説明

無線販売時点情報管理取引システム及びその方法

無線消費者取引システム及び方法には、販売時点情報管理(POS)システムに結合された無線設備が含まれ、それによって、消費者は、無線装置を用い、自動的又は半自動的な方法で、販売時点情報管理(POS)取引をセットアップし実行することができる。無線設備のカバーエリア内に入ったユーザは、POS取引を行なうように促される。POSシステムは、ユーザの無線装置にメニューオプションを伝送する。ユーザは、提供されたオプションから選択し、そして無線装置を用いて自動的な方法で所望の商品又はサービスを購入する能力を与えられる。POSシステムの無線設備は、POSコンピュータに結合されることが好ましく、次に、このコンピュータが、リモート処理センタに結合される。自動購入取引は、ユーザ始動の動作に応じて、リモート処理センタから、許可を取得するか、及び/又は自動的に資金を引き出すことによって行なってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、消費者取引を実行するための無線システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話及びその他の無線装置の使用が、極めて広く行き渡っている。かかる装置は、例えば、セルラーネットワークを介して音声又はテキスト情報を伝えることができる。ごく最近では、携帯電話などの消費者無線装置が、グラフィックス、デジタル画像、電子メール及び/又はマルチメディアメッセージングをも伝えるように設計されている。かかる装置には、例えば、様々ないわゆる2.5G及び3G電話が含まれる。3G電話の様々な基準は、UMTS(ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム)に関連して公布されている。2.5G及び3G技術の発展が続いているにもかかわらず、従来(又は「2G」)のセルラー電話ユーザの大きな既得基盤がまだ存在し、おそらく当分の間存在し続けるであろう。
【0003】
下記では、全てのタイプの無線電話(2G、2.5G又は3G/UMTSを含む)と同様に、類似の機能性を有する任意の他の携帯(mobile)装置が、用語「携帯電話(cellular telephone)」の下で総称して呼ばれる。
【0004】
プッシュホン式電話が、ある制限されたタイプの自動取引を容易にするために、様々な状況で用いられてきた。例えば、消費者は、プッシュホン式電話を用いて、リモート自動電話装置とコンタクトを取り、例えば、あるトピック(航空路線のスケジュール、天候等)に関する情報を見つけ出すか、又はある一定の個人取引を取り扱う(例えば金融口座情報をチェックするか資金を振り込む)ために、様々なメニューオプションを指示してもよい。これらの自動電話取引又は情報システムは、一般に、予め録音された音声メッセージによってユーザに情報を提示し、ユーザは、一般に、電話キーパッドで入力を選択するか、又は場合によっては、リモートシステムにおける音声認識技術によって解釈される音声命令を用いて、提示されたオプションに応答する。かかる動作は、無線又は非無線電話を用いて実行可能である。しかしながら、とりわけ、従来の自動システムは、情報をユーザに提供する際に、一般にユーザの位置を考慮していない。
【0005】
とりわけ、無線電話及び/又は他の無線通信装置のモバイル特性を利用する消費者取引を容易にするためのシステムを提供することは有益であるだろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、無線消費者取引システム及び関連する方法が提供され、それによって、消費者は、無線装置を用い、自動的又は半自動的な方法で、販売時点情報管理(point−of−sale(POS))取引をセットアップし実行することができる。いくつかの実施形態において、POSシステムに関連する無線設備は、セルラーネットワークと並行して動作する。無線設備のサービスエリア内に入ったユーザは、POS取引を行なうように促される。POSシステムは、ユーザの無線装置へメニューオプションを伝送する。ユーザは、提供されたオプションから選択し、無線装置を用いて自動で所望の商品又はサービスを購入する能力を与えられる。自動購入取引は、例えば、POSシステムと電子通信するリモート処理センタを介して行なってもよい。
【0007】
また、さらなる実施形態、変更、修正及び拡張が、本明細書において詳細な説明内に記載され、かつ/又は添付の図に示される。
【0008】
本発明及びその利点は、以下の図面を参照することによって、よりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本明細書に開示する様々な実施形態に関連するいくつかの特徴及び構成要素を示す無線消費者取引システム100のブロック図である。図1に示すように、無線消費者取引システム100は、POSシステム161を含む無線ローカルエリアネットワーク160を備えており、このネットワーク160は、例えばインターネットなどの分散又はワイドエリアネットワーク(WAN)130を通じてリモート処理センタ140と通信する。しかしながら、代替として、通信は、専用接続又は他の手段を用いて行なってもよい。図示した実施形態において、例えば携帯電話などの無線携帯装置102は、本明細書でさらに説明するように、携帯電話ネットワーク120又は無線ローカルエリアネットワーク160で通信可能である。無線携帯装置102はまた、セルラーネットワーク120を介してリモート処理センタ140へ情報を通信できるのが好ましい。
【0010】
より好ましい実施形態では、無線消費者取引システム100は、無線ローカルエリアネットワーク160の一部を形成するPOSシステム161で実行されるPOS取引を容易にするように構成されている。無線ローカルエリアネットワーク160には、下記の技術に従って、無線ローカルエリアネットワーク160の範囲内で、無線携帯装置102の存在を検出するための無線設備又は他の手段を含むのが好ましい。次に、無線ローカルエリアネットワーク160は、無線携帯装置102とのハンドシェイク式の取引に従事してもよく、その結果として、無線携帯装置102の表示部に表示するために、消費者取引用のオプションメニューを提供する。ハンドシェイク取引の一部として、無線ローカルエリアネットワーク160は、無線携帯装置102から、いくつかの識別情報又は他の情報を取得し、その後、無線携帯装置102及び/又はそのユーザを確認するために、リモート処理センタ140と通信してもよい。
【0011】
無線携帯装置102及び/又はユーザが確認されると、無線ローカルエリアネットワーク160は、無線携帯装置102のユーザとのPOS取引を容易にする。ユーザは、無線ローカルエリアネットワーク160から無線携帯装置102に伝送された様々なメニュー又はサブメニューを通して指示してもよい。メニュー又はサブメニューは、特定のPOSシステム161のためにカスタマイズしてもよく、また検討及び/又は購入のための様々なオプションをユーザに提示してもよい。ユーザは、無線携帯装置102を介して様々な選択をしてもよく、これらの選択は、無線ローカルエリアネットワーク160との間で確立されている無線接続を通して、POSシステム161に伝えられる。最終的に、ユーザは購入の準備をし、POSシステム161において購入取引をしてもよい。購入は、様々な方法のうちのいずれで行なってもよい。例えば、購入は、交換可能通貨を用いて従来の金融取引を行なってもよいし、さもなければ、リモート処理センタ140によって少なくとも部分的に管理されるユーザ口座を利用することによって、電子的に行なってもよい。
【0012】
ここで、図1に示す原理に全般的に従って、好ましい実施形態のさらなる詳細を説明する。特に、図2は、本明細書に開示される例示的な実施形態に従って、無線消費者取引システム200の詳細を示すブロック図である。図2に示すように、無線消費者取引システム200は、セルラーネットワーク220の一部であるか又はセルラーネットワークに接続された基地局204を含む。基地局204及びセルラーネットワーク220は、例えば、一般に、任意の従来の設計及び構成であってもよいが、セルラーネットワーク220には、本明細書でさらに詳述するように、リモート処理センタインターフェース221をさらに含むことが好ましい。したがって、基地局204は、そのセル205、すなわちそれがカバーしている地理的範囲内に存在するかもしれない様々な無線装置と通信するように構成される。
【0013】
一例として、基地局204が関連するセルラーネットワークは、GSMネットワークであってもよい。基地局204及び他のセルラー設備によって提供される無線インフラストラクチャの一部は、UMTS陸上無線アクセスネットワーク(UTRAN)の一部を構成してもよく、またゲートウェイ及びルーティングは、UMTSコアネットワークの一部として提供されてもよい。
【0014】
無線消費者取引システム200には、セル205より一般にずっと小さな制限されたサービスエリア250を有するローカル無線局252を含む無線ローカルエリアネットワーク260がさらに含まれる。便宜上、セル205から区別するために、ローカル無線局252のサービスエリア250をマイクロセルと呼ぶ。ローカル無線局252は、マイクロセル250内の無線携帯装置202の多数のユーザと通信できるトランシーバを好ましくは含む無線設備253を備えている。ローカル無線局252は、ローカルコンピュータ266に結合してもよく、そのローカルコンピュータ266は、販売時点情報管理(POS)システム261(例えば、1つ又は複数のPOS端末を含んでもよい)に通信可能に結合される。図1で説明した実施形態と同様に、ローカルコンピュータ266は、望ましくは、例えばインターネットなどの分散又はワイドエリアネットワーク(WAN)230を通じてリモート処理センタ240と通信するように構成されるが、代替として、通信は、専用接続又は他の手段を用いて行なってもよい。WANインターフェース265(又は接続タイプによっては他のインターフェース)を用いて、ローカルコンピュータ266とWAN230との間の通信を容易にしてもよい。好ましい無線ローカルエリアネットワーク260のさらなる詳細は、例えば図3で示す。
