無線基地局、無線端末、および無線通信システム
【課題】無線端末において、複数の無線基地局からの制御チャネルの信号が干渉するのを防止することができる無線基地局、無線端末、および無線通信システムを提供する。
【解決手段】GPSモジュール20は、自装置の位置を検出する。位置情報抽出部24は、第1の無線基地局からの制御チャネルに含まれる、第1の無線基地局の位置を表わす情報を抽出する。距離算出部22は、自装置の位置を表わす情報および第1の無線基地局の位置を表わす情報から、第1の無線基地局と自装置との距離を算出する。送信電力制御情報生成部21は、算出した距離が、所定の距離を超える場合に、第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を生成する。無線通信部14は、送信電力を制御するための情報を第1の無線基地局とは別の通信中の第2の無線基地局に送信する。
【解決手段】GPSモジュール20は、自装置の位置を検出する。位置情報抽出部24は、第1の無線基地局からの制御チャネルに含まれる、第1の無線基地局の位置を表わす情報を抽出する。距離算出部22は、自装置の位置を表わす情報および第1の無線基地局の位置を表わす情報から、第1の無線基地局と自装置との距離を算出する。送信電力制御情報生成部21は、算出した距離が、所定の距離を超える場合に、第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を生成する。無線通信部14は、送信電力を制御するための情報を第1の無線基地局とは別の通信中の第2の無線基地局に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局、無線端末、および無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の無線基地局から送信される信号が無線端末において干渉することが問題となっており、これを防止するために、無線基地局において送信電力を制御する方法が知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2010−239203号公報)には、セル領域内にある移動局の、基地局との直線距離及び移動方向を判定し、基地局から遠ざかりセル領域境界付近に移動する移動局の下り送信電力の増加を抑制することにより、セル内での下り干渉波の増加及び干渉波の変動を抑制と、セル内での通信品質の安定化やスループットの向上とを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−239203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1(特開2010−239203号公報)に記載されている送信電力の制御は、通話チャネル(TCH)の信号の送信電力を制御するものである。通話チャネル(TCH)の送信電力制御は、従来から特定の方向にビームを向けるビームフォーミングなどによって行なわれおり、比較的容易である。しかしながら、制御チャネルは、ビームフォーミングではなく、オムニ送信されるため、問題となる。
【0006】
図10および図11は、2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号が干渉する例を説明するための図である。
【0007】
図10に示すように、基地局CS1と基地局CS2とが隣接しており、基地局CS1と、基地局CS2と、から送信される制御チャネルの信号を受信できる位置に、端末PSが存在する状況を想定する。
【0008】
CS1−CCH限界は、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号が届く限界地点を表わし、CS2−CCH限界は、基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号が届く限界地点を表わし、CS1−TCH限界は、基地局CS1からの通話チャネル(TCH)の信号が伝送遅延に起因する受信エラーになることなく受信できる限界地点を表わし、CS2−TCH限界は、基地局CS2からの通話チャネル(TCH)の信号が伝送遅延に起因する受信エラーになることなく受信できる限界地点を表わす。
【0009】
端末PSは、CS1−CCH限界の内部にあり、かつCS2−CCH限界の内部にあるため、端末PSには、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号と基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号が届くことになる。
【0010】
一方、基地局CS1は、CS2−CCH限界の外部にあるため、基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号を受信できない。また、基地局CS2は、CS1−CCH限界の外部にあるため、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号を受信できない。その結果、基地局CS1と基地局CSとの間で、制御チャネル(CCH)を互いに異なるスロットを割り当てることや、フレームのタイミングを互いに異なるタイミングにするような調整が行なわれない。
【0011】
以上の結果、図11に示すように、端末PSにおいて、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)と基地局CS2からの制御チャネル(CCH)が干渉する場合がある。
【0012】
以上説明したように、2つの無線基地局が離れている場合には、互いの制御チャネル(CCH)を受け取れないため、フレームのタイミングや、制御チャネルを割り当てるスロットを調整することができなくなり、2つの無線基地局から送信される制御チャネルの信号を受信できる位置に存在する無線端末において、2つの無線基地局から送信される制御チャネル(CCH)が干渉する場合がある。
【0013】
それゆえに、本発明の目的は、無線端末において、複数の無線基地局からの制御チャネルの信号が干渉するのを防止することができる無線基地局、無線端末、および無線通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の無線端末は、自装置の位置を検出する位置検出部と、第1の無線基地局からの制御チャネルに含まれる、第1の無線基地局の位置を表わす情報を抽出する位置情報抽出部と、自装置の位置を表わす情報および第1の無線基地局の位置を表わす情報から、第1の無線基地局と自装置との距離を算出する距離算出部と、算出した距離が、所定の距離を超える場合に、第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を生成する制御情報生成部と、送信電力を制御するための情報を第1の無線基地局とは別の第2の無線基地局に送信する送信部とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、無線端末において、複数の無線基地局からの制御チャネルの信号が干渉するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態の無線通信システムを表わす図である。
【図2】本実施の形態の無線端末の構成を表わす図である。
【図3】タイムスロットの構成を表わす図である。
【図4】本実施の形態の無線基地局の構成を表わす図である。
【図5】無線端末の動作手順を表わすフローチャートである。
【図6】無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。
【図7】本実施の形態の無線通信システムの各装置における信号の流れの例を説明するための図である。
【図8】本実施の形態によって、2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号の干渉が回避される例を説明するための図である。
【図9】本実施の形態によって、2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号の干渉が回避される例を説明するための図である。
