無線網制御装置、無線LAN中継装置、無線通信システム及び無線通信システムの通信方法

【課題】従来の無線通信方式では、認証からトンネル作成までのレイヤ2とレイヤ3の両方の通信において再設定が必要になるため、切替時間を短縮する余地がある。
【解決手段】本発明の無線網制御装置は、1つ以上の無線LANアクセス(Local Area Network)網の接続制御を行うWLAN中継装置から入力される情報のうち、移動通信網及び前記無線LAN網との通信が可能な端末が前記無線LAN網で通信を行う場合に必要な接続情報を前記端末に出力する構成を有しており、移動通信網と無線LAN間でのパケット通信の途切れのないハンドオーバーを実現するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、W−CDMAに代表される移動体通信網と無線LANのような異種網の連携システムにおいて、通信中の移動により網の種別が変化した場合に通信を継続するハンドオーバー技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年広いエリアで通信可能な携帯電話と、狭いエリアで高速データ通信が可能な公衆無線LANサービスを連携(インタワーク)させて、補完させるシステムが検討されている。例えば、このようなシステムで、携帯電話の移動通信網と無線LAN(Wireless Local Area Network:WLAN)の両方にアクセスできる端末を使用し、高速移動時は基地局あたりのカバーエリアの広い移動通信網を使って接続を維持し、低速移動時または静止時は、無線LANを用いて広帯域アクセスを行うサービスが考えられる。
【0003】
インタワークシステムは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で、WLAN経由で移動通信網のパケットサービスにアクセスするシナリオを実現するアーキテクチャなどが規格化されており、3GPPのTS(Technical Specification)22.234にその要件、23.234でアーキテクチャ、33.234で認証方式が記述されている。また、特許文献1においては、ホームエージェント2613を用いて携帯電話網同士におけるパケット呼のハンドオーバーを行う方式が記述されている。これらのシステムにおいて、移動通信網と無線LANの両方にアクセスできる端末を用いてパケットアクセスを行っている際に、移動通信網のカバーエリアから無線LANに移動した場合の処理方式の例を示す。
【0004】
図26は、従来技術によって構築されたインタワークシステムの構成図を示す。図26において、端末2601は、移動通信網と無線LANの両方のパケットアクセス手段を持つ。3GPP規格ではUE(User Equipment)にあたる。第1基地局装置2602aと第2基地局装置2602bは、移動通信網において、端末2601からの無線信号を有線上の信号に相互変換し、伝送する。3GPP規格ではNode Bにあたる。また、第1基地局装置2602aはセルM1、第2基地局装置2602bはセルM2をカバーするものとする。
【0005】
第1WLANアクセス網2603aと第2WLANアクセス網2603bは、IP(Internet Protocol)などによるパケット網であり、端末2601との接続を行うアクセスポイントを含み、無線LANの無線信号を有線網上のパケット信号に変換する。また、WLANアクセス網2603においてDNSサーバとしてアドレス割当動作も行うものとする。3GPP規格ではWLAN AN(Access Network)にあたる。第1WLANアクセス網2603aはセルL1、第2WLANアクセス網2603bはセルL2をカバーする。両者を総称してWLANアクセス網2603と呼ぶ。
【0006】
無線網制御装置2604は、基地局装置2602aにIPを介して接続され、移動通信網において無線関係の端末制御、制御データとユーザーデータの伝送を行う。3GPP規格のRNC(Radio Network Controller)にあたる。基地局装置2603との接続はATMの場合でも本発明の効果は得られる。
【0007】
第1WLAN中継装置2605aと第2WLAN中継装置2605bは、それぞれ第1WLANアクセス網2603aと第2WLANアクセス網2603bに接続され、各々に接続されたWLANアクセス網2603との間で無線LANの制御データ・ユーザーデータの伝送を行う。3GPP規格ではWAG(Wireless Access Gateway)にあたる。両者を総称してWLANアクセス網2603と呼ぶ。
【0008】
パケット制御装置2606は、無線網制御装置2604に接続され、移動通信網内のパケット伝送制御処理と、パケット伝送に関係する端末2601の状態管理とを行う。無線網制御装置2604の接続は、IPを用いると仮定する。3GPP規格ではSGSN(Serving GPRS Support Node)にあたる。
【0009】
移動網パケット中継装置2607は、WLANアクセス網2603とIPとを介して接続され、移動通信網からインターネットへのパケットデータを中継する。3GPP規格では、GGSN(Gateway GPRS Support Node)にあたる。ここでは、端末2601のドメインとなるAPN(Access Point Name)毎に、1個移動網パケット中継装置2607が配置されている。
【0010】
パケットデータ中継装置2608は、移動網パケット中継装置2607と第1WLAN中継装置2605aとに接続され、両者からのデータを公衆パケット網2612に中継する。移動網パケット中継装置2607と同様に、APNに対応する。パケットデータ中継装置2608とWLAN中継装置2605との接続の関係は、1対多関係を仮定する。
【0011】
認証中継装置2609は、WLAN中継装置2605に接続され、端末2601が、無線LANのカバーエリアに進入した場合に、端末2601からの認証データをWLAN中継装置2605経由で受け取る。3GPP規格ではAAA Proxyにあたる。
【0012】
認証サーバ2610は、認証中継装置2609に接続され、端末2601からの認証データを認証中継装置2609経由で受け取る。3GPP規格ではAAA Serverにあたる。
【0013】
ユーザー情報格納装置2611は、パケット制御装置2606と移動網パケット中継装置2607と認証サーバ2610とに接続され、ユーザーが移動通信網または無線LAN網の通信事業者と契約しているサービス情報が、格納されている。公衆パケット網2612は、公衆に位置するパケット網である。インターネットも公衆パケット網2612の一つである。
【0014】
ホームエージェント2613は、端末2601のデータ伝送を中継し、データ伝送先を端末2601の移動先に応じて変更する。また、モバイルIPで端末2601の位置管理を行い、移動先を登録する。対向ノード2614は、端末2601がパケット通信を行う相手である。例えば、インターネット上に配置されたサーバ等は、対向ノード2614に含まれる。
【0015】
また、本システムで連携する移動通信網と無線LANとを定義する。移動通信網は、移動網パケット中継装置2607、パケット制御装置2606、無線網制御装置2604、基地局装置2602からなるネットワークを指す。また、無線LANは、パケットデータ中継装置2608、WLAN中継装置2605、WLANアクセス網2603からなるネットワークを指す。
【0016】
図27に、無線LAN部分の各構成要素と、各々の処理するプロトコルのスタック図とを示す。端末2601は、対向ノード2614と通信するためのリモートIP層2702と、無線LANのアクセス網でIP通信を行うためのトランスポートIP層2703を持つ。各々のIPアドレスは、別に割り当てられ、それぞれリモートIPアドレス、ローカルIPアドレスと呼ばれる。
【0017】
リモートIP層2701のパケットは、公衆パケット網2612への入口となるパケットデータ中継装置2608において中継されるが、端末2601とパケットデータ中継装置2608の間ではリモートIP層のパケットを伝送するためのトンネル2702が設けられる。このトンネルの機能としては、パケットのカプセル化伝送機能、パケットのヘッダまたはペイロードの圧縮機能、暗号化機能があり、カプセル化や圧縮・暗号化方式等の各機能の設定用の情報、アクセスポイント名や電話番号などの接続設定が、トンネル毎に端末2601とパケットデータ中継装置2608によって保持される。
【0018】
トランスポートIP層は、各ノードで終端される。端末2601からのパケットは、WLANアクセス網2603で終端される。L1(物理層)とL2(データリンク層)は本実施の形態においては特定しない。
【0019】
以上のシステムにおいて、パケット通信が端末2601と対向ノード2614との間で移動通信網を経由して行われているときに、無線LANのエリアに進入した場合に、無線LAN経由の通信に切り替える方式を示す。
【0020】
端末2601のIPパケット通信は、以下の形態で行われる。まず、ユーザーのIPパケットは、端末2601から移動通信網の各ノードとホームエージェント2613を経由して対向ノード2614に到達する。ユーザーのリモートIPアドレスは、リモートIPアドレスをルーティングする移動網パケット中継装置2607によって割り当てられる。ホームエージェント2613は、端末2601のホーム網におけるアドレスであるホームIPアドレスと、端末2601の現在位置に対応する網(在圏網)で使用される端末2601のアドレスである気付アドレスの組を管理し、対向ノード2614が出力する端末2601のホームIPアドレスをカプセル化し、気付アドレスに対して伝送する。
【0021】
逆に、端末2601からのIPパケットは、逆方向のパケットと同様にカプセル化されて伝送される。対向ノード2614がBinding Update手順に対応している場合は、これにより、カプセル化を使用せずに直接端末2601と対向ノード2614に対して伝送することも可能である。
【0022】
移動通信網では、ノード間毎にIPトンネルが作られ、IPパケットは、カプセル化されて伝送される。移動網パケット中継装置2607とパケット伝送制御手段2606の間、パケット伝送制御手段2606と無線網制御装置2604との間ではGTP(GPRS Tunneling Protocol)が用いられる。
【0023】
無線網制御装置2604では、IPパケットが論理チャネルやトランスポートチャネルに適宜変換され、基地局装置2602aにIPトランスポートを用いて伝送される。基地局装置2602aは、W−CDMAの物理チャネルに変換し、端末2601と通信を行う。
【0024】
端末2601が、パケット通信2810a〜dを行いながら、無線LANのエリアに進入した際の処理は以下のように行われる。まず、図28において、無線LANエリアのセルL1進入2801において、無線LANの電波を端末2601が検出する。無線LANは、IEEE802.11a/b/g規格を仮定する。ローカル接続処理2802において、ローカル接続の際は、第1WLANアクセス網2603aによってローカルIPアドレスが端末2601に割り当てられる。
【0025】
その後、認証処理2803において端末2601は、ユーザー情報格納装置2611に対して、WLAN経由でのパケットアクセスの認証を行う。この認証は、第1WLAN中継装置2605a、認証中継装置2609(図28では省略)、認証サーバ2610でEAP(PPP Extensible Authentication Protocol)を用いる。また、認証サーバ2610に認証に必要なユーザーに関する情報がない場合は、ユーザー情報格納装置2611から取得する。
【0026】
認証2803終了後、無線LAN IPアドレス取得処理2804において、端末2601がDNS問い合わせを行う。これに対し、第1WLANアクセス網2603aは、応答として、端末2601が使用可能なネットワーク全てにおけるリモートIPアドレス、FQDN、それらに対応するパケットデータ中継装置2608の組を返す。
【0027】
トンネル作成要求2805において、端末2601は無線LAN IPアドレス取得処理2804において、取得した中からパケットデータ中継装置2608を選択し、一組のリモートIPアドレスとFQDNを用いてIPのトンネルを作成させる要求をパケットデータ中継装置2608に出力する。認証完了確認処理2806において、パケットデータ中継装置2608は、認証中継装置2609と認証サーバ2610を中継し、端末2601が認証済みであることを確認する。
【0028】
次に、ポリシー交換2807において、パケットデータ中継装置2608と第1WLAN中継装置2603aが、パケットの伝送ポリシーを交換する。適用するポリシーは、パケットデータ中継装置2608が決定し、第1WLAN中継装置2603aは、パケットデータ中継装置2608から得た伝送ポリシーを適用する。
【0029】
ポリシー交換後、トンネル作成処理2808において、端末2601とパケットデータ中継装置2608間でトンネルの属性が交換され、両者間のトンネルが作成される。また、パケットデータ中継装置2608が、公衆パケット網2612上での端末2601のIPアドレスとなるリモートIPアドレスを割り当てる。
【0030】
トンネルが作成されると、端末2601は、ホームエージェント2613に対して、リモートIPアドレスの登録2808を行う。リモートIPアドレスが登録されると、ホームエージェント2613は、対向ノード2614からのパケットの伝送先を新しいリモートIPアドレスに変更する。
【0031】
以上のようにして無線LANにおける接続2810e〜iが確立すると、端末2601は、移動通信網の接続を切断する。
【0032】
このような移動通信網と無線LANのインタワークシステムについては、異なったアクセス技術の網間を移動する際に、認証処理と接続処理の両方をコアネットワークの機器を用いて行う必要があるため、時間がかかる課題がある。
【0033】
これに対して、非特許文献1にハンドオーバーに伴う切替時間を短縮する方法が提案されている。この方式はモバイルIPの改良方式であり、GPS等を使用して端末2601の位置管理を行い、その管理データをもとに、端末2601が、移動する次のセルを予測する。予測したセルに対して、ハンドオーバーを行った際に必要になる認証処理や接続処理を当該セルに移動する前に、現時点で通信可能なセルを用いて実施しておくことで、セル移動時の切替時間を短縮する。また、非特許文献1では、端末のGPSデータ、IPアドレスと位置から、端末の位置を用いて次に移動するセルを推定し、接続設定を簡略化する方式が開示されている。
【0034】
また、特許文献2においては、W−CDMA方式の一種であるUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)のネットワークにWLANのアクセスポイントを接続したシステムにおいて、UMTSのエリアとWLANのエリア間を端末が移動する場合にハンドオーバーを行う方法が開示されている。
【0035】
特許文献2においては、図29のように、無線LANのアクセスポイントであるWLAN AP12903とパケット制御装置2906とが、両者の相互接続を行う機能要素であるWLAN IWF(Inter−Working Function)2905を介して接続される。
【0036】
無線LAN IWF2905と、パケット制御装置2906の間ではIu−psインタフェースにより接続される。GPRSの仕様では、移動通信網においてパケット接続を行うと、パケット接続に関連する情報を格納する一次GPRSコンテキスト(Primary GPRS context)と二次GPRSコンテキスト(Secondary GPRS context)が作成される。特に二次GPRSコンテキストには、IPアドレスやQoSの接続情報が格納される。特許文献2では、無線LAN網に関する二次GPRSコンテキストを進行中のパケット接続セッションと関連づけて起動し、二次GPRSコンテキストを端末2901のエリアによって変更することで、端末2901による移動通信網と無線LAN網の使い分けを可能にしている。
【0037】
例えば、移動通信網と既に接続を確立している端末が、セルM1で移動通信網とのパケット接続を行った端末2901が無線LAN網のエリアであるセルL1に進入する場合の処理は以下のように行う。まず端末2901がWLAN AP2903との接続を開始する。端末2901は次に無線LANでのIPアドレスを取得しようとするが、既に移動通信網経由の接続があるため、端末は新たなIPアドレスは得られず、既存のIPアドレスを用いる。ただし、QoSの変更は可能である。このようにしてパラメータが設定され、すでに使用されている移動通信網の二次GPRSコンテキストとは別に、無線LAN用の二次GPRSコンテキストを移動網パケット中継装置に追加する。このように端末各々に対し、ネットワーク毎に異なるQoSなどを持つ二次GPRSコンテキストを作成して、端末2901の存在するエリアによって適宜切替を行うことにより、ハンドオーバを実現することができる。
【特許文献1】特開2000−349829号公報
【特許文献2】特開2004−254278号公報
【非特許文献1】電子情報通信学会技術報告 RCS2002−209、「モバイルIPネットワークにおいて位置情報を用いたシームレスなハンドオフ方式」、pp.13−18
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
しかしながら、以上の方式では、認証2803からトンネル作成2808までのレイヤ2とレイヤ3の両方の通信において再設定が必要になるため、切替時間を短縮する余地がある。
【0039】
また、モバイルIPを応用した方式を用いる場合、端末がハンドオーバーの実施可否の判断と切替先のセルの選択を行うが、一般に、端末は、網内のノードの使用状況を把握できないため、複数のセルが重なっている場所において、複数の端末が、ハンドオーバーを行う場合、切替先が同じセルに集中する可能性がある。従って、そのセルのアクセスポイント又は基地局の収容能力の超過、網側の回線容量の超過、輻輳の発生が、甚だしい場合は、ハンドオーバー時に呼損が発生する問題がある。
【0040】
また、3GPPの移動通信網においては、端末のIPアドレスの割り当ては、移動網パケット中継装置2607にアクセスしたときとなるため、一般に、セル変更時は、IPアドレスが変更されない。従って、IPのルーティングでモビリティを管理するモバイルIPを元にした方式の適用は難しい。
