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲を限定するものとして解釈或いは使用されるべきではない。更に、当業者は理解するであろうが、以下の説明は広い適用範囲を有し、またいかなる実施形態の説明もその実施形態の例示を意図するに過ぎず、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がその実施形態に限定されることを暗示する意図はない。
【0017】
WPAN又は低速WPANは、電力が限られスループット要件が緩和された用途における無線接続を可能にする、シンプルな低コスト通信ネットワークである。WPANの主要な目的は、設置の容易さ、信頼性の高いデータ転送、短距離運用、非常に低いコスト、合理的な電池寿命、そしてシンプルであるがフレキシブルなプロトコルにある。WPANの幾つかの特性には:無線(over-the-air)のデータ速度が250kb/s、100kb/s、40kb/s、及び20kb/s;スター、又はピア・ツー・ピア、又はメッシュ運用;16ビットショートアドレス、又は64ビット拡張アドレスの割り当て;保証された時間スロットの任意選択的割り当て;衝突回避チャネルアクセスを備えるキャリアセンス多重アクセス;転送信頼性のための完全承認プロトコル;低い電力消費;エネルギー検出;リンク品質表示;2450MHz帯域に16チャネル、915MHz帯域に30チャネル、及び868MHz帯域に3チャネル、がある。これらの特性は必要条件ではなく、各々のWPANは多くの様式でこれらの特性から逸脱しうる。フル機能デバイス(FFD)及び限定機能デバイス(RFD)の2つの異なるデバイスタイプがWPAN内で使用されうる。FFDは、パーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータ又はデバイスとして機能しうる。FFDは、RFDや他のFFDと通信可能であり、一方RFDはFFDとのみ通信可能である。更なる情報は、http://www.ieee802.org/15/pub/TG4.htmlから入手でき、参照として本明細書に採り込まれているIEEE Std. 802.15.4−2006に見出すことができる。
【0018】
ユーティリティネットワーク又はスマートユーティリティネットワーク(SUN)は、電気、ガス、水道の使用量、及び他の同様のデータを顧客敷地からそのユーティリティ(公共事業)が運営するデータ回収ポイントへ送信するような、公共料金メータ計測の用途に使用するために特に設計された、低速(例えば、40kbps〜1Mbps)の低電力WPANである。例えば、公共料金メータは住宅地の各戸に設置され、使用量データは定期的に各公共料金メータから、WPANの要素であるデータ回収ポイントに送信される。データ回収ポイントは、ファイバー、銅線、又は無線接続により中央オフィスに接続され、そこで地域のすべての使用量データを回収する。使用量データは、それぞれスター形式又はネットワーク形式で、各公共料金メータから直接回収ポイントへ送られるか、或いは公共料金メータから公共料金メータへ送られて最終的に回収ポイントへ到達する。
【0019】
図1は、SUN100を示す。FFD104、RFD106、及びRFD108の3つのデバイスによって、データが定期的に回収ポイントFFD102に送信される。少なくとも1つの実施形態において、装置104、106、及び108は商用又は住居用建物に関するユーティリティ使用量等の任意の種類の情報を監視し記録することができる。RFD108はデータを回収ポイントFFD102に直接送信するが、RFD106はデータをFFD104に送信し、FFD104がRFD106からのデータを回収ポイントFFD102に送信する。FFD104は自己のデータも回収ポイントFFD102に送信する。少なくとも1つの実施形態において、回収ポイントFFD102はユーティリティ提供者のところにあるか、又はユーティリティ提供者によって監視される。図2はSUN100のネットワーク要素を示し、この場合はFFD104を示す。FFD104はトランシーバ198、メモリ196、及びプロセッサ194を含む。少なくとも1つの実施形態において、FFD104は特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。プロセッサ又はASICのいずれかが、関連するネットワーク要素104に関して本明細書中に記載される任意の作用を実行しうる、又はそのような作用を実行させるロジックを含みうる。具体的には、命令及びソフトウエアを実行することができる。トランシーバはネットワーク100の他の要素からの通信を送受信する。メモリはプロセッサによって操作及び実行されるべきデータ及び命令を記憶する。
【0020】
