説明

無線装置及び映像受信方法

【課題】映像ソースの切り替えに係る処理を好適に実行する。
【解決手段】本実施形態の無線装置は、外部の無線装置を探索する探索手段と、探索により発見された外部の無線装置から、自装置との無線通信を許可するための許可情報を受信する受信手段と、許可情報により認証した無線装置と無線接続を確立する接続手段と、認証済みの無線装置を登録する登録手段と、有線インタフェースに対応する選択可能な第1の画像と、発見された無線装置に対応する選択可能な第2の画像とを共に表示画面に表示させる手段であって、前記第2の画像を、前記登録されているか否かを区別した表示形態で、表示させる表示制御手段と、表示させた無線装置に対応する第2の画像を指定する選択操作を受け付ける受付手段と、選択操作によって指定された第2の画像に対応する無線装置との映像伝送に関する処理を、無線接続を用いて実行する通信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線装置及び映像受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PC等の装置が映像を無線送信し、当該無線送信された映像をディスプレイ等の表示装置が受信して表示する技術がある。この技術においては、画像出力装置はディスプレイ装置との無線接続のセキュリティ設定を行った後、1対1通信により映像を送信する。また、著作権保護コンテンツの送信を行う場合には、暗号鍵生成の為の情報を映像送信側と映像受信側の装置で送受信した後にコンテンツの送受信が行われる。そして、表示装置は、映像の送信元の装置を他の装置に切り替える場合には、他の装置とのセキュリティ設定や暗号鍵生成処理等を再度実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−266777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、表示装置があるソースの映像の表示から、PC等の映像送信装置からの映像の表示に切り替える場合には、当該切り替えに係る処理を好適に実行できることが好ましい。
【0005】
これに対し本発明の実施形態は、映像ソースの切り替えに係る処理を好適に実行することができる無線装置及び映像受信方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本実施形態の無線装置は、外部の無線装置を探索する探索手段と、前記探索により発見された外部の無線装置から、自装置との無線通信を許可するための許可情報を受信する受信手段と、前記許可情報により認証した無線装置と無線接続を確立する接続手段と、認証済みの無線装置を登録する登録手段と、有線インタフェースに対応する選択可能な第1の画像と、前記発見された無線装置に対応する選択可能な第2の画像とを共に表示画面に表示させる表示制御手段であって、前記第2の画像を、前記登録手段に登録されているか否かを区別した表示形態で、前記表示画面に表示させる表示制御手段と、前記表示させた無線装置に対応する第2の画像を指定する選択操作を受け付ける受付手段と、前記選択操作によって指定された第2の画像に対応する無線装置との映像伝送に関する処理を、前記無線接続を用いて実行する通信手段と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態の映像受信装置の利用形態例を示す図。
【図2】実施形態の映像受信装置及び映像送信装置のシステム構成例を示す図。
【図3】実施形態の映像受信装置が生成する入力切替画面の画面例を示す図。
【図4】実施形態の映像受信装置が生成するパスキー画面の画面例を示す図。
【図5】実施形態の映像受信装置による、映像ソースの切替処理例を示す図。
【図6】実施形態の映像受信装置による映像受信に係る処理フロー例を示す図。
【図7】実施形態の映像送信装置による映像送信に係る処理フロー例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は実施形態に係る映像受信装置の利用形態例を示す図である。実施形態の映像受信装置は、例えば表示装置100として実現されている。ここで映像受信装置100は、リモートコントローラ(リモコン)200からの制御信号に応じて、自装置が表示する映像の入力を切り替える。即ち、例えば放送波に重畳された放送番組の映像と、HDMI等の有線インタフェース等から入力される映像と、IEEE802.11規格の無線LAN(Wi−Fi)等の無線通信により受信する映像とのうち、自装置が表示すべき映像をリモコン200からの制御信号に応じて選択・切替する。そして表示装置100は、選択したソースの映像を表示する。
