説明

無線通信のための周波数間測定及びハンドオーバ

【課題】高速な周波数間ハンドオーバを行うネットワークを提供する。
【解決手段】第1の周波数上のセル又は基地局の現行アクティブセットから、他の(新しい)周波数上の基地局の仮想アクティブセットへ切り替えることにより、ユーザ装置(UE)との通信に対する周波数間ハードハンドオーバを行う。基地局の仮想アクティブセットはユーザ装置(UE)で維持され、更新される。仮想アクティブセット更新の第1モードにおいて、ネットワークはユーザ装置(UE)に、周波数間測定イベントの発生をネットワークに報告するよう委任する。第2のモードにおいて、ネットワークはユーザ装置(UE)に対し、ネットワークが指定したイベントの発生時の自立的な仮想アクティブセット更新実行を委任し、またネットワークが周波数間ハンドオーバコマンドを発行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本出願は以下の米国仮出願の恩恵及び優先権を主張する。これら仮出願の全ては参照によって本明細書に組み込まれる。
米国仮出願番号第60/154,577(1999年9月17日出願)
米国仮出願番号第60/153,946(1999年9月15日出願)
米国仮出願番号第60/153,947(1999年9月15日出願)
【0002】
1.発明の属する技術分野
本発明は無線通信分野に属する。本発明は周波数間ハンドオーバ及び周波数間測定報告に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術及び他の考慮
典型的なセルラ無線システムにおいて、地理的領域は無線ネットワークに接続される基地局によってサービスが提供される複数のセル領域に分割される。セルラ無線システム内の各ユーザ(移動加入者)は音声及び/又はデータを移動無線ネットワークと通信する、ポータブル、ポケット、ハンドヘルド又は自動車据え付け型の移動局(ユーザ装置又はUE)を与えられる。各基地局は、送信器、受信器、及びコントローラを含むチャネル部を複数有し、全方向に等しく伝送を行う無指向性アンテナ又は、各々が特定のセクタセルにサービスを提供する複数の指向性アンテナを有しても良い。各ユーザ装置(UE)もまた、送信器、受信器、コントローラ、及びユーザインタフェースを含み、特定のユーザ装置ユニット(UE)識別子によって識別される。
【0004】
セルラ無線通信システムにおいて、ハンドオーバ動作は、確立した接続に関与する移動無線機がシステム内のセル間を移動した際に、その確立した接続が継続することを可能にする。ハンドオーバは一般に、起点基地局との無線接続の信号強度又は信号品質が所定の閾値を下回った際に開始される。しばしば、低信号強度又は低信号品質表示は、ユーザ装置(UE)が2つのセルの境界に近いことを意味する。ユーザ装置(UE)が目標セル又は障害物のない視線方向に近づいた場合、目標セルへの無線接続のハンドオーバによって、通常よりよい無線伝送および受信が実現される。
【0005】
一部のセルラシステムにおいて、ハンドオーバ動作は起点セルとの接続を物理的に切断し、その後その接続を目標セルと再確立する、すなわち”接続前切断(break-before-make)”切り替え動作を必要とする。そのようはハードハンドオーバ技術は代表的には時分割多元アクセス(TDMA)及び周波数分割多元アクセス(FDMA)形式セルラシステムに用いられている。
【0006】
一方、”ソフト”ハンドオーバ技術が符号分割多元アクセス(CDMA)形式のセルラシステムにおいて利用可能である。CDMAはFDMA及びTDMA技術よりも高スペクトル効率が達成される、すなわちより多くのセルラユーザ及び/又はサービスをサポート可能であるため、人気が高まっているセルラ通信用アクセス形式である。さらに、共通周波数帯域はユーザ装置(UE)と複数の基地局との同時通信を可能にする。共通周波数帯域を占有する複数の信号は、受信局において、高速な疑似雑音(PN)符号の利用に基づくスペクトラム拡散CDMA波形特性を通じて弁別される。これら高速なPN符号は基地局及びユーザ装置(UE)から送信する信号を変調するのに使用される。異なるPN符号(又は時間的にずれたPNコード)を用いる送信局は、受信局において独立して復調可能な信号を生成する。高速PN変調はまた、送信された信号のいくつかの異なる伝播経路を合成することにより、受信信号を有利に生成可能にする。
【0007】
従って、CDMAにおいて、ユーザ装置(UE)は、あるセルから別のセルへ接続のハンドオーバが行われる際に周波数切り替えを行う必要がない。その結果、目標セルは起点セルがその接続へのサービスを継続している同時刻に、ユーザ装置(UE)への接続をサポートすることが可能である。ユーザ装置(UE)はハンドオーバ中、常に少なくとも1つのセルを通じて通信しているため、呼の中断が存在しない。そのため、”ソフトハンドオーバ”と呼ばれる。ハードハンドオーバと対照的に、ソフトハンドオーバは”切断前接続(make before break)”切り替え動作である。
【0008】
ハンドオーバにどのセルが関与するかの決定には、しばしばユーザ装置(UE)及び無線ネットワークとの間の調整が必要になる。たとえば、広帯域CDMA(WCDMA)において、ユーザ装置(UE)は起こりうるハンドオーバのために監視の必要なセルのリストを維持する。ユーザ装置(UE)によって維持されるセルのリストは、”アクティブリスト”を構成するセル及び、(アクティブリストには無くても)監視すべき隣接セルを含む。ユーザ装置(UE)はその監視すべきセルのリストを、ネットワークによってユーザ装置(UE)に送信された情報に基づいて連続的に更新する。例えば、ネットワークは、測定制御メッセージといったメッセージを介して、セルの初期リストを供給することができる。セルの初期リストは、例えば、ユーザ装置(UE)が位置するセルに隣接するセルのリストでもよい。その後、ネットワークは、アクティブセット更新メッセージ等のメッセージを用い、そのセルがアクティブセットに含まれるべきかに関してユーザ装置(UE)を更新する。
【0009】
ユーザ装置(UE)は、自らが有するリストに含まれるセルの各々について、基地局制御又は同報チャネルを監視、例えば測定する。監視結果(例えば測定結果)はネットワークへ送信され、ネットワークではこの監視に基づきどのセルをアクティブセットに入れるべきか(例えばどのセルを追加、置き換えあるいは除去すべきか)を判定する。
【0010】
上述の通り、CDMAにおいては、あるセルから別のセルへ接続のハンドオフがなされる際、ユーザ装置(UE)は周波数を切り替える必要がない。さらに、任意の瞬間において、ユーザ装置(UE)は同一無線周波数上で複数の基地局、すなわちそのユーザ装置(UE)に対する基地局/セルの「アクティブセット」と無線連絡中である。上述したこの種の(同一周波数の利用に関する)ソフトハンドオーバはまた、周波数内ソフトハンドオーバ又はアクティブセット更新手順としても知られている。
【0011】
周波数内ソフトハンドオーバをどのように実行するかを知るため、例えばアクティブセット内の基地局及び複数の隣接セルから送信される所定の制御チャネルに関する測定を行わねばならない。測定に用いられる汎用制御チャネルの特性は、固定電力を有し、ユーザ装置(UE)の検出及び報告における遅延に特別な余裕を許しながら、セルの予想されるカバレージエリアに渡ってユーザ装置(UE)が監視可能であることである。測定は例えば、その制御チャネルについての所定の信号強度又は信号対雑音比(例えば信号対干渉比)測定であってよい。複数の基地局からの制御チャネルの測定結果の値は比較され、この比較結果は、どのようにハンドオーバを実施すべきか(例えばどのセルをアクティブセットに含ませるか、あるいはアクティブセットから除外するか)を決定するために用いられる。
【0012】
ソフトハンドオーバに関連して、アクティブセット内の複数の基地局及び複数の隣接セルから送信され、ハンドオーバ目的で測定される複数の制御チャネルは、同一周波数上に存在するにもかかわらず、弁別可能である。特にCDMAの一形態に関連して、ハンドオーバ測定に用いられる制御チャネルは、以前は主共通制御物理チャネル(P CCPCH)と呼ばれていた、共通パイロットチャネル(CPICH)として知られる物理制御チャネルである。一般に、ハンドオーバ用の異なるセルとともに、ユーザ装置(UE)は監視すべきセル(例えば、アクティブセット内の基地局に対応するセル)のCPICHを測定する。CPICHは一般に他のシステムでパイロットチャネル、又は止まり木チャネルと呼ばれているものと等価であると見なすことができる。
【0013】
従って、これまでの説明で暗示されるように、ハンドオーバを目的とした(例えばCPICHの)測定の利用は、例えば何らかの形式の測定報告、例えばユーザ装置(UE)からの測定結果報告を含む。そのような測定についての報告基準や報告イベントや、ユーザ装置(UE)からのイベント駆動型測定報告によってサポートされる基地局のアクティブセット維持、及び、ハンドオーバ全般といったトピックスは、以下の文献の1つ又は複数において説明される(これら文献のすべては、その全体を参照によって本明細書に組み込まれる)。
【0014】
(1)米国特許出願第09/314019号(1999年5月19日出願)、「イベントベースの報告を含む移動局測定」
(2)米国特許出願第09/344122号(1999年6月24日出願)、「移動局及び基地局に支援されるネットワーク評価ハンドオーバ」
(3)米国特許出願第09/344121号(1999年6月24日出願)、「複数の品質推定の併用に基づく電力制御」
(4)米国特許出願第09/262346号(1999年3月4日出願)、「移動通信システム内の移動無線局に送信される異なる形式のメッセージの調整」
さらに、背景情報はそのすべてが参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5594718号、米国特許第5697055号、米国特許第5267261号、米国特許5848063号の1つ又は複数によって与えられるであろう。
【0015】
周波数内ソフトハンドオーバはCDMAの有利な特徴であるが、ユーザ装置(UE)が新しい周波数への切り替えを必要とする場合が存在する。ユーザ装置(UE)に関する接続の、ある周波数から別の周波数への変更又は切り替えは、周波数間ハンドオーバとして知られている。ユーザ装置(UE)の制限により、”ソフト”周波数間ハンドオーバの実現は基本的に不可能又は非常に困難である。従って、周波数間ハンドオーバは一般にハードハンドオーバにならざるを得ない。このような事情により、電気通信ネットワークが新しい周波数のアクティブセットにできるだけ早く適切なセルを割り当てることが非常に好ましい。しかし、そのようにするためには、新しい周波数についてのユーザ装置(UE)からの関連測定情報をネットワークが必要とする。しかし、周波数間ハンドオーバの実行後に、ユーザ装置(UE)から新しい周波数についての関連測定情報を得るのは時間がかかり、できる限り早く新しい周波数にアクティブセットを割り当てるという目的の支障となる。
従って、必要とされ、かつ本発明の目的であるものは、高速な周波数間ハンドオーバを促進する技術である。
【発明の概要】
【0016】
(発明の概要)
電気通信ネットワークは、セル又は第1の周波数における基地局の現行アクティブセットから、別の(新しい)周波数における基地局の仮想アクティブセットへ切り替えることにより、ユーザ装置(UE)との接続についての周波数間ハードハンドオーバを行う。ハンドオーバは同一システム内部の周波数間ハードハンドオーバであっても、システム間ハンドオーバであってもよい。
【0017】
本発明によれば、(基地局のアクティブセットに加えて)基地局の仮想アクティブセットがユーザ装置(UE)で維持される。基地局の仮想アクティブセットは本発明のいくつかの更新実施例の1つに従って更新される。ユーザ装置(UE)からネットワークへの測定報告が正当である場合、ネットワークはユーザ装置(UE)に周波数間ハードハンドオーバコマンドを発行し、その後ユーザ装置(UE)は第1の周波数ではなく、仮想アクティブセットの新しい周波数を使用することが可能になる。
【0018】
仮想アクティブセット更新の実施のための本発明の第1のモードにおいて、ネットワークはユーザ装置(UE)に、所定の、ネットワークが指定したイベントの発生をネットワークに報告するよう委任する。ネットワークは、仮想アクティブセット更新情報をユーザ装置(UE)と通信することにより、必要に応じてこれらレポートに従って動作する。仮想アクティブセット更新の実施のための本発明の第1のモードにおいて、実際の周波数間ハンドオーバに先立って、すなわち、ユーザ装置(UE)が基地局のアクティブセットに関する現在の周波数上で動作している際に、電気通信ネットワークはユーザ装置(UE)によって維持されている、1つ又は複数の(例えば、予想される)未使用周波数に対する基地局の仮想アクティブセットを更新する。第1のモードに従ってユーザ装置(UE)に仮想アクティブセット更新を送信する2つの方法例が説明される。最初の方法において、測定制御メッセージを用いる測定制御手順が周波数間情報中の仮想アクティブセット更新情報とともに用いられる第2の方法例においては、(例えば、未使用又は予想される周波数の)周波数情報を含むアクティブセット更新手段がネットワークからユーザ装置(UE)へ送信される。