SUN100は、好ましくは要素102、104、106、及び108間の通信に直交周波数分割多重(OFDM)を用いる。OFDMは間隔が密に配置された多数の直交サブキャリアをデータ搬送に用いる信号変調技術である。データは、各サブキャリア毎に1つの、幾つかの並列データストリーム又はチャネルに分割される。各サブキャリアは4相位相偏移変調(QAM)又は2相位相偏移変調変調(BPSK)等の変調方式を用いて変調される。サブキャリアの幾つかはパイロット信号を搬送し得、これらのパイロット信号は、チャネル条件(即ち、各サブキャリアのためのイコライザ利得及び位相シフト)の測定、時間同期(シンボル間干渉(ISI)を低減するため)、及び周波数同期(キャリア間干渉(ICI)及びドップラーシフト又は拡散を低減するため)のために用いられる。用語「パイロット信号」及び「パイロット値」は本明細書中では交換可能に用いられる。具体的には、パイロット信号は既知のテスト信号及び/又は基準信号である。パイロット信号は、送信されると、未知信号と同じ雑音の影響を受ける。信号が既知であるため雑音を測定でき、その測定値を未知信号の雑音を補正に適用することができる。
【0021】
表1は、WPANネットワークにおけるOFDM伝送のための例示的な4つの構成オプションを示す。これらの構成オプションは好ましいものであるが、条件を満足する限りいかなる変数も調整可能である。
【表1】

【0022】
表1に見られるように、オプション1、2、3、及び4に関して、シンボル毎にそれぞれ8、4、2、及び2のパイロットトーン(パイロットデータとも呼ばれる)がある。各パイロットトーンは別々のサブキャリア上にありヌルトーンは使用されない。集合的に、パイロット信号を備えるサブキャリアがパイロットセットをつくる。オプション1、2、3、及び4に関してはそれぞれ13、7、7、及び4のパイロットセットがある。
【0023】
図3は、繰り返し長さが3であるオプション2のパイロットセットを示す。繰り返し長さは、任意のオプションに関して任意の正の整数とすることができる。数はOFDMシンボル1〜9に関してパイロットデータによって占有されるサブキャリアを示す。シンボル1ではパイロットセットは−20、−6、6、及び20である。理由はこれらのサブキャリアがパイロットデータを含むからである。ヌルトーンは0である。シンボル2及び3に関して同じパイロットセットが繰り返される。従ってパイロット繰り返し長さは3である。シンボル4〜6に関してはパイロットセットは−24、−11、2、及び15である。パイロットデータを含むサブキャリアが変わっているので、パイロットはスタガされたとみなされる。シンボル7〜9に関してはパイロットセットは−15、−2、11、及び24である。図3ではパイロットデータを含むサブキャリアがシンボル内に分散されている。例えば、パイロットサブキャリアは互いに隣接していない。シンボル内での分散はたとえパイロットセットがシンボル3から4に、またシンボル6から7に変わっても持続する。繰り返し長さ、スタガ量、及び分散量は、ネットワーク条件によって保証される範囲で調整することができる。例えば繰り返し長さは3から10に、または1に変えることができる。10個のシンボルの持続時間は、ドップラーシフト又は拡散が低いまたは減少しているシステムで用いることができ、1個のシンボルの持続時間はドップラーシフト又は拡散が高い又は増加しているシステムで用いることができる。
【0024】
オプション1に関して、表2に示すように13個のパイロットセットが用いられる。これらのサブキャリアには−52〜52の番号が付され、ヌルトーン(サブキャリア0)は使用されない。
【表2】

【0025】
オプション1に関して、代替アプローチでは3つのパイロットセットを使用する。代替パイロットセット1は、サブキャリア−46、−33、−19、−6、6、19、33、及び46を含む。代替パイロットセット2は、サブキャリア−50、−37、−24、−11、2、15、28、及び41を含む。代替パイロットセット3は、サブキャリア−41、−28、−15、−2、11、27、37、及び50を含む。
【0026】
図4は、部分的なSUNパケットと、パイロットセットがオプション1に関してどのように循環するのかを図示したものである。2つのロングトレーニングフィールド(LTF)セットの後の縦線は、パイロットセット1が使用される箇所を示す。次のシンボルにはパイロットセット2が使用される。後続シンボルにはパイロットセット3〜13が使用される。パイロットセット13の後の縦線は、パイロットセット1が再び使用される箇所を示す。図示されるように繰り返し長さは1である。パケット内のシンボルの数に合うようにパイロットセットは周期的に延長される。
【0027】
オプション2に関して、表3に示すように7つのパイロットセットが使用される。サブキャリアには、−26〜26の番号が付され、ヌルトーン(サブキャリア0)は使用されない。
