説明

無線測位装置、無線測位システム、及び無線測位方法

【課題】異なる位置に存在する複数の無線端末の測位を行う場合に、短時間でゲインを制御できる無線測位装置、無線測位システム、及び無線測位方法を提供すること。
【解決手段】基地局100において、ゲイン制御部109が、予め用意されている対応テーブルに基づいて、経過時間に応じて、増幅部111に対する設定電圧を設定する。これにより、フィードバック制御を行うことなく増幅部111のゲインを調整できるので、短時間でゲインを制御できる。また、増幅部111のゲインは、経過時間が大きくなる程、大きく設定される。これにより、送信元の測位対象無線端末200が遠くにあり、応答パルス信号の受信電力が小さい程、その応答パルス信号を大きな利得で増幅できる。従って、測位対象無線端末200が複数の場合でも、応答パルス信号のレベル調整を適切且つ短時間で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線信号を用いて無線端末の位置を測定する無線測位装置、無線測位システム、及び無線測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高速無線伝送技術の一つとして、インパルス無線方式であるUWB(Ultra Wide Band)通信方式がある。UWB通信方式では、基地局(リーダ)と無線端末との間の通信にパルス信号(以下、「UWB信号」と呼ぶことがある)が用いられる。従って、UWB通信方式は、超広帯域で行われる。
【0003】
このUWB通信方式が適用される従来の無線通信装置が、例えば、特許文献1に開示されている。図12は、特許文献1に開示される無線通信装置の構成を示すブロック図である。また、図13は、図12に示す無線端末装置における、利得制御フロー図である。
【0004】
図12及び図13に示されるように、上記従来の無線通信装置は、信号処理部でパルス信号のエラー判定を行い、判定結果に基づいて電圧比較器に入力される閾値電圧を増減させる。すなわち、フィードバック制御により、自動的にゲイン制御が行われる。
【0005】
また、従来、UWB通信方式が適用される基地局及び無線端末を具備する通信システムにおいて、無線端末の測位(以下、「UWB測位」と呼ぶことがある)が行われている。このUWB測位では、パルス幅が極めて狭いパルス信号が用いられているので、パルス信号の受信側は到来波を高い時間分解能で分離できる。従って、UWB測位では、高い精度で無線端末の位置を測定できる。UWB測位の精度をより向上させるために、ゲイン制御を適用することが好ましい。
【特許文献1】特開2007−116621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したようにUWB信号は帯域幅が広くパルス幅がきわめて短いため、ゲイン調整が難しい。これは、通常の無線機に用いられる自動利得制御(AGC)の制御信号となる受信信号強度(RSSI/Receicved Signal Strength Indicator)の生成が困難なためである。
【0007】
また、上記したように特許文献1に開示された自動利得制御技術も、UWB測位に対して適用することは難しい。すなわち、特許文献1に開示されるゲイン制御方法では、エラー判定を行う必要があり、さらに、同期引き込みに専用のシンボルを必要とするので、短時間でゲインを制御することは難しい。また、このゲイン制御方法は、連続した受信波に対しては適用できるが、断続的な信号に対しては適用できない。従って、位置の異なる複数の無線端末から送信される信号のそれぞれを、短時間でゲイン調整しつつ処理しなければならない測位処理には適していない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、異なる位置に存在する複数の無線端末の測位を行う場合に、短時間でゲインを制御できる無線測位装置、無線測位システム、及び無線測位方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の無線測位装置は、無線信号を用いて端末の位置を測定する無線測位装置であって、測位のための送信信号を送信する送信手段と、前記送信信号が前記端末で受信され反射されることにより生成された、受信信号を受信する受信手段と、設定電圧に応じた利得を用いて前記受信信号を増幅する増幅器と、前記送信信号が前記送信手段から送信されたタイミングから、前記受信信号が前記受信手段により受信されるタイミングまでの経過時間を測定する時計手段と、前記測定された経過時間に応じて、前記設定電圧を設定する利得制御手段と、を具備する構成を採る。
【0010】
本発明の無線測位システムは、上記無線測位装置と、前記無線測位装置から送信される測位のための送信信号を受信し、前記無線測位装置に向けて再送信する機能を有する無線端末と、を具備する構成を採る。
【0011】
