説明

無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法及びそのシステム

【課題】ユーザーによるタッチ装置を操作するマンマシンインタフェースの操作性への要求を満たすことができる、無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法及びそのシステムを提供すること。
【解決手段】本発明は、無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法を提供する。当該スタイラスの無線送受信方法において、ユーザーが、スタイラスを用いてタッチ装置のタッチパネルにおけるデータ表示領域を選択するためにタッチした場合、スタイラスが、前記タッチにより選択されたデータ表示領域に対応して前記タッチ装置により読み出された少なくとも一つのデータを無線で受信するステップと、スタイラスが、前記データを記憶するステップと、を含む。これにより、スタイラスはユーザーによるタッチ操作によってタッチ装置のデータを受信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンマシンインタフェースに関し、特に無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法及びそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチ技術の進歩に伴い、スマートフォンやタッチパッド(touchpad)などのタッチ装置はほとんどタッチ方式で制御するようになっている。従来のキーボードとマウスで制御する操作方式は概ねタッチ方式で制御する操作方式に変更されてきている。タッチ方式で制御する操作方式はスマートでより直感的なマンマシンインタフェースである上に、タッチ装置におけるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)と組み合わせることによりカーソル機能や文字入力機能を奏することができる。これにより、たとえタッチ装置の操作原理や操作方法に未熟なユーザーでも、操作方法を容易に学ぶことができる。
【0003】
上述したように、マンマシンインタフェースは、ヒューマニゼーション及び人間の感覚を利用する方向へ発展している。また、ユーザーのニーズに応じて、タッチ方式が人間の指でタッチしたりスタイラスでタッチしたりすることができるように、タッチするものによりタッチ機能を有するタッチパネルのタッチ感度が異なるようにしてもよい。例えば、銀行の自動現金支払機のタッチパネルである場合、人間の指でパネルを直接にタッチして操作できる。一方、タブレットコンピューターやスマートフォンにおける手書き文字識別機能若しくは手書き画像識別機能を使用する場合、ユーザーがスタイラスでより確実な入力を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザーが無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスを使用して、無線通信機能を有するプラットフォームである複数の情報機器の間でデータのアクセスやデータの転送を行うことができるように、より直感的なマンマシンインタフェースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法を提供する。スタイラスの無線送受信方法において、スタイラスによりタッチ装置のタッチパネルにおけるデータ表示領域を選択するためのタッチがされた場合、スタイラスが、前記タッチにより選択されたデータ表示領域に応じて読み出された少なくとも一つのデータを無線で受信するステップと、スタイラスが、前記データを記憶するステップと、を含む。
【0006】
本発明は、タッチ装置とスタイラスを含むタッチシステムを提供する。タッチ装置はタッチパネルを有する。スタイラスは無線通信モジュールと記憶ユニットを含む。無線通信モジュールは、無線データ通信チャネルを介してタッチ装置からのデータを受信する。記憶ユニットは前記データを記憶する。タッチ装置は、スタイラスによるタッチ操作に応じて、データを無線データ通信チャネルを介してスタイラスへ送信する。
【発明の効果】
【0007】
上述したように、本発明に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法及びそのシステムによれば、スタイラスはユーザーによるタッチ操作によってタッチ装置からのデータを受信することができる。これにより、ユーザーはスタイラスを使用してタッチ装置を操作する時、より直感的にスタイラスを使用してデータの伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】本発明の第1の実施例に係るタッチシステムのブロック模式図を示すものである。
【図1B】本発明の第1の実施例に係るタッチシステムの模式図を示すものである。
【図1C】本発明の第1の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【図2】本発明の第1の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【図3】本発明の第2の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【図4】本発明の第3の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【図5A】本発明の第4の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【図5B】本発明の第3の実施例に係るタッチシステムの模式図を示すものである。
【図6】本発明の第5の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【図7】本発明の第6の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【図8】本発明の第7の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【図9】本発明の第8の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【図10】本発明の第9の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施例)
本発明はより直感的なマンマシンインタフェースを提供することによってユーザーが複数の情報機器を使用する時、複数の情報機器の間でより有効で直感的にデータを共用したりメディア情報を操作したりすることができることを容易に理解できるように、本実施例において、先ず無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法及びそのシステムについて簡単に説明する。情報機器は、例えばコンピューター、携帯電話、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、タブレットコンピューター、ノートパソコン、スマート家電などの無線通信機能を有する装置である。また、本発明によれば、音声通信機能を有するタブレットコンピューターによる音声通信の利便性を向上することができる。