【0041】
特許文献2に開示された方式を用いた場合は、2つの問題がある。
【0042】
まず、端末の移動管理をRNCごとに行うため、セル単位の端末の位置管理を行わない点が問題として挙げられる。例えば、特許文献2のシステムにおいてハンドオーバー時の切替時間を短くするためには、非特許文献2の手法を特許文献1に適用する方法が考えられる。しかし、非特許文献1のように移動前に接続設定処理を行う対象となる端末を予測するためには、WLANエリアL1に隣接する移動通信網のエリアM1に収容されている全部の端末の電波強度、無線通信状態、位置、移動方向や速度などを取得する必要がある。しかし、W−CDMAにおいては、パケット制御装置2906は端末2901の位置を複数のセルからなるRA(Routeing Area)単位で把握しているため、セルL1に隣接するのはセルM1と同じRAに含まれるセル全てとなる。従って、セルL1に進入する端末の予測に不要となる端末に関してもセルL1に進入する可能性の有無を判定することになり、計算量が多くなる問題がある。
【0043】
また、移動通信網において接続を行うのがパケット制御装置2906であるから、この間のプロトコルにIu−ps(パケット通信を実施する場合のSGSNとRNC間のプロトコル)を用いる必要がある。特にIu−psは制御を行うC−plane、ユーザーデータの伝送などを行うU−planeに分かれるが、U−planeにおいてもGTP(GPRS Tunneling Protocol)を用いるため、本インタフェースを実現するためには、新たなプロトコルを設計する必要がある。
【0044】
本発明は以上の問題に鑑み、IPなどのパケット伝送において、下位レイヤである移動通信網や無線LANのレイヤ2の仕組みを用いて、端末の移動予測を行い、予測した無線LAN網において、端末の認証・接続設定処理を行い、それにより作成される接続情報を、移動通信網経由で端末に伝送することにより、移動通信と無線LAN等の複数の無線方式に対応した端末による、携帯電話網(移動通信網)と無線LAN間でのパケット通信の途切れのないハンドオーバーを実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0045】
前記従来の課題を解決するために、本発明の無線網制御装置は、1つ以上の無線LANアクセス(Local Area Network)網の接続制御を行うWLAN中継装置から入力される情報のうち、移動通信網及び前記無線LAN網との通信が可能な端末が前記無線LAN網で通信を行う場合に必要な接続情報を前記端末に出力する構成を有しており、移動通信網と無線LAN間でのパケット通信の途切れのないハンドオーバーを実現するものである。
【0046】
本発明の移動通信網制御装置は、移動通信網による移動端末との通信を制御する通信制御手段と、前記移動端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報に基づいて、前記移動端末の移動先となる移動通信網と連携した無線ネットワークを予測する移動先予測手段と、前記移動先予測手段にて予測された無線ネットワークにおいて移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置に、前記移動端末を前記無線ネットワークに接続するための接続情報を送信する接続情報送信手段とを備える。
【0047】
このように移動先予測手段にて移動端末の移動先として予測された無線ネットワークの無線ネットワーク制御装置に移動端末の接続情報を送信しておくことにより、その無線ネットワークに移動端末が移動したときに、改めて接続情報を送信することなく無線ネットワークに接続することができる。これにより、無線ネットワークのカバーエリアに入ったときに、接続情報の送信処理を省略することで接続に要する時間を短縮でき、円滑なハンドオーバーを実現できる。なお、移動通信網制御装置とは、例えば、移動端末との無線通信を行う基地局に接続される無線制御装置(RNC)である。また、無線ネットワーク制御装置とは、例えば、移動端末と無線通信を行うWLANアクセス網に接続されるWLAN中継装置である。
【0048】
本発明の移動通信網制御装置は、前記接続情報送信手段にて送信した接続情報に応じて、前記無線ネットワーク制御装置から送信される前記無線ネットワークと前記移動端末との接続準備の完了を示す応答を受信したときに、前記無線ネットワークの情報を移動通信網を通じて前記移動端末に送信する無線ネットワーク情報送信手段を備えてもよい。
【0049】
このように無線ネットワーク装置から接続完了の通知を受けたときに、その無線ネットワークの情報を移動端末に送信することにより、移動端末は接続準備が完了している無線ネットワークを把握することができる。
【0050】
本発明の無線ネットワーク装置は、無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線制御手段と、自無線ネットワークに連携した移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置から送信される、前記移動端末の自無線ネットワークに対する接続情報を受信する接続情報受信手段と、前記接続情報受信手段による接続情報の受信に応じて、自無線ネットワークと公衆パケット網とのパケット通信を中継する中継装置との間に、前記移動端末のためのトンネル設定を行うトンネル設定手段と、前記トンネル設定手段によってトンネル設定がなされたときに、前記移動通信網制御装置に接続準備の完了を示す応答を送信する応答送信手段とを備える。
【0051】
このように移動通信網制御装置から送信された接続情報の受信に応じて、その接続情報に係る移動端末のために中継装置との間のトンネルを設定しておくことにより、その移動端末が自無線ネットワーク内に入ってきたときに、トンネルを設定する時間を省略することができ、円滑なハンドオーバーを実現できる。
【0052】
また、本発明の無線ネットワーク制御装置は、前記接続情報受信手段による接続情報の受信に応じて、前記移動端末が前記移動通信網に接続された端末として登録されているか否かを認証する認証手段をさらに備え、前記応答送信手段は、前記認証手段によって前記移動端末が認証されたときに応答を送信してもよい。
【0053】
このように移動通信網制御装置から送信された接続情報の受信に応じて、その接続情報に係る移動端末の認証をしておくことにより、その移動端末が自無線ネットワーク内に入ってきたときに、移動端末を認証する時間を省略することができ、円滑なハンドオーバーを実現できる。
【0054】
また、本発明の無線ネットワーク装置は、自無線ネットワーク内で移動端末を検出したときに、前記中継装置との間に検出された移動端末のためのトンネルが設定されているか否かを判定する判定手段と、前記移動端末のためのトンネルが設定されているとの前記判定手段による判定に応じて、前記中継装置にパケットを受信可能であることを示すパケット受信可能通知を送信する受信可能通知送信手段とを備える。
【0055】
このように自無線ネットワーク内で検出された移動端末のためのトンネルが設定されているときに、中継装置にパケット受信可能通知を送信することにより、中継装置は、移動端末が無線ネットワーク経由でパケットを受信可能なことを把握する。これにより、中継装置は、公衆パケット網から送信された移動端末宛てのパケットを無線ネットワーク制御装置に送信するように制御することができる。
【0056】
本発明の無線通信システムは、移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置と、前記移動通信網に連携した無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置とを備え、前記移動通信網制御装置は、前記移動端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報に基づいて、前記移動端末の移動先となる無線ネットワークを予測する移動先予測手段と、前記移動先予測手段にて予測された無線ネットワークの無線ネットワーク制御装置に、前記移動端末を前記無線ネットワークに接続するための接続情報を送信する接続情報送信手段とを備え、前記無線ネットワーク制御装置は、前記移動通信網制御装置から送信される前記接続情報を受信する接続情報受信手段と、前記接続情報受信手段による接続情報の受信に応じて、自無線ネットワークと公衆パケット網とのパケット通信を中継する中継装置との間に、前記移動端末のためのトンネル設定を行うトンネル設定手段とを備える。
【0057】
この構成により、移動通信網制御装置が、移動端末の予測される移動先に応じて、移動通信網内にある移動端末の接続情報を他の無線ネットワーク制御装置にあらかじめ送信し、無線ネットワーク制御装置が受信した接続情報に基づいて移動端末のためのトンネルを設定する。これにより、実際に、移動端末が無線ネットワークに入ったときに、移動端末から無線ネットワーク制御装置に接続情報を送信する処理を省略でき、円滑なハンドオーバーを実現できる。
【0058】
本発明の無線通信システムの通信方法は、移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置と、前記移動通信網に連携した無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置とを備えた無線通信システムの通信方法であって、前記移動通信網制御装置が前記移動端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報に基づいて、前記移動端末の移動先となる無線ネットワークを予測する移動先予測ステップと、前記移動先予測ステップにて予測された無線ネットワークの無線ネットワーク制御装置に、前記移動端末を前記無線ネットワークに接続するための接続情報を送信する接続情報送信ステップと、前記無線ネットワーク制御装置が前記移動通信網制御装置から送信される前記接続情報を受信する接続情報受信ステップと、前記接続情報受信ステップにおける接続情報の受信に応じて、自無線ネットワークと公衆パケット網とのパケット通信を中継する中継装置との間に、前記移動端末のためのトンネル設定を行うトンネル設定ステップとを備える。
【0059】
この構成により、本発明の無線通信システムと同様に、移動端末が移動通信網から無線ネットワークに移動したときに、移動端末から無線ネットワーク制御装置に接続情報を送信する処理を省略でき、円滑なハンドオーバーを実現できる。
【0060】
本発明の無線ネットワーク制御装置は、無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置であって、自無線ネットワークに連携した移動通信網の移動通信網制御装置のアドレス情報を記憶したアドレス情報記憶手段と、前記移動端末から送信される自無線ネットワークに対する接続要求を受信する接続要求受信手段と、前記接続要求受信手段による接続要求の受信に応じて、前記移動端末を自無線ネットワークに接続させると共に、前記アドレス情報記憶手段に記憶された移動通信網制御装置のアドレス情報を前記移動端末に通知する無線制御手段とを備える。
【0061】
このように移動通信網も利用可能な移動端末から接続要求を受信したときに、接続要求の送信元の移動端末に対して、自無線ネットワークに連携した移動通信網制御装置のアドレス情報を送信することにより、移動端末は移動通信網制御装置のアドレスを把握でき、無線ネットワークから移動通信網制御装置にアクセス可能となる。
【0062】
また、本発明の無線ネットワーク制御装置は、前記無線制御装置は、前記移動端末から送信される前記移動通信網制御装置宛てのパケットを前記移動通信網制御装置に送信してもよい。
【0063】
このように移動通信網制御装置宛てのパケットを無線ネットワーク制御装置から移動通信網制御装置に送信することにより、移動端末が移動通信網のカバーエリアに入っていない場合でも、無線ネットワーク制御装置を介して移動通信網にアクセス可能となる。
【0064】
本発明の無線通信システムは、移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置と、前記移動通信網と連携した無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置とを備え、前記無線ネットワーク制御装置は、自無線ネットワークに連携した移動通信網の移動通信網制御装置のアドレス情報を記憶したアドレス情報記憶手段と、前記移動端末から送信される自無線ネットワークに対する接続要求を受信する接続要求受信手段と、前記接続要求受信手段による接続要求の受信に応じて、前記移動端末を自無線ネットワークに接続させると共に、前記アドレス情報記憶手段に記憶された移動通信網制御装置のアドレス情報を前記移動端末に通知する無線制御手段とを備える。
【0065】
このように移動通信網による通信も可能な移動端末から無線ネットワーク制御装置に接続要求が送信されたときに、無線ネットワーク制御装置から接続要求の送信元の移動端末に対して、無線ネットワークに連携した移動通信網制御装置のアドレス情報を送信することにより、移動端末は移動通信網制御装置のアドレスを把握でき、無線ネットワークから移動通信網制御装置にアクセス可能となる。
【0066】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記移動端末が、前記無線ネットワーク制御装置から通知された移動通信網制御装置のアドレス情報を用いて、前記移動通信網への登録を要求する登録要求を前記無線ネットワーク制御装置を介して前記移動通信網制御装置に送信してもよい。
【0067】
これにより、無線ネットワークに接続された移動端末が移動通信網制御装置に登録することができ、移動端末が実際に移動通信網に入ったときに、移動端末を移動通信網の登録する処理を省略でき、円滑なハンドオーバーを実現できる。
【0068】
また、本発明の無線通信システムは、前記移動通信網制御装置が、前記移動端末を移動通信網内で検出したときに、検出された移動端末が移動通信網に登録された端末であるか否かを判定する判定手段と、検出された移動端末が移動通信網に登録されているとの判定に応じて、公衆パケット網との間のパケット通信を中継する中継装置に、パケットを受信可能であることを示すパケット受信可能通知を送信する受信可能通知送信手段とを備えてもよい。
【0069】
このように移動通信網内で検出された移動端末がすでに移動通信網に登録されている場合に、中継装置にパケット受信可能通知を送信することにより、中継装置は、移動端末が移動通信網経由でパケットを受信可能なことを把握する。これにより、中継装置は、公衆パケット網から送信された移動端末宛てのパケットを移動通信網に送信するように制御することができる。
【0070】
本発明の無線通信システムの通信方法は、移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置と、前記移動通信網と連携した無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置とを備えた無線通信システムの通信方法であって、前記移動端末から送信される自無線ネットワークに対する接続要求を受信する接続要求受信ステップと、前記接続要求受信ステップにおける接続要求の受信に応じて、前記移動端末を自無線ネットワークに接続させる接続ステップと、前記無線ネットワーク制御装置が自無線ネットワークに連携した移動通信網の移動通信網制御装置のアドレス情報を記憶したアドレス情報記憶手段からアドレス情報を読み出し、読み出したアドレス情報を前記移動端末に通知するアドレス情報通知ステップとを備える。
【0071】
この構成により、本発明の無線通信システムと同様に、移動端末は移動通信網制御装置のアドレスを把握でき、無線ネットワークから移動通信網制御装置にアクセス可能となる。また、本発明の無線通信システムの各種の構成を本発明の通信方法に適用することも可能である。
【発明の効果】
【0072】
本発明の無線網制御装置によれば、端末が無線LAN網のエリア進入後、早期に接続を確立し、通信を行うことを可能とする。
【0073】
更に、網状態を用いてセルを選択することが可能になり、また、端末が無線LANのエリア進入後、さらに早期に接続を確立し、通信を行うことを可能し、また、通信安定時に、余分な通信を削減し、移動通信網の資源を有効に使用することが可能になり、また、無線LANの通信切断時に、余分な通信を削減し、移動通信網の資源を有効に使用することが可能になり、また、主となる通信が切断されたときに、予測情報に用いる移動通信網と無線LANの資源を節約でき、また、移動通信網側の通信切断時に、移動通信網を無線LANの通信と切り離し、移動通信網の資源を有効に使用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0074】
以下、本発明の無線通信システムを、図面を用いて説明する。移動通信網としてはW−CDMA方式、WLAN網としてはIEEE802.11(a/b/g)を前提とするが、他の移動通信方式やWLAN方式にも適用可能である。
【0075】
(実施の形態1)
本実施の形態においては、パケット通信を行う端末が移動通信網から無線LAN(Wireless Local Area Network:WLAN)のエリアに移動する前に、認証処理と接続設定処理を行うことで、切替時間を短縮する。
【0076】
具体的な処理内容は、無線網制御装置が、端末の電話番号(IMSI: International Mobile Subscriber Identity)を使用して、端末の代わりにWLANにおける接続情報を設定することと、併せて端末が必要とする接続情報をWLAN中継装置経由で取得し、端末に対して伝送することの2つである。
【0077】
図1に、実施の形態1における無線通信システムの構成図を示す。
【0078】
公衆パケット網112は、公衆に位置するパケット網である。インターネットも公衆パケット網112の一つである。
【0079】
端末101は、移動通信網と無線LANの両方のパケットアクセス手段を持つ。3GPP規格ではUE(User Equipment)にあたる。
【0080】
第1基地局装置102aと第2基地局装置102bは、移動通信網において、端末101からの無線信号を有線上の信号に相互変換し、伝送する。3GPP規格ではNode Bにあたる。また、第1基地局装置102aはセルM1、第2基地局装置102bはセルM2をカバーするものとする。
