説明

無線伝送システム、無線伝送装置および無線端末装置

【課題】同報送信を行う場合に、無線端末装置間で映像再生タイミングを同期することが可能になり、映像と音声の再生タイミングのズレを防止することができる無線伝送システムを得る。
【解決手段】無線伝送装置は、無線端末装置へ映像データの再生を遅延させる再生オフセット時間を格納した通知パケットをトランスポート層以上の層で生成し、映像データと時刻情報を格納した映像パケットを生成する装置制御部11と、装置制御部11が生成したパケットを無線端末装置へ送信する無線部12と、映像データを再生オフセット時間分遅延させて再生する音声再生部15と、を備え、無線端末装置は、受信した映像データをバッファリングするバッファと、受信した映像データが当該データに対応する時刻情報の再生オフセット時間後に読み出されるよう制御する端末側制御部と、バッファから読み出された映像データを再生する映像再生部17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線伝送システム、無線伝送装置および無線端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線通信システムについて説明する。下記特許文献1には、ホームシアターにおける映像と音声の再生タイミングズレ補正方法と装置の実現方法が開示されている。下記特許文献1に記載の技術では無線回線を介して音声を伝送し、無線回線の状況が悪い場合は伝送レートを下げ、無線回線状況が良い場合は伝送レートを上げることで誤りを低減している。そして、この技術では、伝送レートを変更することで生じる遅延時間差を補正するためのバッファ時間(遅延時間)を予め定義しておき、無線回線の状況に基づいて自動的に制御される伝送レートに応じて遅延時間を補正する。
【0003】
また、無線通信システムにおける時刻同期の技術として、例えば、下記特許文献2に記載の技術がある。下記特許文献2では、ビーコンフレームに格納したタイマ値を用いてレイヤ1にて同期を実現する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−088442号公報
【特許文献2】特開2007−184687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線回線では回線不良が生じると、無線伝送装置と無線端末装置間で再送制御が発生し、トランスポート層ではデータが遅延して到着する現象がある。例えば、無線伝送装置が、自装置が有するDVD(Digital Versatile Disk)等に記録された映像コンテンツを再生して無線端末装置へ伝送する際には、映像信号を無線端末装置へ無線伝送し、音声信号はスピーカにて再生することにより伝送する。映像信号は無線伝送されることから回線状況によって遅延が発生し、音声と映像の再生タイミングがずれる場合がある。
【0006】
上記特許文献1に記載の技術では、映像と音声が異なる伝送路で伝送された場合に無線回線の品質劣化に伴い伝送レートを変更することで、1bitあたりのエネルギーを増やして品質劣化を防止し、伝送レートによって異なる遅延時間を自動補正する。しかしながら、この技術を用いて複数の無線通信装置に同報送信を行った場合、無線回線において再送によるパケットの到着遅れが生じると、各無線端末装置の画面の映像再生タイミングがずれてしまうという問題があった。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の技術を用いて時刻同期を行ったとしても、複数の無線通信装置に同報送信を行った場合、同様に、再送によるパケットの到着遅れが生じると、各画面の映像再生タイミングがずれてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無線端末装置に同報送信を行う場合に、無線端末装置間で映像再生タイミングを同期することが可能になり、映像と音声の再生タイミングのズレを防止することができる無線伝送システム、無線伝送装置および無線端末装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、映像データを無線伝送により送信し、前記映像データとともにコンテンツを構成する音声データを再生する無線伝送装置と、前記映像データを受信して再生する無線端末装置と、を備える無線伝送システムであって、前記無線伝送装置は、前記無線端末装置へ前記映像データの再生を遅延させる時間である再生オフセット時間を格納した通知パケットをトランスポート層以上の層で生成し、前記映像データを格納した映像パケットを生成し、前記映像パケットの送信時刻または生成時刻を示す時刻情報を前記映像パケットに格納する装置制御部と、前記装置制御部が生成した前記通知パケットおよび前記映像パケットを前記無線端末装置へ送信する無線部と、前記映像データを前記再生オフセット時間分遅延させて再生する音声再生部と、を備え、前記無線端末装置は、前記映像パケットおよび前記通知パケットを受信する端末側無線部と、受信した前記映像データをバッファリングするバッファと、前記通知パケットから前記再生オフセット時間を抽出し、受信した前記映像データが当該データに対応する前記時刻情報が示す時刻の前記再生オフセット時間後に読み出されるよう制御する端末側制御部と、前記バッファから読み出された前記映像データを再生する映像再生部と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、無線端末装置に同報送信を行う場合に、無線端末装置間で映像再生タイミングを同期することが可能になり、映像と音声の再生タイミングのズレを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施の形態1の無線伝送システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、無線伝送装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は、一般的なOSI参照モデルを示す図である。