【0010】
図1Aと図1Bを参照しながら説明する。図1Aは本発明の第1の実施例に係るタッチシステムのブロック模式図を示すものである。図1Bは本発明の第1の実施例に係るタッチシステムの模式図を示すものである。タッチシステム1は、タッチ装置10と、無線送受信機能を有するスタイラス11からなる。スタイラス11は、表示ユニット111、切換器112、マイクロコントローラーユニット(Micro Control Unit、以下MCUという)113、無線通信モジュール114及び記憶ユニット115を含む。
【0011】
タッチ装置10における処理ユニット10bは、データを表示するようにタッチパネル(即ち、タッチスクリーン)10aを制御する。タッチ装置10は、タッチパネル10aに対するユーザーの操作に応じてデータを演算処理することもできる。また、タッチ装置10は、スタイラス11と通信するように無線通信モジュール10cを制御することができる。
【0012】
スタイラス11における無線通信モジュール114は、タッチ装置10と通信するようにMCU113で制御される。MCU113は、記憶ユニット115に記憶されているデータ若しくは無線通信モジュール114が受信したデータを表示するように表示ユニット111を制御することができる。記憶ユニット115は、無線通信モジュール114が受信したデータを記憶するようにMCU113で制御される。MCU113は切換器112で制御される。これにより、ユーザーは切換器112を操作することによってMCU113を制御することができる。例えば、ユーザーは切換器112を操作することによって表示ユニット111に表示されているデータを調整することができる。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
図1Bに示すように、タッチシステム1は、タッチ装置10と、無線送受信機能を有するスタイラス11と、を含む。タッチ装置10はタッチパネル10aを含む。タッチパネル10aにはスタイラス11とタッチ装置10の間の無線通信を行うための通信ソフト(図示せず)のユーザーインタフェース(UI)が表示される。ユーザーインタフェースはユーザーにタッチされるためのものである。通信ソフトは、タッチ装置10にインストールされたアプリケーションプログラムである。タッチ装置10は、コンピューター、携帯電話、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、タブレットコンピューター、ノートパソコンなどのタッチ機能と無線通信機能を有する装置や電子機器であってもよい。
【0014】
また、図1Bに示すように、タッチパネル10aにはデータ表示領域101〜104と機能画像105、106が表示される。データ表示領域101〜104には、例えば時間、電話帳、音楽の曲名などの情報が表示される。機能画像105、106は、ユーザーに無線送受信機能を有するスタイラス11を介してタッチさせることによって機能画像105、106に対応するソフトウェア若しくはハードウェアを起動させるためのものである。例えば、図1Bに示す機能画像105は、タッチ装置10におけるソフトウェアに、無線送受信機能を有するスタイラス11からのデータを無線受信させるためのものであり、図1Bに示す機能画像106は、タッチ装置10におけるソフトウェアに、データを無線送受信機能を有するスタイラス11へ無線送信させるためのものである。
【0015】
また、図1Bに示すように、無線送受信機能を有するスタイラス11は、表示ユニット111、切換器112、無線通信モジュール(同図では図示せず)及び記憶ユニット(同図では図示せず)を含む。一般的に、スタイラス11はペンヘッド状を呈するタッチ部を有する。ペンヘッド状を呈するタッチ部の設計方法は、スタイラスが用いられるタッチ装置(容量式、抵抗式又はインダクタンス式タッチ装置)によって異なるが、当業者が推測できるものであるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0016】
表示ユニット111は、無線送受信機能を有するスタイラス11が無線通信モジュールによって送受信したデータを表示するためのものである。表示ユニット111は、例えば液晶ディスプレー、電子ペーパーなどであってもよい。切換器112は、電子式のスイッチ若しくは機械式のスイッチであってもよい。例えば、切換器112は、押ボタン、ローラー、スライドスイッチ又はその他の電子式のスイッチであってもよい。また、図1Bに示す切換器112は例示に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、切換器112は異なるタイプのスイッチを複数備えるようにしてもよい。また、無線送受信機能を有するスタイラス11は異なる機能の切換器112を複数備えるようにしてもよい。
【0017】
スタイラス11における無線通信モジュールは、データを無線で送受信するためのものであり、例えばタッチ装置10からのデータを受信したり、データをタッチ装置10へ送信したりすることができる。記憶ユニットは、タッチ装置10からのデータを記憶したり、タッチ装置10又は無線通信機能を有するその他の装置へ送信するデータを記憶したりするためのものである。
【0018】
図1A〜図1Cを参照しながら説明する。図1Cは本発明の第1の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。ユーザーが無線送受信機能を有するスタイラス11を使用してデータの記憶やデータの転送を行うという概念が図1Cに示すフローチャートに示される。先ず、ステップS11において、ユーザーがスタイラス11を用いたタッチ入力により、タッチ装置10に示すデータを押圧又は手書きすることで、タッチ装置10に表示されたデータが選択される。例えばユーザーは、スタイラス11によりタッチ装置10におけるデータ表示領域103を押圧する。
【0019】
ステップS12において、スタイラス11を用いたタッチ入力により、タッチ装置10における通信ソフトウェアが起動する。ステップS12における通信ソフトウェアを起動するための動作としては、ユーザーがスタイラス11によりユーザーインタフェースにより表示される押ボタンを押圧する動作であってもよく、ユーザーがスタイラス11によりユーザーインタフェースに対して行う手書きのジェスチャー(gesture)動作であってもよい。通信ソフトウェアは、ユーザーインタフェースを表示したり、スタイラス11とタッチ装置10の間の通信を制御したりするためのものである。また、ユーザーインタフェースは、例えば図1Bに示すデータ表示領域101〜104と機能画像105、106であってもよい。
【0020】
ステップS13において、通信ソフトウェアは、スタイラス11による起動動作を検知した後、選択されたデータグループに対してデータの読み出しを行う。言い換えれば、通信ソフトウェアはステップS12で起動された後、ステップS11で選択されたデータを読み出す。また、ステップS13の前のステップS11、S12の順序を変更することができる。言い換えれば、ユーザーは、スタイラス11を利用して通信ソフトウェアを起動してから(ステップS12)、データを選択する(ステップS11)ことができる。ステップS11、S12によれば、当業者は、通信ソフトウェアの実行プロセスを容易に設計することができ、またタッチ装置10自体のオペレーティングシステムソフトウェアやプラットフォームを結合することによって通信ソフトウェアにステップS13を実行させることができる。