【0019】
仮想アクティブセット更新の実施のための本発明の第2のモードにおいて、ネットワークはユーザ装置(UE)に、自立的な仮想アクティブセット更新の実行を委任する。そのような委任は、(ユーザ装置(UE)が測定報告をネットワークに送信し、仮想アクティブセット更新を含んだ測定制御命令を待つ代わりに)仮想アクティブセット更新をトリガすべきネットワーク指定のイベントによって発生しうる。都合のよいことに、第2のモードはシグナリングを削減する。第2のモードにおいて、ユーザ装置(UE)は、自立的仮想アクティブセット更新をトリガする所定のネットワーク指定のイベントの発生時に、(例えば自立的仮想アクティブセット更新を確認する目的の)報告をネットワークに送信してもしなくてもよい。
【0020】
周波数間ハンドオーバの前に、ユーザ装置(UE)は、現行アクティブセットに対する現在の周波数に関し、その周波数内ソフトハンドオーバ測定を引き続き実施し、報告する。好都合なことに、本発明によれば、周波数内ハンドオーバをトリガするイベントが、周波数間測定の報告に再利用されると同時に、未使用周波数における仮想アクティブセットの維持をサポートする。従って、新しい周波数上の仮想アクティブセットの維持に必要な報告基準は周波数内ソフトハンドオーバ測定用に現在定義されているものと同一である。周波数間測定結果を用い、ネットワークは周波数間ハンドオーバ決定及び、周波数間ハンドオーバの実施後可能な限り早く、新しい、最適なアクティブセットを用いたユーザ装置(UE)との通信確立を行うことが可能である。
【0021】
他の見地において、本発明はネットワークに現行アクティブセットの品質推定及び仮想アクティブセットの品質推定を提供する。品質推定はあるUTRAN周波数から別のUTRAN周波数へのハンドオーバに関連して、あるいはシステム間ハンドオーバ(例えば、UTRANシステムと例えばGSMシステムの間でのハンドオーバ)に関してでも利用可能である。品質推定は周波数/システムの変更あるいは切り替えをトリガするために使用可能である。UTRAN周波数に対して、UTRAN周波数品質推定が等式によって表される。一方、GSMセルの品質推定は、主に(1)GSMキャリア無線電界強度表示(RSSI)、及び(2)無線基地局IDコード又は基地局IDコード(BSIC)が確認済みであるか否かという2つの要因に基づく。品質推定利用ハンドオーバに用いられる所定の閾値は、ヒステリシス保護を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を好適に実施可能な移動通信システムの例を示す図である。
【図2】ユーザ装置(UE)、無線ネットワークコントローラ及び基地局を含む、UMTS地上無線アクセスネットワークの一部の単純化された機能ブロック図である。
【図3】本発明の一シナリオ例に従ったユーザ装置(UE)に対するアクティブセット及び仮想アクティブセットを示す線図である。
【図3A】本発明によるシステム間ハンドオーバの様々なシナリオを表す線図である。
【図3B】本発明によるシステム間ハンドオーバの様々なシナリオを表す線図である。
【図3C】本発明によるシステム間ハンドオーバの様々なシナリオを表す線図である。
【図3D】本発明によるシステム間ハンドオーバの様々なシナリオを表す線図である。
【図4】本発明の第1のモードに含まれる、仮想アクティブセット更新を行うための基本的な動作のシーケンスを示す線図である。
【図5A】図4のモードに対する測定制御メッセージ手順を説明する線図である。
【図5B】図4のモードに対するアクティブセット更新手順を説明する線図である。
【図5C】ユーザ装置に自動的に発行される、アクティブセット更新メッセージ及び仮想アクティブセット更新メッセージを含む更新メッセージのシナリオ例を説明する線図である。
【図6A】測定制御メッセージに含まれる、主要情報要素を示す図である。
【図6B】仮想アクティブセット更新メッセージに含まれる、主要情報要素を示す図である。
【図7】本発明の第2のモードに含まれる、仮想アクティブセット更新を行うための基本的な動作のシーケンスを示す線図である。
【図8】UTRAN周波数から他のUTRAN周波数へのハンドオーバに関連してUTRAN品質推定を用いるシナリオにおける基本動作を示す線図である。
【図9】本発明の見地とともに利用可能な圧縮モード伝送例を示す線図である。
【図10】様々なシステム間ハンドオーバシナリオのための基本動作を示す線図である。
【図11】様々なシステム間ハンドオーバシナリオのための基本動作を示す線図である。
【図12】第1のシステムが第2のシステムのカバレージと完全にはオーバラップしない、カバレージ制限された場合に対する閾値設定のグラフを示す図である。
【図13】第1のシステムが第2のシステムのカバレージと完全にオーバラップする、カバレージが制限された場合に対する閾値設定のグラフを示す図である。
【図14】あるオペレータ(例えば、第1のネットワークサービス企業)から他のオペレータ(例えば他のネットワークサービス企業)へのハンドオーバを実行する目的でのアクティブセット及び仮想アクティブセットの利用を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の上述した目的及び他の目的、特徴及び利点は、以下の、添付図面に記載される好ましい実施形態のより具体的な説明によって明らかになるであろう。添付図面において、同一部分を参照する参照文字は、様々な図面において共通である。図面は縮尺される必要が無く、代わりに、本発明の原理を説明するために強調がなされている。
【0024】
(詳細な説明)
本発明の完全な理解を提供するため、以下の説明において、限定ではなく説明を目的として、具体的なアーキテクチャ、インタフェース、方法等といった特定の詳細を説明する。しかし、本技術分野に属する当業者には、本発明がこれら特定の詳細以外の他の実施形態においても実施可能であることが明らかであろう。他の場合において、周知の装置、回路及び方法の詳細な説明は、不必要な詳細によって本発明の説明が不明瞭にならないように省略する。
【0025】
本発明は、図1に示す、非限定的な、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)10の例に関して説明される。雲形12として示される、代表的なコネクション型の外部コアネットワークは例えば公衆交換電話網(PSTN)及び/又は統合サービスディジタル網(ISDN)であってよい。雲形14として示されるコネクションレス型外部コアネットワークは例えばインターネットでよい。いずれのコアネットワークも対応するサービスノード16に接続される。PSTN/ISDNコネクション型ネットワーク12は移動通信交換局(MSC)ノード18として示されるコネクション型サービスノードに接続される。インターネットコネクションレス型ネットワーク14は時に在圏GPRSサービスノード(SGSN)と呼ばれる、パケット交換形式のサービスを提供するように適合された汎用パケット無線サービス(GPRS)ノード20に接続される。
【0026】
既存のGSM(Global System for Mobile Communications)ネットワークは基地局システム(BSS)を含んでいる。基地局システム(BSS)は少なくとも1つの(大抵は複数の)基地局コントローラ(BSC)22を有し、各基地局コントローラは少なくとも1つの(大抵は複数の)基地局(BS)23にサービスを提供する。図1においては1つのみ示しているが、各基地局コントローラ(BSC)22はインタフェースAを介してMSC18と接続されている。基地局コントローラ(BSC)22はその無線基地局23とインタフェースA’を介して接続されている。
【0027】
コアネットワークサービスノード18及び20の各々は、UMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)24と、Iuインタフェースと呼ばれる無線アクセスネットワーク(RAN)インタフェースを介して接続される。UTRAN24は1つ又は複数の無線ネットワークコントローラ26を含む。RNC26の各々は複数の基地局(BS)28及びURAN24内のその他のRNCと接続される。
【0028】
好ましくは、無線アクセスは、個々の無線チャネルがCDMA拡散符号を用いて割り当てられる、広帯域の符号分割多元アクセス(WCDMA)に基づく。もちろん、他のアクセス方法も使用可能である。WCDMAはマルチメディアサービス及び他の高伝送速度要求に対して広帯域を提供する上、ダイバーシチハンドオフ等のロバスト機能や及び高品質を保証するRAKE受信機をも提供する。各ユーザ移動局又はユーザ装置(UE)30は、基地局28が特定のユーザ装置(UE)からの伝送を特定できるように、また同一エリアに存在する他のすべての伝送及びノイズの中から、ユーザ装置(UE)が基地局から自局に宛てられた伝送を特定できるように、それぞれスクランブル符号を割り当てられる。
【0029】
基地局28の1つと複数のユーザ装置(UE)30との間には、異なる形式の制御チャネルが存在しうる。例えば、順方向又はダウンリンク方向においては、汎用同報チャネル(BCH)、呼び出しチャネル(PCH)、共通パイロットチャネル(CPICH)及び順方向アクセスチャネル(FACH)を含む、ユーザ装置(UE)に様々な他の形式の制御メッセージを供給するためのいくつかの形式の同報チャネルが存在する。逆方向又はアップリンク方向では、位置登録、発呼、呼び出し応答及び他のアクセス動作を実行するためにアクセスが必要な際、ランダムアクセスチャネル(RACH)がユーザ装置(UE)に用いられる。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、所定のユーザ、例えばウェブブラウザアプリケーションに対する例えばベストエフォートデータパケットの搬送にもまた用いられる。ユーザ装置(UE)との実体的な呼の搬送にはトラフィックチャネル(TCH)が割り当てられてもよい。
【0030】
共通パイロットチャネル(CPICH)は明示的なデータを搬送する必要はない。むしろ共通パイロットチャネル(CPICH)の符号及び外見(physical appearance)がユーザ装置(UE)に情報を与える。例えば、ユーザ装置(UE)は、共通パイロットチャネル(CPICH)を、ハンドオーバ評価測定や、受信機をそのセルに対して伝送される他の物理チャネルに対して最適に調整するための良好なチャネル推定を得るために用いる。
【0031】
図1に示すように、一部のユーザ装置(UE)はただ1つの基地局と通信可能である。しかし、ユーザ装置(UE)は、例えばソフトハンドオーバによって、複数の基地局又は複数の基地局セクタと通信可能である。待機中であっても、ユーザ装置(UE)は近隣の基地局から同報される制御チャネルを監視あるいはスキャンする。
【0032】
図2に、ユーザ装置(UE)30及び無線ネットワークコントローラ26及び基地局28といった例示的なノードの一般的な主要構成を示す。図2に示すユーザ装置(UE)30は、ユーザ装置(UE)によって要求される様々な動作を制御するためのデータ処理及び制御部32を含んでいる。UEのデータ処理及び制御部32は制御信号及びデータを、アンテナ35に接続される無線送受信機33へ供給する。
【0033】
図2に示す、例示的な無線ネットワークコントローラ26及び基地局28は、RNC26及び複数のユーザ装置(UE)30との間の通信を処理するのに必要な多くの無線及びデータ処理動作を実行するための、対応するデータ処理及び制御部36及び37をそれぞれ有する無線ネットワークノードである。基地局データ処理及び制御部37によって制御される装置部分には、1つ又は複数のアンテナ39に接続された複数の無線送受信機38が含まれる。
【0034】
本発明では、UTRANが複数のユーザ装置(UE)によって測定された1つ又は複数のパラメータに基づいてネットワーク状況のリアルタイムな知見を受信できるよう、測定報告の提供に複数のユーザ装置(UE)を用いることができる。できるだけ少ないシグナリングでUTRANが各ユーザ装置(UE)から関連情報を得ることが好ましい。測定報告の送信は、例えば1999年5月19日に出願され、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願第09/314019号、「イベントに基づく報告を含む移動局測定」によって説明されるように、イベントによってトリガされることが可能かつ好ましい。従って、ネットワーク状況のリアルタイムな知見は適切な時期に選択的に搬送されることが可能であり、そのためUTRANは遅延及び過度のシグナリングオーバヘッドなしに効率的に応答可能である。ユーザ装置(UE)からの測定報告送信をトリガする、あらかじめ定められた”イベント”及び/又はあらかじめ定められた”状況”の適応的なセットを定義することが可能である。レポートを受信すると、UTRANは報告された情報を解析し、必要なら応答又はハンドオーバ、電力制御、運用及び保守、ネットワーク最適化及び他の手順等、他の必要な動作を実行する。