本発明の無線測位方法は、無線信号を用いて端末の位置を測定する無線測位方法であって、測位のための送信信号を送信する送信ステップと、前記送信信号が前記端末で受信され反射されることにより生成された、受信信号を受信する受信ステップと、前記送信信号が送信されたタイミングから、前記受信信号が受信されるタイミングまでの経過時間を測定する時計ステップと、前記測定された経過時間に応じて、利得調整電圧を設定する設定ステップと、前記設定された利得調整電圧に応じた利得を用いて前記受信信号を増幅する増幅ステップと、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異なる位置に存在する複数の無線端末の測位を行う場合に、短時間でゲインを制御できる無線測位装置、無線測位システム、及び無線測位方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0014】
(実施の形態1)
[測位システムの概要]
図1は、本発明の実施の形態1に係る測位システム10を示す図である。図1において、測位システムは、基地局(質問器)100と、基地局100によって位置を測定される無線端末200とを有する。ここでは、説明を簡単にするために、測位システム10が有する無線端末200を1つとしているが、その数は1つに限定されない。
【0015】
基地局100は、無線端末200の位置を測定する。この位置の測定には、インパルス方式のウルトラワイドバンド(UWB)無線信号が用いられる。
【0016】
基地局100は、まず、UWB信号を送信する。このUWB信号を無線端末200は、受信し、受信UWB信号に基づいて応答UWB信号を送信する。例えば、無線端末200に対してパッシブ方式が適用される場合には、受信UWB信号は、無線端末200のアンテナ端で反射されることにより、応答UWB信号として送信される。また、無線端末200に対して、セミパッシブ方式が適用される場合には、受信UWB信号は、無線端末200において増幅された後に再放射されることより、応答UWB信号として送信される。
【0017】
基地局100は、無線端末200から送信された応答UWB信号を受信する。そして、基地局100は、受信UWB信号の到来時間及び到来方向を測定し、測定結果から無線端末200の位置を決定する。
【0018】
具体的には、基地局100は、往復所要時間を測定、つまり、UWB信号を送信したタイミングからこのUWB信号に対応する応答UWB信号を受信するタイミング(つまり、到来時間)までの時間を測定する。そして、基地局100は、測定した往復所要時間から、基地局100と無線端末200との離間距離を求める。
【0019】
また、基地局100は、到来方向を次のようにして求める。基地局100は、複数のアンテナ(つまり、アレーアンテナ)を有している。そして、基地局100は、複数のアンテナで受信した受信信号群に対して、到来方向推定アルゴリズムを適用することにより、受信信号の到来方向を求める。この到来方向推定アルゴリズムとしては、複数アンテナで受信した受信信号群を、各受信信号の位相を変化させながら加算して、加算値のピークを検出する方法、又は、MUSIC若しくはESPRITなどの相関行列の固有ベクトルを用いて算出する高分解能推定方法を用いることができる。
【0020】
以上のように、基地局100は、離間距離及び受信信号の到来方向により、無線端末200の位置を特定することができる。
【0021】
[基地局の構成]
図2は、本発明の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。図2において、基地局100は、送信制御部101と、送信ベースバンド部102と、デジタルアナログ変換(DAC)部103と、送信無線部104と、送信アンテナ105と、受信アンテナ106と、受信無線部107と、時間計測部108と、ゲイン制御部109と、記憶部110と、増幅部111と、アナログデジタル変換(ADC)部112と、端末位置算出部113とを有する。
【0022】
送信制御部101は、送信イネーブルを入力とする。送信制御部101は、送信イネーブルが測位信号を送信することを意味する場合、周期的に送信タイミング信号を生成し、送信ベースバンド部102及び時間計測部108に出力する。ここでは、送信制御部101は、100ナノ秒周期で送信タイミング信号を出力する。
【0023】
送信ベースバンド部102は、送信制御部101から出力される送信タイミング信号を入力とし、送信タイミング信号に応じて送信ベースバンド信号を生成する。この送信ベースバンド信号は、1ナノ秒の幅を持ったパルス信号である。すなわち、送信ベースバンド信号は、100ナノ秒間隔でパルス信号を繰り返し生成する。なお、送信ベースバンド部102で生成されるベースバンド信号は、パルス信号に限られず、広帯域な信号であれば、拡散符号のような系列でも良い。
【0024】
デジタルアナログ変換(DAC)部103は、送信ベースバンド部102で生成されたベースバンド信号を入力とし、デジタルベースバンド信号からアナログベースバンド信号へ変換し、得られたアナログベースバンド信号を送信無線部104に出力する。
【0025】
送信無線部104は、DAC103からアナログベースバンド信号を受け取り、アナログベースバンド信号に対して無線送信処理を施す。具体的には、送信無線部104は、DAC103から受け取ったアナログベースバンド信号を無線周波数の信号に変換する。そして、送信無線部104は、無線信号を、増幅処理及び帯域制限処理を施した後、送信アンテナ105を介して送信する。
【0026】