【0021】
ステップS14において、通信ソフトウェアは、タッチ装置10における無線通信モジュール10cによって応答コマンド又はデータを送信する。応答コマンド又はデータは、例えば下記(1)〜(5)を実行するためのものである。(1)スタイラス11の切換器112の機能を更新したりスタイラス11のファームウェアを更新したりする。(2)スタイラス11とタッチ装置10のアドレス帳や電話帳を一致(同期)させる。(3)スタイラス11に応答コマンド又はデータを無線通信機能を有するその他の装置(例えばスマート家電など)へ転送させる。(4)スタイラス11(における表示ユニット111)にデータを表示させたり、スタイラス11に表示すべきデータを無線通信機能を有するその他の装置(例えば携帯電話など)へ転送すると共に、無線通信機能を有する当該その他の装置に表示すべきデータを表示させたりする。(5)スタイラス11にタッチ装置10からの音声ストリーミング(例えば3G音声など)を受信させる。なお、応答コマンド又はデータはこれに限定されるものではない。
【0022】
ステップS15において、スタイラス11は通信ソフトウェアからの応答コマンド又はデータを受信する。言い換えれば、スタイラス11における無線通信モジュール114は、ステップS14でタッチ装置10が送信した応答コマンド又はデータを受信する。応答コマンドは、スタイラス11の切換器112の押ボタンを更新するためのコマンド、スタイラス11のフォームウェアを更新するためのコマンド、スタイラス11とタッチ装置10のアドレス帳や電話帳を一致(同期)させるためのコマンド、データを転送するためのコマンド、データを表示するためのコマンド、又は音声通信を切り換えるためのコマンドなどを含んでもよい。
【0023】
ステップS16において、スタイラス11は、応答コマンド又はデータ及びスタイラス11に内蔵される通信路テーブルに基づいて、データを記憶するか、データを無線通信機能を有するその他の装置へ伝送又は転送するかを決める。例えば、スタイラス11がデータを記憶してある場合、ユーザーはスタイラス11の切換器112を押すことによってスタイラス11にデータを無線通信機能を有するその他の装置へ転送させる。通信路テーブルは、スタイラス11が無線通信機能を有するあらゆる装置と無線データ通信チャネルを確立後に生成された、通信する際に必要な情報である。スタイラス11が無線通信機能を有するその他の装置と再び通信してデータを伝送する場合、スタイラス11は通信路テーブルのデータに基づいて無線伝送を実行する。通信路テーブルの実施例は当業者が推測できるものであるため、ここでは詳しい説明を省略する。また、以降の実施例はいずれも上述のステップS11〜ステップS16に開示された主な概念から派生する、異なる操作プロセスである。
【0024】
図1A、図1B、図2を参照しながら説明する。図1Aと図1Bに示すタッチシステムに基づいて、本実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法を説明する。本発明に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法は下記のステップを含む。ステップS21において、無線送受信機能を有するスタイラス11(以下、スタイラス11という)とタッチ装置10の間に無線データ通信チャネルを確立する。タッチ装置10とスタイラス11は同じ無線通信標準規格に則った無線送受信モジュールを使用してもよい。無線送受信モジュールが使用する無線データ通信チャネルは、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標)、ワイヤレス・フィディリティー(WiFi)、又はジグビー(Zigbee(登録商標)などの無線通信標準規格が使用するチャネルであってもよい。
【0025】
ステップS22において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置10のタッチパネル10aをタッチすることによって、タッチ装置10に表示されるデータ表示領域103が選択される。ステップS22において、スタイラス11を用いてタッチパネル10aをタッチする方式は、スタイラス11を用いてタッチパネル10aに表示されているデータ表示領域103を押圧したり手書きしたりすることであってもよい。
【0026】
ステップS23において、ユーザーが、スタイラス11によりタッチ装置10のタッチパネル10aをタッチすることによってタッチ装置10のソフトウェアが起動する。言い換えれば、ステップS23において、ユーザーがスタイラス11によりタッチパネル10aをタッチする方式は、スタイラス11でタッチパネル10aを押圧する動作であってもよく、スタイラス11でタッチパネル10aに対して行う手書きのジェスチャー(gesture)動作であってもよく、その他のタッチ動作であってもよい。ここで、ソフトウェアは図1CのステップS11〜ステップS16における通信ソフトウェア(以下、ソフトウェアという)である。
【0027】
ステップS24において、ソフトウェアは、選択されたデータ表示領域103に対応するデータの読み出しやデータの解釈又は認識を行うことによって、少なくもと一つのデータを取得する。ステップS24の実現方法は、データ表示領域103が表示するデータによって異なる。以下、複数の例を挙げてステップS24の実現方法を説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。第1の例として、データ表示領域103の表示するものがセンテンス、言葉、ネットワークリンク(ハイパーリンク)又は画像(若しくは影像)である場合、ソフトウェアは、データ表示領域103におけるセンテンス、言葉、ネットワークリング又は画像(若しくは映像)を読み出して、読み出されたセンテンス、言葉、ネットワークリンク又は画像(若しくは映像)を少なくとも一つのデータに形成するようにしてもよい。第2の例として、データ表示領域103の表示するものがファイル又はフォルダーに関する画像などの解釈又は認識すべきデータを含む場合、ソフトウェアは、ファイル又はフォルダーに関する画像を解釈又は認識して、解釈又は認識したファイル又はフォルダーの内容(ファイル属性を含む可能性もある)を一つのデータとして生成するようにしてもよい。第3の例として、データ表示領域103の表示するものがアドレス帳や電話帳である場合、ソフトウェアは、アドレス帳や電話帳から、ユーザがメールを送信しようとする相手のアドレスや、ユーザーが電話を掛けようとする相手の番号を認識する。
【0028】
ステップS25において、ソフトウェアは、データを無線データ通信チャネルを介してスタイラス11へ送信する。ステップS25で送信するデータは、ステップS24で例示したファイル、センテンス、言葉、画像、影像又はネットワークリンクなどのものであってもよい。また、ソフトウェアは、タッチ装置10によって電話を掛けてスタイラス11にタッチ装置10からの音声ストリーミング(例えば3G音声など)を受信させる。また、ユーザーがスタイラス11を受話器として使用できるようにスタイラス11に音声ストリーミングを受信させる場合、スタイラス11は、マイクロフォンなどの音声入力ユニット(即ち集音ユニット)やイヤホンなどの音声出力ユニット(即ちスピーカーユニット)を更に含むようにしてもよい。