【0035】
図3に示すように、ユーザ装置(UE)30は第1の周波数上の基地局のアクディブセットに同調される。図3に示すように、アクティブセットはすべて周波数1を用いるセルA、セルB及びセルCを含む。ユーザ装置(UE)はアクティブセットに含まれるセルのリストを維持し、そのリストは通常ユーザ装置(UE)の移動又は他の状況の変化に応じ、ネットワーク(例えばRNC26)によって更新される。
【0036】
本発明において、ユーザ装置(UE)30は、基地局のアクティブセットの他に、1つ又は複数の、基地局の仮想アクティブセットを維持する。特に図3は、ユーザ装置(UE)30が(いずれも周波数2上の)セルD及びセルEを含む第1の仮想アクティブセットと、(周波数3上の)セルFを有する第2の仮想アクティブセットを維持している状態を示している。セルA−C,D−E及びFのセットはすべてほぼ同一の地理的領域をカバーしている。セルの各セットは異なる周波数で動作している。後述するように、1つのセルセットは第1のオペレータによって維持されるシステム内に含まれ、他のセルセットは第2のオペレータが維持するシステムに含まれてもよい。代わりに、1つのセルセットが第1方式/世代のネットワーク(例えばUTRAN)に含まれ、他のセルセットが第2方式/世代(例えばIS−95,CDMA2000等)のネットワークに含まれてもよい。
【0037】
特定の周波数(例えば第2又は新たな周波数)上の仮想アクティブセットに属するセルは、ユーザ装置(UE)がその周波数に同調した場合にその周波数上でのアクティブセットとなるであろうセルである。ユーザ装置(UE)はアクティブセット及び(1つ又は複数の)仮想アクティブセットの両方に関する測定値を供給する。そして、測定値が条件に当てはまる場合、ネットワークは周波数間ハンドオーバコマンドをユーザ装置(UE)に発行し、その結果ユーザ装置(UE)は第1の周波数でなく新しい周波数を使用する。つまり、電気通信ネットワークがユーザ装置(UE)30との接続に対し、第1の周波数上の基地局の現行アクティブセットから別の(新たな)周波数上の基地局の仮想アクティブセットへ切り替えることにより、周波数間ハードハンドオーバを実行する。
【0038】
仮想アクティブセット更新の実施のための本発明の第1のモードにおいて、ネットワークはユーザ装置(UE)に、所定の、ネットワークが指定したイベントの発生をネットワークに報告するよう委任する。ネットワークは、仮想アクティブセット更新情報をユーザ装置(UE)と通信することにより、必要に応じてこれらレポートに従って動作する。そして、そのユーザ装置(UE)装置からの引き続く測定報告が条件に当てはまる場合、ネットワークは周波数間ハンドオーバコマンドをユーザ装置(UE)に発行する。
【0039】
本発明の第1モードに含まれる基本ステップのシーケンスを図4に示す。実際の周波数間ハンドオーバに先立って、すなわち、ユーザ装置(UE)30が基地局のアクティブセットに関する現在の周波数上で動作している際に、電気通信ネットワーク(例えばRNC26)はユーザ装置(UE)30によって維持されている、1つ又は複数の(例えば、予想される)未使用周波数に対する基地局の仮想アクティブセットを更新する。図解のために、この仮想アクティブセットの更新は、動作4−1のメッセージとしてまとめて表される、ネットワークの送信する仮想アクティブセットメッセージを含む。以下に説明するように、仮想アクティブセット更新は例えば一連の測定制御メッセージ(図5A参照)又は一連の仮想アクティブセット更新メッセージ(図5B参照)を用いて行うことが可能である。周波数間ハンドオーバの前にはまた、ユーザ装置(UE)がその周波数間ハンドオーバ測定(例えば仮想アクティブセットの物理制御チャネル(例えばCPICH等)に関する測定)を実施する。ユーザ装置(UE)は図4の動作4−2として表されるように、その周波数間ハンドオーバ測定の報告を行う。図4に示すように、動作4−2の測定報告はイベント駆動されてもよい(例えば指定されたトリガイベントによってトリガされる)。
【0040】
図4の説明に関して、動作4−3として、RNC26が周波数間ハンドオーバを行うべきかの判断を行うことが仮定されている。動作4−4として、RNC26は周波数間ハンドオーバコマンドをユーザ装置(UE)30に発行する。周波数間ハンドオーバコマンドを受信すると、ユーザ装置(UE)30は直ちに周波数間ハンドオーバコマンドによって要求された新たな周波数に切り替え、基地局の仮想アクティブセットを新しい現行アクティブセットとして使用可能になる。この効率性は、少なくともその一部において、RNC26が、そのユーザ装置(UE)30が周波数間ハンドオーバに寄与する測定をすでに実行したことに鑑みて周波数間ハンドオーバが受け入れ可能であろうことを既に知っているという事実によって促進されている。さらに、ユーザ装置(UE)は仮想アクティブセットがアクティブセットとなった際に再利用可能な、タイミングチャネル、推定等といった様々なパラメータに関するレイヤ1情報を利用可能であり、それによって周波数変更後の同期処理をおそらくスピードアップする。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、動作4−2の報告を行うのに必要な、周波数間測定をトリガするイベントはまた、周波数間測定の報告をトリガするイベントであってもよく、同時に、1つ又は複数の未使用周波数上の仮想アクティブセットの維持をサポート可能である。従って、この共通トリガイベントの実行において、新しい周波数上の仮想アクティブセットの維持に必要な報告基準は周波数内ソフトハンドオーバ用に現在定義されているものと同一である。周波数間測定を用いることで、ネットワークは周波数間ハンドオーバの判定を行い、周波数間ハンドオーバが実行された後できる限り早くに、新しい、最適なアクティブセットを用いてユーザ装置(UE)との通信を確立することが可能である。
【0042】
従って、仮想アクティブセット更新の実施のための本発明の第1のモードにおいて、仮想アクティブセットの更新は、ユーザ装置(UE)に新しい周波数上でのイベントに対するイベント報告を送信させるとともに、それら報告によってネットワークによる、いくらかの、しかし比較的制限されたシグナリング量を含む仮想アクティブセット制御メッセージの送信をトリガさせることにより実行される。
【0043】
仮想アクティブセット情報をユーザ装置(UE)30に通信するための動作4−1がどのように実行可能であるかの2つの例が図5A及び図5Bによってそれぞれ図示される。第1例(図5A)において、測定制御メッセージを用いる測定制御手順が周波数間情報中の仮想アクティブセット更新情報とともに用いられる。第2例(図5B)においては、周波数情報(例えば未使用又はそれが見込まれる周波数)を含む仮想アクティブセット更新手順がネットワークからユーザ装置(UE)へ送信される。
【0044】
図5Aは上で暗に説明した測定制御手順の実行に有用なシグナリング図の例を示す。図5Aの例において、仮想アクティブセット更新メッセージは一連の測定制御メッセージの形式をとる。
【0045】
測定制御メッセージ(MCM)は多くの情報要素(IE)(以下で検討する)を含むことが可能であるとともに、様々な形式をとることができる。この点に関し、図6Aは本発明のための測定制御メッセージ例に包含可能な情報要素の一部を示している。一般に、測定制御メッセージはユーザ装置(UE)に、使用中及び未使用の周波数上の1つ又は複数の無線関連(又は他の)パラメータ測定を指示する。測定制御メッセージはまた、ユーザ装置(UE)から無線ネットワーク制御ノードへの測定報告返送をトリガする、1つ又は複数の予め定められたイベント及び/又は状況を特定する。単純化のために、図6Aは測定制御メッセージ例の情報要素のうち、現在の検討に関連する一部のみを示す。
【0046】
情報要素6A−1(図6A参照)はメッセージ形式情報要素であり、測定制御メッセージにおいては、そのメッセージを測定制御メッセージ(MCM)として特定する値を有する。
【0047】
情報要素6A−2は測定ID番号であり、特定の測定(例えば5番目の測定)へのメッセージに関連する。測定ID番号は移動局測定のその後の修正においてネットワーク(例えばUTRAN)によって用いられる上、測定報告において移動局に用いられる。
【0048】
情報要素6A−3は測定コマンドフィールドであり、メッセージによって運ばれるコマンド形式に従っていくつかの値のうち1つを有することが可能である。コマンド形式はメッセージの機能が、新しい測定の設定、以前指定された測定パラメータの変更、予め定められたイベント又は状況の変更、測定の停止、又は測定に関連して移動局に保存された全情報の消去のいずれであるのかを示すことが可能である。
【0049】
情報要素6A−4は測定形式であり、(例えば)周波数間測定を示すことが可能である。
【0050】
情報要素6A−5は測定報告モードである。情報要素6A−5が適切な値に設定されれば、情報要素6A−2で特定された特定の測定によってトリガされた測定報告メッセージが(イベントが失われないように)肯定応答(acknowledgment)モードを用いて送信される。
【0051】
情報要素6A−6は周波数間セル情報を含む。特に、情報要素6A−6は周波数間隣接セル(inter-frequency neighbors)についての隣接セルリスト(NCL)を有する。情報要素6A−12はシステム間セル情報を含み、システム間セル情報はシステム間隣接セルリストを含む。この情報は他のシステム、例えばGSMに属するセルについて、ユーザ装置(UE)が測定すべきセル及びセルパラメータを指定する。
【0052】
情報要素6A−7の周波数間測定品質は、イベント評価のために測定されるべきセルの品質を指定する。例えば、情報要素6A−7はCPICH Ec/No、すなわちその周波数におけるノイズ密度で除算された共通パイロットチャネルのチップ毎エネルギーを指定することが可能である。
【0053】
情報要素6A−8は周波数間測定報告品質表示、すなわちこの情報要素はイベント報告においてどの品質を報告すべきかを指定する。例えば、情報要素6A−8は(上述した)CPICH Ec/No及び周波数品質推定の両方を含むことが可能である。
【0054】
情報要素6A−9は周波数間設定更新(IFSU)情報要素である。図6Aに示すように、周波数間設定更新(IFSU)情報要素6A−9は様々な構成要素を有する。第1の構成要素はフィールド6A−9−1であり、自動更新(及び更新がなされたことの自動報告)を行うべきか否かを示す第1の機能を有する。従って、この第1機能について、情報要素6A−9のフィールド6A−9−1は、自動更新が”ON”、”ON(報告なし)”又は”OFF”であることを示す値を有する。周波数間設定更新(IFSU)情報の第2の構成要素は無線リンク(RL)付加情報6A−9−2であり、仮想アクティブセットに加えるべき無線リンクのID(すなわち、仮想アクティブセットに加えるべきセルのID)を含むことが可能である。周波数間設定更新(IFSU)情報要素6A−9の第3の構成要素は無線リンク(RL)削除情報フィールド6A−9−2であり、仮想アクティブセットから削除すべき無線リンクのID(すなわち、仮想アクティブセットから削除すべきセルのID)を含むことが可能である。
【0055】
情報要素6A−10は周波数内測定報告基準を含む。換言すれば、情報要素6A−10は使用するイベント及び、トリガ及び周波数の品質推定(Qcarrier)を制御する他のパラメータを指定する。そのようなイベントは例えば以下のものを含むことが可能である。(FDDネットワークに対して)主CPICHが報告範囲に入った、主CPICHが報告範囲からはずれた(FDDのみ)、非アクティブ主CPICHがアクティブ主CPICHよりも良好になった(FDD)、最良セルの変化(FDD)、及び主CPICHが絶対閾値より良好になったか悪化した(FDD)。
【0056】
情報要素6A−11は周波数間測定報告基準である。情報要素6A−11は(物理チャネル再構成メッセージを用いてネットワークから命令された)実際の周波数間ハンドオーバをトリガすることが可能なイベントを指定可能であり、また周波数Wの品質推定に用いるいくつかのパラメータをも指定可能である。周波数間測定報告基準情報は例えば、周期的、イベントトリガ時、又は即時の周波数間測定報告であってよい。この基準情報はまた、測定報告がDCCH上の肯定応答又は否定応答データ転送を用いて送信されるべき場合にも指定されうる。ここで、周波数間測定報告をトリガ可能なイベントを”イベント2x”(xはa,b,c...)と表す。そのようなイベントの例をイベント2a−2bとして以下にリストする。
