説明

無線移動通信システムにおいて電力消耗防止モードにある移動局によるハンドオーバーに関する動作を行う方法

【課題】無線移動通信システムで移動局(MS)によるハンドオーバーと関連した動作を行う方法を提供する。
【解決手段】MSが基地局(BS)から、ハンドオーバーを行うための一つ以上の動作及び前記一つ以上の動作に該当する一つ以上の条件を含む情報を受信する。また、前記MSは、前記BSから受信した情報に基づく前記一つ以上の動作を行うために要請メッセージを転送し、前記要請メッセージの応答として応答メッセージを受信する。最後に、前記MSは、前記受信した応答メッセージによって前記一つ以上の動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドオーバーを行うことに係り、より詳細には、無線移動通信システム内で電力消耗防止(power saving)モードにある移動局(mobile station;MS)によるハンドオーバーに関する動作(action)を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域無線接続システムにおいて、電力消耗防止モードまたは睡眠(sleep)モードは移動局(mobile station:MS)の電力消耗を最小化するのに用いられることができる。電力消耗防止モードは、睡眠期間及び聴取(listening)期間を含み、これらは、MSによる動作中に繰り返される。睡眠期間の長さ(または、持続期間(duration))は、睡眠ウィンドウの値により決定される。同様に、聴取期間の長さ(または、持続期間)は、聴取ウィンドウの値により決定される。これらの値は、対応するMSの定められたトラフィックの特性に基づいてそれぞれ決定される。また、MSは、電力消耗防止クラスと関連したトラフィックの特性による3タイプの電力消耗防止クラスによって代表されることができる。
【0003】
より具体的には、3つの電力消耗防止クラスタイプは、電力消耗防止モードクラスタイプ1(以下、クラス1)、電力消耗防止モードクラスタイプ2(以下、クラス2)、及び電力消耗防止モードクラスタイプ3(以下、クラス3)に分類される。
【0004】
クラス1は、初期睡眠ウィンドウ(initial sleep window)、最終ウィンドウ基礎(final window base)、最終ウィンドウ指数(final window exponent)、聴取ウィンドウ及び睡眠ウィンドウの開始フレーム番号により定義されることができる。また、クラス1は、存在するインターネットトラフィックまたは非実時間変動レート(non−real−time variable rate;nrt−VR)を特徴づけるBE(Best Effrot)のような特徴に焦点を当てる。
【0005】
クラス2は、初期睡眠ウィンドウ、聴取ウィンドウ及び睡眠ウィンドウの開始フレーム番号により定義される。また、クラス2は、VoIP(Voice over Internet Protocol;VoIP)及びnrt−VRのような特徴に焦点を当てる。
【0006】
クラス3は、最終ウィンドウ基礎、最終ウィンドウ指数及び睡眠ウィンドウの開始フレーム番号により定義される。また、クラス3は、ダウンリンクチャネル説明子(Downlink Channel Descriptor;DCD)/アップリンクチャネル説明子(Uplink Channel Descriptor;UCD)及び近隣広告(neighbor advertisement;MOB_NBR_ADV)のような管理メッセージを、電力消耗防止モードにあるMSに周期的に伝達するためのものであるか、または、マルチキャスト転送を介して送られるデータのためのものである。
【0007】
常時電力消耗防止クラスタイプは、電力消耗防止モードの異なるタイプを説明する。このような異なるクラスタイプの動作は、MSの基地局(BS)へのハンドオーバー(handover)の基礎である。電力消耗防止モードにある間には、MSは近隣基地局の信号品質情報を受信する。これらの近隣基地局の信号品質は、探知(scan)動作を行うことによって測定されることができる。ハンドオーバー動作が行われる前に、サービング(serving)BSは、ハンドオーバートリガー(trigger)情報をMSに転送し、これはハンドオーバーを行うのに用いられる。ここで、サービングBSとは、MSが電力消耗防止モードに入るのを許容するBSのことをいう。受信したハンドオーバートリガー情報を用い、MSは、ハンドオーバートリガー情報において特定の条件を満足する時にハンドオーバーを行う。
【0008】
電力消耗防止モード内にあるMSが探知要請メッセージ及び探知応答メッセージをそれぞれ転送及び受信しないとしても、MSは、近隣基地局への探知動作を行い、近隣基地局の信号品質を測定する。この探知動作の結果(すなわち、近隣基地局の信号品質、該受信した信号の強度、及び/または転送遅れ)が、探知動作が行われる度にサービングBSに探知報告メッセージを介して転送されると、MSによるアップリンク転送のための電力消費が増加するという問題につながる。これと同時に、サービングBSが、電力消耗防止モード内で動作するMSから探知結果を受信するのに失敗すると、以降、MSのハンドオーバー動作は適切に制御されることが不可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、関連技術の制限及び短所による一つ以上の問題を根本的に回避するための、無線移動通信システムにおいて電力消耗防止モードにある移動局(MS)によるハンドオーバーと関連した動作を行うための方法を指向する。
【0010】
本発明の目的は、無線移動通信システムにおいて電力消耗防止モードにある移動局によるハンドオーバーに関する動作を行う方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、無線移動通信システムにおいて電力消耗防止モードにある移動局(MS)のための基地局によるハンドオーバーに関連した動作を提供する方法を提供することにある。
【0012】
本発明の付加的な長所、目的及び特徴は、下記の説明で開示され、部分的には後述する実施により関連技術分野における当業者にとっては明白になり、または、本発明の練習により習得することができる。本発明の目的及び他の長所は本文書の添付図面だけでなく記述された説明及び請求項で具体的に指摘された構造により実現されて獲得されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的及び他の長所を獲得し、本発明の目的を達成するために、ここで実施され且つ広範囲に説明されたように、移動局(MS)によるハンドオーバーと関連した動作を行う方法は、ハンドオーバーを行うための一つ以上の動作及び前記一つ以上の動作に該当する一つ以上の条件を含む情報を基地局(BS)から受信するMSを含む。また、前記MSは、前記BSから前記受信した情報に基づく前記一つ以上の動作を行うために要請メッセージを転送し、前記要請メッセージに応答して応答メッセージを受信する。最後に、前記MSは、前記受信した応答メッセージに応じて前記一つ以上の動作を行う。
【0014】
本発明の他の様態によれば、電力消耗防止モードにある移動局(mobile station;MS)のためにBSによるハンドオーバーと関連した動作を提供する方法において、前記移動局(MS)にハンドオーバーを行うための一つ以上の動作及び前記一つ以上の動作に該当する一つ以上の条件を含む情報を転送するBSを含む。その後、前記BSは、前記MSから前記受信した情報に基づく一つ以上の動作を行うことを要請する要請メッセージを受信し、その要請メッセージに応答して応答メッセージを転送する。
【0015】
本発明は、例えば、以下の事項も提供する。
(項目1)
無線移動通信システムで電力消耗防止モードにある移動局(mobile station;MS)によるハンドオーバーと関連した動作を行う方法において、
基地局(base station;BS)から、ハンドオーバーを行うための一つ以上の動作及び前記一つ以上の動作に該当する一つ以上の条件を含む情報を受信する段階と、
前記BSから受信した情報に基づく前記一つ以上の動作を行うために要請メッセージを転送する段階と、
前記要請メッセージの応答として応答メッセージを受信する段階と、
前記受信した応答メッセージによって前記一つ以上の動作を行う段階と、
を含むことを特徴とする、ハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目2)