【図4】図4は、RTPパケットのフォーマット例を示す図である。
【図5】図5は、無線端末装置2−1の構成例を示す図である。
【図6】図6は、RRパケットのフォーマット例を示す図である。
【図7】図7は、APPパケットのフォーマット例を示す図である。
【図8】図8は、実施の形態4の最大バッファサイズの問い合わせ手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる無線伝送システム、無線伝送装置および無線端末装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる無線伝送システムの実施の形態1の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の無線伝送システムは、無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2とを備える。図1では無線端末装置の数は2台としているが、無線端末装置の数はこれに限定されない。
【0014】
無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2は、例えば車やバス、航空機、船等の移動体3に搭載される。車を例にすると、無線伝送装置1がカーナビゲーションシステムに実装され、無線端末装置2−1,2−2はリアシート用のモニタ等の装置である。または、無線端末装置2−1,2−2は乗客が持ち込む携帯端末であっても良い。以下、無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2が車3に搭載される例について説明を行うが、本発明は車等の移動体に搭載される場合に限定するものではなく、簡易シアターや家庭内のシステム等にも適用可能である。
【0015】
無線伝送装置1は、DVDやハードディスク等に記録された映像コンテンツを保持しており、映像コンテンツを再生する際には、スピーカから当該映像コンテンツの音声を出力し、当該映像コンテンツの映像データを無線端末装置2−1,2−2へ無線伝送する。無線端末装置2−1,2−2は、ディスプレイを備えており、受信した映像データを再生してディスプレイに表示する。これにより、無線端末装置2−1,2−2のユーザは、映像コンテンツを視聴することができる。
【0016】
図2は、無線伝送装置1の構成例を示す図である。無線伝送装置1は、装置制御部11と無線部12とアンテナ13とバッファ14と音声再生部15とスピーカ16と映像再生部17とディスプレイ18とで構成される。映像再生部17とディスプレイ18は必須ではなく、無線伝送装置1で映像を再生しない場合は不要である。
【0017】
装置制御部11には、映像コンテンツを保持する図示しないDVDやハードディスク等の映像コンテンツ保持部から映像データおよび音声データが入力される。装置制御部11は、入力された映像データと時刻情報または装置制御部11が管理するカウンタ値とを含むパケットをOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルのトランスポート層以上にて生成し、生成したパケットを無線部12へ出力する。また、装置制御部11は、入力された映像データおよび音声データをバッファ14へ格納する。
【0018】
図3は、一般的なOSI参照モデルを示す図である。OSI参照モデルは、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層およびアプリケーション層で構成される。
【0019】
装置制御部11は、映像データを含むパケットを例えばRTP(Real−time Transport Protocol)パケットとして生成する。図4は、RTPパケットのフォーマット例を示す図である。
【0020】
図4において、Vはバージョン番号を表し、Pはパディングを表し、XはRTPヘッダの直後に拡張ヘッダをもつ場合に設定されるフラグを表す。また、CCはCSRCカウントであり後続するCSRC(Contributing Source Identifier)識別子の数を示している。Mはマーカであり、パケットストリームでのフレーム境界の有無やストリーム内での重要なイベントにマークを付けるために使用される。PTはペイロードタイプを示し、順序番号は、1ずつ増加するパケットの通し番号を表す。タイムスタンプはRTPデータパケットの先頭バイトの送信時刻を表す。SSRC(Synchronization Source)は、RTPセッション内の参加者の識別子を表す。CSRCは、メッセージ内の各ストリーム要素を準備した送信元の識別子を表す。リアルタイムデータには、メディアのペイロードデータからなるフレームが1つ以上格納される。
【0021】
装置制御部11は、図4に示したフォーマットのRTPパケットに、順序番号とタイムスタンプと映像データ(リアルタイムデータ)を格納する。なお、映像データを伝送するフォーマットはRTPパケットフォーマットに限定するものではなく、順序番号とリアルタイムデータ、あるいはタイムスタンプとリアルタイムデータ、あるいは順序番号とタイムスタンプとリアルタイムデータとが含まれていれば良く、すなわちリアルタイムデータと当該データを生成した時刻または送信した時刻を示す情報とが含まれていればよく、プロトコルを限定するものではない。なお、タイムスタンプは、装置制御部11が保有する時刻でも良いし、装置制御部11が管理するカウンタ値でも良い。
【0022】