【0009】
コンピュータ300乃至500は、無線LAN等の無線通信により表示装置と接続し、映像を送信することができる。ここでコンピュータ300乃至500は、表示装置100に映像を送信する場合、表示装置100との無線通信のためのセキュリティ設定を行う。ここでセキュリティ設定とは例えばPINコード等のパスキーによる装置の固体認証等であり、コンピュータ300乃至500は、表示装置100に設定されたパスキーを取得して表示装置100に送信すると、当該表示装置100との無線通信が表示装置100により許可される。
【0010】
またコンピュータ300乃至500は、著作権保護コンテンツを送信する場合、表示装置100との間で例えばHDCP(High−bandwidth digital content protection system)規格に従った処理を行う。即ち、保護コンテンツの映像送信前には、HDCP規格に従って認証および鍵交換の処理を実行し、映像のES用の暗号鍵を決定する。そして映像送信時には、決定した暗号鍵により映像を暗号化して送信する。
【0011】
図2は表示装置100及びコンピュータ300の機能ブロック例を示す図である。なおコンピュータ400及び500の機能ブロックはコンピュータ300と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0012】
表示装置100は、受信部101、HDMI入力部102、無線通信部103、切替部104、映像処理部105、表示部106、操作受付部107、GUI処理部108、暗号処理部109、無線制御部110、格納部111等を備える。ここで受信部101は、放送番組の映像データが重畳された放送信号を受信し、受信したデータを切替部104に出力する。HDMI入力部102には、HDMIケーブルが接続され、当該ケーブルを介して接続された外部装置から送信された映像データが入力される。そしてHDMI入力部102は、入力されたデータを切替部104に出力する。無線通信部103は、コンピュータ300乃至500等の装置と通信を行う。そして無線通信部103は、これら装置から送信される映像データを受信し、受信したデータを切替部104に出力する。なお無線通信部103は、受信する映像データが例えばHDCP等に従った著作権保護方式で暗号化されている場合、当該映像データを暗号処理部109経由で切替部104に出力する。
【0013】
切替部104は、受信部101、HDMI入力部102及び無線通信部103のうち1つのモジュールを選択し、当該選択したモジュールから出力された映像データを映像処理部105に出力する。なお上述の通り、無線通信部103からの映像データは暗号処理部109を介して切替部104に入力される場合もある。
【0014】
映像処理部105は、切替部104から入力された映像データをデコードし、デコードした映像データを表示部106が表示可能な形式の映像信号に変換する。また映像処理部105は、GUI処理部108から映像データが入力されると、当該映像データを映像信号に変換し、当該映像信号と切替部104からの映像データの映像信号とを重畳させて表示部106に出力する。そして表示部106は、入力された映像信号を用いて映像を表示する。
【0015】
操作受付部107は、リモコン200や表示装置100に設けられた操作パネル(不図示)に入力された操作入力を受け付ける。なお操作受付部107は、例えば後述する切替画面に対する操作入力を受け付ける。
【0016】
GUI処理部108は、表示部106に表示させる画面の映像データを生成する。ここでGUI処理部108は、例えば後述する切替画面の映像データを生成して表示部106に表示させる。またGUI処理部108は、表示部106が表示した切替画面に対する操作入力が操作受付部107に入力されると、当該操作入力に応じて切替部104を制御する。即ち、操作受付部107に放送番組の映像の表示を指示する操作が入力された場合、GUI処理部108は、受信部101が受信した映像データの映像処理部105への出力を切替部104に指示する。同様に、HDMI入力部102や無線通信部103に入力される映像データの映像の表示を指示する操作が操作受付部107に入力された場合、GUI処理部108は、当該操作に応じたモジュールの映像データを映像処理部105へ出力するよう切替部104に指示する。