【0081】
第1WLANアクセス網103aと第2WLANアクセス網103bは、IP(Internet Protocol)などによるパケット網であり、端末101との接続を行うアクセスポイントを含み、無線LANの無線信号を有線網上のパケット信号に変換する。また、WLANアクセス網103においてDNSサーバとしてアドレス割当動作も行うものとする。3GPP規格ではWLAN AN(Access Network)にあたる。第1WLANアクセス網103aはセルL1、第2WLANアクセス網103bはセルL2をカバーする。両者を総称してWLANアクセス網103と呼ぶ。
【0082】
無線網制御装置104は、基地局装置102にIPを介して接続され、移動通信網において無線関係の端末制御、制御データとユーザーデータの伝送を行う。3GPP規格のRNC(Radio Network Controller)にあたる。基地局装置102との接続はATMの場合でも本発明の効果は得られる。
【0083】
第1WLAN中継装置105aと第2WLAN中継装置105bは、それぞれ第1WLANアクセス網103aと第2WLANアクセス網103bに接続され、各々に接続されたWLANアクセス網103との間で無線LANの制御データ・ユーザーデータの伝送を行う。3GPP規格ではWAG(Wireless Access Gateway)にあたる。両者を総称してWLANアクセス網103と呼ぶ。
【0084】
パケット制御装置106は、無線網制御装置104に接続され、移動通信網内のパケット伝送制御処理と、パケット伝送に関係する端末101の状態管理を行う。無線網制御装置104の接続はIPを用いると仮定する。3GPP規格ではSGSN(Serving GPRS Support Node)にあたる。
【0085】
移動網パケット中継装置107は、WLANアクセス網103とIPを介して接続され、移動通信網からインターネットへのパケットデータを中継する。3GPP規格ではGGSN(Gateway GPRS Support Node)にあたる。ここでは、端末101のドメインとなるAPN(Access Point Name)ごとに1個移動網パケット中継装置107が配置されている。
【0086】
パケットデータ中継装置108は、移動網パケット中継装置107と第1WLAN中継装置105aと接続され、両者からのデータを公衆パケット網112に中継する。移動網パケット中継装置107と同様に、APNに対応する。パケットデータ中継装置108とWLAN中継装置105との接続の関係は、1対多関係を仮定する。
【0087】
認証中継装置109は、WLAN中継装置105に接続され、端末101が無線LANのカバーエリアに進入したときに、端末101からの認証データをWLAN中継装置105経由で受け取る。3GPP規格ではAAA Proxyにあたる。
【0088】
認証サーバ110は、認証中継装置109に接続され、端末101からの認証データを認証中継装置109経由で受け取る。3GPP規格ではAAA Serverにあたる。
【0089】
ユーザー情報格納装置111は、パケット制御装置106と移動網パケット中継装置107と認証サーバ110に接続され、ユーザーが移動通信網または無線LAN網の通信事業者と契約しているサービス情報が格納されている。公衆パケット網112は公衆に位置するパケット網である。インターネットも公衆パケット網112の一つである。
【0090】
対向ノード114は、端末101がパケット通信を行う相手である。例えば、インターネット上に配置されたサーバ等は、対向ノード114に含まれる。
【0091】
また、本システムで連携する移動通信網と無線LANとを定義する。移動通信網は、移動網パケット中継装置107、パケット制御装置106、無線網制御装置104、基地局装置102からなるネットワークを指す。また、無線LANは、パケットデータ中継装置108、WLAN中継装置105、WLANアクセス網103からなるネットワークを指す。
【0092】
なお、端末101bは、セルL1に移動した端末101aである。以降、端末101aと端末101bを総称する場合、端末101と記す。
【0093】
本実施の形態は、移動網パケット中継装置107とパケットデータ中継装置108が接続されていること、ホームエージェントの代わりにパケットデータ中継装置108がパケット網とのルーティングを行うこと、無線網制御装置104とWLAN中継装置105が接続され、認証情報・制御情報のやりとりを相互に行うことである。
【0094】
図2は、実施の形態1における無線網制御装置104の構成図を示す。図2において、端末制御手段201は、TS25.331のRRCなどの端末101の無線通信状態等を、管理し制御する機能を持つ。端末情報管理手段202は、TS25.331のRRCや、無線網制御装置104の配下のセル、または、WLANアクセス網103のエリアに存在する端末101の無線通信状態の保持と管理とを行う機能を持つ。
【0095】
セル位置管理手段203は、端末101の通信制御を行うための情報として、端末101以外の網側の機器や網の状態を管理する。具体的な情報としては、WLANアクセス網103や基地局装置102の位置、伝送能力、収容能力、出力またはカバー半径などの性能がある。
【0096】
RNC接続設定手段204は、パケット制御装置106、基地局装置102、WLAN中継装置105間のデータ伝送経路の設定を行う。3GPPにおけるRANAP、NBAP等を使用する接続制御を行う。基地局通信手段205は、基地局装置102と通信を行う手段である。UTRAN内部のトランスポートプロトコル、control planeとuser planeの伝送処理が基地局通信手段205に含まれる。
【0097】
WAG通信手段206は、WLAN中継装置105との認証・制御情報の通信を行う。SGSN通信手段207はユーザーのIPパケットをカプセル化して、パケット制御装置106との伝送を行う手段である。本実施の形態ではIPプロトコルやGTPを用いると仮定する。
【0098】
図3は、実施の形態1におけるWLAN中継装置105の構成図を示す。WLAN中継装置105において、WAG接続設定手段301は、WLAN中継装置105の配下の無線LANにおける端末101とパケットデータ中継装置108間の接続設定を行う。端末管理手段302は、WLAN中継装置105の配下の無線LANのエリアにおける全ての端末101の管理を行う。WLAN通信手段303は、WLANアクセス網103とIPを介した通信を行う。
【0099】
RNC通信手段304は、無線網制御装置104とIPを介した通信を行う。PDG通信手段305は、パケットデータ中継装置108とIPを介した通信を行う。
【0100】
以下、実施の形態1におけるインタワークシステムの動作を示す。まず、初期設定に関して説明する。ユーザー情報格納装置111には、移動通信網と無線LANにおけるユーザーのデータが格納されている。ユーザーのデータとは、例えばユーザープロファイルがある。TS23.234において挙げられている端末IDやE.164ベースの電話番号)のほか、インタワークまたはトンネリングの可否の有無、セッション最大接続時間、課金方式(先払い、後払い、両方)、課金サーバのIDまたはアドレス、認証を受けたW−APNのリスト、ローカル接続の可否、ローミングの可否や、パスワードやSIMカード、UIMカードの情報を指定することができる。
【0101】
端末101が、移動通信網または無線LANにアクセスする場合は、端末101は第1WLAN中継装置105a、認証中継装置109、認証サーバ110を経由してユーザー情報格納装置111にアクセスし、必要な情報を取得する。また、端末101もユーザープロファイルを保持する。
【0102】
また、無線網制御装置104は、セル位置管理手段203に無線網制御装置104自身の配下のセルとそれらの周囲にあるWLANアクセス網103の情報を保持する。セル位置管理手段203の実現方式の一例を示したのが図4である。セル位置管理手段203には、そのセルで通信する基地局装置102のID、セルの位置403、セル半径404、収容可能な端末(3G、無線LANなどの収容可能な端末101の種別)などを示す接続情報、隣接セル406、無線LANのセルの場合は、無線網制御装置104の通信相手となるWLAN中継装置105をWAG407として格納する。
【0103】
収容可能端末種別402では、そのセルで収容できる端末の種類、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)か、802.11を示す。また、位置403のフィールドではNまたはSから始まる値で示される緯度とEまたはWから始まる経度を用いる。接続情報404はセルをカバーする基地局装置102または無線LANアクセス網103にアクセスするための情報である。本実施の形態においては、UMTSの場合は、スクランブリングコードを指定し、無線LANの場合は、802.11規格におけるSSID、WEPキーを指定する。
【0104】
なお、IEEE802.11i規格や802.1x規格を用いる場合に対応するため、接続情報に認証方式と接続方式を示すフィールドや、位置推定用に端末101の移動速度、移動方向、移動加速度のフィールド、暗号化に対応するための暗号化方式を示す識別子と暗号化に要する証明書または暗号鍵の情報を格納するフィールド、無線LAN接続時にIPinIP方式以外のトンネルを用いる場合に対応するためのトンネリングプロトコルを示す識別子とトンネルの設定に用いる情報(MPLSをトンネルに用いる場合のMPLSラベルなど)、多重化時の識別子、QoSまたはSLA(Service Level Agreement)の内容、パケットまたはフレームのシーケンス番号を格納するフィールドを別途設けた場合においても本実施の形態の効果を得ることが可能である。
【0105】
無線網制御装置104は、これらのセル位置管理手段203に含まれる一情報と端末101aのセルの位置を元に端末101aの移動先のセルを予測する。なお、WLAN中継装置105で予めWLANアクセス網103の位置を収集し、無線網制御装置104からの問い合わせに対してWLAN中継装置105が収集したWLANアクセス網103の位置とWLANアクセス網103のセルIDの組をまとめて応答することでセル位置管理手段203のデータを構築することも可能である。
【0106】
また、本実施の形態においては、移動通信網と無線LAN間とのハンドオーバーの処理の対象を、移動通信網と無線LAN等、複数種別の無線インタフェースを持つ端末101に絞るため、複数無線インタフェースを持つ端末101とそれ以外の端末101を判断する手段を持つことも可能である。
【0107】
例えば、複数無線インタフェースを持つ端末101を特定するIMSI等の識別子を無線網制御装置104に格納し、新たな端末101が進入または接続する際に、その端末101の識別子が格納済みの複数無線インタフェースを持つ端末101の識別子と合致するか判定する方法や、端末101がセルに進入してきたときに、ユーザー情報格納装置111または端末101自身に対して端末101の無線インタフェースの問い合わせを行い、無線インタフェースの数を確認する方法が挙げられる。その場合、複数の無線インタフェースを持つ端末101に対してのみセルの登録処理や以下の異種網間のハンドオーバー処理を実行するようにしても良い。
【0108】
本実施の形態では、最初に端末101が、移動通信網経由でパケット接続しているものとする。この時のユーザーデータに関するプロトコルスタックを図5に示す。端末101の移動通信網対応部分を用いた場合、端末101と移動網パケット中継装置107の間のパケット通信方式は、3GPP TS23.060においてUEとGGSN間で規定されているパケット通信方式と同じである。本実施の形態では、移動網パケット中継装置107と公衆パケット網112の間にパケットデータ中継装置108を配置し、パケットデータ中継装置108が、端末101のリモートIPアドレスの割当を行うものとする。
【0109】
従って、端末101のリモートIPアドレスは、端末101が移動通信網のセルに位置している場合と無線LANのセルに位置している場合の両方で同じになる。
【0110】
なお、公衆パケット網112との接続を行うノードを、移動網パケット中継装置107とした場合、またはリモートIPアドレスの割当を行うノードを移動網パケット中継装置107とした場合においても、端末101のリモートIPアドレスが、移動通信網と無線LANで共通になる場合には、本実施の形態と同様の効果が得られる。なお、無線LAN上で移動通信網と異なるリモートIPアドレスを割り当てた場合、移動通信網と無線LANの切替の際に、上位ノードやリモートIPアドレスの割当を行ったノードに対して切替を通知し、通知に従ってユーザーデータを含むパケットの経路を変更することにより、本発明の効果は得られる。
【0111】
また、このときの端末101が保持している情報のフィールドを図6に示す。IMSI601は、端末101を一意に決めるIDであり、ID1である。W−APNは本インタワークシステムのアクセスポイント名であり、iw.operator.comである。ユーザーIDは、W−APNをドメイン名としてユーザーを一意に識別する文字列であり、ID1@iw.operator.comである。ユーザープロファイル604は、ユーザー情報格納装置111に含まれているユーザープロファイルと同じである。無線LAN MAC 605は、無線LANのインタフェースのMACアドレスである。複数の無線LANインタフェースを持つ端末101ならば、このアドレスが複数になっても良い。
【0112】
Active Set 606と準Active Set 607は、端末101が通信を行っている移動通信網または無線LANのセルを示す識別子であり、通信中セル集合とも呼ぶ。一方、準Active Set 607は、端末101が、今後移動すると推測されたセルを示す識別子であり、予測対象セル集合とも呼ぶ。この状態(a)の時点では、セルM1でのパケット接続だけが行われているので、Active Set 606は、M1、準Active Set 607は「なし」になる。リモートIPアドレス608は、端末101が、対向ノード114と通信する場合に用いるIPアドレスであり、値は10.2.2.2である。
【0113】
ローカルIPアドレス609は、無線LANの使用時に限って無線LANアクセス網103との通信に用いられるIPアドレスであり、状態(b)−(d)では、セルL1用として10.2.1.5、セルL2用として10.2.2.5となっている。
【0114】
PDGトランスポートは、PDGとのトンネル作成時などに用いる接続であり、IPアドレスとポート番号の組からなる。状態(b)−(d)では、IPアドレスが10.1.1.1、ポート番号が10001と設定されている。
【0115】
以下、端末101aのパケット接続時に、無線網制御装置104が端末101の移動先となる可能性のあるセルを推定し、推定したセルに対して予備の接続設定を行うシーケンスを、図7を参照しながら説明する。
【0116】
まず、無線網制御装置104は、端末情報管理手段202内部に端末101aのユーザーIDと対応するデータを格納する。本実施の形態では、ユーザーIDは端末101aが接続するネットワークを示す記号列と、ネットワークにおけるユーザーを同定するために用いる文字列を含むものとする。具体的には、メールアドレスのように、IMSIとネットワークを示すW−APN(Wireless Access Point Name)を@の後ろでドメイン名として連結した形を取るものとする。
【0117】
なお、3GPP TS23.003ではユーザーIDに対応するroot NAI(Network Access Identifier、NAIはIETF RFC2486で規定される)を無線LAN網における認証方式やIMSIに含まれるMNC(Mobile Network Code)とMCC(Mobile Country Code)によって変更されるように定義している。<認証方式を表す数字1桁><MSIN(Mobile Subscriber Identification Number、加入者電話番号)>@wlan.mnc<MNC>.mcc<MCC>.<オペレータのドメインネーム>となる。例えば、IMSIが234150999999999とし、認証方式にEAP−AKAを使用する場合は、MCC=234、MNC=150,MSIN=999999999)であり、EAP−AKAは数字0で表す。従って、0999999999@wlan.mnc150.mcc234.operator.comのように表される。ユーザーIDとしてroot NAIを使用した場合も本実施の形態と同様の効果が実現できることは容易に類推できる。
【0118】
基地局装置102において、パケット接続時に行われるページングによりIMSIの取得が可能であるが、W−APNは取得できないため、本実施の形態では、第1基地局装置102aが端末101aに対してW−APNを取得する。このシーケンスは、無線網制御装置104が端末101のW−APNを既に取得している場合は不要である。
【0119】
例えば、パケット接続におけるRRC接続設定時のRRC Connection Request、または、NAS(Non Access Strutum)のInitial Direct TransferにW−APNを格納しておけば、W−APN取得要求701とW−APN取得応答702は不要になる。なお、直接ユーザーIDを取得しても本実施の形態の効果は得られる。
【0120】
W−APN取得要求701において、無線網制御装置104は、ユーザーIDのドメイン名部分となるW−APNを端末101から取得するための要求信号を出力する。
【0121】
また、W−APN取得要求701以前における、端末101の情報フィールドは図6の状態(a)、後述する無線網制御装置104の保持する情報フィールドは図8の状態(a)、無線LAN中継装置105の保持する情報フィールドは図9の状態(a)に示される状態となる。
【0122】
このとき、無線網制御装置104の内部では、以下の処理が行われる。パケット接続時、または測定情報、端末101が位置を測定しているときは、端末101の位置・速度情報などの予測に関係する情報が端末101aから無線網制御装置104に対して入力されたときに、無線網制御装置104は、端末101の移動先の推定・登録処理を開始する。無線網制御装置104の内部では、端末制御手段201が、この処理を開始するトリガを検出する。