【表3】

【0028】
オプション2に関して、代替アプローチでは3つのパイロットセットを使用する。代替パイロットセット1は、サブキャリア−20、−6、6、及び20を含む。代替パイロットセット2は、サブキャリア−24、−11、2、及び15を含む。代替パイロットセット3は、サブキャリア−15、−2、11、及び24を含む。
【0029】
図5は、部分的なSUNパケットと、パイロットセットがオプション2に関してどのように循環するかを示す。2つのLTFセットの後の縦線は、パイロットセット1が使用される箇所を示す。次のシンボルにはパイロットセット2が使用される。後続シンボルにはパイロットセット3〜7が使用される。パイロットセット7の後の縦線は、パイロットセット1が再び使用される箇所を示す。図示するように繰り返し長さは1である。
【0030】
オプション3に関して、表4に示すように7つのパイロットセットが使用される。サブキャリアには−13〜13の番号が付され、ヌルトーン(サブキャリア0)は使用されない。
【表4】

【0031】
オプション3に関して、代替的アプローチでは3つのパイロットセットを使用する。代替パイロットセット1は、サブキャリア−7及び7を含む。代替パイロットセット2は、サブキャリア−11及び2を含む。代替パイロットセット3は、サブキャリア−2及び11を含む。
【0032】
図5は更に、パイロットセットがオプション3に関してどのように循環するのかを示す。2つのLTFセットの後の縦線は、パイロットセット1が使用される箇所を示す。次のシンボルにはパイロットセット2が使用される。後続シンボルにはパイロットセット3〜7が使用される。パイロットセット7の後の縦線は、パイロットセット1が再び使用される箇所を示す。図示するように繰り返し長さは1である。
【0033】
オプション4に関して、表5に示すように4つのパイロットセットが使用される。サブキャリアには、−7〜7の番号が付され、ヌルトーン(サブキャリア0)は使用されない。
【表5】

【0034】
オプション4に関して、代替アプローチでは2つのパイロットセットを使用する。代替パイロットセット1は、サブキャリア−6及び−2を含む。代替パイロットセット2は、サブキャリア2及び6を含む。
【0035】
図6は、部分的なSUNパケットと、パイロットセットがオプション4に関してどのように循環するのかを示す。2つのLTFセットの後の縦線は、パイロットセット1が使用される箇所を示す。次のシンボルにはパイロットセット2が使用される。後続シンボルにはパイロットセット3〜4が使用される。パイロットセット4の後の縦線は、パイロットセット1が再び使用される箇所を示す。図示するように、繰り返し長さは1である。
【0036】
図7は、部分的なSUNパケットと、繰り返し長さ3を示す。2つのLTFセットの後の縦線は、パイロットセット1が使用される箇所を示す。次の2つのシンボルにはパイロットセット1が再び使用される。後続3つのシンボルにはパイロットセット2が使用される。後続3つのシンボルにはパイロットセット3が使用される。パイロットセット3を三回使用した後の縦線は、パイロットセット1が再び使用される箇所を示す。
【0037】
選択されたパイロットサブキャリアで搬送される既知の基準データは、擬似雑音シーケンスに基づいて決定される。擬似雑音生成器がシードに対して演算を行なってデータシーケンスを生成する。例えば、擬似雑音9(PN9)生成器は、111111111等の9ビットバイナリシードを用いて一連の出力ビットを生成する。このように、全てのシフトレジスタが1に初期化される。第1出力ビットが第1パイロットセットの最大の負のインデックスに割り当てられる。例えばオプション3に関して、PN9シーケンスからの第1出力ビットはパイロットサブキャリア−7に割り当てられ、第2出力ビットはパイロットサブキャリア7に割り当てられる。その後も同様である。
【0038】
図8はPN9生成器を示す。各「D」はビットを格納する遅延ラッチを表す。少なくとも1つの実施形態において、シード入力は111111111である。異なる遅延ラッチが排他的理論和(XOR)関数への入力として用られ、一連の遅延ラッチの初めにロードされる次のビットを決定する。出力はシーケンス中の任意の1箇所から取られる。図示するように、出力は第1ビットから取られる。従って、シードが同一であると、同様に構成されたPN9のすべてが予想可能な出力のシーケンスとなる。その出力をパイロットサブキャリア内に符号化することによって、上述のチャネル推定手順が実行できる。シードが111111111であるとすると、例示のPN9生成器の最初の20個の出力ビットは000011110111000010110である。別の実施形態において、PN9生成器の出力はBPSKパイロットへマッピングされる。例えば0が−1にマッピングされ、1は+1にマッピングされる。