【0057】
トリガイベント2a:最良周波数の変化。未使用周波数のいずれかの品質推定が現在使用されている周波数品質推定より良好になり、かつイベント2aが指示されている場合、このイベントがユーザ装置(UE)からの報告送信をトリガする。
トリガイベント2b:現在使用中の周波数の品質推定が所定の閾値未満で、かつ未使用周波数の品質推定が所定閾値を上回っている。
トリガイベント2c:未使用周波数の品質推定が所定の閾値未満である。
トリガイベント2d:現在使用中の周波数の品質推定が所定の閾値未満である。
トリガイベント2e:未使用周波数の品質推定が所定の閾値未満である。
トリガイベント2f:現在使用中の周波数の品質推定が所定の閾値を上回っている。
【0058】
測定制御メッセージにおいては一般に、定性的及び/又は定量的なパラメータが指定及び測定されうる。非限定的なパラメータ例は測定信号強度、信号電力、ビット誤り率、信号対干渉比、経路損失、トラフィック量、タイミング/同期オフセット等を含む。予め定められたイベント及び/又は状況の例は、例えば、1999年5月19日に出願され、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第09/314019号、「イベントに基づく報告を含む移動局測定」に記載される。
【0059】
図5Aの測定制御手順例において、無線ネットワーク制御ノード、例えばRNC、基地局又は他のコントローラは、測定制御メッセージを生成し、ユーザ装置(UE)へ送信する(動作5−1)。測定制御メッセージ(動作5−1)は好ましくはDCCHに含まれるが、例えばそのセルの論理チャネル(BCCH)に含まれてもよい。動作5A−1の測定制御メッセージはその形式情報要素6A−1が”MCM”と示されるものとして表されている。図5AにおいてNCL情報要素6A−6が影をつけて(shading)示されるように、動作5A−1の測定制御メッセージはユーザ装置(UE)にどのセルを監視すべきかを通知するための隣接セルリストを含んでいる。動作5−1の測定制御メッセージの周波数間設定更新モード情報要素6A−9は、図5Aにおいて、本発明の非自動更新モードが用いられること、すなわち、自動更新が”OFF”であることを表すその第1の構成要素のみを示している。図5Aのメッセージに対しては選択された情報要素のみが表示され、必ずしもすべてのメッセージが同一の情報要素を一様に表示していないことが理解されよう。
【0060】
ユーザ装置(UE)30は測定制御メッセージ5A−1に対し、測定報告メッセージで応答する(動作5A−2)。測定制御メッセージ5A−1への応答タイミングは、周波数間測定報告基準情報要素6A−11(図6A参照)に規定されるように、測定報告の送信をトリガする予め定められたイベント及び/又は状況に基づくことが可能である。
【0061】
図5Aはさらに、ネットワーク(例えばRNC)が、メッセージ5A−3及び5A−6といった他の測定制御メッセージをユーザ装置(UE)に送信することを示している。測定制御メッセージ5A−3及び5A−6はいずれも、これらメッセージが、過去に送信した同一のIDを有する測定制御メッセージを”変更”するためのコマンドに関するものであることを示すコマンド情報要素6A−3を有する。図5Aの例に従って、また陰をつけられたIFSU情報要素6A−9それ自体によって表されるように、測定制御メッセージ5A−3及び5A−6は基地局の仮想アクティブセットを更新する情報を含む。例えば、周波数間設定更新(IFSU)情報要素6A−9は(可能性のある複数の仮想アクティブセットの中の)どの特定の仮想アクティブセットを更新すべきか、どのようにその特定の仮想アクティブセットを更新すべきか(例えば、セルの追加、除去又は置換)、及び更新によって影響を受けるセルのCPICHを表すことが可能である。例えば図3に関しては、測定制御メッセージ5A−1のNCL情報要素6A−6がセルA−Cをリストするであろうが、測定制御メッセージ5A−3の第2の構成要素は(それらのIFSU情報要素6A−9において)セルD及びセルEをそれぞれ第1の仮想アクティブセットに加えるべきことを指定するであろう。
【0062】
図5Aはさらに、動作5A−4及び5A−6のような、ユーザ装置(UE)からRNC26へ戻される測定報告メッセージの伝送も示している。この図においては、動作5A−6の測定報告メッセージが、未使用周波数(例えば第1の仮想アクティブセットの周波数2)が使用中の周波数(例えばアクティブセットの周波数1)よりも良好であることを報告するものと仮定している。この報告に基づいて、イベント5A−7によって表されるように、ネットワーク(例えばRNC26)はユーザ装置(UE)を使用中の周波数(例えば周波数1)から未使用の周波数(例えば周波数2)へ切り替える決定を行う。そのような決定はイベント5A−7として示される周波数間ハンドオーバコマンド(また物理チャネル再構成メッセージとも呼ばれる)としてユーザ装置(UE)に通信される。
【0063】
図5に関連して上述したように、本発明によれば、ユーザ装置(UE)は1つ又は複数の未使用周波数上で測定を行わねばならない。仮想アクティブセットは周波数内イベント及び、最終的には周波数変更の必要性を表す新しいイベント(例えば以下に与えられる)を再利用する。
【0064】
図5Bは上に暗示した仮想アクティブセット更新手順の実施に有用なシグナリング線図の例を示す。図5Bの例において、仮想アクティブセットメッセージはユーザ装置(UE)から送信された一連の仮想アクティブセット更新メッセージの形式をとる。測定制御メッセージ(MCM)と同様、仮想アクティブセット更新メッセージ(VASUM)は多くの情報要素(IE)を包含可能であるとともに様々な形式をとりうる。単純化のために、図6Bでは仮想アクティブセット更新メッセージ例の現在の検討に関連する一部の情報要素、特にメッセージ形式情報要素6B−1及び周波数間セット更新(IFSU)情報要素6B−9のみを示す。
【0065】
図5Bのシナリオは図5Aのシナリオと同様に、例えばネットワーク(例えばRNC26)が測定制御メッセージをユーザ装置(UE)に送信(動作5B−1)することから開始する。動作5B−1の測定制御メッセージはユーザ装置(UE)にどのセルを監視すべきかを通知する隣接セルリスト(NCL)を含む。ユーザ装置(UE)30は測定制御メッセージ5A−1に測定報告メッセージで応答する(動作5B−2)。
【0066】
図5Bのシナリオにおいて、ネットワークはユーザ装置(UE)で維持される1つ又は複数の仮想アクティブセットを更新するため、一連の仮想アクティブセットメッセージ(VASUM)を発行する。図5Bは、動作5B−3及び5B−6によって表わされるように、そのように発行される仮想アクティブセットメッセージ(VASUM)の2つの例を示している。動作5B−3及び5B−6のメッセージが、本当に仮想アクティブセット更新メッセージであるという事実は、そのメッセージ形式情報要素6B−1(図5Bに示されるように形式=VASUM)によって表される。動作6B−3及び6B−6のVASUMメッセージの影付きのフィールドIFSUによって表されるように、各VASUMメッセージは周波数間セット更新(IFSU)情報要素6B−9を含む。周波数間設定更新(IFSU)情報要素6B−9は上述した測定制御メッセージ(MCM)の対応する情報要素と本質的に同一形式を有する。すなわち、周波数間設定更新(IFSU)情報要素6B−9はどのようにして仮想アクティブセットを更新するか(例えば、セルの付加、除去又は置換)、及び更新によって影響を受けるセルのCPICHを指定する。
【0067】
各仮想アクティブセット更新メッセージに応答し、ユーザ装置(UE)は仮想アクティブセット更新完了メッセージを発行する。この点について、図5Bは動作6B−3及び6B−6仮想アクティブセット更新メッセージが動作6B−4及び6B−7の仮想アクティブセット更新完了メッセージによってそれぞれ応答される。
【0068】
さらに、図5Aのシナリオと同様に、図5Bは、ユーザ装置(UE)からRNC26に戻された、動作5B−5及び5B−8のような測定報告メッセージの伝送についてさらに説明する。本発明に対しては、動作5B−8の測定報告メッセージが、未使用周波数が現在使用中の周波数より良好であることを報告するものと仮定している。そのような決定はイベント5B−10(物理チャネル再構成メッセージとしても知られる)として示される周波数間ハンドオーバコマンドとして通信される。
【0069】
従って、図5Bの例は仮想アクティブセット更新手順に関連する。本発明の周波数間アクティブセット更新メッセージは、未使用周波数に関連するアクティブセットの変化を含む。周波数間アクティブセット更新メッセージ(VASUM)によって提供される情報は、同一未使用周波数内の周波数間測定によって定義されるイベントを、周波数間測定報告基準に用いることを可能にする。
【0070】
様々な実施形態を用い、どのようにして仮想アクティブセットを更新可能であるかについて説明してきた。上で特に具体的に述べてはいないが、ユーザ装置(UE)に対するアクティブセットの更新はまた、ネットワークからのメッセージによっても発生する。例えば、ユーザ装置(UE)によって報告されるイベントに従って、ネットワークはその仮想アクティブセット更新メッセージをアクティブセットを更新するためのメッセージとともにまき散らしてもよい。この点について、図5Cは周波数間ハンドオーバコマンド5C−(n+14)で終了する、ユーザ装置(UE)によって長期に発行される更新メッセージのシナリオ例を示す。明確にするため、図5CはRNC及びユーザ装置(UE)の間で伝送されるそのような(測定レポートメッセージ等の)他のメッセージについては示していないが、そのような他のメッセージ(測定報告メッセージ等)が実際には伝送されることは明らかである。
【0071】
仮想アクティブセット更新を実施するための本発明の第2モードにおいて、ネットワークはユーザ装置(UE)に自立的な仮想アクティブ更新の実行又は、所定の、ネットワークが指定したイベントの発生に応答してネットワークに送信する報告を行わないように依頼する。そして、ユーザ装置(UE)からの引き続く測定報告が条件に当てはまる場合、ネットワークは周波数間ハンドオーバコマンドを発行する。
【0072】
仮想アクティブセット更新を実施する本発明のこの第2のモードにおいて、ネットワークはユーザ装置(UE)に、所定のネットワーク指定イベントの発生に応答して自立的仮想アクティブセット更新を実行するよう依頼する。本発明の第2のモードはおおむね図7に示される。図7のシナリオは図5Aのシナリオと同様、例えばネットワーク(例えばRNC26)が測定制御メッセージをユーザ装置(UE)に送信する(動作5B−1)ことから開始する。第2のモードに対して、メッセージ7−1の周波数間更新(IFSU)情報要素6A−9は、図7に示されるように、自立的更新が”ON”であることを示す第1構成要素を有する。自立的更新が”ON”であることにより、ユーザ装置(UE)は仮想アクティブセットを自ら更新し、測定報告を送信する。
【0073】
図7においてNCL情報要素が影付きで表されるように、動作7−1の測定制御メッセージはユーザ装置(UE)にどのセルを監視すべきかを通知するための隣接セルリスト(NCL)を情報要素6A−6内に含む。さらに、動作7−1の測定制御メッセージ(又は他のメッセージ)はユーザ装置(UE)に測定をトリガするイベント及び仮想アクティブセット更新をトリガするイベントを搬送する。この点に関し、動作7−1の測定制御メッセージは周波数内測定報告基準を提供する情報要素6A−10及び、周波数間測定報告基準を報告するための情報要素6A−11を含む。情報要素6A−10は未使用周波数に対するセルの仮想アクティブセットを更新するための基準を指定する。情報要素6A−11は未使用周波数の推定品質が現在使用中の周波数の推定品質よりも良好である場合に、現行アクティブセットのセル結合効果及び仮想アクティブセットセル結合効果を考慮して開始するイベントを指定する。
【0074】
例えば、動作7−1の測定制御メッセージは、測定報告及び仮想アクティブセットの更新の両方をトリガ可能なイベントを指定する周波数間測定報告基準情報要素6A−11を含む。
【0075】
図7は、動作7−2として発生する、測定報告をトリガするイベントをさらに示している。動作7−2の測定報告トリガイベントに応答して、ユーザ装置(UE)は、(1)測定報告メッセージを動作7−3としてネットワークに送信するとともに、(2)自動的な仮想アクティブセット更新の実施(動作7−4として示す)を行う。自動仮想アクティブセット更新において、トリガイベント(例えばイベント1x)は動作7−3の測定報告メッセージの伝送をトリガするとともに、測定された周波数上の仮想アクティブセットに対するセルの追加、置換又は除去を引き起こす。
【0076】