【0029】
ステップS26において、スタイラス11は、データを受信した後、受信したデータをスタイラス11における記憶ユニット(図示せず)に記憶したり、若しくは受信したデータをスタイラス11の表示ユニット111に表示したりする。スタイラス11における記憶ユニットは、レジスタ又は不揮発性メモリ(例えばキャッシュメモリなど)であってもよい。上述したステップS21〜ステップS26によれば、ユーザーは、スタイラス11を操作することによってタッチ装置10に表示されているデータを記憶したり、タッチ装置10に表示されているデータをスタイラス11の表示ユニット111に表示したりするように制御することができる。
【0030】
(第2の実施例)
図1Bと図3を参照しながら説明する。図3は本発明の第2の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。第2の実施例において、下記のステップを含む。ステップS31において、ユーザーが、無線送受信機能を有するスタイラス11(以下、スタイラス11という)を用いてタッチ装置10のタッチパネル10aをタッチすることによって、タッチ装置10に表示されているデータ表示領域103が選択される。ステップS32において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置10のタッチパネル10aをタッチすることによってタッチ装置10のソフトウェアが起動する。ステップS33において、ソフトウェアは、選択されたデータ表示領域103に対応するデータの読み出しやデータの解釈又は認識を行うことによって少なくとも一つのデータを取得する。ここで、データは、スタイラス11の切換器112の押ボタン機能テーブルであってもよく、第1の実施例のステップS24で説明したデータであってもよい。
【0031】
ステップS34において、スタイラス11とタッチ装置10の間に無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定する。ここで、無線データ通信チャネルは第1の実施例のステップS11で説明した無線データ通信チャネルであるため、その説明を省略する。ユーザーが前回(ステップS31をスタートする前に)スタイラス11でタッチ装置10を操作した際に無線データ通信チャネルが既に確立されている場合、新たな無線データ通信チャネルを確立する必要がないため、使用する通信チャネルの数を低減できると共に、通信プロセスを簡潔化することができる。言い換えれば、スタイラス11とタッチ装置10の間の通信は、前回確立された無線データ通信チャネル(又はデフォルト無線データ通信チャネル)を使用することができる。
【0032】
また、ステップS34において、データを送信する主体はタッチ装置10であるため、タッチ装置10のソフトウェアにより無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定するのは効率的である。例えば、タッチ装置10のソフトウェアがタッチ装置10とスタイラス11の間に無線データ通信チャネルを確立できていないと判定した場合、ソフトウェアは、タッチパネル10aに無線データ通信チャネルを確立するための提示画像を表示する。ユーザーは、スタイラス11の切換器112を切り換えることによってスタイラス11とタッチ装置10の間に無線データ通信チャネルを確立することができる。また、本発明はこれに限定されるものではなく、無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定する主体はスタイラス11であってもよい。例えば、ステップS33が完了した後、ユーザーがスタイラス11の切換器112を切り換えることによってスタイラス11にタッチ装置10と無線データ通信チャネルを主体的に確立できるようにしてもよい。また、この実施方式は当業者が推測できるものであるため、その説明を省略する。ステップS34が完了した後、スタイラス11とタッチ装置10の間に無線データ通信チャネルを確立する必要がある場合、ステップS35へ移行する。一方、必要がない場合、ステップS36へ移行する。
【0033】
ステップS35において、ソフトウェアは、スタイラス11とタッチ装置10の間に無線データ通信チャネル確立する。ステップS36において、ソフトウェアは、データを無線データ通信チャネルを介してスタイラス11へ送信する。
【0034】
ステップS37において、スタイラス11がデータを受信した後、無線データ通信チャネルをオフしてもよく、無線データ通信チャネルをオフしなくてもよい。無線データ通信チャネルをオフするか否かについて、ユーザーに設定させてもよく、データを送信するタッチ装置のソフトウェアにより設定してもよい。無線データ通信チャネルをオフする場合、無線データ通信チャネルが占用する無線帯域幅を節約したり、無線データ通信チャネルをオンする期間に必要な電力を節約したりすることができる。ステップS37によれば、スタイラス11とタッチ装置10の間の無線リンクの自由度を向上できる。
【0035】
ステップS38において、スタイラス11は、データを受信した後、受信したデータをスタイラス11における記憶ユニット(図1Bには図示せず)に記憶してもよく、受信したデータをスタイラス11の表示ユニット111に表示してもよく、受信したデータに応じてスタイラス11の少なくとも一つの切換器112の機能を変更してもよい。ステップS38と第1の実施例のステップS16との相違点は、ステップS38において、スタイラス11の切換器が有する機能を変更できることにある。言い換えれば、スタイラス11が受信したデータに応じて、スタイラス11は切換器112の機能を切り換えることによってスタイラス11の操作モードを変更することができる。また、データがスタイラス11の切換器112の押ボタン機能テーブルである場合、スタイラス11は、内蔵される押ボタン機能テーブル(即ち、記憶ユニット(図1Bには図示せず)に記憶される押ボタン機能テーブル)を更新することによって切換器112の機能を変更することができる。例えば、切換器112が有する押ボタンAは元々、それが1秒間で押され続けたら、スタイラス11からマウス左ボタンに対応する機能をタッチ装置10(タッチ装置10は例えばタッチ機能を有するコンピューターなどであってもよい)へ送信するという機能を有するが、ボタン機能テーブルが更新されたことによって、切換器112が有する押ボタンAの機能は、それが押されたら、スタイラス11からコマンドをタッチ装置10へ送信することでアプリケーションプログラム(例えばメディアプレーヤなど)を起動させるという機能に変更される。
【0036】
切換器112のタイプは、第1の実施例の説明と同様である。切換器112が有する機能は、例えば、表示ユニット111が表示するものを切り換えたり、スタイラス11とタッチ装置10の間に確立された無線データ通信チャネルを切り換えたりするということである。また、スタイラス11がスピーカ(図示せず)又はマイクロフォン(図示せず)を有する場合、切換器112はスピーカ又はマイクロフォンの音量を切り換えるようにしてもよい。
【0037】