【0123】
最初は、無線網制御装置104の端末情報管理手段202において、端末101aに関しては移動通信網に関する部分のみ設定されている。これを図8の状態(a)に示す。図8の状態(a)では、端末101aのIMSIとしてID1、Active SetとしてセルID M1、端末101aのリモートIPアドレスとして10.2.2.2が設定されている。他のフィールドは設定されていない。
【0124】
端末制御手段201は、W−APN、ユーザープロファイル、無線LANのMACアドレスを端末101aから取得することを試みる。そこで、IMSIを用いてW−APN取得要求701を作成する。また、その要求を端末101aに対して基地局通信手段205を用いて出力する。
【0125】
端末101aは、W−APN取得応答702において、端末101aが使用するW−APNであるiw.operator.net、ユーザープロファイルであるUP1と無線LANのMACアドレスである00:0E:36:4C:9E:38を無線網制御装置104に通知する。無線網制御装置104では、端末制御手段201がW−APN取得応答702の情報を解析し、W−APN(iw.operator.net)、ユーザープロファイル(UP1)と無線LANのMACアドレスを抽出する。さらにユーザーIDをIMSIとW−APNを@を使用して連結することによって作成し、抽出した情報と共に端末情報管理手段202に格納する。この場合、ユーザーIDはID1@iw.operator.netになる。
【0126】
セル選択処理703において、無線網制御装置104は、端末101aが接続したときに、端末101aが接続した基地局装置102の位置、第1WLANアクセス網103aの状態により、端末101aが移動したときに接続先とするWLANアクセス網103を、以下、網条件A〜網条件Dの少なくとも1つ以上の条件をもとに選択する。
【0127】
網条件Aは、位置とWLANアクセス網103のカバーエリアとの距離が一定値以下のWLANアクセス網103である。無線網制御装置104における位置の取得、または、推定方法には、以下のものがあり、いずれを用いても良い。
【0128】
取得位置aは、端末101a自身がGPS等のデバイスを用いて測定した位置であり、取得位置bは、端末101aの近傍にあり、位置の測定・通知機能を持つ他の端末101abが、BluetoothやUWB(Ultra Wide Band)等の2次無線を用いて端末101aを検出し通知する位置であり、推定方法cは、1つまたは複数の基地局装置102と端末101間のチャネルの電波強度の変化量を用いて推定する方法である。
【0129】
網条件Bは、端末101aの移動方向がそのカバーエリアに向かっており、移動速度から算出した時間が一定値以下のWLANアクセス網103である。
【0130】
網条件Cは、端末101aのユーザーがインタワークサービスを提供する契約を移動通信網のオペレータと結んでいるWLANアクセス網103である。
【0131】
網条件Dは、端末101aのユーザーが契約関係を持つ無線LAN接続サービスプロバイダまたはそのプロバイダとローミング契約を結んでいる別のプロバイダが提供するWLANアクセス網103である。
【0132】
網条件Eは、収容能力に余裕のあるWLANアクセス網103である。ここで、収容能力は、WLANアクセス網103の無線区間上の収容能力、端末数で表される無線アクセス網の収容能力、WLANアクセス網103内のアクセスポイント全体のハードウェアとソフトウェアの信号処理能力、WLANアクセス網103とWLAN中継装置105間の回線容量、プロトコル処理能力、ルーティング能力やオペレータのポリシーにより決まる。
【0133】
また、WLAN中継装置105配下のWLANアクセス網103の収容能力の余裕は、WLAN中継装置105から無線網制御装置104に対して一定間隔に通知するか、無線網制御装置104からWLAN中継装置105に対して問い合わせることにより取得する。
【0134】
なお、選択する接続先は、1つでも複数でも良い。その選択先の優先度も、網条件A〜網条件Eのいずれかの条件を元に決定する。
【0135】
本実施の形態においては、記述を簡単にするために、接続中のセルを示すActive Setの隣接セルを準Active Setとすることにする。また、端末101aは第1基地局装置102a配下のセルM1に位置するので、Active SetはM1だけである。従って、準Active SetはM1に隣接するセルM2、L1、L2になる。
【0136】
セルの選択が終了したら、無線LAN予備設定要求704において、無線網制御装置104は、端末101aのユーザーIDとユーザーのプロファイルを、第1WLAN中継装置105aに転送する。ユーザーIDは、ユーザーを一意に識別する記号列である。例えば3GPPにおいては、ユーザーのIMSIとW−APNから作成されるNAIを用いることができる。NAIはID1@iw.operator.netのように、W−APNが@でつなげられている。
【0137】
無線網制御装置104の端末状態管理手段201は、ユーザープロファイルをユーザーIDから作成する。セルL1は、第1WLAN中継装置105a、セルL2は第2WLAN中継装置105bの配下にあるため、無線網制御装置104は両者に対して転送を行うが、処理方法が同じなので、以下第1WLAN中継装置105aに関してのみ記述する。
【0138】
また、セルM2に関しては、同じ無線網制御装置104に属しているため、直ちに端末101aの準Active SetにセルID M2を追加し、後述のActive Set更新716によって端末101側のActive SetにM2を追加する。
【0139】
第1WLAN中継装置105aは、無線LAN予備設定要求704が入力されると、WAG接続設定手段301が端末101aのデータを端末管理手段302に登録する。
【0140】
図9の状態(a)に、第1WLAN中継装置105aの端末管理手段302の例として、格納された情報フィールドを示す。端末管理手段302はユーザーID毎に端末101のActive Setと準Active Setを管理する。
【0141】
端末101aのユーザーID901に対して、ユーザープロファイル902、Serving RNC(端末101を制御する無線網制御装置)のID903、端末101の無線LANのMACアドレス904、Active Set905,準Active Set906、端末101aのリモートIPアドレス907の組1つが対応する。
【0142】
端末101aは、同じ第1WLAN中継装置105a配下の複数の無線LANアクセス網103と同時に通信を行う可能性がある。本実施の形態では、このとき無線LANアクセス網103ごとトランスポートとなる接続であるWLANトランスポートが確立され、各々にIPアドレスとポートの組が割り当てられる。従って、ローカルIPアドレス908、パケットデータ中継装置108とのトランスポートIP層のIPアドレスとポート909、無線LANアクセス網103とのトランスポートIP層のIPアドレスとポートの組910が1つのユーザーIDに対して複数割り当てられる可能性がある。なお、WLAN中継装置とWLAN無線LANアクセス網が1対1対応している場合はWLANトランスポートを設けないでよい。
【0143】
なお、端末101による無線LANの通信において暗号化や圧縮を行うなどして、通信接続の確立にローカルIPアドレスとポート番号以外の接続情報(コンテキスト)が必要な場合は、その情報を端末管理手段302に格納し、本実施の形態におけるローカルIPアドレスと共に伝送することにより、本実施の形態と同様の効果が得られる。
【0144】
図9の状態(a)においては、まだ無線LANにおける設定が完了していないため、ローカルIPアドレス908、PDGトランスポート909、WLANトランスポート910は「設定なし」となる。また、端末101aの制御を行うServing RNC 903は無線LAN予備設定要求704を出力した無線網制御装置104とする。以下、無線網制御装置104のIDをR1とする。
【0145】
第1WLAN中継装置105aは、無線LAN予備設定要求704が入力されると、その中のユーザープロファイルを用いて移動通信網に対する認証を行う。この認証処理においては、端末101aのユーザーが認証中継装置109と認証サーバ110を通じてユーザー情報格納装置111によって、移動通信網のユーザーであることを確認する。このとき、以下のメッセージが各構成要素間でやりとりされる。
【0146】
・第1WLAN中継装置105aと認証中継装置109の間におけるWAG認証要求705とWAG認証応答709。3GPPにおいては、TS23.234で規定されるEAP/RequestとEAP/Successが用いられる。
【0147】
・認証中継装置109と認証サーバ110間における中継認証要求706と中継認証応答708。3GPP規格においては、認証中継装置109はメッセージを中継するだけであり、WAG認証要求703とWAG認証応答708と同様にTS23.234で規定されるEAP/RequestとEAP/Successが用いられる。
【0148】
・認証サーバ110とユーザー情報格納装置111間における認証取得処理707。3GPPにおいては、TS23.234で規定されるように、認証サーバ110に存在しない場合にユーザー情報格納装置111における加入者のデータを取得する。また、認証サーバ110はユーザー情報格納装置111から端末101aのユーザーが無線LANを使用可能であることを確認する。
【0149】
第1WLAN中継装置105a内部では、WAG接続設定手段301が端末管理手段302の端末101aのデータから、ユーザープロファイルから、必要に応じてSIM/UIMカードやパスワードやセッションキー等の認証に必要な情報を抽出し、WAG認証要求705を格納する。
【0150】
以上のメッセージの送受により、第1WLAN中継装置105aにおいて、端末管理手段302が、端末101aが移動通信網のサービスを使用できることを確認する。
【0151】
次に、第1WLAN中継装置105aは、端末101aが無線LANのエリアに移動した際に、必要となるパケットデータ中継装置108から第1WLANアクセス網103aまでの通信経路の設定を行い、接続情報を作成する。パケットデータ中継装置108と第1WLAN中継装置105a間、第1WLAN中継装置105aと端末101aとの間にIPベースのトンネルを作成する。
【0152】
トンネル作成の必要性については、TS23.234で規定されている。トンネルとしては、実施の形態1で仮定するIP−in−IPのほか、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)、GRE(Generic Routing Encapsulation)、IPsec、L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)、PPPoE(Point−to−Point Protocol over Ethernet(登録商標))がある。いずれを用いても本実施の形態の効果は得られる。
【0153】
本実施の形態におけるトンネル作成処理を、プロトコルスタックの図で示したのが、図10である。端末101aが無線LANのエリアで通信を行うためには、パケットデータ中継装置108と端末101aの両方でトンネル(Tunneling)とリモートIP層が必要である。しかし、端末101aが無線LANエリアに位置していない場合においては、一旦第1WLAN中継装置105aが端末101aの代わりにパケットデータ中継装置108との間でトンネルを作成する。これが第1WLAN中継装置105aのリモートIP層とトンネル(図10のTunneling)1001である。その後、これらのトンネルの設定に必要な接続情報を端末101aに移動通信網経由で伝送する。
【0154】
トンネルの設定には、端末101aの接続情報が必要である。本実施の形態では、トンネルの方式としてIP−in−IPを想定するため、トンネルの設定に必要となる、端末101aがセルL2に移動した際に用いられるローカルIPアドレスが接続情報となる。接続情報の伝送動作が1002であり、これにより端末101aが直接トンネル設定を行った場合に得られる設定情報を取得できる。
【0155】
トンネル作成処理においては、まず、パケットデータ中継装置108と第1WLAN中継装置105a間の通信経路におけるトランスポートIP層の設定を行う。通信経路の設定では、第1WLAN中継装置105aとパケットデータ中継装置108のローカルIPアドレスとポート番号が必要になる。
【0156】
通信設定を行うとき、第1WLAN中継装置105aは、接続可能な在圏網(WLANアクセス網103)のリストを取得し、ユーザープロファイルに従って接続する在圏網を選択する必要がある。まず、第1WLAN中継装置105aが、無線LAN IPアドレス取得710を行う。無線LAN IPアドレス取得710では、W−APNと在圏網のドメインを用いて、DNSサーバ機能を持つWLANアクセス網103から接続可能なパケットデータ中継装置108のIPアドレスを複数受け取る。無線LAN IPアドレス取得710においては、WAG接続設定手段301がユーザーIDのドメイン部にあるアドレスを用いてDNSクエリーを作成し、出力する。
【0157】
その結果、DNSサーバは在圏網と、対応するパケットデータ中継装置108のローカルIPアドレスの組のリストを、第1WLAN中継装置105aに応答する。WAG接続設定手段301は、端末管理手段302のユーザープロファイルの内容を参照し、最適なパケットデータ中継装置108を選択する。
【0158】
パケットデータ中継装置108の選択方法としては、例えばホーム網のパケットデータ中継装置108を在圏網のパケットデータ中継装置108より優先する方法や、ユーザープロファイルに課金のレートを格納しておき、最も安価な課金の網を優先する方法、ユーザープロファイルに複数のパケットデータ中継装置108または在圏網を接続が好ましい順に記録しておき、その中から優先度の高い順に網を選択する方法、パケットデータ中継装置108やWLAN中継装置105等のノードの通信品質または通信容量を予め記憶しておき、品質が高いものか通信容量に余裕のあるものから選択していく方法のいずれか1つを用いる。
【0159】
パケットデータ中継装置108を選択したら、次に第1WLAN中継装置105aのWAG接続設定手段301がトンネル設定通知711を、選択したパケットデータ中継装置108に対して出力する。トンネル設定通知711には端末101のユーザーID、リモートIPアドレス、またトンネル設定用に1つポートを決め、そのポート番号を第1WLAN中継装置105aのIPアドレスと共に格納する。
【0160】
トンネル設定において、ポリシー交換712で第1WLAN中継装置105aとパケットデータ中継装置108は、認証中継装置109を介してフィルタリング情報等の交換を行う。トンネル設定通知711が入力されたパケットデータ中継装置108は、すでに第1WLANアクセス網103aへの認証が完了していることを確認するために、認証完了確認713を認証サーバ110に対して行う。この場合は既に端末101aに関する認証処理を行っているので、認証の完了が確認できる。これらの処理は3GPP TS23.234で規定されている。
【0161】
なお、トンネルの機能として、暗号化機能と圧縮機能がある場合、トンネルの設定の際には、トンネルで使用する暗号化の方式、ヘッダ圧縮またはペイロード圧縮の方式が必要になるため、それらの設定情報がポリシー交換712によって抽出される。
【0162】
そしてパケットデータ中継装置108は、トンネルに用いるポート番号を選択すると、第1WLAN中継装置105aに対してトンネル作成処理714を行う。トンネル作成処理714においては、パケットデータ中継装置108から第1WLAN中継装置105aにパケットデータ中継装置108と第1WLAN中継装置105a間のトンネルの情報と端末101aを特定する情報、例えばユーザーIDが第1WLAN中継装置105aに通知される。第1WLAN中継装置105aのWAG接続設定手段301が、PDG通信手段305を介してパケットデータ中継装置108のローカルIPアドレスとトンネルのポート番号を検出すると、端末管理手段302のPDGトランスポート907にパケットデータ中継装置108のローカルIPアドレスとポート番号を格納する。このときの第1無線LAN中継装置105aの端末管理手段302の状態を図9の状態(b)に示す。
【0163】
第1WLAN中継装置105aとユーザー情報格納装置111間のトンネル設定が終了すると、図10のSIG1002のように接続情報を第1WLAN中継装置105aから端末101aに移動させる処理を行う。まず、第1WLAN中継装置105aは、無線網制御装置104に対してトンネル設定通知715を出力する。第1WLAN中継装置105aにおいて、WAG接続設定手段301は、端末101aのユーザーIDと無線LANの接続情報とトンネル設定によって割り当てられたローカルIPアドレス(10.2.1.5)を端末管理手段302から抽出し、トンネル設定通知715を作成し、RNC通信手段304を用いて無線網制御装置104に対して出力する。
【0164】
無線網制御装置104は、トンネル設定通知715が入力されると、端末101aに対するActive Set更新716によってトンネル設定通知715で指示された端末101aに対するトンネルの設定を指示し、端末101aの準Active SetにセルL1を追加する。
【0165】
なお、Active Set更新は3GPP TS25.331におけるActive Set Updateに準Active Setの情報を格納する部分を追加すれば用いることができる。端末101aはActive Set更新の内容に従って、第1WLANアクセス網103aエリア内におけるローカルIPアドレスとリモートIPアドレスを設定する。
【0166】
トンネル設定通知715がWAG通信手段206経由で入力された後、無線網制御装置104では以下の処理が行われる。RNC接続設定手段204がトンネル設定通知715により、無線LANでのトンネル設定が完了したことを検出する。これにより、端末101aがセルL1に移動した後、直ちに通信が可能な状態になったため、端末制御手段201は端末情報管理手段202に無線LANにおけるローカルIPアドレスにトンネル設定通知715によって取得したローカルIPアドレス(10.2.1.5)を格納する。また、準Active SetにL1を追加する。