【図10】2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号が干渉する例を説明するための図である。
【図11】2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号が干渉する例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(無線通信システムの構成)
図1は、本実施の形態の無線通信システムを表わす図である。
【0018】
図1を参照して、この無線通信システムは、複数の無線基地局2_1〜2_Nがネットワークケーブル3で接続される。無線端末5_1〜5_Nは、通信接続を確立した無線基地局と通話チャネル(TCH)を通じて通信する。無線基地局2_1〜2_Nと無線端末5_1〜5_Mとの間の通話チャネルの信号は、特定の方向にビームを向けるビームフォーミングなどによって行なわれる。一方、無線基地局2_1〜2_Nと無線端末5_1〜5_Nとの間の制御チャネルの信号は、オムニ(全方向)送受信する。
【0019】
(無線端末の構成)
図2は、本実施の形態の無線端末の構成を表わす図である。
【0020】
この無線端末5は、無線アンテナ11,12と、無線通信部14と、復調部15と、復号化部16と、符号化部18と、変調部17と、制御部19と、GPS(Global Positioning System)アンテナ13と、GPSモジュール20とを備える。
【0021】
制御部19は、送信電力制御情報生成部21と、位置情報抽出部24と、距離算出部22と、タイミング制御部23とを含む。
【0022】
無線通信部14は、たとえばPHS規格に従った方式で、信号を送受信する。具体的には、無線通信部14は、4チャネル多重マルチキャリアTDMA/TDD(Time Division Multiple access/Time Division Duplex)方式で信号を送受信する。この方式では、1つの無線キャリア上のデジタル信号を5ms当たりごとのフレームに分割し、さらに各フレームを8個のタイムスロットに分割し、下り方向(基地局→端末)に4個のタイムスロット、上り方向(端末→基地局)に4個のタイムスロット割り当てている。各方向の4タイムスロットのうち、1つのタイムスロットが制御チャネルとして使用され、残りの3つのタイムスロットが通話チャネルとして用いられる。
【0023】
本実施の形態における無線通信部14の特に具体的な役割は、通信接続が確立されていない無線基地局からの下り制御チャネル(CCH)を受信することと、受信した下り制御チャネル(CCH)の送信元の第1の無線基地局とは別の、例えば、第2の無線基地局との通信接続が確立されたときに通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信することである。
【0024】
符号化部18は、無線基地局への信号(アップリンク信号)を符号化する。
変調部17は、符号化されたアップリング信号を変調する。
【0025】
復調部15は、無線基地局からのダウンリンク信号を復調する。
復号化部16は、復調されたダウンリンク信号を復号する。
【0026】
GPSモジュール20は、GPSアンテナ13で受信したGPS衛星からの軌道情報に基づいて、自装置(無線端末)の位置を検出して、自装置の位置を表わす情報を生成する。
【0027】
位置情報抽出部24は、無線基地局からの制御チャネル(CCH)に無線基地局の位置を表わす位置情報が含まれている場合には、その位置情報を抽出する。位置情報が抽出された無線基地局を第1の無線基地局とする。
【0028】
距離算出部22は、GPSモジュール20で生成された自装置の位置を表わす情報と、位置情報抽出部24で抽出された第1の無線基地局の位置情報とから、第1の無線基地局と自装置との距離を算出する。
【0029】
送信電力制御情報生成部21は、距離算出部22で算出された距離が、所定の距離を超える場合に、第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するために、距離算出部22で算出された距離を含む送信電力制御情報を生成する。送信電力制御情報生成部21は、生成した送信電力制御情報をメモリ(図示しない)に記憶する。
【0030】
図3は、タイムスロットの構成を表わす図である。
図3に示すように、各スロットは、ヘッダ部とペイロード部とCRCを構成するシンボル部分と、冗長部分であるガードインターバルからなる。
【0031】
ガードインターバルを設けることによって、信号の伝送遅延によって干渉が防止される。しかしながら、無線端末と無線基地局との距離が、ガードインターバルの時間×信号の伝送速度の距離よりも大きい場合には、ガードインターバールによっても信号の干渉を防止できない。すなわち、無線端末は、(ガードインターバルの時間/2)×信号の伝送速度の距離よりも大きい場所にある無線基地局に、信号を送信しても無駄となる。ここで、(ガードインターバルの時間/2)としたのは、ダウンリンク信号の遅延時間とアップリンク時間の遅延時間が影響するからである。
【0032】
このように、無線端末から無線基地局への信号の距離限界は存在するが、無線端末では、無線基地局から受信した信号にタイミングをあわせるため、無線基地局から無線端末への信号の距離限界は考慮しなくてもよい。
【0033】
本実施の形態では、送信電力制御情報生成部21は、上記の所定の距離として、(ガードインターバルの時間/2)×信号の伝送速度の距離を用いる。すなわち、送信電力制御情報生成部21は、第1の無線基地局との距離が(ガードインターバルの時間/2)×信号の伝送速度の距離よりも遠い場合には、第1の無線基地局からの制御チャネル(CCH)の信号が自装置に届かないようにする。また、これによって、無駄な制御チャネル(CCH)が届くのを防止できるともに、無駄な制御チャネル(CCH)が届くことによって、他の無線基地局からの必要な制御チャネル(CCH)の信号と干渉するのを防止できる。
【0034】
タイミング制御部23は、無線基地局からのフレームに同期するように、自装置のフレームのタイミングを制御する。
【0035】
(無線基地局の構成)
図4は、本実施の形態の無線基地局の構成を表わす図である。
【0036】
この無線基地局2は、無線アンテナ31,32と、無線通信部34と、復調部35と、復号化部36と、符号化部38と、変調部37と、制御部39と、GPSアンテナ33と、GPSモジュール40と、ネットワーク通信部45とを備える。
【0037】
制御部39は、位置情報中継部42と、送信電力制御部43と、タイミング制御部44とを含む。
【0038】
無線通信部34は、無線端末5の無線通信部14と同様に、たとえばPHS規格に従った方式で、信号を送受信する。本実施の形態における無線通信部34の特に具体的な役割は、制御チャネル(CCH)を通じて自局の位置情報を送信することである。自局の位置情報は、制御チャネル(CCH)のオプション領域を使って送信される。
【0039】
符号化部38は、無線端末への信号(ダウンリンク信号)を符号化する。
変調部37は、符号化されたダウンリンク信号を変調する。
【0040】
復調部35は、無線端末からのアップリンク信号を復調する。
復号化部36は、復調されたアップリンク信号を復号する。
【0041】
GPSモジュール40は、電源投入時に、無線基地局(自局)の位置を検出して、自局の位置を表わす位置情報を生成する。なお、無線基地局が、設置位置が固定されていない移動可能な無線基地局であれば、一定の周期ごとに、自局の位置を検出し、当該位置を表す位置情報を生成してもよい。
【0042】
位置情報中継部42は、無線通信部が受信した通信中の無線端末から送信される通話チャネル(TCH)に送信電力制御情報が含まれている場合には、この送信電力制御情報を抽出する。
【0043】
ネットワーク通信部45は、位置情報中継部42で抽出された送信電力制御情報を、ネットワークケーブル3を通じて、基地局制御センタに送信する。また、ネットワーク通信部45は、ネットワークケーブル3を通じて、基地局制御センタから送信電力制御情報を受信した場合には、送信電力制御情報を送信電力制御部43へ出力する。
【0044】