ここで、本実施の形態では、無線伝送装置1は予め無線端末装置2−1,2−2とそれぞれ時刻同期を行い、無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2との間で、映像コンテンツの再生を遅延させる遅延時間である再生オフセット情報を共有していることを前提とする。再生オフセット情報の共有は、例えば、無線伝送装置1の装置制御部11が再生オフセット情報を決定し、無線伝送装置1から無線端末装置2−1,2−2へ再生オフセット情報を送信することにより実施する。
【0023】
なお、無線伝送装置1が無線端末装置2−1,2−2へ映像データを送信する場合には、ユニキャストにて事前に無線伝送装置と無線端末装置間で上述したように同期確立を行い、ユニキャストにて再生オフセット情報を通知する。その後、マルチキャストにより映像データを無線端末装置2−1,2−2へ送信する。
【0024】
無線部12には、少なくともOSI参照モデルのネットワーク層以下の機能が実装され、無線リンク確立、再送制御、変復調等を行う。無線部12は、装置制御部11から受け取ったパケットに対して変調等を実施し、増幅してアンテナ13から無線信号として送信する。
【0025】
バッファ14は、装置制御部11より入力された音声データおよび映像データの再生を遅延させるために設けられている。装置制御部11は、バッファ14に再生オフセット情報を通知する。バッファ14は、入力された音声データを、再生オフセット情報から音声再生部15の処理時間およびスピーカ16までの伝送による遅延時間とを減算したオフセット時間だけ遅延させて(格納されてからオフセット時間だけ待機した後に)音声再生部15へ出力する。また、バッファ4は、入力された映像データを、再生オフセット情報から映像再生部17の処理時間およびディスプレイ8までの伝送による遅延時間とを減算したオフセット時間だけ遅延させて映像再生部17へ出力する。なお、バッファ14が再生オフセット情報に基づいてオフセット時間だけ遅延させる機能を有する代わりに、装置制御部11がバッファ14から映像データおよび音声データを出力する時間を制御することにより、上記と同様のバッファ14を用いた遅延を実現してもよい。
【0026】
音声再生部15は、バッファ14から出力される音声データをデコードし、アナログ信号として増幅し、音声出力装置であるスピーカ16へ伝送する。スピーカ16は音声再生部15より出力された信号を可聴信号として出力する。映像再生部15はバッファ14から出力される映像データを再生し、ディスプレイ18へ伝送する。ディスプレイ18は、再生された映像データを表示する。
【0027】
また、無線端末装置2−1,2−2では、再生オフセット情報に基づいて受信した映像データをディスプレイなどに表示する。図5は、本実施の形態の無線端末装置2−1の構成例を示す図である。無線端末装置2−2も無線端末装置2−1と同様の構成である。
【0028】
無線端末装置2−1は、アンテナ21と無線部(端末側無線部)22と装置制御部(端末側制御部)23とバッファ24と映像再生部25とディスプレイ26とを備える。無線部22は少なくともOSI参照モデルのネットワーク層以下の機能が実装され、無線リンク確立、再送制御、変復調等を行う。無線部22は、アンテナ21経由で受信した無線信号を復調して装置制御部23に出力する。
【0029】
装置制御部23は、トランスポート層のプロトコル処理を実施し、無線伝送装置1から受信した無線信号から再生オフセット情報を抽出し、抽出した再生オフセット情報をバッファ24へ設定する。また、装置制御部23は、映像データが格納された無線信号に対してプロトコル処理を実施し、処理後の映像データをバッファ24へ格納する。
【0030】
無線端末装置2−1,2−2は、内部にクロック源を有しており、装置制御部23は、内部クロック源に基づいて時刻(時刻同期シーケンス番号または時間)を管理している。装置制御部23は、所定の時刻同期手順により、自身が管理している時刻を無線伝送装置1と予め同期させているとする。時刻同期手順はどのような手順を用いてもよい。無線端末装置2−1,2−2の装置制御部23は、再生オフセット情報を保持している。装置制御23は、受信した映像データに含まれるシーケンス番号または時刻情報(タイムスタンプ)に基づいてバッファ24に映像データを格納する。映像データは無線区間にて再送制御が行われることから、無線回線の状況によって無線端末装置2−1における映像データの到着タイミングには揺らぎが生じる。このため、装置制御部23は、受信した映像データに含まれるシーケンス番号または時刻情報に基づいて、バッファ24へのデータ格納位置を制御する。例えば、バッファ24を複数の個別バッファを備えるリングバッファのような構成とし、装置制御部23が、データが未格納である個別バッファにシーケンス番号を付与しておき、受信した映像データのシーケンス番号と一致する個別バッファにデータを格納することにシーケンス番号順に読み出されるようにする。時刻情報を用いる場合には、時間順に読み出されるよう映像データをバッファ24へ格納する。
【0031】
装置制御部23は、映像再生部25へ、同期したシーケンス番号あるいは時間を示すカウンタ値を通知する。映像再生部5は通知されたカウンタ値が、シーケンス番号X(または時間X)に再生オフセット情報に対応する遅延時間を加算した値になると、シーケンス番号(または時間X)の映像データをバッファ24から読み出して再生し、ディスプレイ26に出力する。これにより、無線伝送装置1の送信から再生オフセット情報に対応する時間(再生オフセット時間)分、遅れた映像を再生することができる。
【0032】