【0167】
そして、端末101側にこれらの情報を通知するために、ローカルIPアドレスを10.2.1.5とし、準Active SetにL1を追加するためのActive Set更新716を作成し、基地局通信手段205を介して第1基地局装置102aに出力する。この信号が第1基地局装置102aによって、端末101aに出力される。
【0168】
なお、明示していないが、セルL2に対しても無線網制御装置104は、第2WLAN中継装置105bからトンネル設定通知716を受け取った段階で、準Active SetにL2を追加し、端末101aに対してセルL2を追加するためのActive Set更新を出力する。これにより、Active SetはM1、準Active SetはM2,L1,L2になる。このとき、無線網制御装置104の端末情報管理手段202の状態を図8の状態(b)、端末101aが保持する情報の状態を図6の状態(b)に示す。
【0169】
次に、端末101aがセルL1に進入し端末101bとなったときの各ノードの処理を、処理シーケンスを示す図11を用いて説明する。進入時は、まず電波強度が不安定で通信に適さない状況となり、その後電波強度が強くなり通信エラー発生率が低下し安定した通信が可能になる状況になると仮定する。
【0170】
セルL1進入1101から下りデータ伝送1104までは、端末101bがセルL1に進入した直後に、パケットデータ中継装置108から第1WLAN中継装置105aに対して公衆パケット網112から端末101bに対するパケットが出力する処理を示す。この処理により、通信安定後にセルL1における端末101bと第1WLANアクセス網103a間の通信接続が確立した場合に、端末101bが下りパケットを受信するまでの途切れ時間を少なくする。
【0171】
端末101bが第1WLANアクセス網103aのカバーエリアへ移動する(1101)。第1WLANアクセス網103aが端末101bの無線LANの電波を検出する。電波強度が不安定な場合においては、端末101bは802.11規格のProbeを発行するか、第1WLANアクセス網103aからのビーコンを受信してassociationを出力するなどして、第1WLANアクセス網103aに対して端末101bのMACアドレスを通知する。従って、端末101bが通信安定時に初めてassociationを出力して、後述の通信開始手順と以下の手順がほぼ同時に実行される場合もある。
【0172】
また、無線LANのエリアがオーバーラップして第1WLANアクセス網103aとは異なる第1WLANアクセス網103aと通信している場合は、通信中のフレームを第1WLANアクセス網103aが受信することで、端末101bのMACアドレスを検出することができる。
【0173】
端末101bの無線LANの電波を、第1WLANアクセス網103aが検出したら、第1WLAN中継装置105aへ無線LAN電波検出通知1102を出力する。無線LAN電波検出通知1102には、端末101bのMACアドレスなどの無線LANの接続に必要な情報が格納される。
【0174】
無線LAN電波検出通知1102が入力されると、第1WLAN中継装置105aはパケットデータ中継装置108に対して端末101bに関するパケット受信可能通知1103を出力する。第1WLAN中継装置105a内では、WLAN通信手段303経由で無線LAN電波検出通知1102を検出すると、その中のMACアドレスにより端末管理手段302を検索する。端末101bの場合は既にMACアドレスが登録されているので、端末101bのユーザーID(802)である、ID1@iw.operator.netを取得できる。また、検索した端末101の準Active Setに無線LAN電波を検出した第1WLANアクセス網103aの配下のセルが含まれている場合は、パケットデータ中継装置108からのパケット伝送を開始する。この場合は、端末101bの準Active SetにL1が含まれているので、パケット伝送を開始することを決定する。
【0175】
パケットデータ中継装置108からパケット伝送を促すパケット受信可能通知1103は、第1WLANアクセス網103aの配下に端末101bが進入したことを示す通知であり、端末101bのユーザーIDが含まれる。第1WLAN中継装置105aにおいてはパケット受信可能通知1103に端末101bのユーザーIDと、端末管理手段302から取得したPDGトランスポート909を指定し、PDG通信手段305を介してパケットデータ中継装置108に対して出力する。
【0176】
パケット受信可能通知1103を受信すると、パケットデータ中継装置108は端末101bのユーザーIDから設定したトンネルを選択する。そして公衆パケット網112から入力される端末101bへのパケットを、第1WLAN中継装置105aへのトンネルを経由させて出力する(下りデータ伝送1104)。このとき、既にパケットデータ中継装置108から移動網パケット中継装置107とパケット制御装置106を経由したパケット伝送が行われているため、パケットデータ中継装置108は受信したパケットを複製して移動通信網側の移動網パケット中継装置107と無線LAN側の第1WLAN中継装置105aの両方に出力する。このとき、後述の端末接続通知1106が入力されるまでは、パケット伝送により伝送されたパケットは第1WLAN中継装置105aで破棄される。
【0177】
次に、端末101bと第1WLANアクセス網103a間の通信品質が安定し、端末101bが上りデータの出力を開始するとともに、セルL1の第1WLANアクセス網103aの正式な通信が開始されるまでの処理(図11における1105〜1110)を示す。
【0178】
端末101bは無線LANの電波強度または通信強度を測定し、安定して通信可能な状態になるかどうかを判定する。端末101bが第1WLANアクセス網103aのエリアに進入後に通信が安定したと判断すると、端末101bが第1WLANアクセス網103aと無線LAN接続処理1105を行い、既に取得したローカルIPアドレスを用いた通信を開始する。802.11規格においてはProbeやAssociation手順を用いて接続処理を行う。
【0179】
第1WLANアクセス網103aは、端末101bが接続したことを検出すると、端末接続通知1106を出力し、その中でMACアドレスなどの端末101bの無線LANの接続に必要な情報を第1WLAN中継装置105aに通知する。第1WLAN中継装置105aでは、WLAN通信手段303を経由してWAG接続設定手段301が、端末接続通知1106を検出し、端末管理手段302からMACアドレスに対応するユーザーID、PDGトランスポートとWLANトランスポートを取得する。この場合は端末101bに対応するPDGトランスポート909のIPアドレス10.1.1.1とポート10001、WLANトランスポートのIPアドレス10.2.1.1とポート10001を取得する。
【0180】
WAG接続設定手段301は、更に無線LANの接続に必要な情報から第1WLAN中継装置105aとパケットデータ中継装置108間にある端末101bに関するトンネルを選択し、そのトンネルを経由してパケットデータ中継装置108から伝送されるパケットを、選択したトンネルを使用して第1WLANアクセス網103aに対して出力する(下りデータ伝送1107)。
【0181】
また、第1WLAN中継装置105aは端末101bのパケットをパケットデータ中継装置108へ中継するために、第1WLANアクセス網103aからのパケットをパケットデータ中継装置108に対して出力する(上りデータ伝送1108)。この上りデータの入力が検出したときに、第1WLAN中継装置105aの内部では、WAG接続設定手段301が端末管理手段302内の端末101bのデータにおいて、第1WLANアクセス網103aのセルL1を準Active SetからActive Setに変更する。この変更のタイミングはWLAN伝送開始通知1109を出力するときでも良い。
【0182】
次に、第1WLAN中継装置105aから無線網制御装置104に対して、WLAN伝送開始通知1109で端末101bが、通信を開始したことを通知する。WAG接続設定手段301はWLAN伝送開始通知1109を端末101bのユーザーIDに格納し、RNC通信手段304を介して無線網制御装置104に出力する。
【0183】
無線網制御装置104はWLAN伝送開始通知1109が入力されると、端末101bのセルL1を準Active SetからActive Setに変更する。RNC接続設定手段204が、WAG通信手段206によりWLAN伝送開始通知1109の入力を検出し、端末制御手段201に通知する。端末制御手段201は端末情報管理手段202における端末101bのActive SetにL1を追加、準Active SetからL1を削除する。これにより、無線網制御装置104の端末情報管理手段202は、図8の状態(c)に示された状態になる。そして、端末101b内のActive Setを変更するため、端末101bのセルL1を準Active SetからActive Setに変更することを指示するActive Set更新1110を作成し、基地局通信手段205を介して第1無線LAN中継装置105a経由で端末101bに対して出力する。
【0184】
Active Set更新1110が入力された端末101bは、内部のActive SetのデータをActive Set更新1110に従い更新する。その結果、図6の状態(c)に示すように端末101bのActive SetはセルM1とセルL1となり、端末101bと無線網制御装置104の両方においてそのデータが格納されることになる。
【0185】
その後、無線LANを介した通信が安定し、移動通信網経由の通信よりも品質が良くなったときは、移動通信網との通信を停止し、無線LAN経由の通信に完全に切り替え、Active Setから準Active Setに変更する。また、端末101bの準Active Setのうち、セルの距離が離れたものがあれば準Active Setから削除する(図11における1111〜1113)。
【0186】
まず、Active Set更新1110のあと、端末101bは第1WLANアクセス網103aとの電波強度、通信状態(スループットやパケット損失率、エラー率BER: Bit Error Rate)を測定し、無線網制御装置104へ測定情報1111として通知する。これはTS25.331のMeasurement Reportを用いることができる。また、WLANとの通信が確立されているため、第1WLANアクセス網103aを経由させて伝送させても良い。
【0187】
第1WLANアクセス網103a経由の通信のBERが、移動通信網経由のBERより少なくなる、またはスループット第1WLANアクセス網103aの通信状態が安定し、移動通信網との接続が不要となる場合は、無線網制御装置104はActive SetをセルL1だけにする判断を行う。また、本実施の形態では、Active Setとの隣接セルを準Active Setとするため、セルM1をActive Setから準Active Setに変更し、セルM2,L2を準Active Setから削除する処理を行う。
【0188】
まず、端末制御手段201がセルM1,M2,L2に関するActive Setと準Active Setを更新させるActive Set更新1111と、第2WLAN中継手段105bに対して、端末101bの準Active SetからセルL2を削除させるWAG Active Set更新1111を作成する。
【0189】
移動通信網のセルM1とセルM2に関するActive Setの変更処理は、セルM1,M2,L2に上記処理を行うActive Set更新1111を用いて行う。Active Set更新1111が入力されると、端末101はセルM1をActive Setから準Active Setに変更し、セルM2を準Active Setから削除する。この手順は、操作対象に準Active Setが加わるが、3GPP TS25.331に規定されるActive Set更新と同様の手順で実行可能である。無線網制御装置104からの出力は、基地局通信手段205を介して出力する。
【0190】
次に、セルL2を準Active Setから削除する処理を行う。このとき、セルL2を端末101bの準Active Setから削除させるWAG Active Set更新1113が第2WLAN中継装置105bに出力される。無線網制御装置104から第2WLAN中継手段105bは、端末管理手段302の端末101bの準Active SetからセルL2を削除する。このWAG Active Set更新1113により、無線網制御装置104の端末情報管理手段202は、図8の状態(d)となる。
【0191】
更にこの場合は、第2WLAN中継手段105bの配下のWLANアクセス網103は、端末101bのActive Set及び準Active Setに入らなくなるため、端末101b自体のデータも削除する。このことを無線網制御装置104にも通知する。このWAG Active Set更新1113により、端末101bが保持する情報は図6の状態(d)のようになる。また、無線LAN中継装置105の情報フィールドは、図9の状態(c)となる。
【0192】
これ以後、制御用のcontrol planeのデータも第1WLANアクセス網103aを経由することになる。伝送用のプロトコルスタックの例を図12に示す。基本的にはユーザーデータ用のプロトコルスタックと類似しており、端末101側はリモートIPアドレスを用いて、網内ではトンネルを使用して端末制御用のプロトコルであるRRCのデータを伝送する。
【0193】
なお、本実施の形態では第1WLAN中継装置105aと無線網制御装置104を接続させて、端末101aの接続情報・認証情報を両者間で送受することにより、予測に基づくハンドオーバーを実現した例を示したが、無線LANにおける無線網制御装置104の接続先は第1WLANアクセス網103aでも、本実施の形態における第1WLAN中継装置105aと同様の機能を第1WLANアクセス網103aに持たせることにより、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0194】
なお、本実施の形態においては、ホーム網のパケットデータ中継装置108と在圏網のパケットデータ中継装置108が論理的に同じ場合を示したが、両者が論理的に異なる場合は、第1WLAN中継装置105aからパケットデータ中継装置108へのトンネル設定をホーム網と在圏網の2回行うことで本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0195】
なお、本実施の形態においては、端末101を特定するためのIDとしてIMSIを用い、W−APNを端末101から取得したが、IMSIの代わりに端末101を特定するIDとしてU−RNTI(UTRAN Radio Network Temporary Identifier)を用いて、IMSIやW−APN等、無線LANでの認証に用いるデータを端末101から取得すれば、本実施の形態と同様のシーケンスを適用して本実施の形態と同様の効果が得られる。
【0196】
なお、本実施の形態においては、準Active Setの第1WLANアクセス網103aのエリアで端末101bを検出すると直ちに、パケットデータ中継装置108から第1WLAN中継装置105aを経由したパケット伝送が実施する方式としたが、無線網制御装置104が準Active SetからActive Setへの変更を判定する方法にすることも可能であり、本発明と同様の効果が得られる。
【0197】
この場合、端末101bの無線LANの電波を第1WLAN中継装置105aが検出したときに、端末101bのユーザーIDと電波強度・通信品質のデータを無線網制御装置104に対して通知し、通知の内容に従って無線網制御装置104がハンドオーバーの実施可否を判定する。無線網制御装置104がハンドオーバーを実施すると判定した場合に第1WLAN中継装置105aに対してActive Setと準Active Setの内容を更新する要求を出力し、この後は本実施の形態と同様にしてパケットデータ中継装置108から端末101bが第1WLAN中継装置105aを経由した接続を確立する。
【0198】
なお、端末101が端末101の位置、速度、加速度、移動方向の少なくともいずれか一つからなる位置情報を持ち、その位置情報を無線網制御装置104に通知する場合は、無線網制御装置104が移動先のセルを確実に予測することができるため、準Active Setのセルと端末101間の距離または距離と速度から計算した到達までの予測時間が一定値以下になったときに、パケット受信可能通知を無線網制御装置104からパケットデータ中継装置108に出力して、パケットデータ中継装置108から第1WLAN中継装置105aに対するパケット伝送を開始させることも可能である。
【0199】
なお、本実施の形態では第1WLAN中継装置105aにおいてIMSIを使用しなかったが、本実施の形態のユーザーID以外にも端末101を一意に指定することのできるIMSI等の識別子を用いた場合も同様の効果が得られる。
【0200】
以上、本実施の形態においては、端末101の移動先を予測し、予測した先の無線LANアクセス網103における認証・接続処理を行い、移動時または移動直前に移動先のセルに対してパケット伝送を開始することにより、移動先の無線LANアクセス網103に到着したときに直ちにパケット通信を開始することが可能になる。
【0201】
また、セル移動時に準Active Setから移動先の予測対象からはずれるセルを削除する処理を行うことにより、予測処理に伴うシグナリングのトラフィックを削減することも可能になる。
【0202】
(実施の形態2)
実施の形態2においては、通信中に無線LAN経由の電波が弱くなり、無線LAN経由の通信が不可能になったときに、パケット伝送を停止する処理を示す。実施の形態2の構成ブロック図は、実施の形態1と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0203】
図13を参照して、実施の形態2の動作について説明する。第1WLANアクセス網103aでは、端末101bのMACアドレスによるフレーム受信が一定時間ない時にパケット伝送の切断検出1301を行う。具体的には、フレーム受信後にタイマを開始させ、端末101bのMACアドレスによるフレーム受信ごとにタイマを更新する。タイマが終了し切断を検出したら、第1WLAN中継装置105aに対して端末101bのMACアドレスを含む、WLAN切断通知1302を第1WLAN中継装置105aに対して出力する。