前記情報は、搬送波対干渉及び雑音比(Carrier−to−Interference and Noise Ratio;CINR)、受信信号強度指示子(Received Signal Strength Indicator;RSSI)及び往復遅延(Round Trip Delay)のうち一つ以上を含むトリガータイプを定義することを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目3)
前記情報は、トリガリング(triggering)動作のための計算方法であるトリガー機能を定義することを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目4)
前記一つ以上の動作は、探知(scanning)要請、探知報告及びハンドオーバー要請を含むことを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目5)
前記情報は、一つ以上のトリガータイプの測定された値を比較するために用いられた値を表すトリガー値を定義することを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目6)
前記情報は、一つ以上の動作をトリガーするための条件を決定するために一つ以上のトリガータイプが測定され平均される時間持続期間を表すトリガー平均持続期間を定義することを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目7)
前記トリガータイプは、搬送波対干渉及び雑音比(CINR)、受信信号強度指示子(RSSI)及び往復遅延のうち一つ以上を含むことを特徴とする、項目6に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目8)
前記要請メッセージは、前記電力消耗防止モードに進入するために用いられることを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目9)
前記要請メッセージは、前記電力消耗防止モードの間に行われる前記一つ以上の動作を指示するためのビットマップを含むことを特徴とする、項目8に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目10)
前記ビットマップは、複数のビットによって表され、‘0’値を持つビットは、可能でない動作を表すことを特徴とする、項目9に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目11)
前記ビットマップのそれぞれのビットが‘0’値を持つと、全ての動作が可能でないということを指示することを特徴とする、項目10に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目12)
前記ビットマップは、複数のビットによって表され、‘1’の値を持つビットは、可能な動作を表すことを特徴とする、項目9に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目13)
前記応答メッセージは、前記電力消耗防止モードの間に行われる前記一つ以上の動作を指示するためのビットマップを含むことを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目14)
前記ビットマップは、複数のビットによって表され、‘0’値を持つビットは、可能でない動作を表すことを特徴とする、項目13に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目15)
前記ビットマップは、複数のビットによって表され、‘1’値を持つビットは、可能な動作を表すことを特徴とする、項目13に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目16)
前記応答メッセージ内に含まれた前記ビットマップは、前記要請メッセージ内に含まれた前記ビットマップと同一であることを特徴とする、項目13に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目17)
前記応答メッセージ内に含まれた前記ビットマップは、前記要請メッセージ内に含まれた前記ビットマップと異なることを特徴とする、項目13に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目18)
前記情報は、ダウンリンクチャネル説明子(Downlink Channel Descriptor;DCD)メッセージまたは近隣広告(Neighbor Advertisement;MOB_NBR−ADV)メッセージ内に含まれることを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目19)
前記要請メッセージは、睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージまたはレンジング(ranging)要請(RNG−REQ)メッセージであることを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目20)
前記応答メッセージは、睡眠応答(MOB_SLP−REQ)メッセージまたはレンジング要請(RNG−RSP)メッセージであることを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目21)
前記電力消耗防止モードは、睡眠モードであることを特徴とする、項目1に記載のハンドオーバーと関連した動作を行う方法。
(項目22)
無線移動通信システムで電力消耗防止モードにある移動局(mobile station;MS)のためにBSによるハンドオーバーと関連した動作を提供する方法において、
前記移動局(MS)にハンドオーバーを行うための一つ以上の動作及び前記一つ以上の動作に該当する一つ以上の条件を含む情報を転送する段階と、
前記MSから前記受信した情報に基づく一つ以上の動作を行うようと要請する要請メッセージを受信する段階と、
前記要請メッセージに応答して応答メッセージを転送する段階と、
を含むことを特徴とする、ハンドオーバーと関連した動作を提供する方法。
当然のことながら、上述した本発明についての一般的な説明と以下の詳細な説明はいずれも例示的且つ説明的なものであり、請求されたような本発明に関する追加的な説明が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電力消耗防止クラス1のプロセスを示す例示図である。
【図2】電力消耗防止クラス2のプロセスを示す例示図である。
【図3】電力消耗防止クラス3のプロセスを示す例示図である。
【図4】電力消耗防止クラス3のプロセスを示す他の例示図である。
【図5】様々なサービスタイプを示すMSの電力消耗防止モードの例を示す図である。
【図6】MSによるハンドオーバープロセスを示す例示図である。
【図7】MOB_SCAN−REPORTを転送するための動作が可能な時の電力消耗防止モードの動作の一例を示す。
【図8】ハンドオーバー要請メッセージ(MOB_MSHO−REQ)を転送するための動作が可能な時の電力消耗防止モードの動作の一例を示す。
【図9】探知動作を行うための動作が可能な時の電力消耗防止の動作の一例を示す。
【図10】連係(association)を行うための動作が可能な時の電力消耗防止モードの動作の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面に基づき、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。図面中、可能な限り、同一の構成要素には可能な限り同一の参照符号を付する。
【0018】
前述したように、3タイプの電力消耗防止モードがある。各電力消耗防止モードの適切な遂行のために、BS及びMSは、パラメータ及びレンジング(ranging)応答(RNG−RSP)メッセージのような必要な情報を交換する。パラメータは、BS及びMS間の交換されたメッセージ中に含まれる。これらのメッセージは、例えば、睡眠要請(MOB_SLP_REQ)メッセージ、睡眠応答(MOB_SLP_RSP)メッセージ及びトラフィック指示(MOB_TRF_IND)により定義されることができる。
【0019】
表1は、睡眠要請(MOB_SLP_REQ)メッセージの一例を示す。睡眠要請(MOB_SLP_REQ)メッセージは、睡眠モードへの進入のための要請を含み、MSによりサービングBSに転送されたメッセージの一つである。睡眠要請メッセージ内には、(複数の)睡眠期間及び(複数の)聴取期間に関する情報が含まれることができる。以下、‘睡眠期間’という用語は、‘睡眠ウィンドウ’または‘睡眠ウィンドウの持続期間’という用語と同じ意味で使われることができる。
【0020】
【表1】