受信アンテナ106は、基地局100に複数の設けられており、全体としてアレーアンテナを構成している。従って、受信無線部107、増幅部111、及びADC部112も、受信アンテナ106の数と同数だけそれぞれ設けられる。なお、図2においては、受信アンテナ106は2本だけ図示されているが、これに限定されるものではなく、2本以上であれば良い。
【0027】
受信無線部107は、受信アンテナ106を介して受信した信号に対して無線受信処理を施す。具体的には、受信無線部107は、受信信号に対して、増幅処理及び帯域制限等の処理を施した上で、無線周波数からベースバンドへの周波数変換処理を施す。これにより、ベースバンド信号が形成される。受信信号には、送信無線部104から送信された送信信号が壁若しくは什器等で反射されて来た到来波、及び、無線端末200で反射されて来た到来波が含まれる。
【0028】
時間計測部108は、送信制御部101から送信タイミング信号を受け取ると、この時までに計測していた計測時間をリセットし、次の時計処理を開始する。すなわち、時間計測部108は、或るパルス信号の送信タイミングから次のパルス送信タイミングまでの間の経過時間を計測する。この経過時間は、パルス信号が基地局100と無線端末200との間を往復するのに掛かる往復所要時間の特定に用いられる。すなわち、送信パルス信号に対応する無線端末200からの応答パルス信号を受信したタイミングにおける経過時間を特定することにより、往復所要時間を特定できる。時間計測部108は、経過時間情報を順次ゲイン制御部109に出力する。
【0029】
記憶部110は、経過時間と各経過時間に対応する制御電圧値との対応テーブルを記憶する。記憶部110は、ゲイン制御部109から経過時間を含む制御電圧値参照信号が入力されると、入力した制御電圧値参照信号に含まれる経過時間に応じた制御電圧値を出力する。この対応テーブルの詳細については、後に詳述する。
【0030】
増幅部111は、可変利得増幅器であり、ゲイン制御部109から受け取るゲイン調整信号に応じて、受信無線部107から受け取るベースバンド信号を増幅する。増幅部111は、ゲイン調整信号である電圧値(アナログ信号)を受け取り、この電圧値に応じてゲインを変化させる構成でも良い。又は、ゲイン調整信号であるデジタル制御信号を受け取り、このデジタル制御信号に応じてゲインを変化させる構成でも良い。
【0031】
ゲイン制御部109は、時間計測部108から受け取る経過時間情報に基づいて、増幅部111のゲインを制御する。
【0032】
具体的には、ゲイン制御部109は、時間計測部108から受け取る経過時間情報を含めた制御電圧値参照信号を形成し、形成した制御電圧値参照信号を記憶部110に出力することにより、経過時間に対応する制御電圧値を記憶部110から受け取る。そして、ゲイン制御部109は、記憶部110から受け取った制御電圧値に応じたゲイン調整信号を増幅部111に出力する。ゲイン制御部109は、増幅部111がアナログ信号でゲイン調整される構成を有するのか、又は、デジタル信号でゲイン調整される構成を有するのかに応じた信号形式でゲイン調整信号を形成する。すなわち、上記したように、増幅部111がアナログ信号でゲイン調整される構成を有する場合には、ゲイン制御部109は、記憶部110から受け取った制御電圧値をアナログ信号に変換し、得られたアナログ信号をゲイン調整信号として増幅部111へ出力する。
【0033】
ADC部112は、増幅部111において増幅されたベースバンド信号を入力とし、アナログ信号であるベースバンド信号をデジタル信号へ変換し、デジタル信号化されたベースバンド信号を端末位置算出部113へ出力する。
【0034】
端末位置算出部113は、ADC部112から受け取るデジタル信号化されたベースバンド信号に基づいて、無線端末200の位置を算出する。ここでは、無線端末200の位置を、基地局100と無線端末200との離間距離及び基地局100を基準とした無線端末200が位置する方向によって特定する。
【0035】
具体的には、端末位置算出部113は、時間計測部108から経過時間情報を受け取り、ADC部112からデジタル信号化されたベースバンド信号を受け取る。端末位置算出部113は、ベースバンド信号に現れる、受信パルス信号に対応するピークを検出し、ピーク検出時の経過時間を特定する。この特定された経過時間は、上記往復所要時間に対応する。そして、端末位置算出部113は、往復所要時間に基づいて、基地局100と無線端末200との離間距離を算出する。
【0036】
また、端末位置算出部113は、無線端末200から送信された応答パルス信号が複数の受信アンテナ106にて受信された時の位相差を利用して、基地局100を基準とした無線端末200が位置する方向を特定する。この方向特定に用いられるアルゴリズムには、上述した通り、アレイアンテナで受信された信号を合成し、合成信号の信号レベルに関するピークを検出する方法、又は、MUSIC若しくはESPRITなどの相関行列の固有ベクトルを用いて算出する高分解能推定方法を用いることができる。
【0037】
こうして得られた無線端末200の測位結果は、後段に出力される。
【0038】