【0204】
WLAN切断通知1302が入力されると、第1WLAN中継装置105aはWLAN通信手段303を制御して第1WLANアクセス網103aに対するパケット伝送を停止する(1303)。第1WLAN中継装置105a内部では、WAG接続設定手段301がWAN通信手段303を介してWLAN切断通知1302を検出すると、その中の端末101bのMACアドレスを含む端末管理手段302の情報を検索する。この場合は端末101bの情報を見つけだし、無線網制御装置104を指定するServing RNC 903とパケットデータ中継装置108を指定するPDGトランスポート909を取得する。
【0205】
そして、それらで指定されるパケットデータ中継装置108と無線網制御装置104に対してセルL1の通信が停止した旨を通知する。この停止の通知は、端末101bのユーザーIDと通信ができなくなったセルL1のIDを含む通信不可通知1304がPDG通信手段305を介してパケットデータ中継装置108に対して出力される。パケットデータ中継装置108は通信不可通知1304が入力されると、第1WLAN中継装置105aに対する端末101bに関するパケット伝送を停止する(伝送停止1305)。
【0206】
一方、無線網制御装置104に対する端末101bに関する通信停止通知1306は、WAG接続設定手段301がRNC通信手段304を介して出力する。通信停止通知1306が入力されると、無線網制御装置104はセルL1をActive Setから準Active Setに変更する。無線網制御装置104内部では、RNC接続設定手段204がWAG通信手段206を介して通信不可通知1306を検出し、端末制御手段201に通知する。端末101bにActive Setのセルが残っている場合は、端末制御手段201は端末101bと第1WLAN中継装置105aに対してセルL1を準Active SetとするActive Setの更新処理を行う。
【0207】
さらに端末101bのActive Setが空になる場合は、端末101bとの通信が不可能になったことをパケット制御装置106に通知する。この場合は、Active SetにあるのはL1だけなので、Active Set内にセルが無くなる。よって、端末制御手段201は端末101bと無線網制御装置104間の通信が切断されたことを、SGSN通信手段207を介してSGSN 206に対して切断通知1307を出力する。
【0208】
切断通知1307が入力されると、パケット制御装置106は端末101bの状態を確認する。この場合、端末101bと無線網制御装置104以外の無線網制御装置104との接続はないため、パケット制御装置106が端末101bのパケット通信を切断する処理(3GPP TS23.060のPS Serving Connection Release)を行う。
【0209】
また、パケット制御装置106から移動網パケット中継装置107とパケットデータ中継装置108に対して、端末101bに関する管理情報であるコンテキスト情報を削除するGGSN接続情報削除処理1308とPDG接続情報削除処理1309を行う。パケット制御装置106から移動網パケット中継装置107に対しては3GPP 23.060のDelete PDP Context Request/Responseを用いる。これに従い、移動網パケット中継装置107とパケットデータ中継装置108は各々の内部にある端末101bのコンテキスト情報を削除する。
【0210】
次に、パケット制御装置106は、無線網制御装置104との端末101bに関する接続を切断する(1310)。パケット制御装置106と無線網制御装置104間の接続が切断されると、無線網制御装置104は、端末101bに関するコンテキスト情報を削除させるため、第1WLAN中継装置105aと第2WLAN中継装置105bに対して、端末管理手段302の端末101bに関するエントリを削除させるWAG接続情報削除処理を行う。無線網制御装置104内部では、RNC接続設定手段204がパケット制御装置106との接続切断を検出すると、端末制御手段201に対して101bに関するパケット制御装置106との接続が切断されたことを通知する。
【0211】
端末制御手段201は、端末情報管理手段202から端末101bに関する情報を削除する。また、端末101bのActive SetであるセルL1,L2を制御する第1WLAN中継装置105aと第2WLAN中継装置105bに対して、WAG接続情報削除処理1311、WAG接続情報削除処理1312を出力する。各々のWLAN中継装置105においては、WAG接続設定手段301がRNC通信手段304を介してWAG接続情報削除処理1310/1311を検出すると、端末管理手段302から端末101bの情報を削除する。またWAG接続設定手段301はWAG接続情報削除処理1310/1311の結果の応答を、RNC通信手段304を介して無線網制御装置104に対して出力する。
【0212】
以上、本実施の形態においては、第1WLANアクセス網103aが端末101との通信が不可になったことを検出すると、パケットの伝送を停止することにより、パケットデータ中継装置108と第1WLAN中継装置105a間の回線の帯域使用を削減する。また、パケットの伝送停止を無線網制御装置104に対して通知し、Active Setを準Active Setに変更し、Active Setがないことを無線網制御装置104がパケット制御装置106に通知し、パケット制御装置106が無線網制御装置104に対する接続を切断することで、移動通信網と無線LANの各ノードの資源の消費量を抑えることを可能にする。
【0213】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、パケット通信を行う端末が無線LANエリアにおいて電源投入時等に移動通信網とWLAN網に端末の登録を行い通信を開始するまでの処理と、その結果、その端末が無線LANエリアから移動通信網のエリアに移動した際の接続設定処理において、切替時間が短縮される例を示す。本実施の形態における全体ブロック構成やプロトコルスタックなどは明示しない限り実施の形態1と同様である。
【0214】
実施の形態1においては、最初の状態において既に端末がパケット制御装置106との間に接続が確立していると仮定した時の、移動通信網からWLANへの移動を実現していたが、本実施の形態においては最初から無線LANへの接続を試みるため、実施の形態1のようにパケット制御装置106における移動通信網の接続設定が完了していない状態を仮定する。
【0215】
図14は、本実施の形態のパケット制御装置106の内部構成を示すブロック図である。図14において、SGSN接続設定手段1401はパケット制御装置106を制御し、3GPPのネットワークにおけるSGSNが行う、接続設定処理を行う機能を有する。端末状態管理手段1402はSGSN接続設定手段1401が行う制御に必要になる端末の状態を格納する。例えば、3GPPのTS23.060やTS29.060で規定されるGPRSの一次PDP情報(Primary PDP context)などが格納される。GPRS制御手段1403は、GPRSのプロトコル変換を行う機能を有する。3GPPにおけるSGSNは、本実施の形態に関連しない位置管理サービス等も行うが、他のサービス等を実現する構成は省略している。
【0216】
RNC通信手段1404およびGGSN通信手段1405は、それぞれ無線網制御装置104と移動網パケット中継装置107と通信を行う手段であり、プロトコルスタック、ネットワークインタフェースのソフトウェア・ハードウェアを含む。
【0217】
本実施の形態においては、無線LANから移動通信網のパケット制御装置106への通信経路を確保し、その通信経路を用いて端末101cがパケット制御装置106にパケット接続のための情報を登録するATTACH処理の方式について説明する。
【0218】
図15は、端末101cの動作を示す図である。図16〜図21は各ノードが保持する端末のデータを示すフィールド図を示し、図16、図17、図18、図19、図20、図21はそれぞれ、端末101c、無線網制御装置104、WLAN中継装置105、パケット制御装置106、移動網パケット中継装置107、パケットデータ中継装置108に格納されている端末の情報を示す。これらの図において、(a)は図22に示すトンネル作成処理完了時、(b)はWLAN接続設定の完了時、(c)はWLANから移動通信網への切替え処理の完了時の情報を示す。図22〜24は、無線LAN網における端末101cのATTACH処理の動作を示す図である。
【0219】
図22は、端末101cが無線LAN網に接続するまでの処理と、端末101cが無線網制御装置104と無線LAN網経由で設定を行う処理を示す図である。
【0220】
本実施の形態では、処理を行う前は、端末は動作しておらず、端末101cは停止状態2201である。停止状態では、パケット制御装置106は、端末101cに関する情報を記憶しておらず、GPRSにおける移動管理(MM、Mobility Managementの略)の状態はPMM−detachedとなっている。
【0221】
端末101cの電源が投入されると、端末101cは、無線LANまたは移動通信網を検出したか判定する(図15、S1501)。無線LANを検出すると、端末101cは、無線LANへの接続処理を行う(S1502)。これにより、端末101cは、図22に示すローカル接続処理2202から無線LAN IPアドレス取得2204までの処理を実行する。これらは従来技術におけるローカル接続処理2802から無線LAN IPアドレス取得2804までと同様である。
【0222】
第2WLANアクセス網103bがローカル接続用のIPアドレスを端末101cに渡すと、第2WLANアクセス網103bは第2WLAN中継装置105bに対して端末101cが接続したことを示す端末接続通知2205を出力する。この内容は実施の形態1における端末接続通知1106と同じである。本実施の形態では、新規に接続した無線LANの端末の情報は、接続を検出したWLANアクセス網から対応するWLAN中継装置に対して端末接続通知2205として出力される。出力されるタイミングは、端末101cがIPアドレスを取得済みかどうかによって異なる。実施の形態1の場合では、出力元のIPアドレスを端末101cが取得済みなので、無線LAN接続処理完了後直ちに端末接続通知1106が出力されたが、本実施の形態では、出力元のIPアドレスが未定なので、IPアドレスを渡した後に通知がなされる。
【0223】
端末接続通知2205が第2WLAN中継装置105bに通知されると、第2WLAN中継装置105bは、端末状態管理手段1402を参照して、端末101cが移動通信網に接続されている端末か否かを判定する。ここでは、WLANへの接続前は、端末101cは停止状態であったので、端末状態管理手段1402に端末101cの情報は格納されておらず、移動通信網に接続されていない新規端末と判定する。第2WLAN中継装置105bは、端末101cに対して、第1WLAN中継装置と関連している無線網制御装置104のIPアドレスをRNCアドレス通知2206として出力する。
【0224】
図15に戻って、端末101cは、第2WLAN中継装置105bからのRNCアドレス通知を受信する(S1503)。端末101cは、移動通信網に存在する間は常時無線網制御装置104と通信できる状態にあるが、無線LANのみのエリアに存在する場合は、無線LAN経由で無線網制御装置104と通信を行わなければならない。このため、第2WLAN中継装置105bは、RNCアドレス通知2206を用いて、無線網制御装置104のIPアドレス、WLANエリアのセル番号(Cell Identityなど)を通知する。端末101cが無線LAN網に存在するため、第2WLAN中継装置105bは、無線LAN網に対してこれ以降の処理を実行しない。また、本実施の形態では、最初、端末101cが停止状態であるため、無線網制御装置104と端末101cとの間の無線LAN網経由の接続を実現するためにRNCアドレスの通知が必要になるが、実施の形態1のように移動通信網から無線LAN網へ移動する場合には、移動通信網のエリアに端末101cが存在するときに無線網制御装置104から基地局装置102経由で無線網制御装置104のIPアドレスを通知してもらうので、RNCアドレス通知を行わなくてもよい。
【0225】
端末101cは、無線網制御装置104のIPアドレスを受け取ると、パケットデータ中継装置108との間のトンネル作成処理を行う(S1504)。これにより、図22に示すトンネル設定通知711からトンネル作成714までが行われる。これらの処理は、従来技術におけるトンネル作成要求1605からトンネル作成1608までの処理と同じである。
【0226】
図15に戻って、トンネル作成処理が完了すると、端末101cは、無線網制御装置104のIPアドレスの有無を判定する(S1505)。本実施の形態では、端末101cはIPアドレスを保持しているため、RRC接続確立によりUTRANの設定動作を行う(S1506)。
【0227】
図22を参照してRRC接続確立のシーケンスについて説明する。まず、端末101cは、RRC接続要求通知2211によって、無線LAN網を経由するRRC接続を無線網制御装置104に要求する。この要求はTS25.331のRRC CONNECTION REQUESTにあたる。ここでは端末自身のID(IMSIなど)とセルの番号を第2WLAN中継装置105bを介して無線網制御装置104に送信する。移動通信網においては、これらの信号は共通チャネルまたは個別チャネルにて伝送されるが、本実施の形態においては、無線LAN網を経由するため、IPパケットで伝送される。図22では、中継される点を黒丸で記している。
【0228】
無線網制御装置104は、RRC接続要求通知2211を受信すると、端末101cのIDが新規か否かを端末情報管理手段202を用いて確認する。本実施の形態の場合は、端末101cはもともと停止状態2201だったので、新規と判定される。新規の場合は、無線網制御装置104は、端末101cのエントリを端末情報管理手段202に作成し、セル単位で示される現在位置の確認を行う。本実施の形態の場合、端末101cはセルL2に存在するので、セルL2が位置登録される。
【0229】
次に、無線網制御装置104は、RRC接続を行うRRC接続設定要求2212(3GPP TS25.331におけるRRC CONNECTION SETUP)を送信し、端末101cはこれに対してRRC接続可能なので、RRC接続設定応答2213(3GPP TS25.331におけるRRC CONNECTION SETUP COMPLETE)を無線網制御装置104を経由して無線網制御装置104に送信する。以上の処理により、端末101cは無線網制御装置104が制御するUTRANに登録される。この状態が、図16〜図21の(a)である。この状態では、端末101cはパケット制御装置106と移動網パケット中継装置107には登録されていない。
【0230】
図15に戻って、端末101cは、UTRANに登録した後、パケット制御装置106に対する位置登録処理を行う(S1507)。この処理は、図23のシーケンス図で示される。3GPPのTS23.060,TS29.060に示されたGPRSの仕様では、ATTACH処理によりSGSNへの位置登録を行う。本実施の形態で3GPPの仕様と異なるのは、次の2点である。第1に、SGSNへの信号が、無線LAN網の第2WLANアクセス網103bと第2WLAN中継装置105bと、無線網制御装置104によって中継されることであり、第2に、3Gでは移動通信網のコアネットワークの回線交換ドメイン(Circuit−Switched domain)とパケット交換ドメイン(Packet−Switched domain)の両方に対する位置登録を行うATTACH処理を統合するが、本実施の形態では無線LAN網へのATTACHを行うため、パケット交換ドメインへのATTACH処理を行うことである。
【0231】
第1の相違点に関しては、端末101cはパケット制御装置106のアドレスを持たないため、端末101cはRRCでコアネットワークへの信号を伝送するDirect Transfer(3GPP TS25.331におけるInitial Direct Transfer,Uplink Direct Transfer,Downlink Direct Transfer)を用いる。端末101cからDirect Transferによるパケット制御装置106向けの信号が入力されると、無線網中継装置104はDirect Transferかどうか判定し、端末101cからの信号はRANAP(RAN Application Partの略。3GPPにおけるコアネットワークとRNC間のプロトコル。3GPP TS25.413で規定される)を用いてパケット制御装置106に対して出力する。一方、パケット制御装置106は、端末101c向けの信号を、RANAPを用いて出力する。図23では位置登録要求2301などでは矢印の切れ目としてこの無線網制御装置104の中継機能を表す。また、端末101cから無線制御装置104へ送信されるパケットは、第2WLANアクセス網103bおよび第2WLAN中継装置105bによって中継される。図22では中継される点を黒丸で示したが、図23および次に説明する図24ではこれらの記載を省略している。
【0232】
なお、端末101cとパケット制御装置106間の信号の中継にDirect Transferを用いる方法ではなく、各メッセージにGPRS関連の制御信号であることを示すヘッダやテイラなどの情報要素を格納し、無線網制御装置104がその情報要素によりパケット制御装置106に関するGPRSなどの信号と判定した信号について中継を行う方法でも、端末101cとパケット制御装置106の通信が可能なので、本実施の形態の効果は得られる。
【0233】
なお、パケット制御装置106のアドレスを端末101cに通知し、無線網制御装置104が意識して中継を行わない方法でも、パケット制御装置106と端末101c間の通信は可能なので、本実施の形態の効果は得られる。以上の相違点を除けば、図23の処理はTS23.060のATTACH処理と同様である。
【0234】