【0017】
暗号処理部109は、無線通信部103が暗号化された映像データを受信する場合に、無線制御部110が決定した暗号鍵を用いて当該暗号化映像データを復号し、復号した映像データを切替部104に出力する。
【0018】
無線制御部110は無線通信部103による無線通信を制御する。無線制御部110は、コンピュータ300乃至500等の外部装置との無線通信を確立する場合、無線通信のセキュリティに関する設定を行う。当該設定において無線制御部110は、外部装置に対してパスキーを要求し、外部装置から送信されたパスキーを受信する。そして無線制御部110は、当該パスキーが自装置に設定されたパスキーと一致する場合、当該外部装置に対して自装置との無線通信の接続確立を許可する。このとき無線制御部110は、接続確立を許可した装置の識別子を格納部111に記憶させ、当該装置を登録済み装置として登録する。
【0019】
さらに無線制御部110は、所定の著作権保護方式に従った認証および鍵交換の処理を外部装置との間で実行し、映像データのストリームを暗号化させるための暗号鍵を決定する。そして無線制御部110は、決定した暗号鍵を暗号処理部109に出力する。
【0020】
なお表示装置100は、外部装置と無線通信する場合に上述のセキュリティ設定を毎回実行する。そして表示装置100は、例えば同時刻において複数の外部装置とのセキュリティ設定が完了している場合、どの外部装置が先にセキュリティ設定を完了したかについての順番待ち情報を格納部111に記憶しても良い。また表示装置100は、複数装置との無線接続を維持できる場合、無線接続が完了した順番についての順番待ち情報を記憶しても良い。
【0021】
次にコンピュータ300を説明する。コンピュータ300は、操作受付部301、無線制御部302、読込部303、映像処理部304、表示部305、暗号処理部306、無線通信部307等を備える。
【0022】
操作受付部301はユーザからの操作入力を受け付ける。ここで操作受付部301は、例えばコンピュータ300が表示中の映像の表示装置100への送信を指示する映像送信操作や、PINコード等のパスキーを入力する操作等を受け付ける。
【0023】
無線制御部302は、コンピュータ300による無線通信を制御する。無線制御部302は、操作受付部301が映像送信操作を受けると、無線通信部307から表示装置100に対して接続要求を送信させる。なお当該接続要求はコンピュータ300の識別子を含む。なお無線制御部302は、表示装置100からの探索信号を受信した場合にも、表示装置100に自装置の識別子を含む信号を送信する。そして無線制御部302は、接続要求に対してパスキーを要求する応答を受けると、操作受付部301に入力されたパスキーを送信する。なお無線制御部302は、操作受付部301に入力されたパスキーを図示しないメモリに記憶させ、パスキー要求を受けた場合には記憶されたパスキーを送信する。
【0024】
また無線制御部302は、表示装置100に対してパスキーを送信すると、表示装置100から、当該表示装置100との無線通信に用いられる暗号鍵を受信する。そして無線制御部302は、当該暗号鍵を用いて表示装置100との無線通信の接続を確立する。なお表示装置100は、無線通信の暗号鍵を図示しないメモリに記憶させ、次に表示装置100と接続する際にはパスキー送信を省略し、記憶した無線通信の暗号鍵を用いて無線通信を接続してもよい。
【0025】
また無線制御部302は、著作権保護コンテンツの映像データを送信する場合、当該映像データの送信前に、所定の著作権保護方式に従った認証および鍵交換の処理を表示装置100との間で実行させる。そして無線制御部302は、映像データのストリームを暗号化させるための暗号鍵を決定し、決定した暗号鍵を暗号処理部306に出力する。
【0026】
読込部303は、光学ディスクは可搬性メモリ等に記憶されたコンテンツの映像データを読み込む。映像処理部304は、読み込まれた映像データをデコードしたのち映像信号に変換し、表示部305に出力する。そして表示部305は、入力された映像信号を用いて映像を表示する。
【0027】