なお、以上の説明では、1ナノ秒のパルス幅を持つパルス信号をベースバンドにおいて生成したが、これに限られるものではなく、無線周波数においてパルス信号を形成しても良い。例えば、ベースバンド信号のエッジにおいて送信無線部104に設けられた増幅回路が発振することにより、1ナノ秒幅のパルス信号を生成できる。送信無線部104に入力されるベースバンド信号には、1ナノ秒幅のパルス信号ではなく、50ナノ秒程度の幅を持ったパルス信号が用いられる。従って、送信ベースバンド部102で生成されるパルス信号は、1ナノ秒幅のパルス信号ではなく、50ナノ秒幅のパルス信号である。
【0039】
また、基地局100から送信されるパルス信号は、OOK変調されたパルス信号でも良い。このとき応答パルス信号もOOK変調されたパルス信号となるので、この場合には、受信無線部107にダイオードを設け、このダイオードを用いた絡線検波処理が行われても良い。
【0040】
また、以上の説明では、記憶部110をゲイン制御部109と独立した構成として説明しているが、記憶部110は、ゲイン制御部109に包含されていても良い。
【0041】
[測位システムの動作]
以上の構成を有する測位システム10の動作について説明する。
【0042】
(基地局100によるパルス信号の送信)
図3は、基地局100から送信されるパルス信号、及び、当該パルス信号に対応する応答パルス信号(基地局100の受信信号)を示す図である。図3において、縦軸は信号電力を表し、横軸は時間を表す。
【0043】
図3の上段に示すように、基地局100は、100ナノ秒間隔でパルス信号を繰り返し送信する。各パルス信号は、1ナノ秒のパルス幅を有している。
【0044】
パルス信号の送信周期は、100ナノ秒に限ったものでなく、距離測定範囲の大きさにより決定される。例えば、電波が100ナノ秒で進む距離は、約30メートルである。従って、100ナノ間隔でパルスが送信される場合には、往復所要時間に基づいて距離が測定されることを考慮すると、基地局100から約15メートルの範囲まで、離間距離を測定できる。そのため、距離測定範囲を15メートルと設定する場合には、図3の上段に示すように、基地局100は、100ナノ秒間隔でパルス信号を繰り返し送信する。パルス信号は、測位処理の精度を向上するために繰り返し送信される。
【0045】
(基地局100による応答パルス信号の受信)
基地局100から送信されるパルス信号は、無線端末200で受信される。無線端末200は、受信したパルス信号に応じた応答パルス信号を送信する。
【0046】
図3の下段には、基地局100における応答パルス信号の受信状況が示されている。図3においては、距離測定範囲内に、無線端末200が3機だけ存在することを想定している。従って、基地局100から送信された1つのパルス信号に対して、3つの応答パルス信号(図3における到来波1,2,3)が存在している。
【0047】
ここで、図3の下段に示すように、受信電力は、到来波1,2,3の順に小さくなっている。この応答パルス信号の受信電力の相違について考察する。
【0048】
図4は、基地局100と無線端末200との間の伝搬経路における伝搬信号の電力減衰の説明に供する図である。
【0049】
基地局100及び無線端末200が自由空間に存在する場合には、伝搬経路における減衰は、次の式(1)により規定される。
【数1】

【0050】
式(1)において、λは、送信信号の中心周波数の波長を表し、dは、基地局100と無線端末200との離間距離を表し、Gtは、送信アンテナの利得、Grは受信アンテナの利得である。
【0051】
例えば、基地局100から送信されるパルス信号の中心周波数を8GHz、離間距離を3メートル、送信アンテナ105の利得を0dBi、無線端末200が備える受信アンテナの利得を−3dBiとする前提条件の下では、基地局100から送信され無線端末200で受信されるまでの間に送信パルス信号が減衰する量Lは、式(1)を用いることにより、63dBと求めることができる。
【0052】
従って、無線端末200で受信される信号の電力Ptagは、次の式(2)で表される。
tag=Ptr−L ・・・(2)
【0053】
式(2)において、Ptrは、基地局100から送信されるパルス信号の送信電力である。上記前提条件の下でPtr=3dBmとすると、無線端末200における受信電力は、−60dBmと求められる。
【0054】
そして、上記したように無線端末200は、受信した信号を増幅し基地局100へ再送信する。再送信されたパルス信号は、式(1)から計算される減衰を受け、基地局100へ到達する。従って、基地局100で受信される信号の電力は、次の式(3)から求めることができる。
reader=Ptag+Amptag−L ・・・(3)
【0055】
式(3)において、Amptagは、無線端末200が具備する増幅器の利得である。
【0056】
例えば、無線端末200が具備する増幅器を20dBとすると、基地局100で受信される信号の電力Preaderは、式(3)から−103dBmと求められる。
【0057】
上記したように伝搬経路における減衰Lは距離dの関数であるので、Preaderも距離dの関数となる。この事を、以下でより具体的に説明する。
【0058】
図5は、測位システム10の一状況例を示す図である。図5において、測位システム10は、基地局100と、3機の無線端末200−1,2,3とを有している。
【0059】