表2は、睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージの一例を示す。睡眠応答(MOB_SLP_RSP)メッセージは、睡眠モード関連情報を含み、BSからMSに転送されるメッセージの一つである。睡眠応答メッセージは、例えば、(複数の)睡眠期間、(複数の)聴取期間及び睡眠識別に加えて睡眠モードの許容を含む。
【0021】
【表2−1】

【0022】
【表2−2】

表3は、周期的にブロードキャストされるトラフィック指示子(MOB_TRF_IND)メッセージの一例である。睡眠モード中にあるMSは、聴取期間の間に、ブロードキャストされたトラフィック指示子(MOB_TRF_IND)メッセージを受信し、睡眠モードを維持するか、ダウンリンクデータを受信するために睡眠モードから抜け出るか、または、睡眠モードの間にレンジング(ranging)動作を行うか否かを決定する。
【0023】
【表3−1】

【0024】
【表3−2】

表4は、レンジング応答(RNG−RSP)メッセージ内に含まれた電力消耗防止クラスパラメータの一例を示す。電力消耗防止クラスパラメータは、可変的な長さを持つことができる。すなわち、この電力消耗防止クラスパラメータは、特定のタイプパラメータ(すなわち、タイプ21)と定義されることができ、可変的な長さを持つパラメータを選択的に含むことができる複合(compound)パラメータに分類されることができる。
【0025】
【表4−1】

【0026】
【表4−2】

ハンドオーバー前のMSの動作は、次の通りである。第一に、MSは、探知動作を行うことができる。探知動作は、MSが近隣基地局の信号を受信し、これらの受信した信号の信号品質を測定し、これらの測定された信号のうち最適の信号品質を持つBSを決定するようにする。このため、MSは、サービングBSに探知動作許容を要請するために探知要請(MOB_SCN_REQ)メッセージを用いることができる。この要請に応答して、サービングBSは、MSが信号品質を測定するために近隣基地局の探知動作を開始することを許容する探知応答(MOB_SCN_RSP)メッセージを送ることができる。探知応答メッセージには、探知周期のような、探知動作を行うのに必要なパラメータが含まれることができる。
【0027】
表5には、探知報告(MOB_SCAN−REPORT)メッセージの一例を示す。
【0028】
【表5−1】

【0029】
【表5−2】

【0030】
【表5−3】

動作中には、MSは、近隣基地局の探知動作から獲得された情報(すなわち、信号品質、受信信号の強度、転送遅延)をサービングBSに転送するために表5の一つのような探知報告メッセージを用いることができる。サービングBSは、MSが近隣BSを探知した結果の情報に基づいてハンドオーバーを行うことを許容するか否かを決定する。
【0031】
ハンドオーバーを行うのにかかる時間は、連係(association)を行うことにより短縮することができる。連係は、実際にハンドオーバーを行う前の過程またはプロセスと関連する。具体的には、MSは、探知動作を介して近隣基地局の信号品質を最初に測定でき、初期レンジング動作を行うことができる。ここで、最初レンジング動作中に用いられるレンジングパラメータは、実際のハンドオーバー中に再使用されることができる。より具体的には、MSは、近隣BSとの連結を要請するためにサービングBSに探知要請(MOB_SCN−REQ)メッセージを送ることができる。応答するサービングBSは、探知応答(MOB_SCN−RSP)メッセージを介して近隣BSと接続するのに必要なパラメータ(すなわち、接続実行時間、接続時に用いられた資源情報)を提供することができる。
【0032】
前述したように、MSは、探知動作を使用することによって近隣基地局の信号品質を測定でき、この測定された信号品質を含む当該探知動作の結果をサービングBSに報告する。その後、MSは、絶対または相対規格を用いて当該近隣基地局から提供されうる信号品質のレベルを、それらの近隣基地局から受信した実際信号品質のレベルと比較する。この比較を完了した後に、MS及び/またはサービングBSは、ハンドオーバーを行うか否かを決定できる。
【0033】
MSが様々な動作を行うのに必要な条件及び値は、表6に示すように、特定のパラメータと共に転送されることができる。ここで、パラメータは、近隣基地局の探知する動作、この探知動作の結果を報告する動作、近隣BSと接続する動作、及び該BSとハンドオーバーを行う動作などと関連した情報を含むことができる。これらの特定されたパラメータは、サービングBSのダウンリンクチャネル説明子(Downlink Channel
Descriptor;DCD)または近隣BS広告(MOB_NBR−ADV)メッセージ内に含まれることができ、以降、サービングBSからMSに転送されることができる。
【0034】
表6は、異なるイベントをトリガーするのに用いられるパラメータの値の一例を示す。
【0035】
【表6】