【0015】
セルラーネットワーク220は、典型的には無線携帯装置102から様々な所望の端末へ呼び出し(音声でもデータでも)を接続するために、公衆交換電話網(PSTN)224に接続される。セルラーネットワーク220は、WAN230を通じてか又は別の方法(例えば専用接続)で、例えばゲートウェイ225(WAN230がインターネットを含む場合には、インターネットゲートウェイ225を含んでもよい)を介して、リモート処理センタ240と通信するように構成されるのが好ましい。セルラーネットワーク220には、WAN230を通じたリモート処理センタ240との通信を取り扱うためのリモート処理センタインターフェース221を含んでもよい。
【0016】
本明細書でさらに説明するように、例えば携帯電話などの無線携帯装置202は、セルラー電話ネットワーク220(基地局204又は他の基地局(図示せず)を介して)又は無線ローカルエリアネットワーク260と通信可能なのが好ましい。無線携帯装置202はまた、セルラーネットワーク220を介して、リモート処理センタ240へ情報を通信できることが好ましい。図2の実施形態は、無線携帯装置202が携帯電話である具体例に従ってさらに説明される場合があるが、携帯電話の代わりに他の無線装置を用いてもよいことを理解されたい。
【0017】
好適な実施形態において、図1に関連して一般的に説明したように、図2の無線消費者取引システム200は、無線ローカルエリアネットワーク260の一部を形成するPOSシステム261で実行されるPOS取引を容易にするように構成されている。無線ローカルエリアネットワーク260の無線設備253は、様々な方法のうちのいずれかで、無線ローカルエリアネットワーク260のサービスエリア(マイクロセル)250内で、無線携帯装置202の存在を検出するように構成されることが好ましい。次に、無線ローカルエリアネットワーク260は、無線携帯装置202でハンドシェイク式取引に従事してもよく、その最終結果として、無線携帯装置202の表示部に表示するために、消費者取引のオプションメニューを提供する。ハンドシェイク取引の一部として、無線ローカルエリアネットワーク260は、無線携帯装置202から、いくつかの識別情報又は他の情報を取得し、その後、無線携帯装置202及び/又はそのユーザを確認するために、リモート処理センタ240と通信してもよい。
【0018】
初期ハンドシェイクプロセスの特定の例、及びその他のプロセスを、図3に関連して説明するが、図3は、本明細書に開示する一実施形態の無線ローカルエリアネットワーク300(例えば、無線ローカルエリアネットワーク260として図2に組み込んでもよい)のブロック図である。図3に示す無線ローカルエリアネットワーク300には、例えば携帯電話などの様々な無線携帯装置と通信するための無線設備353を有するローカル無線局352が含まれる。ローカル無線局352には、無線設備353及びローカルコンピュータ366と接続するためのプロセッサ354がさらに含まれる。ローカルコンピュータ366は、POSシステム361及びWANインターフェース365(又はリモート処理センタ240と通信するための他の通信インターフェース)に通信可能に結合されている。
【0019】
ローカルコンピュータ366は、無線局352を介して無線携帯装置202(図2を参照)と通信するためのユーザインターフェース320、POSシステム361と通信するためのPOSインターフェース330、及びリモート処理センタ240(図2を参照)と通信するためのリモートインターフェース340が含まれており、様々なアプリケーションでプログラムされている。ローカルコンピュータ366は、様々な無線POS取引を管理するメニュー/取引ハンドラ335でさらにプログラムされる。図3に示す特定の例において、メニュー/取引ハンドラ335は、ハンドシェイク/確認プロセス342、購入取引ハンドラ345及び会計マネージャ338を含む様々な他のアプリケーション又はプロセスを呼び出してもよい。ローカルコンピュータ366はまた、システムの特質によって、セルラーネットワークインターフェース380を任意に有してもよい。
【0020】
ここで、図2に示す例示的なシステム200及び図3に示す例示的な無線ローカルエリアネットワーク300と同時に、図5に述べるステップを特に参照して、初期ハンドシェイク取引における例のさらなる詳細を説明する。図5に示すハンドシェイクプロセス500の例によれば、第1のステップ502において、無線携帯装置202が、基地局204によってサービスされるセル205に入るか、又はセル205に存在する間に始動される。典型的には、これらのイベントのいずれかによって、無線携帯装置202は、セルラーネットワーク220によって、セルラーネットワーク220に登録される(ステップ507)。ステップ510で示すように、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)の無線局252(又は352)は、セルラーネットワーク220の基地局204によって用いられるのと同じ周波数及びチャネルを連続的に走査する。例えば、無線局252(又は352)は、最初にセットアップされるときに、基地局204によって用いられる周波数及びチャネルについての知識を用いてプログラム又は構成されていてもよい。代替又は追加として、ローカルコンピュータ366がセルラーネットワークインターフェース380を含む場合には、セルラーネットワーク220は、基地局周波数及びチャネルに関する情報をローカルコンピュータ366にダウンロードしてもよく、次に、このローカルコンピュータ366は、この情報を構成パラメータセットとして無線局352へ伝える。
【0021】
ステップ513において、無線携帯装置202がマイクロセル250の範囲に入り、無線局252(又は352)の無線設備253(又は353)によって検出される。例えば、無線設備253(又は353)は、無線携帯装置202と基地局204との間の周期的な再登録又は他の散発的な通信を検出してもよい。代替として、セルラーネットワーク220が、特定の無線携帯装置202がセル205内に存在することを無線ローカルエリアネットワーク260に通知するように構成してもよく、また無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)の無線設備253(又は353)が、もし無線携帯装置202が範囲内(すなわちマイクロセル250内)に入れば、無線携帯装置202に周期的に呼び出しを試みてもよい。基地局204が、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)の無線設備252(又は352)によって利用される特定の呼び出し周波数又はチャネルを聞き取るように、無線携帯装置202に通知してもよいし、さもなければ、例えば、無線設備252(又は352)が、基地局204を中継局として用いて、無線携帯装置202と通信してもよい。
【0022】
その後、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、無線携帯装置202及び/又はユーザを確認するために、リモート処理センタ240とバックエンドトランザクションを行なう。この目的のために、ローカルコンピュータ366で実行されるメニュー/取引ハンドラ335は、例えば、ハンドシェイク/確認ルーチン342を呼び出してもよく、次に、このルーチン342が、リモートインターフェース340を介してリモート処理センタ240に確認要求を伝送する。確認要求は、無線携帯装置202に割り当てられた携帯電話番号に基づくのが好ましい。電話番号は、基地局204との通信を監視している無線設備253(又は353)によって一般に検出可能である。
【0023】
ステップ524において、リモート処理センタ240は、確認要求を受信し、ステップ530において、ユーザ口座が、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)によってリモート処理センタ240に伝えられた携帯電話番号と関連しているかどうかを決定するためにユーザ口座データベース245を検索する。口座が存在しない場合には、その趣旨の応答が、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)に返送され、その後無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、その特定の無線携帯装置202に関して、それ以上は何もしなくてもよい。しかし、それにもかかわらず、代替実施形態において、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、例えばメニューオプション及びかかる他の情報をユーザに伝える目的で、無線携帯装置202と通信を確立するように試みてもよい。
【0024】
ユーザが口座を有している場合には、ステップ540において、リモート処理センタ240は、口座が現在通用しているかどうかを決定するため、ユーザ口座データベース245でステータスを検索してもよい。さらに、リモート処理センタ240は、口座にPOS取引を実行するための十分な資金が供給されているかどうかを予め決定するため、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)によって要求してもよい(ステップ545)。無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、この目的に利用するために、金額的な閾値量をリモート処理センタ240に伝送してもよい。代替として、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、POS取引がユーザによって要求される後まで待ってから、口座が、意図されたPOS取引のために十分に資金を供給されているかどうかを決定してもよい。