次に、位置登録のシーケンスについて説明する。まず、端末101cが、パケット制御装置106に位置登録要求2301を送信し、パケット制御装置106に位置登録を要求する。これはTS23.060のAttach Requestにあたる。パケット制御装置106が位置登録要求2301を受信すると、端末101cとパケット制御装置106との間で次の4つの処理が行われる。まず、(1)端末101cがパケット制御装置106の管理外にある場合、パケット制御装置106が端末101cにIMSIなどのIDを要求し、端末101cが応答するID要求・応答処理2302が行われる。TS23.060のIdentification Request,Identification Responseにあたる。次に、(2)パケット制御装置106が、端末101cを認証する3GPP認証処理2303が行われる。TS23.060においては、SGSNとUE間で伝送されるAuthentication and Ciphering Request,Authentication and Ciphering Responseにあたる。SGSNとHLR間ではSend Authentication Info,Send Authentication Info Ackの信号が伝送される。次に、(3)端末101cを認証するIMEI確認処理2304が行われる。なお、このシーケンスは必須ではなく、行わなくても良い。TS23.060においては、Identity Request,Identity Responseにあたる。次に、(4)ユーザ情報格納装置111に対して位置情報を入力するユーザ情報格納装置111に対する位置更新処理が行われる。位置更新処理は、パケット制御装置106とユーザー情報格納装置111との間で、位置更新要求2305、加入者データ挿入2306、位置更新応答2307がやり取りされることにより、実行される。位置更新要求2305、加入者データ挿入2306、位置更新応答2307はそれぞれTS23.060のUpdate Location,Insert Subscriber Data,Insert Subscriber Data Ack,Update Location Ackにあたる。これらの処理が完了すると、ATTACH処理を完了したことを示す位置登録応答2309がパケット制御装置106から端末101cに対して送信される。
【0235】
図15に戻って、端末101cは、位置登録処理(S1507)に続いてPDP情報活性化の処理(S1508)を行う。図24は、実際にデータが伝送可能になるように、パケット制御装置106の端末101cのPDP情報(TS23.060のPDP(Packet Data Protocolの略、本実施の形態ではIPを指す) context)を初期化する処理を示す図である。
【0236】
まず、端末101cがパケット制御装置106にPDP情報活性化要求2401を送信する。このとき、端末101cは既に公衆パケット網112で用いるリモートIPアドレスを取得しているので、端末101cのIMSI1601(ID1)、ユーザーID1602(ID1@iw.operator.com)、ユーザープロファイル1604(UP1)、リモートIPアドレス1608(10.2.2.2)、PDGトランスポート1610(IPアドレス10.1.1.1,ポート10001)をPDP情報活性化要求に含める。これにより、端末101cが登録され、またATTACHも行われているので、移動管理の状態もPMM−attachedとなる。
【0237】
パケット制御装置106の内部では、まずRNC通信手段1404にPDP情報活性化要求2401が入力され、SGSN設定手段1401はその内容を解析する。ここでは、PDP情報活性化要求2401であるため、その内容を端末状態管理手段1402に登録する。
【0238】
パケット制御装置106は、端末101cのIPアドレスを含む二次PDP情報活性化2402用の要求を作成し、GPRS制御手段1403とGGSN通信手段1405を介して移動網パケット中継装置107に送信する。二次PDP情報活性化2402の要求には、IMSI1901(ID1)、ユーザーID1902(ID1@iw.operator.com)、PDGのIPアドレスが含まれる。本実施の形態ではAPN(Access Point Name、iw.operator.com)は、ユーザーIDに含まれるため省略しているが、APNを二次PDP情報活性化2402に含めても本実施の形態は実現可能である。
【0239】
図19において、GGSNアドレス1904とPDGアドレス1905はそれぞれ移動網パケット中継装置107とパケットデータ中継装置108のアドレスを示す。MM状態1906とPDP状態1907はそれぞれGPRSにおける移動管理(MM)の状態とPDPの状態を示す。MM状態1906は、非接続時はPMM−detached、位置登録完了時はPMM−attachedとなる。PDP状態は通信の有無を示し、通信時はACTIVE、通信がないときはINACTIVEとなる。Routeing Area 1909は端末101のRouteing AreaのIDを格納する。本実施の形態では、移動通信網のセルM1とセルM2がRouteing Area:3G、無線LAN網のセルL1とセルL2がRouteing Area:WLANを構成する。
【0240】
二次PDP情報活性化2402を受けて、移動パケット中継装置107は、端末101cに関する二次PDP情報を移動網パケット中継装置107内に作成する。図20は、二次PDP情報を示すフィールド図である。二次PDP情報は、GPRSのSecondary PDP contextにあたり、端末の情報を管理する。
【0241】
次に、パケット制御装置106は、ユーザーデータの通信経路であるRAB(Radio Access Bearer)を確立させるRAB設定2403を行う。ここでは、3GPP TS25.413のRANAPにおけるRAB Setup Request,RAB Setup Response、TS25.331のRADIO BEARER SETUP,RADIO BEARER SETUP RESPONSEにあたる処理が行われる。
【0242】
この処理が完了すると、パケット制御装置106は、移動網パケット中継装置107に対して二次PDP情報更新処理2404を行う。これにより、RABを確立した内容が移動網パケット中継装置107の端末101cに関する二次PDP情報に反映される。以上の処理が終了すると、パケット制御装置106はPDP情報活性化応答2405を端末101cに送信する。
【0243】
以上の処理が完了して、セルL2に関する接続がUTRANとパケット制御装置106に登録されたことになる。なお、本実施の形態においては、無線LAN網経由でパケットデータを伝送し、移動網パケット中継装置107をパケット中継に使用していないので、二次PDP情報活性化2402と二次PDP情報活性化2404を省略可能である。
【0244】
図15に戻って、端末101cは、位置の予測処理を行うために、セルM1を準Active Setとして登録する処理を行う(S1509)。端末101cに関する接続が確立した後、無線網制御装置106はセルL2に隣接するセルをセル位置管理手段203から検索する。その結果、セルM1のみが抽出されるため、セルM1を登録するためにActive Setを更新する処理を開始する。なお、本実施の形態では準Active Setの中に入るセルの判断基準として、隣接しているセル全てとしているが、より詳細な通信状態の情報を収集すれば、隣接しているセルからさらに端末101cが移動する可能性の高いセルに準Active Setを絞り込むことが可能である。
【0245】
準Active Set登録処理では、図24に示すように、無線網制御装置104は、Active Set更新要求(3GPP RRC: Active Set Update)2406として、Active SetであるセルL2と準Active SetのセルM2を格納して、端末101cに無線LAN網を介して出力する。これに対し、端末101cでは、これらの情報を追加することに問題はないと判断し、Active Setと準Active SetにそれぞれセルL2とセルM1を追加する。そして、端末101cは無線網制御装置104に対してActive Set更新応答(3GPP TS25.331におけるACTIVE SET UPDATE COMPLETE)2407を出力し、Active Setの更新処理が完了したことを通知する。端末101cのActive Setの設定が完了すると、無線網制御装置104は、端末情報管理手段202における端末101cのActive Set,準Active SetがそれぞれL2とM1にする。これで、端末101cのデータは無線網制御装置104が制御するUTRANへの登録が完了する。
【0246】
次に、上記のようにしてWLANに接続された端末101cが、WLANから移動通信網エリアへの移動した場合の処理について説明する。
【0247】
図25は、無線LAN網のセルL2に存在した端末101cの無線LAN網経由の接続が確立し、通信している途中にセルM1に移動した場合に、端末101cの接続を移動通信網経由に切り替える処理を示す図である。
【0248】
図15を参照して、端末101cは無線LANまたは移動通信網を検出したか判定する。端末101cがセルM1に進入すると、移動通信網を検出するため3Gリンク確立処理に進み、無線網制御装置104と端末101c間の基地局装置102a経由のリンクが確立する(S1510)。ここでは3GPP TS25.433のNBAP(Node B Application Part)に記載されているRadio Link Setup手順が使用される。
【0249】
次に、端末101cは、セルの位置を更新するActive Set更新の処理を行う(S1511)。この処理において、まず端末101cは、セル更新要求2502を無線網制御装置104に送信する。本実施の形態では、セル更新要求2502は3GPP TS25.331のCell Updateを想定するが、無線網制御装置104の切替を伴う場合はSRNS Relocation手順、通信していない場合のように端末101cの位置がURA(UTRAN Registration Area)単位で把握されている場合はURA Update手順を用いても同様の効果が得られる。
【0250】
無線網制御装置104がセル更新要求2502を受信すると、無線網制御装置104は、端末情報管理手段202のActive Setと準Active SetをそれぞれM1,L1にし、端末101cにセル更新応答2503を送信する。以上で、端末101cのセルM1への移動が無線網制御装置104に登録されることになる。
【0251】
図15に戻って、端末101cはで端末101cが無線LAN網に接続していた状態で移動通信網に移動したかどうかを判定する(S1512)。本実施の形態では、無線LAN網との接続が確立していた状態で移動通信網を検出したので、RA更新を行う(S1513)。RA更新の処理でパケット制御装置106に登録を行い、パケット伝送の経路を無線LAN網から移動通信網に切り替える。これにより、パケット制御装置106の端末状態管理手段1402はWLANから3Gになる。
【0252】
RA更新のシーケンスを図25を用いて説明する。まず、端末101cはパケット制御装置106にRAの更新処理とパケット交換ドメインと回線交換ドメイン両方の位置登録処理を行うRA更新要求2504を送信する。パケット制御装置106は、このRA更新要求2504を受信すると、移動網パケット中継装置107に対する二次PDP更新処理2505とユーザ情報格納装置111に対する位置情報更新処理2506を実施する。二次PDP情報更新処理2505では、前述の二次PDP情報更新処理2404と同様に、移動通信網接続用のパラメータを移動網パケット中継装置107に登録する。位置情報更新処理2507では、前述の位置更新要求2305、加入者データ挿入2306と位置更新応答2307の3つのシーケンスで実行した内容は同じで、端末101cが移動通信網のエリアに入ったことをユーザ情報格納装置111に登録する。
【0253】
これらが完了した後、端末101cに対して無線LAN網経由で伝送されている対向ノード114からのパケットデータを移動通信網経由に切り替える経路変更要求2507をパケット制御装置106からパケットデータ中継装置108に対して出力する。図1では、この両者は直接接続されていないが、これらはIPパケットで伝送されるため、移動網パケット中継装置107がパケットを中継する。
【0254】
切り替えた後の、移動網パケット中継装置107経由の伝送では、パケットデータ中継装置108との間の伝送方法にいくつか選択肢がある。いずれもIPをベースにした方式である必要があるが、Mobile IPやGTP(GPRS Tunneling Protocol)、IP−in−IPなどのトンネリング方式が使用できる。これらのトンネル手法を用いた場合、入力側の装置(パケットデータ中継装置108または移動網パケット中継装置107)が選択したプロトコルの部分を元のパケットヘッダーに追加するカプセル化を行い、対向側の装置がそのカプセルを解除し元のパケットデータを抽出する必要がある。
【0255】
従って、経路変更要求2507には、移動網パケット中継装置107のIPアドレス、指定可能な場合はトンネルの方式の識別子を記述する。この識別子や移動網パケット中継装置107のIPアドレスによって、パケットデータ中継装置108はトンネルの作成方法を変更する。トンネルの設定が完了すると、パケットデータ中継装置108は経路変更要求2507によるU−planeの切替処理を行い、経路変更応答2508をパケット制御装置106に出力する。
【0256】
二次PDP情報更新処理2505、位置更新処理2506、経路変更処理2507,2508が終了すると、パケット制御装置106は、RA更新応答2509を端末101cに送信し、移動通信網側に処理が完了したことを示す。以上でセルM1、セルL2に関する登録処理は完了する。
【0257】
なお、本実施の形態では端末101cからセル更新要求2502を出力したが、逆にActive Set Update手順を用いて無線網制御装置104からセル更新の処理を実施する方法でも同様の効果が得られるとともに、無線網制御装置104にパケットの分割・統合処理の機能があれば、同時に移動通信網と無線LAN網の両方を用いて接続することも可能である。
【0258】
図15に戻って、端末101cはセルM1にいるため、準Active Setの処理において実施の形態1と同様に隣接するセルを準Active Setとして登録を行う(S1514)。図25では、準Active Set登録のシーケンスは、準Active Set(L2)登録処理2511とセル(M2)登録処理2512で示される。セルL2登録2511は、図7の信号704から信号716まで、セルM2の登録はActive Setの更新処理と同様の処理である。
【0259】
なお、端末のMM状態がPMM−Idleになるときは、パケット制御装置106が移動網パケット制御装置107とパケットデータ中継装置108に関する、トンネルを削除する。トンネルを削除すると、パケット制御装置106は無線網制御装置104に対して指示を行い、無線網制御装置104の端末情報管理手段202のActive setも登録なしにする。
【0260】
以上説明した第3の実施の形態においては、無線LAN網のエリアの端末101cが移動通信網にいる場合と同様の内容で登録を行うことが可能になり、無線LAN網から移動通信網へのエリア時の処理を省くことで、切替時間を短縮させる効果が得られる。
【0261】
また、無線網制御装置104のIPアドレスを端末に通知して無線LAN網における端末101cと無線網制御装置104との通信を実現することで、無線網制御装置104が無線LAN網のみのエリアに存在する端末の制御を行うことが可能となる。
【0262】
また、端末101cとパケット制御装置106との間の信号をプロトコル変換を伴う中継を無線網制御装置104が行うことで、端末101cがパケット制御装置106のアドレスを持たない場合でも無線LAN網のエリアからの通信と共に、同じ無線網制御装置104に複数のパケット制御装置が接続されている場合の通信を可能にした。
【0263】
さらに、移動通信網側から無線LAN網のエリアに移動した時には、パケット制御装置107がパケットデータ中継装置108に対して経路変更要求2507により対向ノード114からのパケットデータを切り替えることで、端末101cがパケットデータ中継装置108に登録を行って経路を切り替える場合に比べ、切替にかかる時間を短縮する効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0264】
本発明に係る無線通信システムは、1つ以上の無線LANアクセス(Local Area Network)網の接続制御を行うWLAN中継装置から入力される情報のうち、移動通信網及び前記無線LAN網との通信が可能な端末が前記無線LAN網で通信を行う場合に必要な接続情報を前記端末に出力する構成を有し、移動通信網と無線LAN間でのパケット通信の途切れのないハンドオーバーを実現する無線通信システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0265】
【図1】本発明の実施の形態1による無線通信システムの構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1による無線網制御装置の構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1によるWLAN中継装置の構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態1によるセル位置管理手段のフィールドを示す図
【図5】本発明の実施の形態1による移動通信網のパケット通信のプロトコルスタックを示す図
【図6】本発明の実施の形態1による端末の保持する情報のフィールドを示す図
【図7】本発明の実施の形態1による移動先予測時の認証・設定処理のシーケンスを示す図
【図8】本発明の実施の形態1による無線網制御装置の保持する情報フィールドを示す図
【図9】本発明の実施の形態1による無線LAN中継装置の保持する情報フィールドを示す図
【図10】本発明の実施の形態1による無線LANのパケット通信のプロトコルスタックを示す図
【図11】本発明の実施の形態1による端末セル進入時の接続設定処理のシーケンスを示す図
【図12】本発明の実施の形態1による無線LANの制御信号のプロトコルスタックを示す図
【図13】本発明の実施の形態2による切断処理のシーケンスを示す図