このように、本実施の形態では、予め無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2と間で時刻同期を行い、一定時間(再生オフセット情報に対応する時間)後に映像データと音声データを再生するようにした。このため、無線伝送装置と無線端末装置間の無線回線で回線不良による再送制御が発生した場合にも無線伝送装置と無線端末装置間で映像データと音声データの再生タイミングのズレを防止することが可能になる。なお、再生オフセット情報が示す再生オフセット時間は、例えば、再送による遅延時間を考慮して決定する。
【0033】
また、一般的に無線伝送装置から無線端末装置へ映像データを送信する場合はフロー制御が行われ、無線端末装置への映像データ送信量が制御される。しかし、1つの無線伝送装置から複数の無線伝送装置へマルチキャストを行う場合はフロー制御が適用できない。本実施の形態では、予め無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2と間で時刻同期を行い、一定時間後に音声データと映像を再生することで、フロー制御が実施されない場合でも、映像データと音声データの再生タイミングのズレを防止することが可能になる。
【0034】
実施の形態2.
次に、本発明にかかる実施の形態2の無線伝送システムについて説明する。本実施の形態の無線伝送システムの構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態では、無線端末装置2−1に映像コンテンツが存在し、無線端末装置2から映像コンテンツを無線伝送装置1へ無線伝送する。そして、無線伝送装置1にて音声と映像を再生するとともに、無線端末装置2−1および無線端末装置2−2においても映像を再生する例について説明する。
【0035】
本実施の形態の無線伝送装置1の構成は、図2に示した構成とし、本実施の形態の無線端末装置2−1,2−2の構成は図5に示した構成とする。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の説明を付して、重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
【0036】
無線伝送装置1は、予め無線端末装置2−1,2−2と時刻同期を行い、また、再生オフセット情報を共有していることを前提とする。同期に用いる時刻情報は装置制御部11が保有する時刻でも良いし、装置制御部11が管理するカウンタ値でも良い。
【0037】
例えば、無線端末装置2−1の装置制御部23には、映像コンテンツを保持する図示しないDVDやハードディスク等の映像コンテンツ保持部から映像データおよび音声データが入力される。装置制御部23は、同時刻に再生しなければならない映像データと音声データを1つのパケットとして生成されて無線部22へ入力される。無線部22は、入力されたパケットを変調してアンテナ21経由で無線信号として無線伝送装置1へ送信する。
【0038】
無線伝送装置1は、アンテナ13にて無線信号を受信し、無線部12が無線信号を復調して復調したデータを装置制御部11へ出力する。装置制御部11は、受信した映像データを、実施の形態1と同様に無線端末装置2−1および無線端末装置2−2へ送信する。なお、無線端末装置2−1は既に映像コンテンツを有しているため、無線端末装置2−2へのみ映像データを送信しても良い。
【0039】
無線伝送装置1では、実施の形態1と同様に、装置制御部11が、映像データと時刻情報あるいは装置制御部11が管理するカウンタ値とを含むパケットをOSI参照モデルのトランスポート層以上にて生成して無線部12、アンテナ13経由で映像データを送信する。実施の形態1と同様に、この映像データを格納するパケットとしてRTPパケットを用いることができる。
【0040】
無線伝送装置1は、無線端末装置2−2のみへ映像データを送信する場合は、無線端末装置2−1へ、映像データ再生開始するタイミングである映像データ再生開始タイミングを通知する。映像データ再生開始タイミングは、例えば、無線伝送装置1において音声データの再生が開始される予定の時刻を通知する。
【0041】
装置制御部11は、実施の形態1と同様に音声データおよび映像データをバッファ14へ格納する。バッファ14は、実施の形態1と同様に、再生オフセット情報から音声再生部15の処理時間およびスピーカ16までの伝送における遅延時間とを減算したオフセット時間だけ遅延させて音声データを音声再生部15へ出力する。また、バッファ4は、入力された映像データを、再生オフセット情報から映像再生部17の処理時間およびディスプレイ18までの伝送による遅延時間とを減算したオフセット時間だけ遅延させて映像再生部17へ出力する。音声再生部15および映像再生部17の動作は実施の形態1と同様である。
【0042】
また、映像データを含むパケットを受信した後の無線端末装置2−1,2−2の動作は、実施の形態1と同様である。
【0043】
ただし、無線端末装置2−2のみへ映像データを送信する場合は、無線端末装置2−1は、受信した映像データ再生開始タイミングに基づいて保持している映像データを再生する。例えば、無線端末装置2−1は、無線伝送装置1へ映像データおよび音声データを送信する際に、映像データをバッファ24へ格納しておき、受信した映像データ再生開始タイミングで映像再生部25が映像データの再生を開始する。
【0044】
このように、本実施の形態では、予め無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2間で時刻同期を行い、無線端末装置2−1が音声データと映像データを無線伝送装置1へ送信する。無線伝送装置1は、映像データを無線端末装置2−1,2−2へ再配信し、無線伝送装置1では実施の形態1と同様に一定時間後に音と映像を再生するようにした。このため、無線端末装置2−1が映像コンテンツを有する場合にも、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0045】
実施の形態3.