また、スタイラス11の切換器112は、無線データ通信チャネルを介してタッチ装置10のアプリケーションプログラムを制御することによって、スタイラス11をタッチ装置10のリモコンとして使用するようにしてもよい。要するに、本発明は切換器112が有する機能を特に限定しない。
【0038】
(第3の実施例)
図1Bと図4を参照しながら説明する。図4は本発明の第3の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。ステップS41において、無線送受信機能を有するスタイラス11(以下、スタイラス11という)とタッチ装置10の間に無線データ通信チャネルを確立する。ステップS42において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置10のタッチパネルをタッチすることによって、タッチ装置10に表示されているデータ表示領域が選択される。ステップS43において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置10のタッチパネルをタッチすることによって、タッチ装置10のソフトウェアが起動する。ステップS44において、ソフトウェアは、選択されたデータ表示領域に対応するデータの読み出しやデータの解釈又は認識を行うことによって、少なくとも一つのデータを取得する。データは、スタイラス11のファームウェアであってもよく、スタイラス11又はタッチ装置10のアドレス帳又は電話帳であってもよく、第1の実施例のステップS24で説明したデータであってもよい。
【0039】
ステップS45において、ソフトウェアは、無線データ通信チャネルを介して、上記取得したデータに対応してスタイラス11に記憶されている一つの対応データを受信し、上記取得したデータと当該対応データとを照合すると共に、両者を一致(同期)させるように当該データを更新して、更新されたデータをタッチ装置10に記憶する。言い換えれば、データがスタイラス11のファームウェアである場合、スタイラス11のファームウェアが上述したステップにより更新される。また、データがアドレス帳又は電話帳である場合、スタイラス11とタッチ装置10のネットワーク情報が一致するように更新されるようにしてもよい。ネットワーク情報は、電話番号、メールアドレス、それらの対応するユーザー名などのデータを含むようにしてもよい。
【0040】
ステップS46において、スタイラス11がデータを受信した後、受信したデータをスタイラス11における記憶ユニット(図示せず)に記憶したり、若しくはスタイラス11の表示ユニット111にデータを表示したりする。また、ステップS46は第1の実施例のステップS26と同じようにしてもよいため、その説明を省略する。上述したステップS41〜ステップS46によれば、スタイラス11が記憶するデータはタッチ装置10が記憶するデータと一致することになるため、スタイラス11は最新のデータ(例えば、新たなファームウェア、アドレス帳、電話帳など)を記憶することができる。
【0041】
(第4の実施例)
図5Aと図5Bを参照しながら説明する。図5Aは本発明の第4の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。図5Bは本発明の第3の実施例に係るタッチシステムの模式図を示すものである。図5Aに示すスタイラスの無線送受信方法を説明する前に、本実施例に係るタッチシステムを説明する。図5Bに示すように、タッチシステム5は、タッチ装置51と、無線送受信機能を有するスタイラス11と、無線通信装置52〜54と、を含む。無線通信装置52〜54は、例えば携帯電話、コンピューター、スマートテレビなどのものであってもよい。タッチ装置51と無線通信装置52〜54のいれずもが無線送受信機能を有する。タッチ装置51の説明は第1の実施例のタッチ装置10の説明を参照してもよいため、その説明を省略する。
【0042】
図5Aと図5Bを参照しながら説明する。図5Aに示すスタイラス11の無線送受信方法は下記のステップを含む。ステップS51において、無線送受信機能を有するスタイラス11(以下、スタイラス11という)とタッチ装置51の間に第1の無線データ通信チャネルを確立すると共に、スタイラス11と無線通信装置52〜54のうちのいずれか一つとの間に第2の無線データ通信チャネルを確立する。
【0043】
ステップS52において、無線通信装置52〜54は、データを第2の無線データ通信チャネルを介してスタイラス11へ送信する。ステップS52は第1の実施例のステップS22〜ステップS25であってもよい。
【0044】
ステップS53において、スタイラス11は、スタイラス11の表示ユニット(図示せず)にデータを表示する必要があるか否かを判定する。スタイラス11がスタイラス11の表示ユニットにデータを表示する必要があるか否かについての判定は、ユーザーによるデフォルト設定、ユーザーによるリアルタイムの切り換え、又は当該データがスタイラス11とタッチ装置10のいずれに表示されるように設定されているかに基づくものである。例えば、スタイラス11がデータを受信した場合、ユーザーは、スタイラス11の切換器112のある押ボタンを操作するだけで、スタイラス11の表示ユニットに当該データを表示することができる。また、ユーザーは、スタイラス11の表示ユニットに当該データを表示しないようにスタイラス11の切換器112の他の押ボタンを押すことができる。また、データがスタイラス11とタッチ装置51のいずれかに表示されることが指定されていた場合、スタイラス11は、データの内容を表示したり、若しくはデータをタッチ装置51へ送信してタッチ装置51にデータを表示する。データをスタイラス11の表示ユニットに表示する場合、ステップS54へ移行する。データをスタイラス11の表示ユニットに表示しない場合、ステップS55へ移行する。
【0045】
ステップS54において、スタイラス11は、データをスタイラス11の表示ユニットに表示する。ステップS55において、スタイラス11は、データをタッチ装置51へ送信する。ステップS56において、タッチ装置51は、データを受信した後、受信したデータをタッチ装置51のタッチパネルに表示する。
【0046】
上述したステップS51〜ステップS56から分かるように、本実施例において、スタイラス11は、無線通信装置52〜54の少なくとも一つのデータをタッチ装置51へ送信したり、若しくはスタイラス11の表示ユニットに表示したりする。言い換えれば、本実施例において、無線通信装置52〜54のデータをスタイラス11によってタッチ装置51へ転送することで、データ転送の機能を実現することができる。例えば、スタイラス11がデータを受信した場合、ユーザーは、スタイラス11の切換器112を操作するだけで(例えば、切換器112の押ボタンを押すだけで)、データ転送を行うことができる。ユーザーがスタイラス11によってタッチ装置10を操作する場合、ユーザーは、各無線通信装置52〜54を一つずつ操作することなく、スタイラス11によって異なる無線通信装置52〜54とタッチ装置10との間でデータ送受信を同時に行うことができる。
【0047】
また、スタイラス11が一つ以上の通信モジュールを有する場合、例えば、スタイラス11がワイヤレス・フィディリティー(WiFi)モジュールとブルートゥース(登録商標)モジュールを有する場合、スタイラス11は、ブルートゥース(登録商標)のチャネルからのデータをワイヤレス・フィディリティー(WiFi)のチャネルを介して転送したり、ワイヤレス・フィディリティー(WiFi)のチャネルからのデータをブルートゥース(登録商標)のチャネルを介して転送したりすることができる。