無線端末200−1は、基地局100から2メートル離れた位置に配置される。無線端末200−2は、基地局100から4メートル離れた位置に配置される。無線端末200−3は、基地局100から7メートル離れた位置に配置される。
【0060】
また、基地局100から送信される信号の送信電力は、3dBmである。基地局100のアンテナ利得は0dBiである。また、無線端末200−1,2,3のそれぞれが送受信に用いるアンテナの利得は、すべて−3dBiである。また、無線端末200−1,2,3のそれぞれが具備する増幅器であって、パルス信号を再送信する前に増幅する増幅器のゲインは、20dBである。また、基地局100と、無線端末200−1,2,3との間で送受信されるパルス信号の中心周波数は、8GHzである。
【0061】
以上の条件の下、基地局100における、無線端末200−1から送信された応答パルス信号の受信電力は、式(3)により、−96dBmと計算できる。また、基地局100における、無線端末200−2から送信された応答パルス信号の受信電力は、式(3)により、−108dBと計算できる。また、基地局100における、無線端末200−3から送信された応答パルス信号の受信電力は、式(3)により、−117dBと計算できる。このように、距離dによって、Preaderを計算することができる。
【0062】
ここで、パルス信号の伝搬距離は、経過時間に比例する。従って、基地局100との離間距離dtagメートルに位置する無線端末200に対して、基地局100がパルス信号を送信しこのパルス信号に対応する応答パルス信号を受信するまでの時間において反射し再び基地局100で受信されるまでの時間Ttag(つまり、上記した往復所要時間)は、次の式(4)で表される。
tag=(2×dtag)/c ・・・(4)
式(4)において、cは、光の伝搬速度を表す。
【0063】
この式(4)に基づいて、無線端末200−1,2,3に関して往復所要時間Ttagを求めると、それぞれ13ナノ秒、26ナノ秒、46ナノ秒となる。
【0064】
従って、式(4)をdtagについた式に変換し、これを式(3)に代入することにより、基地局100で受信される信号の電力を求める式は、経過時間によっても表すことができる。
【0065】
図6は、図5に示した測位システム10の一状況例において、基地局100における受信パルス信号の受信電力を往復所要時間に対して表した図である。図6において、横軸は、往復所要時間であり、縦軸は、受信パルス信号の受信電力である。図6からも分かるように、往復所要時間に応じて、受信パルス信号の受信電力を計算することができる。また、受信パルス信号の受信電力は、往復所要時間が大きい程、小さくなる。
【0066】
(基地局100におけるゲイン調整)
以上で説明したように、受信パルス信号の受信電力は、往復所要時間が大きい程、小さくなる。すなわち、時間計測部108が計測している経過時間が大きくなる程、受信パルス信号の受信電力は、小さくなる。
【0067】
従って、基地局100においてゲイン制御部109は、各受信パルス信号を増幅部111で増幅した結果、すべての信号レベルが同一レベルと成るように、増幅部111のゲインを調整する。
【0068】
上記したように、受信パルス信号の受信電力は時間計測部108が計測している経過時間が大きくなる程小さくなるので、ゲイン制御部109は、経過時間が大きくなる程、増幅部111のゲインを大きくする。
【0069】
図7は、図6に示す受信電力で応答パルス信号を受信したときに、増幅部111の出力レベルを−20dBに調整するために増幅部111に設定するゲイン(増幅率)を表した図である。図7において、横軸は、経過時間であり、縦軸は、増幅部111の増幅率である。このように、増幅部111の出力電力の調整目標を決めると、増幅部111に設定する増幅率を、経過時間毎に求めることができる。
【0070】
図8は、基地局100から送信される送信パルス信号、基地局100によって受信される応答パルス信号、及び基地局100の増幅部111におけるゲイン変化を示す図である。
【0071】
図8の下段においても、増幅部111のゲインは、経過時間が大きくなる程、単調に大きくなっている。ただし、図7と異なり、図8の下段では、増幅部111のゲインは、経過時間の1次関数で表される。
【0072】
また、増幅部111のゲインは、パルス信号の各送信タイミングにおいて既定値となる。
【0073】
すなわち、増幅部111のゲインは、或るパルス信号の送信タイミングで既定値となり、経過時間が大きくなる程大きくなり、次のパルス信号の送信タイミングで既定値に戻る。このようなゲイン調整処理は、パルス信号が繰り返し送信されることに伴い、繰り返し単位として繰り返される。
【0074】
このように、図7又は図8に示したような経過時間と増幅部111に設定するゲインとの対応をテーブルとして記憶部110に記憶しておく。これにより、ゲイン制御部109は、増幅部111の出力レベルを経過時間に応じて適切に制御することができる。
【0075】
なお、以上の説明における経過時間には、基地局100及び無線端末200を構成するデジタル及びアナログ回路における回路遅延が含まれている。従って、デジタル及びアナログ回路で発生する遅延時間を予め見積もっておき、測定された経過時間からその遅延時間を減算したものを経過時間として扱うことにより、ゲイン調整及びUWB測位の精度を向上することができる。