送信電力制御部43は、ネットワークケーブル3を通じて受信した自局に対する送信電力制御情報に含まれる距離を表わす情報に基づいて、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する。具体的には、送信電力制御部43は、距離が長いほど、送信電力を小さくする。
【0045】
タイミング制御部44は、他の無線基地局からの信号に基づいて、制御チャネル(CCH)を割り当てるスロットやフレームのタイミングを決定する。
【0046】
(無線端末の動作)
図5は、無線端末の動作手順を表わすフローチャートである。
【0047】
図5を参照して、まず、無線端末5の電源がオンされる(ステップS200)。
次に、無線端末5の無線通信部14は、通信接続が確立されていない無線基地局からの下り制御チャネル(CCH)を受信する(ステップS201)。
【0048】
次に、無線端末5の位置情報抽出部24は、受信した下り制御チャネル(CCH)から下り制御チャネル(CCH)の送信元の第1の無線基地局の位置情報を抽出する。この位置情報を位置情報Aとする(ステップS202)。
【0049】
次に、無線端末5のGPSモジュール20は、無線端末(自端末)の位置を検出して、自装置の位置を表わす位置情報を生成する。この位置情報を位置情報Bとする(ステップS203)。
【0050】
次に、無線端末5の距離算出部22は、位置情報Aと位置情報Bとを用いて、受信した下り制御チャネル(CCH)の送信元の第1の無線基地局と、無線端末(自端末)との距離を計算する(ステップS204)。
【0051】
次に、無線端末5の送信電力制御情報生成部21は、算出した距離が所定値THを超えているときには(ステップS205でYES)、算出した距離を表わす情報を含む送信電力制御情報を生成する(ステップS206)。
【0052】
無線端末5の無線通信部14は、受信した下り制御チャネル(CCH)の送信元の第1の無線基地局とは別の第2の無線基地局との通信接続が確立されたときに通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信する(ステップS207)。
【0053】
無線端末5は、電源がオフされまで(ステップS208でYES)、上記の動作を繰返す。
【0054】
(無線基地局の動作)
図6は、無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。
【0055】
図6を参照して、まず、無線基地局2の電源がオンされる(ステップS300)。
無線基地局2のGPSモジュール40は、無線基地局2(自局)の位置を検出して、自局の位置を表わす位置情報を生成する(ステップS301)。
【0056】
無線基地局2の無線通信部34は、下り制御チャネル(CCH)の送信タイミングで(ステップS302でYES)、当該下り制御チャネルを通じて自局の位置情報を送信する(ステップS303)。
【0057】
無線基地局2のネットワーク通信部45が、ネットワークケーブル3を通じて、基地局制御センタ4から送信電力制御情報を受信した場合には(ステップS304でYES)、送信電力制御部43は、送信電力制御情報を抽出する(ステップS305)。
【0058】
無線基地局2の送信電力制御部43は、送信電力制御情報に含まれる距離を表わす情報に基づいて、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する(ステップS306)。
【0059】
無線基地局2の無線通信部34が受信した通信中の無線端末から送信される通話チャネル(TCH)に送信電力制御情報が含まれている場合には(ステップS307でYES)、位置情報中継部42は、送信電力制御情報を抽出する(ステップS308)。
【0060】
無線基地局2のネットワーク通信部45は、抽出した送信電力制御情報をネットワークケーブル3を通じて、基地局制御センタ4に送信する(ステップS309)。
【0061】
無線基地局2は、電源がオフされまで(ステップS310でYES)、上記の動作を繰返す。
【0062】
(例)
図7は、本実施の形態の無線通信システムの各装置における信号の流れの例を説明するための図である。
【0063】
ここでは、基地局CS1と端末PSとの距離が所定値を超えた場合の例を表わしている。
【0064】
基地局CS1は、自局の下り制御チャネル(CCH)の送信タイミングで、自局の位置情報を含む下り制御チャネル(CCH)の信号を送信する(A1を参照)。
【0065】
端末PSは、基地局CS1の下り制御チャネル(CCH)の信号に含まれる基地局CS1の位置を表わす情報と自装置の位置情報から自装置と基地局CS1との距離を計算し、自装置と基地局CS1との距離が所定値を超えているので、基地局CS1に対する送信電力制御情報を生成する信号を生成する(A2に示す)。
【0066】
基地局CS2は、自局の下り制御チャネル(CCH)の送信タイミングで、自局の位置情報を含む下り制御チャネル(CCH)の信号を送信する(A3を参照)。
【0067】
端末PSは、基地局CS2の下り制御チャネル(CCH)の信号を受信する、または、移動等により基地局CS2の下り制御チャネル(CCH)の信号を受信できるようになると、当該信号に含まれる基地局CS1の位置を表わす情報と自装置の位置情報から自装置と基地局CS2との距離を計算する(A4に示す)。このとき、端末PSは、自装置と基地局CS2との距離が所定値を超えていないので、送信電力制御情報を生成しない。
【0068】
端末PSは、その後、自装置と基地局CS2との間で通信接続を確立する(A5に示す)。
【0069】
端末PSは、上り通話チャネル(TCH)を通じて、基地局CS2に基地局CS1に対する送信電力制御情報を含む信号を送信する(A6に示す)。
【0070】
基地局CS2は、上り通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を含む信号を受信して、送信電力制御情報をネットワークケーブル3を通じて基地局制御センタ4へ送信する(A7に示す)。
【0071】
基地局制御センタ4は、ネットワークケーブル3を通じて、基地局CS1へ送信電力制御情報を送信する(A8に示す)。
【0072】
基地局CS1は、送信電力制御情報を受信し、送信電力制御情報に基づいて、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する(A9に示す)。
【0073】
その結果、基地局CS1からの下り制御チャネル(CCH)の信号は、端末PSが当該信号を受信した位置には届かない(A10に示す)。
【0074】
図8および図9は、本実施の形態によって、2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号の干渉が回避される例を説明するための図である。
【0075】
図8では、図10と同様に、基地局CS1と基地局CS2とが隣接しており、基地局CS1と基地局CS2の中央に、端末PSが存在する状況を想定する。
【0076】
CS1−CCH限界は、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号が届く限界地点を表わし、CS2−CCH限界は、基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号が届く限界地点を表わし、CS1−TCH限界は、基地局CS1からの通話チャネル(TCH)の信号が伝送遅延に起因する受信エラーになることなく受信できる限界地点を表わし、CS2−TCH限界は、基地局CS2からの通話チャネル(TCH)の信号が伝送遅延に起因する受信エラーになることなく受信できる限界地点を表わす。
【0077】
基地局CS1が送信電力を制御することによって、CS1−CCH限界が内側に移動する。その結果、端末PSの位置は、CS2−CCH限界の内部であるが、CS1−CCH限界の外部となる。その結果、端末PSには、基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号が届くが、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号が届かず、干渉が起こらない。
【0078】