【0048】
(第5の実施例)
図5Bと図6を参照しながら説明する。図6は本発明の第5の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。第5の実施例において、下記のステップを含む。ステップS61において、無線送受信機能を有するスタイラス11と無線通信装置52〜54の間には第2の無線データ通信チャネルが確立される。ステップS62において、無線通信装置52〜54は、データを第2の無線データ通信チャネルを介してスタイラス11へ送信する。ステップS63において、スタイラス11は、データをスタイラス11の表示ユニットに表示する必要があるか否かを判定する。データをスタイラス11の表示ユニットに表示すると判定した場合、ステップS64へ移行し、データをスタイラス11の表示ユニットに表示しないと判定した場合、ステップS65へ移行する。ステップS64において、スタイラス11はデータをスタイラス11の表示ユニットに表示する。本実施例のステップS61〜ステップS64は第4の実施例のステップS51〜ステップS54と同じであるため、その説明を省略する。
【0049】
ステップS65において、スタイラス11とタッチ装置51の間に第1の無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定する。また、ステップS65において、データを送信する主体はスタイラス11であるため、スタイラス11により第1の無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定するのは効率的である。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定する主体はタッチ装置51であってもよい。また、ステップS65の説明は第2の実施例のステップS34の説明を参照してもよいため、その説明を省略する。スタイラス11とタッチ装置51の間に第1の無線データ通信チャネルを確立する必要があると判定した場合、ステップS66へ移行する。一方、スタイラス11とタッチ装置51の間に第1の無線データ通信チャネルを確立する必要がないと判定した場合、ステップS67へ移行する。
【0050】
ステップS66において、ソフトウェアは、スタイラス11とタッチ装置51の間に第1の無線データ通信チャネルを確立する。ステップS67において、スタイラス11は、データをタッチ装置51へ送信する。上述したステップS61〜ステップS67によれば、スタイラス11はデータ転送の機能を実現することができる。
【0051】
ステップS68において、スタイラス11がデータを送信した後、第1の無線データ通信チャネルをオフしてもしなくてもよい。ステップS68の説明は第2の実施例のステップS37の説明を参照してもよい。ステップS69において、タッチ装置51がデータを受信した後、受信したデータをタッチ装置51のタッチパネルに表示する。ステップS69が完了した後、タッチ装置51のタッチパネルには無線通信装置52〜54の少なくとも一つのデータが表示される。
【0052】
(第6の実施例)
図5Bと図7を参照しながら説明する。図7は本発明の第6の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。第6の実施例において、下記のステップを含む。ステップS71において、無線送受信機能を有するスタイラス11(以下、スタイラス11という)とタッチ装置51に第1の無線データ通信チャネルを確立すると共に、スタイラス11と無線通信装置52〜54の間に第2の無線データ通信チャネルを確立する。ステップS71の説明は第4の実施例のステップS51の説明を参照してもよい。
【0053】
ステップS72において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置51のタッチパネルをタッチすることによって、タッチ装置51に表示されているデータ表示領域が選択される。ステップS73において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置51のタッチパネルをタッチすることによって、タッチ装置51のソフトウェアが起動する。ステップS74において、ソフトウェアは、選択されたデータ表示領域に対応するデータの読み出しやデータの解釈又は認識を行うことによって、少なくとも一つのデータを取得する。ステップS75において、ソフトウェアは、データを無線データ通信チャネルを介してスタイラス11へ送信する。上述したステップS72〜ステップS75の説明は第1の実施例のステップS22〜ステップS25の説明を参照してもよい。
【0054】
ステップS76において、スタイラス11は、データを無線通信装置52〜54へ送信する。ステップS76は第4の実施例のステップS55と類似するが、その相違点として、タッチ装置51を無線通信装置52〜54に変更することにある。言い換えれば、ユーザーはタッチ装置51とその他の無線通信装置をネットワーク接続する必要がない。
【0055】
(第7の実施例)
図1Bと図8を参照しながら説明する。図8は本発明の第7の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。本実施例と第6の実施例の相違点は、本実施例においてスタイラスと無線データ通信チャネルを確立するタッチ装置が複数であることにある。
【0056】
本実施例において、下記のステップを含む。ステップS81において、無線送受信機能を有するスタイラス11(以下、スタイラス11という)とタッチ装置10の間に無線データ通信チャネルを確立すると共に、無線送受信機能を有するスタイラス11と複数のタッチ装置(例えば無線通信装置52〜54など)の間に複数の無線データ通信チャネルを確立する。例えば、ミーティングにおいて、ユーザーは、スタイラス11とユーザーが使用するタッチ装置の間に無線データ通信チャネルを確立したり、スタイラス11と他の出席者が使用する無線通信装置の間に無線データ通信チャネルを確立したりすることができる。
【0057】
ステップS82において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置10のタッチパネルをタッチすることによって、タッチ装置10に表示されているデータ表示領域が選択される。ステップS83において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置10のタッチパネルをタッチすることによって、タッチ装置のソフトウェアが起動する。ステップS84において、ソフトウェアは、選択されたデータ表示領域に対応するデータの読み出しやデータの解釈又は認識を行うことによって、少なくとも一つのデータを取得する。ステップS85において、ソフトウェアは、データを無線データ通信チャネルを介してスタイラス11へ送信する。上述したステップS82〜ステップS85の説明は第1の実施例のステップS22〜ステップS25の説明を参照してもよいため、その説明を省略する。
【0058】