【0025】
次のステップ550において、無線局252(又は352)の無線設備253(又は353)は、無線携帯装置202との通信を確立しようと試みるが、この試みは、例えば、基地局制御チャネルをエミュレートすること、及び/又は、無線携帯装置202により利用されている特定チャネル及び/又は周波数に関して、マイクロセル250の制限された範囲内で基地局伝送に打ち勝つことによってなされる。代替として、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、セルラーネットワークインターフェース380を介して、セルラーネットワーク220へメッセージを伝送するように構成され、また基地局204が、無線局252(又は352)の無線設備252(又は352)によって利用されている特定のチャネル及び/又は周波数帯を無線携帯装置202に割り当てる呼び出しを無線携帯装置202に送出することを要求して、無線携帯装置202と無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)との間の通信の確立を容易にするようにしてもよい。
【0026】
一旦最初の通信が確立されると、ステップ554で示すように、無線携帯装置202は、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)によって自動的に指示される。無線局252(又は352)は、無線携帯装置とポイントツーポイントコール又は通信セッションを始める。コールがユーザによって受理された(すなわち応答された)とすると、メニュー/取引ハンドラ335は、好ましくはテキスト及び/又はグラフィックス(しかし、代替又は追加としてオーディオ情報)形態の表示情報を、無線携帯装置202へ表示のために伝送する。ユーザは、例えば要求の性質、及びPOSシステム261の所有者のアイデンティティを通知される。ステップ560で示すように、ユーザは、POS取引の開始を受諾するか又は拒否するように要求される。ユーザは、無線携帯装置202の特性により、例えば、携帯電話のキーパッド入力又は他のインターフェース手段を用いて、適切な選択(例えば「Y」又は「N」)をしてもよい。ステップ570において、ユーザの選択は、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)によって受信される。ユーザが、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)からのコールを受諾した場合には、メニュー/取引ハンドラ335は、ステップ580で示すように、さらなる確認のためにユーザにパスワード又はIDを要求してもよく、若しくは、かかるステップは、後の時点で実行してもよい。
【0027】
無線携帯装置202及び/又はユーザが確認され、無線携帯装置202との間で通信が確立され、かつユーザが先へ進むことに同意した場合、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、無線携帯装置202のユーザとのPOS取引を進めてもよい。ユーザは、例えば、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)から無線携帯装置202へ伝送された様々なメニュー又はサブメニューを通して指示できるようにしてもよい。メニュー又はサブメニューは、特定のPOSシステム261(又は361)のためにカスタマイズしてもよく、また検討及び/又は購入のために、様々なオプションをユーザに提示してもよい。ユーザは、無線携帯装置202を介して様々な選択をしてもよく、これらの選択は、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)との間で確立された無線接続を通して、販売時点情報管理システム261(又は361)に伝えられる。最終的に、ユーザは、購入の準備をし、POSシステム261(又は361)において購入取引に従事してもよい。
【0028】
図4は、セルラー基地局404が、無線通信装置402とPOSシステムとの間の中継局の役割をする実施形態の図である。図4に示すように、POSシステム460には、ローカルコンピュータ466に結合された無線局又は設備452が含まれ、次に、このローカルコンピュータ466が、リモート又はWANインターフェース465を介して、とりわけ、リモート処理センタ(図2に関連して説明した)と通信するように構成されている。無線携帯装置402を持ったユーザが無線局452の領域に入ると、最初の通信を、無線局452と無線携帯装置402との間で確立してもよい。例えば、無線局452は、前に説明したように、無線携帯装置402の存在を検出するか、又は全体的なセルラー範囲内での無線携帯装置402の存在をセルラーネットワーク420によって通知されてもよい。無線局452は、その範囲内に入ってきた無線携帯装置402の存在に応じて、基地局404を介して、ショート(例えばページング)メッセージを無線携帯装置402に伝送してもよい。例えば、セルラーシステムがGSMを用いている場合には、無線局452は、伝送用に約160文字を提供するSMS(ショートメッセージサービス)タイプのメッセージを伝送してもよい。
【0029】
ショートメッセージには、POS取引を始めるようにユーザに促す情報を含んでもよい。一例として、ショートメッセージは、POSの確立及びその位置を識別し、かつユーザがPOS取引の開始を望むかどうかを確認するように、ユーザに促してもよい。代替として、位置情報は、後で伝えてもよい。ユーザは、例えば、適切な選択(例えば「Y」又は「N」)をしてもよく、この選択は、無線携帯装置402に、基地局404を介して無線局452へ伝えられる別のショートメッセージで返答させる。その後、無線局452及び無線携帯装置402は、ショートメッセージを用いて引き続き通信してもよい。代替として、無線携帯装置402又は無線局452は、基地局404のセル内でモバイル対モバイルコールを始めてもよい。無線局452は、無線携帯装置402による周期的な再登録又は他の散発的な通信を聞き取ることによって、無線携帯装置402の番号を検出してもよく、かつ/又は基地局404を介して送出されるショートメッセージを通して、アクセス電話番号を無線携帯装置402へ伝えてもよい。
【0030】
通信を確立するための前述の技術に加えて、利用されるその他の変形及び技術があり、それらのうちのいずれも、上記の技術を様々な程度取り込んでもよい。場合によっては、ユーザの無線携帯装置402の追加機能をサポートするために、追加プログラミングが必要になる可能性がある。その他の場合では、無線携帯装置402は、それに既に組み込まれた機能により、ダム端末として有効に機能し得る。無線局452はまた、いくつかの異なるセルラープロトコルに従って通信できるように構成され、できるだけ多くの異なるタイプの無線携帯装置402と通信できるように構成されていてもよい。
【0031】
図6及び7は、ユーザの観点及びシステムの観点から、それぞれ購入取引の例を示す。図6では、例えば、ユーザの観点から、購入取引プロセス600の一例が示されている。購入取引プロセス600は、通信が、無線携帯装置202と無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)との間で既に確立されていると仮定している。例示を目的として、図6及び7のプロセス流れ図は、図3に示す無線ローカルエリアネットワーク300を参照して説明される。しかしながら、図6及び7のプロセスは、無線消費者取引システムのその他の物理的又は機能的な配置と全体的又は部分的に関連して利用可能であることを理解されたい。
【0032】
最初に図6を見ると、図示したユーザ取引プロセス600の第1のステップ602において、かつ一般的には図5に関連して前に説明したように、ユーザの無線携帯装置202は、購入取引を始める要求か、又はより一般的には、購入取引の実行を可能にする追加情報を受け取る要求を受信する。無線携帯装置202によって受信される情報は、例えば要求の性質、及びPOSシステム261の所有者のアイデンティティをユーザに通知するのが好ましい。ステップ605において、ユーザは、先に進みたいか又は進みたくないかの指示で応答する。ユーザが先へ進むことを望む場合、ステップ610で示すように、ユーザは、パスワード及び/又はIDを提供するように求められる可能性がある。そうならば、ステップ612で、ユーザはかかる情報を提供し、認証されるのを待つ(しかしながら、ユーザが確認されるまでの間、購入が完了されない限り、取引のさらなる部分を実行してもよい)。
【0033】
任意の認証ステップの後で、ステップ620で示すように、ユーザの無線携帯装置202は、無線ローカルエリアネットワーク360のメニュー/取引ハンドラ335から、例えばテキスト及び/又はグラフィックス(及び、可能ならばオーディオ情報と共に)形態で表示情報を受信する。例えば、ユーザの無線携帯装置202は、様々なオプションを提供するスタートメニュー(テキスト及び/又はグラフィックスにおける、かつまた任意にオーディオ情報を備えた)を受信してもよい。ユーザは、スタートメニュー及び、もし提供されたならば、ステップ621、625及び626で概して示すように、追加メニューもしくはサブメニュー、及び/又は購入するアイテムのために選択する様々な他のメニュー又はサブメニューを通して指示できるようにされる。メニュー又はサブメニューは、特定のPOSシステム261(又は361)のためにカスタマイズしてもよく、また検討及び/又は購入に対する様々なオプションをユーザに提示してもよい。ユーザは、無線携帯装置202を介して様々な選択をしてもよく、これらの選択は、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)との間で確立された無線接続を通して、POSシステム261(又は361)へ伝えられる。無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、追加メニュー又はサブメニュー情報を提供するか、若しくは、妥当な場合には購入取引を始めることによって、ユーザ選択に応答する。