以上の結果、図9に示すように、端末PSにおいて、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)と基地局CS2からの制御チャネル(CCH)が干渉しない。
【0079】
以上のように、本実施の形態によれば、無線端末が正常に受信できないようなエリア範囲まで届くような制御チャネル(CCH)を送信している無線基地局に対して、送信電力を小さくするように指示することによって、無線端末において無駄な干渉を避けることができる。
【0080】
(変形例)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような変形例も含む。
【0081】
(1) 送信電力制御情報
本実施の形態では、送信電力制御情報には、自装置と第1の無線基地局との距離を表わす情報を含むこととしたが、これに限定されるものではない。
【0082】
たとえば、送信電力制御情報には、第1の無線基地局から送信される制御チャネルに含まれる信号を無線端末で受信した信号の強度を表わす情報を含むこととしてもよい。無線基地局の送信電力制御部は、送信電力制御情報に含まれる受信信号の強度に応じて、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する。具体的には、送信電力制御部は、受信強度が小さいほど、送信電力の減少量を小さくする。
【0083】
また、無線端末が、第1の無線基地局における制御チャネル(CCH)の送信電力を計算して、送信電力制御情報に算出された送信電力を表わす情報を含むこととしてもよい。無線基地局の送信電力制御部は、送信電力制御情報に含まれる送信電力通りに、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する。
【0084】
(2) 距離の計算
本実施の形態では、無線端末が自装置と第1の無線基地局との距離を算出したが、これに限定するものではない。無線端末が自装置の位置を表わす情報を別の無線基地局および基地局制御センタを介して第1の無線基地局へ送信し、第1の無線基地局が自局の位置と受信した無線端末の位置と基づいて、無線端末と自局の距離を算出することとしてもよい。
【0085】
(3) 送信電力制御情報の送信
本実施の形態では、無線端末が基地局CS1とからの制御チャネル(CCH)を受信し、自端末と基地局CS1との距離を計算し、送信電力制御情報を送信する動作が、待ち受け時から無線端末が基地局CS2との通信開始時である場合について説明したが、これに限定されるものではない。無線端末は、基地局CS1と基地局CS2とからの下り制御チャネル(CCH)の信号の送信タイミングが同一で、干渉により、基地局CS2からの当該信号を受信できない場合、下り制御チャネル(CCH)の信号を受信できた近隣の基地局CS3との通信接続を確立し、その基地局CS3との通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信してもよい。
【0086】
また、無線端末は、上記の動作をハンドオーバ時にも実行することとしてもよい。この場合、送信電力制御情報を記憶しておき、いずれかのハンドオーバ先の無線基地局と通信接続が確立した後、その無線基地局との通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信することとすればよい。また、ある無線基地局との間で通信接続が確立されている(すなわち、通話チャネルTCHを通じた通信が可能な状態)場合に、無線端末が別の無線基地局からの下り制御チャネル(CCH)の信号を受信し、自装置と当該信号を送信した別の無線基地局との距離が所定値を超えている場合、通信接続を確立している無線基地局との通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信することとすればよい。
【0087】
(4) 送信電力を制御する限界距離
所定の距離(限界距離)として、(ガードインターバルの時間/2)×信号の伝送速度の距離を用いたが、これに限定されるものではない。
【0088】
無線端末側で信号の先出し、つまり定められたスロットのタイミングよりも早いタイミングで信号を送信することが可能であるならば、所定の距離として、ガードインターバルの時間×信号の伝送速度の距離を用いることとしてもよい。あるいは、無線端末側で1シンボル分だけ早いタイミングで信号を送信することが可能であるならば、所定の距離として、(ガードインターバルの時間+1)/2×信号の伝送速度の距離を用いることとしてもよい。
【0089】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
2,2−1〜2_N 無線基地局、3 ネットワークケーブル、4 基地局制御センタ、5,5−1〜5_M 無線端末、11,12,31,32 アンテナ、13,33 GPSアンテナ、14,34 無線通信部、15,35 復調部、16,36 復号化部、17,37 変調部、18,38 符号化部、19,39 制御部、21 送信電力制御情報生成部、22 距離算出部、23,44 タイミング制御部、42 位置情報中継部、43 送信電力制御部、45 ネットワーク通信部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局、無線端末、および無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の無線基地局から送信される信号が無線端末において干渉することが問題となっており、これを防止するために、無線基地局において送信電力を制御する方法が知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2010−239203号公報)には、セル領域内にある移動局の、基地局との直線距離及び移動方向を判定し、基地局から遠ざかりセル領域境界付近に移動する移動局の下り送信電力の増加を抑制することにより、セル内での下り干渉波の増加及び干渉波の変動を抑制と、セル内での通信品質の安定化やスループットの向上とを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−239203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1(特開2010−239203号公報)に記載されている送信電力の制御は、通話チャネル(TCH)の信号の送信電力を制御するものである。通話チャネル(TCH)の送信電力制御は、従来から特定の方向にビームを向けるビームフォーミングなどによって行なわれおり、比較的容易である。しかしながら、制御チャネルは、ビームフォーミングではなく、オムニ送信されるため、問題となる。
【0006】
図10および図11は、2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号が干渉する例を説明するための図である。
【0007】
図10に示すように、基地局CS1と基地局CS2とが隣接しており、基地局CS1と、基地局CS2と、から送信される制御チャネルの信号を受信できる位置に、端末PSが存在する状況を想定する。
【0008】
CS1−CCH限界は、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号が届く限界地点を表わし、CS2−CCH限界は、基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号が届く限界地点を表わし、CS1−TCH限界は、基地局CS1からの通話チャネル(TCH)の信号が伝送遅延に起因する受信エラーになることなく受信できる限界地点を表わし、CS2−TCH限界は、基地局CS2からの通話チャネル(TCH)の信号が伝送遅延に起因する受信エラーになることなく受信できる限界地点を表わす。
【0009】
端末PSは、CS1−CCH限界の内部にあり、かつCS2−CCH限界の内部にあるため、端末PSには、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号と基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号が届くことになる。