ステップS86において、スタイラス11は、データを複数の無線データ通信チャネルを介して複数のタッチ装置へ送信する。本実施例のステップS86と第6の実施例のステップS76の相違点は、スタイラス11がデータを複数の無線通信装置へ同時に転送することにある。例えば、ミーティングにおいて、ユーザーは、上述のようにスタイラス11を操作して、ユーザーが使用するタッチ装置10のデータを各出席者が使用する無線通信装置へ同時に転送することができる。
【0059】
(第8の実施例)
図5Bと図9を参照しながら説明する。図9は本発明の第8の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。第8の実施例において、下記のステップを含む。ステップS91において、無線送受信機能を有するスタイラス11(以下、スタイラス11という)とタッチ装置51の間に無線データ通信チャネルを確立する。ステップS92において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置51のタッチパネルをタッチすることによって、タッチ装置51に表示されているデータ表示領域が選択される。ステップS93において、ユーザーが、スタイラス11を用いてタッチ装置51のタッチパネルをタッチすることによって、タッチ装置10のソフトウェアが起動する。ステップS94において、ソフトウェアは、選択されたデータ表示領域に対応するデータの読み出しやデータの解釈又は認識を行うことによって、少なくとも一つのデータを取得する。ステップS95において、ソフトウェアは、データを無線データ通信チャネルを介してスタイラス11へ送信する。上述したステップS91〜ステップS95は第6の実施例のステップS71〜ステップS75と概ね同じであり、その相違点として、ステップS91において、スタイラス11とタッチ装置51の間に無線データ通信チャネルを確立する一方、無線通信装置52〜54のうちの一つがスタイラス11と対応する無線データ通信チャネルをまだ確立していないことのみにある。
【0060】
ステップS96において、スタイラス11と無線通信装置52〜54の間に第2の無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定する。また、ステップS96において、データを送信する主体はスタイラス11であるため、スタイラス11により第2の無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定するのは効率的である。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、第2の無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定する主体は無線通信装置52〜54であってもよい。スタイラス11と無線通信装置52〜54の間に第2の無線データ通信チャネルを確立する必要があると判定した場合、ステップS97へ移行する。一方、スタイラス11と無線通信装置52〜54の間に第2の無線データ通信チャネルを確立する必要がないと判定した場合、ステップS98へ移行する。
【0061】
ステップS97において、スタイラス11と無線通信装置(例えば、無線通信装置52〜54のうちの一つの無線通信装置など)の間に第2の無線データ通信チャネルを確立する。ステップS98において、スタイラス11はデータを無線通信装置へ送信する。上述したステップS96〜ステップS98は第5の実施例のステップS65〜ステップS67と概ね同じであり、その相違点として、タッチ装置51を無線通信装置52〜54に変更することのみにある。
【0062】
ステップS99において、スタイラス11がデータを送信した後、無線データ通信チャネルをオフしてもしなくてもよい。ステップS99においてオフされた(又はオフされていない)無線データ通信チャネルは、第1の無線データ通信チャネルであってもよく、第2の無線データ通信チャネルであってもよく、第1の無線データ通信チャネルと第2の無線データ通信チャネルの双方であってもよい。ユーザーによるタッチ装置51に対する設定によって、ソフトウェアは、その設定に応じて無線データ通信チャネルをオフすることができる。例えば、ユーザーが無線データ通信チャネルをよく繰り返して使用する場合、無線データ通信チャネルをオフしないようにソフトウェアを設定するようにしてもよい。一方、ユーザーがスタイラス11と一つ以上の無線通信装置の間でネットワーク接続するのに使用される無線データ通信チャネルの数を低減しようとする場合、データを送信するごとに、対応する無線データ通信チャネルをオフするようにソフトウェアを設定するようにしてもよい。
【0063】
(第9の実施例)
図10は本発明の第9の実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法のフローチャートを示すものである。ユーザーがスタイラスとタッチ装置によってスマート家電(例えばスマートテレビなど)を操作しようとする場合、図10に示すように、本実施例に係るスタイラスの無線送受信方法は、ユーザーがスタイラスとタッチ装置をスマート家電のリモコンとして使用する機能を有する、一般的に、スマート家電は、無線通信機能を有すると共に、スマート家電をより簡単に操作できるようにタッチ機能を有する。また、本実施例において、タッチ機能を有するテレビを例示して説明するが、本実施例のステップS101〜ステップS103はこれに限定されるものではない。ステップS101〜ステップS103は、例えば、ビデオ、洗濯機、エアコンなどの他のスマート家電に適用できる。
【0064】
ステップS101において、タッチ機能を有するテレビが、操作テーブルコマンドと操作規約をスタイラスに送信する。ユーザーは、スタイラスによってタッチ機能を有するテレビをタッチして操作テーブルコマンドと操作規約をダウンロードしたり、若しくはタッチ機能を直接に操作して操作テーブルコマンドと操作規約をスタイラスに送信したりすることができる。
【0065】
ステップS102において、スタイラスが、操作テーブルコマンドと操作規約をタッチ装置へ送信する。ユーザーは、各実施例で説明したデータを送信する方式によって、スタイラスに記憶される操作テーブルコマンドと操作規約をタッチ装置へ送信することができる。
【0066】
ステップS103において、ユーザーが、スタイラスを用いてタッチ装置のソフトウェアを操作して、ソフトウェアのユーザーインタフェースに操作テーブルコマンドと操作規約を表示させ、タッチ装置が操作テーブルコマンドによりユーザーが選択したコマンドをタッチ機能を有するテレビへ送信することで、ユーザはタッチ機能を有するテレビを操作する。言い換えれば、ステップS103において、ユーザーは、スタイラスとタッチ装置によってタッチ機能を有するテレビ又は他のスマート家電を操作することができる。
【0067】
(実施例の効果)
本発明の各実施例に係る無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法及びそのシステムによれば、スタイラスは、ユーザーによるタッチ操作によってタッチ装置のデータを受信したり、スタイラスの切換器の機能を変更したりすることができる。ユーザーがタッチ装置のデータを他のタッチ装置へ転送する時、スタイラスを、データを転送する中継装置として使用できるだけではなく、タッチ装置同士の間を接続手段で接続する必要もなくなる。これにより、ユーザーは、スタイラスによる手書きのジェスチャー動作などのタッチ操作及びスタイラスの切換器によって、データを無線で送受信したり、データを無線で転送したり、データを複数のタッチ装置へ同時に転送したりするなどの効果を奏することができる。無線送受信機能を有するスタイラスは、タッチ装置にインストールされたソフトウェアによって、そのタッチ操作と無線データ送受信の動作を調整することができるため、ユーザーが通常のようにタッチ操作を行うことで容易にデータを無線で送受信したり転送したりすることができる。また、スタイラスとタッチ装置はスマート家電のリモコンとして使用できる。