【0034】
ユーザが品物の購入を望む場合には、ユーザは、無線携帯装置240のインターフェース(ボタン、音声命令又は他の手段)を用い、(ボタン、音声作動又は他の手段によって)メニュー又はサブメニューへの適切な入力を選択してもよい。ユーザの選択は、無線接続を通じて、メニュー/取引ハンドラ335に伝えられる。ユーザが全ての所望の品物を選択した場合には、ステップ640で示すように、ユーザは、無線携帯装置202を用いて、適切な入力選択をして、この入力選択が、無線ローカルエリアネットワーク260のメニュー/取引ハンドラ335へ伝えられる。ユーザはまた、ユーザのリモート口座を用いた自動購入取引をすることを自らは望むか、さもなければ、従来の購入取引をすることを望むかを、無線携帯装置202でのオプションの適切な選択によって示してもよい。
【0035】
自動購入が実行される場合には、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、取引を完了させ、許可又は不許可の指示をPOS端末362へ転送する。一旦取引が許可されるか、又は代替として、ユーザが従来の購入をした後で、ユーザは、所望の商品又は品物を提示されてもよいし、かつ/又は取引は、別の方法で完了される(ステップ680)。ユーザが、購入にリモート口座を用いたいことを示した場合には、ユーザは、事前に提供していなければ、確認情報(例えばID及び/又はパスワード)を入力するように求められる場合がある。いずれにしても、ユーザがしかるべき取引をPOS店員(単複)に通知し、それによって取引の履行が可能になるように、ユーザは、無線携帯装置202を介して、無線ローカルエリアネットワーク260から取引番号を提示される場合がある。
【0036】
取引が、いかなる理由であっても、リモート処理センタ240によって許可されなかったか、又はユーザが、従来の手段(例えば現金、又はリモート処理センタ240に関連するのとは異なる口座からの支払い)を用いて購入することを望む場合には、POS端末362は、最終購入量を始めとして、ユーザの所望の購入の詳細を全て既に有していなければならない。これにより、この全プロセスによって、顧客及び小売店員の両方に対してかなりの時間が節約され、価格計算における人為的ミスの可能性が低減される。
【0037】
ここで図7を見ると、ユーザ取引が、自動システムの観点からさらに示されている。図示したユーザ取引プロセス700の第1のステップ702において、概して図5及び6に関連して前に説明したように、メニュー/取引ハンドラ335は、好ましくはテキスト及び/又はグラフィックス(しかし、代替又は追加として、オーディオ情報)の形態で、表示情報をユーザの無線携帯装置202に表示するために伝送する。メニュー/取引ハンドラ335によって提供される情報は、例えば要求の性質、及び販売時点情報管理システム261の所有者のアイデンティティをユーザに通知するのが好ましい。ステップ705で示すように、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、ユーザがPOS取引の開始を望むかどうかを示すユーザの選択(例えば「Y」又は「N」)を受信する。ユーザが無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)からの要求を受諾した場合には、メニュー/取引ハンドラ335は、ステップ710で示すように、さらなる確認のためにユーザのパスワード及び/又はIDの要求を、ユーザの無線携帯装置202に伝送するか、さもなければ、かかるステップは、後の時点で実行してもよい。無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、ユーザのパスワード及び/又はIDを受信すると、パスワード及び/又はIDが有効であることを確実にするために、リモート処理センタ240と認証トランザクションを実行する(ステップ712)。無線ローカルエリアネットワーク260はまた、可能ならば、認証のために無線携帯装置202のモバイル機器識別番号を用いてもよい。モバイル機器識別番号及び/又はユーザパスワードもしくはIDは、認証又は確認トランザクションに関連してリモート処理センタ240に伝えてもよい。
【0038】
無線携帯装置202及び/又はユーザが確認された場合、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、POS取引を容易にするために、ステップ720で示すように、ユーザの無線携帯装置202にスタートメニュー(テキスト及び/又はグラフィックスにおける、ならびにまた任意にオーディオ情報を備えた)を伝送する。ユーザはステップ725で概して示すように、スタートメニュー、また、提供される場合には、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)から無線携帯装置202に伝送される様々な他のメニュー又はサブメニューを通して指示できるようにしてもよい。メニュー又はサブメニューは、特定のPOSシステム261(又は361)のためにカスタマイズしてもよく、また検討及び/又は購入のために様々なオプションをユーザに提示してもよい。ユーザは、無線携帯装置202を介して様々な選択をしてもよく、これらの選択は、ステップ730で示すように、無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)との間で確立された無線接続を通して、POSシステム261(又は361)に伝えられる。無線ローカルエリアネットワーク260(又は360)は、追加メニュー又はサブメニュー情報を提供するか、若しくは、妥当な場合には購入取引を始めることによって、ユーザ選択に応答する。
【0039】
ユーザが品物の購入を望む場合には、ユーザは、メニュー又はサブメニューで適切な入力(ボタン、音声作動又は他の手段による)を選択してもよい。ユーザの選択は、ステップ740で示すように、無線接続を通じて、メニュー/取引ハンドラ335へ伝えられる。メニュー/取引ハンドラ335は、各個人ユーザのために取引ステータスを維持する。ユーザが購入のために品物を選択すると、メニュー/取引ハンドラ335は、これらの品物を特定のユーザセッションと関連付ける。ユーザが全ての所望の品物を選択した場合には、メニュー/取引ハンドラ335は、無線携帯装置202を介して、ユーザが全ての選択を完了したという指示をユーザから受信する。
【0040】
ユーザは、購入の準備ができると、POSシステム261(又は361)で購入取引をしてもよい。自動購入が実行される場合、ステップ750で示すように、メニュー/取引ハンドラ335は、自動取引を取り扱うために、購入取引ハンドラ345を呼び出すのが好ましい。ユーザは、購入のために1つ又は複数の品物を選択することで、メニュー又はサブメニューに応答したことになる。ユーザセッションに関連した購入品物は、購入取引ハンドラ345へ転送され、購入取引ハンドラ345が、ユーザに課される価格(税、サービス料などの任意の追加分と共に)を計算する。ユーザが購入のためにリモート口座を利用したいことを示した場合には、ステップ755で示すように、購入取引ハンドラ345は、リモートインターフェース340を介して通信することによって、リモート処理センタ240と取引を処理する。購入取引ハンドラ345は、ステップ758で示すように、最終的に、取引の受諾又は拒否を受信する。同時に、メニュー/取引ハンドラ345は、(ステップ760で示すように)取引の詳細をローカルPOS端末362へ転送して、店舗の従業員がユーザの注文を準備できるようにしてもよい。
例えば、購入が、ファーストフード又は飲料(例えばコーヒー)である場合には、準備者は、POS表示画面でユーザの注文を見て、準備を開始してもよい。小売店の場合には、店員は、ユーザのために準備しても在庫から品物を取り出してもよい。代替として、メニュー/取引ハンドラ345は、購入が許可されるまで待ってから、情報を転送してもよい。
【0041】
図示した実施形態において、購入取引ハンドラ345は、取引購入が完了したかどうかの指示と共に、ステップ770で示すように、計算された価格情報をメニュー/取引ハンドラ335に返すことが好ましい。メニュー/取引ハンドラ335は、ステップ775で示すように、情報をPOSインターフェース330及びPOSシステム361へ転送する。POSシステム361は、POS端末362の1つ又は複数へ情報を転送する。その後、小売店員は、所望の商品−例えば食物もしくは飲料又は他の小売商品、を提供することによって、ユーザの要求を満たす。取引がリモート処理センタ240によって許可されなかったか、又はユーザが、従来の手段(例えば現金、又はリモート処理センタ240に関連するのとは異なる口座からの支払い)を用いて購入することを望む場合には、POS端末362は、購入取引ハンドラ345から提供されていれば、最終金額を含む、ユーザの所望の購入の詳細を全て既に有している。この情報によって、購入取引を完遂する際の店員の役割が容易にされる。
【0042】
取引が、ユーザのリモート口座を用いて完了された場合には、ステップ790で示すように、購入取引ハンドラ345は、会計マネージャ338に通知し、会計マネージャ338が、全ての取引の記録を維持する。
【0043】