また映像処理部304は、操作受付部301が映像送信操作を受けた場合には、読込部303で読み込まれた映像データを無線通信部307に出力する。なおこのとき映像処理部304は、読み込まれた映像データが著作権保護された映像データである場合、当該映像データを暗号処理部306に出力する。
【0028】
暗号処理部306は、映像処理部304から入力された映像データを、無線制御部302から入力された暗号鍵を用いて暗号化し、暗号化したデータを無線通信部307に出力する。そして無線通信部307は、表示装置100との無線通信を実行し、映像処理部304又は暗号処理部306から入力された映像データを表示装置100に送信する。
【0029】
図3(A)は、表示装置100が生成する切替画面の例を示す図である。ここで、画面P10には、表示装置100が表示中の映像ソースと選択可能な映像ソースとを示す画像P11が配置される。そして画像P11には、受信部101が受信した放送番組の映像を表示させるための画像P12、HDMI入力部102に入力された映像を表示させるための画像P13及びP14、無線通信部103が受信した映像を表示させるための画像P15が表示される。また画像P11には、現在表示中の映像のソースを示すカーソル画像P16と、映像ソースを切り替える場合の切替先を選択するためのカーソル画像P17とが表示される。
【0030】
さらに、表示装置100が無線通信部103の通信相手となる外部通信装置を探索中の場合には、探索中の旨を示す画像P18が表示される。なお、表示装置100は、例えば一定期間毎やユーザから外部通信機器の探索を指示する操作を受けた場合に探索を実行する。
【0031】
図3(B)は、無線通信部103が受信した映像を表示させるための画像の表示態様例を示す。表示装置100は、無線通信部103が、表示装置100に映像を送信可能な通信相手を発見(検出)していない場合には画像P21を、当該通信相手を発見している場合には画像P22を表示する。なお、通信相手を発見した場合とは、例えば表示装置100が周囲の装置に対して探索信号を無線送信して当該探索信号に対する応答信号を受信した場合や、あるいは外部装置から接続要求を受けた場合等である。そして表示装置100は、当該応答信号や接続要求に含まれる外部装置の装置識別子が、格納部111に格納された登録済み装置の識別子と一致するか否かを判別することにより、発見された装置が登録済み装置であるか否かを判別する。
【0032】
表示装置100は、通信相手を発見した場合に、当該通信相手の装置名を取得して画像P23のような表示形態で示しても良い。そして画像P23には、発見した装置と表示装置100との関係を示す画像P23乃至P26が含まれていても良い。ここで画像P24は、当該画像に対応する装置が表示装置100と接続したことがないことを示す。即ち、表示装置100に対してパスキーを送信しておらず、格納部111に登録済み装置として登録されていない装置については画像P24が表示される。画像P25は、以前に表示装置100と接続したことがあるが現段階において無線接続が確立していないことを示す。そして画像P26は、現在表示装置100と無線接続されていることを示す。
【0033】
なお画像P23には、発見された装置と表示装置100との間で所定の著作権保護方式に従った鍵交換処理が完了しているか否かを示す画像を表示しても良いし、また、発見された装置が所定の著作権保護方式に対応しているか否かを示す画像を表示しても良い。
【0034】
図3(C)乃至(E)は、表示装置100が外部装置を発見した場合に表示する画像の例を示す。図3(C)の例では、図3(A)の画像P15の側方に、発見された装置の一覧P31が表示され、夫々の装置について、表示装置100との関係を示す画像が表示される。そして図3(D)及び(E)の例では、図3(A)の画像P15の位置に重畳する形態で、発見された装置の一覧P32やP33が表示される。なお一覧P31乃至P33を表示するタイミングとしては、無線装置が発見されたタイミングでも良いし、あるいは無線装置が発見された後、カーソル画像P17により画像P15が選択されたタイミングでも良い。
【0035】
図4は、表示装置100が生成するパスキー表示画面の他の例を示す図である。図4(A)は、図3で示したような切替画面においてパスキーを表示する場合の画面構成例を示す。表示装置100は、当該表示装置100と接続したことがない装置を発見すると、画面P40を表示する。当該画面P40においては、パスキー通知画像P41が表示される。そして当該画像P41には、パスキーを示す画像とパスキーの入力を促す画像が表示される。なおパスキー通知画像P41の表示タイミングとしては、表示装置100と接続したことがない装置が発見されたタイミングや、表示装置100と接続したことがない装置を示す画像の位置にカーソル画像P17が移動したタイミング等が挙げられる。