【0076】
(基地局100における測位処理)
基地局100において端末位置算出部113は、受信パルス信号の受信タイミングに基づいて、無線端末200の位置を算出する。上記したように受信パルス信号がレベル調整されるので、端末位置算出部113は、受信パルス信号を精度良く検出することができ、結果として測位処理の精度も向上する。
【0077】
以上のように本実施の形態によれば、基地局100において、ゲイン制御部109が、予め用意されている対応テーブルに基づいて、経過時間に応じて、増幅部111に対する設定電圧を設定する。
【0078】
これにより、フィードバック制御を行うことなく増幅部111のゲインを調整できるので、短時間でゲインを制御できる。
【0079】
また、増幅部111のゲインは、経過時間が大きくなる程、大きく設定される。
【0080】
これにより、送信元の測位対象無線端末200が遠くにあり、応答パルス信号の受信電力が小さい程、その応答パルス信号を大きな利得で増幅できる。従って、測位対象無線端末200が複数の場合でも、応答パルス信号のレベル調整を適切且つ短時間で行うことができる。そして、レベル調整された受信パルス信号に基づいて端末位置を算出できるので、測位精度を向上することができる。
【0081】
(実施の形態2)
[基地局の構成]
図9は、本発明の実施の形態2に係る基地局300の構成を示すブロック図である。図9において、基地局300は、特徴抽出部301と、到来波検出部302と、ゲイン制御部303とを有する。
【0082】
特徴抽出部301は、受信信号の特徴を抽出することにより、基地局300が無線端末200の測位を行う通信環境に関する特徴(つまり、通信環境における固定的な要素)を抽出する。具体的には、特徴抽出部301は、受信無線部107、増幅部111,及びADC部112を介して受け取る受信信号を、基地局300のパルス信号を送信する周期(例えば、100ナノ秒)よりも十分短いサンプリング周期(例えば、送信パルス信号のパルス幅と同じ1ナノ秒周期)でサンプリングする。そして、特徴抽出部301は、基地局300のパルス信号を送信する周期だけ離れたサンプル信号を加算し加算値を加算したサンプル数で平均化する。この加算及び平均化処理は、各サンプル信号について行われる。これにより、基地局300がパルス信号を繰り返し送信する際の単位期間において、各サンプリングタイミング(つまり、各経過時間)に対応する電力平均値が得られる。この単位期間においてサンプリングタイミングに対して電力平均値をプロットしたグラフを、以下では「経過時間プロファイル」と呼ぶことがある。
【0083】
到来波検出部302は、経過時間プロファイルに基づいて上記固定的な要素に起因する到来波(以下、「固定到来波」と呼ぶことがある)を検出する。到来波検出部302は、経過時間プロファイルに現れるピークを特定することにより、固定到来波を検出する。到来波検出部302は、所定の閾値を超える電力平均値を有するピークのみを固定到来波に対応するピークとして特定する。到来波検出部302は、固定到来波に対応するピークが検出されるサンプルタイミング(つまり、経過時間)をゲイン制御部303に出力する。以下、固定到来波に対応するピークが検出されるサンプルタイミングを「特徴タイミング」と呼ぶことがある。
【0084】
ゲイン制御部303は、実施の形態1のゲイン制御部109と同様に、時間計測部108から受け取る経過時間情報に基づいて、増幅部111のゲインを制御する。ただし、ゲイン制御部303は、特徴タイミングに対応する経過時間においては、記憶部110に記憶されているテーブルにおける制御電圧値に関わらず、増幅部111のゲインを他の経過時間におけるゲインよりも小さく設定する。例えば、ゲイン制御部303は、特徴タイミングに対応する経過時間においては、増幅部111のゲインを最小値に設定する。
【0085】
[測位システムの動作]
以上の構成を有する基地局300を含む測位システムの動作について説明する。
【0086】
図10は、本発明の実施の形態2に係る測位システム20を示す図である。図10において、測位システム20は、基地局300と、無線端末200とを有する。また、測位システム20は、上記固定的な要素に相当する壁に囲まれた環境で利用されている。
【0087】
まず、測位システム20では、測位動作に先立って、特徴タイミングの特定処理が行われる。
【0088】
すなわち、基地局300は、測位動作時と同様に、パルス信号を周期的に繰り返し送信する。ここでは、100ナノ秒周期でパルス信号が送信される。
【0089】
こうして送信されたパルス信号を受信した無線端末200は、実施の形態1で説明したように、受信パルス信号に応じた応答パルス信号を送信する。
【0090】
そして、基地局300は、応答パルス信号を受信する。ここで、基地局300の受信信号には、応答パルス信号以外に、上記壁などの固定的な要素で反射された信号も含まれる。
【0091】
基地局300の特徴抽出部301では、通信環境における固定的な要素の抽出処理が行われる。特徴抽出部301は、受信信号をサンプリング周期でサンプリングし、パルス信号の送信周期と同じ周期だけ離れたサンプル信号同士を加算し、得られた加算値を加算したサンプル数で除算して平均化する。この加算及び平均化処理により得られた電力平均値をサンプリングタイミングに対してプロットした経過時間プロファイルが図11に示されている。