【0010】
一方、基地局CS1は、CS2−CCH限界の外部にあるため、基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号を受信できない。また、基地局CS2は、CS1−CCH限界の外部にあるため、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号を受信できない。その結果、基地局CS1と基地局CSとの間で、制御チャネル(CCH)を互いに異なるスロットを割り当てることや、フレームのタイミングを互いに異なるタイミングにするような調整が行なわれない。
【0011】
以上の結果、図11に示すように、端末PSにおいて、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)と基地局CS2からの制御チャネル(CCH)が干渉する場合がある。
【0012】
以上説明したように、2つの無線基地局が離れている場合には、互いの制御チャネル(CCH)を受け取れないため、フレームのタイミングや、制御チャネルを割り当てるスロットを調整することができなくなり、2つの無線基地局から送信される制御チャネルの信号を受信できる位置に存在する無線端末において、2つの無線基地局から送信される制御チャネル(CCH)が干渉する場合がある。
【0013】
それゆえに、本発明の目的は、無線端末において、複数の無線基地局からの制御チャネルの信号が干渉するのを防止することができる無線基地局、無線端末、および無線通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の無線端末は、自装置の位置を検出する位置検出部と、第1の無線基地局からの制御チャネルに含まれる、第1の無線基地局の位置を表わす情報を抽出する位置情報抽出部と、自装置の位置を表わす情報および第1の無線基地局の位置を表わす情報から、第1の無線基地局と自装置との距離を算出する距離算出部と、算出した距離が、所定の距離を超える場合に、第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を生成する制御情報生成部と、送信電力を制御するための情報を第1の無線基地局とは別の第2の無線基地局に送信する送信部とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、無線端末において、複数の無線基地局からの制御チャネルの信号が干渉するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態の無線通信システムを表わす図である。
【図2】本実施の形態の無線端末の構成を表わす図である。
【図3】タイムスロットの構成を表わす図である。
【図4】本実施の形態の無線基地局の構成を表わす図である。
【図5】無線端末の動作手順を表わすフローチャートである。
【図6】無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。
【図7】本実施の形態の無線通信システムの各装置における信号の流れの例を説明するための図である。
【図8】本実施の形態によって、2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号の干渉が回避される例を説明するための図である。
【図9】本実施の形態によって、2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号の干渉が回避される例を説明するための図である。
【図10】2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号が干渉する例を説明するための図である。
【図11】2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号が干渉する例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(無線通信システムの構成)
図1は、本実施の形態の無線通信システムを表わす図である。
【0018】
図1を参照して、この無線通信システムは、複数の無線基地局2_1〜2_Nがネットワークケーブル3で接続される。無線端末5_1〜5_Nは、通信接続を確立した無線基地局と通話チャネル(TCH)を通じて通信する。無線基地局2_1〜2_Nと無線端末5_1〜5_Mとの間の通話チャネルの信号は、特定の方向にビームを向けるビームフォーミングなどによって行なわれる。一方、無線基地局2_1〜2_Nと無線端末5_1〜5_Nとの間の制御チャネルの信号は、オムニ(全方向)送受信する。
【0019】
(無線端末の構成)
図2は、本実施の形態の無線端末の構成を表わす図である。
【0020】
この無線端末5は、無線アンテナ11,12と、無線通信部14と、復調部15と、復号化部16と、符号化部18と、変調部17と、制御部19と、GPS(Global Positioning System)アンテナ13と、GPSモジュール20とを備える。
【0021】
制御部19は、送信電力制御情報生成部21と、位置情報抽出部24と、距離算出部22と、タイミング制御部23とを含む。
【0022】
無線通信部14は、たとえばPHS規格に従った方式で、信号を送受信する。具体的には、無線通信部14は、4チャネル多重マルチキャリアTDMA/TDD(Time Division Multiple access/Time Division Duplex)方式で信号を送受信する。この方式では、1つの無線キャリア上のデジタル信号を5ms当たりごとのフレームに分割し、さらに各フレームを8個のタイムスロットに分割し、下り方向(基地局→端末)に4個のタイムスロット、上り方向(端末→基地局)に4個のタイムスロット割り当てている。各方向の4タイムスロットのうち、1つのタイムスロットが制御チャネルとして使用され、残りの3つのタイムスロットが通話チャネルとして用いられる。
【0023】
本実施の形態における無線通信部14の特に具体的な役割は、通信接続が確立されていない無線基地局からの下り制御チャネル(CCH)を受信することと、受信した下り制御チャネル(CCH)の送信元の第1の無線基地局とは別の、例えば、第2の無線基地局との通信接続が確立されたときに通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信することである。
【0024】
符号化部18は、無線基地局への信号(アップリンク信号)を符号化する。
変調部17は、符号化されたアップリング信号を変調する。
【0025】
復調部15は、無線基地局からのダウンリンク信号を復調する。
復号化部16は、復調されたダウンリンク信号を復号する。
【0026】
GPSモジュール20は、GPSアンテナ13で受信したGPS衛星からの軌道情報に基づいて、自装置(無線端末)の位置を検出して、自装置の位置を表わす情報を生成する。
【0027】
位置情報抽出部24は、無線基地局からの制御チャネル(CCH)に無線基地局の位置を表わす位置情報が含まれている場合には、その位置情報を抽出する。位置情報が抽出された無線基地局を第1の無線基地局とする。
【0028】
距離算出部22は、GPSモジュール20で生成された自装置の位置を表わす情報と、位置情報抽出部24で抽出された第1の無線基地局の位置情報とから、第1の無線基地局と自装置との距離を算出する。
【0029】
送信電力制御情報生成部21は、距離算出部22で算出された距離が、所定の距離を超える場合に、第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するために、距離算出部22で算出された距離を含む送信電力制御情報を生成する。送信電力制御情報生成部21は、生成した送信電力制御情報をメモリ(図示しない)に記憶する。
【0030】
図3は、タイムスロットの構成を表わす図である。
図3に示すように、各スロットは、ヘッダ部とペイロード部とCRCを構成するシンボル部分と、冗長部分であるガードインターバルからなる。
【0031】