次に、本発明にかかる実施の形態3の無線伝送システムについて説明する。本実施の形態の無線伝送システムの構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態の無線伝送装置1の構成は、図2に示した構成とし、本実施の形態の無線端末装置2−1,2−2の構成は図5に示した構成とする。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の説明を付して、重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
【0046】
一般に無線端末装置は無線伝送装置と時刻同期を行う。時刻同期の方法としては、例えば、レイヤ1にて復調開始タイミングを検出し、無線空間における電波の到来タイミングをクロックレベルでモニタし、周期的にモニタを行うことで無線基地局と無線端末間のクロック偏差を計測する。そして、クロック偏差を補正することにより時刻同期を実現する。しかしながら、市販の無線端末装置ではレイヤ1はハードウェアで構成されており、高精度なタイミング同期が実現できない。そこで、本実施の形態では、OSI参照モデルのトランスポート層以上のレイヤにて無線端末装置2−1,2−2と無線伝送装置1との時刻同期を実現する。
【0047】
OSI参照モデルのトランスポート層以上のレイヤを用いて同期を実現する場合には、例えば、無線伝送装置1は、RTCP(Real−time Transport Control Protocol)パケットのうちの1種の受信レポートパケット(RR(Receiver Report)パケット)の情報要素である“累積欠落パケット数”あるいは“欠落率”の値によって回線状況を判断する。そして、無線伝送装置1は、回線状況が良好な場合はRTCPパケットのうちのユーザ定義パケット(APP(APPlication Defined)パケット)を用いて、自装置のカウンタ情報または時刻情報(伝送装置側時刻情報)を通知する。無線端末装置2−1,2−2では、受信したAPPパケットに格納されたカウンタ情報または時刻情報に基づいて、内部のカウンタ値または時刻を更新することにより無線伝送装置1との時刻同期を実現する。
【0048】
図6は、RRパケットのフォーマット例を示す図である。図6において、V,P,PT,SSRCは、図4のRTPパケットと同様である。RC(Reception report Count)はRTCPパケットに含まれるreceptionブロックの数を示す。図6に示すように、RRパケットには、さらに、欠落率、累積欠落パケット数、最大拡張シーケンス番号、パケット間隔ジッタ、最新送信レポートのタイムスタンプ、最新送信レポート経過時間が格納される。
【0049】
図7は、APPパケットのフォーマット例を示す図である。図7において、V,P,PT,SSRCは、図4のRTPパケットと同様である。RCは、図6のRRパケットと同様である。APPパケットには、さらに、アプリケーション定義パケット名、アプリケーション定義データが格納される。無線伝送装置1は、このアプリケーション定義データに上述のカウンタ情報または時刻情報を格納して、無線端末装置2−1,2−2に通知することができる。
【0050】
このように無線伝送装置1がRRパケットの回線状況をモニタし、回線状況が良いタイミングでAPPパケットを通知することで、APPパケットの送受信の際に、無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2間における再送制御などが入る可能性を低くすることができる。このため、遅延時間を最小に抑えた時刻同期が実現できる。
【0051】
なお、ここではRTCPパケットを用いた同期の実現例について示したが、同様の情報要素を持っていれば独自のプロトコルを用いても同様の効果を実現できるため、RTCPプロトコルに限定するものではない。また、時刻情報を送信するパケットはAPPパケットに限定されず、どのようなフォーマットで時刻情報を送信してもよい。
【0052】
以上、無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2と間の時刻同期方法について説明したが、無線端末装置2−1から無線伝送装置1へ通知する回線状況は平均的な回線品質を示している。このため、一時的な回線状況の劣化等により、実際には、無線伝送装置1から送信されて無線端末装置2−1,2−2が受信するAPPパケットで再送制御が行われる場合もある。このような場合、無線端末装置2−1,2−2が、APPパケットを受信した時刻には、再送遅延が含まれている場合がある。
【0053】