前述のプロセスは、自動システムがファーストフード企業に関連する特定の例に関して示してもよく、またユーザは、その予期される顧客である。ユーザがマイクロセル250の範囲を入った場合に、ユーザの無線携帯装置202は、例えば、本明細書で前に説明した技術のいずれかに従って指示(例えば、呼び出し)される。ユーザの無線携帯装置202は、店舗の性質を示す簡潔なメッセージを受信してもよく、メッセージの内容を、ユーザのために表示してもよい。次に、ユーザは、潜在的な取引を続ける勧誘を受諾又は拒否するように決定してもよい。ユーザは、(例えば、適切なボタンを押す、音声命令を出す等によって)適切な入力を選択し、この入力が、店舗にある無線自動システム(すなわち無線ローカルエリアネットワーク260)に返送される。ユーザの無線携帯装置202は、ハンドシェイクを容易にするために、受信メッセージの一部に応答するようにプログラムされていてもよく、及び/又はローカル基地局404は、ユーザの無線携帯装置202からの応答を認識し、それを無線ローカルエリアネットワーク260へ転送してもよい。
【0044】
ユーザが先へ進む勧誘を拒否した場合には、無線ローカルエリアネットワーク260は、ユーザの無線電話番号(又は任意の他の利用可能な識別情報)と共に応答を記憶し、ある期間、このユーザに別のメッセージを送信することを避ける。例えば、無線ローカルエリアネットワーク260は、同じユーザとは通信を始めない、プログラム可能なバックオフ期間(例えば20分、1時間等)を用いてもよい。
【0045】
ユーザが先へ進むことを望み、かつ無線ローカルエリアネットワーク260からのプロンプトに対して適切な応答を提供する場合、無線ローカルエリアネットワーク260は、ユーザの応答を受信し、そしてもしそのように構成されていれば、ユーザ識別及び/又はパスワードを要求してもよい。また、ユーザの無線携帯装置202は、検証及び認証にも用いることが可能な、モバイル機器識別番号などの装置用のハードワイヤード(hard wired)識別番号を伝送するように構成してもよい。無線ローカルエリアネットワーク260は、検証及び認証を直ちに行なってもよく、さもなければ、取引が何らかの理由で中途終了するといけないので、取引がさらに進むまで待ってもよい。
【0046】
一旦通信が確立され、ユーザが先へ進む望みを示し、かつ必要に応じて認証及び確認が実行されると、無線ローカルエリアネットワーク260は、ユーザの携帯装置202にスタートメニューを伝送してもよい。ファーストフード企業の例で徹底すると、スタートメニューには、ファーストフード企業の特定の性質によって、例えば特定の食物カテゴリ(例えば、バーガー、ドリンク、サイドオーダー、セットメニュー等)などの様々な番号付きオプションを含んでもよい。次に、ユーザは、無線携帯装置202の標準インターフェースを用いて選択をしてもよい。これらの選択は、直接的に(直接通信リンクが確立されている場合)又は基地局204などの中継局を通して、無線ローカルエリアネットワーク260に返送されるのが好ましい。無線ローカルエリアネットワーク260は、取引で用いるためにこれらの選択を記憶し、かつ適宜、追加のサブメニューを提供することによって、ユーザの選択に応える。例えば、今までの例で続けると、ユーザが「追加注文」を選択した場合には、無線ローカルエリアネットワーク260は、例えばフレンチフライ、オニオンリング、サラダ、ポテトチップ等を含むさらなるオプションのリストを備えたサブメニューを伝送することによって応答してもよい。次に、ユーザは、新たに提示された品物から、所望の数だけ選択してもよい。サブメニューから全ての所望の選択をすると、ユーザは、定義されたコマンドを利用して、より上位レベルのメニューへ戻ってもよい。ユーザは、注文が完了したことを示す別の定義されたコマンドを利用してもよい。
【0047】
メニューインターフェースの詳細は、様々な方法で実現することができ、要望に応じて、さらに高度なものにしてもよい。例えば、ユーザは、選択に対応している第1のコマンド(又は数値)を入力し、それに、数量を選択するために利用される追加コマンド(複数の押ボタン又はサブコマンドを含んでもよい)が続いてもよい。ユーザはまた、既存の選択を削除するために、定義されたコマンドを用いることができることが好ましい。一旦ユーザが選択が完了したことを示すか、及び/又は、ユーザの選択をいつでもリストアップするか繰り返すために定義されたコマンドをユーザに提供して、無線ローカルエリアネットワーク260は、表示するために最終注文をユーザの無線携帯装置202へ伝送してもよい。それぞれの無線ローカルエリアネットワーク260は、それ自身のプロトコルで構成されていてもよいし、全ての無線ローカルエリアネットワーク260が、同じプロトコルを用いてもよい。異なるプロトコルを用いる場合には、通信が最初に確立されるときに、その構成の情報を無線ローカルエリアネットワーク260からユーザの無線携帯装置202へ伝送してもよい。
【0048】
ユーザが全ての所望の選択をし、全ての選択が完了したことを示した場合には、無線ローカルエリアネットワーク260は、店員が処理するために、POSシステム261へ情報を転送する。例えば、無線ローカルエリアネットワーク260がファーストフード店舗である場合には、店員は、ユーザの注文を準備し始めてもよい。この時点で、ユーザはまた、遠隔でアクセス可能な口座を用いて、商品の購入を試みてもよい。実際の購入は、様々な方法のいずれかで行なってもよい。例えば、購入は、従来の貨幣、クレジット又は口座引き落としを用いて従来の金融取引として行なってもよく、さもなければ、リモート処理センタ240によって少なくとも部分的に管理されたユーザ口座を利用することによって、電子的に行なってもよい。
【0049】
ユーザがしたい場合には、ユーザは、遠隔でアクセス可能な口座を利用するユーザの希望を示す特定のコマンドを入力してもよい。無線ローカルエリアネットワーク260は、ユーザの選択を受信し、好ましくは、ユーザの電話番号、モバイル機器識別番号、個人のID番号及びパスワードのうちの1つ又は複数を取得し、これらの任意の組み合わせを、後の処理のためにリモート処理センタ240へ伝える。リモート処理センタ240は、必要な認証及び確認を備え、受諾又は拒否情報を返す。取引が受諾された場合には、ローカルコンピュータ266は、情報をPOSシステム261へ転送する。受諾は、ユーザ電話番号の下4桁など、ある種のユーザ識別情報と共に転送し、店員が、受諾された取引をしかるべきユーザに関連付けることができるようにしてもよい。代替として、店員は、無線ローカルエリアネットワーク260を用いてユーザとコンタクトを取ってもよいが、これは、注文の引き取り準備ができたときに、無線ローカルエリアネットワーク260に、ユーザの無線携帯装置202を呼び出すコマンド(提供されている場合には)を選択することによってなされる。
【0050】
ファーストフードレストランに加えて、本明細書で説明する無線技術は、種々様々な他のコンテキストやアプリケーションにも同様に適用可能である。例えば、無線技術は、近くの劇場から映画又はコンサートチケットを申し込んで支払うこと、近くのキオスク又は小売店舗からコーヒー、飲料又は他の便宜品を注文し支払うこと、着席形式のレストラン又は他の食品店舗で食物を注文し支払うこと、ガソリンスタンドでガソリンを購入すること、バス又は輸送車両の乗車券を購入すること(この一例は、本明細書の後でより詳細に説明する)、又は任意の種類の小売商品又はサービスを注文し購入することのために、用いてよい。それぞれの場合に、ユーザは、従来の貨幣又は別個のクレジットもしくはデビットカードを用いる必要なしに、自分の無線携帯装置202を用いて、商品の支払いをすることができる。さらに、無線携帯装置202は、メニューだけでなく製品の画像も、無線携帯装置202にかかる表示能力が備わっている場合には、表示することができる。
【0051】
上記の無線技術のさらに別の用途として、無線ローカルエリアネットワーク260は、例えばレストランで予約に応じるために用いてもよい。ユーザが、無線ローカルエリアネットワーク260に関連するマイクロセル250の範囲に入ると、ユーザの無線携帯装置202は、本明細書で前に説明した技術に従い、無線ローカルエリアネットワーク260によって自動的にプロンプトされる。ユーザは、無線携帯装置202のキーパッド又は他のインターフェースを用いて、地元のレストラン(又は他の店舗)の予約及び所望の予約時間の要求を入力するように促されてもよい。その後、無線ローカルエリアネットワーク260は、ユーザの所望の予約時間を受信し記録する。予約時間が利用可能でない場合には、ユーザはそのように通知され、異なる時間を選択するように求められてもよい。指定された時間が来たか、又はユーザのテーブルが準備できると、無線ローカルエリアネットワーク260は、ユーザの無線携帯装置202を自動的に呼び出してもよい。したがって、ユーザは、予約したテーブルを待つ間、マイクロセル250内のどこでも自由にしてよい。この方法を用いるレストランは、顧客に専用のポケベルを配る必要がなく、代りに、顧客自身の無線装置を使用することができ、したがって、専用のポケベルが失われるか又は盗まれるというリスクが低減される。それでもやはり、レストランはまた、無線携帯装置がない顧客に専用のポケベルを渡して、技術を混合してもよい。かかる場合には、専門のポケベルは、無線ローカルエリアネットワーク260と通信するように構成されるのが好ましい。
【0052】
特定の実施形態によれば、ユーザが、POSシステムで用いるために利用可能な資金量を定期的に増加できるようにしてもよい。例えば、ユーザが、リモート処理センタ240と交信できるオンラインインターフェースを通して、利用可能な資金量を増加できるようにしてもよい。資金は、クレジットカード決済、eパースもしくはユーザ金融口座からの振替を通すか、又は他の手段を含む、任意の適切な手段を用いる方法で振り替えてもよい。代替として、ユーザは、POSキオスクで電話を介してか、又は自動金融端末で処理を実行し、あるユーザ口座からユーザのリモート処理センタ口座へ資金を振り替えてもよい。
【0053】