ガードインターバルを設けることによって、信号の伝送遅延によって干渉が防止される。しかしながら、無線端末と無線基地局との距離が、ガードインターバルの時間×信号の伝送速度の距離よりも大きい場合には、ガードインターバールによっても信号の干渉を防止できない。すなわち、無線端末は、(ガードインターバルの時間/2)×信号の伝送速度の距離よりも大きい場所にある無線基地局に、信号を送信しても無駄となる。ここで、(ガードインターバルの時間/2)としたのは、ダウンリンク信号の遅延時間とアップリンク時間の遅延時間が影響するからである。
【0032】
このように、無線端末から無線基地局への信号の距離限界は存在するが、無線端末では、無線基地局から受信した信号にタイミングをあわせるため、無線基地局から無線端末への信号の距離限界は考慮しなくてもよい。
【0033】
本実施の形態では、送信電力制御情報生成部21は、上記の所定の距離として、(ガードインターバルの時間/2)×信号の伝送速度の距離を用いる。すなわち、送信電力制御情報生成部21は、第1の無線基地局との距離が(ガードインターバルの時間/2)×信号の伝送速度の距離よりも遠い場合には、第1の無線基地局からの制御チャネル(CCH)の信号が自装置に届かないようにする。また、これによって、無駄な制御チャネル(CCH)が届くのを防止できるともに、無駄な制御チャネル(CCH)が届くことによって、他の無線基地局からの必要な制御チャネル(CCH)の信号と干渉するのを防止できる。
【0034】
タイミング制御部23は、無線基地局からのフレームに同期するように、自装置のフレームのタイミングを制御する。
【0035】
(無線基地局の構成)
図4は、本実施の形態の無線基地局の構成を表わす図である。
【0036】
この無線基地局2は、無線アンテナ31,32と、無線通信部34と、復調部35と、復号化部36と、符号化部38と、変調部37と、制御部39と、GPSアンテナ33と、GPSモジュール40と、ネットワーク通信部45とを備える。
【0037】
制御部39は、位置情報中継部42と、送信電力制御部43と、タイミング制御部44とを含む。
【0038】
無線通信部34は、無線端末5の無線通信部14と同様に、たとえばPHS規格に従った方式で、信号を送受信する。本実施の形態における無線通信部34の特に具体的な役割は、制御チャネル(CCH)を通じて自局の位置情報を送信することである。自局の位置情報は、制御チャネル(CCH)のオプション領域を使って送信される。
【0039】
符号化部38は、無線端末への信号(ダウンリンク信号)を符号化する。
変調部37は、符号化されたダウンリンク信号を変調する。
【0040】
復調部35は、無線端末からのアップリンク信号を復調する。
復号化部36は、復調されたアップリンク信号を復号する。
【0041】
GPSモジュール40は、電源投入時に、無線基地局(自局)の位置を検出して、自局の位置を表わす位置情報を生成する。なお、無線基地局が、設置位置が固定されていない移動可能な無線基地局であれば、一定の周期ごとに、自局の位置を検出し、当該位置を表す位置情報を生成してもよい。
【0042】
位置情報中継部42は、無線通信部が受信した通信中の無線端末から送信される通話チャネル(TCH)に送信電力制御情報が含まれている場合には、この送信電力制御情報を抽出する。
【0043】
ネットワーク通信部45は、位置情報中継部42で抽出された送信電力制御情報を、ネットワークケーブル3を通じて、基地局制御センタに送信する。また、ネットワーク通信部45は、ネットワークケーブル3を通じて、基地局制御センタから送信電力制御情報を受信した場合には、送信電力制御情報を送信電力制御部43へ出力する。
【0044】
送信電力制御部43は、ネットワークケーブル3を通じて受信した自局に対する送信電力制御情報に含まれる距離を表わす情報に基づいて、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する。具体的には、送信電力制御部43は、距離が長いほど、送信電力を小さくする。
【0045】
タイミング制御部44は、他の無線基地局からの信号に基づいて、制御チャネル(CCH)を割り当てるスロットやフレームのタイミングを決定する。
【0046】
(無線端末の動作)
図5は、無線端末の動作手順を表わすフローチャートである。
【0047】
図5を参照して、まず、無線端末5の電源がオンされる(ステップS200)。
次に、無線端末5の無線通信部14は、通信接続が確立されていない無線基地局からの下り制御チャネル(CCH)を受信する(ステップS201)。
【0048】
次に、無線端末5の位置情報抽出部24は、受信した下り制御チャネル(CCH)から下り制御チャネル(CCH)の送信元の第1の無線基地局の位置情報を抽出する。この位置情報を位置情報Aとする(ステップS202)。
【0049】
次に、無線端末5のGPSモジュール20は、無線端末(自端末)の位置を検出して、自装置の位置を表わす位置情報を生成する。この位置情報を位置情報Bとする(ステップS203)。
【0050】
次に、無線端末5の距離算出部22は、位置情報Aと位置情報Bとを用いて、受信した下り制御チャネル(CCH)の送信元の第1の無線基地局と、無線端末(自端末)との距離を計算する(ステップS204)。
【0051】
次に、無線端末5の送信電力制御情報生成部21は、算出した距離が所定値THを超えているときには(ステップS205でYES)、算出した距離を表わす情報を含む送信電力制御情報を生成する(ステップS206)。
【0052】
無線端末5の無線通信部14は、受信した下り制御チャネル(CCH)の送信元の第1の無線基地局とは別の第2の無線基地局との通信接続が確立されたときに通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信する(ステップS207)。
【0053】
無線端末5は、電源がオフされまで(ステップS208でYES)、上記の動作を繰返す。
【0054】
(無線基地局の動作)
図6は、無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。
【0055】
図6を参照して、まず、無線基地局2の電源がオンされる(ステップS300)。
無線基地局2のGPSモジュール40は、無線基地局2(自局)の位置を検出して、自局の位置を表わす位置情報を生成する(ステップS301)。
【0056】
無線基地局2の無線通信部34は、下り制御チャネル(CCH)の送信タイミングで(ステップS302でYES)、当該下り制御チャネルを通じて自局の位置情報を送信する(ステップS303)。
【0057】
無線基地局2のネットワーク通信部45が、ネットワークケーブル3を通じて、基地局制御センタ4から送信電力制御情報を受信した場合には(ステップS304でYES)、送信電力制御部43は、送信電力制御情報を抽出する(ステップS305)。
【0058】
無線基地局2の送信電力制御部43は、送信電力制御情報に含まれる距離を表わす情報に基づいて、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する(ステップS306)。
【0059】
無線基地局2の無線通信部34が受信した通信中の無線端末から送信される通話チャネル(TCH)に送信電力制御情報が含まれている場合には(ステップS307でYES)、位置情報中継部42は、送信電力制御情報を抽出する(ステップS308)。
【0060】
無線基地局2のネットワーク通信部45は、抽出した送信電力制御情報をネットワークケーブル3を通じて、基地局制御センタ4に送信する(ステップS309)。
【0061】
無線基地局2は、電源がオフされまで(ステップS310でYES)、上記の動作を繰返す。
【0062】
(例)
図7は、本実施の形態の無線通信システムの各装置における信号の流れの例を説明するための図である。
【0063】
ここでは、基地局CS1と端末PSとの距離が所定値を超えた場合の例を表わしている。
【0064】
基地局CS1は、自局の下り制御チャネル(CCH)の送信タイミングで、自局の位置情報を含む下り制御チャネル(CCH)の信号を送信する(A1を参照)。
【0065】
端末PSは、基地局CS1の下り制御チャネル(CCH)の信号に含まれる基地局CS1の位置を表わす情報と自装置の位置情報から自装置と基地局CS1との距離を計算し、自装置と基地局CS1との距離が所定値を超えているので、基地局CS1に対する送信電力制御情報を生成する信号を生成する(A2に示す)。