換言すれば、トリガイベントの発生時に仮想アクティブセットがどのように影響を受けるかに関し、ネットワークは既にユーザ装置(UE)に通知しているため、ユーザ装置(UE)はトリガイベント発生時に自ら更新を行うことが可能である。図7はたまたま、連続して発生する3つのトリガイベント、例えばトリガイベント7−2,7−5及び7−8を説明し、トリガイベント7−2,7−5は仮想アクティブセットに影響を与える特性を有し、それぞれ動作7−3及び7−6の測定報告メッセージを発生させる。トリガイベント7−8(イベント2x)は未使用周波数が使用中の周波数よりも良好であるため発生し、ネットワークへ送信される動作7−9の測定報告メッセージ発生の原因となる。
【0077】
この状況の通知を受け、動作7−10としてネットワークはユーザ装置(UE)を現在使用中の周波数から新しい周波数へ切り替える決定を行う。動作7−11として、RNC26は周波数間ハンドオーバコマンドをユーザ装置(UE)30に発行し、ユーザ装置(UE)30はこの周波数間ハンドオーバコマンド(物理チャネル再構成メッセージ)を受信すると、直ちに周波数間ハンドオーバコマンドで要求された新しい周波数に直ちに切り替え可能となる。そして、仮想アクティブセットを新しい現行アクティブセットとして使用し始める。
【0078】
図7に関して上述した第2のモードにおいて、ネットワークは、例えば自立承認メッセージ(autonomous authorization message)又は自立依頼を含む他のメッセージの情報要素を用い、ユーザ装置(UE)に仮想アクティブセットを自立的に更新するように命令又は依頼する。そのような依頼は仮想アクティブセット更新をトリガする1つ又は複数の所定のイベント又はパラメータをネットワークが指定することで発生可能である。そのイベント又はパラメータの受信に応答して、ユーザ装置(UE)は仮想アクティブセットの更新を自立的に、いかなるシグナリングも行わずに実行する。イベント1xのようなイベントが発生した場合、ネットワーク内の資源割り当てに関することであるため、ネットワークはアクティブセットに含まれるセルを知る理由(例えば、その時点で発行された測定報告)を有する。
【0079】
従って、第2のモードにおいて、ユーザ装置(UE)は測定報告をネットワークに送信し、仮想アクティブセット更新を含む測定制御メッセージの受信を持つ代わりに、自立的に仮想アクティブセットの更新を行う。有利なことに、第2のモードはシグナリングを削減する。
【0080】
互換性がない場合を除き、本発明の第1のモードの様々な見地を本発明の第2のモードに適用することが可能である。例えば、第2のモードにおける自立的更新において、ネットワークは依然として使用中の周波数と未使用の周波数との比較に関するイベント及び報告を必要とする。すなわち、第2のモードにおいて、ユーザ装置(UE)は2つの周波数を比較した際、依然として周波数間報告基準に指定されたイベントを報告する。アクティブセットを維持するため、未使用周波数に関する物理的測定は引き続きユーザ装置(UE)によって実行されねばならないが、特にユーザ装置(UE)によって自立的な更新が実行される第2のモードにおいて、測定された値を同じ頻度でネットワークに送信する必要はない。
【0081】
本発明において、周波数間測定報告基準は異なる周波数上のCPICHが互いに比較される場合に関連し、一方周波数内測定基準は同一周波数上の複数のCPICHが互いに比較される場合に関連する。この言語法によれば、周波数内測定報告基準はさらに、現行アクティブセットに用いられる周波数以外の他の周波数上のCPICHに対しても適用されることに留意されたい。周波数間測定報告基準はこのように、実際の測定がユーザ装置(UE)によってどうやって行われるかには関係せず、むしろ報告基準が異なる周波数上のCPICH間の比較に関連するか、又は同一周波数内の複数のCPICH間で比較が行われるかに関連する。所定の周波数が現在使用中の周波数の代わりに使用されるべきか否かを評価するため、情報要素6A−11に関連して上で定義した周波数間報告イベントが用いられる。未使用周波数のセルに対するセル個別のオフセットを用い、イベント2a−2fのトリガポイントを変更することが可能である。
【0082】
他の見地において、本発明はネットワークに対し、ある周波数上のアクティブセットについての品質推定(そのアクティブセットが現行の(実際の)アクティブセット又は仮想アクティブセットのいずれになるべきか)を供給する。この周波数品質推定は周波数の変更又は切り替えのトリガに使用可能である。
【0083】
本発明による周波数品質推定をどのように使用可能であるかの一例は、第1のUTRAN周波数から第2のUTRAN周波数へ変更又は切り替えするべきか否かの判定時に発生する。そのような例に対し、UTRAN周波数品質推定(本明細書においてはUTRAN品質推定と呼ぶ)は式1によって表される。有利に、本発明に対する周波数間イベント報告のトリガに適用可能であるけれども、数式1は周波数内イベント報告をトリガするための従来技術と似ている。
【0084】
【数1】

【0085】
数式1の変数は以下のように定義される。
Qfrequency jは周波数j上のアクティブセットについての品質推定
Mfrequency jは周波数j上のアクティブセットについての品質推定
Miはアクティブセット内のセルiの測定結果
NAはアクティブセット内のセル数
MBestはアクティブセット内の最強セルの測定結果
WはUTRANからUEへ送信される範囲1〜0の値を有するパラメータ
W=0は周波数j上の最良セルからの測定結果のみを用いる
W=1はアクティブセット内のセルからの測定結果の合計のみを用いる
TSGR#5(99)563,RAN25.215v.2.0.0、”物理レイヤ測定(FDD)”からの他の2つの測定をまた数式1において使用可能である。これら測定の第1は、CPICH RSCPであり、これは本質的にセルでそのCPICHに対して使用されている符号上で受信された信号強度である(ここで、数式1において、Mはミリワット、Qfrequency jはdBm単位である)。これら測定の第2は、CPICH Ec/N0であり、これはセルでそのCPICHに対して使用されている符号上で受信された信号対雑音比である(数式1において、Mは比、Qfrequency jはdB単位である)。
【0086】
数式1はアクティブセット内のセルの合計が有意であるか、又は1つの周波数上での受信に対する総合品質を計算する際、最良のセルのみが考慮されるかに従って、重み付けすることが可能である。アクティブセット内の多くのセルはただ1つのセルに比較してより良好な品質を与えるはずである。
【0087】
UTRAN品質推定は周波数間比較に用いることが可能である。すなわち、周波数間ハンドオーバを行うべきか否かを判定するため、実際の、あるいは現行のアクティブセットに対するUTRAN品質推定を仮想アクティブセットに対するUTRAN品質推定と比較することが可能である。そのような周波数間比較及びトリガは、以下のイベントを含む(図6Aの測定制御メッセージ(MCM)の情報要素6A−11に関連して上にリストしたイベントに類似の)様々な周波数間イベントによって促されることが可能である。
【0088】
トリガイベント2a:UTRAN周波数の変化
トリガイベント2b:現在用いられるUTRAN周波数のUTRAN品質推定が所定の閾値(例えば”Q_search_for_another_frequency”)を下回り、かつ未使用のUTRAN周波数のUTRAN品質推定が別の閾値(例えば”Q_accept_another_frequency”)を上回る
トリガイベント2c:現在用いられるUTRAN周波数のUTRAN品質推定が所定の閾値(例えば”Q_search_for_another_frequency”)を下回る
トリガイベント2d:未使用のUTRAN周波数のUTRAN品質推定が別の閾値(例えば”Q_accept_another_frequency”)を上回る
トリガイベント2e:未使用のUTRAN周波数のUTRAN品質推定が所定の閾値を下回る
トリガイベント2f:現在用いられるUTRAN周波数のUTRAN品質推定が所定の閾値を上回る
【0089】
図8は、あるUTRAN周波数から他のUTRAN周波数へのハンドオーバに関連してUTRAN品質推定を用いるシナリオを示している。動作8−1によって表されるように、ネットワークはユーザ装置(UE)に周波数内測定の実行を命令する。図示のシナリオにおいては、たまたまユーザ装置(UE)が所定のイベント1A,1B,1Cをアクティブセットの更新に用いている。これらイベント1A,1B及び1Cは以下のように定義される。イベント1Aはネットワークが1つのセルをアクティブセットに追加することを考慮しているであろう場合、イベント1Bはネットワークが1つのセルをアクティブセットから除去することを考慮しているであろう場合、イベント1Cはネットワークがアクティブセット内で1つのセルを他のセルすることを考慮しているであろう場合である。動作8−2はユーザ装置(UE)が周波数間トリガイベント2c(上述)を周波数間比較を促すために用いることを命令されたことを示している。すなわち、ユーザ装置(UE)は現在使用されているUTRAN周波数に対するUTRAN品質推定が予め定められた絶対閾値(例えば閾値”Q_search_for_another_frequency”)よりも悪化した場合に報告することを要求されている。
【0090】
周波数間トリガイベント2cが実際に発生すると(現在使用されているUTRAN周波数が予め定められた絶対閾値を下回ると)、図8の動作8−3として示すように、その発生がユーザ装置(UE)によってネットワークへ報告される。そして、動作8−4で表されるように、ネットワークは周波数間測定を許可するための圧縮モードの使用を開始させるため、ユーザ装置(UE)宛ての物理チャネル再構成メッセージを用いる。
【0091】
圧縮モードが開始されると、動作8−5によって示されるように、ネットワークはユーザ装置(UE)に周波数間測定の実行及び、トリガイベント2bがトリガされた際の測定報告送信を指示する。上述の通り、周波数間トリガイベント2bは、(1)現在用いられるUTRAN周波数のUTRAN品質推定が所定の閾値(例えば”Q_search_for_another_frequency”)を下回り、かつ(2)未使用のUTRAN周波数のUTRAN品質推定が別の閾値(例えば”Q_accept_another_frequency”)を上回った際に発生する。
【0092】
周波数間トリガイベント2bが実際に発生すると、ユーザ装置(UE)は測定報告を(動作8−6のように)送信し、この報告はまた周波数間トリガイベント2bがトリガされたことの確認にも役立つ。そして、これに応答して、動作8−7のように、ネットワークは周波数間ハンドオーバを開始する。周波数間ハンドオーバが成功裏に実行された場合、古い周波数についてのUTRAN内の資源は解放され、接続は新しいUTRAN周波数を用いて継続される。
【0093】
特に上述の検討に照らせば、動作8−1及び8−2は、例えばユーザ装置への同一ネットワークメッセージ中において同時に起こり得る。
【0094】
選択された周波数から戻るためのヒステリシス保護は、上述した2つの閾値の差、例えば少なくとも差[(Q_accept_another_frequency)−(Q_search_for_another_frequency)]である。いずれの閾値も同一セル上の測定に対して比較される。閾値”Q_search_for_another_frequency”に対する比較のための測定サンプルが概してより頻繁に得られる点のみが異なる。提案された閾値定義のこの性質により、オペレータに比較的小さいヒステリシスの利用を可能にする異なるUE実装に対し、ヒステリシス保護が堅実かつ安定になる。小さなヒステリシスは必要とされる周波数間のカバー範囲重複を削減する。削減されたヒステリシス要求はまた、大きなヒステリシスが必要な場合と比べ、UTRAN周波数がより広い領域で他の周波数によりオフロードされることを可能にする。
【0095】
本技術分野に属する当業者は、動作8−4で指示された圧縮モードがどのようにして周波数間測定を促進するかを理解するであろう。手短に言えば、図9の例に示すように、圧縮モードにおいてはフレームFGといった一部のスロット(例えばフレーム)が測定に用いられる。フレームFG等のこれら優位な測定フレーム(又は”圧縮”フレーム)は、周波数間測定に利用可能な伝送ギャップGを含む。図9に示されるように、(例えばBERやFER等で判定される)品質を、処理利得の削減による影響なしに維持するため、圧縮フレームFGにおいて瞬時送信電力が増加される。圧縮されたフレームの速度及び形式は可変であり、ネットワークによって制御されるとともに、環境及び測定要求に依存する。
【0096】
以下により詳しく説明するように、本発明の原理はユーザ装置(UE)が2つのシステムとの接続能力を有する際のシステム間ハンドオーバにも適用可能である。システム間ハンドオーバの様々なシナリオ例が図3A−図Dに関して示され、以下の適切な場合に検討される。好都合なことに、システム間ハンドオーバのシナリオ例は上で検討した本発明の品質推定に関する見地を用いることが可能である。