【0039】
少なくとも1つの実施形態において、1つのパイロットサブキャリアから次までの距離が同一又は類似であるように、或いはサブキャリアが奇数の場合は類似であるように、割り当てられたパイロットサブキャリアが均一に分散される。パイロットサブキャリアがスタガされたとしてもこの分散は維持される。従って、チャネル推定の実施は分散が維持されていなかった場合より複雑さが低減する。例えば、最小平均二乗誤差(MMSE)フィルタを用いるときにフィルタ係数を変更する必要がない。またどのような受信器でもFFTを使用してチャネルインパルス応答を見つけることができる。従ってチャネル推定には多くの技術が利用できる。例えば、パイロットシンボルを位相同期ループで使用して残留周波数オフセットを決定することができる。
【0040】
上述のシステムは、そこに課せられた必要なワークロードの処理に充分な、処理能力、メモリリソース、及びネットワークスループット能力を有する特定の装置で実現しうる。図9は、本明細書に開示される1つ又はそれ以上の実施形態の実現に適した特定の装置580を示す。コンピュータシステム580は機械可読媒体587と通信する1つ又はそれ以上のプロセッサ582(中央処理装置又はCPUと称されうる)を含む。機械可読媒体587は、二次記憶装置584、リードオンリーメモリ(ROM)586、及びランダムアクセスメモリ(RAM)588を含むメモリデバイスを含んでもよい。プロセッサは更に、入力/出力(I/O)デバイス590及びネットワーク接続性デバイス(network connectivity device)592と通信する。プロセッサは1つ又はそれ以上のCPUチップとして実現されてもよい。
【0041】
二次記憶装置584は典型的には、1つ又はそれ以上のディスクドライブ、テープドライブ、又は光学ディスクから成り、データの不揮発性記憶に用いられる。またRAM588が全作業データを保持するのに充分に大きくない場合に、オーバーフローデータの記憶装置デバイスとして二次記憶装置584が使用される。二次記憶装置584は、プログラム及び命令589を格納するために使用されてもよい。プログラム及び命令589は、実行のためこれらのプログラムが選択されるとRAM588にロードされる。ROM586はプログラム実行中に読み出される、命令589及び恐らくはデータを格納するために用いられる。ROM586は不揮発性メモリデバイスであり、そのメモリ容量は、二次記憶装置のメモリが大容量であるのに比べて、典型的には小容量である。RAM588は揮発性データの記憶、及び恐らくは命令589の格納に使用される。ROM586及びRAM588双方へのアクセスは、典型的には二次記憶装置584へのアクセスより高速である。
【0042】
I/Oデバイス590は、プリンタ、ビデオモニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、スイッチ、ダイヤル、マウス、トラックボール、音声認識器、カードリーダ、紙テープ、又は他の周知の入力デバイスを含みうる。ネットワーク接続性デバイス592は、モデム、モデムバンク、イーサネットカード、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェースカード、シリアルインタフェース、トークンリングカード、ファイバー分散データインタフェース(FDDI)カード、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)カード、例えば符号分割多重アクセス(CDMA)及び/又はグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)等の無線トランシーバカード、及び他の周知のネットワークデバイスの形式を取りうる。これらのネットワーク接続性デバイス592によって、プロセッサ582がインターネット又は1つ又はそれ以上のイントラネットと通信することが可能になりうる。このようなネットワーク接続を用いて、プロセッサ582は、上述の方法ステップを実行中に、ネットワークから情報を受け取り、或いはネットワークへ情報を出力しうる。プロセッサ582を用いて実行されるべき命令のシーケンス589としてしばしば表されるこのような情報は、例えば、キャリアに組み込まれたコンピュータデータ信号の形式で、ネットワークから受け取られ、ネットワークへ出力されうる。
【0043】