表7は、異なるイベントをトリガーするのに用いられるパラメータの条件の値の一例を示す。
【0036】
【表7】

図1は、電力消耗防止クラス1の過程を示す例示図である。図1の電力消耗防止クラス1内において、MSは、BSに電力消耗防止モードへの進入を要請するためにメッセージを送り、この電力消耗防止クラスは、その該当するMSに伝達するダウンリンクトラフィックにおいて、当該電力消耗防止モードが終了するまで維持される。より詳細な動作について説明すると、次の通りである。
【0037】
すなわち、MSは、初期睡眠ウィンドウ、最終睡眠ウィンドウ及び聴取ウィンドウの値を設定する。これらの値は、以降、電力消耗防止モードへの進入を要請するためにBSに転送される睡眠要請(MOB_SLP_REQ)メッセージ中に含まれる。BSが電力消耗防止モードへの進入を許容する時にまたは許容すると、BSは、inter alia、初期睡眠ウィンドウ、最終睡眠ウィンドウ、聴取ウィンドウ及び初期睡眠ウィンドウの開始フレームを、該当するMSエーゲの応答メッセージ(すなわち、MOB−SLP−RSP)中に含める。
【0038】
MSが電力消耗防止モードに進入すると、MSは、初期睡眠ウィンドウの持続期間と同じ持続期間の間に電力消耗防止モードを保つ。この電力消耗防止モードの満了後に、MSは(複数の)トラフィック指示(MOB−TRF−IND)メッセージを聴取区間の間にBSから受信する。例えば、否定(negative)指示と言われる、該当するMSへのダウンリンクトラフィックまたはデータがないと、以降MSは電力消耗防止モードに再進入する。しかし、この場合の電力消耗防止モードは、それ以前の持続期間より2倍も長くなる。
【0039】
(複数の)聴取区間においてその該当するMSのためのダウンリンクトラフィックが継続していないと、以降、MSが当該聴取区間の後にダウンリンクトラフィックを受信するのに失敗した後に、電力消耗防止モードに再進入する度に、連続した電力消耗防止モードの持続期間は特定の割合(すなわち、2フォルド(two fold))だけ増加する。電力消耗防止モードの持続期間における増加は、下記の方程式で例示されることができる。ここで、最終睡眠ウィンドウの大きさまたは持続期間は、睡眠応答メッセージ内に含まれた最終睡眠ウィンドウ基礎及び最終ウィンドウ指数を用いて決定されることができる。
【0040】
[方程式1]
最終睡眠ウィンドウ=最終睡眠ウィンドウ基礎*2最終ウィンドウ指数
これに対し、聴取区間中に、肯定(positive)指示(indication)で指示されたMSに発送されたダウンリンクトラフィックがあれば、以降、MSは電力消耗防止モードを終了する。
【0041】
図2は、電力消耗防止クラス2の過程を示す例示図である。図2は、固定されたデータ率を提供する非要請提供サービス(Unsolicited Grant Service;UGS)及び実時間変動サービス(Real Time Variable Service;RT−VR)のうちいずれか一つを利用するMS及び電力消耗防止クラス2内のMSの動作過程を示す。
【0042】
より具体的には、MSは、表1のメッセージに類似する睡眠要請メッセージを電力消耗防止クラス2への進入を要請するためにBSに転送する。この要請メッセージを受信すると、BSは、MSに応答メッセージを送ることにより電力消耗防止クラス2への進入を許容する。応答メッセージは、睡眠区間、聴取区間及びMSにより設定された電力消耗防止モードの開始フレームを含むことができる。MSが開始フレームに進入すると、MSは睡眠区間の間に電力消耗防止モードにとどまる。
【0043】
睡眠区間が満了すると、MSは、アップリンク/ダウンリンク通信を維持するためにBSと同期化する。MSは、以降、BSからダウンリンクデータを受信することができ、同時に聴取区間の間にBSにアップリンクデータを転送することができる。聴取区間が終わると、MSは、電力消耗を最小化するために睡眠区間の周期と同じ周期の間に、電力消耗防止モードを維持する。その後、聴取及び睡眠区間は、電力消耗防止クラス2内のMSにより繰り返される。
【0044】
MSが電力消耗防止クラス2を終了することを希望すると、MSは聴取区間の間にBSに電力消耗防止クラス2を終了するための要請を含む睡眠要請メッセージを送ることができる。または、これと違い、MSは睡眠区間の間にBSに使用者データを転送することができる。電力消耗防止クラス2が終わった後に、MSは正常動作モード内にとどまる。
【0045】
図3は、電力消耗防止クラス3の過程を示す例示図である。より具体的には、図3は、BSとアップリンク/ダウンリンク通信を維持し、また、電力消耗を低減するためにBSとレンジング動作を行うMSを説明することによって電力消耗防止クラス3のプロセスを示す。図3で、MSは、電源をつけてネットワーク進入プロセスを行うことにより正常動作モードに進入する。正常モードの間に、MSは、BSとアップリンク/ダウンリンク通信を維持するために周期的にレンジング動作を行う。周期的なレンジング動作の過程で、MSは適切なアップリンク転送パラメータを獲得する。また、MSが周期的なレンジング動作を行う時間では、MSはレンジング要請(RNG−REQ)メッセージをBSに転送する。
【0046】
MSからレンジング要請メッセージ(RNG−REQ)を受信した後に、BSは、該当するMSにアップリンク転送パラメータの調整された値を含むレンジング応答(RNG−RSP)メッセージを転送することにより応答する。ここで、レンジング応答メッセージは、例えば、電力消耗防止クラス3が活性化されうるように睡眠ウィンドウ及び開始フレームを含むことができる。
【0047】
MSは、電力消耗防止モードを活性化するのに必要な情報を含むレンジング応答(RNG−RSP)メッセージを受信した後に、電力消耗防止モードの開始を指示する開始フレームがわかる。その後、MSは睡眠ウィンドウの持続期間の間に電力消耗防止モード内にとどまる。睡眠ウィンドウ周期が満了すると、MSは、MSがBSと通信するのを許容するモードにあることになる。以降、MSは周期的なレンジング動作を行う。レンジング動作の間に、MSは、BSからアップリンク転送及び電力消耗防止モードと関連したパラメータを含むレンジング応答(RNG−RSP)メッセージを受信する。電力消耗防止モードに進入する時間になると、MSは電力消耗防止モードに進入(または、活性化)し、睡眠ウィンドウの持続期間の間に電力消耗防止モード内にとどまる。
【0048】
図4は、電力消耗防止クラス3の過程を示す他の例示図である。図4は、電力を保全するために、マルチキャスト接続を介してBSからデータを受信するMSにより採用された電力消耗防止クラス3の過程を示す。
【0049】
BSは、MSが電力消耗防止クラス3を活性化するようにするためにMSに睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージを転送する。MSが開始フレームから始まる睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージを受信すると、MSは、睡眠ウィンドウに進入したり活性化し、睡眠ウィンドウの持続期間の間に電力消耗防止モード内にとどまる。睡眠ウィンドウの終了時に、MSは、MSがBSと通信可能なモードを始め、マルチキャスト接続を介してBSからデータを受信する。
【0050】
BSは、マルチキャスト接続の間にデータ転送を終えた後に、マルチキャスト接続を介して次のデータ転送時まで電力消耗を低減できるようにするために、MSに睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージを転送することにより電力消耗防止クラス3を活性化する。MSでは、睡眠ウィンドウの持続期間の間に電力消耗防止モードに進入することにより睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージに応答する。広帯域無線接続システムでMSの電力消耗を低減するために、各接続は、接続のサービスタイプによって個々のコンテクスト(context)または電力消耗防止クラスに関ることができる。
【0051】
図5は、様々なサービスタイプを表すMSの電力消耗防止モードの一例を示す。図5に示すように、活性化された一つ以上の電力消耗防止クラスを持つMSは、各電力消耗防止クラスの間で睡眠ウィンドウ同士が重なる睡眠ウィンドウの間に、電力消耗防止モードにあることになる。上述したように、MSは、電力消耗防止モードの間にはBSとのアップリンク転送を行わない。
【0052】
上述したように、MS及びサービングBSは、サービスタイプによって表される各接続に基づいて電力消耗防止モードを活性化する。このように、MSは電力消耗を最小化することができる。または、これと違い、MSは電力消耗防止モードの間にも、近隣基地局から受信した信号品質レベルを探す探知動作のような、ハンドオーバー前の事前ハンドオーバー(pre−handover)動作、及び、睡眠ウィンドウ中に実際ハンドオーバーを行う前にBSとレンジング動作を行う連係プロセスを行うことができる。
【0053】
サービングBSは、探知、連係及びハンドオーバーのような動作を含むハンドオーバートリガー情報をMSに転送する。すると、MSでは、状況が受信したハンドオーバートリガー情報に基づく条件を満足する時に必要で且つ適切な動作を行う。
【0054】
図6は、MSによるハンドオーバー過程を示す例示図である。図6で、サービングBSは、チャネル情報パラメータを転送するのに用いられるメッセージであるDCDを使用することによってハンドオーバートリガー情報を転送したり近隣広告(advertisement)(MOB_NBR−ADV)メッセージを転送する。上述のように、ハンドオーバートリガー情報は、MSがハンドオーバー動作を実行するのに必要な情報を含む。
【0055】
MSは、サービングBSからハンドオーバートリガー情報を受信した後に、近隣基地局の探知を行う条件が満たされる時に、サービングBSから探知周期(または、持続期間)の割当を要請する探知要請(MOB_SCN−REQ)メッセージを送ることができる。
【0056】
この探知要請メッセージを受信した後に、サービングBSは、探知応答(MOB_SCN−RSP)メッセージ内に含まれた探知周期(または、持続期間)を割り当てる。探知周期の間に、MSは、近隣BSとダウンリンク信号を同期化し、特に、信号品質、信号強度及び転送同期(synchronization)を測定する。
【0057】
MSは、探知を完了した後に、近隣基地局の探知結果をサービングBSに送るべき場合では、探知報告(MOB_SCAN−REPORT)メッセージを用いる。より具体的には、探知報告は、搬送波対干渉及び雑音比(Carrier−to−Interference and Noise Ratio;CINR)、受信信号強度指示子(Received Signal Strength Indicator;RSSI)及び往復遅延(Round Trip Delay)のような情報を含む。
【0058】
MSが近隣BSとの連係を行うべき場合では、MSは、サービングBSに近隣BSとの連係を要請するための探知要請(MOB−SCN_REQ)メッセージを転送することができる。その応答として、サービングBSは、探知応答(MOB_SCN−RSP)メッセージを介して近隣BSとの連係を行うのに必要なパラメータを転送する。これらの必要なパラメータを受信した後に、MSは、近隣BSとの連係を行う。
【0059】
MSが、探知または連係動作の後に、ハンドオーバートリガー情報を参照したのち特定のBSとハンドオーバー動作を行わねばならない場合では、MSは、サービングBSにハンドオーバーを要請するためのハンドオーバー要請(MOB_MSHO−REQ)メッセージを使用することができる。このメッセージを受信すると、サービングBSは、ハンドオーバー応答(MOB_MSHO−RSP)メッセージをMSに転送する。その後、MSは、サービングBSとのサーバー接続解除を要請するために、サービングBSにハンドオーバー指示(MOB_HO−IND)メッセージを転送する。その後、MSは、ターゲット(target)BS及びネットワークへの再進入(re−entry)のための動作を行う。
【0060】
表8は、睡眠要請(MOB_SCP−REQ)メッセージの一例である。
【0061】
【表8−1】