【0066】
基地局CS2は、自局の下り制御チャネル(CCH)の送信タイミングで、自局の位置情報を含む下り制御チャネル(CCH)の信号を送信する(A3を参照)。
【0067】
端末PSは、基地局CS2の下り制御チャネル(CCH)の信号を受信する、または、移動等により基地局CS2の下り制御チャネル(CCH)の信号を受信できるようになると、当該信号に含まれる基地局CS1の位置を表わす情報と自装置の位置情報から自装置と基地局CS2との距離を計算する(A4に示す)。このとき、端末PSは、自装置と基地局CS2との距離が所定値を超えていないので、送信電力制御情報を生成しない。
【0068】
端末PSは、その後、自装置と基地局CS2との間で通信接続を確立する(A5に示す)。
【0069】
端末PSは、上り通話チャネル(TCH)を通じて、基地局CS2に基地局CS1に対する送信電力制御情報を含む信号を送信する(A6に示す)。
【0070】
基地局CS2は、上り通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を含む信号を受信して、送信電力制御情報をネットワークケーブル3を通じて基地局制御センタ4へ送信する(A7に示す)。
【0071】
基地局制御センタ4は、ネットワークケーブル3を通じて、基地局CS1へ送信電力制御情報を送信する(A8に示す)。
【0072】
基地局CS1は、送信電力制御情報を受信し、送信電力制御情報に基づいて、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する(A9に示す)。
【0073】
その結果、基地局CS1からの下り制御チャネル(CCH)の信号は、端末PSが当該信号を受信した位置には届かない(A10に示す)。
【0074】
図8および図9は、本実施の形態によって、2つの基地局の制御チャネル(CCH)の信号の干渉が回避される例を説明するための図である。
【0075】
図8では、図10と同様に、基地局CS1と基地局CS2とが隣接しており、基地局CS1と基地局CS2の中央に、端末PSが存在する状況を想定する。
【0076】
CS1−CCH限界は、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号が届く限界地点を表わし、CS2−CCH限界は、基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号が届く限界地点を表わし、CS1−TCH限界は、基地局CS1からの通話チャネル(TCH)の信号が伝送遅延に起因する受信エラーになることなく受信できる限界地点を表わし、CS2−TCH限界は、基地局CS2からの通話チャネル(TCH)の信号が伝送遅延に起因する受信エラーになることなく受信できる限界地点を表わす。
【0077】
基地局CS1が送信電力を制御することによって、CS1−CCH限界が内側に移動する。その結果、端末PSの位置は、CS2−CCH限界の内部であるが、CS1−CCH限界の外部となる。その結果、端末PSには、基地局CS2からの制御チャネル(CCH)の信号が届くが、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)の信号が届かず、干渉が起こらない。
【0078】
以上の結果、図9に示すように、端末PSにおいて、基地局CS1からの制御チャネル(CCH)と基地局CS2からの制御チャネル(CCH)が干渉しない。
【0079】
以上のように、本実施の形態によれば、無線端末が正常に受信できないようなエリア範囲まで届くような制御チャネル(CCH)を送信している無線基地局に対して、送信電力を小さくするように指示することによって、無線端末において無駄な干渉を避けることができる。
【0080】
(変形例)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような変形例も含む。
【0081】
(1) 送信電力制御情報
本実施の形態では、送信電力制御情報には、自装置と第1の無線基地局との距離を表わす情報を含むこととしたが、これに限定されるものではない。
【0082】
たとえば、送信電力制御情報には、第1の無線基地局から送信される制御チャネルに含まれる信号を無線端末で受信した信号の強度を表わす情報を含むこととしてもよい。無線基地局の送信電力制御部は、送信電力制御情報に含まれる受信信号の強度に応じて、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する。具体的には、送信電力制御部は、受信強度が小さいほど、送信電力の減少量を小さくする。
【0083】
また、無線端末が、第1の無線基地局における制御チャネル(CCH)の送信電力を計算して、送信電力制御情報に算出された送信電力を表わす情報を含むこととしてもよい。無線基地局の送信電力制御部は、送信電力制御情報に含まれる送信電力通りに、下り制御チャネル(CCH)の送信電力を制御する。
【0084】
(2) 距離の計算
本実施の形態では、無線端末が自装置と第1の無線基地局との距離を算出したが、これに限定するものではない。無線端末が自装置の位置を表わす情報を別の無線基地局および基地局制御センタを介して第1の無線基地局へ送信し、第1の無線基地局が自局の位置と受信した無線端末の位置と基づいて、無線端末と自局の距離を算出することとしてもよい。
【0085】
(3) 送信電力制御情報の送信
本実施の形態では、無線端末が基地局CS1とからの制御チャネル(CCH)を受信し、自端末と基地局CS1との距離を計算し、送信電力制御情報を送信する動作が、待ち受け時から無線端末が基地局CS2との通信開始時である場合について説明したが、これに限定されるものではない。無線端末は、基地局CS1と基地局CS2とからの下り制御チャネル(CCH)の信号の送信タイミングが同一で、干渉により、基地局CS2からの当該信号を受信できない場合、下り制御チャネル(CCH)の信号を受信できた近隣の基地局CS3との通信接続を確立し、その基地局CS3との通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信してもよい。
【0086】
また、無線端末は、上記の動作をハンドオーバ時にも実行することとしてもよい。この場合、送信電力制御情報を記憶しておき、いずれかのハンドオーバ先の無線基地局と通信接続が確立した後、その無線基地局との通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信することとすればよい。また、ある無線基地局との間で通信接続が確立されている(すなわち、通話チャネルTCHを通じた通信が可能な状態)場合に、無線端末が別の無線基地局からの下り制御チャネル(CCH)の信号を受信し、自装置と当該信号を送信した別の無線基地局との距離が所定値を超えている場合、通信接続を確立している無線基地局との通話チャネル(TCH)を通じて、送信電力制御情報を送信することとすればよい。
【0087】
(4) 送信電力を制御する限界距離
所定の距離(限界距離)として、(ガードインターバルの時間/2)×信号の伝送速度の距離を用いたが、これに限定されるものではない。
【0088】
無線端末側で信号の先出し、つまり定められたスロットのタイミングよりも早いタイミングで信号を送信することが可能であるならば、所定の距離として、ガードインターバルの時間×信号の伝送速度の距離を用いることとしてもよい。あるいは、無線端末側で1シンボル分だけ早いタイミングで信号を送信することが可能であるならば、所定の距離として、(ガードインターバルの時間+1)/2×信号の伝送速度の距離を用いることとしてもよい。
【0089】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
2,2−1〜2_N 無線基地局、3 ネットワークケーブル、4 基地局制御センタ、5,5−1〜5_M 無線端末、11,12,31,32 アンテナ、13,33 GPSアンテナ、14,34 無線通信部、15,35 復調部、16,36 復号化部、17,37 変調部、18,38 符号化部、19,39 制御部、21 送信電力制御情報生成部、22 距離算出部、23,44 タイミング制御部、42 位置情報中継部、43 送信電力制御部、45 ネットワーク通信部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の位置を検出する位置検出部と、