そこで、無線伝送装置1は、カウンタ情報または時刻情報を格納したAPPパケットを複数回送信する。そして、無線端末装置2−1,2−2では、受信した複数のAPPパケットに格納されたカウンタ情報または時刻情報と内部で保有するカウンタ値あるいは時刻とをそれぞれ比較し、その差が一定値以内であれば同期確立とし、そうでない場合は再度カウンタ値あるいは時刻を更新する。このようにAPPパケットに格納されたカウンタ情報または時刻情報と内部のカウンタ値あるいは時刻とを複数回比較することで、一時的な回線状況の劣化による影響を最小限に抑えた時刻同期を実現できる。
【0054】
ところで、一般に無線端末装置には安価な低精度のクロック原振が使用される。例えばクロック精度が100ppm程度の原振を用いた無線端末装置では、40MHzで1時間動作させた場合には360msec程度のずれが生じる。無線端末装置2−1,2−2に低精度なクロック源振が用いられると、無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2との間で上述のように時刻同期を確立しても、ある程度の時間が経過するとクロック偏差により、無線伝送装置1の内部カウンタ値と無線端末装置2−1,2−2の内部カウンタ値にはずれが生じてしまう。このため、時刻同期を維持するために、無線端末装置2−1,2−2の内部カウンタ値を補正する必要がある。
【0055】
受信パケットの到着は無線回線の品質によって遅れることがあるが、無線伝送システム1から定期的に送信されるパケットがあれば、当該パケットが一定時間内で送信されるべきパケット数は決まっている。従って、無線端末装置2−1,2−2は、一定時間のハードウェア割り込み数あるいは受信パケット到着数をカウントすることにより、その期間の累積欠落パケット数あるいは欠落率、すなわち回線状況を求めることができる。また、本来受信すべき受信パケット数と受信パケットに格納された受信パケットのカウンタ値(例えば、パケットの送信ごとに更新されるカウンタ値)とに基づいて回線状況を求めることができる。
【0056】
無線端末装置1は、内部のクロック原振に基づく高速カウンタからパケット生成カウンタ(パケットを生成する周期を示すカウンタ)等の低速カウンタを生成する。また、無線端末装置2−1,2−2は、内部のクロック原振に基づいて高速カウンタを生成している。例えば、累積欠落パケット数あるいは欠落率等に基づいて回線状況が良い場合と判断した場合、上記一定時間内に受信するパケット数と、当該一定期間内で増加した高速カウンタ値を求める。受信したパケット数を高速カウンタ値で割り算することで無線伝送装置1におけるパケット生成カウンタの更新周期が分かる。例えば、無線伝送装置1では高速クロックに基づく高速カウンタの1000000000(カウント)につき1つのパケットを生成しており、無線端末装置2−1において高速カウンタの1000000001(カウント)につき1つのパケットを受信したとする。無線端末装置2−1は、高速カウンタの1000000000(カウント)につき1つのパケットが送信されることを予め知っているとする。このとき、無線端末装置2−1のパケット再生カウンタの刻みを高速カウンタの1000000001(カウント)とする(高速カウンタ1000000001(カウント)でカウント値を1インクリメントする)ことで、パケット再生カウンタを無線端末1のパケット生成カウンタに同期させることができる。以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1または2と同様である。
【0057】
より高精度に無線伝送装置1と無線端末装置2−1,2−2のカウンタを同期させるには、1つの受信パケット周期と高速カウンタ値の関係を求めるのではなく、100の受信パケット受信周期と高速カウンタ値とを比較する等、観測周期を増やすことで精度を高めることができる。さらに、複数回の観測結果を平均することで精度を高めることができる。
【0058】
例えば1ppm単位の精度で同期させるには、106個以上の受信パケットについて受信パケット周期と高速カウンタ値の関係を求める必要がある。この場合、高速クロック100クロックで1送信周期であるとすると、少なくとも108以上の高速クロックあたりの受信パケットについて観測する必要がある。
【0059】
このように、本実施の形態では、無線伝送装置1がRRパケットの回線状況をモニタし、回線状況が良いタイミングで時刻情報を通知するようにした。これにより、カウンタ情報または遅延時間を最小に抑えた時刻同期が実現できる。また、無線伝送装置1がカウンタ情報または時刻情報を複数回送信して、無線端末装置2−1,2−2がAPPパケットに格納されたカウンタ情報または時刻情報と内部のカウンタ値あるいは時刻とを複数回比較するようにすると、一時的な回線状況の劣化による影響を最小限に抑えた時刻同期を実現できる。さらに、時刻同期後も、受信したパケット数と高速カウンタ値とに基づいて定期的に送信されるパケットの生成周期(送信周期)を観測し、観測した生成周期を用いて時刻同期を維持するようにすると、高い時刻同期精度を維持することができる。
【0060】
実施の形態4.