例えばプロセッサ582を用いて実行されるべきデータ又は命令589を含みうるこのような情報は、例えば、コンピュータデータベースバンド信号又はキャリアに組み込まれた信号の形式で、ネットワークから受け取られ、ネットワークへ出力されうる。ネットワーク接続性デバイス592によって生成されたベースバンド信号、又はキャリアに組み込まれた信号は、導電体内又はその表面上、同軸ケーブル内、導波管内、例えば光ファイバ等の光学媒体内、或いは空気中又は自由空間内、を伝播する。ベースバンド信号又はキャリア内に組み込まれた信号に含まれる情報は、情報の処理又は生成、或いは情報の送信又は受信、のいずれかに望ましくなり得るように、異なるシーケンスに従って順序付けられうる。ベースバンド信号又はキャリアに組み込まれた信号、或いはその他の形式の現在使用されている又は今後開発される信号は、本明細書中では伝送媒体と称されるが、当業者に周知の幾つかの方法に従って生成されうる。
【0044】
プロセッサ582は、ハードディスク、フロッピーディスク、光学ディスク(これらの種々のディスクベースのシステムは全て二次記憶装置584とみなされうる)、ROM586、RAM588、又はネットワーク接続性デバイス592からアクセスする、命令589、コード、コンピュータプログラム、スクリプトを実行する。
【0045】
代替一実施形態において、このシステムは、対応する適切な入力及び出力を用いて、本開示に記載される任意の動作を実行するように構成されたロジックを含む特定用途向け集積回路(ASIC)、又は同様に構成されたデジタル信号プロセッサ(DSP)において実現してもよい。このようなロジックは、様々な実施形態において、送信機、受信機、又はトランシーバにおいて実現される。
【0046】
図10は602で開始し608で終了する方法600を示す。種々の実施形態において、方法600は上述の開示される任意の動作を含む。好ましくは、方法600は604でOFDMシンボルのサブキャリアの第1の組内にパイロット信号を符号化することを含む。606では、後続OFDMシンボルの、第1の組とは異なる、サブキャリアの第2の組内にパイロット信号を符号化する。少なくとも1つの実施形態において、シンボル及び後続シンボルは同一のスマートユーティリティネットワークパケット内にある。少なくとも1つの実施形態において、シンボルは、各々がサブキャリアの第1の組のパイロット信号で符号化された、後続OFDMシンボルの第1の群の最後である。好ましくは、後続シンボルは、各々がサブキャリアの第2の組内のパイロット信号で符号化された、後続OFDMシンボルの第2の群の最初であり、第1の群は第2の群と同じ数のシンボルを含む。少なくとも1つの実施形態において、後続シンボルは、各々がサブキャリアの第2の組内のパイロット信号で符号化された、後続OFDMシンボルの第2の群の最初であり、第1の群は第2の群と異なる数のシンボルを含み、ドップラー拡散が減少している場合、第2の群がより多くのシンボルを含み、ドップラー拡散が増大している場合、第2の群がより少ないシンボルを含む。少なくとも1つの実施形態において、方法600は擬似雑音シーケンスに基づいてパイロット信号を決定することを更に含む。
【0047】
上述の開示は、本発明の原理および種々の実施形態を説明するためのものである。当業者にとっては、上述の開示を完全に理解すれば多くの変更や修正が明らかになろう。更に、本明細書中に記載された任意の動作が成功して完了したとき、本明細書中に記載される動作が失敗したとき、或いはエラー時に、音響又は映像アラートが始動されうるようにしてもよい。また動作の順番は、記載された順番と異なるものとすることができ、2つ又はそれ以上の動作が同時に実行されてもよい。特許請求された発明の範囲内でこの他にも多くの実施形態が可能である。例示の実施形態の文脈で説明したような特徴又はステップのすべて又はその幾つかを有する例示の実施形態の文脈で説明した一つ又はそれ以上の特徴又はステップの異なる組み合わせを有する実施形態も、本明細書に包含されることを意図している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交周波数分割多重(OFDM)シンボルのサブキャリアの第1の組内に(604)、及び後続OFDMシンボルのサブキャリアの第2の組内に、パイロット信号を符号化するように構成されるロジックを含む、集積回路であって、
前記シンボル及び前記後続OFDMシンボルが、同一スマートユーティリティネットワークパケット内にある(606)、集積回路。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路であって、前記シンボルが、各々がサブキャリアの前記第1の組内のパイロット信号で符号化された、後続OFDMシンボルの第1の群の最後である、集積回路。
【請求項3】
請求項2に記載の集積回路であって、前記後続OFDMシンボルが、各々がサブキャリアの前記第2の組内のパイロット信号で符合化された、後続OFDMシンボルの第2の群の最初であり、前記第1の群が第2の群と同じ数のシンボルを含む、集積回路。
【請求項4】