【0097】
図3Aに示すシステム間ハンドオーバシナリオの第1例は、アクティブセットを第1のUTRANシステムに、仮想アクティブセットを第2のUTRANシステムに有するデュアルシステムユーザ装置(UE)を示す。第1のUTRANシステムから第2のUTRANシステムへのハンドオーバのための比較を行う際、数式1で与えられるような品質推定を用いることが可能である。システムハンドオーバを見越して比較を行う際、UTRAN周波数に対する数式1のUTRAN品質推定は、ソフトハンドオーバからの予期されるマクロダイバーシチ利得をある程度考慮する。さらに、品質推定は、システム間ハンドオーバを行う際、最良のセルのみが品質推定に含まれる場合と比較して、より低い信号レベルでネットワークにUTRANセルを利用可能にする。好都合なことに、アクティブセットに対する品質推定は、周波数内報告イベントにおいて報告範囲の計算に用いられるものと同じ数式を用いることが可能である。さらに、品質推定は(1)圧縮モード測定をいつ開始するかの判定、(2)UTRAN周波数上で用いられるUTRANセルからGSMセルへのシステム間ハンドオーバを行うべきかの判定等の決定における判断基準として使用可能である(図3Dのシナリオととともに以下更に説明する)。
【0098】
図3Bに示す、システム間ハンドオーバの第2例は、アクティブセットを第1のUTRANシステム内に、仮想セットを第2の他の(例えば、非UTRAN)システム内に有するデュアルシステムユーザ装置(UE)を示す。図3Bのシナリオに示す”他の”(非UTRAN)システムはソフト周波数内ハンドオーバを許すシステムである。例えば、図3Bの第1の他のシステムはIS−95システムであり、図3Bの第2の他のシステムはCDMA2000システムである。
【0099】
図3Cに示すシステム間ハンドオーバの第3例において、数式1で与えられるような品質推定は非ソフト周波数内ハンドオーバ形式のシステム(例えばGSMシステム)から別のシステム(例えばUTRANシステム)へのハンドオーバのための比較に使用可能である。特に、図3Cのシナリオにおいて、ユーザ装置(UE)はGSMシステム内のセルFを用いている。しかし、起こりうるUTRANシステムへのハンドオーバを予期し、ユーザ装置(UE)は第1の仮想アクティブセットを第1UTRAN周波数(周波数1)上に、第2の仮想アクティブセットを第2UTRAN周波数(周波数2)上に維持する。第1の仮想アクティブセットはセルA,B,Cから、第2の仮想アクティブセットはセルD及びEを含む。
【0100】
従って、図3Cのシナリオのシステム間比較において、数式1のUTRAN品質推定はUTRAN周波数を有するシステムに用いられる。一方、GSMセルの品質推定は主に(1)GSM搬送波無線信号強度表示(RSSI)の測定及び、(2)無線基地局IDコード、基地局識別コード(BER)が確認されたか否かの2つの要因に基づく。RSSI及びBERは続く2つの段落において簡単に説明する。
【0101】
参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,006,077号に開示されるように、時分割多元アクセス方法を用いるセルラ電話はGSMと呼ばれる欧州セルラ標準又は、例えば、それぞれD−AMPS、IS54、IS136又はPCS1900と呼ばれる米国TDMA標準のいずれかに準拠し、送信タイムスロットと受信タイムスロットの間の空き時間を周波数変更及び他の基地局の信号強度を監視するために使用可能である。同一基地局に対し、複数の信号強度測定が平均化されてもよい。移動局は呼の進行中であっても、周囲の基地局から受信した信号強度測定を行う。これらの測定を用いて移動局アシストハンドオーバ(MAHO)を実施することが可能である。平均値は一般に現在サービスを提供している基地局へ報告され、その基地局は他の基地局へのハンドオフを行うべきか否かを判定する。移動局は一般にMAHO RSSI測定を、低ビットレートの、低速付随制御チャネル又はSACCHと呼ばれる帯域内シグナリングチャネルを用いて、ネットワーク局へ報告する。ネットワークは進行中の呼を処理するのに最適な基地局、好ましくは移動局がもっとも強く受信している基地局を決定するため、SACCH測定を用いる。
【0102】
GSMにおいて、セル選択又はセル再選択のため、すなわち無線セルの基地局への接続を設定するため、ユーザ装置(UE)は基地局から送信されるBCCH(同報制御チャネル)の搬送波周波数に同調し、BCCHデータを読みとる。BCCHデータはシステム情報及びBER(無線基地局IDコード、基地局識別コード)を含む。このようにして選択された無線セルはサービス提供セルと呼ばれる。標準化されたGSM勧告によれば、移動無線局は少なくとも30秒毎にサービス提供セルのBCCH復号化を試みるようになっている。さらに、無線移動局は少なくとも10秒毎にもっとも大きな平均受信レベルを有する他の基地局のBSICを確認することになっている。BSICは同期バースト(SB)によって、シグナルビーム中のBCCH上で伝送される。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,002,940号を参照されたい。
【0103】
GSMセルに対する品質推定取得についての基本的な説明に戻って、ユーザ装置(UE)はGSMセル上の測定開始時にBSICを確認するものと仮定されている。ユーザ装置(UE)がBSICの確認が済む前に測定報告を送信する場合、ユーザ装置(UE)はBSICが未確認であることをその測定報告に表示はするが、その周波数上のRSSI情報をネットワークに提供する。ネットワークはユーザ装置(UE)に、測定するGSMセルについてBSIC確認を周期的又はネットワークからの要求時に一度行うよう要求する選択肢を有する。
【0104】
図11は、GSMシステムからUTRANシステムへ(例えば、1つ又は複数のUTRANセルへ)のハンドオーバに関連してUTRAN品質推定を用いるシナリオの代表例を示す。
【0105】
ネットワークは、動作11−2等の測定報告から、現在サービスを提供しているGSMセル(即ち、最良GSMセル)の品質が、オペレータ定義の閾値(例えば、閾値”Q_search_for_UTRAN”を下回ったことを判定する。この判定が起こった場合、ユーザ装置(UE)は(動作11−3の)測定制御メッセージにより、UTRANセルの測定開始及びイベント3y発生時の報告を指示される。イベント3yは(1)現在使用されているGSMセルに対して推定された品質が指定された閾値(例えば、閾値”Q_search_for_UTRAN”)未満であり、かつ(2)UTRAN周波数に対するUTRAN品質推定が許容可能な閾値(例えば、閾値”Q_accept_UTRAN”)を超えている場合に発生するよう定義される。UTRANセル上の測定はまた、ユーザ装置(UE)が、UTRAN隣接セルを持つようにオペレータが定義したGSMセルに接続されている場合にもトリガされうる。
【0106】
最初、図11のシナリオにおいて、ユーザ装置(UE)はGSMセルをキャンプオンしている。動作11−1はユーザ装置(UE)がGSM仕様に従って行うべき測定のために、隣接セルを含むGSMセルのリストをネットワークから受信していることを表している。動作11−1のリストを受信すると、ユーザ装置(UE)はGSMセル測定結果を周期的に報告する。動作11−2はネットワークへのGSMセル測定結果報告の一例を示している。
【0107】
動作11−2等の測定報告から、ネットワークは現在サービスを提供しているGSMセル(即ち、最良GSMセル)の品質がオペレータ定義の閾値(例えば、閾値”Q_search_for_UTRAN”を下回ったことを判定する。この判定が起こった場合、ユーザ装置(UE)は(動作11−3の)測定制御メッセージにより、UTRANセルの測定開始及びイベント3y発生時の報告を指示される。イベント3yは(1)現在使用されているGSMセルに対して推定された品質が指定された閾値(例えば、閾値”Q_search_for_UTRAN”)未満であり、かつ(2)UTRAN周波数に対するUTRAN品質推定が許容可能な閾値(例えば、閾値”Q_accept_UTRAN”)を超えている場合に発生するよう定義される。UTRANセル上の測定はまた、ユーザ装置(UE)が、UTRAN隣接セルを持つようにオペレータが定義したGSMセルに接続されている場合にもトリガされうる。
【0108】
周波数間トリガイベント3yが実際に発生すると、ユーザ装置(UE)は(動作11−4として)測定報告を送信する。この測定報告はまた、イベント3yが発生したことの確認にも役立つ。そして、これに応答して、動作11−5としてネットワークはシステム間ハンドオーバを開始する。システム間ハンドオーバが成功裏に実行された場合、GSM内の資源は解放され、接続は1つ又は複数のUTRANセルを用いて継続する。
【0109】
上の説明から理解されるように、GSMからUTRANへのハンドオーバ実行時にGSM基地局からUTRAN RRCへの要求で送信されるGSMセルに接続された際の、UMTSセルに対するデュアルシステムユーザ装置(UE)測定に基づいて、デュアルシステムユーザ装置(UE)はUMTSシステム用の仮想アクティブセットを1つ又はいくつか維持してもよい。
【0110】
Q_acccept_UTRAN及びQ_search_for_GSMを用いる上述のシナリオは、仮想アクティブセット能力を用いるであろうアルゴリズムの単なる一例に過ぎない。ユーザ装置(UE)はGSMセルをキャンプオンしながら、UTRANセルに対する測定から仮想アクティブセットの見解を生成することができ、この仮想アクティブセットはシステム間ハンドオーバがUTRANにトリガされる際の開始時におけるデフォルトアクティブセットとして使用可能である。
【0111】
図3Dに示すシステム間ハンドオーバの第4例において、システムハンドオーバはUTRANシステムから非ソフト周波数内ハンドオーバ形式システム(例えばGSMシステム)に起こる。具体的には、図3Dのシナリオ例において、ユーザ装置(UE)は第1のUTRAN周波数(周波数1)上にアクティブセットを、第2のUTRAN周波数(周波数2)上に仮想アクティブセットを有し、GSMシステムのセルFを監視する。アクティブセットはセルA,B,Cを、仮想アクティブセットはセルD及びEを含む。
【0112】
UTRANシステムからGSMシステムへのシステム間ハンドオーバが予期される場合、GSM内には仮想アクティブセットが無いものとして、だだ1つのGSMセル(例えばセルF)が目標と見なされる。図4のシナリオ例において、第1のUTRAN周波数からGSMへ、又は第1のUTRAN周波数から第2のUTRAN周波数へのハンドオーバを行うための決定は、アクティブセットの推定品質及び、(1)アクティブセットの推定品質と仮想アクティブセットの推定品質との比較、(2)アクティブセットの推定品質とGSMセルの推定品質との比較に基づくことが可能である。
【0113】
図10は、専用物理チャネルを用いるユーザ装置(UE)(例えば、Cell_DCH状態にあるUE)が、図3DのシナリオのようにUTRANシステムからGSMへハンドオーバを実行する際に含まれる基本動作の典型的なシーケンスを示す。図10において、”ネットワーク”はUTRANネットワークを指す。図10のシーケンスが特に第1のUTRAN周波数からGSMセルへのハンドオーバに含まれる動作に関することを理解すべきであるとともに、第1のUTRAN周波数から第2のUTRAN周波数へのハンドオーバの実現可能性を検討するための動作も並行して実施可能であることを理解されたい。
【0114】
動作10−1として、ネットワークはユーザ装置(UE)に周波数無い測定の実行を指示する。図8のシナリオのように、ユーザ装置(UE)はアクティブセット更新のために(上述した)イベント1A,1B,1Cを用いている。動作10−2はユーザ装置(UE)が起こりうる周波数内ハンドオーバ判定を促進するために、指定された周波数間トリガイベント2x(例えば、上述したトリガイベント2a,2b,2cの1つ)を用いるよう指示されていることを示す。すなわち、ユーザ装置(UE)は、現在使用されているUTRAN周波数に対するUTRAN品質推定が、予め定められた絶対閾値(例えば、閾値”Q_search_for_GSM”)よりも悪くなった際に、報告することを要求される。
【0115】
周波数間トリガイベント2xが実際に発生する(現在使用しているUTRAN周波数が絶対閾値を下回る)と、その発生は図10の動作10−3に示されるように、ユーザ装置(UE)によってネットワークへ報告される。そして、動作10−4に表されるように、ネットワークは、物理チャネル再構成メッセージを用いて、ユーザ装置(UE)に周波数間測定を許容するための圧縮モードの使用を開始させる。圧縮モードは図9に関して既に説明した。
【0116】