次に、本発明にかかる実施の形態4の無線伝送システムについて説明する。本実施の形態の無線伝送システムの構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態の無線伝送装置1の構成は、図2に示した構成とし、本実施の形態の無線端末装置2−1,2−2の構成は図5に示した構成とする。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の説明を付して、重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
【0061】
無線端末装置2−1,2−2は製品により持ちうる最大バッファサイズが異なる。このため、無線伝送装置1が無線端末装置2−1,2−2に対して最大バッファサイズの問い合わせを実施する。
【0062】
図8は、本実施の形態の最大バッファサイズの問い合わせ手順の一例を示す図である。無線伝送装置1の装置制御部11は無線端末装置2−1,2−2へ最大バッファサイズを問い合わせるパケットを生成して無線部12及びアンテナ13経由で無線信号として送信する(ステップS1)。無線端末装置2−1,2−2では、装置制御部23が、アンテナ21及び無線部22を経由して当該パケットを受信する。
【0063】
装置制御部23は、無線伝送装置から受信した最大バッファサイズの問い合わせに対する応答として、最大バッファサイズを通知する応答パケットを生成して、無線部22及びアンテナ21を介して送信する(ステップS2)。
【0064】
無線伝送装置1では、装置制御部11が、アンテナ13及び無線部12を介して応答パケット受信し、一定の時間内に受信した複数の無線端末装置2−1,2−2からの応答パケットに基づいて、応答パケットにより通知されたバッファサイズのうち最も小さいバッファサイズ(最小バッファサイズ)以下となるよう再生オフセット情報を決定して全無線端末装置2−1,2−2へ通知する。再生オフセット情報は、最小バッファサイズ以下であればどのような値を設定してもよいが、例えば最小バッファサイズの半分の程度を設定することでパケットの到着揺らぎをバランス良く吸収することができる。以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1または2と同様である。
【0065】
このように、本実施の形態では、無線伝送装置1が無線端末装置2−1,2−2に対して最大バッファサイズの問い合わせを実施し、一定時間内に応答のあった無線端末装置2−1,2−2のうちの最小のバッファサイズより小さい値を再生オフセット情報として全無線端末装置2−1,2−2へ通知するようにした。このため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともにバッファオーバーフローを防ぎ、パケットの到着揺らぎを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明にかかる無線伝送システム、無線伝送装置および無線端末装置は、映像データを伝送する無線伝送システムに有用であり、特に、音声データと映像データを異なる伝送路で伝送する無線伝送システムに適している。
【符号の説明】
【0067】
1 無線伝送装置
2−1,2−2 無線端末装置
3 移動体
11,23 装置制御部
12,22 無線部
13,21 アンテナ
14,24 バッファ
15 音声再生部
16 スピーカ
17,25 映像再生部
18,26 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを無線伝送により送信し、前記映像データとともにコンテンツを構成する音声データを再生する無線伝送装置と、前記映像データを受信して再生する無線端末装置と、を備える無線伝送システムであって、
前記無線伝送装置は、
前記無線端末装置へ前記映像データの再生を遅延させる時間である再生オフセット時間を格納した通知パケットをトランスポート層以上の層で生成し、前記映像データを格納した映像パケットを生成し、前記映像パケットの送信時刻または生成時刻を示す時刻情報を前記映像パケットに格納する装置制御部と、
前記装置制御部が生成した前記通知パケットおよび前記映像パケットを前記無線端末装置へ送信する無線部と、
前記映像データを前記再生オフセット時間分遅延させて再生する音声再生部と、
を備え、
前記無線端末装置は、
前記映像パケットおよび前記通知パケットを受信する端末側無線部と、
受信した前記映像データをバッファリングするバッファと、
前記通知パケットから前記再生オフセット時間を抽出し、受信した前記映像データが当該データに対応する前記時刻情報が示す時刻の前記再生オフセット時間後に読み出されるよう制御する端末側制御部と、
前記バッファから読み出された前記映像データを再生する映像再生部と、
を備える、ことを特徴とする無線伝送システム。
【請求項2】
前記無線伝送装置は、