【0062】
【表8−2】

MSが電力消耗防止モードへの切替または進入を希望すると、MSは、睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージを転送することによって電力消耗防止モードへの進入を要請することができる。ここで、睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージは、電力消耗防止モード内にあるMSがハンドオーバートリガー情報に関するそれぞれのハンドオーバー関連動作を行わねばならないか否かと関連した情報を含むことができる。
【0063】
電力消耗防止モードにあるMSがハンドオーバートリガー情報に関するそれぞれのハンドオーバー関連動作を行わねばならないか否かに関する情報は、睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージの特定フィールドを介して転送されることができる。表9は、‘動作可能トリガー(Enabled−Trigger)’フィールドと呼ばれる睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージの特定フィールドの一例である。具体的に、表9は、イベントトリガー動作を可能にするパラメータの一例を説明するものである。
【0064】
【表9】

表9のパラメータは、タイプ長さ値(Type Length Value;TLV)パラメータで睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージまたはレンジング要請(RNG−REQ)メッセージを介してBSに転送されることができる。より具体的には、表9のパラメータは、MSが電力消耗防止モードに進入した時に、それぞれのイベントがイネーブルされるかディセーブルされるかを交渉するのに用いられることができる。また、表9のパラメータは、睡眠要請(MOB_SLP−REQ)、睡眠応答(MOB_SLP−REQ)、レンジング要請(RNG−REQ)及びレンジング応答(RNG−RSP)メッセージ内に含まれることができる。
【0065】
動作可能トリガー(Enabled−Trigger)は、ビットマップ(bitmap)の形態内にあり得る。ビットマップフォーマップ内の動作可能トリガーパラメータは、サービングBSに、該当するイベントがMSによりトリガーされるということを通知するのに用いられることができる。動作中に、MSは、各ビットを‘1’(すなわち、ビット=1)と設定でき、(複数の)設定ビットを睡眠要請(MOB_SLP_REQ)メッセージを介してサービングBSに送ることができる。上記ハンドオーバートリガー情報に基づき、そのイベントトリガー条件がMSの電力消耗防止モードの間に‘1’と設定されたイベントに関して満足すると、サービングBSには、MSによって該当のイベントがトリガーされるということが通知されることができる。
【0066】
このサービングBSは、動作可能トリガーパラメータを含む睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージを受信すると、表9に示すように、動作可能トリガーパラメータを設定でき、睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージを介してMSにその設定された情報を転送することができる。または、これと違い、睡眠応答(MOB−SLP−RSP)メッセージは、表10によって設定された動作可能トリガーパラメータを含むことができる。
【0067】
表10は、睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージの一例である。
【0068】
【表10−1】