【図14】本実施の形態のパケット制御装置の内部構成を示すブロック図
【図15】端末の動作を示す図
【図16】端末が保持するデータのフィールド図
【図17】無線網制御装置が保持するデータのフィールド図
【図18】WLAN中継装置が保持するデータのフィールド図
【図19】パケット制御装置が保持するデータのフィールド図
【図20】移動パケット中継装置が保持するデータのフィールド図
【図21】パケットデータ中継装置が保持するデータのフィールド図
【図22】端末が無線LAN網に接続するときの処理を示す図
【図23】端末が無線LAN網に接続するときの処理を示す図
【図24】端末が無線LAN網に接続するときの処理を示す図
【図25】端末が無線LAN網から移動通信網にハンドオーバーしたときの処理を示す図
【図26】従来技術による無線通信システムの構成を示す図
【図27】従来技術によるユーザーデータに関するプロトコルスタックを示す図
【図28】従来技術による動作を示すシーケンスを示す図
【図29】従来技術による無線通信システムの構成を示す図
【符号の説明】
【0266】
101a,101b 端末
102a 第1基地局装置
102b 第2基地局装置
103 WLANアクセス網
104 無線網制御装置
105a 第1WLAN中継装置
105b 第2WLAN中継装置
106 パケット制御装置
107 移動網パケット中継装置
108 パケットデータ中継装置
109 認証中継装置
110 認証サーバ
111 ユーザー情報格納装置
112 公衆パケット網
201 端末制御手段
202 端末情報管理手段
203 セル位置管理手段
204 RNC接続設定手段
205 基地局通信手段
206 WAG通信手段
207 SGSN通信手段
301 WAG接続設定手段
302 端末管理手段
303 WLAN通信手段
304 RNC通信手段
305 PDG通信手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の無線LANアクセス(Local Area Network)網の接続制御を行うWLAN中継装置から入力される情報のうち、移動通信網及び前記無線LAN網との通信が可能な端末が前記無線LAN網で通信を行う場合に必要な接続情報を前記端末に出力する無線網制御装置。
【請求項2】
移動通信網及び無線LAN(Local Area Network)網との通信が可能な端末と無線通信を行う1台以上の基地局装置の無線制御を行う無線網制御装置と1つ以上の前記端末と無線LAN網を介して接続できる無線LANアクセス網とに接続され、前記無線網制御装置からの要求に従い、前記端末に関する認証処理または接続設定処理の少なくとも一つを行い、
更に、前記端末が無線LAN網で通信を行う場合に必要な接続情報を作成し、前記無線網制御装置に出力する無線LAN中継装置。
【請求項3】
移動通信網と無線LAN(Local Area Network)網との連携を行う無線通信システムであって、
前記移動通信網及び無線LAN網との通信が可能な端末と、
前記移動通信網を介して前記端末への無線通信を行う基地局装置と、
1台以上の前記基地局装置と接続され、前記端末の無線接続制御を行う無線網制御装置と、
前記無線LAN網を介して前記端末に無線接続する無線LANアクセス網と、
前記無線網制御装置と1つ以上の前記無線LANアクセス網とに接続され、前記無線LANアクセス網の接続制御を行う無線LAN中継装置と、
前記無線LAN中継装置に接続され公衆パケット網へ前記無線LAN中継装置のデータを中継するパケットデータ中継装置を備え、
前記無線網制御装置が、端末が接続する可能性があると推定した前記無線LANアクセス網を選択し、前記認証処理要求信号及び接続設定処理要求信号を、前記推定された無線LAN網を制御する前記無線LAN中継装置に出力し、
前記無線LAN中継装置が、前記選択された接続可能無線LANアクセス網の使用可否を決定する認証処理を行い、使用が可決された場合に、前記端末による前記無線LANアクセス網の使用時に必要となる無線LAN網内の接続設定処理を行い、前記端末が無線LANで通信を行う場合に必要な接続情報を前記無線網制御装置に出力し、
更に、前記無線網制御装置が、前記端末に前記接続情報を出力する
無線通信システム。
【請求項4】
前記端末に、前記接続情報が前記無線網制御装置から入力され、前記無線LANアクセス網の制御可能エリアに前記端末が進入した場合に、
前記無線LAN中継装置が、前記接続情報を用いて接続を確立させる請求項3記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記無線網制御装置が、1台以上の前記基地局装置と1つ以上の前記無線LANアクセス網の収容能力と使用量または障害情報を備える網状態情報を取得し、
前記端末の存在位置が、複数の前記基地局装置または前記無線LANアクセス網と同時に通信可能な位置である場合に、
前記端末が、通信を行う前記基地局装置または前記無線LANアクセス網を、前記網状態情報を使用して選択する
請求項3又は4記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記端末が、前記無線LANアクセス網に進入した場合に、
無線LAN中継装置が、前記端末が無線LAN経由のパケットを受信可能であることを通知するパケット受信可能通知を、前記パケットデータ中継装置に通知し、
パケットデータ中継装置が、前記パケット受信可能通知が入力されると、前記公衆パケット網から入力されたデータを前記無線LAN中継装置に出力する
請求項3ないし5のいずれか記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記端末及び前記無線網制御装置は、
前記端末が通信を行っている前記基地局装置または前記無線LANアクセス網の識別子の集合である通信中セル集合情報と、
前記端末が接続すると予測した前記基地局装置と前記無線LANアクセス網の識別子の集合である予測対象セル集合情報と、を保持し、
前記端末が、前記基地局装置と前記無線LANアクセス網と同時に通信を行い、前記無線LANアクセス網との通信エラーが予め定めた値以下である場合に、
前記無線網制御装置が、前記基地局装置のセルを前記通信中セル集合情報から前記予測対象セル集合情報に設定変更して、前記無線LAN中継装置に通知し、前記端末に対して前記通信中セル集合情報と前記予測対象セル集合情報とを更新させる更新要求信号を出力する
請求項3記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記端末と前記無線LAN中継装置との通信の切断を検出した場合に、
前記無線LANアクセス網の識別子を前記通信中セル集合情報から前記予測対象セル集合情報に設定変更して、前記無線LAN中継装置に通知し、前記端末に対して前記通信中セル集合情報と前記予測対象セル集合情報とを更新させる更新要求信号を出力する
請求項7記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記無線LANアクセス網の識別子を前記通信中セル集合情報から前記予測対象セル集合情報に設定変更し、
前記通信中セル集合情報に、前記基地局装置または前記無線LANアクセス網の識別子が存在しなくなった場合に、
前記端末の通信が切断したことを前記無線LAN中継装置に通知し、
前記無線LAN中継装置が、前記端末に関する接続情報を削除する
請求項7記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記無線網制御装置に接続され、前記移動通信網によるパケット通信の呼制御を行うパケット制御装置を備え、
前記端末に関する前記パケット制御装置と前記無線網制御装置間の接続が切断された場合に、
無線網制御装置が、前記無線網制御装置と接続された前記基地局装置の識別子を前記通信中セル集合情報と前記予測対象セル集合情報とから削除し、
前記通信中セル集合情報に識別子が存在しなくなった場合に、
前記予測対象セル集合情報に識別子がある前記無線LAN中継装置に、接続情報を削除させる削除要求信号を出力し、
前記端末に前記通信中セル集合情報と前記予測対象セル集合情報とを更新させる更新要求信号を出力する
請求項7記載の無線通信システム。
【請求項11】
移動通信網及び無線LAN(Local Area Network)網との通信が可能な端末と、
前記移動通信網を介して前記端末への無線通信を行う基地局装置と、
1台以上の前記基地局装置と接続され、前記端末の無線接続制御を行う無線網制御装置と、
前記無線LAN網を介して前記端末に無線接続する無線LANアクセス網と、
前記無線網制御装置と1つ以上の前記無線LANアクセス網とに接続され、前記無線LANアクセス網の接続制御を行う無線LAN中継装置と、
前記無線LAN中継装置に接続され公衆パケット網へ前記無線LAN中継装置のデータを中継するパケットデータ中継装置を備え、
移動通信網と無線LAN網との連携を行う無線通信システムの通信方法であって、
端末が、
前記基地局装置の制御対象となるセルに含まれる場合に、
接続する可能性があると推定した前記無線LANアクセス網を選択し、前記端末の認証処理要求信号及び接続設定処理要求信号を、前記基地局装置を介して前記無線網制御装置に出力するステップと、
前記無線網制御装置が、
前記認証処理要求信号及び接続設定処理要求信号を、前記推定された無線LAN網を制御する前記無線LAN中継装置に出力するステップと、
前記無線LAN中継装置が、
更に、前記無線網制御装置が、
前記端末に前記接続情報を出力し、前記端末と前記選択された無線LANアクセス網との接続を確立させるステップと
を実行する無線通信システムの通信方法。
【請求項12】
移動通信網による移動端末との通信を制御する通信制御手段と、
前記移動端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報に基づいて、前記移動端末の移動先となる移動通信網と連携した無線ネットワークを予測する移動先予測手段と、
前記移動先予測手段にて予測された無線ネットワークにおいて移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置に、前記移動端末を前記無線ネットワークに接続するための接続情報を送信する接続情報送信手段と、
を備える移動通信網制御装置。
【請求項13】
前記接続情報送信手段にて送信した接続情報に応じて、前記無線ネットワーク制御装置から送信される前記無線ネットワークと前記移動端末との接続準備の完了を示す応答を受信したときに、前記無線ネットワークの情報を移動通信網を通じて前記移動端末に送信する無線ネットワーク情報送信手段を備える請求項12に記載の移動通信網制御装置。
【請求項14】
無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線制御手段と、
自無線ネットワークに連携した移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置から送信される、前記移動端末の自無線ネットワークに対する接続情報を受信する接続情報受信手段と、
前記接続情報受信手段による接続情報の受信に応じて、自無線ネットワークと公衆パケット網とのパケット通信を中継する中継装置との間に、前記移動端末のためのトンネル設定を行うトンネル設定手段と、
前記トンネル設定手段によってトンネル設定がなされたときに、前記移動通信網制御装置に接続準備の完了を示す応答を送信する応答送信手段と、
を備える無線ネットワーク制御装置。
【請求項15】
前記接続情報受信手段による接続情報の受信に応じて、前記移動端末が前記移動通信網に接続された端末として登録されているか否かを認証する認証手段をさらに備え、
前記応答送信手段は、前記認証手段によって前記移動端末が認証されたときに応答を送信する請求項14に記載の無線ネットワーク制御装置。
【請求項16】
自無線ネットワーク内で移動端末を検出したときに、前記中継装置との間に検出された移動端末のためのトンネルが設定されているか否かを判定する判定手段と、
前記移動端末のためのトンネルが設定されているとの前記判定手段による判定に応じて、前記中継装置にパケットを受信可能であることを示すパケット受信可能通知を送信する受信可能通知送信手段と、
を備える請求項14に記載の無線ネットワーク制御装置。
【請求項17】
移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置と、前記移動通信網に連携した無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置と、を備え、
前記移動通信網制御装置は、
前記移動端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報に基づいて、前記移動端末の移動先となる無線ネットワークを予測する移動先予測手段と、
前記移動先予測手段にて予測された無線ネットワークの無線ネットワーク制御装置に、前記移動端末を前記無線ネットワークに接続するための接続情報を送信する接続情報送信手段と、
を備え、
前記無線ネットワーク制御装置は、
前記移動通信網制御装置から送信される前記接続情報を受信する接続情報受信手段と、
前記接続情報受信手段による接続情報の受信に応じて、自無線ネットワークと公衆パケット網とのパケット通信を中継する中継装置との間に、前記移動端末のためのトンネル設定を行うトンネル設定手段と、
を備える無線通信システム。
【請求項18】
移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置と、前記移動通信網に連携した無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置と、を備えた無線通信システムの通信方法であって、
前記移動通信網制御装置が前記移動端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報に基づいて、前記移動端末の移動先となる無線ネットワークを予測する移動先予測ステップと、
前記移動先予測ステップにて予測された無線ネットワークの無線ネットワーク制御装置に、前記移動端末を前記無線ネットワークに接続するための接続情報を送信する接続情報送信ステップと、
前記無線ネットワーク制御装置が前記移動通信網制御装置から送信される前記接続情報を受信する接続情報受信ステップと、
前記接続情報受信ステップにおける接続情報の受信に応じて、自無線ネットワークと公衆パケット網とのパケット通信を中継する中継装置との間に、前記移動端末のためのトンネル設定を行うトンネル設定ステップと、
を備える無線通信システムの通信方法。
【請求項19】
無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置であって、
自無線ネットワークに連携した移動通信網の移動通信網制御装置のアドレス情報を記憶したアドレス情報記憶手段と、
前記移動端末から送信される自無線ネットワークに対する接続要求を受信する接続要求受信手段と、
前記接続要求受信手段による接続要求の受信に応じて、前記移動端末を自無線ネットワークに接続させると共に、前記アドレス情報記憶手段に記憶された移動通信網制御装置のアドレス情報を前記移動端末に通知する無線制御手段と、
を備える無線ネットワーク制御装置。
【請求項20】
前記無線制御装置は、前記移動端末から送信される前記移動通信網制御装置宛てのパケットを前記移動通信網制御装置に送信する請求項19に記載の無線ネットワーク制御装置。
【請求項21】
移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置と、前記移動通信網と連携した無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置と、を備え、
前記無線ネットワーク制御装置は、
自無線ネットワークに連携した移動通信網の移動通信網制御装置のアドレス情報を記憶したアドレス情報記憶手段と、
前記移動端末から送信される自無線ネットワークに対する接続要求を受信する接続要求受信手段と、
前記接続要求受信手段による接続要求の受信に応じて、前記移動端末を自無線ネットワークに接続させると共に、前記アドレス情報記憶手段に記憶された移動通信網制御装置のアドレス情報を前記移動端末に通知する無線制御手段と、
を備える無線通信システム。
【請求項22】
前記移動端末が、前記無線ネットワーク制御装置から通知された移動通信網制御装置のアドレス情報を用いて、前記移動通信網への登録を要求する登録要求を前記無線ネットワーク制御装置を介して前記移動通信網制御装置に送信する請求項21に記載の無線通信システム。
【請求項23】
前記移動通信網制御装置は、
前記移動端末を移動通信網内で検出したときに、検出された移動端末が移動通信網に登録された端末であるか否かを判定する判定手段と、
検出された移動端末が移動通信網に登録されているとの判定に応じて、公衆パケット網との間のパケット通信を中継する中継装置に、パケットを受信可能であることを示すパケット受信可能通知を送信する受信可能通知送信手段と、
を備える請求項21に記載の無線通信システム。
【請求項24】
移動通信網による移動端末との通信を制御する移動通信網制御装置と、前記移動通信網と連携した無線ネットワークによる移動端末との通信を制御する無線ネットワーク制御装置と、を備えた無線通信システムの通信方法であって、
前記移動端末から送信される自無線ネットワークに対する接続要求を受信する接続要求受信ステップと、
前記接続要求受信ステップにおける接続要求の受信に応じて、前記移動端末を自無線ネットワークに接続させる接続ステップと、
前記無線ネットワーク制御装置が自無線ネットワークに連携した移動通信網の移動通信網制御装置のアドレス情報を記憶したアドレス情報記憶手段からアドレス情報を読み出し、読み出したアドレス情報を前記移動端末に通知するアドレス情報通知ステップと、
を備える無線通信システムの通信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−197536(P2006−197536A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109202(P2005−109202)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】