【0036】
図4(B)は、表示装置100と接続したことがない装置を映像のソースとして選択した場合に表示されるパスキー表示画面例を示す。表示装置100は、格納部111に登録されていない装置を映像ソースとして選択した場合、当該装置と自装置との接続を許可していないため、当該装置の画面を表示せず画面P50を表示する。画面P50においては、ソースとして選択している装置を示す画像P51と、パスキー通知画像P52とが表示される。
【0037】
図5は表示装置100による映像ソースの切替処理例を示す。まず、表示装置100とコンピュータ300との無線接続が確立・維持されており、コンピュータ300からの映像を表示装置100が受信・表示しているとする(図5(A))。そしてコンピュータ300の映像を表示装置100が受信している場合に、コンピュータ400及び500からの接続要求を受けると、表示装置100はこれら装置との接続設定を完了させ、夫々の装置を当該設定が完了した順で順番待ち装置として登録する(図5(B))。なおここで接続設定とは、例えば上述したパスキーの送受信から無線通信の許可に係る処理を指すが、所定著作権保護方式に従った鍵交換処理を含んでいても良い。
【0038】
また表示装置100は、複数の装置との無線接続を維持できる場合、夫々の装置との接続設定の完了の後に無線接続を確立させて、これら装置を順番待ち装置として登録させても良い。言い換えると、表示装置100は、順番待ちとして登録する装置との接続設定を完了させた後、無線接続を維持しても良いし維持しなくとも良い。
【0039】
次にコンピュータ300が表示装置100に対する映像送信を停止して無線接続を切断すると(図5(C))、表示装置100は、順番待ちの先頭として登録されているコンピュータ400からの映像を受信・表示する。なお表示装置100は、コンピュータ300から映像を受信していた場合にコンピュータ400との接続を維持していなかった場合には、順番待ち登録時に完了した接続設定の内容を用いてコンピュータ400との無線接続を確立する。また表示装置100は、コンピュータ300との接続を切断する場合に当該コンピュータ300の接続設定を記憶し、再度コンピュータ300と接続する場合に当該接続設定を利用して接続確立しても良い。
【0040】
また表示装置100は、順番待ちとして登録する装置の数に上限を設けても良い。更に表示装置100は、接続設定を行う順番について優先度を設定しても良い。例えば、表示装置100が外部装置を探索した際に、装置A乃至装置Dを装置Aから装置Dの順番で発見したとする。ここで、順番待ち装置の数の上限を3としていた場合、表示装置100は装置Dとの接続設定を実行しない。また、装置Cの接続設定の優先度を他の装置よりも高く設定していた場合には、現在接続設定を実行中の装置との接続設定を中断して装置Cとの接続設定を実行する。現在接続設定を実行中の装置との接続設定が完了してから、接続設定未処理の他の装置よりも先に装置Cとの接続設定を実行する。そして表示装置100は、発見した装置を、装置C、装置A、装置Bの順番で順番待ちに登録する。
【0041】
また表示装置100は、著作権保護に係る鍵交換・鍵生成処理を実行して順番待ち登録させる装置の数に上限を設けても良い。例えばHDCP規格においては、一般的なシンク機器は1つの鍵しか保持していない場合が多い。ここで、鍵が1つしかない場合に多数のソース機器と鍵認証しようとすると、当該鍵認証の処理が複雑化して処理負荷が高くなる恐れがあるが。そこで表示装置100は、鍵認証する装置数に上限を設けて、鍵認証処理の処理負荷を抑えるようにしてもよい。
【0042】
即ち、表示装置100は、例えば4台までは無線通信の許可に係る処理を実行した後に順番待ち装置として登録するが、著作権保護処理については、これら4台のうち例えば2台までしか実行しないようにしても良い。言い換えると表示装置100は、順番待ち登録させる4台の装置のうち、2台については無線通信の許可に係る処理と著作権保護処理との両方を実行して登録し、他の2台については無線通信の許可に係る処理を実行し著作権保護処理を実行せずに登録する。