【0069】
【表10−2】

【0070】
【表10−3】

睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージ内に含まれた動作可能トリガーパラメータは、睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージにおけると同様に、ビットマップ形態内にある。同様に、それぞれのビットマップが‘1’に設定され、MSの電力消耗防止モードの間に表7のようなハンドオーバートリガー情報に基づくトリガー条件が満たされると、サービングBSは、MSに該当のイベントをトリガーするようとの指示を通知する。
【0071】
図7は、MOB_SCAN_REPORTを転送するための動作がイネーブルされる時の電力消耗防止モードの動作の一例を示す。より具体的には、図7は、動作可能トリガーパラメータによって開始されたMS電力消耗防止モードの動作の間に、ハンドオーバートリガー情報に基づくMSのハンドオーバーに関する動作を示す。
【0072】
図7で、MSは、DCDメッセージまたはMOV_NBR−ADVメッセージを介してハンドオーバートリガー情報を受信する。電力消耗防止モードへの進入を要請する時、MSは、表8及び表9に示すように、動作可能トリガーパラメータの最初ビット(すなわち、ビット#0)を‘1’に設定する。ここで、動作可能トリガーパラメータの最初ビットを設定するということは、MOB_SCAN−REPORTを転送するための動作がイネーブルされるということを意味する。その後、設定された情報は、睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージを介してサービングBSに転送される。
【0073】
続いて、サービングBSは、表9及び表10に示すように、動作可能トリガーパラメータの最初ビット(すなわち、ビット#0)を‘1’に設定し、設定された情報を睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージを介してMSに転送する。サービングBSから睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージを受信すると、MSは電力消耗防止モードに進入する。
【0074】
電力消耗防止モード中にあるMSは、睡眠区間の間にまたは睡眠ウィンドウ持続期間の間に、近隣基地局への探知動作を行うことができる。MSが電力消耗防止モードに進入した後に条件を満足すると、MSには探知結果報告が要請される。その後、MSは、近隣基地局に関する探知結果をサービングBSに提供するために、探知報告(MOB_SCAN−REPORT)メッセージをサービングBSに転送する。サービングBSに探知結果を報告した後に、MSは、電力消耗防止モードを保つ。
【0075】
図8は、ハンドオーバー要請メッセージ(MOB_MSHO−REQ)を転送するための動作がイネーブルされる時の電力消耗防止モード動作の一例である。図8に示すように、MSは、DCDメッセージまたはMOB_NBR−ADVメッセージを介してハンドオーバートリガー情報を受信する。MSは、電力消耗防止モードへの進入を要請するとき、表9及び表10に示すように、動作可能トリガーパラメータの2番目のビット(すなわち、ビット#1)を‘1’に設定する。ここで、動作可能トリガーパラメータの2番目のビットを設定するということは、MOB_MSHO−REQを転送するための動作がイネーブルされることを意味する。以降、設定された情報は、睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージを介してサービングBSに転送される。
【0076】
続いて、サービングBSは、表9及び表10に示すように、動作可能パラメータの2番目のビット(すなわち、ビット#1)を‘1’に設定し、この設定された情報を睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージを介してMSに転送する。この睡眠応答メッセージをサービングBSから受信した後に、MSは、電力消耗防止モードに進入する。
【0077】
電力消耗防止モードにあるMSは、睡眠区間または睡眠ウィンドウの持続期間の間に近隣BS探知動作を行うことができる。MSは、電力消耗防止モードに進入した後に条件を満たすと、サービングBSに探知結果を報告するようとの要請を受ける。以降、MSは、電力消耗防止モードを終了し、ハンドオーバー要請(MOB_MSHO−REQ)メッセージをサービングBSに転送し、これにより他のBS(すなわち、BS2)へのハンドオーバーを要請する。ハンドオーバー要請(MOB_MSHO−REQ)メッセージの応答において、サービングBSはMSにハンドオーバー応答(MOB_MSHO−RSP)メッセージを転送する。
【0078】
その後、MSは、サービングBSにハンドオーバー指示(MOB_HO−IND)メッセージを転送することによってサービングBSとの接続解除を要請する。接続解除後に、MSはターゲットBS(すなわち、BS2)及びネットワークへの進入のために必要な動作を行う。
【0079】
図9は、探知区間を要請するための動作がイネーブルされる時の、電力消耗防止モード動作の一例である。図9で、MSは、DCDメッセージまたはMOB_NBR−ADVメッセージを介してハンドオーバートリガー情報を受信する。MSが電力消耗防止モードへの進入を要請すると、MSは、表8及び9に示すように、動作可能トリガーパラメータの3番目のビット(すなわち、ビット#2)を‘1’に設定する。ここで、動作可能トリガーパラメータの3番目のビットを設定するということは、MOB_SCN−REQを要請するための動作がイネーブルされることを意味する。その後、設定された情報は睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージを介してサービングBSに転送される。
【0080】
その後、サービングBSは、表9及び10に示すように、動作可能トリガーパラメータの3番目のビット(すなわち、ビット#2)を‘1’に設定し、設定された情報を、睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージを介してMSに転送する。サービングBSから睡眠応答メッセージを受信した後に、MSは、電力消耗防止モードに進入する。
【0081】
MSは、電力消耗防止モードに進入した後に条件を満たすと、以降、近隣BS探知動作を行うようと要請される。その後、MSは探知周期の割当を要請するためにサービングBSに探知要請(MOB_SCN−REQ)メッセージを転送する。探知要請(MOB_SCN−REQ)メッセージへの応答において、サービングBSは探知周期の割当を含む探知応答(MOB_SCN−RSP)メッセージを転送する。
【0082】
探知周期の間に、MSは近隣基地局とダウンリンク信号を同期化し、inter alia、近隣基地局からの信号品質、信号強度及び転送遅延を測定する。MSは、探知動作を行った後には、電力消耗防止モードを保つ。
【0083】