第1の無線基地局からの制御チャネルに含まれる、前記第1の無線基地局の位置を表わす情報を抽出する位置情報抽出部と、
前記自装置の位置を表わす情報および前記第1の無線基地局の位置を表わす情報から、前記第1の無線基地局と自装置との距離を算出する距離算出部と、
前記算出した距離が、所定の距離を超える場合に、前記第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を生成する制御情報生成部と、
前記送信電力を制御するための情報を、前記第1の無線基地局とは別の第2の無線基地局に送信する送信部とを備えた、無線端末。
【請求項2】
前記送信電力を制御するための情報には、自装置と前記第1の無線基地局と前記距離を含む、請求項1記載の無線端末。
【請求項3】
前記送信電力を制御するための情報には、前記第1の無線基地局から送信される制御チャネルに含まれる信号の前記無線端末における受信強度を含む、請求項1記載の無線端末。
【請求項4】
前記所定の距離は、ガードインタバルの長さの前記無線基地局と前記無線端末との間の信号の伝送遅延によって定まる値である、請求項1記載の無線端末。
【請求項5】
自装置の位置を検出する位置検出部と、
前記自装置の位置を表わす情報を含む制御チャネルの信号を送信する無線通信部と、
基地局制御センタからネットワークを通じて、送信電力を制御するための情報を受信するネットワーク通信部と、
ネットワークを通じて前記送信電力を制御するための情報を受信した場合に、制御チャネルの送信電力を制御する電力制御部を備えた、無線基地局。
【請求項6】
前記送信電力を制御するための情報には、無線端末と自装置との間の距離が含まれ、
前記電力制御部は、前記距離に応じて、送信電力を制御する、請求項5記載の無線基地局。
【請求項7】
前記送信電力を制御するための情報には、無線端末における制御チャネルの受信信号の強度が含まれ、
前記電力制御部は、前記受信信号の強度に応じて、送信電力を制御する、請求項5記載の無線基地局。
【請求項8】
前記無線通信部は、通信中の無線端末から自局とは別の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を受信し、
前記ネットワーク通信部は、前記ネットワークを通じて前記送信電力を制御するための情報を基地局制御センタへ送信する、請求項5記載の無線基地局。
【請求項9】
無線端末と、複数の無線基地局と、前記複数の無線基地局とネットワークを介して接続される基地局制御センタとを備えた無線通信システムであって、
前記無線端末は、
自装置の位置を検出する第1の位置検出部と、
第1の無線基地局からの制御チャネルに含まれる、前記第1の無線基地局の位置を表わす情報を抽出する位置情報抽出部と、
前記自装置の位置を表わす情報および前記第1の無線基地局の位置を表わす情報から、前記第1の無線基地局と自装置との距離を算出する距離算出部と、
前記算出した距離が、所定の距離を超える場合に、前記第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を、前記第1の無線基地局とは別の通信中の第2の無線基地局に送信する送信部とを備え、
前記無線基地局は、
自装置の位置を検出する第2の位置検出部と、
前記自装置の位置を表わす情報を含む制御チャネルの信号を送信する無線通信部と、
前記基地局制御センタから前記ネットワークを通じて、送信電力を制御するための情報を受信するネットワーク通信部と、
前記ネットワークを通じて前記送信電力を制御するための情報を受信した場合に、制御チャネルの送信電力を制御する電力制御部を備えた、無線通信システム。
【請求項1】
自装置の位置を検出する位置検出部と、
第1の無線基地局からの制御チャネルに含まれる、前記第1の無線基地局の位置を表わす情報を抽出する位置情報抽出部と、
前記自装置の位置を表わす情報および前記第1の無線基地局の位置を表わす情報から、前記第1の無線基地局と自装置との距離を算出する距離算出部と、
前記算出した距離が、所定の距離を超える場合に、前記第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を生成する制御情報生成部と、
前記送信電力を制御するための情報を、前記第1の無線基地局とは別の第2の無線基地局に送信する送信部とを備えた、無線端末。
【請求項2】
前記送信電力を制御するための情報には、自装置と前記第1の無線基地局と前記距離を含む、請求項1記載の無線端末。
【請求項3】
前記送信電力を制御するための情報には、前記第1の無線基地局から送信される制御チャネルに含まれる信号の前記無線端末における受信強度を含む、請求項1記載の無線端末。
【請求項4】
前記所定の距離は、ガードインタバルの長さの前記無線基地局と前記無線端末との間の信号の伝送遅延によって定まる値である、請求項1記載の無線端末。
【請求項5】
自装置の位置を検出する位置検出部と、
前記自装置の位置を表わす情報を含む制御チャネルの信号を送信する無線通信部と、
基地局制御センタからネットワークを通じて、送信電力を制御するための情報を受信するネットワーク通信部と、
ネットワークを通じて前記送信電力を制御するための情報を受信した場合に、制御チャネルの送信電力を制御する電力制御部を備えた、無線基地局。
【請求項6】
前記送信電力を制御するための情報には、無線端末と自装置との間の距離が含まれ、
前記電力制御部は、前記距離に応じて、送信電力を制御する、請求項5記載の無線基地局。
【請求項7】
前記送信電力を制御するための情報には、無線端末における制御チャネルの受信信号の強度が含まれ、
前記電力制御部は、前記受信信号の強度に応じて、送信電力を制御する、請求項5記載の無線基地局。
【請求項8】
前記無線通信部は、通信中の無線端末から自局とは別の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を受信し、
前記ネットワーク通信部は、前記ネットワークを通じて前記送信電力を制御するための情報を基地局制御センタへ送信する、請求項5記載の無線基地局。
【請求項9】
無線端末と、複数の無線基地局と、前記複数の無線基地局とネットワークを介して接続される基地局制御センタとを備えた無線通信システムであって、
前記無線端末は、
自装置の位置を検出する第1の位置検出部と、
第1の無線基地局からの制御チャネルに含まれる、前記第1の無線基地局の位置を表わす情報を抽出する位置情報抽出部と、
前記自装置の位置を表わす情報および前記第1の無線基地局の位置を表わす情報から、前記第1の無線基地局と自装置との距離を算出する距離算出部と、
前記算出した距離が、所定の距離を超える場合に、前記第1の無線基地局の制御チャネルの送信電力を制御するための情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を、前記第1の無線基地局とは別の通信中の第2の無線基地局に送信する送信部とを備え、
前記無線基地局は、
自装置の位置を検出する第2の位置検出部と、
前記自装置の位置を表わす情報を含む制御チャネルの信号を送信する無線通信部と、
前記基地局制御センタから前記ネットワークを通じて、送信電力を制御するための情報を受信するネットワーク通信部と、
前記ネットワークを通じて前記送信電力を制御するための情報を受信した場合に、制御チャネルの送信電力を制御する電力制御部を備えた、無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−115556(P2013−115556A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258990(P2011−258990)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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