映像データを前記再生オフセット時間遅らせて再生する伝送装置側映像再生部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の無線伝送システム。
【請求項3】
前記無線端末装置のうち少なくとも一部の装置は、前記映像データおよび前記音声データを保持し、前記映像データおよび前記音声データを前記無線伝送装置へ送信し、
前記無線伝送装置は、前記無線端末装置から受信した前記映像データを格納した前記映像パケットを前記無線端末装置へ送信することを特徴とする請求項1または2に記載の無線伝送システム。
【請求項4】
前記無線伝送装置は、前記映像データの送信元の無線端末装置へは、当該映像データを格納した前記映像パケットを送信せず、当該映像データの再生タイミングを前記送信元の無線端末装置へ送信し、
前記送信元の無線端末装置は、受信した前記再生タイミングに基づいて、保持している前記映像データを再生することを特徴とする請求項3に記載の無線伝送システム。
【請求項5】
前記無線端末装置は、前記無線伝送装置から周期的に送信されるパケットに基づいてトランスポート層以上の層にて回線状況を判定し、前記回線状況を前記無線伝送装置へ送信し、
前記無線伝送装置は、受信した前記回線状況が良好な場合に自装置の時刻を示す伝送装置時刻情報を格納して前記無線端末装置へ送信し、
前記無線端末装置は、受信した前記伝送装置時刻情報に基づいて、自装置の時刻を前記伝送装置時刻情報に同期させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の無線伝送システム。
【請求項6】
無線端末装置は、自装置の時刻と受信した前記伝送装置時刻情報が示す時刻との差が一定値以内となった場合に同期確立と判断し、前記差が一定値を超える場合に時刻同期処理を実施することを特徴とする請求項5に記載の無線伝送システム。
【請求項7】
前記無線端末装置は、前記回線状況が良好な場合に前記無線伝送装置から周期的に送信されたパケットの受信パケット数と自装置の時刻で計測したパケット送信周期との差に基づいて自装置の時刻を前記伝送装置時刻情報に同期させることを特徴とする請求項5または6に記載の無線伝送システム。
【請求項8】
前記無線伝送装置は、前記無線端末装置から当該無線端末装置の最大バッファサイズを取得し、取得した前記最大バッファサイズのうちの最小値より小さい値を前記再生オフセット情報として通知することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の無線伝送システム。
【請求項9】
前記無線伝送装置は、前記無線端末装置との間の時刻同期確立のための送信パケットはユニキャストパケットとして送信し、前記映像パケットはマルチキャストパケットとして送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の無線伝送システム。
【請求項10】
映像データを無線端末装置へ無線伝送により送信し、前記映像データとともにコンテンツを構成する音声データを再生する無線伝送装置であって、
前記無線伝送装置は、
前記無線端末装置へ前記映像データの再生を遅延させる時間である再生オフセット時間を格納した通知パケットをトランスポート層以上の層で生成し、前記映像データを格納した映像パケットを生成し、前記映像パケットの送信時刻または生成時刻を示す時刻情報を前記映像パケットに格納する装置制御部と、
前記装置制御部が生成した前記通知パケットおよび前記映像パケットを前記無線端末装置へ送信する無線部と、
前記映像データを前記再生オフセット時間分遅延させて再生する音声再生部と、
を備えることを特徴とする無線伝送装置。
【請求項11】
映像データを無線伝送装置から受信する無線端末装置であって、
前記映像データと当該映像データの生成または送信時刻を示す時刻情報とが格納された映像パケットと、前記映像データとともにコンテンツを構成する音声データの前記無線伝送装置において遅延させる時間を示す再生オフセット情報を格納した通知パケットと、を受信する端末側無線部と、
受信した前記映像データをバッファリングするバッファと、
前記通知パケットから前記再生オフセット時間を抽出し、受信した前記映像データが当該データに対応する前記時刻情報が示す時刻の前記再生オフセット時間後に読み出されるよう制御する端末側制御部と、
前記バッファから読み出された前記映像データを再生する映像再生部と、
を備える、ことを特徴とする無線端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−115493(P2013−115493A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257742(P2011−257742)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】