【0043】
更に表示装置100は、著作権保護処理を実行する順番について優先度を設けても良い。即ち、例えば表示装置100による外部装置探索時に、著作権保護に対応した装置を複数発見した場合、高い優先度を設定した装置との著作権保護処理を先に実行するようにしてもよい。また表示装置100は、鍵認証されている装置の数が設定上限に達している場合に、新たな装置を発見し(あるいは新たな装置から接続要求を受け)、当該新たな装置の鍵認証の優先度が高く設定されている場合、現在鍵認証している装置との鍵認証状態を解除して、当該新たな装置と鍵認証を行う。
【0044】
次に図6を参照して、表示装置100による映像受信に係る処理フロー例を説明する。図6(A)のフローにおいて、まず無線制御部110は、予め設定された一定期間が経過した場合及び又は外部機器の探索を指示するユーザ操作を受けた場合(S601のYes)、探索信号を送信して外部装置を探索する(S602)。そして、外部装置を発見した場合(S603のYes)、即ち探索信号に対する応答信号を受信した場合、無線制御部110は、当該探索信号に含まれる装置の識別子が格納部111に記憶された登録済み装置の識別子に一致するか否か判別する。なお、外部装置から接続要求を受けた場合もS603のYesに該当する。即ち無線制御部110は、接続要求を受けた場合には当該接続要求に含まれる装置識別子により、外部装置が登録済み装置であるか否か判別する。
【0045】
そして発見された装置が登録済み装置であった場合、無線制御部110は、応答信号を送信した装置と無線セキュリティ処理を実行する(S604)。当該処理において無線制御部110は、外部装置に対してパスキーの送信を要求し、当該要求に対して送信されるパスキーを受信する。そして受信したパスキーが自装置に設定されたパスキーと一致する場合、無線制御部110は当該外部装置に無線通信の暗号鍵を送信し、当該外部装置と自装置との無線接続を許可する。あるいは、登録済み装置に対しては既に無線通信の暗号鍵が送信されているため、無線制御部110はS604の処理においてパスキー要求とパスキー受信と無線暗号鍵の送信を省略し、外部装置に通信を許可してもよい。
【0046】
続いて無線制御部110は、当該外部装置と、所定の著作権保護方式に従った鍵交換を実行してコンテンツ保護に用いられる暗号鍵を生成する(S605)。なお無線制御部110は、外部装置が所定の著作権保護方式での映像の無線送信に対応している場合にS605の処理を実行し、当該外部装置が当該著作権保護方式に対応していない場合はS605の処理を実行しないようにしても良い。そして無線制御部110は、無線セキュリティ処理や著作権保護処理が完了した装置を、順番待ち装置として格納部111に登録させる(S606)。
【0047】
次に表示装置100は、切替画面の表示を指示する操作入力を受けると(S607のYes)、図3や図4(A)に示したような切替画面を生成・表示する(S608)。そして、映像ソースを外部の無線装置に切り替える選択操作を受け付けた場合であって(S609)、当該操作が選択した装置が過去に接続された外部装置(登録済み装置)である場合(S610)、表示装置100は当該外部装置に映像送信許可を送信し、S604及びS605での設定を用いて映像を受信する(S611)。そして表示装置100は受信した映像を表示部106に出力する(S612)。なお表示装置100は、外部装置から送信された映像が暗号化された著作権保護コンテンツの映像である場合、S605にて生成した暗号鍵を用いて当該映像を復号する。
【0048】
一方S610において選択操作が指定した外部装置が、以前に接続されたことのある装置ではない場合(S610のNo)、表示装置100は図4(A)のような画面によりパスキーを表示する(S613)。そして、当該外部装置から送信されたパスキーを受信すると(S614のYes)、無線制御部110は、S604及びS605と同様に接続設定を実行し(S615)、外部装置から映像を受信する(S611)。
【0049】
図6(B)は、図6(A)のS611における他の処理例を示す図である。表示装置100が、外部装置から映像を無線により受信している場合に、当該外部装置又は表示装置100へのユーザ操作入力により無線接続が切断されると(S650)、表示装置100は、順番待ちとして登録された装置のうち先頭の装置に対して映像送信の許可を送信する(S651)。そして、S604及びS605にて設定された設定内容を用いて、当該許可を受けた装置から映像を受信する(S651)。