一実施形態によれば、ユーザは、自分の無線携帯装置202を用いて、ユーザのリモート処理センタ口座の利用可能な資金の増加を要求してもよい。ユーザは専用電話番号をダイヤルしてもよく、無線携帯装置202のインターフェース(例えばキーパッド)を用いて、振り替えられる資金額を入力することができる。ユーザは、検証のために、識別番号及び/又はパスワードの入力を要求される場合がある。セルラーネットワーク220及び/又はリモート処理センタ240はまた、検証のために無線携帯装置202の携帯機器識別番号を用いてもよい。
【0054】
特定の実施形態では、複数の無線ローカルエリアネットワーク260(すなわちPOSシステム)が同じ地理的範囲に共存し、それらの関連するマイクロセル250が様々な程度で重なり合っている。同じ地理的エリアにある複数のPOSシステムによって、全体的なシステム、及び特に、ユーザの無線携帯装置202で実行する最初のハンドシェーキングの複雑さが増す可能性がある。
【0055】
同じ地理的範囲に複数のPOSシステムが共存するシステムの動作例が、図8に示されている。そこに示すように、第1のPOSシステムに関連する第1の無線ローカルエリアネットワーク810は、マイクロセル890内で通信し、一方で、第2のPOSシステムに関連する第2の無線ローカルエリアネットワーク820は、第1のマイクロセル890と少なくとも部分的に重なり合う異なるマイクロセル891内で通信する。この状況において、ユーザが、第1のマイクロセル890及び第2のマイクロセル891が重なり合う範囲に入る可能性がある。この状況で、無線ローカルエリアネットワーク810,820のそれぞれが、本明細書で前に説明したか又は参照した技術のいずれかに従って、ユーザの無線携帯装置802の存在を検出してもよい。例えば、無線ローカルエリアネットワーク810、820の無線装置813又は823は、無線携帯装置802とローカルセルラー基地局804との間の周期的な再登録又は他の散発的な通信を検出してもよい。代替として、セルラーネットワーク806は、特定の無線携帯装置802が基地局804のセル内に存在することを、無線ローカルエリアネットワーク810,820に通知するように構成されてもよく、また無線ローカルエリアネットワーク810、820の無線設備813及び823は、無線携帯装置802に周期的に呼び出しを試みてもよい。基地局804は、無線ローカルエリアネットワーク810、820の無線設備813又は823によって利用されている特定の呼び出し周波数又はチャネルを聞き取るように、無線携帯装置802に通知してもよく、若しくは、例えば、無線設備813又は823は、基地局804を中継局として用いて、無線携帯装置802と通信してもよい。後者の状況において、無線設備813又は823は、無線携帯装置802との通信のために、ショートメッセージ(例えばSMSタイプのメッセージ)を用いてもよい。
【0056】
無線設備813又は823が、ユーザの無線携帯装置802と通信するために、基地局804を介してSMS又は同様のメッセージを用いる場合には、無線携帯装置802は、一般に、比較的短い期間にいくつかのSMS又は同様のメッセージを受信することとなる。ユーザは、例えば、SMS又は同様のメッセージをスクロールし、メッセージへの応答を選択してもよい。応答は、様々な異なる方法のいずれかで行うことができる。
例えば、「タイムエコー」手段を用いてもよく、この場合、ユーザの無線携帯装置802は、ユーザが「選択する」を押すと、割り当てられたタイムスロットで応答し、異なる無線ローカルエリアネットワーク810、820を意図した通信を識別するために、異なるタイムスロットが基地局804によって用いられる。それによって、基地局804は、各応答メッセージをどこに送信すべきかを知る。無線携帯装置802は、受信メッセージを一時的に保存し、ユーザが、例えばボタン又は音声コマンドを用いて受信メッセージを手動でスクロールするのを可能にしてもよい。代替として、無線携帯装置802は、各受信メッセージを短期間(例えば3秒)表示し、かつ、ユーザが肯定的な選択をしない場合には、要求しているPOSシステムに否定的な答えを応答するようにプログラムしてもよい。無線携帯装置802は、必要に応じて、ユーザによる受信メッセージの操作及び選択を容易にするために、他のプログラミング及び特徴で構成してもよい。
【0057】
ユーザが、所定のPOSシステムに否定的応答で答えた場合には、無線ローカルエリアネットワーク810又は820は、ある一定のバックオフ期間(各POSシステムにおいてプログラム可能か、さもなければ選択可能であってもよい)、ユーザの無線携帯装置802を再ページングしない。エリア内に他のPOSシステムがあるか、又はユーザが移動し続けて、それにより、新しいPOSシステムの範囲に入った場合には、ユーザの無線携帯装置802は、やはり、他のPOSシステムからページングを受信してもよい。
【0058】
無線携帯装置802との通信のために中継局として基地局804を用いる代わりに、無線設備813又は823が、それぞれの無線ローカルエリアネットワーク810又は820に関連する専用の周波数又はチャネルを通じて無線携帯装置802と接触する場合には、ユーザによる最初の選択プロセスは多少異なってもよい。例えば、同じ専用の周波数又はチャネル、すなわち、それを通して最初の通信セットアップを提供可能な周波数又はチャネルを、無線ローカルエリアネットワーク810、820に共有させることが望ましい場合がある。同じ地理的に近いところで複数のPOSシステムが、同じ専用の周波数又はチャネルを共有してもよく、それによって、基地局804の働きが単純化される。各無線ローカルエリアネットワーク810、820は、専用の周波数又はチャネルの論理サブチャネル(例えばタイムスロット)を割り当てられてもよく、その割り当てられたサブチャネルで情報を通信してもよい。ユーザの無線携帯装置802が、専用の周波数又はチャネルをモニタしているときには、それによって、通信範囲内の異なる無線ローカルエリアネットワーク810、820の指示を受信してもよい。
【0059】
今までの例で続けると、無線携帯装置802は、専用の周波数又はチャネルを通じて、取引を始めるようにユーザに促すページングメッセージを受信してもよい。前例で説明したプロセスと同様に、ユーザは、各メッセージをスクロールし、否定的又は肯定的に選択してもよい。それぞれの応答は、割り当てられた応答サブチャネルで伝送してもよく、若しくは、特定の無線ローカルエリアネットワーク810又は820に割り当てられた特定のサブチャネルを用いてもよい。前述のように、一旦ユーザが、取引を続ける勧誘を拒否すると、無線設備813又は823は、適宜、ある一定の期間引き下がってもよく、その間ユーザは、さらなるページングをされない。
【0060】
本明細書で開示する一実施形態によれば、無線携帯装置802は、ページングがPOSシステムから来たときに認識し、かつ他のソースからページング又は呼び出しを受信するときとは異なる着信音を用いるように構成又はプログラムされる。同様に、又は追加として、それぞれのPOSシステムは、専用の着信音を有することができ、また着信音情報(又は着信音選択情報)は、最初のページング又は同様のメッセージに関連して、ユーザの無線携帯装置802へ伝送してもよい。代替として、ユーザは、特定のPOSシステムのために特定の着信音を選択するように、無線携帯装置802をプログラムしてもよい。
【0061】
別の実施形態によれば、近くの地理的エリアにある複数のPOS店舗は、同じ無線設備を共有するが、しかし例えば、別個のPOS端末及び、必要に応じて、別個のソフトウェア機能(例えば会計データベース)を有してもよい。本実施形態は、多くの食品店舗がごく隣接して位置するフードコートによく適しているであろう。いくつかの食品店舗に同じ無線設備を共有させることによって、コスト削減が達成可能である。また、同じ無線設備を用いることによって、干渉の可能性が低減され、ユーザの携帯電話又は他の無線携帯装置とのハンドシェーキングプロセスが単純化される。ユーザには、所定の区域におけるいくつかのPOS店舗用の選択オプションのメニューを提示してもよく、またユーザは、無線携帯装置を用いて選択をしてもよい。一旦最初の選択がなされると、前に説明したように取引は、概ね、1つのPOSシステムに関連して進んでもよい。
【0062】
別のより詳細な例が、輸送車両(例えばバス、列車、軽鉄道等に適用可能である)の乗車料金を支払うコンテキストで提供される。かかる例が、図9に示されている。この例において、無線取引システム960は、輸送車両909に搭載された電子/コンピュータシステムに存在するように構成され、また(衛星、セルラーネットワーク、専用無線チャネル、又は別の方法を介して)外部局と利用可能な無線通信リンクを有することが好ましい。この例において、搭載型無線取引システム960のリモート無線インターフェース965は、地理的に分散された外部局921を介して、セルラーネットワーク920と通信する。搭載型無線取引システム960は、セルラーネットワーク920を介して直接的に、若しくは、セルラーネットワーク920及びWANゲートウェイ(図9には示さず)を介し、ワイドエリアネットワーク(インターネットなどの)を通してリモート処理センタ(図9には示さず)と通信してもよい。
【0063】
乗客が輸送車両909に乗ると、搭載型無線取引システム960は、乗客の無線携帯装置902の存在を検知し、指示(例えば可聴音、ビジュアルメッセージ又はLED作動)を与えて、例えば、輸送車両909の運転手に、乗客が自動システムを用いて運賃を支払うことに気づかせるようにする。搭載型無線取引システム960は、ユーザの無線携帯装置902による周期的な伝送を検出するか、若しくは、無線携帯装置902が、例えば、RFIDタグ、バーコード又は物理的識別のための他の手段を備えている場合には、検出器(図9には示さず)を通して無線携帯装置902の存在を物理的に検出してもよい。
【0064】