【0092】
ここで、無線端末200は通常移動しているので、応答パルス信号に対応するサンプル信号についての平均値は、小さくなる。これに対して、通信環境における固定的な要素は移動することがないので、そこで反射されたパルス信号に対応するサンプル信号についての平均値は、相対的に大きくなる。
【0093】
このことから、特徴抽出部301におけるサンプル信号の加算及び平均化処理によって得られる経過時間プロファイルでは、通信環境における固定的な要素で反射されたパルス信号に対応するピークが強調されるので、通信環境に関する特徴が反映される。図11では、2つのピーク(図11中のP1、P2)が現れ、それぞれ図11中の経路401、経路402を通って壁で反射されたパルス信号に対応する。
【0094】
到来波検出部302では、経過時間プロファイルに対して所定の閾値を適用することにより、固定到来波を検出する。図11の経過時間プロファイルに関しては、ピークP1、P2に対応する2つの固定到来波が検出される。そして、検出された固定到来波に対応するサンプルタイミングが特徴タイミングとしてゲイン制御部303へ渡される。以上が特徴タイミングの特定処理である。
【0095】
この特徴タイミングの特定処理後に、測位処理(実施の形態1で説明したパルス信号の送信、応答パルス信号の受信、及び測位処理の全てを含む)が行われる。
【0096】
ゲイン制御部303は、基本的には、実施の形態1のゲイン制御部109と同様に、記憶部110に記憶されている対応テーブルに従って、増幅部111のゲインを調整する。ただし、ゲイン制御部303は、特徴タイミングに対応する経過時間においては、増幅部111のゲインを他の経過時間におけるゲインよりも小さく設定する。これにより、受信信号に含まれる固定到来波の振幅は、増幅部111において、応答パルス信号の振幅に比べて相対的に小さくされる。従って、端末位置算出部113は、応答パルス信号と、固定到来波とを精度良く分離でき、結果として無線端末200の位置を精度良く特定できる。
【0097】
なお、以上の説明では、特徴抽出部301では加算及び平均化処理が行われているが、加算処理だけでも、図11と同じ特徴を有する経過時間プロファイルが得られる。
【0098】
また、基地局300が基準信号を送信し、無線端末200が受信した基準信号をASK変調した応答信号を送信しても良い。このとき、応答信号には、無線端末200が返信したことがわかるように系列を付加する。基地局300は、受信信号に系列が付加されているか否かを判断することにより、その受信信号が無線端末200からの応答信号であるか、又は、上記固定的な要素で反射されてきた信号であるかを判断することができる。このようにしても、固定到来波を特定することができる。
【0099】
このように本実施の形態によれば、基地局300において、ゲイン制御部303が、到来波検出部302により検出された特徴タイミングに対応する経過時間においてのみ、増幅部111のゲインを、他の経過時間におけるゲインよりも小さく設定する。
【0100】
これにより、測位処理においてノイズ成分となる固定的な要素で反射されて来た信号を、応答パルス信号に比べて相対的に小さくできるので、応答パルス信号を精度良く検出することができる。従って、端末位置算出部113は、応答パルス信号と、固定到来波とを精度良く分離でき、結果として端末200の位置を精度良く特定できる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の無線測位装置、無線測位システム、及び無線測位方法は、異なる位置に存在する複数の無線端末の測位を行う場合に、短時間でゲインを制御できるものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施の形態1に係る測位システムを示す図
【図2】本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
【図3】基地局から送信されるパルス信号、及び、当該パルス信号に対応する応答パルス信号(基地局の受信信号)を示す図
【図4】基地局と無線端末との間の伝搬経路における伝搬信号の電力減衰の説明に供する図
【図5】測位システムの一状況例を示す図
【図6】図5に示した測位システムの一状況例において、基地局における受信パルス信号の受信電力を往復所要時間に対して表した図
【図7】図6に示す受信電力で応答パルス信号を受信したときに、増幅部の出力レベルを−20dBに調整するために増幅部に設定するゲイン(増幅率)を表した図
【図8】基地局から送信される送信パルス信号、基地局によって受信される応答パルス信号、及び基地局の増幅部におけるゲイン変化を示す図
【図9】本発明の実施の形態2に係る基地局の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態2に係る測位システムを示す図
【図11】加算及び平均化処理により得られた電力平均値をサンプリングタイミングに対してプロットした経過時間プロファイルを示す図
【図12】従来の無線通信装置の構成を示すブロック図
【図13】図12に示す無線端末装置における、利得制御フロー図