【0050】
次に図7を参照して、コンピュータ300による映像送信に係る処理フローを説明する。なおコンピュータ400及び500の処理フローはコンピュータ300と同様である。
【0051】
図7(A)はコンピュータ300による映像送信の処理フロー例を示す。無線制御部302は、表示装置100からの探索信号を受信すると(S701)、自装置の装置識別子を含む応答信号を表示装置100宛に送信する(S702)。そして無線制御部302は、表示装置100との無線通信の暗号鍵を以前に取得しており、当該暗号鍵を記憶している場合(S703のYes)、当該暗号鍵を表示装置100に送信して無線セキュリティ処理を実行する(S705)。そして当該セキュリティ処理において、表示装置100との無線通信が許可されると、続いて無線制御部302は所定の著作権保護方式に従って鍵交換を実行し、暗号鍵を生成する(S706)。
【0052】
そしてコンピュータ300は、表示装置100から映像送信許可を受信するまで待機し、映像送信許可を受信すると(S707のYes)、表示装置100に映像を送信する(S708)。なおここで送信される映像は、例えばコンピュータ300が自装置の表示画面に表示している映像等である。またコンピュータ300は著作権保護されたコンテンツの映像を送信する場合には、S706で生成した暗号鍵を用いてコンテンツを暗号化し、暗号化した映像を送信する。そして、表示装置100又はコンピュータ300に対するユーザ操作により、コンピュータ300と表示装置100との無線接続が切断されると、当処理フローは完了する。
【0053】
一方S703において、過去に無線通信の暗号鍵を取得していない場合(S703のNo)、コンピュータ300は、例えば表示装置100においてコンピュータ300が映像ソースとして選択されて図4のような画面が表示されると、ユーザによるパスキーの入力操作やパスキーを撮像した撮像装置から入力されるデータ等からパスキーを取得する(S710)。そしてコンピュータ300は、当該パスキーを表示装置100に送信し、表示装置100から無線通信の暗号鍵を受信(取得)し、当該無線通信暗号鍵を用いてS705と同様の接続セキュリティ処理を実行する(S711)。続いて無線制御部302はS706と同様に所定の著作権保護方式に従って鍵交換を実行し、暗号鍵を生成する(S712)。
【0054】
図7(B)は、コンピュータ300による映像送信に係る他の処理フロー例を示す。なお、図7(A)のフローでは表示装置100からの探索信号に応答して接続設定が開始されたが、本フローでは自装置から表示装置100への接続要求により接続設定が開始される。
【0055】
まずコンピュータ300は、例えばユーザから映像を表示装置100へ無線送信するよう指示する操作入力を受けると、表示装置100に自装置の識別子を含む接続要求を表示装置100宛に送信する。次にコンピュータ300は、表示装置100にパスキーを送信して無線通信の許可を受け(S752)、暗号鍵を交換して暗号鍵を生成する(S753)。そしてコンピュータ300は、表示装置100からの映像送信許可を受信すると(S754)、表示装置100に映像を送信する(S755)。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、表示装置100は、外部表示装置に映像を出力して表示させる装置であっても良い。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0057】
100…表示装置、101…受信部、102…HDMI入力部、103…無線通信部、104…切替部、105…映像処理部、106…表示部、107…操作受付部、108…GUI処理部、109…暗号処理部、110…無線制御部、111…格納部、200…リモートコントローラ、300…コンピュータ、301…操作受付部、302…無線制御部、303…読込部、304…映像処理部、305…表示部、306…無線通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の無線装置を探索する探索手段と、
前記探索により発見された外部の無線装置から、自装置との無線通信を許可するための許可情報を受信する受信手段と、
前記許可情報により認証した無線装置と無線接続を確立する接続手段と、