乗客は、一旦乗り込むと、輸送車両909で移動している間、無線携帯装置902を稼動状態に維持するのが好ましい。乗客が無線携帯装置902を切っている状況は、異なる方法で取り扱ってもよい。例えば、乗客は、かかる場合に、決められた料金を請求されるようにしてもよい。好ましい実施形態において、最終的な料金は、乗客が移動した距離に基づく。乗客は、輸送車両909から出ると、搭載無線取引システム960の範囲を出る。一旦搭載無線取引システム960が、乗客の無線携帯装置902の存在をもはや検出しなければ、搭載無線取引システム960は、無線携帯装置902に関連する乗客の口座に課される料金を記録し、かつ/又は処理のために、外部無線局921を介して、リモート処理センタへメッセージを伝送する。搭載型無線取引システム960は、乗車料金の請求額を計算し、それを、外部局921を介してリモート処理センタに送信するか、若しくは、乗客の移動時間量を示す情報を単に送って、リモート処理センタに関連する自動システムが料金の計算を実行できるようにしてもよい。
【0065】
図9に示し、図9に関連して説明するシステム900は、本明細書と共に開示した他の図に関連して前に説明したのと同じか又は類似のシステム構成要素を利用することができる。搭載型無線取引システム960は、乗車料金の支払い取引を実行するために、前に説明したのと同様の方法で、乗客の無線携帯装置902と連動してもよく、また本明細書に記載した他の実施形態に関連して前に説明した方法で、リモート処理センタ(図9には示さず)と通信してもよい。
【0066】
搭載型無線取引システム960はまた、ルート、スケジュールなどの情報を提供してもよく、これらの情報は、ユーザの無線携帯装置902に表示されるようにしてもよい。情報は、テキスト、又は、無線携帯装置902で対応されている場合には、グラフィックスとして表示してもよい。搭載型無線取引システム960は、ルート、スケジュール及びその他の情報をローカルコンピュータ966にローカルで記憶させるか、若しくは、かかる情報をリモート無線インターフェース965を介してリモートソースから受信してもよい。
【0067】
図9のシステム及び本明細書で説明する他の実施形態の為し得る1つの利点は、消費者(例えば図9のシステムにおける乗客)が、自分の携帯電話又は他の無線通信装置を利用して、様々な消費者取引をできるということである。ほとんどの個人が、自身の携帯電話又は同様の装置を既に所有し、利用しているので、開示したシステム及び技術によって、消費者の便宜が向上される。したがって、開示したシステム及び技術は、個人の携帯電話又は他の無線通信装置が多機能化し、特に、クレジット又はデビットカードと同様の方法で用いられることを可能にし、一方でまた、無線通信装置の特性により、音声及び/又はデータ用の無線通信を提供する。もちろん、本明細書で開示する様々な実施形態のいずれかで用いられる無線通信装置に、本明細書で開示する消費者取引能力とは別個の機能を提供することは不可欠ではない。
【0068】
本明細書で用いるように、セルラーネットワークの文脈における「セル」は、セルラープロバイダ設備によってサービスされる任意の地理的範囲であってもよく、例えば、状況によって、UMTSマクロセル、マイクロセル又はピコセルさえも含んでもよい。無線局又は無線ローカルエリアネットワークの文脈において用いられる「マイクロセル」は、必ずしもUMTSマイクロセルと同じものではない。より正確に言えば、マイクロセルには、例えば、無線携帯装置を有する潜在的な消費者が、あるPOS地点に最も近く存在し得るセルエリアが一般に含まれる。一般に、マイクロセルは、セルラーネットワークの通常サイズのセルより小さい。例えば、典型的用途におけるマイクロセルは、半径が約100〜200ヤードであってもよい。
【0069】
本明細書に開示する様々な実施形態に従って、消費者が無線携帯装置を用い、自動的又は半自動的な方法でPOS取引をセットアップし実行するシステムアーキテクチャ及び関連方法が提供される。ある一定の好ましい実施形態では、POSシステム及び無線ローカルエリアネットワークと関連するマイクロセルの短距離トランシーバは、セルラーサービスエリアを提供する外部ネットワークと並行して動作する。セルラーシステムのセル内における無線設備の動作は、セルラーネットワークを通じた携帯電話ユーザの通常の外部通信に干渉をもたらさないか、又は最小限にするのが好ましい。この目的のために、所定のセル内の帯域幅又はチャネルは、セルラー基地局とPOSシステムの無線設備との間で分割してもよい。基地局は、その場その場又は半永久的に、所定の帯域幅又はチャネルをPOSシステムの無線設備に割り当ててもよい。代替として、通信は、ローカルセルラー基地局を中継局として用いて行ってもよく、その結果、無線設備は、セルラーユーザの通常の通信に干渉しない。より正確に言えば、POSシステムの無線設備は、一般に、任意の他のセルラーユーザのように取り扱われる。
【0070】
POSシステムの無線設備(例えばトランシーバ)は、POSコンピュータに電気接続されるのが好ましく、次に、このコンピュータが、(例えば、インターネット、WAN又は専用接続を介して)リモート処理センタに結合される。POSシステムは、ユーザが、無線携帯装置(例えば携帯電話)を用いて、自動的な方法でPOS取引をセットアップし、かつリモート処理センタを伴う電子取引を通して所望の商品又はサービスの実際の購入を容易にすることを可能にするように構成されるのが好ましい。
【0071】
無線携帯装置202に関連して、多くの実施形態を説明した。しかしながら、無線携帯装置202が独立型の装置である必要はなく、例えば、他の電子機器又は車両と一体化されてもよいことを理解されたい。
【0072】
本発明の好ましい実施形態を本明細書で説明したが、本発明の概念及び範囲内に留まる多くの変更が可能である。かかる変更は、本明細書及び図面の検討後に、当業者には明らかになるであろう。したがって、本発明は、すべての添付された請求項の趣旨及び範囲を除いては、限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本明細書に開示する一実施形態による無線消費者取引システムのブロック図である。
【図2】本明細書に開示する例示的な実施形態による無線消費者取引システムのさらなる詳細を示すブロック図である。
【図3】本明細書に開示する一実施形態により、例えば、図2の無線消費者取引システムに組み込むことが可能な無線ローカルエリアネットワークのブロック図である。
【図4】セルラー基地局が、無線通信装置とPOSシステムとの間の中継局の役割をする代替実施形態の図である。
【図5】無線装置とローカルPOSシステムとの間の最初のハンドシェイクのプロセス例を示す流れ図である。
【図6】ユーザの観点から、消費者取引のために実行可能な一実施形態によるプロセス例を示すフローチャートである。
【図7】システムの観点から、消費者取引のために実行可能な一実施形態によるプロセス例を示すフローチャートである。
【図8】多くのローカルPOSシステムが配置されている場合の無線装置とローカルPOSシステムとの間の最初の通信を確立する例を示す図である。
【図9】輸送車両の状況で用いられる無線消費者取引システムの例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線携帯装置と通信するため、ユーザオプションメニューを前記無線携帯装置へ伝えるため、及び、前記無線携帯装置からユーザ選択を受信するための無線インターフェースと、
前記無線インターフェースを介して受信したユーザ選択を保持するためのローカル記憶装置を含むコンピュータであって、前記ユーザ選択に基づいて販売時点情報管理取引価格を決定するように構成されたコンピュータと、
リモート処理センタと通信するためのリモートインターフェースであって、それにより、前記コンピュータが、販売時点情報管理取引を実行するためのユーザの要求に応じて、販売時点情報管理取引許可の要求を前記リモート処理センタへ送信し、かつ前記リモート処理センタから販売時点情報管理取引許可応答を受信するリモートインターフェースと、
前記コンピュータに結合された販売時点情報管理端末であって、前記コンピュータが、前記販売時点情報管理取引許可応答に応じて販売時点情報管理取引許可指示を伝える販売時点情報管理端末と、
を備える無線消費者取引システム。
【請求項2】
前記無線携帯装置が携帯電話を含む、請求項1に記載の無線消費者取引システム。
【請求項3】
前記無線消費者取引システムが、セルラーネットワークの基地局のサービスエリア内に位置し、
前記無線インターフェースが、短距離無線トランシーバを含み、
前記無線インターフェースが、前記無線トランシーバに近接した無線携帯装置の存在を検出して応答するように構成されている、請求項1に記載の無線消費者取引システム。
【請求項4】
無線携帯装置を検出すると、前記無線インターフェースが、前記セルラーネットワークの前記基地局を介して、前記無線携帯装置にショートメッセージを伝送し、前記ショートメッセージは、前記セルラーネットワークによってサポートされた標準ショートメッセージフォーマットである、請求項3に記載の無線消費者取引システム。
【請求項5】
無線携帯装置を検出すると、前記無線インターフェースが、前記基地局によって利用されていない周波数又はチャネルで前記無線携帯装置と通信する、請求項3に記載の無線消費者取引システム。
【請求項6】
前記コンピュータが、販売端末以外に、前記ユーザの要求の達成に用いられる販売時点情報管理端末における表示のためにユーザ選択のリストを伝えるように構成されている、請求項1に記載の無線消費者取引システム。
【請求項7】
前記コンピュータが、前記無線携帯装置に関連する携帯機器識別子を少なくとも部分的に用いることによって、ユーザを認証するように構成されている、請求項1に記載の無線消費者取引システム。
【請求項8】
前記コンピュータが、前記無線携帯装置を用いてユーザによって入力されたパスワードを少なくとも部分的に用いることによって、ユーザを認証するように構成されている、請求項1に記載の無線消費者取引システム。
【請求項9】
前記リモート処理センタが、ユーザが無線消費者取引システムを通して提示された商品又はサービスを購入するために、自動的に資金を引き出すことが可能なユーザ口座、を含む、請求項1に記載の無線消費者取引システム。