圧縮モードが開始されると、動作10−5のメッセージによって示されるように、ネットワークはユーザ装置(UE)に、システム間測定の実行及び、周波数間トリガイベント3xが発生時の測定報告送信を指示する。システム間測定トリガイベント3xは、(1)現在使用されているUTRAN周波数に対して推定された品質が指定された閾値(例えば、閾値”Q_search_for_GSM”)未満であり、かつ(2)最良のGSMセルが許容可能なGSM RSSI閾値(例えば、閾値”Q_accept_GSM”)を超えるGSM搬送波無線信号強度表示を有する場合に発生するよう定義される。
【0117】
システム間測定トリガイベント3xが実際に発生すると、ユーザ装置(UE)は測定報告を(動作10−6として)送信する。この測定報告はまた、システム間測定トリガイベント3xが発生したことを確認するのにも役立つ。動作10−6の測定報告は(例えば)無線基地局IDコード、基地局識別コード(BSIC)確認状態及び、GSMセルに対する観測時間差(観測時間差はユーザ装置(UE)からの情報であり、どのタイミングでGSMセルBCCHチャネルが見つかるかを、UMTSセルのタイミングの1つと関連して示す)といった他の情報を必要に応じて含むことが可能である。そして、これに応答し、ネットワークは動作10−7としてシステム間ハンドオーバを開始する。システム間ハンドオーバが成功裏に実施された場合、UTRAN内の資源は解放され、接続は1つ又は複数のGSMセルを用いて継続する。
【0118】
システム間ハンドオーバに対しては、ヒステリシス保護が提供される。例えば、図11のシナリオに示すように、GSMシステムからUTRANシステムへ戻るためのヒステリシス保護は、少なくとも、図11のシナリオにおいて説明された2つの閾値の差、例えば、少なくとも差分[(Q_accept_GSM)−(Q_search_for_UTRAN)]である。いずれの閾値も同一GSMセルにおいて測定されたGSM RXLEV値によって表される。RXLEVは測定報告において受信信号強度表示(RSSI)を有する情報要素の名前である。GSMセルをキャンプオンしている間、測定サンプルが概してより頻繁に得られることのみが異なる。図10のシナリオに対しても同様に、UTRANシステムからGSMシステムへ戻るためのヒステリシス保護は、少なくとも図10のシナリオにおいて上述した2つの閾値の差、例えば、少なくとも差分[(Q_accept_UTRAN)−(Q_search_for_GSM)]である。いずれの閾値もUTRAN UTRAN品質推定、例えば同一の1つ又は複数のUTRANセルで測定されたEc/N0測定として表される。UTRANセルをキャンプオンしている間、測定サンプルが概してより頻繁に得られることのみが異なる。
【0119】
上に与えられた閾値定義のこの性質により、オペレータに比較的小さいヒステリシスの利用を可能にする異なるUE実装に対し、ヒステリシス保護が堅実かつ安定になる。小さなヒステリシスは必要とされるシステム間のカバー範囲の重複を削減する。削減されたヒステリシス要求はまた、より大きなヒステリシスが必要な場合と比べて広い範囲において、GSMシステムがUTRANシステムによってオフロードされることを可能にする。図12は、第1のシステム(例えばGSMシステム)が第2のシステム(例えばUTRANシステム)のカバー範囲と完全には重複していないような、限られたカバー範囲に対する閾値設定を示すグラフである。一方、図13は、第1のシステム(例えばGSMシステム)が第2のシステム(例えばUTRANシステム)のカバー範囲と完全に重複しているような、限られたカバー範囲に対する閾値設定を示すグラフである。
【0120】
図14に示すように、同一領域内の異なるオペレータは異なる周波数を有するであろうため、本発明の原理は異なるオペレータ間(例えば、異なるUTRANオペレータ間)でのシステム間ハンドオーバにも提供可能である。
【0121】
上のシナリオに代表されるような、本発明のシステム間ハンドオーバ技術は、以下に述べる利点を含む様々な利点を与える。例えば、ネットワークがシステム間測定の開始及び停止を制御するための好適なイベントを利用できる。GSMセルにおける無線信号強度表示(RSSI)測定は、GSM5.08:”ディジタルセルラ電気通信システム(フェーズ2+);無線サブシステムリンク制御(Ditital Cellular Telecommunication System (Phase 2+); Radio Subsystem Link Control)”で定められたものと同じマッピング及び範囲を用いることが可能である。
【0122】
本発明の技術は、待機モードシステム間セル再選択(Idel mode inter-system cell reselection)と調和する。即ち、待機モードセル再選択とシステム間ハンドオーバとで、同一のセル境界が得られる。この重要な点は、セル設定において選択されるセルがまたシステム間ハンドオーバ評価に従うセルとなること、すなわち、呼設定後の中間ハンドオーバが起こる可能性が低いことである。
【0123】
実行中の圧縮モードに依存する測定を行いながら、圧縮モードの再構成を行うことも可能である。本発明のある見地によれば、測定のための条件が満たされない場合(例えば、圧縮モードが切られている)、その表示が測定報告中に与えられる。ネットワークはまた、圧縮モードによって与えられる、限られた測定時間に関し、優先度を有する特定の測定を表示する能力を有する。
【0124】
上述したように、ユーザ装置(UE)が、有利に、測定したGSMセル周波数ID[無線基地局IDコード、基地局識別コード(BSIC)]が一度確認されたか否かの表示とともにシステム間測定結果を送信する。ネットワークは測定されたGSMセルの無線基地局IDコード、基地局識別コード(BSIC)の1度又は周期的な再確認を要求するオプションを有する。さらに、適切なヒステリシスを得るため、同一の測定対象及び数量について、ネットワークはユーザ装置(UE)に測定及び報告を要求するオプションを有する。
【0125】
システム間ハンドオーバで”仮想アクティブセット”を利用する典型的な場合は、GSMからUTRANへのハンドオーバが行われる場合である。仮想アクティブセットはシステムに、この特定のユーザ装置(UE)に対するハンドオーバの後最初のアクティブセットとして、仮想アクティブセットに示されるセルを使用するための準備を可能にする。UTRANからGSMへ移行する際の仮想アクティブセットの利用は、他の周波数から予期される品質を、現在の周波数上での品質のみならず、GSMから予期される品質とも比較可能にする。
【0126】
一部の状況において、システムが周波数間ハンドオーバ又はシステム間ハンドオーバのいずれを実行するかを選択可能であることをまた理解すべきである。
【0127】
ユーザ装置(UE)はシステム間測定をトリガするためのアクティブセットの品質推定を考慮することが可能である。
【0128】
FDDモードの動作に関して様々な例を説明してきたが、本発明の原理はTDDモードの動作からFDDモードの動作へ、あるいは任意のシステム、例えばGSM/GPRSからTDDモードの動作へのハンドオーバにも適用可能であることを理解すべきである。
【0129】
上述の通り、本発明においてネットワークは、UEに未使用周波数上の”仮想アクティブセット”を有利に与える。仮想アクティブセットは、周波数内測定のための全イベントが、周波数間測定の報告に再利用可能とすると同時に、現在使用されていない周波数上の仮想アクティブセットの維持をサポートする。これは、ネットワークが、周波数間ハンドオーバがなされてからできるだけ早く最適なアクティブセットを用いてUEへの通信を確立することをサポートする。
【0130】
ある場合において、本発明は典型的にはより低い測定精度となり得、また他の周波数に対する”仮想アクティブセット”の大きさにおいても異なりうる。
【0131】
本発明を現時点において最も現実的かつ好ましい実施例と思われるものに関して説明してきたが、本発明は開示された実施例に限定されるべきでものではなく、反対に様々な変形物及び等価構成を含むよう意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信ネットワークであって、
ユーザ装置(UE)が、1つのセル又は第1の周波数上の基地局の現行アクティブセットの1つを用い、第2の周波数上の基地局の仮想アクティブセットを維持することによって、前記ユーザ装置(UE)で行なわれる周波数測定の結果必要であれば前記基地局の仮想アクティブセットへの切替が可能であることを特徴とするネットワーク。
【請求項2】
前記ユーザ装置(UE)で行われる前記周波数測定が周期的に、直ちに、又は所定のイベントに応答してトリガされることを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
【請求項3】
測定トリガ基準に応答して、前記ユーザ装置(UE)が前記第2の周波数に対する周波数間測定の実施及び報告を行うことを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
【請求項4】
前記ユーザ装置(UE)に前記第2の周波数に対する周波数間測定の実施及び報告を行わせる前記測定トリガ基準が、前記ユーザ装置(UE)に前記第1の周波数に対する周波数内測定の実施及び報告を行わせる基準と同一であることを特徴とする請求項3記載のネットワーク。
【請求項5】
前記測定トリガ基準が周期的に、直ちに、又は所定のイベントに応答してなされることを特徴とする請求項3記載のネットワーク。
【請求項6】
前記ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定の結果、必要であれば、前記ユーザ装置(UE)が前記基地局の仮想アクティブセットへ切り替えできるよう、前記ネットワークが周波数間ハンドオーバコマンドを前記ユーザ装置(UE)に発行することを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
【請求項7】
前記ネットワークが前記基地局の前記第2の周波数上の仮想アクティブセットに関する情報を測定制御メッセージ内で供給することを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
【請求項8】
前記測定制御メッセージがDCCH制御チャネルに含まれることを特徴とする請求項7記載のネットワーク。
【請求項9】
前記測定制御メッセージが測定すべき測定パラメータ及び測定をトリガする所定の測定イベントのいずれかを更に含むことを特徴とする請求項7記載のネットワーク。
【請求項10】
前記ネットワークが、仮想アクティブセット更新手順において、前記第2の周波数上の仮想アクティブセットの少なくとも1つのメンバを供給することを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
【請求項11】
前記ネットワークが前記ユーザ装置(UE)に、前記ユーザ装置(UE)で行われる前記周波数測定の結果が条件を満たす際、前記ユーザ装置(UE)が自立的に前記基地局の仮想アクティブセットを更新することを許可する委任メッセージを送信することを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
【請求項12】
前記委任メッセージが、前記基地局の仮想アクティブセットの更新を、前記ユーザ装置がまず測定報告を前記ネットワークに送信する必要なくトリガ可能なイベント又はパラメータの1つを指定することを特徴とする請求項11記載のネットワーク。
【請求項13】
前記第2の周波数上の基地局の仮想アクティブセットが前記第1の周波数上の基地局の仮想アクティブセットを維持する第1のオペレータと異なる第2のオペレータによって維持されることを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
【請求項14】
前記第2の周波数上の基地局の仮想アクティブセットが前記第1の周波数上で提供される第1のネットワークシステムと異なる第2のネットワークシステムを含むことを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
【請求項15】
前記第2のネットワークシステムがUMTS(universal mobile telecommunications)システムであり、前記第1のネットワークシステムがGSM(Global System for Mobile)システムであることを特徴とする請求項14記載のネットワーク。
【請求項16】
前記第2のネットワークシステムがソフト周波数内ハンドオーバを用い、前記第1のネットワークがUMTS(universal mobile telecommunications)システムであることを特徴とする請求項14記載のネットワーク。
【請求項17】