認証済みの無線装置を登録する登録手段と、
有線インタフェースに対応する選択可能な第1の画像と、前記発見された無線装置に対応する選択可能な第2の画像とを共に表示画面に表示させる表示制御手段であって、前記第2の画像を、前記登録手段に登録されているか否かを区別した表示形態で、前記表示画面に表示させる表示制御手段と、
前記表示させた無線装置に対応する第2の画像を指定する選択操作を受け付ける受付手段と、
前記選択操作によって指定された第2の画像に対応する無線装置との映像伝送に関する処理を、前記無線接続を用いて実行する通信手段と、
を備える無線装置。
【請求項2】
前記選択操作の前に、前記発見された無線装置と所定の著作権保護方式に従って暗号鍵を交換して暗号鍵を生成する暗号鍵処理を実行する暗号鍵処理手段を更に備え、
前記通信手段は、前記暗号鍵により暗号化された映像を、前記指定された第2の画像に対応する無線装置から受信し、
前記受信された映像を、生成された前記暗号鍵を用いて復号して前記表示画面に表示させる手段をさらに備える、請求項1記載の無線装置。
【請求項3】
前記許可情報により認証した無線装置を、前記許可情報により認証した順番又は前記無線接続が確立された順番に応じて順番待ち登録する順番待ち登録手段を更に備え、
前記通信手段は、ある無線装置から映像を受信している場合に当該無線装置との無線接続が切断されると、前記順番待ち登録の登録順に応じた無線装置から映像を受信する、請求項1記載の無線装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記発見された無線装置に対応する第2の画像を指定するためのカーソル画像を前記表示画面に表示させ、当該カーソル画像が前記表示画面上の、前記登録手段に登録されていない無線装置に対応する第2の画像の位置にある場合、前記許可情報を前記表示画面に表示させる、請求項1記載の無線装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記暗号鍵処理を実行したか否かに関する暗号鍵情報を前記表示画面に表示させる、請求項2記載の無線装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記発見された無線装置が前記所定の著作権保護方式による映像の無線送信に対応しているか否かに関する対応情報を前記表示画面に表示させる、請求項2記載の無線装置。
【請求項7】
前記暗号鍵処理手段は、前記所定の著作権保護方式に対応した複数の無線装置のうち、所定数までの装置と前記暗号鍵処理を実行する、請求項2記載の無線装置。
【請求項8】
前記暗号鍵処理手段は、前記所定数までの無線装置と前記暗号鍵処理を実行している場合に所定の無線装置との前記無線接続が確立されると、当該所定の無線装置と前記暗号鍵処理を実行する、請求項6記載の無線装置。
【請求項9】
外部の無線装置を探索するステップと、
前記探索により発見された外部の無線装置から、自装置との無線通信を許可するための許可情報を受信するステップと、
前記許可情報により認証した無線装置と無線接続を確立するステップと、
認証済みの無線装置を登録するステップと、
有線インタフェースに対応する選択可能な第1の画像と、前記発見された無線装置に対応する選択可能な第2の画像とを共に表示画面に表示させるステップであって、前記第2の画像を、前記認証済みの無線装置として登録されているか否かを区別した表示形態で、前記表示画面に表示させるステップと、
前記表示させた無線装置に対応する第2の画像を指定する選択操作を受け付けるステップと、
前記選択操作によって指定された第2の画像に対応する無線装置との映像伝送に関する処理を、前記無線接続を用いて実行するステップと、
を有する映像受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−81182(P2013−81182A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−239325(P2012−239325)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2011−218692(P2011−218692)の分割
【原出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】