【符号の説明】
【0103】
10,20 測位システム
100,300 基地局
101 送信制御部
102 送信ベースバンド部
103 デジタルアナログ変換部
104 送信無線部
105 送信アンテナ
106 受信アンテナ
107 受信無線部
108 時間計測部
109,303 ゲイン制御部
110 記憶部
111 増幅部
112 アナログデジタル変換部
113 端末位置算出部
200 無線端末
301 特徴抽出部
302 到来波検出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を用いて端末の位置を測定する無線測位装置であって、
測位のための送信信号を送信する送信手段と、
前記送信信号が前記端末で受信され反射されることにより生成された、受信信号を受信する受信手段と、
設定電圧に応じた利得を用いて前記受信信号を増幅する増幅器と、
前記送信信号が前記送信手段から送信されたタイミングから、前記受信信号が前記受信手段により受信されるタイミングまでの経過時間を測定する時計手段と、
前記測定された経過時間に応じて、前記設定電圧を設定する利得制御手段と、
を具備する無線測位装置。
【請求項2】
前記経過時間と前記増幅器における利得との関係を記憶する記憶手段を、さらに具備し、
前記利得制御手段は、前記時計手段から出力された経過時間に応じて、それに対応する利得の値を前記記憶手段から読出し、前記増幅器における利得とする、
請求項1に記載の無線測位装置。
【請求項3】
前記受信手段は、複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナであり、
前記複数のアンテナ素子で受信した信号群を用いて、前記受信信号の到来方向を算出する端末位置算出手段を、さらに具備する請求項1又は2記載の無線測位装置。
【請求項4】
前記送信手段は、UWB方式のパルス信号を生成し送信するものであり、
前記受信手段は、前記パルス信号を受信するものである、
請求項1乃至3いずれか一項に記載の無線測位装置。
【請求項5】
前記受信手段により受信された受信信号の特徴を抽出する特徴抽出手段と、
前記抽出された受信信号の特徴から、到来波の到来タイミングを検出する到来波検出手段と、をさらに具備し、
前記利得制御手段は、前記到来波検出手段において検出された到来波の到来タイミングにおいてのみ、前記増幅器における利得を、その他のタイミングにおける値よりも小さい値に設定する、
請求項1乃至4いずれか一項に記載の無線測位装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無線測位装置と、
前記無線測位装置から送信される測位のための送信信号を受信し、前記無線測位装置に向けて再送信する機能を有する無線端末と、
を具備する無線測位システム。
【請求項7】
無線信号を用いて端末の位置を測定する無線測位方法であって、
測位のための送信信号を送信する送信ステップと、
前記送信信号が前記端末で受信され反射されることにより生成された、受信信号を受信する受信ステップと、
前記送信信号が送信されたタイミングから、前記受信信号が受信されるタイミングまでの経過時間を測定する時計ステップと、
前記測定された経過時間に応じて、利得調整電圧を設定する設定ステップと、
前記設定された利得調整電圧に応じた利得を用いて前記受信信号を増幅する増幅ステップと、
を具備する無線測位方法。
【請求項8】
設定ステップは、前記測定された経過時間に応じて、それに対応する利得の値を前記経過時間と前記利得との関係を記憶するテーブルから読出すステップと、
前記読出された利得の値に応じた前記利得調整電圧を設定するステップと、具備する、
請求項7に記載の無線測位方法。
【請求項9】
前記受信ステップでは、複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナにより前記受信信号が受信され、
前記複数のアンテナ素子で受信した信号群を用いて、前記受信信号の到来方向を算出する端末位置算出ステップを、さらに具備する請求項7又は8記載の無線測位方法。
【請求項10】
前記送信ステップでは、UWB方式のパルス信号が送信され、
前記受信ステップでは、前記パルス信号が受信される、
請求項7乃至9いずれか一項に記載の無線測位方法。
【請求項11】
前記受信ステップにおいて受信された受信信号の特徴を抽出する特徴抽出ステップと、
前記抽出された受信信号の特徴から、到来波の到来タイミングを検出する到来波検出ステップと、をさらに具備し、
前記増幅ステップにおいて用いられる利得は、前記到来波検出ステップにおいて検出された到来波の到来タイミングにおいてのみ、その他のタイミングにおける値よりも小さい値に設定される、
請求項7乃至10いずれか一項に記載の無線測位方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−145358(P2010−145358A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325901(P2008−325901)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】