【請求項10】
前記ユーザが、前記リモート処理センタに維持されている前記ユーザ口座に、ユーザ始動の電子振込を通じて追加資金を加えることが可能な、請求項9に記載の無線消費者取引システム。
【請求項11】
消費者取引を実行するための方法であって、
無線局において、前記無線局の近傍内における無線携帯装置の存在を検出するステップであって、前記無線局が、セルラーネットワークのカバーエリア内に位置し、かつ販売時点情報管理情報を無線携帯装置へ提供するように構成されているステップと、
前記無線局を介して無線携帯装置との通信を確立するステップと、
前記無線局を介して、前記無線携帯装置から販売時点情報管理取引を続ける指示を受信するステップと、
前記無線局を介して、ユーザオプションメニューを前記無線携帯装置へ伝えるステップと、
前記無線局を介して、前記無線携帯装置からユーザ選択を受信し記憶するステップと、
前記ユーザ選択に基づいて、販売時点情報管理取引価格を決定するステップと、
販売時点情報管理取引許可の要求をリモート処理センタへ送信するステップであって、前記販売時点情報管理取引許可が前記取引価格を含むステップと、
前記リモート処理センタから販売時点情報管理取引許可応答を受信するステップと、
前記販売時点情報管理取引許可応答の指示を販売時点情報管理端末に表示するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記無線携帯装置が携帯電話を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記無線インターフェースが、前記セルラーネットワークの前記サービスエリアと重なり合うマイクロセル範囲をカバーする短距離無線トランシーバを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記無線携帯装置を検出すると、前記セルラーネットワークの基地局を介して前記無線局から前記無線携帯装置へショートメッセージを伝送するステップであって、前記ショートメッセージが、前記セルラーネットワークによってサポートされた標準ショートメッセージフォーマットであるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記無線携帯装置を検出すると、前記マイクロセル範囲内で前記セルラーネットワークによって利用されていない周波数又はチャネルを通じて、前記無線局と前記無線携帯装置との間で通信するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
販売時点情報管理販売端末以外に、前記ユーザの要求の達成のために、販売時点情報管理端末において表示するようにユーザ選択を伝えるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記無線セルラー装置に関連する携帯機器識別子を少なくとも部分的に用いることによって、前記ユーザを認証するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記無線セルラー装置を介して前記ユーザによって入力されるパスワードを少なくとも部分的に用いることによって、前記ユーザを認証するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記リモート処理センタが、ユーザが、前記無線消費者取引システムを通して提示された商品又はサービスを購入するために、自動的に資金を引き出すことが可能なユーザ口座、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記リモート処理センタに維持された前記ユーザ口座に、ユーザ始動の電子振込を通じて追加資金を加えるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記リモート処理センタが、前記販売時点情報管理取引の許可に基づいて、前記ユーザの口座から前記取引価格を引き落とす、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ユーザオプションメニューが、購入用に選択可能な品物のリストを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
前記購入用に選択可能な品物が複数の食品品目を含み、前記食品品目が、前記販売時点情報管理端末に関連する店舗で物理的に入手可能である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
セルラーネットワークのカバー範囲内に位置する無線局であって、マイクロセル範囲内における無線携帯装置の存在を検出し、かつ前記無線携帯装置へユーザオプションメニューを伝えるように構成された無線局と、
前記無線携帯装置を用いて入力されたユーザ選択を、前記無線局を介して受信し、かつ前記ユーザ選択に基づいて販売時点情報管理取引価格を決定するように構成されたローカルコンピュータと、
販売時点情報管理取引の許可を得るために、リモート処理センタと通信するためのリモートインターフェースと、
前記コンピュータに結合された販売時点情報管理端末であって、前記販売時点情報管理取引が前記リモート処理センタによって許可されたかどうかの指示を表示する販売時点情報管理端末と、
を含む無線消費者取引システム。
【請求項25】
前記無線局が、複数の異なるセルラープロトコルに従って通信するように構成されている、請求項24に記載の無線通信システム。
【請求項26】
前記無線局による前記無線携帯装置の検出が、前記無線局に、前記無線携帯装置と販売時点情報管理情報の交換を始めさせる、請求項24に記載の無線通信システム。
【請求項27】
前記リモート処理センタが、販売時点情報管理取引の許可要求の受信に応じて、前記無線携帯装置に関連するリモートユーザ口座に自動的にアクセスする、請求項24に記載の無線通信システム。
【請求項28】
前記リモート処理センタが、前記リモートユーザ口座から、前記販売時点情報管理取引の取引価格をカバーするのに十分な資金量を自動的に引き落とす、請求項27に記載の無線通信システム。
【請求項29】
前記リモート処理センタが、前記販売時点情報管理取引を許可する前に、前記ユーザ又は無線携帯装置を認証する、請求項28に記載の無線通信システム。
【請求項30】
前記リモート処理センタが、認証に関して、前記無線携帯装置に関連する携帯機器識別子を用いる、請求項29に記載の無線通信システム。
【請求項31】
前記リモート処理センタが、認証に関して、前記無線携帯装置を介してユーザによって入力されたパスワードを用いる、請求項29に記載の無線通信システム。
【請求項32】
前記無線携帯装置が携帯電話を含む、請求項24に記載の無線通信システム。
【請求項33】
販売時点情報管理システムにおいて消費者取引を容易にするための方法であって、
前記販売時点情報管理システムに関連する無線局において、無線携帯装置の存在を検出するステップと、
前記無線局と前記無線携帯装置との間の通信を確立するステップと、
前記無線携帯装置の表示部で表示するためにオプションメニューの伝送するステップと、
前記無線局を介して、1つ又は複数のユーザ選択を前記無線携帯装置から受信するステップと、
前記ユーザ選択に基づいて取引価格を決定するステップと、
リモート処理センタとの自動取引をトリガするステップであって、それによって、前記リモート処理センタに関連するユーザ口座における資金が、前記ユーザ選択を購入するために利用されるステップと、
前記リモート処理センタからの販売時点情報管理取引許可を、販売時点情報管理システムにおいて受信するステップと、
前記販売時点情報管理取引許可の指示を、販売時点情報管理端末で表示するステップと、
後でアクセスするために、前記販売時点情報管理取引の記録を記憶するステップと、
を含む方法。
【請求項34】
前記ユーザ口座が、複数の販売時点情報管理システムのいずれかを通してアクセス可能であり、前記ユーザ口座が、前記販売時点情報管理システムのいずれかにおいて、購入に資金を提供するために利用可能である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記無線局が、前記リモート処理センタによる認証のために、前記無線携帯装置に関連するユーザパスワード及び/又は携帯機器識別子を取得する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記ユーザオプションが、前記販売時点情報管理端末において購入に利用可能な食品品目のリストを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記無線携帯装置の存在を検出するステップでは、汎用セルラーネットワークと通信している前記無線携帯装置の動作を、前記無線局で検出することを含む、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−522564(P2007−522564A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552301(P2006−552301)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/003711
【国際公開番号】WO2005/076964
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(506266104)アイ・オー コントロールズ コーポレーション (1)
【氏名又は名称原語表記】I/O CONTROLS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】1357 West Foothill Boulevard, Azusa, CA 91702 (US)
【Fターム(参考)】