請求項2に記載の集積回路であって、前記後続OFDMシンボルが、各々がサブキャリアの前記第2の組内のパイロット信号で符号化された、後続OFDMシンボルの第2の群の最初であり、前記第1の群が第2の群と異なる数のシンボルを含み、ドップラー拡散が減少する場合、前記第2の群がより多くのシンボルを含み、ドップラー拡散が増大する場合、前記第2の群がより少ないシンボルを含む、集積回路。
【請求項5】
請求項1に記載の集積回路であって、サブキャリアの前記第2の組の前記後続OFDMシンボル内の間隔は、前記シンボル内のサブキャリアの前記第1の組の間隔と同じである、集積回路。
【請求項6】
請求項1に記載の集積回路であって、サブキャリアの前記第1の組のいかなるサブキャリアも隣接せず、そしてサブキャリアの前記第2の組のいかなるサブキャリアも隣接しない、集積回路。
【請求項7】
請求項1に記載の集積回路であって、
サブキャリアの前記第1の組及びサブキャリアの前記第2の組が1組のサブキャリアから選択され、前記1組のサブキャリアには−52〜52の番号が付され、
前記パイロット信号が、
最初のシンボルの場合は、サブキャリア−38、−26、−14、−2、10、22、34、及び46;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−46、−34、−22、−10、2、14、26、及び38;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−42、−30、−18、−6、6、18、30、及び42;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−50、−38、−26、−14、−2、10、22、及び50;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−46、−34、−22、−10、2、14、34、及び46;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−42、−30、−18、−6、6、18、26、及び38;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−50、−38、−26、−14、−2、30、42、及び50;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−46、−34、−22、−10、10、22、34、及び46;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−42、−30、−18、−6、2、14、26、及び38;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−50、−38、−26、6、18、30、42、及び50;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−46、−34、−14、−2、10、22、34、及び46;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−42、−30、−22、−10、2、14、26、及び38;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−50、−18、−6、6、18、30、42、及び50、
上で符号化される、集積回路。
【請求項8】
請求項1に記載の集積回路であって、
サブキャリアの前記第1の組及びサブキャリアの前記第2の組が1組のサブキャリアから選択され、前記1組のサブキャリアには−26〜26の番号が付され、
前記パイロット信号が、
最初のシンボルの場合は、サブキャリア−14、−2、10、及び22;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−22、−10、2、及び14;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−18、−6、6、及び18;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−26、−14、−2、及び26;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−22、−10、10、及び22;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−18、−6、2、及び14;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−26、6、18、及び26、
上で符号化される、集積回路。
【請求項9】
請求項1に記載の集積回路であって、
サブキャリアの前記第1の組及びサブキャリアの前記第2の組が1組のサブキャリアから選択され、前記1組のサブキャリアには−13〜13の番号が付され、