図10は、連係を行うためのイベントがイネーブルされた時の電力消耗防止モード動作の一例である。図10において、MSは、DCDメッセージまたはMOB_NBR−ADVメッセージを介してハンドオーバートリガー情報を受信する。MSが電力消耗防止モードへの進入を要請すると、MSは、表8及び9に示すように、動作可能トリガーパラメータの4番目のビット(すなわち、ビット#3)を‘1’に設定する。ここで、動作可能トリガーパラメータの4番目のビットを設定するということは、連係を行うための動作がイネーブルされたことを意味する。その後、設定された情報は睡眠要請(MOB_SLP−REQ)メッセージを介してサービングBSに転送される。
【0084】
その後、サービングBSは、表9及び表10に示すように、動作可能トリガーパラメータの4番目のビット(すなわち、ビット#3)を‘1’に設定し、設定された情報を、睡眠応答(MOB_SLP−RSP)メッセージを介してMSに転送する。MSは、サービングBSから睡眠応答メッセージを受信した後に、電力消耗防止モードに進入する。ここで、電力消耗防止モードにあるMSは、睡眠モードの間に近隣BS探知動作を行うことができる。
【0085】
MSは、電力消耗防止モードに進入した後に条件を満たすと、近隣BS(すなわち、BS2)との連係を行うように要請される。その後、MSは、近隣BS(すなわち、BS2)との連係を行うことを要請するためにサービングBSに探知要請(MOB_SCN−REQ)メッセージを転送する。探知要請(MOB_SCN−REQ)メッセージの応答において、サービングBSは、探知応答(MOB_SCN−RSP)メッセージを介して近隣BS(すなわち、BS2)との連係を行うために必要なパラメータを転送する。続いて、MSは、連係を行うために近隣BS(すなわち、BS2)とアップリンク/ダウンリンク方向で同期化される。
【0086】
また、MSは、レンジング(ranging)要請(RNG−REQ)メッセージを近隣BS(すなわち、BS2)に転送する。応答において、近隣BS(すなわち、BS2)は、レンジング応答(RNG−RSP)メッセージを介してMSに連係パラメータと共にレンジング制御パラメータを転送する。一特徴として、MSは、近隣BS(すなわち、BS2)から受信した連係パラメータを維持し、以降、該当するBSとハンドオーバーを行う時に連係パラメータを再使用することができる。レンジング応答(RNG−RSP)メッセージを受信した後、MSは、電力消耗防止モードを保つ。
【0087】
上述のように、電力消耗防止モード内にあるMSにより行われたハンドオーバー動作及び関連イベントは、本発明で開示されたパラメータによってイネーブルまたはディセーブルされることができる。より具体的には、このイネーブル/ディセーブルは、MSが電力消耗防止モードに進入する時にビットマップの形態で表されることができる。ここで、複数のイベントは、グループとしてイネーブルまたはディセーブルされることができる。本発明の実施例では複数のイベントがイネーブルされる場合を示している。
【0088】
本発明の本質や範囲を逸脱しない限度内で本発明の様々な改変ができることは、本技術分野に熟練した者にとっては明らかである。したがって、これらの本発明の改変は、添付の請求項及びそれらの請求項と均等範囲に符合すると、本発明に含まれるものとして理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線移動通信システムにおいて移動局(MS)の睡眠モード動作を支援する方法であって、
前記方法は、
前記MSによって、基地局(BS)から、トリガー情報を含む第1のメッセージを受信することであって、前記トリガー情報は、少なくとも1つのトリガー条件と、前記少なくとも1つのトリガー条件に達したときに実行される少なくとも1つのイベント動作とを含む、ことと、
前記MSによって、前記BSに、前記少なくとも1つのイベント動作が動作可能であるか否かを示す第1のビットマップを含む第1の動作可能トリガーパラメータを含む睡眠要請メッセージ(MOB_SLP−REQ)を伝送することと、
前記MSによって、前記BSから、前記少なくとも1つのイベント動作が許可されているか否かを示す第2のビットマップを含む第2の動作可能トリガーパラメータを含む睡眠応答メッセージ(MOB_SLP−RSP)を受信することと、
睡眠モードにおいて前記少なくとも1つのトリガー条件に達したときに、前記第2の動作可能トリガーパラメータによって示される前記少なくとも1つのイベント動作を実行することと
を含み、
前記第1のビットマップは、探知報告動作に関連するビット#0と、ハンドオーバー要請動作に関連するビット#1と、探知要請動作に関連するビット#2とを含み、
前記第2のビットマップは、探知報告動作に関連するビット#0と、ハンドオーバー要請動作に関連するビット#1と、探知要請動作に関連するビット#2とを含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのトリガー条件は、搬送波対干渉及び雑音比(Carrier−to−Interference and Noise Ratio;CINR)、受信信号強度指示子(Received Signal Strength Indicator;RSSI)及び往復遅延(Round Trip Delay)のうちの少なくとも1つとして定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トリガー情報は、前記トリガー条件のうちの少なくとも1つの計算方法を定義する機能フィールドをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のメッセージは、ダウンリンクチャネル説明子(Downlink Channel Descriptor;DCD)メッセージまたは近隣広告(Neighbor Advertisement;MOB_NBR−ADV)メッセージである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のビットマップの各ビットは、各ビットに対応する少なくとも1つのイベント動作が許可されていることを示すために1に設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
無線移動通信システムにおいて睡眠モード動作を支援する移動局(MS)であって、
前記MSは、
基地局(BS)から、トリガー情報を含む第1のメッセージを受信することであって、前記トリガー情報は、少なくとも1つのトリガー条件と、前記少なくとも1つのトリガー条件に達したときに実行される少なくとも1つのイベント動作とを含む、ことと、
前記BSに、前記少なくとも1つのイベント動作が動作可能であるか否かを示す第1のビットマップを含む第1の動作可能トリガーパラメータを含む睡眠要請メッセージ(MOB_SLP−REQ)を伝送することと、
前記BSから、前記少なくとも1つのイベント動作が許可されているか否かを示す第2のビットマップを含む第2の動作可能トリガーパラメータを含む睡眠応答メッセージ(MOB_SLP−RSP)を受信することと、
睡眠モードにおいて前記少なくとも1つのトリガー条件に達したときに、前記第2の動作可能トリガーパラメータによって示される前記少なくとも1つのイベント動作を実行することと
を実行するように構成され、
前記第1のビットマップは、探知報告動作に関連するビット#0と、ハンドオーバー要請動作に関連するビット#1と、探知要請動作に関連するビット#2とを含み、