前記ネットワークが、ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定が前記基地局の仮想アクティブセットへの前記切り替えを必要とする場合を前記周波数品質推定を用いて決定することを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
【請求項18】
前記周波数品質推定が数式1によって与えられることを特徴とする請求項17記載のネットワーク。
【請求項19】
前記周波数品質推定が(1)搬送波無線信号強度表示(RSSI)及び(2)無線基地局IDコード/基地局識別コード(BSIC)が確認されたか否か、の2要因に基づくことを特徴とする請求項17記載のネットワーク。
【請求項20】
前記ネットワークが、ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定が前記基地局の仮想アクティブセットへの前記切り替えを必要とする場合を判定するため、前記周波数品質推定を少なくとも1つの閾値と比較することを特徴とする請求項17記載のネットワーク。
【請求項21】
前記少なくとも1つの閾値がヒステリシス保護を与えるために選ばれることを特徴とする請求項20記載のネットワーク。
【請求項22】
電気通信ネットワークであって、
ユーザ装置(UE)が、1つのセル又は第1の周波数上の基地局の現行アクティブセットの1つを用い、第2の周波数上の基地局の仮想アクティブセットを維持することによって、前記ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定の結果必要であれば前記基地局の仮想アクティブセットへの切替が可能であり、さらに前記第2の周波数上の前記基地局の仮想アクティブセットが、前記第1の周波数上の前記基地局の現行アクティブセットを維持する第1のオペレータと異なる第2のオペレータによって維持されることを特徴とするネットワーク。
【請求項23】
前記ネットワークが、ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定が前記基地局の仮想アクティブセットへの前記切り替えを必要とする場合を前記周波数品質推定を用いて決定することを特徴とする請求項22記載のネットワーク。
【請求項24】
前記周波数品質推定が数式1によって与えられることを特徴とする請求項23記載のネットワーク。
【請求項25】
前記周波数品質推定が(1)搬送波無線信号強度表示(RSSI)及び(2)無線基地局IDコード/基地局識別コード(BSIC)が確認されたか否か、の2要因に基づくことを特徴とする請求項23記載のネットワーク。
【請求項26】
前記ネットワークが、ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定が前記基地局の仮想アクティブセットへの前記切り替えを必要とする場合を判定するため、前記周波数品質推定を少なくとも1つの閾値と比較することを特徴とする請求項23記載のネットワーク。
【請求項27】
前記少なくとも1つの閾値がヒステリシス保護を与えるために選ばれることを特徴とする請求項26記載のネットワーク。
【請求項28】
電気通信ネットワークであって、
ユーザ装置(UE)が、1つのセル又は第1の周波数上の基地局の現行アクティブセットの1つを用い、第2の周波数上の基地局の仮想アクティブセットを維持することによって、前記ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定の結果必要であれば前記基地局の仮想アクティブセットへの切替が可能であり、さらに前記第2の周波数上の前記基地局の仮想アクティブセットが、前記第1の周波数上に設けられている第1のネットワークシステムと異なる第2のネットワークシステムを含むことを特徴とするネットワーク。
【請求項29】
前記ネットワークが、ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定が前記基地局の仮想アクティブセットへの前記切り替えを必要とする場合を前記周波数品質推定を用いて決定することを特徴とする請求項28記載のネットワーク。
【請求項30】
前記周波数品質推定が数式1によって与えられることを特徴とする請求項29記載のネットワーク。
【請求項31】
前記周波数品質推定が(1)搬送波無線信号強度表示(RSSI)及び(2)無線基地局IDコード/基地局識別コード(BSIC)が確認されたか否か、の2要因に基づくことを特徴とする請求項29記載のネットワーク。
【請求項32】
前記ネットワークが、ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定が前記基地局の仮想アクティブセットへの前記切り替えを必要とする場合を判定するため、前記周波数品質推定を少なくとも1つの閾値と比較することを特徴とする請求項29記載のネットワーク。
【請求項33】
前記少なくとも1つの閾値がヒステリシス保護を与えるために選ばれることを特徴とする請求項32記載のネットワーク。
【請求項34】
前記第2のネットワークシステムがUMTS(universal mobile telecommunications)システムであり、前記第1のネットワークシステムがGSM(Global System for Mobile)システムであることを特徴とする請求項28記載のネットワーク。
【請求項35】
前記第2のネットワークシステムがソフト周波数内ハンドオーバを用い、前記第1のネットワークがUMTS(universal mobile telecommunications)システムであることを特徴とする請求項28記載のネットワーク。
【請求項36】
電気通信システムを操作する方法であって、
ユーザ装置(UE)が、1つのセル又は第1の周波数上の基地局の現行アクティブセットの1つを用いるステップと、
第2の周波数上の基地局の仮想アクティブセットを維持するステップと、
前記ユーザ装置(UE)で行われた周波数測定の結果、必要であれば、前記ユーザ装置(UE)が前記基地局の仮想アクティブセットへの切り替えを行うステップを有することを特徴とする方法。
【請求項37】
前記ユーザ装置(UE)で行われる周波数測定を周期的に、直ぐに、又は所定イベントに応答してトリガするステップをさらに有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記ユーザ装置(UE)が、前記第2の周波数に対する周波数間測定を実行するとともに、測定トリガ基準に応答して報告するステップをさらに有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項39】
前記ユーザ装置(UE)に前記第2の周波数に対する周波数間測定を実行及び報告させる前記測定トリガ基準が、前記ユーザ装置(UE)に前記第1の周波数に対する周波数内測定実行及び報告させる基準と同一であることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記測定トリガ基準が周期的、直ちに、もしくは所定のイベントに応答したものであることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項41】
前記ユーザ装置(UE)でなされた前記周波数測定が必要とする場合、前記ユーザ装置(UE)が前記基地局の仮想アクティブセットへの切り替え可能となるよう、前記ネットワークはユーザ装置(UE)に周波数間ハンドオーバコマンドを発行するステップをさらに有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項42】
前記ネットワークが、前記第2の周波数上の前記基地局の仮想アクティブセットに関する情報を、測定制御メッセージ中で供給するステップをさらに有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項43】
DCCH制御チャネルに前記測定制御メッセージを含ませるステップをさらに有することを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項44】
測定すべき測定パラメータ及び、測定をトリガする所定の測定イベントの1つをさらに前記測定制御メッセージに含ませるステップを更に有することを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項45】
仮想アクティブセット更新手順において、前記ネットワークが前記第2の周波数上の前記基地局の仮想アクティブセットの少なくとも1つのメンバを供給するステップを更に有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項46】
前記ネットワークが前記ユーザ装置(UE)に、前記ユーザ装置(UE)でなされた前記周波数測定の結果、必要であれば前記ユーザ装置(UE)が自立的に前記基地局の仮想アクティブセットを更新することを許可する委任メッセージを送信するステップを更に有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項47】
前記委任メッセージにおいて、前記ユーザ装置(UE)が最初に測定報告を前記ネットワークに送信する必要なしに前記基地局の仮想アクティブセットの前記更新をトリガ可能な、イベント又はパラメータの1つを指定するステップを更に有することを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記第1の周波数上の前記基地局の現行アクティブセットを維持する第1のオペレータと異なる第2のオペレータによって、前記第2の周波数上の前記基地局の仮想アクティブセットを維持するステップを更に有する子を特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項49】
前記第2の周波数上の前記基地局の仮想アクティブセットが、前記第1の周波数上に設けられた第1のネットワークシステムと異なる第2のネットワークシステムを含むことを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項50】
前記第2のネットワークシステムがUMTS(universal mobile telecommunications)システムであり、前記第1のネットワークシステムがソフト周波数内ハンドオーバを有するシステムであることを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記第2のネットワークシステムがGSM(Global System for Mobile)システムであり、前記第1のネットワークシステムがUMTS(universal mobile telecommunications)システムであることを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項52】
ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定が前記基地局の仮想アクティブセットへの前記切り替えを必要とする場合を決定するため、前記周波数品質推定を用いるステップを更に有することを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項53】
前記周波数品質推定が数式1によって与えられることを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記周波数品質推定が(1)搬送波無線信号強度表示(RSSI)及び(2)無線基地局IDコード/基地局識別コード(BSIC)が確認されたか否か、の2要因に基づくことを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項55】
前記ネットワークが、ユーザ装置(UE)でなされる周波数測定が前記基地局の仮想アクティブセットへの前記切り替えを必要とする場合を判定するため、前記周波数品質推定を少なくとも1つの閾値と比較するステップを更に有することを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも1つの閾値がヒステリシス保護を与えるために選ばれることを特徴とする請求項55記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−39622(P2012−39622A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−179200(P2011−179200)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【分割の表示】特願2001−524389(P2001−524389)の分割
【原出願日】平成12年9月15日(2000.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】