前記パイロット信号が、
最初のシンボルの場合は、サブキャリア−7及び7;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−11及び3;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−3及び11;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−9及び5;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−5及び9;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−13及び1;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−1及び3、
上で符号化される、集積回路。
【請求項10】
請求項1に記載の集積回路であって、
サブキャリアの前記第1の組及びサブキャリアの前記第2の組が1組のサブキャリアから選択され、前記1組のサブキャリアには、−7〜7の番号が付され、
前記パイロット信号が、
最初のシンボルの場合は、サブキャリア−3及び5;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−7及び1;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−5及び3;
次のシンボルの場合は、サブキャリア−1及び7、
上で符号化される、集積回路。
【請求項11】
方法であって、
直交周波数分割多重(OFDM)シンボルのサブキャリアの第1の組内にパイロット信号を符号化すること、及び
後続OFDMシンボルの、前記第1の組とは異なる、サブキャリアの第2の組内にパイロット信号を符号化することを含み、
前記シンボル及び前記後続OFDMシンボルが、同一スマートユーティリティネットワークパケット内にある、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記シンボルが、各々サブキャリアの前記第1の組内のパイロット信号で符号化された、後続OFDMシンボルの第1の群の最後である、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記後続OFDMシンボルが、各々サブキャリアの前記第2の組内のパイロット信号で符号化された、後続OFDMシンボルの第2の群の最初であり、前記第1の群が前記第2の群と同じ数のシンボルを含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記後続OFDMシンボルが、各々サブキャリアの前記第2の組内のパイロット信号で符号化された、後続OFDMシンボルの第2の群の最初であり、前記第1の群が前記第2の群と異なる数のシンボルを含み、ドップラー拡散が減少する場合、前記第2の群がより多くのシンボルを含み、ドップラー拡散が増加する場合、前記第2の群がより少ないシンボルを含む、方法。
【請求項15】
実行可能な命令を含む機械可読記憶媒体であって、前記実行可能な命令は実行されると、1つ又はそれ以上のASIC、プロセッサ、又はその組合せが、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルのサブキャリアの第1の組内に、及び後続OFDMシンボルの、前記第1の組とは異なる、サブキャリアの第2の組内に、パイロット信号を符号化し、
前記シンボル及び前記後続OFDMシンボルが同一スマートユーティリティネットワークパケット内にある、機械可読記憶媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−514740(P2013−514740A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544658(P2012−544658)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/059918
【国際公開番号】WO2011/084361
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.GSM
3.フロッピー
【出願人】(390020248)日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 (219)
【出願人】(507107291)テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド (50)
【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三