前記第2のビットマップは、探知報告動作に関連するビット#0と、ハンドオーバー要請動作に関連するビット#1と、探知要請動作に関連するビット#2とを含む、移動局。
【請求項7】
前記少なくとも1つのトリガー条件は、搬送波対干渉及び雑音比(Carrier−to−Interference and Noise Ratio;CINR)、受信信号強度指示子(Received Signal Strength Indicator;RSSI)及び往復遅延(Round Trip Delay)のうちの少なくとも1つとして定義される、請求項6に記載の移動局。
【請求項8】
前記トリガー情報は、前記トリガー条件のうちの少なくとも1つの計算方法を定義する機能フィールドをさらに含む、請求項7に記載の移動局。
【請求項9】
前記第1のメッセージは、ダウンリンクチャネル説明子(Downlink Channel Descriptor;DCD)メッセージまたは近隣広告(Neighbor Advertisement;MOB_NBR−ADV)メッセージである、請求項6に記載の移動局。
【請求項10】
前記第2のビットマップの各ビットは、各ビットに対応する少なくとも1つのイベント動作が許可されていることを示すために1に設定される、請求項6に記載の移動局。
【請求項11】
無線移動通信システムにおいて移動局(MS)の睡眠モード動作を支援する方法であって、
前記方法は、
前記基地局(BS)によって、前記MSに、トリガー情報を含む第1のメッセージを伝送することであって、前記トリガー情報は、少なくとも1つのトリガー条件と、前記少なくとも1つのトリガー条件に達したときに実行される少なくとも1つのイベント動作とを含む、ことと、
前記BSによって、前記MSから、前記少なくとも1つのイベント動作が動作可能であるか否かを示す第1のビットマップを含む第1の動作可能トリガーパラメータを含む睡眠要請メッセージ(MOB_SLP−REQ)を受信することと、
前記BSによって、前記MSに、前記少なくとも1つのイベント動作が許可されているか否かを示す第2のビットマップを含む第2の動作可能トリガーパラメータを含む睡眠応答メッセージ(MOB_SLP−RSP)を伝送することと
を含み、
前記少なくとも1つのトリガー条件に達したときに、前記第2の動作可能トリガーパラメータによって示される前記少なくとも1つのイベント動作が実行され、
前記第1のビットマップは、探知報告動作に関連するビット#0と、ハンドオーバー要請動作に関連するビット#1と、探知要請動作に関連するビット#2とを含み、
前記第2のビットマップは、探知報告動作に関連するビット#0と、ハンドオーバー要請動作に関連するビット#1と、探知要請動作に関連するビット#2とを含む、方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのトリガー条件は、搬送波対干渉及び雑音比(Carrier−to−Interference and Noise Ratio;CINR)、受信信号強度指示子(Received Signal Strength Indicator;RSSI)及び往復遅延(Round Trip Delay)のうちの少なくとも1つとして定義される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記トリガー情報は、前記トリガー条件のうちの少なくとも1つの計算方法を定義する機能フィールドをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のメッセージは、ダウンリンクチャネル説明子(Downlink Channel Descriptor;DCD)メッセージまたは近隣広告(Neighbor Advertisement;MOB_NBR−ADV)メッセージである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のビットマップの各ビットは、各ビットに対応する少なくとも1つのイベント動作が許可されていることを示すために1に設定される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
無線移動通信システムにおいて移動局(MS)の睡眠モード動作を支援する基地局(BS)であって、
前記BSは、
前記MSに、トリガー情報を含む第1のメッセージを伝送することであって、前記トリガー情報は、少なくとも1つのトリガー条件と、前記少なくとも1つのトリガー条件に達したときに実行される少なくとも1つのイベント動作とを含む、ことと、
前記MSから、前記少なくとも1つのイベント動作が動作可能であるか否かを示す第1のビットマップを含む第1の動作可能トリガーパラメータを含む睡眠要請メッセージ(MOB_SLP−REQ)を受信することと、
前記MSに、前記少なくとも1つのイベント動作が許可されているか否かを示す第2のビットマップを含む第2の動作可能トリガーパラメータを含む睡眠応答メッセージ(MOB_SLP−RSP)を伝送することと
を実行するように構成され、
前記少なくとも1つのトリガー条件に達したときに、前記第2の動作可能トリガーパラメータによって示される前記少なくとも1つのイベント動作が実行され、
前記第1のビットマップは、探知報告動作に関連するビット#0と、ハンドオーバー要請動作に関連するビット#1と、探知要請動作に関連するビット#2とを含み、
前記第2のビットマップは、探知報告動作に関連するビット#0と、ハンドオーバー要請動作に関連するビット#1と、探知要請動作に関連するビット#2とを含む、基地局。
【請求項17】
前記少なくとも1つのトリガー条件は、搬送波対干渉及び雑音比(Carrier−to−Interference and Noise Ratio;CINR)、受信信号強度指示子(Received Signal Strength Indicator;RSSI)及び往復遅延(Round Trip Delay)のうちの少なくとも1つとして定義される、請求項16に記載の基地局。
【請求項18】
前記トリガー情報は、前記トリガー条件のうちの少なくとも1つの計算方法を定義する機能フィールドをさらに含む、請求項17に記載の基地局。
【請求項19】
前記第1のメッセージは、ダウンリンクチャネル説明子(Downlink Channel Descriptor;DCD)メッセージまたは近隣広告(Neighbor Advertisement;MOB_NBR−ADV)メッセージである、請求項16に記載の基地局。
【請求項20】
前記第2のビットマップの各ビットは、各ビットに対応する少なくとも1つのイベント動作が許可されていることを示すために1に設定される、請求項16に記載の基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−75142(P2012−75142A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244860(P2011−244860)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【分割の表示】特願2008−515617(P2008−515617)の分割
【原出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】