【0068】
上述したものは本発明の好ましい例示に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0069】
1、5 タッチシステム
10、51、52 タッチ装置
11 無線送受信機能を有するスタイラス
10a タッチパネル
10b 処理ユニット
10c 無線通信モジュール
101〜104 データ表示領域
105、106 機能画像
111 表示ユニット
112 切換器
113 マイクロコントローラーユニット(MCU)
114 無線通信モジュール
115 記憶ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーがスタイラスを用いて、タッチ装置のタッチパネルにおけるデータ表示領域を選択するためにタッチした場合、前記スタイラスが、前記タッチにより選択された前記データ表示領域に対応して前記タッチ装置により読み出された少なくとも一つのデータを無線で受信するステップと、
前記スタイラスが、前記データを記憶するステップと、
を含むことを特徴とする無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項2】
前記スタイラスが、前記データを受信した後、前記データを前記スタイラスの記憶ユニットに記憶するか若しくは前記データを前記スタイラスの表示ユニットに表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項3】
前記タッチ装置のソフトウェアが、前記読み出されたデータに対応して前記スタイラスに記憶されている対応データを、無線データ通信チャネルを介して受信し、前記読み出されたデータと前記対応データとを照合し、前記対応データと前記データとを一致させるように前記データを更新して、更新された前記データをタッチ装置に記憶するステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項4】
前記スタイラスと前記タッチ装置の間に前記無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項5】
前記スタイラスと前記タッチ装置の間に前記無線データ通信チャネルを確立する必要があると判定した場合、前記タッチ装置のソフトウェアが、前記スタイラスと前記タッチ装置の間に前記無線データ通信チャネルを確立するステップを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項6】
前記スタイラスが、前記データを受信した後、前記データを前記スタイラスの表示ユニットに表示する必要があるか否かを判定し、
前記データを前記スタイラスの前記表示ユニットに表示する必要があると判定した場合、前記スタイラスが、前記データを前記スタイラスの前記表示ユニットに表示し、
前記データを前記スタイラスの前記表示ユニットに表示する必要がないと判定した場合、前記スタイラスが、前記データを、無線通信機能を有する他の装置へ送信するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項7】
前記スタイラスと無線通信機能を有する装置の間に第2の無線データ通信チャネルを確立する必要があるか否かを判定し、
前記スタイラスと無線通信機能を有する前記装置の間に前記第2の無線データ通信チャネルを確立する必要があると判定した場合、前記タッチ装置のソフトウェアが、前記スタイラスと無線通信機能を有する前記装置の間に前記第2の無線データ通信チャネルを確立し、
前記スタイラスと無線通信機能を有する前記装置の間に前記第2の無線データ通信チャネルを確立する必要がないと判定した場合、所定の無線データ通信チャネルを介して前記スタイラスと前記無線通信機能を有する前記装置との間で通信を行うステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項8】
前記スタイラスが、受信した前記データを第2の無線データ通信チャネルを介して無線通信機能を有する装置へ送信するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項9】
前記スタイラスが、前記データを受信した後、設定により、前記無線データ通信チャネルをオフするか若しくは前記無線データ通信チャネルをオフしないステップを更に含むことを特徴とする請求項1又は請求項8に記載の無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項10】
前記スタイラスが、前記データを受信した後、前記データに応じて前記スタイラスの少なくとも一つの切換器の機能を変更するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の無線記憶機能と無線転送機能を有するスタイラスの無線送受信方法。
【請求項11】
タッチパネルを有するタッチ装置と、
無線通信モジュールと記憶ユニットを含むスタイラスと、
を含み、
前記無線通信モジュールは、無線データ通信チャネルを介して前記タッチ装置からのデータを受信し、
前記記憶ユニットは、前記データを記憶し、
前記タッチ装置は、前記スタイラスによるタッチ操作により前記無線データ通信チャネルを介して前記データを前記スタイラスへ送信することを特徴とするタッチシステム。
【請求項12】
前記データを表示する表示ユニットを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のタッチシステム。
【請求項13】
少なくとも一つの切換器を更に含み、
ユーザーが、前記スタイラスを用いて前記タッチ装置の前記タッチパネルをタッチした場合、前記タッチ装置は前記無線データ通信チャネルを介して前記データを前記スタイラスへ送信し、
前記スタイラスは前記データに応じて前記切換器の機能を変更することを特徴とする請求項11に記載のタッチシステム。
【請求項14】
無線通信機能を有する装置を更に含み、
前記スタイラスは前記タッチ装置と無線通信機能を有する前記装置の間で前記データを無線送受信することを特徴とする請求項11に記載のタッチシステム。
【請求項15】
前記タッチ装置にインストールされたソフトウェアを更に含み、
前記ソフトウェアは前記スタイラスのタッチ操作に応じて前記データの送受信を制御することを特徴とする請求項11に記載のタッチシステム。
【請求項16】
前記スタイラスの前記切換器は、前記無線データ通信チャネルを介して前記タッチ装置のアプリケーションプログラムを制御することを特徴とする請求項13に記載のタッチシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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